蠢動するペディグリー(作者 海鶴
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#冥海機ヤ・ウマト  #朝鮮半島海域のアルタン・ウルク  #アルタン・ウルク 

●パラドクストレイン
 レーネマクダ・デルトダウ(テト・カフ・g08563)は集まってきたディアボロスたちを前に静かに一礼する。
「お集まり頂きありがとうございます。皆様のご活躍により舞鶴鎮守府のジェネラル級冥海機『龍驤』を撃破することに成功いたしました。まだ佐世保基地は顕在のようですが、冥海機の日本海側での活動は大きく制限されることでしょう」
 彼女の言葉にディアボロスたちは、冥海機による京都・奈良といった地域への最終人類史への攻撃の可能性は大きく減ったことを推測するだろう。
 だが、懸念もある。
『龍驤』は冥海機ヤ・ウマトへのアルタン・ウルクの侵攻を防ぐ役割を担っていたようである。
 この撃破によってアルタン・ウルクによる冥海機ヤ・ウマトへの本格的な侵攻を招く可能性が示唆されている。
「この問題への対応は攻略旅団での提案を待つ形になりますが、当面のアルタン・ウルクへの対応は皆様に行って頂く必要がございます。どうかご助力を願いたく存じ上げます」

 とは言え、冥海機ヤ・ウマトに侵入してくる、アルタン・ウルクは最初は一体だけが偶発的に移動してくるようである。
 その後、この最初の一体を目標とするように、数体から十数体程度がディヴィジョン境界を越えて合流し、雪だるま式に戦力を増やし軍勢と化すというのだ。
「『龍驤』は最初の一体の段階でアルタン・ウルクを撃破していたようです。ですが、我々ディアボロスには、そこまでの精度での探索は現時点では不可能であると言えるでしょう」
 現状においてディアボロスが発見できるのはアルタン・ウルクが数体から十数体の群れになった時点で存在する海域を特定可能という段階なのだ。
 パラドクストレインは、その海域まで向かう。
 そこから十数体規模になったアルタン・ウルクを探索し、発見する必要がある。
「ですが、パラドクストレインは海域までしか特定できません。最後は皆様がアルタン・ウルクの潜伏先を予測し、捜索を行い発見次第撃滅していただく形になります」

 レーネマクダの言葉にディアボロスたちは頷く。
「アルタン・ウルクの軍勢化は冥海機ヤ・ウマトの戦況を大きく変化させることでしょう。これを防ぐためにはアルタン・ウルクに対して対処療法的な迎撃、撃破しかありません」
 とは言え、抜本的な対策を行うまでは、この状況が続くだろう。
 警戒態勢を解くことが出来ない、というのは厄介だ。
「『龍驤』が行っていたような早期警戒と対処法が確立すれば余裕も出ることでしょうが……これも攻略旅団での提案次第、となりましょう」
 しかし、今は目先の事に対処しなければならない。
 レーネマクダはパラドクストレインに乗り込むディアボロスたちを見送り、その武運を祈るのだった。

●朝鮮海域
 暗闇の……何処かは知れぬ場所において巨大な眼球を明滅させた生物がいた。
 その名は『アルタン・ウルク』。
 悍ましき姿。
 牙を持つ四足の獣とでも言うべき威容。
 彼らは語る言葉を持たない。元より意思疎通が可能であるという予測すら立たぬ存在。

 ただ、眼球を明滅させ続ける。
 なんのために。
 いかなる理由で。
 それを知り得ぬまま、しかし、『アルタン・ウルク』は身を伏せるようにただひたすらに巨大な眼球を明滅させ続けた。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回は冥海機ヤ・ウマトの朝鮮半島海域に侵入してきた『アルタン・ウルク』を撃破するシナリオになります。
 ジェネラル級冥海機『龍驤』の撃破によって、これまでは早期発見、撃破によって対処されていた『アルタン・ウルク』ですが、ディアボロスである皆さんは『龍驤』のように早期発見ができない状況です。
 軍勢化するに至る前に『アルタン・ウルク』を発見し、撃滅する必要があります。

