リプレイ
喩・嘉
【2】クリスマスマーケットに顔を出す
幸児(g03876)と一緒に
手を繋いでのんびり歩きながら、
クリスマスマーケットの賑わいと美しさを堪能しよう
あちこちに灯るイルミネーションは、まるで地上に星を散りばめたようだな
薔薇の香りのアロマキャンドル、欲しいな
薔薇といっても、色々な香りが混ぜてあってたくさん種類があるみたいだ
幸児はどの匂いが好き?
俺はベルガモットの匂いが好きなんだが、
今回はなんとなくサンダルウッドの匂いを合わせたものにしようかな
森林系の匂いは、気持ちが落ち着く
それに、なんとなく幸児のことも思い浮かぶし
相手の選んだキャンドルの匂いには、
俺の匂いならいつでもかげるのに、と笑いながらも
嬉しそうに
気に入ったアロマキャンドルが手に入ったら、
薔薇の花弁が浮かぶホットワインを飲んで、あたたまろう
ふふ、薔薇尽くしだな
俺の香りも、ここだと少し紛れてしまうかもな
守都・幸児
【2】クリスマスマーケットに顔を出す
喩嘉(g01517)と一緒に
喩嘉が寒くねえように【寒冷適応】も使って
手を繋いでのんびり歩くぞ
わあっ
これ全部クリスマスの店なのか、すごいぞーっ
蝋燭、どれもすっごく綺麗だなあ
もったいなくて火が灯せそうにねえ
俺は鼻が利くから、いい匂いがたくさんかげるのすごく嬉しいぞ
これすごく美味そうな匂いがするぞー、って
苺やオレンジとかの甘い香りの蝋燭を喩嘉に見せる
美味そうな香りについつられちまう俺だが
喩嘉の問いには迷わず
喩嘉の匂いが一番好きだぞ
って答えてから
薔薇と蜂蜜の匂いがする蝋燭を選ぶ
これが、一番喩嘉の香りに近い気がしたから
喩嘉の選んだサンダルウッドって匂いをかいだら、ちょっと驚く
これ、白檀の匂いがする
白檀は、俺が喩嘉に初めてもらった香で、俺も大好きな思い出の匂いなんだ
喩嘉がそれを選んでくれたのが、すごく嬉しい
薔薇の花弁が浮かぶホットワインを一緒に飲んで
ほっとあったまる
はは
俺は鼻が利くから、ちゃんとわかるぞ
お互いの蝋燭の香りと、それから
今日の喩嘉はいっそう、いい匂いだ
●
冬の夜は冷える。
それでも寒さを感じないのは、傍らの温もりのお陰――でもあるけれど。
(「喩嘉が寒くねえようにな」)
手を繋いで互いの温度を分け合いながらも、喩・嘉(瑞鳳・g01517)の為にと守都・幸児(祥雲・g03876)が展開した、寒さの中でも快適に過ごせる世界のお陰でもある。
ディアボロスならではの、想いやりの世界だ。
一刻一刻を大切に、のんびり歩いて園内を進めば、そこは煌めく別世界。
「あちこちに灯るイルミネーションは、まるで地上に星を散りばめたようだな」
眩さに目を細めながらも、クリスマスマーケットの賑わいと美しさを堪能する喩嘉の表情は柔らかく、楽しげで。
そんな彼の様子に幸児も笑みを深めつつ、本格的にマーケットへと足を踏み入れれば。
「わあっ」
今度は立場が逆転。
幸児が上げた声に、喩嘉が微笑みを向けたのは。
「これ全部クリスマスの店なのか、すごいぞーっ」
言葉の通りに幸児の瞳もキラキラ、輝いていたから。
瑠璃よりも青玉よりも、喩嘉にとっては得難いもの。
そして、その大切な視線の先に並ぶのは。
「薔薇の香りのアロマキャンドル、欲しいな」
今宵の花、アロマキャンドル。
香りも然ることながら、花弁を閉じ込めたボタニカルキャンドルの彩りは目にも楽しい。
「蝋燭、どれもすっごく綺麗だなあ……もったいなくて火が灯せそうにねえ」
薔薇の香りと共に、花弁も消えてしまうのは、少し寂しいような心地も幸児にはして。
それでも、きっと記憶の中には想い出として残る。ふたり並んで、様々に彩られたキャンドルを眺める。
「薔薇といっても、色々な香りが混ぜてあってたくさん種類があるみたいだ」
「俺は鼻が利くから、いい匂いがたくさんかげるのすごく嬉しいぞ」
ほら喩嘉これすごく美味そうな匂いがするぞー、なんて。
幸児が手に取って見せたのは、苺やオレンジなどと掛け合わされた、甘い香りのキャンドル。
そんな美味そうな香りにはついつられてしまう幸児だが。
「幸児はどの匂いが好き?」
微笑ましげな喩嘉にそう問われれば、幸児は迷わず、躊躇わず。
「喩嘉の匂いが一番好きだぞ」
そう答えてから、手元にあったキャンドルを返して。
代わりに喩嘉へと差し出したのは、薔薇と蜂蜜の香り。
「これが、一番喩嘉の香りに近い気がしたから」
買うならこれがいい、と告げれば。
喩嘉は一度、ぱちりと瞬いて。
「俺の匂いならいつでもかげるのに」
けれど。
やはり一番に選んで貰えるのは、嬉しいから。
嬉しそうに、その笑みを深めるのだ。
