リプレイ

舟橋・苺依夢
(トレインチケット)
●ポート・モレスビーへ
海面スレスレを滑るように飛翔し、舟橋・苺依夢(sweet holicᕱ⑅ᕱ・g06048)は、フェルナンデス・ミカ(アイアン・ブレイン・g03347)と敵部隊を哨戒していた。
パプアニューギニアの首都であるポート・モレスビーだが、このディヴィジョンでは、冥海機ヤ・ウマトの拠点であり、オーストラリア近海を荒らしていた艦隊の母港となっている。
「敵も警戒してるんだよね。でも、あの見た目は分かりやすいと思うんだよね」
「そうなのよ。ちょっと、私には理解できないの」
明るく振舞う苺依夢に対し、まだフェルナンデスはもじもじと少し遠慮がちに話す。
偶然にも同じ長い金髪の少女で姉妹のようにも後ろ姿は見えるが、性格は真逆に近い。
だけど苦手とかではなく、もう少しだけ慣れる時間が欲しいのだ。
それに気付いているのだろう、苺依夢も不用意に踏み込んでいかず、時々緊張を解すように軽めの話題や声をかけている。
そんな最中2人は同時に小さく「あっ」と声を上げ、慌てたように一旦退避し距離を取った。
「あれが、流れるイクラ軍艦なのかな?」
「本当にお皿みたいなボードに乗っていたよね?」
それは海流がぶつかり合い渦巻いてる渦潮の中。
ぐるぐる、ぐるぐる……。
流される白いボードに乗った『伊九羅號』は、まさに回るお寿司のイクラ軍艦のように漂っていた。
完璧な擬態なのかも知れないが、場所と大きさが規格外。
「異様な光景だよね」
「隠れてるつもりなのよね?」
あまりの光景に、フェルナンデスの緊張もどこかへ吹っ飛んでいった。
「これ以上近付くと渦の外にも気付くかもね」
苺依夢がそーっと覗きんきんだ様子では、渦の海流にのってるせいか、伊九羅號の居る海面は他より低く凹んでおりディアボロスの接近に気付いていないようだ。
「この場所を連絡するね」
きっとイクラ軍艦がここに居るのならと、フェルナンデスは仲間にパラドクス通信で連絡するのであった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
麗・まほろば
ふぅん、駆逐艦隊かぁ。
戦艦や空母ほどではない……といいたいところだけど、クロノヴェーダの強さや狡猾さに船のクラスは関係ない、か。
油断せずに攻略しないとね!
まほろばは【水中適応】を展開。
本来ならば飛翔や完全視界で波間の敵を視認したいところ。だけど空を飛べば一方的に難しいところだろうし、完全視界はなにより水上走行がないと速度を活かすこともできない。
……しかたない、水中から【まほろばの眼球測距儀】でしーっかりと【観察】するしかない、ね。むむむ。
もし水中を移動しているならば、視界を確保できないとまほろばたちは水中のクロノヴェーダを見つけるのは難しいかもしれない。
そして水上を移動しているならば水中は海面そのものが身を隠す遮蔽物となる。奇襲するにはもってこいだろう。
それはそれとして水上から水底に逃げようとするならば、結果的に先回りもしやすいしね!
さーて、のんびり航海をしてるお間抜けさんはどこかなぁ?
