【幻想竜域キングアーサー奪還戦】大海の巨獣

 このシナリオは【幻想竜域キングアーサー奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 幻想竜域キングアーサーのジェネラル級及び、従属状態である『TOKYOエゼキエル戦争の大天使とアークデーモン』と『巨獣大陸ゴンドワナの巨獣』、戦争に利用されようとしている『黄金海賊船エルドラードのアビスローバー』の軍勢に対して、戦闘を仕掛けます。
 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、王妃竜グィネヴィアによって竜の花嫁となったジェネラル級巨獣『奏吟鯨レヴィアドン』の軍勢です。
 『奏吟鯨レヴィアドン』は、竜の花嫁となった事で知性を得、その知性を与えてくれたグィネヴィアの為に、海から近づくすべての敵を撃退すべく、海岸線に布陣しているようです。

「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑮奏吟鯨レヴィアドン」の敵残存率を低下させます。

【幻想竜域キングアーサー奪還戦】奏詩(作者 犬塚ひなこ
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#巨獣大陸ゴンドワナ  #【幻想竜域キングアーサー奪還戦】大海の巨獣  #幻想竜域キングアーサー奪還戦  #奏吟鯨レヴィアドン 


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#奏吟鯨レヴィアドン


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●巨獣の詩
 彼の御方が授けてくれたのは竜の因子と知恵。
 私たちは巨大なだけの獣ではない。
 巨獣の力、知恵と愛とを兼ね備えた新たなる幻想竜域の種族となろう。

 子供たちよ、攻め寄せる敵を迎え撃て。
 私たちの愛を否定する者達は全て殺し尽くしてしまえ。

 其処にいたのは戦場を埋め尽くすほどの膨大な巨獣たち。
 軍勢とも呼べる群れを前にして、『奏吟鯨レヴィアドン』は歌声を響かせていた。鳴き声ではなく意味のある歌詞として紡がれた音を聞き、配下巨獣である吟詩鯨メリヴィルンは呼応していく。
「おうひのために」
「てきをたおせ、たおせ」
「すべてをのみこんで、うたに」
 歌として響く巨獣たちの声は広がっていく。復讐者との戦場となる、この地に――。

●海岸の鯨
 間もなく来る戦、幻想竜域キングアーサー奪還戦。
 絶対不可侵とされたキャメロット城が陥落した今こそ、断片の王アーサー・ペンドラゴンを討つ絶好の機会だ。
「だけど敵もただ手をこまねいているだけじゃないよ。これまでの奪還戦と違うのは、新宿島がアーサー・ペンドラゴンの聖剣エクスカリバーで両断されちゃう可能性があるってことなんだ!」
 たいへんだよ、と告げたカペル・ファルケンベルク(戦闘工兵・g03203)は気を引き締めた。
 そのため今回の前哨戦はかなり大きな意味を持っており、勝利を重ねることが最悪の未来を阻止することに繋がる。
 此度、向かうべき戦場は『奏吟鯨レヴィアドン』の軍勢がいる場所。
「レヴィアドンは王妃竜グィネヴィアの力で竜の花嫁になっているんだ。奏吟鯨は知性を得て、この力を与えてくれたグィネヴィアの為に軍勢を率いているみたい」
 そして、海から近付くすべての敵を撃退すべく海岸線に布陣しているようだ。

 復讐者が戦うことになる配下は大群のトループス級、『吟詩鯨メリヴィルン』たち。
 歌のように美しい鳴き声を響かせ、耳にした者の生存本能を消失させてしまう力を持つクジラ型の巨獣だ。
 その数は膨大であるため、ある程度の敵を倒したら退く撤退戦略が望ましい。
「配下たちは片言だけど少し言葉を話せるようになっているようだね。だけど意思の疎通はできないし、問答無用で襲いかかってくるよ。みんな、どうか気をつけてね」
 カペルはディアボロスたちの健闘を祈り、もうすぐパラドクストレインが発車することを告げた。
 この奪還戦を乗り越え、大切な新宿島を守り抜くためにも――。
 目指すは勝利のみ。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【悲劇感知】
1
「効果LV×1時間」以内に悲劇が発生する場合、発生する場所に、ディアボロスだけに聞こえる悲劇の内容を示唆する悲しみの歌が流れるようになる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

