【幻想竜域キングアーサー奪還戦】円卓、割り砕くべし!(作者 秋月きり
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#幻想竜域キングアーサー  #【幻想竜域キングアーサー奪還戦】円卓の間の破壊者  #幻想竜域キングアーサー奪還戦  #王の偶像『クロム・クルアハ』 

 ジェネラル級ドラゴン王の偶像『クロム・クルアハ』は唸っていた。それはもう、見事な迄に悔しさを滲ませた唸り声だった。
 その眼前では、彼の配下たるドラゴンや竜鱗兵が巨石を運びながら、儀式の準備をしている。部下達の作業は順風満帆で彼の命令通りに事が運ばれている。しかし、己の所業を思い返せば、クロム・クルアハが零すのは唸り声のみであった。
「ディアボロスの甘言に騙されるとは、このクルアハ、一生の不覚であった」
 かくなる上は、己が命を捧げてでも汚名を返上する必要がある。クルアハにとって誉れこそが己が全て。それが回復するのであれば、命などは安きものであった。
 そう。彼はアーサー王に叱責されたことが、物凄く堪えていた。
「アーサー王陛下。我が忠誠を見届けて下さい」
 そう祈るくらい、クロム・クルアハにとってアーサー王とは、絶対の存在であった。

「幻想竜域キングアーサーのドラゴン達は、強大な力を持ち、妖精郷を滅ぼす寸前まで追い込む等、クロノヴェーダの中でも特別に強力な存在でした」
 新宿島新宿駅ターミナル。到着したパラドクストレインを背景に、時先案内人の少年、クリス・ルトゥーチ(吸血鬼のダークハンター・g07182)はそう語っていた。
「しかし、皆さんの活躍によって多くの円卓の騎士は討ち取られ、竜域ダンジョンを失い、妖精郷からも撤退。また、先に行われた大戦《七曜の戦》の結果、アイルランドとグレートブリテン島の南半分を失ってしまいました」
 そして、と断りを入れた彼は、更に言葉を重ねた。
「絶対不可侵とされたキャメロット城もまた、皆様の活躍によって歓楽したのです」
 今こそ、断片の王アーサー・ペンドラゴンを討つ絶好の好機!
 少年らしい高揚と共に語った彼は、しかし、と声を潜める。流石は時先案内人。軽度に興奮していても、頭の片隅は冷静なようだ。
「ここまで追い詰めても、アーサー王は勝利を諦めていないようです」
 新宿島破壊のための対ディヴィジョン兵装『聖剣エクスカリバー』。これを用いて、復讐者達を撃退する準備を整え、待ち構えているようなのだ。
 更に、自身が敗北した際にも『幻想竜域』を残すべく、王妃竜グィネヴィアをゴンドワナ大陸へと移動させ、その上で未知の改竄世界史である『空想科学コーサノストラ』とも何らかの密約を結んでいるようなのだ。
「此度の奪還戦は、それら全てを打ち砕く必要のある厳しい戦いとなると思います」
 それでも、復讐者達はそれらを乗り越えて歴史を取り戻さなければならない。
 そのために力を貸して欲しいと言葉を結び、クリスは短い吐息を零した。

「先にも出ました対ディヴィジョン兵装『聖剣エクスカリバー』は恐るべき兵装であり、一度振るわれれば新宿島は両断、パラドクストレインが出現する重要拠点――即ち、ここ、『新宿駅』の消失が予測されています」
 今現在、パラドクストレインこそが復讐者達の作戦展開の要と言っても良かった。
 それが失われれば今後、どの様な影響があるかは不明。だが、これまでの様な優位を保てなくなるのは火を見るよりも明らかだろう。
「この攻撃を阻止する為にはアーサー王の撃破は必須であり、そのためには速やかな行軍が必要です」
 つまり、この前哨戦で少しでも敵戦力を削ることが望ましい、と言う事でもある。
「皆様の御武運、お祈りしています」
 そう締め括り、クリスは復讐者達をパラドクストレインへと送り出すのであった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【ダブル】LV1