文字通り、足下をすくってやるんだから。
●海中の敵
水上からの通信を受け麗・まほろば(まほろばは超々々々弩級戦艦ですっ!・g09815)は、方向を変えた。
(「完全視界はなにより、水上走行がないと速度を活かすこともできないからね」)
低空飛行で、何とか見つけられて良かった。そんな事を思いながら、水中適応で暗い海を進む。
(「駆逐艦隊かぁ。戦艦や空母ほどではない……といいたいところだけど……」)
明らかに敵の方が有利だ。
(「水中は海面そのものが、身を隠す遮蔽物。奇襲するにはもってこいなんだろうね」)
囮のように放たれた部下に同情するわけではないが、何だか哀れだ。
(「クロノヴェーダの強さや狡猾さに船のクラスは関係ない、か」)
恐らく、水上の部下からそう離れていないだろう。
それに潜水艦型とはいえ、生物である以上特殊な力でも無い限り、状況を確認することも、連絡を取る手段もないのだから。
(「むむむ。やっぱり良く見えないね」)
水中や暗い場所を見通せない今は、パラドクス通信で得た水上の情報が頼りだ。
(「さーて、のんびり航海をしてるお間抜けさんはどこかなぁ? 文字通り、足下をすくってやるんだから」)
必ず近くに潜んでいると、注意深く探せばゆらりと白っぽい姿が視界の端を移動していく
水上しか警戒していない敵は、まほろばに気付いた気配はなくゆうゆうと漂いながら、浮上のタイミングを伺っているようであった。
部下が襲撃されたところを、奇襲しようとしているのかもしれない。
だがこうして姿を補足されている以上、敵の奇襲は成功しないし。この辺りの海底や海域に何か対策されれび、逃亡も出来ないだろう。
水中から攻撃し、また水中へ逃げる。
そんな敵の企みを察しながら、『サーモン級』の姿を岩陰より見つめるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
●回り、そして浮上
大海原を前に、ミーレ・ベルンシュタイン(腕白番長・g00069)はぐるぐると巡る敵の姿を、微妙な面持で眺めていた。
波間すれすれを低空飛翔し飛び散る飛沫が、キラキラとミーレの頬を撫でていく。
ぶかぶかの白ランをはためかせ、彼女は首を傾げた。
ぐるぐる巡るお皿……いや『伊九羅號』の姿に、わんぱくだというミーレも目を瞬かせる。
これは番長として、キッチリ絞めておくべき相手だろうか?
校則違反とは言わないが、ヒャッハーな伊九羅號にはツッコミどころ満載だ。
「よく分かりませんけど、悪いことをする人には、ようしゃしませんわ!」
波を乗り越える様に渦の中へ。
クルリと身体を捻りながら、回る伊九羅號の上へと躍り出たミーレは踵落とし『スターゲイザー』を繰り出す。
一斉にイクラ軍艦の中からモヒカン頭が顔を出し、ビクリとするが勢いは止まらない。
「は、ぁ!!」
「敵襲だ! フハハハひっかかったな我等の罠に!」
「この完全な擬態、見破れなかっただろう!」
いや、バレバレです。
心の中で各所からツッコミが飛んだかもしれないが、ドヤ顔を浮かべた顔面に綺麗にミーレの踵が決まる。
特殊な一部の方にはご褒美な一撃に、「あぶぁ……」と絵に描いたような悲鳴をあげながら1体の伊九羅號が渦の中へと落ちていった。
そのまま彼の乗っていたボートにミーレが着地したところを狙い、『九貫スラッガー』が飛んでくる。
朝どれ新鮮な瑞々しさを輝かせ、鋭く服を刻みボートをも両断する。
「このていど何でもありませんわ。わたくし、わんぱくですのよ?」
傷の痛みを感じさせない微笑をミーレは浮かべ、毅然と振舞う。
その時だ。
渦の一部が乱れ、海面が盛り上がり大きな魚影が跳び出す。
蜂蜜色のミーレの髪が飛沫で乱され、浮上した潜水艦型海戦装の上で『サーモン級』は、獲物がかかったと確信の笑みを浮かべるのであった。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【落下耐性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
プターハ・カデューシアス
ぐるぐる回るスシ…
現代日本の文化を利用するのは、やはりエゼキエル勢の影響でしょうか?
明らかに状況間違っているのは別として、敵も研究しているのですね(納得顔
水中への逃走防止
これは!もう!
アクアスライムの出番でしょう!
さぁ、アムリタ
仲間と共に、敵将が潜ってきたら取り囲むのです!
思いっきり暴れて良いですよ!
