秘望への迷路を(作者 海鶴
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#蹂躙戦記イスカンダル  #勝利王の猛き影武者  #セレウコス領  #アンティオキア  #ミノタウロス・オリジン  #勝利王セレウコス 

●決断の『勝利王セレウコス』
 戦況が見通せない。
 それが『勝利王セレウコス』の現状である。《七曜の戦》の混乱。それがこれほどまでに長く続くとは彼には思えなかったのだ。
 故に彼は己が敵対しているディアボロスという存在の力を侮れぬと判断するに至ったのだ。
 しかし、未だ納得できないこともある。
「遺憾ながら、アンティオキアは放棄するしか無かろう。大王との合流も視野に入れねばならぬ。しかし、ダレイオスのいるペルセポリスに向かうか、ペルガモンからマケドニア本国に戻り態勢を立て直すべきか」
『勝利王セレウコス』の脳裏にいくつかの案が立ち上がる。
 すぐに頭の中にダレイオスやアンテイゴノスを頼ることへの拒否の二字が浮かび上がる。
 感情的な理屈ではない。
 もしも、ここで彼らを頼ったとなれば、己の再起は不可能である。

「やはり、向かうならばゴルディオンの地しかないか。ゴルディオンならば、あのクロノ・オブジェクトにより、ディアボロスの侵入は防げるはずだ」
 決断してからは早かった。
「『ミノタウロス・オリジン』よ」
「オレ、此処に!」
『勝利王セレウコス』の声に玉座の影から巨大な牛頭人身たる怪物が現れる。
 ジェネラル級亜人『ミノタウロス・オリジン』であった。
「お前は、影武者として、この座を護るのだ。よいか、玉座から一歩も引かず、襲い来るディアボロスを撃退してみせよ。それでこそ、『勝利王セレウコス』の名と名誉を守るのだ」
 その言葉に雷鳴を思わせる咆哮が玉座の間に響き渡るのだった。

●アンティオキア攻略
 レーネマクダ・デルトダウ(テト・カフ・g08563)は集まってきたディアボロスたちに一礼する。
「お集まり頂きありがとうございます。蹂躙戦記イスカンダルにおける都市、アンティオキアへの突入作戦が成功したことを経て、王城の攻略へと段階を移しています」
 それはディアボロスたちの活躍が快進撃であることを示していただろう。
 そして、ディアボロス達がアンティオキア市街地の守りを突破したことを受けて、支配者であるジェネラル級亜人『勝利王セレウコス』はアンティオキアの放棄を決定したようだった。

「市街地を制圧しようとするディアボロスに対しては『老将ポリュペルコン』に。王城へと攻め入るディアボロスには『ミノタウロス・オリジン』を影武者として時間を稼ごうという腹積もりのようです」
 そう、たとえ影武者を用意していたとしても、無意味である。
 如何に『勝利王セレウコス』が優れた将であるのだとしても、その目論見を打破することができる。
「『勝利王セレウコス』がアンティオキア脱出に使う通路の入り口は、アンティオキアの玉座に存在しております。この通路はクロノ・オブジェクトであり、秘密の通路の出口は『老将ポリュペルコン』の居場所へと通じているようです」
『勝利王セレウコス』を討つためにはアンティオキアの玉座を破壊し、通路に決戦部隊を送り込まねばならないのだ。

「そして、影武者を務めるはジェネラル級亜人『ミノタウロス・オリジン』です。『勝利王セレウコス』と同じ牛型亜人ですが、知能が低い狂戦士型であると言えます」
 ハッキリ言えば、影武者としての質は低い。
 だが、高い戦闘能力と忠誠心を有している強力な亜人ジェネラル級であることには違いはない。
「秘密通路の入り口である玉座はクロノ・オブジェクトでありますので、パラドクス攻撃で破壊する必要がございます。しかし、この玉座は、玉座にジェネラル級が居る限り、そのパラドクス攻撃が『ミノタウロス・オリジン』へと向かうという特殊能力を有しております」
 つまり、玉座を破壊するには『ミノタウロス・オリジン』を撃破するか、玉座から引き離した上で破壊する必要があるということだ。
 幸いにして、レーネマクダが言う通り『ミノタウロス・オリジン』の知能は低い上に、血気盛んである。
 挑発によって容易に引きはがすことができるだろう。

「とは言え、挑発で引き剥がした際には『ミノタウロス・オリジン』は決戦部隊を追うはずです。これを防ぎつつ、撃破を行わなければなりません」
 それは危険を伴う戦いとなるだろう。言うまでもないことだろうが。

「『勝利王セレウコス』を撃破するためには、いかに早く玉座を破壊するかが重要となるでしょう」
 迅速果断なることを求められるだろう。
 状況を正しく判断し、決断すること。そうしたことの積み重ねこそが、必ずや『勝利王セレウコス』の喉元へと刃の切っ先を突きつけることに繋がるはずだ。

「『ミノタウロス・オリジン』は忠誠心は高いですが、好戦的かつ知能の低さから品性の低い挑発での効果が見込めます。本来なら、『ミノタウロス・オリジン』は『勝利王セレウコス』の親衛体調と言った立場であったようですが、知能の低さの通り、重要な情報は持ち合わせていないでしょう」
 とは言え、忠誠心は非常に高い。
 仮に『捨て駒にされた』などの挑発などで離間を仕掛けても、恐らく無駄に終わるだろう。
「即ち、決死の覚悟である、ということでしょう。己の役目を果たす。ただ、その一点においてのみ、『ミノタウロス・オリジン』は非常に厄介な敵であると言えます」
 だが、この強敵を排せねば、ディアボロスの決戦部隊は『勝利王セレウコス』の元へと向かうことができないのだ。
 レーネマクダはディアボロス達の瞳を見据え、彼らをアンティオキア開放に立ちふさがる最後の難関の元へと送り出すのだった。

●玉座の間
 ずらりと並んだトループス級『ゴブリン盗賊団』たちを従え、ジェネラル級亜人『ミノタウロス・オリジン』は、巨大なる体躯から蒸気立ち上らせるほどの強靭な意志を満たしていた。
「オレ、勝利王の名を守って戦う。オレ、最強!」
 気炎を上げる。
 それは咆哮であったし、また純然たる意志の発露であったことだろう。
 その声に応じるようにして『ゴブリン盗賊団』たちは荒々しい声を上げる。
 一様にこれより迫るであろうディアボロスたちを蹂躙してやろうという気概に満ちていたのだ。彼らの知能は確かに高くはない。
 ただ純粋な暴力性だけがあった。
 迫る者は打ちのめし、奪い尽くす。
 尊厳も生命も、全て奪い尽くす。
「オレ、勝利王! オレ、ディアボロス倒す! 皆殺し、だ!」
 それが『ミノタウロス・オリジン』の全てだった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【隔離眼】
2
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【壁歩き】
1
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
2
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【アイスクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が3mの「氷の立方体」を最大「効果LV×3個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。出現させた氷は通常の氷と同様に溶ける。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。
【防空体制】
1
周囲が、飛行する存在を察知しやすい世界に変わる。ディアボロスが屋外を飛行中の敵を発見するまでに必要な時間が、「効果LVごとに半減」する。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV2 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV4 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 アンティオキアの王城内に存在するクロノ・オブジェクトである玉座を守る『勝利王セレウコス』の影武者であるジェネラル級亜人『ミノタウロス・オリジン』と戦闘となるシナリオになります。

『ミノタウロス・オリジン』はアンティオキアから脱出しようとする『勝利王セレウコス』を逃すために玉座にて皆さんを迎え撃とうとしています。

 ①玉座の破壊(秘密の通路の発見)(👑2)
 玉座をパラドクス攻撃で破壊する選択肢です。
 ダメージを与えることができれば破壊することが出来ます。
 破壊すると、そこから脱出せんとする『勝利王セレウコス』の背を追うための決戦部隊を送り込むことができます。

 ②ミノタウロス・オリジンへの挑発(👑5)
『ミノタウロス・オリジン』は玉座から離れようとしません。
 挑発を行って、玉座から引きはがすことができれば、選択肢①を成功させることができるでしょう。
『ミノタウロス・オリジン』自体の知能は低いため、挑発の内容さえ間違えなければ容易いでしょう。

 ③👾護衛するトループス級『ゴブリン盗賊団』(👑7)
『ミノタウロス・オリジン』と共に玉座を守るトループス級亜人です。
 この集団敵を撃破する前に『ミノタウロス・オリジン』との戦闘になれば、支援として妨害してくるため、撃破しておくのがよいでしょう。

 ④👿勝利王の猛き影武者『ミノタウロス・オリジン』(👑30)
『勝利王セレウコス』の影武者である牛型亜人です。
 ですが、すでにディアボロスである皆さんには影武者であると割れているため、影武者としての役には立っていません。
 とは言え、ジェネラル級亜人としての力は強大です。

 第一に最優先されるべきは選択肢①の玉座の破壊です。
『ミノタウロス・オリジン』が健在、もしくは玉座から離れていないと選択肢①のためのパラドクス攻撃が全て『ミノタウロス・オリジン』へと向かうため、現実的には選択肢②によって『ミノタウロス・オリジン』を玉座から引き離さなければならないでしょう。

 それではアンティオキア最終局面、その戦いに挑む皆さんの物語となれますよう、たくさんがんばります!
66

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


ハーリス・アルアビド
セレウコスはアンティオキアを放棄したようですね。このまま逃す訳にはいきませんが、その前にアンティオキアを完全に制することができなければセレウコスを追う事もままならぬでしょう。後顧の憂いを断つためにも迅速に、確実な勝利を収めます。

大地の神ゲブよ、お力添えを。異郷の地であれど大地は神そのもの。この地をまことの神の御手に取り戻すために、大いなるお力をここに。
【祈り】を捧げこの地の平穏と勝利への【幸運】を願います。

味方との連携を意識しながら【ゲブへの請願】による【衝撃波】で敵群を分断します。敵は素早い動きと密かに忍び寄る事に長けた者のようですが、【泥濘の地】に足を捕らわれたままでは思う通りに動くことはできません。
動きが鈍った敵の間を縫うように【残像】を生み出す速度で駆け抜け、衝撃波で起きた砂塵を【砂使い】で巧みに操り狙いを【攪乱】し、こちらから【不意打ち】を仕掛けましょう。


アンディア・ラムパデス
威勢は良いようだが……どのような相手だろうが、我のやることは変わらん
亜人はすべて殺す、ただそれだけだ!!

勝利王の首、貰いに来た!
叫びと共に玉座の間の門を打ち壊し、中へと踏み込む
戦意の高い敵だ、不意を突けるなどとは思わん……なれば、力でも戦意でも亜人共には負けぬと示すのみ

まずは周りのゴブリン共からだ
知恵は回らずとも憎らしいことに亜人共の力は本物
奴らが居ては我らの目的も果たせなくなりかねん

奴らから動きを止めてくれるならばむしろこちらも狙い易い
飛び掛ってくるてゴブリンを盾で受け止め、槍と盾で滅多刺しを捌いて傷を少しでも抑える

猫一匹仕留めるのに苦労するようでは貴様らも大したことはないな……!
挑発混じりの言葉で攻撃に集中させ、気を逸らしたところで我に乗りかかって動きを止めたゴブリン共目掛けて、砂の蛇をけしかける

砂の蛇よ、暴れ呑み……貪食せよ!
今日、この日は……貴様らが奪われ、蹂躙されるのだと知ると良い!


