リプレイ
リーシャ・アデル
・心情
こっちは冬真っ只中だというのに水着で案内をするなんて……えぇ、その心意気に、答えなきゃディアボロスじゃないわ!!!(ほんとうにそうだろうか?)
・行動
オーストラリアでクリスマスを楽しむというならそうね!!
なんでか知らないけれどこんなこともあろうかとサンタ風の装飾もあるビキニ水着なんて衣装が用意されていたからそれを着けて楽しむわ!!
残留効果の≪アイテムポケット≫で新宿島から色々持ち込んできたから、クリスマスプレゼントよろしく一般人に配ったりしていくわよ!!
なんならシルシュさんも巻き込んだりできないかしら?あ、嫌ならもちろん引き下がるけどね!!
・その他
アドリブ等は大歓迎よ!!
さて。
先の説明通り、地球の南半球に位置するオーストラリアの12月は真夏である。
夏と言えば海。贅沢を言えば、白い砂浜と紺碧の海水に囲まれたそれとなるだろうか。
そんな絵画やアニメでしか見られないと思わしき場所も、実は世界には無数に存在している。
パラドクストレインに導かれ、復讐者達が訪れたグレート・バリア・リーフ・マリンパークもまた、そんな美しい光景を見せる場所であった。
(「北半球は冬真っ只中だというのに水着で案内をするなんて……えぇ、その心意気に、答えなきゃディアボロスじゃないわ!!!」)
パラドクストレインから降り立ったリーシャ・アデル(絆紡ぎし焔の翼・g00625)は、ふんっと荒い鼻息を零す。返す想いもまた、素敵な心意気だった。本当にそうだろうか、と言うのはさておき、その意気込みを聞けば、時先案内人シルシュ・エヌマエリシュ(ドラゴニアンのガジェッティア・g03182)はよよよと涙を流すであろう。
いや、実際、リーシャの隣でよよよと涙を流していた。
「ああ……暖かい……」
新宿島とオーストラリアの差異を文字通り、肌で感じているのだ。その光景をどう突っ込んでいいやら、或いは受け流した方が良いのか、僅かにだが、リーシャは迷ってしまう。
「ともあれ! オーストラリアです! グレート・バリア・リーフです! ようこそいらっしゃいました!」
「そうね! 何でか知らないけど、パラドクストレイン内にサンタ風なビキニ水着もあったから、着ておいたわ!」
残留効果【アイテムポケット】で様々な用品を新宿島から持ち込むのは、もはや復讐者としてのたしなみ。
まして、今やここオーストラリアは最終人類史内なのだ。10レベルの【アイテムポケット】がキラリと光る。
そして、真っ赤な下地をベースに白いもこもこで装飾くされた水着は、リーシャにとても似合っていた。まさしく真夏のビーチに降り立ったサンタガールであった。今の彼女を何者かと問えば、10人中8、9人はサンタと認めるだろう。
「――トナカイも居るしね」
じっとシルシュを、正確にはその頭を見ながら呟く。
双眸に映るのは大きな角。ドラゴニアン特有のそれを持つ彼女が、今のリーシャの隣に立つと、確かにそうとしか思えなかった。
「私、お鼻、真っ赤じゃないですよ?!」
「ともかく! 私達はクリスマスのオーストラリアに降り立ったわ! ならば、ここですることは一つよ。……現地の人々に、勇気と希望を与えなきゃ!」
「――?!」
復讐者としては当たり前な台詞を、しかし、さらりと口にするリーシャの姿は、物凄く格好良かった。堂々とした立ち姿も相俟って、感嘆の吐息しか零れなかった。
「という訳で、歓迎しようと思っているオーストラリアのみんなに、ディアボロス・サンタからプレゼントを配るわ! シルシュさんも手伝って!」
「はいっ。いいですともっ!」
アイテムポケットで持ち込んだ様々な用品を白い袋に詰め込みながら、リーシャはびしりと内地――海に背を向け、海岸のその向こうを指差す。
其処には復讐者達を歓迎しようと、様々な準備に取り組む人々の姿があった。
「さあ! 目標はあの人達。今こそ復讐――じゃなかった、お返しの時よ!」
見事にノリノリな少女達は、砂浜へと踏み出すと、そのまま真っ直ぐ駆けていく。
その先で黄色い悲鳴が上がったとか上がらなかったとか。
まあ、成果はおいおい、と言ったところだろうか。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
音無・サカハ
アドリブ・連携歓迎
クリスマスか、もうこんな時間か
なんか時間が早いような、そうでもないような気がするが…まぁこれはこれで、そんな事より、大問題ですよ、俺。
「・・・ボッチだ」
そう、この音無サカハ、一人ボッチである。
だってここに来る時誰にも声かけてないし、地味にコミュ障だし、それはこうなるよ。
ホントは親の墓参りする予定だったけど、なぜか気が付いたらここに居て…
「でも、ホントに色々あったな」
振り返ると、色々あったな、七曜の戦い期間で目覚めて、色々な仲間と敵と出会い、そして戦い、あと皆に玩具やネタとして扱った日々…ダメだこのままだと涙が出そう、一旦止めよ
これからも、色々あるだろ、楽しい事も、辛いことも、そして怖い事も、希望も絶望も、居るいる来るだろ。
「…お父さん、お母さん。俺、頑張るよ、だから、しっかり見ていてね」
けど、皆を守るため、仲間たちのため、俺はこれからも、頑張ります
「クリスマスか、もうこんな時間か。なんか時間が早いような、そうでもないような気がするが」
真夏の日差しを受け、音無・サカハ(過去を探す旅人・g10149)は目を細める。クリスマス。日本では真冬の風物詩だ。だが、ここオーストラリアでは真逆の真夏の光景、とのこと。成る程。サカハが時間感覚を見失うのも致し方ない。
――と思いきや、彼の言葉の真意はどうも、それとは異なるようだ。
(「そんな事より、大問題ですよ、俺」)
ふっと浮かぶ笑みは、何処か虚無に染まっていた。
整った容姿から零れるそれは、何処か寂しげで、庇護欲、或いは被虐欲を誘う微笑である物の、それを見て取る者は何処にもいなかった。
「……ボッチだ」
そう。音無・サカハは単独であった。孤独であった。ボッチであった。
「だってここに来る際、誰にも声かけなかったし、それはこうもなるよ」
声を掛けなかった理由は単純明快である。サカハは地味に人付き合いが苦手――所謂、コミュ障と言う奴であった。
とは言え、復讐者仲間に気が引けても、時先案内人くらいならば……とも思わなくもなかったが、それでも声を掛けられればコミュ障とかやっていない。案内していたのは真冬に水着を着るくらい陽気なパリピっぽい少女だったし、同伴者はなんかゴージャスな衣装を着ていた女性だった。もう一人、地味めな子が居た気がしたが、まあ、声を掛けることは憚られた。外見厨二っぽくて怖かったし。
「ホントは親の墓参りをするつもりだったんだけどね」
何故か気付いたら此処に居た、と天を仰ぐ。
気分はもう、居眠りしていたら終点で駅員さんに起こされ、慌てて飛び出したら見たことのない街に放り出された旅行客のそれであった。凄く心細い。
「よし。考えても気が滅入るだけだ。折角だし、今年のことを振り返ろう!」
独り言を零したサカハは、指折り、2023年の出来事を想起する。
《七曜の戦》の最中に目覚めたこと。
色々な仲間や敵と出逢い巡り、共に戦い、或いは対峙したこと。
そして、仲間達にネタや玩具として扱われ……いや、これやはやめておこう。涙が出そうだった。
「そうだな。これからも色々あるだろう」
楽しいことも、辛いことも、怖いことも、希望に満ちることも、絶望に染まることも、色々とあるだろう。出来ればネガティブな未来は来て欲しくない。ポジティブな未来だけ待ち受けてくれないか、とも思う。その反面、それはないのだろうな、と何処かで諦めの気分もあった。
「……お父さん、お母さん。俺、頑張るよ、だから、しっかり見ていてね」
墓参り代わりに、空へと誓う。
全ての記憶を取り戻せば、父と母の顔もしっかりと思い描けるだろうか。今のサカハには判らなかったが、そうあればいいと願う。願ってしまう。
「皆を守るため、仲間たちのため、俺はこれからも、頑張ります」
サカハの想いは空へと飛び立ち、広がるように消えていった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
白臼・早苗
アドリブ大歓迎、良い感じにしてほしいな!
そういえば、夏はあんまり遊べてなかった気がするし、せっかくだから海で遊んじゃおっかな
水着で海に潜って、珊瑚を眺めたりするのも楽しそうだね
シルシュさんも一緒に水着で海に入るのはどうかな?
まだ元気が無い人もいるみたいだし、【士気高揚】もつかっちゃおうか
このまま平和な日々が続いてくれるなら、きっと心から皆も日々を楽しめるようになってくれるはず!
