リプレイ
シモン・ディマンシュ
子火ちゃん(g02594)と
はい、あけましておめでとうこざいました。
お伊勢さんの鬼門守るとこなんてあるんや。偉い人はよう考えますねぇ。
バス動いとりましたけど。ほんとに山登るの礼儀でした?
おっさん、鹿さんみたいにぴょんぴょん跳ねる体力ないんです。
子火ちゃん、飴ちゃんあげるんで舐めとる間休憩。
鍛えるのは嫌だなと、あやす用の飴ちゃん数えて。この手あと三、四回使えますね。
もう終わりでええんちゃうなんて考えつつ。参るのが本題でした。
子火ちゃんはもうお願いごと決めてきました?
ボクは……あんま人に言うもんや無いでしょうに。
お祈りでも、願掛けとか昨年のお礼みたいなもんでも良いとちゃいます?
(必要な人たちに、平和な日々が行き渡りますように)
……さて。子火ちゃん思い切り声出てますよ。
足湯ええですねぇ。
でも、これ以上登るんです?やっぱやめませんか。
篝・子火
シモン(g06086)ときた。
改めてあけましておめでとう。
山があるなら入るのは当たり前だ。
礼儀として参るのはもちろん、山も自然の神。
行くぞ、そう高くない。
二時間足らずで登れる。
遅い。
おまえ…自分のことおじさんだ何だの言っていたが……本当だったのか。大丈夫だ。な?これから子火と一緒に鍛えよう。(哀れみの目)
飴は食べる。美味い。
ともあれまずは参ろう。
途中に卒塔婆や経塚もあったが、ずいぶん信仰の厚い山だった。良い場所だ。
祈り…何だろうな。
シモンは何にした?だって気になるだろう。
……じゃあお礼、願掛けにするか。
「以前とは異なり腹いっぱい飯を食い幸多く過ごすことができた。この感謝は忘れずに、日常を侵す者に容赦せず、精進していきます」
よし。声に出ていた?
足湯があるらしいが、どうだ?
酷使した筋肉痛も癒えるだろう。
よし、もっと上にあがるぞ。
足湯に浸かりながら飲む酒は美味いだろうからな。
●ふたりの初詣
「遅い」
「……あのね、子火ちゃん」
シモン・ディマンシュ(紫門の怪・g06086)は息も絶え絶えのあまり、ぜいぜいと言う体力すらもないようで、掠れ声で言う。
「バス……動いとりましたけど。ほんとに山登るの礼儀でした?」
「……おまえ……」
篝・子火(天高し・g02594)はものすごーく生ぬるい、憐れみと呆れが綯い交ぜになった悲しい表情を浮かべる。
「自分のことおじさんだなんだの言っていたが……本当だったのか」
「ボク、信じてもらえてなかったんやなぁ……」
シモンは味わい深い顔で明後日の方を見やる。そこには山から見下ろす伊勢の美しい景色……と言うにはまだちょっと高度がだいぶ足りない光景。
「いいかシモン」
ものすごく何かを言いたそうなおじさんの肩に手を置く子火。
「山があるなら入るのは当たり前だ。そして、礼儀として参るのはもちろん、山も自然の神」
「それ、山入る時も言ってはりましたね」
「なによりこの山は、そう高くない」
「二時間で登りきれるのは、そらまあ山んなかじゃ低いんやろけどもね」
せやけどね、ってすっごい味わい深い顔をするシモン。
「……子火ちゃん、飴ちゃんあげる」
ついに買収に出た。大人って汚い。
「おまえ……」
子火はさっきの表情の呆れがだいぶ強まった顔になる。
「舐めとる間だけやから、ね?」
「…………まあ食べるが」
食べるんかい。
結局飴の美味しさに屈した(譲歩したとも言う)子火は、シモンが息を整えるまでころころ舐めながら待ってあげた。
「うむ、美味い。美味かった」
「……もう一つあるねんけど」
「それはだめだ」
さすがの子火も同じ手は通じないようだ。
「それに、な。大丈夫だシモン」
「いま時点で何も大丈夫じゃないんですよボク」
「これから子火と一緒に鍛えよう。そうすれば、大丈夫だ」
「……子火ちゃん、好きな飴とか教えてくれません?」
「おまえ……」
今度は憐れみのほうが強まった。9歳年下に憐れまれる年上の男性、どうなんだ。
「……この味ので問題ないぞ」
受け入れてしまう21歳もどうなんだ。
まあ、ともあれ、それから3、4回ほど「休憩」をさせてあげつつ、ほとんどシモンを引っ張るような感じで山を登る二人。
「もう終わりでええんちゃう……?」
「目的を忘れるな、目的を」
子火は肘でシモンを小突いた。
そう、大事なのはお参りだ。なにせ今日はせっかくの初詣。一年の計は元旦にありとはよく言ったものだが、この一年の戦いを無事にくぐり抜けられるかは今日にかかっているかもしれない。
「それにしても途中で見た巨大卒塔婆や経塚、見事なものだったな。信仰が厚い、いい山だ」
「子火ちゃんは相変わらずですねぇ……」
シモンは年下の小さな子供をあやすお父さんみたいな曖昧な笑みを浮かべた。さっきまでひいこら言いながら山を登っては飴で買収して小休止していたダメサキュバスとは思えない。
「で、子火ちゃんはもうお願いごと、決めてきました?」
「子火か?」
鬼人はうーん、と視線を上にやって考え、
「……シモンは何にした?」
「え? この流れでボクのほうが先に答えるん?」
「だって気になるだろう」
「いや、せやからボクが聞いたんですけど……あんま人に言うもんやないでしょうに」
「それを聞いたんだろう、おまえが」
どっちもどっちである。
「……まあ、お祈りでも、願掛けとか……昨年のお礼みたいなもんでもいいとちゃいます?」
「なるほど、お礼、願掛けか」
「やっぱり考えてなかったんやね」
「違うが?」
「だって今ものすごい「それがあったか」って顔」
「いいから、参るぞ」
「すごい勢いでゴリ押すやん……」
唖然とするシモンをよそに、子火はきちんと形式に則って詣でた。
「以前とは異なり腹いっぱい飯を食い、幸多く過ごすことが出来た。
この感謝は忘れずに、日常を侵す者に容赦せず、精進していきます」
「……」
「……よし」
子火はふうと一息ついて、ぽかんと自分を見てるシモンに気付いた。
「なんだ」
「おもいっきり声出てましたよ」
「え?」
あんなにはっきり口に出していたのに気付いていなかったらしい。よほど真剣に願掛けをしていたのだろうか。
シモンは「仕方ないなあこの子は」的な、さっきの醜態を考えるとどうなんだよって感じの表情をしたあと、意外にしっかりと形式張って詣でた。
(「必要な人たちに、平和な日々が行き渡りますように」)
それは声に出さず表情にも見せず、ただ心のなかで呟くように思い描く。ささやかだが、一年のはじめに願掛けるには十分すぎるぐらいの、彼にとっての譲れない願いだ。
「おい、シモン。何を願ったんだ?」
「ええ……さっき聞き流す流れやったでしょ……」
「ずいぶん真面目な顔をしてたから、余計気になってしまった」
いつになく食い下がる子火に、シモンはふっと微笑んだ。
「大したことやあらしまへんよ」
「……仕方ない。じゃあ、それで納得しておいてやるか」
