リプレイ
雲龍・帝義
「クリパだクリパだ~!」
季節のイベントにひとりで潜入し、恋人たちの甘い空気を吸うのが趣味の変人のお名前は?
そう、雲龍帝義。自称するにあたってはオトギちゃんです
ひとの幸せがじぶんの幸せ
本気でそんなこと思ってるから恋のひとつも芽生えないのです
イベント盛りだくさんのパーティにおいて、彼女がやることといえばサポートばかりです
迷子の子を案内したり
屋台のごみを拾ったり
材料切れの買い出しをおつかいしたりいろいろしました
いろいろお返しを貰ったりもしたかもしれませんね
あえて好意を断るオトギちゃんはいないでしょう
アバンチュールへのさりげないサポートは、逆にお邪魔だったかもしれません
「さあて、オトギもひとつくらいゲームとかやろっかなあ!」
そう言って、ボール投げゲームに挑戦するオトギちゃん
結果はどうなったでしょうか
こちらから言えるのは、彼女は地に足を付けている限り運動能力の低下する呪具を持っているということだけです
最後に、パーティらしいことをろくにしなかったオトギちゃんは言うでしょう
「ああ、たのしかったあ!」と
●彼女の流儀
「クリパだクリパだ~!」
賑わうクリスマスマーケットの最中に楽しげな声が響く。
イルミネーションは様々な色彩を宿しながら光り輝き、その下を人々が行き交っていた。冬独特の澄んだ空気が満ちる星空も、今はクリスマスの輝きを主役にしてくれている。
声の主は辺りを見渡し、楽しい光景を瞳に映した。
今宵のイベントにはたったひとりで訪れたのだが、そんなことに引け目を感じたりはしない。寧ろ、この場にいる恋人たちの甘い空気を吸うのが趣味。
そんな彼女の名は――雲龍・帝義(三雲巴龍・g10579)。自称するにあたってはオトギちゃんという可愛らしい呼び名もとい一人称があった。
彼女は空に流れる浮雲の如く、ふわりふわりと街を往く。
「見て、あのお店!」
「いいね、見ていこうか」
ふいに彼氏の手を引く女の子の明るい声がして、帝義はその背を見送った。別の方向に目を向けてみれば手を繋ぎたくても繋げないでいる初々しい男女の二人組もいる。
「あの……えっと、」
「うん……」
恋人同士らしい二人の視線が重なり、ぎこちなく手が繋がれた。その様子を見つめていた帝義の双眸が細められる。
人々を照らすイルミネーションはまるで弾けない花火のよう。幸いな時間を過ごす者を祝福するような色彩はあたたかく、今宵が聖夜であることを示している。
帝義にとって、ひとの幸せがじぶんの幸せ。
心の底から本気で思っているからこそ、恋のひとつも芽生えないのだが――それはまた少しばかり別の話。
それゆえに今日のパーティは自分本位のものではなく、誰かを助けるための時間でもある。たくさんの幸せが生まれる日だが、その中でちょっとした悲しい出来事も起こってしまう。
たとえば――。
「わーん、ママどこー? ママー!」
道端でひとり、迷子になって泣いている子供がいた。行き交う人達が子供を気にしている様子も見えたが、真っ先に少年に駆け寄っていったのは帝義だ。
「こっちこっち、おいで」
「……おねえちゃん、だれ?」
「実はオトギ、お子さんを探している方を見つけていて――」
帝義は先程に困っている女性の姿を見ていた。こういった特徴ではないかと少年に問いかければ、それがママだという返答があった。迷子の手を取った帝義は明るく笑ってみせる。
それから暫し後、無事に母親と再会できた少年は満面の笑みを返してくれた。
「オトギおねえちゃん……でいいのかな、ありがとう!」
「どういたしまして。さあて、次は?」
ちいさな不幸が新たな嬉しさに変わったと確信した後、屋台が並んでいる方に視線を向ける。美味しそうな香りや色とりどりのメニューが見える。その中からも楽しげな声が聞こえていた。
ふと帝義が見つけたのは道端のごみ。近くにダストボックスを見つけた帝義はトレイを拾い、そっと捨て直す。
そうしていると、ちょうど近くの屋台の店主から声を掛けられた。
「お嬢ちゃん、ちょっといいかい?」
「オトギに何か?」
「ごめんよ、ケチャップが足りなくなってね。買ってきてくれないかい?」
「それならぜひお任せを」
「よかった、お嬢ちゃんなら引き受けてくれそうだと思ってね。ほら、これは代金だ!」
店がピンチになっているところに出くわし、突発お使いイベントが始まったようだ。帝義は嫌がる顔など少しも見せずに快く引き受けた。客が並んでいる店の状況を考え、迅速にお使いを終えた帝義。あまりの速さに店主も驚いたらしく、作りたてのホットドッグとジンジャーティーを出してくれた。
季節柄、寒さもあったので温かいものを楽しんでいると先程の少年が走ってきた。
「おねえちゃん!」
「?」
「あのね、これあげる。さっきのお礼!」
少年はどうやら帝義を探していたらしく、屋台で買ってきたらしい小さなオーナメントキーホルダーをくれた。その後ろでは母親が深く頭を下げている。
星と雪の結晶が重なっているキーホルダーは小さくて愛らしく、帝義はお礼を告げ返した。
それから帝義は様々な人助けを行った。ちょっとしたお手伝いに道案内。もどかしいカップルのアバンチュールへのさりげないサポートは逆にお邪魔だったかもしれないが、多くの人々は笑顔を浮かべている。
そうして、周囲に困っている人がいなくなった頃。
「さあて、オトギもひとつくらいゲームとかやろっかなあ!」
帝義が向かったのはスノーマンの形をした台にボールを投げるゲームの屋台。張り切って挑戦する帝義はよく狙いを定め、そして――。
「残念! これは参加賞だよ」
「もう少しだった気がしないでもない……けど」
帝義はちらりと足元を見遣った。しかし、結果は結果として受け止めるのが帝義流。
それに受け取った参加賞だってなかなかに可愛らしいものだ。帝義は雪だるまの形をしたスノーボールクッキーが入った箱を軽く振り、後で食べようと決めた。
人助けをして、お使いを任せられ、恋人たちを見守ってからゲームに興じる。パーティらしいことをろくにしなかったかもしれないが帝義はとても満足気だ。
そうして、彼女は心の底からの思いを言葉にした。
「ああ、たのしかったあ!」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
シャイニー・ライン
イルミネーションは幻想的だし、立ち並ぶお店はどれも魅力的!
寒さなんて吹き飛ばしちゃうくらい楽しもう!
カペルくんと一緒なら、もっと楽しいよね!
まずは温かい飲み物を2つ、トロイメライの分も入れて3つかな?
一人でそんなに飲むのかって? お友達の分!
落とさないように気を付けながら、カペルくんを探そっと!
行き交う人の中にカペルくんを発見! 嬉しくて思わず駆け寄っちゃう!
カペルくん、こんばんはー! トロイメライもこんばんは!
はい、これ! 温かい飲み物をどうぞ!
ねぇねぇ、カペルくん。一緒にお店を見て回らない?
色々なお店があったけど、ボール投げゲームが楽しそうだったよ!
ね? 行こう! 手を差し出せば、ぎゅっと握り返してくれるかな?
頬が赤くなっちゃうのは、寒さのせいにしちゃおう!
見て見て! スノーマンの口にボールを入れれば良いみたい!
まずは、わたしから! 結果は……(お任せしまーす!)
カペルくんはどうだった?
はー、楽しい時間はあっと言う間に過ぎちゃうね。
また来年も一緒に見て回れたら良いね!
アドリブ歓迎!
●絆ぐこころ
街灯が優しく光り、街に飾られたイルミネーションが輝く。
周囲は幻想的な雰囲気で今宵のために並んでいる店はどれも魅力的なものばかり。シャイニー・ライン(羨望と復讐の魔女・g00157)はクリスマスマーケットの様子を眺め、笑みを浮かべる。
「よーし、寒さなんて吹き飛ばしちゃうくらい楽しもう!」
今日は人々の幸いが満ちる日。
ひとりでゆっくりと巡るだけでもいいものだが、親愛を抱く相手と一緒ならもっと楽しくなるはず。
シャイニーはこの会場にいるであろう少年を思いながら、ある店へと歩を進めていく。
「あった!」
甘い香りを感じたシャイニーはさっそく温かい飲み物を頼むことにした。
「ホットココアみっつください」
「お嬢さん、ひとりでそんなに飲むのかい?」
「違うよ、お友達の分!」
「それならクッキーもオマケだ、持っていきな」
「ありがとう!」
問いかけられたことに明るく答えたことでジンジャークッキーが渡された。持ち運び用のトレイに乗せられたココアからはふんわりと湯気が立ち昇っている。落とさないように気を付けながら歩いていたシャイニーだったが、目的の人影を見つけたことで元気よく駆け出しいった。
しかし、そのとき。ふらついてしまったシャイニーがバランスを崩しかけた。
「わ!」
「大丈夫?」
次の瞬間、トレイを持つ手に別の手が重なる。倒れそうになったシャイニーの前に現れたのはカペルだ。すぐにモーラット・コミュのトロイメライも飛んできて寄り添う。
「もきゅぴ!」
「平気だよ、ごめんね」
「間に合ってよかった。姿を見かけて声をかけようと思ってたからびっくりしちゃった」
ほっとしたシャイニーが笑みを見せると、カペルも明るく笑った。
「カペルくん、こんばんはー! トロイメライもこんばんは!」
「シャイニーちゃん、こんばんは!」
「もきゅぴきゅ!」
二人と一匹は改めて挨拶を交わし、会えたことを喜びあう。
もう大丈夫だろうと感じたらしいカペルは手を離し、これは? と疑問の視線を向けた。
「はい、これ! 温かい飲み物をどうぞ!」
「ぼくたちに? ありがとう!」
シャイニーが自分たちのために買ってきてくれた飲み物なのだと知ったカペルは嬉しそうに目を細め、そのうちひとつを受け取った。そうして近くのベンチに座った一行は暫しのんびりした後、クッキーつきココアを飲み終えた。
満足そうなトロイメライが肩にぴょこんと乗ってきたことでシャイニーは笑みを深める。
「トロイ、シャイニーちゃんの傍が気に入ったみたい。しばらく一緒にいてくれる?」
「うん、任せて! それならカペルくん。一緒にお店を見て回らない?」
「もちろん、喜んで!」
快く頷いたカペルはロングコートに大きな鞄を合わせた防寒スタイル。そして、少年の鞄には鉱石ランプが下げられていた。心安らぐ暖かな光は優しく揺れており、まるでイルミネーションのひとつになっているかのよう。
行く先に立ち並ぶのはクリスマスマーケットの屋台や店々。
綺麗に包装されたクッキーの店、子供たちがたくさん集まっているゲームの夜店など、どれもが魅力的だと感じたシャイニーは歩を進めていく。それに二人と一匹が一緒なら楽しいことがもっと特別になる気がした。
「ボール投げゲームが楽しそうだったよ!」
「ぼくもさっき見てたよ。いつやろうかなって思ってたんだ」
「じゃあ行こう!」
シャイニーが手を差し出すと、カペルは少しだけ迷う様子を見せる。しかし、すぐにその手を握った。
「あのさ、ぼくの手は硬くて冷たいから寒くなったら離――」
「……大丈夫!」
「よかった」
カペルが何かを言いかけたがシャイニーがその言葉の途中で改めて手を握り返す。頬が赤くなってしまうのは寒さのせいにしたいけれど、機械の手が冷たいから離すなんてことはしない。声にせずともお互いの気持ちが何となく通じたのか、ふたりは手を繋いで歩き出した。
「見て見て! スノーマンの口にボールを入れれば良いみたい!」
「よし、頑張ろう。それじゃあまずは……」
「わたしから!」
遊技屋台の前、意気込んだシャイニーは受け取ったボールを思い切って投げる。
同じくカペルも気合を込めて一投目を振り被り、そして――。
「はずれた……」
「惜しかったね、もうちょっと」
結果はふたりとも外れてしまった。だが、其処に立ち上がったのがトロイメライだ。
「もきゅぴぴっ!」
「あれ、トロイ?」
「すごい、一発で成功だよ!」
驚くふたりの前で得意げに胸を張る仕草をみせたモーラットは、景品のふわふわジェントルスノーマンクッションをシャイニーに渡した。どうやら先程のココアのお礼のつもりらしい。
いいの? と少し戸惑う彼女にカペルが笑いかけ、ぼくたちからのプレゼントだと語る。
喜ぶシャイニーを見つめる少年たちは嬉しそうだ。そして、ふたりは次の楽しい場所を探してゆく。
「はー、楽しい時間はあっと言う間に過ぎちゃうね」
「でもまだまだこれからだよ」
「うん! こうやってまた来年も一緒に見て回れたら良いね!」
「来年も、よければ再来年だって!」
二人の間で交わされたのは小さな願いと約束。
きっと、互いが望む限りずっと――この思いは叶えられ続ける。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
本郷・夏深
メリークリスマスです、蝶々子さん!
クリスマスツリーに願い事を飾れるとは素晴らしい
そんな楽しそうな催し、行くしかないですよね!
願い事は何にするか、今から考えつつ──うわ寒っ
いいですねえ、クリスマスらしい寒さにますます楽しくなって参りました!
折角の寒さです、温かいものでも飲み食いしながらツリーを目指しませんか
という訳で、マーケットで買い物しながら広場の中央へ向かいたく
まずはホットチョコを片手に、他に気になるものはないか探します
ソーセージの盛り合わせ…チーズステーキサンド…
よし、食べていきましょう
まだ先は長いですからね、急ぐ必要はありません
へえ、食べ物以外にも色々売られているんですね
こ、これは、柴犬のマトリョーシカ…!
このまろやかな表情、実に味わい深いです
あまりにも素晴らしすぎる…これは絶対に欲しい
店員さん、この逸品を下さい!
おや、蝶々子さんも何かいい物を見つけました?
おっと、ボール投げゲームが
蝶々子さん、勝負しましょう
射的勝負では敗れましたが、今回は本気で勝ちに行きますよ
(そして普通に負ける
●ふたりのクリスマス紀行
今日は煌めきと輝き、楽しさが溢れていく日。
見覚えのある少年と少女が仲良く駆けていく様子。以前に出会った老女が手を振ってくれている姿。仲睦まじい恋人たちや兄弟が歩いていく光景。此処には奪還前に見てきたような悲痛な表情は見えない。
「なかなかに良い光景ですね」
本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)は双眸を細め、楽しげな人々の様子を見守っていた。そんな彼が立っているのはクリスマスマーケットの最中にある一角。
其処では今宵のために用意されたストーブが煌々と燃えており、人々が暖を取れる場所になっている。
そして、待ち合わせとして選んだこの場所に訪れたのは――。
「夏深くん、おまたせしました」
「メリークリスマスです、蝶々子さん!」
「はい、メリークリスマスです!」
手を振って夏深の近くまで駆け寄ってきた少女は名前を呼ばれ、ぱっと表情を輝かせる。このクリスマスマーケット通りの向こうには広場があり、其処には大きなツリーがあるらしい。
今回の目的はクリスマスツリーに願い事を飾ること。
素晴らしい、と言葉にした夏深はこの場所からでも見えるツリーに目を向けた。
「あんなに楽しそうな催し、行くしかないですよね!」
「ふふー、準備も心持ちも万端です」
蝶々子も夏深と一緒にツリー広場の方角を見遣り、楽しみな気持ちを言葉にする。年の終わりも近い今、新たな年に向けての思いを文字にして綴るのは、きっと良いことに繋がっていく。
両手をストーブにかざした夏深が手を温める中、蝶々子も倣ってもこもこ手袋をそっと掲げる。
「夏深くんはもう何を記すか決まっていますか?」
「何にするか迷いますね。考えながら歩きましょうか」
「お願いっていろいろ、いっぱいありますものねえ。楽しく参りましょう!」
「では出発です」
しっかり暖まったと感じたふたりはクリスマスマーケットの通りへと踏み出していく。
だが、夏深が外に踏み出した瞬間。
「うわ寒っ」
今までの暖をすべて吹き飛ばしてしまうほどの夜風が吹き抜けた。一瞬で熱が奪われてしまったかのようで夏深は身体を震わせ、蝶々子もマフラーに顔を埋めてふるふると首を振る。
「むー……冬ですねえ」
「いいですねえ、クリスマスらしい寒さにますます楽しくなって参りました!」
「夏深くんはおつよいですね」
「折角の寒さです、この状況も楽しみましょう」
「はーいっ!」
夏深からの提案に明るく頷いた蝶々子は、その横に並んで進んだ。楽しむと決めた以上、寒さをしのいでかつ楽しくなることをするのが良い。それはつまり、温かいものの買い食い。
こうやってのんびりとツリーを目指せば、冬らしい楽しみが得られるというもの。
「ではまずあちらからです」
「わ、ホットチョコ! いいですね、さっそくいきましょーか」
スリーブ付きのカップを手にしたふたりは広場の周りをぐるりとまわるコースを選んだ。夏深と蝶々子の姿はまるで仲睦まじい兄妹、あるいは姉弟のようにもみえる。
ホットチョコレートのおかげもあり、寒さは先程よりも感じなくなってきた。その中で夏深の目に入ったのはソーセージの盛り合わせやチーズステーキサンドなどが描かれた看板。
「わぁ……」
「よし、食べていきましょう」
「えへへー、なんだか贅沢ですね」
「まだ先は長いですからね、急ぐ必要はありません」
「はい、では手分けして美味しいもの調達です!」
気持ちを同じくしたふたりは屋台の列に並び、とびきりの時間を満喫するために動いてゆく。とろけるチーズが何処まで伸びるか、ソーセージの食べ比べなどを片隅のベンチで楽しんだふたりは、次に小物屋台に向かった。
「へえ、食べ物以外にも色々売られているんですね。こ、これは……」
オーナメントやアクセサリーなどが売られている店の前、夏深は大発見をする。それは柴犬の形をしたマトリョーシカのようだ。開けても柴犬、柴犬、たまに黒柴。閉じても柴犬。
「このまろやかな表情、実に味わい深いです。あまりにも素晴らしすぎる……これは絶対に欲しい」
「お目が高いね、一点ものだよ」
「世界にひとつきり? この逸品を下さい!」
その様子に気付いた店員の一言により、夏深は即断即決の買い物をすることになる。微笑ましげに見守っていた蝶々子は夏深がマトリョーシカを受け取る様に笑みを零した。彼女の手には何かが握られており、夏深は問いかけてみる。
「おや、蝶々子さんも何かいい物を見つけました?」
「じゃじゃーん、きゅうりのオーナメントです!」
「きゅうり?」
「ふふ、これは由来があってですねえ。実は――」
互いに好きなものを手に入れたふたりはたくさんの話をしながらマーケットを楽しんでいく。
それから暫し後。
遊技屋台の前で立ち止まったふたりは視線を交わし、それぞれに気合いを入れた。
「ボール投げゲームですか。蝶々子さん、勝負しましょう」
「前回に引き続きですね。のぞむところです!」
「以前は敗れましたが、今回は本気で勝ちに行きますよ」
「わたしだって本気ですよお」
そして、その勝負の行方と結果は――。
彼らが存分にゲームを遊び倒した、もう少しばかり後に語られることになる。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
咲樂・祇伐
🌸樂祇
◎
寒さも吹き飛ばしてしまうような華やかな光の洪水に、彩やかな音楽に、心が踊るよう
願いは何時だって、耀かしいものであって欲しいわね
願い…以前は、願う事もできなかったけれど
あなたの明るい笑顔に絆されるように頷く
…うん、しっかり考えておくね
冷たい掌を包み込む
気恥しいけど今日はいいよね?
そういえば、制服姿…
…私はずっと『お兄ちゃんとお姉様と同じ学校に一緒に』そんな過去の願いを思い出して小さく咲う
そうね、私ももう卒業の年齢だもの
…形が違えど、叶えようという心が嬉しい
私の願いは受け止められていたんだね
私はソーセージの盛り合わせを買って…わ!?
だめ、器から食べたら零れちゃう!
中身を食べてからね?じゃあソーセージと半分こ
……何で口を開けてるの?
き、給餌……だからそれは恥ずかしいって
でも仕方ないなぁなんて
咲えるようになってしまった
あなたのせい
ホットチョコレートを片手にマーケットを見てまわる
みて、可愛いクッキー缶!
振り向いた先
ぼやりと光る掌を優しく包み込む
あなたの光は、わたしにとっての
救いのひかりよ
咲樂・神樂
⚰️樂祇
◎
今年のクリスマスも華やかね!
あのツリーを輝かせているのは、人々の願いだそう
願いのオーナメントなんて素敵
あとであたし達も行ってみましょ
ちゃんと願いを考えておいてね
絆ぐ熱に私にもあった心まであたたかく感じられる
先ずはクリスマスマーケットでデート
どう?私も制服とやらを着てみた
まぁ学舎に通ったことはないが
制服デート、というのをしてみたかった
こういうのって今しかできないんでしょ?
…形は変わるが、君の願いを叶えられたらいい
屋台巡りのはじまりは美味しいパンシチューから
これ器のパンも食べれるのよね
…どれ…(器を齧る
そう?じゃあ中身をわけっこしよう
祇伐が買ってきたソーセージの盛り合わせも
一緒に食べればもっと美味しい
はい、あーん
……?給餌は当然でしょ
慣れて欲しいけど、馴れなくても可愛くていいな
小腹を満たしたらホットチョコレートを飲みながらあれやこれや見てまわる
イルミネーションの光より眩く咲くは君の笑顔
……
光、というものは
本当は、こういうものなのかもしれない
ぼやりと光る、自分の掌と見比べて
ふと思った
●希う掌
色とりどりの宝石がちりばめられているかのようなイルミネーションが光る。
まさにクリスマス一色の通りの中、あちらこちらから聞こえる声は楽しそうなものばかり。今宵は誰もが楽しみを享受して、幸いを願って祈る日。
「……綺麗」
咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)は人々と光が織り成す光景を見つめている。
冷たい冬の風がもたらす寒さも吹き飛ばしてしまうような華やかな光の洪水。それを更に楽しくしてくれる彩やかな音楽に、心が踊るような感覚を抱いた。
今夜は願いの木に言葉を託し、未来に思いを馳せることができる。
「願いは何時だって、耀かしいものであって欲しいわね」
祇伐にとって願いという言葉は大きな意味を持つものだ。以前は、なにかに、誰かに願うということ自体が複雑な心境によってできなかった。けれども今は違う。
隣に寄り添ってくれている咲樂・神樂(離一匁・g03059)をそっと見上げ、祇伐は微笑んだ。
「今年のクリスマスも華やかね!」
「えぇ、とっても」
「あのツリーを輝かせているのは、人々の願いだそうね。願いのオーナメントなんて素敵」
「今も願いが飾られているのね」
「あとであたし達も行ってみましょ。ちゃんと願いを考えておいてね」
「……うん、しっかり考えておくね」
神樂と祇伐は視線を重ねてから、広場の中央にあるクリスマスツリーに眼差しを向けた。彼の明るい笑顔に絆されるように頷き、祇伐は双眸を細める。
そして、不意に思いついたことを行ってみることにした。
「あのね、こうしていい?」
「うん?」
祇伐は腕を伸ばし、彼の冷たい掌を包み込む。いつもは気恥しくてあまりできないけど今日は特別。
彼女から伝わってくる熱を感じ取りながら神樂は口許を緩めた。祇伐と絆ぐ熱に自分にもあった心まであたたかく感じられ、神樂はその手を握り返す。
まずは先ずはクリスマスマーケットでデートが目的。
歩き始めたふたりの装いは制服姿だ。
まるで現役の学生の恋人、もとい番であるふたりは新鮮な気持ちを抱いている。嬉しげに頬を染めた祇伐は、ずっとひそかに考えいたことを思い出した。
(「そういえば……私はずっと『お兄ちゃんとお姉様と同じ学校に一緒に』なんて、考えていたっけ」)
過去の願いを思い出して小さく咲えば、神樂が祇伐の顔を覗き込む。
「私の制服姿はどう?」
「とても似合っているわ」
「良かった。まぁ学舎に通ったことはないが制服デート、というのをしてみたかった」
「……私も」
神樂が語る言葉に心地よさを覚え、祇伐は繋いだ手にそうっと力を込める。今がとびきりの特別だと思うと尊く、過ぎ去っていくひとときも大事にしたいと思えた。
彼もまた祇伐が抱いている特別感をわかっているらしく、更に問いかける。
「こういうのって今しかできないんでしょ?」
「そうね、私ももう卒業の年齢だもの」
学生というものは期間限定。それならば出来るときに体験しておきたい。特にふたりで過ごすこの時間を噛みしめれば、唯一の思い出になっていくはず。
「今は楽しい?」
「もちろん!」
「形は変わるが、君の願いを叶えられたなら倖いだよ」
神樂からの問いかけに答えた祇伐の笑顔はとても明るい。こうして願いを叶えようという心が嬉しく感じた祇伐は神樂に感謝の思いを向けた。
――私の願いは受け止められていた。
心がふわりと浮き上がるような幸いを抱いた祇伐は、進む先に目を向ける。
今日だけしか感じられないこと、できないことを楽しむには積極的に遊んでいくことが重要。そのとき目にとまったのは美味しそうなものが立ち並ぶ屋台たち。
「どれか食べていく?」
「私はソーセージの盛り合わせを買っていくわ」
「では此方は美味しそうなパンシチューがいいかな」
それぞれに食べたいものを決めたふたりはそれぞれの屋台に向かっていく。立ち昇る湯気や香りは食欲をそそるもので、どれもが魅力的。買い物を終えてぱたぱたと駆けてきた祇伐は、神樂の手の中にあるパンシチューに興味を示す。
「これ器のパンも食べられるのよね」
「あなたのそれは……わ!?」
「どれ」
「だめ、器から食べたら零れちゃう!」
作法を知らなかったらしい神樂がパンから齧ろうとしたところを、祇伐が慌てて止める。きょとんとした神樂が動きを止めたことで安堵した祇伐は器の中を示す。
「中身を食べてからね?」
「そう? じゃあ中身をわけっこしよう」
「じゃあソーセージと半分こしましょう」
ひとまずシェアすることに決めたふたりはこくりと首肯しあった。一緒に食べればもっと美味しいことはわかっているので神樂は口をひらく。
「はい、あーん」
「……何で口を開けてるの?」
「……? 給餌は当然でしょ」
「き、給餌……だからそれは恥ずかしいって。でも……」
仕方ないなぁ、と祇伐は咲う。
こうして不思議な行為を許して行えて、咲えるようになってしまったのは彼のせい。それでも心地はよく、これが自分たちの形なのだと実感できた。
(「慣れて欲しいけど、馴れなくても可愛くていいな」)
神樂は口許に運ばれた食事を軽く頬張りながら、祇伐の様子を嬉しそうに見つめていた。
そうして暫し後、クリスマスらしい味わいを楽しんだふたりは更にマーケットを巡ることにした。途中で買ったのは身体をあたためるためのホットチョコレート。
可愛いスリーブ付きのドリンクを片手にマーケットを見てまわる祇伐と神樂はとても楽しげだ。
「みて、可愛いクッキー缶!」
「可愛いね」
祇伐が見つけたものを見せてきた姿の方が可愛らしい。その思いは敢えて言葉にしないまま、神樂は彼女の様子を優しく見守っていた。その際に目に入ったのはイルミネーションの光。
けれどもやはり、それ以上により眩く咲くは祇伐の笑顔。
双眸を緩めた神樂の視線に気付き、くるりと振り向いた祇伐は彼のもとに歩み寄っていく。
「どうしたの?」
「……。光、というものは」
「――うん」
「本当は、こういうものなのかもしれない」
ぼやりと光る、自分の掌と街の灯りを見比べた神樂はぽつりと零す。すると祇伐はその掌を包み込むように彼に触れ、心からの笑みを咲かせた。
「あなたの光はね、」
「…………」
祇伐が紡ごうとしている言の葉を待つように、彼の眼差しが重なった掌に注がれる。
誰よりも、何よりも愛おしくてやさしい自分だけの番。当たり前でしかなかった空虚さと、閉じた世界から連れ出してくれたとも言える大切な存在。そんな彼女から告げられたのは――。
「わたしにとっての、救いのひかりよ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!
津・リビト
彗藍(g00192)と
愉しげな声、美味そうな香り、あたたかな光
幸せが詰まっているな
俺達もくりすますまーけっと、回ってみようか
どの屋台も気になってしまうな
ふと、漂ってくるパンの芳ばしい香りに気付く
彗藍、あそこぱんの店があるみたいだ
行ってみるか?
魅力的な形をした丸いぱんに
煮込まれたしちゅーが注がれる姿を見て
思わず喉を鳴らしてしまう
――これは、買うしかない
びーふしちゅーとほわいとしちゅーがあるみたいだ
俺はびーふしちゅーを選んでみようか
美味い!肉がほろほろ、野菜はとろけている
彗藍もひとくち食うか?口元まで寄せて
! 俺にも良いのか?
――ん、ほわいとの方も甘くて美味いな
遠くで大きな口を開けた可愛らしい雪だるまが沢山ボールを食べているのが見えた
よし、腹ごなしにあそこの屋台で少し遊んでみるか
お手本を見つつ、しゅっと軽く投げる素振りをみせて
こんな感じだろうか。ふふ、折角なら景品をげっとしたいな
(結果・景品はおまかせ)
景品が獲れたら彗藍に贈ろう
楽しいが溢れる一時を過ごせて俺は幸せだ
もう一回りしてしまおうか
朔・彗藍
リビト(g00145)と
クリスマス一色の雰囲気とっても素敵ですね
はいっ、マーケット実は凄く楽しみにしてて
…ぱんのお店!
