リプレイ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
ランヌ元帥との邂逅も射程内に捉える
いよいよ撤退軍も後がなくなってきたな……
ここで仕上げだ。頑張ろう
先に鉄爪貴婦人を惹きつけておいて倒し、大群との戦闘を有利に
仲間と連携を取り、情報共有を
行軍が草原を通るのを待ち伏せ奇襲
草原の地形の起伏、死角や影があれば利用、迷彩コートを纏い伏せるなどで潜み
双眼鏡で色彩や目立つ動き、足音で接近を把握し潜伏
情報共有し、ハンドサイン等で合図を
可能なら機を合わせ、貴婦人が視野に入ればPD攻撃を仕掛け
クロスボウにPDの魔力の矢を番え、連射で狙い撃つ
仲間と敵軍包囲の位置を取り、【防衛ライン】でトループスと分断
味方との攻撃の切れ間を作らぬよう矢を放ちPD攻撃
休む暇を与えず戦闘
動きを観察し、敵の視線の逸れた隙を看破
よそ見をしている場合かな?
敵の攻撃には、魔力障壁で身を護り
拘束にタワーシールドをかませて振り解きつつ、冷気を防ぎ忍耐
貴婦人らしい義務の果たし方だ……敬意を表する
けれど、俺は何度も見てきたよ。それが囮であることを……
ジュールダンの策、破らせてもらう
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
大陸軍の再編成など、させません
ランヌとジュールダンにディアボロスの牙を届かせる為に
揺動であろうと、徹底的に倒して回りましょう
周囲の色に合わせた迷彩マントを羽織って草原に潜み
軍勢が通過してきたら、仲間とタイミングを合わせて奇襲します
宙に展開した鍵盤で「凱歌」を演奏
白馬の騎士を喚び、馬上槍を構えての突撃攻撃を指揮します
仲間と鉄爪貴婦人の周囲を囲むように散開して
仲間の攻撃直後に此方から攻撃を撃つなど、できるだけ敵の不意を撃つよう
に動き、モラン・ドールの援護に入る余裕を無くすようにしたいところ
自己犠牲の精神は嫌いではありません
しかし、いくら犠牲を重ねようと、貴方達の願いは叶いません
反撃の接吻には魔力障壁を展開して凌ぎます
愛の無いヴェーゼは遠慮いたしますよ
いくら凍えようと、その程度で止まるほど此方もヤワくはありませんので
負傷は必要経費と割り切り、演奏を続行します
軍を再編成するにしても、どこに集結させるつもりだったのでしょうね
ランヌとジュールダンを倒せば分かるでしょうか
●生と死の境界
目前に広がるのは色褪せた草原。乾いた空から吹き下ろす風は葉を揺らし、不吉な報せを運ぶようにざわめき立つ。
ピレネー山脈中腹――自動人形達が通るルートに先回りしたディアボロス達は草原に潜み、静かにその時を待つ。
(「ランヌ元帥との邂逅も射程内に捉える。いよいよ撤退軍も後がなくなってきたな……」)
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)の双眼鏡を握る手に、自ずと力が入る。
ピレネー山脈の撤退軍討伐戦も、ついに大詰めの段階だ。ランヌに届くか届かぬかの瀬戸際。
ここで確実に仕留なければ、間違いなく禍根となり得よう。
迷彩マントで身を隠し、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)も心の内で決意を口にする。
(「……絶対に、大陸軍の再編成などさせません。ランヌとジュールダンにディアボロスの牙を届かせる為に」)
――そして、その時は訪れた。『モラン・ドール』の軍勢と、彼女らを率いる『鉄爪貴婦人』が、草原へと姿を現す。
エトヴァがハンドサインを出した。それは奇襲の合図だ。ソレイユはそっと頷き、敵の側面へと回る。