【数の暴力・青】にて大量の青スライムを召喚
アムリタに指揮を執らせ、戦場の敵の水面下を取り囲むように配置
透明なスライム達なら敵に気づかれること無く
包囲網を敷いてくれることでしょう
潜ってきたなら一斉に取り囲んで攻撃です
青く澄んだスライム達が水面下を埋めると水に溶け込んで見えて目だけがみえるのだろうか…?
ある意味、集合体恐怖症の人には禁忌かも知れない…
等と考えながら
私も【水中適応】を利用
【P通信】で味方と連携して状況を確認しながら水中で待機
部下の回るスシを見つめる冥界機…を、見つめる我ら
なんだこの状況?
最近戦闘に出していなかったせいで
少々機嫌斜めなアムリタのストレス解消にもってこいの作戦ですね
麗・まほろば
退路を断つためには2つ方法があるってまほろばは思うな。
ひとつは物理的遮断――つまり行き止まりを作ったりして、とにかく先へ進めないぞ! という状況を作ることだね。
そしてもうひとうは精神的遮断――これは、もう逃げ道がない! どうしょうもないぞ! と思わせる状況にすることだ。
【水中適応】を継続
そして【51センチまほろば砲】に三式弾『草那藝之大刀』をそう装填しつつ機会を伺う
畳み掛けて攻撃ができる状況になったら、【砲撃】だよ!
三式弾とは、炸裂させることで高速で飛ぶ戦闘機を狙い撃つ事ができる弾丸で、その他に基地攻撃のように地上を2次元に焼き尽くすためにも使ったりするものだ。
なにがいいたいか、水上が火の海となればもう水中に逃げるしか無いし、水中に逃げようとしてもプターハさんの策によって封ぜられている。
これでもう、まほろばたちを倒すしかなくなるわけだ。
なにより、水中花火を一度見てみたかったって、そんなことは思ってないよ?
だけどこれは即ち戦闘に入ることと同義。タイミングはしっかりと合わせるよ。
●水中との境界線
渦潮と波間に漂う敵の姿に、プターハ・カデューシアス(招福龍・g03560)と麗・まほろば(まほろばは超々々々弩級戦艦ですっ!・g09815)は水中適応で泳ぎながら波間に顔を出し彼らを見つめた。
「ぐるぐる回るスシ……現代日本の文化を利用するのは、やはりエゼキエル勢の影響でしょうか?」
「ヒャッハー! 見たか我等の完璧な擬態!」
「……明らかに状況間違っているのは別として、敵も研究しているのですね」
我慢できずに顔を出しドヤ顔を浮かべるのはどうかと思うが、一応は納得顔をプターハは浮かべ水中への逃走防止をとアクアスライム『アムリタ』を召喚する。
「退路を断つためには2つ方法があるってまほろばは思うな。ひとつは物理的遮断――」
まほろばの言葉が終わるより早く、プターハはアムリタに目配せする。
「これは! もう、出番でしょう! さぁ、アムリタ」
聖杯を思わせるような冠を輝かせ、アムリタは先陣をきって海原へと飛び込み泳いでいく。
「思いっきり暴れて良いですよ! 仲間と共に、敵将が潜ってきたら取り囲むのです!」
続く青スライムを引き連れ『数の暴力・青』によるスライムの包囲網が海中に展開されていく。
青く澄んだスライム達が水面下を埋めると水に溶け込んで見えて目だけがみえるのだろうかと、興味本位でプターハが見送っていると主と一心同体のアムリタが呼ばれたかのように振り返り瞬き、呼応するように無数の青スライムの目が水中で瞬いた。
ちょっとだけホラーな光景だ。
(「ある意味、集合体恐怖症の人には禁忌かも知れない……」)
そんな事を思いながら、アムリタ達への指示をしやすいようにと、海中へとプターハは潜っていく。
潜水しようとするのを妨害されたサーモン級は、スライムの壁にぶつかり簡単に潜れないことを悟ると不満そうに水上を旋回する。
「つまり行き止まりを作ったりして、とにかく先へ進めないぞ! という状況を作ることだね。そしてもうひとつは精神的遮断――」
まほろばは、戦艦型海戦装主砲〈51センチまほろば砲〉に三式弾、『草那藝之大刀』を装填し放つ。
