リプレイ
白石・明日香
う~ん、予想通りとはいえ翔鶴はどこへ行ったのやら・・・
さてと・・・・まずは市街地警備の連中をやっちゃいますか!
市街地の建物を遮蔽物として利用して残像で敵の狙いを攪乱しながらダッシュで接近。精神集中しながら飛び散る破片、舞い散る粉塵を持って結界術を為して一気に間合いに入り込み目にも止まらぬ早業で呪詛の籠った一撃で纏
めて解体してあげる!
麗・まほろば
ううん、だからすぐに追いかけるべきだってまほろば、いってたんだけどな……
うん、しかたない。あのころは南下よりも2ヶ月北海道って感じだったもんね。しかたない、しかたない。
それよりもようやく主力戦力があるとも言われてた東京の島嶼部に来られたんだ。
すべて“翔鶴”が持ってったから何も情報無いよ、ってこともあり得るかもだけど、手ぶらで帰るつもりはない。
手に入るだけ情報をありったけ集めて帰るよぉ!
あとで水上の移動や戦闘もありうるだろうから【水面走行】は積んでおいてっと。まずは掃討作戦だね!
まほろば自慢の大口径主砲、【51センチまほろば砲】をドドーンっと大盤振る舞い、【砲撃】してやろうじゃないか!
機銃の斉射にはまほろば砲を盾にすることで対応。すべて防げないにしてもすこしでも直撃と致命打を避けるよ!
風祭・天
あれ? JKっぽい?
冥海機って結構JKっぽい娘、多いよねー? もしかして、冥海機学園とかバリバリある感あり? ちょっと興味的にはテンアゲ案件だけど☆
さて、それは兎も角―☆ 先ずはトループス級を殲滅しないと市街地の人たちに話も訊けないし、ちゃきっと戦りますかー☆
勿論だけれど、同行する人とは連携重点。一緒に頑張ろうねー☆
斬り込み仲間も居るっぽいし、一緒にゴーゴー☆ 私の方は誘引と攪乱を重点な斬り込みなので、とりま動き捲るのと攻撃は動きの邪魔にならないのが最優先な感じ☆ そんな感じだから敵の攻撃は回避優先で、どうしても避けるのが無理っぽかったら驀直去で弾くし☆
んでんで、敵がいい具合に集まって来たら、肆式疆域でBANG☆ これの繰り返しで、この戦いを終わらせてやんよー☆
改竄世界史冥海機ヤ・ウマト、小笠原諸島。
市街地へと足を踏み入れた復讐者達は、建物の陰に隠れ、周囲の様子を窺うのであった。
「う~ん、予想通りとは言え、翔鶴は何処へ行ったのやら……」
「だからすぐに追いかけるべきだってまほろば、いってたんだけどな」
島民が物置にしているだろう小屋だろうか。人の気配を感じない建屋を背に、呟く白石・明日香(弔いの狩人・g02194)。それに対して愚痴の様な言葉を返すのは、麗・まほろば(まほろばは超々々々弩級戦艦ですっ!・g09815)であった。
とは言え、翔鶴への追撃ではなく、別の道を選んだのは復讐者達の総意だ。民主主義である以上、多数決で物が進む。全てを拾い上げられない以上、捨て置かれる事項が発生するのも事実で、それは如何とし難い。
(「あの頃は南下よりも北上――北海道って感じだったもんね。仕方ない。仕方ない」)
結果、北海道改竄世界史――今は『暗黒世界蝦夷共和国(ディストピア・エゾ・リパブリック)』と言う名前が判明している――は冥海機ウ・ヤマトから侵入不可。それを認知したとの戦果だったが、ともあれ、方ないと首を振る。翔鶴に時間を与えてしまった、との思いも僅かに首を擡げるが、それは考えないことにした。
(「もしかしたら、此処にある筈の情報も『全て翔鶴が持っていった』かも知れないけども」)
その不安が的中しなければいいなと願う。結構真剣に祈っていた。
「と言っても、此処で得られる情報は翔鶴の行方だけって話だし☆」
風祭・天(逢佛殺佛・g08672)は小声で囁き、ニカリと笑う。それもちゃんと情報収集が出来たなら、の話だが、ともあれ、その前に障害を片付ける必要があるのは歴とした事実だった。
「先ずはトループス級を殲滅しないと市街地の人たちに話も訊けないし、ちゃきっと戦りますかー☆」
