リプレイ
ナイン・スカーレット
アドリブ&連携歓迎
空を制するのは必要な事でもあるけど、対ドラゴンの対策として、弱点である逆鱗を狙うのはありかな。
飛翔を上手く使って、常に上空から重力と合わせてパラドクスを乗せた攻撃を行い、返す刃で弱点狙いだね。
「常に相手の嫌がることをする。そして更に狙えるなら「逆鱗」を狙いたい所。」
移動できる範囲で、高速戦闘を行うよ。
空間から槍を取り出して攻撃をする!
「最速の一撃を与える!血解・飛翔千変万化」
連携出来るタイミングは相手に合わせます。
勝つのが優先。場合に寄り囮もするよ。
パーシヴァルが参戦した場合、撤退なら殿を務めるよ。
交戦するなら距離を取って前述の戦法を取って、持久戦で勝負する。
基本的に、勝てる勝負をするタイプ。
感情的には感情の介入は無しで行きたい、そして仲間を優先して戦うよ。
仲間の呼び方は呼び捨てで、フェイント攻撃も入れます(攻撃の際はパラドクスを乗せて先制を取っていくのを優先していくよ。)
桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎
空はドラゴンだけのものじゃないから退いてもらうわよ?
【飛翔】にて上空へ行き雪を降らせ敵の体力を奪っていく
上にいた方が有利よね?常にドラゴンたちの動きを見ながら上に。
少しでも戦争で有利になるようにここで可能な限り数は減らさせてもらうわ。
《全力魔法》と《風使い》にて確実にドラゴンたちへと攻撃は当てるようにしながら《対空戦》も使い空での戦いを有利に進めながら確実に1体ずつ仕留めていくようにする。
敵の攻撃は可能な限り避けつつ直撃しそうになったら《吹き飛ばし》で敵の攻撃の起動を変えて対処する
ある程度敵を削るかパーシヴァルが乱入してきたら無理せずに早々に撤退する。その際みんなが逃げれるようになるべくギリギリまで攻撃の手は止めず攻撃しながら《一撃離脱》で距離は取りつつ朧雪の雪を利用して《火炎使い》、《爆破》で雪を飛散させて煙幕代わりに使えれば使い追ってこれないようにする
今はまだ無理をする時じゃないわ。
戦争まで倒すのは取っておくわ
捌碁・秋果
※連携アドリブ歓迎!
新宿駅が無くなるほどの攻撃か…。
予想よりはるかにスケールが大きい攻撃に、ドラゴンという種族の強大さを改めて思い知る。
…そんな相手と戦うんだ。せめて削れる戦力は削っとかなきゃ。
【飛翔】して空中戦を挑みます。
発生している飛翔の残留効果の最高速度まで加速したり急に止まったりして、緩急を極端につけて敵を翻弄する動きを心がけます。
パラドクスの百歩穿楊を使用。美術鑑賞同好会会報を破りながら精神集中し、ページを飛ばして攻撃。
敵を観察し、負傷した敵に狙いを定めて確実に倒すように努めます。
反撃の尻尾で薙ぎ払ってきたらこちらもそれにあわせて藍色の槍で尻尾を薙ぎ払い、威力を和らげるようにします。
もしもパーシヴァルが来たら…私たちの活躍が敵の目に止まるくらい素晴らしかったってことだよね、嬉しくなっちゃう!
…じゃなくて! パーシヴァルと戦いに来たんじゃないし勝ち目もない。
変質ステンドグラスを煙幕のように張り、速やかに引きましょう。
ごきげんよう、パーシヴァル。17日にまた会いましょう!
