極寒を溶かす嫉妬の炎(作者 天木一)
#吸血ロマノフ王朝
#ゼレノグラードの死体儀式
#骸運びのブネ
#ゼレノグラード
⊕
●ゼレノグラード
モスクワの郊外にあるゼレノグラードの街。そこの広場に市民が集められていた。
「急に呼び出されてなにがあるんだ?」
「さあ? でも領主様の命令には逆らえんからな」
不満げにしながらも、人々は領主であるブネが遣わしたアヴァタール級大天使『『紅人魚』アマーリエ』の命令に従い、雪の積もる寒い中、身を寄せ合って並んでいた。
だがそんな寒さをものともせず、熱々の空間を築いている者たちもいた。
「ねぇ、私寒いわ」
「ああ、本当だ。手が冷えているね」
白い息を吐いて震える女性の手を寄り添う男性がしっかりと握る。
「手だけじゃないの。ほら」
「ああ、愛らしい頬まで冷たくなってしまったね。すぐに温めよう」
男性がそっと手で頬を包み込み、二人は正面から見つめ合う。
「どうしましょう、唇まで冷たいわ……」
「それは大変だ。すぐに温めなくては……」
二人の顔が近づき合い、衆人環視の中だというのに気にもせず唇を重ねた。
「まあ、熱々ね」
「恋人になって日が浅いんだろう」
そのイチャイチャする様子を微笑ましいと夫婦などは優しい目で見ていた。だがもちろんそんな温かな感情ばかりではない――。
「クソがッ!! こんな人目のあるところでキスなんてしやがって!!」
「ぐぅうううううっ!! 俺に恋人がいない当てつけか!?」
「私にもあんな優しい恋人がいれば……あの女と代わりたい!!」
一部の人間は呪詛を吐くように恋人のイチャイチャを睨みつけ、寒さすら忘れて何もかもを焼き尽くすような嫉妬の炎を燃やしている。
「……感じるわ。身を焼くような嫉妬を……そう、あの者たちには資格があるわ」
その様子を眺めていたアマーリエが指示を出し、嫉妬している人々を集めて連れ出した。
●新宿駅グランドターミナル
「攻略旅団の調査で、ジェネラル級アークデーモン『骸運びのブネ』の消息を掴む事ができたわ」
東城・リリカ(デーモンのレジェンドウィザード・g01222)がブネの情報が手に入ったと告げる。
「ブネはモスクワ近郊にある『ゼレノグラード』の街を支配して、市民をトループス級の大天使やアークデーモンに覚醒させる儀式を行おうとしているようね」
ゼレノグラードには、死体をレンガのように積み上げた壁で覆われた円形の儀式場が複数造られ、その儀式場に集められた一般人をトループス級に覚醒させるつもりのようだという。
「急いでゼノグラードに向かって、今ならトループス級にさせられた一般人を助けられる可能性があるわ。そしてこの儀式場を破壊してしまうわよ!」
急げばトループス級になってしまったばかりの今ならば元に戻せるかもしれない。
「一般人はトループス級『嫉妬団』に覚醒させられてしまっているわ。これを元に戻すには、強く呼びかけて心を揺さぶってから倒さないといけないの」
まだ心までクロノヴェーダに成り切っていない今ならこちらの言葉が届く。それによって人としての意識を強くさせてから倒すことで人に戻す事が可能となる。
「人に戻れば傷を受けてない状態に戻るから、呼びかけてからパラドクスを全力でぶつけても大丈夫よ」
人に戻ることができれば、トループスとなっていた時の傷も消え去る。
「呼びかける言葉は、覚醒させられたトループス級の性質に反するものがいいかもね。今回の相手は『嫉妬団』だから嫉妬から抜け出せるような言葉がいいかしら?」
嫉妬の感情によって覚醒させられた嫉妬団を元に戻すなら、嫉妬を解消したり忘れられるような言葉ほど効果があるだろう。
「人々を元に戻したら、死体が積み上げられた儀式場を破壊してもらいたいの。放置すればまた敵に再利用されてしまうわ」
儀式場がある限り、何度でもトループス級を生み出される危険がある。
「儀式場を護るトループス級『『婦人血死隊』屍兵』が居るからそれを倒してしまえば儀式場を破壊できるわ。それと、できれば儀式場に利用されている死者の弔いもしてあげたいわね」
多くの死体を利用した儀式場だ。全員が無理だったとしても無残な姿を晒したままにするのも忍びない。
「残りはブネの配下であるアヴァタール級『『紅人魚』アマーリエ』を撃破するだけよ。ブネに関する情報を持っているかもしれないけど、それほど重要な情報は持ってないと思うから倒す事が優先よ。撃破してしまえばこれ以上の儀式は行えなくなるはずだわ」
