檻の中の鳥(作者 鏡水面
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#天正大戦国  #和泉国城取合戦  #和泉国  #復讐召喚戦 

●淀殿の怒り
 千早城の躍進により、岸和田城は荒れに荒れていた。
 これまで幾度となく配下を送り、千早城の移動を阻止しようとしてきた。だが、焼け石に水とでも言うかのように、進行は止まることなく。
「まだ、千早城を止めることができないの!?」
 狂月神機『淀殿』の怒りが、城内に響き渡る。
「一体どうなっているの? 動く前に破壊しろと命令したのに、妾の命令が聞けないというの! 千早城がこの城まで来たらどうしてくれるのです? どんな手を使ってもいい。誰でもいいから、千早城の移動を止め、破壊してしまいなさい!」
 怒り狂う淀殿の命令を受け、天魔武者に下った鬼、雑賀・永鶴もまた、千早城を止めるべく戦場へと赴く。
 ……その身に降りかかる事態を、彼が知るはずもない。

●再会
「……特殊なパラドクストレインの出現を確認した。クロノス級との決戦を行えるトレインだ」
 フロラン・フォンテーヌ(天使のリアライズペインター・g03446)はそう切り出し、前置きは不要とばかりに説明を始める。
「今回戦うことになるクロノス級は、雑賀・黒詠さんの宿敵、雑賀・永鶴だ。トレインの行先は天正大戦国。ちょうど、千早城を岸和田城に向かって移動させる作戦が行われている場所だね。知っている人も多いだろうけど、千早城は順調に岸和田城へと向かってる。それに焦りを感じた淀殿が、破壊工作を行う雑賀衆と共に永鶴を千早城へ向かわせるようだ」
 雑賀衆を放置すれば、千早城の一部に被害が出るだろう。移動自体に影響はないが、そのダメージは今後の攻略に引き継がれる。後への憂いを消し去るため、先に雑賀衆を排除した上で、永鶴との戦闘に挑んで欲しい。

「永鶴と接触したところで、復讐者の意志が時空を越えて、アヴァタール級と入れ替える形でクロノス級を召喚することができるよ。ちなみに、逃走の心配はしなくていい。彼は自身が宿怨によって呼ばれたことをすぐに理解し、享楽的に戦うことを選ぶ。自分が負けるなんて、これっぽっちも思っていないんだ」
 幸い、今回は戦闘区域に一般人はいない。そのため、住民の避難は不要だ。

 予知で何を視たのか、フロランは不快そうに眉を寄せた後、ゆっくりと口を開いた。
「……以前、アヴァタール級の彼についても予知したことはあるけれど、クロノス級の彼はそれ以上の鬼畜生だ。話せば話すほど、不快感が増すだろうね。彼と言葉を交わすのは正直おすすめしない。――ただ」
 一度言葉を切り、彼は真剣な眼差しを向ける。
「因縁の相手として、話すべきことがあるなら……決着を付けなければならないことがあるなら、俺は止めない」

 硬い表情を浮かべていたフロランだったが、力を抜くように息を吐く。そうして場を和らげるように、ふわりと微笑んだ。
「無事にこの鬼を倒して、晴れやかな顔で新宿島に戻ってきてくれると信じているよ。それじゃあ、いってらっしゃい!」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【一刀両断】
2
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。
【防空体制】
1
周囲が、飛行する存在を察知しやすい世界に変わる。ディアボロスが屋外を飛行中の敵を発見するまでに必要な時間が、「効果LVごとに半減」する。

効果2

【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV2 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV4 / 【先行率アップ】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

鏡水面
 こんにちは、鏡水面です。このシナリオは、雑賀・黒詠(国境なき鍛冶師・g07640)さんの宿敵『雑賀・永鶴』を撃破する復讐召喚戦となります。
 多くのMSの中から私を選んでくださり、心より感謝申し上げます。

●基本的な方針
 ②→①→③の順で進行します。
(②と①の間には、クロノス級召喚時の断章を挟む予定です)
 
●選択肢①について
 宿敵主である雑賀・黒詠(国境なき鍛冶師・g07640)さん専用の選択肢となります。
 永鶴は、基本的に女子供は見下し、男についても道端の石ころを見るような目で対応します。
 ただ、黒詠さんのことは覚えており興味があるのか、一度だけ言葉を交わせるようです。
 よほどのことがない限り、超成功を出す予定です。会話を終えた後は、③の戦闘へと移行します。
 戦闘が始まると、①の選択肢は採用できなくなりますので、ご注意ください。

 プレイングの採用状況については雑記に記載しますので、ご確認いただけますと事故が減ります。
 ここまで読んでいただきありがとうございます。それでは、宿縁を乗り越える物語、いざ開幕です。
35

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


雑賀・黒詠
※連携、アドリブ歓迎

後でフロランに謝っておかなければ。あんな奴の予知を二回も見せてしまっているのだからね。
さて......思う所はあるがまずはやることを終えなければならない。
どうせ奴は逃げないから。

またしても雑賀衆の鉄屑か。まぁ、奴がいるなら当然こいつらも指揮下に居る。
城攻め、拠点攻略は衆の得意とするところ。うってつけだろうな。
数もそれなりに居るだろう。各個殲滅をしていては時間が掛かりすぎてしまうし結果として千早城を傷つけてしまう事にも繋がりかねない。

安直だが安定の策を弄しよう。私は茂みや遮蔽物に潜み、奴らの行軍を待ち伏せる。
ある程度の数が確認できた頃合いに人形「子狐」をふと現れさせ注意を引くと同時に不信感を覚えさせる。
騙せるのは一瞬だがそれで十分。呆けた奴らを一挙に薙ぎ払う。
その後は人形を連携しつつ挟撃の位置関係を保ちながら殲滅行動を行う。
千早城がある故相手が突破してくることも考慮しておこう。

人形には種子島式小銃、白鞘の太刀を持たせる。
私は小鴉の打刀を持ち、剣現を発動させて戦闘する。


奴崎・娑婆蔵
噂の外道のクロノス級、いよいよ捕捉されやしたか

よう黒詠の、カチコミでござんすか?
宅の人形……『子狐』もおいでってェのは無論存じちゃおりやすが、もそっと頭数を揃えるに越したこたァありやせんぜ

ってなわけで、鎧兜も鉄塊も一刀両断
鬼は鬼でもしがねえ剣鬼こと奴崎・娑婆蔵、助太刀致しやす

敵勢相手に火蓋を切るのは黒詠のの仕掛けに任せると致しやしょう
【忍び足】を用い、隠れ潜み方は彼女に倣いつつ――そして殲滅行動の始まり次第、あっしも一気呵成に参戦しまさァ

あっしもヒトガタを操る手際にゃァ一家言ありやすぜ
トンカラトンとォ――申すが良い!
暴れなせえ『トンカラトン大王』!


・全身包帯ぐるぐる巻きの巨大怪人トンカラトン大王を【召喚】、そいつの持つ巨大剣もブン回させながら敵陣へ切り込ませる
・トンカラトンと申すが良いトンカラトンと申すが良い、と【高速詠唱】をひた続け、大王にすごいたくさんパワーを注いで敵からの多段撃ち相手にもガンガン前進させる

・黒詠と狙う敵を分担、敵を効率的に殲滅する
・己は特に突出して来た敵を優先し狙う


御守・樹
アドリブ連携歓迎

向こうの攻撃(反撃)をどうこうしのげそうな案がないなぁ。なら最初に思いっきり叩き込むしかないか。
物陰とか利用して身を隠せるならそうしてなるべく見つからないようにする。そのうえで隙をついてアサシネイトキリングで一撃を。
この際反撃とかどうでもいい。どの形でも手痛いのを貰うなら貰う前に叩き込むだけだ。
でも囲まれてどうしようもなくのは勘弁したいから動きには注意。
めちゃくちゃ接近戦で銃撃たれたらうまく同士討ち狙えないかなって思うけど、さすがにそううまくはいかないだろうな。だってあの雑賀衆だ。


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
千早城を壊させてなるものか!これ以上は絶対にやらせねぇ!
黒詠、まずは露払いといこう。こいつらを倒して先へ進もうぜ!