●マスターより

秋月きり
 お世話になります。秋月きりです。幻想竜域キングアーサー奪還戦のFAシナリオをお届けします。

 以下、補足です。ご確認下さい。

●選択肢について
①大群のトループス級『穿孔竜ワーム』
 ジェネラル級ドラゴン王の偶像『クロム・クルアハ』の配下であるトループス級ドラゴン『穿孔竜ワーム』と戦って頂きます。

●その他
・「普通であれば、真正面から衝突して敵戦力を削る、別行動する小隊を見つけて強襲する……と言う手段を提示する処なのですが、彼らはどうも、『円卓の間の破壊儀式』準備を命じられているようで、其方に気を取られている感があります」
・「勿論、それでも皆様が妨害すれば反撃はしてきますが……そう言う命令の下なので、小隊を発見してからの個別撃破は難しいでしょうね。ただ、真正面から叩き潰すのは物凄く効果的だとは思います」
 以上、時先案内人からの助言でした。
・とは言え、リプレイの執筆は皆様の作戦を元に行っていきますので、上記はあくまで助言として受け止めて下さい。

 それでは、奪還戦に向けた皆様の熱い想いの籠もったプレイングをお待ちしております。
 よろしくお願いします。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


九十九・静梨
※連携アドリブ歓迎

雪辱を果たそうとする気概は立派とは思いますがこちらも苦労して得た成果の1つである円卓の座を破壊させる訳にはいきませんわ

真っ向勝負は望むところ
とはいえ数は多いので初手は少し小細工はしましょう
パラドクスを発動し
肉体改造(筋肉を鍛える意味)してきた全身の筋肉を更にバンプアップし強化
その上で雷気大槍を掴み全身の膂力で敵陣近くへ投擲
音と電撃による光により何体かの注意がそれたのを確認したら
すかさずダッシュで突撃
こちらを見ていない敵へ拳と蹴り、そして魔力付与した筋肉の強打による衝撃で起こる魔力嵐で攻撃し周囲も破壊し敵陣を撹乱しますわ
これで敵を乱し注意をこちらに向けさせたら他の味方が動きやすくなりますからね

反撃にはダブルガントレットによる肉弾戦で対処
巻き付いてきたら拘束を筋肉のパワー、さらに螺旋砕腕をドリルに変形しその回転力で拘束の隙間をこじ開けて引きずり込まれる前に脱出しダメージを軽減

ジェネラルが出るか限界まで敵を減らせたら撤退開始
拳の強打から起こす魔力嵐で視界を阻害
味方を援護し撤退


光道・翔一
他の復讐者との連携歓迎


…いよいよキングアーサーでの戦いも大詰めか。
と言っても向こうにはまだ挽回の策が一つどころじゃなくあるみてぇだが。

…七曜も過ぎてそれなりに経つ。
こっからの奪還戦は相手も相応に策を巡らせて来るってことだな。

…まぁどうにせよ、前哨戦から気を抜かずに敵を叩いておくのは変わりないって所だ。


敵が作業をしてる所に接近
この時杖と魔導書を手に臨戦態勢の構えを取り、敵に戦意を見せて作業の手を止まらせるよう仕向ける

ある程度捌ける数の敵を引き付け、敵が自身に向かってきた所にパラドクスを発動
光速の魔力の波を敵に押し付けて『吹き飛ばし』、可能なら作業場に積まれた巨石なども巻き込んで『破壊』する

一旦攻撃を終えたら『一撃離脱』の要領で『ダッシュ』してその場から退避
他者との攻撃の連携も視野に入れつつ、ヒット&アウェイでの攻撃を心掛け包囲等のリスクを下げる

一定数の敵撃破を確認したら無理追いせず退避
指揮官が急襲してきた場合は必要に応じパラドクスでの『不意打ち』を仕掛け、逃走までの『時間稼ぎ』を試みる


パティ・スィフォス
連携・アドリブ歓迎

削れるだけ敵を倒す仕事、ね。請け負ったの
聖剣、このドラゴン達は、剣を使う、のね。パティも剣を使う
うん、パティは負けない。師匠の剣も技は、負けない。(聖剣に対して対抗心有り)

