最終人類史の初詣2024

 攻略旅団の提案により、最終人類史で初詣を行い、その信仰エネルギーを『円卓の間』のエネルギーとする作戦を行います。
 といっても、実際にやる事は、奪還済の日本各地の神社に向かい、初詣に参加するだけです。自然に『信仰』が溜まると思われます。
 奪還したオーストラリアについては、残念ながら『年越しに関係する宗教的習慣が盛んでない』為、信仰を集めるのには不向きですが、今後の事を考えて、ディアボロスの手で初詣の為の神社を建立して、初詣の作法などを教えてあげるのも良いかもしれません。

 オーストラリアは、大晦日は平日扱いで、1月1日は祝日となっていますが、2日からは平日となっているようです。
 なお、今年については、オーストラリア政府とも調整を行い、12月31日~1月3日までを、特別に祝日としています。

春迎えの祈花(作者 犬塚ひなこ
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●祈りの気持ち
 ――クロノ・オブジェクト『円卓』。
 円卓に信仰のエネルギーを集めて蓄えることができると判った今、やることはひとつ。
「この季節、そして信仰といえば……初詣です!」
 新年を迎えた現在、祈りの力は幸いを紡ぐ導になるはず。
 ぜひ信仰の力を集める手助けをして欲しいと願い、七篠・蝶々子(スノウメイジ・g07447)は仲間たちに微笑みかけた。
 一般人はもちろん、ディアボロスが率先して初詣で真剣にお祈りをすれば力が集まりやすくなる。そのためには楽しみながら今を過ごすという事柄も大事になってくる。

「ということでみなさま! 縁起の良い花を奉じる、春迎えの参拝にいってくださいませ」
 蝶々子が紹介したのは或る神社のこと。
 桜、梅、桃など。この神社では花の枝を象った『祈り花』を毎年作っている。
 たとえば、桜は五穀豊穣をあらわす縁起の良い謂れがある。
 梅は生命力の強さから病気を退けると謂われており、桃は厄災を寄せ付けない邪気払いの意味があるという。
「みなさまはお好きな花枝の祈り花を持って神社に参拝にいってください。お祈りや新年のご挨拶をしてから本殿に祈り花を奉納すれば、信仰の力もお参りの気持ちもぐっと高まります」
 少しずつ世界を奪還しているといっても未だ新の平和は遠く、邁進し続ける必要もある。
 桜ひとつとっても様々な花言葉があるので、その意味にちなんだ願いを込めてもいいだろう。不幸な出来事があったとしてもそれを乗り越え、より良い未来を紡ぐために。
「今こそ、前に進むための気持ちを込めて花を咲かせていきましょう!」
 たくさんの花が神社に奉納されれば、見た目も美しい光景となって心も弾む。世界を守るディアボロスが奉じた花の共演が見れるとなれば、此処に参りに訪れる人々の気持ちも明るく咲くはずだ。

 そして、蝶々子は近くで行われている催しについても語る。
「それからですね、なんと近くでは有志の方によるお餅つきイベントもやっています!」
 昔ながらの方法で臼と杵を使って餅をつく。
 材料や道具は近隣の人々が用意してくれているので心配はない。
 味も粒餡にきな粉、桜餡や抹茶餡など様々。砂糖醤油にお汁粉をはじめとして、蜂蜜胡椒という変わった食べ方もできるようだ。自分なりのアレンジがあればそちらを披露してみても良い。
「力に自信がある方、お餅つきを体験してみたい方はぜひぜひご参加ください。つきたては絶対においしいですよお」
 もちろん餅だけを食べに訪れるのも大歓迎。
 他にも温かいお茶が振る舞われるのでゆっくりと過ごしても良い。お腹を満たして美味しい気持ちを抱くこともまた、これからの戦いへのやる気に繋がる。
「それではみなさま、今年も頑張っていきましょう。えいえいえい、おー!」
 蝶々子は片手を大きく振り上げる。
 不幸や辛いことになど負けずに、強く進んでいくためにも――さぁ、新たな年の始まりを過ごそう。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【託されし願い】
2
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
3
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【活性治癒】
3
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【おいしくなあれ】
1
周囲の食べ物の味が向上する。栄養などはそのまま。効果LVが高いほど美味しくなる。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【アイテムポケット】
6
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV4 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV4 / 【リザレクション】LV2 / 【先行率アップ】LV3 / 【ドレイン】LV3 / 【ロストエナジー】LV3 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

犬塚ひなこ
 あけましておめでとうございます。
 こちらのシナリオは『最終人類史の初詣2024』です。

⏩できること
・お餅つきと実食
・祈り花の奉納と新年のお参り

 どちらでもお好きな方、または両方、やりたい部分だけでもOK。どうぞお好きにお過ごしください。
 行う順番はプレイングに書かれている順で描写いたします。

 祈り花は作り物ですが精巧なつくりになっており、桜・梅・桃から自由にお選びいただけます。
 縁起の良い意味を用いて願ったり、花言葉にちなんだ祈りを捧げたり、花の奉納とは別に通常の初詣のようにお参りを行うことも出来ます。皆様が奉納した花々が神社とこの先の未来を美しく彩っていくはずです。
 その他、一般的な神社で出来そうなことなどもご自由に行っていただいて大丈夫です。

●その他
 今回のシナリオは犬塚の担当するNPC、カペル・蝶々子・氷春もお呼び頂ければ登場いたします。
 お知り合いさんでも初対面さんでも遠慮なくお気軽にお声掛けください。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


伊呂波・十色
※アドリブ歓迎
(ピンク髪長髪ポニーテールの妖狐。大きなカバンを持って日本各地を旅して生活をしていた。)

初詣はいつも、だあれも見向きもしないような神社をめぐることが多かった。
けれど、今年はにぎやかな場所に行くのもありかなって。

あたしはディアボロスになってまだ日が浅いけれど、こうやって人のつながりを感じておくのは今後の為になると思うんだ。

ここの神社は…へえ、作り物のお花を捧げるんだね。
あたしもお花は大好きだから、とてもいい行事だと思うな。
あたしは自分のピンクの毛並みにあやかって、桃の花にしようかな。
明るい色の花がたくさん。新春にふさわしい光景だね。

最後に、お賽銭をして今年の願いを。
そうだなあ…記憶が戻りますように、はありきたりだし。
あたしの旅が、出会いが。よきものでありますように、かな。


●未だ見ぬ未来に願う縁
 澄んだ空気は清々しい気持ちを運んでくる。
 新年を迎えたばかりのこの日。大きな鞄を背負い、心持ちも新たに訪れたのは厳かな雰囲気に満ちた神社。
 冬の風は冷たく、思わず頬に片手を当てた伊呂波・十色(イロハニトイロ・g10863)。その髪はまるで春を運んできたかのような色彩だ。揺れる髪を風が撫でていく中、十色は鳥居を振り仰いだ。
「わ、青い空に朱が映えて綺麗」
 十色は鞄を軽く持ち直しながら視線を目の前に向ける。其処には境内に続く路が広がっており、参拝に訪れた人々の姿がちらほらと見えた。その様子に目を細めた十色は思い返す。
 初詣はいつも、誰も見向きもしないような神社に赴くことが多かった。
 けれど今年は気分を変えてみようと思っている。時逆の後、七曜の戦を経た世界は徐々に取り戻されつつある今、こういった賑やかさに満ちた場所に行くのも悪くはない。
「すごいな、人がいっぱい」
 十色はディアボロスになってまだ日が浅い。しかし、人のつながりを感じておくことが大切だと思っている。
 きっとこれは今後の為になるはずだとして、十色はゆっくりと歩を進めていく。
「ここの神社は……へえ、作り物のお花を捧げるんだね。奉納のためにそうしたのかな」
 先を見れば祈り花を持った人の姿がある。
 手水舎に本物の花を浮かべる花手水であったり生花を飾っている場所などもあるのだろうが、此処では用意と奉納のやりやすさを重視しているのだろう。
 上機嫌に双眸を細めた十色は祈り花が貰える場所に並んでみる。すると声が聞こえてきた。
「ねえねえお母さん、どれがいいかなあ」
「あなたの好きなお花でいいのよ」
「うーん……お父さんはどの花がいいと思う?」
「ゆっくりでいいから自分で選んでごらん」
 前の列にいる少女がどの花にしようか迷っているらしく、両親と話して相談しているようだ。仲睦まじい様子はとても微笑ましく、十色の気持ちもより明るくなっていく。
「あたしもお花は大好きだから、とてもいい行事だと思うな」
 桜に桃、梅。
 新春、あるいは春そのものの象徴である花々はどれも美しい。ちいさな花弁やその形、蕾までも再現されている祈り花を眺めていた十色は自分の髪をさらりと撫でた。
 あの花々の中で髪の色に一番似ているのは、きっとあの花だ。
「自分の色にあやかって、桃の花にしようかな」
 桃をください、と巫女さんに願った十色は両手を差し出す。柔らかな微笑みを浮かべている巫女さんと視線を交わせば、心にもちいさな花が咲いたかのように感じた。
「ふふ、あなたにぴったりのお花ですね」
「そう思ってくれるの? どうもありがとう、巫女さん」
 互いに言葉を交わした十色たちは軽く会釈をしあう。祈り花を手にして本殿の方に向かっていく十色は改めて周囲の様子を確かめていく。既に奉納された花々は可愛らしく神社を彩っていた。
 その瞳に華々しい光景を映しながら、十色は参拝と奉納に向かうことにする。
「明るい色の花がたくさん。まさに新春にふさわしい光景だね」
 本殿の前、奉納所を見つけて歩み寄ってみる。そうすれば自分が選んだ花が納められ、この場を飾る彩りのひとつとなっていった。ひと枝ずつはちいさくとも集まれば大樹のようにも見える。
 たくさんのひとの祈りが重なり、花を咲かせれば――世界は幸福の願いで包まれてゆく。
 これはいつか訪れるはずの未来を示している。そんな光景が目の前に広がっているようだと十色には思えた。
「そうだ、お賽銭」
 花に込めた思いに添えて、此処で今年の願いを。
 そうして十色は暫く考えはじめる。
「そうだなあ……何を願うかって結構大事かも。記憶が戻りますように、はありきたりだし……」
 神様に願っても構わないが少しだけ違う気もした。
 記憶を取り戻すのは自分の手で。
 きっとそれがいいと考えた十色は顔を上げる。お賽銭箱に腕を伸ばして五円玉を放り投げた十色。そのときにはもう、願うことは心の中に浮かんでいた。
 二礼二拍手一礼をしてから、十色は明るい笑みを浮かべる。
 両手を合わせたまま、未来に願うのは。

「あたしの旅が、出会いが。よきものでありますように――」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!

リリーベル・カンパネラ
春の花咲く淡空色の着物を着て

お着物ね、着せてもらったの
ちょっと早く春が来たみたいでね、とーってもステキ!
和服ってね、オトナな気分になれるから好きよっ

選んだ祈り花はね、勿論サクラさんっ!
えへへー、一目惚れしちゃったんだあ
リリィがここに来た季節に咲いてたお花さんでね、すごーくキレイだったからっ

お祈りするコトはね、やっぱり「五穀豊穣」かなぁ?
作物さんや他の植物さんでしょ、それからリリィの温室のお花さんたちも!
みんな健康で元気いっぱいに育ちますよーにっ
リリィもね、今年も沢山の植物さんたちと出逢いたいからっ
それにね、植物さんたちが元気だとね、リリィも嬉しいのっ

それからね、もう一つあったわ!
いつかね、パパとママに逢えますよーにっ
リリィね、ずうっと忘れないからね、パパとママのこと
リリィは元気だからね、何も心配要らないわ!
だからね、安心して眠っててだいじょーぶよっ

参拝が終わったらね、おみくじ引いちゃお!
どんな結果でもね、どんとこいよっ
リリィと逢うためにね、来てくれたおみくじさんだと思うから
※結果お任せ


●花丸の大吉
 あたらしい春と書いて新春。
 吹き抜ける風や雲模様は未だ冬の様相をしているが、心は既に新しい季を迎えているも同じ。
「さーむいっ! けれど清々しいの」
 リリーベル・カンパネラ(夜明けの福音・g09480)は神社の鳥居を見上げ、振り袖をぱたぱたと揺らす。春の花が咲く淡空色の着物を纏い、進んでいくリリーベルの気持ちは晴れ晴れとしている。
 東京の奪還が叶ったからか、参拝客もたくさん歩いていた。
 楽しげな友人同士、仲睦まじい親子や恋人など見える顔触れも様々。中にはリリーベルと同じ晴れ着に身を包んでいる人もいて嬉しくなってくる。リリーベルは改めて自分の着物を見てみる。
 ふわりと揺れる裾や袖に描かれた花は美しく可憐で心が弾む。着せてもらったときのことを思い返しながら、リリーベルは花が咲くような微笑みを浮かべた。
「ちょっと早く春が来たみたいでね、とーってもステキ!」
 その場でくるりと回ってみれば素敵だと思う気持ちがもっと大きくなっていく。
 和服を着たことで感じたのはオトナな気分。だからこそ大好きだという思いをいだき、リリーベルは歩いていった。
 鳥居の奥、授与所には祈り花が置かれている。
 春を象徴する花はどれも美しく、何を選んでも縁起が良いものになりそうだ。どちらにいたしますか、と問いかけてきた巫女さんに挨拶をした後、リリーベルは或る花枝を選んだ。
「どれもいいけれど、やっぱりサクラさんっ!」
「あら、すぐにお決まりになったのですね。はいどうぞ」
 にこやかに語った巫女さんはリリーベルに桜の祈り花を手渡す。笑みを返したリリーベルは嬉しげに花を受け取った。すぐに心が決まったことには理由がある。
「えへへー、一目惚れしちゃったんだあ」
 ありがとう、と告げたリリーベルは奉納場所へと歩を進めてゆく。
 桜はリリーベルがここに来た季節に咲いていた花。道行く中でも桜の木がちらほらと見えたので、きっとこの場所にも春になると桜が咲き誇るのだろう。
「すごーくキレイだったなぁ、サクラさん。今年もまた見れるのかな」
 冬が終わればきっとまたあの花に逢える。
 もうすぐ訪れる本当の春を楽しみにしながら、リリーベルは祈り花の奉納を行うことにした。新年にあたって願うことはどうしようか、と考えればたくさんのことが浮かぶ。
 しかし、この手の中に桜の花があるのなら――。
「お祈りするコトはね、やっぱり『五穀豊穣』かなぁ? いろんな作物さんや他の植物さんでしょ、それからリリィの温室のお花さんたちも!」
 本来の意味である願いを花に込めるのが一番。
 リリーベルはそっと桜の花枝を掲げ、祈りと共に奉納の儀とした。その際に自分の中にある思いも声として、リリーベルは真っ直ぐな気持ちで願う。
「みんな健康で元気いっぱいに育ちますよーにっ」
 この思いよ、未来に届け。
 耐え忍ぶとも謂われる冬をこえて、あらたな季節を巡らせるために。
「リリィもね、今年も沢山の植物さんたちと出逢いたいからっ。それにね、」
 ――植物さんたちが元気だとね、リリィも嬉しい。
 そういって、あたたかな思いを言葉に変えたリリーベルは一度、その場から離れようとした。だが、すぐにはっとして振り返った。願いがまだあることを思い出したのだ。
「それからね、もう一つあったわ! ――いつかね、パパとママに逢えますよーにっ」
 パパとママのことは、ずうっと忘れない。
 大好きな両親のことを想ったリリーベルは両手をそっと合わせて祈りを捧げた。今は直接届かなくても、いつかちゃんと届けられるように。二人が本当に目の前にいるかのようにリリーベルは明るい言葉を紡ぐ。
「リリィは元気だからね、何も心配要らないわ! だからね、安心して眠っててだいじょーぶよっ」
 最後に一度、お礼をしてからリリーベルは参拝と願いのひとときを終えた。
 これで今年は大丈夫、
 上機嫌に境内を歩いていくリリーベルは、先程から気になっていたおみくじを引きに向かう。
「花御籤、だよね。おみくじ引いちゃお!」
 それは花の絵柄が描かれたもの。どの花が出るかによって吉兆を占うらしい。どきどきしながらおみくじを選んだリリーベルはゆっくりと紙を開いていく。其処に描かれていた絵と文字は――。
「わぁ、サクラさん! それに大吉っ」
 これはきっとリリーベルと逢うために訪れてくれた花。そう思うと来たとき以上に心が弾んで軽やかになった。
 この花のように綺麗で誇らしく。
 そんな一年になっていくような気がして、リリーベルは満面の笑みを咲かせた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

