リプレイ
リヴァル・アーク
クロノ・オブジェクト使用不可、ですか。毎度パラドクスなどに頼っている分、こういう時にその重要さが分かりますね。
いつもお世話になっている『ドラゴンスペル・スケーター』もありますし、通常のローラースケートを用意して首都高を疾走しましょう。
とにかく目立たずに行動を。敵に気づかれずに移動するというのは、普通に戦うよりも難しそうですね。
ローラースケートで『ダッシュ』し『突撃』、首都高を走り抜けます。一応周囲から敵の気配がないかを『情報収集・観察』で確認、常に注意深く行動します。
大田区までできるだけ近づければよしとしましょう。……その前に機動隊に出くわしてしまうようですが。
無堂・理央
首都高疾走作戦開始ー!
色んな人が結構走ってるけど、今どの位の進行度なんだろ?
使うのはポケットバイク。
聞いた話だとフルチューンすれば時速120㎞出せるとか。
ボク自身は改造系の技能ないけど、新宿島でなら他の人に頼んでポケバイを速度重視にチューニングやエンジン積み替えと言った改造してから持ち込めるかな?
ポケバイはパラドクストレイン内でエンジンを掛けて暖機。
現地に降りたら即スタート!
【ダッシュ】込みで最大速を出し続けて走るよ。
【騎乗】でブレーキングを最小限にポケバイを操作して、攻めに攻めて攻めまくる走りをする!
チューンできたポケバイなら、普通のポケバイより早くて操縦が厳しいだろうけど、やってみせるよ!
アルメア・グラウプナー
「高速で動き、敵の先手を取り、そして撃破する。良いねえ、実に分かりやすい電撃作戦だ」
「それに、久しぶりにバイクを運転する良い機会になるしな。軍で訓練した時以来だなあ、はっはっは!」
・行動
さて、私が移動に使うのはバイクだな。出来れば軍用の大きめで頑丈な奴が良いんだが…無理なら普通ので構わんよ。
思う様に最高速でカッ飛ばしていきたい所だが…『日本の首都高は都市の中にできたサーキットコースだ』と誰かが言っていたのを聞いた事がある。
【地形の利用】を応用してカーブ等で出来る限り速度を落とさない様にしたり、ショートカットになりそうな場所があれば使ったりと【臨機応変】に対応していこう。
大崎・朔太郎
技や特殊な道具を使わないとはいえ
高速道路を車とバイク以外で疾走というのは中々出来ないので、
純粋に面白そうと思ってる自分が居ます…。不謹慎かもですが。
僕は電動キックボードに乗りますかね。
頑張ればスクーター位速さが出るらしいですし。
【地形の利用】で安定したスピードで変わる景色や周囲の状況を楽しみつつ注意して見ながら走行。
キックボードの利点はバイクよりも遅いけどその分細かく動けてバイクより細身な事。バイクが止められてもそこから全体を見て最悪パトカーとバイクの隙間も縫ってでも限界まで先に行ってみますか。
こういうムチャはこうなる前には考えた事も無かったけど
やって見ると悪くないね。
時坂・暁
はい、では行きましょうか。
こんなこともあろうかと[発明]したターボチャージャーを取り付けたロードバイクを持ち込み、これで走ります。
自転車にあるまじき加速、お見せいたしましょう!
今回の目的は出来る限り南下して道を切り開く事。その後の戦いはおまけのようなものです。
戦いになったところで大天使に後れを取るつもりはありませんが、それはそれとして出来る限り出現までの時間と距離は稼がなくてはなりません。
クロノ・オブジェクトやパラドクス、残留効果は用いずに駆け抜けましょう。
なにやら内なる天使も警戒を促しています。油断なく挑まなくてはなりません。
それでは状況開始と行きましょうか。
●首都高を駆ける
「はっはっは、こいつは困った!」
パラドクストレインから道路上へと降り立ったアルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)は自らの車体を前に、笑いながら戸惑っていた。
(「出来れば軍用の大きめで頑丈な奴……無理なら普通ので構わんと、そうは言ったが……」)
目の前には、ちんまりとポケットバイクが一台。
パラドクストレインには装備品はさておき、どう頑張ってもバイクは積めなかったのだからしょうがない。
余程の手間隙と仲間の協力を得れば不可能ではないかもしれないが、この作戦では現実的ではないのだ。
葛藤に襲われているアルメアを他所に。
無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)がポケットバイクを抱えて乗降口から飛び降りるや、
「首都高疾走作戦開始ー!」
元気いっぱいな宣言と同時に、アクセルON。暖気済みのエンジンが唸るや、アスファルトを摩擦しながら急発進する。
続くのは時坂・暁(パラダイス・ロスト・g00297)、
「こんなこともあろうかと、用意しておいて良かったです」
一度は言ってみたいセリフを決めた暁が駆るのはロードバイクだ。エンジン付きであり事実上のオートバイである。
排気量は秘密だ。本来の法規では違法なのは確実だが、任務で使う分には問題ない。ないったら、ない。
「高速道路を車とバイク以外で疾走というのは中々出来ないので、純粋に面白そうと思ってる自分が居ます……」
不謹慎かもしれませんが……、と苦笑混じりに相槌を入れたのは大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)
こちらは電動キックボード。キックボードと侮るなかれ、原付二種相当でありスクーター並の速度が出るのだ。
「それでは状況開始と行きましょうか」
準備を終えた仲間たちが暁の言葉で出発し、アルメアも迷いを振り切ってポケットバイクに搭乗。
ポケットバイクを想定していなかったであろう、アルメア用に細かい調整が施されている。これなら何とかなりそうだ。
イグニッション、エンジンが始動。グリップを強く握り締め、迷い無くスロットルを煽った。
エンジンが咆哮を上げ、弾かれるようにアルメアも路上へと飛び出す。
フットペダルを蹴り、流れるようにシフトアップ。その思った以上に馴染む感覚に、
(「……これも酔狂か」)
面白がるように呟いた。
無人の首都高を、リヴァル・アーク(竜滅の拳・g00136)がローラースケートで軽快に走る。
金色の髪が風に揺れ、軽く汗ばむも吹き抜ける風が心地良い。
パラドクストレインを一番に飛び出したリヴァル。
他の車に邪魔されずに、公道の真ん中を思い切り走る。スケーターの夢を果たして、少年の赤い瞳に高揚の色が浮かぶ。
傍らで並走する朔太郎も、
「こういうムチャはこうなる前には考えた事も無かったけど。やって見ると悪くないね」
流れる景色に注意深く眼をやりながらも、柔らかな笑みが浮かぶ。
二車線の高速道だ。対向車線もやはり車は一台も走っていない。
コンクリート壁が後方へと流れ、時折緑色の看板が頭上を通り過ぎて行く。
左右は灰色の遮音壁がどこまでも続き、遠くには品川区のビルが連なるのが見える。
追いついた暁が、唇に指を当てながら僅かに思案を浮かべ、
「やはり品川区は落ち着いていますね。降りてみないとわかりませんが……今回は道を切り開くのが目的。パラドクスも使えませんしね」
「毎度パラドクスなどに頼っている分っ……こういう時にっ……その重要さが分かりますねっ!」
リヴァルが全力で加速と巡航を繰り返しながら答える。