犬塚ひなこ
 こちらはファーストアタックシナリオです。
 『幻想竜域キングアーサー奪還戦』における奏吟鯨レヴィアドンの戦場となります。

 目的は『吟詩鯨メリヴィルン』をできる限り多く倒すこと。
 敵戦力は膨大なので長く留まるとディアボロスが倒されてしまう可能性が高まります。ある程度の数を減らしたら撤退する戦法で敵を撃破していきましょう!
 また、ディアボロスが著しい戦果をあげた場合『奏吟鯨レヴィアドン』が直接戦場に出てくる可能性があります。
216

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


エラ・パーカー
神崎・瑞波ちゃん(g01089)と
アドリブ歓迎


クロノヴェーダの鯨風情がだれかのためとか、愛、なんて笑わせるの

『かわいい姉貴分』では居られなくて、答える言葉は嘲りに満ちたもの
故郷奪還を目前にした前哨戦に、憎しみがつい漏れ出るの

行こう、瑞波ちゃん

駆けだしながら歌う
瑞波ちゃんが誘い込んでくれた敵へ一心不乱に

歌えば歌うほど重さを増し、鋭さを得たマイクを握りしめ
高く掲げた先から振り下ろす

突撃がくれば小さな盾のようにマイクを突き出し、【ガードアップ】で耐えるよう

瑞波ちゃんが周囲を警戒し、撃ち漏らしの対応をしてくれてるのに安心してどんどん進む
もっと、もっと!1匹でも多く…!

お声をかけられてはっとなるの
深追い厳禁が心情なのに我を忘れちゃってた…

ん、そうだね。まだこれからが本番だもん
瑞波ちゃん、一緒に来てくれてありがとうね…?

気を抜かずに撤退しながら、恥ずかしそうにはにかむいつもの『エラ姉』に戻るの


神崎・瑞波
エラ・パーカー(g03253)と行動
アドリブ歓迎
今回の相手は鯨・・・か。
まだまだ新米だがしっかりエラ姉をサポートするぞ!
キングアーサーを奪還するためにも
まずは敵を減らさないとな。
(鞘から刀を抜き)
ああ、行こうエラ姉!

わかっていた事だが、多いな!
基本敵を【挑発】でおびき寄せて
エラ姉の攻撃範囲まで誘導。
かかって来い!お前らは私たちでコテンパンに叩きのめす!

撃ち漏らしを【呪詛】を込めた妖刀で【薙ぎ払い】、【神蝕呪刃】を発動する。

常に動いて的を絞らせない。
どうした!この程度で私たちは倒せないぞ?
敵に包囲されないよう注意する。
張り切ってる人ほど視野が狭くなる。
ある程度減らしたら状況みて撤退を提案。
エラ姉!そろそろ撤収しよう!
落ち着かせるのに肩をぽんぽん

エラ姉は無傷で守る!どんな一面でもエラ姉なら気にならん!