【行動】
仲間とはパラドクス通信で声を掛け合いながら積極的に連携して行動する

敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で受けて防ぐ

戦闘知識を基に射撃の方向から敵がいる場所を予測
その間に蝶の形をした機械を製作し統率で遠隔操作
敵の傍まで行ければ特殊な鱗粉を撒いて電撃に打たれたようなダメージと痺れを齎す
戦闘中に近づく動物なんていないだろうが
強いと驕っている者ほど何処にでもいる蝶のような虫が近くにいても気にしないだろう

ダメージを与えると同時に痺れさせてしまえば仲間が止めをさす手助けになるはずだ

必要なら臨機応変に対処する


●錆び付いた鉄を討つ
 真っ青な空に漂う白雲は、風雲急を告げるかのごとく不穏な渦を巻いている。
 実際の嵐は起こらずとも、それと同様の、嵐にも似た状況へと移り変わるは必然。
 時先案内人の話を思い返しつつ、雑賀・黒詠(雑賀衆の末裔・g07640)は、敵が来るであろう方向を見据える。
(「後でフロランに謝っておかなければ。あんな奴の予知を二回も見せてしまっているのだからね」)
 狙うは雑賀・永鶴の首。手始めに、奴の配下である雑賀衆の城攻めを阻止する。
「よう黒詠の、カチコミでござんすか?」
 刀を携えて、奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)が黒詠へと声をかける。
 これから繰り広げられるであろう死合の血生臭さを一切感じない。いつもと変わらぬ調子で問う彼へと、黒詠は静かに頷いた。
「ああ、まずは雑賀衆の鉄屑を殲滅しよう。しかし、またしても奴らか……まぁ、奴がいるなら当然こいつらも指揮下に居るか」
 城攻め、拠点攻略は衆の得意とするところ。うってつけであろうと、黒詠は思う。
 彼女の隣に立つ荒田・誠司(雑草・g00115)の、トラップメーカーを握る手に自ずと力がこもる。
「黒詠、まずは露払いといこう。雑賀衆を倒して先へ進もうぜ!」
 そう、先へ。千早城を防衛し、心配事を消し去った上で、黒詠が宿敵と対峙できるように。
 援軍に駆け付けた御守・樹(諦念の珪化木・g05753)も、己の武器を堅く握る。
「俺も助力させてもらう。大事な戦いに集中するためにも、まずは目前の面倒事を処理しないとな」
 戦力も気合も十分だ。集まった面々を、黒詠は心強く思う。
「皆の助力、感謝する」
 礼を告げれば、誠司がニッと強気な笑みを浮かべた。
「気にするなって! 俺もあの鬼をぶっ飛ばしてやりたいからさ」
 ――永鶴を殴りたいと思う以上に、黒詠には心置きなく戦って欲しいのだと、誠司は強く願っている。だからこそ、まずは雑賀衆を打ち倒す。
 それでこそ、後の決戦に集中できるというものだ。
 トンカラ刀の柄に手を掛けて、娑婆蔵も軽やかに紡ぐ。
「宅の人形……『子狐』もおいでってェのは無論存じちゃおりやすが、もそっと頭数を揃えるに越したこたァありやせんぜ」
 役者は揃った。樹は背後の千早城を見上げる。聳え立つ千早城からは、厳かさと逞しさを感じた。
「思い知らせてやろう、そう簡単に城は落とせないってことを」
 その声色には、確かな意志がある。雑賀衆を倒し、確実に召喚戦への道を拓くという意志が。

 永鶴が差し向けた雑賀衆が千早城へと迫るまで、そう時間は掛からない。
 茂みに潜み待ち伏せれば、無機質な鎧の行軍を道の奥に捉えることができた。配下を先に向かわせているのだろう、永鶴の姿はまだ見えない。
 ――このアヴァタール級の永鶴も、先に配下に暴れさせて、あとで美味しくいただくのが好みと見える。
 雑賀衆は刀や銃を構え、整然と隊列を成す。
 (「――来たか」)
 黒詠は静かに子狐の糸を引いた。
 神経に張り巡らせる緊張の糸……それよりもずっと丈夫で繊細な操り糸が、子狐に命を与える。
 まるで本物の人であるかのように、子狐は進む雑賀衆の前へと歩み出た。
「? ……子どもか? この辺に住んでるにしては、随分と身なりの――」
 敵が子狐に気を取られた瞬間、ディアボロス達は一斉に茂みから飛び出した。同時展開されたパラドクスが雑賀衆を襲う。
「敵襲だ!」
「待ち伏せされていたか」
 攻撃に晒されながらも雑賀衆は身構える。落ち着いたその動きは、過去に見た彼らと同じく。ちらつく過去の情景に、黒詠はそっと瞳を細めた。
「奇襲を受けてもなお、この立て直しの速さ……誇りは失っても冷静さは失わないか」
 だが、過去を想えどそれに囚われることはない。娑婆蔵が鞘から刀を抜く音に、黒詠は思考を現実へと戻す。
「なァに、速さと冷静さはコッチも負けやしやせん。推して参るといきやしょう」
「ああ、そちらの敵は任せた」
 黒詠の信頼に応えるべく、娑婆蔵はトンカラ刀を凛と構えた。
「鎧兜も鉄塊も一刀両断、鬼は鬼でもしがねえ剣鬼こと奴崎・娑婆蔵、助太刀致しやす」
 妖刀の刀身に屠るべき敵を映し込み、呪詛の力を解放する。
「あっしもヒトガタを操る手際にゃァ一家言ありやすぜ。トンカラトンとォ――申すが良い!」
 魂と繋がる妖刀が、娑婆蔵の呼び声に応えた。激しく風に煽られるような音と共に、トンカラ刀は包帯を吐き始める。
 強い呪詛が籠る包帯、それは螺旋を描きながら巻き上がり、巨大なヒトガタを編み上げた。
 ――巨大剣を携えし『巨大怪人トンカラトン大王』である。ぐるぐる巻きの包帯の間から、ギョロリと大きな赤い眼が輝いた。
「なんと、面妖な……!」
 自分達のことは棚に上げ、雑賀衆のひとりが声を上げる。その声を塗り潰すように、呪文のような言霊がひたすらに響き渡る。
 トンカラトンと申すが良い、トンカラトンと申すが良い。
「――トンカラトンと申さぬならば、血濡れ包帯に巻かれるが良い」
 雑賀衆が一斉に銃弾を発射する。無数の弾丸が娑婆蔵へと飛ぶが、それは彼へと届かない。
 立ち塞がったトンカラトン大王が剣を大きく振るい、敵の体ごと弾丸を薙ぎ払った。
「怯むな! 数で押しきれ!」
 傷を負っても構わない。そう言わんばかりに声を張り上げ、雑賀衆は攻撃の手を緩めない。
 列を連ね、ディアボロス達へと銃口を向けた。
 黒詠の耳元を弾が通り過ぎる。弾が当たるか当たらぬか。まさに紙一重の戦場の中で、彼女は淡々と糸を操り、その手に小鴉の打刀を握る。
(「人海戦術は確かに有効な手段だ。だが――」)
 黒詠へと銃を構える兵の背後で子狐が舞った。少女の手の内で、白鞘の太刀が日輪の光を受け銀に煌めく。
 雑賀衆とて子狐の存在を忘れていたわけではあるまい。だが忘れずとも、洗練されたその速さに追い付けなければ意味がない。
 子狐が敵陣に斬り込み、それにより生じた僅かな乱れを黒詠は見逃さない。
「そんななまくらじゃ、私は倒せない。浄化の焔に焼き尽くされるといい」
 言葉と共に、小鴉の打刀へと眩い火焔が宿る。火焔は瞬く間に広がり、小鴉を基に一振りの刃を生み出した。
 波打つ五尺の刃は熱気で空気すら朱く染め上げ、繰り出される斬撃は敵を容赦なく焼き払う。
 敵を呑み込む炎海の上を、ひらりひらりと舞うものがあった。
(「焔に舞う蝶か――なかなか綺麗じゃないか」) 
 黒詠は心の内で呟く。彼ならば必ずこの機に攻めるだろうと、信じていた。
「炎など恐るるに足らず! 総員、構え――」
 敵が銃を発砲する直前、火の粉に紛れて飛んでいた無数の蝶が光を撒き散らした。
 光は鱗粉のように雑賀衆へと降り注いだ。柔らかに触れた瞬間、雷に打たれたような衝撃に襲われる。
「グアアァッ!? な、なんだ……!?」
 中には体が痺れ、銃や刀を取り落とす者まで出てきた。
「実際に攻撃を受けるまで気付かなかったようだな」
 動揺する敵を見据え、誠司は淡々と紡ぐ。彼の手には展開されたトラップメーカーがあり、煌々と青白い光を湛えていた。
「ぐう、貴様、何を……」
 『模造製作:火花蝶』――本物とよく似せた蝶で敵を惑わし、敵の動きを制限する誠司のパラドクスである。
「無理もないさ。蝶が飛んでるくらい、お前達のような連中は気にも留めないだろうからな」
「まだだ、我々は敗れぬ!」
 ダメージを負っても意に介さぬと言わんばかりに、弾を放つ雑賀衆。
(「大切な戦いが待ってるんだ、ここで大怪我を負うわけにはいかない!」)
 飛来する弾を前に、誠司はフェイク・プリドゥエンを構える。鈍色の堅牢な盾が、幾重にも重なる銃弾の雨を弾き飛ばす。
 時折、傘を抜ける雨の雫のように取りこぼした弾が体を掠めるも、その程度では誠司に何の害も為さない。
 敵の一人が、焦りを滲ませる。
「このままでは、城攻めすらできぬではないか……!」
 魔弾の嵐を耐えきり、誠司は高らかに敵へと言い放った。
「千早城を壊させてなるものか! これ以上は絶対にやらせねぇ!」
 ――戦況はディアボロス側へと有利に傾いている。だが、まだ油断は禁物だと、樹は神経をより鋭く尖らせた。
 死角を意識して移動しつつ、彼は攻撃のチャンスを窺う。
(「思い知らせてやろう、とは言ったものの――」)
 攻撃の度に繰り出される反撃は重い。倒れるほどではないにしても、積み重ねれば甘く見れない負担となるだろう。
 だが、事実として上手い防護の策に思い至らないのも事実。
(「反撃をどうこうしのげそうな案がないなぁ。なら最初に思いっきり叩き込むしかないか」)
 手痛い反撃を食らうことが避けられないのならば、高火力の攻撃を一気に叩き込む。
 樹はパラドクス『アサシネイトキリング』を発動し、一時的に気配を消失させた。敵の背後へと急接近し、二対のナイフを抜く。
 急所を狙った斬撃が、雑賀衆の体を深く切り裂いた。
「攻撃は最大の防御……とも言うしな!」
 重い傷を負いながらも雑賀衆は振り返り、至近距離で銃を構える。
「おのれ!」
 魔弾の一撃が腹を掠った。鋭い痛みが走る。接近戦での混乱を狙ったが、やはり相手はあの雑賀衆。こちらをしっかりと狙ってきた。
 ――だが、この程度の痛みであれば、耐えられないレベルではない。
「さすが雑賀衆、同士討ちは狙えないか……けれど、問題ない。確実に削れてる」
 樹の消耗より敵の消耗が激しいこともまた事実。度重なるディアボロス達の攻撃が、着実に雑賀衆を追い詰めていった。
 黒詠の『剣現・天之尾羽張』が、敵陣を火焔の渦へと巻き込み、その内で娑婆蔵のトンカラトン大王が大暴れ。
 悉く薙ぎ払われる敵へと誠司の解き放った火花蝶が煌めき、虚を突かれた敵へと樹の一撃が撃ち込まれた。
 雑賀衆が隊列を成していたそこは、瞬く間に骸の山となる。
 もう動いている者はいない。倒れた雑賀衆を注意深く観察した後、樹は顔を上げた。
「もうトループス級の生き残りはいない。これで城は安全なはずだ」
 その言葉に誠司は頷いて、きゅっと表情を引き締める。
「あとはクロノス級を残すのみ、か」
 まだ戦いは終わっていない。それはその場にいる全員が理解していることだ。
 トンカラトン大王を引っ込めて、娑婆蔵は飄々と紡ぐ。
「こっからが本番でございやすか。……おっと、噂をすりゃァ、おいでなすった」
 新たな気配がする。歩く白い姿が視界に映った。まだ入れ替わりは起きていない――アヴァタール級の永鶴である。
(「――ついに、この時が来たか」)
 黒詠の武器を握る手に、無意識に力が入る。この後、本物の……クロノス級の『奴』が来る。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防空体制】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

