サナア大灯台前決戦

 アラビア半島追撃戦を成功させた事で、《七曜の戦》で撤退させた、ジェネラル級亜人『黒角のアルミラージ』を、彼の根拠地である『サナア大灯台』に到着する前に捕捉して戦闘を挑む事が可能になりました。
 急ぎ、サナアの町に向かい、拠点である大灯台に逃げ込もうとする、アルミラージに決戦を挑み、これを撃破してください。

 アルミラージが、サナア大灯台に逃げ込んでしまった場合、撃破は失敗し、改めて、大灯台を制圧する作戦を行う必要がります。
 逆に、アルミラージを撤退させずに撃破できれば、無傷の大灯台を確保する事も出来るかもしれません。

黒角のアルミラージ

黒角のアルミラージ決戦~制圧目標『サナア大灯台』(作者 陸野蛍
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●怒りのアルミラージ
「サナア、ツイタ! オレ、スゴイ!」
 金色の毛並みに長い耳、額に黒く長大な角を生やした『ジェネラル級亜人『黒角のアルミラージ』』は見慣れたサナアの町を見やり声を上げる。
 《七曜の戦》に乗じて本能のままに人間の女を蹂躙出来ると思っていた。
 ソマリアの大地を『蹂躙戦記イスカンダル』のものにすれば、断片の王である『イスカンダル』様は自分をもっと大事に扱い、女を沢山自分に寄こすと思ったのだ。
 蹂躙して、褒められて、贅沢をして、イスカンダル様の役にも立つ、他の奴らも自分にひれ伏す筈だったのだ。
 だから、絶対に許せない──。
「ツイニ、カエッテキタゾ! アノ、ヤクタタズドモ、イマニミテロ」
 まともな『蹂躙』も出来ない出来損ないの部下共が。
「ディアボロス、コロス、ゼッタイ!」
 自分の邪魔をしやがったディアボロスが。
「トウダイ、モドル、オンナ、ジュウリンシテ、チカラトリモドス! ゼンブ、イスカンダルサマ、タメ、ディアボロス、ミテイロ、ゼッタイ、ユルサナイ!!」
 サナア大灯台に戻り、その後ディアボロスにやられた分だけの『蹂躙』をやり返してみせると、『黒角のアルミラージ』は赤い瞳をギラつかせるのだった。

●蹂躙兎撃破任務
「君達に重要な任務の伝達をしたい。俺の話を聞いてもらえるだろうか?」
 新宿駅グランドターミナルに姿を見せた、旭・一狼(提督・g09825)は、集ったディアボロス達を確認すると、直ぐに任務の説明を始める。
「『アラビア半島追撃戦』の成功により、ジェネラル級亜人『黒角のアルミラージ』と決戦を行う機会を得ることが出来た。これも皆の尽力のお陰だ」
 《七曜の戦》の際に、直接『黒角のアルミラージ』と対峙することになったディアボロスも居た為、撤退した『アルミラージ』の動向を気にしていたディアボロスも多く居たが、ようやく捕捉出来たということだ。
「現在、アルミラージは『サナア』の町まで辿り着いているようだ。アルミラージの拠点である『サナアの大灯台』に撤退してしまえば撃破が難しくなる。その為、アルミラージが大灯台に撤退してしまう前に、戦闘を仕掛け撃破を完了すると言うのが今回の任務となっている」
 どういったルートで、アルミラージがサナアの町まで辿り着いたかまでは分からないが、この好機を逃す訳にはいかないだろう。
「『大灯台』撤退前に『アルミラージ』を撃破する事が出来れば、無傷の大灯台を確保する事も可能となる筈なので皆の力を貸してもらいたい」
 真っ直ぐな視線をディアボロス達に向け、一狼は言う。

「アルミラージは、配下を連れておらず、単独行動中の様だ。ジェネラル級とはいえ、護衛もいない為、戦闘自体は有利に進める事が出来ると思われる」
 部下を見捨て切り捨て、本能のままに、自分だけがサナアの町まで撤退したということだ。
 自分さえ良ければというアルミラージの考えに嫌悪を覚えはするが、アルミラージの撃破がしやすくなったという点はディアボロスにとって追い風となるだろう。
「だが、懸念すすべき点もある。アルミラージは、戦闘から離脱し、大灯台に撤退する為の手段を、複数隠し持っているということが分かった。それらの手段を使われれば、本作戦に於いて、アルミラージを撃破することは出来なくなってしまう。その点を注意して戦闘に臨んでもらいたい」
 どんな方法であるか、仕掛けが何処に仕込まれているのか、何かしらの『クロノオブジェクト』を使用するのかは、一郎にも分からないとのことだ。
「戦闘中、アルミラージが撤退を行うという動きを見せたら、すかさず、それを邪魔……いや、妨害して撤退を阻止することが必要となるので、アルミラージの動きには常に注視していてもらいたい」
 アルミラージが、『サナア大灯台』に戻ることだけを考えているのであれば、ディアボロスと『今』積極的に交戦しようとはしないということなのだろう。
「万が一、大灯台に撤退されてしまった場合は、追撃し『サナア大灯台』の様子を確認した上で撤退の判断をして欲しい。機会を改め、再度別の方法で大灯台の制圧作戦を行う事になるだろう。可能な限り、そういった状況にはしたくないし、君達の力を俺は信じている」
 ディアボロスへの信頼を言葉に乗せ、一狼は言い切る。

「『黒角のアルミラージ』が拠点に戻る前に決戦を仕掛ける事が出来るのも、これまで撤退軍を撃破してきたディアボロスや攻略旅団の働きが大きい。だからこそ、アルミラージの撃破は慎重に行ってもらいたい」
 ディアボロスそれぞれが成すべきことを成してきたからこそ、アルミラージが1体のみの状態での決戦に持ち込めるのだ。
「大灯台内には、防衛の為の留守を預かる部隊くらいはいるようだが、灯台の外には出てこないと思われるので、アルミラージのみに、攻撃の意識を集中してもらって構わない」
 大灯台には少数のトループス級亜人しかおらず、近い位置でアルミラージを撃破してしまえば、大灯台を放棄して逃げ出すだろう。
「無傷の大灯台を手に入れることが出来れば、攻略旅団の提案次第で色々な事が試せたり、これからの『蹂躙戦記イスカンダル』攻略のヒントになる物も入手出来るかも知れない」
『サナア大灯台』の制圧は、ディアボロスにとって有益なことになる筈だ。
「まずは、『黒角のアルミラージ』を逃がさずに、確実に撃破できるよう、お願いしたい。諸君の健闘を祈っている」
 一狼がディアボロス達に深く頭を下げると、定刻通りにパラドクストレインが到着した。


→クリア済み選択肢の詳細を見る



 サナア大灯台に撤退してしまった、黒角のアルミラージを追撃します。
 拠点である大灯台に逃げ込んだ以上、撃破は困難となりますが、大灯台に対して攻撃を仕掛ける事で、大灯台の防衛力などを垣間見ることが出来るでしょう。
 この追撃の成果は、その後の大灯台制圧作戦に生かされる事になります。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。



特殊ルール 【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、安全に撤退でき、シナリオは成功で完結する(作戦目的は一部未達成となる)。
👑2

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→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【浮遊】
2
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【泥濘の地】
3
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【防衛ライン】
4
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。
【猫変身】
1
周囲が、ディアボロスが猫に変身できる世界に変わる。変身した猫は最大「効果LV×10m」の高さまで跳躍できるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【防空体制】
1
周囲が、飛行する存在を察知しやすい世界に変わる。ディアボロスが屋外を飛行中の敵を発見するまでに必要な時間が、「効果LVごとに半減」する。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV4 / 【反撃アップ】LV2 / 【アクティベイト】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV2 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

陸野蛍
 はい、ディアボロスの皆様、こんにちは。
 ジェネラル級亜人『黒角のアルミラージ』との決戦のご案内に参りました、陸野でございます。
 アルミラージを撃破することが出来れば、『サナア大灯台』を制圧することが出来、攻略旅団の提案次第ではありますが、大灯台の調査等が可能となります。
 今回は、敵が『黒角のアルミラージ』のみである為、撃破に於いて絶好の機会となっておりますので、是非お力をお貸しください。

===============
●今回の選択肢の特殊ルール及びリプレイ執筆順等の説明
・基本は選択肢④👿サナア大灯台前決戦『黒角のアルミラージ』にて、アルミラージとの戦闘となります。
 ですが、ある一定のタイミングでアルミラージが複数回【戦闘からの脱出アクション】を行います。
 その際に、選択肢③アルミラージの撤退を阻止するで、アルミラージの脱出アクション(毎回同じ方法とは限りません)に対して、適切な妨害を行ってください。
 この妨害に失敗した場合、アルミラージは戦場から撤退し、選択肢②サナア大灯台への追撃のリプレイを執筆させて頂き、シナリオを完結させて頂きます。
 シナリオ上は成功判定になりますが、『黒角のアルミラージ』は生存&作戦目的が未達成となり、『サナア大灯台の制圧』は出来ず、大灯台の防衛戦力を確認する程度の結果に留まりますので、ご注意ください。

・選択肢①黒角のアルミラージとの会話にて、アルミラージと会話することが可能ですが、アルミラージは基本的にディアボロスとの会話に興味がありませんし、おそらく難しい会話も出来ません。
 余程、上手く興味を引かない限り会話にすらならないということで、プレイング自体が不採用になる可能性が高いです。
 アルミラージがディアボロスにとって、有益な情報を持っているかも不明です。
 その為、選択肢①はクリア必須ではなく、完全スルーでも問題ありません(プレイング自体は、どのタイミングで送って頂いても構いません)。

・戦場は、『サナアの町・大灯台前』となりますが、人的及び物的被害を気にする必要はございません。

===============
●プレイングに関しまして
・技能やアイテムを工夫して複数重ねて使用したり、高レベル技能(レベルが200以上だったとしても)を使用しても、それだけでは、パラドクスやエフェクト以上の効果は出ません!
 各種技能は『その技能がなかったとしても成功し得る行動の成功率を上げるもの』と、お考え下さい。

・エフェクトの【効果1】は、説明に書いてあることが全てです。
 それ以外の効果は、ありません!
 効果の名前で『何となく出来そうなこと』は、効果としては、発生しません!