そういえば美味しそうな香りに呼ばれている気がして
ぜひ、行きたいのですー!
ほかほかまあるいパンに
食欲をそそる煮込んだシチューがとろり
会場の灯りより瞳はみるみる耀き
……!リビト、これは買いですよう…!(こくこく)
では私はホワイトシチューに
まろやかな味と煮込まれた野菜とお肉…
染み込んだパンも絶妙で
ほっぺた落ちちゃいそうですねえ…幸せ…!
――!ビーフシチューも食べてみたいです
ではホワイトの方も…
そうっと彼の口元へ差し出して
えへへ、どちらも絶品!ぱんしちゅー最高ですね
雪だるまさんのゲームみたいですね?
楽しそう、いざ挑戦です!
リビトを見て真似するようしゅっしゅと素振り
リビトの投球よい感じなのです
私も頑張らねば…!
雪だるまさん、ぼーる召し上がれ!
えいと投げて
(結果・景品お任せ)
景品貰えたら笑顔でご満悦
リビトにもお土産に何か渡せたら良いな
お誘いには勿論!
クリスマスって、楽しいものですね
●あたたかなきもち
街を彩る光。それはまるで星々が大地に降りてきたかのような輝きを放っている。
幻想的なイルミネーションが広がるクリスマスマーケットの中で、津・リビト(釣人・g00145)は辺りを見渡した。
何人かの子供が駆けていき、じゃれあっている愉しげな声。
いくつも並んでいる屋台から広がってくる美味そうな香り。そして、通りを照らすあたたかな光の数々。
「ここには幸せが詰まっているな」
「クリスマス一色の雰囲気とっても素敵ですね」
リビトの言葉に応えたのは、同じく周囲をわくわくとした様子で見ている朔・彗藍(ベガ・g00192)。色とりどりの輝きは夜空に溶け込み、あたたかで不思議な夢の世界へと誘っているようにも思えた。
彗藍がそわそわしはじめた様子に気付き、リビトはそっと声をかける。
「俺達もくりすますまーけっと、回ってみようか」
「はいっ、マーケット実は凄く楽しみにしてて」
彗藍は嬉しげな視線を返し、歩き始めたリビトの横に並んだ。賑わう通りには様々な人々が行き交っており、それぞれに興味のある店や方向に向かっていた。
彼らのようにリビトと彗藍は心の赴くままに進んでいった。
「どの屋台も気になってしまうな」
リビトが眺めているのは食事を扱っている店だ。ソーセージの盛り合わせにホットチョコレート、ジンジャーブレッドの詰め合わせなど内容も色々。
その中でふと、漂ってくるパンの芳ばしい香りに気付いたリビトは顔を上げた。彗藍は甘い香りのする店に気を取られているようだ。その様子に可愛らしさを感じつつリビトは彗藍を呼ぶ。
「彗藍、あそこぱんの店があるみたいだ」
「ぱんのお店!」
彗藍はぱぁっと表情を輝かせ、そういえば呼ばれている気がすると言葉にした。リビトもきっと自分たちを誘っているのだと感じ、提案を投げかけてみる。
「行ってみるか?」
「ぜひ、行きたいのですー!」
意見が一致したふたりは連れ立って歩き出し、可愛らしい装飾が目を引くパン屋の前に行く。
わぁ、と感嘆の声を零した彗藍はショーケースやパン籠に並べられているものを眺めていった。リース型に編まれた飾りパンは愛らしく、ふわふわでほかほか魅力的な形をしたまあるいパンには――。
「しちゅー!」
「すごいです、美味しそう」
リビトと彗藍はパンシチューが注がれる様子を見てわくわくした気持ちをあらわにする。これはリビトも思わず喉を鳴らしてしまうというもの。
前に並んでいる少年がパンを受け取ったときにはもう、リビトたちの心は決まっていた。
「……!」
「――これは、買うしかない」
「リビト、これは買いですよう……!」
特に彗藍の瞳はクリスマスマーケットに満ちる灯りよりも耀いている。こくこくと頷く彗藍へ更に頷きを返し、リビトはメニュー看板をじっくりと眺めた。
「びーふしちゅーとほわいとしちゅーがあるみたいだ」
「では私はホワイトシチューに」
「俺はびーふしちゅーを選んでみようか」
「さっそく並びましょう!」
互いに違うものを選んだふたりは意気揚々と店の前に並び、自分たちの順番がくるのを楽しみに待った。
そうして、パンシチューの買い物を終えたリビトと彗藍は近くのベンチに腰を下ろす。湯気を立てるシチューをじっと見てから視線を交わせば、思わず笑みが浮かんだ。
いただきます、と声にしたふたりは同時にスプーンでシチューをすくってみる。
リビトはそのまま、彗藍はふーふーと冷ましてから一口目をぱくりと頬張った。
「美味い!」
ビーフシチューは肉がほろほろで、野菜はスープにとろけて馴染んでいる。ホワイトシチューの方はまろやかな味と煮込まれた野菜と肉がやさしい味を生み出していた。
「ほっぺた落ちちゃいそうですねえ。幸せです!」
染み込んだパンも絶妙な焼き加減と味わいであり、彗藍は二口目をじっくりと楽しむ。その際、ふとリビトが食べているビーフシチューの方も気になってくる。彼女の様子に軽く首を傾げたリビトは、すぐに視線の意味を理解した。
「彗藍もひとくち食うか?」
「ビーフシチューも食べてみたいです」
「どうぞ、と」
リビトはスプーンを彗藍の口元まで寄せてやり、ひとくちのおすそ分けをした。
おいしい、と頬を綻ばせた彗藍は幸せを満喫した後、自分からもお返しをしたいと考える。
「ではこちらも食べてみますか?」
「! 俺にも良いのか?」
「はい!」
彗藍がそうっと彼の口元へスプーンを差し出せば、すぐに食べた感想が返ってきた。
「――ん、ほわいとの方も甘くて美味いな」
「えへへ、どちらも絶品! ぱんしちゅー最高ですね」
「最高だな」
同じ気持ちを重ね合ったふたりはゆっくりとそれぞれの味わいを確かめ、穏やかな時間を過ごしていく。その中でリビトは子供たちの楽しげな声が響いてくる方に目を向けた。
少し遠くで大きな口を開けた可愛らしい雪だるまがボールをたくさん食べているのが見えた。彗藍も遊技屋台があることに気付き、そちらに興味を示す。
「雪だるまさんのゲームみたいですね?」
「よし、腹ごなしにあそこの屋台で少し遊んでみるか」
「楽しそう、いざ挑戦です!」
幸福、もとい幸腹な気持ちを抱いたふたりは一緒に立ち上がり、屋台へと歩を進めた。
いらっしゃい、と迎える店主に二人分のゲーム代金を払ったリビト。彼はまず他の人達がボールを投げる様子を観察してみる。それをお手本としたリビトは軽く投げる素振りをみせた。
「こんな感じだろうか」
「私も……!」
彗藍は彼を真似するよう気合いを入れた素振りをしてみる。やる気は十分だと感じたリビトは狙いを定めながら、彗藍に目配せを送った。
「ふふ、折角なら景品をげっとしたいな」
「頑張らねばですね。雪だるまさん、ぼーる召し上がれ!」
えい、という彗藍の声。それと同時にスノーマンへの投擲が始まり、そうして――それから少し後。
「駄目でしたねえ……」
「いや、あと一球ある」
全球をはずして参加賞のロリポップチョコを持つ彗藍はしょんぼりしていた。だが、まだリビトが一球を残しており、全力で投球した。次の瞬間、わあ、と彗藍から驚きの声があがる。
そう、最後の一投で彼は見事にボールを入れてみせたのだ。
「おめでとう、これは景品だよ」
「すごい、すごいです。おめでとうございます、リビト」
「ありがとう」
ふんわりした毛足のスノーマンぬいぐるみを店主から受け取ったリビトは明るく笑う。ぬいぐるみのふわふわさを確かめたリビトは彗藍にそれを手渡した。
「これを私に……? いいんですか?」
「楽しいが溢れる一時を過ごせて俺は幸せだ。だからこれは幸せのお裾分けだな」
「じゃあ、これと交換しましょう!」
遠慮なく受け取って欲しいと告げたリビトの言葉を聞き、彗藍はロリポップチョコレートを渡し返した。嬉しげにそれを手に取ったリビトは大きく頷く。
互いに礼を告げ合い、嬉しさを抱いたふたりはまだ巡っていない方に目を向けた。
「まだまだ時間はあるな、もう一回りしてしまおうか」
「勿論! クリスマスって、楽しいものですね」
そして、ふたりは再び歩き出す。
楽しくて嬉しい、幸いをもっともっと探しにゆくために――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】がLV2になった!
四十万・八千代
【青花】
願いを込めたオーナメントをツリーに飾るというのも面白い趣向だな。
七夕を少し思い出す。
さて、まずはオーナメント選びか……
色んな形があるがつい先日天使の仮装をしたし
俺は天使の形にしよう。
流石にコレは俺に似てないぞ。こんなに可愛いもんじゃない。
連れが選んだペンギンサンタに目をやれば
先日共に遊びに行った水族館を思い出す。
本当にペンギン気に入ったんだな。
……今度は変な名前つけるなよ?
次はカードに願いを書かないと。
ラルムは何を願うか尋ねてみよう。
てっきり欲しいプレゼント辺りを願うかと思っていたが、そうか。それなら叶えてやれそうだ。
俺は……俺も美味い物が沢山食べたいとかかな……と言いつつも
『親しい奴が死んだり、消えたりしませんように』と筆を走らせ。
胃は丈夫だよ、君が底なし過ぎるだけだ。
連れからの提案には頷き
そうだな、この時期この雰囲気でしか味わえないものを沢山楽しもう
と表情を普段より和らげながら答えて。
飾り付けたら一般人からの贈り物を受け取って
何を貰ったのか見せ合って楽しもうか
ラルム・グリシーヌ
【青花】
皆の願いを抱いた飾りが
この樹に華やかに咲いていくのは綺麗だろうね
八千代はどんな飾りにしたの?
友人の掌には愛らしい天使
その子、ハロウィンの夜の君に似てるね
懐かしげに微笑んで隣を見遣る
俺はどの子にしようかな…
箱の中には
煌めき零れる雪結晶
金のベル揺れるトナカイ
皆魅力的だけどこの子に決めた!
手にしたのはサンタ帽が似合うペンギン
楽しい想い出の形
名前はミニやっちー…は、ダメ?
カードに綴る願いは
「来年も八千代と美味しいものを満喫できますように」
八千代の問いに
俺にとってこれが最高の贈り物だよと笑って
友人の願いを聞けば
君は本当に食べることが好きだね
でも沢山食べたいなら胃を鍛えないと!
樹に結わえた2人の願い
此の地で結ばれた縁が解けぬ様に
ゆるり眺め乍ら
さあ、八千代の願いを叶える為に
マーケットに行こうか
パンシチュー気にならない?
と誘ってみるよ
一般人からの贈り物には
ありがとう!と柔く笑んで
素敵な聖夜の想い出になるよ
もし良ければと
八千代と俺からヤドリギを刺繍した
オーナメントのお返しを
君にも幸福が訪れます様に
●贈り物と願い
辺りに満ちているのは、冬の寒さを忘れさせてくれるような暖かい雰囲気。
広場に施されたイルミネーションが煌めく中、クリスマスマーケットがある通りの方は幸せでいっぱい。大きなクリスマスツリーに飾り付けられたオーナメントも光を反射しており、きらきらと耀いている。
「皆の願いを抱いた飾りか」
ラルム・グリシーヌ(ラメント・g01224)は周囲の景色を眺め、感嘆の言葉を落とした。
その隣では四十万・八千代(悪食ハッカー・g00584)もツリーを振り仰いでおり、煌めきを瞳に映している。
「願いを込めたオーナメントをツリーに飾るというのも面白い趣向だな」
「この樹に華やかに咲いていくのは綺麗だろうね」
七夕を少し思い出す、と言葉にした八千代は目を細めた。ラルムはその言葉に頷き、此処から更に耀いていくであろうクリスマスツリーを想像した。
可愛いキャンドルや星型、ハートに丸、飾りはどれも魅力的だ。
「さて、まずはオーナメント選びか……」
八千代は自分がどれを飾るかについて考えていく。
様々な形があって少しばかり迷うが、せっかくなら自分に縁のあるものがいい。そう考えた八千代の目にとまったのは天使の形をしたオーナメントだった。
その理由はつい先日に天使の仮装をしたということ。願いを込めるのに丁度いい形だと思えた。
「八千代はどんな飾りにするの?」
「俺はこれにしよう」
問いかけたラルムの隣、八千代は愛らしい形をしたオーナメントを手に取った。その掌にあるものを見たラルムは静かに微笑み、とても愛らしいという感想を抱く。
「その子、ハロウィンの夜の君に似てるね」
「流石にコレは俺に似てないぞ。こんなに可愛いもんじゃない」
ラルムも以前の仮装を思い出したらしい。だが、その言葉に対して八千代が首を横に振った。そうかなあ、と声にしたラルムは懐かしげな様子を見せ、更に笑みを深める。
その際に吹き抜けた冬の風は冷たい。
けれども赤や緑、金のリボンが飾られたツリーが風に揺れることで、祝祭の雰囲気をめいっぱいに感じられた。
「俺はどの子にしようかな……」
ラルムも楽しい迷いの気持ちを感じつつ、オーナメントをひとつずつ確かめていく。
煌めきが零れる雪の結晶や、揺れる金のベルが可愛いトナカイ。その中からひとつ、気になったものを手にしたラルムは何度かこくこくと頷いた。
「皆魅力的だけどこの子に決めた!」
「それは?」
ラルムがオーナメントを選んだことに気付いた八千代は視線を向ける。其処にはサンタ帽が似合うペンギンがあり、八千代はふとした思いを抱く。
記憶の中に蘇ったのは、先日共に遊びに行った水族館のこと。
「本当にペンギンが気に入ったんだな」
「楽しい思い出の形だからね」
八千代の声にラルムが嬉しそうに答える。そして、八千代は次に続くであろう言葉を予想した。
「……今度は変な名前つけるなよ?」
「名前はミニやっちー……は、ダメ?」
名付ける前に止められたことでラルムは肩を落とす。しかしその表情は楽しげだ。
これでオーナメント選びは完了。
八千代とラルムは次にカードに書く願いについて考えていった。
いざとなるとすぐには思いつかないと気付いた八千代は隣に視線を向けてみる。
「ラルムは何か願うことはあるのか?」
「あるよ、ほら」
――『来年も八千代と美味しいものを満喫できますように』
ラルムが見せたカードには心からの思いが記してあった。
「てっきり欲しいプレゼント辺りを願うかと思っていたが、そうか。それなら叶えてやれそうだ」
「俺にとってこれが最高の贈り物だよ」
八千代は少し驚いたが、ラルムからの思いを素直に受け止める。彼からの言葉に満足そうな顔をしたラルムもまた、素直な気持ちを言葉にしていった。
「俺は……美味い物が沢山食べたいとかかな……」
「君は本当に食べることが好きだね。でも沢山食べたいなら胃を鍛えないと!」
「胃は丈夫だよ、君が底なし過ぎるだけだ」
そんな言葉を交わしながら、ラルムから良い影響を受けた八千代もカードに思いを記してゆく。
――『親しい奴が死んだり、消えたりしませんように』
走らせた筆が描いたのは何よりも切実な願いと思い。
先程の食べ物のことについても、死を迎えてしまっては叶えられない。だからこそ願いにしたいと考えた八千代はそっとペンを置いた。そうして、ふたりの願いはクリスマスツリーに飾られる。
樹に結わえた願い。此の地で結ばれた縁が解けぬように、とラルムはそうっと願う。
隣同士、ペンギンと天使が抱く願いはきっと叶わないものではない。自分たちの思いがツリーを彩るひとつの光になったことを確かめ、ふたりは頷きあった。
それからゆるりとツリーを眺めた後、ラルムが八千代に提案を投げかける。
「さあ、八千代の願いを叶える為にマーケットに行こうか」
「そうだな」
「パンシチュー気にならない?」
「この時期、この雰囲気でしか味わえないものを沢山楽しもう」
確かに気になったと答えた八千代はと表情を普段より和らげ、ラルムと共に歩き出した。そして、広場から出る際に渡されたのは今宵の特別な贈り物。
それからラルムは贈り物を渡す役だった少女のもとに向かい、ヤドリギを刺繍したオーナメントのお返しを渡す。
「えっと、いいんですか?」
「うん。君にも幸福が訪れます様に」
「ありがとうございます!」
少女に手を振ったラルムは八千代のもとに戻り、受け取ったプレゼントに目を向ける。
「中に何が入っているのかな?」
「これが皆が用意してくれたプレゼントか」
ふたりはそれぞれに手にしている箱を眺め、さっそく開けてみることにした。
八千代が手にした箱にはクリスマスを思わせるカラーリングのキャンディの詰め合わせ。ラルムの方にはトナカイとサンタのアイシングクッキーセットが入っていた。
「可愛いな」
「両方を交換して食べてみようか」
「美味いものが沢山食べられる願いも叶ったかもな」
ふたりはそれぞれにプレゼントを見せ合いながら、これからも続く時間への思いを馳せた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!
レジーナ・ネイサン
【CANVAS】
クリスマスツリーも勿論だけど
マーケットも心浮き立つんだよね
お、パンシチュー
これは絶対にいかなきゃでしょ
ブラシはホットチョコが欲しいの?
ヤケドしないように気をつけなよ
トトはやっぱりお稲荷さんか
まさかあるとは…!
和食が食べたくなる気持ちも分かるけどね
あっという間に両手に食べ物をかかえて
ギィースは何買ったの
何か分けっこしようよ
手にしたチーズ入の揚げポテトを差し出して
ん?これはマシュマロだ
うんうん、美味しいよ
結構お腹いっぱいになったね!
腹ごなしにあのゲームやってみないか
スノーマンの口にボールを入れるやつ!
勝負しよう、勝負
こうして立つと結構口が小さいなあ
とにかく初球、思い切り投げてみる!
…めちゃくちゃ変な所に飛んでった…
次は慎重にいくか…え?ブラシもやりたい?(結果お任せ)
ま、まあこんなもんだよ
次はギィース!頑張ってきて
さっすが器用だなあ
ははっ、これは優勝はトトかな?
ああ、楽しかった!
食べたり遊んだり、
クリスマスっていっても
私達は変わらないっちゃ変わらないが
これもまた、良いよね
ギィース・エレクレ
【CANVAS】
わぁ!クリスマスツリー!大きいね!
本当にマーケットが沢山あると嬉しくなるよね!
んー、何がいいかな?
わぁ、パンシチューか美味しそうだね!
ブラシちゃんはホットチョコ
ふふっ、口のまわりがチョコだらけで可愛い!
トントンと肩に
ん?トトも何か欲しいの?えっ!?お稲荷さん??
いや、クリスマスにそんなの売ってな…あった!?
色々売ってるね、ここ
じゃ俺も沢山買っちゃおう!
アレやコレや
んー、焼きそばの良い香りがする
レジーナちゃん、両手にいっぱいだね?
じゃ俺は、両手が塞がってる彼女の口にポイっとマシュマロ
ふふっ、甘い?良かった
おっ、ゲームだね!
やろう!やろう!
ボール投げだね!!
レジーナちゃん頑張れ!わぁーおしい!
ブラシちゃん上手上手!
じゃ俺ね、てーーい!
わぁーい!入った!!
トトもどうぞ、いやいや、口で咥えて穴に入れちゃ意味ないから!?
確かに優勝だね!
ふぅ、楽しかったね!
ふふっ、そうだね!
クリスマスだろうとどんな時でもレジーナちゃんはレジーナちゃん、俺は俺だもの!
ブラシちゃんもトトもね!
●燥ぐひととき
「綺麗で賑わっているね」
「わぁ! クリスマスツリー! 大きいね!」
クリスマスツリーも勿論だけれど、賑わうマーケットも心が浮き立つもの。
レジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)とギィース・エレクレ(誘惑の道化師・g02447)、そしてモーラット・コミュのブラシとクダギツネのトト。ふたりと二匹が訪れた場所は、特にきらきらと煌めいていた。
飾りもツリーもだが、やはり此処で楽しむのはおいしい食べ物。
「魅力的な屋台がたくさんあると嬉しくなるよね!」
「だね、たくさん楽しもう」
視線を交わしたギィースとレジーナは意気揚々と踏み出していく。
ホットチョコレートにサンドイッチ、ソーセージの盛り合わせやチーズパスタなど興味をひかれるものは多い。
「んー、何がいいかな?」
「お、パンシチュー。これは絶対にいかなきゃでしょ
「わぁ、パンシチューか。美味しそうだね!」
レジーナが見つけた屋台を目にしたギィースは楽しみを募らせた。
こんがりと焼けたパンがくりぬかれており、その中にシチューをめいっぱいそそぐ一品はビジュアルも美味しさもばっちりに違いない。ホワイトシチューとビーフシチュー、違う味も用意されているらしい。
さっそく購入したふたりがシチューの味わいを楽しんでいると、ブラシが隣の屋台を示した。
そこはドリンクを扱っているお店らしい。
「ブラシはホットチョコが欲しいの?」
「なるほど、ブラシちゃんはホットチョコを選んだんだね」
レジーナとモーラットのやりとりを見守っていたギィースは微笑ましい気持ちを抱く。スリーブ付きのホットチョコレートをブラシに渡したレジーナはそっと注意を告げた。
「ヤケドしないように気をつけなよ」
「ふふっ、口のまわりがチョコだらけで可愛い!」
ブラシは大丈夫だというようにドリンクを味わいはじめたが、真白な毛並みが少しだけチョコレート色に染まってしまった。しょうがないなぁ、と笑うレジーナはブラシの口許を拭ってやる。
そんな中、トントンとギィースの肩に合図を送ってきたのはトトだ。
「ん?」
その視線はブラシとギィースを交互に行き来している。その意図を理解したギィースは少し驚いてしまう。
「ブラシちゃんみたいに、トトも何か欲しいの? えっ!? お稲荷さん??」
「トトはやっぱりお稲荷さんか」
どうやらトトは稲荷寿司が欲しいらしい。
そんなものはないと断じてしまいそうになったギィースだが、どうにかできないかと頭を悩ませた。
「いや、クリスマスマーケットにそんなの売ってな……あった!? 色々売ってるね、ここ」
しかし、奇跡が起こる。
偶然にも此処は商店街の端っこだったらしく、店の商品が目に入ったのだ。クリスマスマーケットの商品ではないがこれもまた幸運。まさにタイミングの良い、運命的な出会いにギィースは興味深さを覚えた。
「まさかあるとは……! 和食が食べたくなる気持ちも分かるけどね」
レジーナはこくこくと頷き、こんな巡り合わせも面白いものだと感じる。美味しいものを食べて幸せになるのならば、今日は遠慮なんていらない。
「気になるものはどんどん食べていこうか」
「じゃ俺も沢山買っちゃおう! んー、焼きそばの良い香りがする」
ふたりは頷きを交わし、興味をひかれた屋台へと向かっていった。そうしているとあっという間にレジーナの両手は食べ物であふれかえることになった。
「レジーナちゃん、両手にいっぱいだね?」
「ギィースは何買ったの。何か分けっこしようよ」
そういってレジーナは手にしたチーズ入りの揚げポテトをギィースに差し出す。ありがとう、と答えたギィースは彼女からの厚意を受け取り、ポテトの味を楽しんだ。
「じゃ俺は……」
ギィースは両手が塞がっている彼女の口にマシュマロを放り込んだ。
「ん? これはマシュマロだ」
「ふふっ、甘い?」
「うんうん、美味しいよ」
「良かった」
にこやかに会話をしていくふたりはとても上機嫌だ。
そして、満足したならば次は腹ごなしだ。
「結構お腹いっぱいになったね! あのゲームやってみないか、スノーマンの口にボールを入れるやつ!」
「おっ、ゲームだね! やろう! やろう!」
ボール投げゲームの屋台前に辿り着いたギィースは子供のようにはしゃいでいる。
「勝負しよう、勝負」
ギィースに対決を申し込んだレジーナは店主からボールを受け取った。
よくよく見てみるとボールを入れるための口は小さめだ。ゲームである以上は難しい部分もあって然り。ならばとにかく初球を思い切り投げてみるのみ。
そのように判断したレジーナだったが――。
「レジーナちゃん頑張れ!
「……めちゃくちゃ変な所に飛んでった」
「わぁーおしい! 次はいけるよ!」
ギィースはレジーナを見守り、声援を投げかける。すると其処にブラシがずいっと割り込んできた。
「次は慎重にいくか……え? ブラシもやりたい?」
「ブラシちゃん上手上手!」
ギィースはブラシにも応援を送りながらボール投げの様子を大いに楽しんでいく。ブラシの結果はというと、小景品が貰えるところにボールを入れ、トナカイのミニキーホルダーをゲットした。
「ま、まあこんなもんだよ」
「じゃ俺ね」
「次はギィース! 頑張ってきて」
そうして、自分の番が来たと察したギィースは強く意気込む。狙うは勿論、大きな景品。
「てーーい! わぁーい! 入った!!」
「さっすが器用だなあ」
見事にボール投げを制したギィースは大いに喜んでいる。レジーナもぱちぱちと手を叩いて称賛した。景品のクッションを受け取った彼はトトが羨ましそうにしていることに気付き、残ったボールを差し出す。
「トトもどうぞ。いやいや、口で咥えて穴に入れちゃ意味ないから!?」
「ははっ、これは優勝はトトかな?」
「確かに優勝だね!」
ちょっとしたトラブルもあったが、店主は快くトトのことを許してくれた。そんなあたたかさも感じられるのがクリスマスマーケットのよいところだ。
「ああ、楽しかった!」
「ふぅ、楽しかったね!」
遊技屋台から去ったふたりはほぼ同時に同じ思いを言葉にする。レジーナは
「食べたり遊んだり、クリスマスっていっても私達は変わらないっちゃ変わらないが――」
「ふふっ、そうだね!」
「これもまた、良いよね」
「クリスマスだろうとどんな時でもレジーナちゃんはレジーナちゃん、俺は俺だもの! ブラシちゃんもトトもね!」
レジーナとギィースが交わす言葉は快い。
間違いない。こういった変わらぬ日々があるから自分は自分らしくいられる。
それこそが大切だと感じ、ふたりは笑いあった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
赤上・イズル
■ツキ(g04892)と一緒
■アドリブ歓迎
ツキと一緒にクリスマスマーケットです!
クリスマスのイルミネーションがとても綺麗ですね
それにいろんなお店がたくさん。
寒い時に温かい食べ物や飲み物は有難いですね
ツキと温かいパンシチュー食べたりホットチョコレートを飲んだりしながら
マーケット内をぷらぷらと歩く
そんな中でボール入れのお店を見つけて挑戦してみましょうかとツキに提案
体も温まっているので俄然頑張って大きな景品を狙ってチャレンジ
大きなクマのぬいぐるみが当たるといいなぁ
でも仮に当たっても持って帰れるだろうか、なんて考えてる間にもツキが楽しそうに
次々にボールをぽいぽいしている
その楽しそうな姿にふっと心と頬が緩んで後の事なんてどうでもよくなって
自分もツキに習ってボールをぽいぽい。結果お望み通りの景品をゲット!
ふふ、持って帰るの大変そうです。でも楽しかったです!
この一番大きなクマのぬいぐるみはツキにプレゼントですよ
お互い景品を抱えて大変そうだけどでも楽しそうに家路を歩き出す
ええ、俺とツキはずっと一緒ですよ
ツキシロ・フェルドスパー
イズル君(g04960)と一緒!
アドリブその他諸々歓迎!
わーいイズル君と一緒!!
クリスマスマーケット楽しもな!!
という事でその辺の物いっぱい食べます。
食べたら「これ美味しかったよー」ってイズル君にも押し付けます。
美味しいものは一緒に食べるともっとおいしくなる!
ボールいれ?楽しそうやんやろやろー
と一緒にお店に入ります。
景品根こそぎ持ってく?とか言ってみたりそうやなかったり。
イズル君が好きそうな物狙ってポイポイ入れる。
上手く入れれそうなところ観察して見極めたら簡単よ!多分!
手に入った景品はイズル君にプレゼント!
あげるーー!!
