リプレイ
ディアナ・レーヴェ
正面からの強襲突入作戦……つまりこう、このファランクス陣形でしっかり作ってる防壁を、どうにか突き崩せばいいわけよね!
入口絶対守る、って事なら陽動みたいなことはできないでしょうから、まずは陣形の真ん中から盾をかいくぐるように【隣人墜落の計】、足元を崩しましょう!
そうして敵が動き出したら適宜【防衛ライン】を張って、陣形の妨害・分割に努めるわ。
仲間とも連携して攻撃対象は敵陣の一部に集中させて、陣形になるべく早期に欠けを作りましょう。
そう、士気は高いのね?
若干ヤケクソっぽい気がしないでもないけど!
まあ最後に役に立つのってそういう気合よね?分かるっ!
一兵残らず任務に殉じちゃいなさい。…亜人は嫌いだけど、そういう姿勢は嫌いじゃない。
あ、でもちょっと奥で調べたいことがあるから、できれば手短にしてくれるー?
…だめ??
(言葉はお喋り半分、挑発半分!)
エイレーネ・エピケフィシア
サナアの攻略を以てアラビア半島から亜人を放逐できるのは幸いですね
もし他に大灯台があれば、広大な大地を探索を強いられたはずです
さあ……この地に住まう全ての人々のために、勝利を!
≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫を手に参戦します
密集陣形を取って迎え撃たんとするファランクスに対して、正面から当たっていくのは危険ですね
ここは『大地の激震』を用いて直接触れずに攻撃してゆきましょう
盾では足裏から体内に浸透する衝撃を防ぐことは困難
そして揺らぐ足元から逃れることは、隊列を乱して守兵としての役割を乱す結果を招きかねません
駄目押しに【泥濘の地】も発動し、動くに動けぬ状況に敵を追い込んで滅ぼしてゆきましょう
あなた達が壁として立ち塞がれば、我々は怯まずに打ち崩します
全ての人々を解放するまで……止まることはありません!
敵の技に対しては、敵が盾を振るおうとするところにこちらの盾をぶつけ合わせて防御
勢いを削いで動きを封じられることを防ぎ、身を逸らして槍の狙いも外しまょう
こうして地面への縫い付けを避け、素早く攻勢に転じます
六宮・フェリクス
正面突破…実に分かりやすくていい響きだなァ、うん!
とはいえ、他の皆様方としっかり連携したいところだな。何せ向こうは背水の陣だ。油断は禁物。
…ま、上の亜人どもの方は愉快そうだが、防衛に回ってる奴らの方はまったく愉快じゃなさそ。士気もなかなかお高いようで?
尻拭いだってのに使命感に燃えられるのは…そこだけは見習いてぇな。そこだけ。
…そんじゃ、オレもちょっとばかり手ェ貸しましょーかね!
頭使う前に体使わねーと、思考が回らんからな!
なぁに、単純な事だ。阻むというなら蹴散らすまで。その士気、いつまで持つか見ものだな!
…つってもコッチも真正面から突っ込むわけにゃいかんのでな!
位置取り調整、なるべく敵陣集中させてぶっ叩きたいところ!
速度勝負ならちょーっとだけ自信があるぜ――「光王刃」で射貫く!
反撃については貫通撃は見知ってるもんで、少し往なせりゃこれ幸いってコトで。ま、そもそもお互い傷なんぞ気にしてられねーだろ?なァ!
守るべきもん背負ってんだからな!アッハハ!
●『アラビア半島』解放を目指して
「サナアの攻略を成功させれば、『アラビア半島』から『亜人』を放逐出来る可能性が上がるのは、幸いですね」
パラドクストレインが、『サナア大灯台』前に着くと、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)が、そう口にする。
「もし、他に『大灯台』があれば、広大な大地の探索を強いられますが、『ファロスの光』を手に入れれば、何らかの方法が示唆される筈です」
サナア大灯台及びサナアの町を制圧すれば、『アラビア半島解放作戦』の実行が夢ではなくなる為、エイレーネも握る長槍に力が入る。
「さあ……この地に住まう、全ての人々の為に、勝利を!」
仲間達を鼓舞するように言うと、誓いと共にエイレーネは、力強く歩みを進めるのだった。
●サナア大灯台制圧作戦開始
「おう、おう、うじゃうじゃ居やがるな。トロルどもが、ヨッ♪」
トループス級亜人『『トロル兵団』ファランクス兵』の大部隊を視界に入れ、楽しそうに言うのは、六宮・フェリクス(An die Freude・g01325)だ。
「正面突破……実に分かり易くていい響きだなァ、うん!」
目の前の敵を正面から撃破するのみ、挟撃の心配もない……実にシンプルな戦場、ただ力を振るえばいいというだけの戦いに、フェリクスは胸が躍る。
「とはいえ、なめて掛かっちゃいけねぇなァ。……何せ向こうは背水の陣、俺も他の皆様方と連携しねぇと、油断は出来ねぇ」
笑みを絶やさず、けれど慢心もせず、フェリクスは普段の雰囲気のままトロル達の陣形を確認する。
「正面からの、強襲突入作戦……つまりこう、この『ファランクス陣形』で確り作っている防壁を、どうにか突き崩せば、いい訳よね!」
戦術眼の鋭いディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)が、ディアボロス達に自身の考えを伝える。
「入口を絶対に守るって事なら、陽動のような作戦には引っ掛からないでしょうから、まずは、陣形の真ん中から……綺麗に、陣形組んでるじゃない!」
ファランクス兵の盾を掻い潜る様にトロル達に接敵すると、直ぐにディアナはファランクス兵達の足場を崩す。
そのディアナを止めようと、ファランクス兵達も、その手の盾でディアナを囲み、ディアナの動きを制限しようと動く。
「槍の串刺しも嫌だけど、あなた達を取り逃すのも、嫌なのよね」
言うとディアナは、その身に僅かに槍のダメージを受けながらも【防衛ライン】を展開し、ファランクス兵達の陣形分断を図る。
(「密集陣形を取り、迎え撃たんとする『ファランクス』に対して、正面から当たっていくのは危険ですね」)
≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫を構え、エイレーネもパラドクスを発動する。
「勇者達が進む道、その道行を切り開きます!」