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
練兵ですか。
あのスパルタ訓練が何事も無く完遂した時、
この戦争の脅威になるのは間違いない
今のうちに数を減らしておきましょう。
ドラゴン達が知らぬ現代のマニューバを
この『SKYRAIDER』が見せてあげましょう。
≪ - 人機接続:Lynx of Boeotia - ≫
『Boeotia』と精神と全武装をリンクさせ
人と機械が互いを補い合い、相乗効果を発揮した『人機一体』の状態へ。
フライトデバイス『アクロヴァレリア』を起動し【飛翔】
その出力を最大に跳ね上げてパラドクスを発動し
人機一体の制御で通常ではありえない【空中戦】を展開します。
『ナノマギア』を瞬時に組み換え武装を構築
遠距離では機械魔導弓『ACRO』に魔力の灯火を番えてパラドクスの矢を放ち
近距離ではナノマギアの配列を組み換え煌剣『シュトライフリヒト』を構築し、敵を一閃します。
敵の攻撃は『アルヴァーレ』と『シャルダント』から発生する【結界術】を重ねて強固な護りを築き緩衝材にして直撃を避けます。
出てくると良い…パーシヴァル!
ソラス・マルファス
味方とも連携して戦うぜ。集中攻撃を受けねぇよう、複数方向から同時攻撃するのが良いだろうか。
速度自慢相手に空中戦か。地上よりマシとは言え、相手の得意な戦法を取られることには違いない。少数ずつでも、確実に仕留めるとしよう。
飛翔で空中へ行くぜ。敵が接近してこないようなら、スマホのフラッシュで視線をこちらへ向け、空輝石を的に投げて突風を起こし、挑発しよう。接近してきたらギリギリまで動かず、待ち構えよう。大剣に呪詛を纏い、すれ違いざまに切り伏せる。
炎玉は空輝石で旋風を起こして可能な限り逸らし、難しいなら大剣の腹で受けながして少しでも軽減するぜ。とはいえ炎はほとんど防げないだろう。行動に支障が出る前に帰還するとしよう。
万が一、パーシヴァルが来た場合は即座に逃げるぜ。撤退の際に殿が必要そうなら引き受けよう。
未空・ひよこ
ぴ、ぴよーーー!?
おっきいヘビさんなのです!
ひよこ、ヘビさんは苦手なのですよ…でもがんばるのです!
ひよこは戦うのがはじめてなので、強そうな仲間の人達の戦い方を見ながら攻撃のお手伝いをするのです
まずは【飛翔】を発動してお空を飛ぶのです
ふふー、まるでオンドリさんになったみたいなのですよー
それから、皆さんの攻撃のタイミングに合わせて羽根をパタパタして、ぴよぴよっと【リングスラッシャー】を発動するのです
反撃が来たら、無理しないでぴよーっと逃げるのです!
もしも、途中でもっと強そうな敵さんが来たら…
リングスラッシャーをたくさん出してバリアにして【ガードアップ】しながら、周りの人と力を合わせて逃げるのですよ
大きな戦争の前にお怪我をしちゃったら大変なのです!
ピナル・セミル
僕たちがいろんな所に行けるのは新宿島もパラドクストレインもあるからだよね。ずばーってやられたら大変なことになっちゃう。絶対にやらせないよ!
青の魔法と緑の魔法の【結界術】をまわりに張っておくね。風で炎を散らして水で炎の力を弱めてくれるから。
大きい敵だからはね飛ばされないようにびゅびゅーんと高く【飛翔】して頭の上から【全力魔法】の【ウィッチスターダスト】!
たくさん敵を倒さないといけないから、僕が狙われたら囮になって飛び回って【高速詠唱】の【連続魔法】で飛んで来る炎の刃もぜーんぶ撃ち抜くよ!
リューロボロス・リンドラゴ
ふん。確かに僅かな期間での付け焼き刃よりは行軍訓練の方が有効か。
どのルートを辿ればよいか、迂回が必要な場合はどうすれば良いか。
そういったことを少しでも身につけておけば随分と変わるであろうからの。
現地訓練とはいかぬ我らにはできぬ強みでもあるはな。
だからこそ邪魔させてもらうぞ!
鍛えきれておらぬ今のうちに脅威の芽を摘んでくれるわ!
