リプレイ
括毘・漸
湯上・雪華(g02423)とともに
雪華!ケーキですよ!ケーキ!
しかもあんなに大きいケーキ!ボク初めて見ましたよ、あんなに大きいケーキ!
雪華とともにパーティー会場に行き、入った瞬間に大きなケーキに目を奪われ、特徴:とんでもない甘党なこともあり、大人げなくおおはしゃぎします。
ケーキをお腹いっぱいまで食べられるなんて、ほんと夢みたいですね。
ここはあの大きなケーキに挑戦しませんとね。
大きなケーキに挑みかかるように、取り分け皿に切り分けたケーキを乗せていき、皿の上でもケーキの小山を作っていきましょう。
折角のパーティーですし、色んな味を楽しみませんと。
皿に乗せたケーキを次々と頬張っていき、あっという間にケーキの小山を平らげてしまいますが、その勢いでか、顔にケーキのクリームをつけてしまいます。
んっ?どうしましたか雪華?ボクの顔に何かついてますか?
雪華のお礼に自分のケーキをフォークで一口大にして雪華に差し出し
はい、雪華あ~んです。
美味しかったですか?
湯上・雪華
括毘・漸(g07394)と一緒に
超巨大なケーキでいろんな味があるってすごいですよね!
私も初めて見ます。すごい、これ、作る側の技術の結晶ですよ!
どう作ったのか、どこから切り分けようか、考えながらケーキを見て回ります
楽しそうにしてる漸が可愛らしくて微笑んでます
ふふふ、満足するまで食べられるって幸せですもんね
それじゃあ、どこから食べましょう?
複数の層にいろんな味にと満遍なく取りましょう
あ、ケーキのお供はコーヒーと紅茶です
いい食べっぷりだし、紅茶の方がさっぱりしていいかな?
ケーキを平らげていく漸のそばにティーカップをそっと置きます
あらあら、大きい時もですね
クリームついてますよ?取りますからじっとしてくださいね
ナプキンで顔についたクリームをぬぐってあげます
無邪気で可愛いなぁと思ってたら差し出されたケーキ
ん?あ……ん、美味しいです
お返ししないとですね。こちらもどうぞですよ
自分のケーキをフォークで一口大にして差し出します
一緒に食べて分かち合う、ですよね
『雪華』と。名を呼ばれて。
視線を上げた湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)の瞳に映るのは、少年のように目を輝かせる括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)の姿。
「ケーキですよ! ケーキ!」
しかも、あんなに大きいと。
ケーキを指し示す仕草さえ、実際の年齢よりも随分と子供っぽく見えて。
「ボク初めて見ましたよ、あんなに大きいケーキ!」
浮き立つ感情が声色にも現れている漸の様子に、雪華の顔も綻ぶ。
クリスマスリースの飾られた扉を開き訪れた会場は、中も豪華に飾り付けられていて。
大きなクリスマスツリーだって、ピカピカと輝いているというのに。
「……私も初めて見ます」
それよりも、何よりも大きく。
会場を訪れた者達の視線を独り占めしているのが、本日のターゲットである巨大なクリスマスケーキ。
漸もまた、その例に漏れず。巨大なケーキに視線を引き寄せられて。
「ケーキをお腹いっぱいまで食べられるなんて……」
ほんと夢みたいだと。
思わず早足になりながら、ケーキへと近づいてゆく。
見上げたそれは、漸の期待通りに。高さは彼の身長よりもなお高く。
体積も、明らかに漸のそれを上回っている。
「……すごい。これ、作る側の技術の結晶ですよ!」
漸がケーキの大きさに感嘆を零す間に、雪華はケーキの外周をぐるりと一周。
お約束なイチゴのホールケーキの層に、カラフルなロールケーキ達が並んだ層。
定番のチョコレートに、抹茶に。パウンドケーキっぽい層もあるような……?
「超巨大なケーキで、いろんな味があるってすごいですよね」
このケーキの中の、一層を焼き上げるだけでも、一体どれだけの手間と時間がかかっているのだろう。
想像するだけで、雪華の吐息には感嘆が混じる。
それに、この高さ。どう見ても会場の扉をくぐれるとは思えないし、仕上げはこの場でしたのかも……と。
その出来栄えに、作り手たちの想いを感じれば。
「それじゃあ、どこから食べましょう?」
雪華の問いに、ニヤリと。漸は悪戯を思いついた少年の様に、勝気に笑う。
「折角のパーティーですし……」
色んな味を、心行くまま好きなだけ。
何せこの挑戦的なサイズのケーキは、上から下までぜーんぶディアボロスの為のもの。
ここは、自他ともに認める『とんでもない甘党』の名にかけて。一切遠慮をする事なく、この巨大なる甘味を余さず堪能する事こそが作り手たちへの礼儀というものだと。
(「満足するまで食べられるって幸せですもんね」)
お皿にケーキの山を作り上げてゆく漸の様子に、雪華の唇からも『ふふ』と笑みが零れる。
漸に負けないようにと。
スイーツ好きな雪華もまた、色々な層から満遍なくケーキを選んで。お皿に盛れば。
漸と囲むテーブルの上は種々のケーキに彩られ、まるで甘やかな花畑のよう。
「では、いただきましょう!」
大きく口を開けて、もぐり……と。
口いっぱいに、クリームを頬張ったなら。
普通のショートケーキであれば、あっという間に小さくなって。名残惜しい気持ちになる所だけれど。
今日ばかりは、そんな寂しい気持ちになる事もない。
フルーツの酸味が引き立てる、クリームの甘み。
ほろりと蕩ける、濃厚なチョコレート。
それからこっちは……しっとりとしたチーズケーキ。
代わる代わるやって来る、様々な甘みに。漸の手は、止まることなくケーキを掬ってゆく。
けれど、ふと。
鼻をくすぐる紅茶の香りに、ようやく手を止めれば。
「あらあら」
大きい時もですね、と。
ティーカップを置く雪華の、楽しそうに細められた瞳と目が合って。
「んっ? どうしましたか雪華?」
きょとんとしている漸の口元には、白いクリームが。
「クリームついてますよ?」
ここら辺に、と。ちょんちょん。
雪華が自身の口元を示して見せれば。
「取れましたか?」
クリームとは反対側を拭う漸の仕草が、何とも愛らしくて。
「取りますからじっとしてくださいね」
つい、零れそうになる笑みを堪えながら。
身を乗り出して、雪華がナプキンを握る手を伸ばせば。
穏やかなその微笑みが、黄金の眼差しが。
漸の瞳いっぱいに映って、距離が近づいて。
口元を拭う優しい手つきが少しくすぐったいけれど、何だか心地よくて。
だから、拭ってくれたお礼に……と。
「はい、雪華」
「ん?」
その優しい笑顔が、離れてしまう前に。
「あ~んです」
漸が差し出したケーキに、今度は雪華の方がきょとりと目を丸くする。
雪華が一口で食べられるようにと、控えめにフォークで掬った。
けれどクリームもスポンジも、それにイチゴも。美味しい所は全部乗せられたその一口は。
「……ん、美味しいです」
ぱくりと頬張れば、こんなにも甘酸っぱくて。ほんのりくすぐったい気持ちになる。
(「一緒に食べて分かち合う、ですよね」)
だから甘いも、酸っぱいも。くすぐったいのも。
漸にお返ししないといけないと。
「こちらもどうぞですよ」
差し出したケーキを頬張る、美味しい笑顔を間近に見つめて。分かち合う。
甘くてあたたかな時間は、ゆったりと過ぎていくのでした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【狼変身】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
福籠・こるの
■方針
・アド/絡◎
■行動
巨大クリスマスケーキ、楽しそうですわね。
お邪魔させて頂きますわ。
相当に大食いの方だとは自覚しておりますから、サイズの方はかなり問題無く頂けるとは思いますが、甘いものが続くとしょっぱいものが欲しくなりそうですわね。
クリスマスらしく、大量のフライドチキンを[料理]して『食糧鞄』に入れてお持ちしますわ。
ケーキの実食は、ホイップやチョコレート等の「クリーム系」を中心に、比較的食べる方の少ない味が有りましたら、其方を優先して食べることで消費出来るようにしますわね。
ただ、年齢の関係上「洋酒の濃い品」は厳しいですわ。
時折フライドチキンを挟んで目先を変えることにし、お飲み物は牛乳が良いかしら?