愛用の『ドラゴンスペル・スケーター』でならしたローラースケートの技量は確かなものだ。ましてやディアボロスの身体である。首都高1号が起伏が多くないのも幸いし、ここまでは付いていけている。
だが、後方からエンジン音が迫ってくる、と気づいた時にはポケットバイクを駆るアルメアが三人を抜き去った。
フルチューンされた理央のマシン程では無いにせよ、さすがに速度が違う。
「離されすぎるのも良くありませんね、急ぎましょう」
言うなり朔太郎が加速する。暁も続こうとして、僅かに躊躇した。そんな暁へとリヴァル、
「先に行ってください! 機動隊が後ろからなら早い方が良いし、前からなら追いつけます!」
「わかりました。……リヴァルさん」
暁、少し考えて、
「少し胸騒ぎがします。気を付けてください」
(「……これが精一杯ですね。内なる天使が警戒を促している、と言っても仕方ありません」)
頷くリヴァルへと暁も頷きを返すや、前方へと視線を投げる。そうして、にんまり笑うや、
「それでは……自転車にあるまじき加速、お見せいたしましょう!」
ケレン味たっぷりに言うなりフルアクセル。鋼鉄の心臓が吼え猛り、ラグが過ぎた次の瞬間、グンッと暁の身体を後方に置いてけぼりになりそうなほどの暴力的な加速が掛かるや、前輪が浮き上がろうとするのを全力で押さえつけて走り去る。
「車体が持つのかな、あれ」
苦笑半分に見送ると、リヴァルは巡航速度に落として路肩寄りを走り始めた。そのまま周囲を警戒しながら、目立たないことを意識する。
(「敵に気づかれずに移動する、というのは普通に戦うよりも難しそうですね」)
一方、先頭を走る理央。
フルチューンされたエンジンが軽快な咆哮を響かせる。
アクセル全開、繰り返すシフトアップであっという間に速度メーターが跳ね上がる。
景色が飛ぶように後方へと消え、風を体で切り裂いて駆け抜ける。
と、緩い右カーブを超えた直後、いきなり目の前に車線の片方を完全に塞ぐように、通行規制の看板が設置されている。
「……このぉっ!」
既に幾度もポケバイでの首都高経験を積んだ理央である。即座にリアタイアを滑らせて回避、ギアを落として再加速、ギリギリを抜き去る。
(「危っぶな……」)
追越車線を走りながら看板の裏へと視線を投げるも、土嚢が積み上げられて居る位だ。
そもそも他の車が全く走っていないのに通行規制も何も無い。つまり、あれは――。
考える間もあればこそ。大きなカーブに合わせて嫌がらせのように数箇所の通行規制が連なり、連続カーブになっているのが目前に迫る。
しかし、理央に迷いは無い。
(「攻めて、攻めて、攻めまくる!」)
最高速を出せる区間が少ないなら、最速のコーナリングで。操縦は厳しいかもしれないけど、やってみせる。
眼前に黄色い看板が迫る。ブレーキングを最小限に、
「ここっ!」
深いバンクで膝先が僅かに路面を擦るも、再びアクセルを煽るや、カァァァン!、とエンジンが唸る。
そのまま高速コーナリングで一つ目のカーブをクリア。二度、三度。繰り返して見事に連続カーブを超える。
直後、追いついたアルメアも、連続カーブを視野に納めた。
「『日本の首都高は都市の中にできたサーキットコースだ』と聞いたが、確かにな」
ニヤリと不敵に笑うや、そのままカーブに構わず黄色い看板に向けてさらに加速。
いや、違う。その奥にある斜面状に積み上げられた土嚢へ、だ。
対ショック姿勢を取るや、土嚢を足場に軽々とジャンプしてカーブをショートカット。
「まだまだっ!」
大きな衝撃をものともせず、空中で姿勢制御。
直接アスファルト上へと降りず、下り斜面の土嚢で速度を維持して、二段目、三段目へと。
そのまま全てのカーブを跳び超えるや理央の傍らへと着地して、何事もなく走りだす。
理央が眼を丸くして、
「アルメアさん、すごい!」
「貴殿もな。しかしこれは存外悪くない! 軍で訓練した時以来だなあ、はっはっは!」
高笑いするアルメアに、被さるように遠くから大型拡声器の声が響き渡る。
「進入者に告ぐ! 速度を落とし、路肩に寄せ、速やかに停車せよ! 繰り返す、路肩に寄せ、速やかに停車せよ!」
見ると、行く手を完全に封鎖した首都高機動隊が展開しているのが見える。
高速で移動するディアボロスに対応する為に、簡易的に作らざるを得なかったのだろう。車線の片方を通行規制、もう片方をパトカーと白バイの非常線で封鎖した形になっている。
理緒とアルメアが顔を見合わせて頷くと、即座に速度を落とした。歩くような速さで徐々に近づく。
速さで距離を稼ぐのはここまでだ。ならば、仲間の合流の為にも、ぎりぎりまで近づいてから……。
(「これは……予想してなかったですね」)
対向車線側、通行規制の看板と土嚢の影に隠れたまま、リヴァルが心の中だけで呟いた。
(「『首都高機動隊に気づかれない』とは」)
警戒し目立たずに行動を続けたリヴァルは、誰何を受けないまま機動隊の至近に到達していたのだ。
先行するディアボロスたちが機動隊の注意を引いた幸運にも助けられたのだろう。
リヴァルの視線の先、対向車線側の二車線を通行規制とパトカー、非常線で完全封鎖した首都高機動隊と、仲間のディアボロスたちがじりじりと距離をつめていく。
それに対して、こちら側は交通規制で封鎖しているだけだ。
機動隊は既に天使を召還済み。接触すれば即座に戦いになるだろう。時間は多く残されていない。
――リヴァルの選択肢は二つ。
一つ目はこのまま突破を狙う。さらに距離を稼げるが、大天使と単独で遭遇することになるだろう。
もう一つは首都高機動隊へ攻撃を仕掛ける。完全な不意打ちであり、有利に立ち回ることができるはずだ。
だが、リヴァルが決断する前に、事態が動いた。
「貴様、止まれ! 止まらんと攻撃するぞ!」
機動隊員の叫び声が裏返る。
ディアボロスたちと機動隊とが射程距離に入る直前、朔太郎が突然加速するや、正面から機動隊めがけて突進したのだ。
(「あのパトカーと非常線の配置で、キックボードの僕ならっ!」)
朔太郎はパトカーと白バイの隙間を縫って無理やり突破してでも、限界まで距離を稼ぐことを狙っていたのだ。
「攻撃はじめ!」
隊長が冷静に言い放つや、隊員の使役する天使たちが手を掲げ、輝く小型の矢が次々と放たれる。
多くは外れてアスファルトに突き刺さった。だがいくつかが顔を庇う朔太郎の左腕、胸元を抉り、ぱっと血が舞う。
反撃はできない。パラドクスを使うリスクは犯せないからだ。
ゆるいシャツが切り裂かれて胸元があらわになり、流れる血に歯を食いしばりながら顔を伏せる。
次の瞬間、路面を蹴ってパトカーと隊員の間へと走りこんだ。そうなれば、攻撃できる隊員は限られる。
浮き足立つ隊員へと、隊長が「正面警戒だ!」と一喝。そうして、一人動じることなく背後へと召還機を構えた。
突破に成功し走り抜けようとする朔太郎。隊長が使役する大天使――大型の投槍を掲げる――が、構えた。
その狙いは朔太郎の無防備な背中だ。
一撃で仕留めるべく、大天使が輝く投槍を打ち放つ――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV2が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV3が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
リヴァル・アーク
大田区へこのまま突き進むか、機動隊に奇襲をかけるか。
……いいえ、決まっています。仲間を助けず何が騎士ですか!!
