ガトー・ド・ノエルの甘い誘い(作者 天宮朱那
7


#最終人類史(新宿島)  #最終人類史のクリスマス2023  #クリスマス2023 

●西暦2023年12月――最終人類史・新宿駅ターミナル
「戦争おつかれさまでしたー!!」
 テレーズ・リヴィエール(正義の魔女っこ・g10159)は集まるディアボロス達に労いの声をかける。
「皆さんの大活躍でグレートブリテン島は全部奪還出来ましたね。どんどん最終人類史も陸地が戻って来てます!」
 加えてオーストラリア大陸の住人の帰還も行われ、ますます最終人類史に活気が戻りつつある。
 そこで、と彼女は人差し指立てて元気良く告げるのだ。
「お祝いと感謝を兼ねて、12月と言えばノエルです! こっちで言うクリスマスです!」
 そう言ってテレーズは大きなポスターをどーんと広げ、掲げて見せた。

「ケーキ食べましょう、ケーキ!!!」

 都内のホテルの大広間を使ってのスウィーツビュッフェ。東京23区にて腕を振るうパティシエ達による夢の競演。
 そう、最終人類史の日本における洋菓子と言えばフランス菓子が主流の一つなのである。
 焼き菓子で言えばマドレーヌやカヌレにラングドシャ、柔らかなシュー生地とクリームが織りなすシューアラクレームにエクレア、そしてタルトやミルフィーユにモンブラン……多種多様な菓子に溢れている。
「ブッシュ・ド・ノエルとか最高に見た目も素敵ですよね! これもフランスのケーキなんですって。私のいた時代には無かったものですね!」
 切り株の形をした素敵なケーキにトキメキを隠せず、狼の尻尾をパタパタさせてラ・ピュセル出身のテレーズは言う。
「色々なケーキやお菓子が食べ放題ですよ! 皆さん、是非いらしてください!!」

 前述のとおり、ホテルの大広間を貸し切りにしてのパーティなのでお洒落をして来て欲しいとテレーズは言う。
「堅苦しいドレスやスーツじゃなくても、カジュアルな格好で大丈夫ですよ」
 そう言う彼女は普段の魔女の衣装が正装みたいなものだと、はにかんで見せて。
「お菓子のお供のドリンクは紅茶に珈琲にジュースに……あ、ワインもありますよ、二十歳からですけど!」
 お酒は二十歳から。クリスマスらしくグリューワインやアップルワインなどもあるらしい。
 様々な菓子やケーキはパティシエに頼んで各々取り分けて貰えるので、欲しいものを選んで告げれば良いとの事。
 ゆっくり座って食べるテーブルと椅子は多く用意してあるし、立食で一般人や仲間達との交流を楽しみながら甘味を味わうのも悪くない。
 一般人の招待もされているらしいので残留効果を用いたパフォーマンスはホテル周辺ではなるべく控えて頂けると幸い。
 そんな訳で――。

●西暦2023年12月――最終人類史・都内某所ホテル
 その日、多くの人々に最高の菓子を届ける為に東京23区でも指折りのパティシエ・パティシエール達が腕を振るう。
 今日並ぶ色取り取りの菓子は【口福の伝道者】で増やされたものとは違う。イチゴやブドウなどのフルーツの他、お菓子を作る為に重要な小麦も【植物活性】で育ったもの。京都や三重の酪農家が心を篭めて育てた乳牛から得た牛乳より、バターやミルクなどの乳製品も提供されている。

「久々に最高の材料が揃ったな!」
「ええ、腕が鳴るわね!!」
「ディアボロスの皆が唸るような最高のケーキや焼き菓子を作ってやろうか!!」

 厨房で気合十分に製菓を始める菓子職人達。
 ビュッフェ会場の設営に忙しく動くホテルスタッフ達。
 そして、呼びかけをした魔女っこテレーズはと言うと。

「これで、よし!」

 箒に跨がりフワフワ浮いて、巨大なクリスマスツリーの飾り付けに精を出しているのであった。



 最終人類史で行われるクリスマスパーティーに参加します。
 時先案内人と新宿島の人々が、ディアボロスへの感謝を込めて、いろいろ準備してくれたようですので、思いっきり楽しみましょう。

 開催されるクリスマスパーティーの内容などは、オープニングの情報を確認してください。


特殊ルール この選択肢には、特殊ルールはありません。
👑60 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV6 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV2 / 【ダブル】LV1

●マスターより

天宮朱那
 天宮です。めりくり☆
 私とトミーウォーカーの地元札幌は大体ホワイトクリスマス。
 ハロウィンにクリスマスにと美味しい行事が続く季節。

 このシナリオで採用されたキャラクターには、「アイコンフレーム」が配布されます。
 お菓子の代わりのお土産になれば、と。

①最終人類史のクリスマス
 都内某所のホテルにてクリスマススウィーツビュッフェ。
 主にフランスやその周辺国由来の洋菓子がメイン。とはいえ、一般的な洋菓子屋さんにあるようなケーキは揃ってます。
 他にカヌレやマカロン、アルザスのクグロフケーキやドイツのシュトーレンなども有り。
 プレイングにて食べたいお菓子を記述頂ければ各々お皿に取り分けて貰えます。
 パティシエのお任せを希望の場合は好きな系統を教えて頂ければ此方でチョイスします。
 飲み物はお茶・珈琲からジュースにアルコールまで何でも。未成年はお酒不可(不採用かマスタリング対象)。