土師・結良
燈子さん(g01965)と

祈り花、素敵な風習ですわね
花は燈子さんに、そしてわたくしにも、まさに打って付けですもの
だからか、しゃんとしながらも何処かそわそわしている燈子さんの姿
それが微笑ましくて、声音も柔らかくなって

桃の花、可愛らしい姿ですのにそんなにも勇ましい花言葉なのは驚きです
破邪の力があるとも聞きますし、可愛らしくも力強い善き花なのですね
いつも頑張り屋さんな燈子さんに、ぴったりの花だと思いますよ。ふふっ

ではわたくしは梅の花にしましょうか
わたくしと祖を同じくする菅原道真に縁深い花です
それに…
東風が吹くには少し早く、これは造花でもありますけれども
心込めて良く作られたこれはまるで本物のようで、香りすら感じられそうで
春が、感じられそうですもの

花を奉納し願うのは春の訪れ、祈りの開花
悲しみの冬を乗り越え、燈子さんをはじめ、大切な人々と沢山の良き思い出を作れますように

奉納の後、お餅のお誘いにカチリと手を合わせ笑顔を見せて
大歓迎です。餡子も黄な粉も大好物ですもの
此方こそ、よろしくお願いしますわね


斑鳩・燈子
結良ちゃん(g06244)と
※基本無表情、耳と尻尾が気持ちに合わせ動く

初詣におはなを奉納、素敵だね。お花が好きなのでわくわく、そわそわ
結良ちゃんにきれいだね、と話しかけて…はしゃいではぐれないようにしなきゃ、と少しきりっと
ご縁のあるおはな、謂れのあるもの…どれを選ぶか迷っちゃうね

わたしは桃の花を。お世話している庭園が、今年も何事もないように
それに、花言葉。「天下無敵」だって
桃太郎由来らしいけれど。あやかって、今年も頑張りたいね

梅の花、結良ちゃんのイメージが、あるかも。本当、香りがしてきそうなくらい、きれい
桃も梅も、時期にはまだ早いけれど。桜も含めて、神社を彩る様子は一足先に、春が来たみたい

奉納するときは、お庭と、お友達や団員のみんな。何より、隣にいる結良ちゃんを思い浮かべて
みんなを厄災から守れるように、がんばります。どうか、見守っていてください
見守ってもらえたら、もっと頑張れる、と思うから

最後にお餅食べない?と誘いながら結良ちゃんへ
今年も、いろんなところ、一緒に行こう。…よろしくね


●歩めば花咲く
 新しい年が巡り、神社は参拝客で賑わっている。
 境内を歩く人々には新年への期待に満ちており、これからの日々への祈りを込めた思いが胸に秘められている。
 参拝に訪れた人たちの手には春の花を模した、祈り花と呼ばれるものが握られていた。
「初詣におはなを奉納、素敵だね」
「祈り花、素敵な風習ですわね」
 共に初詣に訪れた斑鳩・燈子(行先照らすランタン・g01965)と土師・結良(思い出の花香る・g06244)は歩きながら皆の手にある花を眺め、穏やかな気持ちを抱く。
 特に燈子は花が好きなのでわくわくしており、淡々とした表情に反してそわそわと尻尾が揺れていた。
「きれいだね」
 燈子は結良に話しかねながら、少しだけきりっと気を引き締める。言葉にまではしないが、そうしたのは燥いではぐれないようにしなければならないと感じたから。
 しゃんとした様子と、その心持ちを感じ取った結良は双眸を細める。
 見れば祈り花は授与所で受け取れるようだ。
 桃に梅に桜と春を思わせる美しい花は、つくりものであっても心を和ませてくれるもの。
「ご縁のあるおはな、謂れのあるもの……どれを選ぶか迷っちゃうね」
「花は燈子さんに、そしてわたくしにも、まさに打って付けですもの」
 再びそわそわしはじめた燈子の姿を微笑ましく思う結良。その気持ちにつられてか、結良の声音も柔らかくなっているようだ。そうして、ふたりは授与所まで訪れた。
「どうしようかな」
「どれも綺麗ですね」
 いざ目の前にすると迷う気持ちも浮かんだが、どれを選ぶかはすぐに決まった。
 まず燈子が手に取ったのは桃の花。
 其処に込める願いは、お世話している庭園が今年も何事もないように、ということ。それにもうひとつ、燈子が選んだ理由が桃の花に宿っている。
「花言葉。『天下無敵』だって」
「桃の花、可愛らしい姿ですのにそんなにも勇ましい花言葉なのは驚きです」
「桃太郎由来、らしいね」
 燈子が語った花言葉は、聞いたばかりでは桃と結びつかない。結良が首を傾げると燈子が花に言の葉が授けられた由来を語った。感心しながら頷いた結良は納得したようだ。
「なるほど。破邪の力があるとも聞きますし、可愛らしくも力強い善き花なのですね」
「あやかって、今年も頑張りたいね」
「いつも頑張り屋さんな燈子さんに、ぴったりの花だと思いますよ。ふふっ」
 燈子の静かな決意に対し、結良はにこやかに答えて微笑んだ。梅の花枝を受け取った燈子の耳がふわふわと動いており、今の気持ちを表しているようだった。
「ではわたくしは――」
 続いて花枝を選んでいく結良は、梅の花にしましょうか、と言葉にする。
「梅はわたくしと祖を同じくする菅原道真に縁深い花です。それに……」
「たしかに。梅の花、結良ちゃんのイメージが、あるかも」
 理由を声にした彼女の手元に視線を向け、燈子は祈り花を改めて見つめた。そうして、それに? と問いかけて続きの言葉を待ってみる。
「東風が吹くには少し早く、これは造花でもありますけれども。心込めて良く作られたこれはまるで本物のようで、香りすら感じられそうで……春が、感じられそうですもの」
「本当、香りがしてきそうなくらい、きれい」
 桃も梅も、時期にはまだ早い。
 けれど桜も含めてみな美しい。花々が神社を彩る様子はまるで、一足先に春が来たようだとも感じられる。この花を納めることにしたのも、神社側も春を訪れさせたいと考えてのことなのかもしれない。
 それこそが新春の祈りなのだろうと考え、ふたりは奉納場所へと向かっていく。
 既にたくさんの祈り花が納められており、まさに春満開。
 作り物の飾りであっても、これがいつか現実のものになるような予感をおぼえさせてくれる様相だ。
「では……」
 結良はそうっと花を奉納しながら願ってゆく。
 それは春の訪れと、祈りの開花。
(「悲しみの冬を乗り越え、燈子さんをはじめ、大切な人々と沢山の良き思い出を作れますように――」)
 未来に繋げていきたい縁を想えば、心の奥にまで花が咲いていくかのような気持ちになる。
 結良の横顔をちらりと見た燈子の尻尾は嬉しげに揺れていた。
 桃の祈り花を奉納する燈子もまた、願いを胸に抱いている。庭と友達、それから団員のみんなのこと。そして何よりも、隣にいる結良を思い浮かべて――。
(「みんなを厄災から守れるように、がんばります。どうか、見守っていてください」)
 だれかに、それも神様に。
 そっと静かに見守ってもらえたら、もっと頑張れると思うから。
 ふたりとも思いは敢えて言葉にせず心の裡に留める。その方がきっと自分の中にも宿る大切な思いになるはずだと信じて、燈子と結良は祈りを重ねていった。
 暫し後、お祈りを終えたふたりは顔を上げた。
 どんな願い事をしたのか、とは聞かないままでいい。それぞれの心に宿した思いがどんなものであれ、優しいものであることは間違いない。お互いにそう思っているからこそ。
 微笑みと視線を交わし、ふたりは歩き出す。
 この一年はどんなものになっていくのか、広がる想像と期待は納めた花に乗せて――。
 そんな中、燈子が結良をそっと呼ぶ。
「結良ちゃん、お餅食べない?」
「お餅……あちらでつきたてが頂けるようですね。大歓迎です」
「いこう。何味が、いい?」
「どのお餅でもいいですね、餡子も黄な粉も大好物ですもの」
 燈子からの申し出に快い返事を伝え、結良も餅つきをしている一角に目を向けた。カチリと合わせた手は既に振る舞いを楽しみにしているといった様子で心からのものだと思えた。
 きっとこの後も楽しい時間が続いていくのだろう。そう感じた燈子は結良にこれからの願いを告げていく。
「今年も、いろんなところ、一緒に行こう」
「もちろんです」
「……よろしくね」
「此方こそ、よろしくお願いしますわね」
 燈子の尾がこれまで以上にふんわりと揺れたことで結良は更に笑みを深めた。
 これから歩んでいく先でも一緒に。
 一足先に咲いた春の花を想う、ふたりの心。その裡には願いと祈りという名の蕾が芽生えていた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

築土・游
エラ(g03253)と
アドリブ歓迎

エラとのお出かけはいつも楽しみ
今日もエラのお誘いで初詣に…すごく可愛いし素敵だと聞いているので楽しみ

濃い青の着物に半纏を羽織って、エラと指を絡めて

俺は…ブルースターにしようかな?よくエラがくれるし、花言葉も「幸福な愛」でぴったりだし…神様に嫉妬されちゃうかな?と微笑み

花を受け取って本殿へ二人で参道を歩いて

花を傷つけないように柏手を打って

毎年のようだが今年は一層強く、家族みんなが1年健康に過ごして来年も祝えますように…と、深く念をを込めて祈願

二人で季節を超えた邪気払いの花壇へと花を奉納して、今年の祈願の成就を願いながら自分でも頑張らなくちゃな、と気合を入れ

今年も1年よろしく♪と改めて挨拶すると、餅つきに気づいて

エラのはしゃいでる手に引かれながら
あんまり食べすぎてお腹壊さないようにね♪と声を掛け、どのくらいお餅を食べることになるかなと笑いながら
俺はどっちも食べようかな

今年も年始の厳かな喧騒に飲み込まれる


エラ・パーカー
游くん(g00727)と
アドリブ歓迎


クリスマスにお願いごとしたばっかりだけど、初詣は別格だよね♪
それにお花を奉じる、なんてすごく素敵なの

春の空みたいな薄花色に桃の花柄の着物を着て、旦那さまと手を繋ぐ

お花…エラは桃にしようかな?エラのお花だし、それに游くんの虜だもん
花言葉がぴったりと照れ笑い

游くんはどれにする?と聞きながら
桃の祈り花をもらって早速本殿へ向かうの

去年でだいぶ慣れた参拝の作法をして、祈り花を持った手を合わせるの

今年も1年、最愛の人と大切な家族が健やかに幸せに過ごせますように
傍に、遠くにいる愛しい人たちをこの邪気払いの花が守ってくれますようにと真摯に祈るの

みんなの祈りが咲いている場所にエラたちの祈りも奉納させてもらって

今年もまた1年よろしくお願いします、と笑いかけたところでお餅に気づいちゃう

わ、游くん!お餅なの、もらいに行こっ♪
お汁粉いいなー。大根おろし好きなんだけどあるかなぁ

はしゃいで旦那さまを急かしながら
花より団子、じゃなくてお花もお餅も楽しむの


●花と彩の時間
 朱塗りの鳥居は美しく冬の空は清々しい。
 鳥居をくぐった瞬間、厳かな雰囲気を感じた。石畳の参道を歩けば気持ちも引き締まり、何よりも嬉しい気分になる。
「やっぱり綺麗だね」
「そうかな、ありがとう♪」
 築土・游(アトミックハーツ(発売中)・g00727)は隣を歩くエラ・パーカー(Bardd Morganite・g03253)に声を掛けた。そうした理由は改めて彼女の着物姿を見つめたからだ。
 春の空を思わせる薄花色の生地に桃の花が描かれている着物は、神社の風景によく映える。それでなくともエラとのお出かけはいつも楽しいのだが、より游の心を浮き立たせてくれる。
「行こうか」
「クリスマスにお願いごとしたばっかりだけど、初詣は別格だよね♪」
「そうだね、気が引き締まるような気分になるな」
「それにお花を奉じる、なんてすごく素敵なの」
 ふたりは手を繋ぎ、ゆっくりと参道を歩いてゆく。そんな游は濃い青の着物に半纏を羽織っており、エラから見ると誰よりも格好良く思える。そっと視線を彼に寄せれば、エラの指先に游の指が絡められた。
 言葉を交わしながら、当たり前のように繋がれるぬくもりが嬉しい。
 エラも游も心地よさを感じており、その口許には笑みが宿っていた。
 そうして、ふたりは授与所に訪れる。
 桜に梅、桃といった奉納用の花枝が用意されており、人々はそれぞれに好きな花を選んでいるようだ。
「どうしようかな、お花……」
「ゆっくり選んでいいよ」
 少しばかり迷う様子のエラに向け、游が微笑む。するとエラはそうっと片腕を伸ばして一本の花枝を手に取った。
 それは可愛らしい桃の花が揺れるものだ。
「じゃあね、エラは桃にしようかな? エラのお花だし、それに游くんの虜だもん」
 花言葉がぴったり、と照れ笑いをしたエラはとても可愛らしい。彼女がしっかりと意味を考えて選んでくれたことに嬉しさを覚えつつ、游も花を眺めていく。
「游くんはどれにする?」
「俺は……もしあるならブルースターにしようかな?」
「ブルースター?」
「よくエラがくれるし、花言葉も『幸福な愛』でぴったりだし……神様に嫉妬されちゃうかな?」
「きっと神様なら大丈夫なの」
 僅かな冗談も交え、游が再び笑みを浮かべる。エラもつられて口許を綻ばせ、ふたりで一緒に花の奉納を行えることを喜ばしく感じた。そして、花を受け取ったふたりは視線を重ねた。
 本殿へと続く道を進み、たとえつくりものであっても花を傷つけないように持つ。
 まずは柏手を打って願い事を。
 詣でるのは毎年のようだが、今年はより一層強く――。
「家族みんながこの一年を健康に過ごして、来年も祝えますように……」
 深く念を込めて祈願した游の思いは真剣であり、本当に心から思っていることだ。その隣でエラも両手を合わせ、去年でだいぶ慣れた参拝の作法に則ってお祈りをする。
 帯に差してもいいと道往く人に聞いたので、桃の祈り花は着物に飾られていた。これでちゃんと両手を合わせるられると思いつつ、エラは真摯に祈る。
「今年も一年、最愛の人と大切な家族が健やかに幸せに過ごせますように」
 それから――。
 傍に、遠くにいる愛しい人たちをこの邪気払いの花が守ってくれますように。
 瞼を閉じたまま願うエラよりも先に游が顔を上げ、その横顔を見つめる。こうして隣同士で同じ思いを願い、心を共にできる。そんな何気ないことこそが幸いのかたちなのかもしれない。
「終わった?」
「うん、もう大丈夫♪ さっそく奉納しよっか」
 彼女が顔を上げたことで游が問いかける。エラはこくりと頷いてからみんなの祈りが咲いている場所へと目を向けた。エラたちの祈りも奉納させてもらおう、と語った彼女は尊い眼差しをしている。
「これは言うなら二人で季節を超えた邪気払いの花壇、かな」
「游くん、今年もまた一年よろしくお願いします」
「こちらこそ今年も一年よろしく♪」
 花を奉納し終えたふたりは新年の挨拶を伝えあう。そして、今年の祈願の成就を願った游は改めて思ったことを言葉にしながら気合いを入れた。
「自分でも頑張らなくちゃな」
 彼の言葉が微笑ましくて頼りがいがあると感じ、エラは笑う。そんなとき、そういえば餅つきをしている一角があるのだということに気が付いた。どうやら游も同時に餅つきの催しが行われる場所があることに思い立ったようだ。
「游くん! 行きたいところがあるの」
「わかってるよ、餅つきの場所だね」
「さすがなの。お餅、もらいに行こっ♪」
 エラからの申し出に優しく答えた游は自然に手を伸ばす。その手を取って引いていくエラははしゃいでいた。
「あんまり食べすぎてお腹壊さないようにね♪」
 そう声を掛けた游は、彼女がどのくらいお餅を食べることになるかなと考えて笑った。
 エラが未だ見ぬ今からお餅について想像を巡らせているらしく、とてもわくわくした様子。つきたてのものならば何でも美味しいからこそ、どうやって食べるかの思いも深まっていくようだ。
「お汁粉いいなー。大根おろし好きなんだけどあるかなぁ」
「俺はどっちも食べようかな」
「特別な日にはいっぱい食べてもいいよね♪ それなら……」
 はやくはやく、と袖まで引っ張ったエラは旦那さまを急かしていく。その先には人々で賑わう一角が見えており――今年も、年始の厳かな喧騒に飲み込まれていくのだろう。
 游は笑みが更に深まることを自覚しており、エラに導かれるままに進んでいった。
 花より団子、ではなくて――。
 お花もお餅も楽しむ。そんな思い出が、このふたりの新年の始まりとして彩られた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
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夜久野・螢
心(g09977)と