・シナリオの性質上、グループ参加(コンビ参加、恋人参加含む)であっても、グループ参加者全員がリプレイ採用されるとは限りません。
 例として、5人以上のグループ参加だったとしても、その内の数人採用や個別でのリプレイ返却も普通にあり得ます。
 グループ連携でのプレイング採用のみをご希望の場合は、プレイングでお知らせください(全員採用か全員不採用かのどちらかになります)。

===============
 それでは、ディアボロスの皆様の力強いプレイングを心よりお待ち致しております!!
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


エイレーネ・エピケフィシア
クロエ様(g08917)をディフェンスし共闘します

人々が還るべき都市を侵した罪を、わたし達が赦すことはありません
アルミラージよ、今こそ報いを受ける時です――覚悟なさい!

ソマリアで相見えた時、アルミラージは極めて機敏な動きを見せていました
【泥濘の地】を広げておけば、戦闘でも後々の撤退妨害においても役立つのではないかと

泥濘を踏んでもなお速い敵を食い止めるべく、『大地の激震』を発動します
巻き起こる衝撃波は足を打ち据え、体内にまで響き、骨肉を粉砕せんと駆けることでしょう
敵は跳躍力にも優れていますから、地を揺らせば跳んで離れようとするかもしれません
ですがその時は、クロエ様が召喚したスピンクスが頭上から襲いかかります
わたし達の戦術は前後からの挟撃というだけでなく、上下からの挟撃でもあるのです!

突進に対しては≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫を構えて応戦します
槍で脚を払って勢いを削いだり、盾で角を横から弾いて急所から逸らすなどして、自らとクロエ様の身を護りましょう
命を預けた友をあなた如きに渡すものですか!


クロエ・アルニティコス
エイレーネ(g08936)をディフェンスし、ともに戦います。

ようやく追いつきました。
逃亡を……そしてその後にお前が行おうとしている振る舞いを、私たちが赦すとでも?
お前はここで殺します。

七曜の戦での報告書には目を通しました。
逃げ足もですが、戦闘能力もジェネラル級に相応しいものを持っています。
まずは戦いに集中しましょう。

エイレーネに前衛を任せ、【スピンクス・オレア】を使用。スピンクスを象った怪物を作り出します。
スピンクスを作り出したらアルミラージへと問いかけましょう。
「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か?」
アルミラージが問いかけに失敗したらスピンクスの爪で攻撃を。
お前の知能ではそんなものでしょうね。食い殺しなさい、スピンクス。
敵の脅威は素早さ。エイレーネと前後から挟撃するようにします。
また衝撃波を起こし、泥濘と化した地から離れようとする動きを読みスピンクスに頭上から狙わせましょう。

敵の威圧はそれを上回るほどの敵意と、共に戦う親友に恥じぬ自分であるよう身を奮い立たせます。


●金色兎との開戦
 サナアの町に辿り着き『大灯台』に戻れば、ディアボロス達は大灯台に侵入することは出来ず、自分はまた万全の態勢で『蹂躙』を繰り返すことが出来ると『黒角のアルミラージ』は考えていた。
 自分は自分の力だけで、この町に帰って来たのだから。
 今度は優秀な部下を連れて『イスカンダル』様の為に『蹂躙』すれば、《七曜の戦》でのことなど無かったことになるのだと。
 だが、そう安直に考えていたアルミラージの前に、幾人もの人影が立ち塞がった。
「ようやく追いつきました」
 真っ直ぐにアルミラージを見据え、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)が言葉を吐く。
「逃亡を……そして、その後にお前が行おうとしている振る舞いを、私たちが赦すとでも?」
「……ディアボロス、カ」
 クロエを忌々しげに見ながらも、まだアルミラージには余裕があった。
 ディアボロス達は、この町に仕掛けられた『秘密兵器』を知らない。
 戦う必要はない、ただ『それ』を使って大灯台に撤退すればいいだけのことなのだ。
 だから、ちょっと戦うふりをするだけでいい、所詮相手はディアボロス……簡単に出し抜ける。
 なんと言っても自分は、ジェネラル級亜人『黒角のアルミラージ』なのだから。
 そんなことも知らずに馬鹿な奴らだと、アルミラージは口元に笑みを浮かべる。
「ジャマダ、ディアボロス、オレ、ダイトウダイ、モドル」
「そうは、いきません。人々が還るべき『都市』を侵した罪を、わたし達が赦すことはありません」
 長槍を手にエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)が、けして逃さぬ意志をアルミラージに示す。
「アルミラージよ、今こそ報いを受ける時です――覚悟なさい!」
「お前はここで殺します」
 エイレーネとクロエは言葉を重ね、アルミラージへと攻撃を仕掛ける。
「大地よ、不敬なる者の歩みを拒みたまえ!」
 言葉と共に、エイレーネは手にした長槍の石突きを全力で地面に叩きつける。
 その衝撃は、衝撃波となってアルミラージの肉体そのものにダメージを与えるが、アルミラージはその衝撃を受けてなお、強靭なる脚力で跳躍し、一気にエイレーネに接近すると、丸盾を避けエイレーネの左肩口を自慢の長大な黒角で貫いた。
(「ソマリアで相見えた時も、アルミラージは極めて機敏な動きを見せていました。……追い詰めたとしても、その動きは健在ですね」)
 急所への一撃こそ避けたが、エイレーネの腕に赤い血が滴る。
 エイレーネは、《七曜の戦》の際に『ソマリア』でアルミラージと会敵しているが、あの場ではアルミラージは力の片鱗程度しか見せていなかったのかという考えが、頭を過ぎった。
(「七曜の戦での報告書には目を通していましたが、逃げ足もですが、その戦闘能力もジェネラル級に相応しいものを持っているということですね。──集中しましょう」)
 親友であるエイレーネが傷を負ってしまったことに怒りはあるが、アルミラージの動きが止まっている『今』ダメージを与えるべきだと、クロエはオリーブの種に自身の魔力と尽きることのない敵意を注ぎ、ギリシャ神話の怪物『スピンクス』を模した植物の怪物を作り出す
「種子に宿るは我が敵意、芽吹け『スピンクス・オレア』! 朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か?」
 その問いの答え『人間』を答えぬアルミラージの身体を『スピンクス』の爪が薙いだ。
「お前の知能ではそんなものでしょうね。食い殺しなさい、スピンクス」 
 クロエの指示のまま、食い殺すように歯牙を向けた『スピンクス』がアルミラージの頭上から襲い掛かる。
 植物の怪物がアルミラージを飲み込んだと思った……だが、植物の怪物は次の瞬間には枯れ落ち、崩れた。
「スコシ、イタイ、デモ、オレツヨイ」
 言うとアルミラージは赤き瞳でクロエを威圧し、クロエの心そのものを折ろうとする。
(「アルミラージの威圧など私の敵意と、共に戦う親友に恥じぬ自分であろうとする心さえあれば……!」)
 自身を奮い立てるクロエの思いとは裏腹に、クロエは大きな力の前に膝を折った。
 エイレーネとクロエの挟撃を以てしても、アルミラージは笑みを浮かべ……逃げた兎が、れっきとした『ジェネラル級』であることを、その『力』でディアボロス達に見せつけるのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

クィト・メリトモナカアイス
うさぎ!やっと追いついた。
ここで会ったが2か月ぶり……汝は忘れてそう。アホっぽいし。

んむー、汝が覚えていようといなかろうと。
汝獣神王朝エジプト……だった地を荒らし、民を蹂躙せんとした者。
汝の名は略奪者。
汝の名は語られず、刻まれず。この地にて滅ぶべし。

黄金猫拳打棒を手に「震わすは鬣なき獣」。モナカたちをお休み状態にさせて、近接戦闘に全力を注ぐ。
んむ、相手はとにかく早いし、動きがとりっきー。角や爪や衝撃波も怖いけど、素早さに翻弄されぬよう注意を払う。
本能に任せた連撃に対し、こちらは的確かつ確実に攻撃を加え、少しずつダメージを蓄積させるように戦う。角での攻撃をしてくるなら反撃は首や肩に、爪を振り回すなら反撃は腕に。攻撃しやすい部位から攻撃して体力を奪い、無理はせぬように。