「燃、え、ちゃ、えー!!」
水中より海面に向かって打ちあがった花火が大きく広がり、海の中に美しい季節外れのイリュージョンを咲かせる。
だがその炎は、敵を燃やすもの。海上へと広がり、敵を苦しめる。
「これは、もう逃げ道がない! どうしょうもないぞ! と思わせる状況にすることだよ!」
ここまでされれば、サーモン級も無視することは出来ない。いや放置して帰還するわけにはいかないか。
「ぐあああ、焼きイクラになってしまう!」
「やべぇ、あちいぞ!」
燃える海から距離を取るように、白い皿ボートの上で『伊九羅號』は手足を出し走り回りだしたので、ますます訳の分からない光景が広がり始める。
(「なんだこの状況?」)
火の海になった海上で、回るスシ皿の上を慌てて走り出すイクラ軍艦。
それを見つめ、スライムに圧迫されながらこの状況を作り出した相手を睨みつける巨大サーモン。
(「……を、見つめる我ら」)
色々とおかしな光景になってきたが、きっと問題ない。はず?
とにかく簡単にはどこへも逃げることができないと悟ったサーモン級は、残る伊九羅號に命じる。
「貴様らいつまでふざけておるのじゃ。ここまで侮辱した輩を逃すでない! 完全駆逐じゃ。我等の恐ろしさを見せつけるじゃ!」
「まってました!」
「ヒャッハー!!」
勢いよく伊九羅號は襲い掛かって来るのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】がLV2になった!
【防空体制】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
驚堂院・どら子
(トレインチケット)
●弾幕戦
「むっ、これはクロノヴェーダの謀略なよね?」
落魄してコンビニバイトで一般的現世文化に慣れ親しんだ驚堂院・どら子(ドラゴニアンの陸戦砲兵・g10083)とはいえ、回転寿司がこれじゃないことは分かる。
何故、『伊九羅號』はこんな大海原で逆に違和感でしかないイクラ軍艦に擬態しようとしたのか。
そもそも冥海機は軍艦であれば見境ないのか、謎だ。
「良く分かりませんが、あなた達を一掃するわね」
考えても突っ込みを入れても、伊九羅號のあの濃い顔がメンチをきって来るだけの気がする。
ここは早々に片付けを。
水上走行で渦潮の流れにのりながら滑るように近付き、己の海戦装を全て展開し狙いを定め『絶海砲戦』を仕掛ける。
「ヒャッハー! 何だ小娘が増えたか?」
小柄な体躯にパーカー姿な彼女に、伊九羅號は余裕を見せる。
一斉に向けられた砲門に対抗するように、軍艦からイクラの粒もとい赤色発光榴弾-伊九羅弾(塩分控えめ)を手にし、『伊九羅ボレー』を放つ。
ほぼ同時に両者の攻撃は放たれ、どら子のおびただしい砲撃とまるでイクラにしか見えない伊九羅號の弾丸が海上でぶつかり合い弾ける。
バシュっと弾ける音は炸裂弾のものだが、なぜか伊九羅號の弾丸から赤い液体のような物が流れ、海が赤く染まっていく。
海上は弾煙が漂い広がり、赤い海に。
時折、撃ち落とされたイクラや、弾の欠片のような外皮が流れているので妙に生々しい。
だが、どら子の砲撃は留まることなく轟音を響かせ、伊九羅號を圧倒していくのであった。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【水面走行】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
麗・まほろば
なんだかすごーく、地獄絵図になっちゃった気がするぞ……?
えーっと、ごほん。
わーっはっはっは、けいさんどーり! 混乱させることができた、やったね!
イクラどもをさっさと片付けて、おうちにかえりましょー!
【水中適応】を引き続き展開!
大きく【まほろばの旗】を振ってまほろばの“観測機”たちを召還!