体質的に、吸収が終わるまで動き辛くなるとはいえ、最終的に余剰なカロリーは『大部分が胸に、一部がお尻に回る』ことになりますから、其方もあまり気にする必要は有りませんわ。
量が量では有りますが、時間さえかければ食べきれる範囲とは思いますので、他の皆様の様子を見つつ、可能な限り頂くことにしますわね。
クリスマスリースの飾られた扉を開ければ、そこはパーティ会場。
「楽しそうですわね」
クリスマスツリーがピカピカと輝いて。
ディアボロス達の賑やかな声が響いているけれど。
「これが……」
福籠・こるの(とある豊饒の女神の信者・g00887)の視線を真っ先に惹きつけたのは、やはり。
会場の中央に鎮座する、巨大なクリスマスケーキ。
「お邪魔させて頂きますわ」
さぁ、どこから食べようか。
色々な種類があって、迷ってしまうと。
お皿を手に悩む、ディアボロス達の輪の中に入れば。
こるのの身長よりもずっと大きなケーキは、まるで巨大な塔のよう。
新宿島の人たちが、沢山の想いを込めて作ってくれたというケーキ。
その想いをしっかり受け止める為にも、ここはキッチリ完食を目指したい所だけれど……。
「やはり最初は、クリーム系でしょうか」
特に好きなケーキは、しっかり確保しておきたいと。
まずは好みの一品を求めて、きょろきょろ。視線を巡らせていると。
「クリーム系のケーキを探してるの? それなら……」
あのケーキはどうかな、と。
こるのの前にひょこりと顔を見せた時先案内人――稀夜が指をさしたのは、薄いスポンジで分厚いクリームの層を挟んだチョコレートケーキ。
味の異なるチョコレートクリームを二層重ねたそれは、最初のケーキに相応しそうだと。
「では、最初はそれを頂きますわ」
うきうきと、遠慮なく。
自身のお皿に取り分けていけば。
「それ、全部食べるの……?」
こんもりと。
お皿に出来上がったチョコレートケーキの山に、稀夜は思わず目をきょとり。
「ふふ、よく言われますわ」
けれど、そういう風に驚かれるのは慣れっこなのだと。こるのは笑みを零す。
誰が言ったか。『無限胃袋』の異名を持つこるのにとって、これはまだ前菜のようなもの。
テーブルについて、まずは一口。もぐり、と。
ケーキを口に運ぶ所作は、こるのの育ちを表すように上品だけれど。
――もぐ、もぐ。もぐり。
フォークを握る手は、止まる気配もなく。
一定のペースを保ったまま、こるのの口にケーキを運び続ける。
どんどん食べ進めてゆけば、ほんのりお腹が膨らんできたような気がするけれど。
満腹を感じているかと言われれば、まだまだそんな事はなく。
口いっぱいに広がる、しっとりと舌に絡むクリームの甘みを、最後に牛乳で流し込んだら。
(「……そろそろ、あれの出番かしら」)
次のケーキに行く前に。口の中に残る甘い余韻を、少しサッパリさせたいところ。
何せ今日は、クリスマス。
ケーキとツリーがあるのなら、やっぱりこれも必要だろうと。
「良ければ、皆様も召し上がってくださいませ」
こるのが持ち込んだのは、お手製のフライドチキン。
口に広がる肉汁の程よい塩っ気が、またケーキを食べたくさせる魅惑の食べ物の登場に、『カロリーが……』と。何処かから、心配の声も上がるけれど。
こるのは、まだまだ成長期の身。
余剰カロリーは、出てもよい所に回るので心配は無用だと。
(「次は、どのケーキにしようかしら」)
余裕の笑みを湛えて。
こるのは、次のケーキへと挑むのでした。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
誘樂・春祝
✤雪璃/g00793と
ケーキ?
雪璃の明るい誘いに笑顔で頷く
いいな、ケーキか
俺は和菓子…たい焼きばかり焼いているからたまには洋菓子もいいな
そう、意気込んで来てみれば
これは、すごいな……!!
大きさもボリュームもだが、何より美味しいということが一目でわかる
だが驚いてばかりではいけない
雪璃…さっそくいただこうか
雪璃がそこからなら、俺は逆側から…お、ここはチョコレートケーキだ
俺は、チョコレートケーキが一番かな
次点でモンブラン
雪璃は?
ポヌの分(俺より多い)を確保し
さて乾杯だ!
一口食べれば感じる
このケーキに込められた人々の願いや心を
すごく甘くて美味しいな
じっくりと堪能していれば…
こら!ポヌ!
それはいづのだろう!?
……自分のはもう食べ尽くしていたか
俺の見立てが甘かった
すまないな
新しいの俺が貰ってくるよ
どれがいい?
皿に並ぶとりどりのケーキを食べつつ
色んなケーキにより作られたひとつのケーキ…新たな可能性を感じる
この要素を採り入れたたい焼きケーキというのもアリかもしれないと、閃を得る
勿論だ
その時は宜しく頼むよ
茜來・雪璃
✤春祝/g10644と
春祝ー!ポヌも!ケーキ食べに行こう!!
と、彼のバイト先に駆け込んだのが数時間前
うわあ…大きいとは聞いてたけど、こんなサイズだったなんて…!
想像を遙かに超えた大きさに呆然としてしまう
色んな種類のケーキで出来てるケーキなんて初めて見たよ
私は此処のフルーツたっぷりのケーキにしようかな
春祝は何ケーキが好き?
いづの分を取り分けてキミを見上げる
チョコケーキにモンブラン、なるほど
私はねえ、フルーツのケーキと抹茶のケーキかな!
ケーキも確保できたし、紅茶でカンパーイ!
んふふ、美味しいねえ
優しい甘さで色んなケーキ食べられそう
機嫌良さげに二尾もゆるゆら
ちょいちょいとつつかれそちらを見ると
ちょっぴり困り顔のいづ
うん?いづもう食べちゃったの?
そんなに美味しかっ…あー、ポヌ?そのお皿って……
あっはは!美味しいもんね
それ、と前脚でちゃっかりチョコケーキを頼むいづ
まだまだ沢山あるし、みんなで色んなの食べようね
たい焼きケーキ?
どんな風になるんだろ、見てみたいなあ
そうだ、作ったら私も試食に呼んでね!