敵の反撃は黄金猫拳打棒で受けて凌ぎ、攻撃を受けたり衝撃波で吹き飛ばされたりした時も素早さを活かした追撃に警戒、深手を負わぬように。

んむ、今回の戦いは長期戦になる予感。
敵の体力を奪い、逃走手段を奪い、最後に殴り倒せばよし。


●金色近接戦
「うさぎ! やっと追いついた」
『黒角のアルミラージ』にそう言葉を投げたのは、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)だった。
「ここで会ったが2か月とちょっとぶり……汝は忘れてそう。アホっぽいし」
 クィトもまた、《七曜の戦》にて、アルミラージと会敵していた。
 その為、多少だが、アルミラージの性質は理解している……予想以上に強いのではないかという懸念だけはあったが。
「オレ、オマエ、シラナイ。ダガ、オマエ、オレヲバカニシタ、ワカル。ユルサナイ、コロス!」
「んむー、汝が覚えていようといなかろうと。汝『獣神王朝エジプト』……だった地を荒らし、民を『蹂躙』せんとした者。汝の名は略奪者。汝の名は語られず、刻まれず。この地にて滅ぶべし」
 アルミラージの怒りにもどこ吹く風といった調子で、アルミラージを『略奪者』として断罪することをクィトは宣言する。
「今は『モナカ』たちは、お休み。汝は我が直接ぶん殴る」
 自身が普段から操る『浮遊球形ガジェット』達をスリープ状態にすると、クィトは『黄金猫拳打棒』──ゴールデンねこパンチぼう──を手に、パラドクスの力を全身に巡らせる。
(「んむ、うさぎはとにかく早いし、動きがとりっきー。角や爪や衝撃波もある、素早さに翻弄されれば、我でも捉えられぬかもしれぬ。うさぎが本能のままに攻撃してくるのなら、我は確実に攻撃を当てることに集中」)
 クィトは黄金猫拳打棒を構え、アルミラージの動きを注視する。
 瞬間、クィトとアルミラージが同時に動いた。
 両の爪でクィトの身体を引き裂こうと動くアルミラージに対し、クィトはまずアルミラージの攻撃を受け捌き堪えることに専念する。
 そして、黒角がクィトの柔肌を掠めた一瞬の隙を突いて、クィトは黄金猫拳打棒をアルミラージへと数度強く打ちつける。
(「兎との戦いは始まったばかり。深手は負えない」)
 的確にアルミラージの身体に打撃痕を残し、クィトは一旦距離を大きく取った。
「うさぎの体力を奪い、逃走手段を奪い、最後に殴り倒せばよし」
 最終的にアルミラージを撃破してしまえば、『サナア大灯台』は制圧出来るのだ──確実にアルミラージにダメージを与えること、その為にクィトはアルミラージの一挙手一投足全てに注意を払っていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

光道・翔一
…大した手柄もなければ、生き残ってた部下すら平然と切り捨てて単独でご帰還とはな。
独断専行もここまで極まるといっそ清々しい…というには些か粗暴が過ぎるかね。

…尤も、そうやって好き勝手した末のこの状況は、此方としては願ったり叶ったりだが。
…『最大の戦果』を手にするために、ここでキッチリ仕留めねーとな。


このタイミングで止めを刺す訳でなく、また残留効果の恩恵が薄いことを踏まえ、
戦闘では安易に重傷を貰わないよう、総じて慎重に立ち回ることを念頭に置いて動く

『精神集中』して敵の微妙な挙動を注意深く『観察』し、突進のタイミングを『看破』する
加えて自身に重力影響を軽くする方の重力波を纏うことでより確度を高めた上で、
敵の突進を『ダッシュ』して確実に回避していく

攻撃は回避した直後の一瞬の隙を突いた際に留めつつ、
最適な状況を見計らって重力波を放ち、確実にダメージを与え積み重ねていく


●速く速く
「……大した手柄もなければ、生き残っていた部下すら平然と切り捨て、単独でご帰還とはな」
 呆れたように侮蔑を込め、『黒角のアルミラージ』にそう言うのは、光道・翔一(意気薄弱なりし復讐者・g01646)だ。
「独断専行もここまで極まると、いっそ清々しい……というには些か粗暴が過ぎるかね」
「オレワカル。オマエモオレ、バカニシタ。オレ、イスカンダルサマノタメニ、トウダイモドルダケ。ナニガワルイ」
 アルミラージの言葉に思わず溜息が洩れるが、翔一はディアボロスとして思考を切り替える。
「……尤も、そうやって好き勝手した末のこの状況は、此方としては願ったり叶ったりだが。……『最大の戦果』を手にする為に、ここでキッチリ仕留めねーとな」
 得物を手に、慎重にアルミラージと距離を詰める翔一。
(「まだ、この戦場は『残留効果』の恩恵が薄い。……直ぐに致命傷を与えることも、まず無理。あんなのでも、相手は『ジェネラル級』……安易に動けば、重傷を負うことも考えられる」)
 思考しながら、翔一は静かに息を吐く。
 確実に一撃を決める為に心を鎮め、精神を集中する翔一。
「……ここは、あいつの足を止める」
 翔一は、重力に働きかける自身のパラドクスで、自身へかかる重力の負荷を減らし、アルミラージの重力負荷を急速に上げる。
 アルミラージの攻撃を完全に躱すのは難しくとも、普段のスピードが出せなければ、アルミラージとて隙が出来ると翔一は考えたのだ。
 肉薄し攻撃範囲内に入った瞬間、アルミラージが黒角で翔一の腹を貫こうとするが、僅かに鈍ったアルミラージの動きを予測し最低限のダメージで跳躍すると、翔一は重力の波の力を強め得物を大きく振り下ろした。
 確実な手応えだが、翔一は連撃を止めない。
 業を煮やしたアルミラージは、全身を使い翔一にタックルすると勢いよく吹き飛ばす。
「……んっ、中々に骨が折れる相手だな」
 言う翔一だったが、アルミラージの目に翔一はもう映っていなかった。
「コイツラ、メンドウ。アレガ、チカクニアル。コイツラ、アトデイイ」
 アルミラージの言葉が、翔一の耳にハッキリと届いた。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【泥濘の地】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!

凍雲・雪那
……お前とは、前にソマリアで会ったな。黒角のアルミラージ。
覚えていようが、覚えていまいが、どうだっていいけど。
獲り逃すものかよ。お前は、此処で、死ね。

とはいえど。
アイツ、戦闘離脱の手段、幾つか備えてるんだってね。
兎染みた姿に違わず、逃げ足の速い奴。
だけど……ボク達だって、策の一つは用意してきてる。
先ずは、【未来予測】。どんな手段だって、予兆前兆、事の起こりは必ずあるもの。
戦闘でも、逃走妨害でも。一手先を見る力は、必ず役に立つ。

そして、一撃でより大きなダメージを与える為の、【ダメージアップ】。
膨れ上がり、赫灼と燃え、万物を凍てつかせる、この怒りを、無色の力に変えて――解き放つ。
勿論、【未来予測】を使って、回避も許さない。
確実に、着実に、ダメージを積み重ねてやる。

幾ら、恐ろしく凶悪な威圧でも、ボクの心の怒りを、圧し潰せると思うな。
捻じ曲がれ、拉げろ、歪み千切れ、やがれぇぇえ!!!


●逃がさぬ意志と秘密兵器
「……お前とは、前にソマリアで会ったな。黒角のアルミラージ」
 冷たい瞳で『黒角のアルミラージ』にそう言ったのは、凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)だった。
「マタカ、ディアボロス、オレ、オボエテナイ。オレ、オマエラニカマワナイ」
「覚えていようが、覚えていまいが、どうだっていいけど」
 雪那は、アルミラージの返答にさして興味がなく、ただアルミラージにこれから起こる事実を告げるだけだ。
「獲り逃すものかよ。お前は、此処で、死ね」
「オレ、トウダイニカエル。ソノアト、オマエラヲジュウリンスル」
 アルミラージもまた、ディアボロスとこれ以上戦う気がない様子に、雪那は『時先案内人』から伝えられた情報を思い出す。
(「そう言えば、アイツ、戦闘離脱の手段、幾つか備えてるんだったね。兎染みた姿に違わず、逃げ足の速い奴。だけど……ボク達だって、策の一つくらいは用意してきてる」)
 アルミラージが、どのような手段で撤退手段を用意しているかは、時先案内人の予知でも知ることは出来なかった。
 だが、どんな撤退手段であっても、それに至るまでに予兆や前兆、起点となることがあるだろうと雪那は考えていた。
 だからこそ、この戦場に【未来予測】の残留効果を残すことが、必ず役に立つと思いこの戦いに臨んだのだ。
 けれど、そもそもアルミラージを直ぐに撃破してしまえば、それ以上のことは考えなくて済む。
 静かに、冷たく、冷徹に──念動力を敵を凍てつかせる力へと変えていく雪那。
「膨れ上がり、赫灼と燃え、万物を凍てつかせる、この怒りを、無色の力に変えて――解き放つ」
 雪那のパラドクスは回避も許さない力となって、アルミラージを捉え確実にダメージを与えた……筈だった。
「ウルサイ! ウルサイ!! ジャマダ!! ドケ!!」
 アルミラージが、叫びと共に放った凶暴な視線に、雪那ですら気押されそうになる。
「その程度の威圧で、ボクの心の怒りを、圧し潰せると思うな。捻じ曲がれ、拉げろ、歪み千切れ、やがれぇぇえ!!」
 視線の威圧を押し返すように、雪那も念動力の力でアルミラージの四肢を捻じ切ろうとするが、アルミラージは素早く大きく横に飛ぶと、町の片隅に置いてあった木箱を蹴り壊した。
 すると、アルミラージの前方5mほど前の地面から『大きなスプリンが底に付いた金色の板』が現れた。
「あれは……クロノオブジェクト?」
 呟く雪那に、アルミラージが勝ち誇ったように笑いながら言った。
「コナコト、アローカト、ヨイシテタゼ!!」
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

●アルミラージのビックリ! クロノ・オブジェクト! その1
「オレ、コレニ、オモイキリ! トビノル! ソシタラ、タカク、タカク、トブ! ソシタラ、オマエラ、ゼタイニトドカナイ! オマエラ、トンデモ、カンタンニ、トビコセル! ソシタラ、イッシュンデ、オレ、トーダイノナカ! オレ、スゴイ! コレクレタ、イスカンダルサマ、オレノチカラ、シッテル!」
 喜々として自分の前に現れた、クロノ・オブジェクトの説明をする、アルミラージ。
 アルミラージの説明を要約すると、現れた『大きなスプリングが底に付いた金色の板』は以下の能力を持ったクロノ・オブジェクトである。
 アルミラージが金色の板に勢いよく飛び乗ると、クロノ・オブジェクトの力でアルミラージの跳躍力や跳躍スピードが何十倍にも増強され、跳んだが最後、どんなに飛翔能力に優れたディアボロスであろうと捕えられない速度で、あっという間に『大灯台』に撤退出来てしまうという、スペシャルな『クロノ・オブジェクト』だ!
 何とかして、妨害しなければ『黒角のアルミラージ』は撤退してしまうぞ!
 どうする、ディアボロス!!
 頑張れ、ディアボロス!!
クィト・メリトモナカアイス
唐突にアルミラージの奥、クロノ・オブジェクトとは別の方向を指さす。
あっ!イスカンダル大王!