嬉しい事は一緒にしたらもーっと楽しくも嬉しくもなる。
今後もそうやって一緒に入れたらいいよなあ。
ね、イズル君。
●ずっと一緒に
華やかな装飾、其処に重なるのは人々の楽しげな声。
夜空に映えるイルミネーションが繋げている道は綺羅びやかで美しい。今日は家族や恋人、友人たちが笑顔で集い、楽しいひとときを過ごす特別な夜。
あちらこちらで輝く光はまるで、人々の心の彩をあらわしているかのよう。
「ツキ、こっちです!」
その中に響いた声は赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)のもの。
手作りの飾りやお菓子が並ぶ屋台、あたたかなホットチョコレートの店が並ぶ賑やかな方に駆けていくイズル。その後についていくのはツキシロ・フェルドスパー(非日常に迷い込んだ漂流者・g04892)だ。
「クリスマスマーケット楽しもな!!」
ツキシロはイズルと一緒に今日という日を過ごせることを嬉しく思っており、その感情が声にも現れている。イズルも同じ気持ちを抱いており、ふたりは明るく笑いあった。
「クリスマスのイルミネーションがとても綺麗ですね」
「どこもキラキラや」
イズルとツキシロは辺りを改めて見渡し、クリスマスらしい装飾の数々を眺める。それに加えて先程からも見ているたくさんの屋台がこのマーケットを彩っている。
「まずは飲み物でも買いますか? 寒い時に温かい食べ物や飲み物は有難いですね」
「そうやなー」
イズルの提案にツキシロが頷き、彼らはまず食べ物を扱っている屋台に向かうことにした。ふんわりとした湯気が立ち昇っている屋台はどれも魅力的だ。
「あったかいですね」
「いい感じや」
まずはホットチョコレートを楽しんだふたりは、更に美味しいものを探しに向かう。
イズルが目をつけたのはパンシチュー。美味しそうに焼かれたパンを器にして、たっぷりと注がれたシチューは見た目だけでも食欲をそそるものだ。
ツキシロはソーセージの盛り合わせが気になったらしく、先に買って味見をしている。
「これ美味しかったよー」
「いいですね、いただきます」
ツキシロがイズルに分けたものも美味しく、ふたりの気分もあたたかなものになっているようだ。シチューも分け合って味わった彼らは既に楽しい気分でいっぱい。
そのままマーケット内をぷらぷらと歩いていくと、子供たちがたくさんいる屋台が目に入った。
「あれは……」
「ボールいれ?」
スノーマンの形をしたボードがあり、その口の中にボールを入れれば景品が貰えるという遊技屋台らしい。イズルは皆が楽しそうにしている様子を暫し眺め、ツキシロに提案してみた。
「挑戦してみましょうか、ツキ」
「楽しそうやんやろやろー」
ツキシロも快く頷き、店の前まで歩を進める。
これまでのあたたかい食べ物で身体も温まっているので俄然、やる気が出てくる。狙うは大きな景品。頑張ってチャレンジしようと心に決めたイズルは気合を入れた。
すると、ツキシロが少しいたずらっぽい顔をしてイズルに語りかける。
「景品根こそぎ持ってく?」
「根こそぎは出来るかわかりませんが……大きなクマのぬいぐるみが当たるといいなぁ」
対するイズルは欲しいと感じた景品の方に目を向けた。たくさん取れることに越したことはないが、やはり一番欲しいものをまず手に入れたい。
「でも……」
「どしたん?」
「ちょっと色々思っちゃいました。始めましょう」
「そうやな、楽しんでいこ!」
イズルがふと俯いたのでツキシロが首を傾げる。しかしイズルは何でもないと首を振る。そんな彼が考えていたのは、仮にクマのぬいぐるみが当たっても持って帰れるだろうか、ということ。
その間にツキシロは店主からボールを受け取り、狙いを定めていく。彼が狙うのはイズルが好きそうだと感じたもの。その中でも上手くボールを入れられそうな部分を見極め、ボールが投擲されていった。
「こんなのは簡単よ! 多分!」
そう言いながら楽しそうにしているツキシロを見つめ、イズルは嬉しげに笑う。
ぽいぽいと軽快に、次々にボールを投げる彼に倣ってみるのもいい。ふっと心と頬が緩んだ気がしたイズルはいつしか、後のことなんて考えなくてもいいと思うようになっていた。
「よし、頑張ります……!」
そうして、イズルが出した結果というと――望み通りの景品、つまりクマのぬいぐるみを見事にゲット。
「わ、すごい!」
「ツキも色々取れたんじゃないですか?」
「そう! じゃーん、あげるーー!!」
ツキシロは取りやすいものを選んでいたらしく、小さなクマのマスコットやチョコレート菓子を入手していた。大きなクマによく似たマスコットを見ると、二体が親子のように見えた。
「ありがとうございます、ツキ」
「イズル君の好きそうなものを狙ったからなあ」
「ふふ、持って帰るの大変そうです。でも楽しかったです!」
嬉しくプレゼントを受け取ったイズルは、代わりに大きなクマのぬいぐるみを差し出す。実はこれは元よりツキシロにプレゼントしたいと思っていたものだ。
「ありがとう!」
明るく答えたツキシロはぬいぐるみを抱き、今日一番の思い出になったと語る。互いに景品を抱えての移動は大変だろうが、それ以上に嬉しさと楽しさが満ちている。
そろそろ帰りましょうか、と語ったイズルは楽しそうに家路についていく。
もふもふしたぬいぐるみを大切そうに抱くツキシロも、その隣を歩いた。イルミネーションから遠ざかっていくふたりの影が揺れている。その際、ツキシロはふとした言葉を紡いだ。
「嬉しい事は一緒にしたらもーっと楽しくも嬉しくもなるな」
「そうですね、今日は特に嬉しいことがいっぱいでした」
「今後もそうやって一緒にいれたらいいよなあ」
何気ない、それでいて心から語られたツキシロの言葉を聞き、イズルは微笑みを浮かべた。こうやって当たり前に続いていく日常こそが尊く、大切なものだと思えた。
「ええ、俺とツキはずっと一緒ですよ」
まっすぐに答えたイズルは手の中にあるクマのマスコットをそっと握りしめる。並んで歩くふたりは自然に夜空を見上げ、過ぎていった楽しい時間を思う。
きっと――これもまた、思い出のかたちのひとつ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】がLV2になった!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
枸橘・蕙
【ミント】
すいにーちゃん、らいといっしょ!
あったかモコモコしてたのしークリスマスパーティだ
おそろいコートでとびこむぜー!
なにからたべよーかなー
シチューもチョコの飲み物も、ぜんぶぜんぶほしいけどな
マスターがさ、「夜にたくさん食べる子には、サンタさん来ないぞ」っていってたんだぜ
だからせーぶ!おれのいぶくろ、せーぶだ!
あっ。すいにーちゃんのシチューパン……たっぷりシチューしみこみパン……
ぽかぽかえっぐのっく、ケーキみたいなえっぐのっく……うううう……(尻尾わさわさ)
ええい、サンタさんのため!おれは"しょーすーせーえー"でいくぜ!
お祭りのてーばん、ピカピカキャンディだ!これぞアートってやつ!(光るツリー型のキャンディ買ってくる)
ちゃんとクリスマスぽい色で光るんだぜ!
なあなあ、ソーセージぐらいはサンタさんOKしてくれるよなっ、すいにーちゃん!
あっつあつで、皮がちょっと割れてるの、おれすき!ケチャップおおもりで!
ホットチョコもシュトーレンはみんなでわけっこして、お腹しあわせーな気持ちになろうなっ
葉古森・莱
【ミント】
翠さんと蕙くんといっしょ
すっかり寒くなったけど、おそろいのもこもこ上着のおかげで温かいね
まわりのきらきらできれいな景色もゆっくり眺められて、すごくいいかも
気になるものが多すぎて目がまわっちゃいそう
あっ、だめ、けだま!
人が多いからはぐれたら大変だし、食べすぎてサンタさんが来なくなっちゃってもしらないよぉ!?
それでも気になるって…えっと、エッグノッグ…?
店員さんにお話を聞いておいしそうだったし、お酒なしのもあるみたいだから、最初はこれにしてみようかな
…ふわぁ、飲み物なのにケーキみたい
わ、翠さんのシチューパンおいしそう
寒いお外で食べると温かいだけでごちそうだよね
蕙くんのあめも…え、それ光るの!?
色も形もクリスマスで、すごく蕙くんっぽい…!
やっぱり見ているとほしくなっちゃうね
ぱりぱりソーセージ…どうしよう、おいしそうな匂いを思い出しちゃった…!
翠さん、ぼくも食べたいよぅ…!(けだまもおねだり顔)
ホットチョコにシュトーレンも楽しみ
翠さんありがとう
…けだま、一本丸飲みしようとしないでぇ!?
五百雀・翠
【ミント】
弟分の莱と蕙と一緒にクリスマスマーケット。
何となく揃いのもこもこ仕様
こういうのなんだかそわそわするな。悪い気はしない。
まずは冷えた体を温めるために、温かいパンシチューを。
寒空の下で食べるシチューがまた美味いんだ。
そーいや、マスターそんな事言ってたなぁ。
夜にごちそう食べるからなんだけどそこは内緒で。
ちゃんとセーブ出来る大人の俺はちゃんと考えてるぜ?
ソーセージくらいなら大丈夫じゃねえかな。
サンタさんも許してくれるさ。
けだまは食べ過ぎたらサンタさんもケーキもなしだからな?
なんて言いながらホットチョコとシュトーレンを人数分奢ってやろう。けだまがすごい顔で見つめてきてるし。
わいわいしてる様子見てホットワイン飲んでる。
蕙が持ってるキャンディいいな。どこで買ったんだ?
せっかくだし俺も欲しいなってさ。今日の記念。
店には缶が可愛いクッキーをいくつか買っていこう。
あとはクリスマスベアを2つ。1つは可愛くラッピングしてもらってもう1つは自分用。
弟分たちには揃いの狐のマトリョーシカ買っとくか。
●あたたかな時間
光り輝く街路樹や建物の窓辺、看板。
マーケットストリートは色とりどりのイルミネーションやオーナメントなどの飾りが多く、一歩踏み入っただけで童話の世界に迷い込んだかのように感じられた。
宵色の空に浮かぶ一番星も綺麗でクリスマスムードも満点。
此処にいるだけで心が高揚するのは、この場所と人々が優しい思いや気持ちに満ちているからだろう。
「すっかり寒くなったけど、おそろいのもこもこ上着のおかげで温かいね」
葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)はモーラット・コミュのけだまを抱きながら、イルミネーションを見上げた。
周囲のきらきらできれいな景色がゆっくり眺められるのは楽しくて、すごくいいこと。そのように感じている莱は、わくわくした気持ちを胸に宿している。
「こういうのなんだかそわそわするな。悪い気はしない」
頬を軽くかきながら、五百雀・翠(夕月夜・g03977)は思ったままの感想を言葉にした。
「たのしークリスマスパーティ、おそろいコートでとびこむぜー!」
其処に続いたのは枸橘・蕙(そらを描く・g02980)だ。元気いっぱいにクリスマスマーケットの通りに駆けていった蕙は既にとても楽しそうだった。
豪華に飾りつけられたノエルのリースが掲げられた通りは、美しい光と輝きに照らされている。
華やかな光とあたたかい雰囲気が広がる中、蕙は来たいを膨らませた。
「なにからたべよーかなー」
「いっぱいだね。でも、気になるものが多すぎて目がまわっちゃいそう……」
わくわくよりもぐるぐるが大きくなってしまいそうなとき、莱は腕の中が軽くなったことに気付いた。案の定、たくさんの魅力的な店に惹かれたけだまが飛び出していったようだ。
「あっ、だめ、けだま!」
「もきゅ!?」
「人が多いからはぐれたら大変だし、食べすぎてサンタさんが来なくなっちゃってもしらないよぉ!?」
慌てて腕を伸ばした莱はけだまを捕まえた。
そのことで一瞬だけじたばたしたけだまだったが、莱の言葉を聞いてすぐに大人しくなる。どうやらサンタさんのくだりが効いたようだ。
しかし、一度沸き起こった衝動を抑えるのはけだまには難しい。
「もきゅー……」
「それでも気になるって……えっと、エッグノッグ……?」
けだまが示す先を見遣った莱もまた、少し興味を抱いてしまう。気になるので店員に話を聞いてみると、実においしそうなものだと分かった。それに酒成分がないものも用意されているらしく、最初はこれがいいと思った。
「……ふわぁ、飲み物なのにケーキみたい」
けだまと一緒にエッグノッグを楽しむ莱は幸せそうだ。
その様子を眺めていた翠も好きなものを頼むことにした。まずは冷えた体を温めるために、温かいパンシチューがいいだろう。とりあえずひとつ、と店の者に注文した翠は立ち昇る湯気を眺める。
「寒空の下で食べるシチューがまた美味いんだ」
「それいいな!」
蕙は翠の手の中を覗き込み、シチューの良い香りを堪能した。莱も気になったらしく蕙の隣で尻尾を揺らしている。
「わ、翠さんのシチューパンおいしそう。寒いお外で食べると温かいだけでごちそうだよね」
「シチューもチョコの飲み物も、ぜんぶぜんぶほしいけどな」
莱の言葉を聞きつつ、蕙は気になっていることがあるのだと語っていく。
それは――。
「マスターがさ、『夜にたくさん食べる子には、サンタさん来ないぞ』っていってたんだぜ」
「そーいや、マスターそんな事言ってたなぁ」
頷いた翠はその言葉が紡がれた理由を知っていた。夜にごちそうを食べるからということなのだが、其処はまだ内緒。そのことを知らない少年はぐっと我慢していた。
「だからせーぶ! おれのいぶくろ、せーぶだ!」
「えらいな」
もう少し何かを言いたかったが、大人な翠は楽しみをばらさないように努めた。だが、蕙は次第に我慢ができなくなっているようで、尻尾をわさわさと揺らしはじめる。
「すいにーちゃんのシチューパン……たっぷりシチューしみこみパン……ぽかぽかえっぐのっく、ケーキみたいなえっぐのっく……うううう……」
目の前にあるもののせいで何も食べないのは無理そうだ。
蕙は近くの屋台に目を向け、問いかけてみる。
「なあなあ、ソーセージぐらいはサンタさんOKしてくれるよなっ、すいにーちゃん! あっつあつで、皮がちょっと割れてるの、おれすき! ケチャップおおもりで!」
「ぱりぱりソーセージ……どうしよう、おいしそうな匂いを思い出しちゃった。翠さん、ぼくも食べたいよぅ……!」
「もきゅきゅきゅ」
莱の頭の上に移動したけだまもおねだり顔で翠を見上げている。
「まぁソーセージくらいなら大丈夫じゃねえかな。サンタさんも許してくれるさ」
少年たちの様子をみた翠がそっとフォローを入れた。
するとけだまが一番大きな反応をみせる。
「もっきゅ!」
「けだまは食べ過ぎたらサンタさんもケーキもなしだからな?」
「きゅ!?」
翠とけだまの愉快なやりとりが交わされる中、蕙はもっと良いことを思いついていた。
「ええい、サンタさんのため! おれは“しょーすーせーえー”でいくぜ!」
そして、蕙はあるところに駆けていった後にすぐ戻ってくる。その手の中にあったのはお祭りの定番、ピカピカと光るキャンディだ。光るツリー型のキャンディ買ってきた蕙は得意げに腕を伸ばした。
「これぞアートってやつ! ちゃんとクリスマスぽい色で光るんだぜ!」
「蕙くんのあめも……え、それ光るの!? 色も形もクリスマスで、すごく蕙くんっぽい……!」
「確かに蕙が持ってるキャンディいいな。どこで買ったんだ?」
「あっちだぜ!」
蕙が示したのは土産物がたくさん置いてあるところだ。
実は最初から気になっていたのだと彼が語ると、翠が大きな興味を示した。
「せっかくだし俺も欲しいな。今日の記念。あと店には缶が可愛いクッキーをいくつか買っていくとして、それから……クリスマスベアを二つだな」
片方は可愛くラッピングしてもらい、もうひとつは自分用にした翠は次々と買い物をしていく。弟分たちには揃いになっている狐のマトリョーシカがいいと考え、翠は静かに微笑んだ。
それから翠は少年たちを呼ぶ。
「ほら、これは奢りだ。シュトーレンは大きいから分けてもいいな」
そういって翠はホットチョコレートとシュトーレンをふたりと一匹に奢ってやった。けだまがすごい顔で見つめてきているゆえに先程から気に掛けていたのだ。
喜ぶ少年たちも翠の奢りに喜び、遠慮なくごちそうになることにした。
「みんなでわけっこ!」
「翠さんありがとう」
「お腹しあわせーな気持ちになろうなっ」
少年たちがわいわいと楽しむ様子を見て、翠はホットワイン飲むつもりらしい。
それから莱と蕙はホットチョコレートとシュトーレンを楽しんでいった。だが、今日のけだまも自由奔放な大暴れの可能性を秘めていたらしく――。
「あれ? けだま?」
「……けだま! 一本丸飲みしようとしないでぇ!?」
普段によくある光景の如く、慌てた莱の悲痛な叫びがこだましていった。
そんなこんなで一行はいつも通り。
まだまだこれからも続いていく楽しい時間を思い、彼らは自由なひとときを過ごしてゆく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【託されし願い】LV2が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】がLV3(最大)になった!
本郷・夏深
す、凄まじくデカい…これは、想像以上です
とても大きくて綺麗なクリスマスツリーですね、蝶々子さん…!
この立派なツリーにオーナメントを飾り付けてもいいだなんて、ワクワクしすぎて落ち着きません
しかも贈り物箱まで頂けるとは!
めちゃくちゃに嬉しすぎる…ありがたく飾らせてもらいましょう
オーナメントはどれにしますか?
どれも可愛くて華やかで悩ましいですね…
この中から一つだけ、一つだけ選ぶなら…
よし、決めました。私はこの雪だるまにします
アイスクリームみたいな丸くて白いフォルムが実にナイスです
願い事は…ううむ…
来年も蝶々子さんといっぱい遊べますように
ボディービルダー顔負けのムキムキボディが欲しいです
今年の夏も暑すぎたので、もう少し涼しめの夏を下さい
年越し蕎麦は海老天を乗せたやつがいいです
…やっぱり願い事も一つだけですかね?
となると、絶対に叶えたいものに絞らなくてはなりませんね
ならば一番最初のやつにします!
飾りやすそうな所に飾りましょう
蝶々子さんはどんな願い事を書いたのですか?
あ、別に内緒でも構いませんがね!
●星と雪に願いを
「……本気だったんですけどねえ」
願いの木こと、クリスマスツリーが立てられた広場にて。
本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)は先程の勝負を思い返していた。自信満々だった夏深が得たのは敗北。それはそれはもう普通に負けてしまった。だが、夏深はそんなことではめげない。
蝶々子もそれをわかっているらしく、自分が景品でもらったウサギのマスコットを嬉しそうに手にしていた。
「みてください、夏深くん!」
「す、凄まじくデカい……これは、想像以上です」
「近くで見るとすっごいですねえ」
「綺麗なクリスマスツリーですね」
「はいっ」
願いが宿ったツリーの真下、ふたりは天を振り仰ぐ。
夜空に浮かんだ星々までもがクリスマスツリーを彩る飾りであるかの如く、静かに煌めいていた。
「この立派なツリーにオーナメントを飾り付けてもいいだなんて、ワクワクしすぎて落ち着きません」
「えへへ、わたしもです!」
夏深と蝶々子はめいっぱいの楽しさに身を委ねていた。するとツリー広場にいた少女がふたりのもとに走ってきて、贈り物を渡しに来てくれた。
「お兄さんたち、ディアボロスさんだよね。はい、どうぞ!」
「おや、ありがとうございます」
「嬉しいです、ありがとう!」
こちらがディアボロスだとわかっていたのか、少女は満面の笑みを浮かべている。贈り物を快く受け取った夏深たちはさっそく箱をあけてみることにした。
「こんなに素敵な贈り物箱まで頂けるとは!」
「夏深くんのは……手作りフォトフレーム! わたしのはクリスマスカードみたいです」
「めちゃくちゃに嬉しすぎる……ありがたく飾らせてもらいましょう」
蝶々子も嬉しげに笑み、心の籠もった贈り物を大切に仕舞い込んだ。カフカがもらったフォトフレームはナチュラルな色合いの木枠に雪だるまのパーツとリボンが飾られている手作り品だ。きっと子供が頑張って作ったものだろう。
喜ぶ夏深を微笑ましく感じた蝶々子もまた、サンタのカードを見て嬉しさを噛み締めている。
そして、ふたりは願いを飾るためにオーナメントを選びにゆく。
「オーナメントはどれにしますか?」
「わたしは決めてました。じゃーん、星型のオーナメントです」
「なるほど、どれも可愛くて華やかで悩ましいですね」
一目惚れだったと語った蝶々子が見せたのは桜色の星だった。色合いが気に入ったのだろうと察した夏深は、自分もはやく選ぼうと決めた。星にハート、天使に動物、様々なものがあるがこの中からひとつだけ選ぶとしたら――。
「よし、決めました」
「わああ、どれですか?」
「私はこの雪だるまにします。アイスクリームみたいな丸くて白いフォルムが実にナイスです」
蝶々子からの視線を受け、カフカが手にとってみせたのはスノーマンのオーナメント。後はこの中に願いを記したカードを入れて飾ればいい。されどこれもまた悩ましさを運んでくるものだ。
「願い事は……ううむ……」
夏深は思いを順番に並べていく。
来年も蝶々子さんといっぱい遊べますように。
ボディービルダー顔負けのムキムキボディが欲しいです。
今年の夏も暑すぎたので、もう少し涼しめの夏を下さい。
年越し蕎麦は海老天を乗せたやつがいいです。
それはもうそのまま書き記すしかないほどの純粋かつ素直な思いをあらわした願いばかりだ。いくつも浮かぶ思いを指折り数えながら、夏深は疑問を零す。
「……やっぱり願い事も一つだけですかね?」
すると、ツリーの近くで何かをしていた蝶々子がひょこりと顔を出した。
「ううーん。決まりはないようですが、ひとつのことに思いを強く込めると叶いやすいかもしれません!」
「となると、絶対に叶えたいものに絞らなくてはなりませんね」
思いの強さパワーです、と語る蝶々子の話を聞いた夏深は自分なりの答えを出す。それならばやはり一番目、最初に思いついたものがいい。カードをオーナメントに入れた夏深はツリーにそっと願いを飾っていった。
「そういえば蝶々子さんはどんな願い事を書いたのですか?」
「わたしは……えへへ、秘密です。それよりも夏深くん! さっきのきゅうりのオーナメントを覚えていますか?」
「あれですか。ツリーに隠しておいて、それを見つけた人が幸運を得る、という話の――」
「そうです、実はさっきオーナメントを隠してきました。ということで、どれだけ早く探せるかゲーム開始です!」
よーいスタート、と宣言した蝶々子。
どうやら彼女はこのゲームをするために下準備をしていたらしい。急な宣言に少し驚いた夏深だったが、これもまた楽しい勝負なのだと思うと笑みが零れ落ちた。
「わかりました。このカフカ、華麗に素早く見つけてみますよ」
「頑張れ夏深くん!」
楽しげに眼差しを交わしたふたりの気持ちは同じ。何故なら、蝶々子が秘密にした願い事の内容は――。
『大好きな君と、これからもたくさん遊べますように!』
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
ミア・メア
ロイ(g07184)とレグルスと!
クリスマスマーケット!
温かな灯りに煌めく飾り
ワクワク致しますねえ!ロイ
レグルスもウズウズです?
これは全てのお店をジックリ見て廻らねばなりませんよっ
はい、いっぱい悩んで選んだものを買いましょうっ
カレーソーセージを摘んで
ホットチョコドリンクも勿論下さいな!
ミアは下調べなしの直感勝負です!
ろ、ロイ…レグルス…見ました?シチュー入りパンですって!
こんな幸せの料理があるとは…ッ
思わず買い求めた後、お隣の手元をみれば
ビーフシチュー…!!そちらも素晴らしい
シェアのお言葉には食い気味で頷きますとも!
おや、これはポマンダーですね?
ミアの故郷でも見た事がありますよう
…懐かしい
これは魔除けのお守りなのですよ
おふたりにお贈りしても良いでしょうか?
わ、わ、ミアにも?
遥か過去の故郷のお守りが、
今お揃いになってこの手にある
…んふふー、ありがとうございます!
ゲームですって!
わ、可愛らしいにゃんこさん!
これは揃いでお持ち帰りしたいですねえ…
真剣に雪だるまの口へ向け…一投!
(結果お任せ)
レックス・ウェリタス
ミア(g07746)と相棒のレグルスと
楽しいよねえ、クリスマスマーケット
何度来たって目新しい
でも変わらずあたたかな灯りにきらめく飾り
そうだねワクワク
レグルスも尻尾揺らしてウズウズしてる
ふふ、ミアのエスコートは任すよレグルス
おや、ミアも制覇の心意気?
僕も~
買い占めはナンセンス、戒め
選ぶ楽しさもあるもんね
少しづつ消えてく、根本に染みた価値観
これはカレーソーセージ
食べるものは都度テンポを止めない程度に調べごと
ホットチョコドリンク、僕も~
ミアのは真っ白なホワイトシチュー入りのパン
僕のはじゃーん、と
同じシチューでもビーフシチューだよって
幸せはやっぱシェアでおっけー?
ポマンダー…魔除けのお守りかあ
ミアの故郷にも
…え、ミアが僕たちに?
なら僕たちにもミアに贈らせて
懐かしいとお揃いを何方もお前さんへ
ゲームは雪だるまの口にボールを入れる感じ?
…!
ミア、ミア!
景品のにゃんこタンブラーすごい可愛くない?
取れるように頑張ってみよ
最初の一個が弧を描いて――
(結果お任せ、GETが1個ならミアにプレゼントする強い意思)
●幸せの贈り物
今日はクリスマスマーケットの日。
可愛らしいサンタクロースやトナカイの飾りやノエルらしい装飾品が所狭しと並ぶ通りにて。
「ワクワク致しますねえ! ね、ロイ」
嬉しそうな声を紡いだミア・メア(璃々・g07746)は楽しげに周囲を見渡し、レックス・ウェリタス(Memento mori・g07184)に呼びかける。あたたかな灯りに煌めく飾りは心を踊らせてくれるもの。
「楽しいよねえ、クリスマスマーケット」
レックスはミアの言葉に頷きを返し、頭上で光っているイルミネーションを振り仰ぐ。その視線の先にはふわりと翼を広げたレグルスの姿もある。何度来たって目新しいものだと感じながらレックスは穏やかに笑む。
新しく感じつつも、瞳に映るあたたかな灯りは変わらない優しさを宿しているように思えた。きらめく飾りを暫く眺めていると、ミアが翼猫に声をかける。
「レグルスもウズウズです?」
ミアもレックスに倣って頭上を見遣り、ぴんと立っているレグルスの尻尾に微笑ましさを覚えた。
「そうだねワクワク」
レックスがミアの言葉に答えると、続けてレグルスの尻尾がゆらゆらと揺れ始める。
賑やかな音楽と共に聞こえる人々の声も楽しそうだ。まるで街全体が祝祭の雰囲気を楽しんでいるかのよう。
「ふふ、ミアのエスコートは任すよレグルス」
「これは全てのお店をジックリ見て廻らねばなりませんよっ」
レックスに応じて少し先を往くレグルス。その後についていくミアは双眸を細める。
「おや、ミアも制覇の心意気?」
「はい、いっぱい悩んで選んだものを買いましょうっ」
「僕も~」
意気込むミアの姿が可愛いと感じながら、レックスは同じ気持ちであることを示した。けれども買い占めはナンセンスだと戒めたレックスは周囲をぐるりと眺めてみる。
「選ぶ楽しさもあるもんね」
この時代に生きていくことで少しずつ消えていくのは、根本に染みた価値観。レックスの変化はきっと喜ばしいものだと思い、ミアは満面の笑みを浮かべた。
そうして、二人と一匹は良い香りが漂う屋台を見つける。
「あれを食べてみますか?」
「いいね、カレーソーセージか」
ミアの提案にレックスが同意を示し、テンポを止めない程度に調べていく。さっそく二人分を購入したミアはカレーソーセージを摘んでいく。
熱々のソーセージは香り高いスパイスが豊かな風味を醸し出していて美味だ。広がる味わいに幸せを感じたミアはカレー風味にあうドリンクが欲しくなった。近くに飲み物を売っている店を見つけたミアはぱたぱたと走っていく。
ミアは下調べなしの直感勝負でいくらしく良い勢いだ。
「すみません、ホットチョコドリンクも下さいな!」
「ホットチョコドリンク、僕も~」
レックスもミアに倣って同じドリンクを注文した。ぴりりとした辛さを中和する甘さは絶品。ふたりで同じ味わいを確かめたミアとレックスは視線を交わす。
次は何を食べようかと屋台通りを見ていると、ミアが或る看板をみつけた。
「ろ、ロイ……レグルス……見ました?」
「あの看板のこと?」
「シチュー入りパンですって! こんな幸せの料理があるとは……ッ」
「あれも食べてみようか」
レックスが答えたとき、既にミアは店の列に並んでいた。彼女の後についていったレックスはくすりと笑み、レグルスと一緒に立ち昇る湯気を眺める。
彼女がホワイトシチューを選んだことに気付いたレグルスは軽く頷き、双眸を細めた。
「ロイもいっしょに食べ……あれ?」
「僕のはね、じゃーん」
隣に立つレックスの手元を見たミアはぱちぱちと瞳を瞬かせる。何故なら彼の手には――。
「ビーフシチュー
……!!」
「そう、同じシチューでもビーフシチューだよ」
「そちらも素晴らしいです」
「幸せはやっぱシェアでおっけー?」
「――頷きますとも!」
問いかけるレックスに対して少し食い気味にミアが承諾する。可愛いおかしさと楽しさを覚えたレックスはミアと共に美味しい幸いを分け合っていった。
香りも味も、あたたかさも一緒にシェアすれば嬉しさもいっぱいになっていく。
お腹が満たされた後はゆっくりと露店巡り。
オーナメントやリース、ジンジャーブレッドや手作りクッキー。可愛らしかったり素敵なもの、たくさんの商品が並ぶ中でミアはあるものを発見する。
「おや、これはポマンダーですね?」
「ポマンダー……」
「ミアの故郷でも見た事がありますよう。……懐かしい」
「これは魔除けのお守りなのですよ」
「魔除けのお守りかあ。ミアの故郷のものなら興味深いな」
ミアが手にとって眺めるお守りを覗き込み、レックスは視線を落とす。するとミアは少し考えた後、自分がやりたいと思ったことを提案した。
「おふたりにお贈りしても良いでしょうか?」
「……え、ミアが僕たちに?」
「はい、ぜひ!」
驚いたレックスは自分とレグルスを交互に指さした。ミアは本気で贈りたいらしく、その眼差しは真剣だ。
勿論だと答えたレックスは店に並んでいたお守りをひとつ手に取った。
「なら僕たちにもミアに贈らせて」
――懐かしいとお揃いを何方もお前さんへ。
そういってレックスは淡く笑んだ。ミアは一瞬だけきょとんとしたが、すぐに花のような微笑みを咲かせた。
「わ、わ、ミアにも?」
遥か過去の故郷のお守りが今、こうしてお揃いになってこの手にあること。
それはとても尊くて嬉しいこと。
互いにお守りを購入したミアとレックスは贈り物を交換しあう。もちろんレグルスにも渡されており、首にお守りが結えられている。これがお揃いなのだと思うと嬉しさがめいっぱいに巡っていった。
「んふふー、ありがとうございます!」
「どういたしまして。こちらこそありがとう」
礼を告げあったふたりは先程よりも心があたたかくなっていることに気付き、明るい笑みを重ねる。
此処からもまだまだ楽しい時間は続いていく。
次にミアが見つけたのは子供たちで賑わう遊技屋台だ。
「ゲームですって!」
「雪だるまの口にボールを入れる感じ? ……!」
ミアがスノーマンを指差すと、レックスが目を見開いて景品の方を見遣った。
「どうしましたか?」
「ミア、ミア! 景品のにゃんこタンブラーすごい可愛くない?」
「わ、可愛らしいにゃんこさん!」
レックスが一目惚れしたらしい景品を見れば、ミアも興味津々の声を紡いだ。ふたりの手の中にはお揃いのお守りが揺れている。それならば、これは絶対に手に入れたいと思えた。
「お揃いでお持ち帰りしたいですねえ……」
「取れるように頑張ってみよ」
ふたりは意気込み、それぞれにゲームに挑戦することにした。その様子をレグルスが見守っている。
まっすぐに、真剣に。ミアとレックスはスノーマンの口に向けてボールを投げる。弧を描いたボールは可愛らしい雪の精霊の元へと飛んでいき、そして――。
「えへへー」
「今日はお揃い日和だね」
暫し後、楽しそうにクリスマスマーケット歩くふたり。その手にはお揃いのタンブラーがあった。
レグルスもミアとレックスの傍らで羽ばたいている。
ふわりと風を受けた翼猫の尾。それはまるで願いを叶える流れ星のように、美しく揺れていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV3になった!