ふと、名を呼ばれたような気がして。
狸……っぽく見える、毛並みのふっくらしたウェアキャット『ポヌ』が顔を上げた。
その様子に、お客さんが来たのだろうかと。
アルバイト中の誘樂・春祝(招喜猫・g10644) が、店の扉へと視線を向ければ。
――ガラっ。
勢いよく開いた扉の向こうで、薄黄金の髪が揺れる。
『いた!』と、息を弾ませて。
巡らせた視線に、春祝とポヌの姿を捉えた少女――茜來・雪璃(朧夜ノ蝶華燈・g00793)は、開口一番こう言った。
「ケーキ食べに行こう!!」
……これが、数時間前に起きた出来事。
(「たまには洋菓子もいいな」)
甘く香ばしい香りに包まれて、たい焼きを焼く今日この頃。
ひたすら和菓子と向き合っている間に、ケーキといった洋菓子とは随分と縁が遠くなっていたような気がして。
雪璃からのお誘いに、春祝も笑顔で応えてやってきた、この会場。
何やら、物凄いケーキがあるらしいとの話だけれど。一体どんなケーキなのか。
好奇心に浮き立つ心を、柔らかな笑みの下に隠して。
会場への扉を開けば……。
「うわあ……」
「これは、すごいな
……!!」
片や愕然と。片や驚嘆に、声が零れる。
そこに鎮座していたのは、物凄く大きなクリスマスケーキ。
勿論、事前に『大きい』という情報は聞いていたけれど。
(「こんなサイズだったなんて
……!」)
常識とか、限度とか。
そんな言葉を軽く一蹴するサイズのケーキは、さすがに雪璃の想像を超えていた。
高さなんて、雪璃どころか、春祝の身長すら超えているし。
外周は、何百年も生きた巨木のような太さだし。それに何よりも……。
「色んな種類のケーキで出来てるケーキなんて、初めて見たよ」
チョコレートブラウンに、抹茶のグリーン。
白い生クリームには、フルーツ達の艶やかな彩色が映える。色も種類もとりどりな巨大ケーキに、雪璃の目も丸くなる。
「大きさもボリュームもだが……」
作り手の側に立つ春祝の目は、ケーキの細やかな仕上がり……その丁寧さの方に向く。
細やかな紋様を描く、クリームの滑らかさも。しっとりとしたスポンジの加減も。
「美味しいということが一目でわかる」
視覚いっぱいに『美味しい』が溢れている様に、職人たちの魂のようなものが感じられる気がして。
「雪璃……さっそくいただこうか」
大きさに圧倒されたまま、ぼんやりしている場合ではないと。
取り皿を手に、早速ケーキ攻略へ。
「私はね……」
巨大ケーキの外周をぐるりと一周するだけで、沢山の種類のケーキが見られて。つい目移りしてしまうけれど。
「此処のフルーツたっぷりのケーキにしようかな」
最初に雪璃が選んだのは、艶やかなフルーツ達が花畑のようにクリームの上に咲くフルーツケーキ。
『いづもこれにする?』と、クダギツネ『いづ』に声を掛ければ。
フルーツの爽やかな香りを感じたか、ふかふかの白い尻尾が嬉し気に揺れる。
「春祝は何ケーキが好き?」
「俺は……」
雪璃に問われて。
なるべく味が被らないものがいいかと、春祝は巨大なケーキをくるっと半周。
「……お」
雪のように白いクリームとは、全く異なる色を見つけて。
「チョコレートケーキが一番かな」
ちなみに次点は、モンブランだと。
お皿の上を、ツートンのブラウンで飾ってゆく。
「なるほど。私はねえ……フルーツのケーキと、抹茶のケーキかな!」
お皿を彩る賑やかなフルーツに、落ち着いた緑色を添えたなら。
ポヌといづの分も、勿論忘れずに確保して。
「カンパーイ!」
コツンと触れ合わせたカップの中で、温かな紅茶が揺れる。
「すごく甘くて美味しいな」
「んふふ、美味しいねえ」
ぱくり。
ケーキを頬張る程に、口に広がる甘みが何だか優しく感じられるのは。
きっとこのケーキに、人々の願いや心が込められているから。
これなら、まだまだ色んなケーキ食べられそうだと。
順調に食べ進めていると……。
「……うん?」
いづが、ちょいちょいと手を伸ばし。雪璃を呼ぶ。
「いづ、もう食べちゃったの?」
雪璃の見つめる先には、何だか困り顔のいづと、既に空になったお皿が一枚。
きっと、あっという間に食べてしまうくらい、ケーキが美味しかったのだろう。
何せいづの隣では、ポヌがまだフルーツケーキをもっきゅもっきゅと勢いよく頬張って……うん?
「ポヌ? そのお皿って……」
「こら、ポヌ! それはいづのだろう!?」
気付いた春祝が、慌ててポヌ抱きかかえ。お皿からひっぺがすけれど。
「あっはは! 美味しいもんね」
いづのお皿は、既に新品のようにぴっかぴか。
「俺の見立てが甘かった……」
実はこの中で、一番多くケーキをよそって貰っていたのが、ポヌだったのだけれど。
春祝はまだまだ、ポヌの本気を見くびっていたらしい。
「すまないな」
新しいのを貰ってくるからと。春祝に、どのケーキがいいかと問われて。
前脚を器用に使って、てしてしと。いづがテーブルを叩いて示すのは、春祝のと同じチョコレートケーキ。
そして、一連の流れを見ていたポヌも、『自分も!』とばかりに、てしてしてしてし……。
「ポヌ……」
「あははっ」
けれどそんなに慌てなくても、クリスマスケーキはまだまだ沢山残っているから。
「みんなで色んなの食べようね」
チョコレートケーキだけでも、春祝が選んだもの以外にも色々な種類が……。
「色んなケーキにより作られたひとつのケーキ……」
ここで、ふと。
春祝の脳に、閃きという名の光が差し込む。
「この要素を採り入れた、たい焼きケーキというのもアリかもしれない」
「たい焼きケーキ?」
それは、たい焼き型のケーキなのか、ケーキ味のたい焼きなのか。
それとも、雪璃の想像も付かないような未知のたい焼きなのか。
突如、春祝の口から飛び出した聞き慣れないワードに、雪璃も……そして、いづとポヌも興味深々。
「そうだ、作ったら私も試食に呼んでね!」
好奇心に煌めく雪璃の瞳が、『たい焼きケーキ』を映すその日は、きっと。
「勿論だ。その時は宜しく頼むよ」
そう遠くはないのだろう――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
三苫・麻緒
【薄荷】
クリスマスにケーキは必需品
そんな夢とロマンが詰まったケーキが、たくさんあるって!?
そんなの、はしゃがないわけがないよねえ!?(大興奮)
…いつも言ってるけど、莱くんが食べない方なだけだよ
私が特別食べるわけじゃないんだから、そんな目で見ないでよー
結婚式とかじゃないとお目にかかれない大きさのケーキ…!
なるほど、これはパティシエさんの意地を感じるね
これはこちらも遠慮なしで堪能しなければ失礼だよ!!
ということで、ここは甘いのとそうじゃないのを交互に食べる作戦でいこうかな
…何を言っているの、莱くん?
抹茶はほろにがで、チーズケーキはしょっぱい担当でしょ?
ビターなショコラに酸味と甘さが楽しいフルーツタルト、王道な苺のショートも絶対に食べなくちゃ
飲み物はコーヒー、甘さは十分だからブラックがいいかな
美味しいだけじゃなくて見た目も華やかなケーキは本当に気分が上がるよね
早々に手が止まった莱くんと、物欲しそうに見つけるけだまにも一口ずつおすそ分けしながら楽しむよ
…あれ、いつの間にお皿がこんなに山に?
葉古森・莱
【薄荷】
お姉さんみたいな仲間の麻緒さんと
この時期のケーキには特別感があるのは、ぼくもけだまも理解してるよ
ぼくだってクリスマスが近づくとそわそわしちゃうもん
でも、麻緒さんは普段から食べ物を前にするとそわそわしてるし、ぼくより年上なのにはしゃぎすぎじゃ…
麻緒さんがすねるからこれ以上は言わないけど、けだまもそう思うよね…?
こっちにきてはじめて食べた、マスターやカフェのみんながケーキもすごかったけれど、やっぱり本職の人のケーキは本当にすごいね…!
麻緒さんのケーキ交互食べ作戦はちょっとぼくには難しいお話だったみたい(遠い目)
ぼくたちも無理はしないけど我慢もしないで食べよっか
飲み物、ほうじ茶はあるかな
けだまはどのケーキがが気になる?ぼく、抹茶のケーキと栗のケーキが気になってて…!
けだまと分け合いながら楽しむけど、流石に麻緒さんほど食べられないね
4個か5個くらいでお腹いっぱいになっちゃった
麻緒さんのおすそ分けはもらいながら、あとはお茶を飲んで休憩
…麻緒さん、ぼく、一回お皿を数えてみたらいいと思うよ?
『クリスマスと言えば?』
大きなクリスマスツリーに、サンタさんからのプレゼント!