うむ。まだ始まったばかり。
余力は残さないとな。
いつものエラ姉に安心してにっこり。


●戦いの詩
「クロノヴェーダの鯨風情がだれかのためとか、愛、なんて笑わせるの」
 戦場に降り立ったエラ・パーカー(Bardd Morganite・g03253)が言葉にしたのは、此度の敵への感情。
 その傍らには神崎・瑞波(青の剣・g01089)が立っているが、今はいつもの『かわいい姉貴分』では居られない。それゆえに紡いだ言葉は嘲りに満ちたものだった。
 故郷の奪還。
 願ってやまなかった事柄を目前にした前哨戦となれば、つい憎しみが漏れ出るのも致し方ない。
 瑞波はエラの様子をそっと見守りながら、敵陣にも意識を向けた。
「今回の相手は鯨……か」
 吟詩鯨メリヴィルンの軍勢は海岸を埋め尽くすほどのものだ。それゆえに油断してはいけない。
 自分は未だ新米だが、しっかりエラをサポートする気持ちは誰よりも強い。それにキングアーサーを奪還するためにも、まずは敵を減らすことが自分たちの役目であり目的だ。
 鞘から刀を抜いた瑞波は強く構える。
「行こう、瑞波ちゃん」
「ああ、行こうエラ姉!」
 そして、互いの名を呼んだふたりは一気に駆け出した。
 相手が歌うならば此方とて負けてはいないとして、エラは花唇をひらく。
 ――träumerei『CORINEUS』
 歌い上げられていくのは伝説の戦士の英雄譚。エラは滔々と歌い語り、甘くも力強い歌声を戦場に響かせた。
 それは共に戦う仲間に勇気を希い、希望を奮い起こすもの。
 敵が響かせる詩に押し負けないようにエラは心を込めて歌ってゆく。そうして、歌えば歌うほどエラが手にしたマイクが重く硬い戦斧のようになっていった。
 そう、まるで――巨人を打倒した彼になったかの如く。其処から振るう渾身の力を込めた一撃は強い。
 歌う間に瑞波が誘い込んでくれた敵へ、ただ一心不乱に。
「エラは歌うの。完全に勝つまで」
 重さを増し、鋭さを得たマイクを握り締めたエラ。彼女が見つめるのは勝利が訪れる未来のみ。
 高く掲げた先から振り下ろす一閃はメリヴィルンたちを穿っていた。
「わかっていた事だが、多いな!」
 瑞波は敵を挑発する形で立ち回り、自分の方におびき寄せている。先程のようにエラの攻撃範囲まで誘導し続けることが瑞波の狙いだ。
「かかって来い! お前らは私たちでコテンパンに叩きのめす!」
 言葉でも挑発していく瑞波は真剣だ。
 呪詛を込めた妖刀でメリヴィルンを薙ぎ払い、其処からひといきに神蝕呪刃を発動する。そうすることでふたりは連携を重ね、一体ずつ確実に倒していった。
 されど相手もエラたちを殲滅せんとしてサウンドビームを発射してくる。超音波と共に繰り出される頭突きは激しい波のように、突撃となって迫った。
 対するエラは慌てることなく小さな盾のようにマイクを突き出した。
 耐えてみせる。真剣な眼差しで以て敵を迎え撃ったエラは凛とした表情をしている。彼女の中には揺るぎない信頼があった。瑞波が周囲を警戒し、撃ち漏らした敵の対応をしてくれている。
 それゆえに不安はなく、エラは果敢に突き進んだ。
「もっと、もっと! 一匹でも多く……!」
「どうした! この程度で私たちは倒せないぞ?」
 瑞波はエラを気遣いながら敵に包囲されないよう注意して動いていた。張り切っている人ほど視野が狭くなってしまうのは戦いの常。そのため、撤退の合図を送るのは瑞波自身がするべきだと考えていた。
「エラ姉! そろそろ撤収しよう!」
「もっと……!」
「もう大丈夫、エラ姉」
 瑞波はエラを落ち着かせるために近付き、肩を軽く叩いた。
 瑞波に声をかけられ、はっとしたエラは後ろに引く。前哨戦では深追いは厳禁。此処で大群に飲まれて倒れてしまえば勝利が遠くなってしまう。
「ん、そうだね」
 我を忘れてしまっていたことに気付き、エラは冷静さを取り戻す。瑞波の目を見たエラは静かに微笑んだ。
「瑞波ちゃん、一緒に来てくれてありがとうね……?」
「問題ない、エラ姉は無傷で守る! どんな一面でもエラ姉なら気にならん!」
 瑞波は強く答え、予め見繕っておいた撤退路を示した。
 此処からは戦略的撤退がはじまる。
「まだこれからが本番だもん」
「うむ。まだ始まったばかり。余力は残さないとな」
 エラは決して気を抜くことなく、恥ずかしそうにはにかんだ。その表情と声がいつもの『エラ姉』であることを確かめ、瑞波は双眸を細めた。安堵と共に笑みを浮かべた瑞波は、エラと一緒に駆けてゆく。
 此処から始まる戦いはより激しさを増していくだろう。
 それでも戦い続けると決めた復讐者たち。その瞳には、確かな希望が宿っている。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