人混みあんまり好きじゃないから
初詣ってサボりがちなんだよ
偶には連れ立って行くような
年があるのも悪くないのかもしれないが
…なんで逸れる前提なのか
今回は探しに行けそうだから
とりあえず放っておくことにして

願い事も直ぐには出てこないけど
『祈り花』が在るなら丁度いい
梅は病気を退けるって話だったかな、
今年一年の健康でも願っておいて…
心はどういう花を選んだ感じ?
並んでる春の花三つ、
結構見た目が似てるよなぁ
食べもの方面で考えたこと無かったけど……確かに

参拝を終えて、華やかな神社の光景も見られたら
オレの中ではもういいや何だけど
近くで餅つきイベントしてるんだっけ
心が好きそう
…流石に餅つき体験まではしないだろうと
オレは食べるだけで良いです
やるなら応援くらいはしておくよ
無難な砂糖醤油に…蜂蜜胡椒は珍しい食べ方だな
家庭の味って個性も出そうだけれど

食べてる時のが楽しそうじゃない?
って余計なことまで
口に出していたかは置いといて
また気が向いたら何処かしら
遊びに行くのでも付きあうかもな


絲司・心
螢(g02441)と

日本に居る人はみんな初詣に行くわけじゃないんだ
え?私はクリスマスマーケットも初詣も初めてだよ、さあ行こう
逸れたら今回はどこで待てばいいの?

へえ、これが祈り花
3種類の折り花をまじまじと見る
うーん、この3つなら桃かな
夏になると果実が美味しいから

……流石に冗談だよ
一緒に遊んだみんなの邪気払いでもお願いしようかなって
二礼二拍なんちゃらだっけ?

ほう、餅つき大会
腕を捲っていたが、体験までしないだろうと言われて「え」と螢を見る
そう……い、いや。しないしない。うん、別に、食べられたらいいし。ほんとだし
私は最初はきな粉で。桜餡も美味しそう――蜂蜜胡椒?食べる
全部無表情で、けどもぐもぐ食べる

他人と行った方が出掛けるのも食べるのも楽しい気がする
から、そうだな。暇があったら、また何か付き合ってよ


●えにしの花
 大きく構えている神社の鳥居。
 厳かさを感じる雰囲気が満ちているのは、きっとこの朱色が鮮やかであるからだろう。普段は静謐さを宿している参道も今日は賑わっている。境内に植えられている樹々の上、囀る小鳥たちも新年を祝っているかのようだ。
「……人が多い」
「初詣ってすごいね」
 連れ立って神社に訪れた夜久野・螢(青灰の鍵・g02441)と絲司・心(いもうと・g09977)は辺りの様子を眺め、それぞれの感想を口にする。螢は鳥居の近くで立ち止まり、去年までのことを思い返した。
「人混みあんまり好きじゃないから初詣ってサボりがちなんだよ」
「へえ、日本に居る人はみんな初詣に行くわけじゃないんだ」
「行きたい人は行く、そうじゃないのは行かない」
 心が言葉にした疑問混じりの声に対し、螢は単純明快な答えを告げる。そっちは? というような視線を螢が寄越したことで心は首を横に振る。行く行かないではなく以前と同じだ、と。
「え? 私は前のクリスマスマーケットもそうだったけど、初詣も初めてだよ」
「そっか。偶には連れ立って行くような年があるのも悪くないのかもしれないな」
 螢は少しばかり遠回りな言い回しをしたが、今年の行動のことについて言っている。悪くないとはつまり良いということでもあり、心は何となく彼の言いたいことを理解した。
 そして、一歩を踏み出した心は螢をいざなう。
「さあ行こう」
「いつまでも鳥居の前にいるのもな」
 螢も続いて歩きはじめ、石畳が続く参道を進んでいった。そのとき、振り返った心が首を傾げる。
「そういえば、逸れたら今回はどこで待てばいいの?」
「……なんで逸れる前提なのか」
「クリスマスマーケットほどじゃないけど人が多いからかな」
「今回は大丈夫」
 螢は周囲を見渡し、この程度ならば自分が探しに行けそうだと判断した。もし心が何処かに行ってしまいそうになったとしても興味を優先させる意味合いでも、とりあえず放っておく考えだ。
 拝殿や社、参道の樹々など、あちこちを見ていく心。その後ろについていく形を取った螢はまっすぐに前を見て歩いている。互いに違うものを見ていても同じ道を歩いているのは同じ。
 この距離感も悪くないものだ。ふたりは授与所を目指して進み、特に混雑に巻き込まれることもなく到着した。
「なるほどね、これが祈り花」
 春を象徴する桃に桜、梅。
 よく似ているものだがたしかに違いがある花枝。それらは作りものであっても美しい。心は三種類の折り花をまじまじと見つめ、どれを選ぼうか考えていた。
「うーん、この三つならどうしようかな」
「意味合いが決まっているなら選びやすいな」
 心の傍ら、螢も枝を眺めている。新年の願い事は直ぐには出てこないが、この祈り花が在るなら丁度いい。
 そうして、螢は梅の枝を模した祈り花を手に取った。
「これは病気を退けるって話だったかな。今年一年の健康でも願っておいて……心はどういう花を選んだ感じ?」
「桃かな」
「それは花言葉にちなんで?」
「ううん、夏になると果実が美味しいから」
「食べもの方面で考えたこと無かったけど……確かに」
 予想とは違う方面で答えられたことは意外だったが、考えれば納得できる意見だ。頷いた螢が何も突っ込み的なことを行わなかったので心は、一瞬だけ呆気にとられた。
「……流石に冗談だよ」
「本気かと思った」
 螢も幾度か瞬きをして、お互いに視線を交わす。それがなんだかおかしくて不思議な気分になる。それから螢は健康について願い、心も花を奉納してからの参拝に入った。
「一緒に遊んだみんなの邪気払いでもお願いしようかな。二礼二拍なんちゃらだっけ?」
「そう、皆がやってるみたいにやればいい」
 そのまま心が作法に則って願いを込めていく中、螢は完全に参拝を終えた。次々と訪れるディアボロスで賑わう、華やかな神社。その光景が見られたら彼の中ではもう満足したも同然。
 帰ってもいいくらいなのだが、螢はふと耳にしたことを思い出した。
「餅つきイベント、近くでやってるんだっけ」
「ほう、餅つき」
「心が好きそうだ」
「その通りだよ。餅つきはよく大会って言われるほどのものなんだよね」
「……流石に餅つき体験まではしないだろうけど、行こうか」
「――え」
 顔を上げた心はやる気だったらしく腕まくりまでしている。だが、体験までしないだろうと言われたことで固まった。
「オレは食べるだけで良いです」
「そう……」
「する気だった?」
「い、いや。しないしない。うん、別に、食べられたらいいし。ほんとだし」
「やるなら応援くらいはしておくよ」
 無表情ながらも落ち込んで動揺している様子の心は嘘をついている。それがこちらを気遣ってのことならば不要だとして螢は餅つきをしているらしい方向を指さした。
 そして――心が餅つきに参加したかどうかは、ふたりだけが知る事として。
 つきたての餅を分けてもらった彼らは、湯気が昇るお餅の皿を手にしていた。此処で重要になるのはどのような味付け絵をして食べるかだ。
「私は最初はきな粉で。桜餡も美味しそう」
「無難な砂糖醤油に……蜂蜜胡椒は珍しい食べ方だな」
「蜂蜜胡椒? それも食べる」
「色々あるんだな。家庭の味って個性も出そうだけれど」
 心も螢もほとんど表情を動かしていないが、ふたりとももぐもぐと食べ続けている。色んな意味で満足感を覚えているのは自分だけではなく相手もだろうとも思えた。その最中、螢がふと問いかける。
「食べてる時のが楽しそうじゃない?」
「他人と行った方が出掛けるのも食べるのも楽しい気がする」
「それなら良かった」
「だから、そうだな。暇があったら、また何か付き合ってよ」
「また気が向いたら、何処かしら遊びに行くのでも付きあうかもな」
 言葉も返事もいつも通り。
 確かな約束を結ぶものではないけれど。今のふたりにはこれで充分な言の葉だ。
 そして、ここからも新たなひとときが続いていく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
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【書物解読】LV1が発生!
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津・リビト
【魚縁】

レックス、明けましておめでとう
とても綺麗な折り花達だな
春が訪れたようだ

折り花をそっと指先で撫で
どの花を奉納しようか眺める
俺は桃の花を納めよう
レックスは梅、か
ふふ、そうだな。とても強くなると思う

これ以上、この世界の――いや、関わっている世界が
少しでも幸せになれるように
そして、友人達の幸せを祈って――ふふ、なんて。祈るより俺は、叶えたい
ん、それは素敵な考えだな
手の届かない人に祈りを

参拝をして戻ろうとすれば楽し気な声に気付いて
レックスの名前を呼ぶ
あっちで美味そうないべんとがやっているようだ
俺達も行ってみよう

凄いな、あの道具でもちを作っているのか
もち作ってみたい
ああ、ついたもち交換しようか

つきたてのもちを醤油とノリで巻いて堪能しよう
レックスはどの味付けが好きだろうか
甘じょっぱくて美味そうだな
俺も試してみよう

変わった味?それも試してみたいな
お汁粉も甘くて美味い

たらふく食べて飲んで
友人の笑顔を眺めて

今年の初めにこんなにも楽しい一時を過ごせて
俺は幸せ者だな

ふふ、此方こそ宜しく頼む
隣の星猫


レックス・ウェリタス
【魚縁】

リビトも明けましておめでとう
うん、本当に
一足早く色鮮やかな春が来たみたいだ

折り花をじっと眺めて
リビトが桃なら僕は梅にしようかな
厄除けと生命力なら随分強くなると思わない?
それに梅は春告草とも言うみたいだしさ
ちょっと早い春を届けられたらとも思うんだ
――そう、故郷にはない春という季節を

今年のご挨拶をしてから
リビトと会えたこの世界と済む人たちが
幸せと柔らかな春の心地を感じられますように
そう願おうかな
みんな幸せならそれは屹度、廻ると思うから