シモンに限ってよこしまな願いを抱くことは……ない、はずだ。多分。体は鍛えないとだが心はそんなことはないはずだ。買収されたけど(しかも複数回。飴で)
ともあれ初詣を終えた二人、しばし山の心地よい空気に静かに耳を澄ます。
参拝客はそこそこやってきているが、奥の院という場所ゆえか、決して猥雑でない賑やかさというか……つまりまあ、静寂を楽しむだけの余裕はある。
「ところでシモン」
「なんです?」
「足湯があるらしいが、どうだ?」
シモンはすごく味わい深い顔をした。
「その脚、酷使したから筋肉痛がひどいことになるだろう。きっと癒えるはずだ」
「いや、ええねぇとは思うんですよ」
シモンは立ち上がった子火に待ったをかける。
「でも子火ちゃん、それ、たしか山頂やったよね?」
「そうだが?」
「つまり、これ以上登るってことですよね?」
「そうだが……?」
なんでわざわざ確認するんだ? と首を傾げる子火。
「あの……え? ボクの言いたいことわかってもらえてない感じなん??」
シモンはちょっと不安になった。
「いや、その……やっぱ、やめませんか」
「よし、もっと上にあがるぞ」
「今ボク意図的にスルーされたんやない??」
「足湯に浸かりながら飲む酒はきっと美味い。だからやめないぞ」
「飴ちゃんまだあるんですけど……」
「ほら、早く立つ」
「仕方あらへんなぁ……」
よっこいせと、シモンは苦笑しつつ立ち上がった。
「ああ、そうだ」
歩き出した子火が振り返り、微笑む。
「改めて、あけましておめでとう」
「はい、あけましておめでとうございました」
そうして二人、並んでまた歩き出した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
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ロイド・テスタメント
★アドリブ歓迎
三重は詳しくないので、“大人”になったナナさんに案内してもらいましょう
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。主達とヤベー光るゴリラは居ません」
無理矢理休暇を取らされて、どうしようと悩んでいたらウキウキの浮きなナナさんがいたワケです
「伊勢神宮とは内宮と外宮があって、天照大神が祀られているのが内宮ですね。閉じ籠もった話が有名ですが、兄弟神であるスサノオが脳筋でどこぞのゴリラみたいに暴れて(長くなるので以下略」
バスとか徒歩とか面倒なのでナナさんを抱えて【飛翔】、羽は飾りではないですからね
「新たな年の朝日を浴びながら向かうのも乙かと思いまして」
着くまで願い事を考える……世界平和?
主と妹君の健康祈願?
ゴリラは論外
「……ナナさんに良い事が沢山あるように、て事が願いで」
18になってもまだお酒はダメなので、自作のホット葡萄を飲みながら足湯で冷たくなった体を温めましょう
「休暇なんて貰うもんじゃ……いいか、ナナさんと初詣行けましたからね」
まだまだナナさんは子供だなぁ
●暗殺者の初詣
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします、ナナさん」
ロイド・テスタメント(元無へ帰す暗殺者・g00322)は奥ゆかしく新年の挨拶をした。
が、その相手のナナは、なにやら気がかりそうな表情でキョロキョロと周りを見渡す。
「……あの、ナナさん? どうかしましたか……?」
「いや……ほら、この流れだと大抵」
「主達とやべー光るゴリラはいません」
ナナの言いたいことを察したロイドがしれっと言った。
「ロイド先輩が別行動取ることなんてあるんスか!?」
「まあ私自身今日は無理やり休暇を取らされたので言いたいことはわかりますが、私とあのゴリラはセットなんですか???」
ロイド的には(主はともかく)あのゴリラとコンビ扱いされるのは大変に業腹だった。どっちがメインでも不名誉この上ねえ!
「ま、まあそういうことなら……」
ナナは咳払いして気を取り直し、にぱっと笑顔になった。
「えへへ、あけましておめでとうございます、ッス! ロイド先輩、今年もハイパーよろしくお願いするッスよ!」
「いつものナナさんらしくなりましたね」
ロイドはその姿を眩しそうに見つめ、微笑んだ。
「それにしても、無理やり休暇なんて珍しいッスね?」
「ええ……急に時間が空いたものですから、どうしたものかと思っていまして」
ロイドはくすりと笑う。
「そこで、ウキウキの浮きなナナさんを見かけた、というワケです」
「うっ、そう言われるとハズくなってきたッス……!」
ナナは顔を赤らめてもじもじした。意外とそのへんの羞恥心はあるらしい。あるいは、ロイド相手だからだろうか?
それはともかく。
「実は私、三重にはあまり詳しくないものでして、よければ"大人"のナナさんにご案内していただければ、と」
「むむ!」
大人。そのワードに、ナナはピーンと目を光らせた。
「そう言われたら……ウチがハイパー案内してさしあげるしかないッスね!!」
ナナはいい気になっていた。今なら、ロイドのほうが年上だけどお年玉とか出してくれそうな勢いだ。ちょろいね。
「っても、まあウチも詳しくないんスけどね、へへ」
「おや、そうだったんですか? 伊勢神宮へのお参りは?」
「いやあ、これがさっぱり……ウチ、ディアボロスになる前のこと覚えてないんスよ」
たいして気にしてないからいいんスけどね、とへらりと笑うナナ。
「そうでしたか。伊勢神宮は、まず内宮と外宮というのがありまして」
「ふむふむ?」
「天照大神……日本神話の主神が祀られているのが内宮ですね」
「へー! 天照大神って、あの……部屋に閉じこもる?」
「そうです。スサノオについては?」
「知ってるッス! ヤマタノオロチやっつけたハイパーつえー人ッスね!」
「ナナさんは博識ですね」
「それほどでもないッス!」
ドヤァ。ナナはさらに調子に乗った。ちょろいね。
「ちなみにそのスサノオ神は、天照大神の兄弟神でもあるんです」
「ほうほう!」
「ただ、いかんせんどこかのゴリラのように脳筋で、様々なエピソードで暴れ回っていまして」
「な、なるほど……」
「そう、いうなればまさしく光らないゴリラ、主のいないゴリラ、首輪のついていないゴリラ、あるいは」
ぺらぺらぺらぺら。ロイドはものすごい神話知識を、どこぞのゴリラへの怒りとストレスと殺意を籠めて超語りまくった。
「……ロイド先輩、伊勢ハイパー詳しくないッスか!!?」
ナナにはそのぐらいしかツッコめなかった。
ところで、そんな二人がどうやって詣でるかと言うと。
「失礼」
「へ?」
ロイドはいつかのようにナナを抱え、ふわりと空を舞った。
「おわー!?」
「新たな年の朝日を浴びながら向かうのも乙かと思いまして……いかがです?」
「ハイパー爽快ッス! わーい!」
ナナは子供のように無邪気に喜んだ。大人とは……?