(「目標を捉えた。――光、守護と成せ、かの敵を討ち払う力を与え給え」)
エトヴァは意識を集中させ、クロスボウを引き絞る。魔力のオーラを矢に変えて、鉄爪貴婦人へと撃ち放った。
蒼天の輝きを纏う弓矢が、空を舞う隼のように駆ける。眩い光を散らしながら飛翔する矢は、鉄爪貴婦人へと直撃した。
一撃に留まらず、エトヴァは矢を連射する。鉄爪貴婦人は袖を広げ、機械腕を露わにした。
残りの矢を腕で弾き飛ばし、鉄爪貴婦人はエトヴァへと接近する。
「……ディアボロス、ですね?」
彼女は唇から冷気を発しながらエトヴァへと腕を伸ばし、絡め取ろうとする。
その背後で、勝利の凱旋のごとき旋律が響き渡った。
共に嘶くは幻影の白馬。鉄爪貴婦人がとっさに振り返れば、馬上から槍を構える騎士の姿が飛び込んだ。
(「高らかに勝利を謳い、光輝燦然たる聖槍を掲げよ」)
ソレイユは宙に並ぶ鍵盤を打ち鳴らし祈りを捧げる。祈りは旋律となり、旋律は勇壮なる騎士の姿へと形を変えたのだ。
繰り出される槍をギリギリのところで受け止め、鉄爪貴婦人は飛び退いた。
「私達は本国へ帰るべき身。全身全霊を以て貴方達を退け、この場を通していただきます」
彼女の静かな敵意を浴びながら、エトヴァは柔らかに語りかける。
「貴婦人らしい義務の果たし方だ……敬意を表する。けれど、俺は何度も見てきたよ。それが囮であることを……」
そう、これはジュールダンの策なのだ。既にわかっている。理解しているからこそ、彼女達を逃すつもりはない。
エトヴァの言葉に、鉄爪貴婦人が瞳を細めた。
「……貴方達は本当に無粋ですね。まるで当然のように、私達の秘密を暴いてくるのだから」
歌うような声色には、僅かな不快感が垣間見える。うっすらと滲む負の感情を静かに受け止め、ソレイユが淡々と紡いだ。
「自己犠牲の精神は嫌いではありません。しかし、いくら犠牲を重ねようと、貴方達の願いは叶いません」
その指は決して鍵盤から離さない。いつでも幻影の騎士を走らせられるよう、精神を研ぎ澄ます。
鉄爪貴婦人は、ふっと笑みをこぼした。
「それは、貴方達が決めることではありません」
彼女は機械腕を広げ、瞬時にソレイユへと距離を詰める。
速いとは思いこそすれ、目前に迫る敵に対して、動揺や焦りをソレイユが感じることはない。
(「――彼女よりも速い敵を知っている」)
考えるよりも先に、反射的に魔力障壁を展開する。
「もっと近くで、可愛らしいお顔を見せてください」
障壁を砕き、鍵盤を鋭い爪で引っ掻きながら、鉄爪貴婦人はソレイユに組み付こうとする。
間近に感じる冷気が肌に突き刺さる。もし唇が触れたら、それはどれだけの極寒をもたらすのだろう。
(「指が、体が、凍り付いたように冷たい。けれど、それがどうした」)
その命が完全に尽きるまで、ソレイユが演奏を止めることはない。冷気など物ともせず、彼は指を走らせる。
彼の演奏に呼応し、白馬の騎士が再び槍を掲げた。至近にある鉄爪貴婦人の顔を見つめ、ソレイユは凛と告げる。
「愛の無いヴェーゼは遠慮いたしますよ。どうかお引き取りを」
騎士の槍が鉄爪貴婦人の横腹を薙ぎ払った。斬り飛ばされた彼女は、忌々しいものを見るような視線をソレイユへと向ける。
人形らしからぬ、憎しみの籠った瞳が――。
「よそ見をしている場合かな? あなたのお相手は彼だけではないよ」
凪いだ海のような声色と共に、彼女の視界いっぱいに羽根が舞い踊った。
エトヴァの『Fedelschüsse』が、憎悪に揺れる彼女の瞳に星屑のような光を散らせる。
「この光は……――!」
激痛が彼女を貫いた。美しい光に気を取られた一瞬の隙を突き、魔力の弓矢が降り注ぐ。
