最終人類史のハロウィン2023

 ラムセスの黄金アンクによる『新宿島大結界』や、港区のオベリスクの起動、千早城や巨大砂上船の移動といったクロノ・オブジェクトの運用には、膨大な感情エネルギーが必要です。
 この膨大なエネルギーは、平安鬼妖地獄変で得た重要クロノ・オブジェクト『地獄変』を使って集積していますが、感情のエネルギーならばなんでも集積できる訳ではありません。
『地獄変』の巻物が集積可能なエネルギーは、一般人の『鬼や妖怪、お化けなどが根底にある感情』を元とするエネルギーなのです。
 ハロウィンは、地獄変のエネルギーを集積する最大のチャンスですので、最終人類史全土で、ハロウィンを盛り上げ、より多くのエネルギーを地獄変に集積してください。
 収集したエネルギーは攻略旅団の提案があれば、その目的に使用し、無ければディアボロス・ウォーにおける新宿島大結界の為に備蓄します。

 最終人類史の一般人の皆様も、去年に引き続き『ハロウィンパーティーを楽しめば、ディアボロスと新宿島を護る事になる!』と、喜び勇んで準備を行っています。

 ディアボロスの皆さんにも、ハロウィンを盛り上げる協力要請が来ています。
 自分の考えた企画で人々を楽しませるも良し、人々の企画に加わって盛り上がるも良し。気軽に参加してください!

「ハロウィンパレード2023」アイコンフレーム対象

 このハロウィンシナリオで一度でも採用(トレインチケット含む)されたディアボロスには、ハロウィン仮装をしたサーヴァント達を描いたアイコンフレームをプレゼント!
 来年は違うデザインになります。かならずゲットしよう!

ハロウィン……いや秋と来たら、やっぱりアレッス!(作者 唐揚げ
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「運動会! 運動会やりたいッス、先輩!!」
 ハロウィンで盛り上がる新宿駅グランドターミナルに、七田・ナナ(エンジョイガール・g05125)のはしゃぎ声が響いた。
 ……ハロウィンとなんにも関連性がない気がしなくもないが、とりあえず話を聞いてみよう。
「この間、大阪で学校を貸し出してもらって文化祭をやったッス。となれば次の秋のイベントは運動会以外にないッス!
 ……もちろんただの運動会じゃないッスよ? ハロウィンに絡めた仮装や飾りつけをしつつ、みんなで盛り上がる……」
 くわわっ。ナナはキリッとした表情でガツンと拳を突き上げた。
「ハイパーでド級な運動会、ハロウィン運動会ッス!!!」
 ハロウィンつけときゃわがまま言ってもいいだろうと言う、大変に心の強いふてぶてしい宣言だった。

 言いたいことをぶちまけたところで落ち着いたナナは、改めて解説する。
「先輩がたも御存知の通り、この新宿島には『ラムセスの黄金アンク』の防御結界が働いているッス。
 他にもゴンドワナでは『サフィーナ・ミウ』が活躍してるし、今は『千早城』なんかでもエネルギーが必要ッスよね」
 ナナは最終人類史が勝ち得た様々なクロノ・オブジェクトの恩恵を指折り数える。
「どれも『地獄変』のおかげで動いてるわけッスけど、エネルギーは無限ではないッス。なくなったら大変ッス!
 それにそれに、もしかしたらこれからも便利なクロノ・オブジェクトが手に入るかもしれないし……手に入っても研究しないと使いようがないから、エネルギーを貯めるだめ貯めておくのは大事なことッス」
 と、人差し指を立てて、さも自分が思いつきましたとばかりにペラペラ喋る。全部予習した内容なのだが。
「そしてハロウィンは、そのエネルギーを集めるための大事なイベント! つまり、今年もハロウィンパーティー開催ッス!」
 まずそれを最初に言うべきではないだろうか、というのは無粋なツッコミである。

「今年も、あちこちでハロウィンパレードとパーティが企画されてるッス。
 なにせ先輩がたは、最終人類史の人たちにとってのヒーロー……ハイパーカッケーディアボロスなんスから!」
 一応、ナナもそのはずなのだが、キラキラした憧れの笑顔を浮かべて語る姿は明らかに応援する皆さん側の立場だった。
「てことで、基本的には仮装して街中でパレードしてもらいたいんスけど、せっかくだしそこに味付けがほしいッス。
 そんでウチが考えたのが、さっきも言ったハロウィン運動会ってわけッスよ。これでも、ちゃんと考えてるんスよ!」
 ナナはなぜかぷりぷり怒っている。感情の起伏が激しい。

 ところで、そもそもそのハロウィン運動会とはなんなのだろうか?
「横須賀のある公園を一日貸し出してもらえたッス。主にそこを使って、みんなで飛んだり跳ねたり走ったりッス!」
 大変にふわふわしたプログラムが出てきたが、これは別にナナのおつむがアレだからではない(アレでもあるのだが)。
 ハロウィンパーティのメインは、ディアボロスと最終人類史の人々がひとつになってお祭りを楽しむこと。
 つまりディアボロスの創意工夫が重要なのであり、当日は様々な即興プログラムが認められているのだ。
「パレードってつまり仮装しながら練り歩くんスから、その「練り歩く」がもっとアクションしてもいいッスよね?
 ウチ、知ってるッス。運動会ってダンスしたり組体操とかやったりするんだから、これだって似たようなものッス!」
 ディアボロスならではのアクロバットなパフォーマンスをしたりすれば、きっと盛り上がることだろう。ナナの強弁はともかく。

「そうそう、パレードがあるんだからパーティもあるってことで、設置型の種目もアリッス!
 最終人類史なら、パラドクス効果もハイパーだから色んなものを【迷宮化】したりすれば自由にやれると思うッス。
 一応、現地の人たちと協力して、先輩がたにチャレンジしてもらうアスレチックステージも用意したんスけど!
 歯ごたえがないとかなら【建造物分解】から【アイスクラフト】で組み換え、なんてのも出来ちゃうッスよね!」
 もちろん1から新たな設備をぶち上げるとなると、パラドクス効果を使ってもそれなりの作業は必要だろう。
 まあ、そうした準備作業も楽しいイベントのうち(ナナは件の文化祭でそれに味をしめたらしい)ということで、むしろ奨励されているようだ。
 そしてこれは、前述のパレードの出し物を準備することも含まれる。たとえば、移動型の大きなステージを作るとか。

「そうだ! 先輩がたが動くかわりに、最終人類史の人たちが参加できるようなアトラクションを用意するとかもアリッスね!
 ちなみにその場合、先輩がたレベルに動けないとクリアできないようなものはなしッスよ? スペックが違うし」
 これは、ディアボロスと最終人類史の人々が一緒に参加するタイプの種目でも同様だ。
 逆に言うと、ディアボロスだけの場合はかなりルール無用の矛盾ファイトになりそうだが……。
「もちろんやるからには、ハロウィンらしい格好をしてるのがスイショーッス。そしてなにより……」
 ナナはとっておきのアイディアがあるらしく、ふっふっふと肩を揺らした。
「運動会といえば早食い競争! そしてハロウィンといえば、お菓子! このふたつを組み合わせた時、奇跡が起きたッス!
 そう、ハロウィン早食い競争……! もしくはハロウィン障害物競走ッス! アメとかドーナツとか吊るして食べるッス!!」
 結局ここに落着した。ナナの顔は今日一楽しそうだったという。
 言うまでもないが、そうしたわちゃわちゃをカフェやレストランで眺めながら穏やかに時間を過ごしてもいいだろう。
 せっかくの公園なので、海の青と落ち葉の赤が鮮やかなピクニックスペースでのびのび食事を楽しむのもアリだ。

「先輩がたが自由にやれるように、当日のプログラムにはかなり幅を持たせてあるッス。
 どうせハロウィンでパレードするなら、練り歩くだけじゃなくてもっと色んな運動したくないッスか?」
 と、ナナ。本人的にはザ・名案らしく鼻息の荒さが尋常ではない。過去に例があった可能性をそもそも考慮していなかった。
 いずれにせよ、ハロウィンを楽しまないとエネルギーを集積することは出来ないのだ。
 この荒唐無稽で肝心なところがふわふわしたプランを盛り上げてやるのも、先輩の務め……なの、だろうか?
「くぅ~っ、学生のイベントをふたつも楽しめちゃうなんて、ウチはハイパーラッキーッス~!」
 ……企画者の邪気が大変溢れている気がするが、見なかったことにしておこう。

●神奈川県横須賀市、港沿いのとある公園
 現地の人々がワイワイと集まる中、公園の中央にある大スペースにはいくつもの骨組みが用意されていた。
 なんかどこかのテレビ番組で見たことあるような、起伏の激しいアスレチックコースも用意されている。
「うーん、ハロウィンらしい飾り付けってどんなのだろうな?」
「やっぱりカボチャとか、コウモリとか……」
 などと、日曜大工の機会に張り切るお父さんがたが、各所のそれらしい飾り付けを会議していたり。
「当日はものすごい売れ行きになるだろうし、今日は仕込みを頑張るわよ!」
「「「はい!」」」
 公園で営業するカフェでは、当日に備えたお菓子作りにスタッフの皆さんが燃えていたり。
「パレードで運動会って、どうすんだろ?」
「そりゃ空飛んだり本物の動物になって飛び跳ねたりするんじゃね? だって、ディアボロスだぜ!」
「さすがに俺らじゃ、どんだけ鍛えても空は飛べねえし変身も出来ないもんな」
 と、羨望混じりに予想し合う学生たちなど。

 なんだかんだ、現地の方々はけっこうワクワクしていらっしゃるようだ。
 この一日の思い出が愉快で忘れられないものになるかどうかは……ディアボロス次第といったところ。



 最終人類史で行われる、ハロウィンパレードに参加します。
 様々な仮装をして人々が帰還した最終人類史を練り歩き、沿道を埋める最終人類史の人々を楽しませましょう。
 どのような仮装をして、どんな演出でパレードをするかといったプレイングをお願いします。
 また、恋人やお友達と一緒に、パレードに参加する事を楽しんでもOKです。
 詳細は、オープニングの情報を確認してください。


特殊ルール 🔵が👑に達すると、敵の大規模な作戦に影響を及ぼす。
👑5

→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【パラドクス通信】
9
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ドレイン】LV2 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV3 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

唐揚げ
 どうせやるなら楽しく騒ぎたい。そういう思いで頭をひねったらこんなん出ました。
 リアルでは寒くてどうも身体を動かす気にはなれませんが、それはそれこれはこれ。
 ハロウィンにかこつけた運動の秋ってことで、横須賀の一日を彩ってみるのはいかがでしょうか。

 一応、そういうの全部うっちゃって(あるいは遠巻きに眺める形で)普通のパレードやパーティらしいことも出来ます。
 オシャレな横須賀らしい、異国情緒のあるカフェやレストランが公園内外に点在しているようです。

●運動会って具体的に何すんの? プログラムの流れはあるの?
 ぶっちゃけ、プレイングの自由度を高めるためにそこらへんは曖昧にしてあります。
 なので、「運動会といえばこれでしょ!」「ディアボロスなんだしこういうのもできそう」と思うのがあれば、自由に提案してみてください。
 なお、合同参加の集まりとかでない限り、本当に判定して競争する……みたいなガチなやつではないのでご了承ください。
 でもディアボロス同士で競い合うなら、パラドクス効果もフル活用した相当アクティブな出し物になると思われます。
 パレードの場合、エレクトリカルなアレがもっとアクロバティックな感じになったのを想定しています。
 といっても、現実の運動会も踊ったり組体操したりなんでもありですし、そのまんまパレードするだけでも運動会と言い張れる気がします。しませんか? しますよね。
 なので、レストランとか出店巡りとか、明らかにパーティ選択肢のが相応しいとかでない限り、どちらの選択肢でやってもらったとしても問題はありません。必要であれば適宜それらしく描写でうまくやります。