花喰・小鳥
リリィ(g09480)と
「とても賑わっていますね」
楽しみにしていたというリリィに頷く
それは私も同じだし、訪れている人たちもそうなのだろう
どことなく雰囲気が伝わってくる
大きなツリーを見上げてから、
「立派なツリーです。オーナメントはどうしました?」
雪の結晶という返事に再び頷く
「とても素敵だと思います」
私はと問われたら、彼女に見せたのは赤いハート型のもの
願い事に添えるならと思ったから
「でも、まずはマーケットからですね」
見て回って、お腹を満たしてから飾りに来ましょう
手を差し出して人混みに紛れてしまわないように
「寒さと迷子の対策です」
リリィはしっかりしているし、私のほうがうっかりはぐれてしまわないように
連れ立って歩けばさまざまなお店を見て回る
気になるお店はというなら、
「クリスマスですから。やはりあれでしょう」
示したのはローストチキンの出店です
かぶりついてみませんか?
そしてパンシチューも食べましょう
リリーベル・カンパネラ
コトリさん(g01304)と
こうやってね、盛大にクリスマスをお祝いするのは久しぶりっ
すごーく楽しみにしてたんだぁ
わあっ!とぉっても大きなツリーさん!
こんなに大きなツリーさんね、リリィ初めて見たわっ
オーナメントはね、雪の結晶でっ
雪の結晶ってね、「六花」「雪華」とも呼ぶんだよねぇ?
ホントにお花みたいだからね、一目惚れしちゃった
コトリさんはね、どのオーナメントにされたの?
わあっ。真っ赤なハートさんだぁっ。コトリさんのもね、キュートでステキっ
頷きながら、差し出された手を握り返して
うんっ。飾りはマーケットを楽しんでからのお楽しみにっ
えへへー、すっごくステキな寒さと迷子の対策ねっ
ぎゅってしてればね、絶対にはぐれないもん
これがウワサのクリスマスマーケット!?
すっごーい!こんなにも賑やかなんだぁ
お料理もね、どれもとっても美味しそう!
パンシチューのお店もあるのねっ
気になるお店とかね、コトリさんはあった?
えへへ、クリスマスといえばローストチキンだよねぇっ
うんっ。是非かぶりついてみたいかもっ
絶対美味しいよねぇ
●笑顔の温もり
鮮やかなクリスマスカラーのイルミネーション。
色とりどりの輝きはまるで自分たちを幻想世界に誘ってくれているかのようで、とても好ましい。
「とても賑わっていますね」
「うんっ」
花喰・小鳥(空虚のナハティガル・g01304)がクリスマスマーケットの様子について語ると、リリーベル・カンパネラ(夜明けの福音・g09480)が楽しげに頷く。
行き交う人々は誰もが幸せを感じているようだ。その姿を見ているだけでリリーベルは嬉しくなる。
そんなリリーベルのわくわくした気持ちを更に盛り上げてくれるのは、赤や緑、金のリボンが飾られたリースの存在。今宵の賑やかさと楽しさをあらわすカラーリングは見ているだけで楽しい。
少しずつ飾り付けの位置やかたちが違っているリースが、行く先々に飾られている。
「こうやってね、盛大にクリスマスをお祝いするのは久しぶりっ」
「いいことですね」
「すごーく楽しみにしてたんだぁ」
声まで弾んでいるリリーベルに頷きを返し、小鳥はクリスマスマーケットの通りを眺めた。
その気持ちは小鳥も同じ。それに此処に訪れている人たちもそうなのだろうと思える。人々の意見を聞かずとも、どことなく雰囲気が伝わってきた。
ストリートの奥には広場が見え、其処には願いの木とされているクリスマスツリーが立てられている。
まずはそちらを見に行こうと決めたふたりは広場に向かった。
此処では好きなオーナメントを選び、願いを宿して飾ることが出来る。
「わあっ! とぉっても大きなツリーさん!」
「立派なツリーです」
木の下から改めて見上げればその大きさがよく分かる。既に誰かの願いが込められたオーナメントがいくつも飾られており、様々な彩りが見えた。リリーベルはツリーの周りを回りながら両手を広げ、楽しそうに語っていく。
「こんなに大きなツリーさんね、リリィ初めて見たわっ」
小鳥も大きなツリーを見上げてから、リリーベルに問いかけた。
「そういえばオーナメントはどうしました?」
「オーナメントはね、雪の結晶でっ」
リリーベルは自分が選んだものを小鳥に見せる。どれも良いものばかりだったがリリーベルはすぐにこのオーナメントを選ぶことにした。その理由は――。
「雪の結晶ってね、『六花』『雪華』とも呼ぶんだよねぇ?」
「さまざまな別名があると聞きます」
「ね! ホントにお花みたいだからね、一目惚れしちゃった」
リリーベルの言葉に再び頷いてみせた小鳥は納得していた。選ぶ理由が実に彼女らしいと感じたからだ。
「とても素敵だと思います」
「コトリさんはね、どのオーナメントにされたの?」
続けてリリーベルから問いかけ返されたことで、小鳥は掌をそっと胸の前に掲げる。
「私はこちらです」
「わあっ。真っ赤なハートさんだぁっ」
彼女に見せたのは艶のある赤が印象的なハート型のオーナメントだ。小鳥がこれを選んだのは願い事に添えるならば心のかたちをあらわしたものがいいと思ったからだった。
リリーベルはハートのオーナメントを眺め、指先でそっと触れてみる。
「コトリさんのもね、キュートでステキっ」
「でも、まずはマーケットからですね」
「うんっ。飾りはマーケットを楽しんでからのお楽しみにっ」
さっそくツリーに飾ってもいいが、まだ願いは込めていない。
まずはクリスマスマーケットを見て回って、お腹を満たしてから飾りに来るのがい。そのように提案した小鳥はリリーベルに向けて手を差し出した。それは人混みに紛れてしまわないようにと配慮してのこと。
「寒さと迷子の対策です」
「えへへー、すっごくステキな寒さと迷子の対策ねっ」
「いきましょう」
「ぎゅってしてればね、絶対にはぐれないもん。いこう!」
明るく笑うリリーベルはとても嬉しそうだ。その手のぬくもりを感じながら小鳥は先を見遣る。彼女はしっかりしているし、実は小鳥の方がうっかりはぐれてしまわないようにする対策だったが、それは少しだけ内緒の話。
連れ立って歩けば、一緒にたくさんの店を見て回れる。
「これがウワサのクリスマスマーケット!? きれーい、すっごーい!」
「どこも装飾に力を入れていますね」
「こんなにも賑やかなんだぁ」
ふたりは屋台に感心しながら歩を進めていった。静かに店やその看板を眺める小鳥に対し、リリーベルは興味津々な様子を隠さずに回っていく。
「お料理もね、どれもとっても美味しそう! パンシチューのお店もあるのねっ」
「あたたかな湯気が食欲を誘いますね」
ふたりが注目したのはこんがりと焼かれた熱々のパンの器。其処から湧き上がる芳醇な香りが湯気と共に流れてきており、小鳥が語ったように食欲をそそるものになっている。
きっとパンに浸み込んだスープが違う味わいを感じさせてくれること間違いなし。
野菜とお肉が溶け込んだ香ばしさが口いっぱいに広がる想像をするのも容易だ。いいなぁ、と声にしたリリーベルはすぐにでも食べたい誘惑をぐっと抑え、隣の小鳥に質問を投げかける。
「気になるお店とかね、コトリさんはあった?」
小鳥なら自分のわがままを聞いてくれるとわかっているが、此処は彼女の意見を優先したいところ。
そうですね、と答えた小鳥は前方にある店の看板を示した。
「クリスマスですから。やはりあれでしょう」
「えへへ、クリスマスといえばローストチキンだよねぇっ」
指差されたのはローストチキンの店。
賑やかで繊細なタッチで描かれたイラストの下、美味しく焼かれた本物のチキンが見えた。ぱりっと焼かれた皮目もさることながら骨付きであるのも実に美味しそうだ。まさにクリスマスの象徴とも呼べる一品だろう。
小鳥はリリーベルに視線を向け、とびきりの提案を投げ返す。
「かぶりついてみませんか?」
「是非かぶりついてみたいかもっ。絶対美味しいよねぇ」
「そしてパンシチューも食べましょう」
「どっちも? 贅沢ですごいっ! 今日は特別にいっぱい食べてもいいよね」
小鳥からの案はとても良いものだった。
リリーベルはぜひぜひ、と頷いて小鳥の提案に乗った。焼き立てのチキンとシチューを味わえば、きっとすごくあたたかな時間が過ごせる。美味しさと幸いで心も身体もぽかぽかだ。
「ではさっそく、購入するとしましょう」
「さすがはコトリちゃん。いっぱい楽しもうねっ」
そうして、ふたりは楽しい時間を過ごすために歩いてゆく。
願いを宿すためのハートと雪の結晶。それぞれに選んだオーナメントを持って――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
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効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【ドレイン】がLV2になった!
サアシャ・マルガリタ
【蠍と狐】
タオちゃんとクリスマスデートです! えっへへ! んっふふふ!
上機嫌にタオちゃんの横を歩きつつ、きょろきょろ出店を見回して
んー? クリスマスよりタオちゃんとのデートが嬉しいです
突かれれば尻尾をぱたぱた揺らしてみたり
あ、タオちゃん、サアシャホットチョコレート飲みたいです!
ジンジャーブレッドのカンカンも良いですねぇ。かわいいしおいしそうです
うっ! ふ、太るのは……困りますけども……(しょげる尻尾)
でもでも、せっかくのクリスマスですし。やっぱりどっちも欲しいです!
……はっ、どっちも買ったらおててが塞がっちゃったですよ
うーんうーん……タオちゃん、食べさせて?
ダメです?なんて小首を傾げたら、ジンジャーブレッドを差し出され
どきどきしつつもあむっと齧り付く
んー……ご馳走様ですよう
甘くて、タオちゃんが格好良くて
ちょっと照れ照れしちゃうですねぇ
ん、んんぅ……!
あわあわお菓子を飲みこんで、クッキー缶をアイテムポケットにしまって
こ、これでおてて繋げますよう?
なんてそろそろ手を差し出してみたり
タオタオ・ザラ
【蠍と狐】
ご機嫌だねえ、狐っ娘
そんなにクリスマスが好きかね
軽口を叩きつつ、尻尾を軽く突いてみたり
……あったかそうでいいな
はてさて
クリスマスマーケットは今年も甘いもんいっぱいだな
おや、今年は体重気にしないんだな
しょんぼり尻尾をまた突く
ちょっと揶揄っただけだよ、そんな顔すんなって
そして、なんだ、決めたら迷いがないな
いや悪いこっちゃねえんだけど
どうやって喰うんだお前さん
しょうがねえからどっか空いてる場所探して――……
甘えた言葉に微笑んで
……はいはい、甘えっこだなあこの狐っ娘は
うんにゃ、そんなところも愛らしく思っておるよ
ジンジャーブレッドを摘まみ、口に咥えればにんまりと
ほれ、喰えるならどーぞ
…………おや、喰うとは思わなかった
人前で随分と大胆なこって
けらけら笑って、今度は頬を突く
なにやら照れていそうなサアシャの頭を撫でて
……なあサアシャ
美味しいものいっぱいで満足そうなところ悪いんじゃが
折角のデートなのに、恋人と手すら繋げないタオちゃん可哀想じゃないかね?
なんて、揶揄って笑う
嘘だよ、ゆっくり喰えよ
●微笑みは甘やかに
美しく飾り付けられた屋台が並ぶ通りにて。
クリスマスらしい雰囲気が満ち、電飾リースやイルミネーションが光り輝くストリートはとても賑やかだ。
人々が楽しそうに買い物をしている姿や、笑顔で飾りを眺める様子は特別な時節の訪れを感じさせてくれる。活気に満ちたこの場所には様々な人が行き交っており、奥からは何やら良い香りもした。
「えっへへ! んっふふふ!」
サアシャ・マルガリタ(えいえいお!・g05223)は楽しげな声を響かせ、マーケット通りを歩いている。その少し後ろについているのはタオタオ・ザラ(大喰らい・g05073)だ。
「ご機嫌だねえ、狐っ娘」
そんなにクリスマスが好きかね、とタオタオが口にするとサアシャは明るく答える。
「んー? クリスマスよりタオちゃんとのデートが嬉しいです」
サアシャは上機嫌に答え、タオタオの横に並ぶ。きょろきょろと出店を見回すサアシャはすべてに興味津々。ひとりで訪れても絶対に楽しい場所だが、彼が傍にいるということが嬉しさを何倍にもしてくれている。
その際、サアシャの尻尾がふんわりと揺れる。
「そうか、そりゃ良かった」
タオタオは軽口を叩きつつ、その尻尾を軽く突いてみた。彼の手が触れたことを感じたサアシャは尻尾をぱたぱたと揺らして好意を示す。嫌がられてはいないのでタオタオはさらに尾をもふもふしてゆく。
「……あったかそうでいいな」
思わず溢れたのは素直な感想。揺れる尻尾をタオタオが暫し見遣っていると、サアシャが先を指さした。
「あ、タオちゃん」
「何だ?」
「サアシャ、ホットチョコレート飲みたいです!」
彼女が示した先にはドリンクを扱っている屋台があった。ちいさな少年と少女がホットチョコレートを買っている様子を眺め、微笑ましさを覚える。
「クリスマスマーケットは今年も甘いもんいっぱいだな」
「さっそく買いに行きましょう! ジンジャーブレッドのカンカンも良いですねぇ。かわいいしおいしそうです」
わくわくした様子をみせるサアシャは隣に並ぶ商品にも目を向けている。
するとタオタオが悪戯っぽく双眸を細めた。
「おや、今年は体重気にしないんだな」
「うっ!」
夢のような甘いひとときが訪れると思っていた矢先に告げられた痛い言葉。一気に現実に引き戻されたような感覚をおぼえたサアシャは一歩だけ後ずさった。
その尻尾が先程とは打って変わって、しょんぼりとしている。
「ふ、太るのは……困りますけども……」
「ちょっと揶揄っただけだよ、そんな顔すんなって」
下がった尾を再び突いたタオタオは、今日くらいは気にしなくていいはずだと付け加えた。サアシャの中では葛藤があったらしく、暫し考え込む様子がみえた。
しかし、ぐっと掌を握ったサアシャは自分の中で決断を下す。
「でもでも、せっかくのクリスマスですし。やっぱりどっちも欲しいです!」
「なんだ、決めたら迷いがないな」
迷う様子も面白く感じていたタオタオは薄く笑った。その横顔を見上げたサアシャは、えへんと胸を張る。この決断が英断であると褒められたように感じたらしい。
そして、サアシャはお目当てのホットチョコレートとジンジャーブレッドを購入しに向かった。
嬉しそうにタオタオのもとに戻ってきたサアシャだったが、あることに気付く。
「……はっ」
「どうかしたか?」
「どっちも買ったらおててが塞がっちゃったですよ」
「それは……まぁ、そうだな。どうやって喰うんだお前さん」
大変なことだというような様子のサアシャに対し、タオタオは当たり前だと返した。先程よりも深く悩みはじめたサアシャはどうやってジンジャーブレッドを食べるか考えているようだ。
「うーんうーん……」
「しょうがねえからどっか空いてる場所探して――」
「タオちゃん、食べさせて?」
何処かに座ろうと提案したタオタオの言葉の途中、サアシャが名案を思いついたとばかりに問いかけてきた。
「甘えっこだなあこの狐っ娘は」
「ダメです?」
タオタオを見てサアシャが小首を傾げる。
その顔と甘えた声に、ふっと微笑んだタオタオは手を伸ばしてから自分の口許に寄せた。
「うんにゃ、そんなところも愛らしく思っておるよ」
そして彼はジンジャーブレッドを口に咥えてにんまりと笑う。そのまま食べるのかと思ってしまったサアシャだったが、タオタオは咥えたまま言葉を続けた。
「ほれ、喰えるならどーぞ」
そんな形でジンジャーブレッドを差し出されたことでサアシャはどきどきしてしまう。
されど、次の瞬間。
軽く屈んだタオタオの顔と、背伸びをするサアシャの顔が一気に近付き、そして――。
サアシャはあむっとジンジャーブレッドに齧り付いた。
「んー……ご馳走様ですよう」
「…………おや、喰うとは思わなかった。人前で随分と大胆なこって」
けらけらと笑ったタオタオはもぐもぐしながら味わっているサアシャの頬を突く。さくさくした食感は美味。それに甘くて、美味しくて、目の前の彼が笑う姿が格好良くてちょっとだけ照れてしまう。
美味しさと嬉しさ、たくさんの気持ちが折り重なったようでサアシャは笑顔になった。
「ん、んんぅ……!」
しかし今は咀嚼中。頬を紅色に染めたサアシャは何も言えず、あわあわとお菓子を飲み込む。食べさせてもらったという特別なスパイスまで混ぜ込まれていたことで美味しさがもっと増えた気もする。
それなので、もう一枚、とおねだりをしそうになった。だが、その前にタオタオがサアシャの頭を撫でる。
「……なあサアシャ」
「はい?」
「美味しいものいっぱいで満足そうなところ悪いんじゃが……折角のデートなのに、恋人と手すら繋げないタオちゃん可哀想じゃないかね?」
「はっ!」
タオタオの少しばかり遠回しなアピールに気付き、サアシャはクッキー缶を仕舞い込んだ。口の中にまだ甘さが残っていることに加えて、彼の願いが可愛らしく思えて更に甘い感覚が広がっていく。
「こ、これでおてて繋げますよう?」
「嘘だよ、ゆっくり喰えよ」
「いいえ、残りはあとにします。次はゆっくり色んなところを巡りましょう。えっへへー」
そろそろと手を差し出してくるサアシャは実に可愛らしい。
タオタオは伸ばされた手を握り、わかった、と答えた。きっと彼女はめいっぱいにクリスマスマーケットを巡った後、もう一度あの味を楽しむに違いない。
「あっ、みてくださいタオちゃん! あっちの方に可愛いものがみえましたよう」
「はいはい、次はあっちな」
手を繋いだふたりは笑いあい、ゆっくりと歩を進めてゆく。
共に歩いていく先に待っているもの。それは――もっともっと、たくさんの楽しさや嬉しさに満ちたひととき。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
【強運の加護】がLV3になった!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
夜久野・螢
【着信】3名参加
メーリングリストやり取りしてるネット友達
わざわざクリスマスマーケットに
足を運ぶのも久々のような気もする
戻った人達も多く賑やかだろうから
なるべく迷子を出さないように歩くとするか
逸れたら大きなツリーの所に向かって。以上。
皆して食べものに興味あるって言ってたっけ
屋台にはシチューとかソーセージとか…
シェア出来そうなのだったら参加するけど
ひとりで食べるんなら応援するに留めておくか
…オレもホットチョコの飲物ぐらいは買おうかな
大人のやり取りが出来るようになった時には
グリューワインくらいなら付き合うかもね
年の離れた妹いるから
景品目当てのゲームする機会はあったな
ぬいぐるみは割と荷物になるし
アルマースはオーナメント、
心はお菓子の盛り合わせ狙いか…ふぅん
(結果はお任せ)
誰かの欲しい景品だったなら普通にあげるよ
クリスマスプレゼントの代わりって事にでもして
…モノより思い出って訳でもないけれど
今年の冬はこういう時間を過ごしたってだけで
割と充分ではあったような
……次の冬にも気が向いたら考えておくか
絲司・心
【着信】で参加
メーリングリストやり取りしてるネット友達
こういうのをオフ会っていうんだよね、どうも初めまして
わたしはクリスマスマーケットも初めましてだ
こんなに人が居るんだな
あ、先ずはあれがいい。ホワイトシチュー
周囲を見ずにズンズン進んでいく。集団行動に慣れてない
逸れたらツリーの所。了解
うん、食べられる物はいっぱい食べたい
次はソーセージがいいな。全種盛り合わせのやつで。他の人も食べる?
結構辛いな、これ。ハーブも効いてる。つまり美味しい
螢、甘いものも一口ちょうだい
人の者を強請るのに遠慮がない
食べ物はお土産分も買っている、紙袋にめいっぱい
ボール投げも全力
だけど慣れてない、無表情で精一杯投げる
ぬいぐるみってかわいいけど、わたしには似合わないし
お菓子の盛り合わせとかあったら、それをもらおうかな
がんばる
(結果はお任せ)
満足した
………ほんとは、来年も行けたらなって思うけど
そこまではお願いのし過ぎかな
付き合ってくれてありがと
来年は、良い年になりそうだなって、思うよ
ん?ん~~
……じゃあ、来年も期待しとく
アルマース・ハーズィン
【着信】
メーリングリストやり取りしてるネット友達
電子上でしかやり取りしていなかったので、実際には会うのは初めてだな。
ふむ……インターネット上で話している人間と現実世界で会うことを「オフ会」と言うのか。
なんとなくむず痒い感覚だ……。
クリスマスマーケットでは皆と一緒に回ろう。
人も多いから一人で先走ると危ないぞ。
色々な屋台があるが、クッキー缶もあるのか。
日持ちしそうで、値段相応な感じが好印象だ。
……と、あまりこういうところでの買い物は細かいことは考えない方が良いな。
ボール投げも頑張ろう。
オーナメントあたりが欲しいが、運動はそこまで得意では無いから期待は出来ないな。
こころさんはお菓子の盛り合わせ狙いか。
もし私が当てられたら、景品の交換は受けつけるぞ。
(結果はお任せ)
色々とクリスマスマーケットを回れて結構楽しかった。
来年も皆が良ければ……、一緒に行きたいと思うぞ。
●You've Got Mail Friends
賑わう声、綺羅びやかな装飾、漂う良い香り。
煌めく光の中では子供たちが楽しげに駆けていっている。仲睦まじい男女や老夫婦、友達同士など様々な人の姿も見えていた。祝祭の色彩は眩く、思わず目を細めてしまうほど。
「賑やかだな」
こうしてわざわざクリスマスマーケットに足を運ぶのも久々のような気もする。
夜久野・螢(青灰の鍵・g02441)はマーケットへの感想を言葉にしてから、目の前にいる絲司・心(いもうと・g09977)とアルマース・ハーズィン(魔宝の収集者・g04123)に目を向けた。
三人は今日、此処で会うのが初の面子だ。
何故なら彼らは普段、メーリングリストでのみやり取りをしていたネット上の友達であるからだ。
「実際には会うのは初めてだな」
「こういうのをオフ会っていうんだよね、どうも初めまして」
「ふむ……インターネット上で話している人間と現実世界で会うことが、『オフ会』と言うのか」
挨拶をした心の言葉を聞き、アルマースは興味深そうに頷く。
「そういうこと」
「なんとなくむず痒い感覚だ……」
螢がアルマースの呟きに答える形で首を縦に振った。よろしく、と告げた心は螢とアルマースを眼鏡の奥からじっと見た後、装飾が美しいストリートにも目を向ける。
「それと、わたしはクリスマスマーケットも初めましてだ」
「そうだったのか」
「こんなに人が居るんだな」
「帰還で現代に戻った人達が多いんだろうな。それじゃあ行くか」
アルマースと心が感心する中、螢はふたりを案内するように歩き出した。人並みが或る程度ある以上、なるべく迷子を出さないように歩くのが今の螢の役目である気がした。
「流されそうだ」
「あ、先ずはあれがいい。ホワイトシチュー」
周囲を見渡すアルマースの傍ら、心は周囲を見ずに進んでいく。集団行動に慣れていない心らしい行動だ。しかし、アルマースと螢がそのことに気付いて声をかける。
「人も多いから一人で先走ると危ないぞ」
「もし逸れたら大きなツリーの所に向かって。以上」
に対して螢は的確かつわかりやすい指示を出した。このマーケット内にいれば何処からでも広場の大きなツリーが見える。これで万が一にはぐれたとしても無事に合流ができるというもの。
「ツリー……あちらか。了解」
立ち止まった心はふたりの方とクリスマスツリーを交互に眺め、首肯する。螢はこれで大丈夫だろうと判断して、ふたりの間に立った。そして、ほら、と屋台通りを指差す。
「皆して食べものに興味あるって言ってたっけ」
「うん、食べられる物はいっぱい食べたい」
「さっき食べたいっていってたシチューとか、あとはソーセージ盛り合わせとか……順番に回るか」
「ソーセージがいいな。全種盛り合わせのやつで。皆で食べる?」
「シェアするならあの量でも大丈夫そうだな」
「では私も」
美味しいものを楽しむつもりの心に続き、螢とアルマースも続いていく。かりっと焼き上げられたまるいパンの器に注がれるシチューは心個人で、炭火でじっくり焼き上げられたソーセージの盛り合わせは皆で食べるという話になり、一行は店の前に並んだ。
暫し後、近くのベンチに腰を下ろした三人はそれぞれに屋台の味を楽しんでいく。
魅力的なスパイスの効いた香りがするソーセージは食欲を掻き立てるものだった。一口食べると、ハーブの香りと香ばしさが口の中で弾け、爽やかな風味と深みのある味わいが広がっていった。
「……美味しい」
「うまいな」
「結構辛いな、これ。ハーブも効いてる。つまり美味しい。それにパンとシチューの味わいもなかなか」
アルマースはほんのり香ばしい味を噛み締め、螢も豊かな味に舌鼓を打つ。
野菜や肉の風味が絶妙に合わさり口の中で一体化する味わいを楽しむ心は、パンと一緒にシチューを食べてみた。熱々の器から感じる芳醇なパンの香りもまた良いものであり、スプーンを持つ手が自然に動く。
その最中、螢が近くの店に目を向けた。
「……オレもホットチョコの飲物ぐらいは買おうかな」
「あちらにはクッキー缶もあるのか」
「ちょっと買いに行くか」
「そうだな、買い物するには良い頃合いだ」
螢と心はそれぞれに欲しい物を買い求めにいく。アルマースとしてはクッキーが日持ちしそうで、値段相応なところに好印象を覚えているらしい。だが、はたとした彼女は首を横に振る。
「……と、あまりこういうところでの買い物は細かいことは考えない方が良いな」
ひとつ貰えるか、と店主に告げたアルマースは目当てのクッキー缶を手に入れ、わずかに双眸を細めた。
その間に螢もホットチョコレートを購入しており、心が座っているベンチに戻ってくる。
「二人とも、甘いものも一口ちょうだい」
心は螢たちに遠慮なく甘味を強請る。そんな彼女は食べ物のお土産も買っている次第。いつの間にか紙袋にめいっぱい色々なものを詰め込んでいる心は抜かりなし。
対する螢は軽く頷き、ホットチョコレートはやれないけど、と話す。
「大人のやり取りが出来るようになった時にはグリューワインくらいなら付き合うかもね」
「それなら、その時を楽しみにするかな」
「クッキーのオマケをもらった。これも食べるか?」
「気が利くね、ありがとう」
其処にアルマースが屋台の店主から受け取ったという試供品を差し出した。そうして一行はおいしいものを楽しみ、次の目的である遊技屋台の方に向かっていく。
そこにあったのはスノーマンが描かれた板の口部分にボールを入れれば景品が貰えるというもの。
「やってく?」
「挑戦してみようか」
「チャレンジだね」
螢の問いかけにアルマースと心が応える。
年の離れた妹がいる螢としては景品目当てでゲームする機会がこれまでにあった。そこそこの自信があると示した螢はふたりに何が欲しいかと問いかけてみる。
「ちなみにどれを狙う?」
「ぬいぐるみってかわいいけど、わたしには似合わないし……お菓子の盛り合わせとかあったら、それをもらおうかな」
「オーナメントあたりが欲しいが、運動はそこまで得意では無いから期待は出来ないな」
「ふぅん、なるほど」
ふたりの狙いを聞いた螢はボールを店主から受け取り、じっくりと的であるスノーマンを見つめた。
その間に心が投擲を始める。
「……がんばる」
食べ物にも全力だった心はボール投げも全力を尽くそうと決めていた。しかし慣れていないため、無表情で精一杯投げていく。その軌道はふわりとしたもので、すべてがスノーマンに届かずに地面に落ちてしまった。
「こころさんはあのお菓子狙いなんだな。残念だったな」
「なかなか難しいね」
「もし私が当てられたら、景品の交換は受けつけるぞ」
残念賞のスノーマンキーホルダーを貰った心の隣で、アルマースは少し気合いを入れた。そして、アルマースは狙いを定めて思いっきりボールを投げる。
一投、二投目は外れ。だが、三投目が見事に獲得口に入った。
「すごい、すごいね」
「偶然だっただろうが上手くいった。ほら、こころさん」
見事にお菓子の詰め合わせを手に入れたアルマースは、約束通りキーホルダーと景品を交換する。礼を告げる心がお菓子を両手に抱く中、螢は自分が狙うものを決めていた。勿論、それは――。
「よし、成功」
とてもスマートに狙ったところにボールを入れた螢は、店主から星型の美しいオーナメントを受け取った。瑠璃色の硝子飾りがついたオーナメントはアルマースに渡されることになる。
「あげるよ」
「いいのか?」
「クリスマスプレゼントの代わりって事にでもして。……モノより思い出って訳でもないけれど」
「そうか、それならこのキーホルダーは螢に持って貰った方が良いな。構わないか、こころさん」
「もう私のものじゃないからご自由に」
「はからずもプレゼント交換会のようになったな」
「確かに」
三人は自分が手にすることになった景品を見つめ、不思議な充足感を覚えていた。それから螢達はのんびりとクリスマスマーケット内を歩いて巡ってゆく。
「満足した」
「色々とクリスマスマーケットを回れて結構楽しかった」
「今年の冬はこういう時間を過ごしたってだけで割と充分ではあったような」
心が素直な感想を声にすると、アルマースと螢もこの時間が有意義であったことを語る。期間限定、インターネットだけでの付き合いである三人にとってこの関係は言葉にするのは難しい。
そんな中、心はぽつりと本音を零す。
「………ほんとは、来年も行けたらなって思うけど。そこまではお願いのし過ぎかな」
二人の返答を聞く前に心は言葉を続けていく。
「付き合ってくれてありがと。来年は、良い年になりそうだなって、思うよ」
するとふたりが口をひらいた。
「来年も皆が良ければ……、一緒に行きたいと思うぞ」
「……次の冬にも気が向いたら考えておくか」
「ん?」
一瞬、アルマースと螢が紡いだ言葉が聞き間違いかと思えた。されど本物の声だったことを実感した心は軽く頬をかき、アルマースと螢に視線を向けた。
「ん~~……じゃあ、来年も期待しとく」
「是非に頼むぞ」
「これも約束ってやつかな」
そのまま並んで歩く三人の背中は何も語らないが、他愛ないことを話すその声には静かな楽しさが感じられた。
少し先の未来がどうなっているかなんて、今は誰もわからないけれど。
そのときは、きっと――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】がLV2になった!