「俺はベルガモットの匂いが好きなんだが、今回は……サンダルウッドの匂いを合わせたものにしようかな」
いつもと違う香りに惹かれたのは、なんとなく……ではあったのだが。
「森林系の匂いは、気持ちが落ち着く。それに、なんとなく幸児のことも思い浮かぶし」
言葉にしてみれば、その理由は明白だった。
再び幸児へと向き直れば、今度は彼がちょっと驚いたように、その目を小さく丸めていて。
「これ、白檀の匂いがする」
「ん?」
そして彼もまた、やはり嬉しそうに綻ぶのだ。
「白檀は、俺が喩嘉に初めてもらった香で、俺も大好きな思い出の匂いなんだ」
ああ、そうだ。
これもまた、大切な記憶を想い起こさせるもの。
「喩嘉がそれを選んでくれたのが、すごく嬉しい」
喜びが、幸せが、ふたりを温めていく。
心が温かくなれば、次は身体も。今のふたりは寒さも苦にならないけれど、冷えているのは確かだから。
選んだキャンドルを包んで貰って、次の店でもふたり並んで買ったホットワイン。
薔薇の花弁が浮かぶそれを、一緒に飲めばほっとあたたまる。
「ふふ、薔薇尽くしだな」
ほろり仄かな酩酊と、静かながらも確かな高揚。
温かさに蕩けるような感覚に共に、身を任せる。
「俺の香りも、ここだと少し紛れてしまうかもな」
「はは」
冗談めかして零した喩嘉に、幸児は楽しげに笑ったが。
「俺は鼻が利くから、ちゃんとわかるぞ」
続く言葉には、熱が籠っている。
ホットワインにも、キャンドルに灯る火にも、きっと敵わぬほどの。
「お互いの蝋燭の香りと、それから――」
熱に浮かされながらも確と、紡ぐ。
「今日の喩嘉はいっそう、いい匂いだ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
シャルロット・アミ
【2】
椿野さん(g02761)と
うわぁ……!綺麗ですね、椿野さん!
冬に咲く薔薇と、イルミネーション
きらきらどちらも輝いていて
翠市さんを見かけたらご挨拶
素敵なご案内をありがとうございます
いっぱい楽しんできますね
椿野さんの手を引いて、早速クリスマスマーケットへ
アロマは大好き
椿野さんの蘊蓄を聞くのは大好きだけれども
今日は私が蘊蓄を語っちゃいそう
アロマはね、色々な効能があるんですよ
柑橘系は気分を明るくしてくれるし
フローラルやエキゾチック系は逆に落ち着かせてくれます
森林系はすーっとして清々しい感じかしら
そんなことを浅い知識ながらもお喋りしながら
ひとつずつ香りを嗅いでいきましょう
私はやっぱりフローラル系がいいかな?
椿野さんはどれにしますか?
「もきゅー」
モラさんがねだったところで、私はデザートクレープを
椿野さんはホットワインですよね?
買ったアロマキャンドルをお互い見せあって
素敵なクリスマスを迎えられた喜びを分かち合うの
アドリブ、連携歓迎です
椿野・燕
【2】
アミさん(g00467)と
イルミネーションと薔薇で彩られた空間に来て
これは見事な光景です、と思わずため息が漏れる
冬に薔薇を見るのは初めてですが
良い組み合わせですね
アミさんに合わせて翠市さんにご挨拶
どうもありがとうございます
アミさんと楽しませて貰います
アミさんに手を引かれ、マーケットへと
御香ならおかると屋でも扱うことは有るのですが
どちらかと言うとコレクションのような物で
今回はアミさんの蘊蓄の聞き役になりましょう
なるほど香りによって効能が変わるんですね
私はどれにしましょうか
効能で選ぶなら落ち着く香りのフローラルかエキゾチック系が良さそうかな
しかし香りで考えると森林系が気になりますね
二人でアロマキャンドルをあれにしようかこれにしようかと楽しみながらお買い物を
モラさんはお腹が空いたのでしょうか
えぇ、ホットワインとツナのクレープも頂きましょう
主食になりそうなクレープはこう言った機会でないと食べませんから
二人でアロマキャンドルを見ながら
家で楽しむのを心待ちにして
アドリブ、連携歓迎です
●
「うわぁ……! 綺麗ですね、椿野さん!」
クリスマスイルミネーションも然ることながら、共に照らされきらきら輝く冬薔薇に。
シャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)は少女のように、弾んではしゃいだ声を上げた。
「ええ、これは見事な光景です」
そんな彼女に、椿野・燕(詭弁家・g02761)も、思わずといった風情で感嘆の溜息を漏らして。
「冬に薔薇を見るのは初めてですが、良い組み合わせですね」
感心したように頷く、彼の少し向こう側。