そうして徒歩ルートをショートカットし、奥の院へ。肝心の願い事は、ロイドは実はこの間に考えていたようだ。
(「世界平和……主と妹君の健康祈願……ゴリラはまあ論外として」)
ふわりと降り立ったロイドは、「ハイパー感謝ッス!」と少し照れくさそうに言うナナを見て頷いた。
「? どうしたッスか?」
「ナナさんにいいことがたくさんあるように、と願おうかと思いまして」
「え! いいんスか!?」
「いいんです。お参りが終わったら、一緒に足湯はいかがですか? ちょっとした飲み物もあるんですよ」
「マジッスか!? 至れり尽くせりッス! へへへ、今日はウチがロイド先輩を独り占めッスねー!」
きゃっきゃと喜ぶ姿を見て、ロイドはまた微笑した。
「まだまだナナさんは子供だなぁ」
突然の休暇も、悪くはなさそうだ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
黒白園・真雪
【黒白藍】
服装は私服。寒くないようにジャケットは普段より厚手のもので、長めのマフラーを首にしっかりと巻き付け。山登りだし、靴も歩きやすいやつを。
新年だなぁ。前は考える余裕も無かったし、ここ最近はデカい戦争やら何やらばかりだったけど……こういう時だからこそ行事は大事にしねぇとってやつか。
寺へ向けて歩きながら、飛鷹や兄ぃに聞いておきてぇな。今年はどんな年にしようかとか、願い事とか。こういう機会じゃないと中々話せないかもしれねぇし。
オレの? オレは……もっと、強くなりてぇ。戦いの事だけじゃない、心の……というか。
……辛い事、トラウマ、っつか。そういうのを、乗り越えられるようになりてぇな、って。神頼みする事じゃないだろって?……いーんだよ、願い事じゃなくて目標だから。
お参りの後は周りの景色を眺めたり、あればおみくじとか引いてみたり(結果はお任せします)。ん? 足湯があんのか……いいな、折角だし行こうぜ。
今年も色々あるかもしんねぇけど、良い年にしてぇな。
二人とも、今年もよろしく。
瀬良・要
【黒白藍】
新年あけましておめでとう!今年もよろしくなァ♪
っつーか金剛證寺ってチョイスがまた斬新だよなァ
山登るんだっけか?うへェ、新年からなかなかハードに行くねェ
服装はロングコート、中も温かい動きやすい服で
靴もスニーカーみたいな歩きやすさ重視
軽い足取りで山登りしながら、新年の抱負、願いとやら聞いてこーか?
ん~願い事……まずは俺の周りが不幸に見舞われませんように、とか
俺個人としては、人脈を広げる!ってとこかね
あと大事なとこで夫婦円満!めっちゃ大事
あとは真雪と同じだ、心身ともに強くなりてェ!!
なァンて話しながらお互いの願いを聞いてみたり
しかし話に聞いてたけどすげーな、卒塔婆とか墓参りでしか見たことねェぞ
けど景色はすげー綺麗だ……うん、初詣には案外イイかも
寺についたら前述の願いをお願いしながらお参りして
お御籤あるなら引くけど、ないなら伊勢神宮でだな
(引けるなら結果はお任せします)
したら足湯行こうぜ足湯!冷えた体、あっためてこーぜっ!
毎年息つく暇がないほど忙しいが、それでも良い年にしようじゃん♪
壬生・飛鷹
【黒白藍】
新年明けましておめでとう。
服装はいつもの狩衣にジーンズ。肩まで覆える大き目のマフラーを巻いて。
要殿、真雪殿とともに足腰の鍛錬がてらゆっくり山を登ろうではないか。
朝熊の登山道か……
昔、修験道を学ぶためにこもっていた京の山を思い出すぞ。
やはり冬の山の澄んだ空気はよいの。気を引き締めるのにもってこいだ
うむ、今年の抱負か?
やはり私も二人同様、己の腕を磨いて強くなりたいものだ
取り戻した領域が増えてきた今こそ、少しでも戦況に貢献できたらよいのだが。
あとは……両隣の血の気の多い友が、この一年も無事であることを祈ろう。
おぬしらはどうにも危なっかしいからのー
願いが二つになってしまった。まあ、年のはじめからこれだけの山道を登りながら祈るのだからな
罰はあたらないであろう?
寺でお参りを済ませたら御籤をひけたらよいな(結果はお任せします)
ふふ、誰が一番いい運勢になるかの
どうやら山頂にまでいけば、足湯に浸かりながら絶景が見られるらしいぞ
疲れを癒して、また明日から頑張ろうではないか
今年もどうぞよろしく頼む。
●黒・白・藍の初詣
「新年だなぁ」
いつもより厚手のジャケットに袖を通し、長めのマフラーをきちっと巻き付け歩く黒白園・真雪(怒りの天使を宿した者・g09418)が、なんとなくぽつりと呟いた。
「なンだ、藪から棒に」
「いや、前は考える余裕もなかったからさ」
問いかけた瀬良・要(死は我が踊り手・g00797)は「なるほどなァ」と納得したのかしてないのか、いまいち判然としない感じで頷いた。
「たしかにでけェ戦争もあったばっかだし、頭ン中切り替えるのにゃちょうどイイのかもな、こォいうのもよ」
「うむ。この山の澄んだ空気は実に気が引き締まる」
壬生・飛鷹(失われた鎖を請う者・g10404)はすうっと深呼吸した。
そんな彼もぶかぶかのマフラーで肩までを覆っているが、そこから下はいつも通りの狩衣にジーンズ姿。ちなみに、要のほうは登山向きの動きやすい服の上からロングコートで防寒対策だ。3人とも靴はしっかりそれ用のを揃えている。
「やはり、何事も足腰の鍛錬から始めなくてはな。途中で足をくじいたりしては、せっかくの新年が台無しだ」
「ンな情けねェ年始めは勘弁だぜ。真雪もボケっとしすぎないで気ィつけろよ?」
「兄ぃに言われねぇでもわかってるぜ、そのくらい」
真雪は唇を尖らせるように返した。
「クロノヴェーダの奴らは新年だのなんだの関係ねぇ……いや、むしろこういう時こそ人を苦しめるような奴らだけどさ。
こういう時だからこそ、行事は大事にしねぇと……って、そういうやつなんだろ? 多分」
「真雪殿も、だいぶわかってきたようだな」
飛鷹は感心感心、と顎をさすりながら頷いた。
「ここは、私が修験道を学ぶために籠もった京の山を思い出す。ゆっくりとこの時間を楽しみながら登るとしようではないか」
「ンだなァ。なかなかハードだと思っけど」
要は登山道を見上げ、へらりと笑った。
3人並んでの山登りは快調だ。普段から戦いやそれ以外でも鍛錬を怠らないだけあって、息切れ一つなくゆったりと進む。
「ところでよ」
「ん? どうした、要殿」
急に要が何か切り出そうとしたので、飛鷹は小首を傾げた。
「どうしたも何も、これからお参りすンなら考えとかないといけねェこと、あンだろ?」
「あー……願い事とか、抱負?」
真雪が言うと「それだよ、それ」と要が人差し指を向ける。
「一年の計はなんとやら、だろ? ちゃンと考えてあっか?」
「ほう、では逆におぬしはどうなのだ?」
飛鷹はやり返すような笑みを浮かべた。
「まさか人に聞いておいて、自分は考えていませんでした……なんてことはあるまい?」
「げ。そこで聞き返してくンのかよ」
要は少しおどけつつ、
「ん~……改めて言われっと迷っちまうな。いや、あるにはあるンだけどよ、多すぎるっつーか」
「……オレは逆に、あんまり思いつかないんだよな」
ぽつりと真雪が呟いた。
「あン? でも、あんまりってこた思いついてはいンだろ?」
「まあ、あえて言うなら……」
真雪は歩きながら、軽く開いた掌を見下ろす。
「もっと、強くなりてぇ」
「強く、か。それはつまり、武術や技法を鍛えたいということかの?」
「それは、もちろんあるけど、それだけじゃないっつーか……」
真雪は自分の思考をどう言葉にすればいいのか、不良めいた者なりに頭の中で試行錯誤しているようだ。
「……戦いのことだけじゃない、あえて言うなら……心の、というか」
「心、ねぇ」
要はからかう……かと思いきや、兄貴分らしい屈託のない笑みを浮かべた。
「いいじゃねェか。心身ともに強くなる、強くなりてェ!!」
だろ? と、視線で語りかける。真雪はこくりと頷いた。
「そうさな。己の腕を磨いて強くなる、そういう願いは常に忘れないでおきたいものよ」
飛鷹も同意の頷きを示した。
「……だたそうだのー、私の場合もうひとつ願いというか目標というか、おぬしらに叶えてほしいことがあるというか」
「「俺(オレ)らに??」」
兄弟分は声を揃えて、中央を歩く飛鷹を見た。
「そうだ。おぬしらがこの一年も無事であるように、とな。願いはするが、おぬしらもそういう心構えをせんでは意味がなかろう?」
飛鷹は困ったような、呆れたような笑みを浮かべる。
「どうにも二人して危なっかしいからのー。自分で願うだけではちと心配だ」
「言ってくれるじゃねェか、2つも願ってる欲張り者のくせによォ」
要はニヤリと笑う。友として、その身を慮られることは嬉しく思うし、からかうような言葉には負けん気が疼くというもの。
「オレ、そんなに危なっかしいのかな……」
真雪はちょっと実感がないのか、頬をぽりぽり掻いている。
「いや何、間が抜けているとかそういうことではないぞ? ただこう、いかんせん血の気が多いのではないか、とな」
「血の気、ね。もうちっと落ち着いた方がいい、ってことか」
「それこそこの山の静謐な空気で気を鎮める、なんてのもいいかもしれんな」
「なるほどな……」
真雪にしてはいつになく真剣に静かに耳を傾ける。
「もしかして、なンか具体的に思い当たるフシでもあンじゃねーの? その反応」
「そこらへんは、個人的な目標だから秘密にしとくぜ」
真雪は要に答え、同時に心のなかで思う。
己の心に刻まれたトラウマ……乗り越えがたい枷と、それゆえの苦手意識。そういうものを克服するには、文字通り克己が必要だ。だから神に願うのでなく、己の意思と力で叶える、そう定めたいと決めていた。
「というか要殿、おぬしの願いは一つだけなのか?」
「あン? そりゃまず、俺の周りが不幸に見舞われないように、だろ?