重ねられる連撃は、鉄爪貴婦人へと確かなダメージを与えたはずだ。ぐりんと首を回し、鉄爪貴婦人は目を見開きながらエトヴァを見た。
「……嗚呼、美しいですね。壊したくなるほどに」
立て続けに攻撃を受けてもなお素早く、彼女はエトヴァへと迫る。
(「接敵からの拘束、何より面倒なのは唇から発せられる冷気か――だが」)
エトヴァは魔力障壁を展開すると同時、タワーシールドを構えた。
障壁を強引に破り侵入した機械腕を弾き返す。耳障りな金属音と銀色の光が、両者の間で散り咲いた。
「心に決めた相手がいるのでね。接吻は遠慮しておこう」
軽やかに紡ぐエトヴァへと、鉄爪貴婦人は微笑みを浮かべてみせた。
「そうですか、残念です」
口元だけの、歪な微笑だ。彼女の正面に立ちつつ、ソレイユはエトヴァへと視線をやる。
「このまま彼女を引き留めましょう。倒さぬよう気を遣うというのは、少々面倒ですが」
ソレイユの言葉に、エトヴァは力強く頷いた。
「ああ、仲間がモラン・ドールを殲滅するタイミングを待つ。それまでは、多少負傷してでも彼女を引き留めなければ」
今はまだ、この戦いを終わらせてはいけない。敗北など論外、勝利でさえ今はその機ではない。
ディアボロス達は不安定な足場に立つような心地で、鉄爪貴婦人と対峙する――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
プターハ・カデューシアス
アドリブ・連携歓迎
自旅団員、ソレイユは呼び捨て
いよいよピレネーも大詰めですね
一隊でも多く殲滅しましょう
囮と解っていても…いや、だからこそ
「本命」を引きずり出すために
此処で散って下さい
戦況を冷静に判断し、仲間と情報共有
地形を確認した上で退路を断つ布陣を
可能であれば待ち伏せをしての奇襲攻撃
味方が首魁を充分に引きつけたのを確認し
モラン・ドールへ仕掛けます
私は桜散春風で攻撃
大群ですが、逃げるときは小隊に分れる可能性を考慮して
他の隊との情報を【通信障害】物理的にも花吹雪で視界を遮り
更なる混乱を与えます
多少の負傷は覚悟の上ですが【グロリアス】の効果で味方の疲弊を少しでも減らせれば幸い
敵も決死の覚悟で囮として我らと対峙しているのでしょうね
しかし、残念ながら
我ら復讐者
とても執念深いのです
貴方方は勿論、貴方方の守るジェネラル達も逃がしはしませんよ
故郷への帰還を果たせぬのは少々不憫ですが
せめてもの手向けに桜花を送ります
貴方たちも 美しく、この山で散って下さい
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
仲間の為に囮になりますか、その覚悟はお見事です。
例え自動人形であろうと、固い決意を持って挑む者を侮る事は出来ません。
だからこそ、そんな連中をナポレオン達に合流させるわけにはいかないのです。
確実に、全力で打ち破らせて頂きます。
アヴァタールを担当する部隊が戦闘を開始したらこちらもトループスとの交戦を始めましょう。
ゴーグル型デバイス『Boeotia』のテンプルをノックしてパラドクスを発動
≪ - 人機接続:Lynx of Boeotia - ≫
Boeotiaを起点に各武装と神経の接続を行い
人の力だけ、機械の力だけでの弱さを補い合い、
相乗効果を発揮する事で不可能を可能に変える
『人機一体』の力を駆使して戦闘を行います。
手には機械魔導弓『ACRO』、フォトンと魔力の灯火を番えて引き絞り
必殺の一矢へと昇華して放ちます。
撃ちあいなら…決して負けませんよっ!
攻撃後は即座に防御の姿勢
複数の【結界術】と矢を放って適語光線を相殺しましょう。
アッシュ・シレスティアル
※アドリブ、連携歓迎
なんでお前たちなんだ…なんで淫魔がいないっ!?