シャルロットはそこに、見覚えのある少年の姿を見つけた。
中性的な面立ちに、少し黒い肌と尖った耳の彼は。
「こんばんは、翠市さん」
「おや、こんばんは」
少年――翠市に、ふたりで挨拶。
「ああ、こんばんは。おふたりはこれからマーケット巡りですか?」
ふたりに軽く会釈して、そう首を傾げる少年には頷きを返して。
「素敵なご案内をありがとうございます。いっぱい楽しんできますね」
「私からも、どうもありがとうございます。アミさんと楽しませて貰います」
それぞれに感謝の言葉を贈れば、平素愛想のない少年は珍しく、微かに表情を和らげて見せて。
「ええ、是非。おふたりの想い出に残る夜になれば何よりです」
不器用ながらも誠実な言葉は、噓偽りない彼の本心だ。
最後に微笑み交わして別れて、いざマーケットへ。
燕の手を引き進むシャルロットは、呼吸の度に胸に広がる薔薇の香りに目を細めた。
(「アロマは大好き。だから今日は、私が蘊蓄を語っちゃいそう」)
博識な彼の話を聞くのは大好きだけれども、今日は自分の好きなものを語りたい。
その魅力を、彼と共有出来たらそれはきっと幸せで、素敵なことだと思うから。
一方の燕はと言うと、時折ふむ、と興味深げに頷きながら、シャルロットの話をしっかりと聞いている。
「御香ならおかると屋でも扱うことは有るのですが、どちらかと言うとコレクションのような物で」
「ふふ。アロマはね、色々な効能があるんですよ」
楽し気にそう語る彼女の、聞き役に今日は徹する燕。
その素晴らしさを懸命に伝えようと、それでいてこの上なく楽しそうに言葉を紡ぐ彼女が余りに健気で、可愛らしくて。
「柑橘系は気分を明るくしてくれるし、フローラルやエキゾチック系は逆に落ち着かせてくれます。森林系はすーっとして清々しい感じかしら」
「なるほど、香りによって効能が変わるんですね。私はどれにしましょうか」
蘊蓄と言っても浅い知識ではあるけれど、とシャルロットは思うものの。
そんな自分の言葉を参考にして、選んでくれる燕の姿がじんわりと温かく、この上なく嬉しい。
心は幸せいっぱいで、ひとつずつ香りを確かめながら、並ぶアロマキャンドルを吟味して。
「私はやっぱりフローラル系がいいかな? ……椿野さんはどれにしますか?」
「効能で選ぶなら落ち着く香りのフローラルかエキゾチック系が良さそうかな。しかし香りで考えると森林系が気になりますね」
同じ香りでも配合が微妙に違ったりと、思いの外に種類があって。
あれにしようかこれにしようかと、話し合う内に時間も少しずつ、けれど確かに過ぎていくけれど。
共に悩み考えるその時間こそが楽しくて、愛おしくて、大切なひとときだから。
苦になんかなる筈もない。その証拠に、ふたりの表情は温かく柔らかく、満たされていて。
ゆっくりと堪能するように、ふたり気に入ったものを選んだら。
「もきゅー」
何やら呼ぶような声。
「モラさん?」
声の主を振り返れば、ふたりを見上げるその姿は何やらねだるよう?
「モラさんはお腹が空いたのでしょうか」
「それじゃあ、そろそろお食事にしましょうか」
モラさんと一緒に、美味しそうな香りのする方へ。
「私はデザートクレープを。椿野さんはホットワインですよね?」
「えぇ、ホットワインとツナのクレープも頂きましょう。主食になりそうなクレープはこう言った機会でないと食べませんから」
やはり楽しそうに選ぶふたりに、ほっこりした表情の店員さんからシャルロットへと、試飲用のカップが渡される。
お酒は弱いので、と辞退するものの、どうやらこれはノンアルコールらしかった。
そんな一幕がありながらも、ふたり飲食スペースへ移動して。
設置されたテーブルに並べられたのは、飲み物に食べ物……だけではなくて。
「椿野さんのアルマキャンドル、とってもいい香り」
「ええ、アミさんのキャンドルも華やかでいいですね」
ふたりで買ったアロマキャンドルを並べて眺めれば。
この香りと灯りを、家で楽しむのを心待ちにする思いと。
素敵なクリスマスを無事に迎えられた喜びを。
ふたり、分かち合うのだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
六宮・フェリクス
おひとり様だ!…あ、いや、正確にはこっそり来てるっつーか…それはまあヨシとしていただいて!
せっかくだ、ちょっくら散策してから行くかな。夜歩きが好きなもんで?
普段と違う景色を見るのも良いもんだな。イルミネーションはこの時期ならではってコトだし。年に一度って良い響きだよなー♡
まオレちゃん、花のことはよくわからんけどな!きれーなのはわかるぜ、アッハハ!