次に、もっと人脈を広げてェってのと……そうそう、夫婦円満! これ、めっちゃ大事な!」
「兄ぃ、4つも願うのかよ」
「やれやれ、血の気どころか欲目も人並み以上と来たか」
飛鷹は苦笑して肩をすくめた。
「いいじゃねェか、願い事ってのァ別に一つに絞らなきゃいけねェわけでもねェし」
要は悪びれず、むしろ堂々と言ってのける。
「それに、新年そうそうこンな山登りしてんだぜ? 少しぐらい欲深くなったっていいンじゃねェの?」
「ふむ、言われてみると確かに。二つぐらいなら罰は当たるまいな」
「俺はダメだってのかよっ」
真雪はそのやりとりに、こらえきれず吹き出した。
やがて山道を抜けて奥の院に着いた3人は、にぎやかな境内を抜けて賽銭箱の前へ。
「「「……」」」
願掛けの際は一転して静かに、そして無心に詣でる。そのあたりのメリハリは、3人ともしっかりしているのだ。
「よォし、これでひとまずの目的は達成だな! 新年あけましておめでとう、だぜ!」
要はパンと手を叩き、再び騒がしくなると二人に言った。
「せっかくだし、おみくじとか引かねェ?」
「ほう、よい提案だな。ちょうどあちらで見かけたぞ」
「どうせここまで登ってきたなら、少しは景色も見て回りたいもんな」
3人は学生のような軽いノリでワイワイと話しながら、早速おみくじを引いてみる。その結果は……?
真雪が大吉、要が末吉、飛鷹は中吉という結果になった。
なおそれぞれ、真雪は「急がず焦らずじっと耐えるべし。困難な時こそ忍耐が試される」といったことが書いてあり、要のおみくじには「好機が巡ってきたら迷わず進め。しかし迂闊な真似をしないよう足元に気をつけよ」との由、飛鷹のは「自然と必要なものが手元にやってくる。しかし一度見失うともう取り戻せないかもしれないので、がっちりと確実に掴むことを忘れるなかれ」といったことが記されていた。
「なンだよ、俺が一番下かよォ」
要は唇を尖らせた。
「末でも吉は吉よ。今年はよいことがあるのだから、それでいいとしようではないか」
「まぁ、私はおぬしよりいい運勢なのだがの!」
「この野郎、フォローしたと見せかけて勝ち誇ってやがンな……!」
「……兄ぃ、交換すっか?」
「変な気遣いすンな、だいたい意味ねェだろそれっ」
要はビシッと真雪にツッコんだ。
が、すっと大きく息を吸うついでに周りを見渡すと、要は穏やかに口元を緩めた。
「……けど、そうだな……この景色を見れただけでも、もうイイことはあったかもしれねェ」
巨大卒塔婆の並ぶ場はどこか不気味にも思えるが、先祖代々の霊を祀る地元の人々の祈りの気持ちで峻厳な空気が満ちていた。
何気ない人々の賑わい。奥の院の景色、どれもが日常であり、自分たちが守っているものなのだと思うと、得も言われぬ感慨が湧いてくる。
「でもやっぱ、どーせならテッペンからの景色も見てェよな! 足湯もあるらしいしよ!」
「そういう話だったの。身体が冷えてしまったから、早く温まって疲れを癒やしたいところだ」
「いいな、早速行こうぜ。また明日から、戦いに行くかもしれねぇんだし」
3人はさらなる登山道に視線を向けた。
「息つく暇もねェ忙しさに比べりゃどうってことねーな、んじゃ行くか!」
「「おう!」」
そしてまた、賑やかに笑い騒ぎながら足を踏み出す。これまでと同じように、おそらくはこれからも。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
冰室・冷桜
ふー、正月明けの運動には丁度いいかしらね
正月太りとか乙女の天敵ですし、急ぐ必要もなし、のんびりと山登りしながら向かいましょう
大人の女には余裕が必要、ですしね?