クロノヴェーダに向かって、機銃斉射! だよ!
機雷の掃海は【13mmまほろば機銃】でできるだけ数を減らしておきたい……けど、なんだこれ。海が真っ赤になっちゃった?!
完全視界でもあれば視界は良好なんだけれど……しかたない、集中砲火でもされないようだったら【飛翔】で海から上がった方がいいかもしれないね。
一匹たりとも逃がさないよぉ!
●巡る軍艦
…………。
ヒャッハーしながら回る白皿ボートの上を走る『伊九羅號』と、それらに檄を飛ばすサーモン級のセラー服少女。
宙を飛び交うキュウリ……ならぬ、九貫スラッガー。
海を赤く染めるイクラ……ならぬ、赤色発光榴弾-伊九羅弾。
その光景を眺め、麗・まほろば(まほろばは超々々々弩級戦艦ですっ!・g09815)は、軽い頭痛を感じた。
「なんだかすごーく、地獄絵図になっちゃった気がするぞ……?」
「おっ? 向こうにも小娘が居るぞ! やっちまえー!」
そこはかともなく一撃でお手本のような悲鳴をあげ倒れる雑魚キャラの空気をかもしだしながら、伊九羅號が飛び掛かってくる。
既にイクラ軍艦への擬態は終わり、白い皿のボートはただの足場だ。
イクラ軍艦から中途半端にニョキニョキと頭と手足を生やし、新種の珍獣のようないでたちで、皿から皿へと飛び移りまほろばを狙ってくる。
もはや彼らに海の軍艦として泳ぐ矜持もない。
「えーっと、ごほん」
幸い地道に仲間が削ってくれたので、まほろばは残る伊九羅號を惹きつけるだけひきつければいい。
「わーっはっはっは、けいさんどーり! 混乱させることができた、やったね! イクラどもをさっさと片付けて、おうちにかえりましょー!」
「ヒャッハー! 逃がすものか!!」
宙へと踊るイクラ軍艦のイクラは、それはもう太陽の光と水飛沫で煌めき、プリプリ輝く宝石のような美しさを見せた。
隣にある強烈な雑魚顔が、視界に入らなければ海の宝石と言われるのも納得しただろう。
次々と海上へと投下してくる赤色発光機雷-『伊九羅マイン』(無添加素材)に、もほろばは大きく〈まほろばの旗〉を掲げた。『八尋白智鳥御旗(ヤヒロシロチドリノミハタ)』、白地に赤い白鳥が踊る。
「おねがい、飛んで!」
この大量のイクラに、召喚した観測機である白鳥をぶつけるのは何だか申し訳ないが、これは戦い。
白鳥達が伊九羅號と漂う機雷に向け、機銃を構える。
「機銃斉射! だよ!」
水面走行で海上に立つまほろばの号令で、銃撃弾幕が張られる。
その向こうで機雷が爆発したか、激しい水柱とアベシっと複数の悲鳴があがり伊九羅號が吹っ飛んだ。
そして更に赤く染まっていく海。尚、血ではなくイクラの中身である。
「できるだけ数を減らしておきたい……けど、なんだこれ。海が真っ赤になっちゃった?!」
さて、残りは……。
駆けまわる伊九羅號が、もう残ってないことを確認しまほろばはサーモン級を振り返る。
「一匹たりとも逃がさないよぉ!」
後は司令官機を残すのみ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
甘野・夕霧
(トレインチケット)
●喰えない鮭
この展開を『サーモン級』は予測していただろうか。
白い髪を振り乱し、ずぶ濡れのセーラー服を纏う姿でキッとディアボロスを睨みつける。
だがその視線に構わず、メルサンク・トトメス(𓌸𓋴𓋹𓁐𓅝𓄠𓋴・g03837)が、金の髪を潮風に揺らしながら、水上走行で近付いていく。
「𓉔𓇌𓀁(やあ)」
聞きなれない言語で話しかけられたサーモン級は、未知の生き物を見るかのように警戒を強める。