「そうね」
「だね」
得物である日本刀を取り出す天の言葉に、明日香とまほろばの首肯が重なった。
「敵襲――!」
復讐者による襲撃か、それとも冥海機達の認識か。
それはどちらが早かっただろう。トループス級冥海機『フィッシュボーン』の声を皮切りに、複数のパラドクスが飛び交い、彼女達の身体を梳って行く。
それは双剣の斬撃であり、携行用火砲の砲撃であり、そして、日本刀の銀閃であった。
「あれ? JKっぽい?」
斬り裂いたセーラー服を見やり、天がにふりと笑う。
「冥海機って結構JKっぽい娘、多いよねー? もしかして、冥海機学園とかバリバリある感あり? ちょっと興味的にはテンアゲ案件だけど☆」
「何の話だ?!」
悲鳴じみた答えと共に返ってくるのは拳や靴による殴打蹴打。そして銃撃と魚雷群による攻撃である。それらを日本刀で捌き、或いは魔力障壁で弾きながら、天はふむむと唸る。
もしかしたら、冥海機ヤ・ウマトには将官学校じみた冥海機達の育成施設があるかも知れない。はたまた、生まれ落ちたその際にセーラー服を纏っているだけかもしれない。前者だと少しばかり楽しいかも、と思うのは天が楽観的なだけだろうか。
「まあ、色々と思いを馳せるのは良いことじゃないかな?」
独特な歩法で神速を体現し、切りつける明日香の同意に、「まあね☆」と返す。切り返しの蛇腹剣を受け、血を零しながらも敵を穿つ明日香の姿は凄惨で、だが相応に格好良い物に思えた。
「放てーッ!!」
前衛で斬り結ぶ二人の後方から、裂帛の気合いと共に、砲撃が放たれる。
砲撃の主はまほろばの構える携行用火砲【51センチまほろば砲】。そして、そこから紡がれるパラドクスだ。見敵必殺と放たれたそれは、まさしく大艦巨砲主義。固まるフィッシュボーン数体を纏めて吹き飛ばし、空へと打ち上げていく。
反撃の魚雷や殴打が彼女を襲うが、それらは何の其の。一部はまほろば砲を遮蔽にすることで、自身に降りかかる損害を抑えていった。
「火薬魔力その他に糸目は付けない! ドドーンっと大盤振る舞いしてあげようじゃないか」
「序盤からそんなことだと、息切れしそうだけど」
ふんぬと荒いまほろばの鼻息に、添えられるのは明日香の冷静な突っ込みだ。だが、それも「にゃはは☆」と言った天の朗らかな笑いによって掻き消されていく。
「派手な戦いは結構結構☆ 一緒にゴーゴー☆ この戦いを良い感じに終わらやんよー☆」
召喚された大量の重火器が、そして彼女自身の紡ぐ斬撃が、フィッシュボーン達へと降り注がれていった。
そして、島は沈黙する。
周囲に残るのは焼け焦げた臭いと、元冥海機だった物の残骸と、そして。
「いやー。終わった終わった」
切り込みを主軸としたためか。敵の残骸の中、天は己が纏うボロボロの魔導兵装に視線を落とし、嘆息を零す。ボロボロなのは魔導兵装のみでは無い。その下の身体もまた、抗議の如く鋭痛鈍痛の類いを訴えていた。
無傷と言わなかったが、敵に勝利した。これは、小笠原諸島の解放に纏わる小さくも大きな一歩となるだろう。多分。
「さて。戦いは終わったけど、まだまだやることはあるわ。小休止の後、動きましょう」
「手に入るだけ情報をありったけ集めて帰るよぉ!」
損害を受けているのは天のみではない。明日香も、まほろばもまた、傍目から見てボロボロだ。まあ、一部遮蔽物を利用した物の、クロノヴェーダと正面から打ち合えばこうなるよな、とは少しだけ思った。
「じゃ。頑張ろねー☆」
そんな二人ににふりと笑いかける。
ともあれ、これから行うべきは島への支援と情報収集だ。最良の成果に繋がるべく、復讐者達は行動を開始した――。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【断末魔動画】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV2が発生!