ソロで山登りなんで服装はふっつーにマフラーにコート、後は歩きやすそうな暖かそうな感じの服装で
山登りとかなけりゃ着物とかでも悪くないけど、見せる相手が居るわけでもねーし、山登りメインで。疲れて道中楽しめませんでしたーだとかっこつかないしね
のんびりと景色を楽しみながら、山上広苑を目指していきましょ
四季の花木とかも楽しめるそうですし、この季節だとどんなの咲いてるのかしら、写真とかも撮りながらいきたいわねー
天候が良ければ富士山も見えるーなんてネットには書いてあったけど、今日はどうかしらーっと、足湯を楽しみながら見てみましょ
景色をじっくりと楽しんだら、本命の金剛證寺
お祈りする番が回ってきたら二礼二拍手一礼
「今年も安全第一で無事に過ごせますように」っとお祈り
ただでさえ、ドンパチが激しくなっていますし、こーゆー当たり前のお祈りも、ね
●当たり前という幸福
「ふー……っ」
登山道の途中で一休みすることにした冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は、片腕を曲げてもう片方は背中と一緒に大きく伸びをした。
「正月早々山登りってのも、まー悪くはないかなぁ」
山の醍醐味は、なんといっても澄み渡った空気だ。
それは、一年を改めて始めるこの時期にはこれ以上ないほど向いている。心機一転、今年も頑張ろうという気持ちにさせられるのだ。
「それに、正月太りとか乙女の天敵だし……」
冷桜は遠い目をした。何やら思い当たる節でもあるのだろうか。
まだ16歳の女の子とはいえ……いや、むしろその年頃の女の子だからこそ、気になるのかもしれない。
……とはいえ、上に登れば登るほど、1月の冷たい風が冷桜の頬を撫でるわけで。
「マフラー、つけてきといてよかった」
冷桜は気持ちマフラーを締め直した。コートもあるしその下もきちんと暖かいものを選んで着てきたので凍えたりはしないが、肌寒さというのはいかんともしがたい。
残留効果でなんとかすればよい? それはそれ、これはこれというものである。
(「山登りとかなけりゃ着物でも悪くないんだけど」)
それもまた、これはこれというやつである。
ラフな服装で詣でる一年の始まり。改めてやってみると、悪くはない。
しばらく英気を養い体力を回復した冷桜は、「いきますかー」と呟きまた歩き出した。
「こんにちはー」
「ども」
途中、地元の方々と思しき通行人とすれ違うたび、挨拶をしたりしなかったり。白い息を吐きながら片手をひらひらして会釈して、基本視線を向ける先は少し斜め上だ。
朝熊山特有の花にはアサマリンドウというものがあるのだが、季節はだいたい秋頃……遅く見積もっても11月ぐらいが関の山だ。
冷桜も、さすがにそれが見れるとまでは思っていなかったのだが……はたして見やれば、
「お」
遅まきというべきか、あるいはディアボロスの来訪を待ち望んで耐えていたのか。
冬の寒さに当てられようやく花開くというアサマリンドウが一輪、少し厳しい寒風に揺れている。
もちろん、晴れ渡る空のおかげで街も遠方も一望だ。冷桜の指がシャッターを切るたび、カシャカシャと小気味いい音がした。
「これなら山頂の景色も期待できそうね」
そんな呟きを竜胆が聞き届けてくれたのだろうか。
足湯に浸かる頃には、見事な富士山の景色が彼女を出迎えてくれた。
ひとしきり歩いて疲れを癒やしたら、いよいよ本命のお参りである。
境内は相変わらず盛況で、冷桜の前には軽い列が出来ていた。
(「みんな、どういう願い事してるのかしら」)
変わり果ててしまった生活に対する不安は、最終人類史の人々を常に悩ませているだろう。
しかしお参りする人々の表情は安らかで穏やかなものだ。それは、冷桜のような復讐者が今日まで戦い続けてきた最大の成果ともいえる。
「今年も安全第一で、無事に過ごせますように」
自らの番が回ってくると、冷桜はきちんと二礼二拍手一礼して、この当たり前という幸福を噛み締めながらお参りした。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
誘樂・春祝
✤ 彗藍/g00192と
明けたる年も清々しくハレやかだ
初詣と言えば和装だが動きやすい格好での参拝も悪くない
残念なのは彗藍の着物姿を見られなかったところか?
じゃあ行こう
彗藍、疲れたら遠慮なく言ってくれ
おぶる事くらい簡単だから
ポヌは歩く気がない
肩の上の猫を指さし遠慮はいらないと笑う
はは!ノルンもおいで
彗藍のペースにあわせて路をいこう
足元に気をつけて
道中見かける地蔵達は可愛らしい
卒塔婆が並ぶ圧巻の道ではポヌがおどろおどろしい声を出してくるが
気にしないで
君を驚かせようとしている
効果は無かったな?
森林浴をしている気分で心地いい
彗藍、そろそろ山頂だ
頑張れ
着いたら休憩しよう
足湯も楽しみにしていた
効能は「心のやすらぎ」らしい
彗藍の心は安らいだ?
湯に浮かぶポヌ(歩行距離0)を眺めゆっくり休もう
寺までもう一息
金剛證寺…ここまで己の脚で登ってきた達成感を感じる
彗藍は大丈夫?
初詣の願いは
彗藍が笑顔になるたい焼きを沢山焼けるようににしよう
何せ君はたい焼きの専門家
小さくても誰かを倖せに出来る…そんな俺になりたくてさ
朔・彗藍
春祝/g10644と
新年の幕開け、とびきり晴れ空
気持ちいいお天気です
私も春祝の着物姿を是非拝見したかったので
…またの機会に取っておくです(強い意思)
ゆっくり登っていきましょうね
春祝は歳下だけど頼もしいです…
そのときは甘えちゃいますよう
ポヌの特等席、少しだけお借りします、なんて
あっ、ノルンまで春祝の肩に…!
気遣いの声掛けにもふわりと微笑んで肯く
お地蔵様には屈んで笑顔でご挨拶
ぽ、ぽぬ…!どうしたんですか、その鳴き声…!
驚かせ…卒塔婆の途は夜なら少し怖いかも
ふふ、ポヌは可愛いです
深呼吸して厳かで神聖な空気を取り込み
景色も堪能し疲れなんて忘れてしまう
あともう少し!頑張りましょう
足湯でちゃぷりと浸す足 …安らぎます
春祝と湯に浮かぶ可愛らしいポヌも一緒ですし、屹度殊更に
山頂で少し息切れ
だ、だいじょぶです!寧ろ清々しい気持ちで
ちゃんと自分の脚で登れました
願い事――春祝の作るたい焼きをいっぱい食べれますように
…く、食いしん坊になってしまい
でもこれなら春祝の願いも絶対叶っちゃう
倖せの味、笑顔になれますから
●藍色の新春
新年のこの時期はたいてい和装で詣でるもの。現代社会では、こういう時ぐらいしか着る機会がないとも云う。
晴れやかな装いで新たな年を迎えるのにはそれならではの華やかな心地があるが――今日の誘樂・春祝(招喜猫・g10644)と朔・彗藍(ベガ・g00192)はいつもと違う趣向を選んだ。
「新年の幕開けに相応しい、とびきりの晴れ空ですね」
彗藍は雲ひとつない青空を見上げ、ふっと目を細めて微笑み……。
「……でも、春祝の着物姿は是非拝見したかった、です」
ぐっと握り拳を作り、強い意志を籠めて呟いた。というかまあ、絞り出したというか。そのものすごく強い情念が言葉になって口から漏れ出した、というのが正しい気がする。
「山を登るとなると動きやすい格好のほうが安全だからな」
と、春祝。
「でも彗藍の着物姿を見られなかったのは、少し残念かもしれない」
「……またの機会に取っておくです」
「そ、そうだな……」
彗藍があまりにも確固たる意思を両目に籠めて言うので、春祝は少し気圧された。どれだけ見たかったんだろう。
ともあれ、こういう装いでの、山を歩いての初詣。
それはそれで悪くない。何かと怠惰――というのも晴れ晴れしい新年には相応しくないかもしれないが――になってしまいがちのこの時期、あえてゆったりと景色を楽しむのも乙なものだ。
「おお……これが噂の卒塔婆か。大きいな」
一見するとおどろおどろしい……実際は祖霊を祀る人々の想いと祈りが籠められた峻厳な空気に、ポヌがうぬぬと唸るような声を漏らした。
「ど、どうしたんですか、その鳴き声……!」
彗藍はすっかり怯えてしまっている。
「君を驚かせようとしているんだよ。効果はなかったな?」
とネタバラシされると、ポヌは残念そうな、すんとした顔でくしくし後ろ毛を掻いた。
「春祝は、怖くないですか?」
「君がいるからね」
そう言われると、彗藍はじーんと心を震わせた。
「春祝は年下だけど頼もしいです……ちょっと甘えちゃいそうかも」
「いいよ。ペースも彗藍に合わせるから、ここは少し暗めだし足元に気をつけてね」
必要ならおぶるから、と言われ、彗藍はいよいよ微笑み、ふわりと頷いた。
すると、黒猫のノルンがぴょんと春祝の肩に。スンとしたポヌと両肩に花……というべきなのやら?