【飛翔】し“空中戦”よ!
我は龍、我こそはドラゴン!
空は貴様たちのものではない。
我のものよ!
我が暴風のブレスで空に葬り去ってくれようぞ!
【命中アップ】の加護にて、自他の当たりどころを良くするのも殲滅速度アップに貢献できるであろうよ!
くははははははは!
炎の刃、何するものぞ!
その程度のブレスで我が龍鱗を焼き貫けると思うてか!
攻撃を受けようとも構わぬ。
攻撃は最大の防御なり、よ!
数を減らせば被弾も減ろう。
攻撃に専念するのが我が速さよ!
乱入?
手の内を見れるのなら願ったり叶ったりよ!
来るが良いパーシヴァル!
まあ我らは退く故、無駄足だがの。
目的を見失いはせぬよ。
新宿島を護る為にもの。
幻想竜域キングアーサー、キャメロット王城を望む海域の上空。
疾駆けの雲が流れていく青空を覆うかの如く展開するのは、円卓の騎士パーシヴァル率いるドラゴンの大軍勢だ。
彼らの目的は来たる奪還戦において復讐者たちを遊撃すること。その為にパーシヴァルが要求した唯一つの力――『速さ』を身に着ける為、訓練に励んでいる最中なのである。
そして、今。
その大軍勢目掛け、まさに襲撃をかけんとする一団がいた。
レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)を始めとする、三名の復讐者たちであった。
「練兵ですか。スパルタ訓練が何事も無く完遂されれば、脅威になるのは間違いないですね」
飛翔の残留効果で上空に留まりながら、レイは彼方の景色を見遣った。
緑色の瞳で見澄ました先、展開するのはトループス級ドラゴン『蒼炎のジャッカー』の一団。東洋の龍にも似た細長い体で必死に訓練を積む彼らこそ、これより彼女たちが狙う相手だ。
「トループス級とは言え敵はドラゴン、何の切欠で力を付けるか分かりません。今のうちに数を減らしておきましょう」
「うん。僕たちも、この戦いには絶対に負けられないからね」
魔法の箒で飛翔の速度を増しながら、ピナル・セミル(猫は祟るもの・g10306)が頷く。
奪還戦に敗北すれば新宿島への壊滅的な打撃が確実視されている現状、敵の軍勢は確実に減らしておきたい。それは彼女を始め、作戦に参加した全員が抱く想いでもある。
最悪の場合は新宿駅が消失し、パラドクストレインも使えなくなる――出発前に告げられた最悪の事態を想像し、ピナルは小さな体をぶるりと震わせた。
「ずばーってやられたら大変なことになっちゃう。絶対にやらせないよ!」
自分の残留効果が少しでも役に立てるよう願いながら、ピナルは飛翔の速度を増した。
今回の戦いでは、全員で空中戦を仕掛ける方針だ。
幸いにして、標的のジャッカーたちは大軍勢からやや外れた空域に展開している。大軍勢本隊からの応援が到着する迄には多少の時間的猶予があるだろう。其の間に、どれだけ多くの敵を討てるかが勝負となる。
次第に距離が縮まるドラゴンの部隊。そこに居るジャッカーたちの大きな体を眺め、未空・ひよこ(ぴよぴよ・g10668)は思わず圧倒されたように声を洩らした。
「ぴ、ぴよーーー!? おっきいヘビさんなのです!」
この戦いが初陣とあって、ひよこの顔には緊張の色も伺える。
そんな彼女にピナルとレイは微笑を浮かべ、激励のサムズアップを送った。
「よろしく。頑張ってドラゴンをやっつけようね」
「危ない時は、お互いフォローして行きましょう。頼りにさせて貰いますよ」
「き、緊張するのですよ……でも、がんばるのです!」
ピナルとレイに頷きを返し、ひよこは精神を集中。