儀式場が破壊されたのを察知してアマーリエがやってくる。それを撃破すれば作戦は成功となる。
「ブネはジェネラル級ヴァンパイアノーブル『死妖姫カーミラ』の指示で、今回の作戦を行っているようね。でもブネ本人は今回の作戦を不本意と思っているようだわ」
簡易に数だけを頼りとする弱いトループス級を作る作戦を不本意と思っているようだ。
「だけどどんなものであれ命じられた作戦が失敗してしまえば立場が無くなってしまうわ。だから今回の儀式を失敗に追い込めばブネに決戦を挑む事もできるはずよ」
上手くいけばブネとの決戦へと繋げられる作戦となるだろう。
「ここでブネ討伐まで持ち込めたなら、モスクワのカーミラの戦力が大きく減るはず。そうなればカーミラとの決戦だって近くなるはずよ。モスクワを取り戻す一手として、まずはブネの儀式を阻止してゼレノグラード解放に向けて動くわよ!」
リリカの激励を受けたディアボロスは、雪と死体が積もるゼレノグラードの儀式場へと向かった。
●嫉妬に燃える
「こ、ここは……」
「死体だ……死体でできてるぞ……」
死体の積まれた儀式場。そこに集められた十数名の人々の周りには、死体の血で紋様が描かれていた。
「仲睦まじい恋人同士を見ると怒りがこみ上げてくる……。
恋人たちの幸せな笑顔を見ると暗い炎が胸に宿る……。
熱々な恋人どものイチャイチャを見ると殺したいほどの憎くなる……」
大天使『『紅人魚』アマーリエ』が人々に向けて語りかける。
「その怒りを、その憎悪を、その嫉妬の炎を燃やしていいの。嫉妬とは誰もが持つ本能。それに抗うことはない。嫉妬のままに行動するのは自然なことなの……」
洗脳するべく人々の嫉妬を肯定し、さらに嫉妬を増幅させていく。
「嫉妬してもいいのか……」
「そうだ! この怒りは正しいものなんだ!!」
「カップルなんて爆発してしまえばいい!!!」
嫉妬心を爆発させた人々が変貌し、トループス級『嫉妬団』に変わり果てていく……。
「そう、嫉妬するのは正しい事なの。私は誰よりも美しい。だから私よりも美しくあろうなどという美を脅かすものは全て醜く破壊するもの。あなたたちの嫉妬の気持ちがよく理解できる」
最も美しい自分と競おうとするものすら許せないと、あらゆる美に対して嫉妬を燃やすアマーリエは、嫉妬の塊である醜い嫉妬団に優しげな笑みを見せた。
「まだまだ数が必要ね。嫉妬に燃える人間を探しましょう」
アマーリエはその場を立ち去り、他に人が集められている場所へと向かった……。
リプレイ
百鬼・運命
※アドリブ絡みネタ描写大歓迎
「ふはははは、我々は返って来たあ!」
宿命を感じて他のメンバーより一足先に現地入り
現地の嫉妬団と邂逅した瞬間にニュ○タイプ的なあれやこれで分かり合い、嫉妬団をまとめる部隊長に
そのままノリと勢いと口八丁と嫉妬団の洗脳パラドクス(クロノヴェーダも対象)で丸め込んで婦人決死隊など敵クロノヴェーダ部隊の指揮権を奪い、儀式場を占拠
他のメンバーが到着した際には、嫉妬団を指揮して儀式場だった場所に立派な会場が整え、嫉妬団旗(嫉妬団が掲げている幟)を無数に掲げて「此処に第三嫉妬帝国の建国を宣言する!!」と嫉妬団(+洗脳した他クロノヴェーダ)相手に演説をぶち上げています
(なお「建国宣言の場にふさわしくない」と既に嫉妬団を指揮して儀式場の死体を丁寧に埋葬して地の紋様もきれいに清掃しており、間接的に儀式場を破壊しています)
※ネタに突っ走っていますが、わざと作戦が失敗するような真似は慎みます
鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。
ロシアまでやって来てやることが嫉妬団づくりとか東京の恥さらしどもがよぉ……。
嫉妬団の肩に手を置くなどして、親身な態度で説得を試みる。
聞きな、タイツ姿のにーさんねーさん。
あたしはあんた達が善良な人たちだと信じている。
最初に積まれた死体を見た時、恐ろしいと思ったはずだ。
いちゃつく恋人たちを見た時、自分もああなりたいと感じたんじゃないか?
あたしはそれはまともな神経だと思う。
妬んだり羨んだりするのはきっと自然な事だ。そんな自然な感性を持ってるあんたたちは、それなりにまともな、胸を張っていい人生を歩んでいる筈なんだ。
それなのにあんたたちはこれから恋人を妬むだけで生きていくのか?