なんだかメルサンクの見た目は本来の姿ではないような、髪や瞳がちぐはぐのような印象を受ける。
「キミに特に思い入れも何もないけど、ボク達の邪魔をするなら排除するよ」
あまり表情にこそ出さないが、そこに静かな怒りが滲む。
サーモン級は、そんな彼女が動くより早く水中へと潜り勢い良く泳ぎだす。
部下がコテンパンにやられたのだ、油断無く動くのも当然か。
素早い泳ぎは流れを生み出し『カーレント』にディアボロス達を巻き込む。
もしも水上でなく水中にいたら、たちまち飲み込まれていたことだろう。
「あなたを逃がすわけにはいかないのよ」
静かだが、ところどころ艶めかしい響きをさせ、ラリサ・パヴロヴァ(人間の思想家・g08043)が『氷像乱舞』を披露する。
産み出された氷像は、水を反射しながらキラキラ美しく輝きながら、泳ぐサーモン級を捕らえる。
だが、海戦機を氷像の腕に残し、一足先に海へと逃れ魚雷型のエネルギー『トーピード』を次々と放つ。
被弾と共に水柱がいくつもあがり、ディアボロスを襲う。
水面走行が無ければたちまち、砲撃で荒れた波に足元を救われていたかもしれない。
氷の輝きと水柱の影より、『𓇋𓏏𓈖𓇳(アテン)』の加護を受け陽光を背負うメルサンクが跳ぶ。
「𓊪𓂧𓂻𓏺𓂋𓐍𓏏𓇋𓋴𓉐𓈖𓂋𓍿𓂝𓊪𓀠𓎼𓂋𓊪𓃬𓀜𓆓𓅓𓊪𓆃𓎡𓊃𓏏𓎡𓎼𓀜」
光に目をくらませたサーモン級の腹部に、強力な一蹴がお見舞いされ、サーモン級は海面に叩きつけられる。
このままではと海中へ逃れようと海戦機の背に取り付いたところへ、不意に声が掛けられる。
「そないに必死にならんくても、ええやろ。まるで、俺らがイジメてる見たいやん」
甘野・夕霧(妖狐の魔導忍者・g08547)が何も武器は持ってないとアピールするように、両手をヒラヒラと見せ笑いかける。
どことなくのらりくらりと振舞うが、楽しそうに四尾が揺れ瞳は油断なく鋭い。
「さて、これから俺はキミを斬るで。信じるかどうかは、まかせるわ」
うそか、ほんまか。
その真意をサーモン級が推し量ろうと身構えれば、真っ赤な舌を突き出しニヤリと夕霧が笑む。
次の瞬間には『世界すら騙してあげるから』と言葉が力に、具現化し斬撃に。
衝撃も何も無く、白いセーラー服の前が大きく切り裂かれる。
鮮血が噴き出し、崩れ落ちた少女は忌々しそうに赤い瞳を怒りでもっと赤くしながら海戦機を手繰り、夕霧へと襲い掛からせ深い水底へ『ディープエンド』を仕掛ける。
本来であれば、姿の見えにくい深海からの浮上で食らい付くとこだが、この状況では仕方ない。
横から跳び出すように食らい付き、そのまま海へと連れ去ろうとする。
その様は悪食な鮭らしく獰猛であったが、ここはディアボロスの包囲網の中。易々と潜ることを許さず、複数の攻撃が叩き込まれ途中で口は開き逃れられる。
仕方なく再び海面へと姿を現したサーモン級は、苦しそうに大きく肩を上下させながら斬られた服の前を押さえ、ここからどう戦うか視線を巡らせるのであった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【落下耐性】がLV2になった!
【アイスクラフト】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【ダブル】がLV2になった!
プターハ・カデューシアス
地獄絵図…
伊九羅號の撃破は無事終わったようですね
少々意味の分からない敵でしたから、仲間が撃破してくれて助かりました
しかし…奴らの残骸のせいで、すっかり海が生臭くなってしまいましたね
アムリタやスライムたちが取り込んで生臭くなったらどうしてくれるのですか!?