篠村・蓮十郎
さて、次は鬼ごっこの真似事か。
骨の折れる事だ。
なるべく気取られずに動きたい所だが、相手は潜航艇……海に出れば欺くのは難しいか
可能であれば海岸線から迂回し回り込んでおく
木々や岩陰など遮蔽物があれば身を隠し進む
敵群側面、あわよくば背面を取れれば上出来だな
こちらに気付きそうであれば、逃げられる前に飛び出し行動開始
水面走行を用い奇襲を掛ける
逃げ道を塞ぐ形で防衛ラインを設置
迂回するにせよ乗り越えるにせよ、時間は稼げるだろう
奴らからすれば突然壁にぶつかる様なものだ
僅かなりとも動揺を誘えるかも知れん
機を逃さず一気に叩くぞ
敵群を取り囲むように海戦装での砲撃を敢行
爆炎と轟音による威嚇の後、ダッシュで距離を詰め斬り掛かる
試製鉄刀で薙ぎ払い[剣技・鎌鼬]の斬撃を放ち両断する
突進に備え皮鉄を死角へ配置
砲撃の撹乱を交え、敵陣に留まり乱戦に持ち込む
心身を乱せばただ逃げるのも容易では無くなるだろう
森住・奏
(トレインチケット)
「さて、次は鬼ごっこの真似事か。骨の折れる事だ」
残留効果【水面走行】の加護を受け、大海原に降り立った篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)は、軽く嘆息を零す。戦いを是とする敵と違い、此度の敵は逃亡を優先するようだ。その阻止は苦労しそうだ、と苦笑じみた笑みが浮かんでは消え行く。
「なるべく気取られずに動きたい所だが、な」
「海では難しい、かな?」
蓮十郎の言葉に、森住・奏(キッティコーダー・g10526)がむむっと唸る。
相手は海上を遊泳、もとい遊走している冥海機。そして、小笠原諸島の海には、際立った遮蔽物は存在しない。追い詰めて逃亡阻止、という訳にはいかないだろう。
「クロノヴェーダ相手では、【友達催眠】や【プラチナチケット】で近付いて、不意打ち、という訳には行かないものね」
こちらはクリスティーヌ・シュヴァリエ(サキュバスの陸戦砲兵・g03188)の台詞だ。
一般人相手では友人や関係者を装える残留効果も、しかし、クロノヴェーダ相手には意味を為さないことは多い。その代名詞のような名称に、そうだな、と蓮十郎は同意の頷きを返す。
「まして、敵は潜航艇だ。潜られたら捕捉困難になるだろうな」
まったく、面倒な仕事だ。
再度零れた嘆息に、二人の微苦笑が重なった。
冬の空にしては陽気な空気が、辺りを包み込んでいる。
所謂「天気晴朗なれども波高し」の状態であった。まあ、嵐でも無い限り、それらが復讐者や歴史侵略者達の足を止める要因にはならないので、平地に立つのと変わらない。
そして、復讐者達の視界の先に、それらはいた。
「……せめて側面。出来れば背面から攻撃したい処だが」
「厳しい、と思いますわ」
蓮十郎の独白に、クリスティーヌが言葉を添える。
敵がアヴァタール級冥海機『秋月』のみであればそれも可能だっただろうが、おそらく周囲のトループス級冥海機『特殊潜航艇『回天』』がそれを許さないだろう。
トループス級とは、文字通り群体。無数の彼女達の目を掻い潜り、奇襲などは相応の策と準備が必要となる。
まして、彼女達はあの翔鶴から敵襲を示唆されているらしい。傍目にだらけきって遊泳している様にしか見えずとも、周囲を伺い、気を張っている筈なのだ。多分。
「強襲しか無さそうだね」
「ま。そうだな」
海底から奇襲する手も考えたが、水中の優位は彼奴らの方が高い。早々にその案は放棄することにした。
そして、戦いが始まった。
狼煙代わりに撃ち出されたのは、クリスティーヌの放つ砲撃であった。共に奏でる勇壮な楽曲は、幻影の英雄を生み出し、それらが騎馬隊の如く回天達へ斬りかかっていく。
「油断大敵だよ!」
奇襲に浮き足立つ回天へ紡がれる攻撃は、幻影の英雄達のみのそれでは無い。
箒に乗った奏の銃撃は回天を穿ち、纏うジャケットや白い肌に傷痕を刻んでいく。そして――。
「斬り刻む!」