 ついでに、ご用があればナナを呼ぶこともできます。そこらへんをうろうろしたり、騒いでいるのでお気軽にどうぞ。
202

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


吉音・久美
アドリブ連携歓迎
(口調は常に変わり続けるので好きな書き方で問題ありません)
食べ物といったら久美ちゃんの出番である、何を隠そう久美ちゃんの初登場はフードフェスティバルで誰だこの儚い感じの金髪美少女
それはさておき今回はきっちり仮装もしてきたから何を七色に光らせても問題ないでしょう、身体を限界まで引き伸ばして身長を確保した八尺様コスじゃひかえおろう

参加するのは勿論ハロウィン早食い競争、そして出されたお菓子に即目からビームを発射して消滅させる
反則だとう?このビームは久美ちゃんの身体を極限まで圧縮して放っているもの、つまり咀嚼と消化のプロセスを体外でやっているようなものだ卑怯ではないこのドーナッツ揚げの時間をあと数分長くすると香ばしさが出てもっと美味しくなると思うよ

だが文句があるというのならば仕方ない……ノーコンテストにして再戦を受けてしんぜよう
その場合選択PDを発動し食器ごと一口で食べるにょ
はいこれお皿の弁償代、大丈夫大丈夫久美ちゃん内臓が無い嬢ちゃんでどのみち食べたもん身体の炎で燃やしてるから


阿良々木・蘭
アドリブ、連携、大歓迎

ハロウィン競争に参加
網潜りならぬ白布潜り、潜ってる様が外から見たら幽霊みたい
箱が用意してあって中に衣装が入っているみたい
小屋が用意してあってそこで衣装に着替えないといけないみたい
野外で生着替えとかするわけにもいかないからね
飴食い競争で謎の粉が顔料みたいにくっついて顔の色が変わちゃった
飴は舐めると舌や唇に色が付いて変わちゃった
最後は借り物競争ならぬお菓子もらい競争だね
伏せてあるカードを選んでお題に書かれているお菓子を探してゴール
ボクのお題はチョコレート
ギブミーチョコレート
お菓子をくれなきゃゴールできないよ

着替える→化粧を施す→お菓子を貰う
流れでハロウィンを熟す凄い競技だね

舐めた飴は【口福の伝道者】で増幅されて
後で子供たちに配られました


●ハロウィンと運動会の概念が壊れる
「さあ、いよいよ始まりました、ディアボロスさんによるハロウィン大運動会パーティ地獄変!」
 司会進行役のモブ横須賀民さんがコールすると、観客は大いに盛り上がった。しかしなんだろうこの悪魔合体にも程がある違法建築なイベントタイトル。
「まずは自由参加のハロウィンスペシャル競争です! 早食い・借り物・障害物などがセットになったトライアスロンみたいなものですね!」
 公園に用意されたコースには、すでにそれらの必要な小道具が配置されているようだ。全部やるということはコース自体も結構長く、スピードだけではクリア出来ないことがわかる。
「なお、我々のような一般人も参加する関係上、ディアボロスの方々には我々と同レベルの身体能力にセーブして競い合ってもらいます。
 脚力や腕力以外はディアボロスさんの持ってる不思議な力(つまりパラドクス効果である)を自由に使えるようになっているので、よろしくお願いします!」
 と、参加選手向けのアナウンスを兼ねた種目紹介が始まった。

「ふーん、飛んだりしなければパラドクス効果は使えるんだ……完全に力を封じたんじゃ、派手さに欠けるもんね」
 今日は参加者としてやってきた阿良々木・蘭(紫君子・g02198)、ルールを聞き逃さないよう翼をぴこぴこ揺らしながらしっかり聞いている。
「反則行為をしないように注意しなきゃ……」
「なるほどでござる。これはつまり、熱湯風呂に入ろうとしてる人の背中を押すアレでごわすな!」
「えっ!?」
 一方、吉音・久美(未来はここから始まる・g09562)は全力でルール違反をするつもり満々だ。不謹慎なことと聞いたらやらずにはいられない、それがこのトンチキ生命体である。
「そ、それじゃ競技が成り立たないよ!?」
「……まさか、そういうネタ振りでは……ない!?」
 マジでそう思っていたらしく、愕然とする久美。脳みその回路がどう繋がってんのか解剖してみたい。
「仕方ないべな、そういうことならとりあえず大人しく様子を見てやるだがや」
(「なんでちょっと譲歩した感じの空気を出してるんだろう……」)
 よくわからないが、この競技は大波乱が起きそうだ。蘭は気を引き締めた。

「それでは……よーい、スタート!」
 パパン! とスターターピストルが鳴り、横一列に並んだ参加者がほぼ同時に駆け出す。
「まずは……仮装だね!」
 コースの第一チェックポイントには、コスチュームが入った箱と簡易更衣室が併設されている。どれだけ早く着替えられるかを競うわけだ。
「うおおお! クリスマスツリーが久美ちゃんを呼んでいる!」
「「「ハロウィンじゃないの!?」」」
 モブ出走者の皆さんは久美のボケに思わずツッコミを入れてしまい、そのぶんスピードダウンした。なんという狡猾な策!
(「そんなテクニック、ありなの!?」)
 蘭は気を持っていかれないよう、走るのに集中する。そのおかげで、最初に仮装に手を付けたのは蘭だ。
「ええっと、これは……」
 蘭はごそごそと箱を持ち上げると、簡易更衣室に飛び込んだ。

「たのもーっ!!」
 遅れて久美が到着。箱をひっつかんで簡易更衣室にジャンプイン!
「あいよ! 八尺様コスのできあがりでい!」
「「「伸びてるー!?」」」
 と思ったら速攻で出てきたし、なんか頭身が上がっている! 【エイティーン】……なの、か!?
「ま、まさかこのコスチュームだなんて……」
 やや遅れて出てきた蘭は、まるで砂漠の踊り子めいたエキゾチックな衣装だ。仮にも8歳の少年とは思えない似合いぶり。
「身長が伸びたぶん久美ちゃんの歩幅もアップ! つまりトップはいただきってわけアルね!」
 とかなんとか久美は言っているが、明らかにコスチュームが重すぎるようでよたよたと不安定なフォームになっており逆にスピードが下がっている。つまり、かなりホラーだ。
「ね、ねえ、その大きさで飴の入ったトレイに顔入りそう……?」
「ひかえおろう! このコスチューム、七色に光るんだぜ!」
「光るのは競争に関係ないよ!?」
 ギラギラとゲーミング発色している久美はスルーして、蘭は粉の中に隠れた飴を探す。その間に、だんだんモブ競争者たちも追いついてきた。
「けほ、けほっ……!」
 蘭はなんとか飴を見つけ出したが……?
「もふっもふもふもふ!」
「うわっ! なんか必要以上に粉立ててて前が見えねえ!」
「煙幕だこれ! ジャッジ! ジャッジ!」
 その後ろでは久美が無駄にアクロバティックに顔を突っ込んだり挙げたりしており(もちろん光っている)後続のモブの皆さんが苦しんでいた。暴走機関車かな?

「お、遅れないでよかった……! 最後は、お菓子もらい競争っ!」
 蘭はチェックポイントに急ぐ。しかしその時、彼のうなじをぞくりと悪寒が駆け抜けた。
「ハッ!?」
「ぽぽぽぽぽぽ~~~!」
 振り返ると、ゲーミング発色しながら顔が白粉みたいになった久美が猛追してくる! コワイ!
「これ、肝試しじゃないよね!? ハロウィンだよね!?」
 蘭はお題のお菓子を確認する。チョコレートだ。早く観客から受け取らねばならないが、後ろからすげえ勢いで迫ってくる七色の八尺様が気になって仕方ない!
「久美ちゃんのお菓子はぁ~~~、ドーナツだ! おめえドーナツ持ってんだろ、ドーナツよこせ!」
「ヒイイどうぞ!」
 観客も恐怖しており、すげえ勢いで凄まれると思わず食べようとしていたドーナツを差し出してしまった。
(「ま、まずい。ゴールされちゃう!」)
 蘭は焦った。しかし、その時だ!

「はいビーーーーム!」
「「「えええーっ!?」」」
 蘭はいきなりパラドクスを発動し、ズビー! とドーナツを消し飛ばしてしまったのである!
「ちょっとちょっと! お菓子はちゃんと食べてもらわないとダメですよ!」
「何ぃ? このビームは久美ちゃんの身体を極限まで圧縮して放っているもの、いわば咀嚼と消化のプロセスを体外で」
「すみませーん、ギブミーチョコレートー」
「あ、はいどうぞ」
 久美がわけのわからないことを言っている間に、蘭は別の観客からチョコレートを受け取り、そのままゴールに向かった。
「はいディアボロスさんやり直しです」
「仕方ないにゃあ……じゃあもうお菓子全部来いや! 久美ちゃん内臓が無い嬢ちゃんだから、食べたもん全部燃やしちゃうし!」
「しゅ、趣旨が変わってる……」
 ゴールテープを切った蘭は【口福の伝道者】で増殖した飴を子供たちに配ってあげながら、お菓子を集めて回る魔神と化した久美を見てドン引きしていた。ハロウィンって、こういうのだっけ!?
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

リディル・ヴェント
【ヨアケ】の皆と借り物競争!

アタシ達が勝負するのはただの競争じゃなくて、紙に書いている物を持ってきてゴールしないといけないんだって、面白そう!
優勝はアタシのものよ!
(※順位はMSさんにお任せ)
仮装はガンナー衣装よ!(ステシ参照)

スタートダッシュが肝心よ!
お題の紙に飛びつく勢い!
書いてあるのは…
『横須賀海軍カレー』

???
(※漂着して2年経つが元々キングアーサー出身なので知らない事だらけ)

カレーは分かるわよ、あの辛くて美味しいやつでしょ!
ヨコスカカイグンってのが入ってるカレーって事??
あ、ヨコスカってココの事ね。観客の皆に聞いてみたら分かるかも!
へぇ、海軍の人が食べるカレーなのね。横須賀はカレーの街なんだって!
ありがと!じゃあお店で海軍カレーをゲットしたらあとはゴールに向かうだけね!簡単簡単!

…それにしても美味しそうね…
た べ た い … !
我慢して持っていかないといけないなんて!謀ったわね…!(誰が)
ヨアケの誰かが近くにいたらこのカレーの匂いでお腹空かせて道連れにしようかしら…!


月見里・千隼
【ヨアケ】
※連携、アドリブ歓迎
仏頂面のまましれっとボケもツッコミも出来る騎手
南瓜行列2022のゆめかわユニコーン風乗馬服


運動会か、懐かしい。

今回参加する種目は借り物競争だな。
どんなレースだろうと現役の騎手として負けられない、勝つぞ。
(千隼本人も走るとかなり速い方、無駄に綺麗な走りのフォーム)
(順位はMSさんお任せ)

さて、どんなお題が出てくるのやら…
『めちゃくちゃ怖い本』、中々の難題だ。

そもそも運動会に来てまで本持ち込んで読書する人いるのかが疑問だ。
怖い判定はどこまでで誰が判断するんだ?
近場のカフェならワンチャン…。
…ナナさん、公園外の近場の人から借りるのはありなのか?
【猫変身】を使い黒猫姿に変身して探しまくるか…。

サメなど海洋生物に似た化け物が出まくるかなり怖いと評判のパニックホラー漫画の単行本だな、お借りしてもいいだろうか?
え、サイン?いいぞ?(ファンサはちゃんとする騎手)

幸いにも借りれたので後はゴールへと全力疾走だ!
遅れがあろうとも最後まで諦めない!騎手として!