 ①アルタン・ウルクの捜索(朝鮮半島海域)(👑3)
 パラドクストレインの向かった海域の何処かにて潜伏する『アルタン・ウルク』の所在を予測し、発見するための選択肢となります。
 この海域の何処かに潜む『アルタン・ウルク』の精密な所在がわかっていないこともあり、予測が当たることでしか発見できません。

 ②👾調査探索戦闘『アルタン・ウルク』(👑7)
 選択肢①によって発見した数体から十数体の群れとなっている『アルタン・ウルク』との戦いになります。
 これを放置すれば、『アルタン・ウルク』は軍勢化してしまうことでしょう。

 それでは迫る脅威『アルタン・ウルク』の蠢動、その所在を目指し進む皆さんの物語の一片となれますように、たくさんがんばります!
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


白石・明日香
厄介なことになったわね。しかし群れなすことで強くなるか・・・ワタシ達と同じ?ともかく探さないと
どでかいとはいえ広い日本海を探し回るは骨だわ・・・・
【水中適応】を使って水中を探して回るか。ダッシュで迅速に海底を移動して海溝とかアルタンが隠れられそうな岩陰とかを中心に探して回るか。
いくらアルタンでも隠れる知恵くらいはあるかもしれないしそうでないならそれはそれで重要な情報だしね・・
ま、巨体だから完全に隠れられるわけでもないでしょ!


 ジェネラル級冥海機『龍驤』の撃破は冥海機ヤ・ウマトにおいて『アルタン・ウルク』の侵入を阻む防波堤のようなものであったのだろうと白石・明日香(弔いの狩人・g02194)は理解する。
「厄介なことになったわね」
 ディヴィジョン境界を越えてくる『アルタン・ウルク』たち。
『龍驤』は侵入してきた『アルタン・ウルク』を高い精度でもって見つけ出し、これを撃破することで対処していたようであるが、今のディアボロスたちには『龍驤』のように『アルタン・ウルク』を即時発見できるような精度の高い方法を確立できていない。
 故に出来ることはパラドクストレインによる『アルタン・ウルク』の出現した海域において捜索を行うことだけだった。

「しかし群れなすことで強くなるか……ワタシ達と同じ?」
 推測が正しいのか。それとも誤っているのか。
 そのどちらも証明する手立てがない今、明日香はとにかく『アルタン・ウルク』の影を探すために日本海側の海域へと飛び込む。
 手繰り寄せる残留効果によって水中適応を得た彼女は海中へと潜る。
 これによって水中での呼吸ができ、水温と水圧の影響を受けずに会話や活動できることは大きな強みだった。
「『アルタン・ウルク』事態がでかいとは言え、広い日本海を探し回るのは骨だわ……」
 海域が特定できているだけでもまだマシだと言うことだろう。
 明日香はそう思いながら水中を往く。

 迅速に海底まで辿り着く。
『アルタン・ウルク』は最初の一体がディヴィジョン境界を乗り越え、その後に数体から数十体の群れになるのだという。軍勢化してしまえば、対処療法では手がつけられない状態になるのは明白だった。
 となれば、と明日香は考える。
 闇雲に探してもダメだ。
 狙うべき場所を定めなければならない。
「いくら『アルタン・ウルク』でも隠れる知恵くらいはあるかもしれないし、そうでないならそれはそれで重要な情報だしね……ま、巨体だから完全に隠れられるわけでもないでしょ!」
 狙うは海底の岩場。
 入り組んだ海底の地形ならば、海溝であったり、そうした身を潜伏させる場所があるはずだと彼女は海底を走る。