こんな方法にかかるやつはいない?こいつならへーきへーき。
それで一瞬気をそらして1歩。
次に駆けだすと同時に【泥濘の地】でぬかるみをつくり、足を鈍らせて2歩。
初動が遅れたところにダッシュで接近し、黄金猫拳打棒で殴り倒す……と見せかけてフェイント。黄金猫拳打棒をいきなり放り投げる。とんでけー。
意表をついて武器を捨てる。謎の行動で虚をついてこれで3歩。
これだけアルミラージの足を止めれば、誰かがその隙に動く。
この隙を逃さずジャンプ台を壊してくれる……はず。
もし止めきれなかったら切り札の【防衛ライン】も切って止めよう。ここで逃すよりはよき。

んむ、なんか他にもあるかもしれぬし、その辺の木箱もついでに壊すとよき。空からの道があったし、きっとなんか地下道とかも掘ってるぞ。

怒ったアルミラージから攻撃を喰らいそうならモナカ砲撃型の放つ「重力砲」で反撃しつつ距離をとる。
んむ、我はこれから大事な相棒を拾いに行かねばならぬ。


アンディア・ラムパデス
あれを踏み台にして逃げる、そういうことか
なれば、ただそれを妨害する、その一点のみを考えて対処するのみ……!
奴の言が正しければ、することはただあの板に乗るだけ、下手に二の手三の手は考えずに一つの行動に集中して妨害するぞ

アルミラージ本体は他の者に任せ、我はあのクロノ・オブジェクトへ対処だ
仕組みがはっきりと分かるわけではないが、あの板の底に付いたスプリングが跳躍の増強に必要なのであろう
魔術や特殊能力による超常現象を発生させるものではない筈、それならばあの形状自体に仕組みがある
なれば、その仕組みを妨害してやれば!

駆けて近づくよりはこちらの方が届くのは速い!
構えた盾をクロノ・オブジェクトの底についたスプリング目掛けて投擲
狙いはスプリングの破壊……ではなく、スプリングの合間に盾を挟んでしまうこと
そうなれば、あのスプリングも跳躍を増強する力を完全に発揮することはできまい……!


●ジャンプ台攻略法!
「あれを踏み台にして逃げる、そういうことか!」
 狩猟槍を手に、やや大袈裟に声を上げるのは、アンディア・ラムパデス(砂塵の戦槍・g09007)だった。
「なれば、ただ『それ』を妨害する、その一点のみを考えて対処するのみ……!」
 アンディアがそう言葉を発した時には、既に『黒角のアルミラージ』は『大きなスプリングが底に付いた金色の板』(以下:ジャンプ台クロノ・オブジェクト)に向かって駆け出そうとしていた。
 その時、唐突にもう一つの声が上がった。
「あっ! イスカンダル大王!」
 その言葉に条件反射で動きを止め、声のした方を振り返るアルミラージ。
 声の主、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は、『ジャンプ台クロノ・オブジェクト』とは、真反対の方を指差している。
「イスカンダルサマ! シンパイシテキタ! ダイジョウブ、デス! スグニ、ジュウリン、シテクル、デス!」
 アルミラージにしては最大限の敬意を払った言葉遣いで叫ぶが、クィトの指差す方向に肝心の『蹂躙戦記イスカンダル』の『断片の王・イスカンダル』の姿は見えない。
「イスカンダルサマ、イナイ、ドコ、マサカ、オマエ、ダマシタ、ナ!!」
 怒りの形相でクィトを睨みつけ、声を荒げるアルミラージ。
 クィトとしては『こんな方法に、かかるやつはまさかいないいない』と思いつつ、『こいつならへーきへーき』と思って発した言葉だったが、アルミラージには思った以上に効果があったようだ。
 だが、アルミラージが引っ掛かってくれたことにより、妨害する時間が充分に稼げたと言っていい。
「アルミラージの言が正しければ、奴がすることは、ただ『あの板』に乗るだけ! 下手に、二の手三の手は考えずに一つの行動に集中して妨害しなくては!」
 アルミラージの意識が、クィトに向いている『今』しかチャンスは無いとアンディアは直感的に悟る。
(「仕組みが、ハッキリと分かる訳ではないが、あの板の底に付いた『スプリング』が、跳躍の増強に必要なのであろう」)
『クロノ・オブジェクト』として『超常現象』を発生させるものだとしても、『あの』アルミラージが簡単に使える程度の『クロノ・オブジェクト』と言うことだ。
 それならば、あの形状自体に仕組みがある筈であり、その仕組みを妨害さえしてしまえばと、アンディアは直感的に自分の盾を手に取る。
「オイ、オマエ! ナニヲ、スルキダ!」
 アンディアの動きに気が付いたのか、アルミラージは再び『ジャンプ台クロノ・オブジェクト』に駆け出そうとする。
 だが、気付かないうちにアルミラージの周囲が泥濘るんでおり、地面を勢い良く上手く蹴れない。
「うさぎ、ちょっとだけ、おとなしくしてるといい」
 言葉と同時にクィトは、『ゴールデンねこパンチぼう』でアルミラージの後頭部をぶん殴ると見せかけて……『ゴールデンねこパンチぼう』を思いっきり遠くに投げた。
「とんでけー」
 何故か追いかけたくなる動物的衝動を抑え、アルミラージは泥濘るみから抜け出し、『ジャンプ台クロノ・オブジェクト』、に自慢の脚力で跳躍し、飛び乗りに行こうとする。
 だが、アンディアがそれを許さない。
 自身の盾を『ジャンプ台クロノ・オブジェクト』のスプリング部分に勢いよく投擲する、アンディア。
 すると、アンディアの盾は、ガッチリと『ジャンプ台クロノ・オブジェクト』のスプリングの隙間に挟まり、そのスプリングが効果を発揮しないようにする。
「ナ、ンダト!? アレジャ、トベナイ!! イスカンダルサマ、クレタケド、アレダト、バネ、ビヨーントシナイ!?」
 アンディアの盾が挟まった『ジャンプ台クロノ・オブジェクト』を見て呆然と言葉を漏らす、アルミラージ。
『あんな簡単な妨害で良かったんだ……』と逆に呆れるディアボロスも居たが、アルミラージが何も考えずに使用出来る『クロノ・オブジェクト』として、『イスカンダル』が与えたのなら、納得のアイテムとも言える。
「オレ、モウ、オマエタチ、ユルサナイ!! ソレニ、イスカンダルサマ、クレタモノ、マダアル! ダカラ、ヘイキ! ケド、オマエタチ、ジュウリンシナイト、オレオコッタママ!!」
 アルミラージは、ぶち切れた眼でディアボロス達を見ると、鋭い黒爪を鈍く光らせた。
(「なんか他にもあるかもしれぬが、手当たり次第に壊しても見つからずに、こちらが一方的に攻撃をうけそう……仕方ない」)
 クィトはそう思考すると、拾ってきた『ゴールデンねこパンチぼう』を構え直す。
「それでは、アルミラージ! 戦闘再開と行こうか!」
 剣を構えたアンディアがそう言えば、他のディアボロス達も『黒角のアルミラージ』に戦意を向け直した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【泥濘の地】がLV3になった!
【猫変身】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

トロワ・パルティシオン
うわ、あんなのに引っかかるのか……(ドン引き)
これはちょっと、知能が低いとは聞いていたけどここまでとは……。
ま、まあそれだけイスカンダルを慕ってるってことか……そう思おう、うん。

気を取り直して、相手が冷静さを取り戻す前に挑発を仕掛けるよ。
あの分なら、敬愛するイスカンダル王を貶されたら黙っていられないだろう。
いかにも馬鹿にしていますって態度で分かりやすく話すよ。
単語も出来るだけアルミラージが喋ったことのあるものを使って……そういえば彼、王様とは一言も言ってないな。
まさか大王の立場も知らないなんてことは……いやいや……。

おいおい、そんなに怒るなよ。あんな馬鹿みたいなガラクタなんてどうでもいいじゃないか。
まさか、イスカンダルはあんなゴミしか持ってないのかな?