其処に降り注ぐのは蓮十郎が放つ飛ぶ斬撃――所謂カマイタチ現象だ。剣戟によって生じた真空が生む斬撃は空を割き、海を割り、その途中にある回天の身体までも斬り裂いていく。
突然の強襲に、しかし――。
「ちっ。やっぱ翔鶴の姐さんの言葉は正しかったじゃねーかっ! 総員。散開して迎撃用意! 無理なら退避しろ!」
愚痴じみた言葉と共に、秋月の号令が飛ぶ。
流石はアヴァタール級冥海機。いち早く恐慌状態から抜け出したようだ。
「と言いますか、私達、翔鶴様を疑ってませんでしたしー」
「だらけきっていたのは秋月様だけですよー」
「……そう言えば、そんな感じだったわね」
抗議めいた回天達の言葉に、ああ、うん、とクリスティーヌが是を唱える。
同僚の予知を紐解けば、回天達は襲撃に備えて周囲に目を走らせ、それらを指揮する秋月のみがだらけ……いや、秋月もそれなりに備えていた。ともあれ、油断の二文字は彼女達に存在しなかっただろう。
「だとしても、私達のすることはただ一つよ!」
「ここから逃がしはしない!」
クリスティーヌの砲撃を背に、蓮十郎と奏は回天達へと肉薄。斬撃と銃弾の集中砲火で一体を穿ち、返す刀でまた一体と打ち倒していく。
三者に対峙する回天もまた、二極化していた。応戦にと弾丸や爆撃をばら撒く者。命令通り、逃亡を図る者。戦場となった海上にある種の混乱が見受けられたが、しかし、それを指揮する秋月は何も言わない。静かな視線は、むしろ復讐者達の行動を見極め、計測している。そんな様にも取れた。
「ぐぎゃっ?!」
零れ出た悲鳴は、パラドクスに穿たれた回天からではなかった。おそらく逃亡を図った刹那、蓮十郎の敷いた【防衛ライン】に激突したのだろう。
否、物理的な壁というわけでは無く、おそらく水面は上空と同じ扱いとされているだけだから、1分もあれば通過される障害でしかないが、突如足を取られれば、素っ頓狂な悲鳴も上がろう。幅10センチの領域をじりじりと進む彼女の背に、砲撃が、斬撃が、銃撃が突き刺さり、その身体を海へと沈めていった。
(「だが……手が足りないな……」)
正直に唸る。
【防衛ライン】が有効なのは、一本のみだ。この広い海原の中では、それらで袋小路を作ることは出来ず、逃亡阻止の一角を委託するのが精々。残り三方を復讐者達で塞ぐと言う手段もあるが、彼の大群相手に三名では心許ないと言わざる得なかった。
「とは言え、やれるだけやるぞ!」
此処で彼奴らを逃がせば、逃亡中の翔鶴へ、兵の増強を許すのと同義だ。
それは果たさせないと蓮十郎は裂帛の気合いを迸らせ、カマイタチを紡いでいく。
「そうだね! 私達も頑張るよ!」
「うふふ。砲撃で海の藻屑にして上げるわ。鎮魂曲代わりに砲声を聞きながら、果てなさい」
彼の気合いに呼応するよう、快活な声と妖艶な声が響き渡っていた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
白石・明日香
さてはて・・・・取り敢えずお腹すいていそうだね。
【アイテムポケット】に保存食とかを中心にして後は暖かいもの食べたいだろうからこの時代にありそうな・・・・炭火?いや木炭コンロも持ち込んであげよう。暖房代わりにもできそうだし
海軍将校の格好で舞鶴から来た士官を装って近づき
取り敢えずすっかり不漁気味の漁師さん達に接触しようか。
やあ、釣果はさっぱりみたいだね。
とか言って用意していた食料をお腹すかしている漁師達にふるまいながら世間話して愚痴にも付き合ってあげよう。
愚痴を吐き終えてすっきりした頃合いを見て聞いてみるか。
ねえ、ワタシは舞鶴からここら辺の状況を把握するように言われてきたの
だけど翔鶴様がどこに行ったか知らない?
戒厳令のせいかこちらにも報告が来ていなくて困っているのよ。
まずは翔鶴の行方について聞いておいて
硫黄島かな?と思うけど結果いかん関わらず更に聞いてみるか。
翔鶴様そこで何をするつもりなのかな?よほど重要な事でもあるのかしら?