「と言っても海底……視界が悪いわね」
 暗闇のような海底。海面を見上げても光が届かぬような海底は、一層不気味だった。
 だが、同時に暗闇であるからこそ海底に光を放つ物を見つけることができる。
 明滅。
 一瞬の明滅だった。
「いえ、違うわね。一定の感覚で明滅しているってことは……人工物ないし、何かの意図を持って光を点滅させてるってことでしょ!」
 明日香は走る。
 海底を走りぬけ、岩場の影から近づけば、それが巨大な蠢くような四足の獣めいた存在であると知れるだろう。
 赤い眼球がいくつも体表に浮かぶ異形。
 それは。

「『アルタン・ウルク』……! やはり海底の岩場に隠れていた! こいつは……!」
 明日香は海底の岩場に存在していた『アルタン・ウルク』の赤い眼球の明滅を見た。
 そして、知るだろう。
 それは一体ではないことを。
 岩場の影から赤き眼球の明滅が見えたのは、この一体の『アルタン・ウルク』であったのならば見逃してしまうほどの小さなきっかけに過ぎなかったのだと。

 明日香の眼の前には数十を数える『アルタン・ウルク』たちが既に群れ為していた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

三笠・濃藍
コイツがアルタン・ウルクか……北米のイレギュラーとやらとは別ベクトルで醜怪だな

ガトリングを掃射し、能力値アップとダブルで機先を制しながら攻撃していく
突撃系のパラドクスなら、水中適応によって三次元的に回避すれば……ダメでも、海戦装で防御すれば少しはダメージを減らせるはず

そうしてヒット&ウェイでアルタン・ウルクを削って行き、こちらが消耗を抑えられる様に立ち回っていく

しかし問題は……アルタン・ウルクは何を感情エネルギーとしている?
蟲将のジェネラル級が融合世界戦に漂着した最期、何か意外なものを見た様に感じるが……

――まさか『大地の奪還』、或いは『知性体または大地への融合』そのものが感情エネルギーなのか?
そもそもなぜ、コイツの名は『アルタン・ウルク』なんだ?
この有様のどこが『黄金の氏族』――モンゴル帝国の帝族の血統を意味する?
全てのクロノヴェーダとディヴィジョンの名は全て意味があるものだ
なら『融合世界戦アルタン・ウルク』という名に全て意味があるはずだが……


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
もうここまで集まっていたのかよ。これ以上放置していたらなんて考えたくもない
悪いが領海侵犯は普通に罪なんだよ
早くどこに居るかを見極められる方法を見つけないと他のディヴィジョン攻略にも差し支えるかもな

【行動】
水中適応を借り残留効果2は全て使えるなら使う
仲間とは声を掛け合い積極的に連携していく

今回は特に相手が相手だ
互いに隙が出ないように行動する

まずは電光警棒の電流量の制限を解除し
鞭状になった電光を敵に打ち付ける
鞭は範囲内なら軌道を操作できるから
できるだけたくさんの敵を攻撃する

敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンで受けつつ
自分からも後方に跳んで威力を殺す
触手状の物質は電光警棒で受けて打ち据える

必要なら臨機応変に対処する


湯上・雪華
アドリブ、連携歓迎

ふふ、見つけられたなら、あとは殲滅するだけでいいですね
確実に、けれど手早く、仕留めていかないとこれ以上増えられたら手に負えなくなりますから
生態を調べつつ、試しつつ、ですかね
1回の戦闘でどこまで調べられるかも未知数ですし、不思議ばっかりです
では、渇望抱く伽藍、参ります


【水中適応】を使って、海底の地形を利用しつつ、立ち回りましょう
どういう挙動をしているか確認しつつ、端から仕留めますよ
敵が連携を取る素振りがあるのか、コミュニケーションをとっている素振りがあるのか、観察しつつです