朔太郎さんを助けるべく動きましょう。
この距離では間に合わない?……ここで機動隊と鉢合わせてしまった以上、パラドクスの温存などしていられない!
パラドクス【迅雷葬槍】を発動。『覇竜の覇気』をローラースケートに纏わせ、移動速度にブーストをかけてみます。
させるかッ!!
『ダッシュ・突撃』、この身、光にして、大天使の一撃よりも疾くこのパラドクスを届かせてみますよ……!
パラドクスが上手く決まったならば、機動隊に『泥濘の地』を使用、その懐に『勇気』を以て飛び込み、召喚機を破壊、気絶させてみます。
大崎・朔太郎
突っ込んでみた物の、後からの追撃は考えてなったなぁ…
でもここまで来たらパラドクスもオブジェクトも使える。
【源氏蛍】起動して移動しながらキックボードから降り、
振り向きざまにキックボードを掴んで投槍に叩きつけての勢いで【一撃離脱】で回避を試みます。
反撃…とはいえ傷つけるのはイヤなので、天使を【小型拳銃】と【手持ちマイクスタンド】で牽制、その隙に機動隊員を【誘惑】と【恋人演技】で無力化しますかね。
「お仕事だと思いますから怒ってませんよ、だけどもう大人しくしてくれますよね?」と囁いて召喚機をオフらせますか。機械が止まれば天使は送還されるはず。
ついでにこの辺の事を色々と教えてくれたら助かるんですけどね。
アルメア・グラウプナー
「はっはっは! 調子に乗ってスピードを出し過ぎた様だな!」
「違反切符を切るのは今は勘弁してくれないかね? 火急の用があってな、貴殿らを振り切らないと行けない程忙しいのだよ!」
・行動
敵とはいえ相手は一般人だ。あまり手荒に扱いたくは無いな。
まあ戦闘は戦闘、怪我の一つや骨の一本は勉強代として取らせて貰うとしようかな、はっはっは!
天使相手には火砲やガトリングでの【砲撃】【弾幕】で攻撃を行いつつ、周囲の車やバイクを派手に【破壊】、怯ませながらじりじりと距離を詰める。
十分に近付けたら何人かを【気絶攻撃】で無力化し召喚機を叩き壊していこう。
後はまあ、彼らも組織人だ。現場での判断は現場の人間が下すだろうさ。
時坂・暁
アドリブ連携歓迎
えぇ、ここまでです。追いつかれた以上ここからは戦うしかありません。力を解禁するとしましょう。
ふむ、一人ピンチのようですが彼も復讐者、一人がフォローに回っているようですから問題ないでしょう。
私は[光使い]で機動隊の目晦ましをしつつ機動隊の足元に【泥濘の地】の残留効果を展開
私自身は【飛翔】しながらエバーホワイトを放ち、敵の召喚器を断ち切ります。
機動隊は一般人、極力傷つけないように戦いましょう。
我々が討つべき相手は彼らではないのですから。
●首都高機動隊との戦い
このまま突き進むか、機動隊に奇襲を掛けるか。
(「……いいえ、決まっています」)
リヴァル・アーク(竜滅の拳・g00136)は迷わなかった。
「仲間を助けず何が騎士ですか!!」
――リヴァルが吼えた。
物陰から突進と同時、龍の咆哮に呼び覚まされた『覇竜の覇気』を全身に纏うや、ローラースケートが限界を超えて加速。あまりの速さに生じた衝撃波で傍らの看板が吹き飛ぶ。
精神さえもが加速され、敵の姿だけがあたかもスローモーションのように鮮明に映る、リヴァルの眼前。
右腕を引き絞る大天使がパラドクスを完成させる、構える投槍の先端に左手が添えられ、ポッと聖なる光が輝くや全体に広がり、攻撃の気配に気付きゆっくりと振り返る大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)へと――。
「させるかッ!!」
刹那。
リヴァルの拳が、大天使の投槍を放つ右腕へと突き刺さった。そのまま断ち切り、吹き飛ぶ腕が覇気に焼かれ蒸発する。
オリジナル・パラドクス『迅雷葬槍』(シャドウ・ロンゴミニアド)――不意打ちだった大天使には、光の槍が駆け抜けたとしか認識できなかっただろう。
放たれた投槍が、朔太郎が咄嗟に振り払ったキックボードを貫きながら僅かに反れて背後に抜けた。アスファルトへと深々と突き刺さる。
「キィヤアアアアア!!」
大天使が失われた右腕から吹き上げる血に絶叫を上げながら、光の粒となって消え去る。召喚が切れたのだ。
直後、隊長は再召喚より先に体が動いた。長年染み付いた反射的な動きでホルスターからリボルバー銃を引き抜きざま、リヴァルへ向けて二連射。だが避けようともしない。銃声だけが空しく響き渡る。確かに銃弾は発射されたにも関わらず。
『一般法則破壊』――ディアボロスたちへのパラドクスでない通常攻撃は無力だ。放たれた弾丸は時空の彼方へ飛んだのか、因果律が上書きされ存在自体が消えたのか。
「無駄です」
隊長を見つめるリヴァルの静かな言葉に、サングラスの奥で隊長の感情が初めて動いた。唇が歪む。
即座にリヴァルが手刀を一閃。一歩も動けなかった隊長の手元で、スマートフォンがバラバラに砕け散る。
「隊長!! 天使よ、攻撃を!」
気付いた隊員の一人が手元のスマートフォンへと指を伸ばそうとして、その指が止まった。震え、動けない。
「だめだよ。そんなことしちゃ……、ね?」
笑顔の朔太郎が優しく語り掛ける。だが、その瞳には緊張の色が加わる。
朔太郎は状況を即座に理解するや『源氏蛍』を起動。足元で電飾が煌き、場を彼のステージという名の戦場へと変える。
隊員が戸惑ったような声を上げるが、徐々にその眼の焦点が失われ、小さく頷く――オリジナル・パラドクス『恋人演技』(ファンサービス)。相手の動きを縛り、強化された誘惑に魅了されたのだ。
「お仕事だと思いますから怒ってませんよ、だけどもう大人しくしてくれますよね? さぁ、そんなもの捨てちゃって」
トドメとばかりに伏目がちに訴えかけると、隊員が糸の切れた人形のようにコクリと頷くや、つるし紐ごと外して召喚機を放り出す。すかさずリヴァルが駆け寄って破壊し、肩越しに朔太郎へと視線を投げた。
朔太郎も視線だけで礼を返すと、半ば破れたシャツの内側、肩に吊るすホルスターから小型拳銃を引き抜く。
(「本当は、召喚機のこととか色々と教えてくれたら助かるんですけどね」)
この場にいるのは末端に過ぎない。可能性はあるかもしれないが、攻略旅団の力が必要だろう。
ましてや、召喚機使いの彼らは防御力はさておき、攻撃力は決して侮れないのだ。
見ると、機動隊員が組織的に動こうとするも、足元が沼地と化して動きが鈍り、そこへリヴァルが飛び込んでいく。
朔太郎も又、目に付いた天使へと続けて銃撃しながら駆け出す。
(「とにかく、今は彼らを無力化しないと!」)
「なっ……一体何が……」
背後で爆発したパトカーの炎と煙に巻かれながら、機動隊員が毒づいた直後、
ガッ! ガッ! ガッ!