そのままだと、「もしも恋人が出来たなら」って希望すら持てない人生になるぞ。人間じゃなくなっちまうんだからな。
何度でも言う、アンタたちはまともで立派な人間だ。
妬んだり怒ったりも、人間のままでやった方がいいに決まってるじゃないか。
もし人間に戻ったら、人生経験のたくさん詰まった話をたっぷり聞かせておくれよ。
●極寒の地で燃える嫉妬団
「ふはははは、我々は返って来たあ!」
宿命を感じた百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)は、誰よりも先んじて一足早く儀式場へと現れる。高笑いと共に――。
「おおっ!!」
その姿を見た嫉妬団は思わず声を上げて凝視してしまう。目と目が合い、脳裏に閃光が迸るように一瞬にして永遠のような邂逅が起きて、金縛りのように硬直した。
「さあ同士よ、嫉妬団旗を掲げるのだ!」
「「おうともっ!」」
運命が嫉妬団が掲げている幟である嫉妬団旗を渡す。
「此処に第三嫉妬帝国の建国を宣言する!!」
「「嫉妬団! 嫉妬団!!」」
同じ匂いがする運命のノリと勢いに流され、嫉妬に燃える嫉妬団が高らかに声を上げた。
「嫉妬団の名をこの世界に轟かせるのだあ!」
「「うぅおおおおおおお
!!!!」」
「嫉妬団を世界に!! 嫉妬団万歳!!」
極寒の冷たさも気にならぬ、燃えるような暑苦しさで嫉妬団が咆える。運命も場の熱気に当てられ、いつの間にか本当に嫉妬団の仲間入りをしたように拳を突き上げ、本来の目的を忘れ暴走気味に盛り上げていた。
「何を盛り上がっているのか?」
「……余所者の考えはわからない」
儀式場の防衛の役割を担う『『婦人血死隊』屍兵』が、そんな様子にあまり近づきたくないと少し離れた場所で警備していた……。
「ロシアまでやって来てやることが嫉妬団づくりとか東京の恥さらしどもがよぉ……」
鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)も盛り上がる嫉妬団を見て顔をしかめ、大きな溜息を吐いた。そして首を振って気を取り直すと気勢を上げる嫉妬団に近付く。
「聞きな、タイツ姿のにーさんねーさん」
嫉妬団の肩に手を置いて親身な態度で説得を始める……。
「あたしはあんた達が善良な人たちだと信じている。最初に積まれた死体を見た時、恐ろしいと思ったはずだ」
周りには無残な死体が、悲痛な顔で虚空を見ている。
「そりゃ……死体は恐ろしいし……」
まだ人の心の残っている嫉妬団は死体を見てぶるっと身体を震わせた。先ほどまでの熱さが嘘のように冷めていく。
「いちゃつく恋人たちを見た時、自分もああなりたいと感じたんじゃないか? あたしはそれはまともな神経だと思う」
「まとも?」
嫉妬団が返事をすると、サンダーは目を合わせて大きく頷いた。
「妬んだり羨んだりするのはきっと自然な事だ。そんな自然な感性を持ってるあんたたちは、それなりにまともな、胸を張っていい人生を歩んでいる筈なんだ」
「胸を張って……そうよ、わたしは恋人がいなくてもまともに生きてたわ……」
「俺もだ。恋人が欲しいだけで、別に悪いことはしてない」
負の感情もまた人間が持つ当たり前の感情の一つでしかないと諭す。盛り上がっていた落差からか、急に場が冷えると冷静になった嫉妬団があれこれと嫉妬以外の感情に襲われる。
「それなのにあんたたちはこれから恋人を妬むだけで生きていくのか? そのままだと、「もしも恋人が出来たなら」って希望すら持てない人生になるぞ。人間じゃなくなっちまうんだからな」
「イヤよ、妬むだけなんて。わたしも恋人が欲しい……」
「そうだ。俺達はイチャイチャする相手が欲しいんだ!」
妬むのは羨ましいからだ。自分達も恋人が欲しいから。イチャイチャしたいから。このまま恋人が一生出来ないなんて嫌だと嫉妬団の嫉妬が大きく揺らいだ。
「何度でも言う、アンタたちはまともで立派な人間だ。妬んだり怒ったりも、人間のままでやった方がいいに決まってるじゃないか」
「人間のままで……いい」
「そうだ、嫉妬団じゃなく、人間としてやっていこう」
嫉妬団の人の心が覚醒し、トループス級としての意識が弱まった。
「恋人が出来ない……結婚していく友人たち…………うっ、頭が!」
そんな諭された中には嫉妬団に混じって音頭を取っていた運命もいた。
「しまった。居心地が良過ぎて嫉妬団に成り切り過ぎていたか、でもまあ結果オーライということで」
我に返った運命は〈神刀『十束乃大太刀』〉を抜くと、パラドクス『嵐閃』を発動し一瞬で無数の斬撃を放ち、血で描かれた儀式の紋様ごと嫉妬団を切り裂いた。
「もし人間に戻ったら、人生経験のたくさん詰まった話をたっぷり聞かせておくれよ」
そう言ってサンダーもパラドクス『エコーチェンバー』を発動し、嫉妬団を音の反射する空間に閉じ込め、恋人が欲しいという言葉を反射させて増幅し、残響に包まれ音の衝撃によって嫉妬団がバタバタと倒れていった。すると嫉妬団の姿が元に人間へと戻っていく……。
「あ、れ? わたし、なにを……」
「頭が痛い……たしかイチャイチャしてるカップルを見て……それから……ひっ! 死体! そうだ、死体が山積みされてるところで……!」