緋詠・琥兎
【ヨアケ】
今回の仮装は南瓜行列2021で着た時計ウサギの衣装だ

燈杜美は給水所の手伝いしつつ観戦か
後で迎えに行くな

運動会……
実は初めてなんだよな

借り物競争も然りなんだが……

まぁ、何とかなるだろ
フライングと出遅れに気を付けてスタートだ
(身体能力は平均以上はある模様
(※順位はMSさんにお任せ)

さて、肝心のお題だが
―――スカジャン?
誰かの上着を借りてこいってことなのか
流石に、この季節に上着を借りてゴールに向かうのは忍びないな
スカジャンを貸してくれた人には、自分が着ている上着を渡して返すまでは羽織っていてもらうか

観客の人からスカジャンを借りられたら、汚さない様に注意しつつダッシュして行こう
無事に競技が終わったら、返すから少し待っていてくれ
(無駄に低音ボイスで声もいい宝塚な男装女子

【完全視界】で周囲の状況を確認しつつ
手早くコースに戻ってゴールを目指そう

折角のヨアケメンバーでの勝負事
やるからには全力で最後までダッシュだ

競技の後は
皆に美味しい飲み物を淹れたり奢ってやりたいな

アドリブ
ツッコミ役
連携歓迎


天夜・理星
運動会やんの?
いいじゃん、【ヨアケ】のみんな面白いの思いつくね!
アタシも乗り込んでみようっと、絶対楽しいじゃん。

で、借り物競争でしたっけ。
楽しさ感じて全力で走り抜けるぜ。
まあ元が人間で一般人だからフォームとかスピードとかはあれだけど、やることしっかり達成する力は負けちゃいないさ。
(あ、順位はMS様にお任せでね)


百鬼・運命
【ヨアケ】で参加

🔳心情
ハロウィンで運動会とはなかなか面白い
勝利も狙いたいが、それより歓迎してくれる横須賀の人達が盛り上がるように魅せる事を意識して競技しよう

🔳行動
『クェイクパック』装備の『極限環境戦用電動型動力甲冑』に搭乗して参戦(自己紹介の参照の設定資料集参照)
全高3~4mのロボットだ
現地の人達、特に子供達は喜んでくれるだろう
ミサイルポッドから花火を打ち上げるサービス等もして、ハロウィンを盛り上げよう

肝心の競技は【ヨアケ】のメンツで借り物競争
スタートダッシュを決めつつ、脇のロケットアンカーを使っての高速ターンなどで観客を盛り上げつつ、かっ飛ばしていこう
さてお題は【ヨアケ】のメンバーで用意している(旅団にてお題を出し合いダイスで決定済み)が…

俺のは『燈杜美』…
燈杜美さんって緋詠さんのオラトリオか
たしか給水所で手伝いを…ってかなり遠いな
急いで戻るが…普通に戻ったんじゃあ間に合わない

ならば【水面走行】で水上をホバー走行してショートカット
合流後はトップを後ろから猛追して競技を盛り上げよう


桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎

【ヨアケ】の皆と

運動会かー
何年ぶりだろ??まぁ、全力で楽しんだもん勝ちだよね?

今年のヨアケでの統一テーマのウェイトレスの格好

借り物競争に参加する。
(お題、順位共にMSさんにおまかせします)

借り物競争って何が当たるかわからないドキドキ感あるわよね。

(何でも卒なくこなすタイプだがどこか天然も混じってる)

当たったお題によっては目星をつけて重点的に探すようにし負けず嫌いなため1位でゴール出来るように頑張る。

周りを確認しつつ負けそうなら【飛翔】や【エアライド】使ってセコくてもいいからゴールを目指す!
【泥濘の地】とか使って足止めとかできないかしら?

ゴールしたもの勝ちでしょ??
え?もちろんちゃんと楽しんでるわよ?

私負けず嫌いだから使える効果はガンガン使わせてもらうわよ??


メルキディア・セデクリエル
【ヨアケ】
アドリブ・連携歓迎
運動会かぁ…私もあまり縁がなかったものだし、楽しませてもらうわよ!

【ヨアケ】の皆と同じく借り物競争へ参加。
流石に天使だから飛んでいくのは自重しつつお題は何々……「猫グッズ」?

観客とかに呼びかけながら探すけど、見つかって借りた場所はちょっと遠め。
運命さんが動力甲冑使ってるからもう自重なしで低空に【飛翔】するか、運命さん相手限定でゴスペルブリンガーに乗って追い越すか…
(猫グッズの内容や競争の順位、他の人のネタの巻き込まれなどはMS様にお任せします)


アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎
【ヨアケ】

私も借り物競争へ参加しますね
えーとお題は……『叶神社の勾玉御守り』

まずは【強運の加護】の出番ですね
この効果によりお題の品が見つからないという確率が大幅に下がるはず
迅速に御守りをお借りしましょう

続いて【友達催眠】と【プラチナチケット】
これでオーディエンスを味方に付け応援してもらいます
世論は私と共にあり

ダメ押しに【託されし願い】
これでゴール前判定のデッドヒートを有利にするという算段ですね

あとは箒に乗り【飛翔】の全速力でゴールを目指します

卑怯?何を寝惚けているんですか勝てば官軍と言うでしょう
勝てば良いんですよ勝てばルールから逸脱しなければ何したって良いんですよ
我々はディアボロスです普通に運動会しても仕方無いですよね?
我々にしか出来ない手段で場を盛り上げるのが我々の使命では??


●ディアボロスの運動会は色んな意味で規格外
「さて、こっからはディアボロス限定種目ってことで、ウチが司会進行を務めるッスよ!」
 ナナのアナウンスが会場に響く。
「まず最初は、旅団『ヨアケの星』からご参加くださった8名の先輩がたッス! せっかくなんで、お一人ずつインタビューしてくッス!」
 マイクをスタンドから外し、設営ブースからひょいと飛び出すと、準備中の出走者のもとへ駆け寄る。
「インタビューだって、緊張しちゃうわね!」
 リディル・ヴェント(ゲットレディ・g00550)は、すでにウズウズしているようだ。
「運動会ってそういうものなのかしら?」
「まあいいんじゃない? 面白いし!」
 首を傾げるメルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)に天夜・理星(復讐の王・g02264)が言う。
「それに、観客の皆さんを楽しませるのも私たちの役目ですから」
「楽しませる、かぁ。できるかわかんないけど、まぁ、全力で楽しんだもん勝ちだよね?」
 アイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)は、桜・姫恋(苺姫・g03043)に「それでいいんです」と頷き返した。

「おおっ、先輩がたの仮装、ハイパーカッケーッス! 特にリディル先輩、よくお似合いッスね!」
「ふふっ、いいでしょう! ガンナー衣装なの!」
 リディルは腰に吊るしたホルスターからリボルバー拳銃を突き、くるくるとガンスピンしてポーズを取った。観客席から「かっこいい!」「正義の保安官だ!」などの歓声が上がる。
「姫恋先輩のは……ウェイトレスさん、ッスか?」
「そうだよ。似合ってるかな?」
 くるりとその場で回ると、イチゴの装飾をあしらったチョコレート色のエプロンスカートがふわりと膨らむ。最後にウィンクをすると、再び歓声。今度は男性陣の声が目立っている。
「ちなみにこれ、みんなで同じテーマの衣装を揃えたの。運命の衣装もよく似合っててね」
「……もしかして「あれ」のことッスか??」
「へ?」
 姫恋はナナの指差す方を振り返った。

 すると向こうからガッシュン、ガッシュンと重々しい駆動音が聞こえてくる。
「なんだあれ!」
「ロボット!?」
 観客席の、主に子供たちが湧き上がった。
 ずんぐりとした砂色の動力甲冑のバイザーがブイン、と眩く発光する。そして背部マウントされたミサイルポッドがガシャンと開いて弾頭を発射! ……くるくると煙を描いて空を舞ったミサイル型の花火は、空でパパン! と派手に爆発した。
「「「すげー!」」」
 子供たち(一部大人のお友達)はすっかり目をキラキラさせている。どうやらお気に召してもらえたようだ。
「というわけで、今回はこちらの仮装にしてみたんだ。横須賀の人たちを盛り上げてあげたくてな」
 百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)の声がエコー付きで響く。ついでに、バイザーがもう一度光る。かっこいいからだ。
「パフォーマンス付きとは、さすがですね……楽しませようという心意気がひしひしと感じられます」
 運命の旺盛なサービス精神に素直に感心するアイネリス。
「インパクト抜群だな。それにとても派手だ」
「……派手さに関しては千隼もいい勝負だと思うが?」
「ん? どこがだろうか」
 ユニコーン風乗馬服姿の月見里・千隼(硝煙と魔弾の騎手/現代ラストジョッキー・g03438)が真顔で首を傾げると、謎のギミック入りの馬耳と尻尾も揺れた。
「いや、色合いとか。その表情とのミスマッチなところとか」
 冷静にツッコむ緋詠・琥兎(その身に潜むは破滅か。それとも朧げな標か・g00542)の仮装は、時計ウサギをモチーフにしたもの。色合いもハロウィンらしくカボチャカラーを取り込んでいるのが特徴的だ。
「ハロウィンらしさも忘れない先輩がた、さすがッス!」
 ナナも目を輝かせていた。

「……って、いけないいけない」
 ナナはハッと我に返り、マイクを向ける。
「そんな先輩がたに、運動会への意気込みをお聞きしたいッス!」
「それが……実は自分は初めてなんだ」
 琥兎はぽりぽり頬をかいた。
「運動会自体が、ッスか? てことは当然、借り物競争も初めてってことッスね!」
「ああ。けどまぁ、なんとかなるだろ」
 あっけらかんと答えるあたり、緊張はしていないようだ。
「私もあまり縁がなかったのよね、運動会。だからこそ、楽しませてもらうわよ!」
 やる気十分のメルキディア。ちなみに相棒のジェストは、琥兎の相棒である燈杜美とともに給水所で留守番&観戦中である。
「ハイパー気合入ってるッスね! ところで、経験ありの先輩がたはどうッスか?」
「そうだな……まずはやっぱり、懐かしい……だろうか」
「たしかに、言われてみると、何年ぶりだろ??」
 千隼は姫恋に「そこは人によりけりだろう」と答え、続けた。
「だが、どんなレースだろうと現役の騎手としては負けられない。やるからには、勝つぞ」
「勝利を狙ってこその競争だ。旅団仲間だからって、手加減はなしでいこう」
 運命は頷く代わりにサムズアップで同意を示した。

「ちょっとちょっと、優勝はアタシのものよ!」
 そこにリディルが意気揚々と割り込んでくる。
「あははっ、早速バチバチだね! そうこなくっちゃ!」
「り、理星先輩。煽って大丈夫ッスか? 競争の前に戦闘始めたりとか、しないッスか??」
「大丈夫大丈夫、でもそれはそれで楽しそうじゃない?」
 あまり大丈夫ではなさそうだぞ、とナナは不安になった。その一方で、想像してワクワクもしたが。
「我々ディアボロスは普通に運動会しても仕方ないんです。むしろもっと我々にしか出来ない手段で場を盛り上げなければ」
「おっと、アイネリス先輩が珍しく真面目だと思ってたら雲行きが怪しく……」
「私はいつでも真面目ですよナナさん。そう、メガネのことも他のことも、常に全力投球です」
 ぎらり。アイネリスのレンズが鈍く光る。ナナは「ひぃ!」と呻いた。
「……私、天使だから飛ぶのは自重しようと思ってたんだけど、みんなはそうでもなさそうね?」
「当然でしょ? パラドクス効果もアリ、だもんね?」
 姫恋が言うと、メルキディアは「ふうん」と意味深な表情を浮かべた。なんだか雰囲気が不穏になりつつある!
「えっ、えーと! 出走前のインタビューはこのへんで! そろそろ競技開始ッス~!」
 ナナは収拾がつかなくなる前に無理やり締めた。早くも波乱の展開を予感させる空気に、観客席もごくりと息を呑む……!