隠れるのは苦手。他の人に良い案が無ければ、正面から行く、ね
土塊や岩塊は躱すか、剣で弾く。他の人が攻撃するなら、相手の周りで動いて、気を引く
それと、パティの剣で、相手を叩いて、この剣に刃が無くて、切れない事を、教える
こうやって罠を張れって、師匠は言ってた。何かあるって、思われても、警戒は薄れるって、言ってた

何度か続けて、この刃では、傷つかないって、油断した所で、本気で行く
刃が触れなければ、癒しはない。速く剣を振って、切っ先で作った空気の刃は、どんなに固くても、弾かれない
これがパティの剣で、刃
倒せなくても、大丈夫。こういう事をしてくる、相手がいるって分かれば、相手は考える事が増えて、有りもしない色んな警戒をして、結局隙が出来るようになる。師匠は、そう言ってた
これを、戦いが終わるまで、するね


ソラス・マルファス
味方と連携して戦うぜ。

新宿駅はやらせねぇ。トレインもだが、何より最終人類史の、人間の命が掛かってるんだ。

地中が主体の敵は厄介だが、儀式の準備をしているなら地上に出ている敵も多いだろう。作業に集中しているところへ飛び込んで、風を纏った大剣で次々と切り伏せよう。態勢を立て直される前に距離を取り、また別の部隊を攻撃するぜ。

味方が攻撃する際は、敵が作業していた場所へ、怪力無双で瓦礫を投げよう。儀式の準備を最優先でしているのであれば、壊されるのは困るだろうからな。攻撃者と俺と儀式場の守りで行動を迷えば撹乱になるだろう。

味方を含め戦闘に支障が出る手傷を負った場合か、対応しきれない数の敵が出てくるか、クロム・クルアハが来たら即時撤退しよう。必要なら殿を務めるぜ。空輝石で旋風を起こし、土や石片を巻き上げて目眩ましにしてそのまま逃げるとしよう。


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

わー……怒ってるだろうなぁ
クロム・クルアハ……
先の任務を思えば、お会いしたくないものだ

破壊儀式とは物騒だが、それが彼の忠義の形ならば。こちらも油断なくお相手しよう
それにしても、アーサー王の有能ぶりに最大限の警戒を……
護るべきを護る時だ

戦場を常に偵察、観察しつつ把握。情報共有に努める
味方と機を合わせて接敵
儀式の準備に気を取られているなら、正面から行こう
なるべく視野の外側から初撃を
羽搏きに乱気流を巻き起こし、PD攻撃
仲間と声掛け連携し、狙いを合わせ、敵の個体数を着実に減らす
消耗した敵、連携の要となる個体、味方の死角を狙う個体を優先

敵の攻撃には足元や周囲を警戒し、注意喚起しあおう
攻撃直後は、魔力障壁を張り全身を護りつつ
足元の兆候を看破し、飛び退く
下方へタワーシールドを構えて凌ぎ、なるべく身を捻って受け流し
正面から来たら、後方へ下がり力を逃がしつつ軽減
負傷の深い味方がいればディフェンス

戦果十分か、味方の負傷が嵩む前に撤退判断し、全員で撤退を
ジェネラルの出現時は挨拶して安全に撤退を


グレン・ゲンジ
ドラゴンも色々とデカい作戦を考えてるようだが、スケールのデカさなら負けねえぜ
ディアボロスは地球中で戦ってきたんだ!島ひとつと大陸の切れ端がなんだってんだ!

儀式に集中か。つまり不意打ちしろって事だな!灰炎剣持って突っ込むぜ!

武器持って全力で飛翔して突撃だ!そのままノコギリのような刃でドラゴンを切り裂いてやる!
気づかれなかったら攻撃!気づかれても…そのまま攻撃だ!
常にランダムに飛翔し、勢い任せの一撃離脱戦法でいくぜ!