身を隠すパトカーの前面に数箇所の弾痕が刻みこまれた。ちろっ、とちいさな炎が出た次の瞬間、爆発炎上する。
今度こそ吹き飛ばされ、路面に叩きつけられた隊員が顔を上げ――見た。
「はっはっは! 調子に乗ってスピードを出し過ぎた様だな。これほどの警察官のお出迎えとは!」
巻き上がる炎の向こう、アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)が、笑いながら闊歩する。
その手には携行型のビームガトリングガン。さらには、腕部に接続されたキャノン砲の金属部に燃える炎が揺れる。
最初の一撃はキャノン砲。それで背後のパトカーが爆発し、眼についたパトカーから順に蜂の巣にしていたのだ。
「くそっ、調子に乗るなよ。我が命に従え、天使よ!」
機動隊員が必死に召喚機の画面をスワイプしようと指を伸ばそうとして、異常に気づいた。身を伏せるアスファルトが泥濘と化して半ば沈みこんでいることを。
同時に時坂・暁(パラダイス・ロスト・g00297)の声が戦場を貫いた。
「ハイロゥ駆動。汝、冥闇(くらやみ)を斬り裂く純白の光。輝け――エバーホワイト!」
頭上から一条の光が機動隊員が握るスマートフォンの半ばを照らすや、真っ二つに断ち切られた。
彼だけではない。
「くそ、召喚機が!」
「……だめだ、反応しない!」
「隊長……隊長!! どうすれば!?」
混乱の中で機動隊員たちの悲鳴だけが響き渡る。
驚愕したまま頭上を見上げ、まぶしさに思わず左腕で眼を庇った。
太陽……? いや、違う。もう一つの太陽の如き輝きの中に、確かに人影がいる。
――暁だ。
白と黒、相反する色を半ばまで帯びる翼を羽ばたかせ、展開したハイロゥの輝きを背に天空を飛翔する。
それは冥闇を切り裂く浄化の光を無数に降り注がせる、オリジナル・パラドクス『冥闇を裂く純白』(エバーホワイト)
機動隊員の動きを『泥濘』で鈍らせ、所持する召喚機だけを狙って破壊したのだ。
(「我々が討つべき相手は彼らではないのですから」)
戦闘中でさえ穏やかさを失わない暁が、涼やかな視線を投げた。上空からならば隊員の位置が手に取るように分かる。
いまだ健在の機動隊員が、頭上を見上げ召喚機へと手を伸ばすも、暁がそちらへと手をかざすや輝きに眼を眩ませ、
「くそっ、眼が……ぐわっ!」
「貴様、何をする……う、うわああああー!!」
その頃にはアルメアが機動隊員の中へと入りこみ、ある隊員は首元に手刀を叩き込み、またある隊員は二人組の首根っこを掴むや、サンドイッチ状に叩きつけた。そうして、動かなくなるや腰に繋がれた召喚機を叩き壊していく。
敵とはいえ一般人相手にあまり手荒に扱いたくは無いが、気絶させるにはどうしてもある程度の打撃は必要だ。そこで死なせないのがアルメアの技量とも言えるだろう。
「これで最後かな……ごめんね?」
朔太郎が申し訳なさそうに謝りながら、魅了された隊員の召喚機を破壊すると、ふぅ、と大儀そうにため息をついた。見事な誘惑術だったが本人は物凄く恥ずかしい、らしい。冷静に見れば、男同士なのだから別の問題もありそうだ。
周囲の炎と煙はいまだ収まる気配はない。ガソリンを燃やし尽くすまで続くのだろう。
あちこちからは倒れた機動隊員のうめき声があがる。召喚機だけを破壊された者も、対抗する術が無いことは明らかだ。
それを見て取ったアルメア、
「後はまあ、彼らも組織人だ。現場での判断は現場の人間が下すだろうさ」
事も無げにそう言うと、隊長へと視線を投げる。付け加えるように、
「言っておくが死者はいないぞ。まぁ、怪我の一つや骨の一本は勉強代として取らせて貰ったがな、はっはっは!」
隊長がサングラスを外した。生一本な視線が真っ直ぐに見返す。
隊長にもわかっていた。
あの時、少年がその気なら自分は死んでいた。死者も居ないと言う。彼らは圧倒敵な力を持っているのにも関わらず。
隊長が、アルメア、暁、朔太郎そして、最後にリヴァルへと視線を投げると、傍らの部下たちへと命じた。
「……全員、撤収だ」
「隊長!? しかし」
「構わん、責任は私が取る」
「「「了解
!!」」」
一度命令が下れば動きは早い。怪我をした者には手を貸し、速やかに撤収していく。
振り返ることさえ、無かった。
それとほぼ同時に。
バサッ、バサバサバサバサッ……。
何十羽もの鳥が一斉に羽ばたくような音と共に、空から出現した人影が次々と降り立つ。
娘の姿の天使兵の集団が、路面を覆い尽くすかの様な勢いでディアボロスたちの前方に展開する。
「くすくす……」「くすくす……」「くすくす……」「くすくす……」
人間なら17~8歳程か、清楚さを感じさせる魅力的と言ってよい相貌。
同じ顔、同じ声、同じ表情の娘たちが、一斉に楽しげに笑う。
トループス級、クローン天使兵H型の群れ。クローン体、それも精神調整を受けているのだろう。
そして空高くから見下ろす大天使。
二枚の純白の翼と、対を成す二枚の暗黒の翼を背に。
はばたく度に、雪のような白い羽と、闇の如き黒い羽が舞う。
豪奢な黄金の髪が流れ、涼やかな笑顔に金銀妖瞳の瞳が妖しく輝き。
長身痩躯に天界の長衣を纏い、一見徒手空拳にしか見えないが、その肉体は用意に鋼鉄を貫く。
アヴァタール級大天使。
その名は『残光』大天使サンダルフォン。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
大和・恭弥
他は皆に任せるとして
ここで俺がやるべきは確実に護衛を減らしていくことだ。
…実は天使を斬ることには、まだ抵抗があるんだけどな
何も持ってないから、現場までは晴彦と足で駆けつけるよ
戦闘中は【飛翔】で可能な限り攻撃回避しつつ移動
相手をぎりぎりまでこちらに惹きつけてみようか
精神波を喰らう前に「藍雪花染」を解放して
隙をみて斬り込み、負の感情を喰った妖刀の【呪詛】で相手を侵食
あとは【両断】で形勢を不利にしていく、を繰り返す形かな
狙えるなら羽がいいけど、戦闘力を削ぐのが優先で