そして、忘れちゃいけないのは……。
「クリスマスに、ケーキは必需品だよね!」
楽しい時間を、更にハッピーにしてくれる。
そんな夢とロマンの詰まったケーキが、たくさんあると言われたら。
「そんなの、はしゃがないわけがないよねえ!?」
三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)に、ぐいと顔を寄せられて。
期待に輝く、ミントグリーンの瞳と目が合って。
「う、うん……」
その勢いに気圧されるまま、葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)はこくりと頷く。
新宿島で行われるクリスマスも、これで三度目。
街がイルミネーションに輝き、美味しそうなケーキやチキンがお店に並んで。
街行く人たちの纏う空気も、どこか浮足立ち始める頃。
(「ぼくだって、クリスマスが近づくとそわそわしちゃうもん」)
この時期のケーキに特別感があるのは莱も、莱の友達――モーラット・コミュ『けだま』も理解はしている。
しているけれど……。
「でも、麻緒さんは普段から食べ物を前にするとそわそわしてるし」
「む」
莱からすれば、麻緒は年上のお姉さんの筈なのに。
「はしゃぎすぎじゃ……」
うきうきも、わくわくも。全面的に顔に出ている姿は、あまり年上という気がしなくて。
「……いつも言ってるけど、莱くんが食べない方なだけだよ」
自分が特別食べる訳ではないのだと、麻緒はそう言うけれど。
「そんな目で見ないでよー」
むーっと唇を尖らせる姿は、やっぱり年上という気がしない……なんて。
(「麻緒さんがすねるから、これ以上は言わないけど」)
けだまの耳元に『そう思うよね?』と、小さく囁けば。
内容を分かっているのか、いないのか。
けだまからは『きゅぴ!』と可愛らしいお返事が。
けれど、例え拗ねられようとも。会場に一歩入ってしまえば。
「結婚式とかじゃないとお目にかかれない大きさのケーキ……!」
聳え立つ巨大ケーキのインパクトが、全て吹き飛ばしてしまうから大丈夫。
チョコレートブラウンに、抹茶の緑。そして艶やかなフルーツたち。
「なるほど……これはパティシエさんの意地を感じるね!」
他にはどんな種類のケーキがあるのだろうと。
麻緒はケーキの外周をくるくる、きょろきょろ。
視界いっぱいがケーキで埋め尽くされるほどの大きさは、想像以上で。
「やっぱり本職の人のケーキは本当にすごいね……!」
莱の声も、いつもより少し大きくなる。
新宿島へやって来てから、初めて出会った『ケーキ』という食べ物。
(「マスターやカフェのみんなのケーキも、すごかったけれど……」)
今、目の前にあるケーキは、あの時のケーキとはまた少し違う想いが詰まった。文字通りの超大作。
「これはこちらも、遠慮なしで堪能しなければ失礼だよ!!」
声を弾ませる麻緒の言葉にも、素直に頷ける。
……流石に、このケーキが完食されている光景は、ちょっと想像が付かないけれど。
無理はせずに、楽しく美味しく食べられたなら。
それだけで、このケーキを作ってくれた人達の想いは、しっかり受け取れると思うから。
「今日は我慢しないで食べよっか」
細い手をパタパタと。
待ちきれない様子のけだまに、莱が笑い掛ければ。
「ということで、ここは……」
その隣で、ふっふっふ……と。
何やら自信のある様子で、麻緒は袖をまきまき。腕まくり。
そう。今日この日、この巨大なケーキを攻略……もとい、存分に堪能するために。
バッチリ作戦は練って来たのだ。それもずばり……。
「甘いのとそうじゃないのを交互に食べる作戦でいこうかな!」
これぞ名案。
この戦い、勝ったも同然と言わんばかりに、麻緒は拳を握ってお顔をキリリ。
「えっと……」
そう自信満々に言われても。
ケーキが『甘いの』だとして。『そうじゃないの』って何だろう。
他の食べ物を持ち込んだとして。それじゃあ結局、ケーキはあまり食べられないような?
でも、麻緒さんならもしかして……。
「ちょっとぼくには、難しいお話だったみたい」
ぐるぐると思考した末に、視線が遠くへ行ってしまう莱へ。
「……何を言っているの、莱くん?」
麻緒は当然のように言い放つ。
「抹茶はほろにがで、チーズケーキはしょっぱい担当でしょ?」
すなわち、味のベクトルが異なるケーキを交互に食べる事で、そこに味の無限ループが生まれるのだと。
力説する麻緒の理論は、やっぱり莱にはよく分からない。
けれど、今日という日を麻緒が目一杯楽しもうとしている事は、何となく分かるから。
「けだまはどのケーキがが気になる?」
莱もまた、けだまと一緒にケーキ選びの輪に入ってゆく。
王道のイチゴショートに、艶やかなフルーツタルト。
この爽やかな甘みと酸味に並べるショコラは、やっぱりビターテイストで。
お皿の上を多彩な味で彩れば、見た目も華やかに気分が上がって。
「こっちのケーキは、ジュレの所がさっぱりしてて美味しい……!」
フォークを握る麻緒の手も、止まることなく次々とケーキを掬ってゆく。
「けだまも美味しい?」
そんな麻緒に負けないくらい、目をキラキラさせているけだまには。莱から、栗のケーキをお裾分け。
もっきゅ、と。大きくケーキを頬張るその笑顔が、美味しさを物語っている。
そんな笑顔を眺めながら食べるケーキは、やっぱり特別感があって。
香ばしいほうじ茶をお供に、莱も順調に抹茶のケーキを食べ進めてゆく。
もっとも……。
「やっぱりコーヒーを飲んだ直後に食べる一口は、甘みが格別だよね」
味のループ作戦で、次々とケーキを平らげてゆく麻緒には遠く及ばないのだけれど。
「莱くん! このシフォン、すごいふわふわだよ!」
莱がお腹いっぱいになった後も、麻緒の作戦はまだまだ完了する気配はなく。
美味しいお裾分けが止まなくて。
「……麻緒さん、ぼく、一回お皿を数えてみたらいいと思うよ?」
「……あれ?」
いつの間にか、麻緒の横には。麻緒自身がビックリするほどの高さの、お皿タワーが築かれているのでした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
ミシェル・ロメ
【ヴィラケーキ】
かつて僕が生きていたフランス革命期の庶民にとって、
甘くておいしいお菓子は王侯貴族だけに許された、遠い夢物語のような存在だった
今はこうして、みんなで笑いあいながら、お腹いっぱいケーキを食べることが出来て
それはとてもとても幸せなことなのだけど…
それにしてもこれはちょっと大きすぎじゃないかな…(汗)
去年のクリスマスに友達や一般人と一緒に作った「お菓子の家」を優に超えている
本当に夢でも見ているんじゃないかと思えるほどに
だけど甘いものは別腹って言うし、みんなで食べればきっと大丈夫
ケーキ自体はおいしそうだし、何よりパティシエの皆さんの感謝と想いが込められている
リリコも巨大ケーキを前に目を輝かせてる
一緒に頑張ろ!
下の層ばかり食べてると倒れてしまいそうだから
【飛翔】して上の方の層から切り分けていこう
まずは紅白のコントラストが瑞々しい苺のショートケーキ
チョコにナッツにアプリコット、ティラミスやミルフィーユもおいしいな
香り高く爽やかな紅茶と一緒にいただこう
ああ、本当に夢のような幸せな気分だ
斑鳩・燈子
【ヴィラケーキ】のみんなと
名前+くん、ちゃん呼び
すごい、たくさんのケーキ。どれから食べようか、迷っちゃうね
わたしたちに、ってたくさん考えて、時間をかけて作ってくれたみたいだから
全部味わい尽くす気持ちでいただきましょう
まずはフルーツが乗ったケーキを。みずみずしくておいしい
それから、みんなとドラゴン並みに大きいケーキに挑戦
…大きい。作るの大変だったと思うので、感謝の気持ちで、たくさんたべる
お皿にどんと、載せられる分をのせて、大きいスプーン一杯にすくって
こうやって、スプーンで食べるの、夢だったんだ。…んん、たのしい、おいしい
それから、入れてきたコーヒーをみんなに振舞う。ミルクに砂糖も
真狐ちゃんの紅茶はそのままいただこうかな。あったかい…
チョコもおいしそう…今日は、クリスマスだし。悩まず目いっぱい、食べちゃおうかな
クリームに苦しんでる人には、果物口がさっぱりするよ、とアドバイス
限界まで食べて、食べれなくなった後は食べれる人をコーヒー片手に応援
おいしいケーキを、ごちそうさまでした
※アレンジ歓迎
白尾・真狐
【ヴィラケーキ】
きょ、巨大ケーキ!それに、いくら食べても飽きない味だって!?
これはもー、食べつくしちゃうしかないよね!うおー!
そんなの存在するのかというくらいのおっきなスプーンを構えて
燈子ちゃんといっしょにドラゴン級ケーキに挑戦しちゃうよ!
スプーンでぐさーとおっきくケーキを取って
お皿にいっぱい取り分けて食べちゃうよ!
わぁいわぁい!ケーキ食べ放題だー!勿論一緒に飲む飲みものも持ってきたよ!
お茶に紅茶にコーヒーにミルクに色々!紙コップ持ってきたから皆にも分けてあげるね!
フルーツ多いとこにしよっかなー♪生クリームいっぱいのとこにしよっかなー♪
うーん、まよっちゃうね!
ミシェル君が上からケーキ取ってるのを見てそのてがあったか!って驚いて
橙子ちゃんにはコーヒーもらって苦味がケーキの甘さをより引き立たせてくれるねーって感じで
らんきちゃんにはこう言う時はこれ!ってお茶をのむと口の中サッパリするよーってことでお茶を渡すね!
天原君は……あの量のケーキを……食べてる…!?って驚愕してるよ!