聴ける聴けないにかかわらず終わったらお礼言って立ち去りましょう。
(「さてはて……取り敢えずみんな、お腹が空いてそうだね」)
時先案内人の予知を反芻し、白石・明日香(弔いの狩人・g02194)は周囲に視線を向ける。
先の解放戦の後、しかし、周囲に島民の姿は無い。まあ、そんなもんか、と思う。戒厳令の最中、多くの島民は自宅に籠もりきりか、その予知通り、漁にでも出ているのだろう。
まずはその漁師達に接触しよう。
海軍服を纏った明日香は、その足で海岸へと歩を進めた。
目的の島民達は然程の苦労もなく、発見する事が出来た。
総勢、5、6人と言った処だろうか。老人から少年までと、年齢層だけ見れば幅広いラインナップだった。
だが、それの誰もが表情を曇らせ、空振りの釣り竿や投げ網を見ている。明日香の見守る中でも、二、三度、海に竿を投げてはボウズを嘆く姿があった。
「やあ、釣果はさっぱりみたいだね」
彼女に胡乱げな表情を向けないのは、【プラチナチケット】【友達催眠】の力だろうか。残留効果様々な状況に心の中で感謝を紡いだ明日香は、友好的な微笑を浮かべる。
「あ、いや、これは、その……」
「いいよ。私は小笠原諸島の所属じゃ無いからね。皆が漁をしてても口を挟まない。それよりも、少し話を聞きたいと思って来たんだ。食事もある。どうかな?」
余程空腹だったのだろうか。明日香の言葉に子ども達は目を輝かせ、共に居る大人衆も「それならば……」と彼女に近付いてくる。
数分もすれば、明日香を中心とした食事の輪が繰り広げられていた。
「そうなんですよ。敵が……って戒厳令が敷かれ、割と彼方此方でピリピリしちゃって、秋月様の部下は部下でなんか怖いですし……」
「仕事も無い。海で漁も駄目。何時までこんなのが続くんでしょうね」
零れる愚痴は至極真っ当な物で、そして、そもそも明日香の知りうる限りのそれであった。
一頻り耳を傾けた彼女は、本命の台詞を口にする。ここまで打ち解ければ口の滑りは良くなっているだろう。そう判断しての言葉だった。
「ねえ、ワタシは舞鶴からここら辺の状況を把握するように言われてきたの。ここの責任者、翔鶴様でしょ?」
返ってきた反応は沈黙。
(「まずったかな
……?」)
だが、逡巡は一瞬のみだった。嘆息した島民の一人が、「ここだけの話だよ」と前置きをし、言葉を続ける。
「翔鶴様は小笠原諸島の艦隊を率いて、『硫黄島』に向かったって話だ」
「秋月様達も本来ならばそっちに向かいたがっていたようなんだけどね。それはそれで、別の任務に就いているらしい。……どういった任務か、聞いていないけども」
「そう言えば今日は秋月様達も見かけないねぇ」
幸いかどうかは不明だが、小笠原諸島沖での戦闘は彼らの知る由では無いようだ。
「そう。硫黄島ね……」
そこで何をするのだろう? と問うつもりだったが、そもそも『硫黄島に向かった』そのものが伝聞だったことを思い、呑み込むことにした。それ以上踏み込んだことを彼らは何も知らないのだろう。
「仕方ないなー。面倒だけど硫黄島に向かうしか無いかー」
深い溜め息と共に、明日香は立ち上がる。ここまでの演技は自然。疑う余地は何処にも無かった。
「兵隊さんも気をつけて下さい。翔鶴様に会ったら、そろそろ戒厳令を解いて頂けると助かります、とお伝え下さい」
「そーよね。まあ、伝えるだけ伝えておくわ」
短い礼と共にぺこりと頭を下げ、明日香は海岸を後にした。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV3になった!