「夏はあんまり遊べていなかったのよね」
オーストラリア、グレート・バリア・リーフ。珊瑚礁煌めく青い海に潜りながら、白臼・早苗(深潭のアムネジェ・g00188)はそんな言葉を口にする。
その身体を彩るのは、競泳水着宜しくぴっちりとしたワンピースタイプの水着だった。いや、水着なのだからぴっちりしているのは当たり前なのだが、煽情的な容姿の早苗が身に纏っていると、そのぴっちりとの単語以外、表現する言葉が見つからない。物凄く語彙が消失していた。
「《七曜の戦》がありましたしね」
独白の台詞に、応えるのはシルシュ・エヌマエリシュだ。4ヶ月程以前の出来事だが、昨日のことのように思い出せる。それだけの激戦が、この地球を舞台に繰り広げられていた。
そして、忙しかったのはその期間――8月半ばのみではない。準備に事後処理と、その前後1ヶ月も慌ただしく、気がつけば始まり気がつけば終わっていた、と言う感覚すらある。夏は遊ぶどころでは無かったのだろう。
「だから、その夏を取り戻そうかと」
「良い考えだと思います!」
静かに微笑する早苗に、快活な笑みが返ってくる。
刹那、響いたのはトポンと波間に沈む音であった。そして、その音と共に、二人の身体は海の中へと消えていった。
視界に広がるのは、紺碧の空間だった。
顔を上げれば、波面の上の太陽が、視線を落とせば、色取り取りの珊瑚礁が広がっている。
この光景を見るためには、本来ならばスキューバダイビング装備一式が必要なのだろう。だが、其処は最終人類史内。10レベルにも及ぶ【水中適応】の残留効果が、早苗の呼吸と身体を守ってくれている。
「ややっ?! あっちに熱帯魚が見えましたよ?! 海獣の姿もあったような無かったような?!」
新鮮な驚きを零すのは、早苗だけでは無かったようだ。一つ年上の時先案内人の少女は、至極大袈裟に自身の見た光景を伝えてくる。
むしろ、其方の方が面白いまであった。
「オーストリアはこれから大変だろうねぇ……」
ふと零した早苗の台詞に、シルシュも「そうですね」と同意の台詞を口にする。
幻想竜域キングアーサー――妖精郷であったオーストラリアは奪還した。人々も無事に戻ってきた。だが、彼ら今、ようやく、この最終人類史を認識し、そこを歩むと決めたのだ。おそらく、彼らが受けた衝撃は、二年半前に自身等が受けたものと同じだろう。
だが、状況はその時と違う。世界は奪還の兆しがあり、そして、その世界を生きる先駆者がいる。何より――。
「私達がいるもの」
紡ぐ【士気高揚】は、自身等が共にあるという証。そして誓い。
この残留効果を受け、不安げな人々が元気を取り戻してくれれば、と願う。
このまま平和な日々が続けば、きっと、心から皆も日々を楽しめるようになってくれるはず。それを叶えるのは、自分達復讐者なのだと、思い新たに天を、地を、海中を仰ぐ。
「きっと、大丈夫ですよ」
傍らで早苗の宣誓を聞いていた少女は、そう彼女を肯定する。
時先案内人の勘は当たるのです、とドヤ顔で胸を反らす様に、多少の微苦笑を零してしまう早苗であった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
マリアラーラ・シルヴァ
共闘アドリブ歓迎
オーストラリアって夏で浜辺でサンタさんなの?
つまり服の下に水着じゃなくてサンタさんの服を着ていけばいいって事?
…ぜんぜんまちがってたの!
浜辺でじゃーん!ってサンタさんの格好になったまでは良いけど
サンタ服は水着じゃないから泳げないよ!?
前回のお茶会に続いて二連敗…がっくりなの…
気を取り直して楽しむ方法を考えるよ
よく見たら本職サンタさんもサーフィンしてるし
マリアもアレを真似するの!
【フライトドローン】に引っ張ってもらうロープを付けて波間に繰り出せば
お船で引っ張ってもらうのと一緒でびゅーんって楽しめるよ
(本物のドローンでもやってる人が居るらしいよ!)
でもここからが復讐者の本領発揮
マリアを見て羨ましそうにしてる本職サンタさんが居たら
手を伸ばして誘ってみるの
上手く手を繋げたらしばらく海上を楽しんだ後に皆と一緒に【浮遊】して
ソリやトナカイ無しで飛んじゃうサンタさん編隊を組んで街まで繰り出しちゃうね
ところでサンタさん達はどの子にプレゼントあげるの?
このままマリアが送ってあげても良いよ?
「オーストラリアって夏で浜辺でサンタさんなの?」
時先案内人による事前説明で、マリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)は衝撃の事実を知ることとなった。
そう。北半球が冬ならば南半球は夏。それは誰しも知る所。弱冠8歳の彼女もそれは知っているが、しかし、クリスマスイコール浜辺と言う式だけは、納得感が薄かった。
ならば、行くしかない。そう決め、マリアラーラはパラドクストレインへと乗り込んだのだ。
(「つまり服の下に、水着じゃなくてサンタさんの服を着ていけばいいってことね」)
――不幸だったのは、ツッコミ不在だったことか。
どのみち、水着であっても着替えを忘れる危険性があるので、服の下に着ていくのはやめましょう、と言う当たり前の教訓だけが其処に残されていた。
そして。グレート・バリア・リーフの海岸。
「ぜんぜんまちがってたの!」
マリアラーラの悲鳴が、海岸中に轟いていた。
周りを見れば、殆どの復讐者達は水着姿。洋服姿だとしても、シャツやワンピースなどの軽装で、サンタクロース衣装の厚着など、マリアラーラ一人しか居なかった。
暑かった。とても暑かった。顔が朱に染まるのは羞恥とそして、気温の為だった。
ここ、オーストラリアが最終人類史内で、残留効果【温熱適応】10レベルが無ければ、熱中症で倒れても不思議は無いくらい、マリアラーラの身体は熱されていた。
「と、兎も角、気を取り直すの!」
周囲を見渡し、そして、集う見物人達に気付く。人の垣根はその先で何かが起きている証拠。
マリアラーラもまた、それに倣って垣根を下からひょいっと覗く。年齢と低身長のアドバンテージを生かしたピーピングトムであった。
「まあ! 素敵!」
そして、マリアラーラが目撃した者は――おお、何と言うことだろう。海パン姿のサンタクロースがサーフボードの上に立ち、見事なサーフィンを決めているじゃないか!
見事なテイクオフの後、滑るように海面を移動。見る間に海岸近くへと戻ってくる。機敏とした動きは何処か現実離れしていて、本当に彼がサンタクロースか? とも疑いたくなるが、しかし、その身体を包む衣服と頭にちょこんと乗る帽子が、彼がサンタクロースだと証明してくれている。――多分。
「メリークリスマース!」
サンタクロースに声を掛けると、和やかな笑みと共にサンタクロースはマリアラーラの手を取る。
マリアラーラの格好を見て、同業者と認識したのか。それとも復讐者を楽しませようとするサービス精神なのか、それは不明だったけれども、まあ、どちらでもいいか、とマリアラーラは鷹揚に頷く。
「プレゼントを持っていく時間なのね! マリアもお手伝いするよ! 【フライトドローン】で引っ張って上げられるし、【浮遊】や【壁歩き】、【無鍵空間】で助けて上げられるよ!」
小さな身体でぴょんぴょんと跳びながら自己主張するマリアラーラに、ふむと頷いたサンタクロースは、お嬢ちゃんに頼みたい、と和やかな笑みを零した。
「では、まずは儂の相棒。ルドルフを紹介しようか」
「まあ、赤鼻のトナカイと同じ名前なのね! 一緒にお仕事できて光栄なの!」
手を引かれ、海岸を跡にするマリアラーラ。そんな彼女が嬉しいような、不安なような悲鳴を上げるのは、もう少しだけ時間が経過した後のことである。
そう。マリアラーラはまだ知らない。
オーストラリアのサンタクロースのお供が、冬仕様のトナカイでは無く、白いカンガルーだと言うことを。
その邂逅まで、後少し――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok
※兄・アドル(g08396)同行
青ビキニ(今年の水着コン)着用、現地までは普段着です。
同じ女性としても、シルシュさんのスタイルは良いと思いますが、冬の新宿では寒かったんじゃないかな、と思うのです。
寒冷適応には同意しますが、まず水着とかスタイルなどを褒めるべきですよ、うん。
えと、そこは特別な機会にということで一つ……。
私は少し前にも来ましたが、あの時は冬でしたからね。今度は夏のグレートバリアリーフを楽しむのです。
今回は変な事を考える必要もないですし、思い切り堪能しましょう。
あ、ユリウスも一緒ですよ?
まず第一にはグレートバリアリーフの観賞ですね。水中はともかく、水上で眺める場合は、一般人の方々やサンタさんなどに迷惑が掛からないよう注意です。
もし交流出来るなら一緒に交流したいですが、此方は縁があればですね。強要はダメ、絶対です。
一通り観賞したら、後は浜辺で一休み。
余裕があるならボール遊びでもしましょうか。ユリウスや兄さんも如何です?
あ、シルシュさんを労るのもありでしょうか。
アドル・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok
※妹・フィーナ(g02439)同行
水着は赤のショートスパッツ型、現地までは普段着。
雰囲気作りと考えればアリかも知れんが、寒冷適応、使ってないのか?(シルシュ嬢の水着姿を見ての一言)
後でホッカイロか何か、差し入れるべきか?
水着を褒めるのもアリとは思うが、お前といい彼女といい、割と大胆な感じだから、どう声を掛けたものと思ってな。
そういう言葉は家族より恋人に求めとけ。
そういえば、豪州はいつ以来だ?