…平和っつーのはいいもんだよ、ホントに。オレら復讐者だけで得られるものでも、作られるもんじゃないからさ。
さぁて、本目的だ。
オレちゃんちょーっと欲しいもんがあってな
アロマキャンドル、ローズとベルガモットのやつ頼める?
プレゼント用にラッピングして貰えると助かるんだけど…
こーいう匂いが好きなダチが居てさ。アイツが気に入るかはともかく、日々の礼にってヤツ!
…喜んでもらえるかね?
ま、反応含めてお楽しみ、ってこったな!
さーて帰るか〜
もちろん、もっかい目一杯、景色を楽しんでからな!
●
「おひとり様だ!」
言葉の通り、六宮・フェリクス(An die Freude・g01325)は気ままにおひとり様を満喫中。
……いや、正確にはそうでもない……ようなのだが。それはまあ、ヨシとしておくとして。
「せっかくだ、ちょっくら散策してから行くかな」
何せ夜歩きが好きなもんで? ――なんて。
飄々とした平素の調子はそのままに、気の向くままに園内をふらり歩く。
「普段と違う景色を見るのも良いもんだな」
ヴェルニー公園は、フランス庭園様式と、通年しかし四季折々の薔薇が楽しめる、元より美しい公園ではあるが。
(「イルミネーションはこの時期ならではってコトだし。年に一度って良い響きだよなー♡」)
そう、人は得てして『特別感』に心惹かれるもの。
クリスマスにだけがらりと変わる光の装いは、今日を逃せば次に見られるのはまた来年だ。それに同じイルミネーションとは言っても、全く同じ装飾がされるとは限らないし。寧ろ変わっている可能性の方が高い。
「まオレちゃん、花のことはよくわからんけどな! きれーなのはわかるぜ、アッハハ!」
ひどく愉しげに、フェリクスは笑う。
だって、花に詳しくなければこの催しを楽しんではいけない、だなんて。
そんな無粋なことを言う者は、この場には誰一人としていないのだ!
だからこそ。
(「……平和っつーのはいいもんだよ、ホントに」)
今日を逃せばまた来年――とは言っても。
来年もまた、無事にこういった催しが行われるかどうか、フェリクスにも断言は出来ない。
余り悲観的に考えたくはないが、最終人類史が置かれている状況は、そうなのだ。
だからこそ、無事に開催出来た今日が、より特別なものに思える。
(「オレら復讐者だけで得られるものでも、作られるもんじゃないからさ」)
そう。
戦う力はなくとも、支えてくれる人々が、懸命に生きてくれる人々が、確かにこの地にいればこそ。
――と。
「さぁて、本目的だ」
この時、既にフェリクスの笑みに翳りはない。
(「オレちゃんちょーっと欲しいもんがあってな」)
だからその足は、マーケットに向かう。
並ぶアロマキャンドルの向こう側にいる店員さんへと、フェリクスは尋ねた。
「アロマキャンドル、ローズとベルガモットのやつ頼める? ああ、こーいう匂いが好きなダチが居てさ、プレゼント用にラッピングして貰えると助かるんだけど……」
そう伝えれば、快く引き受けてくれた店員さんは、包装紙やリボンのサンプルも見せてくれたので。
好みそうなラッピングを選んで、出来上がりを待つ。
(「アイツが気に入るかはともかく、日々の礼にってヤツ!」)
とは言えやはり、贈るからには喜ばせたいもの。
(「……喜んでもらえるかね? ま、反応含めてお楽しみ、ってこったな!」)
こちらとしても、相手の喜ぶ顔を楽しみにするとしよう。
ラッピングされたキャンドルを受け取り、フェリクスはくるり、軽やかに踵を返す。
「さーて帰るか〜」
と言いつつ、その視線は再び煌めきへと向けられて。
それから、ニッと細められた。
(「もちろん、もっかい目一杯、景色を楽しんでからな!」)
特別な夜の、特別な光だ。
楽しまなければ勿体ない!
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
砂子・深彰
【2】
花塚さん(g00016)にご一緒させて頂き。
冬薔薇も、すき。
市民の方々も、催しも…優しい。
何一つ失われなくて、良かった。
…しかし、その場に自分が居るというのは、何とも不思議というか、
どうしたら良いか分からなくなるもの、ですね…。
その…。
こういう、場所…あまり、来たこと、無くて…。
いえ、通りかかった、くらいは、あるのです、が…
…私などは。場違いに、思えて。
ああ…けれど。
歩いているだけでも、楽しい。
…はい。それはもう。
机上に咲く蝋の花々も愛らしくて。
これは確かに…使うのが勿体無いです…。
花塚さんは、ベルガモット――
そう、ですか。お好きな香り…。良かった。
いつぞのサシェの事など思い出しつつ。
香りで、お腹が膨れては、それもちょっと勿体無いですね。
思わず笑ってしまうものの。
…はっ。苺。
イチゴの香りなんてのも、あるのでしょうか…っ(そわそわ)
うぅ…
食いしん坊では無いのです。
ただ、こういうのは別と言いますか…。
でも…食べます(頷く)
(特別な夜なればこそ。
分不相応だと分かっていても。少しでも――と
花塚・夜壱
【2】
深彰(d00137)と
クリスマスマーケット、歩いてるだけでも楽しいよな
たじろぐ深彰の手を引いて、ゆっくり見て回ろう
あまり経験がない…なら、嫌いではない?