一角・實生
水蓮寺さん(g08972)と

響き渡る鯨たちの歌
……音痴な俺には少々上乗せで衝撃が来る

隣の水蓮寺さんを翼ではたこう

旋律が美しい滅びの歌は幾らでもある
彼らは生かしておいてはいけないモノたちだ
狩るんだよ、可能な限り一体でも多く
それがここにいる俺達の役目

――了解
水蓮寺さんがパラドクスを発動するまでの時間稼ぎをしよう
敵は巨体にこの軍勢、下手に突っ込めばこちらが劣勢になるだけ
スコープを通して観察と偵察を行いつつ狙いを定めていくよ
数体まとめて攻撃可能で且つ本隊から多少外れているような位置のものを

水蓮寺さんの準備が整った気配を感じたらパラドクスを発動
命中アップの加護も使い、狙った敵へ確実に当てていくよ
水蓮寺さん、畳みかけをよろしく
咆哮はグラナトゥムを盾に水蓮寺さんに影響のない位置へ走る
致命傷となる部位は庇いながら

ほら――同情の必要はないだろ?

共に戦う仲間を援護しながら
退き時は見誤らずに
声かけと同時に連続した銃撃を空に放ち撤退の合図としよう

どこまでも優しいなあ
浮かぶ苦笑い
彼女の後ろを守りつつ撤退するよ


水蓮寺・颯
實生さん(g00995)と

綺麗な声…歌ってるみたい…
あの生き物たちも、懸命に生きようとしているんですよね。僕達と同じように…

俯きかけたところに衝撃。たたらを踏み、翼の主を見上げる。
……そうですね。ごめんなさい、歌に当てられたみたいです。
ぺしんと自分の両頬を叩いて気合いを入れて
銛を使います。援護をお願いできますか?

敵位置の確認は彼に任せ、できるだけ咆哮を避けられる場所に
『其は――』
水という水が宙へと吸い上げられ、頭上に蟠る。
読み上げる度に鋭く、巨大な銛へと形を変え

古書を持つ手を挙げて合図を送り、狙撃手からの指示を待つ
……そこですね。
『――海神に贄を供せ、鰭切羅祥丸』
古書を振り下ろし、指示された場所に違わぬよう銛を撃ち下ろす

はい。生きようと足掻くもの同士の縄張り争いに、慈悲など無用なのでしょうね。
…守りぬきましょう、實生さん。
それが、敗者への手向けにもなると信じて
甘い自覚はある、苦笑を返して

……あれだけ目立ったんです、疾く去りましょう。
仲間を援護しつつ、退却します


(アドリブ歓迎です)