大分昔だから覚えとらん。
だがそうだな。ある意味新鮮な気持ちでこの景色を見られるか。
グレートバリアリーフがどんなものか、水中から眺めるのも面白い。
一緒に行くとしよう。
機が合えば、サンタも見られるかも知れんしな。
グレートバリアリーフ周辺では水中なり水上から観賞しつつ、海水浴を適当に楽しむ。
一般人の人達に声を掛けられるなどしたら、快く応じよう。出来れば彼らとも触れ合いたいが、無理強いするのも逆に悪いから悩ましいな。
元気だな、妹よ。
まぁ、参加するが。
ただそっちは彼女に余裕があればにしとけ。
燦々と輝くオーストラリアの太陽の下、人目を引く見目麗しい男女の姿があった。
男性の方は、アドル・ユグドラシア(我道の求道者・g08396)。女性の方はフィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)。氏が示す通り、美男美女の兄妹であった。
ふむ、と頷くアドルは、やがて、ぽつりと言葉を口にする。
それは、このオーストラリアに到着するまでに起きた出来事の言及であった。
曰く。
「同じ女性としても、シルシュさんのスタイルは良いと思いますが、冬の新宿では寒かったんじゃないかな、と思うのです」
「雰囲気作りと考えればアリかも知れんが、【寒冷適応】を使ってないのか?」
真面目な表情で、時先案内人の服装について考察――否、心配していた。まあ、時先案内人とは言え彼女も復讐者。真冬の新宿で水着姿になっても風邪を引くことはないだろう。おそらく。
ちなみに、件の【寒冷適応】だが、当然の如く全く使用していない。
理由は単純明快だ。使い忘れていたのだ。
パラドクストレインに向かう最中、アドルの発した問いかけに、
「……あ」
そんな風に零れた時先案内人の呆けた表情を、フィーナはおそらく忘れることはないだろう。
「先人曰く、パラドクスを持っていくだけで【残留効果】が発動する訳では無い。使うと言う意志も大切……だったかな?」
望むだけ適用出来ると言う事は、望まなければ適用されないと言うこと。たとえ新宿島で復讐者達全員が食事をしても、その都度、400倍の食事が現れる訳では無い。使用したい、と望むプロセスが無ければ、効果を発揮しないのは当然であった。
(「とりあえず、それ以上はやめておこう」)
迂闊と言えば棘がある。愛嬌、と言い換えておいた方が角が立たないだろう。
「その点は同意しますが、まず水着とかスタイルなどを褒めるべきですよ、うん」
フィーナがようやく絞り出した言葉に、まあ、確かに、とアドルは首肯する。
「水着を褒めるのもアリとは思うが、お前といい彼女といい、割と大胆な感じだから、どう声を掛けたものと思ってな。そういう言葉は家族より恋人に求めとけ」
「えと、そこは特別な機会にということで一つ……」
おそらく恋人の顔を思い浮かべたのだろうか。急速に言葉尻を弱めた実妹に、アドルは苦笑する。
ちなみに彼の時先案内人には浮いた噂を聞いたことは無かった筈だ。身持ちが堅いと言うよりも、あの性格に付いていける人間がそうそういないのだろうなぁ、との感想が浮かんだが、こちらも我が身の安全の為、黙殺しておくことにした。
グレート・バリア・リーフは宇宙からでも見えると言われている世界一の珊瑚礁地帯である。
その中に潜るのは、ユグドラシア兄妹他、フィーナのサーヴァント、ダンジョンペンギンのユリウスであった。サーヴァントと主は一心同体。それはこの海中でも変わりは無かった。
「皆さんと一緒に潜れれば良かったのですが」
「遠慮されては仕方ない。次の機会に回すとしよう」
パーティ会場を設営するスタッフや、おそらく演目の登場人物と思われるサーファーなサンタクロース等、復讐者仲間以外にも声を掛けたが、敢え無くフィーナは撃沈。そんな妹の愚痴に、アドルは首を振って応じる。
『ありがとうございます。とりあえず今回はディアボロス様でお楽しみ下さい』
と固辞されれば、それ以上は強要できない。むしろ、彼らとしてはホストとして頑張りたい、と言う事なのだろう。その気持ちを汲み取れないほど野暮では無いつもりだ。
「そう言えば、豪州はいつ以来振りだ? 以前来たのは大分昔だから覚えとらん」
「そうですね。あの時はまだ『刻逆』前でした。……随分昔のようにも、ついこの間のようにも感じますね」
あの頃はまだ、両親共に揃っていた筈だ。家族と共に歩む光景を思い出すと、甘酸っぱい気持ちにもなってくる。そう。今はそれが叶わない。あの日、2021年8月に起きた人類史改竄術式『刻逆』が全てを奪ってしまった。
思えば、目の前に居るアドルも、それで生き別れとなってしまった筈だった。
「だが、私も戻ってきた。……家族が揃うときも必ず来るだろう」
この地球から歴史侵略者達を駆逐し、全ての改竄世界史を奪還すれば、その光景は再び手に入れられる筈だ。憧憬を取り戻す為、戦うことを誓う者は、少なくない。それをフィーナは理解している。
「ふむ。奪還した場所だからだろうか。凄く新鮮な気持ちで見られたぞ。……で、次はどうする?」
「……そろそろ、海岸に戻りましょうか」
アドルの独白に対するフィーナの返答に、彼は納得と頷き、戻った後の行動を促す。
彼女の答えは――。
「――で、私の処に来たわけですか?」
パタパタと走る時先案内人、シルシュ・エヌマエリシュ(ドラゴニアンのガジェッティア・g03182)を捕まえ、フィーナはこくりと頷く。砂浜で皆が楽しめるように時先案内人はコーディネーターだったり雑用だったりで裏方に徹していると言う。無論、ゲストの要請に応じるのもホストの役目の為、復讐者達が話しかけても、厭な顔一つすることはなかった。
「まあ、あれだ。温かい物でも差し入れようかと思ってな」
「あー、いえ、出来れば、冷たい物の方が有り難いですね……」
流石に真夏のビーチで、身体は既に温まったのだろう。あははと乾いた笑いと共に紡がれた返事に、アドルはふむ、と相槌を打つ。
「実はですね。これからボール遊びでもしようと思うのですが」
その提案はフィーナからだ。ほむほむと頷いたシルシュは、指を伸ばすと1、2、3とリズムよく数を数える。フィーナ、ユリウス、そしてアドルだ。
「……2対2だと、良い勝負が出来そうですね」
彼女がぽつりと零した台詞こそ、フィーナが求める返答だった。
「という訳で、如何でしょうか?」
「ええ。構いませんとも。貴重な交流の機会ですしね! 私の稲妻な黄金竜が火を噴きますよ!」
斯くして、フィーナ(+サーヴァント)、アドル、シルシュによるビーチバレーが開催されることとなった。
さて、そんな白熱した戦いの行方がどの様な物となったのか。
「ええ、何と言いますか。凄い物を見たと言うか」
「ビーチバレーで盛大に地面に衝突する光景は初めて見たな」
結果を知るのは、その場に居た者のみ。
ともあれ、時先案内人の名誉のため、それ以上の言及は避けておく、とだけ記しておこう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
フィリス・ローラシア
※アドリブ、絡みok
水着は白ビキニ(今年の水着コン、普通の方)
シルシュさん、風邪を引かないと良いのですけれど。
ジャンケンで負けたのでしょうか?
それにしても常々思っていましたが、地球は広かったのですね。
夏のクリスマス、初めてですから楽しみです。
海岸に着いたら、まずは日焼け止めでしたっけ。前準備をしっかりとしてから海に突撃です。
背中は……、リュカ、お願いね?
ここにはグレートバリアリーフという珊瑚礁があると聞きました。どんな所か、この目でじっくりと見てくるのです。
全貌を見るなら、水中か水上、どちらが良いのでしょうね。
いえ、迷ったら両方を試せば良いのです。行きますよ、リュカ!
一通り泳いだり鑑賞を楽しんだら、後は浜辺でゆっくり休みましょう。
シートの上でマッタリゴロゴロと寝そべりつつ、他の人達が遊んでいるのを眺めたりとか、サンタさんを探してみるのも面白そうです。
サンタさん、ここだと水着だったりするのでしょうか?
あ、もし軽食とか食べられそうなら、何か摘まんでみますか。ここだとどんな物が食べられるかな?
真夏のオーストラリアにまた一人、水着の天使が降り立つ。パラドクストレインから舞うように飛び降りた彼女の名は、フィリス・ローラシア(夢現の竜使い・g04475)と言った。
(「シルシュさん、風邪を引かないと良いのですけれど。ジャンケンで負けたのでしょうか?」)
まあ、あれでも一応は復讐者。風邪の心配はないだろうと内心で頷く。
ともあれ、と、フィリスは明るいオーストラリアの光景に視線を向ける。燦々と輝く太陽。白い砂浜。紺碧の海。つい先程まで12月の新宿島にいた身としては、ほぼノンタイムで夏のオーストラリアを体感することにすら、驚きと感嘆を隠せなかった。
(「常々思っていましたが、地球は広かったのですね。夏のクリスマス、初めてですから楽しみです」)
此処に至るまで色々あったが、今回はこのクリスマスを楽しもう。
そんな彼女の決意に、サーヴァントのリュカが力強く頷いていた。
さて。
フィリスが降り立ったこの地、グレート・バリア・リーフ・マリンパークは珊瑚礁地帯だ。
日焼け止めを自身に塗りながら、これからについてフィリスは想起する。曰く――。
「珊瑚礁、水上から見るか、水中から見るか、ですね……」
背中に日焼け止めを塗布してくれるリュカも、きゅい? とばかりに小首を傾げている。彼にとっても悩ましい問題――と言う訳ではなく、そこに滲むのは信頼。主の選択を彼は知っていた。
「迷ったら両方を試せば良いのです。行きますよ、リュカ!」
「きゅぃ!!」
思いっきりの良さが、主の良さと言わんばかりに、大きな鳴き声が響き渡った。
「はふぅ。夢のような光景でした」
水上から見れば、波の煌めきに覆われた珊瑚礁は神秘的で、其処に潜って眺めれば、ハッキリくっきりと色取り取りの姿を伝えてくれる。一見同じな、だけれど違う顔に、フィリスとリュカは目を細め、うっとりとしてしまう。
海は心地良いほど冷たく、火照った身体を冷ましてくれる。二人の身体を帯びる熱はおそらく陽光のみでなく、幻想的な光景に対する高揚もあったのかもしれない。
珊瑚礁から砂浜に戻ったフィリスは、リュカ共々息を吐く。
もう少し海の時間を楽しみたかったが、それはそれ。これはこれ。まだ地上でも楽しみがあるのだ。
「……きゅい」
「ああ、なんで責めるんですか。リュカ! 12月に甲羅干しですよ! こんな贅沢、他にはありません!」
ビニールシートの上にごろんごろんと転がりながら、周囲を眺めるフィリスに、上がったのはリュカの抗議――もとい、呆れの声。とは言え、贅沢は贅沢に違いない。主のマイペースさに是と頷きながら、リュカもそれに倣うよう、ビニールシートに腰を下ろした。
「あっちではパーティ、あっちではスポーツですね。マリンスポーツも楽しそう……あ。あれ、サンタさんじゃ無いですか?」
様々な集団を指さしながら、楽しげに笑うフィリス。
そんな彼女の視界に飛び込んだのは、真っ赤な水着にサンタ帽を被った壮年男性――あれがオーストラリアのビーチ名物、サーフィンするサンタクロースのようだ。あ、いや、別の処を見れば、Tシャツ短パン姿のサンタクロースもいる。うん。サンタさんと言っても多種多様。人が思い描く数だけ、その姿があるようだった。
「……色々見てたら、お腹が空きましたね。何か、食べに行きましょう、リュカ」
オーストラリアと言えばお肉、或いはシーフードだろうか。現地のスイーツも美味しいかも? と笑い合う。
どんな食べ物に出会うだろう。正統、或いは不可思議。それもまた楽しみだと、フィリスは首肯する。
まだまだオーストラリアを楽しむ宴は、終わりそうに無かった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【書物解読】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
エレナ・バークリー
【天剣】
《七曜の戦》でも奪還出来ずにいた故郷ハイランドも、ついに奪還出来ました。アーサー王との死闘はまだ記憶に新しいです。
服装は今年の水着コンの水着。
戦争気分一掃のため、楽しく過ごしましょう。
まずはトロピカルジュースで乾杯!