巻きつかれたなら、俺の体から溢れる念動力で、俺自身をこう…イイ感じに絞めて、縮めるというか圧縮するというか…そうしてバナナみたいに飛び出してやるぜ
食いつかれたら、灰炎剣なり念動力なりで口の中とか舌を斬って痛めつけてやるぜ


 剣戟、怒号、土煙、死臭、そして、血の臭気と叫び。
 儀式の間へと続くその大地は、最早戦場に置き換わっていた。人と竜。人と竜鱗兵。復讐者と歴史侵略者。双方が双方とも復讐を口にし、パラドクスをぶつけ合う。時間、空間、そして世界法則まで書き換えなが行われるそれこそ、逆説連鎖戦。人を超越した物達に寄る戦争行為そのものだった。
「気付かれなければ攻撃! 気付かれても……そのまま攻撃だ!」
 幾多のドラゴン――トループス級ドラゴン『穿孔竜ワーム』の中に飛び込んだグレン・ゲンジ(赤竜鬼グレン・g01052)は、己が膂力のままに鋸引きの様な得物、灰炎剣を振るう。全身の筋肉とドラゴニアンの翼が生み出す飛翔力に支えられたそれらは、ワームの一体を抉ると、そのままの勢いで両断していく。
「どぉら。儀式の邪魔をされると困るんだろう?!」
 グレンに続けとばかりに、大剣を振るい、旋風を巻き起こすのは、ソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)だった。パラドクスによって吹き上がる嵐は周囲の瓦礫を巻き込み、儀式へ向かうワーム達を押し潰していく。まるで重機の様な振る舞いに、しかし、ワーム達も負けてはいない。ドリルの如く地中から湧き出したワーム達は、ソラスに喰らいつくと、地中へと引きずり込むべく全力で後退していく。その一撃は、まさしく穿孔竜の名に相応しいそれであった。
「真っ向勝負は望むところ」
「速攻で叩き潰す。儀式ごとな!」
 だが、ソラスを咥え込んだワームの命運もそこまでだった。
 九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)の膂力――むしろ、破壊の化身と化したそれと、光道・翔一(意気薄弱なりし復讐者・g01646)の呼び起こす光が彼らを裂き、或いは焼いていったのだ。生命そのものを失ったドラゴンから吐き出されたソラスは、そのまま翼をはためかせ、着地。着地と同時に大剣を振るうと、忍び寄る一体へ嵐の様な斬撃を見舞っていく。
「うん。パティも負けない」
 静かな言葉と共に、双剣を振るう少女の名は、パティ・スィフォス(剣為らずの刃・g09066)。斬れないはずの刃を高速で振るうことで剣閃を生み出す彼女の剣技は、そのままワームの喉元を強襲。致命の一撃を受けたワームはどうっと地へと伏せていく。ドクドクと大地を汚すワームの血液は、パティの剣術が首を叩き斬った証左でもあった。
「この剣は刃が無くて切れない。だけど、斬れる。どんなに硬くても、弾かれない。それが、パティの剣で、刃」
 その正体こそ、高速で振るう剣が生み出す真空波であった。
 空気の刃である以上、如何にワームの鱗が硬くとも防ぐ術はない。強度が高いと言う事は、裏を返せばそれ以上の衝撃や斬撃ならば、破壊出来ると言うことだ。そして、パティにはそれだけの腕があった。
 無論、ワームを狩る腕を持つのは、彼女に限らない。彼女以外の復讐者達も、その自負はある。幾渡と力を得て、そして蓄えた彼らに、今やドラゴンは恐るべき脅威ではない。ただの敵、倒すべき侵略者だ。
「まあ、なんにせよ、前哨戦って言っても気を抜くつもりは無い。俺達ディアボロスがお前達クロノヴェーダを叩いて戦争そのものを有利に運ぶ。それだけだ」
 翔一の宣言は、そのための物だろう。
 この場に居る全ての敵に聞こえる様、そんな挑発が響き渡った。