僕も叶えたい派だけど
手の届かない人には祈りかな
信仰には長らく縁もあったしね
よし、奉納して春添え完了

ん、どうしたの?
呼ばれるままにリビトを見て
あ、アレかな
正月にあるお餅の!
行く行く~

あ、餅つきするー?
ならお互いのついた餅交換して食べよ~

僕はこの砂糖醤油がやみつきになりそうかも
あとなんか変わった味も有るみたい?
お汁粉もあったまるねとゆる

リビトが幸せ者なら、それは僕もだね
同じ時間を過ごして
それを実感できる今がとても幸せ

改めて、今年もよろしく
隣の星猫さん、なんて


●新たなる始まり
「レックス、明けましておめでとう」
「リビトも明けましておめでとう」
 厳かな雰囲気の神社。その鳥居の前で立ち止まった津・リビト(釣人・g00145)とレックス・ウェリタス(Memento mori・g07184)は、新年の挨拶を告げあった。鮮やかな朱の下、二人は双眸を細める。
 この神社では花枝を模してつくられた奉納品に願いや祈りを込めるのが主らしい。
 道行く人々が授与所で受け取った花を持って進む様を見つめ、リビトは微笑む。
「とても綺麗な折り花達だな」
「うん、本当に」
「一足早く色鮮やかな……」
 頷いたレックスもリビトが見つめている方向に視線を向けた。そして、ふたりは同時に口をひらいた。
「――春が訪れたようだ」
「――春が来たみたいだ」
 はたとしたリビトとレックスは顔を見合わせる。自分たちが同じことを感じているうえに話すタイミングが一緒だったことが何だか嬉しくてくすぐったくもあった。
 俺たちも行こうか、と誘い合った彼らは参道を進んでゆく。
 もちろん向かう先は祈り花を扱っている授与所だ。石畳の道の左右には幾つかの木が植えてある。まだ冬である今は葉などはついていないが、春になれば美しい花が咲くのだろう。
 それならばきっと、あの祈り花は春のさきがけ。
 レックスが先導したことでリビトも迷わずに授与所まで辿り着けた。梅に桃、桜と並んでいる花枝は造花ではあるが、言い換えれば永遠に咲く花だ。
 腕を伸ばしたリビトは祈り花をそっと指先で撫で、レックスはじっと眺める。
 ちょっとやそっとでは壊れないもの。それは祈りを込めるに相応しいものなのかもしれない。
 どの花を奉納しようか考えているリビトの横、レックスも手を伸ばす。その最中にリビトは心を決め、桃の花を模したものを手に取った。
「俺はこれだ、桃の花を納めよう」
「リビトが桃なら僕は梅にしようかな」
「レックスは梅、か」
「この花の意味が厄除けと生命力なら随分強くなると思わない?」
「ふふ、そうだな。とても強くなると思う」
 互いに選んだ花枝を見せあうふたりは楽しげだ。頷きを返すリビトも嬉しそうであり、更に笑みが深まる。レックスは手の中の枝を再び見つめ、思いを馳せた。
「それに梅は春告草とも言うみたいだしさ。ちょっと早い春を届けられたらとも思うんだ」
 ――そう、故郷にはない春という季節を。
 そのように考えれば季節の巡りを祝う新年というものの意味も厳かさを増す。そんな気がしたのだと話すレックスの声を聞き、リビトはやさしく受け入れていた。
 そうして、二人は奉納場所へ移動する。まずは神様に今年のご挨拶をしてから、次はお祈り。
 たくさんの人々が此処に訪れたのか、拝殿の周囲には多くの祈り花が納められていた。先程に感じたように、此処にだけ少し早く春が訪れているかのようだ。
 同じように花を納め、リビトは両手を重ねる。
「これ以上、この世界の――いや、関わっている世界が少しでも幸せになれるように」
 そして、友人達の幸せを祈って。
 リビトの真っ直ぐな思いが言の葉にされてゆくのを聞き、レックスも願いを紡ぐ。
「リビトと会えたこの世界と、ここに住む人たちが幸せと柔らかな春の心地を感じられますように」
「――ふふ、なんて。祈るより俺は、叶えたいな」
「確かに。それにみんな幸せならそれは屹度、廻ると思うから」
「ん、それは素敵な考えだな」
「僕も叶えたい派だけど、手の届かない人には祈りかな」
「そうか、なるほどな」
「信仰には長らく縁もあったしね。よし、奉納も春添えも完了」
 それぞれの思いと願いの意味を語りあい、リビトとレックスは拝殿から離れる。遠目になっても花々の色彩はやさしく、まるでふたりを見送ってくれているようだった。
 あとは参道を戻っていくだけ、だったが――。
「ん? レックス」
「どうしたの?」
 リビトは何処かから聞こえた楽しげな声に気付いて、レックスの名を呼ぶ。呼ばれるままにリビトを見たレックスは彼が指さしている方向を見遣った。
「あっちで美味そうないべんとがやっているようだ」
「アレかな。正月にあるお餅の!」
「俺達も行ってみよう」
「行く行く~」
 そちらには賑やかな一角がある。すぐに餅つきをしているのだとわかった二人は意気揚々と向かった。
 既に参加している者の様子を見学していくリビトは興味津々だ。
「凄いな、あの道具でもちを作っているのか」
「あ、餅つきするー?」
「俺たちも参加できるみたいだ。ぜひ作ってみたいな」
「ならお互いのついた餅交換して食べよ~」
「ああ、ついたもち交換しようか」
「じゃあ――」
 それから暫し後。
 彼らは自分でつくった餅を皿に移してもらい、実食タイムに入ることになった。リビトはつきたての餅を醤油につけ、海苔で巻いた磯辺餅を選んだ。柔らかな触感にぱりっとした海苔の味わいは海を感じられて実に良い。
「美味いな」
 レックスはどの味付けが好きだろうか、と横を見やるリビト。すると彼は砂糖醤油餅を食べているところだった。
「僕はこの味わいがやみつきになりそうかも」
「甘じょっぱくて美味そうだな。俺も試してみよう」
「あとなんか変わった味も有るみたい?」
「それも試してみたいな」
「お汁粉もあったまるね」
「甘くて美味い」
 ゆるやかに笑うレックスと、ひとつずつを大切に食べていくリビト。
 周囲の人々もふたりを大いに歓迎してくれており、餅米を用意してくれたおばあさんとあたたかな会話も出来た。彼らを気に入ったらしい彼女が、もっと食べなさいと餅を持ってきてくれたりして――。
 こうやってたらふく食べて飲んで、同時に友人の笑顔を眺めていけば幸いが心に咲く。
「今年の初めにこんなにも楽しい一時を過ごせて、俺は幸せ者だな」
「リビトが幸せ者なら、それは僕もだね」
 素直な気持ちを告げたリビトの思いを受け、レックスも同じ思いだと答える。
 共に時間を過ごしてそれを実感できる今。それがとても幸せだ、と。
「改めて、今年もよろしく。隣の星猫さん、なんて」
「ふふ、此方こそ宜しく頼む」
 ――隣の星猫。
 咲うレックスに倣い、リビトも親愛を込めた言葉を返した。
 此処からも続いていく穏やかなひとときは、きっと。より良い未来が続く兆しであり始まりだ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!

花塚・夜壱
●Nox4人参加

新年、明けましておめでとうございます
今年も宜しくお願いします

お、つきたてのお餅が食べられるみたいだぞ
桜餅、抹茶…見目が華やかで良いなぁ
蜂蜜胡椒も気になる
ずんだ餅は、確か枝豆だったか?

実際にお餅もつけるのか…折角だし、行ってみないか?(ソワッ)
杵をつくのは久しぶりだなぁ
子供の頃はよく、街の行事として参加をしていたんだ
手早くつくのは、プロでないと難しい
ゆっくり丁寧にを意識すると良いぞ

昔と違って、臼を壊さないかハラハラするな…!
おっ、じゃあ次はカフカ君だ
実際、楽しむのが一番大事…いや、上手じゃないか!
卒なくなんでもこなすなぁ
ルリラ、レジーナは気をつけてな
息を合わすのが大事だ、せーの!

皆でついた餅、早速頂こう!
悩ましいが、俺はこしあんで
ほかほかでモチモチ、そして何より良く伸びる
つきたてはやはり格別だな
皆は何味にしたんだ?
美味しいお餅を食べて、皆の顔が幸せそうで何よりだ

温かい餅とお茶でお腹を膨らませて
じゃあ次は、春迎えの参拝に行こうか
悩ましいが…俺はじゃあ、桃の花に
厄除けしておこう


ルリラ・ラプソディア
●Nox
あけまして、おめでとうございます

おもち、いっぱいの味…
抹茶もある、のね
蜂蜜胡椒…わたしも初めてみたの
しょうがの組み合わせは知ってる、けど…
はちみつとこしょう…どんな味、かな?

おもち…順番こにつきましょう
ワクワクしながら夜壱さんの餅つき姿を見ると
ん、夜壱さん…様になってて
杵もかるそうにみえるの
わ、夏深さんもじょうずなの
杵のテンポもよくて…ベテランみたい
それじゃあ…夏深さんの次に
レジーナさん、一緒につきましょう
杵は少し重いかもしれない…けど
一緒なら軽やかにつけるかも
…ん、2人でやって正解
ふふ…、ぺたぺた、楽しい…
ありがとう、レジーナさん

ついたおもち
わたしは…抹茶味をいただくの
ほんのりほろ苦くも優しい甘さ
…マシュマロよりやわらかい
二色盛り…発想、神がかり…ね
わたしも、まねっこする
抹茶と餡子の二色とか、どうかな…?
お茶も一緒に飲めば美味しさも染み渡るの

参拝は
みんな、どの花にする…?
わたしは…桃、かな
花言葉が好き…
今年もみんなと楽しくいっぱい想い出つくれますように
お花といっしょにお願いする


本郷・夏深
●Nox
新年おめでとうございます!
カフカは餅が欲しいです

み、見て下さい、きな粉とか餡子とか色々あって絶景ですよ!
この桜餡とか、抹茶も綺麗な色ですねえ
いいですよ、ずんだ。私のえだまめもずんだを推しております
しかし蜂蜜胡椒!食べた事ないので惹かれ…おや、餅つきやるんですか?
ならばカフカが皆さんへエールを送って差し上げます

流石は夜壱兄ちゃん、力強い!
臼とか地形とか壊さないで下さいね

…いや、めっちゃ面白そうではないですか
はい!やっぱりカフカも餅つきやらせて下さい

見てますか、この見事な腕前!
プロとして活躍できますね、これは
ではルリラさんとレジーナさん、大トリどうぞ
この杵、結構重いですからお気をつけて

皆でついた餅、やはり最高に美味しいです…
私はお汁粉にしました。兄ちゃんのとは違い粒あんです
暖かくて甘くて、ほのかに塩っぱくて絶品です
ルリラさんの抹茶も美味そうですよねえ
カフカも抹茶と悩んで、二種盛り!?
レジーナさん、二種盛りは…二種盛り…その手が…

参拝には、私は桜を
折角ですから全種類持っていきましょう


レジーナ・ネイサン
●Nox
新年、あけましておめでとう
今年もよろしくね

と、大事な挨拶も終わったところでお餅だ!
へええ、本当に色々な味がある
色とりどりで目にも楽しい
お餅ってこんなに味変が出来るんだね
気になってたアレもあるかなあ、ずんだ餅
そうそう、枝豆の
夏深のえだまめが推してくれるなら探すしかないな!
蜂蜜胡椒も気になるね

お餅って自分でつけるの!
はーい、やってみたい
夜壱は経験アリ?子供の頃から…それは頼もしい
あはは、でも臼は壊さないように頼むよ
夏深も頑張って!結構上手じゃない?
お、じゃあルリラ、一緒にやろうか
せーの、の声に合わせて
確かに一人だったら重かったろうな
ふふ、こちらこそありがと

私は大根おろしと…ふっふっふ
ちゃっかり見つけたずんだ餅の二種盛りだよ
うわっ美味しい…しかも伸びる…!
こしあんにお汁粉に抹茶味、皆が選んだのも美味しそう
全員でついたお餅ってのがまた特別だね
熱々のお茶、最高の組み合わせすぎない?