②クリスマス・クライマックス!
 最後に壇上ステージにて〆の余興か挨拶か。
 何か仲間のディアボロスや一般人に向けて宴会芸披露、もしくはご挨拶などなど。

 天宮の担当しますNPC(テレーズ、奨)は呼びかけのお誘いがありましたがリプレイにお邪魔致します。
 この機会にお見知りおき頂けますと幸いです。

 複数合わせは迷子防止に相手の名前(ID)かグループ名記載を。
 ①が終わる見込みがついたら選択肢②の募集開始。その際はタグやマスターページでお知らせします。
 プレイングお待ちしております。
39

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


ヴィルジニー・フラムヴェールト
Joyeux Noël!
一張羅のドレスで行くわ
お酒はもう暫くお預けね
紅茶とケーキを頂くわ

フランスのケーキと聞いて、来てしまったわ
つい狐の尻尾が揺れてしまうけれど、気にしてはいけないわ!

わたしの時代にはなかったお菓子もたくさんね
カヌレにタルト・タタンは好みだわ
甘酸っぱいアップルがたまらないの
もちろん、森の切り株みたいなブッシュ・ド・ノエルも素敵だわ!

最終人類史の信仰は、本質は変わらなくても
形はきっと少し変わったのね
いいわ、おいしいお菓子に囲まれるのがクリスマスなら、みんな幸せね
……だけど、家族や仲間たちがここにいないのは、寂しいわ
お菓子、みんなに食べさせてあげたかったなぁ……

ようやくこっちにも慣れてきたのだけれど
わたしの戦いは始まったばかりなのね

あら? テレーズさんじゃない
あなたもラ・ピュセルの出身だったわね
よければ、お友達になってくださらない?
こういうの、スイーツ友って言うのかしら?
あなたはどんなケーキが好き?
お喋りに花を咲かせられるたら嬉しいわ
あら、これ美味しいわ!

アドリブ連携歓迎よ


 そのホテルの大広間には巨大なツリーが飾られ、至るところにクリスマスらしい装飾がなされ、聖夜を迎える雰囲気は充分過ぎる程だった。
「Joyeux Noel!」
 とっておきのドレスに身を包んだヴィルジニー・フラムヴェールト(緑焔の奇蹟・g09648)は会場入口で出迎えるホテルスタッフにも和やかに挨拶を投げかける。ふわりと揺れるスカートの裾と一緒に、大きな狐の尻尾がついつい揺れてしまうのはご愛敬。フランスのケーキが揃っていると聞いては落ち着いてなんていられない。無論、尻尾が気持ちを表してしまう事だって気にしてなどいられないのだ。
「うわぁ……!」
 そこはケーキの博覧会。ずらっと並ぶショーケースには様々なケーキがずらりと並んでいる。
「わたしの時代にはなかったお菓子もたくさんね」
 ケーキの説明を聞き、その中から何種類か気になるものを注文し、席に戻る。
 お酒はまだもう暫くお預け。ポットに用意された紅茶は良い香りを漂わせ、カップに注がれた液体は美しいルビーオレンジの色。先に一口、喉に潤いを与えて芳醇な香りを楽しんでいる間にケーキの皿が運ばれてきた。
 まずはカヌレ。やや苦みすらある蜜蝋のカラメルがもちっとした食感と共に口に収まり、卵黄たっぷりのカスタードに似たまろやかな甘味が口の中に広がっていく。
「タルト・タタンは……好みだわ」
 次に食するは林檎がこれでもかと敷き詰められたタルト・タタン。
「甘酸っぱいアップルがたまらないわ……!」
 無論これらの焼き菓子は次々と新しく焼かれ供される。焦がしバターの香り染み込む林檎の温かみがまた美味しさを引き立てていた。
「もちろん、森の切り株みたいなブッシュ・ド・ノエルも素敵だわ!」
 生クリームたっぷりのクリスマスの定番ケーキ。その可愛い形は食べるのが勿体ないと思いつつ。フォークを滑らせ口に運べば甘すぎない丁度良いショコラの味わい。