●響く音
 戦場に響き渡る鯨たちの歌。
 それは美しくもあり、同時に攻撃的なものでもあった。
 一角・實生(深い潭・g00995)は歌に囚われないように気をつけながら首を横に振る。その隣に立つ水蓮寺・颯(灼がて白く・g08972)は片目を眇め、素直な感想を声にした。
「綺麗な声……歌ってるみたい……」
「……音痴な俺には少々上乗せで衝撃が来るな」
 實生は吟詩鯨メリヴィルンの軍勢を見遣り、肩を竦める。
 対する颯は鯨たちを見つめたまま、ぽつりと思いを零した。
「あの生き物たちも、懸命に生きようとしているんですよね。僕達と同じように……」
「いいや」
 實生は颯を自分の翼で軽くはたいた。颯とすれば俯きかけたところに衝撃を受けた形だ。たたらを踏んだ颯が翼の主を見上げると彼はしかと言葉を紡いだ。
「旋律が美しい滅びの歌は幾らでもある」
「……そうですね」
「彼らは生かしておいてはいけないモノたちだ」
 たとえ生きることに必死だとしても、相手は世界を奪い取ろうとしているものたちだ。世界を明け渡すつもりなどないのだから放ってはおけない。
 自分たちは世界を取り戻すために戦っている。そのことを強く心に抱いている實生は戦場に目を向けた。
「狩るんだよ、可能な限り一体でも多く」
 それがここにいる自分達の役目。
 彼の言葉と思いを感じ取り、颯はぺしんと自分の両頬を叩いた。
「ごめんなさい、歌に当てられたみたいです」
 気合いを入れた颯は身構える。目の前の軍勢は復讐者を認識しており、今にも襲いかかってきそうだ。既に他の仲間が戦闘を開始している今、颯と實生も立ち向かうべきとき。
「銛を使います。援護をお願いできますか?」
「――了解」
 颯の呼びかけに応えた實生は一気に仕掛けに入ろうと決めた。
 颯がパラドクスを発動するまでの時間稼ぎ。それこそが今の實生が担うことだ。
 それに敵は巨体にこの軍勢。もしも下手に突っ込めば復讐者側が劣勢になるだけであることは理解している。
 實生はスコープを通して敵陣を観察する。その中にこちらに意識を向けているものがいると感じ取った實生は、そちらに狙いを定めていった。
 實生が狙うのは数体まとめての攻撃。それに加えて、本隊から外れている形の位置取りにいるものがいい。
 幸いにもこちらに狙いを向けている個体たちがこの条件に該当する。
 その際、颯のパラドクスが発動してゆく。
 颯は敵位置の確認の信頼を抱いているため、何の心配もせずに詠唱を続けられる。
「其は――」
 嘗て、島喰いの大鯨を討ちし鯨銛。今ひとたび目を醒まし、その御業を成し給え。
 語られたのは九十九奉納物詳録、十一頁二項。
 それはとある寺に奉納されし鯨銛の御業を顕現させる述であり、鰭のひとかきで舟を返し、ひと跳ねで津波を起こした大鯨。海神への祈りを以て射ち沈めたと記されている通り、御業を受けた者に水雷の如き銛のひと射ちを与えゆく。
 海神の加護が回れば、水という水が宙へと吸い上げられ、頭上に蟠る。
 読み上げる度に鋭く、大きく――巨大な銛へと形を変えたそれが敵軍を穿っていった。
 同時に實生もパラドクスを発動していく。
 加護を使って狙った敵へ攻撃を確実に当てることが勝利への道筋を繋ぐ行動となる。
「水蓮寺さん、畳みかけをよろしく」
「はい。……そこですね」
 ――海神に贄を供せ、鰭切羅祥丸。
 颯は古書を振り下ろし、指示された場所に違わぬよう銛を撃ち下ろしていく。
 敵から響いてくる咆哮はグラナトゥムを盾にして、實生も疾く立ち回っていった。戦場を同じとする以上完全に攻撃の影響がない場所は存在しないが、それでも颯を巻き込まないように動くことが優先。
 敵も次々と咆哮をあげていったが、颯の攻撃がそれを止めている。
「ほら――同情の必要はないだろ?」
「生きようと足掻くもの同士の縄張り争いに、慈悲など無用なのでしょうね」
 實生からの言葉を受け、颯は頷いた。
 その最中、近くにいる一体を見事に打ち倒した實生は近くにいるディアボロスの様子にも気を配った。共に戦う仲間を援護しながら、退き時を見誤らないように察知するのが大事だ。
「そろそろか。退こう」
「そうですね。あれだけ目立ったんです、疾く去りましょう」
 實生は仲間と颯への声かけと同時に、連続した銃撃を空に放った。それを撤退の合図としたことによって颯もすぐに気付き、一気に身を翻す。それと同じくして颯は思いを声に変えた。
「守りぬきましょう、實生さん」
 それが、敗者への手向けにもなると信じて。
「どこまでも優しいなあ」
 颯の反応に対して實生の口元には苦笑いが浮かんでいた。自らも甘い自覚はある颯も苦笑を返す。
 だが、それでこそ彼女らしい。實生は颯の後ろを守りながら、撤退に繋がる道を駆けていった。
 此処から巡っていく戦いは更に激しくなる。
 勝利を掴み、新たなる日常を繋げていくため――復讐者は駆けてゆく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

本郷・夏深
カフカは聡明なので、今回も絶対に勝たねばならない事は理解しました!
それでは撤退するまでの間、楽しく暴れていきましょう

おや、これが生存本能を消失させていく声ですか
つまり聴けば聴く程に死がどうでもよくなっていくのでしょうか?
…へえ、それはなかなかに悪くないですねえ
生存本能が無くなれば、残るはクロノヴェーダへの殺意のみ
生に執着せず殺意のままに戦えるようになったら
もはやカフカは無敵の存在とも言えますね!