ほら、ほんのり赤みが…っ!
これはもう、さっさと首魁を倒して新宿島で除染しないと。
そんな憤りに復讐心を燃やし、アヴァタール戦に挑みましょう
生魚は信用できません
まぼろば様の水中花火で少しは火が通ったようですが
しっかり焼いていきましょう!
魔狼襲で『サーモン級』を攻撃
執拗に…ええ、執拗にこんがり焼きますよ
反撃で水中に引き込まれたところで、こちらには水中適応もあります
多少の傷など覚悟の上
…今回は狼型の炎でしたが
ヒグマ型の方が様になったのでしょうか?
そんな置物を新宿島で見かけた気がします
おっと、倒したならば長居は無用
これ以上、アムリタが悪食しないよう早く電車に戻らなくては
●鮭の幕引き
繰り広げられる光景に、頭痛を感じないものはあまりいないだろう。
「地獄絵図……」
青かった海の染まる様に、思わずプターハ・カデューシアス(招福龍・g03560)の口をついて言葉が零れた。
「伊九羅號の撃破は無事終わったようですね。少々意味の分からない敵でしたから、仲間が撃破してくれて助かりました」
しかし――。
「すっかり海が生臭くなってしまいましたね」
敏感に生臭さ青臭さを感じたのは、もしかするとリアルさを追及するべくイクラに本物のエキスでも入れてたのかもしれない。
「アムリタやスライムたちが取り込んで生臭くなったらどうしてくれるのですか!?」
こまめにアクアスライム『アムリタ』を呼び出し海の掃除をしていたプターハは『サーモン級』を振り返った。
「知った事か。このまま帰らせるものか!」
傷の痛みもあるのだろう、苦しそうに表情を歪めながらギザギザの歯を剥き出しに威嚇してくるが、プターハはプターハでアムリタが心配だ。
「ほら、ほんのり赤みが……っ!」
このままでは、アムリタがイクラ汁に染まってしまう。
(「これはもう、さっさと首魁を倒して新宿島で除染しないと」)
可愛いアムリタから生臭くなるのは流石に嫌だ。
相手は冥海機。たぶん生体的な組織は少ないだろうが、それでも嫌なものに変わりない。
「生魚は信用できません。まぼろば様の水中花火で少しは火が通ったようですが、しっかり焼いていきましょう!」
そう宣言したプターハ目掛け、いつの間にか潜っていたサーモン級の海戦装が、大口を開け浮上する。
口が閉じると同時に、ニイッと笑い海戦装へと飛び移り共に海中へと潜ろうとした。
だが、閉ざされた口の隙間から赤黒い炎が漏れる。
唸り声のような音をあげながら、海水にも負けぬ勢いで狼の形をした赤黒い炎がサーモン級を、海戦装諸共燃やす。
「執拗に……ええ、執拗にこんがり焼きますよ」
潜水艦型の口内にのまれ、心なしか自信も魚臭くなったような気がし、落ち着かない。
たまらず浮上したサーモン級の海戦装はプターハを吐き出し浮かびあがる。
その背で『魔狼襲』の炎に包まれたサーモン級は暴れ悶え、やがて動かなくなると制御を失った装備と共に海へと沈んでいくのであった。
「……今回は狼型の炎でしたが、ヒグマ型の方が様になったのでしょうか? そんな置物を新宿島で見かけた気がします」
それは、活躍できる日が来たら、戦国か北海道辺りで披露して貰いたいものだ。
ふと視線を戻せば、何かの残骸をアムリタが興味深そうに見ているので思わずその口をおさえた。
「おっと、倒したならば長居は無用ですね。これ以上、アムリタが悪食しないよう早く戻らなくては……」
主の意図を察したのか、それとも新宿島に帰って沢山ご馳走になるつもりなのか。アムリタは大人しくプターハの肩の上でプルプルと震えるのであった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!