蕩けるように甘いですね。
さて、我が主のご要望です。シートに寝そべるロゼの身体に日焼け止めを塗っていきましょう。敏感なところにもしっかり指を差し込んで、ロゼの身体を堪能しますよ。
食事前の腹減らしのために、ビーチボールで運動です。
私はAチームで、ふんわり宙を舞うボールをレシーブとかします。
それなりに続けて、終わったら勝敗関係なくノーサイド。
それじゃあ、トゥバンの火で焼いたお肉や魚介BBQをいただきます。
よく火が通っていて美味しいですね。トゥバンの頭を撫でましょう。
エルタニンさんはいい相棒を連れられてますね。
ロゼが用意してくれた料理もしっかり味わいます。
この後は、【水中適応】を使ってグレートバリアリーフに潜って、その絶景を目に焼き付けます。珊瑚を傷つける事の無いように。
クリアルト・ハイランド
シルシュさん…無理もないけれど、注目を集めてしまっているようだね。
【天剣】の皆と一緒に参加するよ。
オーストラリアの人達にも感謝だね。
この時期に真夏の気分が味わえるとは思ってもいなかったよ。
これも皆のおかげだね。
まずは戦勝を祝してトロピカルジュースで乾杯するよ。
僕も今年の水着コンテストの時の水着姿でだね。
ビーチボールでのゲームをするようだし
僕は綾音さんと一緒にジャッジ役を担当するかな。
皆の姿に見とれて役目を忘れないようには注意かな。
やっぱり皆、素晴らしいプレイを魅せてくれるね。
試合の後は結果に関係なく皆の健闘を称えるよ。
その後は食事かなロゼが用意してくれたお肉を
中心に美味しく食べさせてもらうよ。
流石にいい食材を使っているね。
何より皆とこうしていられるのが嬉しいと思うかな。
食事の準備に配膳は率先してかな。
肉を焼いてくれるミニドラにも感謝だね。
食事の後は海水浴だね。
水中適応も活用させてもらうよ。
綺麗な海を汚さないよう配慮しながらリラックスするよ。
真咲・由衣
タグ【天剣】の皆さんと一緒に参加します。ご一緒に描写してくださいませ。
選択肢1で。
まずは戦勝祝いとして皆でトロピカルジュースを乾杯!
実を言うと日に焼けるのが嫌なので下に水着は着てきてるのですが、
頑なに脱ごうとしていない状態です。
でもエレナ達は割とアクティブだし、何かしたいのは私も同じ…。
と、アンネローゼさんからビーチボールの誘いがかかったので、
いそいそと服を脱いで水着になってビーチボールに参加しましょう。
エレナと紫さんと一緒のAチームで。
「さあ、みんな、頑張りましょう!」
お腹をちょうどいい具合に空かせたその後は皆でオージービーフの焼肉を堪能して。
他の露店からも料理を受け取って、堪能していきましょう。
「このミートパイいいですねー!生牡蠣なんて私初めて食べました!」
そう、私は山の方の出身だったので海の幸にはあまり縁がなかったんです…。全くではないですけど。
まあ、それを差し引いても生牡蠣は流石に初めてなのは事実だったんですけど。
クリスマスを楽しみます。
エルタニン・ルクセ
【天剣】
私が生きていたのと時代は異なるが故郷にあたる地を奪還し、戦勝の宴と聞いてきた。なるほど南半球では今は夏か、聞いてはいたが実際に見ると驚く。
この果物のジュースも初めての味だが大変に美味だ。
オージービーフ…食用の牛肉が名産か、歴史改竄前にハイランダーとして戦っていた時にも戦勝の宴と言えば肉だった、とても喜ばしい。
【おいしくなあれ】が有効なら考える必要はないかもしれんが、ミニドラゴンのトゥバンはブレスで肉を焼くのが上手い、今回も働いてもらおう、後でお前にも喰わせてやるからな。
食事まで少し身体を動かそう、ビーチボールというのか、面白そうだ、私とソラ、アンネローゼはB、団長たちはAチーム。遊びとはいえ勝負なら本気だ、行くぞ!
肉と海の幸、アンネローゼの料理で腹もくち、ビーチボールのようにこちらが返す番、現代の冬至の祭りは新宿島で知った、一般人が贈物を配るのを手伝おう。
【天剣】の仲間たちには海に行く者もいるから、こちらはかの髭の聖人風の海にも入れる衣装だ、残留効果を使えば波乗りもできるだろう。
一ノ瀬・綾音
【天剣】
エレンさん今回の奪還戦は感慨もひとしおだっただろうからねー。
……まぁここはそのハイランドから割と遠いんだけど、まあそこは仕方ない!
奪還できただけでもお祝いじゃー!
(なお水着着用)
じゃあ早速戦争勝利を祝って、かんぱーい!
……いつまで勝利ムードなんだってのもあるけど乾杯は何度したって悪くない!
お、みんなでビーチボールする感じかな。
じゃあ綾音ちゃんも――割と面子いるな?
仕方ない、綾音ちゃんは審判に回ろう。VARだって――え、そんなのない?うみゅう。
ともあれ、ラインギリギリだって見逃さない精神で。友達相手だからこそ審判も真剣にね。そのせいで乱闘が起きてもまあそれはそれだ!
運動したらお腹がすいたねー。食事にするか。
え、綾音ちゃんは動いてない?頭はめっちゃ動かしたから!
んー、オージービーフうまいなー。この絶妙な火加減、誰が出してるんだ――え、サーヴァント!?
最後はみんなで水中適応使ってダイビングでも。
この光景いいよね……覚えとこう。あの子にも見せたら楽しいんだろうなぁ。
松任・紫
【天剣】
エレナさんや、旅団の皆さんと一緒に海水浴、です。
…楽しみです、ね(こくこく)
格好は(イラストの)水着、です。
まずはみんなでジュースで乾杯して…甘いけど、すっぱさもあります、ね。
それから、ビーチボールで遊びましょう。
…って、皆さん本気みたい、ですね。
わたしはエレナさん、由衣さんとAチームで。
こぼれそうになったボールを横っ飛びで拾う…リベロ?、を頑張ろうと思います。
いいプレイがあったら、ハイタッチとかしたい、ですね。
運動した後は、みんなでお食事、ですね。
わ、アンネローゼのお料理、すごいです…!
エルタニンさんのミニドラゴンさんも、見事な火加減です。
ついつい、いつもよりたくさん食べちゃいました。
つかの間のお休み、かもしれませんが、みんな楽しそうで良かった、です。(こくこく)
アンネローゼ・ディマンシュ
【天剣】
さて、英を落としたとならば次は我が祖国でしょう
その前に……クリスマスを楽しむとしましょうか
白のクロスワンピース水着を着てオーストラリアのビーチへ
トロピカルジュースで乾杯し、エレナに日焼け止めを塗ってもらった後にオージービーフを
人数分のビーフとソースをビーチボールが終わった後に用意されるよう手配した後はビーチボールを
わたくしはBチーム、エルタニンとソラと一緒に連携しながらボールを追っていきますわ
終わった後は焼けたオージービーフを
ソースは色んな種類を調達しましたから、いろんな味が楽しめますわよ
クリスマス用にローストビーフもオマケしてくれた様ですわね
そう言いながら他の料理も露店から受け取り、色んな味を楽しんでいく
ミートパイ、生牡蠣、ロブスターの刺身、グリル、ボイル……
アジア料理店の生春巻、フォー、マーボー丼等も良いですわね
そう言って皆と一緒に料理を楽しんだ後、水中適応を使ってグレートバリアリーフへとダイブしますわ
ソラ・フルーリア
【天剣】の皆と一緒に!
本当に真夏のクリスマスなのね!すごいすごい!サンタさんがサーフィンしてる!
せっかくのパーティ、楽しまなきゃ損よね!皆で最高の思い出を作りましょ!
水着コンの水着に着替えて、まずは乾杯ね!戦勝を祝って、かんぱーい!
わ、トロピカルって感じ!程よく酸味が効いてて美味しいわ!
なになに、ビーチボール?アタシもやるわよ!アンネローゼ、エルタニンと一緒のBチームね!
ふふん、アイドルは身のこなしが大事!
レッスンとステージで鍛えた身のこなし見せてあげ――ぶへっ(顔面にクリーンヒット!)
せっかくグレートバリアリーフが有るんだし、【水中適応】を使いつつダイビングしてサンゴ礁を眺めるわ!
青い海、ずーっと続く珊瑚、そして沢山の魚達!これは映えるわね!(写真撮りつつ)
その後はバーベキュー!オージービーフにシーフード!
アナタが焼いてくれたの?ありがとね!(エルタニンのミニドラをなでりなでり)
ローストビーフもクリスマスっぽくて良いわよね!
勿論美味しいけど、皆で楽しんだからこその美味しさな気がするわ!
青沢・屏
【天剣】
人生初の南半球でのクリスマスか……きれいな女の子たちについてくる男子として、サービスや護衛をしっかりしておきましょう。
(実際に女の子たちが強いという事実は指摘しない下さい)
できればみんなより早く出発して、オーストラリアに行って、クリスマスのロブスターを買いに行きます。
オーストラリアのクリスマスの食卓にはこいつが欠かせない。
他の人が遊んでいる間に、海辺でバーベキューをしてあげましょう。
こっそり「冷気の支配者」で自分たげの清らかに維持します。
あとはみんなを食事に招待する時間だ。
「最も新鮮な食べ物は、最も簡単な方法でも、最もおいしい料理を作ることができますよ」
「リラックスして」と言えば、自身にとっては「戦う時間ではなく十分なリラックス」。
歴史奪還戦の光景や生死の一線での戦いは、心を蝕む毒といえる。
だから、このような生活、このような祝日こそ貴重だ。
最後は、ダイビングに参加しましょう。
きれいな海の中の景色は、自分でよく見てみましょう。
パンドラ・クロゥフィボーグ
【天剣】
「にゃはは、お誘いありがとうエレナ!」
新宿島は真冬だというのにその反対側であるオーストラリアは真夏。そんな不思議にワクワクしつつ、ビーチでみんなと遊ぶ
今年着た水着を再び身に纏い、みんなとジュースで乾杯
「今年一年お疲れさま! また来年も頑張りましょうね!」
若干忘年会のような気分で、南国の味を楽しむ
ビーチボールをする六人を応援しながら、他のメンバーのバーベキューの準備をお手伝い
「ソラお姉さまお顔にボールが…大丈夫かしら!? あ、食材はアタイも持ってきたのだわ!」
自分の屋敷の庭で採れた野菜を焼きつつ、エルタニンのミニドラが炎で焼くのを興味深そうに見ている
ちなみに野菜は【アイスクラフト】で冷たくして鮮度を保っている
最後は海中へダイビング、バリアリーフをみんなで鑑賞
「とっても綺麗ね…。この星にはまだまだこんな絶景があるのよね。いつか全部取り戻さなくちゃ!」
燦々と輝く太陽! 青い空! 白い雲! 紺碧の海!