…という冗談はさておき、追撃作戦もいよいよラストスパートって雰囲気を察知して微力ながらこのたゆんスレイヤー、贋作のたゆんども相手だが手を貸すぜ。
先発隊がアヴァタール級と戦闘を始めて注意を引いてるのを確認したらこちらも仕掛けるぜ。
纏った悪魔装甲の口元の装甲を下にスライドさせ、出来た隙間に勇奏剣を近づけてパラドクスを奏でて幻影騎士を召喚。
攻撃は幻影騎士に任せ、俺は常に一定以上の距離を保って相手の動きを見る事に専念し、消耗してる個体に幻影騎士をぶつけるようにして相手の数を減らしていくつもりだ。
一応たゆライズも起動しておくが、所詮人の形した作り物でしかないわけで…まぁあっちに比べたら本体が美人に作ってあるだけこっちの方がマシか。
相手の攻撃を受けても奏でる手は止めないぜ。
グランダルメに利益を尽くせっていうなら敗戦続きで他所の勢力に好き勝手させざる負えない状況を作った自動人形どもは必要ないって事でより攻撃的にやらせてもらおうか。
エリシア・ランヴェルト
アドリブ、連携ともに◯
囮なら相手がかかった時点で目的を果たしてる以上、配下のトループス級も一緒に攻撃してくればこちらの戦力を削れるかもしれないのに逃走させようとするのは少し欲張りな感じしますね。
そうでもして戦力をかき集めたいって事なんでしょうか。
必要があれば【パラドクス通信】を使って意思疎通して、別働隊がアヴァタール級に仕掛けてトループス級がフリーになるまで潜みましょう。
こちらの仕掛けるタイミングは他の方と合わせ、魔術刻印から魔導銃は魔力を流したら軍団の先頭の方にいる数体を狙ってパラドクスで逃走を牽制します。
エレキコートの雷属性の付与と速さなら逃走する大群の相手にも追いつけるし足止めもおそらくできるでしょう。
相手からの反撃よりも早く動けるなら引き続き同じ個体を狙いますが、攻撃後は魔力障壁に魔力を流して反撃に備えます。
18発のビームの内数発でもいいので魔力障壁とノートゥングで受けながら即座に魔導銃を用いて反撃します。
それだけ撃っても見掛け倒しのビームで落ちてあげるつもりはありません。
●踏み入る者達
鉄爪貴婦人との戦闘が幕を開けると同時。トループス級の殲滅を任されたディアボロス達も戦闘を開始していた。
モラン・ドールを取り囲むように布陣し、一斉に奇襲攻撃を仕掛ける。飛び交うパラドクスが、荒涼たる草原を戦場へと変えた。
身構えるモラン・ドール達を前に、アッシュ・シレスティアル(蒼破拳・g01219)は勇奏剣を突き付ける。
「なんでお前たちなんだ……なんで淫魔がいないっ!? ……という冗談はさておき」
たゆんの気配――もとい作戦の終局の気配を察知した。ならば、為すべきことはひとつと、アッシュは悪魔装甲の奥で瞳を光らせる。
「追撃作戦もいよいよラストスパートってところか。微力ながらこのたゆんスレイヤー、贋作のたゆんども相手だが手を貸すぜ」
無論、殲滅作戦に加わったのは彼だけではない。エリシア・ランヴェルト(エルフのガジェッティア・g10107)も魔導銃を構え、モラン・ドール達と対峙する。
「囮なら相手がかかった時点で目的を果たしているというのに、配下のトループス級を逃走させようとするとは……少し欲張りな感じがしますね」
だが、大陸軍の現状を考えれば、その考えに至るのも無理はないともエリシアは思う。
「そうでもして戦力をかき集めたいって事なんでしょうか。どうであれ、逃がすつもりは毛頭ありませんが」
銃口を向けられ、対抗するように武器を構えるモラン・ドール達。
一切臆せぬ彼女達へと、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は真摯に言葉を紡ぐ。
「仲間の為に囮になりますか、その覚悟はお見事です。例え自動人形であろうと、固い決意を持って挑む者を侮る事は出来ません。……だからこそ」
機械魔導弓『ACRO』を堅く握る。モラン・ドールをその瞳にしかと捉え、力強く宣言した。
「そんな連中をナポレオン達に合流させるわけにはいかないのです。確実に、全力で打ち破らせて頂きます」
逃げ場はない。既に自動人形達の運命は決まっている。