●美しき皮を纏いし鬼
 折り重なり荒野に転がる雑賀衆の骸。そして、その骸を意にも介さず、歩みを進める一匹の鬼。
 以前にも見た光景だ。だが、今回は違う――。
 アヴァタール級の雑賀・永鶴が口を開く前に、彼の姿にノイズが走った。宿敵主の強い怒りの感情と共に、復讐召喚が発動したのだ。
 永鶴の姿は歪み、霞み――しかし、それはしだいに元の姿へと戻ってゆく。
 だが、厳密に言えば、それは『戻った』のではなく『入れ替わった』のだ。
「おや? この場所は……」
 アヴァタール級を媒介に、クロノス級がこの地へと降り立つ。永鶴はくるりと周囲を見渡して……よく見知った人間の姿に、うっすらと口元を上げた。
「――なるほど、お前が私を呼んだのか、黒詠」
 紅玉のような瞳を細め、美しき白銀の鬼は言葉を続ける。
「久しぶりだな、元気にしていたか? よほど私に会いたかったと見える……あぁそうだ、顔の傷跡はどうなった? 少しくらいは薄くなったのか。あの顔では何かと生きにくかろう」
 柔らかな声色。けれど、そこに本当の優しさは存在しない。真綿で首を絞めるように、黒詠が厭う言葉を選んでは紡ぎ出す。
「その面を外し、私にその顔を見せてみろ、黒詠?」
雑賀・黒詠
※アドリブ歓迎

間違えない。この嫌悪感、憎悪寒、恐怖感は当時のまま......いや、増している

分かっている。奴が私にとっての最大の壁であり恐怖の象徴。正直今でも脚は竦みそうだ
けれど、不思議なもので、今はそれよりも支えてくれている心強さの方がより感じる
何のために奴を呼び寄せたのか思い出せ
私にこの子、虐げられた無辜の民の激情を背負い復讐すると誓ったのだ

皆より少し前に歩むと同時に得物を一端納める
奴が視認出来る距離まで行くと、奴が要望した通りつけている面を外し、素顔を晒す
決別と復讐の意味を込め、堂々と晒そう
嬉々として貶めてくるだろう、過去のあれこれも言ってのけるだろう
だが、驚く筈だ。火傷はほぼ治り、裂傷も目立たなくなっていると
奴が付け入る唯一が無いのだから

そこで問おう
『空虚な心は遂に埋まったのか?』
きっとどう聞いても、愚かで、無様で、憐れんでしまうだろう

問答を終えれば再び面を着け
皆の元へ戻り、得物を突きつけよう
貴様は一人、私は皆がいる

孤独のまま、死んでいけ
檻に囚われた鳥は、貴様の方なのだから


●過去との対峙
 透明な空の下、目の前に現れた美しき鬼。彼の纏う空気が、暗く濁るような威圧感が、空が青いことを忘れさせる。
 身の毛がよだつ感覚に、雑賀・黒詠(雑賀衆の末裔・g07640)は堪らず震えそうになる。
 強い緊張に喉が渇いた。間違いない。目の前に居る彼はオリジナル――クロノス級『雑賀・永鶴』本人である。
(「この嫌悪感、憎悪寒、恐怖感は当時のまま……いや、増している」)
 彼こそが最大の壁であり恐怖の象徴だ。今でも脚が竦みそうになる。だが、今は――恐怖に折れてしまいそうな心を、支えてくれる存在がいる。
 黒詠は得物をおさめ、ゆっくりと前へと踏み出した。子狐もまた、彼女に付き従うように歩を進める。
(「何のために奴を呼び寄せたのか思い出せ。私にこの子、虐げられた無辜の民の激情を背負い復讐すると誓ったのだ」)
 血の眼が黒詠を見つめている。だが、黒詠が足を止めることはない。お互いがよく見える距離まで近づき、永鶴と向き合った。
 そうして、彼女は面を外す。その表情に迷いや恐怖はない。凛と力強く、その瞳には決別と復讐の意志を焔のように宿す。
 永鶴が口元に浮かべていた笑みを消した。
「……一体どのような化粧を施せば、そこまで誤魔化せる?」
 永鶴の問いに、黒詠は首を横に振る。
「化粧ではない、治ったのだ。適切な治療と……そして、時間と共に」
 数秒の沈黙の後、永鶴が口を開いた。
「そうか、それは喜ばしいことだな」
 嘘だ。裏に在るのは無理解と悪意だ。幾度となく味わわされた、邪悪なこの男の本性を感じる。
 黒詠は胸の奥に渦巻く激流のような感情を押しとどめ、静かに言葉を紡いだ。
「相変わらず心にもないことを、息を吐くように言ってのける」
 その言葉に、永鶴は再び歪な笑みを戻した。
「いいや? 誠に嬉しいとも。その綺麗な顔に、今から傷を付けることができるのだから。愉しもうじゃないか、懐かしいあの日のように」
 黒詠が二度と戻りたくない『あの日』のように。
 以前であれば、過去を思い出すだけで心は氷に閉ざされ、鎖に巻かれたように身動きが取れなくなっていただろう。
(「――鬼の檻に囚われ続ける私は、もういない」)
 恐怖の氷も鎖も、すべて溶かし尽くす焔が彼女の内で燃え盛る。
「本当に、貴様は何も変わらないな。あの時から何も変わっていない。略奪と破壊を繰り返し……その空虚な心は遂に埋まったのか?」
 変化を遂げた彼女から、いつまでも変わらない鬼へ。向けられた問いに、永鶴はそっと息を吐き、ほんの僅かに眉を寄せた。
「妙なことを聞く。私の心は常に満たされていた。少なくとも、今のお前を見るまでは」
 彼を知らぬ者が見れば、彼は変わらず笑っているように見えただろう。
 その微々たる変化は、知らぬ黒詠の姿に、永鶴が少なからず不愉快な感情を抱いている証明でもあった。
 自分の物だと思っていた女が、自分の知らない顔をして、目の前で堂々と立っているのだ。支配欲が強い彼ならば、そのような感情を抱くのも必然。
「……わかっていたよ。貴様なら、きっとそのように返すだろうとね」
 面を再び顔へとやり、黒詠は仲間の元へと戻る。そうして小鴉の打刀を抜き、永鶴へと突き付けた。
「貴様は一人、私は皆がいる。――孤独のまま、死んでいけ。檻に囚われた鳥は、貴様の方なのだから」
 黒詠を見つめる永鶴の瞳に、どす黒い悪意が渦を巻く。
「外側の傷が癒えようと、内に刻んだ傷は癒えぬ。お前の中にも残っているはずだ、私が付けた所有の痕が……お前は私の檻から逃れられぬよ、黒詠」
 檻に囚われているのは、果たしてどちらか。これから始まる戦いの結末が、否応なく審判を下すだろう。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