お腹が満ちたら神様へのご挨拶だ
私は梅にしようか
花の兄とも言うし
春を迎えるには良いと思って
花爛漫、いいお正月だね


●春彩を重ねて
 一陣の風が吹き抜けていく先は朱色の鳥居。
 冬の寒さと辺りの雰囲気は気を引き締めてくれるものであり、とても清々しい印象だ。
 足元の石畳からは道行く人々の軽快な音が響く。普段ならば何ら変わりない普通の足音だが、神聖な場所であるからか快く感じられた。その中、鮮やかな鳥居の下に集まる者たちがいる。
「新年、明けましておめでとうございます」
 其処に響いたのは花塚・夜壱(月下鬼人・g00016)の声。
 新年の挨拶は大切なもの。仲間たちの顔を見渡した夜壱に続き、ルリラ・ラプソディア(Ⅻの子守歌・g00784)とレジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)が声を揃える。
「あけまして、おめでとうございます」
「新年、あけましておめでとう。今年もよろしくね」
「新年おめでとうございます!」
「今年も宜しくお願いします」
 其処に本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)も挨拶を重ね、夜壱の言葉で締めくくられる。きりりと背筋が伸びるように感じたのは、こうすることで新たなる年への思いが募ってゆくから。
 厳かな雰囲気でもあるのだが、次に口をひらいた夏深の言葉で一気に空気が変わる。
「さっそくですがカフカは餅が欲しいです」
「大事な挨拶も終わったところでお餅だ!」
「お、いいな。つきたてのお餅が食べられるみたいだぞ」
 予め目をつけていた催しについて夏深とレジーナが語れば、夜壱もそちらの方向を指さした。花より団子という言葉が相応しいが、お餅だって新年を飾るもののひとつだ。
 一行は視線を交わしあい、今年の始まりを飾る催しへの参加を決めた。
 賑わう会場では餅つきに興じるディアボロスがいたり、一般の参加者も多いようだ。傍らに用意されているのは様々な調味料や調理器具が用意されている簡易テント。
 その最中、皆の興味が向かったのはお餅の食べ方について。
「み、見て下さい、きな粉とか餡子とか色々あって絶景ですよ! この桜餡とか、抹茶も綺麗な色ですねえ」
「桜餅、抹茶……見目が華やかで良いなぁ」
「おもち、いっぱいの味……抹茶もある、のね」
 夏深が一番にそちらへと駆け寄っていき、夜壱とルリラが続いていく。レジーナもひょこりと三人の後ろから顔を出し、ずらりと並ぶ調味料を眺めた。
「へええ、本当に色々な味があるね。お餅ってこんなに味変が出来るんだね」
 色とりどりで目にも楽しいと感じたレジーナは感心している。
 そして、気になってたアレもあるかなあ、と探して発見したものは――。
「あった、ずんだ餅」
「蜂蜜胡椒……わたしは初めてみたの。しょうがの組み合わせは知ってる、けど……ふしぎ。はちみつとこしょう……どんな味に、なるのかな?」
 その横に立ったルリラは聞いたことのない組み合わせを気にしているようだ。
「食べた事ないので惹かれますね」
「確かに蜂蜜胡椒も気になる。ずんだ餅は、確か枝豆だったか?」
「そうそう、枝豆の」
「いいですよ、ずんだ。私のえだまめもずんだを推しております」
 頷くレジーナに、興味を示す夜壱と夏深。ちゃっかりとパンツァーハウンドのえだまめも尻尾を振ることで意志を示している。その様子に微笑ましさを覚えたルリラと夜壱が笑い、レジーナは気持ちを更に強くした。
「夏深のえだまめが推してくれるなら余計に食べるしかないな!」
 和気藹々とした会話と笑顔で盛り上がる一行。
 このまま此処で待ってつきたてのお餅をもらうこともできるらしいが、どうやらちょうど新たなつき手を探している様子が見えた。どなたか、と呼びかけられていることに気付いた夜壱はそちらに目を向ける。
「実際にお餅もつけるのか……折角だし、行ってみないか?」
「おや、餅つきやるんですか?」
 そわそわした様子の夜壱はやってみたくてたまらないようだ。そんな彼の姿を見れば、誰もやらないとは言わない。寧ろ皆で楽しむことこそ今日の目的でもある。そして、すぐにレジーナとルリラが手を上げた。
「お餅って自分でつけるの! はーい、やってみたい」
「おもち……順番こにつきましょう」
「ならばカフカが皆さんへエールを送って差し上げます」
 夏深はひとまず見学らしい。
 三人を送り出すカフカが見守る中、まずは夜壱が臼の近くへ移動した。
「杵をつくのは久しぶりだなぁ」
「夜壱は経験アリ?」
「子供の頃はよく、街の行事として参加をしていたんだ」
「それは頼もしい!」
 レジーナは夜壱を心強く感じており、明るく笑った。
 こういったものでよく見かけるのは高速で餅つきをする見事な様子。出来ればあのような技術が見せられればいいが、あれはつき手だけの技術ではなく、相手との信頼や息のあった行動があってこそのもの。夜壱は経験や知識を活かした動きで以て、仲間にアドバイスを告げてゆく。
「手早くつくのは、プロでないと難しい。ゆっくり丁寧に、を意識すると良いぞ」
「流石は夜壱兄ちゃん、力強い!」
「ん、夜壱さん……様になってて、杵もかるそうにみえるの」
 さっそく夜壱による餅つきが始められ、夏深とルリラがその動きを褒める。暫くその動きを見ていく中、レジーナが冗談交じりに声を掛ける。
「あはは、でも臼は壊さないように頼むよ」
「臼もですが、地形とかまで壊さないで下さいね」
「確かにそうだな。昔と違って、臼を壊さないかハラハラするな……!」
 ディアボロスとしての力を思えば、壊そうと思えばできる状態。半分冗談、半分は本気で夜壱は杵を振り上げた。
 軽快な音と共に餅が臼の中で跳ねる。
 その様子をじっと見つめていた夏深は、我慢が出来なくなって一歩前に踏み出した。
「……いや、めっちゃ面白そうではないですか」
「おっ、じゃあ次はカフカ君だ」
「はい! やっぱりカフカも餅つきやらせて下さい」
 夜壱から杵を差し出されたことで夏深はあどけない少年のように笑み、えだまめも応援役として側につく。
 そして――。
「見てますか、この見事な腕前!」
「夏深も結構上手じゃない?」
「実際、楽しむのが一番大事……いや、上手じゃないか!」
 レジーナと夜壱が褒めた通り、夏深の動きは見事だった。何せ先程の夜壱から学んだものであるので完璧だ。ふふん、と得意げに胸を張った夏深は上機嫌に餅つきを続けていく。
「わ、夏深さんもじょうずなの。杵のテンポもよくて……ベテランみたい」
「プロとして活躍できますね、これは」
 ルリラも褒めてくれたことで夏深は更に気分が良くなったようだ。
 しかし、やはりこれは皆で協力するともっと楽しい。そろそろ順番だと聡く気付いた夏深は二人の方に歩み寄る。
「ではルリラさんとレジーナさん、大トリどうぞ。この杵、結構重いですからお気をつけて」
「お、じゃあルリラ、一緒にやろうか」
「それじゃあ……レジーナさん、一緒につきましょう」
「カフカ君は卒なくなんでもこなすなぁ。ルリラ、レジーナは気をつけてな」
 感想を口にした夜壱は見守りの体勢に入る。その姿はまるで皆のお父さん、もとい優しいお兄さんのよう。一緒に杵を持ったルリラとレジーナも臼の前に立ち、息を整える。
「息を合わすのが大事だ、せーの!」
 掛け声をかけた夜壱の合図に合わせ、二人は杵を振り上げる。
 ぺたん、ぺたんと可愛らしい音が響き始めたことで共同作戦は大成功。
「一緒だから、軽やか」
「確かに一人だったら重かったろうな」
「……ん、二人でやって正解。ふふ……ぺたぺた、楽しい…ありがとう、レジーナさん」
「ふふ、こちらこそありがと」
 ほのぼのした嬉しいひとときが流れていき、皆でついた餅が完成を迎えた。
 後は慣れた人々に小分けにしてもらえば実食タイム。ぜひ皆さんで、とイベント会場にいた人も勧めてくれた。各自で好きな味を作ってからテントおくのテーブルに集合、ということで――。
「皆でついた餅、早速頂こう! 皆は何にしたんだ? 悩ましいが、俺はこしあんにしたよ」
「私はお汁粉にしました。兄ちゃんのとは違って粒あんです」
「こっちは大根おろしと……ふっふっふ、ずんだ餅の二種盛りだよ」
「わたしは……抹茶味をいただくの。二色盛り……発想、神がかり……ね」
「二種盛り!? 二種盛りは……二種盛り……その手が……」
「あとでわたしも、まねっこする」
「それが良いですね!」
「名案だ」
 途中、レジーナの発想に皆が驚いたが、それもまたよし。今もそれぞれの好みが反映されたラインナップが集まっているので見た目も楽しい。それから皆は「いただきます」の声を重ね、餅を頂いていく。
「つきたてはやはり格別だな」
「皆でついた餅、やはり最高に美味しいです……」
 こしあんはほかほかでモチモチ、そして何より良く伸びるお餅は作りたての美味しさを存分に感じられる。お汁粉はあたたかくて甘くて、ほのかに塩っぱくて絶品。
「うわっ美味しい。しかも伸びる……!」
「……マシュマロよりやわらかい」
 さっぱりした大根おろしに口当たりが良いずんだ、ほんのりほろ苦くも優しい甘さの抹茶。互いに食べているものが羨ましくなるような、美味しいものを食べているときの表情が快い。
 お餅に集中する仲間を見た夜壱はそっと頷いた。
 美味しいお餅を食べれば自然に幸せな気持ちが満ちゆく。それに皆の顔が幸せそうで何よりなことだとも思えた。夜壱はおかわりを頂き、皿に盛られた温かい餅とお茶を満喫する。
「結構食べたな」
「どれも美味しいですねえ」
「抹茶と餡子の二色にしたのも、おいしかった……」
「全員でついたお餅ってのがまた特別だね。熱々のお茶、最高の組み合わせすぎない?」
 四人はぺろりとそれぞれのお餅を平らげ、ゆっくりとお茶を飲んで至福のときを過ごした。一緒に飲めば美味しさも染み渡るものであり、満足感でいっぱいだ。
 最後は後片付けと掃除をしてイベント会場を去るのが礼儀。
 その場の人に礼を告げてから神社の参道に戻った四人が次に向かうのは、勿論あの場所。
「じゃあ次は、春迎えの参拝に行こうか」
「だね、お腹が満ちたら神様へのご挨拶だ」
「みんな、どの花にする……?」
 授与所と拝殿に向かう道すがら、話していくのは祈り花のこと。少し考えた後、まず答えたのは夏深だ。
「私は桜でしょうか」
「悩ましいが……俺はじゃあ、桃の花に。厄除けしておこう」
「私は梅にしようか。花の兄とも言うし」
 次に夜壱が厄除けの花を選び、レジーナが考えを添えた。ルリラはまだ迷っている様子だが、其処で三種類が揃ったので夏深は名案を思いついた。
「折角ですから皆で合わせて全種類持っていきましょう。そうすれば最強の祈りになりますよ!」
「じゃあ……わたしは……桃、かな。花言葉が好き……」
 更にルリラが選んだのは愛らしい桃の花。
 それがいい、と夜壱が笑み、レジーナも双眸を細め、夏深は明るく歩を進める。お花といっしょにお願いしたいことを考え、ルリラも皆の後についていく。
 これより願われるのは五穀豊穣と無病息災、邪気払い。
 それから。

 ――今年もみんなと、楽しくいっぱいの想い出をつくれますように。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【アイテムポケット】がLV5になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【リザレクション】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】がLV2になった!

エリル・ウィスタリア
【ミント】
あけましておめでとう。今年もよろしくなのよ。
お年玉はありがたく。何に使おうかしら。弟人形に着飾らせるのも良いのよね。私のおしゃれ?また今度よ。
私も3回目になると学ぶの。まずはお参り…あら?
え、皆食べる気満々?良いけども。

えっと、まずはスタンダードに醤油から。
食べる前に翠から紙エプロン渡されてきょとん顔。うっ。新しいお洋服汚したくないからつけるわよ。
磯部焼きを美味しく頂いてから、きなこのお餅を多めに頂いて、次どうしようかしら。
オススメある?翠が食べてる柚子胡椒餅美味しそう…一口ちょうだい?
お、美味しいけど少し辛い。癖になりそうだけど辛いわ。
私にはまだ早かったのよとお口直しに桜餡餅をもぐり。甘さにほっとして顔も緩むわね。

あら、餅つきやるの?私も見たい!見る!
すごい、お餅ってこうやって出来るんだ。目きらきらしてる。
ふかふかもちもち可愛いわね。
…けだま餅、美味しそう。あ、写真撮ろう。けだま、横に並ばない?

祈り花は桜よ。私が大好きなお花。儚く強い花。雪の中でも負けない強さがほしいのよ。


五百雀・翠
【ミント】
ほい、あけましておめでとさん。チビ達とついでにエリルとけだまにはお年玉な。
狐印のポチ袋を渡す。あ?大人にはないぞ?

さてさて、お参り…ダメだ。すでに餅の虜になってるヤツがいる。先に餅食いにいくか。

餅を食べる前に、ほいエリル。紙エプロン。
お前、新しい服に醤油たらして泣きそうだから。

なにから食べるか。蜂蜜胡椒行ってみるか。
ん、案外うめえ。癖になる味かも。柚子胡椒餅もある。ぴりっと爽やかで好きなんだわ。
柚子胡椒多めでたのんどこ。
ついでに磯辺焼きも。スタンダードなのもよい。安心する。
エリルも食うなら一口やるよ。
はは、辛いだろ。ほれお茶。

餅つきやるなら気をつけろよー。たまに杵がスっぽ抜けるからな。
楽しそうな皆を見やって写真を一枚。
出来上がったけだま餅もぱしゃり。
そっくりに作ったな。それでいて美味そうだ。
言っとくが仲間じゃないからな?暴れるなよ?ステイだ。

食べながら、祈り花をどうするかご相談。
俺か?菊にした。黄色い菊。
ちゃんと祈りを込めて選んだんだぜ?
腹一杯になったならお参りいくぞ。


三苫・麻緒
【ミント】
あけましておめでとう、今年もよろしくー!
なんかこのメンバーで初詣も回数こなしてきた感が出てきたよね
それだけ一緒にいられたってことだから、きっといいこと!

それじゃ、まずはお餅からいっちゃおー!
…いやほら、好みの味がなくなっちゃう可能性があるから神様も許してくれるって。多分

ちょっと視線が痛い気もするけど、まずは腹ごしらえから!
磯辺焼きときな粉とお汁粉は外せないよね
初めて聞いた蜂蜜胡椒と、マスターから教わった七味醤油も可能なら挑戦してみたいなー

あ、蕙くんとエリルさんが餅つきに向かったみたいだから私も行くよ
たまには翠さん任せじゃなくて私も働かないとね
…まぁ、おかわりが欲しいのもあるけど(小声)
蕙くんのモラ餅かわいい!それ、絶対けだまと一緒に写真撮るべきだよ!

お餅を食べながら雑談するのもまた楽しい時間
お参りのことだってちゃんと考えてるよ!忘れてないんだからね!
奉納するお花はまだ迷っているけど、今のところ第一候補は桃かな
去年の春にエリルさんと合わせで桃モチーフのお洋服を着てから好きなんだー


葉古森・莱
【ミント】
あけましておめでとうございます
けだま共々、今年もよろしくお願いします
わ、翠さんお年玉までありがとう…!ほら、けだまもお礼は?

最初はお参りから…あれ、ちがうの?
おもちは逃げないと思うし、数も十分に用意されてるんじゃ…あぁっ、けだま、置いていかないでったらぁ!

蕙くんと同じ考え方しちゃう麻緒さんのご飯好きは今年もかわらず…あ、にらまれたくないから何も言わないよ(震え)
えっと、ぼくは抹茶のおもちにしようかな
けだまも食べられるよう、一口くらいの大きさに切ってもらえるかなぁ?
前におもちを食べさせたとき、毛にくっついちゃって…!

あ、蕙くんたちがもちつきから帰ってきたみたい
すごい、けだまそっくり…!
けだまが「仲間が…」みたいな目で見てるけど、これはモーラットじゃないと教えてあげないとね
納得すればよろこんで写真にうつってくれるはず

おもちを食べながらお参りの相談も
奉納するお花はもう決めてて、さくらにするつもり
ご先祖様のお墓の近くにね、きれいなさくらが咲いてたの
食べ終わったらしっかりお参りしないとね


オリヴィエ・ルー
【ミント】
あけましておめでとう、今年もよろしく
いつもの皆と初詣に来たよ、毎年恒例だね

お参り……の前に、餅つきに行くんだ?
お腹いっぱいになってからのんびり、ということかな。僕はどちらからでも大丈夫だよ

僕、きなこもらっていい?たっぷりこなこなになっているお餅、それ食べたいな
あと蜂蜜胡椒、あれ試しておかないと。変わった食べ方、というなら試さないと損だよ。せっかく試せるならね
……美味しいかな?どんな味になるのか、少し想像がつかないけれど

ん?餅つきもするって?
じゃあ僕も、時間があったら次ぐらいにやってみてもいい?
とりあえず枸橘のを見学して、コツ掴んでから……あと、ついてくれたお餅も頂いてから

あ、モーラット餅だ。すごい、桜餡でこんな事もできるんだ
けだまと並べて記念撮影しておかないと
「お餅が2つ」ってアルバムに書けるといいな

そろそろお参りにも行かないとね。みんな、どの花を持っていくか決めた?
僕は邪気祓いの桃を持っていくつもり
邪気、もとい多くのクロノヴェーダを少しでも多く祓えますように、ってことでね?


枸橘・蕙
【ミント】
あけまして、おめでとーございます!
へへ、みんなと一緒のはつもーで!すいにーちゃんのお年玉も、三年目!
いいこにしてたもんな、おれ。ありがとー!

なあなあ、神社の前にこっちいこーぜ。おもちおもち
神社はにげねーけど、おもちはなくなっちまうんだ!いくぞー!(だーっ)

すみませーん、さとーじょーゆたくさん、砂糖おおめ!
それでそれで、色んなあんこも!
あまーいもので元気いっぱいになってから神社いくんだ!

あっ、おれアレがしたい!餅つき!
自分でついた餅をすぐ食べるって、きちょーなけーけんだろ?みんなの分、ぺったんぺったんしてくる!

(子供用の小さな杵を貸し出されて)
こどもでもおれはディアボロス。新宿島で【怪力無双】がついてくる!
そーれペッタン!おいしーもちになーれ!

できたら餡子でおめかしするから、ちょっと待っててくれよな
桜庵をくっつけて、ふさふさするよーな見た目にして~……じゃーん!けだま餅!
なあなあ、おれの新年一発目アート、どう?どう?

……あ?初詣?
わ、わすれてないぜ!お、お花なににしよーかなー!