アレンジアドリブ歓迎
天原・真人
【ヴィラケーキ】
皆さんの善意で作られたケーキ…
なるほど、これは強敵です
残さないように俺も気合を入れなければなりませんね
(地獄のような腹の音)
手近にあるケーキから手掴みでガツガツと喰います
ノーマルなものから抹茶、フルーツ、チョコにロールケーキ…
山のようにありますが、味も違うので飽きずに頂けますね
合間に燈子さんと真狐さんが持ってきてくれた飲み物で一息
コーヒーや紅茶はケーキに合うんですね、ありがとうございます
さて、辺りを片付けたら次はドラゴン級ケーキ
これは大きい、でも負けてはいられませんね
こんな事もあるかと思って持ってきたこの巨大スプーン(ハロウィン衣装の時に作った)で皆と一緒に必ず倒します
それでは改めて、頂きます
いくら食べても、俺の飢えは消えないかもしれませんが
今は何だかお腹がいっぱいになっている気がします
…まぁそれはそれとして全部喰いますが
日日日・らんか
【ヴィラケーキ】
名前+さん呼び
大きなケーキにかぶりつける……子供の頃に1度は夢見るヴィジョンが現実に……!?
そ、そんなの
……!!!!食べるしかないじゃん!?
少食だとか関係ねぇーー!食べ尽くすぞー!うおおぉぉ!
身体よりも大きなスプーンを構え、いざ尋常に勝負!
女は度胸!
大胆にスプーンですくってお皿に取り分けて楽しそうに夢中になって食べるよ
どこから食べようかな〜、クリームいっぱいにしようか……それともフルーツから行こうかな〜
あっ、紅茶は〜……(苦いのダメなんだけど、苦いのダメって言ったら子供っぽいと思われそうだし……それに甘いの食べてるのにさらに甘いの飲むのもなぁ……う〜ん……!)
……レモンで……!(苦渋の決断)
最初は勢いよくムシャムシャ食べていたのに、途中から勢いが遅くなって最後はけ、ケーキは別腹……ケーキは別腹……と唱えながら死にそうな顔で食べます😭
場所が違えば、時代が違えば。
文化も、物の価値も変わるもの。
新宿島へと流れ着く以前のミシェル・ロメ(とわにひびくうた・g04569)にとっては、甘くて美味しいお菓子は偉い人達しか食べられない、夢物語の中にのみ出てくる遠い存在だったのだけれど。
「お腹いっぱいケーキを食べる事ができるなんて」
それは素敵で、あたたかくて。とてもとても、幸せな事だと。
仲間達と笑い合って会場へと入って来たのが、ほんの数十秒前の事――。
「それにしても、これはちょっと大きすぎじゃないかな……」
巨大なケーキと聞いて想像していたものの、更に数十倍。
昨年のクリスマスに友人や一般人のみんなと作った『お菓子の家』も。人が入れるくらいのサイズをと頑張っただけに、見事な仕上がりだったけれど。大きさは間違いなく、それ以上。
すわ、ここが夢物語の中の世界であったかと疑ってしまうほどに。天井を貫かんばかりに聳え立つケーキの、規格外の巨大さにミシェルは呆然と目を見開く。
「子供の頃に一度は夢見るヴィジョンが現実に
……!?」
夢物語のような光景に、呆然とする者もあれば。爛々と目を輝かせる物も居る。
高揚にほんのり頬を染め、跳ねあがるテンションのままにうきうきと。日日日・らんか(Raptor・g01210)が、巨大ケーキへと近づけば。
その高さは、らんかの身長よりも遥かに高く。
何とも美味しそうなクリームとスポンジが、まるで海のように。らんかの視界をいっぱいに満たす。
そんな巨大なケーキの上から下まで、全てがディアボロス達の為のもの。
「しかも、いくら食べても飽きない味だって!?」
白尾・真狐(まったり狐娘・g05562)が、ケーキの細部へと目を凝らせば。
様々なフルーツの層に、抹茶やチョコレート。
多彩な種類のケーキが集まり、巨大なケーキを成す。それはまるで、ケーキの博覧会。
「そ、そんなの……!! 食べるしかないじゃん
!!!?」
「これはもー、食べつくしちゃうしかないよね!」
『うぉー!』と元気いっぱいに。
声を合わせて、らんかと真狐が拳を上げる隣では。
「どれから食べようか、迷っちゃうね」
一体、どれだけの種類のケーキがあるのだろうと、斑鳩・燈子(行先照らすランタン・g01965)も視線をきょろきょろ。
一つのケーキを焼き上げるのだって、時間と手間がかかるものなのに。
それが、こんなに沢山。
「わたしたちに……って、たくさん考えて、時間をかけて作ってくれたんだね」
「パティシエの皆さんの、感謝と想いが込められているんですもんね」
この巨大さはきっと、作ってくれた人たちの想いを表しているのだろうと思えば。
あっけに取られていたミシェルの顔にも、ようやく柔らかな笑みが戻る。
「皆さんの善意で作られたケーキ……」
燈子とミシェルの話を聞いて、なるほど……と。ぐーぐー。
神妙な面持ちで頷くのは、天原・真人(Unknown Apollon・g03172)。ぐるぎゅぎゅぎゅー。
ただの物量勝負ではなく、想いも技巧も凝らされているというのなら。ぎゅごごごごごごごご……。
「これは強敵です」
「真人さん、あの……大丈夫ですか?」
真人のお腹から響いてくる、地獄のような音にミシェルは思わず目をぱちくり。
「えぇ。残さないように、俺も気合を入れなければなりませんね」
「いえ、ケーキの話ではなくて……」
話は綺麗にすれ違っているけれど。
巨大ケーキを前にして、怯むことなく顔をキリリとさせている真人が、何だか頼もしくも見えて。
(「みんなで食べればきっと大丈夫」)
ミシェルの隣に姿を現したオラトリオ――『リリコ』も、うきうきとした空気を隠せない様子。
隠れた瞳も、きっと爛々と輝いているのだろう。
「全部味わい尽くす気持ちで、いただきましょう」
表情は変わらずとも。
頷く燈子も、リリコと同じに。
浮き立つような空気を纏って、狐の尻尾もふわりと揺れる。
「一緒に頑張ろ!」
巨大ケーキ攻略戦が、ここに開幕するのでした。
●
戦というものは、闇雲に敵に突っ込んでいっても勝つ事は出来ないのだと。
数多の戦場を知るディアボロス達は、ちゃんと知っている。
大切なのは事前の準備と、しっかりとした作戦なのだと。
ゆえに此度の戦い。
ケーキの巨大さに打ち勝つには、これしかないと。
ディアボロス達は、必殺のリーサルウェポンを持ち込んでいた。
「いざ尋常に勝負!」
「わぁいわぁい! ケーキ食べ放題だー!」
らんかと真狐が握りしめたスプーンは、当人たちの身長よりも大きく。
しっかりと両手で握りしめ、巨大なケーキと対峙する姿は、まさしく。ドラゴンへと立ち向かう戦士のよう。
「どこから食べようか~?」
一度振るえばドラゴンのごときケーキの巨躯も、あっという間に削り取るだろう。まさしく兵器と化したスプーンを、さて何処に振るおうか。
敵の弱点を探るように、らんかは視線をきょろきょろ。
実は少食であるため、取り過ぎると大変な事になる……なんて。今日ばかりはそんな事は言っていられない。
(「大きなケーキにかぶりつける
……!」)
そんな夢とロマンの塊が、目の前にあるのだから。
(「食べ尽くすぞー!」)
胃袋の容量はともかく、気合は十分。
「クリームいっぱいにしようか、それともフルーツから行こうかな~」
「うーん、まよっちゃうね!」
艶やかで色彩豊かなフルーツの層は、やっぱり目を引くし。
しかし、ケーキと言えば……な、滑らかなクリームも捨てがたく。真狐の視線も行ったり来たり。
「両方取っても、いいと思うよ」
だって、今日はクリスマスだからと。
燈子もやっぱり、フルーツケーキの一角に、視線を引き寄せられつつも。
(「でも、チョコもおいしそう……」)
フルーツケーキも、チョコケーキも、色々な種類があるようで。つい、どれにしようかと考えてしまう。
(「悩まず目いっぱい、食べちゃおうかな」)
けれど、気になるところは、全部食べてもいいのが、今日のクリスマスケーキ。
燈子もまた、巨大スプーンを握りしめ。まずは、フルーツを閉じ込めたジュレが何ともみずみずしいケーキから、遠慮なく一掬い。
「それじゃあ、こっちは私が貰うよ!」