はあ、この分だとイスカンダルの城もしょぼそうだな。
小さくてボロボロ、そんなところか。サナアの方が大きかったりしてね。

というか、イスカンダルって本当は弱いんじゃないかい?
イスカンダルが戦ってる姿、見たことないんだけどな。


●アルミラージの大王
「うわ、あんなのに引っかかるのか……」
『黒角のアルミラージ』の撤退妨害を考えていた、トロワ・パルティシオン(迷子のコッペリア・g02982)だったが、他のディアボロスが行った撤退阻止の方法が、あまりにもシンプルと言うか……子供しか引っかからないだろうと言うレベルの妨害であり、それに見事に引っ掛かったアルミラージに割と本気で引いていた。
(「これはちょっと、知能が低いとは聞いていたけど、ここまでとは……。ま、まあそれだけ、『断片の王・イスカンダル』を慕ってるってことか……そう思おう、うん」)
 だが、ここまで単純な思考の相手なのであれば、『蹂躙戦記イスカンダル』の情報を、会話で引き出すのは難しいかもしれないと、トロワは思案する。
(「あの分なら、敬愛する『イスカンダル』を貶されたら、黙っていられないだろう。単語も出来るだけ、アルミラージが喋ったことのあるものを使って……そういえば彼、王様とは一言も言ってないな。まさか、大王の立場も知らないなんてことは……いやいや……」)
 否定は出来ても、断定が出来ないと言う点からも、アルミラージはトロワにとって情報収集相手としての難易度を上げていた。
「おいおい、そんなに怒るなよ。あんな馬鹿みたいなガラクタなんてどうでもいいじゃないか。まさか、イスカンダルは、あんな『ゴミ』しか持ってないのかな?」
 ハッキリと『断片の王・イスカンダル』をバカにしているという態度が、アルミラージの癇に障ったのか、アルミラージがトロワをきつく睨む。
「ダイオウノクレタモノ、ゴミジャナイ! ダイオウ、オレガスゴイカラ、スゴイモノシカ、クレナイ!」
(「おっと、イスカンダルが大王ってことは知ってるのかい。なら、もう少しは情報を出して貰えそうだね」)
 アルミラージの返答を頭の中で整理しながら、トロワはもう一度アルミラージに言葉を投げる。
「はあ。この分だと、イスカンダルの城もしょぼそうだな。小さくてボロボロ、そんなところか。サナアの方が大きかったりしてね?」
「ソンナコトナイ! ダイオウノイルトコロ、ダイオウノシロ、シロノオオキサカンケイナイ! ダイオウエンセイ、イソガシイ、オオキナシロイラナイ!」
(「城が必要無いほどに、『断片の王』である『イスカンダル』は、『遠征』を繰り返し、各地を『蹂躙』してるってことかい」)
 アルミラージの言葉が正しいのならば、『断片の王・イスカンダル』自身が、軍を率いて『蹂躙戦記イスカンダル』や他の未確認のディヴィジョンすら『蹂躙』していることになるのだ。
(「……参ったね。移動を繰り返す『断片の王』なら『機械化ドイツ帝国』の『断片の王・ヴィルヘルム2世』みたいに直接攻め入るのは、まず無理ってことになるじゃないか」)
 確定した情報ではないが、前線に出るタイプの『王』であるならば、兵の求心力が高いことにも納得が出来る。
「……というか、イスカンダルって本当は弱いんじゃないかい? イスカンダルが戦ってる姿、見たことないんだけどな」
 止めとばかりに、直接イスカンダルを貶める言葉を吐くトロワ。
「ダイオウノ、チカラヲウタガウ、マヌケナコト、ダ! オマエ、ダイオウバカニスル! オマエトハナス、イラツク、コロス!」
 アルミラージの怒りを完全に買ってしまったようで、トロワの話にはこれ以上言葉すら返さない意志を感じる。
(「もう少し、情報を引き出したかったけど、もう僕じゃ、無理そうだね」)
 思いながら、アルミラージが直ぐに攻撃を仕掛けて来ても応戦できるようにと、トロワは得物を構えるのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

エイレーネ・エピケフィシア
むう……普段は亜人であろうと、ジェネラル級ならばある程度複雑な会話を交わせるのですが……
このアルミラージに限っては、平易な言葉でなければ通じそうもありませんね
ある意味強敵ですが、善処しましょう

わたしが知りたいのは「アラビア半島に他の大灯台はあるのか」ということです
アラビア半島を完全に平定したと言えるのは、全ての大灯台を停止させた時
今後この方面での作戦目標を立てるために、情報が必要です
……敵が怒りに任せた会話のなかで吐き出さないか、試してみます

ふふっ……大灯台まで逃げきれば安心とでも思っているようですね
ですが、そんなことはありませんよ
あなたがソマリアで遊んでいる間に、わたし達はアラビア半島のもう一つの大灯台で『ファロスの光』を粉砕しました
ここでも、同じことをします
大灯台に逃げ込まれようと、時間がかかって面倒なだけ……
1、2ヶ月もあれば勝つに決まっているのですよ!

全くの嘘ですが、他の大灯台が実際アラビアにあるなら反応を示すはず
逆に鬼の首を獲ったように嘘を指摘して来るなら、他にはなさそうですね


●話が通じる相手なら嘘も通じる?
(「むう……普段は、亜人であろうと『ジェネラル級』ならば、ある程度複雑な会話を交わせるのですが……この『黒角のアルミラージ』に限っては、平易な言葉でなければ、通じそうもありませんね」)
 会話の難しい相手であることを再認識しながら、善処するべく、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)が、前に出る。
(「わたしが『新宿島』に持ち帰りたい情報は、『アラビア半島に他の大灯台もあるのか』ということ。アラビア半島を完全に平定したと言えるのは、全ての『大灯台』を停止させた時。今後この方面での作戦目標を立てる為には、情報が必要です。一芝居打ってみましょうか」)
「ナンダ、オンナ。オマエカラ、ジュウリン、シテヤルカ!」
 殺気立ったアルミラージが怒りを込めてエイレーネに言う。
「ふふっ……『大灯台』まで逃げきれば、安心とでも思っているようですね。ですが、そんなことはありませんよ」
「デキルモノナラ、ヤッテミロ!」
 期待していた反応とは違うが、まだ会話は成立するかもしれないと、エイレーネは言葉を続ける。
「あなたがソマリアで遊んでいる間に、わたし達はアラビア半島のもう一つの大灯台で『ファロスの光』を粉砕しました。
ここでも、同じことをします」
「アラビアハントウッテ、ドコノコトダ?」
 まさかまさかであるが、アルミラージは『アラビア半島』と言う地名を知らないようである。
(「全くの嘘を言い、他の『大灯台』が実際、アラビアにあるなら反応を示す筈と思っていたのですが、『歴史改竄』前の地名など、もとより知る必要もなかったということでしょうか……?」)
 エイレーネが頭を悩ませていると、アルミラージの方から口を開く。
「シオノウミニアルッテヤツカ?」
「そうです! それすらも、わたし達は粉砕したのですよ。大灯台に逃げ込まれようと、時間がかかって面倒なだけ……1、2ヶ月もあれば、わたし達が勝つに決まっているのですよ!」
 アルミラージが言葉を返した事実に、エイレーネは言葉を畳みかけるが、アルミラージは狡猾な笑みを浮かべる。
「オレ、ダイトウダイモドル、スグニケガナオル。ソシタラ、オマエタチニ、マケナイ、ゼッタイ! オマエノハナシツマラナイ。オレ、ダイトウダイモドル、ジャマヲスルナー!!」
 強く叫ぶと、アルミラージはディアボロス達に襲い掛かるのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!

凍雲・雪那
アドリブ連携歓迎
味方はWIZでディフェンス

ん……
馬鹿なアルミラージにも使えるオブジェクトなんだから、そこまで凝った物じゃないか。
取り敢えず、これで一つ逃走手段、奪えたね。
まだ他に残してるか、それともこれで終わりか。
――どちらだろうが、やることは変わらない。
何度でも言ってやる。お前は、此処で死ね!

【未来予測】の残留効果を使用。
1秒先の未来を確認して、アルミラージの行動を先読み。
確実にパラドクスをぶち当てるよ。
頭上から降り注ぐ雪崩、埋もれてしまえば脱出で隙が出来るぞ。
更に【泥濘の地】のぬかるみも併せて、体力を削ってやる。
いくらジェネラル級だとしても、無尽蔵のスタミナは持ってないでしょう?
雪崩で体温まで奪い取れば、かなりの消耗を見込める筈。