風祭・天
支援と情報収集かー…おけおけ☆
とりま、お腹が減っては元気が出ん、ってことでの食料関係の支援と、特に指定せずに情報を集めて、よさ気なやつに切り込んでいく聞き込み風の収集でゴーするね☆
一応、【口福の伝道者】を使おうかなって思ってるんだけれども、その前に【友達催眠】や【プラチナチケット】を使って、仲良くなった人たちにニーズ調査だよね☆ そこで、ホントに必要と判断できたら…美味しそうなものを探してからの食べてからの【口福の伝道者】で、ウェーイ☆
仲良くなった人たちに手伝って貰って、なるべく人に集まって貰ってからやりたい感☆ 後、集まって貰えたら情報収集もやりやすいし☆
情報収集は小さい子たちを狙うー☆ 例えばだけれど…漁師さんたちが陸に居るのに海の上で動いてる冥海機とか目立つだろうし、何か遊んでる最中とかに見てるかもしんないし☆
とりま、何でもおけだから最近変わったことを教えてくれると、お姉ちゃんウキウキだよー☆ そんで、何か冥海機に関するお話とかあると更にテンアゲ☆
とりま、お腹が減っては元気が出ん。
情報を得るにも、相手を元気にしてから。
振りかざす風祭・天(逢佛殺佛・g08672)の持論は真っ当な物で、それ故、捕捉した島民一人一人にスキンシップを果たしながら声を掛けていく彼女のスタイルは功を奏したように、人々を彼女へと募らせていく。
気がつくと、十数人の青年や子ども達が天にわらわらと群がっていた。
其処に【プラチナチケット】【友達催眠】、そして【口福の伝道者】で増やされた料理の数々があったとしても、その成果は天の人柄そのものに起因する物――だったかもしれない。
「ウェーイ☆」
砂浜に広げられたシートの上に、【アイテムポケット】で持ち込まれた様々な料理が並んでいく。どう見ても400人前を越えるそれは【アイテムポケット】の範疇を超えていたが、【口福の伝道者】との併用に寄る物だ。ちょっと多すぎたかな、と思う反面、まあ、いいじゃん☆ とも思う事にした。大は小を兼ねる。これだけ料理が並んでいたら、島民のテンションもアゲアゲだろう。
「大丈夫大丈夫。冥海機の人達が見ている訳じゃないし、ここで全部食べちゃえばバレないって☆」
悪魔の囁きとはこのことか。
ここ最近、まともなご飯にありつけていなかった島民達にとって、天の誘惑に抗う術はない。我先にと飛び込んだ島民達は料理に舌鼓を打ち、飢餓や空腹を満たしていく。
中には、
「どうして、こんな……?」
と疑問視する者も居たが、それはそれ。【友達催眠】のお陰で「いいじゃんいいじゃん☆」との天の言葉に流され、料理の海の溺れていく。
この場一帯は既に天の独壇場であった。
まあ、それはそれとして。
「ねえねえ。お姉ちゃんとお話ししよー?」
見たままを聞くならば、大人より子ども。それも小さい子ども達だろう、と当たりを付け、天は子ども達へ笑顔を向ける。
一見、見目麗しい美少女。そして、皆にご馳走を振る舞ってくれたお大尽だ。子ども達が懐かない理由はない。そんな天に声を掛けられ、少年の一人が「うん!」と力強い首肯を返してきた。
「そうねー。とりま、何でもおけだから最近変わったことを教えてくれると、お姉ちゃんウキウキだよー☆」
「最近変わったこと……?」
少年は思考を巡らせ、そして、あっと声を上げる。
「翔鶴様が、沢山の人を連れてきたんだよ。でも、みんな、すぐに移っちゃった。海の向こうに行っちゃったんだって」
「ほむほむ」
翔鶴が連れてきた人、と言うのは台湾から移動させた住人のことだろう。それでは、海の向こう、とは?
天の言葉に、別の少女が、えへんと胸を張って応える。
「ハワイとかとーなんあじあってお父さんが言ってた」
(「成る程。ハワイと東南アジア方面、か」)
聞き進めていき、情報を纏めれば、台湾から連れてこられた人の一部はハワイに、それ以外は東南アジアに運ばれていった、との事だ。成る程と頷くものの、その意味が理解出来ない。まだ、情報が足りないと言うことだろうか。
「成る程成る程。あんがとー☆ まだ沢山あるから、いーっぱい、いーぱい食べてね!」
「うん! ありがとう、お姉ちゃん!」
料理に目移りしながらも礼を口にする少年少女達。その笑顔はとても輝いていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!

白石・明日香
さて、あとはお片付けの時間ね。
【水面走行】を使って追いかけっこしながら水上戦と行きましょう!
残像で攪乱しながらダッシュで接近。相手の砲撃は海面を叩きつけて発生させた水柱や水飛沫を盾として結界術と為して攻撃を凌ぎ一気に間合いに入り込み威力重視で武器改造した呪詛の籠った一刀で解体してあげる!