信仰から生まれた『加護』をその身に受けると、エイレーネは目にも留まらぬ俊敏さで、彗星の如く光の軌跡を描き、ファランクス兵の鉄壁の守備に対し、臆することなく突撃していく。
エイレーネの≪神護の長槍≫が、ファランクス兵の盾に突き刺さると同時に、凄まじいエネルギー爆発となって、ファランクス兵の盾を一気に吹き飛ばす。
(「思った通り。盾では、正面以外からの衝撃を防ぐことは困難。そして、混乱したあなた達が、私の攻撃から逃れることは出来ません」)
≪神護の長槍≫でファランクス兵の鎧を穿ちつつ、エイレーネは戦場を泥濘に変える。
「あなた達が、壁として立ち塞がれば、我々は怯まずに打ち崩します。全ての人々を、解放するまで……止まることは、ありません!」
強く宣言し、エイレーネは再び長槍をファランクス兵に向け突き刺した。
「そう、士気は高いのね?」
ファランクス兵達と交戦しながら、ディアナが答えは返ってこないと分かっていながらも、トロル達に訊く。
「若干、ヤケクソっぽい気がしないでも、ないけど!」
『MG13-G機関銃』の銃爪を引き銃弾をばら撒くと、次の標的に銃口を向け直す、ディアナ。
「……ま、上の『亜人』どもの方は愉快そうだが、防衛に回ってるこいつ等は、全く愉快じゃなさそーな……っと!」
ファランクス兵が撃ち出す、伸縮するサリッサを軽快に戦場を跳ね避けながら、フェリクスは『サナア大灯台』の頭頂部を見上げる。
時先案内人の予知では、フェリクス的には”愉快”なゴブリンが『ファロスの光』を整備しているらしい。
そちらと戦うことに比べると、このファランクス兵達との戦闘は若干つまらなく感じてしまう。
「おっと、士気もなかなかお高いようで? 尻拭いだってのに、使命感に燃えられる……そこだけは見習いてぇな。そ・こ・だ・け・な♪」
ファランクス兵を揶揄うだけでは、大灯台の扉は開かない……フェリクスは瞳に戦う意志を乗せ、大袈裟に言葉を放つ。
「……そんじゃ、オレもちょっとばかり、手ェ貸しましょーかね! 頭使う前に、体使わねーと、思考が回らんからな!」
5体のファランクス兵が、フェリクスを中心に一斉にサリッサの尖端を突き刺そうとしたが、フェリクスはそれを全て回避すると、ファランクス兵達の上を取る。
「なぁに、単純な事だ。阻むというなら蹴散らすまで。その士気、いつまで持つか……見ものだな!」
そう挑発するようにファランクス兵達に言うフェリクスだが、”当然”真正面から突っ込むような思考はしていない。
「速度勝負なら、ちょーっとだけ自信があるぜ──『光王刃』で射貫かせてもらうぜ!」
自身の周囲に数多の『光の刃』を具現化させると、フェリクスはファランクス兵達に一斉に撃ち放つ。
「反撃はしてきてもいいぜ。オレチャン、貫通撃は見知ってるもんで、少し往なせりゃこれ、幸いって・コ・ト♪ ま、そもそも──お互い、傷なんぞ気にしてられねーだろ? なァ!」
軽快な雰囲気を一瞬で敵に見せる『怒り』に変え、光の刃の連続射撃をフェリクスは、遠慮なくぶち込む。
「こっちも……オレも、守るべきもん背負ってんだからな! アッハッハッハッハハハ!」
笑い声を響かせながらも、戦場でフェリクスが動きを止めることは無かった。
「まあ、最後に役に立つのって、そういう気合よね? 私も分かるっ!」
銃弾を柔らかい表情でばら撒きながら、諦めを知らないファランクス兵達に、ディアナは同意の意を示す。
「だから、一兵残らず──任務に殉じちゃいなさい」
ディアボロスとして、自分の信念を貫き通すと決めているディアナに、敵に掛ける慈悲などない……けれど。
「『亜人』は嫌いだけど、そういう『忠誠』とか『信念』に生きる姿勢は嫌いじゃないよ。あ、でも、ちょっと『奥』で調べたいことがあるから、できれば手短にしてくれるー? ……だめ?」
殺意は銃弾に、挑発は言葉に乗せ、ディアナはファランクス兵達の足元を崩しながら的確に風穴を空けていく。
『ガギィィン!!!』
エイレーネとファランクス兵の盾が、力強い衝撃の元、大きな音を立ててぶつかり合う。
その勢いを、見事な体捌きで完全に殺すと、再び交差する槍も、先にトロルの胸へと深く突き刺すエイレーネ。
「あなた達と遊んでいる暇は、わたしには──ありません! 『ファロスの光』を手に入れ、『アラビア半島』も返してもらいます!」
戦乙女の如く強く言い放ち、エイレーネは、アヴァタール級亜人『アルギュラスピデス』へと視線を向けた。
●最後の門番
「残った、精鋭達でも歯が立たんとは、まがりなりにも『ジェネラル級』のアルミラージを倒したということか」
アルギュラスピデスは、全てのトループス級亜人『『トロル兵団』ファランクス兵』を殲滅したディアボロス達に、重い声で言う。
「だが、俺はあと一歩でジェネラル級へと至った筈の男だ。俺一人で、貴様等を『蹂躙』し、この『サナア大灯台』を守り、次の『オリンピア』でイスカンダル大王様より、『ジェネラル』の名と力を頂くのだ!」
言うと、アルギュラスピデスは、大斧を高く掲げるのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
エイレーネ・エピケフィシア
オリンピア大祭とは本来、クロノス様の御子にして、神々の中で最も栄ある神ゼウス様に捧げられし祝祭
亜人の悪辣な目的のために冒涜されてよいものではないと知りなさい
穢れた足で神聖な競技場へと踏み入った罪に、今ここで裁きを与えましょう!
≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫を手に敵へと詰め寄ります
盾使い同士の真っ向勝負を狙う――と見せかけ、ジャンプからごく短時間の【飛翔】
斧を振り上げて届くよりも僅かに高い高度を飛び、敵の頭上を越えて背後に回ります
敵が向き直って再び盾を向けて来るより先に、間髪入れず『舞い降りる天空の流星』を発動
高速の突撃の勢いを乗せた槍の一突きで、鎧ごと敵の体を穿つ貫通撃を狙います!
攻撃後は素早く槍を抜いて後ろに跳び退き一撃離脱しつつ、反撃に対処
斧に≪神威の光≫を当てて直撃前に爆発させた上で、爆風を盾で防ぎます
敵の技を凌いだ後は再び攻勢に転じ、討ち滅ぼすその瞬間まで隙を見ては繰り返し仕掛けてゆきましょう
あなたが勝利の栄光に浴することはありません
名もなき怪物として、奈落の深淵へと墜ちなさい!