なら、良かった
気に入ったのなら、来年も来よう
再来年も、明後年も、その次も
深彰と一緒に楽しめたら、俺は嬉しい
薔薇のアロマキャンドル…
薔薇の上品な香りも好きだが、色々あるな
花や葉で飾られているのも可愛らしい
このままインテリアに飾っておきたい…!
深彰は気になる香りはあったか?
売り子に聞けば、香りも探してくれるみたいだが…
俺はこれだ、ベルガモット
元々好きな香りだが、薔薇にも合うんだな
そうそう、深彰に貰ったサシェもベルガモットだ
今も大事にしてる、改めてありがとう
ははっ、香りで腹が膨れそうだ
でもそうだな…
チョコの香りの薔薇キャンドルとかは…ないかな…
えっ、苺…!?
あるかもしれない、探してみないか?(そわ
そう言えば特別に、食べ歩きも許されているらしい
折角だから、何か食べて帰ろうか
ははっ、素直で可愛いな!
チョコと苺の食べ物とか、探さないか?
●
繋いで引く、その手から。
戸惑うような、たじろぐような、そんな気配を花塚・夜壱(月下鬼人・g00016)は感じた。
(「冬薔薇も、すき。市民の方々も、催しも……優しい。何一つ失われなくて、良かった」)
そんな安堵と、温かな思いの心は、確かに砂子・深彰(烏有・g00137)の中にあるのに。
(「……しかし、その場に自分が居るというのは、何とも不思議というか、どうしたら良いか分からなくなるもの、ですね……」)
手の温もりは確かに伝わり、それは深彰を優しく導いてくれるものに違いない筈なのに。
何処か迷子になったような心地で、どうしても俯き加減になってしまったまま、引かれるままに歩くばかり。
そんな深彰にペースを合わせて、夜壱はゆっくり歩く。
柔らかく、言葉を掛けながら。
「クリスマスマーケット、歩いてるだけでも楽しいよな」
確かめるように問いかければ、深彰はおずおずと。
「その……こういう、場所……あまり、来たこと、無くて……」
勿論、公園なのだから通りかかったことくらいはあるのだが。
今は、そんな日常のそばにある筈の公園も、華やかに煌びやかに装いを変えていて。
どうにも、自分には眩しすぎるような気がして。
「……私などは。場違いに、思えて」
それでも、ふと顔を上げれば。
何処までも穏やかで優しい、夜壱の眼差しと。
彼の背後で賑わうように、はしゃぐように煌めく光。
(「ああ……けれど」)
それでも小さく、けれど確かに、ひとつこくりと頷いた。
「歩いているだけでも、楽しい。……はい。それはもう」
口にする。
来てよかったのかという疑問が、晴れたわけではないけれど。
それでもなお、その思いは、どうしても伝えたかった本心だ。他でもない、夜壱へと。
そうしたら彼は、ああ、彼もまた。
安堵したように、口元に柔らかく浮かべた、その笑みを深めるのだ。
「あまり経験がない……なら、嫌いではない?」
もう一度、確かめるような問いかけ。
こくり、深彰もまたもう一度、頷きを返せば。
「なら、良かった」
何処までも嬉しそうに、夜壱はそう言うのだ。
「気に入ったのなら、来年も来よう」
再来年も、明後年も、その次も――そう。
今、先のことなど見えない状況だなんて、そんなの解り切っている。
だからこそ、ここに約すのだ。望む未来を、必ず迎えることが出来るように。
「深彰と一緒に楽しめたら、俺は嬉しい」
ただ『それだけ』なのだ。
けれど、そんな『それだけ』を思えば、胸の奥は温かく、力の湧く心地がする。
『それだけ』大切な約束なのだ、これは。夜壱にとっては。
そして、深彰にとっても。
●
さて。
マーケットへと足を踏み入れれば、薔薇の香りと彩り豊かなキャンドル達に出迎えられる。
「薔薇の上品な香りも好きだが、色々あるな。花や葉で飾られているのも可愛らしい」
どれを取ってもひとつとして同じものはない、彩と香り。
それぞれに違う魅力があり、抗いがたいほどに目移りする。
「このままインテリアに飾っておきたい……!」
思わずそう独り言ちた夜壱に、深彰も。
「これは確かに……使うのが勿体無いです……」
机上に咲く蝋の花々も愛らしい、と。
小さな感嘆の溜息ひとつ、その唇から零れた。
「深彰は気になる香りはあったか? 売り子に聞けば、香りも探してくれるみたいだが……」
そう話を振りつつ、俺はこれだ、と夜壱が軽く掲げて見せたのは。
「ベルガモット――」
深彰が、レンズ越しの瞳を丸くする。
ああ、その香りは。
「元々好きな香りだが、薔薇にも合うんだな」
「そう、ですか。お好きな香り……良かった」
嬉しそうな夜壱も、その表情を微かに和らげた深彰も。
覚えているから。思い出したから。
あれは、いつぞやの――、
「そうそう、深彰に貰ったサシェもベルガモットだ」
純白の絹に包まれ、宝相華の向こう側、仄かに香るベルガモットの贈り物。
「今も大事にしてる、改めてありがとう」
胸に満たされていく、薔薇とベルガモットの香り。
きっとふたりの記憶に残り続ける香り――。
「ははっ、香りで腹が膨れそうだ」
とは言え、夜壱の言う通りで。
ベルガモットをはじめとして、様々な香りと混ざってこそいるものの、甘い香りが常に漂っているので。