 アンティオキアを支配するジェネラル級亜人『勝利王セレウコス』を仕留めるために市街地を突破し、王城経とディアボロスたちは迫る。
 玉座の存在する間に続く扉が勢いよく弾かれるように開いた。いや、打ち壊された。
 その音に玉座の間に在る『勝利王セレウコス』の影武者、ジェネラル級亜人『ミノタウロス・オリジン』は待っていたとばかりに気炎を上げる。
「ディアボロス、来た! 殺し尽くせ! 奴らは弱い、オレ、強い! だから、全て皆殺し、だ!」
 その咆哮に従うようにしてトループス級『ゴブリン盗賊団』たちもまた下卑た笑い声と共に破壊された扉へと走る。
 彼らに守る、という感覚はないのだろう。
 殺し、奪い、また殺す。
 奪うために殺すのか、殺すために奪うのか。
 その線引すら曖昧なほどの知能の低さ。されど、賢しさはある。

「勝利王の首、貰いに来た!」
 アンディア・ラムパデス(砂塵の戦槍・g09007)の鬨の声の如き叫びを聞いた『ゴブリン盗賊団』たちは、その表情をさらに下卑たるものへと変えただろう。
「オンナぁ!!」
 玉座の間を一番に破壊し、飛び込んだ彼女の元に『ゴブリン盗賊団』たちは我先へと迫る。
 弱いものから殺す。
 女性というのは彼らにとって、そういう生き物であったのだろう。
 その威勢の良さを目の当たりにして、アンディアは、その眦を釣り上げる。
「……どのような相手だろうが、我のやることは変わらん」
 己の胸には炎がある。
 怒りだ。奪われた怒り。尊厳を奪われ、踏みにじられた過去の全てが今の彼女の怒りを炎に変えるのだ。
 手にした槍を掲げ、彼女は叫ぶ。
「亜人は全て殺す、ただそれだけだ!!」

 アンディアの叫びと共にパラドクスが明滅する。
『ゴブリン盗賊団』たちは略奪によって得たであろう刃を手にして躍りかかる。
「これは後顧の憂いを断つ戦い。大地の神ゲブよ、お力添えを」
 ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)の掌が玉座の間の床にふれる。
 ゲブへの請願(ゲブヘノセイガン)によって地面から衝撃波が走り抜け、迫る『ゴブリン盗賊団』たちの群れを割るようにして打ち込まれる。
「異郷の地であれど大地は神そのもの。この地をまことの神の御手に取り戻すために、大いなるお力をここに」
 その衝撃波に『ゴブリン盗賊団』たちは一瞬足を止める。
 だが、その一瞬で良かったのだ。
 衝撃波は確かにハーリスの一撃となって『ゴブリン盗賊団』たちを吹き飛ばす。その最中にアンディアが踏み込む。
「ゲヒャァ!!」
「邪魔立てを!」
 迫る一撃がアンディアの盾に受け止められる。だが、次々と数でまさる『ゴブリン盗賊団』たちが彼女の盾を引き剥がし押し倒すようにして馬乗りになる。
 手にした凶刃が剣呑たる輝きを放つ。

 だが、アンディアの目はそらされることはなかった。
 敵は確かに恐ろしい亜人かもしれない。けれど、自分は恐れない。負けないと示すことだけが、彼女の胸の内に燃え盛る炎の名を示すことだった。
「暴れ呑み、貪食せよ……!」
 振り下ろされんとする凶刃。
 その一撃の最中、彼女のパラドクスが輝く。
 投げ放つ砂は蛇の形へと代わり、己に馬乗りになっていた『ゴブリン盗賊団』を一呑みにしてしまう。悲鳴さえ聞こえない。砂の腹の中で『ゴブリン盗賊団』は断末魔の悲鳴すら上げられずに全身を砕かれ絶命するのだ。

「猫一匹仕留められんとはな。貴様らも大したことはないな……!」
 砂流蛇(エレーミアー・オピス)たる一撃を放ったアンディアは立ち上がり、槍の穂先を『ミノタウロス・オリジン』へと突きつける。
「動かないか」
「いえ、恐らく『ゴブリン盗賊団』への挑発と捉えられたのでしょう」
 ハーリスはトループス級の奥、さらにその奥にある玉座を見る。
 あれはクロノ・オブジェクトだ。ジェネラル級があるかぎり、破壊するためのパラドクス攻撃は全て『ミノタウロス・オリジン』へと向かうようになっている。
 玉座を破壊するためには『ミノタウロス・オリジン』を引き剥がさなければならない。

 アンディアの言葉は確かに敵全体を挑発する言葉だった。
 けれど、『ミノタウロス・オリジン』はそれが己に向けられたものだと理解できていないようだった。ならば、もっと直接的な言葉こそが『ミノタウロス・オリジン』には効くのだろう。
「とは言え、このトループス級をまずは」
「ああ、示そう。今日、この日は……奴らが奪われ、蹂躙されるのだと!」
 ハーリスとアンディアは戦場となった玉座の間に満ちる『ゴブリン盗賊団』との戦いを続ける。この敵を打倒し、玉座を守る『ミノタウロス・オリジン」をどうにか引きはがす。
 その迅速さこそが今まさに求められているのだ。
 故に彼らは己のパラドクスを輝かせ、その槍と祈りとでもって敵を打ち倒すのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!

荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
アンティオキアは取り戻せそうだが、セレウコスまで簡単に逃すわけには行かない
このまま後を追うためにも梅雨払いはしておかないとな
ゴルディオンまで逃亡されたらまずいから急ぎつつ冷静に倒そう

【行動】
仲間と声を掛けながら積極的に連携していく

まずは全自動で敵を狙う機関銃を製作して設置し
これで敵を攻撃する
俺自身は惑わされても機械を惑わすことはできないから
敵が略奪しようと一定範囲内まで近づいてきても問題ないはずだ

敵からの攻撃は後方からの物は盾のフェイク・プリドゥエンを背負い
前方からの物は電光警棒で対処する
弾丸を避けて近づいてくるやつもいるから気をつけて行こう
完全視界で敵の動きを見逃さないように注意する

必要なら臨機応変に対処する


陳・桂菓
まずは護衛の掃討から、というのが順当か。
……動きのキレがいいな。影武者の護衛をやるだけあって、精鋭なのか、このゴブリンどもは。
まあ、だからといってどうにもできんほどでもない。
油断はせんが萎縮もせず、普通に始末してくれよう。

使用武器は朴刀『驪竜』
敵は群れを成して襲い掛かってくるようだ。が、威勢は良くとも戦術的にしっかりした組み立てのある陣を整えてくるわけでなさそうなのは、救いだな。
リーチも手数もそれなりの【疾風斬天翔】は、広域の雑兵を一度に相手するにはちょうどいいだろう。近くまで寄ってきた敵、まだ遠間にある敵、どちらであろうが闘気の刃を打ち当てて攻撃できる。
ゴブリンがまず狙ってくるのは、私の命か、武器や装飾品の略奪か。
まあ何にせよ密着されるまでに寄られれば、武器を振るって攻撃することにもなろう。斬れ味も重量もある驪竜であれば、何をどう仕掛けられたにしても苛烈なカウンターを見舞ってやることができるはずだ。

「貴様らにくれてやる物など何もない。略奪がしたければ、地獄で好きなだけやるのだな」


菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
(戦闘中は適度に挑発)

デカい獲物は当然、勝利王だが……
俺にとっちゃお前らも似たようなもんさ
ゴロツキ同士、仲良くやろうぜ

ハンマーを担ぎ背後を覆い隠して防御に使う
近寄って来るのが大半のようだし、動きさえ止めなけりゃ死角からの襲撃はある程度避けられるだろう
囲まれないように立ち止まらず、そのまま手近な奴へ突撃だ

こいつら相手にただ殴り合いってのも勿体ねえな、近づきつつ煽ってやろう
キレてくれりゃその分付け込みやすくもなるだろ
適当に雑魚呼ばわりでもすりゃ飛び掛かって来るかね
挑発して敵が動いた所でこっちもダッシュだ
いきなり速度を変え引っ掛けてやろうって魂胆だな
一気に距離を詰めて捕まえに行くぞ

首根っこをグラップル、掴み上げ抵抗されないように締め上げて攻撃開始だ
敵が密集している位置目掛けて跳び、掴んだ敵を叩き込むぞ
周りの奴ごと派手にぶっ飛ばしてやろう

蹂躙すんのはお互い様、ってな
死にたくなけりゃ抵抗して見せな!


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

七曜の戦で見たヴィジョン、忘れはしないよ
南イタリアを蹂躙した亜人たちの一人……ミノタウロス・オリジン
セレウコスの影武者であったとは
ここで会ったら逃しはしない

今、俺に出来ることをするのみだ

まずは配下のゴブリン達を倒す
仲間たちと連携をとり
戦場を偵察、観察しつつ敵味方の動きを把握
散弾銃を構えて焼夷弾を撃ち放ちPD攻撃、ダメージアップをのせ敵を焼き尽くす
味方と狙いを合わせつつ、倒しやすい個体、連携の要となる個体、仲間の死角を狙う個体を優先し劇場
焼き払って敵群の勢いを削ぎつつ、着実に個体数を減らしていく
自陣を崩されないように、タワーシールドで防ぎつつ攻撃を重ねよう

敵の攻撃には、不意打ちに警戒しつつ、魔力障壁で身を護り
タワーシールドを構えて馬乗りと武器を防ぐ

いくら玉座を護ろうとも、セレウコスへ届かせてみせよう
大事な一戦だ。道を開けてもらおうか


 アンティオキアの放棄を決めたであろう『勝利王セレウコス』をどうあっても打倒しなければならない。
 今彼を逃してしまえば、再び決戦に持ち込む機会は多くはないだろうということは予想できることであったはずだ。
 だからこそ、ディアボロスたちはこの機会を逃さない。
 たとえ、か細い糸のような頼りない路であっても、それが必ずや『勝利王セレウコス』の背に繋がっているというのならば、掴んではなさないのだ。
「敵トループス級を蹴散らす!」
 荒田・誠司(雑草・g00115)は先行したディアボロスたちが切り裂いたトループス級『ゴブリン盗賊団』の一群を認め、そのゴーグルの奥でパラドクスに瞳を輝かせる。
 即席製作:全自動機関銃(インスタントメイク・オートマチックガトリング)によって生み出された機関銃が唸りを上げて弾丸をばらまく。
 その弾丸は『ゴブリン盗賊団』たちを捉え、その体躯を貫く。
 血潮が舞いながらも、しかし彼らは誠司へと飛びかかってくる。 
 略奪こそが彼らの全てである。殺すことは奪うことの経過点でしかないのだ。振るう刃の輝きを認めながらも、誠司は盾で受け止め刃を電光警棒で受け止める。

「『勝利王セレウコス』をゴルディオンまで逃亡させるわけにはいかない。こちらの敵は俺に任せろ!」
 誠司の言葉に陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は頷き踏み込む。
 敵の動きは悪くはない。
 影武者とは言え、ジェネラル級の護衛を務めるトループス級たちである。そういう意味では精鋭と呼んでも差し支えのないのだろうと彼女は判断する。
「だからといってどうにもできんほどでもない」
 萎縮はない。
 かと言って油断するつもりもない。
 普段通りだ。いつもどおりに始末していくだけだと、彼女が手にした朴刀『驪竜』がパラドクスの輝きを湛え、闘気を満たした刃が斬撃を飛ばす。
 鋭い切れ味を誇る闘気の刃が『ゴブリン盗賊団』の胴を両断する。
「ゲヒャ?!」
「疾風斬天翔(シップウザンテンショウ)……お前たちが狙うは私の武器か装飾品か、命の略奪か。なんにせよ、この距離だ。当たらぬということはあるまい」
 彼女の動きは『ゴブリン盗賊団』を翻弄するものだった。
 誠司の設置した機関銃の弾丸に動きを鈍らされた『ゴブリン盗賊団』たちは、その闘気の刃によって次々と切り裂かれていく。

「生憎と貴様らにくれてやる物など何もない。略奪がしたければ、地獄で好きなだけやるのだな」
 その言葉でもって『ゴブリン盗賊団』を切って捨て、更に道を開く。
「デカい獲物は当然『勝利王セレウコス』だが……俺にとっちゃお前らも似たようなもんさ」
 開かれた道をこじ開けるようにして菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)の腕が『ゴブリン盗賊団』の首根っこを掴み上げる。万力のような握力。
 もがく『ゴブリン盗賊団』の体躯が矮躯そのものであることを示すように桐梧は、もがく体躯をまるで鈍器でも扱うかのように振るう。
 凄まじい膂力による叩きつけ。
 地面に叩きつけられた体躯から全身の骨が砕ける音が聞こえる。
「はっ、ゴロツキ同士、仲良くやろうぜ」
「げぎゃ!?」
「何言ってんのか、わかんねぇよ!」
 全身の骨を砕かれた『ゴブリン盗賊団』の体躯をまるで得物のように振るいながら桐梧は暴れまわる。

 敵をつかみ、叩きつけ、そして投げ捨てる。
「すぐだめになっちまうな。雑魚はすぐにこうなっちまうからな」
「ギャギャギャ!!!」
 その言葉を嘲りと理解したのだろう、『ゴブリン盗賊団』たちは一気に桐梧を取り囲むようにして飛びかかってくる。
 だが桐梧にとっては、それは好都合だった。
 飛びかかってくる『ゴブリン盗賊団』を掴み上げる。そして、叩きつける。単純な動作であったが、むしろ、彼にとってはこれがよかったのだろう。
 距離を詰めるまでもなく、敵は己を狙ってくる。
 壊れても壊れても次から次に武器が補充されるようなものだった。
「ハッ、馬鹿の一つ覚えによぉ!!」
 咆哮し、桐梧は嵐のように『ゴブリン盗賊団』を掴んでは叩きつけるを繰り返す。ひしゃげた体躯が『ゴブリン盗賊団』を巻き込みながら吹き飛ばし、そこに誠司の弾丸が叩き込まれる。
「ご機嫌だな」
「馬鹿みてぇに突っ込んできやがるからな!」
「威勢はよくとも戦術的に陣を組み立ててくるわけではないのが救いだったな」
 桂菓は、闘気の刃を振るいながら、敵陣を切り裂くように踏み込んでいく。

 その先にあるのが『ミノタウロス・オリジン』である。
『勝利王セレウコス』の影武者を任されるほどの忠義心の高いジェネラル級亜人。だが、それが影武者であることをディアボロスたちは理解している。
「《七曜の戦》で見たヴィジョン、忘れはしないよ。南イタリアを蹂躙した亜人の一人……『ミノタウロス・オリジン』」
 その覇気満たす体躯。
 黒々とした牛頭人身の体躯。凄まじい体躯の熱が生み出すのは、蒸気。
 そして、走る雷光。
 それを認め、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はしっかりとその瞳に彼を写していた。