三つ目となる飛翔の効果を積み増して、心強い仲間たちと共にジャッカーの群れへと突撃していった。
「さあ、ボクたちの襲撃に付き合って貰いましょう!」
レイは加速と同時、起動したフライトデバイス『アクロヴァレリア』の出力を最大限に跳ね上げた。
人機接続:Lynx of Boeotia――『Boeotia』と精神と全武装、その全てをリンクさせ、接続。
人機一体となった鋼の獣が咆哮を上げて、蒼炎のジャッカーの群れへと食らいつく。
「行きますよ、『SKYRAIDER』っ!!」
同時、アクロヴァレリアが大空に描く蒼色の噴射炎が、美しい赤色に変じた。
レイが発動した『GipfelManöver』のパラドクスは音の壁すら易々と突き破り、魔力の灯火を矢に変えて放つ。
襲撃を察知して身構えようとしたジャッカーの肉体を、弓形態のナノマギアが放った矢は容易く貫き、骸へと変えた。
レイの猛攻はなおも止まらない。高速と言う形容すら生ぬるい人機一体の軌道は無数の残像を生みながら更なる矢を発射、飛翔するジャッカーを立て続けに撃ち落としていく。
「この空を駆ける、これがボクの……機動戦闘の極致だ!」
『な、なんという速度……だが!』
凄まじい速度に翻弄されながらも、ジャッカーは吐き出した蒼炎を刃に変えて、レイへと斬りかかった。
蒼と赤、刃と矢、二つの力が戦場の空域に派手な火花を散らす。
その頃、ピナルは風と水の結界術を戦場に展開しながら、ジャッカーたちと空中戦を演じている最中だった。襲撃を受けてドラゴンが虚を突かれたのはほんの僅かな間で、すぐさま復讐者を撃墜せんと応戦して来たのだ。
『撃ち落としてやれ!』『今こそ訓練の成果を見せる時だ!』
「うぅ、しつこいなぁ」
このままでは埒が明かないと判断したピナルは、箒の先端を空の上へと向けた。
パラドクスの力で一気に高度を上げると同時、くるりと宙返りするピナル。そうして発動するのはウィッチスターダストの一撃だ。眼下に捉えた標的の頭上へ、全力魔法で魔力を放つ。ダメージアップを介する魔法の雨を全身に浴びたジャッカーは全身を焼き尽くされながら、悲鳴を上げて墜落していった。
倒した敵を一瞥し、ピナルが目を向けた先は、同じ戦場を飛ぶひよこだ。
彼女は回転する光の輪を射出しながら、近づくジャッカーを着実に撃ち落としている。敵の集中する空間には飛び込まず、孤立した敵を後方から狙う堅実な戦闘スタイルだった。
「やるね! この調子でどんどん行こう!」
「まだ戦いも序盤です。焦らずに着実に、減らしていきますよ!」
「ふふー、まるでオンドリさんになったみたいなのです! 頑張るのですよー!」
ひよこは天使の翼を広げながら、再びサムズアップを送るピナルやレイと共に、戦場の空を羽ばたき続けるのだった。
レイとひよこ、そしてピナルの攻撃は衰えることなく、尚もジャッカーを襲い続けた。
三人がパラドクスを発動するたび、直撃を受けた個体が絶命して海へと落ちていく。高速の速度を交えて行う復讐者たちの攻撃は、敵にとって脅威そのものであったろう。
並のトループス級の集団なら、この時点で総崩れになっていても不思議ではない。
だが、ジャッカーたちが粘り腰を見せたのは此処からだった。頭数の優位を盾に取り、炎尾の薙ぎ払いと、炎刃の斬撃を、負けじと浴びせて来たのである。
『ここで敗北しては、パーシヴァル殿に申し訳が立たぬ!』『勝つのは我らドラゴンだ! 落ちろ、ディアボロス!!』
「やはり、そう簡単には行きませんね……耐えて下さい、アルヴァーレ、シャルダント!」
レイは結界術で自身を覆いながら、なおも刃を振るい続けた。