「斬るのは抵抗あるけど…生憎惑わされるほど信仰はしてないんだ」
まだ、【強運の加護】のほうが信頼できるよ
他との連携、援護、アドリブは歓迎
藺草・風水
即興連携、アドリブ歓迎
「アヴァタールの大天使が率いる部隊でも敵わない相手ってわからせないとあの人達も危ないし、此処で落とすの!」
大天使を倒して、首都高機動隊の人達の責任問題にさせない為に戦う
「遅参なりに、仕事はさせてもらうの!」
救援機動力で到着次第、全ての武装を展開した【万火殲乱】の連射砲撃で敵をなぎ払う
敵の反撃の光の刃には連射砲撃で迎撃しつつ、迎撃しきれなかった分は【飛翔】や短距離のダッシュで躱す形で対応
●麗しく、清楚たれ。たとえ捨て駒だとしても
――同時刻、対向車線側やや後方。
通行規制の土嚢に身を隠す大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)が前方へと視線を投げる。
トループス級、クローン天使兵H型の集団は、まだこちらに気づいていない。
半数強は先行するディアボロスたちと対峙し、残り半数弱が半包囲するようにこちら側の二車線を進むのが見えた。
狙うなら、こちらか。
「まず俺たちがやるべきは確実に護衛を減らしていくことだな」
「サンダルフォンもまだ動かないみたいなの」
傍らで藺草・風水(天使喰らいの重ガンナー・g00346)が言葉を継ぐ。
救援機動力で合流した二人は、やや後方で戦況を確認していた。
「アヴァタールの大天使が率いる部隊でも敵わない相手ってわからせないとあの人達も危ないし、此処で落とすの!」
風水がそう言い切る。彼女はこの戦いが首都高機動隊の責任問題になることを危惧していたのだ。
彼らには理性も職業意識もあった。そんな人たちの立場を必要以上に悪くしたく無いのだろう。
「先にいく。晴彦、戻って」
恭弥が傍らのクダギツネを手元の竹筒に戻した。そうして小さく息を吸い、
「よしっ……いけっ!」
己に向かって叫ぶや、恭弥がアスファルトを蹴った。同時に飛翔を発動させ、路面ぎりぎりを飛ぶ。
交通規制の看板と土嚢を遮蔽に、天使兵の集団に限界まで近づくや、恭弥が仕掛けた。
妖刀『藍雪花染』を抜き放ち、全く無防備だった天使兵の首元に刃が迫るも、
「……っ!」
最後の瞬間、代わりに翼を両断する。流れる剣筋のまま、もう一体の天使兵の左腕をも一息にはね飛ばした。
そうして奇襲の勢いのまま、やや右寄りのカーブを描いて敵陣を貫いて飛び、当たるを幸いに天使兵を斬りまくる。
恭弥が抜けた跡には、
「痛い……痛い、痛い、痛い!!」
「私の腕、腕が……!」
「いやぁ……何、何これ、何なの!?」
最初、何が起きたかすら理解できなかった天使兵が、まず痛みに、次に受けた傷から腐り落ちんばかりに呪詛が侵食し、悲鳴をあげる。
(「くそっ、倒せるなら一思いに倒さないでどうする、俺は!!」)
妖刀を振るいながら、恭弥が自分自身を叱咤するように心中で叫んだ。
恭弥は天使を斬ることに、まだ抵抗が残っていた。
しかも敵は恭弥と同年代の少女の姿をしているのだ。動揺するなと言うのが酷だろう。
だが、恭弥に時間は残されていない。深追いせず、戦闘力を削ぐことに徹していたが、奇襲は長くは持たないからだ。
右手に遮音壁を確認するや、まず路面、続いて遮音壁を蹴って三角に飛び、無理やり飛翔方向を元来た方向へと向けた。そうして全力で離脱を図る。ぎりぎりまでこちらへ惹きつける為だ。
目論見通りこちら側の天使兵たちが恭弥を追うように動き出し、比較的傷が浅い天使兵たちが一斉に澄んだ声で主を称える――精神攻撃だ。
全力で飛ぶ恭弥。耳元で唸る風の音をも超えて、直接脳に浸透するかのように届く声に、歯を食いしばって耐える。
(「斬るのは抵抗あるけど……生憎惑わされるほど信仰はしてないんだ!」)
追う天使兵たちの、さらなる一撃が恭弥へと襲いかかる直前、飛ぶ恭弥と入れ替わるように風水が立ちはだかる。
「後はまかせて、なの! 武装、全展開!」
右手にガトリングガン、左手にライフルを構え、さらに背中の『マウントアームバレット』に装備された『アームキャノン』『殲華天榴砲』が始動する。重厚な作動音と共に、風水の小柄な身体を覆い尽くす勢いで火器の群れが展開するや、
「遅参なりに、仕事はさせてもらうの!」
放たれた銃弾が、光条が、砲弾が、エネルギー弾が敵集団へと叩き込まれて爆光が閃き、天使兵たちの絶叫が響き渡る。
『万火殲乱』(バンカセンラン)――全武装を展開、一斉発射で敵群を陣地ごと殲滅する風水のオリジナル・パラドクスだ。
恭弥を追うために密集していた所へと高火力が高密度に集中し、爆炎の中で次々と天使兵が打ち倒される。
と、風水の左前方、爆煙を突破した数体の天使兵の羽が光輝いた。とっさに反応し逆サイドへダッシュと同時にガトリングを連射。天使兵が放った光の刃を連射砲撃が半ばを迎撃、残る半ばも回避する。
今度は右前方の弾幕を天使兵が突破しかけると見るや、その直上へ飛翔すると同時に真下へと連続で砲弾を叩き込み、その息の根を止める。
これだけの火力を持ちながら、飛翔に頼るとは言え敏捷性は落ちていない。高機動、高火力で敵を殲滅する様は『機動弾薬庫』とでも形容するべきだろう。
荒く息を吐く風水の傍らに恭弥が合流した。
視線だけで頷き合うと、恭弥が再び敵中に突入し、風水がそれを支援するべく弾幕を展開する。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
大崎・朔太郎
やって来ましたか天使の皆さん。
とはいえ丁度いい感じの攻撃は手持ちにない、接近前に羽が飛んでくるし、小型拳銃なので射程はあっちが上。ならば予想外の一手を作るのみ。
交通規制の看板、壊れたパトカー、皆が乗ってたポケバイ…よし、物は試しで【ストリートストライク】。壊れたパトカーに看板を立てかけてそこにポケバイを借りてフルスロットル、ギリギリまで方向調整してパトカーから飛び立つ直前に【飛行】で飛び降り、そのまま天使に突っ込ませます。名付けてポケバイロケットッ!