雑賀・黒詠
※連携、アドリブ歓迎

舞台は整った、役者も揃った
もう、怯えることは無い。憂いを断ち、過去を清算する時が来たんだ
決着をつけよう。お前の命運は尽きたんだ

散々煽ったんだ、当然こちらを執拗に狙いに来るだろう
それこそ、また自分のものにしようと躍起になる筈だ。奴は欲深い
だがそれは好都合、向かってくるのなら真っ向から相手をするだけだ
とは言え思慮深いやつだ。我武者羅には来ないだろう
幻影を多用するのには気を付けなければならない
潜り抜けつつ、人形を操り影の迎撃。当然私も迫る影は切払う。
人形と私の連撃は貴様の角を破壊し、挟撃は首を両断するぞ
所詮貴様は武に秀でていない。剣と銃、繰り師の技は超えさせはせん
私とこの子で切り抜ける

私怨に憤ってはいけないのは分かっている。しかし恨みつらみの一つくらいは言ってやらないとな

結局お前は私を物にすることが出来なかった、それどころか牙を剥かれている
それに、私を受け入れてくれる人も見つかった。お前の出番など無い
これが今のお前と私の差だ
空虚なまま、一人寂しく、檻の中で死んでいくがいい


御守・樹
アドリブ連携歓迎

…なんつーかめんどくさそうなやつじゃね?うまくいえねーけど半端な軍師気取りとういうか。
悪口にしかなんねぇけど不快とかそういうんじゃなくて、いや不快とすらも思わないというのが正しいかもだが、とにかく面倒。
人だろうが何だろうが資材は使い捨てするもんじゃないだろうと思うし。
まー俺が割と短絡思考なのもあるけどさ。さっきと同じで「何とかできそうなら頑張る」しかできねぇもん。

パラドクス飛燕で飛ぶように移動し兵達をすり抜けて直接永鶴に攻撃をしかける。
さっきの時も思ったけど下手に兵の相手すんのもなぁ、だったら直接狙った方がいい。ちょっと槍や銃あたりが厄介かもだけど、兵たちの中を突っ切っていくより多分マシだろうし、さらに狙われる前に蹴りを永鶴叩き込んでしまおう。
向こうの攻撃の意思って恐怖をどんだけこっちの勢いで上回るかかなぁ。一瞬でも怯ませられたら行けそうだ。


水上・鏡夜
アドリブ、連携歓迎

可愛い義妹の晴れの日だ
過去との決別ってのは別格だからねぇ
そんな日を迎えられたんだ、祝福するし、手伝いもするさ
自由に空を飛ぶ姿を見られるのなら、ね


ま、技量的に足手まといにならないよう立ち回りに気を付けようか
動き続け、使える影を増やしておこう
相手の手足を縛るだけの量を確保できれば十善
止めきれなくとも阻害できればそれでいい、鈍くなったところを仕留めてもらえればいいからね
ボクがやるべきは道を作る事、そこを進むのは今日の主役だけさ

反撃に関しては鉄扇と鉄煙管にて受け流しを試みよう
致命に至るものだけ避けられればそれでいいからね
あえて、油断を誘うように一太刀受けてもいいかもしれない
油断でも愉悦でもした瞬間に縛り上げられたら最高の意趣返しだろう?

さ、行っておいで
キミが笑って歩けるように、過去との因縁を清算してきなさい


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情】
とうとうクロノス級のお出ましか。きっちり引導を渡してやるから覚悟しておけ!
もう彼女を傷つけさせるかよ!その懐かしいあの日とやらに戻すわけにはいかねぇ!
俺が彼女を守っていく!お前に出る幕はねぇんだ!


【行動】
仲間とはパラドクス通信をしたり声を掛け合って積極的に連携していく
特に黒詠の宿敵なんだ
彼女の援護を主に行う

敵の攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で防ぐ
盾は大きいから仲間を守るのにも使える

パラドクスを使用して広範囲に触れると凍る水を広範囲に撒く爆弾を製作
号令がかかっていても問題ない
突撃してくるってんなら好都合だ
前方にいる敵を狙い投擲
突撃している最中に動きを止めれば
凍っている敵と後続がぶつかって隙が出来るはず
その間にアヴァタール級へ爆弾を投擲し凍らせてやる
トドメの一撃は黒詠に任せよう

必要なら臨機応変に対処する


薬袋・透
アドリブ連携歓迎
黒詠をディフェンス

助太刀に来たわよ!
なるほど仮面の理由はそういう事だったのね……
てか檻とか所有とかキショイ事言ってっけどさァ、要はフラれた元彼がヨリを戻そうって情けなく縋り付いてくるようなもんでしょ
この上なくダッッサイし(鼻で笑う)


撤退しないならむしろ好都合
銃弾や斬撃は薙刀で【一刀両断】したり薙ぎ払ったりで対処

それでも飛んでくる攻撃は結界術の高速詠唱、バリアで弾き返すわ
自分の攻撃で自滅してちゃ世話ないわね!


本体へはパラドクス攻撃
【罪縛りの鎖】で足止めし氷雪使いの全力魔法
黒詠ちゃんがトドメをさせるよう足元を凍らせて逃げられないように捕縛

その他仲間と【パラドクス通信】を用いて連携

今黒詠ちゃんは素敵な彼氏と蜜月なの、だから余計な雑音はスッ込んでてくれるかしら!


リューロボロス・リンドラゴ
くははははは!
良くぞ言った、良くぞ魅せつけた黒詠よ!
ぬしの決別、しかと見届けたぞ!
さあ、後始末だ。終わらせようぞ!

黒詠をディフェンス!
幻影は我が右腕を転じた巨竜の顎門にて喰らいつくしてやろう。
当然、幻影を喰らうだけでは終わらぬよ。
竜としてのそれに比べれば小さな牙。自前の牙。幼子の牙。
だが、だからこそ貴様に穿つには相応しい!
貴様が弄んできた女子供の牙、その身に受けよ!
――地獄に堕ちよ。裁きを下すは竜である。
奴の首を刎ねるのは黒詠だ。
なれば我はご自慢の顔を穿ってやろう。
飛び出た鼻を喰らうなりかわそうとしたところを零距離ブレスで焼いてやるのが良いかの!
意趣返しよ!
もっとも醜きは貴様の精魂だがの!
貴様が貶し、刻んだ呪いから、黒詠は解き放たれた。
先刻、自らの翼で飛び立ったのだ!
置き去りにされし哀れな過去よ。
貴様が黒詠に遺すものは何一つ無いと知れ。

黒詠よ。良い。竜が許そう。
私怨、大いに結構!
我らは復讐者。
ぬしの怒りを、恨みを、憎しみを否とするものなど誰もおらぬ。
絶縁状として叩きつけてやるが良い!


ナディア・ベズヴィルド
私も微力ながらお力添えを

他者を傷つけることに依って保つ威厳か。所有欲か
ハッ、いずれにせよ独りよがりの最低な男だな
――貴様に似た男がいたわ、それもまた同じように妻の手にかかり絶命した
…(自らの手で止めを刺したことを思い出し)因果は巡り自身に返って来る
撤退する意思がないのは驕りか?こちらとしては好都合

黒詠さんも決着を望んでいる
その下らぬ言葉を発する口を閉じろ
虫唾が走る

【パラドクス通信】を用いて仲間と情報共有
各位フォローに入りやすいように彼女を執拗に狙うであろう奴の動きを知らせ合い援護
仲間へのWIZ攻撃にはディフェンスに入る

智謀と言うがただの力押しの技ではないか
力さえあればという単純な攻撃で我らは破れぬぞ

光の壁を形成し白兵術を抑え災禍を払うべく塵に返そう

檻の鳥はどちらだったか
囲っていたと思っていたのは貴様一人だけだ
力に溺れ見誤ったか、愚かな…
さあ黒詠さん決別を。新たに歩む第一歩を
お往きなさい、私たちがその為に道を切り開く!