「あっ、ノルンまで……!」
「ははっ、おいで」
その言葉は黒猫と魔女とどちらにか――あるいはどちらにも?
「はいっ」
彗藍はこくりと頷き、揃って山を歩いた。
やがて登山道を抜ければ、そこにはご褒美の足湯が待っている。
「ん~……っ」
景色を堪能し厳かな空気で肺を洗えば、いつもは感じるであろう疲れなんて覿面に消えてしまっているが、まあそこはそれ。
「ふむふむ……ここの効能は「心の安らぎ」、だそうだよ?」
と、春祝がつらつら書いてある立て札を読み、やはり揃ってちゃぷんと足を浸けた。気楽な獣たちは、足湯というよりプール気分でちゃぷちゃぷ浮いている。
「……はぁ……」
彗藍はとろけるような声を漏らし、ほんわかと目をつむる。
「どう? 彗藍の心は安らいだ?」
「心も身体もやすらぎます……」
「ならよかった」
彗藍はうっとりとしていた目を開き、まずだらーんとする猫たちを見て、それから隣の不思議そうに首を傾げる春祝を見やり、また微笑む。
「可愛らしいポヌも一緒ですし……それに、春祝といられますから」
「そっか。よかった」
春祝はそう言われて、余計嬉しそうに笑った。
そうして身体と心をしっかり休め、ある意味お清めしたような気持ちで金剛證寺へ。今回の最大の目的であるお参りのターンだ。
「彗藍、大丈夫? 疲れてない?」
「だ、だいじょぶです……!」
少し息切れしているような気もするが、ここにきてへばるわけにはいかない。彗藍は気合を入れ直す。それに実際、清清しい気持ちなのは事実なのだ。
「初詣、何を願おうか」
問われて、彗藍は少し恥ずかしそうに言いづらそうな顔をしたあと、
「……春祝の作るたい焼きを、いっぱい食べれますように、って」
「それなら、俺は笑顔になれるようなたい焼きをいっぱい作るよ」
専門家の君のためにもね、と小さくささやく。
「「ふふ」」
今はその味がなくても、ふたり笑顔で静かにお祈りをした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
エイレーネ・エピケフィシア
無二の戦友クロエ様(g08917)と共に
なるほど、一理あります
ですが伊勢神宮は「神社」で、金剛證寺は「寺」ですよね……?
異なる信仰に属する神殿が互いに関係しているとは不思議に思えます
もしかしたら……ローマの人々が、古来の神々をわたし達の神々と同一視したのと同じことが起きたのかもしれませんね
聖句を刻んだ板が何枚も。厳かな心地にさせられますね
(観光案内を片手に)あの橋は、地上と冥府の間に架かった橋を模しているのだとか
橋があれば、渡し賃は必要なくなるのでしょうか……おや、クロエ様?
彼女が手を握ろうとした理由を考えて――思い当たった時、ふと笑みが浮かびます
ああ、冥府の案内はヘカテー様に仕える魔女が、ということですね!
では迷ってしまわぬよう、しかと導いてくださいな
神々の計らいによってわたし達は出会い、こうして無二の戦友となりました
きっと、想いは同じはずです
賽銭を捧げ、日本の礼法に沿って祈ります
「これからも、クロエ様が最も信じる戦友であり続けられますように」
胸の内で願い、必ず実現させると誓いましょう
クロエ・アルニティコス
一番の親友のエイレーネ(g08936)とともに。
伊勢神宮の鬼門を守る神殿ということでしたね。
重要な神殿を守るため、悪霊の通り道に守護をする神殿を建立するというのは理にかなっています。
この神殿が祀る神もきっと名のある守護神なのでしょう。
エイレーネとともに歩きつつ、隙あらば手を握る機会を伺います。
クリスマスではあちらから手を握られ、驚かされましたから。
今度人混みに遭ったらこちらから……と思いそわそわしながら卒塔婆の並んだ道や連珠橋を歩き、機を見つけてそっと手を握りましょう。
むむむ……作戦は失敗ですか。
いえ、なんでもありません。えぇ、今日は私が先導しましょう。
ゆっくりと二人で本殿まで歩き初詣のお祈りを。
昨年は、初詣の時にたまたま行き会いましたね。
あの時は亜人を殺すことで頭がいっぱいでしたが……あの時の縁結び鈴蘭守は、確かに縁を紡いでくれました。こうしてあなたと共に在れるのですから。
願いは「これからもエイレーネと共に在れますように」
●一番の友と一緒に
国によって信仰の形態は異なる。崇める神は当然のこととして、その神を祀る場所であったり、人々にとっての在り方、そして歴史の中での変遷……信仰と文化はほとんど一体だ。
「伊勢神宮の鬼門を守る神殿、ということでしたね。
重要な神殿を守るため、悪霊の通り道に守護をする神殿を建立するというのは理にかなっています」
「ええ……ですが伊勢神宮は「神社」で、この金剛證寺は「寺」ですよね……?
異なる信仰に属する神殿が互いに関係しているというのは、不思議に思えます」
といっても、参拝に来る一般客の大半は、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)とクロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)ほど生真面目に議論するほど仰々しく捉えているわけでもなさそうだ。
だからこそ、異国生まれ――それこそ時代さえ異なるわけだが――の二人にとっては、当然のように馴染むこの光景は、やはり何度見ても奇妙で不思議で、それゆえに魅力的に映る。
「この神殿が祀る神が、それだけ名のある守護神だということではないでしょうか?」
「なるほど、一理ありますね」
クロエの推察に感心したエイレーネは、改めて周りを見やる。歴史を感じさせる趣ある佇まい、そしてそれをあって当然の文化として受け入れ、親しむ人々。つまりここにあるのは、生活そのものだ。彼女らが守り、勝ち抜いた人類史そのものなのだ。
「……もしかしたら、ローマの人々が、古来の神々をわたし達の神々と同一視したのと、同じことが起きたのかもしれませんね」
エイレーネは微笑んだ。同じはずの神を別のものとする――あるいはその逆――ギリシャとローマの神話の関係は根深く、ゆえに習合と混合の在り方を、エイレーネは善きものとして感じた。
つまりそれは、ここに祀られた神が、人々のことを確かに見守ってくれているということでもあるのだから。
さて、そんな大変学術的な語らいをしつつも、観光案内を手に境内を歩く姿は観光客そのものである。
「あれがソトバ……聖句を刻んだ板、ですね。実に厳かな気持ちにさせられます」
「ええ、そうですね」
……はて? なにやらさっきに比べて、クロエが随分ソワソワしてないだろうか? 気のせいかな??
「見てくださいクロエ様、あちらの橋。あれは、地上と冥府の間に架かった橋を模しているそうですよ」
「確か、日本にはそういった文化があると聞きますね(そわそわ)」
「橋があれば、渡し賃は必要なくなるのでしょうか。興味深いです。よければ渡ってみましょう」
「え、ええ……(そわそわ)」
いつもクールに苛烈にクロノヴェーダを倒す魔女にしては、驚くぐらい落ち着かない。なんでかな??