ゆっくりと飛行をするパラドクスならこの速度と質量を持った一撃は避けられないはず。後でちゃんと怒られますからここは勝ちに行きます。
アルメア・グラウプナー
「ようやく主役の御一行様が舞台に登場か。まったく、待ちくたびれたぞ」
「貴殿達が相手なら…手加減の必要なく闘争が楽しめるからな! はははッ!」
・行動
基本的には味方と連携しつつ、距離を置いて火砲による【砲撃】で攻撃を行いながらガトリングでの【制圧射撃】にて機動を妨げる様に弾をバラ撒いて此方に有利な射程へ誘導していく。大砲火も積極的に使用し敵の数を減らしていこう。
相手の説法は元々聞く気は無いが銃火器の砲撃音で掻き消し、幻影の大天使共はガトリングで散らす。
我々の攻撃によって孤立した敵個体が居たなら、爆裂鉄球とソードオフに持ち替え【飛翔】を用いて一気に接近し、そのまま攻撃して地面に叩き落としていこうか。
立ち上る煙と燃え上がる炎、路面に流れる機械油の匂いが鼻を刺す。
アスファルトが熱に煽られ陽炎めいた揺らぎの向こうに、数十体もの天使兵の集団が迫り、天高くには大天使の姿が。
「……やって来ましたか、天使の皆さん」
戦いの高揚感と僅かな畏怖を込めて、大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)が呟く。
(「とは言え、丁度いい感じの武器は手持ちにない。接近前に羽が飛んでくるし、小型拳銃なので射程はあっちが上。ならば予想外の一手を作るのみ」)
素早く周囲に視線を投げる。燃え上がるパトカー、交通規制の看板、そして……皆が乗って来たポケットバイク。
それを確認するや、朔太郎の瞳に光が増す。だとして、準備する時間が――。
その時、朔太郎の正面、天使兵の数体が爆発で吹き飛んだ。
アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)の砲撃だ。
「何かやるなら時間は稼ぐぞ。まぁ全部倒してしまっても構わんがな?」
そう言い放つアルメア、それは彼女一流の諧謔だったかもしれない。
頷いて駆け出す朔太郎には一瞥もせず、さて、とばかりに迫り来る天使兵の群れへと視線を投げる。
「ようやく主役の御一行様が舞台に登場か。まったく、待ちくたびれたぞ。貴殿達が相手なら……手加減の必要なく闘争が楽しめるからな! はははッ!」
ビームガトリングが高速回転を初め、腕部に接続されたキャノン砲を再装填。そのまま銃身が最高速に達するや、
「Feuer(ファイエル)ッ
!!!!」
腹の底まで響く重低音と共に撃ち放たれた弾丸の群れが先頭の天使兵を引き裂き、背後のもう一体の腕まで千切れ飛ぶ。直後、弧を描いて砲撃したキャノン砲が着弾し、左から前進していた天使兵が吹き飛ぶも、爆煙がゆらりと揺れる。
「そうでなくてはな!」
喜悦が漏れた次の瞬間、炎を突破した天使兵が迫る。とっさにガトリングの機関部で受け止めたアルメアの眼前、
「貴方、ひどい人。死になさい!」
顔が半ば炎に溶けかけた娘の憎しみの眼差し。広がる翼、羽が聖なる光に輝き――、
轟音が轟き、天使兵の首が吹き飛んだ。
至近距離で放ったソードオフショットガンをアルメアが左手一本で再装填、続けてガトリングの弾幕を展開。天使兵の接近を防ぎながら、有利な射程を維持する為に制圧射撃を続ける。
アルメアは直接、間接に関わらず銃砲が主武器だ。その闘いは距離を置いてのものが望ましい。
だが、さすがに天使兵の数が多い。
対向車線側の天使兵は味方が支えているが、それでも残る半数以上を全く近づかせないまま殲滅しきるのは困難だ。
いつのまに被弾したのか、追加装甲に天使兵の光の刃がいくつも突き刺さり、こめかみに開いた傷に内部構造が覗く。
(「乱戦もやむなしか……それはそれで、骨肉の楽しい戦いだ」)
血と炎の未来図にアルメアが笑みの形に唇を歪め――、
その時。
アルメアの背後、燃え上がる炎と煙の向こうで、突然、エンジンがうなりをあげた。アクセルが煽られた音が続き、ドンッと重い音が響くや、空中の煙を突き抜けた朔太郎が駆るポケットバイクが飛ぶ。
朔太郎のもう一つの顔、バウンサー。彼らは戦場にあるもの全てを武器とする――パラドクス『ストリートストライク』
破壊されたパトカーに交通規制の看板を組み合わせたジャンプ台で、ポケットバイクでの特攻を狙っていたのだ。
「名付けてポケバイロケットッ!! これでも食らえ!!」
同時に朔太郎が飛翔で離脱。乗り捨てられた車体が天使兵へと直撃して悲鳴を上げ、朔太郎が叫んだ。
「アルメアさん!」
即座に反応したアルメアがビームガトリングガンを一斉射。弾列が数体の天使兵を巻き添えにポケットバイクへと伸びる。その車体には簡易に固定した燃料タンク――他のバイクから外したものか――。
ビームがポケットバイクを貫くや轟音と衝撃波が轟き、火球が膨れ上がった。眩いオレンジ色と共に、さらに生じた一回り小さい火球が周囲へと降り注ぐ。それが天使兵の頭上へと降りかかるや炎に覆われ、苦悶の叫びを上げる。
数を大幅に減らした天使兵の只中に突入した朔太郎が、小型拳銃を抜いて続けざまに連射。
白兵戦へと突入したと見切ったアルメアも、爆裂鉄球『ファイアヴェルク』へと換装するや敵中へと乗り込む。
そこへと対向車線側の敵を殲滅した恭弥が斬りこみ、風水が退路を断ち。
戦況は決した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】がLV2になった!
【建造物分解】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!
無堂・理央
港区ではジェネラル級が見えてるし、アヴァタール級に負けてはいられないよ。
勿論、アヴァタール級を侮る事もしないよ。
無双馬『クロフサ』に乗り換えて、クロフサにはパラドクスの力で空中を駆けて貰うよ。
戦い方は【一撃離脱】、【ダッシュ】で間合いを詰めたら、馬上槍で一撃を加えて、そのまま駆け抜けてから戦場を駆け巡って次の突撃準備に入る形だね。
最初だけはランスチャージの構えで突っ込む形になるかな?