敵のパラドクスは、既に一度見ている。
初見じゃないから、心の準備も済んでるよ。
お前如きの威圧、改めて捻じ伏せてやるさ。

さあ、隠し種があるなら、さっさと吐けよ。
お前らが蹂躙したように、あらゆる希望を圧し折ってから潰してやる。
此処がお前の死に場所だ。


●冷えたる視線と怒り滾る視線
(「ん……馬鹿な『アルミラージ』にも使える『クロノ・オブジェクト』なんだから、そこまで凝った物じゃないか」)
 仲間達が会話で『黒角のアルミラージ』の気を引き付けている間、凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)は、まだ露見していない、アルミラージの逃走用『クロノ・オブジェクト』について思考していた。
(「取り敢えず、これで一つ逃走手段、奪えたね。まだ他に残してるか、それともこれで終わりか──」)
 その時、雪那の耳にアルミラージの叫びが聞こえる。
 ディアボロスとアルミラージとの会話は、やはり有益な情報を多くは引き出せなかったのだろう。
 まあ、相手があのアルミラージとあっては仕方なしと、雪那は跳躍すると仲間達の前に立ち、アルミラージに言い放つ。
「──どちらだろうが、やることは変わらない。何度でも言ってやる。お前は、此処で死ね!」
「オレ、シナナイ! シヌノオマエタチ! オレ、オコラセタ!」
 言葉と共にアルミラージは雪那へと駆け出すと純粋な『蹂躙』への渇望を視線に乗せ、雪那の心を折ろうとする。
 だが、僅かに──ほんの僅か1秒を先読みした雪那の動きをアルミラージは完全には捉えることが出来ない。
(「一撃を確実にぶち当てる──」)
 アルミラージに出来た僅かな隙を突くように雪那は白雪を呼ぶ。
「snow,fall,burial,――Avalanche」
 雪那の三節詠唱は、魔力を増強させ、細かな白雪で雪崩を引き起こし、アルミラージを飲み込み圧殺せんと襲い掛かる。
「その身体、暑さには慣れているかもしれないが──冷気で冷やされればどうなるかな、思考能力を全て奪い……いや、違ったな貴様は元々思考能力は低かったな」
 アルミラージを襲った豪雪がアルミラージの全てを覆っても、雪那は警戒を解かない。
 この戦場には、【泥濘の地】の残留効果も残せている、いくらアルミラージが『ジェネラル級』亜人だとしても、無尽蔵にスタミナがある訳ではない。
 冷気で体温を奪い取れば、かなりのスタミナの消耗を見込める筈──雪那はそう考えていた。
 そして雪那自身は、アルミラージの攻撃手段を粗方その目に焼き付けている……油断さえしなければ、大きなダメージを受けることはないと考えられた。
「お前如きの威圧、改めて捻じ伏せてやるさ──さあ、隠し種があるなら、さっさと吐けよ」
 アルミラージがこの程度で死ぬことがないことも分かっているからこそ、氷雪の中のアルミラージに、雪那は言葉を投げる。
 瞬間、山となった雪が崩れ──溶けた。
 再び姿を見せたアルミラージの視線が、雪那の一番奥深いところを射抜くように刺す。
「くっ! この程度、お前らが『蹂躙』したように、あらゆる希望を圧し……折ってから潰してやる。此処がお前の死に場所だ」
 アルミラージの反撃を受けてなお、雪那が膝を折ることはなかった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!

モリオン・スモーキー
アドリブその他諸々歓迎
周囲の味方をSPDでディフェンス

(知能はジェネラルとはいえやはりそれほど高くなさそうな。油断は禁物。追い詰めていけばもう一度それらを出すでしょうか。)

まだありますか。では、それも吐き出していただきましょう。
いざ、参ります。
味方と連携しつつ攻撃します。
接近戦を挑みつつ、パラドクス発動します。
攻撃のタイミングを観察しつつ、機を見てパラドクスを使用して叩き込みましょう。
影を操り残像をいくつも出して少しずつタイミングをずらした一撃をその身に叩きこみます。
――どれが本物か、貴方に見極められますか?
と言葉でも挑発します。怒りに身を任せば隙は自ずと晒すもの。
貴方はその状態に陥っている。
とはいえ、敵の一撃は強い。攻撃後、一撃離脱で即時距離を取ったり、高速詠唱+早業+風使い+砂使いで自分の身を固めて防御を固くとり、致命傷回避に努めます。
最後までたっていればいい。誰かが最後までたってとどめを刺せればそれでいいのですから。


●速き獣の焦燥
(「知能は、『ジェネラル』とはいえ、やはりそれほど高くなさそうな。ですが、油断は禁物。追い詰めていけばもう一度先ほどと似たような、脱出用『クロノ・オブジェクト』を出すでしょうから」)
 仲間達とアルミラージの戦闘を注視しながら、そう考えていたのは、モリオン・スモーキー(存在奪われし魔術発明家・g05961)だった。
 そして、それを早めに引き出した方が良いともモリオンは考えていた……だからこそ、ここは自分も攻勢に出るべきだと判断する。
「──まだありますか。では、それも吐き出していただきましょう。いざ、参ります」
 俊敏に動き七つの残像を創り出し、アルミラージとの距離を詰める、モリオン。
 だが、モリオンの前で1つ、誤算が生まれる。
(「──速い!」)
 仲間達の攻撃で『黒角のアルミラージ』は確実に、ダメージを受け、スタミナも減らして居る筈なのだ。
 にも拘らず、アルミラージのスピードが一段ギアが上がったかのように、速くなっている。
「……まるで、追い詰められた野生の獣でしょうか」
 アルミラージの黒角と両の手の黒爪が、モリオンの残像を1体ずつ引き裂いていく。
「消されるのならば、影をまた増やすのみです──どれが本物か、貴方に見極められますか?」
 複数の影を操り、狙われた残像を囮にアルミラージに堅実にダメージを与える。
 モリオンとて無傷と言う訳にはいかなかったが、純粋なスピード勝負……速さならジェネラルにも引けを取らないと自負していたが、アルミラージはそれを超える速さで、モリオンの残像ごとモリオン自信をその自慢の黒角で刺し貫いた。
 だが、ただ自身が傷つくだけで終わらせられないと判断したモリオンは、その華奢な腕でアルミラージの首を捕まえると、その胸に斬撃を浴びせる。
「怒りに身を任せば隙は自ずと晒すもの。貴方はその状態に陥っている……そのような貴方に私達が負けることは、ありません。……最後まで立ってさえいればいい。私達の誰かが、最後まで立って止めをを刺せれば……それでいいのですから」
 自身に穴が開こうとも、赤い血が流れようと……最後に勝つのは、ディアボロスなのだと、モリオンの灰色の瞳から勝利への渇望の炎が消えることは無かった。
 その瞳にほんの一瞬、僅かだけアルミラージが怯んだように見えた。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【防衛ライン】がLV2になった!
効果2【ダブル】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

シチューにしてもまずそうなうさぎだ
身体能力と素早さに警戒していこう

独断で獣神王朝の地を汚そうとし、挙句に部下を置いて逃げかえるとは、あきれたものだ
イスカンダルにも重用されてないがゆえに僻地にいる可能性も浮かぶが
とはいえ、大灯台の主、油断はしない

敵の動きを観察しつつ対応、泥濘の地を仕掛けつつ
PD通信で声掛け現場の仲間と連携し、なるべく包囲か挟撃の位置取りへ移動しつつ
仲間と隙を作りあうように攻撃を仕掛け
背を向けたり隙を看破すれば逃さず射貫こう

羽ばたきのオーラに惑わして動きを鈍らせ
精神集中しクロスボウに番えた矢で射貫く
敵の動きを捕捉し、矢を射かけて時に注意を引き付け、仲間へ攻撃を仕掛ける動きに足止めをかける

敵の攻撃には魔力障壁を展開し影響を緩和、バイザー越しに視線と相対
威圧感には忍耐力で耐え、青い目のNazarの大盾を構えて物理的に視線を防ぐ
気休めだが、邪視には昔ながらの魔除けだ
獣からただ目を逸らすほど臆病ではない

逃げ足だけは速そうだ。なるべく包囲し目を離さないでおこう


●兎の悪あがき
「シチューにしても、不味そうなうさぎだな」
『黒角のアルミラージ』と対峙し、そう言葉を吐いたのは、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)だ。
「独断で、『獣神王朝エジプト』の地を汚そうとし、挙句に部下を見捨て逃げ帰るとは、呆れたものだ」
「オレ、ワルクナイ! スベテ、イスカンダルサマノタメ!」
 語調を強めて言うアルミラージを見ながら、エトヴァはアルミラージの置かれた状況を推察する。
(「可能性として考えられるのは、イスカンダルに重用されてないが故、僻地の護りを任されていた可能性か。とは言え、『サナア大灯台』の『主』であることは間違いない。油断することは出来ないな」)
 重傷者こそ出ていないが、傷ついたディアボロス達もいる。
 そして、エトヴァがアルミラージを観察していると何やら、動きに不自然さが見て取れる。
(「何か探しているのか? 逃げ足だけは、速そうだ。目を離さずにダメージを与えるとしよう」)
 アルミラージの力の驚異的な部分は、その身体能力とジェネラル級の中でもトップクラスのスピードであることは理解出来る。
 だからこそ、逃げに徹せられれば、まんまと『大灯台』へと帰還されてしまうだろう。
 何より、『断片の王・イスカンダル』から賜ったという、脱出用『クロノ・オブジェクト』が発動してしまえば確実に逃がしてしまう。
 その為に、戦場はアルミラージのスピードが遅くなるように泥濘へと変えている。
「……アトハ、アレガアレバ」
 アルミラージが呟くのが、エトヴァの耳に届く。
(「アルミラージ、何かしようとしているな」)
 仲間達もアルミラージを包囲すべく動いているのだから、簡単に逃げおおせる訳はないが、隙を与えない為にもエトヴァは
アルミラージへ向け、自身の青き羽を羽搏かせ幻惑のオーラを舞い散らせる。
 それに対し、アルミラージも赤き相貌で睨み反撃し、エトヴァが一瞬だけ硬直した瞬間に、エトヴァの頭上を跳躍すると地面にその自慢の黒角を打ち刺した。
 目を確りと凝らさないと分からないほどだが、その一部の箇所だけ僅かに赤い土になっていた。
 直ぐにエトヴァは、アルミラージに向けクロスボウの矢を放つが、アルミラージはその矢をそのまま受けると、黒角を高く振り上げた。
 その黒角の先には鋼とも思える不気味な色を湛えた『ロープ』が絡みついていた。
「まさか、あれが……脱出用『クロノ・オブジェクト』なのか?」
 エトヴァの声に、アルミラージは満足気に笑った。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【防衛ライン】がLV3になった!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!