勇ましき歩みに、光の加護を――
立ち止まる事なかれ
前を向き、歩む君に祝福を


奴崎・娑婆蔵
おお、こいつァすげえすげえ
とうとう開帳でござんすか、黒詠のの素顔よォ
これだと顔を隠しているのはいよいよあっしだけじゃァありやせんか、カハハ

っとと、いけねえ
はしゃぐのは後にすると致しやしょうかァ
何より今はアレを斬られたし。よござんす

手前、姓は奴崎名は娑婆蔵――人呼んで『八ツ裂き娑婆蔵』
始めやしょうぜ、顔にうるせえ鬼畜生
目鼻耳口……首!
ご自慢のツラ、いっぺん八ツ裂きにしてやりまさァ!


●戦闘
・敵の殲滅号令――幻影雑賀衆の突撃を真っ向立ちはだかり、受ける
・敢えて敵勢の渦中に揉まれるよう、永鶴から己の姿が捕捉し辛くなるように喰らう

・被ダメージ時は、刀を十全に振れるよう、己の腕や足の腱だけは完調を保てるよう期する

・敵攻撃に対し反撃――【暗夜の一撃】発動
・逆説連鎖戦の常に則り、距離の遠近も間合いも無視、出し抜けに敵背後から心臓部を狙い刺突を見舞う(貫通撃)

・幻影雑賀衆に紛れることで、反撃の始点を気取り辛くさせる狙い
・また、首から上を狙うような啖呵を切っておきながら、心臓狙いをやるとかいう不意打ちも使う


ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎

……本当に醜悪な輩だな
こうも醜悪な輩が同じ男だと思いたくない位には醜悪だ
女性を傷付け、己の所有物の様に扱う等男として言語道断!

貴様の様に他者を支配したがり抑えつける輩の下では配下も貴様を恐れて融通を聞かせ辛いもんだ
折角削るに留める様にしてくれてるんだから其れを活用させて貰うとするぜ!
貴様が虐げてきた女子供の反撃を喰らうと良い!!

貴様の様な奴が二人の未来の邪魔をするというなら俺は二人が貴様を打ち破る為の助力をするのみ!

さあ、トドメは任せた!
ロクデナシ相手にきっちり決着をつけてくると良いぜ!

POWの攻撃は味方を庇う
基本的に仲間の援護重視
味方と攻撃のタイミングを合わせて敵が攻撃を回避しにくくしたり味方が攻撃する直前のタイミングで攻撃する事で敵の動きを鈍らせ続く味方の攻撃が当たりやすい様にする等援護

又、敵の攻撃に関しては自分の様な子供は削るに留めるというのなら其れを活用
致命傷のみを防ぎつつ痛みは無視して敵を〇追跡する〇誘導弾の特性を強化した〇焔矢をぶちかまし続けてやる