ナノマギアの配列を組み換え、煌剣『シュトライフリヒト』を構築。煌めく光の剣閃でジャッカーを葬っていく。
同刻、ピナルは箒の速度を上げながら、襲い来る敵軍を引きつけ続けていた。囮は自分の役割とばかり、魔法の雨を派手に降らしながら縦横無尽に空を駆ける。降り注ぐ敵の炎刃にも怯むことは無い。ひよこが準備してくれたガードアップの効果はピナルの守りを高め、その身を守ってくれているのだ。
「ひよこ、今だよっ!」
「はーい。ぴよぴよっと行くのです!」
ジャッカーの意識は、今やピナルに釘付けだ。
好機を悟ったピナルの声が飛ぶと同時、ひよこはリングスラッシャーを発動。天使の翼を大空に羽ばたかせる。
次の瞬間、射出された無数の光輪は命中アップの光に導かれ、パラドクスの力を帯びてジャッカーの群れへと食いついた。ドラゴンの誇る巨体を、光輪が音もなくすり抜ける。間を置かず、四肢をバラバラに切断されたジャッカーたちは、そのまま飛行の力を失って海へと落ちていった。
空中でガッツポーズを決めるピナルとレイ、そしてひよこ。
「グーッド! いい調子だよ!」
「敵の攻撃も、少しずつ弱まって来ています。このまま押し切りましょう!」
レイはなおも戦場を駆けながら、今も空域の何処かに居る円卓の騎士に意識を向けた。
かの竜が乱入して来るかは未だ不明。だが、例え来ても恐れはしない。この戦いに勝つのは自分たちだと、レイも、仲間の二人も確信しているからだ。
「出てくると良い……パーシヴァル!」
救援機動力で駆けつけた復讐者が、戦場の空域へと参戦する。
戦いは、正念場を迎えようとしていた。
レイとひよこ、そしてピナルが行った襲撃によって、ジャッカーの部隊は大混乱に陥っていた。
かのジャッカーらは階級こそトループスだが、円卓の騎士たる『パーシヴァル』に仕える精鋭のドラゴンである。奪還戦を前に戦死など恥とばかり、次々に迎撃態勢に移っていく。
『ディアボロスの襲撃だぞ!』『敵は寡勢だ、集中攻撃で墜とせ!』
ドラゴンの力を思い知らせんと、必死に抗戦を続けるジャッカーたち。
其処へ今、復讐者による第二波の攻撃が行われようとしていることを、彼らは間もなく知ることとなる――。
「どうやら、敵は順調に削れているようだね」
飛翔の効果で空を行く捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)は、前方に展開するジャッカーの群れを見澄まして呟いた。
先行したレイたちの攻撃を受けて、敵はその数を着実に減らしつつある。このまま更なる追撃を仕掛けるべく飛翔の速度を上げながら、秋果はジャッカーらの後方に展開する大軍勢へ視線を移す。
其処に見えるのは、空を覆い尽くさんばかりのドラゴンで構成された最速の遊撃部隊だ。
来たる奪還戦において、彼らは大きな障害の一つになると予想されている。最終人類史に突きつけられた聖剣の存在を思い返し、秋果は眉を寄せた。
「新宿駅が無くなるほどの攻撃か……なんともスケールが大きい攻撃だね」
自分たちの戦いが敵戦力を削る一助となれるよう、闘志を燃やす秋果。
一方、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)は、これより襲撃する敵群を『龍眼』で見据えて笑う。
「ふん。確かに僅かな期間での付け焼き刃よりは、行軍訓練の方が有効か」
キングアーサーの戦場を駆け回る遊撃部隊にとって、速さはそのまま部隊の力に直結する。
パーシヴァルという指揮官の指導のもと、トループス級のドラゴンたちは時間を経るほどに訓練を積み、成長していくことだろう。それは同時に、復讐者側の不利へと直結するものだ。