●アルミラージのビックリ! クロノ・オブジェクト! その2
「オレ、オイツメタ、オマエラガンバッタ。ケド、サイゴニワラウノオレ! コノヒモヲオレノクビワニツケル!」
 言いながら、『黒角のアルミラージ』は、自身の首輪を取り外すと『クロノ・オブジェクト』と思われる怪しげな色をしたロープに括り付ける。
「オレ、コノヒモ、グルグルマワシテ、ダイトウダイマデナゲル! ソシタラ、コノヒモドンドンノビル! クビワガ、ダイトウダイニ、ヒッカカカッタラ、イッキニコノヒモミジカクナル! ツカマッテルオレ、ソノママ、ダイトウダイマデ、ヒッパラレテ、ダイトウダイノナカ! カンペキ! トーダイモドッテ、キズナオス! ソシタラ、オマエラジュウリンスル! スベテイスカンダルサマノタメ! サラバダ!」
 勝ち誇ったように、クロノ・オブジェクトの説明をする、アルミラージ。
 アルミラージの説明を要約すると、アルミラージが掘り出した『謎のロープ』と『アルミラージの首輪』が最後の脱出用のクロノ・オブジェクトであり、能力は以下の通りだ。
 ロープと首輪を合体させることで、脱出用クロノ・オブジェクトとして能力を発揮させるもので、ロープを勢いよくぐるぐる回した後に、その先端についた首輪を投げると、ロープはどこまでも伸び、首輪が大灯台に引っ掛かった瞬間に、ロープはアルミラージを連れて一瞬で短くなるという代物らしい。
 つまり、それだけで『大灯台帰還』が完了してしまうという、素晴らしい『クロノ・オブジェクト』なのだ!!
 難を言うのなら、このクロノ・オブジェクトの衝撃に耐えられるのが、身体能力に優れ軽量なアルミラージくらいの為、使い所が難しいのだ。
 何とかして、妨害しなければ『黒角のアルミラージ』は撤退してしまうぞ!
 これさえ凌げば、アルミラージは結構ボロボロだ!!
 どうする、ディアボロス!!
 負けるな、ディアボロス!!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

ご丁寧に……解説いただきまして、ありがとう
イスカンダルも、なかなか面白いチョイスをなさる
そんな思考は置いておいて対処に全力を尽くそう

首輪もロープもクロノ・オブジェクト、しかし物理的制約を受けないわけではない……
オベリスクがいい例だよな

俺はロープに対処
首輪が飛ばなければいいんだし、手元でぐるぐる回せないようにロープを封じよう
【トラップ生成】で、縁に錘つきの広い投網をぽーい
アルミラージの頭上から網を何重にも被せて、そもそもロープを回せないようにしよう
回転にあわせて幾重もの網を巻き込んで、ロープが絡まってしまえば、すぐにはほどけない……はず
ロープが網でぐるぐる巻きになるまで重ねる
こういうの……絡まったらほどくの面倒くさいよな……?
思った方角にも投げにくくなるはず、錘もしだいに重なっていくよ

未来予測も併用し、ふんばりに足を踏み出しそうなら、その直前に防衛ラインを引き姿勢を崩させよう
ノーコン誘発だな

残念だが、最後に笑うのは俺たちだ
それにしても、あちこちにそういうの埋めてるのか……


モリオン・スモーキー
連携アドリブその他諸々歓迎

……ご丁寧にどうも。ただ、あほですかやはり……
敵にばらさねば安全に逃げられるものを……丁寧と言えばその通りなのですが。
しかし、さてどうしたものか。
ロープと首輪を分解してしまえばどうにかなるでしょうか。
相手がぐるぐると回し始めた瞬間を【未来予知】で察知して、【防衛ライン】しかけつつ【飛翔】ダッシュ。
相手の前に障害物をしかければ飛び越えるまでに時間が少しかかる。
その隙に首輪を確保して、そのひっかける先をを変えましょう。塔にしかけなければ問題ないのですし。即ちひっかける先は私という事で……
そうしたら確保できますね。
首輪をこちらで確保できれば問題ございません。
確保しつつロープを味方に切っていただくなり、こちらで切断するなりどうにでもなりましょう。
最低でも首輪を確保出来ればそれでよし。です。


●逃げる兎を投網の中へ
「イスカンダルも、中々面白いチョイスをなさる」
『黒角のアルミラージ』が最後に用意した、脱出用『クロノ・オブジェクト』に対し、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)の中で、『蹂躙戦記イスカンダル』の『断片の王・イスカンダル』は、『ジェネラル級』それぞれが使いこなせる、『クロノ・オブジェクト』を渡しているのではと言う懸念が生まれる。
 その『クロノ・オブジェクト』をイスカンダルが最初から所持しているのか、他のディヴィジョンを『蹂躙』して手に入れたかまでは、分からないが。
 だが、今はアルミラージの撤退を阻止こそが最優先だと、思考は置いておいて対処に全力を尽くすべく動き出す、エトヴァ。
(「あの『首輪』も『ロープ』も『クロノ・オブジェクト』、しかし……物理的制約を、受けないわけではない……オベリスクがいい例だよな」)
 自身は仲間達を信頼し、『ロープ』の対処を優先するべきとエトヴァは動き出す。
(「首輪が飛ばなければいいんだし、手元でぐるぐる回せないようにロープを封じよう」)
『残留効果』で、縁に錘つきの広い投網を創り出すと、エトヴァはすぐさま、アルミラージに向け放り投げる。
 ロープをぐるぐる回そうと準備していたアルミラージは、簡単にその投網に覆われるがそれすらも無視して、ロープを回そうとする。
「まだ、足りないか……それならっ!」
 エトヴァはアルミラージの撤退を阻止する為に、更に幾重にも投網をアルミラージに投げ放つ。
 そのような状況下にあっても、それでもロープを回そうとするのがアルミラージであるのだが。
 だが、エトヴァはアルミラージのその動きすら許すまいと、回転にあわせて幾重もの網を巻き込んで、ロープが絡まるように仕向ける。
「これだけやれば、直ぐには、ほどけない……筈」
 網とロープが絡まったら解くのは面倒くさいだろうとのエトヴァの判断だが、アルミラージも上手くロープを回せない状態にイライラを隠せない。
「アルミラージ、これでお前は思った方角にその『秘密兵器』を投げ難いだろう。錘も徐々に重みを増す」
 それでも地面に脚をしっかり踏ん張ろうとする、フィジカルの塊のアルミラージが上手く首輪を投げられないように、エトヴァは視界を遮る為に【防衛ライン】を出現させるが、おそらくこれはほぼ意味がない。
 何故なら【防衛ライン】は、上空を飛び越えることを阻害する『白い直線』を創り出す残留効果の為、『面』及び『壁』を出現させる『残留効果』ではないからだ。
 そして、アルミラージがどれくらい跳躍できるかまでは、ディアボロス達には分からない。
 それでも、エトヴァはアルミラージに余裕を見せるように言う。
「『黒角のアルミラージ』残念だが、最後に笑うのは俺たちだ」
(「それにしても、『蹂躙戦記イスカンダル』の『ジェネラル級』はあちこちに、こういった物を埋めているのか……」)
 エトヴァはアルミラージを見ながら思うが、多分こういった、撤退法を準備しているのはアルミラージだけだろう。
 兎はいつだって逃げることを頭に入れて生きるものだから。

●兎の首輪を封じる為に
「……ご丁寧にご説明どうも。ただ、やはり、あなた『あほ』ですか……」
「オレアホジャナイ! ツヨクカシコイ!」
 モリオン・スモーキー(存在奪われし魔術発明家・g05961)が呆れたように言うが、アルミラージは投網の中で撤退する為に頑張りながら、モリオンへの反論の言葉を叫ぶ。
(「敵にばらさねば、安全に逃げられるものを……丁寧と言えば、その通りなのですが」)
 少しばかり頭の痛くなるタイプのアルミラージに、モリオンが思わずため息を吐く。
(「しかし、さてどうしたものか。ロープと首輪を分解してしまえばどうにかなるでしょうか」)
 モリオンは飛翔すると急加速しアルミラージに接敵すると、投網の中のアルミラージが回すロープの1秒先を見て、先端に括り付けられた『首輪』を身を張って掴むと、その首輪が引っ掛かる先を自身の腕に固定する。
 この首輪が大灯台引っ掛からなければ、この脱出用『クロノ・オブジェクト』は全く意味を成さないのだから。
 だが、脱出用『クロノ・オブジェクト』は、アルミラージの力でぐるぐる回されている最中だ。
 その為、首輪に固定されたモリオンは、アルミラージの腕力で振り回され地面に思い切り叩き付けられる。
「エ、エ、エ、クビワノサキニオマエ! コレダト、ダイトウダイニヒッカカラナイ! ジャマ、オマエ、ハズレロ!」
 地面に叩き付けたモリオンに驚き、アルミラージが怒りの声を上げるが、モリオンからすれば狙い通りである。
「……多少痛くはありましたが。『首輪』をこちらで確保出来たのなら、問題ございません」
「オマエ、ツイテル、モウコレヒッカカラナイ、ジャマシヤガッテー!!」
 怒りのあまりモリオンごと、脱出用『クロノ・オブジェクト』を地面に強く放り投げるアルミラージ。
(「最低でも、首輪を確保出来ればそれでよしと思っていましたが、アルミラージは使うことを諦めましたか、それならあとは、この場で『アルミラージ』を撃破するだけですね」)
 モリオンが、目の前のアルミラージを見ながら思う。
『黒角のアルミラージ』撃破は、もう目の前だ!!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【防衛ライン】がLV4になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ダブル】がLV2になった!

エイレーネ・エピケフィシア
クロエ様(g08917)をディフェンスし共闘

ある意味では、無知こそが最良の情報統制なのかもしれませんね
聞き出せることがないのなら、後は倒すのみです
……次の一手を打ちましょう、クロエ様!