 ――そして、その言葉を誰よりも強く受け止める物が居た。
 そう。
 復讐者達が儀式の阻害に行くのであれば、その邂逅は必至だった。
 何故ならば、それは、儀式の中心に座し、成就のために有りと有らゆる手段を講じていたからだ。
 故に、それが動かない理由は、何処にも無かった。

「ディアボロス!!」
 叫びと共に到来した黒い影は、己が配下であるワームすら弾き飛ばしながら、宙より出でた血塗れの剣を振るう。その数十二。その何れもが必殺の破壊力を抱き、復讐者達へと降り注いできた。
「うん。何と言うか……お会いしたくなかったんだがな……」
 げんなりとした表情を浮かべるエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、しかしと、風の刃を振るう。敵は出現したジェネラル級ドラゴン、王の偶像『クロム・クルアハ』のみではない。彼奴の配下であるワーム達は未だ健在で、それらに存分な損害を与えなければ、ここに来た意味が無いことは、エトヴァも承知の上だ。
 今はまだ、撤退の時では無い。ならば――。
 再度、浄化の風を紡ごうとした彼は、しかし、次の瞬間に響いたクロム・クルアハの叫びに目を丸くしてしまう。
 それはその叫びのみで宿敵を殺戮出来るのでは無いか、とばかりに呪詛めいた雄叫びであった。
『貴様らの甘言に乗ってしまったせいで、私は王に叱責されたんだぞ!』
「……は?」
「……それは……?」
 その刹那、おそらく復讐者達の気持ちは一つになっただろう。曰く、「コイツ、何を言っている――?」であった。
『貴様らは、貴様らだけは許さん! 特に私に甘言を囁いた奴らは、この刃で貫き、八つ裂きにしてやる! まずはお前からだ。そこの青髪!』
(「まあ、そうなるよな……」)
 おそらく心より零れ出た雄叫びに、思わずエトヴァは呻いてしまう。断片の王アーサー・ペンドラゴンの叱責はよっぽど堪えたのだろう。今、恨み言を復讐者達にぶつけるくらいに、クロム・クルアハの心を怒りに、そして焦燥に染め上げているのだ。少しだけ同情してしまいそうになる。
「何ですの……? つまり、アーサー王はクロム・クルアハの忠義を無碍にするくらいに、器が小さかった……?」
「円卓破壊の儀式を行使して死ね、と言うくらいだしな」
 おそらく時先案内人の書いた報告書を読んだのであろう。円卓の間で聞き覚えがあるような無いような静梨の台詞に、翔一の嘆息が重なる。
「……哀れ」
 パティのその言葉は、クロム・クルアハに対してか、それともアーサー王に対してか。隣を見れば、ソラスとグレンがうんうんと頷いている。言葉を重ねる間でもなかった。今のクロム・クルアハの状況を、彼女の言葉は的確に表していた。
 だが。
『黙れ! 人間風情が!!』
 復讐者達の言葉は火に油を注ぐ結果になったようだ。
『先に宣言した通りだ! 貴様ら纏めて、一体残らず血祭りに上げてやる!』
 叫びと共に吹き荒れたのは、先と同じく血塗れの剛剣達だ。12本のそれは戦場を縦横無尽に駆け巡り、前線に立つ静梨やパティ、ソラスやグレンだけでなく、距離を置く翔一やエトヴァすら斬り裂いていく。如何に哀れでも、如何に情けなくとも、クロム・クルアハはジェネラル級。トループス級ドラゴンであるワーム達と比べるまでもなかった。
「流石にジェネラル級と戦う準備は整えてない。引くぞ!」
 翔一の言葉に、一同は首肯し、それぞれの方向へと駆け出して行く。乱戦と振るったパラドクスはワーム達を退け、退避の道を作り出している。そのまま逃げおおせる――その筈だった。
『逃がさんぞ! ディアボロス!!』
 その背後に投げつけられるのは、闇より濃い憎悪であった。
 クロム・クルアハは再度の咆哮と共に、幾多の刃を飛来させる。それらは復讐者達の背を貫き、腕や脇腹、足を斬り裂くと、多量の血肉を大地へとぶちまける。其処に、当然ながら容赦などは存在しなかった。
「ちっ!」
 舌打ちはソラスか、それともグレンからか。
 反転し、取り付いた二人から放たれた斬撃を、しかし、クロム・クルアハは飛来する双剣で受け止め笑う。
『我が怒りを、我が恥辱を思い知れ! 貴様らなんぞが王の偶像たる私を謀るなど、合ってはならんのだ!』
「――謀られたのは貴方の責ですわ!」
「私達を恨むのは、お門違い」
 哄笑に叩き付けられたのは、砲弾とも言うべき殴打と、紡がれる真空の刃であった。それらはクロム・クルアハの顔面を捉えると、僅かな出血と共に其処を仰け反らせる。
「いまだ! 逃げるぞ!」
 其処に木霊したのは、最大級に紡がれた翔一の発光だった。目眩ましどころか目を破壊せんばかりの閃光はクロム・クルアハの目を焼き、多大な悲鳴を零させた。一見すれば多大な隙に、しかし、翔一は仲間に頭を振る。――ジェネラル級があの程度で倒れるならば、苦労はしない、と。
「円卓の守護者、クロム・クルアハ! 主君に忠誠を誓う真の騎士よ! 決戦の時は来た。我らは全力を以て貴殿の王、断片の王アーサー・ペンドラゴンを討ち取ろう! 宣告の約束通りにな!」
 高らかなエトヴァの宣言は、しかし、クロム・クルアハにとってはただの挑発だろう。
 目眩ましにやられた目を無理矢理行使し、四方八方に剛剣を撃ち出す。狙いの定まらない攻撃が復讐者達を捉えるはずも無く、しかし、剛剣は空気を、大地を、そして、復讐者達が生み出したワームの遺骸を破壊し、戦場そのものを無茶苦茶に蹂躙していった。
「師匠も言ってた。逃亡の勝機は――逃したら、死ぬって」
「同感だ!」
 パティの呟きに、グレンが応じ、復讐者達は脱兎の如く逃亡を開始する。
 斯くして戦場には、空飛ぶ無数の剛剣を振り回すクロム・クルアハのみ取り残され、そしてやがて、蠢くものは彼と、そのパラドクスのみとなったのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年12月15日