観察にかまけて囲まれたり、不意打ちされたり、しないように気をつけつつです
動けなくなるような負傷には気を付けて動き回りましょう

反撃は、死角からの牙に警戒します
弾き飛ばせるものは弾き飛ばして、弾けない物は避けるか、左腕を盾にするかで防ぎましょう
足が無事なら動けますし、右腕が無事なら戦えますからね
殲滅しきるまで戦い続けましょう

好き勝手に食い散らかされるのはこちらとしても迷惑ですから


白石・明日香
うわぁ、これだけの群れができているとは・・・・・けどやるしかないか!
【水中適応】は引き続き使用。
虚空から出る牙なんか相手にしていられないから残像で攪乱しながらダッシュで接近。周囲の岩塊とかを盾にして牙を防ぎ間合いに入り込み早業呪詛、捨て身の一撃でまとめて薙ぎ払ってあげる!

とはいえ今回の目的は観察でもあるし戦いながらやらないとね。
こいつらは数多のクロノヴェーダを取り込んでいるけどもしかしてディアボロスも取り込んでいるのでは?だとしたらその特性も使っているはず。
一番は残留効果を使うことかな?あいつらの異常な戦闘能力の秘密に迫らなければ対応策も思いつかないしそれを確認してみましょう。
そうなると時間をかけなければならないけど・・・


 海底にて群れなす異形の獣『アルタン・ウルク』たちは、軍勢には至ってはいないものの、それなりの数が集結しつつあるようだった。
 その巨体を最初に発見した白石・明日香(弔いの狩人・g02194)は思わずうめいた。
「うわぁ、これだけの群れが出来ているとは……けどやるしかないか!」
 残留効果を手繰り寄せる。
 水中適応によって海中での呼吸に問題はない。
 だが、問題は『アルタン・ウルク』である。此方の存在を知った彼らが明日香に襲いかかってくるのは明白だった。

 物言わぬ獣は赤い眼球をギョロ付かせ、明日香を認識した瞬間パラドクスを放つ。
 虚空より現れる巨大な牙。
 それが明日香を切り裂かんと襲い掛かる。
「こいつら……!」
 明日香は迫る巨大な牙を受け止めながら、海底を走る。
 反撃のパラドクスより得られる瞬歩・加速(シュンポ・カソク)によって彼女は『アルタン・ウルク』へと飛び込み、攻撃を叩き込む。
 浮き上がる巨体。

 そこに三笠・濃藍(藍色の静寂・g09861)と荒田・誠司(雑草・g00115)のパラドクスが叩き込まれる。
 明日香が『アルタン・ウルク』を発見したとの報を受けて駆けつけてきたのだ。
「もう此処まで集まっていたのかよ」
「コイツが『アルタン・ウルク』か……北米のイレギュラーとやらとは別ベクトルで醜怪だな」
 濃藍のパラドクスがガトリングより放たれ、『アルタン・ウルク』の巨体へと叩き込まれる。迫る反撃を海戦装でもって受け止めながら濃藍は考える。
 異形なる巨体の獣。
 その姿もそうであるが、疑問に思ったのは何を感情エネルギーとしているのか、ということだった。
 クロノヴェーダは一般人たちの感情を求める。
 時に恐怖であったり、時に信仰であったりとクロノヴェーダによって異なる。けれど、この『アルタン・ウルク』は何の感情を求めているのか。

「――まさか『大地の奪還』、あるいは『知性体または大地への融合』そのものが感情エネルギーなのか?」
 考える。
 パラドクスの弾丸でもって集結しつつ在った『アルタン・ウルク』たちを打ち据えながら、その動きから何かが探れないかと彼女は思った。
「そもそも何故、コイツの名は『アルタン・ウルク』なんだ?」
 醜悪な獣。
 黒々とした蠢くような体躯。
「この有様のどこが『黄金の氏族』――モンゴル帝国の帝族の血統を意味する?」
 わからない。
『アルタン・ウルク』は言葉をはっしない。どれもが大小あれど、同じ外見をしている。その恐ろしさは、濃藍に違和感を覚えさせるものだったのだろう。