「香りで、お腹が膨れては、それもちょっと勿体無いですね」
「でもそうだな……チョコの香りの薔薇キャンドルとかは……ないかな……」
不意に真顔で――本人は至って真剣に――夜壱がそう言うものだから。
思わず、深彰はくすりと笑ってしまったものの。
「……はっ」
「ん? どうした深彰」
「苺」
ぽつり、零したその単語。
「えっ、苺
……!?」
夜壱もばっちり反応した。
「イチゴの香りなんてのも、あるのでしょうか……っ」
「あるかもしれない、探してみないか?」
やにわにそわそわとし始める、ふたりであった。
でも確かに、苺はバラ科なので、あるかも知れない。
「そう言えば特別に、食べ歩きも許されているらしい」
「え……」
夜壱の言葉に、この流れ。
深彰が連想したのが何か、なんて。改めて言うまでもない。
「折角だから、何か食べて帰ろうか」
「うぅ……食いしん坊では無いのです。ただ、こういうのは別と言いますか……」
楽し気に微笑む夜壱に、つい気恥ずかしくなってしまって。
深彰はごにょごにょと、弁解を試みたものの。
「でも……食べます」
最後には頷けば、呵々と笑う夜壱。
「ははっ、素直で可愛いな!」
深彰は俯いてしまったが、その眼前に手が差し伸べられる。
「チョコと苺の食べ物とか、探さないか?」
クレープの店に行けば、もしかしたら。
なんて笑う彼の、その手を取って。
(「特別な夜なればこそ」)
それでも、やはり。
本当にいいのかという思いは、未だ消えないけれど。
(「分不相応だと分かっていても。少しでも――」)
夜壱こそが、此処にいることを、笑って許してくれるのならば。
この夜を彼と、享受してもいいのだろうかと。
深彰は、そう思うのだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
●
「ハルトヴィヒ?」
名を呼ばれたので、ハルトヴィヒ・レーヴェンブルク(殲滅のカノーネ・g03211)が顔を上げれば。
アーデルハイト・ベールケ(サイボーグの航空突撃兵・g03315)が、偶然ねとひらり手を振るのが見える。
「あなたも手伝いに? ……って」
一度はそう問いかけた、アーデルハイトだったが。
「大丈夫? 具合でも悪いの?」
「……いや」
どうにも。
少し見上げたユークレースがほんの一瞬、揺らいだように見えたから。
その理由を、ハルトヴィヒは遂に口にはしなかったが。
(「……あんまり得意じゃねえんだよな」)
温かく煌めく光、仄かに漂うホットワイン――否、グリューワインの香り。
故郷の祝祭の情景を、そして家族を――兄を、思い出してしまうから。
危うく想起しかけたその光景は、しかし新たに聞こえた声に阻まれた。
「こんばんは」
「あら綱月! お疲れ様ね」
はっとする。
見れば確かに、アーデルハイトの呼んだ名を持つマルハナバチの少女の姿がそこにある。
「ありがとうございます。お二人はもしかして、様子を見に来てくださったのでしょうか」
「……気が向いたから寄ってみただけだ」
「もう、そんな言い方して。ところで、ここのイルミネーションは凄いわね! 空から見るのもきっと綺麗だわ。……流石に飛ばないけど」
ふいとそっぽを向いてしまったハルトヴィヒに苦笑しつつも、アーデルハイトは高い位置に飾られたイルミネーションに視線を向けて、少しそわりと。
綱月はまず、そんなアーデルハイトをじっと見て。次いで、ハルトヴィヒのこともじっと見て。
「お二人共、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」
「?」
そう言い残して何処かに去った綱月に、二人は首を傾げつつも、言われた通りに待っていると。
やがて彼女は、三台のカメラを抱えて戻ってきた。
「私達で、空中写真を撮りませんか」
来年以降、同様のイベントがあった時、宣伝素材として使えるのではないかと。
何より希望者に配れば、喜んでくれるのではと。
「少々、くりすますの空気は薄れてしまうかも知れませんが、お二人がそれでもよろしければ」
「いいわね! やりましょう!」
諸手を上げて賛同の意を示した、アーデルハイト。
ハルトヴィヒも明確に頷きこそしなかったが、それでもカメラは受け取った。
喧騒から少し離れて、三人――と、そのサーヴァント達が空へと舞い上がる。
空を翔るわんこ二匹と、翼はためかせる天使の少女に目を奪われた人々をよそに、三人は会場の上空へ。
花とワインの香りは殆ど薄れてしまって、光も地上で見るほど明るくはないけれど。
それでも、アーデルハイトが見立てた通り、空からの眺めは美しかった。
「……ところで、少々よろしいでしょうか」
不意に。
打って変わっておずおずと声を上げた綱月へと、二人が視線を向ければ。
「その……お手数をお掛けしますが。かめらの使い方をご教示いただけませんでしょうか。お恥ずかしい話ですが、未だ取り扱いに慣れておらず……」
彼女はそう言って、困ったようにはにかむように、へにゃと笑ったのだった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