 8人は白線の手前に横並びし、仲間……いや、ライバルをジッと見つめる。
 不敵な表情を浮かべる者、
 仏頂面を貫く男、
 大惨事の予感にほくそ笑む者……。
 表情は様々だが、やる気が漲っているのは全員同じだ。
「それでは……よーい、スタート! ッス!」
 片耳を抑えたナナがスターターピストルを鳴らすと、8人は一斉にスタートを切った!

(「このスタートダッシュが一番肝心……! 先頭に躍り出て、そのまま一気に差を開いてやるわ!」)
 リディルは赤いマフラーをはためかせて華麗な走りを見せた。しかし、そんな彼女のテンガロンハットが、横合いから吹いた風にぶわっと吹き飛ばされかかる!
「わわっ! 誰!?」
 リディルは帽子を抑えつつ横を見やった。並走しているのは……運命だ!
「いけー! ディアボロスロボ―!」
(「クェイクパックの名前はそんなのじゃないんだが……言うのは野暮だな」)
 運命は子供たちの微笑ましい応援に応え、最初のコーナーで見事な高速ターンを魅せた。湧き上がる観客たち!
「運命さん、完璧に動力甲冑の性能全開じゃないの! もしかして私もゴスペルブリンガーを出した方がいいやつ?」
「他人の様子を気にしてる場合か? 勝者はひとりなんだ」
「なっ!?」
 追いすがるメルキディアを颯爽と抜き去り、先頭の二名に食らいつく千隼。まるでプロの陸上選手かと見紛うような、見本じみた綺麗なフォームだ。

「わお、開幕からデッドヒートしてんじゃん! アタシも加わろーっと」
「気をつけてたつもりだけど、出遅れたか? いや、まだまだここからだ」
 すいすいペースを上げていく理星、そのやや後ろに琥兎。各々の差は僅かだが、その僅かな差がなかなか埋まらない。
「やれやれ、皆さんわかっていませんね「借り物競争」というものを」
「なんかよくわかんないけど、一応勝負だし普通に抜いちゃうよ?」
「構いませんとも。どうぞお先に」
 なにやら不敵に笑うアイネリスに首を傾げつつ、姫恋は団子状態の先頭集団に加わらんとする。
 その間にも、先頭はリディルから千隼に入れ替わっている。運命はそのすぐ後ろで琥兎とギリギリの勝負を繰り広げ……ていると思ったら、まるで瞬間移動のようにせり上がってきた理星と姫恋がコンビかの如くするりとポジションを交代し、お次は自分達だとばかりに抜いて抜かれての攻防を繰り返す。
「皆、わたしが思ってたよりずっと速いわね……!」
「燈杜美が見てるところで、情けない姿は晒せないからな」
 メルキディアは歯噛みした。どうやら、自重がどうとか言ってられないようだ。こうなったら【飛翔】してでもトップを……。
「……いえ、今はやめておくべきね」
「さすがはメガネ仲間のメルキディアさん、気付いたようですね」
「アイネリスさん、いつの間に!?」
 スーッと隣に並んでいたアイネリスにちょっとビビるメルキディア。
「これはあくまで"借り物競争"。つまり……」

 先頭集団がチェックポイントに到達する……すなわち、借り物のお題が書かれた紙のある中間地点に。
「どのみちここで足止めされる以上、前半戦の差に大した意味はないのです!」
 キュピーン! と、アイネリスのメガネが光った。まるで知的な策士系キャラのようだ!
「それは確かだが、先に着いたぶんこちらはお題の借り物を探す時間に余裕があるぞ」
 最速でチェックポイントに到達した千隼は、そう言いながらお題の紙を裏返し……仏頂面のまま、ぴしりと硬直した。
「……『めちゃめちゃ怖い本』??」
「いきなり難題じゃん! えーとアタシは……」
 ぺらり。理星が裏返した紙には『カボチャ』と書かれていた。
「やったね、これは簡た……ん?」
 しかしよく見ると、紙の隅っこに小さく何か書いてある。理星は眉根を寄せてジーッと確かめた。

『カボチャ(飾りとかじゃなく本物)』

「えええーっ!?」
 まさかの展開だ! 理星は焦って周りを見渡すが、さすがに本物のカボチャをくり抜いて使っている人はそうそういない!
「ふっ、どうやら時間的余裕もなくなるぐらい難しいお題だったみたいね!」
 そこに飛びつかんばかりの勢いで駆け込んできたリディル! ばしぃっ! と勢いよくお題の紙をゲットした!
「ここは今度こそアタシがトップよ! きっと流れ的に簡単なお題が来るはず!」
 砂煙が消え、お題の内容が明らかになる。それはリディルの言った通り、とても簡単なものだ。なにせ『横須賀海軍カレー』なのだから。

「……???」
(「あれっ、リディル先輩なんで首傾げてるッスか!?」)
 ナナは困惑した。セッティングに協力したので、お題を知っているからだ。そんなに悩むようなものではないはず。
「ヨコ、スカ……カイグンって、何? そういう品名の野菜……??」
 なんということだ。リディルは幻想竜域キングアーサーから漂着したディアボロス。つまり、まだまだ世俗に疎い。
 そのせいで、カレーはわかっても横須賀海軍がなんなのかがわからなかったのである!
「こっちは『スカジャン』か。お題そのものは簡単だが、どう借りるかが鍵だな……」
「私は『おばけの仮装をしてる人(動物もOK)』だって」
 姫恋はジッと千隼を見た。
「ユニコーンっておばけ扱いでいいのかな?」
「俺は出走者だが??」
 ツッコミを受け、今度は琥兎を見る。
「じゃあ時計ウサギ……」
「自分も出走者だが? というかなんで観客から借りようとしないんだ??」
「あ、そっか!」
 こんなところで天然を炸裂させている場合ではなかった。

「追いついた! わたしのお題は『猫グッズ』ね」
「こちらは『叶神社の勾玉御守り』ですか。なるほど」
 アイネリスのレンズは未だ輝いている。つまり知的な策士キャラモード継続ということだ。なにやら秘策があるらしい。
「……ところで緋詠さん、燈杜美さんはたしか給水所にいるんだったかな?」
 一方、もう一人のメガネキャラである運命(今は動力甲冑モードだが)は、なにやら琥兎に話しかけている。
「ん? ああ、そうだが」
 琥兎は首を傾げた。なぜ今そんなことを聞くのだろうか?
「ありがとう。だいぶ遠いな……まあ仕方ないか」
「……まさか」
 ハッと何かに気付いた琥兎は、給水所に向かう運命の手元を見た。手にはもちろんお題の紙が握りしめられているのだが、そこには他ならぬ彼の相棒の名が!
「それ、アリなの!? アタシのお題なんて、ヨコスカカイグンカレーなのよ!?」
 リディルは思わず不満を訴えた。
「ヨコスカカイグン……ねえみんな教えて! 一体どんな野菜なの!?」
「いや、横須賀ってここのことですよ!」
 観客がツッコむとリディルはハイパーびっくり顔になった。
「そうなの!?」
「いや、そこから!?」
 隣で猫グッズを探していたメルキディアも思わずツッコむ天然ぶり!
「海軍の人が食べるカレーなんですよ! 伝統的なものは牛乳とサラダがセットなんです」
「そうなのね! ありがとうアイネリ……って、もう手に入れたの!?」
 スイーッとリディルの横を滑るようにすれ違うアイネリス。解説キャラのように人差し指を立てたその手には、たしかにお題の御守りがあった。
「ふっ……すべては【強運の加護】のおかげですよ」
「知的なオーラを醸し出してると思ったらかなりの力技だったな」
 千隼は真顔で呆れた。
「おっと、まさか反則だなんて言いませんよね? もし言ったとしても……さあ皆さん!」
「「「アイネリスが正義! アイネリスしか勝たん!」」」
 アイドル親衛隊みたいに声を揃える観客たち(全員メガネ装備)。
「という感じで、私のほうが多数派(マジョリティ)ですので」
「いやそれ【友達催眠】と【プラチナチケット】で強引に味方につけてるだけじゃん!?」
 カボチャを探して駆けずり回っていた理星がさらにツッコんだ。
「世論は私とともにあり。そして皆さんから【託されし願い】を背中に受けて、私は駆け出します! お先に失礼!(だっ)」
「このままじゃ負けちゃう……!? そうはさせないわよ、【防衛ライン】使ってでも足止めしてやるんだから!」
「妨害する方向に進んだら泥沼になるんだが??」
 千隼のツッコミにきょとんとして首を傾げる姫恋。
「え?? 楽しんだ者勝ちなんだから、使える効果はガンガン使ってこそでしょ??」
 せめて【泥濘の地】にすべきではないだろうか、泥沼だけに。……いえ、なんでもないです。

 アイネリスに出遅れた一同は焦りを覚えた。借り物競争は単なるスピードだけでなく、いかに迅速に借り物をゲットするかも鍵なのだ。このままでは差をつけられてしまい、追いつけなくなる!
「よし、こうしよう」
 やむを得ず、咳払いする琥兎。
「スカジャンを貸してくれた人には、自分が着ているこの上着を貸してあげよう。代わりに羽織っていてくれ」
「「「私(俺)(僕)のスカジャンどうぞ!!」」」
「きゅ、急に来たな……」
 今度は大量に人が押し寄せたせいで、誰を選ぶべきかで時間を取られてしまう。人気者であるがゆえに逆に手間が生じるとは、ディアボロスゆえの功罪といったところだろうか?
「猫グッズー! キーホルダーでもなんでもいいから、猫のグッズを持ってる人はいないかしらー!」
「はーい! 猫ぬい、ありますよー!」
 元気よく立ち上がり手を振る少女。
「ありが……って、ちょっと遠いわね」
 メルキディアは表情を明るくしたが、その少女はかなり後方の席にいた。
「ええい、アイネリスさんや姫恋さんがその気なら、私も自重しないわ。みんな、頭を下げてね!」
 メルキディアは翼を羽ばたかせて【飛翔】し、一瞬のうちに少女のもとへ。そして、素早くグッズをゲットする!
「ナナさん、公園の外にいる人から借りるのはありなのか?」
「もちろんッス、千隼先輩!」
「それなら……こうだ」
 千隼はその場で黒猫に変身すると、その体躯を活かして素早く人波を掻い潜る。
(「運動会に来てまで読書してる人はいないはず。だが近場のカフェなら……!」)
 その狙い通り、会場から少し離れた場所にある喫茶店で、テラスに座り漫画を読んでいる客を見つけた。
「(ぽんっ)そこの君! 悪いが、その怖そうな漫画を俺に貸してくれないか?」
「ウギャー!? ……って、猫かと思ったらディアボロス!?」
 漫画に熱中していたせいか、かなりオーバーにビビる客。
 しかし、話しかけてきたのがディアボロスだとわかると、急に表情を変えた。
「あ、あの! 貸してもいいんですけど、代わりにサインくれませんか!?」
「え、サイン? いいぞ?」
 千隼は軽いノリでファンサに応える。だが彼は忘れていないだろうか、今は競争の真っ最中なのだ!

