リプレイ
風花・波那
フローラリアが生き残ってた事実。
全部倒せなかった自分への不甲斐なさ。
相変わらずな非道な行いへの怒り。
……ため息が出る。
いいわ。やってやる。最後までね。
花守の氷剣に力と決意を込めて。
考え事はしつつも足は集落へ向かったアルルーナを追うために全力疾走。
エアライドも駆使して最短経路で敵のいる方へ向かうよ。
敵を見つけたら問答無用で風波一閃で攻撃。
呆れて会話する気もしないもの。
やめろなんて言っても通じないのは重々承知してるからね。
言いたいことはひとつだけ。
さあ、斬り刻まれたいやつから前に出なさい。
一般人がいたら守るように位置取って敵の気を引き。近くに居たら声をかけて逃げてもらうよ。
ここは任せて!私が絶対に守るから!
敵が前に出なくてもこっちから行くけれど!
こう見えても激怒してるの。
千切りにしてやりたいくらいね!!!
とはいえ敵の動きはよく観察して、無闇に突っ込まないように距離を保ちながら斬撃による牽制と風波一閃で撃ち分ける。
大丈夫。この後はブルームウィッチも斬るし、知恵ある植物も全部斬り刻んでやるから。
シル・ウィンディア
フローラリア、こんなところに漂着したんだね。
しかし…。
知恵のある植物が、こんな発生の仕方しているだなんてね…
全力で邪魔させてもらうからねっ!!
まずは、敵の数を減らさない事には進まないよね。
敵を視認したら、速攻でパラドクス攻撃を仕掛けるよ。
高速詠唱からの裂空絶砲。
ターゲット、マルチロック…。
さぁ、纏めて吹き飛べーーっ!!
敵の攻撃に対しては直撃は避けたいけど、花粉っていうのが厄介っ!
マントで口と鼻を覆うようにすれば多少は防げるかな?
でも…。
そんなことをする時間があるなら、さっさと倒しにかかった方がいいよね。
攻撃されても、止まらずに高速詠唱からパラドクスを撃ち続けるよ。
そんなものでわたしを止められるだなんて思わないでね。
攻撃は都度位置を替えつつ行っていくよ。
移動砲台モードだね。
ディフェンスは可能であれば積極的に行っていくよ。
…ふふふ、守るだけがディフェンスではないの。
攻撃したからには、反撃される覚悟はいいってことだよねっ!!
さて、次は…。
あなたの番だよ魔女さん。
覚悟はいいかな?
花喰・小鳥
「これ以上の被害を出すわけにはいきません」
救出は味方に任せて敵の殲滅に集中します
もっとも、救出に回ったとしてどうすればいいかという解答を私は見つけられなかった
「適材適所です」
敵を発見次第攻撃を開始
5.56ミリオートで銃撃音を響かせて、一般人に近づけさせないよう【制圧射撃】で動きを抑えにかかる
と同時に前に出て敵を惹きつけます
「貴方たちの相手はここにいます」
隠れる必要はなく、むしろ姿を晒すことで誘き寄せる作戦です
集まってくるなら【壊滅】を発動
容赦なく弾丸を叩き込む
万が一にも一般人に攻撃がいかないよう【ディフェンスする】
状況に応じて防御に徹する必要もあるでしょう
「ずいぶんと少食ですね。私はまだ生きている」
茨が絡みつき、ドレスと皮膚を裂こうと表情は変わらない
痛みはあるし、疲労が蓄積しても、埋められた彼らの比でないことは明らかだった
この程度で倒れるわけにはいかない
モーラットコミュのヨキが味方を呼んだり、敵を惑わすように駆け回ったり【時間稼ぎ】をしてくれます
あとは味方が上手くやってくれるはずです
「フローラリア、こんなところに漂着したんだね」
パラドクストレインに乗る前に聞いてきた話を思い返しながら、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術士・g01415)は僅かに眉を寄せる。