「そう簡単に、倒されてたまるものですか」
モラン・ドールの一人が静かな声で言った。奇襲を受けてもなお動じぬ彼女達へと、プターハ・カデューシアス(招福龍・g03560)は、真剣な眼差しを向ける。
「貴方方も、決死の覚悟で囮として我らと対峙しているのでしょうね。しかし、残念ながら……我ら復讐者、とても執念深いのです」
時さえ越えて、我々は仇敵を追い詰める。山越えなど比較にならない旅路を経て、この地に辿り着いたと言ってもいい。
一隊でも多く、敵を殲滅する。強い想いを胸に、プターハは続ける。
「囮と解っていても……いや、だからこそ、『本命』を引きずり出すために、此処で散って下さい」
冬が近づき、枯れ落ちる葉のように。
否、彼女達は枯れ葉にすらなれない。養分にもなれず、無意味なモノとなって朽ち果てるだけなのだから。
「本当に、お前達にはうんざりするッ!」
別のモラン・ドールが吼えた。幾つもの砲台から光線が放たれ、ディアボロス達へと飛んでゆく。
――光線が放たれるよりも速く、レイは流れるような手つきでゴーグル型デバイス『Boeotia』のテンプルをノックしていた。
≪ - 人機接続:Lynx of Boeotia - ≫
脳内に響く音声。それはレイが身に纏う数々の武装と、彼女の体がリンクした証だ。電子と神経の回路が繋がり、不可能を覆す力となる。
「見せてさしあげましょう。不可能を可能にする『人機一体』の力を」
敵の光線が迫った。焼け付くようなエネルギーの束をレイは目で追い、瞬時に見極める。
(「過去の戦闘データによる計測――演算完了――回避、及び防御は十分に可能です」)
青白い光を纏い低空を駆ける。その姿は、まるで戦闘機のごとく。
「く、ッ……!」
光を抜けてゆくレイの姿を、モラン・ドールが焦燥に駆られた瞳で見た。レイへと狙いを定め、フリーダム・ビック・バーサを放たんと構える。
それに気付かぬレイではない。ACROを引絞り、敵へと照準を合わせた。
フォトンエネルギーと魔力により形成された矢が輝く。無窮の空を思わせる色彩が、彼女を取り巻いた。
「撃ちあいなら……決して負けませんよっ!」
蒼穹の矢を放つ。矢は流星のように、一直線にモラン・ドールへと翔けた。
超高速の一撃から逃れる術はない。レイが撃ち放った『電撃戦の一矢』が、容赦なく敵の体を貫いた。
仲間を貫かれても、モラン・ドール達は抗戦を続ける。
必死な……ある種の熱意すら感じる彼女達を、エリシアは冷静な面持ちで見つめた。その金の瞳には、鋭さと冷たさが滲む。
「仲間を貫かれてもなお、臆せずに立ち向かいますか。その姿勢は評価しましょう」
淡々と紡ぎながら、彼女は心の中で静かに思考を巡らせる。
(「ですが、逃亡に転じる可能性は否定できません。アヴァタール級が倒れる前に、必ず仕留めましょう」)
今は抗っていても、鉄爪貴婦人が倒されたら、敵は逃亡に徹するだろう。そうなっては殲滅が難しくなる。
それを十分に理解した上で、エリシアは手の内の魔導銃へと魔力を籠めた。
刻まれた魔術刻印から、武器へと流し込まれたエネルギーは雷属性の魔力。エリシアの腕伝いに紫電の輝きが迸り、銃全体へと行き届く。
精神を研ぎ澄まし、彼女は弾丸を撃ち放った。弾丸は空間を斬り裂くような光と共に、モラン・ドール達へと刻まれる。
「このっ、程度で! やられませんっ!」
モラン・ドール達は再び光線砲を放った。襲い来る無数の粒子光線砲を前に、エリシアは落ち着きを崩さない。
魔力障壁を展開し衝撃を緩和、取りこぼした分はノートゥングを前に構えることで受け流す。
「見掛け倒しのビームで落ちてあげるつもりはありません。――落ちるのは、そちらですよ」
衝撃に眉を寄せることもなく、彼女は静かに、それでいて力強い声色で告げる。
ディアボロス達の攻勢は続く。アッシュは勇奏剣に息を吹き込み、組み込まれた横笛から勇壮な音色を奏でた。
音色に導かれ、伝承に語り継がれる騎士の幻影が姿を現す。
「さあ、勇猛なる騎士達よ! ニセたゆんどもの相手は任せたぜ! 思う存分剣を振るえっ!」
剣や槍を構える騎士達と対峙するモラン・ドールが、騎士達を従えるアッシュを睨み付けた。