「ここが横須賀海軍カレーのお店ね! おひとつくださいな!」
「はいよ、まいど!」
 一方、リディルも観客の助けで無事にカレーをゲットした、のだが……。
「……じゅるり」
 ほかほかできたてのカレーをじっと見つめていると、思わずよだれが垂れそうになってしまう。
「た、食・べ・た・い……! これを我慢して持っていかないといけないなんて! 謀ったわね……!」
 一体誰が謀ったのかって話だが、リディルはきょろきょろと周りを見やった。
「いやぁ、まさか屋台まで見に来なきゃいけないとは……ん?」
 そこには、ちょうど本物のカボチャを使ったハロウィンスイーツをゲットした理星の姿。
「え、何? どうしたの?」
「これ、美味しそうじゃない?」
「え??」
「美味しそうよね! ほら匂いとか最高でしょ!?」
「待って待って! これ、もしかして道連れにしようとしてる!? ただでさえ物色してお腹減ってるんだけど!?」
 まさかの誘惑攻撃だ! リディルはヨダレが出そうなのを我慢しながらぐいぐい理星にカレーを押し付けてくる。もはや趣旨が間違っている気がしないでもない!
「燈杜美さん、捕まっていてくれ。このまま普通に戻ったんじゃ間に合わないから、ショートカットする」
 その近くの池を、ゴバーッとホバー移動で通り過ぎる運命。
「ちょっと、出遅れてるじゃない! ……よし、ちょっとごめんね!」
「へ?」
 姫恋に目をつけられた、シーツおばけ姿の観客が首を傾げた。
「借りさせてね!」
「はい?? って、うわーっ!?」
 姫恋は有無を言わさずそのおばけ姿の観客を【怪力無双】で担ぎ上げ、頭上に掲げたまま爆走! ものすごい勢いで差を詰める!

「ああもうお腹減ってきた! でも勝ちたいし諦めるわけにはいかないわ!」
「じゃあアタシにまでカレーでお腹鳴らさせようとしないでよ!? ほらみんな先行ってるってば!」
 リディルと理星は漫才みたいなやりとりをしながら走る。相互に走りづらい!
「まずいな、また出遅れてるぞ……上着はあとで返してくれればいいから、それじゃあ」
「は、はい! ありがとうございます!」
 黄色い歓声を上げる若い女性に上着を羽織らせ、代わりにスカジャンに袖を通すと駆け出した。
「ああ、そうだ。ありがとう、汚さないように大事にする」
 そんな美形男装女子が肩越しに振り返りハスキーボイスでこんなことを言おうものなら、女性はふにゃふにゃになってへたりこんでしまう。罪な男だ(女性だけど)。

「ほう、皆さんどうやら追いついてきたようですね。ならば、これはどうですか?」
 アイネリスはどこからともなく箒を取り出すと、ひょいと横乗りした。そして躊躇なく【飛翔】!
「あっ、ずるい! それ使ったら競走じゃないでしょ!」
 負けず嫌いの姫恋が再び物申した。だがアイネリスはどこ吹く風!
「これは借り物競"争"なので、走ることに限定される必要はありませんが? そうですよね皆さん!」
「「「アイネリスしか勝たん!」」」
「というわけで、反論があってもオーディエンス的に私の勝ちですが?」
「む、無敵論法すぎる……というか、論法ですらないなよく考えると」
 ショートカットのおかげで追いついた運命も、さすがに呆れ返った。
「観客を盛り上げることが大事なんですよ、皆さんも【飛翔】したらいいのでは??」
「それだと速度的に絶対差が縮まらないでしょ!」
「そーだそーだー! 降りてきてこのカレーの匂いに屈しなさい!」
「いやリディルさんは目的変わってるよね!?」
 すっかりツッコミ役状態の理星だが、なんだかんだその顔は楽しそうだ。
「やっぱり【防衛ライン】使っちゃっていいよね?」
「やめるんだ、それはおそらく他の俺たちも妨害される!」
 猛スピードで追いついた千隼が姫恋を制止した。
「それに遅れがあろうとも最後まで諦めない、それが騎手だ!」
「いや、私ディアボロスだし。私以外の「敵」が全員足止めされるならいいよね」
「待て待て。みんなでダッシュして、ギリギリを競ってこそのヨアケの運動会。じゃないか?」
 琥兎が無駄にかっこいいハスキーボイスで言った。
「「「そうだそうだー!! 琥兎様しか勝たん!!」」」
 そして、その声と顔に魅了された女性陣が声を揃える!
「なっ!? 残留効果なしにこれほどのオーディエンスを!?」
 アイネリスのメガネがぴしりとひび割れた。
「こ、こんな展開、私のデータにはない……! こうなったら【飛翔】はやめて走らざるを得ません……!」
「割と最初から気になってたんだけど、その急なキャラ付けは何!? いや、降りてくれるならいいけど!」
 リディルはカレーの匂いを振りまいてデバフを与えつつツッコんだ。
「じゃあ代わりに私が【飛翔】しちゃうわね!」
「えっ、いや盛り上げるためのデッドヒートの話は」
「運命さんが最初に動力甲冑を持ち出したんでしょ! つまりこれはやむを得ない反撃よ!」
「どうしてそんな戦争当事国のような言い回しを??」
 ぎゃあぎゃあと(走りながら)喧々諤々になる運命とメルキディア。メルキディアが一方的に噛み付いてるだけとも言う。
「とにかく、絶対負けない! 私が一位なんだから!」
「あはははは! なんかわけわかんなくなってきたけど、楽しいからいっか!」
 さっきの天然ぶりはどこへやら、ムキになる姫恋と負けじと食い下がる仲間たちを見て、理星はけらけら笑った。
「とにかくさ、最後まで楽しくいこうよ! 誰が負けても恨みっこなしで!」
「は? 恨むけど?? 私負けず嫌いだから」
「そこはちょっといい感じにスパートに入るところじゃないですか!?」
 普通に言い返す姫恋のお約束破りにびっくりするアイネリス(※メガネはすでに直っている)

「せ、先輩がたのデッドヒート、ハイパー激しいッス!」
 そんな彼らの追いつき追い越されのチェイスに、ナナは実況席を立ち上がり叫んだ。
「さあ、1着になるのは誰か!? ウチは先輩みんなに頑張ってほしいッス! みんな1位になれー!!」
 興奮のあまりわけのわからないことを言っている!
「「「うおおおおお……!!」」」
 誰ともなく雄叫びを上げ、そして盛大な砂煙が上がり、その姿を覆い隠す……!

「――ゴール!!」
 ちぎれたゴールテープだけが砂煙の中から舞い上がり、競技終了を示すホイッスルが鳴り響いた。
「ご、ごくり……」
 ナナと観客は、晴れていく砂煙の中をじっと見つめる。誰よりも先頭に立っていたのは……!

「やったー!! 私の勝ちー!!」
 意気揚々と拳を突き上げ勝利を喜ぶ、姫恋だった!
「くっ、負けたくない気持ちはアタシだって燃やしてたのに……! やはりこのカレーの匂いのせいだわ……!」
 2位はリディル。悔しそうな表情だ。
「あっ! でも、競争は終わったんだしカレー食べてもいいわよね! いただきまーす!」
「急に笑顔になったな……まあ、慌てず食べればいい」
 3位の千隼は謎ギミックで耳を揺らしながら言った。
「え? もちろんみんなもよ! ほら、最後の効果はこれっ!」
 ぽぽんっ! と、同じ海軍カレーが仲間たちの手元に現れる。
「なるほど、【口福の伝道者】か。これはいいオチだな」
 運命がプシューと圧縮空気を吹きながら装備を解除し、カレーを受け取った。
「いや~、ずっと匂い嗅がされたからお腹空いちゃったんだよね。アタシもいただきまーす!」
「みんな、お疲れ様だ。燈杜美もな」
 琥兎は運命のそばから離れた燈杜美を褒めてやり、彼女が一緒に持ってきた水筒を受け取る。
「飲み物はここにあるぞ。お互いの健闘を称えて、みんな一緒に食事にしようか」
「雨降って地固まる……これこそまさしく、ディアボロスである我々の戦いそのものですね」
「いい感じにまとめようとしてるけど、一番えげつないことしてたのアイネリスさんよね……?」
「それはそれ、これはこれということで」
「まったくもう、調子いいんだから」
 メルキディアは苦笑し、カレーと飲み物を受け取る。そして観客を振り返った。
「私たちの競争を見てくれた観客の皆さんも、ご一緒にどうぞ!」
「さっすが先輩がた、アフターケアまでハイパー完璧でカッケーッス! というわけでディアボロス限定借り物競争、第一グループこれにて終了、ッス!」
 ナナがアナウンスすると、観客は盛大な歓声と拍手でヨアケの8人を称えた。
 そしてそのあとには、美味しそうなカレーの匂いと紅茶の香りがたちこめ、しばし休憩がてらのお食事タイムになった……と、いうわけである。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV7が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ダブル】LV2が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!

ラウム・マルファス
ハロウィン仮装のろくろ首は前が見えなかったから、首の部分縛って飛頭蛮状態で連れてくヨ。ボク本体の頭が丸見えだから、妖怪だかなんだかわかんない状態だケド、ハロウィンだから多分平気ヘーキ

運動会かぁ、ボク運動苦手なんだよネ。いや、ディアボロスになったから動こうと思えば動けるんだけどサ、苦手意識はどーしょうもないからどうしよウ

折角だから、希望する一般の人がいれば、頭ハリボテをくっつけたドローンを作って、ドローンレースにしようカ。パン食い競争なら、頭部分を上手くギミック工夫すればできそうだし、パン1つくらいの重量は耐えれると思うシ。頭はトラップ生成で作って、普通のドローンにくっつけるヨ

え、ボクもハンデありで参加?ドローンの性能、変わらないんだケド……まぁ操縦慣れとかあるし、ハリボテ頭が食べるパンを増やすくらいにしようカ

ってわけで競争スタートだヨ。……生首レース、思った以上に怖いねコレ。パン食べれるように口が結構大きく開くシ。あ、パン複数の重量考えてなかっタ。待ってマッテ、墜落しそうだから待っテー


●クリーピー・ハロウィン・レース
「ひっ!?」
 突然ニュッとせり出した空飛ぶ生首に悲鳴が上がる。しかしよく見るとそれは(当たり前の話だが)本物の生首などではなく、それっぽく作られたコスチュームだった。
「驚かせちゃったかナ? トリックってことで許してネ」
 と、生首の根本から声がする。
 よく見ると、ろくろ首状態の根本……はなぜか縛り上げられていて、結び目の下にラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)の顔が覗いていた。かなりアレな絵面である。
「縛らないと前が見えなくてサ。よく出来てるでショ?」
「よ、よく出来すぎてて怖いです……」
 悲鳴の主はまだちょっと震えていた。

「ぎゃあ!?」
「うわああ!」
「うぉえっ!?」
 ラウムが会場をうろつくと、そのたびにあちこちで似たような反応が上がる。
「うーん、練り歩くだけだと驚かせちゃいがちだネ。運動会らしいこと、何かあるかナァ」
 ラウムは(生首の下に生えた状態のまま)考える。
「うおっ、その仮装すげー!」
「妖怪じゃん!」
「人垣の中から首だけ出てたから、ほんとに飛んでるのかと思った」
「……フム」
 好意的な反応を返してくれた若者たちの言葉に、ラウムはしばし考え……やがて何かを閃いた。
「そうダ。ボク自身が動くんじゃなく、ドローンにレースさせるのはどうだろウ?」
 そうと決まれば工作開始だ。
 量産した生首(絵面的に江戸時代の晒し場みたいな有様だ)をドローンにくくりつけては飛ばし、くくりつけては飛ばし……。

「ようし、出来たヨ。他に参加したい人、いるかナ?」
「ウチのドローンちゃんも競っていいんですか!?」
「俺の自作したドローンでドローンバトルだ!」
「いや、そんなホビー漫画みたいな種目じゃないんだけド……まあいっカ」
 ラウムは持ち寄せられたドローンに、生首をくくりつけては飛ばし、くくりつけては飛ばす。

 もともとアレだった見た目が、さらにすさまじい惨状と化していた。
「ぴゃあああ!? なん、なんスかこの悪い夢みたいなグロテスク集会場!?」
 通りがかったナナは目ん玉をひん剥いてひっくり返りかけた。
「おやナナ。見ての通り、生首レースの会場だヨ」
「生首レース!!??!?」
 ブイーン、とドローン特有のプロペラ音を立てながら、やけに生々しい造形の生首が競うように飛んでいく。
「あ、待ってマッテ、墜落しそうだから待っテー」
「……ラウム先輩と横須賀の皆さんが楽しそうに遊んでるのはいいんスけど、やっぱ絵面がハイパーヤバいッス……」
 子供が見たらトラウマ間違いなしの有様に、止めなくて大丈夫かなこれと思うナナだった。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!