 ふと周囲を見回せば、東京23区の住人も恋人同士や家族連れで訪れている様子が目に留まる。
(「最終人類史の信仰は、本質は変わらなくても――形はきっと少し変わったのね」)
 家族や愛する人と共に過ごす日。その本質が変わらないのであれば形なぞ些細な事。
「いいわ、おいしいお菓子に囲まれるのがクリスマスなら、みんな幸せね」
 ……だけど。仲睦まじい人々の姿を見ると、今の自分が一人である事をとてつもなく自覚する。
「家族や仲間たちがここにいないのは、寂しいわ……お菓子、みんなに食べさせてあげたかったなぁ……」
 遠い過去の時代、もう会えること無き家族の顔を思い浮かべた。自分はようやくこの時代この国に慣れてきたが、それでも故郷を忘れる事はもう二度と無い。
「わたしの戦いは始まったばかりなのね」
 新しい仲間を、家族を得る未来がきっとそこにあるのだから。
「皆さん、楽しんでらっしゃいますかー?」
「あら? テレーズさんじゃない」
 そこにフラフラとやってきたテレーズの姿にヴィルジニーは何故か嬉しそうに声をかけた。
「確か、あなたもラ・ピュセルの出身だったわね」
「ええ、そうですよ。最終人類史の皆さんに助けて頂いたクチです」
「よければ、お友達になってくださらない?」
 同郷の誼、と言うアレか。ヴィルジニーの申し出に、テレーズは快く肯定を返した。
「私なんかで宜しければ♪ 貴方も甘いもの好きなんです?」
「ええ、テレーズさんも好きなのね。こういうの、スイーツ友って言うのかしら? あなたはどんなケーキが好き?」
 少しお邪魔しまーす、と向かいに座ったテレーズは、お勧めケーキの注文一つ。
「あら、これ美味しいわ!」
 国内産の新鮮な生クリームがブーケの様に彩られたフラワーケーキが、花咲くお喋りに添えられた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

橘・一颯
色んな洋菓子を食べられると聞いて!

お洒落…(困り顔)
わしは洋装なんぞ持っておらんし、いつものこの装束がわしにとって一張羅なんじゃがええかのう…?

おおおおおぉ!
なんと!ここは極楽浄土かの!?
ここにある菓子を全部食べてええのか!

それでは早速ぱてしえ殿。

マドレーヌとカヌレとシューアラなんとかとエクレアとモンブランとガトーショコラと苺のタルトを所望致す。
あと紅茶という茶をお頼みする。

(両手を合わせて)いただきます。
……んー!美味!
マドレーヌとカヌレはしっとりとした歯触り、シューアラなんとかとエクレアはクリームたっぷりなのに甘さ控え目でモンブランとガトーショコラは滑らかな舌触りと濃厚さが絶品だし苺のタルトは酸味が爽やかじゃ。

好物を好きなだけ食べられるとは有り難い事じゃのう。
(周りの人達を見回し)
寒さに震える事もない。ひもじさに苦しむ事もない。
皆、大事な人と幸せそうに笑い合っておる。
善きかな善きかな。

よし、次はフィナンシェにミルフィーユにマカロンに…
ブッシュ・ド・ノエルは絶対に外せんの!


「色んな洋菓子を食べられると聞いて!」
 話を聞いてきた橘・一颯(流浪疾風・g03241)の鼻息は荒い。平安生まれの平安育ち。砂糖というものがまだ流通する前の時代から来た彼は、この最終人類史で初めて口にした甘味の虜になっていた。そんな一颯が甘味の祭典に来ぬ訳が無い。
「お洒落……わしは洋装なんぞ持っておらんし、いつものこの装束がわしにとって一張羅なんじゃが……」
 ええかのう……?と入口で首を傾げる彼を見かね、翼の生えた現代人の青年は笑って背中を押してやる。
「今の日本じゃ着物は割と正装だし、小綺麗にしてりゃOKだと思うぜ?」
「ふむ、ならば――いざ行かん!」
 出陣とばかりに威勢良くホテルの大広間に足を踏み入れた一颯は、目の前に広がる光景に思わず息を呑んだ。
「おおおおおぉ……!!!?」
 煌びやかなシャンデリアに巨大なクリスマスツリーもまた電飾で彩られ。壁一面もスパンコールのカーテンに覆われて目映くキラキラと輝く室内もさながら。ショーケースに並ぶケーキ達もまた美しくデコレーションされたものから果物の形を活かしたものまで見るからに美味しそうなものが勢揃い。
「なんと! ここは極楽浄土かの……!?」
 お釈迦様もびっくり、まさにここはケーキパラダイス。
「ここにある菓子を全部食べてええのか!」
 流石に全部平らげる猛者はいないだろうが、全種類制覇だって構わない。腹に収まるのであれば、だが。
「それでは早速ぱてしえ殿」
 焼きたてマドレーヌを手にしたパティシエよりまず一つお願いし。
「それにカヌレとシューアラなんとかとエクレアとモンブランとガトーショコラと苺のタルトを所望致す」
 席に案内されつつ、同時に紅茶もオーダー。一颯の物言いからすると、多分紅茶も初体験に見受けられる。