 だが、誠司は電光警棒を振るい、電光の鞭(ライトニング・ウィップ)の如き一撃でもって『アルタン・ウルク』を打ち据える。
「こいつらのディヴィジョンに向かえば答えもでるんじゃないか。とは言え、こいつらが何処に居るのか見極められる方法を見つけ出さない限りは攻略にも差し支えだろうが」
 打ち付けた一撃が海底を照らす。
 迫る一撃を誠司は立てで受け止め、威力を殺す。
 巨体であることはやっかいだが、戦えないわけではない。
「敵の数を減らす。一体でも残せば、仲間を呼び寄せることができるのなら!」
 誠司の言葉に湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)は頷く。

「ええ、見つけることができたのなら、確実に。けれど手早く仕留めていかないとこれ以上増えられたら手に追えなくなりますからね」
 雪華は『アルタン・ウルク』の挙動を観察していた。
 連携が取れるのか。コミュニケーションを『アルタン・ウルク』同士で取っているのか。
 それが分かれば、対処の仕方もできるかもしれない。
 今は少しでも新宿島に情報を持ち帰る時だった。だが、観察にかまけてもいられない。
「領海侵犯は普通に罪なんだよ」
「それはそうですね。ディヴィジョンの境界を越えてきている……この状況は対処療法に過ぎないのかもしれませんが……」
 だが、この海底に迫った『アルタン・ウルク』を放置してはおけない。
 ここで完全に倒しておかねば、冥海機ヤ・ウマトだけではなく、海に面している新宿島にも影響が及ぶかも知れない。
 そう思えばこそ、雪華は、その瞳をパラドクスに輝かせる。

「渇望抱く伽藍、参ります」
 空虚(ウツロ)たる呪詛。
 その開放によって迸るパラドクスが『アルタン・ウルク』たちの巨体を貪るようにして迫る。
 虚空より放たれる巨大な牙。
 受け止める。腕がえぐられるも、しかしそれでも右腕が無事ならば戦える。
 殲滅するまで戦い続ける。それが雪華である。
「好き勝手に食い散らかされるのはこちらとしても迷惑ですから」
「もうひと押しだ!」
 誠司の雷光の如き鞭が振るわれ、『アルタン・ウルク』の巨体を縛り付けるようにして動きを封じ、其処に濃藍のガトリングがパラドクスの弾丸を叩き込む。

「多くのクロノヴェーダを取り込んできたという『アルタン・ウルク』……もしかしたら、と思うが」
 明日香は『アルタン・ウルク』の異常な戦闘能力の秘密に迫りたいと思っていた。
 それを知らなければ対応策も思いつかないと思っていたのだ。
 残留効果は使うのか。
 もしかしたら、と彼女は思ったのかも知れない。
「ディアボロスも取り込んでいるのでは? だとしたら、その特性も使っているはずなのだが」
 判然としない。
 今の時点では明日香にはわからないことだった。だが、この戦いの情報を持ち帰れば、研究することもできるかもしれない。
「かといってじっくり時間を欠けて観察している暇もないか……!」
「ああ、こいつらは此処で倒し尽くさなければならない」
「すべてのクロノヴェーダとディヴィジョンの名はすべて意味があるものだ。なら、こいつらの名前が意味するところはなんだ……?」
 ディアボロスたちは未だ『アルタン・ウルク』の多くを知ることができないでいる。
 
 だが、この戦いが多くのことを詳らかにするきっかけになるかもしれない。
「一歩ずつ、くさびを打ち込むようにして進むしかない、ということなのでしょう」
 雪華は『アルタン・ウルク』の巨体を呪詛でもって打ち付け、打倒しながら呟く。
 そう、一足飛びにすべてが解決することなどない。
 これまでの戦いのように着実に歩みを進めていかねばならない。
「確かにね。なら、気合い入れていこうか」
 明日香はうなずく。
 海底にありてパラドクスの輝きが満ちる。