クロエ・アルニティコス
かつてエルサレムにあった闘技場。トループス級からアヴァタール級への昇格はあの地のギリシアの神々の像が可能にしているとされていました。
よりギリシア本土に近いオリンピアにはより多くの、力を持つ神々の像があることでしょう。オリンピアの競技会はあれをより強化されたものと考えてよさそうですね。
お前は負けたらしいですが。
神々の名と力を利用しようとするその不遜の報い、教えてあげましょう。
【ヒュドラ・アマランサス】を使用し、ヒュドラを象った怪物を作り出します。ヒュドラの多頭による巻き付き、締め上げ、そして毒の牙による物理攻撃で攻撃を行いましょう。
斧で叩ききられようとヒュドラの再生力で何度も生え変わらせ、絶えず攻撃を続けます。
私の元まで反撃の斧が届いたなら守護の赤薔薇による防壁で防ぎ、少しでも傷を浅くしましょう。
丈に合わぬ野望を抱いたまま、死んで下さい。
●亜人の盾は怒り猛る
「『オリンピア大祭』とは本来、クロノス様の御子にして、神々の中で最も栄ある神ゼウス様に捧げられし祝祭」
アヴァタール級亜人『『トロル兵団』アルギュラスピデス』の前に出でてそう口を開くと、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は、言葉を続ける。
「『亜人』の悪辣な目的の為に、冒涜されてよいものではないと知りなさい。穢れた足で、神聖な競技場へと踏み入った罪に、わたし達が今ここで裁きを与えましょう!」
神の加護を受けし≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫を両の手に、エイレーネがアルギュラスピデスから視線を外さずに、距離を測る。
「かつて、エルサレムにあった闘技場。『トループス級』から『アヴァタール級』への昇格は、あの地のギリシアの神々の像が可能にしているとされていました」
声音こそ静かだが憎悪をたっぷりと乗せ、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)もアルギュラスピデスへと言う。
「より『ギリシア本土』に近い『オリンピア』には、より多くの──力を持つ神々の像があることでしょう。オリンピアの競技会は、あれをより強化されたものと考えてよさそうですね」
推測の域を出ないが、アルギュラスピデスの言葉からもその考えはおおよそあっているのだろうと、クロエは感じる。
「お前は、負けたらしいですが。神々の名と力を利用しようとするその不遜の報い、教えてあげましょう」
「小娘が知った風な口をききおって! 俺は、この『サナア大灯台』の最後の盾にして、最後の剣! 貴様ら如きに遅れをとると思うなぁ!」
クロエとエイレーネの侮辱としか取れぬ言葉に、アルギュラスピデスは握る戦斧に力を込める。
「力しか信じれぬ、愚鈍な将。お前は、丈に合わぬ野望を抱いたまま、死んで下さい」
言うと、クロエは『アマランサス』の種に、魔力と尽きることのない憎悪を注ぎ、ギリシャ神話の怪物『ヒュドラ』を植物から作り出す。
「ヒュドラの多頭に締め上げられ苦しみの悲鳴を上げ、そして──その毒牙によって死になさい」
植物で出来た獰猛な無数の蛇は、アルギュラスピデスの鎧や盾を絡めとり、身の丈程の戦斧すらも意味を成さぬように次々に襲い掛かり、その鋭い歯牙持つ頭を斬られても新たな歯牙を生やし、連続で牙を立て、猛毒をアルギュラスピデスの身体に流し込む。
クロエの作り出した『ヒュドラ』がアルギュラスピデスの動きを止め、その戦斧が動きを止めた絶好のタイミングで、エイレーネは狙い定まらぬほどの高さまで飛翔し、アルギュラスピデスの頭上を越え背後に回る。
アルギュラスピデスとの盾使い同士の真っ向勝負を狙うように見せかけ、最上の流星をその全身で撃ちだす為に、≪神護の長槍≫を低く構え、燃え盛る炎をその身に纏うエイレーネ。
「この身を燃え盛る流星と化してでも、人々に仇なす者を討ちます!」
強い信仰心が生み出した加護は、エイレーネの身を超加速させ、赤き流星の軌跡を描きアルギュラスピデスを鎧や盾ごと槍の一突きで刺し貫きその身を穿った……かに見えた。
確かな手応えはあった、だが一撃離脱しようにも、アルギュラスピデスのトロルの肉壁には≪神護の長槍≫を抜かせまいという確かな意志の力が加わっていた。
思った以上の力にエイレーネは、即座に≪神威の光≫を爆発させ、その隙に長槍から手を放すが、僅かに遅かった。
「俺の力を見くびるな小娘! 俺は、ジェネラルに手を伸ばそうとするものだぁ!」
強く叫ぶとアルギュラスピデスは、力の限りでクロエのヒュドラを引き千切り、手にした戦斧を離れようとするエイレーネの胸へと渾身の力で投げつける。
神の加護など、力の前では無意味であるということを証明するように、エイレーネの身が赤き血に染まる……言葉、いや声すらも出せぬままエイレーネは地に落ちる。
「エイレーネ!」
予想だにしなかった強力なアルギュラスピデスの反撃、そしてエイレーネが赤く染まる様を目にし、魔女たるクロエの心が僅かに揺れてしまう……そのほんの僅かな動揺がアルギュラスピデスの動きを縛る力を緩めた。
クロエが気付いた時には、ヒュドラに巻かれたアルギュラスピデスの身体が、眼前まで迫っていた。
直ぐに守護の赤薔薇で防御を試みるが、アルギュラスピデスの戦斧は力のみでその花弁を散らせ、クロエの左肩に深く深く傷を作る。
「……はあ、はあ、小娘どもが! 調子に乗るなぁ! 俺一人になろうと、貴様等は全て殺す! それが、イスカンダル様の兵たる俺の役目! 貴様らは『蹂躙』の対象でしかないのだっ!!」
エイレーネとクロエの攻撃は確実に、アルギュラスピデスの身に大きなダメージを与えていた。
だが戦斧を握るアルギュラスピデスは荒く息を吐きながらも、怒りをその両目に宿し、地に落ちたエイレーネとクロエを忌々し気に見るのだった。
※重傷者:2名
『エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は重傷を負った』
『クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は重傷を負った』
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
ディアナ・レーヴェ
…ね、銀は魔除けなのよね。(相手の鎧と楯を見てふっと呟く)
知ってるわ。私の隊でも、銀の弾丸ってお守りにしてた。
どんな相手でもちゃんと殺せるようにってお守り。
(あと実は、私の髪の色も銀色だ)
ま、そんな話はいいわ!
とにかく今は、このジェネラル未満を倒さないとね。
使う技は【Zählen bis drei】。パラドクス中の『嘘』は――
「なら、アルミラージを葬ったこの必殺の魔法であなたもやってあげましょう!」
「(空を指し)雷鳴よ、堕ちなさい!」
…
うん、何も起きないわよ?だって私は雷鳴魔法なんて使えないもの!
そうやって嘘で注意を数秒お空に向けて貰った所で、普通に火砲で撃つだけのパラドクスよ!