このまま逃げるのなら深追いはせずに逃がしてしまおうか・・・まだワタシはここに用があるのだから・・・
風祭・天
島の人たちからよさげな情報もゲットできてよきよき☆
このまま帰還…とも思ったけど、まだバチバチ戦闘中みたいじゃん? それなら、最後までテンアゲして虹な感じで終わらせよーぜぃ☆
秋月って冥海機、スタコラサッサなモードじゃん。私たちも【水面走行】でガンダせんと間に合わんくない? とりま、秋月が私たちに気付いた直後が正念場になりそうな予感☆
そんなこんなだから、同行者との連携重点でよろろー☆
んで、作戦方針だけれど…全力全開で一直線に近接する☆
秋月の足を止めないことには逃走阻止ってぴえんだし、この状況で足を止めさせるにはどうしても本格的に戦闘に巻き込まないとね。秋月がソクサリ案件思考でガチ撃ち頻度を少ないと見て、攻撃を驀直去で弾きながらの強襲接近モードでウェーイ☆ ちな、多少の怪我は織り込んでおけおけ☆
パラドクスは初式抜刀。ガンダしてからの強襲してからの戦闘だし、基本が一番頼れる感。ありよりのありだよね☆
ちゃけば、マリーさんからは逃がしてもしゃーなしって言われてるので、深追いはせずに程々で退散―☆
わきゃわきゃと逃げ回る回天達を背景に、二人の復讐者達が海を駆けていく。
二人に宿る残留効果は【水面走行】。その足で潮騒を蹴り、波を掻き分け、それへと接近していく。
それの名前は秋月。アヴァタール級冥海機『秋月』であり、駆ける二人の名は、白石・明日香(弔いの狩人・g02194)と風祭・天(逢佛殺佛・g08672)と言った。
「後はお片付けの時間ね!」
燃えさかる得物を片手に、走り抜けた明日香は秋月へと一太刀を放つ。それは後方に逃れた秋月の髪を裂き、数本を海へと散らしていった。
「――そうだな。この場所はもうあたいらの場所じゃ無いらしい!」
返す刀とばかりに放たれるのは、無数の魚影――熱帯魚を思わせる形状をした魚雷群だった。自動追尾のそれは明日香へと肉薄し、その肢体を爆散させようと怪しく光る。
だが。
「ウェーイ☆」
軽快な声と共に放たれた居合切りが、その機影を切断。制御を失い在らぬ方向へと流れ出でたそれは、復讐者達をそれ、遙か沖合で激しい爆音を立てていた。
「やっぱ基本が一番頼れる感。ありよりのありだよね」
天から零れた台詞は思いっきり自画自賛だったが、先に繰り出された居合術が見惚れそうになる程度には、美しい型だった。それは仕方ないな、と明日香は微苦笑する。
「最後まで付き合いなさいよ、冥海機。確かにこの場所は既に貴方達の遊び場じゃ無いわ。でも――ワタシ達が遊んで上げる」
「秋月、あんたもこのまま、トボトボと帰れないっしょ?」
繰り出される二双の斬撃に、しかし、秋月はにぃっと笑うのみ。
復讐者二人を相手取り、しかし、放つ砲撃は明日香を、そして天の身体を徐々に押し返していく。
「――確かに、手土産一つなきゃ、帰っても姐さんに怒られちまうな。ああ見えて姐さんは怖いんだ。回天達が泣いちまう」
歪笑じみた口元から流れ出でた言葉は、むしろ揶揄に近かった。
「「だったら――」」
呪刀が、日本刀が秋月を強襲。その身体を両断するべく流れる。
だが、その斬撃を秋月は跳躍で回避。着地――この場合は着水か――するや否や、全力で復讐者から距離を置く。ついでとばかりに放たれた砲撃はしかし、明日香や天を捉えず、その直前で爆破四散していった。
「ま、ただ、アタイは怒られ慣れててね。姐さんのヒスはそんなに怖かねーんだよ」
「……逃げるつもり?」
余裕は見に回っているが故か。防御や回避を主軸とし、攻撃はほぼ煙幕代わりにしか使用していない。そして、この海面の上に於ける冥海機の機動力だ。
その気になれば逃げおおせる。浮かぶ笑みにその文言がありありと読み取れるようだった。
(「どーっすっよ?」)
天の目配せに、明日香は頷く。
逃げ出すならば深追いするつもりも無い。それが明日香の戦闘方針だった。おそらく天も同じだろう。残留効果の加護があったとしても、海上を主戦場とする冥海機相手に、己が実力に過信すべきでは無いとも思う。
だが、まだその時では無い筈だ。彼の敵もまた、歴史侵略者。如何なる背景があろうと、如何なる思いがあろうと、復讐者にとっては倒すべき敵だった。
「とりま、やれるだけやるつもりなんで、そこんとこ、よろ☆」