そんな12月のオーストラリアで、復讐者達の快活な笑いが響き渡る。
「この時期に真夏の気分が味わえるとは思ってもいなかったよ」
眩しい太陽に目を細め、白い砂浜に感嘆の吐息を零す彼の名は、クリアルト・ハイランド(人間の妖精騎士・g01311)。一見、中性的に見える彼の身体を覆うのは、青いシャツに海水パンツと言った男性的な出で立ちであった。淡い金色の髪が、陽光を受け、キラキラと輝いていた。
「これも、皆のお陰だね」
妖精郷を奪還し、オーストラリアの帰還を促したからこその現在だ。ここに居る皆、そしてこの大地に関わった復讐者全ての力が無ければ、今、こんな希有な体験はしていないだろう、と思う。
「にゃはは、お誘いありがとうエレナ!」
パンドラ・クロゥフィボーグ(血の神たる少女『緋血の継ぎ手』・g07201)であった。
ちなみに衣装は海岸に準え、水着姿である。まず目を引くのは、淡い朱と花柄のロングパレオだろうか。そして、その色合いに倣ったキャミキニと呼ばれるセパレート水着も明るく、彼女の活発さを示していた。
まさしく渚に現れた魅惑のマーメイド。それが、パンドラと言う少女であった。
「いえいえ。今回のお祝い、参加者は多い方がいいでしょう」
そんな呼び掛けに、エレナ・バークリー(ハイランダー/アブソリュートウィッシュ・g00090)は笑顔で返す。
その彼女もまた、朱色が眩しいホルターネックビキニ姿であった。あどけなさすら残る天真爛漫な表情に、その水着姿は眩しいほど似合っていた。
そう。エレナを中心とした【天剣】の面々は、慰労も兼ねたクリスマスパーティを過ごすべく、この真夏のオーストラリアに来ていたのだ。自身を除く9名の前に歩み出たエレナは、こほんと空咳を発する。
何事にも始まりはある。此度、それは彼女の発する乾杯の声であった。
「戦争気分一掃のため、楽しく過ごしましょう。まずはトロピカルジュースで乾杯!」
「「乾杯!」」
種々様々な声が、周囲に響き渡った。
(「《七曜の戦》でも奪還出来ずにいた故郷ハイランドも、ついに奪還出来ました。アーサー王との死闘はまだ記憶に新しいです」)
先の死闘、幻想竜域キングアーサー奪還戦を想起しながら、エレナはトロピカルジュースを喉へと流し込む。酸味と甘味の入り交じる南国の調べは口の中に芳醇な潤いを満たしてくれる。酸っぱさと甘さの共演は口腔と舌を幸せなまでに喜ばせてくれていた。
「んー。由衣はそのままなの?」
視線は手元のトロピカルジュースから、周囲の仲間達へ。
エレナのそれが止まった先にいたのは、真咲・由衣(番外(ロストナンバー)/異能研究技師・g10713)であった。
「え、えーっと、その、ほら」
エレナ含め、周囲は水着姿。にも拘わらず、由衣はいつもの白衣をがっつりと着込んだ厚着姿だった。この真夏の砂浜で、その格好は暑くないのだろうかと、多少の心配が浮かび上がってしまう。復讐者であり、【温熱適応】の残留効果もあるのだから、熱中症で倒れるということはないだろうけれども。
「まあ、いいじゃない」
実は白衣の下に水着を用意しているのだが、日に焼けるのが嫌でガードしているのだ。それを口にするとそれはそれで脱がされる口実を作らせそうで、由衣は思わず、言葉を濁してしまう。
「戦争勝利を祝って、かんぱーい!」
そんな二人の会話に、乱入してくる少女の姿があった。
一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)である。赤のタンキニは碧緑髪の髪とのコンストラクトが眩しく、その下の白い肌すら強調している。眩しいのは水着ばかりでは無い。其処に浮かぶ笑顔もまた、眩しく周囲に明るさを振りまく物であった。
「エレナさん、今回の奪還戦は感慨もひとしおだったよねー」
「はい!」
彼女の故郷であるハイランドこと、スコットランド地方も此度の奪還地域に含まれている。己の故郷を得た喜びは、先の先の戦いで東京23区を奪還した綾音には痛いほど判った。
――正確に言えば、綾音の場合はその当該の改竄世界史『TOKYOエゼキエル戦争』そのものを故郷としている為、少々趣は異なるのだが、まあ、それはそれ。これはこれだ。
「奪還できただけでもお祝いじゃー!」
遙か遠方にあるスコットランドに向けて祝杯を掲げ、綾音はトロピカルジュースを一挙に飲み干していた。
「さて、イギリスを落としたなら、次は我が祖国でしょう」
喜びに沸く少女達に投げ掛けられた言葉の主は、アンネローゼ・ディマンシュ(『楽士大公』ディマンシュ大公・g03631)。フランス――現時点では改竄世界史『断頭革命グランダルメ』を祖国とする少女であった。白のクロスワンピース水着姿の彼女は、その色調を強調するかのように冷静沈着であった。
「でも、その前に、クリスマスを祝うとしましょう」
断頭革命グランダルメでも、復讐者達は快進撃を続けている。つい先日も有力なジェネラル級自動人形を討ち取った報が入っている。グランダルメ奪還の日も近い筈だ。
「わ、トロピカルって感じ! 程よく酸味が利いてて美味しいわ!」
そんなアンネローゼの背後で、喜色に富んだソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)の声が上がる。彼女の纏う水着は、白い装飾と下地の青が目に麗しいフレア・ビキニだ。日よけのアームカバーも相俟って、ともすれば海兵服にも見えるそれは、『歌って踊れる銀の星』をキャッチフレーズとする彼女の印象を殊更強く、押し上げていた。
「そうね。クリスマスパーティ! せっかくのパーティだから、楽しまなきゃ損よね! 皆で最高の思い出を作りましょ!」
「ええ、勿論」
ニコニコとした微笑に、鷹揚なエレナの首肯が重なる。
和気藹々と会話する少女達の中、標的が逸れたことだろうか、由衣が少しばかりほっとした嘆息を零したことのみ、此処に記しておこう。
さて。
乾杯と挨拶が済めば、後はフリータイム――無礼講の時間である。
パーティはまだまだ始まったばかり。この後にバーベキューが控えていることを思えば、【天剣】の面々が執り行う事は一つであった。
エレナ曰く。
「食事前の腹減らしのために、ビーチボールで運動です!」
とのことであった。
ふわりと復讐者の肢体が舞い、ボールがキリリとコートへ突き刺さる。
何を以てすればビーチボールでそのような鋭いスパイクが可能なのか。攻守伴った見事な空中戦を披露したエルタニン・ルクセ(討竜士・g02280)は砂浜にふわりと舞い降りると、ふふりと不敵な笑みを零す。
「遊びとはいえ勝負なら本気だ」
「成る程。本当に本気、みたいですね。負けませんよ」
勝負毎であれば、燃えないわけは無い。
対面のコートでそう語るよう松任・紫(『帰還』した一般少女(吸血鬼)・g08469)は、真摯な表情をエルタニンへと向ける。
エルタニンも復讐者。紫も復讐者。ならば、後れを取る理由は無い。
「さあ、みんな、頑張りましょう!」
その掛け声は紫の横、由衣からだった。ビーチバレーに備え、上着を脱いだ彼女は、気合い充分とばかりに声を張り上げる。その横ではエレナがうんうんと強く、首を縦に振っていた。
「ディマンシュ大公の力、とくとご覧あれ」
「ふふん、アイドルは身のこなしが大事!」
気合い充分な仲間に追随するのは、アンネローゼ、そしてソラであった。二人もまた、気合い充分。
そして、此処に、エレナ、由衣、紫によるAチームと、エルタニン、アンネローゼ、ソラによるBチームの戦いの幕が、切って落とされたのであった。
「仕方ない、綾音ちゃんは審判に回ろう」
「ジャッジ役は任せて」
なお、審判役を買って出たのは、綾音とクリアルトであった。
「ちなみに、VARだって準備済み――え、そんなのない? うみゅう」
「仲間内のレクレーションですからね……」
唸る綾音に、クリアルトは微苦笑を浮かべる。見目麗しの6人による攻防を動画に収めたい気持ちも分からなくも無かったが、それはやはりどうなのだろう。皆の活躍に見とれて見逃してしまった時には心強い味方なのだけれどね、と内心のみで呟く。
「じゃあ、主審はクリアルト。綾音ちゃんはラインズマンをやるよ! 遊びこそ、友達だからこそ真剣に! ラインギリギリだって見逃さないよ!」
ビーチバレーでラインギリギリを攻める所業が許されているのは、おそらく常識外の復讐者のみだろう。
だからこその綾音の意気込みに、そ、そうですか、とクリアルトは首肯。それが原因で乱闘が起きても構わない、と息巻く彼女の姿を見れば、
「お、お手柔らかに」
のような戸惑いの声が出たことは、致し方ないとも言えよう。
「頑張れー。ソラお姉様! エレナ、みんな!」
コート外から、パンドラの元気な応援が、響き渡っていた。
幾渡ボールを受け、幾渡返しただろう。
エルタニンの鋭いアタックを何度も拾いつつ、紫は荒い息を吐く。
「まだまだっ!」
裂帛の気合いは、敗北を認めないが故。諦めたらそこで試合終了だと誰かが言っていた。ならば、諦めるつもりはないと己を鼓舞し、砂地の上に紫は再度、立ち上がる。
刹那、飛び込んできたエルタニンのスパイクは、しかし、紫の手に届かない。だが――。
「こっちは任された!」
「皆で戦いましょう!」
エレナが弾き、零れ球となったビーチボールを由衣が押し込む。彼女なりのアタックはアンネローゼのレシーブに受け止められてしまったが、体勢を整える時間だけは確保できた。
だが、それは相手も同じ。
「ソラ!」
アンネローゼが受け止めた球を、エルタニンがトス。次の攻撃はソラのようだ。浮かび上がったボールに合わせ、160センチの肢体が空を舞う。
「レッスンとステージで鍛えた身のこなし見せてあげ――」
気合い充分に振りかぶられた手は、全身のバネを用いて、上半身毎振り下ろされる。彼女の全ての力を集約させたそれは――。
「――ぶへっ」
どう形容すべきだろうか。
サッカーで言うところの顔面ヘディングの形となって、紫達Aチームのコートを強襲する。
ちなみに。