「『勝利王セレウコス』の影武者をやるとはな。だが、此処であったら逃しはしない」
 今、己にできることをしなければならない。
 それこそがエトヴァに課された使命であると彼は理解しているからだ。
 仲間のディアボロスたちが敵陣を切り裂いた。道を開くように切り裂き、その道を更にこじ開けるようにして仲間たちがパラドクスを明滅させている。
 敵の動きを見る。
 簡単なことだった。
『ゴブリン盗賊団』たちはただ、奪うこと、略奪することためだけに凶刃を振るう。
 そこに意味はない。
 奪うことだけに執着しているからこそ、己の命の危険など顧みない。奪うことだけが至上命題であるからこそ、どれだけ己の隣にいる亜人が切り裂かれようとも構わず突進してくるのだろう。
 いっそ、愚直とも取れるほどの突撃を前にしながらエトヴァの瞳がパラドクスに輝く。

「Drachenatem(ドラッヘンアーテム)――碧き焔よ、染め上げろ」
 手にした散弾銃より放たれる焼夷弾。
 その弾丸には戦友の加護が籠められている。竜の息吹の如き炎。それらが一気に燃え広がるようにして戦場をなめ尽くすように走り抜け、『ゴブリン盗賊団』たちの体躯を焼滅していく。
「ギャッ、ギャ……!」
 炎を前にしても『ゴブリン盗賊団』たちは勢いを殺さない。
 炎の先に略奪すべき存在が居ると理解しているからこそ、彼らは炎を恐れないで突っ込んでくる。
 手にしたタワーシールドに張り付くのは、火傷を置いながらギラギラとした欲望に濡れた『ゴブリン盗賊団』たちの顔だった。
 醜悪。
 欲望にかられ、その衝動に身を任せることしか知らぬ存在。
 そこに『ミノタウロス・オリジン』のような忠誠心はないのだろう。
「道を開けてもらおうか、君たちに用はない」
 この戦いは大事な一戦だ。
 ディアボロスにとっては『勝利王セレウコス』の喉元に切っ先を突きつけ、その身を切り裂く絶好の機会。
 そして、『ミノタウロス・オリジン』にとっては己の忠誠を最大に示す時であり、また同時に『勝利王』の名を守るために己が力を振るう命を賭した戦いなのだ。

「こっちは片付いたぞ!」
「ああ、このまま一気に『勝利王セレウコス』を追わねばならない」
「とは言え、あのデカブツ、退いてくれって頼んでも退かねぇよな」
 誠司たちの言葉にエトヴァは頷く。
 護衛のトループス級はあらかた片付いた。後は、あの玉座の先へと『勝利王セレウコス』との決戦部隊を送り込むだけだ。
 そのためには玉座を破壊せねばならず、玉座の破壊を為すためには『ミノタウロス・オリジン』を玉座から引き剥がさなければならない。
 挑発する、とは言っても知能の低さは言うまでもなく、忠誠度の高さ故に離間の類は通用しない。
 戦いにおける力への絶対的な信頼。
 それこそが『勝利王セレウコス』より『ミノタウロス・オリジン』に託されたもの。
 下手な挑発は看破されることはないにせよ、通用しないと言える。ならば、逆上させることこそが最も有効であるとも取れるだろう。
 現に『ミノタウロス・オリジン』はトループス級を蹴散らしたディアボロスを前にしても玉座から一歩も動こうとはしていない。

 彼の知能の低さ。
 逆上させて己たちを追わせなければならないこと。
 これらを鑑みて放つ挑発の言葉をディアボロスたちは、その口から発しなければならないのだ。
「いくら玉座を護ろうとも、『勝利王セレウコス』へと届かせてみせよう」
 エトヴァたちは、その一念を持って玉座守る『ミノタウロス・オリジン』と改めて対峙を為すのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

挑発の前に先手で仕掛けよう
玉座から離れない状態で攻撃し、ミノオリの忍耐力と理性を下げる
座っていても相手の反撃は強力だろう、油断せずに行く
挑発の味方に危険があればディフェンス

仲間と声掛け連携を取り
絵筆で宙に敵の姿を描き出し、分身を操りPD攻撃
敵と同じ体躯から同じ技を放ち、分身に自由自在に攻撃させる
いかな獣といえど、己の自負する強さは知るだろう
鏡写しのごとき分身から攻撃を重ねて混乱させ、苛立たせる
さあ、呑気に座っていていいのかな?
敵のわずかな動きも観察、味方の攻撃と同時や合間の隙を看破し突く

心中によぎる
己に出来たかもしれないことを知るがゆえの感情だ

人々の痛みを知らず、蹂躙しか知らぬ獣よ
誰のためでもない、俺からの一撃だ

敵の攻撃には、迷宮の死角からの不意打ちや突進、雷撃に備えて
下手に動かず、魔力障壁で身を護り
タワーシールドを構えて迫る攻撃を受け流し軽減を
同じ技で迷宮に囚われた味方がいれば、背を守りあって死角を減らそう

成程、迷宮の主というわけか
俺達は、糸を手繰り、その先へ進むだろう


凍雲・雪那
……分かってる。頭では、当然理解している。
最優先は、あの玉座の破壊。その為にも、アレを挑発して、王座から引き剥がさないと。

……ああ、それでも。だとしても。
ボクの胸の内を焼き焦がす憎悪が、亜人を潰せと囁いている。
そして、その衝動に逆らえないボクも、亜人と同じく、愚かなんだろうね。

多少ダメージを与えておけば、奴の理性を削って挑発への耐性を下げられる。
言い訳に過ぎない詭弁だけど――許してね、皆。
敢えてお前の戯言に乗ってやる。来いよ『勝利王』、目の前の勝利も拾えないのか?

【アイスクラフト】起動、氷塊を三つ呼び出し、氷剣の軍勢として再構築。
迷宮の具現はそのまま受け入れ、剣を浮遊させ周囲を警戒。
どの道、お前が襲い掛かってくる事は分かってる。
それなら、後の先――カウンターを叩き込む事だけを考える。
接近を察知し次第、無数の氷剣を喰らわせてやる!

……ふん。
たかが小娘一匹倒せずして、何が『勝利王』だ。馬鹿馬鹿しい。
貴様の名誉も、此処で地に落ちると知れ。
(さて、これだけ煽れば頭に血が上るだろ……?)


白水・蛍
アドリブその他諸々歓迎
連携は密に
WIZで味方のディフェンスに

味方が目的を果たす所を見せるわけにはいきません。
その為にすべき事は。
敵を叩きより頭に血を上らせる事ですわね。
そうすれば味方の挑発も叶いやすくなり、ひいては玉座の破壊も叶いやすくなる。
では、参りましょうか。ミノタウロス。
哀しきモンスター。捨て駒にされた悲しき亜人よ。
敵を観察し、その隙を看破しましょう。
そうして敵に接近しパラドクス発動。
――我が身に降りるは英雄たりし力。味方を鼓舞し、敵に畏怖を起こせし者の力である!
【勝利の凱歌】も響かせて、こちらの勝利の様に振舞いましょう。
猛き者なら、自身の勝利に貪欲であるべきでしょう。しかし、その勝利を奪えば怒り猛るのではないでしょうか。
勇ましい曲も演奏・歌唱して場を盛り上げて相手をその気にさせやすくもしたいところですね。それに音が味方の行動を隠してくれるやも。

相手の反撃に関しては接近時に残留効果で致命傷を避けつつ、装備にオーラ操作と魔力付与で魔力で障壁を張り致命傷にならぬ様ダメージを減らせれば。


 戦いは混迷を極める。
 言ってしまえば、迷宮のようなものだった。その迷宮に今、ディアボロスの輝かせるパラドクスの明滅が走る。
 それは糸のようにか細いものだった。
 残留効果の軌跡。
 トループス級たる『ゴブリン盗賊団』を蹴散らし、ディアボロスたちはジェネラル級亜人「ミノタウロス・オリジン』へと切り込む。
 本来の目的は、『ミノタウロス・オリジン』の守るクロノ・オブジェクトである玉座を速やかに破壊することだ。
 しかし、玉座から『ミノタウロス・オリジン』は離れない。
 それは主たる『勝利王セレウコス』の厳命があるからだろうことは想像に難くない。
「……わかってる。頭では、当然理解している」
 凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)は自分が為さねばならないことを理解している。

 最優先で為さねばならないのは、あの玉座の破壊であると。
 そのためには『ミノタウロス・オリジン』を挑発し、玉座から引き剥がさないといけないことも。
「……ああ、それでも。だとしても」
 己の胸を焼き焦がす憎悪が、亜人を潰せと囁いているようだった。衝動が抑えられない。
 走る。
 瞳に煌めくパラドクスが炎のようにも上がるようだった。
 確かに『ミノタウロス・オリジン』の頭に血を登らせていれば、挑発も効きやすくなるだろう。その理屈だってわかっている。けれど、それは言い訳に過ぎない詭弁だと彼女は理解していた。
 許してね、皆、と彼女は心中で言い訳する。
「あえてお前の戯言に乗ってやる。来いよ『勝利王』」
 その言葉に『ミノタウロス・オリジン』は瞳を見開く。
「オレ、勝利王! オレ、最強! お前たちを殺し尽くす、もの!」
「なのに、そこから離れられないか。眼の前の勝利も拾えないのか?」
 煌めくパラドクス。

 生み出される氷が粉砕される。
 氷装顕現(クリスタライズ)によって氷剣の軍勢へと再構築したパラドクスの一撃が『ミノタウロス・オリジン』へと襲い掛かる。その氷剣をことごとく打ち払いながら広がる迷宮のパラドクスが雪那を襲う。
 わかっている。
 パラドクスは距離を無視する。
 故に自分を襲う斧の一撃を氷剣で受け止める。
「……ふん。たかが小娘一匹倒せずして、何が『勝利王』だ。馬鹿馬鹿しい」
「勝利王の名を、守る! オレ!」
 振るわれる斧の市毛区は凄まじい。
 衝撃が玉座の間に吹き荒れる最中、2つの影が飛び出す。

 雪那と『ミノタウロス・オリジン』の交錯の一瞬にエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)と白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)が踏み込んでいた。
 挑発して『ミノタウロス・オリジン』を玉座から引き離さなければならないことは言うまでもないことだった。
 けれど、未だ冷静さを失っていない『ミノタウロス・オリジン』にいたずらに挑発しても効果が見込めないと悟ったのだろう。彼らは手傷を追わせることで、『ミノタウロス・オリジン』の闘争心に火をつけ、冷静さを削ぐ手に出たのだ。
『勝利王セレウコス』を追う決戦部隊を送り込むためには迅速さが求められる。
 ならばこそ、彼らはためらわなかった。
 たとえ、万全たる『ミノタウロス・オリジン』の力が狂戦士の如き凶悪さで持って己達に迫るのだとしても、だ。

「玉座にあれど、敵の一撃は強烈無比だ」
 エトヴァは斧の一撃を受け止めた雪那と『ミノタウロス・オリジン』の間に割り込むようにして己のパラドクスを煌めかせる。
 絵筆を振るう。
 空中に描かれた『ミノタウロス・オリジン』の姿が実体を持ち、襲い掛かる。
「オレ!? ナンデ!? オレはここにいるのに!」
 振るわれる斧と斧が激突して火花を散らす。その衝撃波だけでも身を打ち据えるのだから、狂戦士としての力は凄まじいものであると言えるだろう。
「いかな獣といえど、己の自負する強さを知るだろう。それは鏡写しの如き己だと知るが良い」
「ワカラナイことを言うな! オレ、勝利王!」
「いいえ、あなたはミノタウロス。哀しきモンスター。捨て駒にされた哀しき亜人よ」
 蛍の言葉を聞いても『ミノタウロス・オリジン』に同様はない。
 捨て駒、という単語を理解していないのかもしれない。
 仮に理解していたとしても『勝利王セレウコス』に対する忠義の心は揺らぐことはなかっただろう。

「オレ、何言われても揺るがない! カンケイ、ない!」
「――我が身に降りるは英雄たりし力。味方を鼓舞し、敵に畏怖を起こせし者の力である!」
 迷宮に糸が見える。
 蛍は知るだろう。これは残留効果が見せる軌跡であると。ともに戦うディアボロスたちが戦場に残した輝き。
 その輝きをディアボロスは手繰り寄せることができる。
 クロノヴェーダにはできないことだ。
 故に彼女は再演する。
 己が歌う英雄の妙技を。
 振るわれる一撃を斧で受け止めながら『ミノタウロス・オリジン』は身をのけぞらせるだけだった。

「ヤカマシイ、音! 許せない!」
「これを歌とも認識できませんか。猛き者よ。あなたがそうであるというのなら勝利に貪欲であるべきなのです。ですが、此度は我らが勝利を得ましょう」
 蛍の歌に乗って、エトヴァの描いた『ミノタウロス・オリジン』の写し身が斧を振るう。
 叩きつけられる一撃を受け止めながらも『ミノタウロス・オリジン』は奮戦と言っても良い戦いぶりで持って退ける。
 さらに雪那の氷剣が空中を走る。
「貴様の名誉も、此処で地に落ちると知れ」
 彼女の言葉は『ミノタウロス・オリジン』の耳に届く。
 何を言っているのかわからないが、謗られているということだけはわかる。嘲笑られていると。それだけが『ミノタウロス・オリジン』にとって重要なことだったのだ。

 振り下ろされた斧の一撃が蛍の体を吹き飛ばす。
 けれど、彼女は立っているのだ。再演として紡がれた歌が歌っている。己の歌は、己に英雄を示すものである。
 怪物は英雄に討たれる運命。
 ならばこそ、蛍の瞳はパラドクスの輝き、そのゆらめきを持って、この迷宮の如き戦場に走らせるのだ。その走った光は、糸のように紡がれていく。
 手繰り寄せたエトヴァは、己の心中によぎる感情を言葉にする。
「人々の痛みを知らず、蹂躙しか知らぬ獣よ」
 エトヴァは言う。
 その言葉の意味を『ミノタウロス・オリジン』は理解しようとしないだろうが、構わない。
 振るわれる斧を受け止める体躯は軋み、骨身が砕けるとまで思えるほどの強烈さだった。写し身の『ミノタウロス・オリジン』が組み付いて押し止めるも、しかし、それでもなお、エトヴァは言う。
「誰のためでもない、俺からの一撃だ」
「貴様はここで敗れる。必ずだ」
 雪那の言葉が走り抜ける。此処まで己が圧倒していながら、なおも此方をそしる言葉を吐く存在に『ミノタウロス・オリジン』は徐々にその黒い体躯を赤黒く染めていく。

 上昇した体温が示すように、彼は怒りに燃える。
 だが、エトヴァと蛍は迷宮に在りて雪那が示した光を掴む。
 残留効果という光の糸。
「成る程、迷宮の主とも言える。だが、俺たちは、糸を手繰り、そのさきへと進むだろう」
 この輝きこそが果てなき戦いという迷宮の出口を示すのだと言うように彼らは『ミノタウロス・オリジン』へとおのレンパラドクスん輝きを叩きつけ、続くディアボロスたちの鎹となるのだった。
 
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!