水上・鏡夜
【2】
ふむ。香を扱う者としてはかなり興味深いね
新しい発想にもつながるし、香りの組み合わせによっては面白いものもあるだろう
アロマキャンドルの出店を見て回ろう
白檀を常に纏ってる都合、どうしても甘い香りに寄ってしまうからね
もう少し違う香りを探してみようか
薔薇はかぐわしく、誇り高いもの、どの香りとも合うからねぇ
効能で考えるならば、リラックス効果の高い物にしたい
定番の物で言えばベルガモットかカモミールか
他にも面白そうな組み合わせがあればいただきたいね
良い物を見させてもらったよ
ありがとうね。ハッピークリスマス、と言えばいいかな
帰る前にホットワインでも頂こうか
この時期寒いからねぇ、白ワインで温まろう
アテはデザートクレープだね
生姜は辛味が強い分、甘味が引き立つってものだ
自分で作るわけにはいかないから、こういう時に楽しませてもらうよ
…………美味しいね
緋星も食べるかい?こういう時に一緒に楽しめるのもおつなもんだよ
●
漂う薔薇の香りに誘われて来てみれば、確かに並ぶキャンドルからはそれに混ざって仄かに異なる香りもする。
「ふむ。香を扱う者としてはかなり興味深いね」
マーケットに並ぶ一本一本を眺めて見比べながら水上・鏡夜(共在者・g09629)は胸中感心していた。
(「新しい発想にもつながるし、香りの組み合わせによっては面白いものもあるだろう」)
鏡夜は常日頃、白檀の香りを纏っているものだから。
そんな都合、彼女を取り巻く香りは甘いものに寄りがちで。だからこそ、今日はこの薔薇の園で、普段と変わったことをしてみようと。
(「もう少し違う香りを探してみようか」)
すん、と小さく胸に満たした芳香は、甘く優しい木の香りとはまた違う、上品で華やかな花の香り。
(「薔薇はかぐわしく、誇り高いもの、どの香りとも合うからねぇ。効能で考えるならば、リラックス効果の高い物にしたいが……となると、」)
例えば、定番で言えば。
ベルガモット、或いは、カモミール。
ぱっと思い浮かぶのはその二択ではあるが、鏡夜の考える通り、合わせやすい香りでもあるから。
「他にも面白そうな組み合わせがあればいただきたいね」
売り子の店員さんに、お勧めを聞いてみたり。
鏡夜の目の前に並べられたそれらを、一本一本手に取って。香りを確かめ、彩る花や葉を眺めて。
幾つかの気に入った香りのものを選び取ると、ふふと微笑み。
「良い物を見させてもらったよ。ありがとうね」
ハッピークリスマス、と言えばいいかな――なんて。
市を出してくれた人々にも、佳き一夜であるようにと、鏡夜は魔法の言葉を贈った。
「さて、帰る前にホットワインでも頂こうか」
温かな湯気の立ち昇る店の前に足を向ける。
赤か白が、尋ねられて鏡夜は。
「この時期寒いからねぇ、白ワインで温まろう」
アテにはショートケーキ風デザートクレープを、と。
(「生姜は辛味が強い分、甘味が引き立つってものだ」)
やがて注文のホットワインとクレープが手渡され、それを受け取って。
目にも華やかなそれらはこの日、この夜の為に考案されて作られたのだろう。見ているだけでも特別感がある。
「自分で作るわけにはいかないから、こういう時に楽しませてもらおうか」
飲食スペースに移って早速、ホットワインで唇を湿らせて。温もりが身体に満たされていく中、クレープを一口。
「…………美味しいね」
生姜の程よい辛味と、蜂蜜とレモンの甘酸っぱさが、白ワインのキレとコクを引き立てている。
クレープも甘すぎず、けれどしっかりと苺やクリームの味わいを感じられる丁度いい具合だった。
だから、鏡夜は。
「緋星も食べるかい?」
傍らでしゃんと座して待つ、黒い毛並みのクダギツネの緋星へと、視線を向けて問い掛けて。
「こういう時に一緒に楽しめるのもおつなもんだよ」
その目元を彩る緋色の毛並みが、ぱちりぱちりと瞬く度に揺れるのを、楽しげに笑ってそう言った。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
鶴來・櫻子
【2】
海風は冷たいだろうから外套を羽織って手袋をして防寒はしっかりと。
会場へ向かう公園の道すがら柔らかい金色に飾られた華やかなイルミネーションや光りに照らされた冬薔薇に心が浮き立ち思わず笑みが零れる。
マーケットでは初めて見る綺麗なキャンドルに更に笑みが深くなる。
アロマ、キャンドル…。
蝋燭って灯りとしての使い方しか知らなかったのだけれど
火の揺らめきと香りを楽しんだり出来るのね。
彩られている花も一つずつ違うし、それがどんな香りなのか売り子さんに相談しながら色々試してみたい。
あれこれ悩むのも楽しい時間だわ。
……このイランイランの香りが気に入ったわ、これにします。
一緒にどんな場面で使うのがお薦めなのかも聞いておきたいわ。
素敵な買い物が出来て満足したら、甘いデザートクレープでお腹も満たしたい。
クレープが出来上がるのを待っている間に綱月さん、翠市さん、エドガーさんの三人を見付けて小さく手を降り。
準備のお手伝いをしてくれたのよね?