「だからこそ邪魔させてもらうぞ! 鍛えきれておらぬ今のうちに脅威の芽を摘んでくれるわ!」
「ああ、一匹でも落としたいところだな。……しかし、速度自慢相手に空中戦か。中々にスリリングな戦いになりそうだ」
込み上げる武者震いを鎮めるように、ソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)は得物を強く握った。
参加した全員が飛翔を発動し、積み上げた効果は実に八つ。
だが、それでなお楽勝できると断言できないのが、この戦いの厄介なところだ。何しろ、この空域に居るのは、円卓の騎士でも最速を誇るドラゴン『パーシヴァル』なのだから。
「固まって戦うのは危険そうだな。集中攻撃を受けねぇよう、連携しながら複数方向から攻撃するか」
「うんうん。常に相手の嫌がることをする、戦いでは大事なことだよね!」
ソラスの言葉に、ナイン・スカーレット(ねこの隣人・g07595)は頷きを一つ。仲間と共に空域へ次々と散らばりながら、ジャッカーの集団を捉える網状の陣形を即席で形成する。
一人も欠けること無く、捉えたジャッカーを一網打尽に撃破する為のフォーメーションだ。
「どの道、長時間の戦闘が出来るような戦場じゃない。だったら短時間で少しでも多く敵を落とす!」
『ここで敗れてなるものか!』『迎え撃て、キングアーサーの為に!』
ドラゴンたちの咆哮が大空を揺さぶる。
再び始まる死闘の渦中へ、復讐者たちは身を投じていった。
「我は龍、我こそはドラゴン! 空は貴様たちのものではない。我のものよ!」
竜翼を広げると同時に、リューロボロスは『蒼穹の孤竜烈風陣』を発動。暴風のブレスを吐き出した。
命中アップの光に導かれた颱風はドラゴンの巨躯を木の葉のように弄び、易々と五体を引き千切っていく。
『怯むな、応戦しろ!』
対するジャッカーの群れは、しかし戦意も旺盛に、すぐさま炎を刃に変えて飛ばして来た。
焦熱と斬撃がリューロボロスの小さな体を切り刻む。多少の被弾など元より構わず、リューロボロスはガードアップで肉体を硬化。飛翔の速度をそのままに空中戦を演じ始める。
「くははははははは! その程度のブレスで我が龍鱗を焼き貫けると思うてか!」
いまだ敵は数多く、ブレスの刃が四方八方から降り注ぐ。
敵の攻撃にも怯むことなく猛然と抗戦を続けるリューロボロス。まさに竜そのものの傲慢さで哄笑を響かせる彼女目掛け、新手のジャッカーがブレスの狙いを定めようとした次の瞬間――その頭上から、煌めく雪が舞い落ちる。
「空はドラゴンだけのものじゃないから、退いてもらうわよ?」
『――!?』
只の雪ではない。それは桜・姫恋(苺姫・g03043)の発動したパラドクス、『朧雪』だ。
見る者を魅了する雪が、キラキラと純白の光を放ちながらジャッカーの全身に張り付き、たちまち体力を奪い去っていく。力尽きて速度を失ったジャッカーが一体、二体と墜落し、そのまま海の藻屑と消えた。
「少しでも戦争で有利になるように、ここで可能な限り数は減らさせてもらうわ」
姫恋の雪が戦場を輝きで照らす中、グロリアスの祝福が復讐者たちを包み始めた。
敵を戦闘不能に追い込むたび傷を癒してくれる残留効果は、この戦場に在って大きな助けとなる。姫恋はなおも追いすがるドラゴンの追撃を逃れながら、高度の上限を維持するように飛び続けた。この戦いでは高位を得た方が有利――そう判断しての行動であった。
「さあ、勝負はここから。思い切り攻めるわよ、皆!」