●皆で初詣
 空を舞う小鳥の声が響く快晴の空の下。
 朱色の鳥居の前に集った一行の間を、冷たい冬の風が吹き抜けてゆく。頬を撫でていった風はまだ厳しい季節の最中であることを教えてくれるものだが、逆に気が引き締まる気もする。
「あけましておめでとう。今年もよろしくなのよ」
「ほい、あけましておめでとさん」
 エリル・ウィスタリア(雪を待つ花・g00912)は皆に新年の挨拶を告げ、五百雀・翠(夕月夜・g03977)も其処に言葉を続ける。それから更に三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)が元気な声を紡ぐ。
「あけましておめでとう、今年もよろしくー!」
「あけましておめでとうございます。けだま共々、今年もよろしくお願いします」
 葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)はぺこりとお辞儀をして皆に思いを伝え、モーラット・コミュのけだまもきゅっと鳴いて決めポーズをしている。おそらくけだまなりの新年をあらわしているのだろう。
「あけましておめでとう、今年もよろしく」
「あけまして、おめでとーございます!」
 オリヴィエ・ルー(青を宿す・g01610)と枸橘・蕙(そらを描く・g02980)もそれぞれ彼ららしい挨拶で新年への思いを言葉にしている。オリヴィエは神社の雰囲気と共に皆を眺め、そっと声を紡ぐ。
「もう毎年恒例だね」
 この皆での初詣ははじめてのことではない。同じようにそのことを嬉しく感じている麻緒はわくわくしている。
「なんかこのメンバーで初詣も回数こなしてきた感が出てきたよね」
 それはそれだけ一緒にいられたという証。
 だから、きっといいことなのだと答えた麻緒は意気揚々と進んでいった。蕙も楽しそうに尻尾を揺らしており、期待の眼差しで或る人物に視線を向ける。
「へへ、みんなと一緒のはつもーで! すいにーちゃんのお年玉も、三年目!」
 その声を聞き、翠は懐からあるもの取り出した。
「そうだな、チビ達とついでにエリルとけだまにはお年玉な」
「ありがとなー!」
 そういって翠は狐印のポチ袋を渡す。もちろん大人にはないぞ? との注釈も添えてのことだ。お年玉を受け取った蕙はめいっぱいのお礼を身体全体であらわす。
 そうして、嬉しそうに袋を抱えた莱もお礼を伝えていく。
「わ、翠さんお年玉までありがとう……! ほら、けだまもお礼は?」
「もきゅきゅきゅう!」
「ありがとう、何に使おうかしら。弟人形に着飾らせるのも良いのよね。……私のおしゃれはまた今度として――」
 翠を見つめたエリルもお年玉はありがたく頂くとして、これからの算段を考えていく。自分も三回目になると学ぶのだと語りながら、彼女もまた先へと進んでいく。
 そんな中。
「それじゃ、まずはお餅からいっちゃおー!」
「なあなあ、神社の前にこっちいこーぜ。おもちおもち」
「最初はお参りから……あれ、ちがうの?」
「まずはお参り……あら? お餅?」
「お参り……の前に、餅つきに行くんだ?」
 とても明るい麻緒と蕙の声が響き、エリルと莱、更にオリヴィエが首を傾げる。この展開を予想していた翠はため息をついた後、進行方向を変えた。
「ダメだ。すでに餅の虜になってるヤツがいる。先に餅食いにいくか」
「お腹いっぱいになってからのんびり、ということかな。僕はどちらからでも大丈夫だよ」
「そう! あまーいもので元気いっぱいになってから神社いくんだ!」
「え、皆食べる気満々? 良いけども」
 翠の判断にオリヴィエが頷く。蕙の意見を聞けば納得も出来たので、エリルが別に構わないといった様子を見せる。
「……いやほら、好みの味がなくなっちゃう可能性があるから神様も許してくれるって。多分」
 少しばかり視線が痛い気もしたが麻緒はめげない。神社で今年のお祈りをするにしてもまずは腹ごしらえから、という精神が彼女の心を支えている。
「神社はにげねーけど、おもちはなくなっちまうんだ! いくぞー!」
 蕙もやはり食べる気満々。
 それから蕙たちは一番乗りを目指すため、お餅配布場所に走っていった。
「おもちは逃げないと思うし、数も十分に用意されてるんじゃ……あぁっ、けだま、置いていかないでったらぁ!」
 莱は麻緒たちの言葉にちょっとした意見を言おうとしたが、既にけだまが二人についていっている。
 慌てて追いかけていく莱は尻尾を揺らしながらぱたぱたと駆けた。
 そして、一行は会場に到着する。
「すみませーん、さとーじょーゆたくさん、砂糖おおめ!」
「やっぱり磯辺焼きときな粉とお汁粉は外せないよね」
「それでそれで、色んなあんこも!」
 さっそく注文をしたのは蕙も麻緒のふたり。
 どちらも同じ考え方をしているようなので行動は似通っている。年が変わっても彼女のご飯好きは変わらず――と思っている莱は、麻緒に睨まれたので言葉には出さない。これ以上何かあれば震えてしまうからだ。
「えっと、ぼくは抹茶のおもちにしようかな」
「もきゅ!」
「けだまも食べられるように、一口くらいの大きさに切ってもらおうね」
 はしゃぐけだまのことを考える莱はしっかりしている。以前、お餅をけだまに食べさせたとき、毛にくっついてしまったことをちゃんと覚えているからだ。
 抹茶餅をもぐもぐ、もきゅもきゅと食べていく少年とモーラットは実に愛らしい。
 その横でオリヴィエも自分が食べたいものを選んでいく。
「僕、きなこもらっていい? たっぷりこなこなになっているお餅、それ食べたいな」
「私はえっと、まずはスタンダードに醤油からね」
「ほいエリル。紙エプロン」
「え?」
 お餅といえば日本らしくお醤油の味付けのものがいい。エリルもお餅を選んで食べようとしたのだが、その前に翠から紙エプロン渡されたことできょとんとした。
「お前、新しい服に醤油たらして泣きそうだから」
「うっ。新しいお洋服汚したくないからつけるわよ」
 真っ当な指摘だったのでエリルは言うことに従う。それから彼女は磯部焼きを手に取り、少しずつ味わっていく。美味しく頂いていく中でオリヴィエを見たエリルは、次はきなこのお餅を食べようとも考えていた。
「きなこも多めに頂いて、次どうしようかしら。オススメある?」
「あと蜂蜜胡椒かな。あれ試しておかないと。変わった食べ方、というなら試さないと損だよ」
 せっかく試せるならチャレンジあるのみ。
 オリヴィエの挑戦もまた良いものだ。美味しいのか、どんな味になるのか。少し想像がつかないけれどこうやって考えていく時間も楽しみのひとつ。
 其処に最初のものを食べ終えた麻緒も反応し、おかわりを貰いに向かっていった。
「だよね。蜂蜜胡椒と、七味醤油も挑戦してみたいなー」
 初めて聞いたもの、マスターから教わったもの、どちらにも興味がある麻緒はたくさん食べる気らしい。まさにそれが彼女らしさだと感じた仲間たちは楽しげに笑っている。
「あんこもうまい!」
「ん、案外うめえ。癖になる味かも」
 蕙はぱくぱくと貰ったお餅を口に運び、翠も選んだお餅に舌鼓を打つ。するとエリルが顔を上げた。
「あ、翠が食べてる柚子胡椒餅美味しそう」
「これ、ぴりっと爽やかで好きなんだわ」
「……一口ちょうだい?」
「いいぞ。磯辺焼きと交換な。スタンダードなのもよい。安心できるからな」
 翠は次にエリルに分ける用にと柚子胡椒を多めで頼んでいた。
 そのことを知らずに一口分を貰ったエリルはというと――お餅を口に入れた瞬間、ぴ、という声が上がった。
「お、美味しいけど少し辛い。癖になりそうだけど辛いわ」
「はは、辛いだろ。ほれお茶」
「私にはまだ早かったのよ」
 エリルは辛さの口直しに貰ったお茶の後、桜餡の餅を持ってきて頬張った。その甘さにほっとした彼女の頬が緩み、笑顔が咲いていく。それから暫し、美味しい時間が続いていった。
 そんなあるとき。
「あっ、おれアレがしたい! 餅つき!」
 蕙が会場の中心で行われているお餅つきに興味を示し、やりたいと申し出る。
「ん? 良いと思うよ」
「あら、餅つきやるの? 私も見たい! 見る!」
「餅つきやるなら気をつけろよー。たまに杵がスっぽ抜けるからな」
 オリヴィエは穏やかに、エリルは興味津々に、翠は見守る大人の動きを見せていた。まだまだお餅を食べていた麻緒だが皆の後についていった。たまには翠任せではなく自分も働かないといけないと感じたらしい。
「私も行くよ!」
「手伝いか、偉いな」
「……まぁ、おかわりが欲しいのもあるけど」
 翠の褒め言葉に対して小声で呟いた麻緒は腕まくりをしていき、お餅つきに参加しにいった。更にオリヴィエも一緒にやりたいと願っているようだ。
「じゃあ僕も、次ぐらいにやってみようかな」
「みんなでやろーぜー!」
「とりあえず枸橘のを見学して、コツ掴んでから……あと、ついてくれたお餅も頂いてから」
「そーれペッタン! おいしーもちになーれ!」
 蕙は元気よく杵を持ち上げ、力を込めて臼へと振り下ろす。
「すごい、お餅ってこうやって出来るんだ」
 ぺたぺた、ぺったん。間近で見学させてもらったことによって、エリルの瞳はきらきらと輝いている。おいしくなあれ、と蕙が願ったことによって臼の中のお餅はふわふわに仕上がっているように見えた。
 その後にオリヴィエ、更に麻緒と続き、皆でついたお餅が仕上がる。
「できた! でもまだだぜ。餡子でおめかしするから、ちょっと待っててくれよな」
 すると蕙が皆の前で作業を始めた。
 まずは桜庵をくっつけて、ふさふさに見えるような細工を加える。可愛い見た目になるよう作っていけば――。
「じゃーん! けだま餅!」
「すごい、けだまそっくり……!」
「モーラット餅だ。桜餡でこんな事もできるんだ」
 両手でお餅が乗った皿を持ち上げた蕙。その手の中にはまんまるの可愛い細工餅があった。けだまをイメージしていることがすぐにわかり、莱とオリヴィエは驚いた。
 皆の反応が楽しくて、蕙は得意そうに胸を張りながら問いかける。
「なあなあ、おれの新年一発目アート、どう? どう?」
「蕙くんのモラ餅かわいい! それ、絶対けだまと一緒に写真撮るべきだよ!」
「ふかふかもちもち可愛いわね。……けだま餅、美味しそう」
「そっくりに作ったな。それでいて美味そうだ」
「もきゅっきゅ」
「違うからね、けだま」
「言っとくが仲間じゃないからな? 暴れるなよ? ステイだ」
 反応は実に上々。毎回の如く、けだまが『仲間が……』のような目で見る前に莱と翠は、これはモーラットではないと教えてやった。それで納得したらしいけだまは大人しくなっている。
「可愛い!」
 麻緒が夢中になってけだま餅の写真を撮っていく中、翠もそっと笑む。
「ついでだ、俺も写真にも収めておくか」
「あ、私も写真撮ろう。けだま、横に並ばない?」
「もきゅ」
「けだま、写ってもいいって」
 翠が楽しそうな皆の写真を一枚撮ると、エリルも倣ってカメラを構えた。莱に抱えられたけだまと、あのお餅も一緒だ。軽快にぱしゃりと撮影したことで今回もまた思い出が形となって残っていく。
「『お餅が二つ』ってアルバムに書けるといいな」
 オリヴィエは記念撮影の後のことへ想像を巡らせ、静かな笑みを浮かべた。
 そんなこんなで賑わうひととき。お餅を食べながら雑談するのもまた楽しい時間だ。たっぷりと食べて、たくさんの話をした後。一息ついたオリヴィエが皆に呼びかける。
「そろそろお参りにも行かないとね」
「……あ? 初詣?」
「あっ!」
 はたとした蕙と麻緒が声を上げ、少しだけ慌てた。ふふ、と口許を緩めたオリヴィエはふたりに聞いてみる。
「忘れてた?」
「お参りのことだってちゃんと考えてるよ! 忘れてないんだからね!」
「わ、わすれてないぜ! お、お花なににしよーかなー!」
「そういうことにしておこうか。みんな、どの花を持っていくか決めた?」
 オリヴィエは実にふたりらしいと感じながら、他の仲間にも問いかけを投げてみた。そうだな、と顔を上げた翠は祈り花についてはもう心が決まっているらしい。
「俺は菊にした。黄色い菊」
「ぼくももう決めてて、さくらにするつもり」
 ご先祖様のお墓の近くに綺麗なさくらが咲いていたことを語り、莱も思いを馳せる。食べ終わったらしっかりお参りしたいと考えているらしい。蕙はまだ決めていないが、莱がそっと「ぼくと一緒にする?」と提案する。
「いいな、おそろい!」
「私も桜にするわ。大好きなお花だし、儚く強い花だもの。雪の中でも負けない強さがほしいのよ」
 エリルが選ぶ祈り花も桜。
 すごくいいね、と笑った麻緒は花を思い浮かべ、オリヴィエも自分が選びたいものを語っていく。
「奉納するお花はまだ迷っているけど、今のところ第一候補は桃かな。去年の春にエリルさんと合わせで桃モチーフのお洋服を着てから好きなんだー」
「僕は邪気祓いの桃を持っていくつもり。邪気、もとい良くないもの――多くのクロノヴェーダを少しでも多く祓えますように、ってことでね?」
「なるほどな。みんなちゃんと祈りを込めて選んでるんだな」
 俺もだと言葉にした翠は皆を見渡す。
 その頃には大食らいも含めて全員が満足するくらいに食事が終わっており、丁度いい頃合いだ。
「腹一杯になったならお参りいくぞ」
「おー!」
 呼びかけに蕙が応え、元気よく立ち上がる。
 仲間たちも境内を見つめて歩き出した。此処から先に続いていく祈りの時間はきっと尊いものになる。
 まだまだ終わらない初詣を思い、一行は再び鳥居をくぐった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV3になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【託されし願い】がLV2になった!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV3になった!

咲樂・祇伐
🌸樂祇


ハレやかな年明けの空気が心地いいわね
大きく深呼吸して咲う
そうね、新春のご挨拶に伺いましょう
桜の龍の振袖は今日の為のとっておき
…あなたの隣だから

…金の蓮の…派手めだけど、あなたらしいわ
かっこいいとか似合ってるとか、そういう事を言いたかったけど…喉の所で渋滞中で
さぁ!祈り花を選びましょう!と誤魔化す

祈り花…どれにしようかな
厄除けの桃は手を出すには躊躇われ
梅は…折合いの良くない弟が思い返され
私も、桜かしら
…精神美、もあるわ
桜のように在りたいなって思うけど
まだまだかも
そんな気持ちをお揃いねと笑って誤魔化す

駄目よ、この花は本殿の神様のだもの
私になんて──もう、言ってもきかないんだから
…怒られても、しらない
触れた指先も、優しい眼差しも
心も。本当はみんな嬉しいのに、そっぽを向いてしまう己が恨めしい
素直さ、は私にはないのだろうか

そんなのも全部あなたは赦してくれるから
花と共に託す願いは、
「あなたが赦されますように」
…なんて

さて、お餅つきしに行こう!
私、お餅つきは上手にできる自信があるの
む、むう!