「いやー。姐さんも怖いけど、そこまで執着するあんたらも怖いわ。アタイ、どーにかなっちゃいそう」
砲撃と斬撃が交差し、そして舌戦が応酬されていく。
逃がさないと立ち回る復讐者と、その壁を突破しようとする冥海機の攻防は、パラドクスのみにあらず、口撃含めた互いの全てを以て行われていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

綴・稀夜
(トレインチケット)
氷雪が飛ぶ。吹雪を紡ぐパラドクスは海面すらうっすらと凍らせ、秋月の走行を阻んでいく。
「ったく、しつこいなぁ!」
ここに来て流石に焦れてきたのだろう。秋月の舌打ちに、しかし、イリーナ・アルスカヤ(吸血鬼のスノウメイジ・g07154)は表情一つ変えず、更なる氷雪魔術――動く氷像による殴打を繰りだしていく。
「クロノヴェーダなんて取り逃したら何するか分かったものじゃないしね」
綴・稀夜(妖狐の魔導忍者・g08573)の言葉はもっともだった。
まして、この秋月はそのまま翔鶴と合流しようとしているのだ。『力を推し量る』と言う任務を全うした彼女が翔鶴にどの様な影響を与えるか――それは、誰にも判らない。
故に、ここで討つと稀夜は誓う。イリーナも気持ちは同じだ。このまま逃がすつもりは無い、と言う叫びと共に、同じパラドクスを繰りだしていく。
だが――。
「――アンタらは逃がさないって言うけど、アタイは逃げたいんだ。そこんとこは充分、理解してンだろ?」
全てのリソースを防御に回した秋月を切り崩すことは出来ない。
放たれた砲撃は、またも煙幕代わりであった。視界を遮られた復讐者達が紡ぐ氷像の殴打は、後退する秋月を僅かに逸れ、空を切る。続く次なる氷像の突進も、しかし、秋月は急旋回で躱していく。
「わたくしは――」
焦燥の声はイリーナから。普段の彼女を知る者が見れば目を見張るほどの焦りが、その声に滲んでいた。
「ここで逃げを打つなんて、随分と弱気なんだね。主がビビりだからかな?」
一方で、稀夜は挑発の言葉を紡ぐ。
最早、秋月そのものに対しては、何を言っても届きはしないだろう。だが、その主ならば? 一縷の望みを掛け、そんな悪態を吐く。
確かに復讐者達から見れば、翔鶴は消極的だ。台湾の放棄と言い、小笠原諸島から速攻離れた行動と言い、復讐者を怖れているとの文言は正しいだろう。おそらく。――慎重との言い方も出来るが、まあ、それはそれだ。ビビりと言われて奮起しない筈は無い。
「囀るな、ディアボロスが!」
刹那に沸き起こった叫びは、砲撃の形となって稀夜を撃つ。己を焼く痛みに、しかし、稀夜はふっと笑った。
(「掛かった――」)
己の身を犠牲にしてでも彼女を止める。その目論見で紡がれた挑発は、確かに秋月に届いたのだろう。
「――なんて言うと思った?」
だが、返ってきたのはククリと紡がれる嘲笑だった。
おそらく先程の砲撃は牽制程度だったのだろう。ほぼ被害の無い身体を一瞥した稀夜はくっと唸る。身体に刻まれた火傷は痛むが、戦闘に支障を来す程も無い。それはつまり、秋月は激情に駆られる事も無く先の砲撃を紡いだことを示していた。
「アンタらの言葉を借りれば、確かに姐さんはビビりさ。でも、アンタらも知ってんだろう? だから姐さんは強いって」
「くっ」
充分に距離を開けられ、それでも逃がす理由は無いと氷像を放つイリーナ。だが、それすらも無視し、秋月ははるか彼方へと歩を進めていく。
「じゃあなディアボロス! 間違っても追ってくんなよ?!」
軽快とも言えそうな別れの言葉だけが残されていた。
或いは時先案内人の二人にはこの結末が予測できていたのかもしれない。
復讐者を侮らない。その一つだけで、歴史侵略者達は大きな優位を得られる。否、復讐者達の優位を覆せる。それを示すようでもあった。
「とは言え、小笠原諸島は皆様のお力で解放の道を辿っていますわ。此度も、作戦そのものは成功と言っても差し支えありません」
「……そーなんだけどね」
イリーナの慰めを聞きながら、稀夜は言葉を紡ぐ。その端には多大な悔しさが滲み出でていた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【アイスクラフト】LV2が発生!
効果2【ダブル】LV2が発生!