「見えましたか? 綾音さん」
「うん。ばっちり。取れなければ、ラインインだね」
キラリと輝く審判達の言葉は、これが最後の一投だと見抜いていた。砂地に落ちたソラは思いっきり伸びていたし。
「負け、ません!」
そう誓った。負けて良いなどと思う諦観の心は持ち合わせていない。意地と、持ち前の思いっきりの良さが、彼女の身体を動かしていた。
砂地を蹴り、横に飛ぶ。平面な手で打たれたスパイクと違い、丸い顔面のスパイクは動きが不規則。それを捉えるのに、走るだけでは間に合わなかった。
白い肢体が揺らぎ、弾け、そして、伸ばされた右腕がボールを拾い上げる。代わりに地面へと強く衝突する結果になったが、ボールそのものは生かすことが出来た。
「ナイスプレイです! 紫さん!」
「えいっ!」
繋がる連携はクイック。ふらふらと舞うそれにタイミングを合わせたエレナは、見事な迄のアタックをボールへと叩き付ける。
その行く先は、そのまま体勢崩れたBチームのコート。エルタニンが、アンネローゼがそれを走りに足を踏み出すも、一歩及ばず、ボールは地面へと吸い込まれていく。
「ピ、ピーッ! ボール、イン! 勝者、Aチーム!!」
口真似の笛の音と、高らかな審判の宣言が、響き渡った。
「やったぁ!」
重なる紫とエレナ、由衣のハイタッチ。快活な喜びの音と声が、白い砂浜へと広がっていく。
それを見詰めるエルタニンとアンネローゼの表情には僅かな悔しさと、多大な喜びが滲んでいた。
「きゅぅ~」
足下に、呻くソラの姿のみを残して。
勝負が終われば、ノーサイドゲーム。それもまた、素晴らしきスポーツマンシップである。
「運動したらお腹がすいたねー。食事にするか」
「綾音さんは動いていないでしょう……?」
身体を動かせばお腹が空くという物。そして、控えるのはバーベキューだ。当然の如く零れた綾音の発言に、クリアルトが乾いた微笑を零す。
「うっさいなー。頭はめっちゃ動かしたから!」
「そういうことにしておきましょう」
そんな会話を進めながら、一同はバーベキューに勤しんでいく。
「まあ、準備は終わっているのよ!」
そんな声を掛けるのは、パンドラである。10レベルにも及ぶ【アイスクラフト】で持参した家庭菜園な野菜担当が彼女だ。一口大に切り分けながら、事前に置かれた牛肉をよそいつつ、ビーチバレーの面々を迎え入れていく。
網の上に鎮座するのは、肉や野菜ばかりでもなかった。様々なシーフードもまた、浜辺でのバーベキューの魅力だ。
「オーストラリアのクリスマスには、これが欠かせないのです」
とは、巨大なロブスターを丸焼きにする青沢・屏(静かなる炎・g00202)談。彼曰く、「最も新鮮な食べ物は、最も簡単な方法でも、最もおいしい料理を作れますよ」とのこと。確かに調理方法は焼くだけのシンプルさで、しかし、熱で朱に染まったロブスターは、多大な食欲を誘ってくれていた。
「オージービーフだけでは無く、露店からも色々な料理を受け取りましたわ」
それらを繰り出すのは、アンネローゼだった。
皿の上に鎮座する肉塊――もとい、ローストビーフの他、ミートパイに生牡蠣、ロブスターの刺身にグリルにボイル。現地料理以外にも生春巻きや米の麺であるフォー、麻婆丼と国籍問わず様々な料理が、所狭しと並べられていた。
「「頂きまーす」」
「たんと召し上がれ、ですわ」
都合10つの箸やらフォークやらが伸び、片っ端から食材が無くなっていく。その傍から追加されては焼かれていくのだから、復讐者達が如何に食べようとも、今は食材が尽きることは無さそうだった。
そして、その調理担当はと言うと。
「この絶妙な火加減、誰が出してるんだ――え、サーヴァント!?」
「ふふん。任せて欲しい。ミニドラゴンのトゥバンはブレスで肉を焼くのが上手いのだ」
綾音の驚愕に、所謂ドヤ顔を見せるエルタニン。
ミニドラゴンの息吹が焼き肉に丁度良いかは議論の余地がありそうだが、まあ、此度は言及しないことにしよう。ただの演出の可能性もあるし、と綾音は視線を逸らす。真相を追究するほど野暮では無かった。
そんなトゥバンは、その絶妙な火加減からか、皆にモテモテである。
エレナやソラに撫でられ、クリアルトや紫に感謝され、悪い気などする筈も無い。人間であれば、デレデレと表情を溶かしていた処か。流石にサーヴァントの表情までは読み取れなかったが、頬が僅かに朱に染まっているような、そんな気がした。
「このミートパイいいですねー! それに、生牡蠣なんて私、初めて食べました!」
感嘆の声は由衣から。調達したアンネローゼに喜びを伝えつつ、次から次へとシーフードに舌鼓を打っていく。
彼女曰く、山育ちだったため、海産物には余り縁が無かった、とのこと。全くではないものの、新鮮な牡蠣などは目に掛かることが無かったのだろう。美味しい、美味しいと繰り返し、生牡蠣を食し――もとい、飲んでいく。生牡蠣は飲み物だと言わんばかりの食べっぷりは、しかし、それはそれで周囲の食欲を呼び覚ましていく。
皆が次に箸を伸ばしたのは、屏の用意したロブスターだ。
焦げた殻が醸す匂いは香ばしく、中の身はほくほくで甘い。甘みを引き出す塩味も、どっしりとした食べ応えも、成る程、日本で食べる海老とは一線を画した代物だと思う。
「こんなに美味しいと、ついつい、いつもより沢山食べちゃいそうです」
「あら。こんなに沢山ありますから、堪能して良いんですよ。食べ過ぎたと思ったら、運動すればいいわけですし」
困り顔の紫に、この後、海に潜るつもりだと言うエレナが笑いかける。
「そう。歴史奪還戦の光景や生死の一線での戦いは、心を蝕む毒と言える。だから、このような機会、このような生活、このような祝日こそ貴重だ」
要約すれば、普段気を張っているのだから、この機会に沢山食べろ、と言った所だろうか。
屏の零すそれは、まさに悪魔の囁きであった。
「うう。そうですね。折角アンネローゼさんやパンドラさん、屏さんが用意してくれたご飯です。残すなんて勿体ない」
それに屈した紫は、更に箸を進めていくのであった。
ざざーんと波の音が聞こえる。
食後、幾人かはそのまま海へと飛び込んでいった。珊瑚礁を堪能する、とのこと。砂浜に残るのは、食休みにと砂浜に腰を下ろす紫、由衣、そして、エルタニンであった。
「楽しいクリスマスでした」
ひょこひょこと海面に頭が浮かんでは消えていく仲間達を視界に収めながら、由衣が呟く。
「つかの間のお休み、かもしれませんが、みんな楽しそうで良かった、です」
同意の言葉紫からだった。
きっと、このパーティは忘れられない思い出になる。そんな言葉を思い、エルタニンはふふりと微笑する。
「さて、それじゃあ、私は行ってくるよ」
いつの間に着替えたのだろう。赤と白の衣装姿なエルタニンの言葉に二人は視線を彼女に向ける。
返ってきた言葉は簡便な物であった。曰く。
「ビーチボールのようにこちらが返す番だ」
穏やかな微笑と共にひっぱり出されたのは、大きな白い袋だった。どうやら、これからはサンタクロースの時間のようだ。
「そうですね。そう言う終わりも楽しいかも、ですね」
「もう少しクリスマスを楽しみましょう」
エルタニンの言葉を受け止め、ふふりと微笑しながら由衣と紫が立ち上がる。
まだまだ、【天剣】のクリスマスは終わりそうにも無かった。
――そして、グレート・バリア・リーフ。
エレナとクリアルト、アンネローゼと屏はうっとりと珊瑚礁を眺め、静かな吐息を零す。零れた吐息は泡となって浮かび、水面へと消えていった。
「青い海、ずーっと続く珊瑚、そして沢山の魚達! これは映えるわね!」
パシャパシャと水中カメラで連写するソラの言葉は少々難だったが、それはそれで心地良い風物詩の様にも思えた。大海に身を委ねていれば、結構色々なことがどうでも良くなるのだ。多分。
「この光景、いいよね……覚えとこう。あの子にも見せたら楽しいんだろうなぁ」
そうも思わない綾音の姿もあったが、それはそれ。
素敵な景色を共有したい相手がいるのもまた、素敵な事だった。
「とっても綺麗ね……。この星にはまだまだこんな絶景があるのよね。いつか全部取り戻さなくちゃ!」
そして、赤青緑と色取り取りの珊瑚礁に向かい、パンドラは誓いを新たにする。
そう。オーストラリアは奪還した。だが、復讐者達の戦いは終わっていない。全ての歴史侵略者に復讐するまで、全ての歴史を取り戻すまで、復讐者達の戦いは続くのだ。
「今年一年お疲れさま! また来年も頑張りましょうね!」
そうして零れた呼び掛けに、一同はふふりと笑う。忘年会じみた言葉だ、とは彼女の自虐か、それとも誰かの軽口か。皆に微笑を呼び覚ますのには、充分な文句であった。
このような楽しい時間を再び過ごしたい。
それもまた、パンドラ達の抱く願いでもあり、叶えるべき願いでもあった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV2が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV3が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
一里塚・燐寧
【燐五】
あはは。ちょっと野暮用があってねぇ……
ま、そんなに待たせないから安心して~
少し後。岩場で待つ五月姫ちゃんを見つけたら、背中越しに声をかける
1人でいる間に着替えたあたしは今、サンタ風水着姿!
普段は服で隠している、お腹の沢山の傷を曝け出した特別仕様だよぉ
んふふ、いいのいいの
今は復讐者しかオーストラリアに来れないし、観光客はほぼいないでしょ?
それにグレートバリアリーフの景色の中じゃあ、皆もあたし達のことなんか気にしないよねぇ
いやー、あたしもたまには開放的なカッコをしたくなるんだよぉ
綺麗な景色の中を二人で泳いでいると、お腹に伸びて来る指
ん、ひゃっ……
ある意味狙い通りなのに、いざ触れられるとドロッとした感覚が背筋を走って、甘い声が出ちゃう
しかもそのせいで、五月姫ちゃん興奮してるし!?