●空を舞う鳥
 目前の鬼は強敵なれど、その翼を閉じる必要はない。空は青く、天は無限に広がっているのだから。
 仲間達の元へ戻った雑賀・黒詠(雑賀衆の末裔・g07640)が得物を抜くと同時、彼女の仲間もまた各々の武器を構えた。
 ディアボロスの意志を宿す無数の武具が、冷酷無慈悲な鬼へと向けられる。
 重く張り詰めた空気を突き破るように、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)の笑い声が響き渡った。
「くははははは! 良くぞ言った、良くぞ魅せつけた黒詠よ! ぬしの決別、しかと見届けたぞ!」
 奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)も、カラカラと楽しげに表情を綻ばせる。
「おお、こいつァすげえすげえ。とうとう開帳でござんすか、黒詠のの素顔よォ。これだと顔を隠しているのはいよいよあっしだけじゃァありやせんか、カハハ」
 陽気に笑いつつも、彼の刃は白き鬼をはっきりと映し込む。
「っとと、いけねえ。はしゃぐのは後にすると致しやしょうかァ、何より今はアレを斬られたし。よござんす」
 差し向けられた刃に映る永鶴もまた、その刀を抜いた。
 リューロボロスは竜の意志を湛える緑眼に滅すべき鬼をしかと捉え、声高らかに紡いだ。
「さあ、後始末だ。終わらせようぞ! この良き日に、空を穢す鬼など要らぬ!」
 空へと羽搏く良き日に、過去の呪いなど不要。
 水上・鏡夜(共在者・g09629)も頷いて、黒詠へと優しい眼差しを向ける。
「可愛い義妹の晴れの日だ。過去との決別ってのは別格だからねぇ。そんな日を迎えられたんだ、祝福するし、手伝いもするさ。自由に空を飛ぶ姿を見られるのなら、ね」
 自由な彼女をこの目に記憶するためにも、先ずは目の前の鬼を倒すのだ。鏡夜は緋星と共に、永鶴へと鋭く視線をやる。
「義姉として、この日を見逃すわけにはいかないだろう? 祝いの花を沢山贈ってやろうじゃないか」
 薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)も、冷めきった目を永鶴へと向けながら、静かに呟いた。
「なるほど、仮面の理由はそういう事だったのね……で、アレが黒詠ちゃんの宿敵か」
 黒詠との一連のやりとりを見ていた御守・樹(諦念の珪化木・g05753)が、率直な感想をこぼす。
「なんつーかめんどくさそうなやつじゃね? うまくいえねーけど半端な軍師気取りとういうか」
 不快という次元を越えてとにかく面倒な奴だと、樹は永鶴に対して思う。
 ――実際、面倒で、とにかく表現し難いほどにどうしようもない男であろう。永鶴を観察していた透が呆れたように溜息をつき、吐き捨てるように言った。
「いかにも顔だけって感じ。中身が伴ってないって、ああいうのを言うのよね」
 嘲笑混じりに紡ぐ彼女へと、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)も同意するように頷く。
 他者を傷つけることに依って保つ威厳と所有欲。独りよがりの最低な男だ。
「本当にね、気持ち悪いったらありゃしない」
 この醜悪な鬼を見ていると、よく似た男のことを思い出す。ナディアは胸の内に激情を秘め、柔らかに言葉を紡いだ。
「私も微力ながらお力添えを。ああいう男は、完膚なきまでに討ちのめすのが一番よ」
 魂の一片たりとも残さぬと心に決めたのは、彼女だけでなく、その場にいる全員がそうだ。
「まー、何とかできそうなら頑張るさ。俺ができることって言ったら、それくらいだから」
 短絡思考なりに導き出した答えだと、樹は自身の考えについて評価している。そこに諦めは存在しない。
 醜悪、悪辣、あらゆる汚いモノを美しいガワに詰め込んだ鬼へと、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は、強い嫌悪感を抱く。
「……本当に醜悪な輩だな。こうも醜悪な輩が同じ男だと思いたくない位には醜悪だ」
 黒詠含め、これまでこの鬼に傷つけられた人々のことを思うと、焼けるように胸が痛む。――その痛みは、怒りだ。
「女性を傷付け、己の所有物の様に扱う等男として言語道断! 男の風上にも置けない卑劣さ、絶対に許さない!」
 武器を突き付け、必ず打ち倒すと宣言する。荒田・誠司(雑草・g00115)も永鶴の姿をまっすぐに見据え、はっきりと告げた。
「とうとうクロノス級のお出ましだな。きっちり引導を渡してやるから覚悟しておけ!」
 その言葉に、永鶴がクスクスと笑う。
「石ころ風情が面白いことを言う。お前達を痛め付ければ、黒詠の愉快な顔が見れるかもしれんなぁ」
 ああ、本当にこの男は。生かしてはおけない。この世に存在してはいけない者のひとりに、永鶴は間違いなく入るであろう。
 誠司は氷のような眼差しを永鶴へと向けつつ、心の内に熱い炎を滾らせる。
「それ以上、その汚い口で黒詠の名を呼ぶな。もう彼女を傷つけさせるかよ。その懐かしいあの日とやらに戻すわけにはいかねぇ!」
 その言葉ひとつひとつには、確固たる意志が宿っている。黒詠を守り抜くという、揺るぎない意志が。
「……まったく、騒がしいことこの上ない。お前の仲間はまるで吠え立てる獣のようだな、黒詠?」
 深く息をつき、やれやれといった顔をする永鶴。黒詠を煽るように言うも、黒詠は冷静な面持ちを崩さない。
「舞台は整った、役者も揃った。もう、怯えることは無い。憂いを断ち、過去を清算する時が来たんだ」
 淡々と紡ぎながら糸を操る。彼女だけでなく、子狐も得物を手に取った。銀の切っ先が、鬼の首へと差し向けられる。
 復讐の志を胸に黒詠は告げる。迷いなど欠片も存在しない、刃のように鋭い声音で。
「決着をつけよう。お前の命運は尽きたんだ。……私の仲間を獣と罵ったこと、必ずや後悔するだろう」
 彼女の決意に、当然鬼は首を横に振る。
「あり得ない。お前が私の物だということを、わからせてやろう」
 彼が生み出すは雑賀衆の幻影。傲慢な鬼の憐れな手駒達が牙を剥いた。
 その幻影は確かな力を宿し、ある者は槍や刀を手に、またある者は銃口を構えて突撃する。
 心なき軍勢を見据え、娑婆蔵は剣術の型を構えた。
「手前、姓は奴崎名は娑婆蔵――人呼んで『八ツ裂き娑婆蔵』。始めやしょうぜ、顔にうるせえ鬼畜生。目鼻耳口……首! ご自慢のツラ、いっぺん八ツ裂きにしてやりまさァ!」
 その手に握るは人斬りの刃。だが、これから斬るのは人ではない。
 人の形をした悪鬼を斬る……遠慮も手加減も要らぬ、鬼殺しの技芸を魅せる時。
 幻影の先にいる永鶴へと声高らかに告げる。黒詠へと向いていた永鶴の視線が、娑婆蔵へと向いた。
「――邪魔だ」
 ぽつりと永鶴が呟いた。幻影の群れが、娑婆蔵へと突撃する。
 娑婆蔵は幻影の渦中に呑み込まれた。刀を前に構えて衝撃を受け流し、防御に徹する。
「おっと、こいつァ大軍だ。このまま轢かれでもすりゃ、堪ったもんじゃねぇ」
 口ではそう言いながらも、娑婆蔵の腹には別の考えがある。
(「しっかしまァ、こんな大袈裟な技――やりすぎりゃァ、見えるものも見えなくなるってもんよ」)
 永鶴から見れば、やむを得ず幻影に呑み込まれたように見えるだろう。だが、娑婆蔵は敢えて呑まれていた。
 すべては己の身を大軍に紛れさせ、相手から己の姿を捉えにくくするため。
 そして、彼が防御に徹する間にも、他の仲間が黙っているわけがない。
 永鶴が娑婆蔵へと幻影を差し向けるのとほぼ同時に、ルィツァーリと樹もパラドクスを展開していた。
「貴様が幻影の群れを使うなら、こちらも一斉に攻め込むまで!」
 巨大な大砲を顕現させ、ルィツァーリはエネルギーを注ぎ込む。注がれたエネルギーは渦を巻き、炎の球を生み出した。
 それに反応しない永鶴ではない。大砲に対抗するように、幻影の隊列を形成する。
「幻影は私が生み出したもの。相手が子供でも、命じれば殺せる」
 斉射乱撃がルィツァーリを襲う。無数の銃弾が飛んでくるも、致命傷となる弾を避け、雨のような攻撃を耐えきった。
 痛みはある。だが、その痛みで集中力が途切れることはない。
(「これで、殺せるだって? 結局この鬼は俺達のことを甘く見てる……攻撃からひしひしと伝わってくるぜ!」)
 銃弾の嵐の向こうに居る永鶴を、キッと睨み据えた。しかと照準を合わせ、大砲の狙いを確定する。
 この鬼が二人――黒詠と誠司の未来の邪魔をするというなら、打ち破る助力をするのみだ。固い決意と共に、精神を集中させる。
「この程度で、殺せると思うな! 貴様が虐げてきた女子供の反撃を喰らうと良い!!」
 『ペルーン神の焔矢』が発射された。焔矢は流星のように駆け、幻影達を貫く。焔矢は止まらず、奥にいる永鶴へと撃ち込まれた。
 永鶴は大太刀を構え焔矢を受け止める。焔矢の熱と衝撃は、彼に確かなダメージを与える。だが、それでも雑賀衆の幻影は止まることを知らず。
 兵士達の波の間をすり抜けながら、樹は思考を巡らせる。
(「下手に兵の相手をするより、直接狙った方がいい――狙われる前に蹴りを永鶴に叩き込んでしまえれば」)
 槍や銃を持つ幻影は厄介だが、相手取っている暇はない。こちらが消耗する前に幻影を抜け、本体を直接叩きたい。だが――。
「……まぁ、そう簡単には辿り着かせてくれないか」
 飛燕で飛ぶように駆け抜けるさなか、幾らかの攻撃が足や腕を斬り裂いてゆく。
(「痛くないといえば嘘になるけど、大丈夫だ。手も足も、まだ余裕で動く」)
 動けなくなるよりも、幻影の軍勢を突き抜ける方が早い。幻影を突破し、樹は永鶴へと肉薄する。
 永鶴は薄ら笑いを浮かべていた。
「諦めれば、苦しめず楽に殺してやるぞ?」
 近付かれても動じない永鶴を、樹は呆れ混じりに見つめ――目にも留まらぬ速度で、蹴撃を叩き込んだ。
 強い衝撃が、永鶴の体を激しく揺らす。
「わかってないな……この局面、どう見ても諦めるようなところじゃないだろ」
 蹴りを受け止める永鶴の背後で、黒詠と子狐が舞う。
 同時に繰り出される剣撃に永鶴は身を斬られるも、続けざまに振り下ろされる二撃目は大太刀で受け止めた。
 刀が激しくぶつかり合う音が、鼓膜を揺らす。
「……お前の連れは本当によく噛み付く犬ばかり。おかげで、お前を構ってやれない」
 永鶴がゾッとするほどに甘い声色で紡いだ。しかし、毒のような言の葉が黒詠を侵すことはない。
「動揺させて私の手元を狂わせたいのだろうが、無駄なことだ」
 その心は研ぎ澄まされ、いかなる雑言も寄せ付けない。鍔迫り合う中、永鶴は眉を寄せる。
「……フン、生意気な女だ」
「生意気で結構。この子と共に磨いた刃で、お前を討つ」
 断言する黒詠へと、永鶴は口端を吊り上げた。
「ならばその刃が届く前に、終わらせてやろう」
 雑賀衆の幻影が一斉に銃口を黒詠へと向け――だが、その攻撃は彼女に届かない。
 ルィツァーリの焔矢が隊列を吹き飛ばし、永鶴へと再び攻撃を浴びせてゆく。
「終わるのは貴様だ! 貴様の様なロクデナシは、ここで終わらせる!」
「チッ……」
 永鶴は負けじと瞬時に幻影を再召喚するが、今度はリューロボロスが黒詠への攻撃を防いだ。巨竜の頭部へと転じた右腕が、幻影達を噛み砕いては、容赦なく喰いちぎる。
「貴様は多くの罪なき命を虐げた! 今こそ、その醜悪な魂が断罪される時と知れ!」
 巨竜は幻影達を喰らい尽くしたが、まだ足りぬと言うかのように永鶴へと牙を剥いた。
「クソガキ共が……邪魔しおって」
 永鶴が悪態をつく。その間にも、リューロボロスは稲妻のように迫った。
 彼女はその細い顎を開き、己の牙を鋭く光らせる。竜としてのそれに比べれば小さな牙。自前の牙。幼子の牙。
「――だが、だからこそ貴様に穿つには相応しい! 貴様が弄んできた女子供の牙、その身に受けよ!」
 その牙には裁きを下す力がある。鬼を地獄へと突き堕とす、誇り高き竜の牙が。
 一瞬の出来事だった。リューロボロスの牙が永鶴の鼻を穿ち、顔面から引き千切る。
 血が噴き出した顔面へとブレスをお見舞いしてやれば、瞬く間に醜い火傷の痕が広がった。
 永鶴は顔を押さえ、怒りに大きく目を見開く。
「ぐああああぁッ! このッよくも、よくも私の顔を……!」
「意趣返しよ! もっとも醜きは貴様の精魂だがの!」
 食い千切った肉を吐き捨て、リューロボロスは鋭い眼で刺し貫くように永鶴を見た。
「貴様が貶し、刻んだ呪いから、黒詠は解き放たれた。先刻、自らの翼で飛び立ったのだ! 置き去りにされし哀れな過去よ。貴様が黒詠に遺すものは何一つ無いと知れ!」
 貴様のような悪鬼は無惨に散り果てるのみ、他は決して認めぬと竜は断ずる。
 それを理解できぬ永鶴は、悪意以上に怒りへと染まりつつあった。
 ――憤怒のままに幻影を生み出す彼は、背後から迫る凶刃に気付かない。
 肉を潰すような、鈍い音がした。
 娑婆蔵の刀が、永鶴の胸部を深く貫いたのだ。
「あっしのことを忘れてもらっちゃァ困りやすぜ?」
 娑婆蔵は瞳を細めニヤリと笑う。幻影に紛れた上、他に気を取られたことで、娑婆蔵の存在を永鶴は完全に失念していた。
「貴、様……!」
「いやァ、首は先約がいやしてね。あっしはこのあたりで満足しておきやす」
 肉を裂く感触を刀越しに味わいながら、娑婆蔵は刀を引き抜いた。
 永鶴はふら付きながらも体勢を整え、血だらけの顔でディアボロス達を睨み付ける。
「石ころの分際でッ……決して許さぬ」
 傷付いた顔をさらに歪ませる永鶴へと、樹は冷めた視線をやり、呆れたように溜息を吐く。
「あんたがこれまで散々やってきたことだろ。何でもかんでも使い捨てにしてきた報いだな」
 接近し、再び飛燕を叩き込んだ。先程よりも手応えがあるように感じる。
「私に無礼を働いた事、必ずや後悔させてやろう」
 明らかに消耗しつつある中でも、永鶴は幻影の雑賀衆を繰り返し出現させる。
 薙刀――スティーリアで襲い来る兵士達の刀や槍を受け流し、透は幻影の先に居る永鶴を睨み据えた。
「てか檻とか所有とかキショイ事言ってっけどさァ、要はフラれた元彼がヨリを戻そうって情けなく縋り付いてくるようなもんでしょ」
 幻影の銃弾が飛んできた。スティーリアを振り回し、渾身の力で弾き飛ばす。
「ダッッッサ! この上なくダッッサイし。そんなのが偉ぶってるなんて、どうかしてるわ」
 透は鼻で笑い、永鶴へと軽蔑の視線を送った。突き刺さるその視線へと、永鶴は訝しげに眉を寄せる。
「情けない? 私が? 所有物を手元に戻すことの、どこが情けないのだ?」
 その答えの気色悪さに、透は元々あった嫌悪感がゾワリと増すのを感じる。
「うわ……もしかして自覚ないの? どうりで、一から十までキッモイことしか言えないわけね!」
 歪みきった鬼畜生へと、ナディアが氷のような声色で言い放つ。
「その下らぬ言葉を発する口を閉じろ。虫唾が走る」
「貴様も邪魔をするか、女」
 永鶴が大太刀を振り下ろす。ナディアは魔力の壁を形成し、振り下ろされた大太刀を受け止めた。
「――貴様に似た男がいたわ、それもまた同じように妻の手にかかり絶命した」
 淡々と紡ぎながら、過去の情景が頭を過ぎる。
(「……あの男と同じ下衆。本当にどこにでもいるのね……嫌になるわ」)
 自らの手で止めを刺した宿敵――ミルザム。妻と子と、大切な家族に凶刃を向けたあの男。
 あの男と、永鶴というこの悪鬼は、よく似ている。鋭く研ぎ澄まされた刃のごとき瞳に、ナディアは永鶴を捉えた。
「因果は巡り自身に返って来る。貴様の運命も既に定まった。決して逃れることなどできぬ」
 横へと体を翻し、大太刀の斬撃を受け流す。智謀とは言うが、結局はただの力押し。それが永鶴の性質を表しているようで吐き気がした。
 ナディアは魔術を編み上げる。詠唱と共に舞い散るは黄金の羽。羽は降り注ぎ、永鶴の身を焼き払った。
 光の羽に囲まれ焼かれる様は、あたかも輝く檻の中にいるようだ。
 ――果たして、檻の鳥はどちらだったか。
 力に溺れ見誤った愚かな鬼を、ナディアは冷やかに見つめる。
 焼かれながらも、永鶴は黒詠へと幻影を放とうとする――だが、それよりも先に、彼の頭上へ大量の爆弾が放たれた。
 誠司がトラップメーカーを展開し、特殊な小型爆弾を瞬時に造り上げたのだ。
 降り注ぐ特殊な爆弾は、氷結する嵐を巻き起こす。急速に冷やされ張り付く氷を払い、永鶴は誠司へと血走った眼をやった。
 その眼を見て、誠司は静かに問う。
「賢いと聞いていたんだがな。予想外の劣勢と怒りで頭が回らなくなったのか?」
 問いには答えず、永鶴は誠司へと幻影を差し向ける。
 槍や刀を振り翳す彼らへと、誠司は爆弾を投げ放った。爆弾は幻影と衝突し弾け、そのエネルギーを相殺させる。
 氷結嵐が残した冷気の中、永鶴が忌々しげに口を開いた。
「ここまでして、黒詠を貴様らの物にしたいのか」
 その言葉は誠司の耳へと届く。腹の奥から込み上げるのは確かな嫌悪感、そして怒りだ。
「……この期に及んで、黒詠を物みたいに扱うんじゃねぇよ。どれだけ彼女を侮辱すれば気が済むんだ」
 感情の熱が、胃の奥をギリギリと締め上げる。それは急激に速度を上げ、胸へとせり上がってゆく。
「怒る理由がわからんな。それに、夫である私が奴をどう扱おうと――」
 もう聞いていられない。激情は喉を抜け、勢いのままに外へ。永鶴の言葉を遮り、誠司は力強く断言する。
「黒詠は俺にとって大切なひとだ! それ以外に理由なんてねぇよ、わかったかこの下衆野郎!!」
 想いは大きく、そして答えはシンプルだ。ゆえにその意味は、永鶴にも通じたようだ。
 永鶴は驚いたように目を見開いて――次には、狂ったような笑い声を空に響かせた。
「はははははっ! なるほど、外で新しい男を作っていたのか!」
 不快で厭らしいことしか言わぬ鬼。その汚い言葉を撥ね除けて、誠司は再び大量の爆弾を放つ。
「俺が彼女を守っていく! お前に出る幕はねぇんだ!」
 熱い想いと共に注ぐ爆弾は極寒のように冷たく、永鶴の体を容赦なく凍らせてゆく。
 誠司の言葉は、もちろん黒詠にも届いていた。
(「……今日のことは、一生忘れないだろうね」)
 飛来する弾丸を刀で弾き飛ばし、彼女は前を見据える。今日を良き日とするためにも、必ず永鶴を葬り去ってみせる。
 誠司と永鶴の応酬に、鏡夜はどこか楽しげに表情を綻ばせていた。
「いやぁ、いいね。熱い告白だ。今日は別の意味でも記念日になるかもしれないねぇ」
 そう言いながらも、鏡夜は動き続けることを決して忘れない。少しでも永鶴の動きを制限できる状況を作り出す。それが彼女の狙いだ。
(「ボクがやるべきは道を作る事、そこを進むのは今日の主役だけさ」)
 『陰歌・茨』を発動する。陰から伸びる漆黒の茨が蠢き、永鶴へとその棘を巻き付かせる。
「この程度で、私を縛れると思うてか!」
 茨を斬り落とし、永鶴は大太刀を鏡夜へと振り下ろした。鏡夜は即座に鉄扇を前に翳す。ギイン! と鉄扇と刀の交差する音が響き渡る。
 その斬撃は重く、衝撃も強い――だが、鏡夜はそれを脅威であるとは感じなかった。
 威力が理由ではない。傷だらけの永鶴の表情は感情的に歪み、最初の頃の余裕を無くしていたからだ。
 鉄扇と刀の間から永鶴の顔を覗き見て、鏡夜は口元をにやりと上げる。
「鬼のような形相……いや、実際に鬼だったか。散々意趣返しを受けたんだ。忙し過ぎて、愉悦に浸る暇もないかい?」
「黙れ……」
 地を這うような声で永鶴が言う。だが、それすらも虚しく響くだけ。
 雑賀衆の幻影を捌ききり、永鶴を視界の中心に捉えた透が、上機嫌に口元を緩めた。
「大切なひと、ね。よく言ったわ。思わずニヤニヤしちゃいそう。……ま、そういうことだから」
 彼女の眼が妖しい輝きを放つ。氷晶を宿す魔眼が、永鶴をまっすぐに睥睨する。
「今黒詠ちゃんは素敵な彼氏と蜜月なの、だから余計な雑音はスッ込んでてくれるかしら!」
 そのパラドクス――魔女の系譜たる証は、あくまで模倣。だが、模倣とはいえ、永鶴の身に害を成すには十分な威力だ。
 魔力によって生じた氷が永鶴の体を這い上がり、彼を氷の中に閉ざそうとするかのごとく広がってゆく。
 振り払おうと永鶴は体を動かそうとするが、すかさず鏡夜が影の茨を操り動きを制限した。
 影の茨は足元から伝い上り、ぐるりと永鶴を包み込む。
「縛り上げられる気分はどうだい? 因果応報というやつを、思う存分味わうといいさ」
 茨の先から影の蕾がほころんだ。美しい影の花が咲き乱れ、永鶴の体を容赦なく蝕んでゆく。
 氷と茨に拘束され、締め上げられ、永鶴の体が軋んだ音を立てた。
「おかしい……あり得ぬ、このようなこと、決してあってはならぬ……!」
 永鶴が焦燥の滲んだ声を上げた。終わりは近い。
「だいぶ弱ってきてるな」
 樹が静かに呟く。娑婆蔵もこくりと頷いて、観察するように永鶴を見つめる。
「そろそろ仕舞いでございやすかねぇ」
「黒詠ちゃん、アイツに思い知らせてやって!」
 透が強気に言った。ルィツァーリも黒詠へと声をかける。
「さあ、トドメは任せた! ロクデナシ相手にきっちり決着をつけてくると良いぜ!」
 リューロボロスも、黒詠を高らかに鼓舞する。
「黒詠よ。良い。竜が許そう。私怨、大いに結構! 我らは復讐者。ぬしの怒りを、恨みを、憎しみを否とするものなど誰もおらぬ。絶縁状として叩きつけてやるが良い!」
 ナディアの『祈淵の防壁』が、光の道を拓いた。
「さあ黒詠さん決別を。新たに歩む第一歩を! お往きなさい、私たちがその為に道を切り開く!」
 勇ましき歩みに、光の加護を。立ち止まる事なかれ。前を向き、歩む君に祝福を。
「さ、行っておいで。キミが笑って歩けるように、過去との因縁を清算してきなさい」
 道はできた。鏡夜は柔らかに紡ぎ、黒詠を送り出す。誠司が、黒詠の背中を優しく押した。
「黒詠、これまでの恨みも何もかも、全部叩き付けてやれ!」
 さあ、自由に空を舞え。君を縛る鎖は、もうないのだから。
「――ああ、無論だ」
 仲間達が雑賀衆の幻影を相手取る中、黒詠は永鶴へと肉薄する。
 子狐と共に刀を振り、疾風怒濤の斬撃を繰り出した。洗練された連撃が、永鶴の角を砕く。
 永鶴がより深く顔を歪ませ、口汚く罵った。
「群れないと戦えぬ雑兵どもがッ……」
「確かに、私一人では仕留めきれないだろう。だが、それがどうした」
 永鶴へと再び刀を振り下ろす。斬撃を受け止めるも苦しげに呻く永鶴へ、黒詠は断言する。
「皆が私の背を押してくれている。ならば、私はそれに全力で応えるのみ。応えるだけの力が、私にはある」
 私怨に憤るべきでないことは理解している。だが、これで最期なのだ。恨みつらみの一つくらい言ってやらなければ。
「結局お前は私を物にすることが出来なかった、それどころか牙を剥かれている。それに、私を受け入れてくれる人も見つかった。お前の出番など無い」
 重ねられる剣撃が、永鶴を追い詰める。――所詮この鬼は武に秀でていない。幻影さえ抜けてしまえば、技量は黒詠の方が上だ。
 息ひとつ乱さず、黒詠はさらなる言葉を紡いだ。
「お前には感謝しているよ、永鶴。お前が救いようのない鬼畜生だったおかげで、大切な仲間達に巡り会えたのだからね」
 無論、真に感謝しているわけではない。これは皮肉だ。そしてこの皮肉は――。
「ッ……!」
 永鶴が大きく目を見開く。その言葉は、その手法で散々相手を弄んできた永鶴に『よく効く』のだ。
「黒詠あああアアアァァ!!!! よくも、よくもこの私を侮辱したなァ!!!!!!!!」
 因果応報とは、まさにこの事。いかに蹂躙されようと、尊厳を破壊されようと。他者を足蹴にし続けたこの鬼は、何の助けも得られぬまま、孤独に散るしかない。
 激しい怒りの内に生じる隙を、黒詠は見逃さない。――永鶴の大太刀が弾き飛ばされ、虚しく宙を舞った。
 同時、黒詠と子狐が挟撃する。日輪に輝く剣閃が斬り捨てるは、永鶴の首。
「これが今のお前と私の差だ。空虚なまま、一人寂しく、檻の中で死んでいくがいい」
 骨ごと断たれたその首は、くるりとまわり、転がり落ちる。
「まさか、この私、ガ…………」
 体が崩れ落ちる。言葉は続かず、鬼の眼は暗い闇に閉ざされた。『死』と言う名の檻に、彼は永遠に囲われたのだ。