八栄・玄才
お~、猛ってる猛ってる
……いや、アレで本当に影武者のつもりなのか!?
どうみても王とか領主って感じじゃないだろ!
おーい、バレてんぜ阿呆
お前アレだ、ミノオリってヤツだろー?

いやしかし、こんなところで会えるたぁな
知ってるぜ、お前が七曜の戦と時はローマの方でデメトリオスと暴れていたって

おっと、名乗りが遅れたな
オレは八栄流・八栄玄才、テメェの(たぶん)戦友、砕城者・デメトリオスを討った漢だぜ

指で来いよとジェスチャーして挑発
さあ、椅子になんて座ってねぇで闘ろうじゃあないか
それともお前は同胞の敵の前に立ち上がる威勢もないヘタレなのかい?
ま・さ・か~、あのデメトリオスを倒したと聞いてブルッちまったか?
まっ、そんな歯応えのねぇヤツなら相手にする気もねぇ
あとは他のヤツに任せて、オレぁ帰るぜ

ポケットに手を突っ込んで、【オーラ操作】で闘気を抑え、無防備な振りをして背を向ける

もし挑発に成功し、ミノオリが攻撃を仕掛けてきたらポケットから素早く抜拳
『八栄流・霆震撃』で応撃して相手の攻撃の機動を逸らし、身を守る


クロエ・アルニティコス
セレウコスはアンティオキアを放棄しましたか。
それでも逃げる手段も一筋縄ではいかないのは厄介ですが。
あれの原動力は忠誠心……ならば、本人よりもセレウコスを貶める方が効果がありそうですね。

構えていた杖を下げて棒立ちのような体勢になり、これ見よがしに大きくため息をつきます。
はぁ……期待外れですね。全くもって。
セレウコスと言えばイスカンダルの配下でも名の通った将。
その配下も勇猛で力のある亜人だと思っていました……が。
まさか蓋を開けてみれば、玉座にしがみつき、ぶるぶると震え、怯えることしかできぬ臆病者の雑兵だとは思いませんでした。
このぶんなら以前に戦ったプトレマイオスやデメトリウスの方が……いえ、そこらのゴブリンの方がまだマシですね。
……あぁ、お前は影武者なのですし、セレウコスの真似ですか。
私たちが来るや否や逃げ出した臆病者の物真似ということなら納得です。

私たちの仲間やお前たちの王にはお前の姿は良く伝えておきますよ。
碌に戦いもしないままに死んだ、情けない意気地なしであった……と。


エイレーネ・エピケフィシア
ミノタウロス・オリジン……セレウコスの配下だとは思いもよりませんでした
アンティゴノスは息子の遠征に自領の将を何人も行かせたくなかったのでしょうか?

何はともあれ、我々は以前の予兆で敵の振る舞いや関係性を垣間見ています
その点も利用して、事を運びましょう
……戦友への嘲りを聞いて、憤りを抱かぬ戦士などいません
その激情でもって、忠誠の誓いをも忘れさせてみせます

≪神護の輝盾≫を≪神護の長槍≫の柄で叩き、耳障りな音で敵の注目を集めます
声を張り、盾を叩くリズムに乗せた平易な言葉で罵倒を浴びせましょう

ミノタウロス・オリジン!
亜人の中でも、一番の大馬鹿者!
愚か者よ、知っていますか
あなたの戦友、デメトリオスは死にました
わたし達が殺したのですよ
『ろーま』を落とせず、無様に死にました
《七曜の戦》での遠征は、全て無駄に終わったのです

一番の大馬鹿のあなたと、功を焦って呆気なく滅びた、無謀な負け犬デメトリオス
お似合いの仲間ではありませんか
ねぇ、「ミノオリ」さん?
デメトリオスと同じ渾名を侮蔑を込めて呼び、せせら笑います!


ディアナ・レーヴェ
(忠誠――というか『絶対の信頼』を注いだ相手なら、己を砕いて一欠片までも『使って欲しい』と願った相手なら、私にも居る)
(ねえ、あなたも同じなの?ミノタウロス・オリジン)

だったら。
私が言われたら、まあ腹立つでしょーって事を言うまでね!

玉座から程よく離れた場所
まずプッと噴き出して、それから腹抑えて大声で笑いましょう。

『勝利』王?何の冗談かしら?面白ーいっ!

だって、あなたにここ任せて逃げた訳でしょう?
王様って怖がりさんなのね。可愛いわ!
女の子みたい、まるで。

ねえあなた、セレウコスちゃんの一番の手下な訳でしょう?
じゃあ、あなたも怖がりさんかしら!
なーんか守りに入った戦い方――

(自分の首元は予め緩めておく。挑発的に笑って白い喉を見せつけ)
違うっていうならこんな喉なんて噛み砕いて、私の楽しいお喋りを止めに来ればいい。

ま、『敗北王』セレウコスの手下になんて期待してないけーどっ!

(手にしたナイフを隙だらけにぷらぷら。ぶっちゃけ実際に攻撃されたって構わないわ、私は!)
(…場の女性陣には心の中で謝りつつ)


 玉座の間にて、『勝利王セレウコス』の影武者として力を振るう『ミノタウロス・オリジン』は確かに圧倒的な力を振るっていた。
 ディアボロスたちのパラドクスが煌めき、残留効果が頼りな糸のように迷宮の如き戦場に落ちるのを見ただろう。
 か細い糸。
 誰もが他愛のないものだと視界の端から履いて捨てるかのような輝きだった。
 けれど、ディアボロスたちは、その糸の如き残留効果を手繰り寄せる。たとえ、それが今は頼りない光であったのだとしても。撚り合わせ、束ねていけば鎖のように強固な繋がりなることをこれまでの戦いで知っていたからだ。
 だからこそ、『ミノタウロス・オリジン』の怒り満ちる咆哮を聞いても慄くことはなかった。
「オレ、勝利王! 勝利王の名を守るために戦う! それがオレ! オレは、最強!!」
 凄まじいまでの裂帛たる呼気。
 それだけで衝撃波がディアボロスたちの身を撃つようだった。

 其のさまをみやり、ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は思う。
 それは忠誠というものだろうと。『絶対の信頼』とも言うべき存在。
 それが『ミノタウロス・オリジン』にとっての『勝利王セレウコス』であったのだろう。故にディアナは思う。己を砕いて一欠片までも『使って欲しい』と願った相手がいるということを。そして、それは己もまた同じなのだと。
 故に彼女は思う。
『ミノタウロス・オリジン』を思う。
 知性無き咆哮轟けど、その中に己に似通ったものを彼女は感じ取っていた。
「だったら」
 彼女は決断する。

「お~、猛ってる猛ってる……いや、アレで本当に影武者のつもりなのか!?」 
 どう見たって王だとか領主って感じじゃないだろ、と八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)は笑った。
 確かに牛頭人身である、という点においては『勝利王セレウコス』と類似しているとも取れないでもない。だが『ミノタウロス・オリジン』には知性の欠片もない。
 あるのはただの狂戦士としての力の発露だけだ。
「おーい、バレてんぜ阿呆。お前アレだ、『ミノオリ』ってヤツだろー?」
 彼の言葉に『ミノタウロス・オリジン』は反応する。
「オマエ、オレのこと阿呆って言ったな!」
「ああ、言ったさ。いやしかし、こんなところで会えるたぁな」
 含みをもたせた玄才の言葉を『ミノタウロス・オリジン』は何が言いたいのかを理解しなかっただろう。
「知ってるぜ、オマエが《七曜の戦》の時はローマの方で『デメトリオス』と暴れていたって」
 彼の言葉に『ミノタウロス・オリジン』はさらに反応を見せる。
 やはり、と玄才は思っただろう。

『ミノタウロス・オリジン』はあくまで『勝利王セレウコス』の影武者であると己を規定している。
 そう命令されたからだ。
 今まさに血が登っているのだとしても、彼が玉座から動かないのは、その命がまだ頭の端に残っているからだ。
 故に、と其のさまを見やるエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)とクロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は理解する。
 かの怪物は、『ミノタウロス・オリジン』は如実に己に付けられた渾名に反応を示していた。
 玄才の言葉にわずかに玉座から腰を上げかけたことを。
 クロエは手にした杖を下げ、棒立ちになる。おおよそ戦いにおいてする仕草ではなかった。
 そして、これみよがしにため息をつく。
「はぁ……期待外れですね、全く持って」
 彼女の言葉に『ミノタウロス・オリジン』のこめかみが動く。怒りを覚えているのだろう。だが、まだ、とクロエは理解する。
 故に告げる。

「セレウコスと言えばイスカンダルの配下でも名の通った将。その配下も勇猛で力のある亜人だと思っていました」
「ソノトオリダ! オレ、強い! お前たちヨワイ!」
「が、まさか蓋を開けてみれば玉座にしがみつき、ぶるぶると震え、怯えることしかできぬ臆病者の雑兵だとは思いませんでした」
「そうよね。『勝利』王なんて何の冗談かしらって思ったわ。おもしろーいっ!」
 クロエの言葉に合わせてディアナが挑発の言葉を投げかける。
 ケラケラと笑いながら指さして玉座に座す『ミノタウロス・オリジン』のことを言っているのだと笑い続けるのだ。
「何をイう! オレ、『勝利王』! ジョーダンじゃ、ない!」
「だって、あなたをここに任せて逃げたわけでしょう? 女の子みたい、まるで。ねえあなた、セレウコスちゃんの一番の手下なわけでしょう? じゃあ、あなたも怖がりさんかしら! なーんか守りに入った戦い方――」
 なんて、とディアナは己の首元を緩め、笑って喉元をさらけ出す。
 白い喉。
『ミノタウロス・オリジン』の握力であれば、即座にへし折れそうなほどに細い首。それを晒して彼女は言うのだ。
「違うっていうんならこんな喉なんて噛み砕いて私の楽しいおしゃべりを止めにくれば良い」
「弱いやつ、よく吠える! オレ、強い! だから!」
「ま、『敗北王』セレウコスの手下になんて期待してないけーどっ!」
 その言葉に『ミノタウロス・オリジン』はこみ上げる怒りを飲み込むので必死だったのだろう。周囲の空気に含まれる水分が熱せられて蒸気になるほどに体温が加熱しているのがわかる。
 揺らめく大気の中に彼の怒りが益々ボルテージを上げていくのが見て取れただろう。

「チガウ! オレ、『勝利王』!」
 だが、それでも『ミノタウロス・オリジン』は踏みとどまっていた。怒りを飲み込み、『勝利王セレウコス』の命令を遂行する忠誠心だけで己の怒りを飲み込んでいた。
 だが、それは決壊寸前であるとも言えただろう。
「だからバレてるって言ったろ、ミノオリ」
 玄才の言葉が畳み掛ける。
「その渾名ハ! ディアボロスに呼ばれたく、ナイ!」
 なるほど、と一連の流れを見てエイレーネは理解する。

『ミノオリ』――それは予兆で垣間見た《七曜の戦》におけるジェネラル級亜人『砕城者・デメトリオス』との関係性を示すものだった。
 渾名で呼ぶことを許し、共に戦った者。
 それを人は戦友と呼ぶ。
 その関係性をエイレーネは理解したからこそ、己の盾を槍で叩き凄まじい音でもって『ミノタウロス・オリジン』の注意を引く。
 聞け、と言うように響いた音に『ミノタウロス・オリジン』は顔を向ける。
「『ミノタウロス・オリジン』! 亜人の中でも、一番の大馬鹿者! 愚か者よ、知っていますか。あなたの戦友『破城者・デメトリオス』は死にました。わたしたちが殺したのですよ」
 その言葉に『ミノタウロス・オリジン』は最初理解できないものを見ているような顔をしていた。
 わからないでもない。
 だが、事実だ。
「おっと、名のりが遅れたな。オレは八栄流・八栄玄才能。テメェの戦友『破城者・デメトリオス』を討った漢だぜ」
 来いよ、と指で招くようにして玄才は赤熱するかのような体躯を抑え込んでいる『ミノタウロス・オリジン』を挑発する。
 ぶるぶると震えているのは、その溢れ出す怒りを抑え、留めるためであろう。
 だが、それを見たクロエは嘲りと共に言い放つ。