あたし何されちゃうんだろ……うひょんっ……!
んもぉー、こーなったらお返しだよぉ!
五月姫ちゃんの背中やお腹に手を回して、こちょこちょしちゃおう
一通り二人で楽しんだ後、ビーチに戻って気付く
あは、景色全然覚えてないや
瀧夜盛・五月姫
【燐五】
ふたりでデート……なんだけど、先、行っててって。なんだろう。
少し離れた岩場に座って、待つ。少し淋しい。
ヒトデをぷにぷにしながら、待ってると、燐さんの声に振り返る。
ん、全然待ってな………………………………………は、見惚れてしまった。
だって、こういう明るい場所では、あまり、お腹が見える服、着ないから……。
燐さん、(お腹は)いいの……? そう……そう?
ん、いこう。【水中適用】でザブーン。
あまり見たことない、お魚さん、たくさんいるけど、やっぱり気になる。燐さんのお腹。
リターナーな燐さんが、今、生きてるって感じられて、とても愛おしくなるから。
……すこしくらい、さわってもいい、かな。背中むけたところで……えいっ。突っついてみよう。
?! そ、そんな声、だすんだ。いたずらごころがムクムク。
ふ、ふふふ。かわいい。もっとさわっちゃえ。えいえい。
ふあっ冷……っ。やった、なぁ?!
なんだか、サンタさん。姫だけのものにしてるって、感じして、悪い子になった気分。
……ところで何、しにきたんだっけ。
クリスマスとは誰の物だろうか。
家族の為の物? 友達の為の物? それとも、子ども達がプレゼントに一喜一憂する為の行事だろうか?
それともう一つ。
――これは、そんなクリスマスに心を躍らせる、少女達の物語でもあった。
白い砂浜から少し離れたグレート・バリア・リーフの岩場で、瀧夜盛・五月姫(失つし世《うつしよ》の滝夜叉姫・g00544)は体育座りをしていた。
目の前には赤の印象を植え付ける放射線状な生き物――所謂、ヒトデが鎮座している。それを木の棒でぷにぷにつつきながら、五月姫は嘆息していた。
世間はクリスマス。少し歩いて砂浜に戻れば、仲間達がパーティを行っているし、海ではサンタクロースがサーフィンを、街道には人々の屋台が並んでいる。そんなクリスマスが繰り広げられている筈の現在に、自身は岩場に座り、オニヒトデをつついている。これで嘆息を零さない理由はない。
少しだけ、寂しかった。少しと言わず、寂しかった。
それでも五月姫は待機を続ける。その理由は勿論――。
「あはは。ちょっと野暮用があってねぇ……。少し待たせちゃったねぇ」
背中越しに掛かる声は一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)の物。彼女の要望により、此処に待機していたのだ。
「ん、全然待ってな……」
振り返り、上げた声はそこで止まる。目は驚愕に広がり、口は唖然とした形を形成している。そんな彼女に、燐寧はじゃーんと効果音が付きそうな程見事な立ちポーズを決めていた。
燐寧の姿は、所謂サンタビキニであった。普段は隠しているお腹を露出させた特別仕様故に、五月姫は驚愕していたのだ。
「はっ。見惚れてしまった」
前言撤回。驚愕半分、惚気半分であった。
ふふんと胸を張る燐寧にだからこそ、五月姫は問う。本当に良いの、と?
「だって、こういう明るい場所では、あまり、お腹が見える服、着ないから……」
「んふふ、いいのいいの。今は復讐者しかオーストラリアに来れないし、観光客はほぼいないでしょ? それにグレート・バリア・リーフの景色の中じゃあ、皆もあたし達のことなんか気にしないよねぇ。
いやー、あたしもたまには開放的なカッコをしたくなるんだよぉ」
若干早口で長文なのは、照れか何かか。
ちなみに一般人がクリスマスパーティを開催してくれている事実は取り敢えず、忘れることにする。まあ、これから向かう海の中にはいないだろう、と言う事は織り込み済みだ。
「そう……そう?」
彼女が是なら構わないか、と五月姫は頷く。少しだけ悩ましいが、しかし、今からは二人だけの時間だ。
内心の動揺を表に出さず、海に潜ることにした。
海の中では、色取り取りの珊瑚達が、彼女達を出迎えてくれていた。
ちなみに五月姫がぷにぷにしていたオニヒトデは駆除することにした。あれがこれらの珊瑚の天敵と言うのだから、世界は多種多様で、そして面白い。
「見たことない魚が沢山居るね」
平安鬼妖地獄変出身者の五月姫に、オーストラリアの意味は珍しいのだろう。珊瑚礁に見え隠れする彩り様々な魚たちを追いかけながら、コロコロと笑う。
その笑顔に燐寧は目を細め、そして安堵の溜め息を零す。着て良かった。見目鮮やかなサンタ服や珊瑚群の中、うんうんと頷く燐寧は――正直、油断していた。
「えいっ」
「ん、ひゃっ……」
お腹をぷにっとつつかれ、甲高い声が零れてしまう。
オニヒトデと言い、燐寧のお腹と言い、何かつつくことに固執しているのでは無いか、すら思えてしまう。
(「あ、う、うう……」)
反応が嬉しかったのか、再度と言わず、二度三度と五月姫は燐寧のお腹を突いてくる。その都度、零れる悲鳴は、更なる呼び水と化していた。
「ふ、ふふふ。かわいい」
(「あ、ある意味狙い通りなのにっ」)
餌は撒いた。それがお腹を露出すると言うサンタ服の意味合いだった。だが、それがここまで五月姫の興味を引くことと、彼女の指使いに悲鳴を零してしまうことは、ある意味予想外だった。歴史侵略者達の戦いならいざ知らず、五月姫に触れられると言う事そのものは、燐寧にとっての弱点になり得ていた。
(「あたし何されちゃうんだろ……うひょんっ……!」)
何されるも何も、お腹を突かれているだけなのだが、燐寧の思考は物凄い領域まで達しそうになっていた。
「んもぉー、こーなったらお返しだよぉ!」
「ふあっ、冷……っ。やった、なぁ?!」
斯くして、珊瑚礁を背景に、美少女二人によるキャットファイト――もとい、戯れだとか睦事と言われる類いが始まったのであった。
そして。
我に返ったのは燐寧が先か、五月姫が先か。
それは判らなかったけれど。
ビーチに戻った燐寧は「たはり」と苦笑じみた吐息を零していた。
「あは、景色全然覚えてないや」
「……本当、姫達、何しに、来たんだっけ」
余韻を残すそれもまた、二人の語らいとしては相応しい物だったのかもしれない。多分、きっと。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
音葉・遥風
(トレインチケット)
日向・雷斗
(トレインチケット)
蒼狐・珠萌
(トレインチケット)
蒋・綱月
(トレインチケット)
夕暮れ。オーストラリア、グレート・バリア・リーフの海岸には、香ばしい匂いが漂っていた。
「そうですね。火の番は任せて下さい。ご安心を。貴方がたのお肉は私が育てます。何も恐れずに、脇目も振らず、振り返らずに、どうか」
バーベキューコンロを前に、キッパリと言い放つ淑女がいた。レーネマクダ・デルトダウ(テト・カフ・g08563)であった。
時折、串を回しては口元に静かな笑みを湛えている。そのいつもの表情は、しかし、いつも通りに頼もしい。
「いや、だから食えって言われも……。食うけどさ」
これは日向・雷斗(デジタルサマナー・g03297)の言葉であった。少しばかり台詞が尻すぼみなのは、怖れが故か。だが、肉を口に運ぶ手を止めない辺り、彼もまたバーベキューの魔力に囚われた一人のように思えた。
そう。ここに集う誰しもが、もはやバーベキューの魔力に捕捉されていた。ただ一人の例外もない。クリス・ルトゥーチ(吸血鬼のダークハンター・g07182)もまた、その一人だった。
「ああ、お肉、やっぱり美味しいですね……。レアで食べれる幸せもまた……」
「吸血鬼のクリス様が言うと、説得力があると言いますか、心底、と言う気がしますね」
少年らしい食欲を見せるクリスに、蒋・綱月(待宵之蜜・g08567)が微笑を浮かべる。
その綱月だが、目下、肉より野菜派だ。先ほどからレーネマクダが焼き上げている玉ねぎだかピーマンだかキャベツだかを口に運んでは、「美味しいです……」と舌鼓を打っている。仲間とともに食卓を囲むが故か、それとも大自然の中で食べるが故か。その両方ですね、と綱月は己が内心出頷いていた。
「ま。まま。気持ちは判る訳ですよ。新宿島では牛肉を得る機会が少ないわけですし」
これは、シルシュ・エヌマエリシュ(ドラゴニアンのガジェッティア・g03182)の言葉である。新宿島から着通しの水着姿のまま、彼女もせわしく肉を口にしている。オージービーフ様様、と少しだけ涙を零していた。
そう、先立て、復讐者たちが取り戻し、今や多くのクリスマスパーティが開催されているここ、オーストラリアは『刻逆』以前、世界第一位の牛肉輸出国だったのだ。その供給能力は、ほぼ残留効果に頼りっきりな最終人類史の食事情を大きく変えてくれるだろう。
「ふふふ。この成長期に多大な動物性たんぱく質。勝ったな、私!」
肉塊の刺さった串を二刀流に抱くミレー・マリエット(サキュバスのガジェッティア・g03547)は、呵々と笑い、次々と牛肉を口に運んでいく。因みに何に勝ったのか、そもそも誰と戦っているのか、それは誰にもわからない。
「負けていたりして」
グレーテル・ベッカー(人間のレジスタンス諜報員・g01436)の意味深な笑顔は誰と何とを比較しているのか。
さすがは今は亡き改竄世界史、機械化ドイツ帝国が生んだ諜報員である。それを悟らせることはなかった。
すっかり日も落ちた海岸に、静かな歌と音楽が響いていく。
それを奏でるのは、ハーバート・コールフィールド(奏で語る竜・g03385)。つい先ほどまでは賑やかしく、しかし、今はムードたっぷりな音楽が、砂浜の上に流れ広がっていた。
「よろしければお嬢様、僕と踊っていただけますか?」
「お。いーねいーね。楽しんじゃおう」
声に視線を向ければ、執事服姿のサフィール・セレニテ(見習い少年執事・g08576)が、音葉・遥風(風は遥か彼方に吹く・g03189)に恭しい一礼の後、片手を差し出しているのが見て取れた。即興の舞踏会は二人だけではない。其処彼処で男女がペアを組み、踊りに興じていた。
「それでは一曲」
「ええ、喜んで」
ロシア貴族然と踊りに誘うクリスと、それを受けるレーネマクダは優雅に緩やかに。