えぇ、単なる火薬と鉄の物理攻撃っ!
っていうか私そもそもアルミラージ戦、参加してない。(シレッ)
突撃はギリギリまで引き付ける。
躱せるなら躱せるけど、どちらかといえばそうやって引き付けた所でその背を他の味方に狙って貰いたい所!
※銀の弾丸を実際に撃つ事はありません。色々あって彼女はその『お守り』を失くしてしまいました。
●嘘に隠した過去と目の前の敵
アルギュラスピデスの窮地からの反撃に、流石のディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)も、一瞬表情を固くするが、重傷者を仲間達が戦場から救出するのを確認すると、柔らかく息を吐き普段の表情で、アルギュラスピデスに言葉を掛ける。
「……ね、銀は魔除けなのよね」
怒気を隠さぬアルギュラスピデスの鎧と盾を指し、ディアナは表情に微笑を湛えながら呟いた。
「知ってるわ。私の隊でも『銀の弾丸』って、お守りにしてた。どんな相手でもちゃんと『殺せる』ようにってお守り」
言葉と共にディアナの長い銀髪が風に揺れる──今は失くしてしまった『銀の弾丸』───かつて自分を守ってくれた大切なお守り。
「ま、そんな話はいいわ! とにかく今は、あなた……アルギュラスピデスとかって名前だったかな? ジェネラル未満のあなたを倒さないとね」
揶揄うように言葉を紡ぎながらも、ディアナはアルギュラスピデスを『殺す』相手として強く見つめる……多くの時間はかけられない。
「Eins, zwei, drei ――」
ディアナがドイツ語で3つ数えた時、そのパラドクスは力を発揮する。
「『黒角のアルミラージ』を葬った、この必殺の魔法であなたもやってあげましょう!」
その言葉にアルギュラスピデスは魔法を弾き返す大盾を構え直す……ディアナの目から見ても戦う意志は消えていない。
(「そんなに気を張っていたら、簡単に『嘘』に騙されちゃうわよ」)
「雷鳴よ、堕ちなさい!」
如何にも頭上から雷が降るかのような動きをディアナが見せれば、アルギュラスピデスは大盾を頭上へと向ける。
「あら、上なんか向いちゃって大丈夫? うん、何も起きないわよ? だって、私は雷鳴魔法なんて使えないもの! 本命はこっちよ!」
アルギュラスピデスの意識が空へ向いた瞬間に、ディアナは構えた『手持ち式重キャノン』の引鉄を引く。
「えぇ、単なる火薬と鉄の物理攻撃っ! っていうか私、そもそも『アルミラージ戦』に参加してないしっ!」
悪びれる様子もなくディアナは言うと、派手な音を立てアルギュラスピデスに向け鉛玉を撃ち放った。
その不意打ちからの砲撃にもアルギュラスピデスは果敢に突撃してくるが、それもディアナの予想の範疇だ。
「私は全力で躱させてもらうわ。正面から受けて、太刀打ち出来そうな攻撃じゃないもの! 最終的にあなたを倒せば、私達の勝ちなんだよ!」
必ずしも自分が止めを刺す必要はない……ディアナは一人でこの戦場にいる訳ではないのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
六宮・フェリクス
さてはて。曰く、『役に立つ配下』は既に居なくなった。
あの地での敗北の理由など、「奴が上手であった」というだけでしかなかろう。それが紙切れ一枚の厚みでも、選ばれたのはお前ではなかった。
悔いる事と負け惜しみはまた別の事――
…なぁんてな?
さあてどうもデカブツなハニーくん。退いてもらうか、あるいは『悔いて』もらって構わんか?『天使サマ』のお通りだぜ♡
鎧だ盾だと御大層だが…魔法を弾く?ならば、ぶつけるべきは物理だよなァ! そう…ただ、撫で斬るだけだ。なぁ『閃光』?
…その図体、格好の的だぜ。一刀両断、【命中アップ】を載せて――『絶閃』。その盾ごと、断ち切ってやろう!
盾だろうが実質鈍器だからなァ、正面から受ければお察しだ。なるべく威力を削げるよう、せいぜい己へ「祈ろう」じゃないか!
…俺らは痛みなんかでは止まらんぞ。よく知っていることだろう?【反撃アップ】でお返ししてやらァ、貴様が細切れになるまでな!
●全てを断つ剣閃
「さてはて。曰く、『役に立つ配下』は、既に居なくなった。そして、自称ジェネラル級あと一歩様もズタボロだ」
ふらりとアルギュラスピデスの前に立ち、六宮・フェリクス(An die Freude・g01325)が、語り部のように言葉を続ける。
「あの地での敗北の理由など、『奴が上手であった』というだけでしかなかろう。それが紙切れ一枚の厚みでも、選ばれたのはお前ではなかった。悔いる事と負け惜しみは、また別の事──なぁんてな?」
芝居かかった語り口だったからか、フェリクスの語ったことが、自身とアルミラージのことを指しているのだと理解するのにアルギュラスピデスは数秒の時間を要した。
そして、その言葉が明らかな侮辱であると知ると、アルギュラスピデスは怒りと共にフェリクスを睨み据える。
だが、そんな視線を気にすることなくフェリクスは満面の笑みを見せる。
「さあて、どうもデカブツなハニーくん。退いてもらうか、あるいは『悔いて』もらって構わんか? 『天使サマ』のお通りだぜ♡」
どんな時でも、どんな相手でも、不遜にフェリクスは揶揄うように言葉を告げる──言葉の裏の殺意を覆い隠すように。
「鎧だ、盾だと御大層だが……魔法を弾く? ならば、ぶつけるべきは物理だよなァ! そう……ただ、撫で斬るだけだ。なぁ『閃光』?」
アルギュラスピデスに言葉を掛けているようで、その実フェリクスが『声』を聞こうとしているのは、自身の相棒たる黒刃の日本刀『閃光』だ。
「……その図体、格好の的だぜ。仲間達が、アルギュラスピデス──お前をここまで追い詰めた。最後に俺がお前の全てを断つ。一刀両断『絶閃』。その盾ごと、断ち切ってやろう!」
(「盾だろうが実質鈍器だからなァ、正面から受ければお察しだ。反撃されたら俺も重傷者の仲間入りってなァ。ならば、せいぜい己へ『祈ろう』じゃないか!」)
アルギュラスピデスが盾を大きく振りかぶり、フェリクスへと真っ直ぐ駆けてくるのが見える。
勝負は一瞬で決まると、フェリクスにはそう思えた。
「……俺らは、痛みなんかでは止まらんぞ。よく知っていることだろう? 貴様の全てを一刀のもとに──断ち切る!」
フェリクスは上から下へと黒の『閃光』の軌跡を残し黒刃を振り下ろした。
その黒き剣閃は、アルギュラスピデスという名の亜人を盾や鎧……そして驕り諸共、真っ二つにした。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
ディアナ・レーヴェ
ゴブリンに対して調査をかけたい人も居るのよね?