起き上がった人々は混乱したように辺りを見回し、何が起きたのかを思い出していた。
「良かったな。これでまだ恋人が出来る希望はあるよ」
ディアボロスは嫉妬団にされてしまった人々を無事に元に戻すことに成功した。
だがその異変は儀式場を警備していた婦人血死隊にも知られることとなる……。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
●儀式場警備兵
「あれは、人の姿に戻っている?」
「儀式が失敗したのか? それとも別の要因か……調べに向かう」
「人間を逃すな。尋問して、後にまた儀式を行うことになるだろう」
嫉妬団が人間に戻ったのを視認した婦人血死隊がすぐさま動き出す。
儀式場が健在ならばまた嫉妬団が生み出されるだろう。それを阻止するには積まれた死体とその血で描かれた紋様で作られた儀式場を破壊するしかない。
儀式場を使えなくする為に、まずは邪魔な婦人血死隊を倒してしまおうとディアボロスは動き出す――。
葉古森・莱
(トレインチケット)
●儀式場の破壊
「こんな酷い……」
葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)は儀式の為に積み上げられた死体を見て泣きそうな顔になる。
「これ以上犠牲が出ないように……いこう、けだま!」
こんな儀式はこれ以上させないと、胸に抱くモーラット・コミュの『けだま』を強く抱きしめ、湧き上がる怒りをぶつけるように人間を捕まえようとする婦人血死隊に立ち向かう。
「人間を逃がすな!」
「止まれ! 逃げれば殺す!!」
婦人血死隊はトループス級『嫉妬団』から人間に戻った人々を捕えようと近付く。
「ひぃっ!」
逆らえば殺されると人々の動きが止まった。
「そうはさせないよ――座して待ち構えるべし。口に飛びこんだ獲物は……逃がすべからず」
莱はパラドクス『守護罠・蠅地獄』を発動し、敵の足元にハエトリグサのような罠を生み出した。
「なに?」
何かを踏んだ感触に婦人血死隊が下を向くと同時に、二枚貝を連想させる板で瞬時に挟み込まれた。
「ぐぎぇっ!!」
「針が刺さって
………!」
板の内部に仕掛けられた幾つもの鋭い棘が体に突き刺さり悲鳴が漏れ出た。
「貴様!! 許さんぞ!」
仲間をやられて婦人血死隊が激高し銃剣を構え、突撃すると銃剣を突き入れ発砲する。
「許さないのはこっちのセリフだよ……もう絶対に人を殺させないから!」
莱は殺気を放つ敵を前にしても勇気を胸に堂々と言い返し、短刀〈槿食〉で攻撃を受け止め、刃と銃弾が腕を傷つけ血を流しても怯まずに抗う。
「人間がクロノヴェーダになれるのだ。この程度の被害ならば喜んで受け入れるだろう」
「その通りだ。矮小なる存在にチャンスを与えているのだ。感謝こそされ非難される謂れはない」
婦人血死隊には怒りを向けられる理由などないと、クロノヴェーダらしい自分勝手な理論で反論する。
「人々を儀式の為に犠牲にするなんて……赦せないわね」
レイア・パーガトリー(竜胆・g01200)は騎士として見過ごせないと、悪逆の限りを尽くす婦人血死隊へと攻撃を仕掛ける。
「行くわよリンバス!」
無双馬『リンバス』に跨ると敵に向かって駆け出す――。
「騎兵?」
「動くのは危険か、脚を止めて騎手を撃ち落としてしまおう」
罠を警戒して動かぬ婦人血死隊はその場で銃剣をレイアに向けて射撃体勢を取り、血の影でリンバスの動きを鈍らせ発砲する。
「この程度でリンバスは止められないわ!」
レイアは〈竜骸剣〉を盾にして致命傷を防ぎ、少々の被弾は構わないと銃弾に腕や脚の肉を抉られても後退はしない。
「多くの人を死なせ、さらにはクロノヴェーダにしようだなんて言語道断よ。ここで全員蹴散らすわ!」
レイアの怒りに共感するようにリンバスが猛々しく嘶いて地を蹴ると、パラドクス『炎馬騎行』を発動して炎の体を持つ駿馬の群れが現れる。
「突撃よ!」
レイアが指揮するように剣を振り下ろすと、炎の馬の群れは敵陣へ突撃を開始した。
「燃える馬の群れだと!?」
「撃て撃て! 近づかせるな!」
婦人血死隊は銃撃でそれを阻止しようとするが、構わず炎の馬は駆け続けて突っ込み、婦人血死隊を撥ね飛ばし、踏みにじり、燃え上がらせていく。
「うわああああああっ!!」
「燃える、身体がぁっ!!!」
あちこちで悲鳴が上がり、馬の通り過ぎた後には焼け焦げた婦人血死隊が転がっていた。そして儀式に使われていた死体の山も崩れて焼かれていく。
「すごいっ、ヴァンパイアノーブル様と戦うなんて……」
その信じられないディアボロスの戦いに、人々は嫉妬心も忘れて見入っていた……。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。
ロシア、ロシア……うーん、映画『戦艦ポチョムキン』はもうちょっとだけ後の時代だっけか。じゃあそうだなあ……あんたら雪国の人間にとって一番恐ろしいだろう物を描いてみようか。
使うパラドクスはオルタナティヴファクト。描くは雪中行軍演習の悲劇。