「私の名はたゆんなどではありません、というか何ですかそれは!」
その問いかけに、アッシュは答えない。説明する必要がないからだ。たゆんの意味は、彼だけが知っていれば良い。
そもそも、同業の女性陣が居る場で、その意味を堂々と口に出す気にはなれない。
「お前たちに言ったところでわからないさ……所詮、贋作でしかないお前たちにはな!」
この言葉は彼の配慮でもあるのだが――アッシュを見つめるモラン・ドールの瞳は、冷たく尖った。
「――とりあえず、私達にとって好ましくないことであると認識します」
たゆライズが彼女達の殺気を捉える。作り物とはいえ美人、遠目から見れば人間と見紛う完成度ゆえか。
軍旗を掲げ、彼女達は言霊を放つ。
「グランダルメに利益を尽くせ、か。利益を尽くせてないお前たちが言うことじゃないな」
アッシュは笛を吹き鳴らした。笛の音は言霊を掻き消し、幻影の騎士達をモラン・ドール達へと突撃させる。
騎士達の洗練された連撃が、彼女達の旗を折り、討ち払ってゆく。
「やはり、強い……!」
「いいえ、まだ時間を……」
口々に言葉をこぼすモラン・ドール達。そんな彼女達へと、プターハは問いかけるように紡ぐ。
「時間を稼ぐ、ですか? その行為にどれだけの意味があるのでしょう」
「無駄だとでも言いたいの?」
そう、無駄だ。意味のない行為だ。ディアボロス達の刃はジェネラル級達へと届く。決して逃がれることはできない。
プターハはその事実を口にしない。それは覚悟を決め必死に抗う敵への哀れみか、それとも――。
「……ただ疑問を口にしただけです。諦めろとは言いません、貴方方に何を言っても無意味でしょうから」
精神を集中させ、『桜散春風』を発動する。プターハの周囲から桜吹雪が吹き上がり、草原を春の幻想に閉じ込める。
無数の花弁に包まれ、出口を探すように周囲を見回し始めるモラン・ドール達。焦りを抱く彼女達へと、プターハは落ち着き払った瞳を向ける。
「故郷への帰還を果たせぬのは少々不憫ですが、せめてもの手向けに桜花を送ります」
仲間には癒しを、敵には悪夢を。薄桃の花弁に青白い稲妻が纏わり付く。花弁は敵を斬り裂く刃となり、一斉にモラン・ドール達へと襲い掛かった。
春の幻想は牙を剝き、彼女達の体を斬り刻んでゆく。
「こんなもの、撃ち払ってやる!」
反撃の魔法弾が飛ぶ。高射砲から放たれたそれは花吹雪を散らしながらプターハを目指す。しかし、結局は彼に受け流され、届かずに終わった。
ディアボロス達の度重なる猛攻に、人形達は次々と倒れてゆく。
「あああああァァッ!!」
刻まれる指先、捥げる足、壊れゆく体に彼女達は悲鳴を上げる。
明らかな劣勢。もう逃げることすら叶わないと、モラン・ドール達はとっくに気付いているだろう。
悲痛な叫びにも心を揺るがすことなく、エリシアは凛と、崩壊しつつある敵を見つめる。
「これが奪った者の末路です。これ以上奪わせないために、徹底的に破壊します」
彼女の言葉に、同意するようにプターハが返す。
「一人たりとも逃がしてはなりませんね。禍根はここで消し去らなければ」
「ああ、任せとけ! そのために来たんだからな」
アッシュも勇奏剣を再び構え、モラン・ドール達をまっすぐに見据えた。
敵を視界の中心に捉え、レイのBoeotiaが高速演算を再開する。
「それでは大詰めと行きましょう。――完膚なきまでに、排除します」
ディアボロス達の一斉攻撃。全力のパラドクスが、嵐のように敵へと降り注ぐ。
パラドクスの渦中から何とか抜け出そうとするモラン・ドール達を、エリシアは見逃さない。
「追いつけ――エレキコート!」
魔力でコーティングされた弾丸は雷のように駆け抜け、敵の脚部を撃ち砕く。
脚を失い、モラン・ドール達は地面へと転がり落ちた。それでもなお意識を保つ彼女達へと、プターハの生み出した桜吹雪が降り注ぐ。
「貴方方に許されているのは、美しく、この山で散ることだけ……他の道はないのです」
強風に煽られた散りかけの桜のように、モラン・ドール達の体が削れてゆく。
もはやまともに声を上げることすら出来ぬ彼女達へ、アッシュは淡々と言葉を紡いだ。
「これはお前たちの落ち度だ。敗戦続きで、他所の勢力に好き勝手させざるを得ない状況を作ったお前たちのな」