 暫しして。
 彼の前には美しく皿の上に盛り付けられたケーキが置かれ、耐熱硝子のポットに紅茶の色が綺麗に透けて見えた。
「いただきます」
 作ってくれた菓子職人の皆々様と材料の生産者の皆々様、全てに感謝を籠めて両手合わせて小さく一礼。
 早速口に運ぶは、焼きたてほやほやのマドレーヌとカヌレ。
「……んー! 美味!!」
 焼き菓子は二つとも表面はサクッと、中はしっとりとした舌触り。
 シューアラなんとか――俗に言うシュークリームとエクレアはやはりしっかりとしつつもバターの香りたっぷりなシュー皮の中にたっぷりのWクリーム。甘さも控え目でほんのり香るバニラの風味がたまらない。
 モンブランは上にかかったマロンの味わいが和栗とはまた違う風味をもたらし、ガトーショコラはカカオの香ばしさと甘みが滑らかな舌触りと共にその濃厚さで口の中を染め上げる。
 その直後に口に頬張る苺のタルトはまた酸味が爽やかでしかし甘みもしっかりと。クッキータルトの土台もまたサクッとしてて果物との相性抜群。
「好物を好きなだけ食べられるとは有り難い事じゃのう」
 まず一皿を食べ終え、紅茶を啜って苦さと芳醇さに口直しをしながら一颯は周りの人々を見回した。
 外はすっかり冬だと言うのに――この最終人類史の世界、そして東京23区に住まうものは寒さに震える事もなく、ひもじさに苦しむ事もない。自分が生きてきた時代は平安の文字は名ばかりに満足に歳を越せぬ者も多かった。だから。
「皆、大事な人と幸せそうに笑い合っておる。善きかな善きかな――」
 せめて、この時代に生きる人々が幸せな未来を紡げる事を心より願う一颯であった。

「よし、次はフィナンシェにミルフィーユにマカロンに……ブッシュ・ド・ノエルは絶対に外せんの!」
 待って、まだ食うの。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

靫負・四葉
アドリブ・絡み歓迎
普段の武装は解除し、水兵服、つまりセーラーを身につけておきます。
一応軍人ですのでこの格好でも問題ないかと。

……ケーキ、ですか……
もちろん知識にはありますし、興味もあるのですが、その。
……馴染みが一切なく。
どれをいただけばいいものやら……
も、もしよろしければテレーズ、お勧めなど教えていただけませんか?
お任せというのもなんだか色々あるみたいで、ど、どうしていいものやら。
飲み物はお茶をいただきたいと思うのですが。

……むう。
お勧めされたものや自慢の一品、定番の品。
少しずつ色々試してみましたが……
どれも、美味しい……どれが好みかとか選べません。
どうしよう、どれももっと食べたい。けど全部もう一回は無理だし。
お茶を飲んで落ち着こうかな。
……お茶も色々……はーぶてぃ、というんだ?
ほ、本当にいろいろ目移りしてしまう。
分かっていたつもりだけど、最終人類史、すごいなぁ。


 普段の彼女を知る者が見れば、一瞬誰か解らなかったかもしれない。
 特殊戦闘部隊としての装束――つまり武装を解除し、海兵隊の正装でもある水兵服を身に着けた靫負・四葉(双爪・g09880)の姿は可愛らしいセーラー服のお嬢さんにしか見えなかった。
「一応軍人ですので……この格好でも問題ないかと」
 どこかはにかみながらも彼女は会場入口近くにあった大きな鏡に身を写し、何度も確認をした。精一杯のお洒落をしてきたつもりだが、どうにもこう言った場には慣れていない。
 慣れていないと言えばもう一つ。
「……ケーキ、ですか……」
 ホテルの大広間に設営された会場に通されれば、鼻腔を刺激する甘い香り、そして華やかな飾りつけに囲まれたショーケースの中にはまるで宝石の様に美しいケーキが数多く並ぶ。
 勿論、四葉にもケーキについての知識は有るし、興味だってあるのだが。
「…………」
 今までずっと海で戦い続けてきた彼女にとって、平穏な日常は無縁だったから。ましてや陸の上でこうして煌びやかな空間にいられるなど。あまりにも馴染みがなさすぎて、どうしたら良いか解らず地に足がついてないかの感覚。
「どれをいただけばいいものやら……」
「迷いますよねー、これだけあると」
 ショーケースの前で挙動不審気味に固まっていた四葉の様子に、このパーティへの誘いをかけた魔女っこが声をかけてきた。まさに救いの手と言える状況。
「そ、その……も、もしよろしければテレーズ、お勧めなど教えていただけませんか?」
「いいですよー! どれもお勧めではありますけど……好みの味とかあります?」
「お任せというのもなんだか色々あるみたいで、ど、どうしていいものやら」
 ならば、といくつかのケーキをチョイスしてテレーズは席へと四葉をエスコート。注文したのは温かいお茶。ティーソムリエが今回のケーキビュッフェに合う様にと選んでくれた、とっておきのカモミールティー。