【書物解読】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!
四葩・ショウ
……よし、出来たっと
書きあげたメッセージカードを手に
ボックスから選び出したのは
純白の鳩のオーナメント
わたしの願いを動力に どうか羽搏いて
誰かの願いに寄り添えるように――なんて
蝶々子さん(g07447)にお礼を言いたいな
やぁ、メリークリスマス
過去へ向かう特別なパラドクストレインを担ってくれたこと
隣で、時先案内をしてくれたこと
貴女と皆のおかげで、小夜さんの声にこたえることが
彼女たちをすくうことが、出来たよ
――有難う
ねぇ、蝶々子さんはどんな願いを飾るの?
もうツリーに飾っちゃったかな
まだならいっしょに、どう?っておもうけど
(願いごとも秘密なら、無理にきいたりしないよ)
わたしはね
――皆の願いが、叶うように って
そのためにこれからも、かけつけて、手を伸ばして
わたしに出来ることを、やるつもり
クリスマスツリーが、ひとびとの願いによって彩られていくさまは
とてもうつくしくて
……この願いを護りたいな、これからも
一般人からのプレゼントに
胸がいっぱいになりながら
こちらこそ、すてきなひとときを――どうもありがとう
●羽搏く翼
聖夜と呼ばれる日に結ばれるのは、この世界に生きる人々の思いの数々。
「……よし、出来たっと」
たくさんのオーナメントが飾られたクリスマスツリーを見上げ、四葩・ショウ(After the Rain・g00878)は双眸を緩やかに細めた。尊きものを見つめるかのような優しさに満ちる瞳。其処に映るのは未来への希望。
ショウは今しがた書きあげたばかりのメッセージカードを手にしている。
此処に綴られたのはショウの願い。
あとは用意されているオーナメントを選んで、このツリーに飾るだけ。
どれにしようか、と覗き込んだボックス。其処からショウが選び出したのは、純白の鳩のオーナメント。慈しむように白い鳩を撫でたショウは、この子に願いを託すことにした。
「わたしの願いを動力に、どうか」
羽搏いて。
そして、誰かの願いに寄り添えるように――。
なんてね、と小さく言葉にしたショウは静かに微笑む。メッセージカードを鳩のオーナメントにそっと入れ込んだショウは、続けて辺りを見渡す。
「……居た」
ショウが探していたのは蝶々子だ。いつかちゃんとお礼を言いたいと考えていたショウは軽く手を振り、ツリーを見上げている少女に声を掛けにいく。
「やぁ、メリークリスマス」
「ショウさん、こんばんは。メリーメリークリスマスです!」
ぱっと表情を明るくして応えた蝶々子は、お元気でしたか、とショウに問いかける。
「元気だよ。貴女と皆のおかげで、小夜さんの声にこたえることが出来たよ」
彼女たちをすくい、道を繋いだ。
ショウは改めてそのことを報告し、感謝を伝えたいと願った。
「――有難う」
「いいえ、お礼を言うのはわたしの方でもあります。頑張ったあなたに、ありがとう!」
「どういたしまして……といえば良いのかな」
「はいっ! めいっぱいに胸を張ってください。その方がわたしも嬉しいですから」
明るく笑う蝶々子はショウこそがあのときに一番大事な存在だったのだと語る。それから蝶々子は手を伸ばしてショウの両手をそうっと握った。握手をする形になったふたりは微笑みを重ね、快い気持ちを抱く。
その際に言葉はなかったが、これからも一緒に頑張りたい、という思いが互いに伝わった。
そうして、手を離した蝶々子はショウが持っているオーナメントに気付く。
「わあ、可愛い鳩さん! もうお願いは宿したんですか?」
「ついさっきね。ねぇ、蝶々子さんはどんな願いを飾るの?」
「わたしはですねえ、仲良しの子とずっと楽しく遊べることを願ったんですよお」
その子には恥ずかしくて内容は言えませんでしたが、と笑った蝶々子は素直に答えた。それなら既に願い事は終わっているのかもしれないと感じたショウは軽く首を傾げる。
「じゃあ、もうツリーに飾っちゃったかな」
「はい、実はさっきその子と一緒にいたときに飾っ……てない!?」
はっとした蝶々子は自分のコートのポケットの中に星型のオーナメントが入ったままであることに気付いた。遊ぶことに夢中で忘れていたらしい。慌て出す蝶々子を見たショウはくすりと笑み、クリスマスツリーを示す。
「まだならいっしょに、どう?」
「はい! ショウさんのおかげで飾ってないことが思い出せましたので、ぜひ!」
蝶々子が星を少し高いところに飾れば、ショウがその斜め下に純白の鳩を結わえた。それはまるで一番星を目指す鳥のような構図になり、ふたりは笑い合う。
「そうです、ショウさ……ショウちゃんは何を願ったんですか?」
さん、と付けようとして留まり、親愛を込めた呼び方に変えた蝶々子が疑問を投げかけた。
するとショウは目を細め、わたしはね、と口をひらく。
「――皆の願いが、叶うように って」
そのためにこれからも、かけつけて、手を伸ばして。
未来を望む人、ゆくさきの幸いを願う人のように、自分に出来ることを、やりたい。そのつもりなのだと話したショウはとても優しい笑みを浮かべていた。
「出来ます、きっと――ううん、ぜったいに!」
強く応えた蝶々子はショウを見つめる。
そうして、クリスマスツリーは皆の願いによって彩られていく。ちいさな子供からご老人まで、皆が祈りと思いを込めていくさまはとてもうつくしい。
「……この願いを護りたいな、これからも」
「わたしたちで叶えていきましょう」
ショウと蝶々子はきらきらと輝くクリスマスツリーを振り仰いだ。そうしているとプレゼントボックスを持った女の子が歩いてきた。ショウがまだ贈り物を受け取っていないことを知り、受け渡しにきた係らしい。
「すてきなディアボロスのおねえさん、どうぞ!」
そのプレゼントは透明な箱に入ったカラフルな手作りマカロンだった。気持ちが籠もっていることを感じ取ったショウは胸がいっぱいになる感覚を抱きながら、女の子に眼差しと笑みを返す。
「こちらこそ、すてきなひとときを――どうもありがとう」
紡ぐ気持ち。繋げていく心。
今宵の思いはきっと、望む未来を手繰り寄せるちからになる。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】がLV2になった!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
咲樂・祇伐
🌸樂祇
◎
むう……わたしは全然ダメだったのに
途中、挑戦した雪投げゲームは惨敗で…むむ!
ぶ、不器用!そこまでじゃない……もん!多分…
少しむくれたフリしながらゆっくりと向かった先には願いのツリー!
一つ一つのオーナメントに願いが込められているのね
確かにご馳走みたいかも?なんて咲う
あたたかな光が心に沁みるわ
私はどれを飾ろうか暫し悩んで手にしたのは、神の愛を意味する赤の…禁断の果実を模した丸いオーナメント
あなたはハート?可愛いわね?
…あなたの愛が可愛いかは…どうなんでしょう
誤魔化してしまうけど
…本当は、嬉しい
秘密だけど
気を取り直して願いを書く
うんと考えて…
『「愛する」ことを、赦されますように』と
小さい文字で記す
…わたしの愛は、厄を齎すものだから
だいすき、は壊してしまうから
伝えず、堪えて秘めて隠しておかないと
──でも、いつか
なんて
…迦楼羅はどんな願いを書いたの?
私は秘密
き、きらい……!
願いを見たかのような言葉に、つい口走り
何時のものように後悔する
うけとった贈り物はあたたかくて
胸が擽ったくなるようだわ
咲樂・神樂
⚰️樂祇
◎
雪投げなら任せておけ
私にできないことは無い
道中のゲームにも楽しませて貰った
…祇伐はなかなか不器用だから
そこが可愛いよと宥めながら向かった願いのツリー
…願いは夢、夢は慾、慾は心(信)──想い想いの心の光で彩られたツリーはご馳走のように耀いて眩しい
祇伐は柘榴みたいな丸いのを選ぶのか…私はこれ、勿論、ハート
そうだろう
可愛いのだ、この愛は
この愛だけは
素っ気なく見えて喜んでいるのがわかる
可愛いなぁと笑いながら──願いを書く
私が願いを書ける、世界は優しいな
願いは決まってるんだ
──ずっと祇伐のそばにいられるように
それは私が叶える
──愛する祇伐とずっと愛し合っていけるように
それも私が叶える
──君と平和に過ごせる明日が続くように
それも私が叶える
他に叶えて欲しいと託すなら
祇伐はどんな願いを託した?
秘密?なら私も秘密
大丈夫だよ
君は私が好きだからね
『この世界が
祇伐が祇伐らしく、あるがままに咲い、泣いて、怒り、あるがままに愛を伝え生きられる場所ありますように』
貰った贈り物は大切に
ひとのあたたかさを感じた
●此の愛の意味
此処は煌めくクリスマスツリーの広場。
色鮮やかに明滅する美しい光の中で輝くのは、人々の思いが込められているたくさんのオーナメントたち。
その最中、或る少女の実に悔しげな声が落とされる。
「むう……わたしは全然ダメだったのに」
「あの手の遊技なら任せておくといい。私にできないことは無い」
軽く頬を膨らませた咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)に片目を瞑ってみせ、得意げに誇っているのは咲樂・神樂(離一匁・g03059)だ。ふたりは先程、マーケットの中にあった遊技屋台にいってきたらしい。
なかなかに楽しませて貰ったと語る神樂は景品のチョコレートを手にして満足気だが、惨敗だった祇伐はご機嫌斜め。
「……祇伐はなかなか不器用だから」
「むむ! ぶ、不器用って……!」
「そこが可愛いよ」
「そこまでじゃない……もん! 多分……」
少し不安げに、可愛いと言われたことは満更でもなく。けれども素直に喜ぶこともできない祇伐はむくれたフリをしながら、ゆっくりと願いのツリーの方に向かっていった。
神樂は祇伐を宥めつつ、目の前に立つクリスマスツリーを見上げた。
視線を向けた先の小さな枝。其処には可愛らしいオーナメントが幾つも揺れている。祇伐は金色の小鳥のオーナメントを見つけ、そっと指先で触れてみた。
「一つ一つのオーナメントに願いが込められているのね」
この中に誰かの願いと心が宿っていると思うと尊いものだと思える。
対して神樂は神妙な顔で樹を見ていた。
願いは夢、夢は慾、慾は心であり信。想い想いの心の光で彩られたツリーは耀いて見え、とても眩しい。
「まるでご馳走のようだ」
「確かにご馳走みたいかも?」
そういって祇伐は静かに咲った。あたたかな光が心に沁みると感じた祇伐はオーナメント選びに入っていく。
「私はどれを飾ろうかしら」
星に月、鳥や兎。雪の結晶やトナカイなど種類は沢山。暫し悩んだ祇伐が手にしたのは、神の愛を意味する赤――禁断の果実を模した丸いオーナメントだ。
「祇伐は……そうか、柘榴みたいな丸いのを選ぶのか」
「ええ、あなたはハート? 可愛いわね?」
「そうだろう」
祇伐と違って割とすぐにオーナメントを選んだ神樂の手には同じ赤色のハートが握られていた。明るく笑ってみせた神樂は更に言葉を続け、ハートを揺らす。
「可愛いのだ、この愛は」
――そう、この愛だけは。
彼がそっと付け加えた言葉が聞こえ、祇伐は思わず視線をそらした。
「あなたの愛が可愛いかは……どうなんでしょう」
考え込むフリをして誤魔化してしまうけれど、本当は祇伐だって嬉しいと思っている。
もちろんそれは秘密。
それでも、素っ気なく見えて祇伐が喜んでいるのは神樂にはわかっている。可愛いなぁと笑いながら、神樂はオーナメントに込めるための願いを書き始めた。
自分が願いを書ける世界は優しい。それにもう願いは決まっている。
――ずっと祇伐のそばにいられるように。
――愛する祇伐とずっと愛し合っていけるように。
――君と平和に過ごせる明日が続くように。
これも、あれも、どれも。どんなものだって。自分が叶えるものだとして、彼――迦楼羅は一度だけ目を閉じた。
他に叶えて欲しいと託すとすれば。
(「そうだ、あれがいい」)
その傍ら、祇伐は自分の頬が赤く染まっているのではないかと気付いたが、気を取り直す。こういったときは平静を保って願いを書くことに集中する方がきっと良い。
「願い……私の……」
うんと考えて、悩んで、思いを整理して。祇伐は一文字ずつを噛みしめるようにカードに思いを記す。
それは――。
『「愛する」ことを、赦されますように』
誰かが覗き込んだとしてもすぐには読めないような、とても小さな文字。
(「……わたしの愛は、厄を齎すものだから」)
だいすき、は壊してしまう。
ただ、すきだと言の葉に変えることだって以前は戸惑っていた。今は前とは違っていても、あの頃の思いや感情を捨て去ってしまったわけではない。
伝えず、堪えて秘めて隠しておかないといけないものだということは、現在でも忘れていない。
「――でも、いつか」
自分にだけ聞こえる声で囁いた祇伐は、なんて、と付け加えた。
「……迦楼羅はどんな願いを書いたの?」
「祇伐はどんな願いを託した?」
そうして、カードをオーナメントに入れ終わったふたりは同時にお互いへの質問を投げかける。あまりにも同じタイミングで驚きはしたが、祇伐は緩やかに首を横に振った。
「私は秘密」
「秘密? なら私も秘密」
「き、きらい……!」
願いを見たかのような言葉に、つい口走ってしまう。
何時のものように後悔するが、きっと彼はそんな自分も好ましいと思ってくれるはず。すっかり甘えてしまうようになった己の心の変わりようを思いながら、祇伐は胸に手を当てた。
すると、彼は祇伐が思った通りの言葉をくれる。
「大丈夫だよ。君は私が好きだからね」
「……うん」
頷く祇伐の傍で、神樂は自分が込めた願いを思い返す。
『どうか、この世界が
祇伐が祇伐らしく、あるがままに咲い、泣いて、怒り、あるがままに愛を伝え生きられる場所ありますように』
神樂は先程に祇伐がそうしたように自分の掌を胸元に添える。
そうしていると、ディアボロスにプレゼントを渡す係の女の子が駆けてきた。
「こんばんは、おふたりとも!」
これをどうぞ、と元気よく渡されたのは色違いのリボンが掛けられているプレゼントボックスだ。祇伐は薄桜色、神樂には銀朱のリボンの箱を受け取ることになった。
「ありがとう」
「感謝するよ」
それぞれに礼を告げたふたりは、さっそく贈り物の箱をあけてみることにした。
その中身は花の形をしたアロマキャンドルだった。同じ形で色が違う揃いのキャンドルは甘い香りがする。きっとこの街に住む誰かが賢明に手作りしてくれたのだろう。
贈り物はあたたかくて、胸が擽ったくなるようで祇伐は微笑む。神樂も大切にしたいと感じて祇伐に笑いかけた。
「帰ったら一緒に灯してみましょう」
「この灯火はひとのあたたかさに似ているのだろうね」
「ええ、きっと」
祇伐と神樂はお互いの手の中にある贈り物を見つめ、穏やかな気持ちを抱く。
ひとを識り、さいわいを願う。
そうして、ふたりが行き着く先は――。
まだ誰も知らない未来をつくりあげていく欠片は今、此処で紡がれている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【友達催眠】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
ルリラ・ラプソディア
【甘唄】
願いの木…おっきなツリー
天に届きそうなツリーに結べば星に願いが届きそう
オーナメントとカード、選びにゆきましょう
千景はどんな飾りにする?
ボックスを覗き込み
じっ見つめる
輝く飾りの中で、ふと目に留ったのは
真白の雪結晶…冬に咲く奇跡の輝き
これにしようかな…?
雪結晶とカードをいただく
千景はくまさん
…ええ
2人の大切な想い出の象徴だもの
あとは願いごと
いつも心に抱くのは
大切な人と過ごせる優しい縁が続く日々
1つの想い出をきっかけに姉妹のように絆深めた千景や
出逢う人達との結びが続くなら
それがいちばん幸せ
”Je vous souhaite beaucoup de bonheur et de joie.”
皆に沢山の幸せと喜びがありますように
千景の願いも
とても優しい紡ぎ
いまの千景だから願える大事な想いよ
雪結晶をくまの隣に結い咲う
姉妹の導となったくまを指先で優しく撫で
一緒に願うわ
あなたの希望を
あら?贈りもの…?
街の人からの贈り物を大切に受け取る
…ありがとう。とっても嬉しいわ
花綻ぶように笑み千景と見せあいっこ
紫空・千景
【甘唄】
願いのツリー…流石は皆の願いを集めるだけはある
天穹迄も届きそうな此の樹ならば星にも届くやもしれん
架け橋の様に
オーナメントにカード選びか
私はもう決めてる
出会えるかは見てみないとな?
指先で辿る
視線で逢う
空の宵を映すくまは
赤と緑のXmasマフラーを巻いて
まるで今日を彩るのを待っていた、ような
見せればどうして選んだなんて説明も不要だろう?
さあ、カードも頂こう
ルルが選んだのも可愛らしいと
優しい願いを聴いて、頷き
私も続いていけば良いと思うよ
血の繋がりより深い姉妹の様な結びを得た世界は
とても愛おしいものだから
私は故郷の奪還で学んだ事
其れが皆に宿る様に
”Boed i obaith ddisgleirio yng nghalon pawb.”
――皆の心に希望が輝きます様に
希望捨てず奪還した今だから願える
夜色と聖夜の彩をもつあんたに託すとくまを飾ろう
…ん、私にも贈り物?
では有難く頂こう
私の願いに何が贈られたのか
小さな秘密の様に
そっと秘蜜の様に
花綻ぶ笑みでルルと見せ合おうか
願いに添えられた想いの形を
●かたちなきもの
歓声や楽しい音楽が響き渡る憩いの場。
クリスマスらしい雰囲気に満ちた通りを抜け、イルミネーションを辿るように歩を進める。星型の光を導きとして進んでいけば、ひときわ大きなツリーが見えた。
煌めきの中、紫空・千景(夜明の導べ・g01765)とルリラ・ラプソディア(Ⅻの子守歌・g00784)は、たくさんのオーナメントが揺れる樹を見上げている。
「願いのツリー……流石は皆の願いを集めるだけはある」
もしかすれば天穹迄。
遥か空に届きそうだと錯覚するほどの樹ならば、本当の星にも届くかもしれない。
「そう、架け橋の様に――」
イルミネーションが織り成す星を模した光もまた美しい。千景は感嘆の声を零しながら、隣に立つルリラを見遣った。彼女もまた美しい光景を瞳に映しており、千景と似た想いを抱いている。
「願いの木……おっきなツリー」
自分の背丈よりももっと、もっと高い樹。
天辺が此処からでは見えないからこそ、大きな想像の翼を広げることだって出来る。
「本当に、天に届きそうなツリーに結べば星に願いが届きそう」
もしそうなったならばどれほど素敵なことか。
ルリラは千景と紡ぐ思いが天へと届けられればいいと願いながら、ゆっくりと進んでいく。
「オーナメントとカード、選びにゆきましょう」
「オーナメントにカード選びか、行こうか」
「……いっしょ、ね」
「同じことを思っていたか」
偶然にもふたりの声が重なったことでルリラと千景は笑いあった。これから飾るもののかたちを選び、カードに願いを書いて其処に入れ込む。そうして、願いを飾れば今宵の特別な思い出になる。
「千景はどんな飾りにする?」
「私はもう決めてる」
「そうなの?」
「だが、出会えるかは見てみないとな?」
ルリラが千景に問いかけると、静かな笑みが返された。そうね、と答えたルリラはオーナメントが入っているボックスを覗き込んだ。じっと見つめていると、ふと輝く飾りの中で何かが光った気がした。
それは真白の雪結晶。冬に咲く奇跡の輝きだと感じたルリラは、それを優しく摘み上げた。
「これにしようかな……?」
少し迷う気持ちもあったが、こうして手の中で光る様を見ているとこれしかないと思える。
その最中、千景も指先で辿るようにボックス内のオーナメントに触れていた。続けて視線で逢うもの。それは空の宵を映す、可愛いくま型のもの、
赤と緑のクリスマスマフラーを巻いている子はまるで、まるで今日を彩るのを待っていたような――。
「千景はくまさんね」
「どうして選んだなんて説明も不要だろう?」
「……ええ」
きっと千景の琴線に触れたのだろうと察したルリラはこくりと頷く。それぞれに飾るオーナメントが決まれば次はカードに思いを込めた願いを書き記す番。
「さあ、カードも頂こう」
「そうしましょう」
「ルルが選んだのも可愛らしいな」
「二人の大切な思い出の象徴だもの」
カードを手に取ったルリラに目を向けた千景は、雪の結晶に目を細めている。ルリラの言葉を嬉しく思った千景は、その通りだ、と言葉にして口許を緩めた。
あとは願いごとを書けば良い。
ペンを手にしたルリラがいつも心に抱くのは、大切な人と過ごせる優しい縁が続く日々。
たとえばひとつの想い出をきっかけに姉妹のように絆深めた千景。こうして出逢う人達との結びが続くなら、それがルリラにとってのいちばん幸せ。
“Je vous souhaite beaucoup de bonheur et de joie.”
――皆に沢山の幸せと喜びがありますように。
ルリラがさらさらと記していく願いを読み、実際に音として紡がれた優しい思いを聴いた千景。頷いた千景は自分の思いも言の葉にしたいと考えた。
「私も続いていけば良いと思うよ」
「……ふふ」
血の繋がりより深い姉妹の様な結びを得た世界は、とても愛おしいものだから。
千景の声にルリラが微笑む。そして、千景は自分が持っているカードに書きたいことについて語ってゆく。
「私は故郷の奪還で学んだ事、其れが皆に宿る様に」
“Boed i obaith ddisgleirio yng nghalon pawb.”
――皆の心に希望が輝きますように。
これは希望を捨てず、この世界の一部を奪還した今だからこそ願える事柄。
双眸を細めた千景は夜色と聖夜の彩をもつ彼女に託したいとして、オーナメントをツリーに飾る。そうすればオーナメントの表面が周囲のイルミネーションの光を反射してゆく。
きれい、と呟いたルリラは其処に宿った思いが尊きものだと確かめる。
「千景の願いもとても優しい紡ぎね」
ルリラも、いまの千景だから願える大事な想いであると実感していた。それからルリラは雪結晶をくまの隣に結い、淡く咲う。姉妹の導となったくまを指先で優しく撫で、ルリラは思いを言葉に変えた。
「一緒に願うわ。あなたの希望を」
「――噫」
「おねえさんたち、こんばんはー!」
そのとき、元気な声がふたりの傍で響く。振り向いたルリラと千景は少年がプレゼントボックスを持って近付いてきたことを知り、こんばんは、と挨拶を返した。
「お菓子は好き?」
「……ん、嫌いではないが」
「それじゃあこれをどうぞ! 商店街のみんなの手作りギモーヴなんだ。あとは紅茶の茶葉セット!」
「あら? 贈りもの……?」
千景が頷くと少年は贈り物の箱をふたりに渡した。
「では有難く頂こう」
「……ありがとう。とっても嬉しいわ」
街の人からの心の籠もった贈り物を大事そうに受け取り、千景とルリラは笑った。花が綻ぶような表情で千景とギモーヴセットを見せあいっこするルリラは本当に嬉しげだ。
ふわふわした気持ちはまるでギモーヴそのもののよう。花が綻ぶ笑みは暫し、ふたりの間に咲き続けるだろう。
小さな秘密のように、或いはそっと秘蜜の如く抱いたもの。
それは――願いに添えられた、大切な想いのかたち。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【植物活性】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
如月・莉緒
総二さん(g06384)と
どこを見ても楽しそうだよね!