ええ、ええ、決して悪くはないのですが
このカフカを蝕もうなど、烏滸がましい
殺します

一体一体に時間をかけたくはないので
なるべく一撃で頭を切り落とすか、喉を斬り裂いて殺してしまいたいところです
刃でもある扇を広げて、手近な敵から片っ端に
翼や全身を使って大きく舞うようにしながら、敵の巨体を斬り裂いていきたく

歌うような鳴き声よりも苦痛に呻く声の方がお似合いだと思ったのですが…
手早く殺してしまったら似合うかどうかを確かめられませんね
いやあ、ウッカリしていましたよ!
まあ、だからといって手を緩める気はありませんがね


月下部・小雪
巨獣のクジラさんがお歌を歌えるようになって、しまいました!?
お歌を歌えるだなんてすごいですが、こ、これを聞き続けたら危険、です。
奪還戦の本番の前に、い、いまのうちに倒していってしまいましょう!

【重装甲高火力型モーラット・コミュ】になったコダマが上空からミサイルで爆撃、です。
す、素早くやっつけなきゃなので、残弾は気にせずどんどんまき散らしちゃって、ください!
敵の咆哮がきたらブースターを吹かせて緊急回避、です。
打ち切ったミサイルポッドもパージしちゃって、身軽になりましょう!

ざ、残弾がなくなるころにはいっぱい倒せた、でしょうか?
そろそろ頃合い、ですね。ボスクジラさんが近寄ってくる前に急いで撤退、します。

※アドリブ連携大歓迎


イシュア・アルミゴス
火力でぶった切る。今までにありそうでなかった戦術だ
流石最強種族。やることがぶっとんでるね。んで、相手は君らだ
最強にもらった恩恵で調子付いても巨獣は巨獣だよ?
最強になんてさせないよ!

敵の攻撃はシンプル火力の力押し。こういうのは防ぐのが難しい
だから少しでも被害を減らす方向で動いていこう。
正面には絶対に立たず敵を盾にするように立ち回り。
接近したならこっちのものセルケトクロウは君らを凍えさせるほどに鋭いよ?
横に薙ぎ払いながら冷気を噴射し敵を凍えさせながら諸共砕く!
クジラなんだからさ!鯨油に肉に髭に色々あるじゃん!
素材提供して頂戴な!


四葩・ショウ
ひろがるうたが、波濤のように世界にささめくけど

世界に【水面走行】が灯っているなら、それを借りて
海から接近するのと同時に、かれらの迎撃に備えよう
硝子のいばらに魔力を注いで、棘と魔力の護りをひらいておいて、すこしでも直撃の衝撃を凌ぐ

子守唄たる聖歌を響かせたなら
仲間と同じ敵を狙って、1体ずつ確実に倒していこうか
ただ、敵の数が多いから、牽制が必要なら
自由に味方を狙わせないように遊撃するよ
仲間と連携しながら、気づいたことは声をかけ伝えて
敵からの攻撃や反撃は、防具を使って直撃を避ける
撃破して倒れ込む敵に巻き込まれないように気をつけないと、ね