「……むう」
 お勧めされたのは生クリームたっぷりのシュー・ア・ラ・クレーム、そしてガトーショコラにバスクチーズケーキ。
 三重県産の酪農家が生産した牛乳より作られたクリームはとてもまろやかでほんのり甘く。シュー皮もさくっと軽く、それでいてしっかりとした食感。ガトーショコラにバスクチーズケーキは練り込まれたチョコやチーズがずっしりと重く、実に濃厚に舌の上に溶けていく。
 他にもマドレーヌにカヌレ、マカロンと通常より小さめの一口サイズを選んで口にほおばれば。しっとりとした甘みと美味しさが口の中いっぱいに広がっていき。
 少しづつ色々気になったものを試してみた四葉であったが、もはや言葉には言い表せない様子。
「どれも、美味しい……どれが好みかとか選べません」
「おかわりしても良いんですよ?」
「どうしよう、どれももっと食べたい。けど全部もう一回は無理だし」
 口は欲しているも、お腹の容量がそれを許さない。まずは落ち着こうとカップで湯気を立てるお茶を口に含む四葉。
「……お茶も色々……はーぶてぃ、というんだ?」
「ええ、他にも色んなお茶が目白押しです」
「ほ、本当にいろいろ目移りしてしまう」
 他の人々のテーブルを見ても、様々な菓子や飲み物に溢れているのが解る。
 嗚呼、どれもこれも、自分のいた時代には無かったものだから。
「分かっていたつもりだけど――」
 最終人類史、すごいなぁ……と、四葉は初めてこの時代で迎えるクリスマスに驚きを隠せないのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

九条・朔夜
相棒のシエル(g09156)と参加

最終人類史にきて初めて知ったが、クリスマスの記念のケーキって沢山あるんだな!!相棒連れて食べにきた!!一応ホテルの大広間なのでいつもの着物じゃなくて茶色の格子柄のジャケットに黒いズボンで。髪は後ろで一つにくくる。いつものジャケット姿じゃないシエルの紺のワンピースは新鮮だな。


おお、凄い美味しそうなスイーツとケーキが一杯で眩しいぜ・・・まずはマドレーヌとカヌレか?おお、美味しい!!あ、食べカスが口についてる?シエル、取ってくれてありがとう!!シエルも結構食べてるな。故郷の味がする?まあ、これらは西洋菓子って奴らしいしな。

エクレアも食べたら次はケーキだ!!ミルフィーユにブッシュ・ド・ノエルだな!!見た目も味も極上だぞ!!ジュースで乾杯、だな。

相棒と無事クリスマスをお祝いできて嬉しいぜ。来年もよろしく、だな。


シエル・ヴィオレ
相棒の朔夜(g09155)と参加

そうですね、私も最終人類史にきて色んなクリスマスのお祝いケーキがあると聞いてびっくりしました。ホテルの大広間ということでいつもの青いジャケットではなくて紺のワンピース姿で。朔夜の和服じゃ無い姿も素敵です。体格いいので、整えれば凄く映えるんですよね。

まずはマドレーヌにカヌレ、ええ、故郷の味がします。朔夜、口にマドレーヌの欠片がついています。慌てて食べ過ぎですよ。

エクレアも頂いたらケーキですね。ええ、ミルフィーユにブッシュ・ド・ノエルですね。ええ、見た目も華やかで味もとても美味しい。ええ、ジュースで乾杯を。

ええ、確かに激動の一年でした。こうして朔夜とクリスマスを祝えて嬉しいです。来年もよろしくお願いしますね。


 クリスマスに浮かれる東京の街を歩く二人。揃って向かうはケーキビュッフェが行われていると言うホテル。
「最終人類史にきて初めて知ったが、クリスマスの記念のケーキって沢山あるんだな!!」
 そう笑顔で告げるは平安生まれの青年、九条・朔夜(赫灼のスフィーダ・g09155)。いつもの戦装束たる着物姿は脱ぎ捨てて、本日の衣装は茶色の格子柄ジャケットに黒いパンツスタイル。その恵まれた体格は洋装にする事で常と比べて格段に良く映える。
「そうですね。私も最終人類史にきて色んなケーキがあると聞いてびっくりしました」
 言葉返すはシエル・ヴィオレ(神籟のプリエール・g09156)。いつもの青いジャケットではなく紺色のワンピース姿はちょっとしたドレスの様にも見える。それがまた朔夜の目には新鮮に映った。
「その服、いいな。とても似合うぜ?」
「そちらの和服じゃない姿もまた素敵ですね」
 思わず小さく微笑み合う二人。特別なお祭りに取って置きのお洒落。楽しむからにはまず形から。