 まずは己たちがやらねばならぬことを。
 此処は波止場なのだ。
『アルタン・ウルク』という恐るべき軍勢を押し留めるための。
 ならば、自分たちは軍団を形成する前の『アルタン・ウルク』を倒し尽くさねばならない。
 迫るパラドクスの牙も。
 恐ろしげな赤い眼球も。
 己たちの役目を妨げる理由にはなっていないというようにディアボロスたちはパラドクスを輝かせ、海底に迫っていた『アルタン・ウルク』たちを打倒しつくす。

「討ち漏らしは」
「この場にとどまっていた『アルタン・ウルク』はすべて倒したと言ってもいいだろう。間違いないか」
「ええ、こちらでも確認しました」
「ならば、ひとまずはこの海域は安心ということだな。いや、いつまた『アルタン・ウルク』が境界を越えてくるかわからないか……」
 嘗てジェネラル級冥海機『龍驤』がしていたように高精度でもって『アルタン・ウルク』の出現を察知できれば、此処まで手間取ることもないのだろう。
 だが、未だディアボロスたちは、その方策を持ち得ないでいる。
 ないものねだりはできない。

 けれど、今回の戦いで情報を得ることはできた。
 これらの情報を統合すれば見えてくるものもあるだろう。この情報を持ち帰り、専門家に分析してもらうなどすれば効率的な対処法も見いだせるかもしれない。
 ディアボロスたちは、そのかすかな希望めいた光を手繰り寄せ、これまでそうしてきたように鎖のように強固なものとしていくのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!

最終結果:成功

完成日2024年01月12日

朝鮮半島海域のアルタン・ウルク

 ジェネラル級冥海機『龍驤』撃破時に得た情報から、冥海機ヤ・ウマト内の舞鶴の西(朝鮮半島付近にあたる海域)に、アルタン・ウルクが侵入してきている事が確認されました。
 侵入してきているアルタン・ウルクは少数に過ぎませんが、彼らを放置すれば、次々とアルタン・ウルクがディヴィジョン境界を越えて合流し軍勢化してしまうかもしれません。

 攻略旅団の提案によりアルタン・ウルクの動向をある程度察知することが可能となったので、侵入したアルタン・ウルクを発見・迎撃してください。
 アルタン・ウルクを迎撃する事で、アルタン・ウルクの軍勢化を防ぐことが出来るでしょう。また、多くのアルタン・ウルクを撃破していくことで、謎に満ちたアルタン・ウルクのディヴィジョンに関する情報を得られるかもしれません。


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#冥海機ヤ・ウマト
🔒
#朝鮮半島海域のアルタン・ウルク
🔒
#アルタン・ウルク


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選択肢『アルタン・ウルクの捜索(朝鮮半島海域)』のルール

 冥海機ヤ・ウマトの朝鮮半島海域に侵入したアルタン・ウルクの捜索を行います。
 アルタン・ウルクが侵入した海域の近くまでは、パラドクストレインで移動できますので、到着後は、その周辺海域を捜索して、侵入したアルタン・ウルクを発見してください。
 アルタン・ウルクが、海域の何処で何をしているかは不明なので、とにかく、色々と捜索を試してみてください。
 発見する事が出来た場合、アルタン・ウルクと戦闘を行う事が出来ます。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾調査探索戦闘『アルタン・ウルク』のルール

 敵の警戒が厳しい場所、或いは、多くの敵がいる事で、戦闘が見込まれる場所の調査を強行する選択肢です。
 敵の目を盗んだり、或いは、戦闘を行いつつ、必要な情報を集めていきましょう。
 戦闘中に行える程度の調査活動となるので、得られる情報は限定的となります。

 また、調査中に新たな敵が集まってくる可能性がある為、この選択肢は👑を大きく超えて採用される事はありません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。