豪快に巨大ケーキを削り取った燈子に負けじと、真狐の振るう巨大スプーンは、反対側のクリームの層をたっぷりと掬い上げてゆく。
「本当に、色んな味がありますね」
一方で、真人の方はまだ準備運動とばかりに。
とりあえず手近なケーキを、手掴みで豪快に口へと運んでゆく。
ちょうどこの辺りは、ロールケーキが集められた層のようだけれど。
その一カ所だけでも、チョコに抹茶に。それからイチゴと。
色も味も多彩なロールケーキが大集合していて。
「味も違うので飽きずに頂けますね」
全くペースを落とす事無く。
まるで、早送りの映像を見ているかのような速度で、ロールケーキは次々と真人の胃袋へ消えてゆく。
「わ、すごい……」
あっという間に削られてゆく巨大ケーキに、仲間達の勇姿を頼もしいと思う反面。
このまま下の方ばかり食べ進めたら、ケーキが倒れてしまうのではと。
「僕は上のほうから食べていきますね」
心配になったミシェルは脚立を借りて、上から攻める作戦に。
人の身長を軽く凌駕するケーキの登頂は、まだまだ手付かずで。
様々なケーキが、ホールのまま残されている様子に、どれを取ろうかやっぱり迷ってしまう。
「上から……そのてがあったか!」
美味しそうなのがあったら、自分の分も取って欲しいと。
真狐はミシェルに手を振るけれど。
あれだけ大きなスプーンで盛り付けた真狐のお皿は、既に大量のケーキで山盛り。
まずはしっかり、このケーキを平らげなければ、次のケーキは乗せられない。
「それじゃあ、燈子ちゃん」
そろそろ、このドラゴン級ケーキをやっつけにいこうかと。
真狐と燈子は視線を交わして。
その手に、フォークではなくスプーンを握る。
「こうやって、スプーンで食べるの、夢だったんだ」
それもティースプーンなんて、そんな小さなスプーンでは無く。
そのサイズは明らかに、カレーなどを大口で頬張る為のそれ。
滑らかなクリームに、ずぶりと遠慮なくスプーンを入れて。
とにかく大きく、山盛りに。
思いっきり掬い上げたクリームを、大きな口でもぐり。
思いっきり、頬張ったなら。
「……んん、たのしい、おいしい」
「ほんとおいしい……!」
口の中いっぱいに。隙間なく広がる、幸せの味に頬が落ちる。
そんな夢の味を堪能する二人の隣では、何故からんかが眉根を寄せて。
(「くっ。盛りすぎた
……!」)
巨大なケーキを目にして、上がったテンションのままにお皿を盛ってしまったけれど。
こうしてテーブルに着き、少し冷静になれば。
明らかに、今まで食べた事のない量のケーキが皿に乗っている事に気付く。
果たして自分は、これを食べきる事はできるのか。ごくりと喉が鳴る。
「あ、この抹茶は結構甘いですね」
だが、らんかの向かい側では、以前変わらぬペースで真人が種々の抹茶ケーキをガツガツと堪能中。
既に本人の体積よりも、食べたケーキの体積の方が大きいのではと疑う程の食べっぷりに……。
「女は度胸!」
同じディアボロスがあれだけ食べられるのならば、自分にも(真人程ではないにしろ)食べられると信じて。
大きなスプーンに掬ったケーキを、思いっきり口に詰め込んでゆく。
●
各々、順調にお皿のケーキを減らしつつ、一息付いて甘い余韻に浸れば。
そろそろ喉が渇いてくる頃合い。
「あ、そうそう。ケーキに合う飲みものも持ってきたよ!」
その辺りの準備も抜かりなく。
ふふっと、得意げに。真狐はアイテムポケットを、がさがさごそごそ。
「お茶に紅茶に、ミルクに色々!」
紙コップもしっかり持って来たから、皆も分もあるのだと。
湯気の上る温かなカップを、真狐から受け取れば。
(「ああ、本当に夢のような幸せな気分だ」)
イチゴショートの紅白に、アプリコットの橙色。
チョコやナッツに落ち着いたブラウンに、ティラミスやミルフィーユの優しい色合い。
こんなにも彩り豊かなケーキ達と、そこに漂う紅茶の香りは、まさに至福の空間。
一口、一口。ゆっくりとケーキを口に運ぶたび、ミシェルの頬は緩んでしまう。
「らんかちゃんは、飲み物どれが……らんかちゃん?」
しかしここに来て、らんかの様子がおかしい事に真狐が気付く。
「ケーキは別腹……ケーキは別腹……」
何やらぶつぶつと、同じ言葉を繰り返しているし。目の焦点が合っていない。
「これは……ついに、クリームの犠牲者が……」
「らんかちゃん、そう言う時にはこれだよ!」
口の中がサッパリするからと、慌てて真狐が紅茶を差し出せば。
「あっ、紅茶は~……」
カップから立ち上る紅茶の香りに、今度はギクリと身を固くするらんか。
(「苦いのダメなんだけど……」)
お砂糖たっぷりで……何て言ったら。子供舌だと思われそうだし、何より、真狐の気遣いを無為にしてしまう。
らんかの体感で、たっぷり一分。実時間では五秒ほど。
ぐるぐると思考し悩んだ結果……。
「っ、レモンで……!」
苦くて酸っぱい決断を下すのでした。
「果物も、口がさっぱりするよ」
それに、私はコーヒーをいれてきたからと。
燈子の手元で、ふわりと湯気が上ったら。
「コーヒーの苦味って、ケーキの甘さをより引き立たせてくれるねー」
漂い始めたコーヒーの良い香りに、さっそく真狐の手が伸びる。
「真狐ちゃんの紅茶も、ケーキによく合ってる」
香り高い飲み物で、気分も口もサッパリした後に、再度口に運ぶケーキは、また格別なのだと。
頷き合う真狐と燈子に。
「なるほど、コーヒーや紅茶はケーキに合うんですね」
際限なくケーキを口に運び続けていた真人の手も、紙コップを受け取りようやく止まる。
食べて、食べて。食べ続けて。
パティシエたちの気持ちを、『これでもか!』という程に、受け取って。
満腹になるとは、こんな感じだろうかと。気分としては『お腹いっぱい』を味わえたような気がするけれど。
「ありがとうございます」
受け取ったコーヒーで、口の中に残る甘みを一気に押し流し。
続く紅茶の香りで、気分までサッパリと塗り替えたなら。
「では改めて、ドラゴン級ケーキを倒すとしましょうか」
「い、今らそれを
……!?」
「本当に大きいですよね。そのスプーン」
ここからが、本当の戦いとばかりに。
真人が取り出した人の背丈ほどもある巨大スプーンに、驚きと感心の声が上がる。
現時点で既に、この中の誰よりも多くケーキを食べている筈なのだけれど。
「負けてはいられませんからね」
ディアボロスならば、これくらいは食べる筈だと。
そんな想いで作られたケーキを前にして、残して帰る――すなわち、敗走などあり得ない。
こんな事もあろうかと持参した巨大スプーン。今使わずして、なんとするのか。
「あの量のケーキを食べて……まだ食べられるんだ!?」
真狐の驚嘆の声を背に、真人は巨大ケーキへ向かう。
「私も、もう少し、頑張ってみようかな……」
お腹も気持ちも、もう十分に満たされて。
コーヒーを手に、そろそろ応援に回ろうかと思っていた燈子だけれど。
真人の勇姿を見ていたら、もう少し食べられそうな気がして。
「あたしは、お皿に盛った分は何とか……!」
食べきって見せると。
若干青ざめた顔をしつつも、別腹の呪文で何とか粘るらんかの言葉に。
「僕も、美味しく頂きます」
一緒に頑張りましょうと。ミシェルも頷く。
「がんばって攻略しようね!」
真狐の元気な呼びかけに、『おー!』と皆の声が揃ったら。
ドラゴン級ケーキ攻略戦は、まだまだ賑やかに続くのでした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV4になった!
【建造物分解】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
レイ・ブランシェ
妹……のような存在である、空也(g06556)と。
『ホールケーキの大きさと丸い形には夢と浪漫が詰まっている』と誰かが言っていたような気がするが、これには俺も同意したい。
何より、ケーキを作る過程で腕を振るってくれた方々の心遣いも詰まっているのだから、これはじっくりと堪能させてもらわねば。
……とはいえ、俺のような辛気臭い男がパーティ会場をうろついては少々邪魔になるか?