「おお、凄く美味しそうなスィーツが一杯で眩しいぜ……」
 会場の煌びやかな空間もさながら、沢山並ぶショーケースの中にあるケーキ達に朔夜は思わず目を細め。
「まずは、マドレーヌとカヌレ……か?」
「ええ」
 シエルに問えば、即答一つ。二人分をオーダーし、席について頂く事に。
「おお、美味しい!!」
 焼きたてで供されたマドレーヌはほかほかとまだ温かく。頬張れば表面サクッと中がふわっと、たっぷりバターの香りが食欲をそそり、適度な甘みが口いっぱいに広がって。
 カヌレもまた表面のこんがりとした蜜が甘く苦く、カリカリ食感のそのうちには焼きカスタードの芳醇な旨味。ほんのり薫る大人の味はお菓子だから問題無い。
「朔夜、口にマドレーヌの欠片が」
 慌てて食べ過ぎですよ、と彼の口元に残った欠片を取りながら、シエルは菓子の味わいに懐かしさを覚えていた。
「シエルも結構食べてるな。故郷の味がする?」
「ええ、なんだかとても懐かしい……」
 グランダルメの時代に生まれたシエルからしたら懐かしい故郷の味。
 次に頼んだエクレアは零れ落ちそうなほど詰まったクリームがまた最高に美味。この為に最高の材料を揃えたとパティシエ達が胸を張るのもうなずける。
「エクレアも食べたら次はケーキだ!!」
「ええ、ミルフィーユにブッシュ・ド・ノエルですね」
 元気良く次のオーダーをする朔夜に、思わず世話のやける弟を見つめるかのように軽く肩を竦めてシエルは頷いた。
「見た目も味も極上だぞ!!」
「見た目も華やかで味もとても美味しい」
 フォークで口に運び、ほぼ同時に告げる感想はまるで魂が繋がっているかのように一緒。
 そんなお互いの言葉に思わず笑みが零れ。
「相棒と無事クリスマスをお祝いできて嬉しいぜ」
「こうして朔夜とクリスマスを祝えて嬉しいです」
 ジュースがワインの代わりに注がれたグラス。チリンと合わせて音が響き。
「来年もよろしく、だな」
「こちらこそ、よろしくお願いしますね」
 聖夜と行く年来る年に――乾杯。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】がLV2になった!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ (トレインチケット)



マリー・アントワネット (トレインチケット)



雪定・千草 (トレインチケット)



御守・樹 (トレインチケット)



「こうして、皆様とお茶会を楽しむ事が出来る機会が何度も訪れるなど……あの時は夢にも思っておりませんでした」
 優雅に紅茶のカップを持ち上げながら告げる彼女――マリー・アントワネット(人間のサウンドソルジャー・g09894)は昨年の今頃と比べてずっと顔色が良く見えた。
「それは俺も……いや、あの『1793年』で貴女と言葉を交わした者全てが同じ気持ちでいると思いますよ、王妃」
 たまたま彼女がこの会場に誘われて行くのを見かけ、つい追いかけてきたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は彼女と同じテーブルに着くと小さく笑みを零した。
「妾はこの時代では最早王妃にあらず、一人の女に過ぎませんわ。なので――」
 無礼講で、と彼女は願う。一人の女、一人の仲間――同じディアボロスの一員なのだから。
「此度はその……フランスの菓子、と聞きまして。つい気になって参りましたのよ」
「ああ、俺達の時代には無かったものも数多くあると聞いていますが」
 そこに更にもう一つの過去フランスから来た魔女っこが、綺麗に盛り付けをなされた皿を二人の座すテーブルに持って来た。テレーズと言う名は奇しくも王妃の娘の名と同じらしい。
「マリーさん、ブリオッシュ・デ・ロワもありましたよ! あ、エトヴァお兄さんもいらしたんですねっ」
 時先案内で見た顔にテレーズはにこやかに挨拶を交わし、マリーの前に皿を置く。
 牛乳とバターたっぷりのパン生地に砂糖漬けの果実を飾り付けた菓子パンに近いスウィーツ。他にもシュークリームにガレットにミルフィーユにと、伝統菓子から現代に至るまでのフランスを発祥とした菓子が次々と運ばれてくる。
「まぁ、まぁ……こんなに沢山」
「成る程。フランス王妃に食べて貰えるとあって、の様子だな?」
 エトヴァが見るに、パティシエ達が挙って自信作を優先的に此方に運んで来ようとするお陰でテーブルの上は大混雑。
「流石に妾一人でこんなには頂けませんわ」
「じゃあ、通りすがりの俺が頂きましょう、か」
 と、雪定・千草(霞籠・g03137)はひょいっとマリーから遠い位置に置かれたタルトタタンの皿を手に取った。そしてやはり通りすがりに近くにいた青年にも促してみる。
「甘いものは好きですから。ねぇ、貴方も嫌いじゃあないでしょう?」
「あ、ああ……うん」
 頷いたのは御守・樹(諦念の珪化木・g05753)。基本、人と目を合わせられない彼が何故此処にいるかと言うと、通りすがりの魔女っこに拉致……もとい連れて来られた説が濃厚。
「スライムに『わらび』って名前つけるくらいだし、甘いものが好きだとお見受けしました!」
「そんな理由……?」
 そんな彼の肩の上でぷよぷよと動くアクアスライムのわらび本人はと言うと、千草よりついつい渡された皿の上に向かう熱視線。パティシエ達から王妃への献上品――のお裾分けと言う名のババロアを見つめている様子。
「親近感……なんでしょうか、その子」
 ぽやんと口にする千草の言葉。ぷよんぷよんと皿の上で良く揺れるババロアも、マリーやエトヴァがいた時代より後に生まれたものらしい、とテレーズは手元に来たメモを見て解説一つ。納得行かない樹の表情も一つ。
「ふふっ……」
 そんなやりとりがおかしくて、マリーは思わず声を上げて笑う。その様子にエトヴァは一瞬驚きつつも、すぐに穏やかな笑みを浮かべてから、さて……と近くのホテルスタッフを呼び止めて。
「見ての通り、マリー王妃のところに頼んでもいないケーキが寄せられているみたいだ。小分けにして会場にいる皆で一緒に頂けるように出来ないかな」
「さすが、テキパキしてますねぇ……」
 彼の様子を感心して見つめながらも千草は切り分けたタルトタタンを一口頂くと。芳醇なバターの香りと甘酸っぱい林檎の風味が、目が覚める程に美味しくさっぱりと、しかし甘すぎずに素材の良さが活かされていて。
 樹もまたババロアを口に運べば、ねとりと絡みつく濃厚な舌触り。しかし甘すぎる事もなく、使われた卵黄や牛乳の風味がダイレクトに閉じ込められたかの様な美味しさ。
「マリーさん、これ、美味しい」
「ババロアって洋風わらび餅とでも言うべきなのか……? 旨いわこれ……」
 二人の青年が告げる感想に、マリーは微笑ましく見つめながらも自分も一口。
「妾、こんな美味しいブリオッシュには出会えた事ありましたでしょうか……?」
「ですよねー!? 現代の製菓技術にはビックリです!!」
 落っこちそうな頬に手を当てて味わうマリー、嬉しそうに狼尻尾を振るテレーズ。
 そんな和やかで皆が幸せそうに笑む様子に安堵を覚えつつ。テーブル上の大渋滞を解消し終えたエトヴァもまた、紅茶をオーダーして共にお茶会を楽しむ事にするのであった。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!