「じゃあ、私たちも踊る?」
「いいけど、俺、そんなに上手くないぜ?」
ドイツ人らしく気さくに陽気にそして実直に誘うグレーテルの手を取り、雷斗はむむっと唸る。こういうのは雰囲気だけだから、と笑うグレーテルの表情は眩しく、思わず雷斗は目を細めてしまっていた。
「あぶれちゃいましたね」
「まったく! 男女比が偏りすぎなんですよ! あ、これは、この美少女がハブられたことによる抗議、って訳でもなく!」
そんな憤りを見せるミレーに、綱月は思わず微苦笑を浮かべてしまう。とは言え、これが彼女の平常運転であることを知っている綱月は、それ以上の言及を避けることにした。変に絡まれても面倒くさい――もとい、折角のパーティの雰囲気を壊してしまう。それはミレーにとっても本意ではないだろうと、内心で決めつけ納得する。
「……本当にそうでしょうか?」
「シルシュ様、しーです。しー」
同僚の言葉に、人差し指を立てつつ、それ以上は語らせないと言葉を封じていく。
「うん。良き雰囲気なのです」
そんな若者たちの戯れを肴に、蒼狐・珠萌(猫狐な天使・g03640)はグラスを傾ける。口に運ぶ飲料は、かすかに酒精の香りが漂っていた。小柄な体躯の為か、年若く見られる彼女も、しかし、成人して随分久しい。大人の魅力に溢れた淑女、という奴であった。
「そうね。いつまでもこんな風景が続けばいいんだけど」
「その為に我々は戦っている。違うかな?」
同じく酒精を口にする宮尾川・ライラ(蛇姫・g03335)の口調と願いはあくまで軽やかに。それに追随するジャン・ジェラール(サキュバスの戦列歩兵・g03239)はふむ、と苦笑じみた笑みを浮かべていた。
「若者たちは若者たちで楽しみ、大人は大人で楽しみますの。ふふ。偶にはこんな夜があってもよろしいかと」
そう、年長者な笑みを零すのはマリー・アントワネット(人間のサウンドソルジャー・g09894)だ。
大人の嗜みとばかりに傾ける朱のグラスが、とても似合っていた。聞けば、それもオーストラリアの名産品、とのことだった。
「いやいや、女王陛下もまだまだお若い。そのような老成した台詞は似合いませんよ」
ジャンの言葉に、しかし、返って来たのは寂寥とした呟きだった。
「記憶の上ではもう四十路に。しかし、今の妾は妾で紛ごう事なき生を歩んでいます。どちらが本当の妾なのでしょうね」
「それは……」
淫魔大樹マリー・アントワネットの複製品――バックアップとして生み出されたマリーは、彼の『1793年』では当然のようにマリー・アントワネットとして振る舞っていた。否、振る舞うことを余儀なくされていた。新宿島に流れ着いた今、ただの復讐者、ただの時先案内人となった訳だが、そこまでの道のりは決して平坦な物でもなかった。復讐者の誰しもが辿るかのような苦難の道は、相応に彼女にも襲い掛かっていたのだ。
「そのどっちもが、マリーさんだと思うのですよ!」
だから、と、珠萌は声を張り上げる。一瞬、周囲の視線が彼女に向けられ、しかし、諍いでないと判ると即座にそれも散っていく。そんな衆知衆目の余韻の中、珠萌は静かに笑っていた。
「マリーさんの抱く想いも、記憶も、すべて持っていて良いのです。それらは須く、マリーさんの物なのです」
「皆、同じような悩みを持っているし、その想いを抱いたまま未来――最終人類史の現在に流れ着いた。アタシはアタシで、大天使やアークデーモンと戦っていた皆の記憶を未来へ持ってく。マリーもそんなのでいいんじゃない?」
すべて気負うことはない。ここにいるのは皆、仲間なのだから。
だから、マリー・アントワネットである彼女もまた、好きに生きていいのだ。そう赦されている。そして、歴史侵略者を憎み、復讐を望むからこそ彼女もまた、復讐者として覚醒した。ならば、それ以上を語る理由など、彼女たちにはなかった。
あるのはただ、その全てを叶えてくれた復讐者たちへの感謝。それのみだった。
「そう、ですわね。……そうでしたわね」
思うところは様々だろう。思い出すものも様々だろう。
だが、静かにそれを胸に抱く夜も許されている。それもまた、人々が過ごす聖夜の一幕だった。
「何々? どーしたの?」
静かにグラスを傾ける一団に、明るい声が響く。一通り踊りを楽しみ、額に汗を浮かべるグレーテルであった。
むしろ立場としては彼女も大人組ではあるが、それはさておくことにしよう。若者に楽しみを分け隔てなく与えるのも、大人組の義務なのだ。
「なに、『幸せ』について談義していたのだよ」
意味深なジャンの笑みに、ふむ、とその表情は思案に染まり、そして。
「まあ、よく分からないけど、クリスマスなんだもの。みんな幸せでいて欲しいわよね」
彼女らしいキッパリとした口調で、それだけを断言していた。
「幸せですか……」
ジャンの言葉はいつしか、よく分からない伝言ゲームと化していた。
牛串を頬張るシルシュは、むむっと唸る。
「とりあえず、今は美味しいご飯をたくさん食べることが幸せって奴?」
「いや、遥風様、それは間違いないですけども……」
抗議の声はしかし、口いっぱいに頬張った牛肉を飲み下してからでは説得力がない。
「うん。美味しいものはめちゃ好き。寒い時にほかほかのものはいいよね。甘いのもうまうま。こういう夏のクリスマスには、さっぱりとした飲み物とかほしくなっちゃう」
とても良い笑顔は何処までも魅力的で、そして眩しかった。
「僕はまあ、皆さんのお役に立てることでしょうか」
切り分けた牛肉を口に運びながら、サフィールが是と頷く。その意図は執事として。或いは時先案内人として。或いはその双方か。
「こうやってジェリーと楽しみながら、皆でめいっぱい楽しむのも、幸せだと思うよ」
これはハーバート談だ。
一通りの演奏を終えた彼は、サーヴァントであるメーラーデーモンのジェリーと共に、バーベキューを楽しんでいる。それもまた、幸せな時間と言わんばかりに。
「ところで! こんなものも出て来ましたよ!」
突如沸いた声はミレーから。見れば、なんか『珍味』と殴り書きされた段ボール箱を片手に、いそいそとバーベキュー会場に戻ってきていた。どうやら、屋台で何らかの戦利品をゲットして来たらしい。
「こういうももしかしたら、幸せなのかもしれませんね」
至極冷静な口調のレーネマクダは、ミレーの戦利品を暴いていく。曰く――。
「まあ、確かにオーストラリアっぽい物ですね」
赤身のお肉はカンガルーとダチョウとのこと。日本の食文化としては馴染みが薄いが、これもまた、立派なオーストラリアの食文化であった。
「カンガルーは焼くとして、ダチョウ肉はお刺身でも頂けそうですね。食べますか?」
「な、生肉ですか……」
「僕はむしろ好きな方ですが」
引き攣った微笑の綱月と、目を輝かせるクリスの表情がどこか対照的だった。
そして。
「いいじゃないですか。今は未奪還地域ですが、日本の九州には鳥刺し文化があると聞きます! その奪還を祈り、ダチョウ刺しを食べちゃいましょう!」
「いや、ですから、なんでそんなまた『九州人』と誤解されそうな台詞を……」
理由は不明だが、九州地方の詳しさ故、そんな風に揶揄されるシルシュの姿もあるのも、時先案内人内では周知の事実。本人曰く、幻想竜域キングアーサー出身であるとのことだし、そこでは一応、お嬢様のような扱いを受けていた、とのこと。因みに殆どの同僚たちがそれを信じているとかいないとか、まあそんな感じだった。
息まくシルシュに、クリスの乾いた笑いが重なり、一同が盛大な笑みを零す。
それもまた、何処となくいつも彼らが過ごす日常を彷彿させるものであった。
「さて。宴も酣と言ったところですが、ともあれ、そろそろ終局としましょう」
締めを飾る鶴の一声は、マリー・アントワネットから。十分に酒精を楽しんだのか、いつも白いその頬は、朱色に染まり、上気している様子が見て取れるようであった。
それに反射的に反応。「ええーっ」上がった抗議の声はしかし、
「黙りなさい、イギリス蛇」
と一括で終わってしまう。幻想竜域キングアーサーと断頭革命グランダルメの確執は、思ったより深いのかもしれない。
まあ、当の本人たちは笑いながら言い合っているので、それはそれで楽しんでいる感もある。金色の髪に白い肌と、容姿が似通っているせいか、姉妹がじゃれあっている風にも取れるから不思議だった。
「今年もお疲れさまでした。来年も……そうですわね。皆様を支えていける一年になるといいですわね」
あの『刻逆』の日から二年と四か月。地球上の多くの地域は最終人類史に奪還され、しかし、いまだそれが叶っていない地域もある。そして、それらが強力凶悪な地域であることも、すでに情報を得ている。来年もまた激動の一年となるだろう。
だが、それに負ける復讐者たちではない。そのことをマリーは、そしてここにいるメンバーは信じている。それを支えることこそ、彼女たち時先案内人の使命ならば、それに殉ずると意気込みもまた、時先案内人たちが抱く喜びだった。
「と言うわけで帰るまでがクリスマス・パーティですの。お片づけはきちんとして、歯を磨いて、ちゃんと寝るのですよ」
「……お母さんでしょうか?」
締めの言葉に吸血鬼の少年が眉を顰め、それに呼応した笑いが広がっていく。
戦いは長く、時には辛くもあるだろう。だが、心は折らない。折らせない。そんな決意を紡ぐ笑いは、おそらくどこまで行っても頼もしい。
日常につながる笑みを絶やさないことこそ、時先案内人の皆が抱く矜持でもあった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【完全視界】がLV2になった!
【傀儡】LV2が発生!
【エアライド】がLV2になった!
【冷気の支配者】がLV2になった!
【怪力無双】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV3になった!
【照明】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】LV2が発生!
【ダブル】がLV2になった!
【ラストリベンジ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV3になった!