ありがとう。
……私、一人なの。クレープ食べるの付き合ってくれないかしら?
●
街道は柔らかい金色にめかし込んでいて。
華やかなイルミネーションや、その光に照らされた冬薔薇は、見る者の心を浮き立たせた。
鶴來・櫻子(暁闇の櫻・g08555)も、その一人で、光がきらり瞬く度にほわりと笑みを零した。
海風の寒さも、温かな外套を羽織って手袋で指先まで包み、会場の温もりへと身を投じれば染みることもない。
そして、胸を満たす芳香と、その源である彩り豊かなキャンドルが目に飛び込んでくれば、更に表情を綻ばせて。
「アロマ、キャンドル……」
これが、とひとつ手に取って、香りを楽しみながら眺める。
(「蝋燭って灯りとしての使い方しか知らなかったのだけれど、火の揺らめきと香りを楽しんだり出来るのね」)
香りも違えばそれを彩る花や葉も違う。知っている、見たことのあるものもあれば、初めて見るようなものもある。
それは香りにも同じことが言えて。馴染みのある香りを見つければ、何だか懐かしさすら覚えて。知らない香りには、新鮮な気持ちで向き合える。
「ねえ、この花ってもしかして金木犀かしら。杏に似た甘い香りもするような気がして」
「はい、こちらオスマンサス……金木犀ですね。金木犀はモクセイ科ですが、香りの似ているアプリコットがバラ科なので……」
他にも、気になった花や香りについて売り子に聞いて、あれこれ悩む。その時間もまた楽しい。
やがて、いくつか気に入ったものの中から櫻子は一本のキャンドルを手に取る。
薔薇だけでなく、黄色の花弁が特徴的な一本だった。
「……このイランイランの香りが気に入ったわ、これにします」
甘さの中にも異国情緒溢れる香りは、しかし薔薇の香りと喧嘩することもなく、他に配合された香りとも絶妙な調和を生み出している。
折角なので、どんな場面で使うのがお勧めなのかも尋ねてみれば。
「そうですね、ローズにもイランイランにも鎮静効果がありますから、心を落ち着けたい時なんかにピッタリじゃないでしょうか。それにどちらも美容や女性の健康にも効果があるんですよ」
「まあ」
同じく女性な売り子の店員さんと、ふふと笑み交わし。
芳香も、人々との交流も楽しんだ櫻子が、満足げな足取りで向かった先は。
(「丁度お腹も空いてきたし……」)
出店で頼むのは、甘いデザートクレープ。
焼き上がりを待つ間、ふと視界に映った見覚えのある三人組。
「綱月さん、翠市さん、エドガーさん!」
名前を呼んで手を振り、招く。
「こんばんは。楽しんでいただけておりますでしょうか」
「ええ。準備のお手伝いをしてくれたのよね? ありがとう。」
この催しを楽しんでくれたなら、何よりだと。
櫻子の言葉に綱月は笑みを深め、翠市も微笑んで頷く。
「ところで……私、一人なの。クレープ食べるの付き合ってくれないかしら?」
こういうのは、きっと賑やかであればもっと楽しくて、美味しいだろうからと。
「私共でよろしければ、喜んでご一緒させていただきます。ね?」
「はい。……ほら、エドガーさんも」
綱月が振り返れば、翠市は再び頷き。何処か遠くを見ていたエドガーの服の裾を掴んで輪に加わるよう促す。
温かな光。寒さを忘れさせる香り。人々との語らい。
日常の中の特別を。その尊さを。
櫻子は、噛み締める。
聖夜の光は清く温かく。
寒風の中で揺れる花は優しく。
今日という日の想い出を、鮮やかに彩った。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!