なら、私が先行して正面から殴り込みかけるわ!
まずはファロスの光に近接していなくて狙いやすそうな奴らから、パラドクスで一撃。
さ、楽しい逢瀬はそこまでよ!
(奴らの戦闘力は高く無いと聞いてる。…六宮が実力差を強調感じで情報収集するみたいだし、私は敵が口を閉じる気も起こらないよう、しっかり強さを示さないとね)
見た目はただの女だから私は最初は舐められるでしょうけど、
戦場を駆け回りつつ、淡々とパラドクスで狙って敵の頭部から容赦なく潰していくわ。
手慣れた調子で。
敵の音楽は――実は内心「綺麗ー…」とは素直に思っちゃうんだけど、その気持ちは努めて表情には出さないよう胸の内に留めておく。
転がった楽器を踏み潰しながら、まるで効いていないフリして冷たく微笑んで「汚いわね」とでも吐き捨てましょう。
一つ一つ、敵の命と戦意を潰していくわ。
(全く、今日は何だか悪役風ね! …こういう時に手段は選ぶなとは教わってるし、実際、正義ってつもりでもないから、別にいいんだけどねっ)
●ゴブリンは愛に生きる
『サナア大灯台』の階段を駆け上がりながら、ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)が、仲間達に確認するように訊く。
「ゴブリンに対して、調査をかけたい人も居るのよね?」
その問いに頷く仲間を見、ディアナは更に言葉を続ける。
「なら。私が、先行して正面から殴り込みをかけるわ!」
『ファロスの光』が『灯台頭頂部』に設置されていることは、分かっている。
そして、『ファロスの光』を警備及び管理しているのは、トループス級『ゴブリン音楽隊』のみで戦場となる場所も広くない。
一気に殲滅することもそう難しくないと考え、まずディアナがぶちかますことに決める。
「ここが、頭頂部……。あれが、『ファロスの光』ね」
ディアナの視線の先、数体の陽気なゴブリンが綺麗に磨く、高速で回転する黄金正二十面体のクロノ・オブジェクト……『ファロスの光』で間違いない筈だ。
(「それじゃ、一撃行くわよ!」)
『ファロスの光』から、少し離れたゴブリン達に狙いを定め、ディアナはパラドクスを発動する。
「仕掛けは、ひーみーつっ!」
言葉と共にディアナはゴブリン達の真上へと砲を撃ち放つ。
そして、ゴブリン達がディアボロスの襲撃に浮足立った頃、何故かゴブリン達は砲弾の落下位置に居り、頭上からの砲撃を受けその攻撃で、愉快なゴブリン数体は下半身を晒して、命を落とす。
その事実に更に慌てる『ゴブリン音楽隊』の皆さんだが、それを制すようにディアナが宣言する。
「さ、楽しい逢瀬はそこまでよ!」
「ディアボロス! なんで!? いつも威張ってるトロル達はどうしたんだ!」
「俺達の愛しい愛しい『ファロスの光』を守るんじゃなかったのか!?」
慌てきっているゴブリン達を見ながら、訊いていた情報が間違っていなかったことをディアナは再確認する。
(「戦闘力は高く無いと聞いていたけど、本当に管理してるだけって感じね。……六宮が、実力差を強調した感じで、情報収集するみたいだし、私はゴブリン達が口を閉じる気も起こらないように、しっかり強さを示さないとね」)
ディアナがそう考えていると、愛する『ファロスの光』を守ろうと、勇気あるゴブリンの皆さんが各々の楽器を手にディアナの前に立ち塞がる。
「ディアボロスだろうと、女なら『蹂躙』す、するぞー! 俺たちは!!!」
「オウ! イェー!!」
「『ファロスの光』は俺達の愛だー! ドゥエィ!!」
(「女だから、最初は舐められるかなとは思っていたけど、中々勇気があるみたいね。腰は引けてるみたいだけど」)
思いつつも、ディアナに『容赦』の二文字は全くない!
最低限『ファロスの光』に流れ弾が飛ばないよう戦場を駆け回り、頭上から砲撃でゴブリンを潰していく。
その様は手慣れた様子であり、ゴブリン達がディアナの心に引き裂かれるほどの情動を満たす暇がないほどに、淡々とゴブリンの数を減らしていく。
ゴブリンの割に意外と奏でる音楽は美しく、ディアナも内心『綺麗ー……』と素直に思わなくもないのだが、それはそれとして、その感情は努めて表情には出さず、ゴブリン達がディアボロスに恐怖を抱くように、戦闘マシーンのような表情を頑張って作るディアナ。
「ま、負けるか……ファロスのひ……っ!?」
砲撃の衝撃で落とした楽器を拾おうとした楽器にゴブリンが手を伸ばした瞬間、ディアナは冷たい瞳でその楽器を無常に踏み潰し一言吐き捨てる。
「……汚いわね」
(「全く、今日は何だか悪役風ね! ……こういう時に、手段は選ぶなとは教わってるし。実際、正義ってつもりでもないから、別にいいんだけどねっ」)
完全にゴブリンの戦意を潰す為とはいえ、何とも言えない気持ちになるディアナだった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
六宮・フェリクス
(連携前提、②後に行動)
どうもーゴブちゃん共お疲れ様ですー。既にお察しとは思いますが、アンタらのカシラ両断して参りましたー。
さて、先ほど既に味わわれたように、オレちゃん達はごらんの通りの強さなわけだが…
ここからは『亜人』の尺度で話をしようじゃねーか
オレらとの実力差ってのは、流石にご理解頂けるよなぁ?
脅しが必要ならくれてやるが…今のお前らに必要なのはオレちゃんからの脅しじゃなく、命か名誉だよな?
ひとつ、チャンスをやろう。
お前らが心底大切になさってるファロスの光。繁殖以外に利用価値があるな?
アルミラージ曰く『大灯台に戻れば傷を癒せる』みたいに言っててなぁ
お前らがそーんなに綺麗に磨く理由だとか…な?わかるだろ?
さーて挙手〜。最も有益な回答をしたヤツは見逃してやらんでもないぞ〜♡
…でなけりゃ、クソデカ光輪お見舞いするぞ♡
(まあ…見逃すとか、当然嘘なんで。手上げようともマトモに聞く気は、無い!
言わねーよ、なーいしょ!アハハ!)