【幻想竜域キングアーサー奪還戦】円卓の間の破壊者

 このシナリオは【幻想竜域キングアーサー奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 幻想竜域キングアーサーのジェネラル級及び、従属状態である『TOKYOエゼキエル戦争の大天使とアークデーモン』と『巨獣大陸ゴンドワナの巨獣』、戦争に利用されようとしている『黄金海賊船エルドラードのアビスローバー』の軍勢に対して、戦闘を仕掛けます。
 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。
 このシナリオの攻撃対象は、ディアボロスとの戦いを避け撤退した円卓の間の守護者であったジェネラル級ドラゴン王の偶像『クロム・クルアハ』の軍勢です。
 王の偶像『クロム・クルアハ』は、円卓の間を破壊せずに撤退した事を叱責され、汚名返上の為、遠隔からの円卓の間の破壊の準備を進めているようです。

「成功したシナリオ数×5%」だけ、「③王の偶像『クロム・クルアハ』」の敵残存率を低下させます。

====================<個別文章テンプレート>

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#幻想竜域キングアーサー
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#【幻想竜域キングアーサー奪還戦】円卓の間の破壊者
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#幻想竜域キングアーサー奪還戦
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#王の偶像『クロム・クルアハ』


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選択肢👾大群のトループス級『穿孔竜ワーム』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)配下のトループス級クロノヴェーダ(👾)の大群と戦闘を行います。
 敵の数が多いので、撃退するには時間が掛かるかもしれません。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える行う必要があるでしょう  詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。