「震えていますね。恐怖に。このぶんなら以前に戦ったプトレマイオスやデメトリオスのほうが……いえ、そこらのゴブリンのほうがまだマシですね……あぁ、お前は影武者なのですし、セレウコスの真似ですか」
 クロエはさらに畳み掛ける。
 びき、ばき、と音が響く。
 何の音だと、視線を向ける。そこには湯気立つ『ミノタウロス・オリジン』の足が地面を踏み抜いている様子だった。だが、玉座からはまだ離れていない。
 まだ、あとひと押し。
「私達が来るや否や逃げ出した臆病者のモノマネということなら納得です」
「一番の大馬鹿のあなたと、功を焦ってあっけなく滅びた無謀な負け犬デメトリオス。お似合いの仲間ではありませんか」
 主である『セレウコス』を侮辱する言葉。
 戦友である『デメトリオス』を屠ったという言葉。
 そして、そんなに腹立たしいならやってみせろという挑発の言葉。

 それらが『ミノタウロス・オリジン』の怒りを頂点に到達させる。
「オオオオオオ!!!! オレ、ハ!!」
 だが、厳命という楔が彼を押し止めていた。
 けれど、それは無駄だった。
「は~ブルっちまってよ。歯ごたえなさそうだな。オレぁ帰るぜ」
 つまんね、と玄才はやる気をなくしたように背を向ける。
 逃げる。
 戦友を討ったという男が逃げるという。
 その光景に足が自然と踏み出していたことを『ミノタウロス・オリジン』は理解していなかっただろう。

 そして。
「やはりあなたは一番の大馬鹿です。負け犬と同じで。ねぇ『ミノオリ』さん?」
 その言葉に『ミノタウロス・オリジン』は怒り狂う。
 視界が真っ赤に染まるほどの赤熱する怒りを迸らせ、彼は走る。玉座から離れる。 
 王よりの厳命さえ無視させる怒り。
 迸る怒り。
 それだけが彼を前に進ませる。もう止められない。もう止まらない。殺し尽くす。ディアボロスの全てを殺し尽くすまでこの怒りは燃え尽きることはない。
 どれだけか細い糸が迷宮から逃れる唯一の手段だというのだとしても。
 この怒りこそが『ミノタウロス・オリジン』を突き動かす。
 許しがたし。
「オマエたち、皆殺し、だ!!! 絶対に! 絶対に!! 絶対に!!!!」
 掲げた斧と共に半狂乱となった『ミノタウロス・オリジン』は、『その時』になるまで理解できなかったのだ。。
 これがディアボロスに寄るクロノ・オブジェクトから『ミノタウロス・オリジン』を引き放つための奸計であることに。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!

荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
せっかく皆が作ってくれた機会だ。必ず結果に繋げる!
任されたんだから堂々と挑発くらい受け流せばいいのに。有難いことこの上ないがな

【行動】
皆が挑発しているのを見て敵が引きつけられたと確認すると
一度物陰に隠れてから光学迷彩を発動
完全視界も併用し見つからないように細心の注意を払いながら玉座に近づく
流石に挑発されていたとしても堂々と近づいて行ったら気づくだろうからな

近づけばパラドクスを使用して時間差で爆発する爆弾を製作して玉座に設置
俺が玉座から離れるまでの時間で爆発するように調節してから離れる

必要なら仲間に合図を送って意思疎通を図るし
臨機応変に対処する


フミラ・ヴィグリーノ
皆様が作り上げた絶好の機会、無駄にするわけにはいきませんね。
幾ら単純とはいえ失態をしでかしたと気づけば急いで玉座に戻るでしょう。
巨躯ゆえに歩幅は圧倒的ですから辿り着く前に一撃でケリをつけましょう。
足は速そうですけど私はこれでも口の速さには自信があるのですよ。
念のため【泥濘の地】で動きを鈍らせておいて・・・それでもわずかな足止めにしかならぬでしょうがそれで充分です。
貴方が玉座の守りに戻る前に高速詠唱を終えて全力魔法の一撃にて玉座を破壊しましょう!
玉座を破壊したらオリジンの進路を塞ぐ様に立ちはだかりセレウコスへの救援を妨害します。
何処へ行くのです牛さん?貴方の相手は私達ですよ?


 戦場に紡がれたか細い糸があった。
 それは僅かな光であったが光明であるように思えたことだろう。
 ディアボロスによるジェネラル級亜人『ミノタウロス・オリジン』への挑発。
 それによって、湯気立つような黒い体躯を赤熱させながらディアボロスへと襲い掛かる姿を荒田・誠司(雑草・g00115)とフミラ・ヴィグリーノ(未踏の沃野・g09477)は見逃さなかった。
 ディアボロスたちが最優先にしなければならなかったのは、クロノ・オブジェクトである玉座の破壊である。
 それを為さねば、秘密の通路を見つけ出すことはできない。
 そして、『勝利王セレウコス』を追うこともできないのだ。

 故に、迅速さが求められていた。
『勝利王セレウコス』を逃せば、アンティオキアを制圧しても、さらなる地において必ずや彼はディアボロスに仇為すだろう。ならばこそ、逃せない。
 この絶好なる機会を逃すわけにはいかなかったのだ。
 故に、このチャンスを逃せない、と二人は即座に動く。
『ミノタウロス・オリジン』は玉座を離れ、挑発を行ったディアボロスへと襲い掛かる。
 脇目も振らず、殺さねばならないと定めた目標に一直線に走る。
 それは正しく雷光の如き迸りにも似ていたことだろう。

 故に、それが仇となる。
 どうしようもない失策。ディアボロスにとっては最大の機会。
「必ず結果につなげる!」
「ええ、皆様が作り上げた絶好の機会、無駄にするわけにはいきません」
 誠司とフミラの瞳がパラドクスに輝く。
『ミノタウロス・オリジン』は巨躯。
 故にその歩幅は圧倒的だ。
 いくら怒りに我を忘れているとは言え、失態をしでかしたと理解したのならば、即座に玉座に戻ろうとするだろう。
 ならばこそ、一撃で玉座を破壊しなければならない。

 誠司は玉座の間にて残留効果を手繰り寄せる。
 それはやはりか細い糸のようにも思えた。けれど、確かに己は敵から姿を隠そうとしていたし、怒りに我を忘れた『ミノタウロス・オリジン』は己など視界には映らなかっただろう。
 故に誠司は特殊爆:遅延(ユニークボム・スロウ)を仕掛ける。
 確実に破壊するためには、フミラのパラドクスと同時に一撃を加えなければならない。それに『ミノタウロス・オリジン』が十分に離れた、と判断するにはまだ早いと踏んだのだ。

 故に誠司は走る。
 時間差で爆発するように仕掛けたパラドクスの爆弾。そして、誠司はフミラの瞳へと視線を向ける。
 ハンドサインで合図を送る。
「足は早そうですけれど、私はこれでも口の速さには自信があるのですよ」
 フミラもまた残留効果を手繰り寄せる。
 か細い光。けれど、戦場に集ったディアボロスの皆が紡いできた残留効果である。
 それはもはや糸ではない。鎖めいた光であると彼女は思えたことだろう。

 パラドクスだけではない。
 ディアボロスたちの知恵と工夫というものが連なったからこそ、今この状況が生み出されている。
 フミラの瞳がパラドクスに輝く。
「この距離ならば!」
「ええ、勘付かれたとしても間に合いません。Estas nenie por vi loĝi!」
 全ては光の彼方へ(スベテハキョムヘトカエル)、とフミラは呟く。
 巨大な魔法陣が展開し、放たれるパラドクスの一撃。それは迸り、誠司の設置したパラドクスの爆弾の起爆と共に一気に玉座たるクロノ・オブジェクトを粉砕する。

 二つのパラドクスの輝きは、まさに迷宮に差し込んだ出口示す光明のようでもあった。
 粉砕された玉座。
 その轟音に『ミノタウロス・オリジン』は怒りに沸騰する頭に冷水を浴びせかけられたように振り返る。
「アアッ! 玉座が! オレ、守る、玉座が!!」
 彼の動揺は伺い知れないものであったことだろう。
『勝利王セレウコス』に厳命された玉座の死守。
 護らねばならなかったものが破壊された現実を『ミノタウロス・オリジン』はディアボロスたちによって見せつけられたのだ。
 瓦解する玉座の奥に秘密の通路の入り口が見える。
 どれだけ出口の見えぬ迷宮にさまよい込むのだとしても、それでもディアボロスたちは共に戦う者たちのみが共有できる残留効果がある。
 それは、か細い糸の如き光を紡ぎ、束ね、撚り合わせて強固な鎖となって『勝利王セレウコス』の背へと続いていくようだった。
「今だ! 決戦部隊は!」
「この先に『勝利王セレウコス』がいるのでしょう。此処は私たちにおまかせを」
 その言葉に送り出されるようにして『勝利王セレウコス』へと決戦を挑むためにディアボロスたちは駆け出していくのだった。

「マテ! 行かせない、ゾ! その先へは!!」
「いいえ、あなたこそ何処へ行くのです牛さん? 貴方の相手は私達ですよ」
 立ちふさがるフミラと誠司を前に『ミノタウロス・オリジン』は怒りに満ちた恐ろしげな視線を向ける。
 だが、二人は慄くことをしなかった。
 むしろ、やれるものならばやってみろ、という気概さえ示してみせた。
 己たちの背後を駆け抜けていくディアボロス達。
 その武運を祈りながら、彼らは本当の意味での『ミノタウロス・オリジン』との決戦が始まることを知るのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。

ボクはイスカンダルには深い思い入れがありませんから。
でもだからこそ、ただの戦力として振る舞う事が出来る。
この場はお任せを、

電脳ゴーグル型デバイス『Boeotia』を起動

≪ - 人機接続:Lynx of Boeotia - ≫
『Boeotia』と精神と全武装をリンクさせ
人と機械が互いを補い合い、相乗効果を発揮した『人機一体』の状態へ。

右手には蒼き魔力の灯火を、機械魔導弓『ACRO』に番え引き絞り
【命中アップ】の加護に必中の念を込めてパラドクスを放ちます。
敵の四肢や関節部を中心に狙い、敵の機動力を奪う様に撃ち抜いて行きます。

敵の攻撃は『アルヴァーレ』から発生する全体を護る【結界術】と
『シャルダント』から発生する局所部分を護る【結界術】を組み合わせ
そこに【ガードアップ】の恩恵を乗せ、雷光と斧の一撃を出来る限り緩和しましょう。


フミラ・ヴィグリーノ
連携・アドリブ可
当然立ちはだかる私から狙いますよね。貴方は進まねばならないのですから・・・ですけど通しませんよ。貴方はここで死ぬのです!
決して引かぬ意思でもって参りましょう。
引き続き【泥濘の地】【防衛ライン】で敵の脚を止めながら相手といたしましょう。
複雑な迷宮を生み出そうとしても狙うは私、ならば必ず私の近くに姿を現しましょう。その間に高速詠唱を済ませて待ち構えて・・・・いえ、相手は迂回で時間を掛けてしまっていますから全力で突破しようとするはず。不意討ちする暇などないでしょう。
ならば姿を見せた瞬間に全力魔法で迷宮という結界事貴方を消滅させましょう!
後はただひたすら壁となって立ちはだかり相手が救援に行けないようにしましょう。
貴方が主を助けることは叶いません。ここで果てなさい!


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
急いでこいつを倒して本物を倒しに行きたいもんだ
デカくて力があろうが俺たちが退くわけには行かないんだよ

【行動】
仲間と声を掛け合い積極的に連携する

まずはパラドクスを使い銛とそれを撃ち出す銛撃ち銃を製作し装備する
そのまま使える残留効果を使用しながら
雷光に撃たれないように一定の距離を保ち
銛を撃ち込んで遠距離攻撃をする
銛の貫通力が高いが敵は雷光を纏っている
当てずっぽうではなく
攻撃を終えたり雷光が止まったタイミングを狙う
仲間から引き離したい時の囮にも使おう

敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で防ぎ払う
攻撃を受けた瞬間に自分から後方へ跳んで衝撃を殺せばダメージをより減らせそうだ

必要な時は臨機応変に対処する


菱神・桐梧
アドリブ連携大好き

おいおい、つれねえ真似すんなって
どうせ玉座は壊れちまったんだ
走り回るより、一人でも多く殺す方が有意義だぜ
それとも勝利王ってのァ、わざわざお守りしてやらなきゃなんねえ程ひ弱なのかい?
そうじゃねえんだろ……だったら少し俺と遊んでくれよ

さあ、お互い出し惜しみ無しで行こうぜ!
至近距離で殴り合いだ、鎖分銅の投擲を起点に持ってるもん取っ替え引っ替え総動員
パラドクスで一気に押し込むぞ

奴の動きを観察して斧を振る瞬間にハンマーで腕を強打
攻撃を邪魔しながらハンマーが壊れるまでぶっ叩いてやろう

お次は大太刀と拳銃で足回りを削る
ダッシュで背面、側面へ駆け抜け様に斬り付け
銃弾をぶち込んで撹乱だ

武器を使い潰すまで攻撃し止めとばかりに捨て身の一撃、土手っ腹を思いっきりぶん殴ってやる

まだまだ蹂躙し足りねえだろ?
立って見せろよ、そうすりゃもっとぶん殴れるからなァ!