敵の反撃は戦場を駆け巡って、狙いをつけさせない形でかわすよ。
魔術の軌道次第だけど、向かう形でかわして攻撃に移れるなら、積極的に攻めの姿勢でかわして斬り込んでく。
アヴァタール級と戦う他の人とは可能な範囲で連携するよ。
アルメア・グラウプナー
「さて、出番だぞ。高みの見物を決め込んでないで、そろそろ降りてきたらどうだね、大天使殿?」
「まあこれから主の下に召されるんだ。祈る時間くらいはくれてやっても良いぞ? 神か仏かそれとも化生か、何に祈るかは分からんがな、はっはっは!」
・行動
さて、基本戦術は前回と変わらんな。味方と連携しながら各火器で【砲撃】【制圧射撃】【弾幕】で攻め立てよう。
相手は空中からの攻撃に秀でた天使だ、彼の長所である機動力を殺す様に、動きを牽制・制御する形で立ち回り、手刀はシルトでいなして距離を取ろう。
戦闘により動きが鈍ってきたら此方もソードオフと爆裂鉄球に持替え【飛翔】だ、大喝砕を叩き込み文字通りの堕天使にしてやろう。
●アヴァタール
「あ……サンダ……ル……さま……」
最後の天使兵が、空の高みから睥睨する主へと、祈るように手を差し伸べながら絶命する。
それを見届けた『残光』大天使サンダルフォン、欠片も心が動く様子は無い。
快活とさえ言える笑みのまま、値踏みするように口を開いた。
「やれやれ。量産が利くのは良いが、一人も落とすことが出来ないようではな。だが、この戦闘力……やはりディアボロス。生き残りが居たということかね?」
だが、それでもサンダルフォンは動かない。彼自身、理由が解らぬ感覚があったからだ。
大天使の正面、離れた上空を飛ぶ人影。
天使にも見える……だが、その背には。
白と黒。
聖と魔。
サンダルフォン自身にも似たそれを持つ、相反する翼を持つ男――。
(「何だ、この不快感は……何だというのだ」)
●首都高上空
大天使の思考を、下方からのビームガトリングの弾丸と、舞台役者めいた台詞が断ち切った。
「さて、出番だぞ。高みの見物を決め込んでないで、そろそろ降りてきたらどうだね、大天使殿?」
アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)だ。
激しい戦いを経て残骸が炎にくすぶる首都高上へ仁王立ちに、ガトリングを向け頭上の大天使を睨みすえる。
「まあこれから主の下に召されるんだ。祈る時間くらいはくれてやっても良いぞ? 神か仏かそれとも化生か、何に祈るかは分からんがな、はっはっは!」
哄笑を上げながらも、サンダルフォンの周辺空域へと制圧射撃の弾幕を展開する。
いくつかが大天使に届いた。光を帯びた掌を軽く振るや弾丸が蒸発し、サンダルフォンの瞳に冷たい光が宿る。
「私が出るまでも無いと思っていたが、やむを得ん。君たちに『残光』の制裁を与える。ありがたく受け取りたまえ!」
大天使が言い放つや、翼が風をはらんだ、白と黒、三対六枚の翼が羽ばたく。
同時に傍らの空間が歪んだ。朧な姿、サンダルフォンが従属契約を交わしたアークデーモンを召喚。
聖と魔、対極の魔力が輝き、首都高上のディアボロスを一息に焼き払わんとして――アルメアの瞳に勝利の色が加わる。
次の瞬間、
「行くよ! クロフサ!」
大天使のさらに上空。無双馬『クロフサ』を駆る無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)が、馬上槍を手に突撃する。
無双馬が天馬と化して空を駆け、馬上で身を伏せる理央がランスチャージの構えに。急降下から文字通りの一番槍が大天使へと襲い掛かる。理央のオリジナル・パラドクス『戦騎天駆』(エアリアル・チャージ)だ。
ぎりぎりで気付かれた、だが遅い! 馬上槍が振り返る大天使の左肩を長衣ごと深々とえぐり、血が舞う。
「貴様!」
プライドを傷つけられた大天使が光の魔術を解き放つも、駆け抜ける理央の黒髪を一房だけ貫いて抜けた。
そのまま路面ぎりぎりまで降下し、駆け続ける理央へと、今度は闇の魔術も加わるマーブルの光線が続けざまに撃ち放たれる。大天使と悪魔の力を掛け合わせた破壊の魔術。だがそれもクロフサが行き脚を変える度に直撃を避ける。
走り抜ける光線にパトカーが轟音を上げて吹き飛び、アスファルトが瞬時に蒸発し溝が深く穿たれる。
理央の狙いは一撃離脱だ。決して無理せず戦場を駆け巡り、大天使に狙いを付けさせない為にだ。
(「アヴァタール級を侮る事はしない、ボクの全力で!」)
心中で呟く理央を乗せたクロフサが駆ける。そのまま全速で戦場を回り込み、再度の攻撃チャンスを狙う。
その間に大天使へとアルメアが飛翔して切り込んだ。
「どこを見ているんだね? こっちだぞ!」
爆裂鉄球『ファイアヴェルク』を全力で叩き込む。
それをサンダルフォンが左手一本で受け止めた。長身痩躯の青年にしか見えないが、恐るべき膂力――だが、アルメアがニヤリと笑うや、鉄球が爆発した。アルメアのオリジナル・パラドクス、大喝砕『エアフォルク』(ダイカッサイ)だ。
至近距離での爆発をまともに受けた大天使の左手が、ずたずたに切り裂かれ血が滴る。
「小細工を!」
怒りのままに負傷にも構わず両掌へと光が収束、輝きの刃と化した右手刀の反撃が襲い掛かり、アルメアが左手――サイボーグである彼女の義手だ。近接戦闘では受け具ともなる――で受け止め、バターの如く切り裂かれた。
危うく胴体ごと真っ二つにされるのを避けるアルメア、そこへ大天使が追い討ちを放とうとして、
「させないっ!」
再び突撃した理央がすれ違いざまに馬上槍を激しく突き込んだ。
今度は予期していた大天使。輝く掌で受け流すと同時、反撃の破壊光線を理央へと放つ。
人馬一体――咄嗟に反応したクロフサのサイドステップで直撃を避ける。それでも尚、破壊光線が理央の左足を浅く貫いた。瞬時に傷が炭化し、痛覚が爆発し理央が眉をしかめるも、闘志は僅かにも衰えない。
(「……港区ではジェネラル級が見えてるんだ……」)
その間にアルメアが間合いを取り直したのを見て取り、戦場を駆け続け再び大天使と対峙する。
隙あらば魔術を向かいざまにかわし、攻撃を仕掛ける構えだ。そうして、痛みを振り払うように叫んだ。
「アヴァタール級に負けてはいられないよ!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV3になった!
【命中アップ】LV1が発生!
時坂・暁
アドリブ連携歓迎
なるほど。見た目は麗しくとも天使兵
侮らず躊躇わず討ち果たすべきですが…手は足りているようです
では私は本命に当たりましょう
残光。
どうやら私と一体化した天使と何かしらの因縁があるらしい
それとも同型でしょうか。同じように光を操りますからね
それではどちらがより強く主から賜った光で衆生を照らせるか、勝負と行きましょうか
まぁ私、無宗教ですが
他の皆さんがトループスを殲滅するのを待って行動開始
【飛翔】し、双剣による[斬撃]で奴の強力な手刀を斬り払いながら
味方と連携しつつタイミングを見計らってしっかりと残留効果を乗せたアイン・ソフ・オウルを放ちます
さようなら。次の貴方に期待ですね
リヴァル・アーク
指揮官の登場ですか。
すでに大局は決している、とは思いますが、油断しては足元を掬われますね。
大田区がどうなっているのか。この戦争の目的は何なのか。思うことは多々ありますが……まずは、この戦いに勝ちます。
天使と悪魔、両方の力を使用する天使……天使でさえも悪魔の力を使いますか。
手段を選ばないところを見るに、天使とは名ばかりのようですね……!
【飛翔】を利用してサンダルフォンを『観察・情報収集』し、光の球の軌道を読みながら近づきます。
隙を見出すことが出来れば、【夜天の雲霓】を発動し、数多の属性を持つ『貫通撃・衝撃波』を敵に放ちます!
……『ダッシュ・突撃』し、『グラップル・破壊・強打』の拳を叩きつける!
大崎・朔太郎
アドリブ連携可
これで最後、気合を入れていきましょう。
光の球を作り出して投擲するという事は手は少なくとも動かすはず。
ならば【魅了の束縛】で手を封じれば…。
【完全視界】で魔法の発光や光の柱で視界が邪魔されないようにして【観察】しながら【忍び足】で隠れて魔法を避け、一瞬の隙を突いて【源氏蛍】を全速力で接近。そのまま射程に収めての【魅了の束縛】で捕まえますか。
ただ技の性質上、ここから男とキスなんですよねぇ…。
まだイケメンだからマシなのかもしれませんが人も見てるし。
ええい、ままよっ!