総二さんと手を繋ぎながら向かうのはクリスマスマーケットの先にあるクリスマスツリー
マーケットでお買い物もしたいけど荷物になってしまうから、と
クリスマスツリーの飾り付けが終わったら、何か飲みながら買い物しようか
店先にある品物を見て欲しいものや買うものを考えながら歩いて行く
いざクリスマスツリーのところへ着いて
そういや小さい頃はサンタさんに欲しいものを書いた手紙をツリーのとこに置いておいたなぁ
願いというよりお強請りだけど…なんて笑いながら
青い星の形のオーナメントを手に取る
メッセージカードへと書いたのは
【総二さんと過ごす時間がたくさん増えますように】
日々の忙しさですれ違う日が多かった今年は
寂しさを感じることも多かったから
少しだけ我儘で個人的な願いを書く
メッセージカードを入れたオーナメントをツリーへと飾り
ありがとう、とお礼を言いながらプレゼントを受け取って総二さんと開ける
貰ったプレゼントに喜びながら
たくさんの願いが飾られたツリーをもう一度見上げて
神刀・総二
莉緒(g04388)と同伴
都内のどこもクリスマスマーケットで賑やかだな
莉緒と手を繋ぎながら
寒くないようにと肩をくっつけて
クリスマスツリーへ向かうまでのマーケットにも色々あるな
後でジンジャークッキーにキャンディケインとか買って帰ろうかな
温かい飲み物も欲しいし
莉緒の言葉に頷きつつ、まずは目的の願い事だなと
マーケットを抜けてツリーの前へ
願いごとを書くメッセージカードを取って
書いたメッセージを入れたオーナメントを飾り付ければいいのか
クリスマスツリーに願い事は初めて聞いたが……
言われてみれば欲しいプレゼントとか書いたなあ
しばらくペンを持ったまま考えて
よし…これにするか
【いつまでも莉緒の傍に寄り添えるますように】
一緒に過ごすだけじゃなくて
気持ちも傍で寄り添えるようにと、願いを込めて
二人でツリーにオーナメントを飾り終えてから
プレゼントを受け取り
それじゃあ二人一緒にせーので開けようか
プレゼントの中身を見せあってから
これからも、彼女と一緒に歩んで行けますようにと
もう一度クリスマスツリーを見て
●愛と喜び
輝くイルミネーションは色とりどりの光を放ち、願いの樹を美しく彩っている。
人々が行き交い、楽しさが満ちていく賑わいの最中。華やかな装飾は人々の心まで明るく照らしているようで、如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)はわくわくした気持ちを抱く。
「どこを見ても楽しそうだよね!」
ね、と莉緒が呼びかけた先に立っているのは神刀・総二(闘神・g06384)だ。
「ああ、どこもクリスマスマーケットで賑やかだな」
周囲の装飾やイルミネーションを眺めている総二も楽しげな様子でいる。
マーケットの楽しげな光景に加え、華やかなクリスマスツリーが立てられた広場が見えることで気分も上がってくる。莉緒は総二と手を繋ぎながら広場に向かっていった。
美味しそうな食べ物や飲み物、ゲームの屋台が並ぶクリスマスマーケット。その先が今回のゴールだ。
本当はすぐにマーケットで買い物もしたいのだが、荷物になってしまうから、という理由でふたりは先にツリーの広場に向かうことにしていた。
こんがりと焼いたまるいパンをくりぬき、熱々のシチューを注いだ一品。ハーブや燻製など、味付けや見た目が違ったソーセージ盛り合わせ、ふんわりと甘い香りがするホットチョコレート。更にはこんがり焼いたチキンなど、目と興味をひかれる屋台も多い。
人々は笑顔にあふれており、誰もが笑っている。たとえば店先でクッキーを並べている子供はきっとお手伝いをしているのだろう。人々の協力があってこその今だと思うと心があたたかくなる。
とても微笑ましい気持ちを抱いた総二は笑みを深め、隣の莉緒に語りかけた。
「広場へ向かうまでのマーケットにも色々あるな」
「クリスマスツリーの飾り付けが終わったら、何か飲みながら買い物しようか」
「そうだな、それがいい」
総二は寒くないようにと莉緒と肩をくっつけてゆっくりと歩いていく。
見れば食べ物の店だけではなく、手作りのアクセサリーや小物を扱っている場所もある。莉緒は通りかかった店先にある品物を見ていき、欲しいものや後で買うものを考えながら進んだ。
「わぁ、あれ良いね」
「後でジンジャークッキーやキャンディケインとかも買って帰ろうかな」
「選ぶときは任せて!」
「そうしよう。それに温かい飲み物も欲しいな」
「ホットチョコレートかココアか迷っちゃうね」
「どれにしようか選ぶ時間も楽しいだろうな」
楽しげな莉緒の言葉に頷きつつ、総二はまずは目的の願い事だと示す。やがてふたりはマーケットからも見えていたクリスマスツリーの前に到着した。
「さて、着いたな」
「近くで見ると大きいね」
「俺が見上げてもまだ上があるくらいだからな」
和気藹々とした会話を続けながら、総二と莉緒はツリーを振り仰いでみる。既にたくさんの人達が願いのオーナメントを飾った後らしく色々な形のものが飾られていた。
総二は願いを書くメッセージカードを取ってから、どうすればいいかを思い出す。
「書いたメッセージを入れたオーナメントを飾り付ければいいのか。クリスマスツリーに願い事は初めて聞いたが……」
「そういや小さい頃はサンタさんに欲しいものを書いた手紙をツリーのとこに置いておいたなぁ」
「言われてみれば欲しいプレゼントとか書いたなあ」
莉緒は幼い頃を思い出したらしく懐かしそうに目を細める。
きっとこの願いを書く行事になったのも、サンタクロースへの手紙から派生したものなのだろう。
願いというよりお強請りだけど、と笑った莉緒はそれを叶えてくれていた人たちのことを思い返す。いつか自分たちも巡り巡って、大好きな相手の願いを叶えることになるのかもしれない。
それがいつになるかは分からないが、未来を繋げていくことができれば実現することだ。
そうして、莉緒は青い星の形をしたオーナメントを手に取った。
少し考えてから彼女がメッセージカードへと書いたのは――。
『総二さんと過ごす時間がたくさん増えますように』
これが今の自分が願う素直な思い。
そのことを強く胸に抱いた莉緒はこの願いは絶対に叶って欲しいと念じた。日々の忙しさですれ違う日が多かった今年は寂しさを感じることも多かった。それはお互いを好きな証でもあるのだが、やはり気持ちは揺れ動く。
だからこそ、少しだけ我儘で個人的な願いを書くことにしたのだ。
同時に総二もメッセージカードを手にしていた。
「よし……これにするか」
暫くペンを持ったまま考え込んでいた彼は、やがてすらすらと願いを記していく。
『いつまでも莉緒の傍に寄り添えますように』
時折、彼女が寂しそうな顔をしていたのは気付いていた。総二はこれまで以上にふたりで一緒に居たいと願う。それに加えて、共に過ごすだけではなく気持ちも傍で寄り添えるようにと、思いをあらたにする。
そして、ふたりはメッセージカードを入れたオーナメントをツリーに飾りにいった。
ふたつ並んで揺れる思いのかたち。
それは今の総二と莉緒のように寄り添い、静かに揺れている。そうすれば、ディアボロスへとプレゼントボックスを届けに行く役目の少女が近付いてきた。
「あの、こんばんは。ディアボロスさんですよね?」
「そうだよ、あなたは?」
「もしかして贈り物を渡しに?」
莉緒と総二が少女に問いかけると、明るい笑みと頷きが返ってくる。
「はい! お二人にこちらを受け取ってほしくて!」
差し出されたのは掌サイズのちいさな箱だった。あなたたちにぴったりだと思ったので、と告げた少女は手を振りながら元の場所に戻っていった。
「ありがとう、嬉しいな」
礼を言いながらプレゼントを受け取った莉緒は瞳を輝かせ、わくわくした気持ちでいるようだ。
そんな彼女がやはり可愛いと思いつつ、総二は箱に手を掛けた。
「それじゃあ二人一緒にせーので開けようか」
「せーのっ」
「これは……」
「ペアのブレスレット? 手作りみたいだね」
「誰かがお守りとして作ってくれたのかもしれないな」
貰ったプレゼントに喜びながら莉緒はアクセサリーを瞳に映した。総二も彼女が喜ぶ姿を幸いに思い、穏やかな表情で見守った。そうして、ふたりはたくさんの願いが飾られたツリーをもう一度、そっと見上げる。
――これからも、一緒に歩んで行けますように。
重なる思いは尊くて優しい。
これからも同じ気持ちを抱いて、同じ道を進んでいきたい。
再び手と手を重ねた総二と莉緒は、此処からも続いていく二人の時間に想いを馳せた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【壁歩き】LV2が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
佐伯・みゆ
花園さん(g02726)とご一緒です。
夜になると、イルミネーションが綺麗で幻想的ですね。
隣を歩く花園さんに言うと「転ぶなよ」と心配され。
むー。そこまでドジっ娘じゃない……と言いかけた側から躓いて。
差し出された手を取り、うう……ありがとうございます。気をつけます。
今年は一杯楽しいことがありましたね。
猫まみれのハロウィンを思い出してくすくす。
温かいもの、ですか?
ホットチョコレートを売ってましたね。それにしようかな。
熱い物をふーふーする花園さんの様子に、可愛いなと思ったけれどそれは口にはせず。
飲み終えたカップ、片付けてくださると言う言葉には甘えてしまいます。
ありがとうございます。
ゴミを捨てに行った花園さんを待つ間
周囲のお店を眺めて。
ふと目についたのは小さなベル。
確かクリスマスのベルは天使とセットだったっけ。
思い当たってお買い上げ。
すのうまん屋台?
あ、花園さんが本気モードになってる。
景品……なら、ツリーのクッキー缶、がほしい、です。
花園さんなら絶対取ってくれるから、安心して待ってますね。
花園・翠
佐伯(g08231)と
明かりがあるからとは言え足元は暗いからな…転ぶなよ?
…って早速!?(くすり苦笑しつつ手をさしのべて)
アイシングクッキーを作ったら猫まみれになったことを思い出したりしつつマーケットをまわる
そんな中湯気の上がる屋台を見つけて
…何か暖かいものでも食べるか?
あぁ、確かにホットチョコレートってこの時期ならではという感じがするよな(二つ注文して一つを佐伯に。とは言え実は猫舌なのでふーふーしながら飲んでる)
あ、食べ終わったゴミは貸してくれ。纏めて捨ててくる
(ゴミを片付けに行く帰りにこっそりオーナメントのお守りを買ったのは秘密)
…すまんな、少し迷った。と誤魔化して
賑わう大きなスノーマン屋台を思わず二度見
遊戯屋台…しかも景品つき…だと…!?
やること自体はゲームというよりスポーツに近い気もするが…ゲームと聞いたら俄然やる気になってしまうのがゲーマーの性
秋祭りの時は佐伯に景品を取ってもらったからな…何か欲しいものがあれば狙うが…
ん?ツリーのクッキー缶か?よし…やってみる(本気モードON)
●ちいさな秘密
周囲を彩るイルミネーションは星のように輝いている。
夢のような光景を作り出す光の数々は、まるで星空が地上に降りてきたかの如き美しさ。
「夜になると、イルミネーションが綺麗で幻想的ですね」
佐伯・みゆ(悲歌。・g08231)はふわふわとした微笑みを浮かべ、隣を歩く花園・翠(見護る者・g02726)に視線を向ける。彼は頷きを返し、足元を軽く見遣った。
「明かりがあるからとは言え足元は暗いからな……転ぶなよ?」
「むー」
心配されていることはわかったのだが、みゆは思わず頬を膨らませる。暗いとはいえ辺りには電灯もあり、イルミネーションが足元も照らしてくれているので問題はないはず。
ふるふると首を横に振ったみゆは反論するために口をひらいた。
「そこまでドジっ娘じゃな――」
しかし、その言葉が途中で止まった。わ、という声が続けて紡がれる中でみゆは躓いた。
「……って早速!?」
翠が手を差し伸べたことで完全な転倒は防げた。翠はくすりと苦笑しつつ、みゆをしっかりと立たせてやる。その手を強く握り返したみゆは、自分がドジっ娘かもしれないと考えてしまった。
「うう……ありがとうございます。気をつけます」
少しばかり恥ずかしい。だが、翠が笑っているのでみゆはすぐに笑顔を取り戻す。
ふたりは並んで歩き、クリスマスマーケットの様子を眺めていく。色とりどりの光のひとつひとつが周囲に鮮やかな光と影を描き出している。
屋台に並ぶ人や通行人、そして自分たちが動く度に光の反射が代わり、さながら優雅なダンスを奏でているかのよう。
そこかしこから聞こえる声は賑やかで、良い香りも漂ってきている。香ばしく焼かれたソーセージの盛り合わせ、熱々の湯気が立ち昇るシチューに、大きなサンドイッチなど魅力的なものも多い。
その中でふと、みゆはこれまで辿ってきた過去を思い返す。
「今年は一杯楽しいことがありましたね」
くすくすと笑ったみゆは、猫まみれのハロウィンのことを思っていた。そうだな、と答えた翠もまたアイシングクッキーを作ったら日のことを振り返る。
思い出話は尊く、ふたりは他愛ないながらも楽しい会話を紡いでいった。
そうしていると翠が湯気の上がる屋台を見つける。
「何か温かいものでも食べるか?」
「温かいもの、ですか?」
翠からの問いかけにみゆは少し考え込み、目に入った屋台を指さした。ふんわりとした甘い香りがするので先程から気になっていたらしい。
「ホットチョコレートを売ってましたね。それにしようかな」
「あぁ、確かにホットチョコレートってこの時期ならではという感じがするよな」
みゆの提案に頷き、翠はさっそくホットチョコレートを二人分、購入することにした。持ち手が熱くなりすぎないよう可愛いスリーブも付けてもらい、翠は待ってくれているみゆのもとに戻る。
「ほら、佐伯」
ひとつをみゆに渡した後、翠はふーふーとホットチョコレートを冷ましにかかった。実は猫舌なのでこうしなければ飲めないからなのだが、その姿は妙に可愛らしい。
(「まだふーふーしてる……可愛い」)
ホットチョコレートを少しずつ飲みながら、みゆは翠の様子を見ていた。愛らしいと感じたのは素直な思いだったけれど、それを口にすることはしない。
冬の空気は冷たくて、吐く息は白いが身体は次第にぽかぽかしてくる。ふたりはゆるりとした時間を過ごし、ホットチョコレートを飲み終えた。
「温かくて甘くて、おいしかったですね」
「あ、食べ終わったゴミは貸してくれ。纏めて捨ててくる」
「ありがとうございます」
翠が片手を差し出したことでみゆはその言葉に甘えることにした。彼の優しさに感謝したみゆは、その背を見送る。
その際、みゆは周囲の店を改めて眺めていた。土産物やクリスマスらしい小物が並ぶ賑やかな店だ。其処でふと目についたのは――小さなベル。
「これって……確かクリスマスのベルは天使とセットだったっけ」
良いものだと感じたみゆは屋台まで歩いていき、これをください、と願った。ベルを手に入れたみゆは急いで待っていた場所に戻り、少し先から歩いてきた翠に手を降る。
「おかえりなさい」
「すまんな、少し迷った」
実は翠もまた、帰りにこっそりオーナメントのお守りを買っていた。お互いに秘密を抱いたまま、ふたりは更に散策を続けることにする。そして、次に見つけたのは遊技屋台だ。
「あれは?」
「遊戯屋台……しかも景品つき……だと
……!?」
「すのうまん屋台?」
みゆが見つけた屋台に目を向けた翠は思わず二度見していた。ゲームとあらば挑戦するのが礼儀だろう。やること自体はゲームというよりスポーツに近い気もするが、俄然やる気になってしまうのがゲーマーの性。
「よし、やろうか」
「あ、花園さんが本気モードになってる」
翠の様子に気付いたみゆが楽しげに笑った。すると店主からボールを受け取った翠がしかと身構える。
「何か景品を狙っているのですか?」
「秋祭りの時は佐伯に景品を取ってもらったからな。何か欲しいものがあれば狙うが……」
どうする? と聞いた翠は暫し待つ。
みゆは景品のコーナーを見つめた後、すっと指先を向けた。
「それなら――」
「ん?」
「ツリーのクッキー缶、がほしい、です」
「あのクッキー缶か? よし……やってみる」
彼女が示した景品が貰える場所を確かめ、翠は意気込む。その瞳は真剣であり、本気モードだ。
「花園さんなら絶対取ってくれるから、安心して待ってますね」
「任せろ」
ふたりは再び視線を交わし、それから――。
数分後、クリスマスマーケットを並んで歩く二人の姿があった。みゆの腕の中に抱えられているのは勿論、あのツリーの形をしたクッキーの缶だった。
翠とみゆは嬉しさを言葉に宿し、楽しげに進んでゆく。
深い夜に満ちる賑やかさ。彩りも豊かな光が喜びを呼び、温かさをもたらしてくれるのは、きっと。
今こうして、ふたりで過ごす尊い時間であるからに違いない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【クリーニング】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ドレイン】がLV4になった!
レジーナ・ネイサン
【CANVAS】
だね、食べて遊んで、パーティー満喫したって感じ
と、あれがクリスマスツリー?立派だな…
この飾られているひとつひとつに誰かの願い事があるのかと思うと
一層尊いものに見えてくるよ
願い事か、やってみよう
オーナメントって一言で言っても色々あるね
お!ギィースは早速選んだ?
キツネ、トトっぽいコだ
なら私はコレしかないでしょう
球体の側面にモーラットの絵が描かれてるオーナメント!
無事にオーナメントを選び終えたらメッセージカードを手に
新しい絵のアイディアが浮かびますように……、は、
神頼みするモノじゃないしな
『ギィースが心から笑って過ごせますように』
――うん、
これでいい
何を書いたの?とは聞かない
聞かれたらヒミツ、って答えよう
だってこっちのを見せたら恥ずかしいからね
よし、高い所に飾ろうか
その方が願い事が天に届きそうな気もする
おや、トトの肉球スタンプ、可愛いなあ
ブラシがふわりと近づいて
肉球マークの隣に小さな手でぺたぺた飾り付け
あはは、ブラシも参加したいんだって
贈り物は大事に受け取る
掃除か、それもいいな
ギィース・エレクレ
【CANVAS】
んー!クリスマスパーティー面白かったね!
いっぱい食べて遊んだねー!
ねぇねぇ、あそこのツリーめちゃくちゃ大きいね!
何かお願い事書いて飾るんだってやろう!
これがオーナメントかぁ。色んな形があるね!
じゃ俺はキツネちゃんの形したやつ!メッセージも書けるんだ!
『じゃ、レジーナちゃんやブラシちゃん、トトとこれからも一緒にいれますように!世界の皆も笑顔でいれますように!』
ふふっ、やっぱりコレだよねー
レジーナちゃんはどんなのかな?秘密?
照れてる感じがして何かな?と首傾げ
せっかくだから高い所を飾ろうか!飛んで飾り付け
ん?トトも飾るの?どうぞ、願い事も書くの?
トト書けない…
ぺたっと肉球をメッセージカードに
アレ?ブラシちゃんも一緒にぺたん!
あはははっ、素敵なメッセージだね!
素敵な贈り物を受け取って
さぁて、クリスマスパーティーを楽しんだら綺麗にしなきゃね
掃除までがクリスマスだもの!
●感謝のお掃除
「んー! クリスマスの雰囲気はすごく面白かったね!」
美しく飾られたツリーが立つ広場にて、明るく響いたのはギィース・エレクレ(誘惑の道化師・g02447)の声。
サングラスの奥、楽しそうに細められた双眸が先程までの時間を満喫したことを示している。
「いっぱい食べて遊んだねー!」
「だね、食べて遊んで、パーティー満喫したって感じ」
ギィースの声に応え、レジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)も大きく伸びをした。その近くにはモーラット・コミュのブラシとクダギツネのトトもおり、彼らなりにのんびりじゃれあっている。
二匹の様子を確かめた後、ギィースは前方の広場を示した。
「ねぇねぇ、あそこのツリーめちゃくちゃ大きいね!」
「と、あれがクリスマスツリー?」
ギィースが見ている先にレジーナも視線を向け、ツリーの煌めきを瞳に映し込む。その際に自然に声が零れ落ちた。
「立派だな……」
「何かお願い事を書いて飾るんだってね。やろう!」
レジーナが暫し見惚れている中、ギィースは今宵のために用意されたものが置かれている場所に進んでいく。此度の催しのメインはこの広場にある。
今しがたギィースが語った通り、願いをカードに記し、カプセル型になっているオーナメントに入れ込む。
そして、思いと共にクリスマスツリーに飾るのが目的。
「飾られているひとつひとつに誰かの願い事があるのかと思うと、一層尊いものに見えてくるよ」
レジーナは彼の後に続いていき、カードを手に取った。
「ここに願い事を書くのか、やってみよう」
オーナメントと言葉では一括りにできるが、実際に見てみると色や形も様々だ。レジーナはオーナメントが入れられているボックスを覗き込み、気になるものを手にとってじっくり見ていく。
「これがオーナメントかぁ。色んな形があるね!」
ギィースもレジーナの隣に並び、どれがいいかと選んでいった。
「じゃ俺はキツネちゃんの形したやつ!」
「お! ギィースは早速選んだ?」
「うん、これだよ!」
「そのキツネ、トトっぽいコだ。なら私はコレしかないでしょう」
きっと誰かの手作りなのだろう。レジーナが選んだのは球体の側面にモーラットの絵が描かれているものだ。こうして二人とも無事にオーナメントを選び終えたらならば、次はメッセージカードの出番。
「メッセージも書けるんだよね」
「んー……新しい絵のアイディアが浮かびますように……は、神頼みするモノじゃないしな」
願いを考えるレジーナは悩んでいた。
それから暫し色々な案を練った結果、レジーナがカードに描いたのは――。
『ギィースが心から笑って過ごせますように』
「――うん、これでいい」
レジーナは満足したらしく、静かに微笑んだ。
同時にギィースもメッセージを書き終えたらしく、カードをオーナメントに入れているところだった。
その中身はというと、以下のものだ。
『レジーナちゃんやブラシちゃん、トトとこれからも一緒にいれますように! 世界の皆も笑顔でいれますように!』
「ふふっ、やっぱりコレだよねー」
そっと呟いたギィースの願いもまた、他人を思ってのもの。
ずっと楽しそうなギィースに対して、レジーナは何を書いたのかとは聞かないつもりでいた。するとギィースが振り向き、興味を持った様子で問いかけてくる。
「レジーナちゃんが書いた願いはどんなのかな?」
「んー……ヒミツ」
そう答えるのも、こちらの願いを見せるのが恥ずかしいからだ。それならいいと明るく返したギィースはそれ以上の詮索はしないことにしたようだ。
「何かな? 気になるけど秘密もいいよね」
首を傾げていたギィースはそっと笑い、照れているのならば仕方ないと判断した。
「よし、高い所に飾ろうか」
レジーナはギィースを誘い、さっそくオーナメントを結わえたいと告げた。高いところを指定したのは、その方が願い事が天に届きそうな気がしたから。
「そうだね、せっかくだから高い所を飾ろうか!」
ふわふわと飛んで飾り付けに入ろうとすると、ギィースの近くにトトが寄ってきた。
「ん?」
どうしたの、とギィースが疑問を投げるとトトが動き始める。
「トトも飾るの? どうぞ、願い事も書くの?」
ギィースが見守っていると、トトは自分で咥えてきたメッセージカードに肉球をぺたりと押し付けた。その様子に気が付いたレジーナは口許を緩める。
「おや、トトの肉球スタンプ、可愛いなあ」
そうしているとブラシがふわりと近付いてきた。今のトトとのやりとりが気になったらしい。
自分も、というように肉球マークの隣に小さな手でぺたぺた飾り付けるブラシは真剣だ。
「アレ? ブラシちゃんも一緒にぺたん!」
「あはは、ブラシも参加したいんだって」
「あはははっ、素敵なメッセージだね!」
レジーナとギィースはふたりで声を合わせて笑い、微笑ましい光景を見守った。
高く飾られたふたつのオーナメント。其処にはふたりと二匹の思いと願いが宿されている。暫しギィースとレジーナがツリーを眺めて浸っていると、プレゼントボックスを持った少年が駆けてきた。
「ディアボロスのお二人さん!
「あれ?」
「それが貰えるっていうプレゼント?」
贈り物を渡しに来てくれた子だと知ったふたりは笑顔で少年を迎える。そうだよ、と答えた少年は手作りのお菓子入りだというボックスをそれぞれに渡してくれた。
「そうだ、そっちの子たちにも!」
「貰っておいで、ブラシ」
「トトもね」
スノーマンとサンタクロース、ベルやキャンディケーンなどの形をしたクッキーが入っているプレゼントボックスは小さいが、めいっぱいの感謝の気持ちが入っている。
大事に受け取った贈り物を手に、ギィースとレジーナは少年を見送った。
そして、ギィースは或ることを言葉にする。
「さぁて、終わったね。クリスマスパーティーを楽しんだら綺麗にしなきゃね」
「掃除か、それもいいな」
「掃除までがクリスマスだもの!」
やろう、と誘うギィースに続いてレジーナも事を成すために動き出すことにした。
感謝の気持ちは巡る。ひとつずつの『ありがとう』の言葉で――世界はきっと、より良い形に繋がっていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【友達催眠】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
築土・游
妻のエラ・パーカー(g03253)と
アドリブ歓迎
今日はいつも苦労を掛けている妻を少しでも労いたいとイベントに参加
指を絡めて、久しぶりの遠出に柄にもなく浮ついた気分で
大きなツリー…すごくクリスマスっぽい
浮かれた微笑みを浮かべて
少しおろおろしながらメッセージカードを渡されると暫し考えながら筆を進める
『エラと一緒に、家族一緒に健やかに末永く楽しく暮らせますように』
とメッセージカードに書き込むとエラが書き終わるのを待つと
普段とは違う、少し郷愁を感じるエラの横顔に
少し考えたみたいだね
と声を掛けてから一緒にオーナメントを選ぶ
ありきたりだがエラの瞳、髪色と同じピンクのハート型を選んで文を封じて
お揃いのオーナメントを持った妻に思わず笑みがこぼれて
普通のお願いだよ、すごくすごく普通のお願い♪
プレゼントを一般の方に貰うと謝辞とメリークリスマスを送って
メリークリスマス、ありがとう♪
エラと微笑みあって…
情けなくお腹を鳴らす
屋台でチキンでもどうかな…?
どこか締まらないけども平凡な日常を感じる喧騒に二人で足を進める
エラ・パーカー
夫の築土・游くん(g00727)と
アドリブ歓迎
故郷を奪還した直後のクリスマス
なんだかいつもより気持ちがふわふわして、繋いでる游くんの手をぎゅっと握るの
わ、游くん見ておっきなツリー!
お願いをいれたオーナメント飾れるなんて素敵なの♪
お願いはお互い内緒で書き出すよう
『最愛の旦那さまと、家族と、いつまでも幸せに暮らせますように』
それから、もう1枚
『あの子が無事に幸せに生きてくれますように』
なかったことにされてしまった、友人で名付け親の小さな男の子
もう会えないかもしれないけれど、幸せな人生を祈るの
…よし、っと。游くんは書けたかな?
そしたらオーナメント選ぼ♪
エラが選んだのは游くんの瞳とおなじ色のハート型
旦那さまが選んだオーナメント見て、思わずへにゃっと笑いながら
どんなお願い書いたの?
なんて、じゃれながらデートの続きを楽しみに足を進めて
プレゼントをもらえば游くんと目を合わせて微笑みあって
メリークリスマスとありがとうをお伝えするの
鳴ったお腹に思わずくすくす
こんな日常が幸せだと感じながら一緒に歩いていくの
●願いは天へ
織り成す光はまるで世界を彩る魔法。
イルミネーションの輝きはそのように表せるほどに眩く、辺りを幸いで包み込んでいる。
幻想的な光は夜を覆うカーテンのようでもある。築土・游(アトミックハーツ(発売中)・g00727)とエラ・パーカー(Bardd Morganite・g03253)は広場に訪れ、輝きと煌めきの共演を眺めていた。
「綺麗だね」
「うん、とっても」
ふたりは視線を交わし、同じ気持ちを抱いていることを確かめる。
今日はいつも苦労を掛けている妻を少しでも労いたいと思い、游がエラを誘ったのが発端。指を絡めあうふたりは仲睦まじい。游はというと、久しぶりの遠出に浮ついた気分でいるようだ。
そして、エラもぎゅっと彼の手を握る。
故郷を奪還した直後のクリスマスとなれば心も弾む。いつもより気持ちがふわふわしている気がして、嬉しさと幸せが胸の中にいっぱいに広がっていく。
美しい景色の中、広場の中央にあるクリスマスツリーはきらきらと煌めいている。
「わ、游くん見ておっきなツリー!」
「大きなツリー……すごくクリスマスっぽい」
エラが指差すと游も頭上に目を向けた。天高く伸びているようにも見えるクリスマスツリーには、たくさんのオーナメントが飾られている。其処に様々な人々の思いが宿っていると思うと尊さを感じる。
天を目指しているかのような大きなツリーは、遠い空にまで思いを届けてくれるような気もした。
「お願いをいれたオーナメント飾れるなんて素敵なの♪」
願いはお互いに内緒と決めていた。
楽しげに笑むエラと同じく、游も浮かれた微笑みを浮かべている。まずは用意されているメッセージカードを貰い、願いを書くことから。游は少しおろおろしながらカードを受け取り、暫し考え込む。
「どう書くのが一番いいかな……」
願い事の大まかなことはもう決まっている。後はどの言葉を選び、纏めていくかだ。游はじっくりと考えてから筆を進めていき、しっかりと思いを記す。
『エラと一緒に、家族一緒に健やかに末永く楽しく暮らせますように』
「……うん」
これでいい、と納得した游。
その隣ではエラが真剣な表情でペンを走らせている。そんな彼女が書いた願いはふたつ。
『最愛の旦那さまと、家族と、いつまでも幸せに暮らせますように』
『あの子が無事に幸せに生きてくれますように』
それは――なかったことにされてしまった、友人で名付け親の小さな男の子のこと。もう会えないかもしれないけれど、幸せな人生を祈るためにエラは願う。
自分たちにも、この世界に生きていた人、これから生きていく人。誰にも幸いが降り注ぐように祈り、エラは一度だけそっと瞼を閉じた。次に目を開けたとき、エラの口許には優しい笑みが宿っていた。
「……よし、っと。游くんは書けたかな?」
「書けたよ。大丈夫」
游はエラが書き終わるのを待ってくれていた。
その際に游は、普段とは違う彼女の様子を感じ取っていた。少し郷愁を感じるエラの横顔に思うことはあったが、深く聞くようなことはしない。ただ一言だけ声を掛けるのみ。
「少し考えたみたいだね」
「……色々、あったからね。オーナメント選ぼ♪」
「そうしよう」
それでも自分の前では明るく振る舞うエラ。その姿と心に愛おしさを抱き、游は双眸を細めた。
やがてふたりはオーナメントが入れられているボックスの方に歩を進める。
星にスノーマン、サンタクロースやトナカイなどの実にクリスマスらしい形もあれば、可愛らしいアニマル型のオーナメントまで種類はたくさんある。どれもが簡単なカプセル型になっており、しっかりと蓋を閉めれば願い事を大切に封じ込められるというわけだ。
「どれも良いものだけれど、これにしようかな」
游が手に取ったのはエラの瞳と髪色に似たピンクのハート型。そして、エラが選んだのも游の瞳と同じ色のハート。旦那さまが選んだオーナメント見たエラは思わずへにゃっと笑う。
文を封じる彼を見つめたエラは我慢できず、ちょっとだけ聞いてみることにした。
「どんなお願い書いたの?」
「普通のお願いだよ、すごくすごく普通のお願い♪」
游はお揃いのオーナメントを持った妻を見つめ、穏やかな笑みを浮かべる。そうして、ふたりはオーナメントを隣同士に飾る。ハートが触れ合う様子はなんだか愛おしくて嬉しい。
夜空に希望の光が灯されたかのように、オーナメントは輝きを反射していた。
それからふたりはじゃれあいながらデートの続きを楽しむべく、クリスマスツリーの広場から離れる。
その際に広場の入口にいた女の子が駆けてきた。
「ディアボロスさん、いつもありがとうございます。これ、みんなで作った贈り物です!」
ぜひ受け取ってください、と願った少女は贈り物を渡しに行く係のようだ。
ふたりは快く彼女を迎え入れ、それぞれ謝辞を言葉にしていく。
「わぁ、ありがとう」
「こちらこそ感謝しないとね。メリークリスマス!」
「メリークリスマスなの♪」
ふたりは一般人が用意してくれたプレゼントボックスを受け取り、快い表情を見せた。手を振って見送る少女に別れを告げたエラと游は、さっそく感謝の形を確かめてみることにする。
エラと微笑みあった游は、ボックスの中に入っていた手作りリースを嬉しそうに眺めた。
「今夜の思い出だね」
「こっちもお揃いのリースなの」
きっと幼い子どもが一生懸命に作ってくれたものなのだろう。微笑ましい気持ちを抱いたエラと游は更に微笑みを重ねる。だが、そのとき――游のお腹が鳴った。
「お腹すいた?」
「恥ずかしながら、実は……。屋台でチキンでもどうかな?」
くすくすと笑うエラは頷き、游に寄り添った。
どこか締まらないと游本人も思っているが、これもふたりにとっての平凡な日常のひとつ。向かう先から感じる喧騒もまた心地よく、游とエラは強く手を握りあう。
きっと、こんな日常こそが幸せなのだと思いながら――ふたりは一緒に歩いていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!