瀧夜盛・五月姫
【燐五】
運動会。
姫たちの時代、競うといえばギャンブル、ばかりだ。
己の鍛錬、成果を争う。ん、なんて文化的、だろう。

ん、大丈夫。姫もこの運動会、やりたいこと、あるから。
燐さん、怪我しないように、頑張って、ね?

姫のやりたいこと、それは、燐さんの応援だ。
……応援には、正装というのがあるって、教えてもらった。
そして姫は、服の下にそれを、着て、きた。
そう、着てきた……けど……、誰も着てなくない?!
う、う……もしかしたら注目される、かも、しれない。それは、恥ずかしい。
だけど! 燐さんには勝って欲しい、から!

頑張れ! 頑張れ! り、ん、さーん!
追いつけ! 追い越せ! いっとーしょー!

チアガール衣装に、両手のポンポン、振り上げて応援、だよ!
応援は、届かなければ意味は、ない。だから、出せる声、めいいっぱい出して、出し切って、姫が付いてるからって、アピール!

伝わったのか、燐さん、どんどん追い上げて……ゴール!
勢いそのまま、こっちきた燐さんを、両手でギュって受け止める、よ
すごい、すごいよ、燐さん!


一里塚・燐寧
【燐五】

いやー、運動会って憧れだったんだよねぇ
死ぬ前は心臓病持ちだし、体育は全部見学でさ?
平安的にいうとなんだろ、流鏑馬とか蹴鞠に出させてもらえないカンジ
そーゆーわけで、気分だけでも味わいたいって……あたしの我儘に付き合ってくれてありがと
おー、そりゃよかった~

さーて、仮装で障害物競走ってなると、やっぱコレしかないよねぇ
じゃじゃーん! チェーンソーザウルス着ぐるみ!
ネメシス形態の恐竜をデフォルメした着ぐるみ姿でトコトコ走るよぉ
手が短いから、障害物を乗り越える時は基本ジャンプ
うひぇー、尻尾がひっかかるぅ!

四苦八苦してると、五月姫ちゃんが応援する姿が見えた
えっ、チア?! やりたいことって、これ……!?
腋やおへそや太腿がばっちり出た装いで汗を流す姿に、止まった筈の心臓がドキドキしちゃう
澱んだ血が一気に体中を駆け巡って、ザウルスパワー全開!
不埒な妄想を振り切るみたいに、猛スパートを見せるよぉ

短い手で頑張って抱き返して
んふふ、応援ありがとっ
……めっちゃ頬赤いと思うけど、運動後なら不自然じゃないかな?


●運動会、それは甘酸っぱい青春の1ページ
「いやー、運動会って憧れだったんだよねぇ」
 ぐいーっと腕の筋肉を伸ばしつつ、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が語る。
「死ぬ前は心臓病持ちだし、体育は全部見学でさ?」
「ん、見学……?」
 瀧夜盛・五月姫(失つし世《うつしよ》の滝夜叉姫・g00544)はピンとこないのか首を傾げる。
「あー、平安的に言うとなんだろ。流鏑馬とか、蹴鞠に出させてもらえないカンジ」
「ん、なるほど。寂しい、ってこと」
「そーそー」
 燐寧は膝裏の筋肉を伸ばす。
「そーゆーわけで、気分だけでも味わいたかったんだよね」
「ん」
 五月姫はこくりと頷いた。
「姫たちの時代、競うと言えばギャンブル、ばかり。でも、運動会は、己の鍛錬、成果を争う」
 その瞳には感心の色がある。
「ん、なんて文化的、だろう。姫も、運動会、いいものだと、思う」
「そっか。だからあたしの我儘に付き合ってくれたんだね」
 燐寧の言葉に、五月姫はふるふると首を振った。
「ん、我儘、じゃない。姫もこの運動会、やりたいこと、あるから」
「おー、そりゃよかった~」
 燐寧はへらりと笑った。
「ありがとね、五月姫ちゃん」
「大丈夫。だから燐さん」
 ふわりと、白い髪が風に揺れる。
「怪我しないように、頑張って、ね?」
「ん~」
 今度は五月姫みたいに、燐寧が言った。

 そして始まった次の種目は、ハロウィン仮装障害物競争だ。
 前の時間に行われた複合種目でなく、障害物に特化してバリエーションを増やしたもの。
 定番のハードルや低めの跳び箱、ネットに平行棒など。近隣の学校が貸し出してくれた品々である。
「やー、ハロウィンってこと抜きにするとほんと学校の運動会みたいだねぇ」
 更衣室の扉からひょっこり顔を覗かせ、コースや観客席を見渡す。
(「さて、五月姫ちゃんは……いたいた」)
 五月姫は観客席の最前列に座っている。が、しかし。
(「って、あれ……なんか調子悪そう?」)
 その当人は、なにやら周囲の様子をちらちら窺ったり、俯いて難しい顔をしている。
(「人が多いから緊張してる? なわけないか」)
 少し心配になったが、もうすぐ出走時間だ。声をかけにいく時間はない。それに仮装の準備がまだ終わっていないのだ。
「おっと~急がなきゃ」
 燐寧は顔を引っ込め、今日の仮装を着込む作業に戻った。

 で、五月姫がなんでキョロキョロしていたかというと。
(「……燐さん、正装って、これであってる、ん……だよ、ね?」)
 ちらりと服の襟を持ち上げ、その下に着込んできたコスチュームに目をやる。
 それは五月姫が今日のために用意した、チアガールの衣装だった。

『スポーツの試合とかではね~、こういう服着て応援する人たちがいるんだよねぇ』
 あれはいつの日だったか、燐寧が教えてくれたのだ。
 彼女によれば、この露出の多い衣装は応援する者の正装らしい。
 だから今日はそれを着てきたのである……五月姫のやりたいこととは、つまり、燐寧を応援することだから。

 問題は、周りの誰もそんな格好をしちゃいねえことだった。
(「誰も、着てなくない!?」)
 さすがに恥ずかしいし、ちょっとしたサプライズも兼ねているから、上に服を着込んできたのが災いした。
 これでは絶対に目立つ。15歳のうら若い少女が、やおらいきなり和装を脱いでチアコスになろうもんなら、なんかそういうお店に来ちゃったのかとびっくりされること請け合いだ。いや、五月姫は「そういうお店」とかわかんないけど。
「……は、恥ずかしい……」
 想像しただけで首まで赤くなってしまう。心臓がバクバクと早鐘を打ち、一気に緊張感が漂ってきた。

 そうこうしているうちにBGMが変わり、仮装した選手が入場を始める。
「は、始まっちゃう……」
 燐寧の活躍は見届けたい。しかし注目されるのは恥ずかしい。
 始まってほしいような、ほしくないような。そんなアンビバレントにもじもじする五月姫。
「じゃじゃーん! みんな~、あたしの仮装はどーぉー?」
「!」
 が、燐寧の声が聞こえてくると、そんな気持ちはどこへやら。バッと顔を上げて凝視した。
「わー、恐竜だ!」
「かっこいー!」
 と、近くの席にいる家族連れ(の子供)が声を上げた。
「ふっふ~、好評みたいだねぇ」
 それは燐寧のネメシス形態のひとつをデフォルメしたような、言うなればチェーンソーザウルスとでも言うべき着ぐるみだ。
 ぴょこぴょことチェーンソー尻尾(デフォルメなので刃部分は丸くなっている)を揺らしながらスタートラインに立つ。
「みんな~、それに五月姫ちゃんも、応援してねぇ」
「……!」
 まさか、読まれていたのか? 五月姫の鼓動が再び早まる。
 だが観客に短い手を振ってアピールする姿を見るに、ちょっとしたファンサービスだけのようだ。
「ほっ……」
 五月姫は胸をなでおろした。そして、「知らないってことは下手するとガン見されるじゃん」と気付き、またこの先待ち受ける羞恥に悶えた。


 ――パン!
「さぁ、華麗な走りを魅せちゃうよぉ」
 スターターピストルの音とともに、選手が一斉に駆け出す。燐寧はトコトコ(尻尾はズリズリ)走る見た目と裏腹に、さすがはディアボロスというべきスピードであっという間にトップに躍り出た。
「あの図体で速っ!?」
「っていうか、尻尾がすごい邪魔!」
「あ、ごめんねぇ。でもこれ足枷でもあるんだよぉ」
 燐寧はトテチテとハードルに挑む。大きな尻尾は障害物を飛び越えるには逆に不利!
「おわぁ、ギリギリぃ! って、次はネットぉ?」
 勢いを落とさずネットの下に潜り込む。すると今度は、チェーンソー尻尾の凹凸がいい感じに(よくない)絡まり、ものすごく動きづらいのだ!
「うひぇー、尻尾がひっかかるぅ!」
「「「今のうちだー!」」」
 後続の選手が一斉に差を詰める! このままでは最下位か!?

「う、う……ええい、まま、よっ!」
 その時! 五月姫が立ち上がり、服を脱ぎ捨てた!
「「「えっ!?」」」
 近くで観覧していたお客さんたちがぎょっとする!
 ふわりと脱ぎ捨てた服が風に舞い上がり、そして……可憐なチアガールの姿があらわになった。
「が、頑張れ! 頑張れ! り、ん、さーん!」
「へ?」
 じたばたもだもだと短い手足を振って悪戦苦闘していた燐寧は、その声に振り返る。
「追いつけ! 追い越せ! いっとーしょー!」
 そこには、黄色いポンポンを両手に振り上げ、顔を真っ赤にしつつ声を張り上げる五月姫。
「チア!? やりたいことって、これ……!?」
 燐寧はぽかんとした。その間にも、他の選手はどんどん燐寧を追い越していく。
「まけるな! めざせ! い、ち、ばーん!」
「……」
 精一杯声を張り上げるその姿に……ついでに健康的な肌色やそこから流れる汗(※主に羞恥心のせい)にぽかんとする。

「……が、がぁおお~~!!」
「「「ひえっ!?」」」
 まるで地の底から響くような咆哮に、先頭集団はびくりと振り返った。
 ネットの海をくぐり抜けた黒い影が立ち上がり、猛スピードで突っ込んでくる!
「ぎゃお~!! ザウルスパワー全開だよぉ!!」
「「「きょ、恐竜だー!!」」」
 一瞬本物の恐竜に見えたほどの、すさまじい執念!
 それが、脳裡によぎったいけない妄想を振り払わんがための雄叫びであることは、もちろん誰にもわからない。
(「心臓がドキドキしちゃう、でもおかげで走れるよ五月姫ちゃん!」)
 獲物を追いかける恐竜の如く、燐寧は一気にスパートをかけ、そして……!

「――ゴーーール!」
「ん……!」
 ゴールテープを最初に切ったのは、燐寧だ。急いでそちらに駆け込んだ五月姫は、弾む胸を荒い呼吸で整えながら大きく腕を広げる。
「五月、姫ちゃ……っ!」
「すごい、すごいよ、燐さん! いっとーしょー、だよっ!」
 倒れ込んできた燐寧を受け止め、無邪気に喜ぶ。
 我武者羅に走ったものだから、さすがに体力を消耗していた。しかし、二人とも爽やかな心地だ。
「はぁ、ひぃ……が、頑張ったよぉ」
「ん、見て、た! ちゃんと、全部、見てた、よ!」
「……んふふ」
 燐寧はにへらと幸せそうな笑みを浮かべ、ぎゅっと短い手で抱き返す。
「応援、ありがとっ」
「ん、そっちこそ、お疲れ様、だよ」
 観客は盛大な拍手を送り、後ろでへろへろになりながらゴールした選手たちも燐寧を祝する。
 二人ともそれぞれ別の理由で真っ赤な顔をしていることは、歓声のおかげで誰にもわからなかったようだ――多分、二人以外には。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】がLV9になった!
効果2【ダブル】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!