(「なかなかチャンスがありませんね……」)
クロエはエイレーネには気付かれないよう、そわそわちらちらと彼女の手を見ていた。
思い出されるのはクリスマスでの一幕である。急に手繋いできた上に「これで安心ですっ!」とか抜かしやが……もとい、けろっとした顔で言われたあの記憶。あれはクロエの脳を破k……ではなく、大変に印象付けた。青春してんなオイ。
でも、今日は違うのだ。今日はこちらが驚かせる側である。
そわそわちらちら。クロエはチャンスを伺う。だが来ない、全然来ない。エイレーネはクロエを信頼しきってるので隙だらけなのだが、なんかこういい機会がない。ただクロエさんの踏ん切りがつかないだけでは?
「あちらにあるのは……」
(「……よし、ここだ」)
クロエはさりげなーく、できるだけ自然に見えるようなタイミングで、やや不自然に手を伸ばし……そして、握った。
「……おや、クロエ様?」
エイレーネは驚く、というよりきょとんとして目を瞬かせる。驚きより疑問が来ている感じだ。
「そ、その……」
「――ああ!」
エイレーネはぱあっと笑顔になった。
「冥府の案内は、ヘカテー様が仕える魔女が、ということですね!」
「え……」
「ありがとうございます、クロエ様。では、迷ってしまわぬよう、しかと導いてくださいな」
「…………」
「……クロエ様?」
今度こそ不思議そうにきょとんとするエイレーネ。クロエはふー、と深く息を吸って吐いて切り替えた。
「いえ、なんでもありません。えぇ、今日は私が先導しましょう」
作戦失敗である。いや、ある意味想定外の成功なのか? まあなんでもいいか手握れたし。
……はたしてこれは本当にクールで苛烈な魔女様なんですか? いやこれも日常の姿ということなのだろう、多分。
ともあれ、そうして連珠橋を渡り境内を見て回ったあとは、本殿までゆっくりと歩調を揃えて歩き、いよいよ初詣のお祈り。
「昨年は、初詣の時にたまたま行き会いましたね」
ふと、クロエがぽつりと呟いた。
「そうですね。神々の計らいに違いありません」
その微笑みを見ていると、クロエは胸が暖かくなる。亜人を殺す――ただそれだけを考えて自分の頭は、随分と隙間が増えたように思う。いや、彼女がそれをくれたのだ。人間性という、あるべき余裕を。
「……あのときの縁結び鈴蘭守は、たしかに縁を紡いでくれましたね」
クロエも、ぎこちなくだが微笑み返す。そうして頷き、賽銭を捧げ擲ち、二礼二拍一礼を正しく執り行う。
(「これからも、クロエ様がもっとも信じる戦友であり続けられますように」)
(「……これからも、エイレーネとともに在れますように」)
かたや、戦友に見合う己であろうとする誓い。
かたや、一番の親友へのけなげな想い。
言葉は異なれど――それは紛れもなく、同じ尊い気持ちだった。
「……ふふ」
「今日は、ここへエイレーネとここへ来れて、よかったです」
穏やかに微笑むエイレーネを見やり、クロエは心からの気持ちを述べた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV2が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
エルマー・クライネルト
【Wertlos】
アドリブ歓迎
新宿島で新年を迎えるのも三度目だ
今年こそは和服をと思ったが、登山ならその為の装備を準備していく
残留効果の使用はなし、先にバテた方は新年の初酒を奢るのだ、いいな
自然の山の中を歩くと言うのはこう、足腰が鍛えられそうだ
それに登る人が結構な人数いる…日本人はすごいな
面白い穴の開き方の木だな、いいだろう…少し、少し待て(スマホの使い方に苦戦しつつ)
少し疲弊してきたら気晴らしにジョンへ話を振るか
お前はもう何を願掛けするかは決めているのか?
私は…去年と同じか、もう少し多くなるかもな
目的地へ着いたら寺の作法に沿って参拝と願掛け
私の願いは変わらず、戦友の無事と歴史を全て奪い返すこと
それと…今年はジョンに実りある年であればいいと思う
何も得られずにいるままなど私の気が済まないのだ
取り戻せるものがあるならそれが戻ってくるようにと願う
さて、下山する前に……足湯とか興味ないか?
いや別に足が限界なわけではないが…ねぇからな
少しの休みも必要だ、きっとまた忙しくなるだろう(チョコ受け取り)
ジョン・エルバ
【Wertlos】
アドリブ歓迎!
酒飲んで寝てピザ食ってたら一年あっという間だぜ
準備してるエルマーに比べてオレはいつもの服で
ハハハ!残留効果無しの登山つったってただの散歩だろ?着込む方がバテちまうよ
新年初奢りはどっちか決まったな
日本人はここ日常的に通ってんの?すげえな、修行か?つか寒い!
あっエルマー!向こうが見える木があるぞ!
覗くから写真撮ってくれ!ピースピース
息を上げつつ話を振られれば顎に手をやる
願掛けね、オレは決まってるぜ
エルマーは?多くなるのか、いいじゃん欲張っていけよ
寺に着いたら隣のマブダチの真似をして願掛け
願いたいことは沢山あるが、まずはクソ天使をぶっ飛ばして兄ちゃんを迎えにいくこと。そして名前を呼んでもらうこと。
オレのロックをかけた約束、もとい願い事だ
あとはアメリカの奪還に、今年も美味い酒をエルマーと飲めたら最高だな!
足湯ぅ?お前さてはバテたんだろ
ウソウソ、いいよ。行こう
ポケットから板チョコを取り出し割って渡す
言う通り、たまにはこういうところで休むのも悪かねえな
●3度目の新年
「いいか」
しっかりと準備を整えたエルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)は、キリッとした顔でジョン・エルバ(ロックスター・g03373)を見やる。なお、ジョンの方はいつもと変わらないラフすぎる格好だ。
「あ? なんだよエルマー」
「残留効果の使用はナシだ。かつ、先にバテたほうが今年の初酒を奢る」
「ハハハ! また随分デカく出たじゃん」
ジョンはエルマーの挑発的な視線を鼻で笑う。
「登山っつったって、ただの散歩だろ? ンなの、着込む方がバテちまうぜ?」
「……そうやって慢心していると、あとでどんな吠え面をかくかが楽しみだな」
「新年初奢りはどっちか決まったな、こりゃ」
二人の間にバチバチと火花が散った。新しい年の幕開けから相変わらずすぎる。初詣ぐらい仲良く出来ないのだろうか。
いや、まあこれが逆に仲がいいというか、エルマーとジョンのつるみ方なんだけども。
……というわけで、これから霊験あらたかなお山登ってご参拝しようって時に、あまりにも生臭くて俗すぎる戦いが始まった。
ジョンはあのように言っていたが、わざわざ山の中にバスが通るということは、当然ただの散歩道とは比較にならない。
日夜戦ってるからといって、運動全般がオールラウンドに得意とも限らんのである。登山とは戦いなのだ。いや、マジで。
「今年こそは和装を……と思ったが、まあこれはこれで悪くないな」
しっかりと準備をしてきたエルマーは、意気揚々と歩きながら自然の景色を楽しんだ。
時は1月、草木は厳しい寒さに葉を落としてただ冬を待つばかりだが、朝熊山には四季折々の景色がある。凍てつくような寒風の中、白い息を吐いて肌寒さを自らの血の暖かさで温み切り抜けるというのも、年の幕開けには相応しいのだろう。
「日本人はここ日常的に通ってんの? すげえな、修行か?? つか寒い!」
隣にうるせえのがいなければなお厳かな気持ちになっただろう。
「……お前はもう少しこう雰囲気というものを」
「あっエルマー! 見ろよあそこの木! 向こうが見えるようになってるぞ!」
ジョンはてててーっと駆けていった。幼児?