【グロリアス】LV1が発生!
サアシャ・マルガリタ
【蠍と狐】
さてさて。お次はツリーの飾りつけーですね!
わくわくとツリーを見上げていたら手を握られ
タオちゃんから握ってくれるのが嬉しくて、思わずにこにこ笑っちゃうです
ぎゅぎゅっと握り返して、飾りを選びに行くですよ
オーナメント、どれも綺麗ですねぇ、可愛いですねぇ
サアシャは……お星様のオーナメントにしますです!
んふふ。タオちゃんはサアシャの一番星ということでひとつ
あ、タオちゃんもお星様です?
………ふぅん? へぇー?
大事な人のいちばんになれたなら幸せだなぁとやっぱりにまにま
んふふ、照れてるタオちゃんも可愛いですです
お願い事は何にしましょうか。んー……
タオちゃんが健康で長生きしてくれますようにー、ですかね
永く一緒に居られたら嬉しいなーなんて
オーナメントを飾って相手の手元を覗き込み
タオちゃんはお願い事、何にしたですー?
ふむり、そんなお話が
近づく顔にひゃっとどぎまぎしていたら頬に柔らかな感触が
どこにって……それは、ここに……
唇を指差して思わず赤面
ぷ、プレゼントもらえるらしいですよ。楽しみですねぇ!
タオタオ・ザラ
【蠍と狐】
綺麗なものは好きだけれどそれは金になるからで
そうじゃないものに心躍らせるなんてことそうそうなかった
だけど今日楽しいと思えるのは、彼女のおかげかな、と思ったりする
素直に伝える代わりに、繋いだ手をぎゅうと握り締めてみたりして
オーナメントは同じように星を選んだ
…………んやー、それは、だって
……………………タオもお前さんとおんなじようなこと思ってたからだよ……!!
あー、うるせえしらねえほら願い事書いて飾るぞ!!
タオの願い事ねえ
『どこぞの狐っ娘の望みが叶いますように』
それから小さな文字で『それを叶えるのがタオでありますように』
……ガラじゃなさすぎて笑えるな
覗かれれば思わずぱっと手で隠して
……え。見せねえぞ減るもん。ナイショ。
知ってるか、お嬢さん
ヤドリギの下に居る可愛い子ちゃんにはキスしていいんだぞ
ヤドリギを模したツリーをちょいちょいと指差して
不用心だねえ、お嬢さん
にんまり笑って、頬に触れるだけの口付けを
……おや、どこにされると思った?
露骨に話を逸らす姿にけらけら笑い
おう、楽しみだな
●星に宿す
綺麗なものは好きだ。
けれども、それは今思えば純粋な気持ちではなかった気がする。美しいものは金になるのが常。それゆえに、そうじゃないものに心躍らせるなんてことは、そうそうなかった。
いま此処にあるのは煌めくイルミネーションと楽しい音楽、人々の声。どれもが金にはならないものばかり。
だけど、そんな今日が楽しいと思えるのは。
(「彼女のおかげかな」)
タオタオ・ザラ(大喰らい・g05073)は隣にいるサアシャ・マルガリタ(えいえいお!・g05223)を見つめ、声にはしない思いを胸に抱いた。この思いはどうにも素直に伝えられそうにはない。
その代わり、タオタオはサアシャと繋いでいる手をぎゅうと握り締めてみる。するとサアシャはごく当たり前のように手を握り返してくれる。そういうところが、きっと――。
タオタオが次の思いを抱く前に、サアシャが明るい声を響かせる。
「さてさて。お次はツリーの飾りつけーですね!」
「……そうだな」
また恥ずかしいことを考えそうになっていたタオタオは冷静に、それでいて何処か嬉しげに答えた。わくわくとツリーを見上げているサアシャは上機嫌だ。何故なら、彼から手を握ってくれたのが幸せで堪らないから。
思わず笑みも深まり、何度もぎゅぎゅっと握り返してしまう。
「飾りを選びに行くですよ!」
「色々あるんだな」
ふたりはたくさんのオーナメントがおさめられたボックスの前に向かった。星に天使、猫や兎といった可愛らしい形をしたもの。それからサンタクロースにトナカイなどクリスマスらしいものも多い。
「どれも綺麗ですねぇ、可愛いですねぇ」
周囲の街灯やイルミネーションの光に照らされたそれぞれの飾りは、まるで小さな宝石のよう。
サアシャはたっぷりと悩み、あれでもないこれでもないとオーナメントを選んでいく。しかし、最初にひとめ見たときから心は決まっていたのかもしれない。
「サアシャはお星様のオーナメントにしますです!」
「決めるのが早いな」
「んふふ。タオちゃんはサアシャの一番星ということでひとつ」
「……そっか」
「タオちゃん、なんだか歯切れが悪……あ、同じお星様を選んだんです?」
うきうきした気分でサアシャが選び取ったオーナメントは大きめの星。しかし、それを見たタオタオが若干気まずそうにしていた。一度は首を傾げたサアシャだったが、彼の手には同じ星のオーナメントが握られていた。
「…………んやー、それは、だって」
「だって?」
タオタオは、ふいっと視線をそらしながら掌を握る。
サアシャがさらりと語ったことに照れのような感情を覚えているからだ。言葉の続きを求めている様子のサアシャが傍から離れないのでタオタオは思い切って口をひらく。
「……………………タオもお前さんとおんなじようなこと思ってたからだよ
……!!」
「………ふぅん? へぇー?」
「あー、うるせえしらねえほら願い事書いて飾るぞ!!」
サアシャの反応が更にタオタオの心をいい意味でえぐったらしい。タオタオは踵を返し、オーナメントに入れ込む願いを記すための台に向かっていった。
その後についていくサアシャはにまにまと口許を緩めている。
大事な人のいちばんになれたなら、幸せ。お互いの手の中にある一番星がその証拠になってくれている。
「んふふ、照れてるタオちゃんも可愛いですです」
「ほら、これ」
幸いに浸るサアシャに向け、タオタオは誤魔化すようにペンを渡した。サアシャはツリーとカード、オーナメントを順番に眺めながら考えを巡らせる。
「お願い事は何にしましょうか。んー……」
色々なことが頭の中に浮かんだが、こうしてふたりでいるときに願うならば――。
(「タオちゃんが健康で長生きしてくれますようにー、ですかね」)
永く一緒に居られたら嬉しい。
純粋な思いを文字にして記したサアシャはメッセージカードをオーナメントに宿した。同じようにタオタオも願い事について思考を広げていく。
「タオの願い事ねえ……それなら、」
――『どこぞの狐っ娘の望みが叶いますように』
そのように書いたタオタオは、其処に小さな文字で『それを叶えるのがタオでありますように』と付け加えた。
「……ガラじゃなさすぎて笑えるな」
自分にしか聞こえないほどの声で呟いたタオタオは、ふ、と静かに笑う。
するとオーナメントを飾り終えたサアシャが手元を覗き込んできた。
「タオちゃんはお願い事、何にしたですー?」
「……え。見せねえぞ減るもん。ナイショ」
すぐにはっとしたタオタオはカードを手で隠し、教えないと答える。どうしてですかと言いたげなサアシャに対してタオタオは首を横に振ってみせた。それよりも、今は語りたいことがある。
「知ってるか、お嬢さん」
続けてタオタオは頭上を振り仰ぎ、ヤドリギを模したつくりになっているツリーをちょいちょいと指差した。
サアシャも倣って上に目を向け、きょとんとした様子で続きの言葉を待った。
「ヤドリギの下に居る可愛い子ちゃんにはキスしていいんだぞ」
「ふむり、そんなお話が」
「無用心だねえ、お嬢さん」
ちょうど上を向いているサアシャに対してタオタオが下を向けば良い体勢になる。
それはつまり――。
身構える暇すらなく近付く顔。其処に落とされたのは頬に触れるだけの、ちいさな口付け。ひゃっと思わず声を出したサアシャは自分の頬に熱が伝っていくような感覚を抱いた。
どぎまぎする彼女の様子を楽しげに眺め、タオタオはもう反対の彼女の頬に掌を重ねる。そうした理由は照れているサアシャが自分から顔をそらす行動を封じるため。
「……おや、どこにされると思った?」
「どこにって……それは、ここに……」
視線がまっすぐに重なる中、唇を指差したサアシャの頬が赤く染まっていく。先程の一番星の話に対して意趣返しが出来たと感じたタオタオは掌を離した。
何処に視線を向けていいかわからなくなってしまったサアシャは、広場の入口を指差す。
「ぷ、プレゼントもらえるらしいですよ。楽しみですねぇ!」
「おう、楽しみだな」
露骨に話を逸らすサアシャの姿を見たタオタオは、けらけらと笑った。そうして、ふたりは街の人々が用意してくれているという贈り物を受け取りに向かう。
揃いの箱の中、それぞれに入っていたのは可愛いトナカイがポップアップするクリスマスカード。
子供の手作りらしいカードを眺めるふたりは、あたたかな気持ちを抱いた。
そして、タオタオとサアシャは並んで歩いていく。
一番星の周りにたくさんの星々が輝く、美しい夜の最中を――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】がLV4になった!
【照明】がLV2になった!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV6になった!
朔・彗藍
リビト(g00145)と
こんなに大きなツリーに飾り付け出来るなんて
其れだけで特別な日になります
皆の願い事も届いて欲しい
ボックスを覗き込んで
サンタさんにスノードームに…
迷っちゃいますね
リビトはお魚さん!ふふ、可愛らしい
私は――此の白い折鶴と星を
鶴は長寿と吉兆を運んでくれるので一緒に!
掌に乗せふわりと微笑み返す
願い事、少し悩んで祈るのは
…クリスマスの今日だけ、此の我儘を
きっと許してくれますよね
「リビトと、出来るだけ永く一緒の時間を遊べますように」
掛けられた声に少し慌て
はい、ばっちり書けましたよう!
早速飾りま…もっと高いとこ…
リビトの海色の瞳をじっと見つめ
また、お願いできますか…?
やっぱり少し心臓は高鳴って
飾った折鶴星と隣り魚もゆらり游ぎ
天辺星まで見えるように
そうですね
リビトのも聞いてみたかったですが
――今は秘密に。人差し指をくちびるに当て片目を瞑り
わ、贈り物まで貰っちゃいました
有難う、と丁寧に御礼を返し
ぷれぜんとを大事にぎゅっとして綻ぶ笑顔
足取り弾んで
楽しみです、見せ合いっこしましょうね
津・リビト
彗藍(g00192)と
大きなくりすますつりーだな
可愛らしいおーなめんとが飾れていて綺麗だ
きっと沢山の願い事が書かれているんだろうな
彗藍は何を飾るのだろうか
色んな形のものが入っているんだな
まるでおもちゃ箱のようだ
――よし、俺はこれに決めた
魚の形をしたおーなめんとを手に取り微笑む
ふふ、とても頼もしい折鶴と星だな
どんな願いも運んでくれそうだ
願い事……か
何を書こうか迷ってしまうな
ふと、隣で真剣に書く彗藍の横顔を眺めて思い付く
「彗藍の願い事が叶いますように」
書けたか?そしたら、飾りに行こうか
つりーの元に辿り着いたら
また高いところに飾るか?なんて、首を傾げて
そっと彗藍を持ち上げ飾り付ける姿を見守り
折鶴星の隣に魚を付ける
――彗藍はどんな願い事を書いた?いや、聞かない方が良いだろうか
それなら、お互い秘密だな
贈り物を貰えたらありがとう。と、お礼を告げ
彗藍の嬉しそうな顔が眩しくて
俺にとってその笑みが何より素敵な贈り物だ
なんて思ったのは秘密だ
あっちのべんちに座って一緒に開けようか
何が入っているのか楽しみだな
●想い重ねて
広場を彩る光が照らす先にあるのは大きなクリスマスツリー。
誰かの願いを宿したオーナメントが飾り付けられ、光を反射する様は宝石箱を覗き込んでいるかのよう。
わあ、と楽しげな声を響かせた朔・彗藍(ベガ・g00192)はツリーを見上げる。こんなに大きくて素敵なツリーに飾り付けが出来るなんて、と考えるだけで心が躍る。
「大きなくりすますつりーだな」
「ですねえ。これだけで特別な日になります」
津・リビト(釣人・g00145)も彗藍の後から広場に入り、思ったままの感想を声にした。こくりと首を縦に振ってみせた彗藍はわくわくした気持ちを強める。
「可愛らしいおーなめんとが飾れていて綺麗だ。きっと沢山の願い事が書かれているんだろうな」
輝く星、煌めく月や可愛らしいハート。
目に留まったオーナメントにはきっと、大切な思いが宿されているはず。リビトの言葉に感慨深さが込められていることに気付き、彗藍は尊さを感じた。
「皆の願い事も届いて欲しいですね」
天高く、空の彼方まで。これほどに大きなツリーならばそのように願っても良いかもしれない。
願いは人々の心に抱く希望となって、未来に繋がっていくはずだから。
彗藍とリビトはそれぞれの思いを抱き、オーナメントが置かれているボックスの方に歩んでいった。その際に少女がふたりのもとに訪れ、ディアボロスのために用意されたプレゼント箱を渡してくれる。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
「わ、贈り物まで貰っちゃいました。有難うございます」
リビトと彗藍は快くプレゼントボックスを受け取り、受け渡し役の少女に礼を告げた。すると少女はぱぁっと笑顔を咲かせ、嬉しそうな表情を見せる。
「いいえ、いつも頑張ってくださってる皆さんにこそありがとうです」
メリークリスマス、と付け加えた少女は手を振り、次のディアボロスにプレゼントを渡しに向かっていった。
「いいこですねえ」
「世界はありがとうで繋がっていくのかもな」
その背を見送った後、彗藍たちはオーナメント選びに入った。
彗藍はボックスを覗き込みながら、気になった形のものを手にとってじっくり眺める。
「サンタさんにスノードームに……迷っちゃいますね」
「きらきらしている。ルアーみたいだ」
彗藍が何を飾るのだろうかと樹にしながら、リビトも選びに入った。様々な形のものが入っているボックスはまるで夢を詰め込んだおもちゃ箱のようだ。
その中でリビトは自分にぴったりのオーナメントを見つける。
「――よし、俺はこれに決めた」
「リビトはお魚さん! ふふ、可愛らしい」
聞こえた声に顔を上げた彗藍は、その手の中に魚の形をしたものがあることを知った。それなら、と心を決めて箱に視線を下ろした彗藍はいちばん惹かれたものをすくいあげる。
「私は――此の白い折鶴と星を」
「ふふ、とても頼もしい折鶴と星だな」
「鶴は長寿と吉兆を運んでくれるので一緒に!」
「どんな願いも運んでくれそうだ」
掌に乗せたオーナメントをリビトに見せた彗藍は、ふわりとした微笑みを返した。それからふたりは願い事を書くためのメッセージカードを手にした。
願い事と一言でいっても、何を記すかは少しばかり悩んでしまう。
それでもやはり、祈りたいことがある。彗藍は心に浮かぶ思いを素直に書き記そうと決めていた。
(「……クリスマスの今日だけ、此の我儘をきっと許してくれますよね」)
『リビトと、出来るだけ永く一緒の時間を遊べますように』
文字として書くことで思いがいっそう強まった気がする。
これでいいと考えてペンを置いた彗藍の隣、リビトも願い事について考えていた。
「願い事……か」
何を書こうか迷ってしまうのは彼も同じ。その中でふと、先程まで真剣に願いを書いていた彗藍の横顔を思い出す。内容を覗き込んで読むようなことはしなかったが、その表情はとても印象的だった。
『彗藍の願い事が叶いますように』
彼女と一緒にいる今、自分の願いはこれがいいとして、リビトは何度か頷く。そうして、リビトは書いたカードに間違いがないか眺めている彗藍にそっと声を書く。
「書けたか?」
「はい、ばっちり書けましたよう!」
掛けられた声に少し慌ててしまった彗藍だったが、すぐに明るい笑みを浮かべた。
飾りに行こうかと言葉を続けたリビトにこくりと頷き、彗藍もツリーの方に歩いていく。手を伸ばした彼女の傍ら、リビトは頭上を振り仰いだ。
「また高いところに飾るか?」
「早速飾りま……もっと高いとこ……」
首を傾げるリビト。その声を聞き、言葉を途中で止めた彗藍は彼の海色の瞳をじっと見つめた。
「また、お願いできますか……?」
「いいぞ」
遠慮がちな申し出を受け止めたリビトはそっと彗藍を持ち上げ、飾り付ける姿を見守る。心臓が高鳴っていることを自覚している彗藍はもう一度、腕を伸ばす。
彗藍が飾った折鶴星に隣り合うようにリビトが魚を飾れば、ゆらりと游ぎ出したように見えた。
どうか、天辺星まで見えるように。
そうっと願いを込めた彗藍は地面に足をつけ、リビトに礼を告げた。
「彗藍はどんな願い事を書いた? ……いや、聞かない方が良いだろうか」
「そうですね、リビトのも聞いてみたかったですが――今は秘密に」
「それなら、お互い秘密だな」
人差し指をくちびるに当て、片目を瞑った彗藍は静かに笑う。リビトの気遣いは嬉しくて、それだけで幸いが満ちた。こうして願いと思いを飾ったならば、後はお楽しみが残っている。
「ぷれぜんと、あけてみますか?」
「何が入っているんだろうな」
先程に受け取っていたプレゼントを大事にぎゅっと抱きしめた彗藍は綻ぶ笑顔を見せた。
足取りを弾ませ、近くのベンチに腰を下ろした彗藍はリビトを呼ぶ。
「見せ合いっこしましょう」
「楽しみだな」
「せーの」
リボンを解き、箱の蓋を開ける。其処に入っていたのはクリスマスのお菓子詰め合わせだ。手作りらしいブール・ド・ネージュにフィナンシェ、それからミニチョコレート。
美味しそうです、と声にした彗藍はとても嬉しそうだ。その顔が眩しくて尊く感じたリビトは目を細めた。
その笑みが何より素敵な贈り物。
なんて、そんなことを思ったのはリビトだけの秘密。
「いっしょに食べてみますか?」
「いいな、くりすますの思い出がまたひとつ増える」
「はいっ」
彗藍とリビトはあたたかな気持ちになる贈り物をひとつずつ大切にあけ、その甘さを味わっていった。
特別で大切なひとときこと。
この思い出は、淡雪のように真白で純粋な記憶となって降り積もってゆく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【寒冷適応】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
レックス・ウェリタス
ミア(g07746)とレグルスと
願いの分だけ大きくなったみたい
名前通り願いのクリスマスツリーだね
ミアも探してる子は――あっ、にゃんこ探してたんだね?
わ、クリスマスレグルスみたい!
僕はね……ごそごそ
案外あるなあと大小の魔法のランプがふたつ連なったもの
エジプトの先遣隊の思い出で願うには調度良いかなって
ん?
レグルスは……嗚呼、僕らが探し回ったハンバーガー
ふふ、気に入ってたんだ
ミア、やっぱり願い事苦手そうだなあ
助け船でもと思って願いごとを聞いてみよ
レグルスのことを願ってみたらって言おうと思ってたのに
僕まで入ってる……とちょっとじんわり
なら僕はこれかなとさらさら
『ミアがこの世界を楽しみ尽くせますように』
いつかくるその時までね
僕はミアのことも溢したくないからさ
あ、レグルスのはこれ
『みんな仲良くいっぱい食べたい』
色々食べれるようになって欲も出てきたみたい
贈り物はなんだったかな
レグルスは貰えたら嬉しいね
無理でも僕とお揃いなら、お前も嬉しいでしょ?と昔名残
ね、ミアはなに貰ったの?
良ければ見せてと秘密ひとつ
ミア・メア
ロイ(g07184)とレグルスと!
すごい!大きなクリスマスツリーですねえ
新宿の人々の願いを受け止めるのに相応しい大きさです
先ずはオーナメントを選ぶのですね
実はこれと思っているものがありまして
箱の中を丁寧に探して――ありました!
こんなコを探していたのですよ。にゃんこさんのオーナメント!
サンタ帽子を被っていて愛らしい
ほら、とレグルスの前に近づけてみたり
ロイは魔法のランプで、レグルスはハンバーガーですか!
んふふ、我々の想い出が形になっているようで
気持ちが温かくなりますの
願い……願い、ですか
ミアは自分の願いを考えるのが少し苦手です
何をどうしたらいいのか分からなくなってしまうので
でも、うん、そうですね
『ロイとレグルスが、この世界で何かを溢す事がありませんように』
うんうん!これでいきますっ
ロイは一体何を書いたのでしょう
お隣のカードを覗いてみると
……わあ
ロイがミアの代わりに願って下さったので
嬉しいと同時に、何処かホッと
レグルスの願いは可愛らしいです
贈り物は大切に持ち帰りますの
せーの、で見せっこします?
●想いを繋いで
鮮やかな色彩と輝きはより強く、幻想的な雰囲気を作り出している。
オーナメントが飾られたクリスマスツリーは大きく、色とりどりの飾りのひとつずつが幸せの欠片であるかのようだ。
「願いの分だけ大きくなったみたい」
「すごい! 大きなクリスマスツリーですねえ」
レックス・ウェリタス(Memento mori・g07184)は目の前にあるツリーを見上げる。ミア・メア(璃々・g07746)はレグルスと一緒に願いの樹を振り仰ぎ、抱く楽しさを言葉に変えた。
「名前通り、願いのクリスマスツリーだね」
「新宿の人々の願いを受け止めるのに相応しい大きさです」
既にたくさんのオーナメントが飾られているが、このクリスマスツリーはまだまだ皆の願いを受け止めてくれそうだ。イルミネーションを反射して揺れる可愛らしいオーナメントを見て、ミアは明るく笑む。
其処に自分たちも思いを重ねるべく、レックス達は広場に進んだ。
「先ずはオーナメントを選ぶのですね」
「わ、たくさんだ」
置かれていたボックスを覗き込んだレックスとレグルスは様々な形のものに興味を示す。ミアはさっそく手を伸ばし、お目当てのものを探していく。
「実はこれと思っているものがありまして」
「ミアの探してる子は――」
「ありました!」
ミアが箱の中から丁寧に取り出したのは可愛い猫のオーナメントだ。その形を眺めたレックスはミアが心に決めていた理由をすぐに理解した。レグルスもそのことに気付いたのか、ミアの手元に視線を注いでいる。
「あっ、にゃんこ探してたんだね? クリスマスレグルスみたい!」
「そうです。こんなコを探していたのですよ。にゃんこさんのオーナメント!」
レックスが感想として語った通り、このオーナメントはサンタ帽子を被っていて愛らしい出で立ちをしている。ほら、とレグルスの前に近づけてみたミアはとても満足そうだ。
ミアとレグルスはオーナメントを使ってじゃれあい、楽しげに過ごしている。
そうなれば次はレックスが選ぶ番。
「僕はね……」
案外あるなあ、と声にしながらレックスが選んだのは大小の魔法のランプがふたつ連なったもの。
それはエジプトの先遣隊の思い出。自分が願うにはちょうど良いものだと感じたからだ。すると、レグルスも箱の中に前足を伸ばした。どうやらオーナメントを選びたいようだ。
「ん? レグルスも……?」
「ロイは魔法のランプで、レグルスはハンバーガーですか!」
ミアがオーナメントを取るのを手伝ってあげたことでレグルスも満足そうな様子だ。レグルスが選んだものに納得したレックスは微笑ましさを抱く。
「嗚呼、僕らが探し回ったハンバーガー」
「んふふ、我々の想い出が形になっているようで気持ちが温かくなりますの」
「ふふ、気に入ってたんだ」
これまでに歩んできた道、選んできたもの、楽しかった記憶。
それらがすべて重なった思い出の形が此処に集っている。あとはメッセージカードを貰って願いを記し、このオーナメントと一緒にツリーに飾るだけ。だが、ミアはちょっとばかり悩んでしまっていた。
「願い……願い、ですか」
「大丈夫?」
「いざ自分の願いを書くとなると思いつかなくて……ミアはこういうものが少し苦手です」
レックスが声を掛けるとミアは素直な思いを口にする。
何をどうしたらいいのか分からなくなってしまうらしい。しかし、それならばレックスが助け船を出せば良い。願いごとが思いつかなくて纏まらないならば、音として声に乗せてみれば変わるかもしれない。
「たとえば、レグルスのことを願ってみたら――」
「レグルスの……でも、うん、そうですね」
「決まった?」
「はい!」
レックスの声掛けによってミアの思いも固まっていったらしい。元気よく返事をしたミアはペンを取り、カードにさらさらと願い事を記していった。
『ロイとレグルスが、この世界で何かを溢す事がありませんように』
「これは……」
「うんうん! これでいきますっ」
「レグルスだけじゃなくて僕まで入ってる……」
レックスはミアが自分のことまで思っていてくれたことにじんわりとした感動を覚えた。そのお返しになるかはわからないが、それなら、とレックスも願い事を書いてゆく。
『ミアがこの世界を楽しみ尽くせますように』
いつかくる、その時まで。
僕はミアのことも溢したくないのだと話せば、ミアの瞳が嬉しげに緩められる。
「……わあ」
「この願いが一番だと思って」
「ロイがミアの代わりに願って下さったのですね」
カードに記されている文字を読みながら、ミアはほっとした思いを抱いた。そうしてレックスは翼猫の分のカードを用意していく。せっかくオーナメントを選んだのだから人数分の願いも必要だ。
「あ、レグルスのはこれ。『みんな仲良くいっぱい食べたい』だね」
色々と食べられるようになって欲も出てきたみたいだとレックスが語ると、レグルスは尻尾をふんわりと揺らした。
「レグルスの願いは可愛らしいですね」
穏やかで楽しくて、嬉しい。
ふたりと一匹は願いを宿したオーナメントをツリーに飾り、どれもがいつか叶うように祈った。
そうしているとふたりのもとに元気そうな少年が訪れる。
「こんばんは、メリークリスマス!」
プレゼントボックスを手にしている彼はディアボロスに贈り物を渡す係になっているのだろう。挨拶を返したミアとレックスは少年が差し出した贈りものを受け取った。
「わわ、ありがとうございます」
「そっちの可愛い猫さんもどうぞ!」
「レグルスも貰えるなんて嬉しいね。どうもありがとう」
もしかすればレグルスは貰えないかと思っていたが、ミアとレックスと同じ小箱を渡して貰えた。レグルスはふわふわと飛んで少年の周りをまわった。
それからふたりは少年を見送り、手にした小箱を嬉しそうに眺める。
「ね、ミアはなに貰ったの?」
「一緒に確かめてみましょう。せーの、で見せっこします?」
「いいね、それじゃあ……」
――せーの。
声を揃えてリボンを解けば、箱が開いてゆく。その中に入っていたのはアロマキャンドルだった。
ミアは林檎の形で、レックスとレグルスはお揃いの雪だるま。
顔をあげて視線を重ねたふたりは、今日という日を彩る贈り物を思いながら双眸を緩める。その瞳には未来を思う心と希望の灯火が宿っているようで――。
楽しくて尊い思い出の数々。それは今、此処でも紡がれている。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】がLV3になった!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【アヴォイド】がLV3になった!
五百雀・翠
【ミント】
さてさて、お腹も満たされた事だしオーナメント飾りにいくか。
…ん?まだ腹減りか?食い過ぎたらサンタさん来ないぜ?