 秘密の通路が現出する。
 それはつまり、玉座たるクロノ・オブジェクトが破壊された、ということ意味する。
 フミラ・ヴィグリーノ(未踏の沃野・g09477)と荒田・誠司(雑草・g00115)は自分たちが破壊したクロノ・オブジェクトに背を向ける。もはや、見る必要はない。残骸に意味など無い。
 そして、何よりも己たちに向けられる尋常ならざる殺気から目が離せない。
「赦さない! オレ、オレの役目を!!」
 膨れ上がる怒気。
 それは『ミノタウロス・オリジン』の怒りだった。怒りしかなかった。もはや、それ以外はなく。あるのは目の前の怒りの元凶たる存在を鏖殺することだけだった。
 秘密の通路を駆け抜けていったディアボロスたちに追いつけば、この失態は挽回できる。
 ならばこそ、『ミノタウロス・オリジン』は怒りに任せて大斧を振るう。
 雷光の如きパラドクスが迷宮となって戦場を塗りつぶしていく。

「当然、来ますか。わかっていますよ。貴方は進まねばならないのですから……追わねばならないのですから。ですけど、通しませんよ。貴方はここで死ぬのです!」
 フミラの決意と共に糸の如き頼りない残留効果の軌跡は、束ねられ、軌跡となって鎖の如き強固な力に変わる。
「どれだけ強くとも俺たちが退くわけにはいかないんだよ。影武者。本物の『勝利王セレウコス』を倒しにいくためにはな!」
 誠司の瞳がパラドクスに輝く。
 即席製作:銛撃ち銃(インスタントメイク・ハープーンガン)によって放たれた銛の一射が打ち込まれる。
 怒気はらむ湯気たつ黒々とした体躯に突き刺さる。
 だが、次の瞬間雷光の迸りが誠司の体を打ち据える。盾すら貫通するほどの一撃。
 斧の一撃が急所を捉えなかったのは、手にした電光警棒があったからだ。派手に吹き飛ぶ誠司の体と交錯するようにレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は飛び込む。
 電脳ゴーグル型デバイスが煌めく。
 己の精神と武装をリンクさせる。

 敵が、『ミノタウロス・オリジン』が、どれだけ強大で恐ろしくたって構わない。
 自分は戦力として此処にいる。
 戦えるのだ。戦うために此処に在るのだ。
 ならばこそ、恐ろしい敵に立ち向かえる。人と機械。互いを補う。恐れを踏み越える感情を人が、人を超える力を引き出す機械が一つに合わさったからこそ。
「『人機一体』……君は逃げられない。ボクが、君を見たんだ」
 迸る雷光。
 それは正しく星の如き輝きであったことだろう。
 打ち下ろされる斧の一閃。
『ミノタウロス・オリジン』のパラドクスは強力無比だった。一撃が重い。結界術が砕ける。凄まじい、という他無い。体全体を覆う結界は容易く砕け、急所を重点的に守った結界は残れど、体躯に痛みが走り抜ける。

 弾き飛ばされながらも、レイは即座に体勢を整えて弓を引き絞る。
「人機一体:電撃戦の一矢(ブリッツディゾルバー)……ボクは」
 見た、と彼女は魔力のやを解き放つ。
 確かに星の如き雷光に叶わぬ輝きであったとしても、彼女の瞳に宿るパラドクスの輝きは蒼き魔力の矢となって雷光さえも切り裂いて『ミノタウロス・オリジン』の肩へと打ち込まれる。
 咆哮が聞こえる。
 痛みに喘ぐのか、それとも、怒りに狂っているのか。
「こんなの、で、オレを止められると! 思うナ!!」
 踏み込む『ミノタウロス・オリジン』へと菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)が同じように踏み込んでいた。

 敵は巨体。
 わかっている。
 凄まじい膂力を持っていることも。けれど、彼は構わなかった。
「おいおい、つれねぇ真似すんなって!」
「邪魔ダ!」
 振り下ろされた斧の一撃を桐梧が振るったハンマーの一撃とで激突して火花を散らす。ただそれだけで彼の体躯、その骨身は軋み、筋繊維が引きちぎれる音が響く。
 痛みが走り抜ける。けれど、構わなかった。
「どうせ玉座は壊れちまってんだ。走り回るより、一人より多く殺す方が有意義だぜ?」
「邪魔ァ!!」
「忘れたかよ『勝利王』。お前の主はわざわざおもりしてやんなきゃならねぇほどひ弱なのかい?」
「セレウコス様を、バカにするな!!」
「だろうな、だったら、少しオレと遊んでくれよ! さあ、お互い出し惜しみ無しで行こうぜ!」
 互いに振るう拳が激突する。
 斧とハンマーが火花散らすより早く、拳と拳が互いの頬を打ち付ける。
 
 血の飛沫が飛ぶ。
 最初の一撃でハンマーは砕けてしまった。
 けれど、構わない。大太刀を振るう。拳銃でうt抜く。駆け抜け、背面へと回れば、『ミノタウロス・オリジン』の巨体へと切りつけ、叩き込む。
 武器を使い潰してもなお、桐梧は己の拳を武器として『ミノタウロス・オリジン』へとパラドクスの輝きを叩きつける。
 戦場に満たされた迷宮の奥でパラドクスが煌めく。
 それを『ミノタウロス・オリジン』は理解する。
「お前に、かまっている暇なんてナイ!!」
「知るかよ、俺ぁ、まだ足りねぇんだよ!」
 桐梧の一撃を受けて、たたらを踏む『ミノタウロス・オリジン』。その足を縫い留めるようにしてレイの魔力の矢が叩き込まれる。

「足を止めます!」
 痛み走る体を押してレイは矢を放ち続ける。
 足回りを狙う彼女の矢は『ミノタウロス・オリジン』を更に苛立たせる。そこに誠司の銛が叩き込まれる。まるで、自身を此処に縫い込むのが目的であったかのような攻撃に『ミノタウロス・オリジン』は理解できなかった。
 もしも、彼に知能というものがまだ多くあったのならば、この不可解な動きに対応もできただろう。
 だが、彼はできない。
 怒りに我を忘れているということもあろうが、それ以上に彼は暴力しかしらない。
 生半可な策など力でねじ伏せることのできる亜人であったからだ。

 だからこそ、何故レイと誠司がこうも己を此処に縫い止めようとしているのかを理解できなかったのだ。
「ええ、時間はかかってしまいましたが……」
『ミノタウロス・オリジン』は己の視界に現れたフミラの姿を認める。
 玉座を破壊したディアボロスの一人。
 許せない存在。
 殺さなければならない存在。
 どんなことをしてでも殺さなければならない。『勝利王』のためではあるが、しかし、己の責務、使命というものを砕いた存在を許してはおけぬという感情が咆哮となって迸る。

 だが、フミラは微笑むようにパラドクスの輝き宿す瞳を『ミノタウロス・オリジン』へと向ける。
「貴方が主を助けることは叶いません。ここで果てなさい」
 全ては光の彼方へ(スベテハキョムヘトカエル)と彼女のパラドクスが巨大な魔法陣となって戦場に煌めく。
 桐梧が真っ向から『ミノタウロス・オリジン』へと挑み、その怒りと暴力と打ち合った。
 打ち負けることはなかったが、しかし、それでも『ミノタウロス・オリジン』が秘密の通路へと走ったディアボロスの決戦部隊を追うことを許さなかったのだ。
 そして、レイと誠司のパラドクスが足を止める。
 苛立ちが募る。
 このディアボロスという存在は己の全てを否定する。
 許せるものではない。
 そして、迷宮に閉じ込めたはずのディアボロスさえ、こうして己の前に姿を表しているという事実がなおも許しがたいのだ。

「オレ、『セレウコス』様、助ける! これが、オレ、使命!!」
「させねぇよ。釣りはいらねぇからよ!」
 桐梧の拳が『ミノタウロス・オリジン』の頬を打ち据える。
「この場を任されたのです。なら、ボクは必ず君を止める!」
「ああ、そのためには退くことなど考えていられるか!」
 レイと誠司の声と共にパラドクスが煌めき、『ミノタウロス・オリジン』を留め置く。
 巨大な魔法陣が煌めき、奔流の如きフミラのパラドクスの輝きが雷光を塗りつぶし、その巨体を飲み込んだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【防空体制】LV1が発生!
【クリーニング】がLV2になった!
【壁歩き】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!

ハーリス・アルアビド
ミノタウロス・オリジン。知能はともかく、影武者となるだけはあるのでしょう。相対しているだけでもその力を感じるようです。
ですが、影武者程度を倒せないならばセレウコスを倒すことなどできません。

豊穣の神にして軍神たるセベクよ、お力添えを。この地に平穏を取り戻すため、恐るべき牙の力をお授け下さい。
【祈り】を捧げこの戦いと共に挑む仲間達への【幸運】を願いましょう。

仲間と連携を取れるよう周囲の状況を読みながら【残像】を生み出す速度で駆け抜け、舞い上がる戦塵を【砂使い】でより巧みに操りながら時に【忍び足】で緩急をつけて間合いを捉えさせず、的確な攻撃を行えぬよう【撹乱】します。
雷光と共に襲い掛かる強烈な突進を【残像】を狙わせ、躱せぬならば突進の衝撃を利用して死角に回り込み、敵が突進状態から体勢を立て直す前に【セベクへの嘆願】を叩き込みます。


伏見・萬
(連携アドリブ歓迎)
こいつァなかなか、喰い応えがありそうだ
イイ感じに温まっていやがるし。湯気出てンじゃねェかよ

周囲のディアボロスとは声を掛け合い、連携を重視して動く
仲間の隙や死角をカバーするように立ち回る
敵を観察し、消耗具合や動きの癖、攻撃の素振り等の情報を共有する

【追跡不能の捕食者】使用
纏った呪詛の靄と仲間の動きに紛れて、【光学迷彩】も併用し、敵の死角を突く
僅かな傷でもつけられりゃあ、そっから呪詛を流し込んで、内側から喰ってやる

奴はどうやら、だいぶ頭に血が上ってるみてェだが
声をかけて更に挑発して、視野と動きの選択肢を狭めていこう
動きが単純になれば、その分読みやすくなる
そこに【アヴォイド】も重ねて、回避と防御の助けとする
動ける怪我なら気にしねェ。奴の動きも考えも、できるだけ引っ掻き回してやる
仲間が攻撃しやすいように、敵に隙を作って、そこに畳みかけて片付ける

…そこまでアツくなったンなら、後は冷えるだけだなァ?
暗くて冷たいところにいけよ。そこに、てめェのお仲間もいるんだろ
きっと、悪かねェぜ


 パラドクスの奔流に飲み込まれてなお、勝利王の猛き影武者『ミノタウロス・オリジン』は立っていた。
 健在でった。
 迸る怒気。
 そして、それを支える強靭なる体躯。
 どれもが力を示すには十分過ぎる。湯気立つ体躯は雷光をまとい、さらなる炎熱を示すかのようでもあった。
「オレ! 必ず、『勝利王』の名を守る! それ、オレの使命!!」
 咆哮が轟く。
 踏み出す。その一歩は凄まじき重圧を放っていたことだろう。 
 対峙するディアボロスの全てを鏖殺せんとするかのような重さを感じて、ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)は深くうなずく。
「知能はともかく、影武者となるだけはあるのでしょう」
 相対すればわかる。
 其の力の凄まじさ。強大さ。けれど、とハーリスは己の報じる神に祈りを捧げる。
 願う。

 敵は強大。
 されど、この敵を討てずして『勝利王セレウコス』を倒すことなどできようはずもないだろう。
 故に、と彼の瞳がパラドクスに輝く。
「豊穣の神にして軍神たるセベクよ、お力添えを。この地に平穏を取り戻すため、恐るべき牙の力をお授けください」
 ハーリスは祈った。
 この戦場に集ったディアボロス達の幸運を願い、そして、パラドクスたるセベクへの嘆願(セベクヘノタンガン)を解き放つ。
 強靭な顎を思わせるかのような一撃と『ミノタウロス・オリジン』の突進とが激突する。
 骨身が砕けるかと思うほどの衝撃を受けながらハーリスは雷光に身を焼かれる。
 だが、彼は踏みとどまる。
 いや、違う。彼は突進の一撃が躱せぬと理解した瞬間、其の衝撃を殺しながら横合いに潜り込み、パラドクスを叩き込んで突進を逸らすのだ。
「グ、オオオ!! オレ、止まらない! お前たちを殺し尽くすまで!!」
「そうはさせません。猛き影武者『ミノタウロス・オリジン』!」
「はっ、こいつァ、なかなか喰いごたえがありそうだ」
 それに、イイ感じに温まってやがる、と追跡不能の捕食者(アントレーサブル・プレデター)たる伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)が闇色の呪詛の靄と共に『ミノタウロス・オリジン』の死角から現れる。
 其の一撃はこれまでディアボロスが打ち込んだパラドクスに寄る傷へと染み込むようにして叩き込まれる。
 ハーリスが打ち込んだ一撃によろめいた瞬間を彼は逃さなかったのだ。