 永鶴は倒れ、争乱の熱は過ぎ去った。静寂に包まれる野の中心で、黒詠は佇んでいる。
 ――すべてが、終わった。
 静けさを破るように、透が口を開く。
「……よっし、キッショイモラハラド畜生男、無事撃破完了ね!」
 明るい声色で紡ぎ、彼女はにっこりと笑みを浮かべる。他の仲間達も、わいわいと騒ぎ始めた。
「うむ。まるで我が事のように晴れやかな気分よ」
 満足げなリューロボロスの横で、娑婆蔵が一つの考えを思い付く。
「こりゃァ祝杯を上げねェとな。帰ったら宴会の席でも設けやしょうか」
 娑婆蔵の提案に、鏡夜が同意するように頷く。
「いいねぇ、最近寒くなってきたし、鍋パーティーでもやるかい?」
 仲間内で材料を持ち寄って、盛大に宴会をやるのもいいかもしれない。
 その話を聞きながら、樹は心の内でぼやいた。
(「パーティーか……祝いたい気持ちはあるけど、知らない人が沢山来そうだな……」)
 まだやると決まったわけでもないし、考えても仕方ない。樹はそう結論付け、今は黒詠の新たな門出を祝うことにする。
 長きに渡る因縁の終わりを噛み締めていた黒詠が、皆へと向き直った。
「……皆、ありがとう。改めて礼を言わせてくれ」
 彼女の言葉に、ナディアは温かな微笑みを返す。
「あら、お礼なんていいのよ? 私もあの鬼を倒せて清々したわ」
「同感だ。本当に酷い奴だったし、助力できて良かった!」
 ルィツァーリも嬉しそうに頷いて、太陽のように笑ってみせた。
 胸の奥にじんわりと心地よい熱が広がる感覚に、黒詠はふっと表情を和らげる。
 ふと、空から鳴き声が聞こえた。その声に釣られるように見上げれば、鳥の飛ぶ姿が目に入る。
 太陽の逆光を受け飛翔する様は、漆黒の翼を広げているかのようにも見えた。
「黒詠」
 誠司が黒詠の名を呼んだ。黒詠は空から視線を戻す。彼女の瞳に、誠司の姿が映った。
「新宿島に帰ろう」
 優しく差し伸べられる機械の手。黒詠はその手を、そっと握り返した。
 ――握ったその手が人肌のように温かいと感じたのは、きっと、気のせいじゃない。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【アヴォイド】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2023年12月02日
宿敵 『雑賀・永鶴』を撃破!