大雪大風で視界不良、仲間の声も届かない。足元が見えず滑落の危険もある。何よりも身を凍らせるほどの寒さ。
クロノヴェーダは本来寒さぐらいで死にはしないんだろう。
でもこれはパラドクスだ。
転落による傷、寒さによる低体温症、体調不良と異常事態が重なることによる精神異常。
登場人物が味わう苦痛を、ダメージとして背負って貰う。
カーズニで突破されればそれまでだが……。ただでは済まさないことは約束しよう。
●死者には安らかな眠りを
「ロシア、ロシア……うーん、映画『戦艦ポチョムキン』はもうちょっとだけ後の時代だっけか。じゃあそうだなあ……あんたら雪国の人間にとって一番恐ろしいだろう物を描いてみようか」
鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)はロシアという国から連想し、思い描いた映像を描くことにする。
「大雪大風で視界不良、仲間の声も届かない。足元が見えず滑落の危険もある。何よりも身を凍らせるほどの寒さ――」
パラドクス『オルタナティヴファクト』を発動し、愛用のスタイラスペンを手に描くは雪中行軍演習の悲劇。
視界を塞ぎ目の前の仲間の背中すら見えない吹雪の中、歩みを遅くする深く積もった大雪はその足元が大地なのかどうかもわからない。そして何より恐ろしいのは身を凍らせるほどの寒さ。歩いているのに手足の感覚はなく、顔は凍り付き呼吸することさえ苦しい。そんな地獄のような行軍が描き出された。
「なんだこれは!? 寒いっ? 寒いだと!!」
その描いた作品と同じ風景が現実世界に生み出され、婦人血死隊を包み込み凍えさせる。
「馬鹿な! ヴァンパイアノーブルたる我々が寒さに震えるなどっ!」
常に冬である吸血ロマノフ王朝で生活するクロノヴェーダは特に寒さに強いと言える。なのに身体が凍るなど在り得ないと首を振った。
「クロノヴェーダは本来寒さぐらいで死にはしないんだろう。でもこれはパラドクスだ」
本来ならば寒さによるダメージなど無い。しかしこの吹雪はサンダーの起こしたパラドクスによるもの。世界法則を書き換えた寒さならばクロノヴェーダ相手でも通じる。
「転落による傷、寒さによる低体温症、体調不良と異常事態が重なることによる精神異常。登場人物が味わう苦痛を、ダメージとして背負って貰う」
「ふざけっ……うぅっ体が動かん
!!!!」
「こんなものでぇ!!」
雪に倒れ伏す者も居る中、歯を食いしばり何とか耐える婦人血死隊が深い雪を踏みしめ前に出る。
「突破する!!」
婦人血死隊が血の影から生み出した騎馬に跨る。
「カーズニで突破されればそれまでだが……。ただでは済まさないことは約束しよう」
「突撃ぃいいいい!!」
サンダーの忠告も苦痛に苛まれている敵には届かない――婦人血死隊が突撃するがその足元が崩れて馬ごと滑落する。
「ぅあああああああああっ!!!」
「吹雪の雪中行軍で騎兵など自殺行為でしかない。雪国の恐ろしさをその身に刻むといい」
サンダーの起こしたパラドクスが消滅すると、吹雪も大雪も幻のように消え去り、そこには凍え死んだ婦人血死隊が顔を引きつらせて倒れていた。
「さあ、儀式に利用されている死体を弔おうか」
戦闘の衝撃で崩れて散らばっている死体を見たサンダーが莱とレイアに呼びかけ、アマーリエが来るまでの時間で簡易に弔っていった……。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【迷宮化】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
●嫉妬の炎
「騒がしいと思って戻ったら……これはどういうことかしら?」
大天使『『紅人魚』アマーリエ』が嫉妬団から元に戻った人間が、解体された儀式場の死体を見知らぬ者と弔い。儀式場を護っていたはずの婦人血死隊の死体を見渡し困惑する。
「見知らぬ人間。いえ、人間のはずがない……まさかディアボロスが侵入していたというの? これではブネ様より指示された兵隊の数に届かない。この美しい私がこんな醜い失敗をするなんて赦せないわ……」
華麗に作戦を成功させて己が美しさを示すはずが、それを邪魔されて怒りが燃え上がる。その呪詛の籠もった目は邪魔をしたディアボロスへと向けられた。
「あなたたち、よくも私の邪魔をしてくれたわね。美しく成功ばかりするあなたたちディアボロスは本当に赦せない存在。私の嫉妬の炎で燃やし尽くしてあげるわ」
嫉妬の業火を手にした扇に纏わせ一振りすると、婦人血死隊の死体が燃え上がり灰になっていく。嫉妬するほどにその火力が増す大天使は、その美貌とは真逆の醜い心を露わにしていた。
「お、怒ってらっしゃるぞ! やっぱり死体を弔ったから!」
「でも放っておけないじゃない!」
死体を弔うのを手伝った一般人が怯えて身体を震わせた。それを背に守るようにディアボロスが前に出る。
アマーリエを倒さねばブネの企む儀式は続行されてしまう。ディアボロスはこれ以上儀式で犠牲になる者が出ないよう、嫉妬の燃えるアマーリエへと向かった。
鳩目・サンダー
来てやったぜ、この東京の恥さらしが!