桜吹雪に笛の音色が混ざり、桜の中を抜けて現れた幻影の騎士達。彼らは散り際の人形達を刺し貫き、薙ぎ払った。
壊れかけのモラン・ドールが、無理やり足を動かそうと藻掻く。
「う、ぐ……ウご、ゴ……――――」
うごいて。そう言いたいのだろう。だが、損傷の激しい体は、発声機能を失ったのか声の形を成さない。
彼女の声にもならない音を聞きながら、レイは静かにACROを構える。
「理解しているはずですよ。君は逃げられない。必ず、貫かれると」
青き灯火を宿した必殺の一矢が、モラン・ドールの心臓を貫いた。
ディアボロス達の容赦なき攻撃の連続に、モラン・ドール達は次々と壊れ、機能を停止させてゆく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
フィリス・ローラシア
※アドリブ、連携ok
単純に撤退する訳でもなく、自分達の役割を理解しているというのも厄介な話ですね。
一応、囮のつもりみたいですが、私達はそもそも撤退する敵を可能な限り仕留めるつもりですし、囮であろうとなかろうと、どちらでも良い話でしょうか。
ともあれ、その戦意には敬意を表します。
指揮官のようですが、部隊の先頭に立って戦うつもりなら遠慮する必要もないですね。
此方も全力で当たりましょう。
まずは『生命』の術式で触手を召喚。持久戦に備えて守りを固めます。
今回は他の敵も健在ですし、戦闘中は無闇に接近せず、味方と足並みを揃えます。
接近戦が得意な敵みたいですし、自分からは近づかず、触手を伸ばして射撃戦ですよ。
隙あらば触手の一部を利用し、敵の足止めまたは拘束を試み味方を援護、序でに生命力も奪って敵の勢いを殺ぎましょう。
敵の機械腕がどう動くかは常に警戒しておき、もし拘束されそうなら周囲の触手で振り払って妨害、追加の冷気も魔力障壁で防御です。
部下からの横槍にも要注意ですね。
後は孤立せぬよう注意して立ち回ります。
白石・明日香
ピレネーは順調に追い込めているようだね。
ならばあと一押し参りましょう!
残像で攪乱しながらダッシュで接近。精神集中して複数の機械腕は動きを見切って切り祓いながら間合いに入り威力重視で武器改造して早業呪詛、捨て身の一撃で解体してあげる!
待ってなさいランヌにジュールダン、このワタシが貴方達を狩ってあげるから!
●そして人形は歩みを止める
トループス級の全破壊は近い。鉄爪貴婦人との戦いも大詰め、終わりは確かに近付いていた。
攻め過ぎず、かつ引き留める。そのような慎重さが要求されてきた戦いが、ようやく加速する。
フィリス・ローラシア(夢現の竜使い・g04475)は、未だなお勢いの衰えぬ鉄爪貴婦人を前に、静かに言葉をこぼす。
「単純に撤退する訳でもなく、自分達の役割を理解しているというのも厄介な話ですね」
鉄爪貴婦人は間違いなく消耗しているはずだが、囮としての役割が彼女を突き動かしているのかもしれない。
しかし、囮であろうとなかろうと関係なく、彼女は仕留めるべき存在だ。フィリスもそう認識している。
「……ともあれ、その戦意には敬意を表します。此方も全力で当たりましょう」
遠慮など要らない。ただ、倒すのみ。
「ピレネーは順調に追い込めているようだね。ならばあと一押し参りましょう!」
戦況はディアボロス側に大きく傾いている。
白石・明日香(弔いの狩人・g02194)は最後の詰めと気合を入れ、鉄爪貴婦人へと双剣を構えた。
鋭く睨み据え、明日香は凛と告げる。
「あなたを倒したその先に、ランヌとジュールダンがいる。さっさと壊れてもらいましょうか!」
ディアボロス達の敵意を一身に受け、鉄爪貴婦人は口元に笑みを浮かべた。
「……私も、甘く見られたものですね」
機械腕を大きく広げ、鉄爪貴婦人は明日香へと迫る。
明日香は慣れた手つきで、双剣――『彼岸・此岸』をくるりと回し、己の体に突き立てた。
「勝負しましょうか。ワタシの武器と、あなたの腕。どちらが先に解体できるかをね!」
パラドクス『血の盟約』――肉を裂いた双剣は異端の力を帯び、血を纏い冴え渡る。
鮮やかな赤い輝きを煌めかせ、その刀身に迫り来る鉄爪貴婦人を映し込んだ。