シャーリー・ラフォルス
【黒鷲】
★アドリブ、連携歓迎
仮装:ゴリラゲーミングメイド

「ささ、エルフィ様。運動会と名が付いていてもハロウィーン故に仮装が必須でございます。つ・ま・り♥」
クローゼットに仕込んで着せ……いえ、こんな事があろうと思いまして
「エルフィ様の上のお姉様からのぷれぇぜんとぉ〜」
エプロンのポケット(?)から衣装が入った箱をとりだす
超盛フリルのロリータ服でござるよ!!
ふへへ、ドールのご主人様(ヴァイス)にはゴシック衣装を着せて、持って貰うのでございますぅ
「さぁさぁ、更衣室もございますから〜」
秒で着替えさせます
うほほ、ぷりちー大天使っ!
はぁはぁ、こりゃあスマホを連射する音が止まりませんなぁ↑↑
『借り物競争』で何が出てもエルフィ様を借り否、愛の逃避行でゴールして格好良く指輪(バナナの皮)を差し出します
「マイレディ」
どんな対応でも喜びます!
「エルフィ様ぁぁ!」
キマシタワー作戦

ナナ様、ナナ様。
これ、わたくしからの差し入れでございます
ピラッ(ゲーミングフレンチメイド服)
これでご主人様に挟まれて……ぐふふ♥(脱兎)


ヴァイスハイト・エーレンフリート
【黒鷲】(全4名)
★アドリブ、連携歓迎
仮装:女性用ゴシック

「仮装しながら運動会とは、斬新というか……そういう祭りだと思いましょう」
パニエやカボチャパンツ仕込んでおけば、可愛くしていれば見ようと思う不審者はシャーリーしかいないでしょう
「……エルフィ。とても愛らしいですね!」
あれよあれよと、シャーリーに流されて借り物競争へ参加させられる
「(おやおや……ロイドとナナさんが実況してくれるみたいですね)」
シャーリーが近付いて、ナナさんに何か押し付けていますが……
あれは、何も考えずロイドから私達を離して、両手にぐふふー(棒読み)と考えての行動でしょうね
「可愛い猫……?エルフィ、リースクララをお借りしますね」
リヒテンは格好いい部類なので!!
活躍させてあげられなくてごめんなさい!
「ゴールした瞬間に……」
シャーリーがエルフィにプロポーズ?をしているのを見てしまう
うほうほしか喋ってないから何を言っているのでしょうか?

ロイド、頑張れ。
シャーリーのペンライトを拝借して振る。
パラドクスの精霊を呼んで公園を彩る


ロイド・テスタメント
【黒鷲】
★アドリブ、連携歓迎
仮装:提督服

「ナナさん。文化祭は少し熱くなってしまい申し訳ありませんでした」
手作りのお菓子を詰めたカボチャのバケツを渡しつつ謝罪する
(あやしい……クソ狗が奇妙さが倍増した笑顔でうほうほ言ってますね)
「……どうします?」
もうね、ちょっと眩しいメイド服なのでゴリラの趣味丸だし過ぎ
運動会で仮装となれば、参加するだけではなく応援や実況で盛り上げるのも大切です
「では、これもどうぞ」
マイクを渡す
「もちろん、ナナさんがこの運動会を実況して下さい。私は口下手ですし、盛り上げるなんて苦手ですから。それに」
ナナさんを抱えて【飛翔】するのがミッションですから
「……ゴリラが光過ぎて目立ちまくって……不正してやがる」
エルフィ様を抱えているし、ナナさんも危ないのでため息しか出ません
「今年もありがとう」

※エルフィ様やヴァイス様に聞かれても友達orこういうのも面白いからした程度の返事のみ
シャーリーはライバル減らしとしてニヤニヤ、寧ろ付き合えチューな頭の中がお花畑Foooo!ばなな!な感じです


エルフリーデ・エーレンフリート
【黒鷲】
※アドリブOK
※身内のみなので女性口調

シャーリー!?
あなたのポケットは四次元か何かなの!?
22世紀にはまだ時間があるわ!
(シャーリーの行動と、出てきたロリータ服にパニックに)
ね…姉様の馬鹿ああああああああああ!

うぅ…フリフリなんて柄じゃないのに…!
シャーリー!写真撮らないのー!
あ、兄様…え、リースが必要。
はい…いってらっしゃい…(サーヴァントのリースクララを貸し出す)

えっと、私の借り物は…
『スマートフォン』
(自身を激写しているシャーリーを見)

シャーリー、ちょっといいかしら?
あなたにお願いが…きゃあああああああああ!?
(シャーリーに借り出されてそのままゴールへ一直線)

しゃあああああありいいいいいいらふぉるすううううううううう!
(シャーリーをフルネームで呼ぼうにも、謎の叫びにしかならなかった模様)

ゴールする頃には…口から魂吐いてるわね、きっと。
シャーリーが何か言っているようだけど、きっともう上の空。


●そして最後はやっぱりこうなる
「いやぁ~、先輩がたの走る姿や仮装、どれもハイパーカッケーッス、今回も大成功ッスね~」
 ナナは誰より何よりホクホク顔だった。ディアボロスの活躍が見れて一番得をするのはコイツなのである。
「でもまだまだイベントは盛りだくさんッス! さて、次のグループは、っと……」
「ナナさん、こちらにいらっしゃいましたか」
「お?」
 聞いたことのある声にきょとんと振り向くと、ロイド・テスタメント(元無へ帰す暗殺者・g00322)が恭しく一礼した。
「ロイド先輩じゃないッスか! 今日はシャーリー先輩やヴァイスハイト先輩とはご一緒ではないんスか??」
「忌々しいことにあのゴリラもおります。まあ、ヴァイス様はともかくあの狗のことはさておき」
 ロイドはそっとお菓子の詰まったカボチャバケツを差し出した。
「この間は少し熱くなってしまい、申し訳ありませんでした。こちらはお詫びにご用意した品です。手前味噌ですが……」
「えっ!? しゃ、謝罪だなんてとんでもないッス!」
 ナナは両手をパタパタ振って恐縮する。
「文化祭だって大成功だったんスよ! それもこれも、ロイド先輩や皆さんのおかげッス!」
「そう……ですか? しかし少々礼節を欠いたのは事実ですし……主にあの狗が」
「いや、まあシャーリー先輩があの調子なのはいつものことッスから……」
「やはりあの狗を仕留めてからでないと謝罪は出来なさそうですね」
 ロイドの目は据わっていた。"本気"の目である。

「落ち着いてください、ロイド。たしかにシャーリーはあんなのですが、一応私たちのメイドです」
 と、遅れてやってきたヴァイスハイト・エーレンフリート(死を恐れぬ魔術師・g00112)が宥める。
「しかしヴァイス様、これ以上あの狗を野放しにするとナナさんだけでなく世間様に迷惑が……」
「ええ、まあ。そこは主人の罪ということでひとつ」
「ヴァイス様はもはや神仏よりも尊いお方……!」
 ロイドはグッと目頭を抑えた。その無量大数の慈悲を目の当たりにした感動と、あんなゴリラが許されることへの心の底からの悲嘆である。人間って難しい。
「先輩がたのシャーリー先輩に対する扱いも大概いつものことッスよね」
「ウホ! ウホホホ! 感じますわ感じますわ! ご主人様からのL❤O💚V💙E💛を!!」
「「うわっ」」
 どこどこドラミングしながら現れたシャーリー・ラフォルス(ゴリラゲーミングメイド長・g05277)。ヴァイスハイトとナナは声を揃えた。どういう感情が籠もっているのかはいまさら記すまでもないだろう。
「やはり今ここで禍根を断つのが世界のためでは……?」
 ロイドは真顔だ。"本気"の目である。
「だからロイド、あれでも一応私たちのメイドなのy……じゃなくて、なのだ。勘弁してやってくれ」
 エルフリーデ・エーレンフリート(蒼銀の砲撃軍人令嬢・g01663)はナナをちらりと見やり、こほんと咳払いした。
「そうです、君と同じ大事な給仕ですよ。一応」
「兄様の言う通り、かけがえのない従僕だ。一応」
「さすがはご兄妹ッス、だいたい言ってることが同じ……」
 でも仕方ねえよな、とナナは思った。色んなものを諦めたその眼差しは、大興奮してドラミングがうるさくなってるシャーリーに注がれている。

「いけませんナナさん、あんなものを見るとその綺麗な瞳が汚れてしまいます。悪い意味で目に毒です」
「ウチその言葉が文字通りの意味で使われたの初めて聞いたッス」
「そう身構えなくても大丈夫ですよ、ロイド」
 ヴァイスハイトは"凪"の表情で言った。よく見るとそんな彼は女物のゴシックな衣装をまとっている。
「私はすでにパニエを十分に仕込んでいます。見ようとするような不審者はシャーリーしかいません」
「兄様!? それで無問題とするには問題が多すぎない!?」
 エルフリーデは思わず口調が崩れてしまうぐらい慌てた。だがヴァイスハイトは狼狽えない。こ、これが主人の貫禄……!
「うほほほ❤何を他人事のような顔をしていらっしゃるのですかエルフィ様~~~❤」
 シャーリーはなぜかカニ歩きでキモいぐらいのスピードで間合いを詰めてきた!
「えっ? ど、どういうことかしらシャーリー」
「今回はただの運動会ではございません、ハロウィーン運動会!」
 シャーリーはぐりんと首だけでほぼ180度振り返った。
「で、ございますよねナナ様?(ぐりん)」
「ひぃ!? その通りッスけどその振り向き方怖いッス! っていうかどうやってるッスか!?」
「やはり目に毒なので見てはいけません。というか息の根を止めないと」
「ロイド、おそらくシャーリーは心臓に杭を打ち込んでも無駄です。今はイベントを楽しむことを考えましょう」
「本家吸血鬼の先輩がたが聞いたらキレかねない珍説やめてもらえるッスかヴァイスハイト先輩!?」
 でもなんかそんな気がするから怖い。ディアボロスの不死身とかそういうんじゃなくて。

「というわけで、エルフィ様の上のお姉様からのぷれぇぜんとぉ~」
 シャーリーはエプロンポケットに両手を突っ込むと、なぜかだみ声っぽく言いながら衣装を取り出した!
 ペケペケーン! となんかいやに聞き覚えのある効果音と、ピカピカ光る背景(背景って何?)が脳裡に再生される! いやなんだこれ!
「シャーリー!? あなたのポケットは四次元かなにかなの!? 22世紀にはまだ時間があるわ!」
「落ち着いてくださいッスエルフリーデ先輩、ウチら一応【アイテムポケット】使えるッスよ!?」
「ア~イ~テ~ム~ポケット~(例の声)」
「今すぐその声で妙な抑揚をつけて喋るのをやめろクソ狗(真顔のロイド)」
「それに関しては私も同意します、いやロイドとは別の意味でですが」
 話がまともに進まず蛇行に蛇行を繰り返している。まるで首をもがれたトンボみたいだ。いつものことですね!
「はい、こちら超盛りフリルのロリータ服でございまぁ~~~す❤❤❤」
「ピャーッ!?」
 エルフリーデは混乱のあまり、お湯が湧いたやかんみたいな声を上げた!
「こ、ここ、これをわたしに着ろというの!?」
「モチのロンでございます❤」
「う、うう……姉様の馬鹿ぁああああ!!」
 顔を真っ赤にして崩れ落ちるエルフリーデ。その姿をあらゆる角度から撮影しまくるシャーリー。
「ふふ。エルフィのああいう姿は可愛らしいですね」
「ヴァイス様がご満足しておられるなら、私にとってもそれが喜びです」
「ウチ思うんスけど、先輩がたもやっぱ大概じゃないッスか!!?」
 シャーリーだけの問題じゃねえぞこれ! とナナは力説したが、あんまり聞いてもらえなかった。事実だからである。