なぁにが嫉妬団だ、あの全身タイツどもが配下になってお前さん嬉しいのか?
ヴァンパイアノーブルの皆さんも困惑してたぞ。
さてまあ、ダメ元で訊くんだが、骸運びのブネ様のお考えなどご存じではありませんか?
あの冷たく気高く美しくついでの肌の露出度も高いジェネラル様だよ。
戦力増強に励んでいるのは見てわかるが、想定してる相手はあたしらディアボロスなのか。
或いは他のクロノヴェーダ……。
ヴァンパイアノーブルに対抗し、本格的にここをアークデーモンと大天使の拠点にしたいと目論んでいるのかな?
と反応を見る。
それとも何も聞かされていないのか?
まあ作戦としてはそれが正しいだろう。あんたみたいに熱くなりやすい猪武者には、余計な情報は与えない方がいいもんな。
(喧嘩腰ではありますが、対話が目的です)
アドリブ、連携歓迎です。
●情報
「来てやったぜ、この東京の恥さらしが!」
鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)がよそ様の世界でも嫉妬団を生み出した大天使に呼びかける。
「なぁにが嫉妬団だ、あの全身タイツどもが配下になってお前さん嬉しいのか? ヴァンパイアノーブルの皆さんも困惑してたぞ」
明らかにジャンル違いのトループス級に、ヴァンパイアノーブルも眉をひそめていたのを伝える。
「彼女たちも嫉妬の炎を知れば理解できるわ。あれらは小物であっても自分の気持ちに素直な存在。そこらの自分を偽る者たちよりも気持ちを理解できる配下よ」
弱いトループス級の実力的なものは考慮していないが、アマーリエにとって嫉妬団は共通する感情を持つ配下として認めていた。
「えぇ……ごほん。さてまあ、ダメ元で訊くんだが、骸運びのブネ様のお考えなどご存じではありませんか?」
サンダーも困惑してしまうが、気を取り直してブネについて問いかける。
「あの冷たく気高く美しくついでの肌の露出度も高いジェネラル様だよ」
「ブネ様の美しさを理解しているディアボロスもいるのね」
アマーリエはうっとりした様子で、サンダーが口にしたブネへの褒め言葉に態度を軟化させて話を聞く態度を見せた。
「戦力増強に励んでいるのは見てわかるが、想定してる相手はあたしらディアボロスなのか。或いは他のクロノヴェーダ……」
サンダーは相手の反応を見ながら質問を口にする。
「ヴァンパイアノーブルに対抗し、本格的にここをアークデーモンと大天使の拠点にしたいと目論んでいるのかな?」
「ブネ様は美しいだけでなく聡明でもあるわ。この死体の儀式場もブネ様にすれば児戯のようなもの」
アマーリエは元よりこのような小儀式には期待していないと解体された儀式場を見渡す。
「こんなくだらないことをさせるカーミラなんて、ブネ様の足元にも及ばないわ。美しさだけは少しだけ認めてもいいけれど、ブネ様こそがこの地の支配者に相応しい方よ」
(「思った以上にブネについての情報を与えられてるみたいだな……」)
サンダーは聞き出した情報から想像を膨らませる。
(「カーミラの作戦は失敗ばかりだが失脚していない……何者かが介入しているのか?」)
よく読むマンガならこういうとき誰かが介入している展開だった。
「カーミラの邪魔はどうでもいいけれど、ブネ様の邪魔は許さないわ。悔いて逝きなさい」
もうお喋りは終わりだと、アマーリエは嫉妬の炎を燃やして襲い掛かる。
「考えるのは後だ。ひとまずこの戦いを終わらせるぜ!」
サンダーは戦闘態勢を取りアマーリエと戦闘に入った――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
時坂・暁
(トレインチケット)
キョーミ・モタンネ
(トレインチケット)
●嫉妬の大天使
「さあ、あなたたちディアボロスを滅ぼし、ブネ様のご命令を遂行するべくトループス級を増やすとするわ」
『『紅人魚』アマーリエ』の言葉には嫉妬の呪詛が混じり禍々しい空気が漂う。
「嫉妬の大天使ですか。嫉妬を司るならアークデーモンの方が合っている気もしますが、どちらにしても人をクロノヴェーダにするというのなら倒さねばなりませんね」