●愛しの光
割としっかり戦意を失い、今にも逃げ出しそうなトループス級亜人『ゴブリン音楽隊』もいる中、妙に弾んだ声がゴブリン達に掛けられる。
「どうもーゴブちゃん共、お疲れ様ですー。既にお察しとは思いますが、アンタらのカシラ両断して参りましたー♡」
その言葉通り、アヴァタール級亜人『『トロル兵団』アルギュラスピデス』を真っ二つにした、六宮・フェリクス(An die Freude・g01325)が愛嬌のある声でゴブリン達に言葉を続ける。
「さて、既に味わわれたように、オレちゃん達は御覧の通りの強さなわけだが……ここからは、『亜人』の尺度で話をしようじゃねーか」
恐怖を与えてからの対話……つまり、恫喝である。
「オレらとの実力差ってのは、流石にご理解頂けるよなぁ?」
フェリクスの笑顔を含めた問いが、ゴブリン達に一層恐怖を与えているようだ。
「脅しが必要なら、くれてやるが……今のお前らに必要なのは、オレちゃんからの脅しじゃなく、命か名誉だよな?」
「命か……名誉だと?」
ゴブリンの一体がフェリクスに訊く。
「ひとつ、チャンスをやろう。お前らが、心底大切になさってる『ファロスの光』……繁殖以外に利用価値があるな? 『黒角のアルミラージ』曰く『大灯台に戻れば傷を癒せる』みたいに言っててなぁ? お前らが、”そーんなに”綺麗に磨く理由だとか……な? わかるだろ?」
フェリクスの問いに顔を見合わせ、口を開くべきか迷いを見せるゴブリンも見て取れる。
ここは、ダメ押しの時である。
「さーて挙手〜。最も有益な回答をしたヤツは、見逃してやらんでもないぞ〜♡ ……でなけりゃ、クソデカ光輪お見舞いするぞ♡」
その言葉に、ゴブリン達が一斉にバラバラにそれぞれ『ファロスの光』について話し出す。
「『ファロスの光』は、『イスカンダル大王』様が『亜人』に与えてくれた『愛の結晶』なんだよ!!」
「愛しい愛しい『ファロスの光』」
「『ファロスの光』が輝いていなければ、イスカンダルから愛は無くなってしまう!」
「そう! 『ファロスの光』は愛だ!!」
「歌うぜ、おまえら―!!」
掛け声と共に、ディアボロスの前でいきなり愛の歌を歌い、腰を突き出し踊り出す、ゴブリン達。
『イエィ♪ イェイ♪ イェイ♪ ノンストーップ!! ドゥイ! ドゥイ! ドゥイ! ドゥイ! 孕ませろー!!』
(「あらら、なんか始まっちまったぜ。何か隠してる様子もなさそうだし……こいつ等、本当に何も知らないみたいだな」)
フェリクスとしても、挙手したら見逃すなんてことはなく、当然嘘な訳で、まともに命乞いを聞く気も無ければ、あとは笑って、殲滅するだけだったのだが。
その時、何故か歌に参加せず、ただぼんやり『ファロスの光』を見ていたゴブリンの言葉が、フェリクスの耳にハッキリと入った。
「ゴブリンが生まれるのも、成人して子供を産ませられるようになるのも、全部全部、この『ファロスの光』のおかげなのだもの……愛しい愛しい『ファロスの光』」
「全部ってどういうことだ?」
フェリクスがそのゴブリンに睨みを利かせて訊く。
「全部は全部だ。だから俺達は『ファロスの光』を磨いて輝かせる、名誉ある仕事をしていたんだ」
(「こいつ等の愛がなんだは、よく分からんが……『亜人』の言う『全部』を補うほどの『クロノ・オブジェクト』ってことなのか……『ファロスの光』は? 輝くことにも意味があんのか?」)
フェリクスの疑問は尽きないが、これ以上は推察の域を出ないことをフェリクス自身が理解していた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
六宮・フェリクス
有益な情報ありがとさん!なるほどね?オレちゃんちょーっと賢くなったかも。
やー、ホント実にいい音楽なことで…おかげさまで…やる気が出てきた。
すまんなァ。…見逃してもいいが。殲滅せねばと本能が疼く
戦意ほぼ喪失してる相手にこーんなこと言うのも何だがな…
お前たちもそうだろ?蹂躙と破壊、それらが恋しいだろ。
ここから出ればお前たちはその仕事に戻る…そうだよな?
それこそが、お前たちと戦う理由だ。
つーことで…
効果もバッチリ積み重なっておりまして!
【命中アップ】・【先行率アップ】重点、火力増強!
【防衛ライン】使用、階段封鎖!一匹たりとも逃さんぞ!
さァお約束通りのクソデカ光輪だ!
An die Freude、歓喜せよ、諸人よ!
歌え、歌え!オレの『歌声』と『光』に耐え切れるってんならなァ!
光量はお前らの愛する光ほどじゃァねーが、焼き尽くすにはうってつけの光だぜ!
…約束を違えた事、悪く思ってくれて構わんぞ。アッハッハ!
一里塚・燐寧
んふふ、生涯最後のお話を楽しんだかなぁ?
そんじゃあ、きみ達にはさっさと死んでもらうよぉ
大灯台が奪われました、なーんて、行く先々でベラベラ喋られても面倒なんでねぇ~
『呪式:魂業輪罪』を発動し、丸ノコのような刃を手元に生成
フリスビーよろしくヒョイっと投げて、ゴブリンにぶち当てるよぉ
刃が肌にちょっとでも食い込んだら最後、鋸刃が回転しながら体内に潜り込んでいくよぉ
ザクザク削って骨まで断ち切る斬撃で、真っ二つにしてあげちゃお
敵の技に対しては、クロノヴェーダへの敵意を燃やして、他の情動を塗りつぶすことで耐えるねぇ
あは。まあまあ上手いけど、そんくらいの演奏なら世の中に溢れてるよぉ
ずーっと安全な部屋に籠ってたせいで、批評ってもんを受けてないんじゃない?
そりゃあ伸び代もなくなるってワケだよねぇ
いやー、よかったじゃん?