元気よく駆け出してく弟分たちな微笑ましく見て、ゆっくり歩いて行こう。
本当に、こんなのんびりとクリスマスをすごすなんて新宿が島になった時は想像できなかったよ。
さて、何を飾るか。
目に入った淡い緑のふかふか狐のオーナメントを1つ。
莱と色違いか。いいかもな。
しかしモーラット型もあるのか。
ん。蕙は抱っこ…じゃなくて肩車のがいいか。気をつけろよ?
肩を貸してやろうか。
ん?けだまの星やるか?
てっぺんまで行けそうなら見守るし無理そうなら蕙のついでに頭の上に乗せてやろう。
願い事、願い事なあ…。
「Minzeの皆やマスター、常連さんたち。誰一人として欠ける事なくすごせますように」かな。
なにかと新宿島は狙われるからな。来年も全員でメリークリスマスを言うんだから。
プレゼントはなんだろうなと。
俺も気になるからカフェに帰る前に開けちまうか。
って、おっと。けだまは割り込むなって。皆は何をもらったんだ?
葉古森・莱
【ミント】
けぷっ、ちょっとだけ食べすぎちゃった気がする…
そうそう、オーナメントのかざりつけもしなくちゃだったね
えへへ、いくぞー(真似っこ)
オーナメントはどうしようかな
どれもきれいで迷ったけど、紫色の狐のかざりにしてみようかな
翠さんと色違いと思ったら、つい
けだま、どうしたの…あ、モーラットのかざりなんてあったの?
じゃあけだまの分はこれにしよっか
そういえばけだまは今年もけだまの星をしに行くの?(少し期待している)
願い事も書けるなんて、なんだから七夕の短冊みたい
じゃあ、『マスターといつものお客さん、新宿島にきてからの家族、みんながけがも病気もしないですごせますように』っと…
この前の戦争で新宿島が狙われたから、今はそれが一番なの
もちろんけだまも大切な家族で、最初の友だちだからね!
あ、翠さんの肩車、蕙くんいいなぁ
きっと二人の願いごともお空に届くよね
プレゼント、何がもらえるのかな
すごくそわそわしちゃうね
もらったらカフェに帰る前に開けちゃいそう
けだまぁ、気になるからってそんなに体を押し付けないでよぉ!
枸橘・蕙
【ミント】
おなかもちょいと、……(ソーセージとか色々思い出し)(たべたりない)
……ちょいとふくれたところで!くりすますつりー!いくぞー!
(星型のオーナメントをもって)
すいにーちゃん、おれ、高いとこかざりたい!
けだまの星よりもたかーく!……あれ、けだま星しないのか?
おれ、願いごと、たっくさん書いたんだ!
「サンタさん来ますように」とか「ばんごはんは好きなのが出ますように」とか、あと「明日のおやつはケーキがいい」とか
あと来年もまた、すいにーちゃんと、らいと、ミントのみんなと!
クリスマス楽しくすごして、「たのしかった!」って言えますようにって
『ミントのみんな』ってところがだいじ!みんな元気で、新宿島も元気で!って気持ちで、めちゃくちゃでっかく、デコって書いといた!
プレゼント、おれはいい子だからがま……がまん……
あっあっ、にーちゃんもらいも、開ける?じゃあおれも!
何がもらえたんだろーなー
けだまにも見せてやるよ、おれのプレゼント!
●願い事と甘い贈り物
祝祭で賑わう通りを越え、一行は目的の場所に向かっていく。
気持ちまで満たされた感覚を抱きながら、枸橘・蕙(そらを描く・g02980)はお腹の具合を確かめる。
「おなかもちょいと
、…………ちょいとふくれたところで!」
「けぷっ、ちょっとだけ食べすぎちゃった気がする……」
たっぷり間を取った蕙はおなかがいっぱいになりかけているということを隠す。葉古森・莱(迷わし鳥・g04625)もちょっと、という言葉を強調しながら周囲を見渡した。
辺りのイルミネーションは相変わらず綺麗なまま。輝く光に導いてもらっているようだと感じながら、五百雀・翠(夕月夜・g03977)は先を示す。
「さてさて、お腹も満たされた事だしオーナメント飾りにいくか」
「くりすますつりー! いくぞー!」
「そうそう、オーナメントのかざりつけもしなくちゃだったね。えへへ、いくぞー」
翠の言葉を受けて意気込む蕙。その真似っこをした莱が片手をあげる。するとモーラット・コミュのけだまが食べ物屋台の方を向いたままふわふわと身体を揺らす。
「……ん? まだ腹減りか? 食い過ぎたらサンタさん来ないぜ?」
「もっきゅ!」
翠が声を掛けたことでけだまは大人しく莱の頭の上に乗った。
そうして進んでいけば大きなクリスマスツリーが立てられている広場に到着する。いこうぜ、といって手を振った蕙に莱が頷き、少年たちは元気よく駆けていった。
翠は弟分たちの様子に微笑ましさを抱き、その後をゆっくりとついていく。
「本当に、こんなのんびりとクリスマスをすごすなんて新宿が島になった時は想像できなかったよ」
その際に零したのは感慨が宿った一言。
思えば、あの未曾有の危機の最中では未来など見通せなかった。ずっと世界がこのままなのかもしれないという不安や懸念が過ぎったこともあった。それでも諦めず、進んできたのが今だ。
未だ世界のすべてを取り戻した訳では無いが、ディアボロスは着実に未来を手にしている。
その過程が今であり、願いを飾るのも先を見据えてのこと。
それにはまず此処に用意されたオーナメントを選び、願い事を記す必要がある。
「すげー、でっけー!」
「おおきいね。遠くからも見えたけど、近くで見るともっとおおきくみえるね」
「もきゅきゅ」
少年たちはクリスマスツリーを見上げてはしゃいでいた。蕙はぴょんぴょんと跳んで手を伸ばし、莱とけだまはツリーに飾られたオーナメントをひとつずつ眺めている。
翠は楽しげな様子を見守った後、オーナメントが入れられているボックスに近寄っていく。
「さて、何を飾るか」
「オーナメントはどうしようかな」
「おれもえらぶ!」
そうしていると莱と蕙も翠のもとにやってきた。
楽しく選べよ、とふたりと一匹に告げた翠はさっそくオーナメントに視線を落とす。そのとき目に入ったのは淡い緑のふかふか狐のオーナメント。
これがいいと直感した翠はオーナメントを手に取った。
同じように莱も箱の中を吟味している。その中で気になったものを手にしてみると、なんだかしっくり来た。
「どれもきれい……。でも、やっぱりこれかな」
少し迷う気持ちもあったが、莱は紫色の狐の形をしたオーナメントを選ぶ。それに気付いた翠は莱の手の中にあるそれを見つめ、静かに笑った。
「莱と色違いか。いいかもな」
「うん、翠さんと色違いと思ったら、つい」
ふたりが微笑み合っていると、隣でけだまがボックスをごそごそした後にぴょこんと飛び上がった。
「けだま、どうしたの」
「きゅ!」
「あ、モーラットのかざりなんてあったの? じゃあけだまの分はこれにしよっか」
「モーラット型もあるのか」
「もきゅー!」
嬉しそうなけだまと莱はツリーの方に戻っていく。翠は感心しながらその後に付いていった。視線をクリスマスツリーに向けると、其処には既にオーナメントを選んだ蕙がいた。
その手には星型のオーナメントがある。
「すいにーちゃん、おれ、高いとこかざりたい!」
「ん。蕙は抱っこ……じゃなくて肩車のがいいか。気をつけろよ?」
肩を貸してやろうか、と語りかけた翠は少年に手を伸ばす。その横では莱がけだまを見遣り、去年のことを思い返していた。たしかあのときは――。
「そういえばけだまは今年もけだまの星をしに行くの?」
「けだまの星よりもたかーく! ……あれ、けだま星しないのか?」
「ん? けだまの星やるか?」
三人の視線が一斉に向けられたことで、けだまは飛び上がった。聞かれるまでは考えていなかったが期待を寄せられているならばやる、といった様子だ。
天辺までふよふよと向かっていくけだまを見上げ、翠は軽く手を振った。蕙のついでに頭の上に乗せてやろうかとも思ったがこの大きなツリーの一番上に行くには翠が数人必要そうだ。
それから、蕙は翠の肩を借りてオーナメント飾った。
「翠さんの肩車、蕙くんいいなぁ。もうお願いごとを書いたんだね」
「おれ、願いごと、たっくさん書いたんだ!」
莱は蕙が記したことに興味を示す。胸を張った少年は自分の願いを披露してゆく。
ひとつめは『サンタさん来ますように』、次は『ばんごはんは好きなのが出ますように』。
あとは『明日のおやつはケーキがいい』など。
くすりと笑った莱は楽しさを抱く。その頃にはけだまも天辺についており、満足気に漂っていた。
「願い事も書けるなんて、なんだから七夕の短冊みたいだね」
じゃあ、莱が書き出したのは――『マスターといつものお客さん、新宿島にきてからの家族、みんながけがも病気もしないですごせますように』ということ。
「もきゅ?」
「もちろんけだまも大切な家族で、最初の友だちだからね!」
地と天の間で莱とけだまが頷く中、翠も自分が書く願い事について考えていく。
「願い事、願い事なあ……それなら」
――『Minzeの皆やマスター、常連さんたち。誰一人として欠ける事なくすごせますように』
メッセージカードにそう記した翠は更に言葉を続ける。
「なにかと新宿島は狙われるからな。来年も全員でメリークリスマスを言うんだから」
「そうだな、メリークリスマス!」
「この前の戦争で新宿島が狙われたから、今はそれが一番なの。それにきっと二人の願いごともお空に届くよね」
願い事をオーナメントに宿した莱と翠は頭上を振り仰いだ。
蕙も改めてツリーを瞳に映す。
「あと来年もまた、すいにーちゃんと、らいと、ミントのみんなと! クリスマス楽しくすごして、『たのしかった!』って言えますようにって書いたぜ」
「おう、流石だな」
「蕙くん、本当にいっぱい書いたんだね」
「願いが『ミントのみんな』ってところがだいじ! みんな元気で、新宿島も元気で!って気持ちだぜ」
めちゃくちゃでっかくデコったのだと主張した蕙は得意げだ。
皆で楽しく笑い合っていると、其処に一般人らしき少年が駆けてきた。こんばんは、と元気よく声を掛けてきた少年に三人も挨拶の言葉を返した。
「メリークリスマス! ディアボロスのひとたちにプレゼントを持ってきたよ」
差し出されたのは街の皆で作ったというお菓子の詰め合せらしい。
中身は開けてのお楽しみ、ということで少年は満面の笑みを浮かべた。三人がそれぞれにお菓子の小箱を受け取ると、けだまが急いでツリーから降りてきた。
少年はけだまにも小箱を渡した後、手を振ってその場から去っていく。
「ありがとなー!」
蕙が大きく手を振り返して見送る中、翠と莱はプレゼントボックスをじっと見つめていた。
「中身はなんだろうな」
「プレゼント、何がもらえたのかな。すごくそわそわしちゃうね」
「何がもらえたんだろーなー」
「俺も気になるからカフェに帰る前に開けちまうか」
「プレゼント、おれはいい子だからがま……がまん……あっあっ、にーちゃんもらいも、開ける? じゃあおれも!」
帰るまでのおあずけだと思っていた蕙に対し、ふたりは開ける気満々。
全員一致で決まったことで皆が視線を交わす。
「そうしよ……って、けだまぁ! 気になるからってそんなに体を押し付けないでよぉ!」
「って、おっと。けだまは割り込むなって」
「けだまにも見せてやるよ、おれのプレゼント!」
開けようとしたところにけだまが級に割り入ったことで莱が慌てる。それを止める翠と、箱を開けてみせてやる蕙。いつも通りの賑やかさが巡っていく中、ひらかれた箱の中は――。
トナカイ型クッキーにカラフルなマカロンとサンタマジパンが乗ったカップケーキ、それから銀のアラザンが飾られたトリュフチョコレート。様々なお菓子は少年たちを喜ばせるには十分なものだ。
「はやくかえろーぜ!」
「みんなで分けて食べよう。けだま、いくよ!」
「急がないとけだまが食っちまいそうだからな」
それぞれの思いを言葉にしながら、三人と一匹は歩いていく。
自分たちが帰るべき、あの場所へと――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】がLV2になった!
【託されし願い】がLV3になった!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
エイレーネ・エピケフィシア
無二の戦友クロエ様(g08917)と共に参加します
おお、これがクリスマスの街並み……!
去年新宿島に流れついた時には、状況の整理と戦いに手一杯で、何も見られませんでしたね
……もっとも、あの時はそれでよかったのだと思います
漂着するや否や戦支度に取りかかったからこそ、あなたと出会い、共に戦えたのですもの!
東京二十三区の帰還で、新宿島も随分と賑やかになりました
喜ばしいことですが、現代の人混みには圧倒されてしまいますね
人波に押し流されない方法を少し考えて……クロエ様の手を固く握ります
これで安心ですっ!
二人手を繋ぎながら、クリスマスマーケットの通りを歩いていきましょう
暖かな食べ物を口にしつつ、ボール入れも楽しみます
はぁっ!
……む、外した!? 投擲には自信があったのですけれど……
ああ……誰にも憚ることなく一緒に市場を見て回れるとは、こうも楽しいものなのですね
故郷では女性だけでの散策など考えられませんでした
この善き時代に、無二の友と共に平和な街を楽しむ……これ以上の幸福は、そう思いつくものではありません
クロエ・アルニティコス
一番の親友のエイレーネ(g08936)とともに。
新宿島に流れ着いて……そして、あなたと出会ってから、もうそんなに経つんですね。
いえ、まだ一年というべきでしょうか。
あなたとはずっと一緒に戦ってきた、そんな気さえするのですから。
えぇ、こうも人が多くては……エ、エイレーネ!?
いえ、まさか嫌などということはありません……はい、このままで。行きましょう。
戦場では隣に立って戦うことはあれどお互い武器を持つ身、中々ない触れ合う機会に頬を染めつつそっと握り返し、街並みを歩きます。
ふふ、槍とは勝手が違うようですね。
ここは私が……はっ……とっ……えいっ……!
むむむ……こうも入らないのは悔しいですね。
またリベンジに来ましょう……次も、またふたりで。
えぇ、亜人への怒りは、憎悪は。決して損なわれるものではありません。ですが。
新宿島へと流れ着いたことで、あなたと会え、こうして共に生きることができる。
……その幸福についてだけは、感謝してもいいでしょう。
●触れる幸せ
これまでに過ぎ去った日々を思えば、様々な感情が浮かんでくる。
色鮮やかな光に包まれた街並みは美しく、これまでに起こった世界の不幸が嘘であったかのようでもあった。
しかし、これも平穏な日々を取り戻せているという証。
クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)が過去を思う中、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は目の前の光景に感嘆の言葉を紡ぐ。
「おお、これがクリスマスの街並み……!」
見てください、と行く先を示したエイレーネは煌めく景色を瞳に映す。
夜の街を彩るイルミネーションは優しい輝きを放っていた。色とりどりの光が織り成すコントラストは美しく、祝祭のひとときを煌めかせている。
「去年は状況の整理と戦いに手一杯で、何も見られませんでしたね」
「新宿島に流れ着いて……そして、あなたと出会ってから、もうそんなに経つんですね」
以前のことを思い返したエイレーネとクロエは街並みを眺めた。
どちらともなく歩き出せば、自然と隣に並ぶ歩調になる。エイレーネは行き交う人々が笑顔でいることを確かめながら、静かに語っていく。
「……もっとも、あの時はそれでよかったのだと思います」
漂着するや否や戦支度に取りかかった。
だからこそエイレーネはクロエと出会い、共に戦えた。偶然でありながらも必然だったかもしれない巡り合わせに思いを馳せるエイレーネの横顔を見つめ、クロエはそっと頷く。
「あれからもう一年……。いえ、まだ一年というべきでしょうか」
どうしてか、あなたとはずっと一緒に戦ってきた気がする。出逢ってからの年月を数えることも大事だが、時間の長さは関係がないのかもしれない。そんな風に思えた。
ええ、と答えたエイレーネは双眸を細める。
戦い続けてきた結果、東京二十三区の帰還が成された。それによって新宿島も随分と賑やかになったものだ。
クリスマスマーケットという、賑わう催しがこれほどに楽しげな雰囲気なのも頷ける。元気よく駆けていく少年。危ないよ、と声を掛けながらその後をゆっくりと追っていく両親。楽しげにあたりを見回す若い女の子達や、腕を組んでいる男女、それに初々しく手を繋いでいる二人組。
たくさんの人がそれぞれの大切な人と過ごしている光景は心温まるものだ。
エイレーネは人々の様子を楽しく見つめる。
「この光景は喜ばしいことですが、現代の人混みには圧倒されてしまいますね」
「えぇ、こうも人が多くては……」
もしかすればこのまま人波に押し流されてしまうかもしれない。エイレーネは少しばかり考えた後、クロエに手を伸ばした。クロエ様、と声を掛けたエイレーネはその手を固く握る。
「エ、エイレーネ!?」
「これで安心ですっ!」
「で、ですが……」
「嫌でしたか?」
急に手を握られたことでクロエの声が上擦る。はっとしたエイレーネが首を傾げて聞いてきたことで、クロエは慌てて首を横に振る。握られた手が離れてしまうことの方が今は惜しい気がした。
「いえ、まさか嫌などということはありません」
「良かった。では、はぐれないようにこのままで」
「……はい、このままで。行きましょう」
エイレーネの言葉に首肯したクロエは、そうっと手を握り返す。戦場では隣に立って戦うことはあれど、普段はお互い武器を持つ身。互いの熱に触れ合うことなど中々なかった。
クロエは頬を染めつつ、エイレーネと共にクリスマスマーケットが広がる道を歩いてゆく。
道行く先には様々な屋台が並んでいた。
芳しい香りが漂うソーセージ盛り合わせの店、じっくり煮込まれたシチューを振る舞う店。ホットチョコレートやココア、それに甘いものの店。ふたりで手を繋ぎながら巡る店々は心も身体も満たしてくれた。
「次はあちらに挑戦してみますか?」
「ボール投げゲームですか、やってみましょう」
エイレーネとクロエは遊技屋台を見つけ、ふたりで遊んでみることにした。ルールは単純明快だが、前にやっていた子供たちが苦戦していたのでやりごたえがありそうだ。
まずはエイレーネの番。
受け取ったボールを握り、構えたエイレーネは一気に投擲する。
「はぁっ!」
「あ……」
「……む、外した!? 投擲には自信があったのですけれど……」
一投目は残念ながら外れ。
されどまだまだ挑戦権はある。クロエは二投目を担うと告げ、一歩前に出た。
「ふふ、槍とは勝手が違うようですね。ここは私が……」
「頑張ってください」
エイレーネからの応援を受けたクロエは静かに意気込み、更にボールを投げていき――。
「はっ……とっ……えいっ……!」
「惜しい……!」
「むむむ……こうも入らないのは悔しいですね」
「いいえ、もう一回です」
結果、何度か挑戦したのだがクロエもエイレーネも惜しいところでゴールを外してしまった。だが、その手の中には参加賞であるおそろいのキーホルダーがあった。
雪だるまの形をした可愛らしいマスコットは今日の思い出の形だ。
「またリベンジに来ましょう……次も、またふたりで」
「そうですね、絶対に。それにしても――ああ……」
「どうかしましたか、エイレーネ」
感慨深そうにしている彼女の様子に気付き、クロエは問いかけてみる。するとエイレーネは改めて辺りに視線を巡らせ、今という時間が尊いと語った。
「誰にも憚ることなく一緒に市場を見て回れるとは、こうも楽しいものなのですね」
「えぇ……」
故郷では女性だけでの散策など考えられなかった。
亜人への怒りや憎悪。それらは決して損なわれるものではない。だが、クロエもまたエイレーネと同じ楽しい気持ちを抱いていた。それほどに新宿島は平穏で優しい雰囲気に満ちている。
――あなたと会え、こうして共に生きることができる。
クロエはエイレーネの瞳に映る幸福を感じ取り、穏やかな笑みを咲かせた。
この善き時代に、無二の友と共に平和な街を楽しむ。
「……これ以上の幸福は、そう思いつくものではありません。ねぇ、クロエ様」
「その幸福についてだけは、感謝してもいいでしょう」
エイレーネが紡いだ言の葉はいとおしさに満ちており、クロエもこの時間の尊さを改めて確かめる。そうして、ふたりは再び手を繋いで歩き始めた。このぬくもりを手放したくないと願いながら――。
進む先にもまた、幸いが巡るはずだと信じて。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV7になった!
花園・翠
佐伯(g08231)と
僕自身クリスマスに人と出かけること自体があまりなかったんだが…
確かにこれは見事だな
選んだのは丸っこい姿が可愛い鳩
いや、カプセルだから多少丸っこくても仕方ないし別に可愛いからとかでは…!いや、確かに可愛いものはみんな大好きだが…!(墓穴)
(一息ついて)…鳩は『平和』の象徴。いつか故郷を取り戻してみんなが平和に暮らせるといい。…佐伯も、僕も
頑張ってオーナメントをかける佐伯を微笑ましく眺めつつ、自分の分もその少し上へ
羨まし気な視線を感じたのは多分気のせい…だと思う
ベンチに並んで座り
…あ、それ僕が風邪をひいた時に話してたやつか!?
ありがとう…これは確かに暖まるな(ふーふーしつつ)
クッキーもプレゼントも、ありがたく頂くとしよう
先程こっそり買ったオーナメントのお守りを佐伯に
パールグリーンの星にに赤いビーズの付いた佐伯みたいな色合いの星飾り
きっとこれから先、色々と迷うこともあるだろう
それでも佐伯は佐伯らしく、自信を持って前に進んで欲しい
このベルを…僕に?
ありがとうな。…大切にする
佐伯・みゆ
花園さん(g02726)とご一緒です。
すごい…。
話には聞いていたけれど、想像したものよりも大きなツリーに
思わず息を漏らして。
私、こんな大きなツリー初めて見ました。花園さんはどです?
と、オーナメント選ばないと!
どれにしよ……しばらく眺めて、これ!
選んだのはポインセチア。
願いは「みんなの幸福を」
花園さんは、どれにしました?
尋ねれば丸こい鳩。
可愛さに微笑めば少し慌てる花園さん。
?可愛い物はみんな好きですよ?
私は背が低いので手の届く精一杯の所に飾って。
すんなり高い所に飾った花園さんに
むぅ……いいなぁ……。
だいぶ冷えちゃいましたね。
じゃーん!取り出したのはマイボトル。
はちみつジンジャーティーです!
ベンチに座って、花園さんが取ってくれたクッキーと一緒に
食べませんか?
貰ったプレゼントも見てみましょう!
オーナメントのプレゼントにびっくり。
綺麗な星飾りに花園さんの優しさが感じられ、そっと胸に握って。
私もプレゼントのクリスマスベルを。
ベルが奏でる喜びが貴方に訪れますように。
素敵なクリスマス。
心からの感謝を。
●贈る心
美しく飾られたクリスマスツリーには色とりどりの光が宿っていた。
輝くオーナメントは人々の思いの数をそのままあらわしている。ツリーに施されたイルミネーションの小さくて愛らしい光。その鮮やかな色彩と輝きは広場全体を幻想的な雰囲気に変えていた。
「すごい……」
「確かにこれは凄いな」
広場に訪れた佐伯・みゆ(悲歌。・g08231)と花園・翠(見護る者・g02726)は感嘆の言葉を落とした。
瞳に映る輝きは尊さがめいっぱいに満ちているかのようで心が揺さぶられる。話には聞いていたが、目の前の光景はみゆが想像したものよりも素晴らしかった。
ツリーを見上げたみゆは思わず息を零し、隣の翠にも視線を向ける。
「私、こんな大きなクリスマスツリーは初めて見ました。花園さんはどです?」
「僕自身クリスマスに人と出かけること自体があまりなかったんだが……確かにこれは見事だな」
みゆからの問いかけに答えた翠も双眸を細めてツリーを仰いでいく。
それから暫し、隣り合ったふたりは煌めきの光景を瞳に映し続けていた。人々の思いが宿されたオーナメントはまるで、ひとつずつがそれぞれに輝く宝石のようにも思える。
そうして、不意にみゆがはっとした。
いつまでもこうしてふたりで美しい光景を眺めていたいが、此度はやりたいこともあった。
「と、オーナメント選ばないと!」
「そうだったな、行こうか」
翠は広場の端にあるオーナメントが入っているボックスの方に向かった。カプセル型になっているオーナメントに各自が書いた願いのカードを入れ込み、あのクリスマスツリーに飾るというわけだ。
「どれにしよ……」
「色々な種類があるんだな。定番から変わったものまでたくさんだ」
悩みはじめたみゆの隣、翠がボックスに手を伸ばす。
可愛い動物型のもの、サンタクロースやトナカイを象ったもの、変わり種の形も色々だ。そんな中で翠が選び取ったのは丸っこい姿が可愛いと感じた鳩のオーナメントだ。
その横ではみゆもどれにするか決めており、あるものを拾い上げた。
「……これ!」
みゆが選んだのはポインセチア。
さっそくカードにも願いを書こうと決めたみゆは、備え付けられているペンを握った。
――『みんなの幸福を』
シンプルながらも大きな願いを記したみゆはポインセチア型のオーナメントを大切に握りしめる。
「花園さんは、どれにしました?」
「これだ」
「ふふ、丸こい鳩さんですね」
翠はみゆからの問に対し、手の中のオーナメントを見せた。みゆがくすりと笑ったことではたとした翠は少しばかり恥ずかしくなり、慌てて頭を振る。
「いや、カプセルだから多少丸っこくても仕方ないし別に可愛いからとかでは……!」
「……? 可愛い物はみんな好きですよ?」
「確かに可愛いものはみんな大好きだが……!」
自分だけが樹にしてしまっており、みゆは何も思っていないことを知った翠は墓穴を掘ってしまったようだ。
落ち着くために一息ついた翠は、自分がこれを選んだ理由を語っていく。
「……鳩は『平和』の象徴なんだ」
だからこそ、願いを託すのに相応しい。翠の思いを聞いたみゆはふわりと微笑んだ。
「それは素敵ですね」
「いつか故郷を取り戻してみんなが平和に暮らせるといい。……佐伯も、僕も」
「――はい」
彼が願いの樹に宿そうとしている思いは尊きものであり、みゆの願いとも重なるものがある。そうして、ふたりは自分たちの願いの形をツリーに飾りに向かった。
「よい、しょっと」
背が低いみゆはできるだけ高いところにオーナメントを飾ろうとしているが、少し苦労している。頑張ってオーナメントをかける彼女を微笑ましく眺めた翠は、自分のオーナメントを少し上へ掛けた。
すんなりと高いところに飾った彼を見上げ、みゆはそっと呟く。
「むぅ……いいなぁ……」
「ん?」
羨ましそうな視線を感じたが、多分おそらく気のせい。翠はくすぐったいような感覚を抱きながら上下に並んだオーナメントを見つめた。これで今夜の目的は終わり。
あとはゆっくりと祝祭のひとときを楽しめば良い。ひとまずベンチに座って休もうと決め、ふたりは広場の片隅へと移動した。そんな中に吹き抜けていったのは冷たい冬の風。
「だいぶ冷えちゃいましたね」
「大丈夫か?」
「平気です。じゃーん!」
ベンチに並んで座りながら、みゆが取り出したのはマイボトル。
「あ、それ僕が風邪をひいた時に話してたやつか!?」
「そうです、はちみつジンジャーティーです!」
「ありがとう」
みゆは用意していたカップにお茶を注ぎ、翠に手渡した。ふんわりと揺れる湯気はあたたかく、冷えた身体も心もあたためてくれるように感じる。
「確かにこれは確かにあたたまるな」
翠ははちみつジンジャーティーをふーふーしながら微笑む。
「花園さんが取ってくれたクッキーと一緒に食べませんか? さっき貰ったプレゼントも見てみましょう!」
「それもいいな」
みゆの提案に頷いた翠はプレゼントボックスを取り出す。
それは先程、広場に入る前に或る少年から貰ったものだ。少年はディアボロスにプレゼントを渡していく係だったらしく、みゆと翠に色違いのリボンが掛かった箱を渡してくれていた。
「クッキーもプレゼントも、ありがたく頂くとしよう。さて、中身は……」
「わあ、手作りのリースですね。可愛い!」
みゆと翠が貰った箱の中には可愛らしいリースが入っていた。みゆは赤、翠には金色のリボン飾りが施されている。ふたつでペアのようなリースには人々の感謝が込められているのだろう。
そして、翠は先程にこっそり買ったオーナメントのお守りを取り出した。
「これは……?」
「きっとこれから先、色々と迷うこともあるだろう。それでも佐伯は佐伯らしく、自信を持って前に進んで欲しい。そんな願いを込めた贈り物だ」
パールグリーンの星に赤いビーズが飾られたオーナメントは、みゆのような色合いの星飾りだ。
「ありがとうございます、花園さん」
みゆは贈り物から彼の優しさを感じ取り、そっと胸の前でオーナメントを握った。みゆは、実は私も、と告げてプレゼント用に買ったクリスマスベルを取り出した。
「このベルを……僕に?」
「ベルが奏でる喜びが貴方に訪れますように」
「ありがとうな。……大切にする」
お互いが贈り物を買っていたことに驚きつつも、翠は素直な感謝を述べる。
そうして、ふたりはあたたかな気持ちを抱いた。此処で重ね、繋いだのは歓びのひととき。みゆは双眸を柔らかに細め、心からの言の葉を紡いだ。
素敵なクリスマスに。
心からの感謝を。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】がLV4になった!
【プラチナチケット】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV5(最大)になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!