キョーミ・モタンネ(除穢者(のけもの)・g06560)はもう嫉妬団など増やさせはしないと、パラドクス『憤怒浸透(イカリシントウ)』を発動して謳う。
「どうして私たちが復讐者と呼ばれるか知っていますか⁉」
それは敵味方に問いかけるような言葉。敵を委縮させ仲間を鼓舞する力強い声が戦場に響く。
「私の心を踏みにじろうというの? 赦せないわ。この嫉妬の炎は誰にも消させない――」
アマーリエが声に乗せて呪詛を放ち、霧のようにキョーミに纏わりつかせる。
「さあ、嫉妬に心身ともに蝕まれるといいわ」
嫉妬の呪詛はキョーミの身体に侵食し痛みを与える。だがキョーミは表情を変えず苦痛に耐えて謳い続ける。
「嫉妬など復讐者の燃える心の前には蝋燭の灯のようなものです!!」
「赦せない! ディアボロスなんかが私の嫉妬に耐えるなんて! 私よりも美しい者も、私よりも強い者も赦さない。私が負けるはずがないの!」
互いが苦しみながらも攻撃を続けダメージを重ねる……。
「嫉妬に狂う大天使……嫉妬で失敗した企業人を何人も知っています」
嫉妬に時坂・暁(パラダイス・ロスト・g00297)は嫉妬によって人生を狂わせた人々を思い出す。
「そしてそれはクロノヴェーダであっても同じ事。嫉妬によって視野が狭まっているのならチャンスです」
キョーミへと意識を集中させているアマーリエに向け、パラドクス『天光を穿つ漆黒(ブラックフォール)』を発動する。
「ハイロゥ駆動。我、天光(ひかり)を穿つ漆黒の闇。堕ちよ――ブラックフォール!」
アマーリエの足元にハイロゥが展開し、そこから光を穿ち貫く一条の闇が天に向かって放たれた。
「なにがっ!?」
士気を高めて威力を上げた衝撃を受けて、不意打ちを食らったアマーリエは吹き飛ばされて空に浮かんだ。
「美しい私を傷つけたのはあなたね? 罰を受けてもらうわ!」
睨んだアマーリエが扇を振るうと、内に燃えたる嫉妬の業火が放たれて暁を呑み込む。
「罰を受けるのはあなたです。人をクロノヴェーダにしようなどと、赦されることではありません!」
暁はそれに耐え、嫉妬の炎にも負けぬ怒りを胸に、キョーミと共に攻勢を継続した――。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
エルティ・アーシュ
(トレインチケット)
怨間・ポピィ
(トレインチケット)
「私よりも強くあろうだなんて赦せない。嫉妬の炎で何もかもを燃やしてあげるわ……!」
傷付けられた『『紅人魚』アマーリエ』は苛立ち、扇を振るって辺りを無差別に燃やす。
「うわっ!!」
その火の手が近くにいた人々にまで熱風を届かせる。
「嫉妬でみんなを苦しめるなんてダメだよっ。止めよう、アウリーネ!」
エルティ・アーシュ(受け継ぐ小竜・g01898)はオラトリオの『アウリーネ』と共に嫉妬の大天使に立ち向かう。
「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね……!」
刃のような羽根を飛ばし、エルティを包み込んでその身を切り裂いていく。
「触れただけで切れるよっ、気をつけて!」
エルティはアウリーネに下がるように呼びかけながらソードハープで弾き致命的なダメージを負わないように凌ぐ。
「この地に生きる草花さんも怒ってるよ!」
そしてソードハープを竪琴として奏で、パラドクス『草花の交唱(プランタス・アンティフォナ)』を発動し、冬に閉ざされた植物たちの怒りを感じ取って歌い上げる。
虐げられる人々……儀式の為に踏みにじられ犠牲となり……その屍は山と積まれた――。
その悲しみに共感して歌を紡ぎながらエルティは涙を浮かべる。
「みんなが一生懸命に生きてるのに、それを自分勝手に踏みにじるなんて赦せない!」
「これは……私の身体が震えてるの?」
歌からクロノヴェーダへの激しい怒りが伝わり、アマーリエの精神を削って動きを止めた。
「今だよ!」
「儀式の為に人々を殺める――誰に聞いても悪だよ!」
怨間・ポピィ(現ヒルコの戦闘狂・g09767)が悪は滅すると飛び出し、パラドクス『狂暴纏(バーサーク・オーラ)』を発動して自身を凶暴化し、暴走するように肉体を強化して一気に加速すると懐に入り、籠手〈鋼の「なっくる」〉でボディブローを叩き込む!