 と、そんな一幕もありつつ、エルフリーデは「フリフリなんて柄じゃないのに」とかすっかり軍人口調を忘れてすんすん言いながら大人しく仮装をまとった。
「ふへへ、これでまたお宝写真ゲットでございますじゅるり。もちろんドールのご主人様にもゴシックを着せてぇ、持ってもらうのでございますよぉうほほ!」
 シャーリーはどっかの正義を実現する最強戦力みてーな顔面崩壊顔でドールを取り出した。コワイ!
「とても愛らしいですよ、エルフィ!」
「エルフィ様はもちろん、ヴァイス様も可憐でいらっしゃいます。あのクソ狗さえいなければ……」
「ロイド先輩はとことんシャーリー先輩を敵視してるッスね……いやまあ、先輩がたがお似合いなのは同意ッスけど」
 ナナはそんなロイドの姿をじっと見た。
「でも、ロイド先輩もハイパーカッケーッス!」
「……ありがたいお言葉です」
 実はなにげに、そんなロイドも提督服をキチッと着こなしているのだ。ロイドはアルカイックな笑みを浮かべて一礼した。
「あれぇ~? あれれぇぇ~~~?? クソデーモンが照れてるでござるかぁ~~~??」
 シュインッて横に滑り込んできたシャーリーがムカつく顔で煽りまくる!
「どうか俺に許可をくださいヴァイス様エルフィ様、いますぐこのクソゴリラを塵も残さずですね」
「ロイド、ロイド。一応楽しい運動会だから、ね。あとエルフィの可憐さを網膜に刻み込むので忙しいんだ」
「ヴァイスハイト先輩なにげにひでえッス!」
「あ、兄様まで……!」
 エルフリーデはスカートを抑えつつぷるぷるしている。かわいい。
「うほほ! まさかご自分は蚊帳の外だなんて思っておりませんわよねナナ様~~~?」
「へっ?」
 と思ったらいきなり水を向けられぽかんとするナナ。
「これ、わたくしからの差し入れでございます」
 シャーリーはなぜか手の甲を口元に寄せ、ひそひそと耳元で囁いた。

 そしてピラッと袖の下のように差し出されたのは……!
「なぁっ!? な、なななななんスかこれぇ!?!?!」
「ゲーミングフレンチメイド服でございます❤❤❤」
 それはスカートの丈が短く露出も多く、そしてなぜか七色に輝いているメイド服だった! 最後の要素いる!?
「いや、あの、ウチさすがにこれは」
「これでご主人様がたに挟まれてくださいませいや挟まれろぐふふぅ!!」
「ウギャーッ!?」
 ナナは有無を言わさずシャーリーに担ぎ上げられ更衣室にIN! 1秒後即座にOUT!
「うほほほ! 今日のために鍛え上げた早着替えのスキルが大活躍でございますわ~~~」
「うううう……! こないだのよりキワどいじゃないッスかこれぇ!」
 ナナもエルフリーデみたいな有様になってしまった。違いがあるとすれば露出度と、あとゲーミング具合である。ビッカビカ光っている。
「まぁ?? わたくしに素直に土下座平伏して叩頭しながら感謝を咽び泣き敗北認めるなら??? これまでの非礼はチャラにしてあげますけどぉ~~~~???」
「…………」
 煽りまくるシャーリーにロイドは"無"を保った。怒りすらない"無"である。それは彫像の如き無表情であったという。
「ひぃ! ロイド先輩がキレたの通り越してるッス! う、運動会に血みどろは勘弁ッスよ!?」
「……ご安心くださいナナさん、ヴァイス様やエルフィ様に言われた手前、もうあのクソ狗を実力で排除するのは諦めました」
 ロイドはナナだけを視界に入れて微笑んだ。彼は聴覚すらも自在なので、うほうほとどっかのコングみたいに顔振って煽りまくるシャーリーは意識の外に追いやっている。
「ナナ様は競争に参加するより実況で盛り上げるほうが向いているかと」
「えっ!? いや一度やったッスけどアナウンス! この格好すること自体は止めてくれないんスか!!?」
「そこはまあもう着替えてしまっていますし」
 ロイドはけろっとした顔で言った。ナナの味方はいなかったようだ。

「……はっ!? いつのまにか兄様がシャーリーにさらわれて借り物競争にエントリーしているわ!?」
「そしてウチの手にはマイク……いや一度やったッスけど、どうしてこうなったッスか」
 見事にシャーリーにもてあそばれた(語弊しかない)二人は唖然としていた。
「Foo⇡⇡ご主人様との共・同・作・業❤胸の高鳴りが止まなくて血圧5000兆越えそうですわぁ~~~!!」
「いえお互いライバルですからねシャーリー。一応」
「そのセメントがたまんねぇ~~~至近距離での撮影が捗るぅ⇡⇡~~~」
「シャーリー先輩無敵ッスか……」
 ナナはビカビカ光りながら呆れ返った。
「っていうか! マイクあるならロイド先輩がやればよくないッスか!?」
「私は口下手ですし盛り上げるなんて苦手ですから」
「そこ普通に遠慮するんスね!? ええい、じゃあ借り物競争スタートッス!」
 ナナはヤケクソ気味に開始を告げた! パァン! とスターターピストルが鳴り響く!
「おらおらどけどけ有象無象どもぉ~~~!!」
「「「ウワーッ!!」」」
「シャーリー先輩が暴走特急みたいな勢いで他の競争者の皆さんをふっとばしてるッスー!?」
「これそういう競技じゃないわよシャーリー!? っていうかなんでこっちに驀進してくるのよ!?」
「シャーリーだけではありませんよエルフィ!」
「兄様までー!?」
 ズドドドド! と土煙を上げながらまっすぐ駆け寄ってくる二人の"圧"にビビリ散らかすエルフリーデ!
 一体何をされるというのだ? もっとヤバい衣装でも着せられるのか? たとえばゲーミングフレンチメイド服とか!
「もはやレースはシャーリー先輩とヴァイスハイト先輩のツートップッス! っていうか他の参加者の方々全員リタイアしてないッスか!? 波乱の幕開けッス!」
(「なんだかんだ実況はしているあたり本当にナナさんは流されやすいですね」)
 ロイドは鉄面皮を保ちつつ少し色々心配になったとか。

 さて、エルフリーデに駆け寄った二人は何をするかというと……。
「あ、兄様? あの、一体わたしに何を」
「実はお題が「かわいい猫」でして。リースクララをお借りしますね」
「えっ。あ、はい」
 サッとサーヴァントを手渡し、スンッと真顔になるエルフリーデ。
「リヒテンは格好いい部類だから活躍させてあげられなくて! ごめんなさい!!」
「どこに対する配慮なの兄様!?」
「うほほほほ!!」
「きゃああシャーリー!? あなたは何!?」
 と思ったら入れ替わりにゴリラ参戦! 激しくドラミングして威嚇! コワイ!

「――マイレディ」
 そしたら今度はサッと片膝立ちになり、急にイケメンシリアス顔になってエルフリーデの手を取った。
「えっ……(トゥンク)」
「わたくし、お題など関係ございません。わたくしが求めるのは常にエルフィ様のみ――」
 スッとその薬指に指輪を差し込む。
「こ、これって……」
 エルフリーデはその手を見つめて頬を赤らめた。

「……って、なんか漫画の背景にあるポワポワが出てる雰囲気ッスけど、あれはただの輪状に結んだバナナの皮ッス!?」
「そもそもクソ狗は「うほうほ」としか喋っていなくて意味がよくわからないですね」

(※前段の現実世界における客観的視点が↓)
「――うほうほほ」
「えっ……(ガチめの引き顔)」
「うほほほ、うほうほうほほほほほ。うほほほうほ、うっほほうほうほほ」
「こ、これって……(ドン引き顔になる)」

「うほほほぉエルフィ様ぁ!!!」
「しゃあああありぃいいいいらふぉるすぅううううう!!」
 ズバーン!! 白き雷が炸裂する! ただしシャーリー「が」ではなくシャーリー「に」!!
「グワーッご褒美です!! キマシタワー!!」
 シャーリーは黒焦げアフロヘアになりながらエルフリーデを担いでゴールに爆走!
「リースクララ! 私たちが一位ですよ!」
「うほほほほうほぉ!!」
「結局ラストの直線も先輩お二人のデッドヒートッス! っていうか土煙でなんも見えないッス!!」
「では、僭越ながら」
「え」
 ひょい。
「えええええ!?」
 ロイドはナナをお姫様抱っこして華麗に空に舞い上がった!
「ちょ、ロロロロイド先輩!?」
「空からなら最後のチェイスも見えるのではないかと」
「た、たしかにッス! ハッ!」
 ナナは(スカートを抑えつつ)眼下を見やった。驚くべきことに二人はほぼ横並びだ!
「最後に勝つのはシャーリー先輩!? いやヴァイスハイト先輩が追い抜く! と思ったらシャーリー「先輩がヴァイスハイト先輩に襲いかか……あっ普通に避けられたッス! シャーリー先輩顔からつんのめったー!」
 レースとは??
「こ、これは……!」
 そしてついに、ゴールテープが切られる……!

「リースクララの可愛さと、恥じらうエルフィの愛らしさが私に力をくれました」
 無傷無汚れのヴァイスハイトが、リースクララを片手に抱えて勝利のVサインだ!
「勝ったのはヴァイスハイト先輩! 借り物競争カオスグループ1着はヴァイスハイト先輩ッスー!」
「うほほぉ……❤」
「シャーリー先輩はなんかイモムシみたいに地面這い回ってるんで失格ッス」
「あれはヴァイス様の足跡に頬ずりしていますね。気味が悪いです」
「失格ッス」
「ナナさんもようやくあれの扱い方を心得てくださったのですね」
 ロイドはほっと胸をなでおろした。今日一安堵した表情だったという。

「まったく、大変なことになったわ……」
 口からエクトプラズムを漏らしつつ、へとへとの様子でヴァイスハイトの隣にやってくるエルフリーデ。
「まあ、いいではないですかエルフィ。それにほら、あちらも楽しそうです」
「あちら?」
 ヴァイスハイトにつられて空を見やると、夕暮れの空を舞うロイドとナナの姿が目に映る。
「……あの二人、どういう関係なのかしら?」
「聞いたら多分友人と答えるのでしょうね、ロイドは」
 ヴァイスハイトはふっと笑った。
「ロイド、頑張れ」
「……???」
 ヴァイスハイトがペンライト(fromシャーリー)を振っている意味がよくわからず、エルフリーデは首を傾げた。
「ぐへへ、ご主人様の踏みしめた土おいぴい★」
 この中で誰よりもシャーリーが得をしていた。こいつ無敵か?
「というわけでハロウィン大運動会、色々あったけど結局んとこ大・成・功! ……で、大丈夫ッスよねロイド先輩」
「私に聞かれても……でもそうですね」
 ロイドは横須賀の海をみやった。
「ナナさんが楽しければ、それがなによりではないかと」
 沈みゆく夕焼けが会場を、そして二人を照らす。
 ついでに、ビカビカ光るゲーミングメイド服の輝きも――。
「いやこれ眩しい! いい感じに締まりそうだったのにハイパー眩しいッス!!!」
 結局オチはぐだぐだだった。いつものことですね!
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【グロリアス】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年11月15日