しっかり戦力を削って、皆で撤退する為にも
HP50%以下になった仲間をディフェンスする
充分に敵を殲滅して、自分や仲間の負傷が嵩んできたら、撤退しよう

ああ、そうか……かれらは
竜の花嫁たる母を、王妃を護ろうとするけなげな子供達なんだ

けど、ごめんね
わたしは、あらたな竜の花嫁を――
貴方達が愛するものを、このままには出来ないんだ、だから
次に会うときは
きっと、奪い去ってみせるよ


●戦の音を奏でて
 超軍勢がひしめく海岸線にて。
 此度の敵は奏吟鯨レヴィアドンが率いる、クジラ型巨獣の吟詩鯨メリヴィルンたち。
 歌を紡いでいるかれらの声は美しくも聞こえるが、其処には復讐者への敵意が混ざっている。
 ひろがるうたが、波濤のように世界にささめくけれど――。
「負けないよ」
 四葩・ショウ(Rupert's Drop・g00878)は静かに語り、硝子のいばらに魔力を注いでいく。かれらの迎撃に備えるショウの近くでは本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)が双眸を細めていた。
 成程、と声にした夏深は扇を軽くひらく。
「カフカは聡明なので、今回も絶対に勝たねばならない事は理解しました!」
「巨獣のクジラさんがお歌を歌えるようになって、しまいました!?」
 同じ戦場に降り立った月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)は驚きながらも、モーラット・コミュのコダマと一緒に吟詩鯨メリヴィルンの軍勢を見つめる。
 響く歌に興味はあれど、これは敵が紡ぐもの。
「お歌を歌えるだなんてすごいですが、こ、これを聞き続けたら危険、です。奪還戦の本番の前に、い、いまのうちに倒していってしまいましょう!」
 小雪の呼びかけに対して、イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)が深く頷いた。
「火力でぶった切る。今までにありそうでなかった戦術だ」
 流石は最強種族だ、と声にしたイシュアは戦場を瞳に映す。これから始まる戦いは前哨戦だが、向こうも全力で此方を排除しようと動くに違いない。
「やることがぶっとんでるね。んで、相手は君らだ。最強にもらった恩恵で調子付いても巨獣は巨獣だよ?」
 つまりイシュアが言いたいことは――。
「最強になんてさせないよ!」
 その言葉と同時にイシュアは攻勢に入っていく。
 其処に合わせて夏深が地を蹴り、吟詩鯨の軍勢へと仕掛けに掛かった。
「それでは撤退するまでの間、楽しく暴れていきましょう」
「だね!」
 夏深の声に答えたイシュア自身は、敵の攻撃はシンプルな火力の力押しだと読んでいる。それならば対抗策も絞れるものだ。こういうものは真正面から防ぐのが難しいからこそ強い。
「だから、僕達が取るべき策は――」
 少しでも被害を減らす方向で動いていくこと。イシュアは正面には絶対に立たないと決め、素早く立ち回っていく。
 その間に小雪もパラドクスを巡らせていった。
 重装甲高火力型モーラット・コミュになったコダマが上空からミサイルで爆撃するかたちだ。
「もきゅ」
「す、素早くやっつけなきゃなので、残弾は気にせずどんどんまき散らしちゃって、ください!」
「きゅ!!」
 小雪の呼びかけにコダマが力強く答え、次々と吟詩鯨メリヴィルンに攻撃を仕掛けていった。その際に反撃として敵の咆哮がきたことに気付いたコダマと小雪はブースターを吹かせて緊急回避に移る。
 ショウは其処へ子守唄たる聖歌を響かせる。
 狙いは仲間と同じ敵。一体ずつ確実に倒していくことがこういった集団戦においての最善策。ただ、敵の数が多いゆえに牽制が必要かもしれない。
 そのように判断したショウは遊撃に回ることにした。自由に味方を狙わせないように。それがショウの考えだ。
 イシュアと小雪、夏深。近くの仲間と連携することを心掛けるショウは攻撃の機を感じ取る。
「来るよ、気をつけて」
 敵からの反撃について声を掛けたショウはその直撃を避けていく。それにあの巨体を撃破すれば倒れ込む際に巻き込まれることも考えられる。仲間の攻撃によって倒れる敵を見遣り、ショウは更に気を張った。
 攻防が巡る中、夏深は一瞬だけ目を伏せる。
「おや、これが……」
 生存本能を消失させていく声を聞き、夏深は頭を振った。つまり聴けば聴く程に死という存在がどうでもよくなっていくのだろう。だが、夏深にとってそれは恐怖に成り得ることではない。