「……面白い穴の開き方だな、この木は」
言いつつエルマーは、通りがかる地元の人々の会釈ににこやかに応じる。思っていたより往来が多い。日本人、すげえ。
「ここ! ここ覗くから写真撮ってくれ!」
「いいだろう」
「いえーい、ピースピース」
「……少し待て」
「いえーい」
「…………」
「……おいまだ!? 寒いんだけど!!」
「少しだ。もう少しだな……」
「スマホにどんだけ苦戦してんだよ! おっさんか!!」
「違う、これは新しい機種でだな」
「いやおっさんだけどな実際」
「なるほどこのスマホはお前の顔面に投げつけるのが正しい使い方なんだな??」
新年ぐらい仲良く以下略。
……とまあそんな一幕もありつつ(仕切り直し二回目)
「少し……ほんの少しだが疲れてきたな」
「な、なんだよ……やっぱ、初奢りはそっちかぁ……?」
ジョンは息が上がりつつあった。だが、この勝負は「先にバテたほう」の負けである。
つまり、バテたことを認めなければ……足を止めなければ、負けない。二人はお互いの消耗と疲弊を感じ取りつつ、またバチバチと火花を散らした。新年ぐらい以下略。
「お前は、もう、何を願掛けするのかは……決めて、いるのか?」
「願掛けね、オレは……決まってるぜ、エルマーは?」
「私は……去年と、同じか……もう少し、多くなるかもな」
睨みながら朗らかに会話するという、周りから見ると奇異すぎる光景が繰り広げられていた。
そんなこんなしているうちに(酒飲んでピザ食って寝てりゃ一年過ぎるとかいうどっかの自堕落な奴の言を肯定する訳では無いが)あっというまにお寺に到着。
「……さあ、まずはお清め……からだ」
「おう……だな……」
二人は完全に意固地になり、決してバテたとも疲れたから休憩をとも言わず、お互いを睨むように監視しながら(一応楽しそうに)境内に足を踏み入れ、手を清め、さっそく本殿へ。
エルマーは3度目ということもあり、賽銭を投げ込むのも堂に入っている。ジョンはそれをちらちら横目に盗み見て真似した。
(「戦友たちが無事であるように、そして……奪われたものを、歴史を、すべて奪い返せるように」)
エルマーは峻厳な面持ちで祈る。一方のジョンは?
(「まずはクソ天使をぶっ飛ばして兄ちゃんを迎えに行く! んで……名前、呼んでもらいてえな」)
それはロックをかけた約束――否、願い事。絶対に譲れない目標だ。
(「あとはアメリカも奪還して……」)
(「それともう一つは……」)
そこで二人は、示し合わせたわけでもなく、互いにちらりと相手を見やった。
言葉にせずとも気持ちはわかるのか、何も言わずふっとお互い笑う。
(「ジョンに実りある年であるように」)
(「今年も美味い酒をエルマーと呑みてえ!」)
なんだかんだ、願い思うのは大事な朋友のことだった。
さて、参拝を終えたあとは?
「足湯とか興味ないか?」
「お前さてはバテたんだろ」
「違う。足が限界なわけでは……」
「ウソウソ」
ジョンはお詫び代わりに板チョコを割って差し出した。
「たまにはこういうところで休むのも悪くねぇよ。行こうぜ」
「……ああ、そうだな」
エルマーは笑ってそれを受け取り、頷いた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【浮遊】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
ララステラ・アンジェリカ
アドリブ歓迎!
ララステラ(青)の姿で、基本は普段着(テックウェア系パーカー)で。
ちなみに一人だよ。ぼっちって言うな!なんてね!
うーん、すっかり寝正月……って訳でもないけど
新曲作ってたらもうこんな日にち!?
ってことで、新年の初詣に行ってこようかな
……人混みはちょっとにがてだけど、さすがにもうすいてるよね
ムジカを肩にのせて、のんびりお参りするよ
「金剛證寺」……なんだか強そうな名前なんだよね
ララたち、歌は得意だけど、肉弾戦はめっきりだから……
……むきむきになったら強くなれるかな?
そういうお願いをした方がいいのかな?
とはいえ、それはそれで衣装が着られなくなって困っちゃいそう
……うん、やっぱり、そうだよね。ムジカ
お願いはやっぱり、「ララとアンジェが、ずっと一緒に歌っていけますように」
『ambivalence』は、ララたちの願いだもの
相反するものでも、いつか手を取りあえるように……そんな願い
だから、ララはひとりだけど、ひとりじゃない
さあ、ことしもきりきり新曲出してこ!
がんばろうね、ムジカ!
●新たな始まりだからこそ
「すー、はぁー……うーん、いい空気!」
人もまばらになりつつある頃、のんびりと山道を歩くララステラ・アンジェリカ(ambivalence・g05591)。
どうやら新年から曲作りに没頭していたようで、初詣にやってくるのもだいぶ間が空いたようだ。
(「人混みはちょっとにがてだし、こっちのほうがよかったかも」)
もともと芋洗いというほどごった返していたわけではないが、それでもララステラが足を運んだ今に比べれば人が多かったことも事実。
こうしてムジカを肩に乗せて、何も気にせず景色を見渡したり立ち止まって風の音に耳を澄ませたり出来るのは、今ならではだろう。
それは境内にやってくると、なおさらに強く感じられる。
「こんごーしょーじ、って……なんだか強そうな名前だよねー、ムジカ?」
「もきゅ?」
肩の上でのんびりしていた相棒が首を傾げる。
「なんかこう、むきむきって感じというかー……歌が得意なララたちとは真逆っていうか」
言いつつ、ララステラはちょっと想像の翼を広げてみた。
ものすごくフィジカルが強まり、クロノヴェーダとかワンパンでのせるようになったムジカ。……あとついでに自分。
多分、ムジカの見た目はものすごいことになっている。もふもふっていうか、むきむき(物理)になっている。
「いや、それはさすがにちょっとどうかな……」
ララステラは想像のヴィジョンをかき消した。そういう強さは求めていない。色んな意味で。
「そういうお願いしようかなって思ったけど、衣装を着られなくなったら困っちゃうもんねぇ」
「もきゅ……」
ムジカはなんらかの恐ろしい可能性に震え、そして「もきゅきゅ!」と力強く力説するように鳴く。
「……うん、やっぱり、そうだよね。ムジカ」
ララステラは相棒を見て、こくりと頷いた。
そしてお賽銭を投げ込むと、きちんと二礼二拍手一礼の形式に則り、目を閉じたまま真剣にお願いごとを思い描く。
(「――ララとアンジェが、ずっと一緒に歌っていけますように」)
"ふたり"の願いを、『ambivalence』をいつまでも……戦いの終わりまで、そしてその先までも、歌い続けていけるように。
相反し相容れないはずのものでも、きっといつかは手を取り合える。
力づくで叶えるのではなく、ひたむきな想いを胸に歌い、世界に伝え続ける――それはある意味、何よりも困難で、苦しく、打ちのめされそうになることもある願いだ。
だからこそ、ララステラは願う。不安に思う自分に、そんなことはないと笑って首を振る。
「ララはひとりだけど、ひとりじゃない」
そう呟き瞼を開く表情は、いつもと同じ笑顔。可憐で美しい、アイドルという理想の姿だ。
「さあ、ことしもきりきり新曲出してこ!」
「もきゅっ!」
「うんっ、がんばろうねムジカ!」
相棒とぎゅっと指切りげんまんするように触れ合って、ララステラは軽やかに歩き出した。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!