姫恋の言葉に応えるように、復讐者たちの攻撃は更に激しさを増していく。
熱気が席巻する戦場を、一陣の突風が駆ける。
それはソラスの『空輝石』が呼んだ風だ。挑発を意図した行動は果たして奏功し、ジャッカーが怒りを露わに迫って来る。愚直とも言えるまっすぐな突撃。対するソラスは呪詛を纏う大剣を構え、これを不動のまま迎撃する。
「舞い上がれ、谷風!」
同時、ソラスの全身を、パラドクスの風が加速させた。
横に構えた一閃で、すれ違いざまに先頭のジャッカーを両断するソラス。同胞を討たれたドラゴンたちは、怒りに燃えながら追撃を諦めない。両手の玉を掲げ、パラドクスの炎弾を次々と放つ。大剣を盾代わりに直撃を逸らし、身を焦がす炎をかき消しながら、ソラスは思わず苦笑を浮かべた。
「まあ、そう簡単には諦めんよな……だが良いのか? 俺にばかり気を取られて」
自分の攻撃はあくまで囮だと、ソラスは不敵に言ってのける。
それが事実であることを示すように、ジャッカーの頭上から迫るのは急降下突撃を仕掛けるナインの姿であった。
「最速の一撃を与える! 血解・飛翔千変万化!」
ナインのシルエットを覆うパラドクスの輝きが、鋭利な武装へと変じる。
ヴァンパイア由来の返信能力を駆使した『ブラッドアンサー・シェイプシフター』の一撃だ。秒速200mにも及ぶ速度を武器に繰り出すのは、弱点を狙った急降下突撃。迎え撃たんとするジャッカーの喉元――伝説上のドラゴンには逆鱗の有るという部位をめがけて、ナインは一直線に槍を繰り出した。
「ドラゴンの弱点と言えば……ここだね!」
重力、パラドクス、そして仲間が齎した好機の刹那。
それら全てを込めて放つ槍の一撃は、ジャッカーの上半身を衝撃で消し飛ばし、これを絶命せしめる。
同刻、秋果は緩急をつけた飛行で敵を翻弄しながら戦況を俯瞰していた。
「戦闘は順調だね。そろそろ、離脱の頃合いかな」
攻撃開始から数分が経った今、じきに本隊からも応援が来るはずだ。
数はドラゴン側が圧倒的優勢である以上、無用な長居はリスクでしかない。秋果は最後の一撃を叩き込むべく上空へ加速。絶命を免れた手負いの個体を狙い定め、『百歩穿楊』のパラドクスを発動する。
「これで、終わりにするよ!」
『な……!?』
次の瞬間、迎撃態勢を取るジャッカーの眼前を、夥しい紙片が覆い尽くした。
それは秋果の『美術鑑賞同好会会報』が繰り出す正確無比の狙撃。四方八方から迫る頁に全身を切り裂かれ、標的となったドラゴンは絶命しながら墜落していった。
かくして蒼炎のジャッカーたちを粗方撃墜すると、秋果は仲間たちへ合図を送る。
「戦果は十分ですね。そろそろ――」
そろそろ帰還しましょう、そう言いかけた次の瞬間。
秋果の傍を飛翔しながら、Boeotiaのレンズ越しにレイは見た。
戦場の彼方、大軍勢の中心部。青空を染めるように飛散する、蒼き火の粉を。
『決戦を前にして、これ以上の戦力を失う訳にはいかんのでな』
響き渡る宣言が終わるよりも早く、戦場を雷鳴が埋め尽くす。
ジャッカーのそれとは次元を異にする、隔絶した力を感じさせる威圧感。
復讐者の眼前に悠然と舞い降りる一体のドラゴンの名を、レイは無意識で口にしていた。
「……パーシヴァル!」
ジェネラル級のドラゴンにして、円卓の騎士が一角。
最速を誇る強敵の出現に、復讐者たちが取った行動は迅速だった。即ち、即座の退却である。
「ボクの言葉が届いた? ……まさか。ですが本当に出て来るとは……!」
「私たちの活躍が敵の目に止まるくらい素晴らしかったってことだよね、嬉しくなっちゃう! ……じゃなくて!」