天竜・なの唄 (トレインチケット)



黒江・茨 (トレインチケット)



明日葉・あかね (トレインチケット)



早藤・伶 (トレインチケット)



ニクス・カエルレア (トレインチケット)



「新宿島のみなさん、こんばんはー! 明日葉・あかねの生配信、今日も始めていっちゃいます!」
 明日葉・あかね(天使のデジタルサマナー・g01494)はスマホのカメラ片手に今日も新宿島の皆さんに向けて動画配信開始。今宵のテーマは、ディアボロス達のクリスマス!と銘打って。
「今日は都内有数の此方のホテルで行われています、東京23区の名パティシエが集う夢の競演! クリスマススウィーツビュッフェの会場に来てますよ!」
 一般人の来場もOK、好きなケーキと飲み物を好きなだけ! 今からでも来てみては?と、にこやかに実況の手も口も止めず、あかねは会場であるホテルの大広間へとカメラを回す。
「おっと、あそこにいるのは時先案内人の皆さん! インタビューにレッツゴーですよ!」
 そう言って素早い足取りにてあかねが向かった先は誘いをかけたテレーズの他、天竜・なの唄(春告小唄・g03217)、黒江・茨(さまよい人・g03596)、早藤・伶(人間の時間神官・g03206)、ニクス・カエルレア(氷雪・g08575)――4人の時先案内人。
「今回はどんなケーキを食べたか聞かせていただけますか?」
「えっと、わたしはシュークリームをいただきましたっ!!」
 焼きたてのシュー皮に、注文を受けてから詰めるクリームは生クリームとカスタードクリームの混合仕立て。濃厚なミルクの風味と卵黄のまろやかさが口の中でハーモニーとなって広がっていく絶品。
「私はこれ、かな」
 なの唄に続いて茨が美味しかったと語るのはドイツのシュトーレン。シナモンは苦手な人でも食べられる様に控え目に。ドライフルーツやナッツ、そしてマジパンのアーモンド風味がコクたっぷりでワインと絶妙に合う。
「ミルフィーユもとてもさくっと美味しくて……食べるのに苦労しますけど」
 幾重に重ねたパイとクリームのコラボレーション。伶がお勧めで頂いたと言うそれは丁寧にバターを包み折り上げたパイ生地でサクサクッと食感も楽しく、風味も香ばしくて最高だったとかで。
「私はイチゴのソルベを」
 スノウメイジらしく氷菓子を食べてみたと言うのもご愛敬。ニクスがパティシエから聞いた話だと、本来の歴史においては17世紀末のパリでソルベが売られていた程に歴史の有る氷菓なのだとか。アイスクリームなどと違い、苺の果汁たっぷりで作られたそれは果物本来の甘みと酸味が冷たさの中にもしっかり感じられ、舌触りも最高であったと感想を述べる。
「ふむふむ、リポートありがとうございます! ところで……皆さん集まって何かお話をされていたみたいでしたけど」
「最後の余興に、わたしの三味線を披露しようかと相談してたんですっ」
 そう微笑むなの唄の手には愛用の三味線。美味しいケーキを頂いたお礼に、そしていつも応援してくれる都民の皆の為に、和の音を楽しんで貰えたら……そんな思いを彼女は語る。
「クリスマスに讃美歌やゴスペルじゃない……って言うのも面白いんじゃないかい?」
 シュトーレンの一切れを口に運びながらグリューワインを傾けて茨は静かに告げる。珍しく無表情気味な顔に笑みが薄らと見えるのは美味しいケーキのせいか酒のせいか雰囲気に呑まれているのか。
「どんな曲が良いんでしょうね。みんなが知っているクリスマスソングとか、いかがでしょう?」
 童謡とか悪くないですよね……と伶もまた首を傾げて考えながら、隣に立つニクスへと意見求める視線を向けた。
「……今、配信してるのってオーストラリアの皆さんにも見て貰えるんでしょうか」
 あかねの回すカメラを指差して何か思いついた様にニクスは言う。
 ――世界中の皆が知っている曲の和風アレンジなんて、面白いのでは――と。