咲樂・神樂
⚰️樂祇


さあ、祇伐
春を迎えにいこうか
初詣らしく和袴を着てみたよ
白地に金蓮の和袴
信仰に相応しいだろう

ひとはこういう特別感が好きらしい
季の祝いに応じて衣装を合わせるのも楽しみのひとつだ
私の祇伐も実に可愛らしい…桜の龍の、ふふふ

百花の魁たる梅の花も実に意地らしく、強かで
生命力というしぶとさには一目置くがね
祈り花はもちろん、私の番の花である桜だね
桜は五穀豊穣の花
あっという間に儚く散るくせに『私を忘れないで』なんて花言葉がある……儚くも強く美しい
遥か過去から惹かれてやまない花
本殿より祇伐の方に捧げたいが…駄目?
じゃあ一輪だけ、と髪に飾る
花の祝いをわけるくらい神も赦してくれるだろう?
春の空のように変わる表情も他の者の前ではお淑やかなのに私の前ではまるで逆な…いや、ある意味素直な仕草も本当に可愛い

ははは!じゃあ願いは
『こんな風にあるがままに、祇伐が「すなお」でいられる環境であるように』
…無論、私自身への誓のような願い

お参りが終わったら餅を食べに行こう
餅つき?まぁ…私の方が上手くできる自信があるけどね


●飾る桜花
 まさに今日はハレの日。
 咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)は朱塗りの鳥居を見上げ、双眸を緩めた。
「ハレやかな年明けの空気が心地いいわね」
 懐かしくも感じる鳥居を瞳に映した祇伐は大きく深呼吸をしてから朗らかに咲う。普段通り当たり前のようにすぐ隣に寄り添う咲樂・神樂(離一匁・g03059)も鳥居を見つめた。
 初詣らしく和袴を身に纏う神楽は凛とした眼差しをしている。
 白地に金蓮の和袴は厳かな雰囲気であり、神樂自身も信仰に相応しいだろうと評している。それにこの神社は何者も変わらず迎えてくれる。己を阻むものではないと感じた神樂は祇伐をいざなう。
「さあ、祇伐。春を迎えにいこうか」
「そうね、新春のご挨拶に伺いましょう」
 祇伐の装いも今日の為のとっておき。桜の龍が描かれた振袖を纏ったのは、勿論。
 ――あなたの隣だから。
 思いは言の葉にしないまま、祇伐は神樂から差し出された手を取る。ひんやりとした指先もまた彼を近くに感じられる証のひとつ。そのまま連れ立って石畳の参道を進むふたりはゆっくりと歩いてゆく。
 その際に話すのは互いの装いのこと。
 祇伐はちらりと揺れる生地を見遣り、神樂の着物について語った。
「……金の蓮の……派手めだけど、あなたらしいわ」
「季の祝いに応じて衣装を合わせるのも楽しみのひとつだ」
 ひとはこういう特別感が好きらしい、と神樂は知っている。それゆえに何処か得意げな様子だ。その通り実に似合っているので祇伐は彼を褒めたいと思った。
「その……」
 けれどもこれ以上の言葉が出ない。ただ、格好いいと伝えればいいだけだというのに言葉が喉から出てこない。思いが強すぎてどれから紡いでいいかわからない渋滞状態。ちらちらと自分を見る祇伐の様子が可愛らしくて、神樂の笑みが先程よりも深まった。
「私の祇伐も実に可愛らしい……桜の龍の、ふふふ」
「むう……」
 そんな中、やがて見えたのは花で彩られた授与所。
 はたとした祇伐はこれまでの戸惑いを誤魔化すために先を示す。
「さぁ! 祈り花を選びましょう!」
「そうしようか」
 此処で行うのは祈り花と呼ばれる品の奉納。つくられた花に込められている言の葉や意味合いを願いとして納め、祈りとするのが此の場所のならわし。
 梅に桃、桜の花。どれもが春を象徴するものであり、枝を模した先に咲く花弁が愛らしい。
「……どれにしようかな」
 祇伐はどうやら少しだけ迷っているらしい。
 しかし、厄除けの桃は手を出すのは躊躇われた。梅は折合いの良くない弟が思い返されるものだ。花に罪はないけれど、と考え込む祇伐の傍ら、神樂は一切の迷いなくあの花に手を伸ばす。
「やはりこれかな」
 百花の魁たる梅の花も実に意地らしく、強かで生命力というしぶとさには一目置くが――。
 彼が選んだのは桜。神樂の手の中に収まった花枝を見つめ、祇伐も心を決めた。先程、彼の花枝が挿してあった箇所の隣に腕を伸ばした祇伐は桜の祈り花を選ぶことにする。
「私も、桜かしら」
「桜は五穀豊穣の花といわれているようだね。それに、あっという間に儚く散るくせに『私を忘れないで』なんて花言葉がある……儚くも強く美しいものだ」
「……精神美、もあるわ」
 自分も、桜のように在りたい。そう思うが、祇伐としてはまだまだそれには遠い。
 神樂としても此の花は遥か過去から惹かれてやまない花だ。
「懐かしくて愛おしいね」
「同じ……ううん、似た気持ちかも。お揃いね」
 それぞれに思い返していることは違うだろうが、まったく別ではないはず。神樂に笑いかけた祇伐は自分の中にある少し暗い気持ちを誤魔化した。そうしてばかりだ、ちう気持ちも感じながら――。
 そうして本殿の前にある拝殿へ向かう中、神樂がふと問いかける。
「この桜は本殿より祇伐の方に捧げたいが……駄目?」
「駄目よ、この花は本殿の神様のだもの」
 しかし祇伐は首を横に振った。そのために選んだものを自分が貰ってしまうのは憚られるからだ。それでも神樂は良い意味で諦めず、花枝からひとつの花弁をそっと分けた。
「じゃあ一輪だけ」
「私になんて――もう、言ってもきかないんだから」
 止める間もなく髪に飾られた一輪の花。指先がくすぐる感触と自分に花が咲いたような感覚を同時におぼえる。飾られた花を取ることは何となく違う気がして祇伐は抵抗しなかった。
 そうなることを見越していたように神樂が目を細め、薄く笑ってみせる。
「花の祝いをわけるくらい神も赦してくれるだろう?」
「……怒られても、しらない」
 ふい、と逸らす視線。
 触れた指、優しい眼差し。それから、その心も。
 本当はみんな嬉しいものであるというのに、こうやってそっぽを向いてしまう己が恨めしい。格好いいという一言が言えなかったり、以前にはきらいだと思わず告げてしまったり。
 素直さというものは、自分にはないのだろうか。祇伐の心には再び影が射す。
 それでも――。
 変わらず、神樂は微笑み続けてくれている。
 その気持ちが偽りや繕ったものではないことは祇伐にも解っている。神樂本人も、春の空のように変わる祇伐の表情が気に入っていた。それに、他の者の前ではお淑やかなのに己の前ではまるで逆。
(「……ある意味、素直な仕草も本当に可愛いな」)
(「そんなのも全部あなたは赦してくれるから――」)
 ふたりがそれぞれ心に秘めたことは言葉にされないまま。されど、それでいい。
 そして、花と共に託す願いは。

 ――あなたが赦されますように。
 ――こんな風にあるがままに、祇伐が『すなお』でいられる環境であるように。

 花に託した、互いを想う心は尊い。
 作法に倣って新年の挨拶と祈祷を終え、神樂と祇伐は顔を上げた。
「さて、お餅つきしに行こう!」
「餅を食べに行こう。――と、餅つき? 作るところからか」
「私、お餅つきは上手にできる自信があるの」
「まぁ……私の方が上手くできるかもしれないけどね」
「む、むう!」
 ふたりらしい会話が交わされていき、次なる場所へと向かう足取りも軽くなる。
 その道すがら、祇伐の髪に咲く桜がふわりと揺れた。まるで次の春の訪れを報せるかのように――。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【勝利の凱歌】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【グロリアス】LV1が発生!

朔・彗藍
【星明】

星屑鏤む藍に金彩鶴の振袖纏い
春迎えの参拝
明けてまた其の向こうを見据えるようで…素敵です
攫われ繋ぐ先を見つめ同じ気持ちに肯いて

迷いなく手に取る桜華
やっぱり、此の花ですよね
貴女との想い出が咲き誇るから
五穀豊穣ならば今年も美味しい実りを沢山頂けたら
…た、食べるの好き、なんだもの
ふふ、千景はもっと胸を張って良いのですよ

初桜 折しもけふは 能日なり
…なんて、思い掛けずの
神様へご挨拶を始めに
『共に途切れぬ鮮やかな彩(未来)を描いていけますように』
着物に潜ませた冬の大三角煌めく濃藍の筆を
願いと共に心の裡で滑らせて
そっと指先の花枝を満開に咲く花々の中へ奉納しましょう

はっ、つきたてのお餅が頂けるんですよねっ
期待を膨らませて千景を見遣れば鳴るお腹
……。お腹、空きました、です
私はお汁粉と、それから桜餡も試しませんか?
早速五穀豊穣の恩恵を、ということで
あ、千景が選んだのも美味しそうですね
一緒に伸びるお餅を頬張って
素敵な新年の幕開けを

今年も健やかに変わらず千景と
笑顔で在れることを
来たる春の訪れに乞い願う


紫空・千景
【星明】

夜明けを招き桜咲く振袖を纏って
新しい年が来ると不思議とホッとするな?
そっと攫った手の先へ振り返り
同じ時を過ごしてる実感が有るからかもしれんと
彗の顔をみればふわり浮かんだものだから
花唇から柔く紡ぎ出す

迷わず選ぶは桜
噫、私達を繋ぎ想い出咲かせる花だからな
五穀豊穣
美味しい物を沢山頂けるだろうか
ふふ、解っているとも
美味そうに食べる彗をを私が見たいくらいだからな
桜は精神美を謳う
胸を張って之きたいとも

素敵な一句だなと添え
花枝を片手に参拝へ
昨年への感謝と今年の挨拶を先に
『共に新しくうつくしい彩(希望)を描いていけますように』
着物に潜ませた宵に艶咲く四葩の華筆で
心の裡に願いを描けば
花々の中へ自らの祈り花を奉納だな

そうだ、正月なのだから餅でも食べに――
ふっ、彗の腹は正直だな
腹も減る頃合いだ、食べに行こう
私もお汁粉を頂き
桜餡は勿論
早速の恩恵だなと
蜂蜜胡椒は初めてだが
おや、彗も試すか?
是非と差し出し伸びる餅
美味しい新年の幕開けだな

今年も健康で彗と笑いあえる日々を
希おう
来たる春に、辰の年に
いのちの息吹を


●希うは春彩
 冬の風が鳥居の向こうへ駆け抜けていく。
 触れた空気は冷たくとも、新たな年が訪れた実感が心を晴れやかにしてくれる。
 朱塗りの鳥居の下、風にひらめくのは星屑鏤む藍に金彩鶴の振袖。可憐な色彩を纏う朔・彗藍(ベガ・g00192)の装いは、春迎えの参拝を行うのに相応しい。
「明けてまた其の向こうを見据えるようで……素敵です」
「噫、気持ちも引き締まるな」
 その傍ら、紫空・千景(夜明の導べ・g01765)も鳥居の向こう側に続く参道を見やった。神秘的な雰囲気がするのは此処が神御わすところであると知っているからだろうか。
 夜明けを招き桜咲く振袖を纏った千景は其方から彗藍に視線を向け直す。
「新しい年が来ると不思議とホッとするな?」
 その手は此処に訪れたときから繋がれており、千景は振り返る形になっている。攫われて繋ぐ先を見つめ、同じ気持ちに肯いて――彗藍はこくりと頷いた。
 迷いなく手に取る桜華。今年もその傍に居られることが嬉しくて楽しい。
「はい、落ち着きます」
「同じ時を過ごしている実感が有るからかもしれん」
 咲う彗藍に同じ笑みを返し、千景は双眸を細めた。彼女の顔をみればふわりと浮かんだものだから、言葉も花唇から柔く紡ぎ出されてゆく。石畳が続く道の先には手水舎や授与所、拝殿からの本殿がある。急ぐものでなし、ふたりはゆっくりと参道を有るき始めた。
 足元の石畳は心奥足音を迎えてくれている。静かに響く一歩の音色もまた心地よい。
 道の両側に植えられている樹には小鳥たちが止まっているのか、囀りが聞こえた。彼らもまた新年を祝っているのかもしれない。そのことにもまた嬉しさを感じ、彗藍と千景は視線を重ねた。
 そして、ふたりは授与所に訪れる。
 桜、梅、桃。春の花と呼ばれるものたちを模した枝が並ぶ様は愛らしい。
 訪れる者はどの花にしようか悩む者もいるらしいが、ふたりの気持ちは既に決まっていた。
「やはり――」
「やっぱり、此の花ですよね」
 千景が手を伸ばし、彗藍がそっと触れたのは桜の花枝。彼女たちにとって思い入れのある花だ。
「噫、私達を繋ぎ想い出咲かせる花だからな」
「ええ、貴女との想い出が咲き誇るから」
 桜に宿っている願いと祈りは、五穀豊穣。それならば今年も美味しい実りをたくさん見つけて、頂きたい。花枝を見つめる彗藍はふんわりとそんなことを考えていた。
 すると千景がその横顔を見遣り、ふ、と笑う。
「美味しい物を沢山頂けるだろうか、と考えているな」
「……た、食べるの好き、なんだもの」
 図星だった彗藍はふいと視線をそらし、淡紅色に染まってしまった頬を片手で抑えた。その様子もまた可愛らしいと感じた千景は笑みを深めてゆく。
「ふふ、彗の考えることくらい解っているとも」
「お見通しですね。千景はもっと胸を張って良いのですよ」
「美味そうに食べる彗を私が見たいくらいだからな」
 視線を戻した彗藍もまた、ふふ、と静かに笑った。それに、と付け加えた千景は其処から更に言葉を重ねる。
「桜は精神美を謳う。胸を張って之きたいとも」
 頷きあったふたりは祈り花をそうっと抱え、奉納場所である拝殿へと向かっていく。本殿は奥に控えており、その前に奉納された数々の祈り花が飾られている。
 まるで此処だけが一足先に春爛漫を迎えたかのようで目にも美しい。
「――初桜 折しもけふは 能日なり」
「素敵な一句だな」
「ありがとうございます」
 彗藍が思い掛けずの句を詠めば、千景がその声と流れの良さを褒め称えた。それからふたりは花枝を片手に、神様へご挨拶、もとい参拝を始める。

『共に途切れぬ鮮やかな彩――未来を描いていけますように』

 彗藍は着物に潜ませた冬の大三角煌めく濃藍の筆を願いと共に心の裡で滑らせてゆく。
 そっと指先の花枝を満開に咲く花々の中へ奉納すれば、願いと祈りが目に見えぬなにかに伝わった気がした。この思いこそが世界へ向けての信念であり、進むための意志だったかのよう。
 そして、昨年への感謝と今年の挨拶を先に済ませた千景も同様に参拝と奉納を行う。

『共に新しくうつくしい彩――希望を描いていけますように』

 千景もまた着物に潜ませた宵に艶咲く四葩の華筆で、心の裡に願いを描いている。花々の中へ自らの祈り花を奉納することでたくさんの願いと共に昇華されていって欲しい。そんな思いを込めて。
 それから暫し後、両手を合わせていたふたりが順番に顔を上げた。
「終わったか?」
「はいっ! はっ、そういえばつきたてのお餅が頂けるんですよねっ」
 千景に問いかけられたことで頷いた彗藍は、もうひとつの催しのことを思い出す。
「そうだ、正月なのだから餅でも食べに――」
 ――きゅるる。
 千景が答えようとしたとき、膨らませた期待に応じるように鳴る彗藍のお腹。一瞬、顔を見合わせたふたりだったが先に千景が耐えきれずに肩を揺らして笑った。
「ふっ、彗の腹は正直だな」
「……。お腹、空きました、です」
「腹も減る頃合いだ、食べに行こう」
 彼女が微笑ましさで笑ったのだと知り、彗藍は正直な思いを声にする。
 そして――ふたりは餅つきの会場に向かった。餅つき用の臼と杵が置かれている場所の傍らには簡易テントがあり、つきたてのお餅が好きな味で楽しめるようになっている。
「私はまずお汁粉と、それから桜餡も試しませんか?」
 さっそく五穀豊穣の恩恵を、ということで。彗藍はわくわくしながら千景に語りかける。
「私もお汁粉だな。桜餡は勿論。蜂蜜胡椒は初めてだが……」
「あ、千景が選んだのも美味しそうですね」
「おや、彗も試すか?」
「はい!」
 一緒に伸びるお餅を頬張って幸せを感じれば、これこそが素敵な新年の幕開け。
 今年も健やかに、変わらずふたりで笑いあえる日々を希いたい。
 来たる春の訪れ、辰の年に乞い願うは――いのちの息吹。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!