「じゃ、まぁ!!!」
 咆哮と共に雷光纏う斧の一閃が萬を襲う。
 凄まじい一撃だ。肩の骨を砕いて己の身を切り裂く一撃。雷光が内側から己の体躯を焼くのを感じただろう。だが、それは己も同じだ。
 仲間のディアボロスたちが刻んだパラドクスの傷より染み込んだ闇色の靄は呪詛。
 内側から蝕む一撃。
「だいぶ頭に血が上ってるみてぇだな……そこまでアツくなったンなら、後は冷えるだけだなァ?」
「そのつもりなんて、ない! この熱は『勝利王』の名を守る! そのため! だから、オマエラを、殺し尽くす! それがオレ! だから、消えろ!!」
 振り切られた斧の一閃に萬の体が吹き飛ぶ。
 だが、更に横合いからハーリスの一撃が叩き込まれる。
 強靭な顎を思わせる一撃。

 突き立てられた牙の如き一撃は『ミノタウロス・オリジン』の強靭な体躯を突き破り、血潮を迸らせる。
「祈りを。私は願っています。幸運を」
「ソンナもの!」
 振りほどかんとする『ミノタウロス・オリジン』を留めるようにハーリスは打ち込んだ拳のまま巨躯を抑える。
 動かない。
 まるで杭を打ち込まれたように『ミノタウロス・オリジン』は己が動けないことを知る。
 だが、それでも圧倒的な巨躯は、ハーリスを吹き飛ばす。
「悪かねェ……だがよ、熱は辛ぇだろうが……暗く冷たいところにいけよ。そこに、てめえェのお仲間もいるんだろ」
 其の萬の言葉に『ミノタウロス・オリジン』はさらなる熱を灯す瞳で持って睨めつける。
 ハーリスの打ち込んだ傷跡に入り込む呪詛たる痛みに喘ぐことも忘れ、『ミノタウロス・オリジン』は咆哮する。
 だが、それでも肉体の限界はやってくるのだ。
「オレ、戦う。オレ、守る『勝利王』の名を。そう言われたから、やるんだ!!」
 迸る怒気。
 
 それでもディアボロスたちは立ち向かうのだ。
 雷光迸る光景に恐れを抱くのだとしても、それでも胸に宿る炎が、其の恐れをかき消してくれる。
 怒り。
 奪われた怒りこそが、恐ろしき怪物に立ち向かうための原動力であるというように、萬とハーリスのパラドクスは『ミノタウロス・オリジン』を穿つように叩き込まれ、さらなる激闘への灯火を勝利への光明へと変えるように、そのか細い糸を仲間であるディアボロスたちに繋ぐのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!

エイレーネ・エピケフィシア
クロエ様(g08917)をディフェンスし共闘

例えここが無明の迷宮だろうと、恐れはしません
あなたと共に戦い、共に生きる
それさえ確かなら、この身はいかなる闇にも打ち勝ってみせます

怪物よ、友への嘲りだけは詫びましょう
戦友の意義は身に染みて心得ていますから
しかし、それだけです……情けはかけません!

クロエ様の技の命中時など、生じた隙を見逃さず攻めます
大勲章の力を解放し『流星が如く燃え立つ投槍』を発動
悪を滅ぼす[浄化]の光を《神護の長槍》に宿し、心臓目掛け全力で[投擲]
強靭な筋骨をも徹する[貫通撃]を実現します!
過たず急所を穿ち決着をつけましょう
神話の時代、故郷の誇る英雄テーセウス様が、ミノタウロスを討ち取った瞬間のように!

敵の技は[結界術]を帯びた《神護》の輝盾≫で防御
投槍が死を齎す瞬間まで戦線に残り続け、己とクロエ様を護り抜きます!

今、セレウコスの最後の護りを砕くため……
そして、七曜の戦で救えなかった命に報いるために!
――アテーナー様! どうかこの手へと、迷宮に潜む怪物を討つ力をお与えください!


クロエ・アルニティコス
親友のエイレーネ(g08936)をディフェンスし、ともに戦います。

私たちは迷宮に迷い込んだつもりはありません。
テーセウスがミノタウロスに背を向けなかったように。
私たちがこの糸を手繰りセレウコスを追うのは、お前を殺してからです。

【アリアドネー・メディカゴ】を使用、唐草の蔓に魔力を込め、ミノタウロス・オリジンへと伸ばします。
常に変化し続ける迷宮の内部にどこまでも蔓を伸ばし、アリアドネーの糸を模した蔓をミノタウロス・オリジンの元へと届かせましょう。
届いたなら蔓でミノタウロス・オリジンを蔓で捕縛し、締め上げ、僅かでも身動きを封じます。
冥府の女神にして魔術の女神ヘカテーよ、あなたを信じる者に目を掛けて頂けるなら、どうか私に怪物を戒める鎖を!

亜人も怪物も迫る巨躯も、何ら恐れるものにはなり得ません。
あなたは怪物を討ち果たす英雄だと、信じていますから。


ディアナ・レーヴェ
…(怒り狂う姿を見て、静かに、ただ通る声で)

嘘じゃないわよ。
おいで。言った通り、この喉元に喰らいつきに。

(「大切な主を愚弄したんだから、私はそれくらいの痛みは引き受けるべきでしょう?」って、私は笑う。それがどれだけ大切なものか明確に想像つきながらもそれを述べたので、そういう物だと思った)

(具現化した迷宮に火砲を手に佇む。逃れようとするから翻弄される、そういう時は静かに待つのもまた王道)
(防御は考えない。敵が襲来するその瞬間、ゼロ距離まで引きつけて、その自慢の肉体にパラドクスの砲撃で大穴開けることだけに集中したい)

楽しいお喋りはもうおしまい。
(だから、喉に穴空いて咳き込もうが支障はない――いやないことないけど、気合入れれば数度のパラドクスを放つくらいは保つでしょう!)

ここからが本当の命のやり取りね!
(上記の全力の初撃の後は、怒りを買った分だけ引き続き囮になって味方の助けになるでも構わないし、足手まといにならないよう隅から皆の援護に集中するでもいい)

あなたの忠誠、見届けるわよ――さいごまで!


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

……セレウコスへの道は拓けた
勝利王へ挑む仲間達を送り届けよう

この身に宿る炎、発露が許されるなら青き焔のオーラを纏うネメシス化
振り返らぬため、繰り返さぬため
青き焔の輝きを帯びる弾丸を放つ

仲間と連携し、味方との応酬を観察、巨大な斧の動きを看破
大振りの隙や攻撃の合間、いきり立って襲いかかる隙を狙い撃つ
両手の銃からPD攻撃、祈りの十字を描き5つの弾丸を穿つ
両肩の動き封じ、鳩尾、心臓、額へ
状況に応じ隙を晒した箇所にスライド

消耗した味方は積極的にディフェンス
敵の攻撃には魔力障壁で身を護り、タワーシールドで死角を減らし
周囲を警戒し、不意打ちを受けぬよう防御に集中
迷宮に仲間の声を手繰る

南イタリアを奪ったデメトリオスも討ち果たした
亜人の所業はどれも看過しがたいが
海を渡り、無抵抗の人々を蹂躙したこと、忘れない
悲鳴も上げられぬまま倒れた者達の、無念を抱き絶望した者達の想い
受け止めて、その身を灼き尽くせ

貴様の戦士の在り様まで穢しはしない
互いに全力で戦い抜くまで

悲しみを一つでも多く、終わらせよう


八栄・玄才
(玉座の破壊を見て)おー、イイ壊しっぷりだぁ

さて、立ち上がったミノオリ、おっかねぇ闘気をしているぜ
ここからが楽しい時間だ

デメトリオスのことに関しちゃ、挑発のために悪く言ったヤツもいるだろう
オレ達人間目線からしたらやってたことがやってたことだ、心から侮蔑してるヤツもいるに違いない
でもオレはアイツの闘いぶりはけっこー好きだったぜ

さあ、ミノオリ
玉座は壊れて道は開いた
なら、オレ達を全滅させて、先に行ったヤツ等も追っかけて殺す意気を見せてみろ
そうしたらお前のことも好きになれそうだ

敵の突撃に対して、【呼吸法】で気を練り上げ、正対
真っ向から奥義で迎え撃つ
狙うはヤツの本質、荒ぶる雄牛の"蹂躙の世界"
それを砕かなきゃ、あの突進は止まらないだろう

タイミングを合わせ、ヤツの頭に『界砕き』の【強打】を食らわせる
たとえ吹き飛ばされても貫通する衝撃でヤツの存在を【粉砕】するんだ

……ああ、腕がイカれちまったぜ、救援機動力があれば勝利王との戦いにも駆け付けられるだろうが、オレはここまでだ
満腹になれるイイ闘いができたしな


 数多のパラドクスの明滅があった。
 それはディアボロスにとっては光明であったが、勝利王の猛き影武者『ミノタウロス・オリジン』にとっては己の全てを否定する輝きだった。
 あんなにも糸のように細い光だというのに。
 まるで己の体躯を縛り上げる鎖のようにまとわりついてくる。
 身に刻まれた傷跡の痛みなど彼には意味をなさなかった。
 彼の心に痛みを与えるものがあるのだとすれば、己の忠義を捧げる『勝利王セレウコス』の命を果たせなかったという悔恨ばかりであったことだろう。
 だが、彼はそれを言葉にする知能を保たない。
 仮に在ったのだとしても、この憤懣やる方なない思いを発露する術は暴力以外になかったのである。

 故に彼は咆哮する。
 怒り満ちる咆哮とともに破壊されが玉座を目指す。
 あの先に向かったディアボロスたちは必ずや『勝利王セレウコス』に仇為すだろう。それは許せない。何より自分が許せない。この失態を挽回するためには、やはり。
「オマエたちが邪魔だァ!!!!」
 迸る咆哮。ディアボロスは恐れおののかない。
「おー、イイ壊しっぷりだぁ。いやまあ、おっかねぇ闘気だってのはわかってんだがよ……だが、ここからが楽しい時間だ」
 八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)の言葉とは裏腹にディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は静かに『ミノタウロス・オリジン』を見つめる。
 己の言葉は確かに『ミノタウロス・オリジン』を怒り狂わせるものであった。
 クロノ・オブジェクトから引きはがすための言葉。
 主を、戦友を愚弄するもの。
「オマエたちは殺す! 必ず殺す!!『勝利王』の名を守るために、デメトリオスを馬鹿にしたことを、後悔するほど痛めつけて!!!」
 それは確かに『ミノタウロス・オリジン』に有効であった。だが、同時に偽りのないことだと、ディアナは告げる。

「……嘘じゃないわよ。おいで。言った通り、この喉元に食らいつきに」
 彼女の言葉と共に雷光が迸る。
 そして、彼女を取り囲むようにして迷宮が生まれる。
 暗き迷宮は『ミノタウロス・オリジン』の精神性を示すようなものであったことだろう。
 果てが見えない。終わりが見えない。
 とめどない暴力性だけが、己を己たらしめる。それ以外の全てが無為であった。奪うこと、壊すこと、殺すこと。その全てを肯定してくれた者たちに対する一種の恩義めいた感情こそが、彼を怪物たら占めているのだと理解できる。
 故に、その圧倒的な暴力を『勝利王セレウコス』へと迫った仲間たちの背に向けさせはしないとエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はディアナと共に取り込まれた目級の中で思う。

 ディアナもまた思うのだ。
 大切な主を愚弄したのだ。己が逆の立場だったのならば、当然の怒りだ。
 だが、笑う。
 迷宮の暗さにあってなお、彼女は笑った。『ミノタウロス・オリジン』が今抱えているものがどれだけ大切なものかを彼女は理解したし、共感したのだ。
「楽しいおしゃべりは終わりとしましょう」
 ほほえみながら、手にした火砲を構える。
 振るわれる雷光の如き斧の一撃を見た。惹きつける。ギリギリまで。この迷宮は己に対する不意打ち。必ずや、その暴虐性を届けると言わんばかりのパラドクスであった。
 故にディアナは退かない。
 退いてはならないと理解している。これが最後だ、と。『ミノタウロス・オリジン』と言葉をかわす必要はない。
 打ち込まれた音の一撃が体に衝撃となって走り抜ける。
 凄まじい痛みが走る抜けるが、しかし轟音が鳴り響く。

 それは愚直なる一撃だった。
 王道の計(オウドウノケイ)。酷く単純なパラドクスだ。引き付け、最大火力になる瞬間をただぶつけるだけの一撃。
 だが、それでもディアナは最大限に集中して解き放ったのだ。
 己は此処だと。そして、己たちが倒すべき敵もまた此処だと迷宮の中にありて、か細い糸のような残留効果でもって示してみせたのだ。
 そして、その糸を手繰り寄せる炎があった。
 エトヴァは思う。

 己の身に宿る炎が、手繰り寄せた残留効果の糸を辿って燃える様を。それは幻視めいたものであったが、同時に彼の覚悟でもあった。
 怒りの女神の名を冠した形態。
 ネメシスモードへと変貌したエトヴァは、その蒼き焔を揺らめかせながら飛び込む。
 振り返らぬために、繰り返さぬために。
 己は蒼き炎の輝きを帯びる弾丸となろう。
「Sternenkreuz(シュテルネンクロイツ)――結束を力と成せ」
 放たれる5つの弾丸がパラドクスの炎をまといながら『ミノタウロス』の体へと十字を刻む。
 頭部に放たれた一撃を斧の刀身が弾く。
 だが、それでもエトヴァは構わなかった。敵は強大な存在だ。こうして己がパラドクスを叩き込めたのも、ディアナが決死の覚悟で攻撃を受け止め、火砲の一撃を叩き込んだからだ。