「その体、ぜんぶ解体してスクラップにしてあげる!」
目前の鉄爪貴婦人へと双剣を振るう。斬撃に想いの力をのせ、全力で敵の体を斬り刻んだ。
その攻撃は、機械腕の関節を歪ませ、人形の体を損傷させる。
「解体……嫌な言葉ですね」
明日香の斬撃を受けながら、鉄爪貴婦人は忌々しげに言う。袖、背中、あらゆる部位から展開された機械腕が明日香を襲った。
精神を集中させ攻撃の軌道を見極めんと試みる。だが、すべてを躱すのは困難であることもすぐに理解した。
(「なら受けてあげようじゃないの。この程度、耐えきってみせる!」)
深手になる攻撃だけは躱し、それ以外の被弾は甘んじて受け止める。
痛みはあれど、この後に待ち受けているであろう戦いのことを思えば、いくらでも耐えられる。決死の反撃に、明日香は強気に微笑んだ。
「最後の悪足掻きってやつかしら。……でも、ワタシばかり見すぎじゃない?」
刹那、鉄爪貴婦人の背後から光の奔流が湧き起こる。
「――!?」
鉄爪貴婦人はその眩しさに瞳を細めた。光の柱? いや、違う、これは――――。
その正体に気付く前に、彼女の腹を光が貫いた。
「ガ、ッ
……!?」
凄まじい速度で穿たれたソレは、柱ではない。まるで生物のように蠢く……触手だ。
「トループス級達は全員倒れました。それならば、もう加減する必要はないですね」
フィリスの術式『生命の収奪と発現』である。喰い込んだ光の触手が、鉄爪貴婦人のエネルギーを奪い取る。
「嗚呼……気持ち、悪イ……!」
鉄爪貴婦人は呻き声を上げながら、無理やり触手を引き抜いた。罅割れた体をそのままに、フィリスへと接近する。
フィリスは冷静な面持ちで、鉄爪貴婦人を迎え撃った。
鉄爪貴婦人は機械腕を広げ、唇から冷気を溢れさせる。機械腕がフィリスへと触れる直前、割り込んだ光の触手が機械腕を弾いた。
それでもなおしがみ付こうと伸ばされる機械腕を、光の触手と魔力障壁が妨害する。
ギリギリと、金属の軋む音が耳に届いた。触手と障壁を突き抜けて触れた冷気が、肌に突き刺さる。
その冷気は、憎悪そのもののようだ。
(「今にも押し潰されそうな、強い憎しみを感じます……けれど、私は屈するわけにはいかないのです」)
フィリスは鋭い冷気の中、精神を研ぎ澄ませる。
「生命の輝き、我が元に集い、弾けよ……!」
術式を紡ぎ、光の触手を再び編み上げた。触手は増殖するように膨れ上がり、輝きを撒き散らしながら鉄爪貴婦人を薙ぎ払う。
勢いよく薙ぎ払われ、鉄爪貴婦人の体が宙に浮く。
「自動人形に掛ける言葉として適切かはわかりませんが……これ以上誰も傷付けることなく、どうか安らかに眠ってください」
フィリスの言葉と同時、光の触手が鉄爪貴婦人の中心を貫いた。
まるで串刺し刑のような様相のまま、鉄爪貴婦人は罅割れ、ガラガラと崩れ落ちてゆく。
「――嗚、ア……グ、ランダルメ、ニ……――――」
言葉は途切れ、彼女はその機能を完全に停止させた。
自動人形の、命の終わりである。
静けさを取り戻した草原には、夥しい数の自動人形の残骸が転がっている。
明日香は残骸へと目を向けるが、それも束の間。彼女の心には、次の目標が強く刻まれている。
(「待ってなさい、ランヌにジュールダン、このワタシが貴方達を狩ってあげるから!」)
明日香はピレネーのどこかに居るであろうジェネラル級達のことを想い、視界に広がる山脈を睨み付けた。
――戦闘中は気にならなかったが、草原に吹く風は既に冬を迎えたかのように冷たい。
フィリスは自分の手に息を吹きかけながら、ピレネーの空を見上げる。
「帰ったら温かいお茶でも飲みましょうか。しっかり休んで、次の大きな戦いに備えなければなりませんね」
ジェネラル級達との決戦は近いだろう。迫る予感に、フィリスは表情を引き締めた。
こうしてディアボロス達は、モラン・ドール、そして鉄爪貴婦人を撃破することに成功した。
逸る気持ちを抑えながら、彼らは帰路につくのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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