【泥濘の地】を引き続き使用
動きを鈍らせた敵を仮借なく攻めてゆきます
あの口ぶりからすると、少なくともあと一つは逃走手段があるでしょうか
それが大灯台側から投げ込まれたり、飛来する可能性を考慮し【防空体制】を発動
また【未来予測】も使い、不意打ちで離脱されぬよう状況を注視します

攻撃時は≪神護の長槍≫を『空を引き裂く雷霆の投槍』として投擲
クロエ様のヒュドラと連携し、動き回る敵の逃げ場を潰すように心がけます
「槍を敵の周囲の地面に刺し、拡散する雷撃で確実に削った上でヒュドラを活躍させる」動きと
「ヒュドラの妨害を受けた敵に槍を直接当て、体内を強烈な雷撃で破壊する」動きを使い分け
どちらが先に動いても痛撃を見舞えるように

反撃には盾を構えつつ、防ぎきれない威力と見たなら
突如出現させた【フライトドローン】に跳び乘って身を躱します


クロエ・アルニティコス
エイレーネ(g08936)をディフェンスし共に戦います
最も頼りになるのは自分たちの目と耳ということですね。
えぇ、追い込んでいきましょう、エイレーネ。

アマランサスの種に憎悪と魔力を注ぎ、【ヒュドラ・アマランサス】を使用します。
予測通り……実際に見ると予測以上に速い。ですが2人なら対抗できます。
ヒュドラの多頭を生かした波状攻撃で、避けたアルミラージにエイレーネが攻撃しやすいように追い込む、また追い込み役と攻撃役を切り替え、エイレーネの投槍で感電したアルミラージにヒュドラの噛みつきを行うなど、連携を活かした攻撃で確実にアルミラージへとダメージを蓄積させましょう。

また、残留効果を駆使し離脱を警戒するエイレーネの合図があれば即座に対応できるよう、そちらにも警戒を。

敵の反撃の威圧は、共に戦う親友への想いと尽きぬ憎悪で何度でも立ち上がりましょう。
一度折れようと、再び立ち上がったのが私たちです。
お前たちが何度折ろうとしようと、折れようと。お前たちを滅ぼし尽くすまで、私たちの歩みは止まりません。


●戦場の乙女達
「ある意味では、無知こそが最良の情報統制なのかもしれませんね。聞き出せることがないのなら、後は倒すのみです」
 どんなに戦闘力が高くとも下手に秘匿情報を漏らさぬように、戦場には情報弱者も存在することを認識し直しながら、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は、≪神護の長槍≫を構え直す。
「最も頼りになるのは、自分達のの目と耳ということですね」
 エイレーネの言葉に答えながら、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)もまた、『黒角のアルミラージ』へと戦意を向ける。
「……次の一手を打ちましょう、クロエ様!」
「えぇ、追い込んでいきましょう、エイレーネ」
 アルミラージの周囲は十分に泥濘へと変えてある。
 どんなに身体能力が高いアルミラージでも、自分達が有利に戦える自信がある……エイレーネとクロエは同時に動いた。
『サナアの大灯台』側からの援護は、エイレーネが細心の注意を祓っている。
 アルミラージの俊敏な動きで、戦闘から離脱されぬように決してアルミラージの動きから視線を外さない……ここで、撃破出来なければ、アルミラージがまた、万全の態勢で『蹂躙』を繰り返すだろうことは、エイレーネにとって想像に難くない。
「種子に宿るは我が憎悪、芽吹け『ヒュドラ・アマランサス』!」
 アマランサスの種にクロエは、憎悪と魔力を注ぎ、ギリシャ神話の怪物『ヒュドラ』を象った植物の怪物を創り出す。
 クロエの生み出したヒュドラは、数多の首と強力な毒をもって、アルミラージへと襲い掛かる。
 それに的確に合わせるように、エイレーネは≪神護の長槍≫を掲げ狙いをアルミラージに定める。
「聖なる槍よ、大神の憤激を宿したまえ!」
 エイレーネが投げ放った槍は、アルミラージに深く突き刺さり、穂先からアルミラージの全身を焼き焦がすほどの激しい雷撃を放出する。
「黒角のアルミラージ……お前はけして逃がさない。ヒュドラの毒の牙をその身に受け、死に至るのです」
 アルミラージの視線がいくら獰猛でも自身が退くことは無い……強い意志を乗せクロエが言葉を紡ぐ。
 意識がクロエに向かった隙にエイレーネは接敵し、アルミラージを貫いた≪神護の長槍≫を力ずくで引き抜き、その勢いのまま地面に長槍を突き立て、雷撃をアルミラージ向け拡散させる。
「……実際に見ると、予測以上に速い。ですが……2人なら対抗できます」
 アルミラージの黒角がエイレーネの美しい顔を掠めるが、紅い真っ直ぐな傷を薄く作られたとしても、エイレーネが攻勢を弱めることは無い。
(「ヒュドラの波状攻撃でエイレーネの攻撃機会を増やし……アルミラージを追い詰めてみせます……!」)
 クロエとエイレーネはそれぞれの役目を切り替えながら、確実に大きな痛撃を与え、アルミラージの反撃を上手く捌いていく。
(「エイレーネ……共に何度でも立ち上がりましょう。一度折れようと、再び立ち上がったのが私達です」)
 出現させた【フライトドローン】を利用し戦場を飛び回る親友……エイレーネと共に居る限り、クロエは……。
「お前達が、何度折ろうとしようと、折れようと。お前達を滅ぼし尽くすまで、私たちの歩みは止まりません」
 強く……ただ強く、クロエはそう言葉を口にするのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防空体制】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!

ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に

おや、とっくに温まってたか
ヴェールを靡かせ颯爽と
護衛もなしにジェネラル級とやり合えるなんて
ソマリアの礼を返すにはいい機会じゃあないの
覚えてない?そりゃあいいね
“魔槍”を構えて
槍捌きを見て、思い出してもらおーか!

準備はいいかな?兎狩りの時間だ!
【パラドクス通信】で味方と情報共有、
攻撃を集中しやすいよう、ディフェンスも考慮した配置を整えて
貫くにも、速さに対処してから……こうして、ね!
【泥濘の地】で速度低下や足元の不調を認識させた所へ
決戦兵器Ⅰ号(ファルス・ワン)、伝承、5種開放!
槍の穂より剣呑なオーラを漲らせ
地を爆ぜさせんばかりの全霊の【ダッシュ】を以て
禍えり裂く赤棘の槍(ゲイ・ボルグ)ッ!
放つは必殺の槍撃!

反撃に際しては
きみの所作や戦闘能力は一度見てるんでね……!
Moon-Childを外骨格化、油断なく槍を構え、
正面から受けないよう重心をずらす回避挙動でダメージに備える
……以前は僕らが防衛戦で撤退するしかなかった
けれど今は違う。きみが逃げるために、必死になってよね!


●金色兎の最期
「おや、『黒角のアルミラージ』……随分とボロボロだね」
 黒のヴェールを靡かせながら颯爽と現れた、ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)が『黒角のアルミラージ』へと言葉を投げる。
「以前僕らは、防衛戦で撤退するしかなかった……。けれど、今は違う。きみが逃げる為に、必死だったようだね……」
 多くの傷を受け、撤退を選ぶしかなくなく……それでも、怒りを灯した赤い瞳。
 まるで、あの日の自分を見ているようだと、ロキシアは思った。
 護衛も居ない『ジェネラル級』……戦う相手としては申し分はない。
 けれどロキシアは、残念にも思う……。
 自分の成すべきことは、この相手の止めを刺すことのみなのだから……それでも。
「ソマリアの礼を返すにはいい機会じゃあないの」
 アルミラージは怒りを滾らせているがロキシアを特別視しているからではない……このような状況にした『ディアボロス』達に怒りを滾らせているのだ。
「オマエラ……ゼンイン、ユルサナイッ!!」
「覚えてない? ……そりゃあいいね」
 “魔槍”を構え、ロキシアが口元に笑みを作る。
「僕の槍捌きを見て、思い出してもらおーか!」
『兎狩りの時間だ!』と“魔槍”を手にロキシアは戦場を一気に駆ける。
「決戦兵器Ⅰ号、伝承、5種開放!」
 宙に跳ぶとアルミラージの黒爪の連撃を華麗に躱し、ロキシアが叫ぶ。
「『黒角のアルミラージ』!! これで、君との鬼ごっこも終わりだよ!! 禍えり裂く赤棘の槍!!」
 槍の穂に剣呑なオーラを纏わせ、ロキシアが放つは必殺の一撃。
 アルミラージの背中から赤き槍の先端が覗いていた……胸を貫かれ目を見開くアルミラージ。
「……ッ!? ……イ、イスカンダル、サ、マニエイコウアレ、ッ」
 ロキシアは躊躇いなく槍を勢いよくアルミラージから引き抜くと、金色の兎は倒れ伏す。
 誰ともなく息が零れた……。
 ジェネラル級亜人『黒角のアルミラージ』は、目指した『サナアの大灯台』に帰還することなく死を迎えたのだった……。

●サナアの大灯台
 ディアボロス達の眼前には『サナアの大灯台』が見える。
 ジェネラル級である『黒角のアルミラージ』を失ったのだ、トループス級亜人達は『サナアの大灯台』を放棄して逃げ出すことだろう。
 この『サナアの大灯台』をどうするかは、『蹂躙戦記イスカンダル攻略旅団』の提案次第となる。
 だから、今は帰ろう……『新宿島』に。
 ディアボロス達はパラドクストレインに乗り『新宿島』へと帰還した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【浮遊】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2023年11月18日
宿敵 『黒角のアルミラージ』を撃破!