 これがディアボロスの戦いである。
 紡ぎ、つなぎ、より合わせることによって強固な鎖となって力を蓄えていく。
 確かに亜人の所業はどれも看過しがたきことである。
 だからこそ、エトヴァは忘れない。
「海をわたり、無抵抗の人々を蹂躙したこと。悲鳴あげられぬまま倒れた者たちの、無念を抱き絶望した者たちの想い」
 死するこおは恐ろしきことだ。
 耐え難いことだ。
 恐怖は容易に人の心を縛り上げ、己の生命が無為に終わることを示す。
 だからこそ、と彼は己のパラドクスの弾丸に込める。
「受け止めて、その身を灼き尽くせ」
「退、けぇぇぇ!!!」
『ミノタウロス・オリジン』の咆哮が轟く。
 振るわれる斧の一閃。炎の弾丸とぶつかって火花散る迷宮の暗闇が弾けるようにしてかき消える。

「オマエたち、赦さない! オレ、絶対にお前たちを!!!」
「だろうな。ま、わかるぜ。挑発のためとは言え、悪く言ったのはオレらだ。それにな、オレたちからしたらやってたことがやってたことだ」
 玄才が『ミノタウロス・オリジン』の怒りへと真っ向から踏み込む。
 息を吐き出すように言葉を紡ぐ。
 吐いて、吐いて、吐いて。
 腹の奥底にある感情の全てを吐き出す。
「心から侮蔑してるヤツもいりだろう。でも、オレはアイツの闘いぶり、けっこ好きだったぜ」
『破城者デメトリオス』――恐るべきクロノヴェーダ。
 その一点においてのみ玄才は、そう告げたのだ。

 息を吸い込む。
 吐き出し続けた空気は、彼の肺に力を取り込む。
「さあ、ミノオリ。お前の友達の『破城者デメトリオス』と同じようにオレを好きにさせてみせろよ。オレ達を全滅せて、先に行ったヤツ等も追っかけて殺す意気を魅せてみろ。そうしたら」
 迫る突撃。
 雷光迸る突進の一撃に玄才は己の骨身が砕ける音を聞いた。
 踏ん張った足の筋肉さえも引きちぎれる。だが、と彼は思っただろう。まだ立っている。己は立っている。ならばこそ、己の瞳はパラドクスに輝いていることを知る。
 幻視するかのような光の糸を掴むように拳を突き出す。
 それは、そっと触れるような拳の一打。
 己の体躯を打ち据えた『ミノタウロス・オリジン』の突進の一撃を受け止めてなお、放たれた一打は、掌打。
 想起の雷、透徹の拳。
 踏みしめ、砕いた大地より流れ出る力は、玄才という体躯を駆け抜けて巡り、掌打より『ミノタウロス・オリジン』の額から染み込むようにして流れ込む。

 曰く、八栄流の奥義にして極地。
 八栄流奥義・界砕き(ヤサカエリュウオウギ・カイクダキ)である。
 咆哮が痛みに喘ぐ声に変わる。
 怒りが霞むほどの痛み。
 されど、玄才は、ああ、と呟く。
「お前のことも好きになれそうだ」
 痛みに喘ぎながらも、彼が見たのは『ミノタウロス・オリジン』の見せた戦士としての在り方だった。
「オレはここまでだ」
 玄才の心は満たされていた。満腹になれるイイ闘いだった、と。
 
 そして。
 エトヴァが認めたように。
 穢れなき純然たる力の迸りを『ミノタウロス・オリジン』は咆哮と共に。
 星を意味する名を隠す暴虐の主たる名の前にあってさえ、燦然と輝く名。
 ディアナが知ったように。
「そうよね、それがあなたの忠誠。見届けるわよ――さいごまで!」

 彼女の言葉が迸った瞬間、煌めくパラドクスの輝きが二つ重なる。
「オレ、『勝利王』の名を守る! もう、それだけでイイ! それしかない!! だから!!」
 迷宮が広がる。
『ミノタウロス・オリジン』は宣言した。
 もはや、己は戦士でもなければ影武者でもない。ただ迷宮の主たる怪物であればいいと。暗闇の中に没し、救いなど求めなくてもいいと。
 故に彼は咆哮する。
 己のパラドクスで迫るディアボロスの全てを飲み込み続けると。

 光さえ見えぬ迷宮に取り込まれてなお、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は頭を振った。
 その瞳に恐れはなく。
 あるのは共に立つ戦友が灯す輝き。
「あなたと共に戦い、共に生きる」
「英雄が怪物に背を向けなかったように。私達がこの糸を手繰り『勝利王セレウコス』を王のは」
 クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は示す。
 この数多のディアボロスが紡いできた、か細い糸の名を。
 残留効果の軌跡たる輝きを握りしめ、怪物を打ち倒す英雄の手を取った乙女の名を。
「種子に宿るは我が信頼、芽吹け『アリアドネー・メディカゴ』!」
 走り抜けるは、急成長した唐草。
 それは一気に『ミノタウロス・オリジン』の体躯へと迫り、その四肢を締め上げる。だが、その締め上げるパラドクスが生み出した植物さえも彼は引きチビリながら迷宮の中を恐ろしげな咆哮と共に突き進んでくる。
 僅かな動きしか留めることができない。
 
 だが、クロエは構わなかった。
 この迷宮に有りて脅威であるのは怪物たる『ミノタウロス・オリジン』が何処から来るのかわからないということ。
 そして、わからないということは、未知なることは、暗闇のごとく人の心を恐怖で彩るものである。
「それでも、私は恐れない」
 亜人も怪物も、迫る巨躯も。
 なんら恐れるに値しない。
 自らの隣にある者を信じている。彼女が英雄であるとクロエは信じ切っている。その信頼は輝きを増していく。

 暗闇に在ってなお、星のように輝く感情。
 報じる神あれど。
「確かなことは唯一つ」
 エイレーネは思う。
 数多のディアボロスたちの戦いを。今此処に至るまで積み上げられてきた歴史の重さを。
 歩みは確かに怪物のひと踏みで潰えてしまうものであったかもしれないけれど、それでも確かにあったのだ。生きてきた人々の重さが。
 故に、彼女の手にしたやりは輝く。

「怪物よ。友への嘲りだけは詫びましょう」
「イマサラだ! でぃあぼろす!! 何を言われても、オレ、止まらない! お前たちを殺すことは! なにひとつ!!!」
 振るわれる斧の一閃をクロエの生み出した鎖の如き植物が受け止める。
 衝撃が二人の体を打ち据える。
 だが、それでも、とエイレーネは告げる。
「戦友の意義は身にしみて心得ていますから。しかし、それだけです……情けはかけません!」
『ミノタウロス・オリジン』の体躯を見た。
 刻み込まれた傷跡。
 それはもう倒れていてもおかしくはないものばかりだった。なのに、なお彼が動くのは、執念一つであったことだろう。
 忠義もあった。
 友情もあった。
 だが、それ以上に己を怪物たらしめるものを知るがゆえに、救われることさえも放棄した『ミノタウロス・オリジン』の突進の一撃を前に、エイレーネは一歩を踏み出す。

 これは英雄の一歩だろうか。
 かの神話の時代の英雄もまた踏み出した一歩なのだろうかと思う。
 怪物を討ち取った英雄のように、とエイレーネは思った。突進の一撃を輝く盾で受け止める。手傷を負って、瀕死とも言える敵が繰り出せる威力であろうかと思うほどの圧力を受けてなお、エイレーネの瞳は生命を見る。
 その生命。
 その救われぬ怪物としての宿命を見る。
 皮肉なことだ。
 奪い続け、殺し続けてきたものが、ディアボロスを阻むための盾として生命を捨てようとしている。

「今、セレウコスの最後の護りを砕くため……そして、《七曜の戦》で救えなかった生命に報いるために!」
 裂帛の気合と共に、さらに一歩を踏み出す。
 押し負けることは許されない。
 この後退の一歩は、ただの一歩ではない。
 背に追った重さが、歩みが、人の歴史がエイレーネの背中を押す。
「――迷宮に潜む怪物を討つ力を!」
 振り抜くようにして放たれるは、流星が如く燃え立つ投槍(アコンティオー・フロガス)たる一射。

 空気を切り裂く音が響く。
 それは目に見えぬ空気を打ち破る音。
 轟音。
 即ち、轟雷の如き槍の投擲であった。
 己の信じるもの。その力をエネルギーに変えての投射の一撃は、か細き糸を鎖の如き軌跡に変えて『ミノタウロス・オリジン』の心臓を貫く。
 鋼鉄の皮膚を切り裂き、強靭たる筋骨をも凌駕し、貫き穿つ一撃。
 それは、空気との摩擦で炎を生み出し、『ミノタウロス・オリジン』の体躯を一瞬の内に灰燼へと帰さしめる。

 残されたのは穿たれた巨躯。
 そして、次の瞬間、その体躯は弾けるようにして炎を立ち上らせ、地上の星のごとく輝き……そして、瞬くように消える。
 それは巨大なる雷光の影法師ではなく。
 ただ空に浮かぶ星のように、消えゆくのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【隔離眼】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ドレイン】がLV4になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!

最終結果:成功

完成日2023年12月15日
宿敵 『ミノタウロス・オリジン』を撃破!

勝利王の猛き影武者

 アンティオキアの城にある『玉座の間』を護る、ジェネラル級亜人『ミノタウロス・オリジン』と戦闘を行います。
 ミノタウロス・オリジンは、勝利王セレウコスの影武者も務める腹心で、《七曜の戦》ではローマ方面の援軍に加わっていましたが、《七曜の戦》後に、セレウコスの元に戻り、アンティオキアから脱出しようとするセレウコスの代わりに、玉座の間で、ディアボロスを迎え撃とうとしています。
 ミノタウロス・オリジンが座す玉座を破壊すると、セレウコスが撤退に使った秘密の通路を発見することが出来ます。
 まずは、ミノタウロス・オリジンに戦闘を仕掛けて、玉座から離した後、玉座の破壊を試みてください。
 玉座の破壊に成功すれば、勝利王セレウコスを追い、決戦を仕掛ける部隊が秘密の通路に突入する事になります。
 セレウコスを撃破する為には、一刻も早く、秘密の通路を発見して、部隊を送り込む必要があるでしょう。

●特殊ルール

 このシナリオで特定の条件が達成された後、勝利王セレウコスとの決戦に挑むシナリオが公開されます。
 詳しくはオープニングやリプレイ、選択肢解説を参照して下さい。

ミノタウロス・オリジン


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#蹂躙戦記イスカンダル
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#勝利王の猛き影武者
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#セレウコス領
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#アンティオキア
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#ミノタウロス・オリジン
🔒
#勝利王セレウコス


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選択肢『玉座の破壊(秘密の通路の発見)』のルール

 アンティオキアの玉座を破壊し、勝利王セレウコスが撤退した『秘密の通路』を発見してください。
 発見した、秘密の通路には、勝利王セレウコスを追撃する部隊が突入する予定です。

 アンティオキアの玉座は、クロノオブジェクトであるので、パラドクスの攻撃で破壊する必要があります。
 また、ジェネラル級が玉座にいる間は、玉座を破壊する事は出来ないので、破壊する為には、ミノタウロス・オリジンを玉座から引き離す必要があるでしょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『🔵が👑に達すると、選択肢の説明で指定された特別な効果が発生する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『ミノタウロス・オリジンへの挑発』のルール

 ミノタウロス・オリジンを挑発して玉座から引き離します。
 ミノタウロス・オリジンは、高い戦闘力と忠誠度を持つ武人ですが、残念ながら知能は亜人としてもかなり低いようです。
 多少下品でも構わないので、ミノタウロス・オリジンが激高し、セレウコスの命令を忘れて、玉座から離れてしまうようなセリフを投げかけましょう。
 難しい言い回しや皮肉は通じない可能性が高いので、簡単な単語の組み合わせやボディランゲージなどを駆使するのが良いかもしれません。

 また、戦闘でダメージを与える(🔵を獲得する)事で、ミノタウロス・オリジンの理性が低下し、挑発の聖堂を高めることが出来ます。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『🔵が👑に達すると、選択肢の説明で指定された特別な効果が発生する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『ゴブリン盗賊団』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

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 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿勝利王の猛き影武者『ミノタウロス・オリジン』のルール

 アンティオキアの玉座を護る、ジェネラル級亜人『ミノタウロス・オリジン』との決戦を行います。
 ミノタウロス・オリジンは、秘密の通路の入り口となる『玉座』に陣取って、ディアボロスを迎え撃ちます。
 玉座を破壊して、秘密の通路から撤退した『勝利王セレウコス』を追撃するには、ミノタウロス・オリジンを撃破するか、玉座から引き離す必要があります。
 玉座から引き離した上で、玉座を破壊した場合、ミノタウロス・オリジンは、セレウコスの元に向かうディアボロスを追いかけようとするので、それを防ぎつつ、撃破を行ってください。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【撃破】【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、宿敵を完全に撃破し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「明無・夜空」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。