「ごふっ!!」
無防備になっていたアマーリエがくの字になって血を吐く。
「悪はぼっこぼこにしてあげるね!!」
ポピィはさらに反対の腕でアッパーを決め、アマーリエを吹っ飛ばした。
「あ、ぐぅ……わ、私のこの美しい顔に、傷をつけたわね……!」
アマーリエは憎悪に染まった目で睨みつけ、嫉妬の呪詛を放ちポピィに纏わりつき激痛を与える。
「このくらいの痛みどうってことないよ!」
凶暴化しているポピィは痛みを無視して殴り掛かる。
「まるで獣だわ……激痛に蝕まれているはずなのに」
それをアマーリエは扇で受け止め、信じられないようなものを見る目でポピィを見る。
「悪を前に僕は止まらない! お前をひき肉にするまで殴り続けるよ!!」
テンションを上げて止まらぬポピィはさらに殴りつけてアマーリエを後退させた。
「まともに相手をしてられない。消えて――」
付き合っていられないとアマーリエは嫉妬の業火で薙ぎ払い、視界を遮り間合いを開けた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。
(なるほど、儀式はブネじゃなくてカーミラの肝煎りなのね。
……ではなぜ「ブネがトループス級クロノヴェーダを作っている」って話がこっちに入って来たんだ?明らかにこっちに足りてない情報がある……。)
んじゃあおっぱじめようか。
格上のアヴァタール級で自分大好きナルシストとくればこれしかないだろう。
「リアライズペイント」。
大小の不揃いながら流麗な翼、纏うオーラ、柔らかな顔(かんばせ)、妖艶な表情、見事な動きまでも、一手ごとに模倣して見せよう。
仲間と共に戦う場合は、このパラドクスが囮として使えると有難い。
プロポーションを盛ったり翼の数をむやみに増やしたり派手に躍らせたりして目を引こう。
「綺麗なものは描きたくなるのが性分でね。」
でも……こうなったからには綺麗なままでは終われない。
どちらかが汚ぇ肉の塊になるまで、喧嘩しようか。
●嫉妬に飲まれ
「私がここまで押されるなんて、このままでは使命が全うできない……それではブネに申し訳が立たないわ」
傷付いた『『紅人魚』アマーリエ』は、それでもブネから受けた使命を全うしようと邪魔なディアボロスの排除に動く。
(「なるほど、儀式はブネじゃなくてカーミラの肝煎りなのね。……ではなぜ「ブネがトループス級クロノヴェーダを作っている」って話がこっちに入って来たんだ? 明らかにこっちに足りてない情報がある……」)
鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)は得た情報からあれこれ思案するが、今はこれ以上考えている暇はないと切り替えて戦いに集中する。
「んじゃあおっぱじめようか」
サンダーはこの儀式の終わりを始めようとスタイラスペンを手にした。
「あら、そのペンで美しい私を描くつもり?」
武器らしく見えぬペンを手にしたサンダーにアマーリエが笑みを浮かべた。
「格上のアヴァタール級で自分大好きナルシストとくればこれしかないだろう」
描くものは決まっているとサンダーは笑みを返しするするとペンを動かした。
「リアライズペイント」
ユーベルコード『リアライズペイント』を発動し描かれるのはアマーリエの姿――大小の不揃いながら流麗な翼、纏うオーラ、柔らかな顔(かんばせ)、妖艶な表情、見事な動きまでも、一手ごとに模倣していく。
するとその絵が実体を持ち、もう一体のアマーリエが姿を見せた。
「なっ
………!」
自身と同じ存在が目の前に現れアマーリエは絶句する。
「綺麗なものは描きたくなるのが性分でね」
サンダーが悪戯に成功したとばかりにウインクする。
「私と同じ美しさ……いえ、私よりも美しい……?」
「絵だからさ、ちょっとばかり盛らせてもらったよ」
プロポーションが本人よりも僅かに良かったり、翼の数も多くゴージャスになっている。
「私よりも美しい私……赦せない………死ね死ね死ね死ね死ね!!!」
嫉妬に狂うアマーリエが刃のような羽根を飛ばす。
「でも……こうなったからには綺麗なままでは終われない。どちらかが汚ぇ肉の塊になるまで、喧嘩しようか」
偽アマーリエも同じように羽根を放って互いが傷ついていった。
「私は! 私こそが世界で最も美しい存在なの!!」
本物も偽物も全身が切り裂かれて見るも無残な姿に成り果てる……。
「私の美しさは……永遠に
…………」
両者が相討ちで倒れ、嫉妬の炎に焼かれて灰になっていく。
「美しいものもいつかは朽ち果てるものなんだよ。それが理解できないから醜い嫉妬に飲まれるんだ。東京の恥さらしが」
サンダーは自らの嫉妬に焼かれるように息絶えた大天使に吐き捨てる。
「勝ったの?」
「すごいっ倒してしまったぞ!」
ディアボロスの勝利を嫉妬団にされていた人々が喜ぶ。
「嫉妬するのもほどほどにね。こんな風になるぞ」
「はいっ」
「気をつけます!」
サンダーが忠告すると、神妙な顔で人々は頷いた。
トループス級を生み出す儀式の阻止に成功し、人々の感謝を受けながらディアボロスは帰還した。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!