「オーストラリアの皆さん、こーんにーちわー!」
 あかねの持つスマホの画面にはパーティ会場のステージ壇上に立つテレーズの姿。
 茨はホテルスタッフに音響のセッティングを頼み、伶はカンペを手にテレーズの挨拶を助け、ニクスは指揮者の役を買って出た。
「他にも京都、奈良、三重、横須賀の皆さんへ、東京より応援への感謝を篭めてクリスマスの曲をお送りしますよー!」
 そしてカメラが向けられるはステージの中央に三味線を構えて座るなの唄の姿。ベース構えた最上・奨が一歩下がったところに立ち、演奏に覚えの有る来場していた一般人の皆もまた、オルガンやカスタネット、バイオリンなどの楽器を携えて壇上に上がっていた。
 ニクスが指揮棒を構え、素早く振るとなの唄の三味線が音を奏で出す……!

『Japan taste Music!!?』
『It's cool!!』

 配信を見たオーストラリアの人々の反応は上々。
 その曲調も速さもテイストもがらりと変わって、和の雰囲気でいっぱいの曲が配信を通じて世界に響く。
 1フレーズ弾き終えたら、今度は一般人有志のオルガン、ピアノ、バイオリンへと曲は続いていき。
 素敵な演奏のステージで、この楽しいスウィーツビュッフェパーティの幕が閉じていったのであった。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
【能力値アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2024年01月01日

最終人類史のクリスマス2023

 幻想竜域キングアーサー奪還戦の勝利に湧く最終人類史では、更に嬉しいニュースとしてワイルド・カードでの提案を受けて行われた『オーストラリアの住民の帰還』が発表されました。
 隣接海域である『冥海機ヤ・ウマト』のソロモン海域の安定化なども行っており、帰還の為の準備活動にも余念が無かった為、2023年のクリスマス時点で住民の帰還作業を完了させることが出来ています。

 オーストラリアの人々への初期説明は終わっており、ディアボロスの活動にも理解が得られています。
 オーストラリアの各都市からも、ディアボロスとの友好を深める為のクリスマスパーティの招待状が送られてきています。

 東京23区、横須賀、京都・奈良に加え、オーストラリア各地で行われるクリスマスパーティに参加して、素晴らしい聖夜を過ごしましょう。
 オーストラリアを含め最終人類史の住民達は、時先案内人と共に、ディアボロスと楽しむ為のパーティの準備を手伝ってくれています。

※地獄変エネルギーについて
 2022年のクリスマスの実験を通じ、クリスマスの催しでも(サンタクロースを『妖怪の一種』と強引に認定することで)僅かながら地獄変エネルギー補充が可能であることが判明しています。ハロウィン程の効率はありませんが、一定のエネルギーの補充は期待できるかもしれません。

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#最終人類史(新宿島)
🔒
#最終人類史のクリスマス2023
🔒
#クリスマス2023


30




選択肢『最終人類史のクリスマス』のルール

 最終人類史で行われるクリスマスパーティーに参加します。
 時先案内人と新宿島の人々が、ディアボロスへの感謝を込めて、いろいろ準備してくれたようですので、思いっきり楽しみましょう。

 開催されるクリスマスパーティーの内容などは、オープニングの情報を確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『クリスマス・クライマックス!』のルール

 楽しかったクリスマスパーティが、クライマックスを迎えます。

 クリスマスパーティを締めくくる挨拶やイベント等を行って、パーティを締めくくりましょう!
 最後に、ディアボロスからパーティの準備をしてくれた最終人類史の人々に感謝を込めたイベントなどを行っても良いかもしれませんね。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。
 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。