四葩・ショウ
ビターチョコ色キャノチエに
バイカラーのメンズ系晴れ着は
ホワイト&ビターなショコラカラ―

蝶々子さん(g07447)に新年のご挨拶を
今日はいつもの魔女服で逢えるのかな? それとも晴れ着?

今年もよろしくね、と花笑んで
親しみが嬉しかったから、わたしも
……蝶々子ちゃんってよんでも、いい?

よければいっしょに回ろうよ
わたしはこれからお参りなんだ

手にとるのは桃の枝を
わ、すごいね
ほんものみたいだ
新宿島のひとがこころを尽くして準備してくれたんだね

『悪しきものから皆を護る雨除けの翼に、なれますように』
もしも蝶々子ちゃんに災厄がふりかかることが
訪れる日が来たとしても、かけつけて破邪の翼になれるように
真摯に祈って、祈り花をささげる
たくさんの祈りの花が奉納されてて――ああ、とってもきれいだ

皆の願いの蕾が
春をむかえて、ほころんで
叶うといいね

蝶々子ちゃん、お餅つきも見に行こう
どんな食べ方が、すき?なんて、聞いて
わたしは(カロリー的に)禁断のハニーバターとか、すきだな
今日は貴女のおすすめで食べてみようって、こころに決めて


●願いの翼
 朱が鮮やかな鳥居をくぐり、参道を歩む。
 進む度に穏やかに揺れる晴れ着は新たな年の始まりを飾るもの。石畳に響く足音はふたつ。
 片方はビターチョコ色キャノチエにバイカラーのメンズ系晴れ着を身に纏う四葩・ショウ(After the Rain・g00878)のもの。ホワイトにビターを重ねたショコラカラ―の隣、もう片方の足音を響かせる主は、桜に鶯の柄が描かれた愛らしい晴れ着を着た蝶々子だ。
「今日もいつもの魔女服で逢えると思ったけれど……その装いも似合うね」
「はい、パパとママにお友達と逢うなら着ていきなさいって言われて。えへへ、ショウちゃんも格好いいです!」
 ショウが装いに感想を告げると、蝶々子は袖を嬉しそうに揺らした。そのまま凛とした佇まいのショウを見つめた蝶々子も心からの言葉を友人に送る。
 ゆっくりと進む参道に吹き抜ける風は冷たいが、この寒さもまた新年らしさ。
 そういえば、と思い立ったショウは、先程に会ったときお互いに告げた「あけましておめでとう」の続きを告げていないことに気付いた。
「今年もよろしくね」
「こちらこそ、今年も……気が早いですが来年だってよろしくお願いします!」
 花笑むショウに蝶々子も笑顔を返す。
 以前の出来事をきっかけに、ショウちゃんと呼ぶようになった彼女からは親しみが感じられて嬉しい。ショウは言いたかったことを此処で告げてしまおうと決め、そっと問いかけてみる。
「わたしも……蝶々子ちゃんってよんでも、いい?」
「――! もちろんですっ!」
 その途端、ぱぁっと蝶々子の口許に更なる笑顔が咲いた。双眸を細めたショウと瞳を輝かせる蝶々子の視線が重なり、あたたかな気持ちがふたりの間に巡る。
「よければこのあともいっしょに回ろうよ」
「ふふ、最初からショウちゃんとご一緒してもらうつもりで参りました。やったあ!」
「よかった、まずお参りからだね」
 ショウの誘いは快く受け入れられ、この後も友人同士での時間が続くことが決まった。それからふたりは祈り花を受け取れる授与所へと足を運ぶ。
 桃、桜、梅。目に入った花々の造枝はどれも春を象徴するもの。
「わ、すごいね。ほんものみたいだ」
「わたしたちが心を込めればもっともっと本当になりますね」
 ショウが手にとるのは桃の枝。蝶々子は桜の枝に手を伸ばし、それぞれにそうっと見つめた。
 こうして目の当たりにするとよくわかる。これは未来を願った新宿島のひとが、こころを尽くして準備してくれていたもの。そう思えば願いの力が更に強くなる気がした。
 授与所を後にしたふたりは本殿の前にある拝殿へと赴き、それぞれの祈りを花に込めてゆく。

『悪しきものから皆を護る雨除けの翼に、なれますように』

 ショウが願ったのはこれからの自分の在り方のこと。
 そして、もしも――隣で手を合わせて祈っている蝶々子に災厄がふりかかることが訪れる日が来たとしても。自分がすぐにかけつけて破邪の翼になれるように、と。
 真摯に祈ったショウは桃の祈り花をささげてゆく。たくさんの祈りが重なり、ひと枝だったものがまるで一本の樹のへと変わっていくかのよう。
「――ああ、とってもきれいだ」
「すてきですねえ」
 蝶々子も自分がパラドクストレインで送り出す仲間のことを願ったらしく、ふわふわと微笑む。
 そして、ショウは想う。
 皆の願いの蕾が春をむかえて、ほころんで――。
「叶うといいね」
「はいっ」
 明るく返事をした蝶々子と花笑みを湛えたショウは参拝を終え、次なる催しに向かう。
「さて、お餅つきも見に行こうか」
「わああ、行きたいです!」
「蝶々子ちゃんはどんな食べ方が、すき?」
「桜餡が好きです。ショウちゃんは今日どんな食べ方をします?」
「わたしは禁断のハニーバターとか……あとは――」
 道すがらふたりで語り合う時間もまた楽しい。今日は彼女のおすすめで食べてみたいとショウが考えていると、蝶々子がはっとした様子で前方を指差した。
「たいへんです、迷子さんみたい! どうしましょう」
「もちろん、すぐ助けに行くよ」
「ショウちゃんならそう言うと思ってました。参りましょう!」
 泣いている女の子を見つけたふたりは急いで女の子の方に向かう。お互いがどう動くかは解っており、確かな信頼がショウたちの間に巡っていた。それから――。
 迷子の両親がお餅つき会場で無事にみつかったこと、みんなで一緒に美味しいお餅を食べたこと。
 悲しみよりもたくさんの笑顔が咲いたこと。
 何よりも、大切な友達といっしょのひととき。そのすべてが、今日を彩る大切な思い出になった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】がLV6になった!
効果2【先行率アップ】がLV3になった!

咲樂・祝或
🫧はるのあ


シュシュー!こっちー!
とんとんと階段登り
着てるのは泡沫に黒薔薇の振袖さ
振袖に、硝子の靴鳴らして駆ける
アサちゃんはぽてぽてついて…あ、転がった
ナイシュー!ありがと!アサちゃんたら気をつけなきゃ

だってわたし達は神社っぽいとこで育ったし
何だかそわそわしちゃう
この日は皆がご挨拶にくるから神様も大忙しだ
手助け、か
アサちゃんを助けてくれたシューみたいに?

これが祈り花だね
わたしはね桜にする
父さんが大好きなお花なんだから!
豊穣の!
シューは何にするの?
…シュー、そんな心配しなくてもシキは気にしないと思うけど…
ふぅん…なら、わたしは…『シューがお姉ちゃんともっと仲良しになれますように』って願うよ
わたしは…妹とも弟とも仲良しだから

わーい!お餅お餅ー!
わかった、待ってるから頑張れシュー
お茶を飲みながら見守ってたけど
とっても楽しそうでわたしも!と名乗り出る
ん……重い…ふらつく
…シューったら紳士だね
お陰でペタリと美味しいお餅ができたのだ!

美味しいねー!桜の御加護がもうあったみたい
よし!全種盛りにする!


誘樂・春祝
🐈‍⬛はるのあ


新春、心地いい日……と、祝或姉!!
走ったら危ない
祝或姉はあまり足が……!おっと
転がってきたアサを抱き留めれば、ポヌがなぁんと鳴いてアサを案じ
黒猫の和袴姿で彼女を追いかける

大丈夫、神は逃げやしないよ
何時だって見守ってさりげなく手助けしてくれるんだ…こうして祈りの拠り所になったりな
俺みたいに?はは、嬉しいな

祈り花か
祝或姉は何を…聞く前にもう持ってる

俺は…そうだな…どの花も好きなんだ
姉や父を思わせる桜もいいな
厄除けの桃は姉さんを傷つけてしまったらと心配にもなり
…梅にする
俺の花だ
願い事は…『皆が昨日をたのしみ、今を嬉しみ、明日を楽しみに生きられますように』
当たり前だけどとても難しくて尊いこと

餅つきか!
いいね、桜餡もあるようだよ
祝或姉、お茶を飲んで座って
俺がついてくるから
初めての餅つきは楽しくて、これはいいと笑いが零れる
祝或姉もやる?…ふらついてるが
手を貸し一緒に杵を持ち──上手だよ

噫、そうだね
一緒についたお餅、とっても美味しいな
全種トッピングには驚いたが
これはこれで、アリかな?


●或る春に祝いを
 新春、新年、初詣。
 あらたなる年の始まりの空は澄んだ快晴であり、実に心地いい日だ。
「シュシュー! こっちー!」
 境内に響き渡った元気な声は咲樂・祝或(『忘却の匣舟』・g00552)のもの。とんとんと軽快に階段を登っていく彼女が振り向いた先、其処には黒猫の和袴を身に纏った誘樂・春祝(招喜猫・g10644)がいる。
「と、祝或姉!!」
 呼ばれるままに軽く上に向けた眼差し。そのまま階段を進む祝或が纏う泡沫と黒薔薇の振袖が冬の風を受けて揺れている。振袖の揺れに合わせて硝子の靴が鳴った。
 その様子は美しくもあるが、春祝にとっては心配の種でしかない。何故なら彼女はあまり足が――。
「走ったら危ない、祝或姉……おっと」
「あれ、アサ?」
 あのままでは転ぶのではないかと思った矢先、祝或ではなくダンジョンペンギンのアサが階段を踏み外した。ぽてぽて、ころん。もちろん転がってきたアサはすぐに春祝に抱き留められている。
「アサ、大丈夫?」
「ナイシュー! ありがと!」
 春祝の行動に祝或が明るく笑み、アサもこくこくと頷いた。安堵する春祝の傍ら、スフィンクスのポヌが「なぁん」と鳴いた。春祝の腕の中から降りた子ペンギンはぽてぽてと祝或のもとに戻っていった。
「アサちゃんたら気をつけなきゃ」
「大丈夫、神は逃げやしないよ」
「だってわたし達は神社っぽいとこで育ったし、何だかそわそわしちゃう」
 どうやら祝或は少しでも早く本殿を拝みたいらしい。
 されど春祝の意見は変わらず、少し先を指差してみせた。
「それでも急がなくていい。神様ってのは何時だって見守ってさりげなく手助けしてくれるんだ……ほら、こうして祈りの拠り所になったりな」
 その方向には祈り花を手に持ち、参拝に向かう人々の姿が見える。
 誰もが好き好きの枝を選んでおりとても楽しそうだ。
「この日は皆がご挨拶にくるから神様も大忙しだ。それにしても……手助け、か」
「ん?」
 なるほど、と納得した祝或が自分の方を見たので春祝は首を傾げた。
「アサちゃんを助けてくれたシューみたいに?」
「俺みたいに? はは、嬉しいな」
 彼女から伝えられた言葉を耳にした春祝はちいさく咲う。そして、連れ立って歩くふたりは祈り花を受け取ることのできる授与所へと向かっていった。
 其処には春の象徴である花々がたくさん並んでおり、ふたりは興味深くそれらを眺めていく。
「これが祈り花だね」
「祝或姉は何を……と、聞く前に取ったな」
「わたしはね、もちろん桜。父さんが大好きなお花なんだから!」
 豊穣を願う花であることに加え、愛しき者を示す花でもある存在。それが彼女の父が桜を好み、祝或本人も此の花を好きである理由だ。祝或は造花でありながらも綺麗な桜の花弁を指先で触りながら、顔をあげる。
「シューは何にするの?」
「俺は……そうだな……どの花も好きなんだ」
 祝或は何気なく問いかけてみただけだったが、春祝は少しばかり暗い顔をした。
 姉や父を思わせる桜もいいと考えたが、厄除けの桃は姉を傷つけてしまったら、と心配にもなる。春祝の眼差しは桜から桃に移り、最終的に残った花に向けられた。
 その表情と視線から考えていることを把握した祝或は彼の横顔をそっと覗き込んだ。
「シュー、そんな心配しなくてもシキは気にしないと思うけど……」
「……梅にする」
「いいの?」
「噫、俺の花だ」
 姉が問う言葉に首肯し、春祝は梅の祈り花を手に取った。
 その願い事は――。

『皆が昨日をたのしみ、今を嬉しみ、明日を楽しみに生きられますように』

 拝殿の奉納場所に梅の花枝を納めた春祝は一息つき、自分の中にある思いを改めて考える。
「当たり前だけどとても難しくて尊いことだな」
「ふぅん……なら、わたしは――」
 そして、祝或も桜の祈り花を奉納しながら願いを込めていく。それはごく身近な祈りのようなもの。

『シューがお姉ちゃんともっと仲良しになれますように』

 彼らとは違って祝或は妹とも弟とも仲良しであるからこそ、余計に願いたくなる。けれども此処ではこれ以上の言葉を紡いだりはしない。時間や様々な出来事が必要なことだと祝或も解っているからだ。
 アサとポヌもそれぞれに何かを祈っているらしく、春祝と祝或はその様子を優しく見守った。
 そして、参拝を終えたふたりと二匹の興味は別に移る。
「よし、次は……」
「わーい! お餅お餅ー!」
 春祝たちが訪れたのはつきたてのお餅が食べられる催しの会場。自分でつくこともできれば、食するだけにまわってもいい。どんな参加の仕方をしても構わないようだ。
「いいね、桜餡もあるようだよ。祝或姉、お茶を飲んで座ってて」
「わかった、待ってるから頑張れシュー」
 俺がついてくるから、と向かった春祝の背を見送った祝或はひらひらと手を振った。彼は人々の輪に入り、とても楽しそうに餅つきを始めている。その様子は何だかとても楽しそうだ。
「とっても楽しそう! わたしも!」
「きゅきゅー!」
 なんと祝或がアサと共に途中参戦した。だが――。
「ん……重い……」
「祝或姉、ふらついてるな」
「シューったら紳士だね」
「――上手だよ」
 ふらついてしまった祝或の背を支えて手を貸し、春祝が一緒に杵を持ってやる。そのまま共に餅つきをはじめれば楽しくて刺激的な時間が流れていく。それから、ふたりと二匹はつきたてのお餅を頂くことにした。
「美味しいねー! 桜の御加護がもうあったみたい」
「噫、そうだね。一緒についたお餅だからか、とっても美味しいな」
「よし! 全種盛りにする!」
「祝或姉? まぁ……これはこれで、アリかな?」
 彼女の全種トッピングには驚いたが、春祝は穏やかに笑った。これが彼女らしさであると受け止められたように、もうひとりの姉とも。其処まで考えた春祝は思いを誤魔化すように桜餡餅を口に入れた。
 甘くて柔らかい。
 いつか自分もそのような心地を抱けるだろうか。とても楽しげな祝或の姿を瞳に映しながら、春祝は静かに笑む。
 今はこの時間を、大切に。

 新年の神社、その境内に満ちる賑わいは尊き光のようなもの。
 これからも世界を繋げて、未来に向かうための心を紡いでいくために――来る春を迎えよう。
 祈りの花は此処で、ずっと願いを守り続けてくれるから。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2024年01月18日