いや、そもそも場にそぐわぬ気も……などと考えていたら、空也が大胆にもケーキのあちらこちらに斬り込み始めた。
山盛りになった皿は、どうやら俺の為の物のようだ。気を遣わせてしまったな……。ありがとう、空也。
せめて紅茶はこちらで用意させてもらって。早速頂くとしよう。
ふむ……迷い箸ならぬ迷いフォークをしてしまうほど、ケーキのどの層も美味だ。
甘味も素晴らしいが、空也が甘味に喜んでくれているのが何より嬉しい。『美味しいものをお腹いっぱい食べられること』……それは普通で平凡なようでいて、とても稀有で尊いことでもあるからな。
夜鳥・空也
私はレイ(g10380)の引率者よ。
こんなにも大きなケーキは見たこと無いからビックリしちゃったし、多めに食べてもまだ余裕がありそうだから遠慮無く沢山頂きたいのだけど……。
本当はかなり甘党のはずのレイは、いつもは頼りになるのにこういう場だと妙に遠慮するから。だから、引率なの。
パーティ会場なら、それこそパーティ用の大皿なんてものも有るかしら?
出来るだけ大きめのお皿をお借りして、少し離れて何だか居心地悪そうにしてるレイのためにケーキを切り分けてあげる。
大丈夫よ。私、これでも力はあるから、軽い軽い。
生クリーム、抹茶、チョコ……モンブラン風味の層もあるのね。どの部分も本当に美味しそう。
迷いながらしっかり自分用のものも確保して、レイに大皿をプレゼント。
ほら、美味しく作って貰ったのだから、遠慮無く食べないと駄目よ。
飲み物が揃えば、いざ実食。
とっても美味しい!
クリームとフルーツがふんだんに使われたケーキが特に好き。後でおかわりしちゃおうかしら。
やっぱり、美味しいものをお腹いっぱい食べられることは幸せね。
誰かが言っていた。
『ホールケーキの大きさと丸い形には、夢と浪漫が詰まっている』のだと。
(「これには俺も同意したい」)
パーティ会場の扉を開けば。
否が応でも視線を引き付ける、その巨大なケーキを前にして。
レイ・ブランシェ(大虚ノ鳥・g10380)は、そんな言葉を思い出す。
完成してから、まだ誰の手も触れておらず。滑らかに塗られたクリームは、一辺の欠けもなく。
好きなだけ、食べていいのだと。
そんな魅惑の言葉を囁いてくるホールケーキには、人の心を揺さぶる力があると思うのだ。
そう、まさに。
今、レイの目の前にある巨大なケーキのように。
「これは……想像以上の大きさね」
天井を貫かんばかりに高く積み上げられたケーキは、正に規格外の大きさで。
レイと共にパーティ会場へとやって来た、夜鳥・空也(零落のアンピエル・g06556) も、こんなにも大きなケーキは見たことが無いと。
普段は少し眠たげな藍色の瞳に、驚きの色を浮かべる。
様々な種類のケーキを、複数重ね合わせる事で出来上がっている、この巨大ケーキ。
作り上げるには、想像も付かない程の手間と時間が掛かっている事だろう。
それが、『ディアボロスのみんなにケーキを振る舞いたい』という人たちの想いで、出来上がっているというのだから。
(「これはじっくりと堪能させてもらわねば」)
腕を振るってくれた方々の心遣いが、強く感じられる気がして。
レイの機械仕掛けの胸にも、あたたかな感情が灯る。
きっと会場に集う他のディアボロスたちも、同じものを感じているのだろう。
ケーキの大きさに驚く声や、食べきって見せると気合の籠った声。
そして、ケーキの美味しさに零れる笑顔が、そこかしこに溢れているから。
(「……俺のような辛気臭い男がパーティ会場をうろついては少々邪魔になるか?」)
なんだか、周りのディアボロス達の笑顔が、急に眩しく見えてきて。
会場の華やかな装飾や、ピカピカのクリスマスツリーも手伝って。レイの中で、突然場違いな場所に迷い込んでしまったかのような不安が、鎌首をもたげる。
流石に今日は仕事ではないため、黒衣を纏う事は避けたのだけれど。
それにしても、この賑やかな空気に影を落としてはいないだろうか……。
(「……みたいな事を考えてるのかしらね」)
巨大ケーキに近づく事すら出来ぬまま、完全に動きを止めてしまったレイの姿を見つめて。
空也は『やれやれ』と、小さく息を吐く。
今はぼんやりと立ち尽くしているこの青年は、口数は少なくとも。内心では色々な事を考えてくれている、とても頼りになる人なのに。
何故かこういった場では、妙に遠慮する所があるのだと、空也は知っている。
(「だから私が一緒に来たんだけど」)
だからこのような場では、空也の方がレイの引率者。
本当はかなり甘党のはずのレイにとっても、遠慮なくケーキを沢山食べられる機会は貴重な筈だから。
今こそ、引率者としてレイの背中を押す時だと。
(「まずはお皿ね……」)
出来るだけ大きいものがいいと、空也は行動を開始する。
とにかく大きなお皿がいいとの希望通りに、パーティ用の大皿を確保したのなら。
そこに乗せてゆくケーキは、勿論レイの分。
サンタとトナカイのアイシングクッキーが可愛らしい生クリームのケーキに。
定番の抹茶やチョコレートの部分は、クリームやタルトと言ったさらに細かな種類のケーキに分かれている様子。
「……モンブラン風味の層もあるのね」
巨大なケーキの、どの部分に視線を映しても、色々な『美味しそう』が溢れていて。
レイの為の大皿には、とにかく片っ端から。
けれど、自分用のお皿は容量の限度があるため、どれにしようか迷いつつ。
空也はケーキを選んで、切り分けてゆく。
(「俺だけテイクアウトという手も……ん?」)
悶々と思考に沈んでいたレイも、ここに来てようやく空也が隣に居ない事に気付く。
顔を上げれば、随分と大きな皿にケーキを盛っているのが見えて。
「気を遣わせてしまったな……」
「大丈夫よ。私、これでも力はあるから」
軽い軽いと。
ケーキの大皿を差し出す空也の姿は、レイの瞳にどこか得意気に映る。
「ほら、美味しく作って貰ったのだから、遠慮無く食べないと駄目よ」
早く食べましょうとばかりに、背中を押されれば。
「ありがとう、空也」
その前に、せめて紅茶は自分に用意させてほしいと。
ケーキに彩られたテーブルに、レイの手で紅茶の香りを添えたなら。
ここからは、美味しい時間の始まり!
どこから食べてもいい、どれだけ食べてもいい……そんな夢のような状況は。
「ふむ……」
実際に直面してみると、やっぱり『どれから食べようか』と迷ってしまうもの。
空也が色々な種類のケーキを、『これでもか!』と大皿に乗せてくれたから。
次の一口は、どのケーキにしようかと。レイの手は、迷い箸……ならぬ、迷いフォークをしてしまうほど。
「ケーキのどの層も美味だ」
「うん、とっても美味しい!」
レイの言葉に頷きながら、空也が手を伸ばすのは。
果物がふんだんに使われた。見た目の華やかなフルーツケーキ。
フォークの上にたっぷりとクリームを掬って、もぐり。口いっぱいに頬張れば。
しっとり甘いクリームの向こうから、フルーツの香りが次々と弾けて。
(「これ、後でおかわりしちゃおうかしら」)
クリームと一緒に、空也の頬も蕩けてしまいそう。
「やっぱり、美味しいものをお腹いっぱい食べられることは幸せね」
「……それは」
普通で平凡なようでいて、ふとした瞬間に、容易く消え去る事がある事を、レイは知っているから。
「とても稀有で尊いことでもあるからな」
幸せそうにケーキを頬張る空也の表情に、どこか弾んで聞こえる声に。確かなぬくもりを感じて。
甘くあたたかな時間は、ゆったりと過ぎてゆくのでした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
大鉄・焔
リーゼ(g02798)と一緒
でっっっっっっけぇ!!
大きいとそれだけで凄ェと感じる単純男児は目を輝かせ
このままお城にでも出来そうだな。
リーゼどっから食べる?
この辺サクサクのパイ生地だ!
お、ケーキの層が変わった。
ん?この辺なんか模様っぽくなってね?
化石発掘するみたいに食べ進めれば
ほらやっぱり、なんかここドラゴンの化石っぽくなってる!
お、リーゼ興味の方向が職人だ(くすくす
そーだ、記念に一緒に写真とろうぜ
パチパチキャンディ?
ケーキに仕込むなんて遊び心満載だな
俺もあれ好きなんだよな
口ん中花火みたいになんの、おもしろい!