大好きなファロスの光を見ながら死ねるなんてさ
●光の奏鳴曲
「有益な情報ありがとさん! なるほどね? オレちゃん、ちょーっと賢くなったかも」
『ファロスの光』に関して『ゴブリン音楽隊』に尋ねた、六宮・フェリクス(An die Freude・g01325)は、ゴブリン達に満面の笑みを向け言った。
「やー、ホント。実にいい音楽なことで……お陰さまで……やる気が出てきた」
ゴブリン達でも分かる。
フェリクスの『やる気』は『殺る気』なのだと。
「話が違うぞ! 俺達の『ファロスの光』への『愛』を教えれば見逃してくれるんじゃなかったのか!」
フェリクスは、『ファロスの光』の『情報』を聞いたのであって、ゴブリン達の『愛』など聞いていないのだが、所謂『解釈違い』というやつだろう。
「すまんなァ。……見逃してもいいが。お前たちを、殲滅せねばと本能が……疼く。戦意をほぼ喪失してる相手に、こーんなことを言うのも何だがな……」
猛禽の瞳でゴブリン達を下に見ながら、フェリクスが声を低くして言葉を続ける。
「お前たちも、そうだろ? 『蹂躙』と『破壊』……それらが恋しいだろ? ここから出れば、お前たちはその仕事に戻る……そうだよな?」
ゴブリンの雑兵とはいえ、フェリクスの目の前にいるのは『亜人』なのだ。
逃がしたところで有益なことはなく、また人々を『蹂躙』し、多くの悲劇を生むことは目に見えているのだ。
「だからな……それこそが、お前たちと戦う理由だ」
フェリクスの瞳には、人間特有の『弱さ』や『慈悲』、そして『哀願』の感情など見て取れない。
ゴブリン達も『亜人』として戦うしかないと覚悟を決めた時、揶揄うようにマイペースな声がゴブリン達に投げられる。
「んふふ、生涯最後のお話を楽しんだかなぁ? そんじゃあ、きみ達にはさっさと死んでもらうよぉ」
揺れる桜色の髪をゴブリン達の目に映し、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)はふわりと笑う。
「『大灯台』が奪われました、なーんて。行く先々で、ベラベラ喋られても面倒なんでねぇ~」
『情報』とは、形こそないが『価値』のあるものである。
それが、『真実』でも『嘘』であろうとも、情報が『亜人』……特に『ジェネラル級』以上に早く渡ってしまえば、ディアボロス達にとって、不利益が生じる可能性は低くない。
だからこそ、ゴブリンであろうと殲滅することには意味があるのだ。
「これが、きみ達をあの世に連れてく、天使の輪っかだよぉ!」
言って、燐寧はパラドクスを発動すると自身の奥底から湧き上がる呪詛を実体化させ、禍々しい紫色の全てを非情に切り裂く丸鋸上の刃を手元に生成する。
「それじゃ、愛の果てに死ぬお時間だよぉ」
燐寧は軽く笑って言うと、フリスビーを投げるように軽く、だが鋭くその刃をゴブリン達に投げつける。
その刃は、燐寧の意志の下、ゴブリンの肌に食い込むと回転速度を上げ『ザクザクッ』と音を立てながら、ゴブリンの骨ごと削り、首を身体を次々に両断していく。
ゴブリン達も必死に抵抗するように、それぞれ手にした楽器を吹き鳴らし、燐寧の心を引き裂くほどの情動で満たそうとするが、燐寧は心を敵意で満たし、ゴブリン達が奏でる情動が入る隙間を作らぬようにする。
「あは。まあまあ上手いけど、そんくらいの演奏なら世の中に溢れてるよぉ。ずーっと安全な部屋に籠ってたせいで、批評ってもんを受けてないんじゃない?」
次々に燐寧の刃で絶命していく仲間達を見ながらも、ゴブリン達は演奏を続けている……燐寧の言葉を聞く余裕がないほどに。
「そりゃあ、伸び代もなくなるってワケだよねぇ」
緩く言葉を投げながらも、燐寧の呪詛の刃は止まることなく、次々にゴブリン達を強襲する。
「でもさ、よかったじゃん? 大好きな『ファロスの光』を見ながら、死ねるなんてさ」
愛しく思いその生涯を懸けて管理してきた『ファロスの光』の傍で死ぬこと、そんな願いを抱いても叶わぬものも多いのだ。
だから、このゴブリン達は幸せなのかもと、燐寧は少しだけ本心で思っていた。
「燐寧センパーイ、俺の分もちょっとばかり残しといてほしいな……俺のやる気も、火力も充分バッチリ積み重なっておりまして!」
戦場に広がる残留効果を全てその身に利用し、上ってきた階段は【防衛ライン】を使用して、完全に封鎖した。
一匹たりとも逃さない……強い意志を言葉に、フェリクスはゴブリン達に宣告する。
「さァ、お約束通りのクソデカ光輪だ! 『An die Freude』……歓喜せよ、諸人よ! 歌え、歌え! オレの『歌声』と『光』に耐え切れるってんならなァ!」
背に巨大な光輪を出現させたフェリクスは、その閃光と極光をもって、ゴブリン達を焼き払っていく、神の裁きであるかのように。
「光量は、お前らの愛する『光』ほどじゃァねーが、焼き尽くすには……うってつけの『光』だぜ!」
『ファロスの光』は回転を続け強く光を放ち続けている。
その光をゴブリン達は二度とその目に映すことなく、次々と自分達に『死』を与える光を浴び息絶えていく。
「……約束を違えた事、悪く思ってくれて構わんぞ。アッハッハッハッハー!」
『サナア大灯台』にフェリクスの笑い声が響く……その最中にも、『ファロスの光』は動きを止めず光を放っていた。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】がLV3になった!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
クロエ・アルニティコス
ゴブリンどもから聞いた話から予測はできますが、あくまで予測の域は出ませんね。
ただ……そうですね。
もう1か所、死海の大灯台でもファロスの光を磨くゴブリンがいたと聞いています。
ゴブリンの頭の程度は知れていますが、頭の回る奴が磨き上げるための人員を配置しているならそれは意味があること。
例えば物理的に光が届く範囲がファロスの光の力を及ぼせる範囲というなら、磨き上げることにも意味があります。
もしかすると大灯台がカバーしている範囲から他の大灯台の場所を予測できるかもしれませんね。
と、まずは今しかできないことをしましょうか。
港区のオベリスクのように、【無鍵空間】で起動させることができるか探りましょう。
起動したかの確認はファロスの光の輝き方や、ゴブリンどもの傷や、ナイフで自分につけた切り傷が治癒するか、その他変わったことがないかで確認。
あとは逆に、今が起動状態だとするなら効果を切ることもできないでしょうか。どこからかエネルギーを得ているならそれがなくなれば切れるとは思いますが……
ディアナ・レーヴェ
※全ては慎重に少しずつ。様子が変なら止める、引き剥がす、張り倒すは徹底!
起動と停止の条件、か。
…これ、本当に磨いてただけかしら?
『濡らしてた』だったりしない?
(正二十面体。プラトン立体。その対応は『水』)
残された水桶や【水源】の水かけて、またわざと乾いた状態にして、輝き等の反応を試すわ!
ああ、ついでに光を「拭く」ことで気分に変調あるかも確かめましょう?
それから、運ぶ為の前準備
縦・横軸に動かし、反応や重さを確かめて
後は時間の限り観察を!
光の本体は、眩しいならサングラスも持込んで、飛翔使用で満遍なく見るわ
…立体の各辺各面に割れや透けはない?