【誘惑】で少しでも相手の不快感による抵抗を減らして吸い取れるだけ吸い取ったら【一撃離脱】。これがサキュバスの戦い方です。
●決着
首都高道路上。交通規制の土嚢の影で、
(「あ、危なかった……もう少しずれてたら一巻の終わり……あはは……」)
苦笑する大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)が胸を撫で下ろした。
理央を狙って放たれた破壊光線で、傍らのアスファルトに深々と刻まれた筋が赤熱し焦げ臭い匂いが漂う。
朔太郎は地上で潜伏を続け、完全視界で機会をうかがっていた。
頭上では、ディアボロスたちとサンダルフォンの空中戦が続く。
クロフサに騎乗する理央が駆け、近接戦闘を封じられたアルメアが弾幕を張り、それを狙うサンダルフォンの手刀を時坂・暁(パラダイス・ロスト・g00297)の双剣が斬り払う。
リヴァル・アーク(竜滅の拳・g00136)は大天使から間合いを計り、機を狙っているようだ。
正面から挑んだとして、朔太郎の成算はリヴァルの半分程だ。技量の差としか言いようが無い。しかも負傷している。
(「『魅了の束縛』で手を封じれば……でも、どうやって。それに上手く行っても、そこから男とキスなんだよねぇ……まだイケメンだからマシなのかもしれませんが人も見てるし」)
本人だけは深刻な葛藤に襲われている朔太郎の頭上、リヴァルが大天使へ立ち向かう。
隙を見出せない以上、正面から挑むつもりか。
(「ええい、ままよっ!」)
「天使と悪魔、両方の力を使用する天使……天使でさえも悪魔の力を使いますか。手段を選ばないところを見るに、天使とは名ばかりのようですね……!」
「従属契約だ。従うなら使いこなすのが器量であろう? ああ……私は知らないが君たちは滅びを選んだようだがね」
大天使の揶揄する口調に、リヴァルの眼差しに険しさが増す。
過去の死んでいったディアボロスたち。全ての時代で、彼らは彼らの世界を守るために命を捨てたのだ。
「今度は、お前が滅ぶ番だ!」
静かな怒りと共に、リヴァルが仕掛けた。
『星降の淵にて。共に往こう、皆』
それは詠唱ではなく呼びかけか。
リヴァルを中心に幻影の聖騎士たちが次々と召還され、それが一斉に剣を掲げるや司る属性が集約する。
ある聖騎士は燃え残っていたパトカーの炎が、唸りを上げて纏うや焔の魔法剣と化し。
またある聖騎士は一陣の風が吹き荒れ、竜巻を帯びる風の魔法剣を構える。
顕現する12の魔法剣、そして13人目。
放たれる斬撃の波動で敵を切り裂く、リヴァルのオリジナル・パラドクス『夜天の雲霓』(ホワイト・ゾディアック)
だが――迎え撃つ大天使が笑った。
白翼が聖なる輝きを帯び右掌へと宿るや、唸りを上げて迫る斬撃の波動を打ち払う。
土が砕かれ、水が蒸発し、火が切払われ、風が裂かれ――第7の聖騎士が放つ闇の波動を大天使が防いだ時、
「今だ!」
いつのまに接近していたのか、聖騎士たちに紛れて近づいていた朔太郎が大天使へと突撃し、至近距離から『魅了の束縛』を発動する。濃縮したサキュバスミストが大天使を包み込み、動きを封じるや抱きしめようとして、
「こんなものっ!」
サキュバスミストを大天使の右手が掲げる光球が貫いた。ひとたまりもなく霧散し、そのまま朔太郎へと叩きつける。
朔太郎は避けなかった。サンダルフォンの右手を僅かに残るサキュバスミストで光球ごと抱きしめるや輝きが爆発した。
肺を傷つけたのだろう、漏れる息に血が混じる朔太郎の苦しげな瞳に信頼の光が輝く。
「何ィ!? ぐ、ぐぁ、がっ!」
攻防の要、右手を押さえられた大天使に残る斬撃の波動が直撃した。長衣がずたずたに引き裂かれ血が舞う。
13人目、番外の聖騎士――リヴァルはこの隙を逃さなかった。全力で突撃するや、
「これでも食らえ!!」
覇竜の覇気を纏う拳を叩き込む。
「ぐ、あああああっっ!」
大天使が初めて苦悶の叫びを上げた。吹き飛ばされ力なく落ちる朔太郎を、肩で息をするリヴァルが咄嗟に受け止める。
だがサンダルフォンは倒れない。血に染まり、ずたずたになった長衣を破り捨てるや、
「……許せぬ。私の光で塵一つ残さず消し去ってくれる……」
笑みの中に浮かぶ冷酷な敵意。それからリヴァルたちを守るように、暁が立ちはだかった。
傍らのリヴァルへと素早く小声で、
「後は任せて、朔太郎さんを」
頷いて離脱するリヴァルを見送る暁、
(「天使でさえ悪魔の力を使う……ですか。確かに天使とは名ばかりかもしれません」)
微かな自嘲と共に大天使へと相対する。
精悍な肉体を血で斑に染め、サンダルフォンが鋭い視線を投げた。
それを正面から受け止める暁、穏やかな口調を崩さないまま、
「『残光』……ですか。どうやら私と一体化した天使と何かしらの因縁があるようですね。それとも同型でしょうか。同じように光を操りますからね」
大天使は答えない。ただ、吐き捨てる。
「この不快感……何があったかは知らぬが我慢がならぬ」
「それでは、どちらがより強く主から賜った光で衆生を照らせるか、勝負と行きましょうか」
「この私に光で勝負するとはな。良かろう、主に仕える大天使の力を見せてやろう」
ああ……、と暁が面白がるように付け加える。
「まぁ私、無宗教ですが」
その言葉に大天使の相貌から遂に笑みが消えた。3枚の白翼が一際輝き、周囲を白色に染める。
同時に暁も詠唱を開始。
『天使核接続――疑似限定解除』
暁の身に宿る光が開放される。それは大天使と同じ輝き――疑似的な創世光。
それを最も衝撃を持って受け止めたのはサンダルフォンだ。
(「馬鹿な、同じパラドクスだと!? だが、あの輝きは紛れもなく……」)
『はじまりの時を紡げ――汝、光を齎す者』
暁の詠唱と共に聖なる輝きが収束し、光弾が形成される。
それを見た大天使、今更のように輝きの出力で大幅に自らが勝ることに気づいてほくそ笑む。
(「そうだ、『残光』たる私が負けるはずがないのだ!」)
暁が詠唱を完成させ、大天使が全力で光弾を練り上げ、
『――降り注げ』
「消え去れ、不愉快な奴!!」
暁とサンダルフォンが同時にパラドクスを発動させた。
「「アイン・ソフ・オウル!!」」
互いに撃ち合った光弾。それが同一直線軌道を経て接近。中間点に達し、ぶつかって。
刹那の拮抗。
暁が小さく笑う。
(「今の個体性能ではこちらの方が劣るでしょう、ですが負ける気はしません」)
積み重ねた残留効果が味方し、何より暁自身の技量が全てに置いて大天使を上回っている。
どれだけ出力が高かろうとも、あたかも鍛え抜かれた刀が鋼さえ断つように――。
――大天使の光弾を貫いた。
砕かれ霧散した光が、白色の奔流となって辺りを染め上げる。
直後、サンダルフォンの直下に暁の光弾が展開、光の柱が大天使を貫いた。
絶叫――。
傷ついたディアボロスたちが見守る中、まるで仮初の姿だったが如く、大天使の身体が砕け散った。
白と黒の羽が舞い、それもまた風に溶けるように消えていく。
まるで最初から知っていたかのように。
「……さようなら。次の貴方に期待ですね」
暁は呟くのだった。
※
『大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)は重傷を負った』
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!