「……へえ、それはなかなかに悪くないですねえ」
 夏深の生存本能が無くなれば、残るはクロノヴェーダへの殺意のみとなる。即ち、この生に執着せず殺意のままに戦えるようになれば――。
「もはやカフカは無敵の存在とも言えますね!」
 決して悪くはない。先程に紡いだ通りだが気になることはある。
 このカフカを蝕もうなど、烏滸がましい。殺します、と宣言した夏深は地を軽やかに踏み鳴らす。一撃で頭を切り落とし、喉を斬り裂く。もし一手で足りなかったとしても今は仲間がいる。
 扇の刃を広げた夏深が翼を用いて舞えば、敵の巨体が深く切り刻まれた。
 そして、響くショウの歌が敵の聲を防ぐ。
 纏う光はちからを与え、花心たる乙女を護り揺蕩うドレスそのもの。静謐なる歌声がその心を抱擁し、それに聴き入ったならば。クジラたちは迫る破滅にさえ気付かない。
 また一体、吟詩鯨が地に伏す。
 仲間が素早く動いていくことでイシュアも其処に続いた。うまく接近できた今、やることはひとつ。
「セルケトクロウは君らを凍えさせるほどに鋭いよ?」
 イシュアは装甲剥離生体鋏を射出し、横に薙ぎ払いながら冷気を噴射した。敵を凍えさせながら諸共砕くのがイシュアの全力であり、うまく勝利を引き寄せるための作戦だ。
 巧みに守護者の鋏を操り、敵を断ち切るイシュアの攻撃は的確。
 その中で派手に動いていた小雪はコダマからの視線を受け、はっとした。
「ざ、残弾がなくなってきました?」
 それなら、と小雪は次の判断を下した。
 打ち切ったミサイルポッドもパージすれば小雪たちはより身軽になれる。そうなれば後は先程よりも動きやすくなった状態で立ち回るのみ。
 そうして、暫しの戦いが巡った頃。
 小雪は周囲を見渡した。まず目に入ったのは素早く立ち回る夏深の姿。
「歌うような鳴き声よりも苦痛に呻く声の方がお似合いだと思ったのですが……手早く殺してしまったら似合うかどうかを確かめられませんね。いやあ、ウッカリしていましたよ!」
 笑う夏深がまた一体の息の根を止めている。
 倒れていく敵からすぐに次の個体に視線を移した夏深は海波のような魔力が波紋を描き、詩を止めていた。
「まあ、だからといって手を緩める気はありませんがね」
「クジラなんだからさ! 鯨油に肉に髭に色々あるじゃん! 素材提供して頂戴な!」
 夏深に合わせて動いていたイシュアも敵を連続で穿っており、余裕のある状態らしい。こうやってまだ戦うことは出来るが――そう、今回は前哨戦だ。
 殲滅するには敵軍が多いので決断を下すことが肝心要になってくる。
「予想以上にいっぱい倒せた、でしょうか?」
「もきゅきゅ」
 小雪の声にコダマが頷いたことで、その瞬間が来たと実感できた。ショウはコダマの愛らしさに少しだけ目を細めた後、小雪たちの言葉は的確だと感じる。
「無理は良くないからね。行こうか」
「そろそろ頃合い、ですね。ボスクジラさんが近寄ってくる前に急ぎ、ましょう」
 ショウと小雪は戦場の様子をしかと把握しており、この戦場にいる仲間みんなに呼びかける。
「じゃあ行こうか!」
 イシュアもその言葉に同意を示した。
 撤退を選んだのはこの戦場の首魁とは戦うつもりがないからだ。急がずとも戦争で相まみえることになる強敵と此処で無理に一戦を交える必要はないだろう。
 賢明な判断を下した小雪に続き、夏深たちも次々と撤退の姿勢を取る。ショウは自然に殿についており、迫りくる吟詩鯨メリヴィルンを見た。
「ああ、そうか……かれらは」
 竜の花嫁たる母を、王妃を護ろうとするけなげな子供達なのだろう。けれど今は、ごめんね、と謝ることしかできない。復讐者たる自分たちはかれらが愛するものをこのままには出来ない。
「次に会うときは――きっと、奪い去ってみせるよ」
「ま、またです、クジラさん」
「再戦は必ず来るからね、待っててよ素材くん達!」
「このカフカの舞を見られたことに感謝して欲しいくらいですが……では、またの機会に!」
 ショウに続いて小雪とイシュア、夏深がそれぞれに言葉を声にした。
 倒れ伏した幾体もの吟詩鯨。咆哮を響かせる残された個体を背にして、撤退する復讐者たちが進むのは勝利への道。

 間もなく訪れる戦いですべてを守るために。
 此処で重ねられた軌跡はきっと、確かな未来をつくる礎となってゆく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2023年12月14日