分解できれば運搬的に嬉しいし、何より内部が気になるわ。
耳つけて音も聞きましょう、触って震えも確かめましょう
…。だってー
愛の結晶って言ったら赤ちゃんだもの。
(小声。推測というか感情か、これは)
台座周辺も見れたらいい
装飾や様式、神話的な雰囲気あるかとか
…バベルの塔の庭園と果樹、それと男の人の欲を駆り立てた所ね、プリアポスかなって思ったの。
この灯台は特徴ないの?
●クロノ・オブジェクト『ファロスの光』
直径3m程の黄金の正二十面体のクロノ・オブジェクト『ファロスの光』は、『亜人』の居なくなった『サナア大灯台』にあっても、宙に浮き、高速で回転を続けていた。
その『ファロスの光』の周囲でディアボロス達は、それぞれの推察を口にし調査を開始する。
今回は、あくまで『どんな方針で調査をすべきかを『攻略旅団』で提案する為の予備調査』ということになっている。
大きな発見は多くないかもしれないが、実際に『ファロスの光』を調べることで、新たな発見や新たな気づきに至る可能性もある。
だからこそ、それぞれの考えを言葉にすること、それぞれの方法で調査することは意義のあることだろう。
「ゴブリンどもから、聞いた話で予測は出来ますが、あくまで予測の域は出ませんね」
クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は、そう前置きして自身の考えを口にする。
「ただ……そうですね。もう一か所、『死海の大灯台』でも『ファロスの光』を磨くゴブリンが居たと聞いています」
『死海の大灯台』の『ファロスの光』は作戦の関係上、調査もそこそこに破壊せざるを得なかった。
だが、今回は『サナア大灯台』を制圧し、こうして『ファロスの光』を無傷で確保することが出来たのだ。
クロエとしても『最終人類史』に於いて、この『ファロスの光』を有効活用出来るのであれば、活用したいと思っている。
「ゴブリンの頭の程度は知れていますが、頭の回る奴が磨き上げるための人員を配置しているならば、それは意味があること。例えば、物理的に『光』が届く範囲が『ファロスの光』の力を及ぼせる範囲というなら、磨き上げることにも意味があります」
ゴブリン達は、『ファロスの光』を磨き輝かせることを『名誉ある仕事』と言っていた。
ならば、その仕事を与えたものがいる筈だ。
可能性が高いのは、この『蹂躙戦記イスカンダル』の『断片の王・イスカンダル』もしくは、知能の高い『ジェネラル級』ということになるが。
「もしかすると『大灯台』がカバーしている範囲から、他の『大灯台』の場所を予測できるかもしれませんね」
自身の考えとして、クロエはそう言葉にするが、これに関しては憶測の域をどうしても出ない。
何故なら、この『蹂躙戦記イスカンダル』に幾つの『大灯台』が存在しているのかが明確化しておらず、その場所も特定出来ないからだ。
「まずは、今しか出来ないことをしましょうか」
言うとクロエは、【無鍵空間】を使用し、『ファロスの光』を起動させることが出来るか確認する。
港区の『オベリスク』は、この方法で起動できたのだから、クロノ・オブジェクトである以上、何かしらの変化があるのではないかと、クロエは考えていた。
だが、『ファロスの光』に変化はなく、自分達の外傷が治癒する等の変化も特には見られない。
「……逆に考えましょうか。今が起動状態だとするなら、効果を切ることは出来ないでしょうか。どこからかエネルギーを得ているのなら、それがなくなれば切れるとは思いますが……」
だが、調べる限り『大灯台』側に、『ファロスの光』を制御するような装置は存在していないようだ。
ゴブリン達はあくまで『管理』していただけで、自分達の意志で『制御』していた訳ではなかったと考えるのが、正解なのだろうとクロエは思考する。
「『起動』と『停止』の条件、か」
ディアナ・レーヴェ(銀弾全弾雨霰・g05579)は、『ファロスの光』に近づき考えを巡らせていた。
「……これ、本当に磨いてただけかしら? 『濡らしてた』だったりしない?」
ディアナが『ファロスの光』と接触するのは二度目だった。
先の『死海の大灯台』の『ファロスの光』も、ディアナは見ているからだ。
『正多面体』所謂『プラトン立体』は、正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体の五種類しか存在しない。
その定義に於いて、水が関わることもあることから、ディアナは『ファロスの光』に水をかけた時の反応と乾いた時の反応で、『ファロスの光』に変化があるかを確認する。
「水を拭いても特に変化なしね。『ファロスの光』は、『ファロスの光』単体で完成したクロノ・オブジェクトと考えていいようね」
そう思考しながら、ディアナは思い出したように『ファロスの光』の台座を確認する。
「装飾や様式で作られたディヴィジョンと時代が分かるかも。……『バベルの塔』の庭園と果樹、それと男の人の欲を駆り立てた所ね、プリアポスかなって思ったの。この『大灯台』に特徴は、ないのかしら?」
ディアナはクロエ達と話すうちに、この『大灯台』の役割を『ファロスの光の台座』であると結論付ける。
「『ファロスの光』は、高い場所に設置する必要があるってことかしら? 『最終人類史』に移動させる事が出来るのなら、設置場所は『大灯台』のように、塔のような高い場所……『東京タワー』とか『スカイツリー』が良いのかもしれない」
そう考えるディアナだが、大前提として大きな問題は『ファロスの光』を運ぶ手段だ。
反応や重さを考えるに、『サナア大灯台』から『ファロスの光』を移動させることは出来そうだが、『ファロスの光』の大きさから、パラドクストレインに乗せることは難しく、現段階で『最終人類史』に『ファロスの光』を運ぶ手段がないのだ。
『ファロスの光』の光が届く範囲と輝きの意味を考えていたクロエもまた、あることに気づく。
「『ファロスの光』は、輝きと共に、なんらかの力を周辺地域に放っているもの。それとは逆に……周辺地域から『ファロスの光』を動かすのに必要なエネルギーも供給されている……?」
推測可能な範囲だが、それならば『新宿島』が蓄えているエネルギーを『ファロスの光』を動かすエネルギーに転用することも可能かもしれないと、クロエは考察する。
●ディアボロスの『ファロスの光』
ディアボロス達は、時間の許す限り『ファロスの光』を調査・観察したが、これ以上のことは分からなかった。
今回、確保した『サナア大灯台』の『ファロスの光』に関しては、『特殊案件攻略旅団ワイルド・カード』及び『蹂躙戦記イスカンダル攻略旅団』で議論したのち、『攻略提案』し、方針を『最終人類史』全体で決める必要があるとディアボロス達は確認しあい、『新宿島』へと帰還するのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV4になった!