むろん、食う!
リーゼ、ほっぺにクリームついてんぞ
もうちょい右……あー、おしい、ここ。
指で掬ってぺろりと食べる
リーゼ食べるのに夢中すぎるだろー
(無邪気にカラカラ笑う
リーゼロッテ・エカルト
焔と(g00462)
すっごーい!!夢みたーいっ
こんな大きなケーキなかなか見られないよね
お菓子のお城…いいよね!お菓子のお家とか一度は住んでみたいなぁ
いただきますっ
どこから食べようか悩んじゃうね
え?…わぁ!ドラゴン?なにこれどうやっているんだろ
焼いてから重ねてる…?
ちょっとパティシエさんにお話聞きたいものだわ
ん?ほら、焔もここみてみて!こんなに細かいのよ?
…写真?うん!撮ろ撮ろ
焔の化石のようなケーキにお菓子製作の意欲を掻き立てられながらもケーキをぱくり
甘い生クリームに幸せそうな顔をし
掬った所を進めればパチパチキャンディがお目見え
わわ。ここパチパチしてる。これは楽しいね
焔も好きなの?それじゃ一緒に食べる?
え。うそ。どこ?右…?
……ありがと
こ、これはしょうがない…!
おいしいんだもんっ
指摘に指を持っていくが触れずにもたつく
攫われて行ったクリームを目で追いながら
その頬は気付かず淡く染まる
恥ずかしさか、
触れられたせいか、
この寒さのせいか
染まる理由はわからない
「でっっっっっっけぇ!!」
大きな声が、大鉄・焔(灰塵・g00462)の腹の底から会場中に響き渡る。
「ほんとに、これ全部ケーキなのかよ……」
だがそれも、無理もない事。
何せ今、焔の視界は一面の生クリームで埋め尽くされてしまっているし。
「すっごーい!! 夢みたーいっ」
焔と共に会場へとやってきたリーゼロッテ・エカルト(菓葬・g02798)も、自分の身長よりも大きなケーキに、どれくらいの高さがあるんだろう……と。
思いっきり背伸びをして、見上げてみるけれど。
「大きすぎて、てっぺんが見えないよ……!」
人の身長を遥かに凌駕する高さに、首が痛くなってしまいそう。
巨大な恐竜しかり、巨大ロボットしかり。
大きいものに、多くの人はロマンを感じるもの。
うきうきと逸る心に動かされるままに、焔の足はケーキの外周をぐるりと一周。
「このままお城にでも出来そうだな」
高さだけでなく、直径も人が住めそうな程だと。爛々と目を輝かせる。
「お菓子のお城……いいよね!」
焔に言われて、細かな部分に目を凝らしてみれば。
ムラなく塗られた白いクリームは、まるで美しいお城の壁のよう。
「お菓子のお家とか一度は住んでみたいなぁ」
かまくらみたいに、中をくり抜くように食べ進めたら。
本当にお城になったりはしないだろうかと、楽しい想像が膨らんで。
「さっそく食っていこうぜ!」
「うん!」
『いただきます』の元気な声と共に、お城ケーキの攻略開始!
「リーゼどっから食べる?」
様々な種類のケーキが組み合わされているという、巨大なケーキ。
気になるケーキを片っ端から取っていたのでは、あっという間にお腹いっぱいになってしまいそうで。
「どこから食べようか悩んじゃうね……」
ケーキ選びに慎重なリーゼロッテとは対称に、そんな細かい事は気にしない焔の方は……。
(「この辺、サクサクのパイ生地だ!」)
パイ生地の層に狙いを定め、迷うことなくナイフでサクリ。
豪快に自身の皿に盛り付けてゆく。
「……お?」
パイ生地の下は、また別のケーキの層になっていたようで。
クラッシュナッツの混ぜられたスポンジの層が、何とも美味しそう……なのだけれど。
「……なぁ、リーゼ」
「ん?」
スポンジの中に、ナッツ以外のものが混じっている気がして。
どうにもムズムズする違和感に、焔は思わずリーゼロッテを呼ぶ。
「この辺なんか模様っぽくなってね?」
「え? う~ん……」
クラッシュナッツで、上手に誤魔化されているけれど。
よくよく見れば、チョコレートのような層が隠れている気がして。
「これ、周りだけ食べて掘り出してみようぜ」
「何が出てくるんだろう」
まるで、お城に隠された宝箱を見つけたような気分で、さっくり。さくさくと。
外側のスポンジを掘り進めてゆけば。
ほら、やっぱり。
「なんかここ、ドラゴンの化石っぽくなってる!」
「……わぁ! ドラゴン?」
現れたチョコレートのパウンドケーキは、恐竜に翼を生やしたような。ロマンあふれる模様をケーキの上に描き出す。
「え? なにこれどうやっているんだろ」
ケーキの中から、別のケーキが出て来た事にも驚きならば。
一目でドラゴンだと分かるくらいに、ケーキで骨格を再現している事にも驚きで。
「一つずつパーツを焼いてから、重ねてる……?」
お菓子作りを嗜むリーゼロッテとしては、製法がとても気になる所。
「ほら、焔もここみてみて!」
頭蓋の眼窩に、背骨のラインの継ぎ目。
こんなにも、細やかに作られているのだと。
(「リーゼ、興味の方向が職人だ」)
化石のケーキのあちらこちらを指差しながら。思考がそのまま口から出ているリーゼロッテの様子に、焔の口からは笑みが零れる。
「そーだ、記念に一緒に写真とろうぜ」
「うん! 撮ろ撮ろ」
綺麗に掘り出した化石ケーキを中心に、二人分の笑顔をしっかりとフレームの中に収めたら。
ここからは改めて、ケーキを堪能する時間。
化石のようなケーキなんて、面白い仕掛けも見られて。
今度ケーキを焼く時は、二層仕立てに挑戦してみようかなんて。製作の意欲もかきたてられて。
そんな楽しい気分の中で、フォークにたっぷりと生クリームを掬って……ぱくり。
思いっきり、頬張ったなら。
「んんっ、おいしい……!」
広がる甘みは、まさに幸せの味。
噛み締める程に、リーゼロッテの頬も緩んで。フォークも進んで。
順調に食べ進めていると……。
「わわっ」
パチっ、と。
突然、口の中ではじけた刺激に。リーゼロッテは、異色の青い目をぱちくり。
「ここパチパチしてる」
「パチパチキャンディ?」
口の中に入れて、初めてその存在に気付くクラッシュキャンディが、口の中でパチンと弾ける凝った仕掛けに。
「これは楽しいね」
「俺もあれ好きなんだよな」
一気にたくさん口に入れると、花火みたいになるのだと。
焔は、子供のように笑う。
「それじゃ一緒に食べる?」
「むろん、食う!」
この辺りのクリームが、パチパチするのだと。
ケーキの皿を手に席を寄せれば。リーゼロッテの柔らかな面差しが、焔の目にぐんと近くなって。
「……リーゼ、ほっぺにクリームついてんぞ」
「え。うそ」
焔からの指摘に、慌ててナプキンを取るリーゼロッテだけれど。
「どこ? 右……?」
「もうちょい右……」
慌てれば慌てる程、リーゼロッテの手はクリームを通り過ぎたり、遠ざかったり。悪戦苦闘。
「あー、おしい」
クリームはここだと。
焔の手が、リーゼロッテの頬に触れて。素早くクリームを奪い去る。
「えっ……え?」
リーゼロッテの思考が追い付かぬまま。
攫われたクリームは、焔の口へ。
「リーゼ食べるのに夢中すぎるだろー」
カラカラと。焔の無邪気な笑い声が耳に届いて、ようやく状況を理解して。
「こ、これはしょうがない……!」
おいしいんだもんっ、と。
言い訳のような言葉と共に、リーゼロッテの頬は淡く染まる。
恥ずかしさからなのか、それとも頬に残る感覚のせいか。
何だかそわそわ。心が落ち着かなくて。
「……ありがと」
誤魔化すように口に運んでケーキは、クリームに隠れていたフルーツがなんとも甘酸っぱいのでした。
●
塔のようで、山のようで。ドラゴンのようで、お城のような。
そんな巨大なケーキも、美味しく楽しい時間が続けば、着実に小さくなって。
これで、完食だと。
最後の一ピースが、あるディアボロスの口の中へと消えたなら。
みんなで紡ぐ、パーティを締めくくる言葉はもちろん……。
――ごちそうさまでした!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【狐変身】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!