和泉国城取合戦

 遂に千早城が起動し、和泉国城取合戦が開始されました。
 起動した『千早城』と共に、ジェネラル級天魔武者、狂月神機『淀殿』の居城である『岸和田城』に向かいましょう。
 淀殿は、配下を差し向けて、迫りくる『千早城』を撃退せんとします。
 その攻撃を跳ね除け、『岸和田城』に隣接する事が出来れば、『城』対『城』の戦いが発生、淀殿との直接対決に挑めます。

 城取合戦に勝利すれば、和泉国をディアボロスが制圧できます。
 そうすれば隣接する『令制国』に対して再び『城取合戦』を挑み、天正大戦国の制圧を進めていく事もできます。
 ただし、途中で作戦が失敗したり、決戦に敗北すると、敵に『千早城』を破壊・奪還されるリスクがある点には注意が必要でしょう。

※特殊ルール:前哨戦優勢

『和泉国城取合戦前哨戦』によって『淀殿』の勢力圏への攻撃を行っていたことで、この事件の必要成功数が減少しています。

狂月神機『淀殿』


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選択肢『クロノヴェーダとの対話』のルール

 事件の首魁であるアヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と会話を行います(状況によっては、トループス級(👾)との会話も可能です)。
 戦闘を行わず会話に専念する事になりますが、必要な情報が得られるなど、後の行動が有利になる場合があります。
 問答無用で戦闘を行う場合は、この選択肢を無視しても問題ありません。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿または👾で出現する敵との会話に専念する。戦闘行動は行わない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾千早城を防衛せよ『雑賀衆』のルール

 『千早城』を迎撃するクロノヴェーダの一部が、ディアボロスを迂回して直接『千早城』に乗り込み、千早城の破壊を行おうと攻撃を仕掛けてきます。
 この攻撃に対処し、千早城の防衛を行ってください。
 シナリオ終了時に、この選択肢がクリアされていなかった場合、千早城に相応の損傷が発生し、ダメージが蓄積された場合、移動が不可能になるかもしれません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿をクリアするまでに、この選択肢の🔵が👑に達すると、このシナリオで周囲の建造物などに大きな被害を出さずに済む。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿クロノス級復讐召喚決戦『雑賀・永鶴』のルール

「復讐召喚」の発動により、アヴァタール級と入れ替わる形で召喚されたクロノス級クロノヴェーダを撃破し、因縁に決着をつけます。

 クロノス級クロノヴェーダは、自分と等しい能力を持つ『アヴァタール級を生産する能力』を持ちますが、戦闘力自体は、アヴァタール級と同程度です。
 撃破すれば、以後、このクロノス級クロノヴェーダが生み出すアヴァタール級が出現しなくなります。
(既にシナリオに登場しているアヴァタール級が消える事はありません)

 この選択肢が失敗すると、クロノス級クロノヴェーダは再び基準時間軸を逃れ、自分がいた「過去のディヴィジョン」へ戻ってしまいます。
 その前に撃破してください!

※注意
 クロノス級クロノヴェーダは、召喚されたばかりで、ディヴィジョンの現在の状況を知りません。
 そのため、有益な情報を引き出す事は出来ないので情報収集のような行動は行えません。


 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【撃破】【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、宿敵を完全に撃破し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「雑賀・黒詠」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。