秋果は闘気『変質ステンドグラス』を葡萄色に燃え上がらせ、煙幕めいて空を染め上げながら叫ぶ。
「パーシヴァルと戦いに来たんじゃないし勝ち目もない。退却しましょう!」
戦いの潮目は完全に変わった。敵戦力を十分に削り切れた今、これ以上ここに留まって戦うのはリスクでしかない。
ソラスとナインを最後尾に、八人の復讐者たちは脇目もふらず戦場の空域から離脱していく。キングアーサー奪還戦を間近に控えるこの状況で、徒に戦力を浪費することは最も避けるべき愚行だ。
「殿は任せて。皆、急いで!」
「ここで落ちたら元も子もない。さ、撤退だ」
飛翔の速度を活かして飛行する復讐者たち。だが、それをみすみす見逃す程、パーシヴァルは甘い存在ではない。
戦場を電撃が埋め尽くす中、パーシヴァルの突撃が復讐者を襲う。
光と音を従え、空中を縦横無尽に駆け、己こそ大空の覇者であると無言のうちに示すように。
『逃がしはせぬ!』
「この程度で……っ!」
電撃と突撃を浴びて、ナインの視界が反転する。
みるみる迫って来る海面の眼前、紙一重で残った意識を繋ぎ、ナインはなおも離脱を続行した。
すれ違いざまに放った槍の刺突に、パーシヴァルが怯んだ様子は全くない。だが、
「……よし。もう追って来る気配はねぇな、大丈夫だ」
被弾したナインを案じるように、殿のソラスが降下してきて告げた。
ナインは深い深い安堵の息を漏らしつつ、次々に集まって来る仲間へ手を振った。どうやら全員無事らしい。
「ソラスは平気だった? パーシヴァルの攻撃……」
「ああ。奇跡的にだが、アヴォイドが助けてくれたよ」
「怪我はなかったんだね。良かっ、た――」
安堵のあまり、ナインの態勢がぐらりと揺らぐ。
それを見てピナルは即座にナインを支えた。負ったダメージは浅くないが、紛れもない名誉の負傷。全員の為に身を挺した仲間を支えるくらいは何でもない。
「わわわ、大丈夫? ひよこ、てつだって!」
「ぴよー! ナインさん、しっかりです! もうすぐパラドクストレインに着くのです!」
戦闘不能こそ免れたが負ったダメージは浅くない。ピナルとひよこに付き添われながら、戦場を離脱していくナイン。
その両脇を守るように固めながら、リューロボロスと姫恋は振り返る。先程まで自分たちが戦っていた戦場の空域を。
そこには悠然と空を舞うパーシヴァルの姿があった。復讐者たちを見下ろす円卓の騎士へ、二人は再戦の言葉を残して帰還していく。
「今はまだ無理をする時じゃない。戦争までその首は預けておくわね、パーシヴァル」
「うむ、手の内を見られたのなら願ったり叶ったりよ。次は奪還戦にて勝負をつけようぞ!」
その言葉が果たして届いたのか、パーシヴァルもまた配下たる軍勢の元へと去って行った。
騎士の視線は、復讐者たちをもはや見ていない。脅威が去った今、奪還戦に臨む兵の訓練を再開する気なのだろう。
去り行く背中を見送りながら、秋果もまた告げる。それは、遠からず相まみえるであろう強敵への、再会の誓いだ。
「ごきげんよう、パーシヴァル。17日にまた会いましょう!」
2023年12月14日、幻想竜域キングアーサー。
最速の遊撃部隊を標的とする襲撃作戦のひとつを成功で終え、復讐者たちは帰還の途に就く。
復讐者とドラゴンが雌雄を決する奪還戦は、目前まで迫りつつあった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV8が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV2が発生!