――《七曜の戦》で滅ぼしたはずのフローラリアに、生き残りがいたという事実。
全てを倒せなかった己への不甲斐なさを、風花・波那(夢詠の花果・g00593)は感じていた。
そして、同時に。
相も変わらぬ非道な行いへの怒りが、湧き上がってくる。
「でも、知恵のある植物があんな生まれ方をしているだなんてね……」
フローラリアの核となる知恵ある植物。
彼らは、生きた人間を肥料として生まれていた。
生贄砲などという悍ましい兵器を平然と用いるフローラリアならば、何をしていてもおかしくはなかったとはいえ――その方法は、シルの想像をはるかに超えるものだった。
だが、フローラリアにとってはそうすることが当たり前で、言わば罪悪感すら抱いていないだろうことは容易に想像出来る。
そのようなことが、許されるはずはない。
吐き出しかけたため息を呑み込んで、波那は花守の氷剣に強く――力と決意を籠める。
「いいわ。やってやる。――最後までね!」
共にパラドクストレインに乗ってきた仲間たちと、二手に分かれて。
波那はトレインを降りるや否や飛ぶ勢いで宙を蹴り、全力でトループス級が向かった集落を目指して駆け出した。
「うわああっ!」
「きゃあ――!」
そう遠くない場所から悲鳴が聞こえてくる。
アルルーナたちは、すでに到着しているのだろう。
「これ以上の被害を出すわけにはいきません」
アルルーナたちの姿を捉えると同時、花喰・小鳥(空虚のルサールカ・g01304)は手にした小型の機関銃を掃射する。
畑に埋められた人々を助けたいという気持ちこそあったけれど、そのためにどうすれば良いかという答えを、小鳥は見つけることが出来なかったから。
だから――小鳥は目の前に立ちはだかる脅威そのものを退けることを選んだ。
「適材適所です」
「そうだね、適材適所! ――空を舞う風の精霊よ、銃口に宿りて、すべてを穿つ力となれ!」
小鳥の声に笑顔で答えながらも、真っ直ぐに前を向いて。
「全力で邪魔させてもらうからねっ!!」
小鳥の制圧射撃にアルルーナたちが気を取られた僅かな間を逃さずシルは速攻で魔力を編み上げ、パラドクスを解き放った。
「ターゲット、マルチロック……さぁ、纏めて吹き飛べーーっ!!」
描き出された魔法陣が光を帯びて、裂空絶砲(エア・インパクト)――無数の風の魔力弾が撃ち出される。
「ディアボロス~!? 何で~!?」
「何ではこっちの台詞よ。さあ、斬り刻まれたいやつから前に出なさい!」
言いながらも波那は妖精を召喚し、鞘に収めた花守の氷剣を神速で抜き放った。
放たれた一閃が衝撃波となってアルルーナたちへ牙を剥く。
「――貴方たちの相手はここにいます」
機銃を構えながら、小鳥が静かに告げる。
ディアボロスの存在、そして放たれたパラドクス。
アルルーナが“ニンゲン”などに構っていられない状況を作るには、それだけで十分。
「ここは任せて! 私たちが絶対に守るから!」
逃げ惑う人々へ、波那は声を張り上げる。
アルルーナたちは何が起こったのかわからないといった様子だが、波那は会話をする気さえ起きなかった。
呆れて物も言えないとは、まさにこのこと。やめろと言ったところで通じないのだって、重々承知している。
何故なら、フローラリアとは“そういうもの”だからだ。
――パラドクスの応酬と共に巡る、逆説連鎖戦の攻防。
尽きぬ怒りを確かな力と変えて、三人は着実にアルルーナたちを倒していく。
「やだやだ! ディアボロス、あっちへ行って~!」
流れ弾が飛ばないとも限らないから、小鳥は人々がこの場から逃れるまで彼らの動きに気を配り、アルルーナの攻撃が及ばぬよう盾となる心積もりで立ち回る。
攻防が巡る中、周囲の地形を覆い尽くすように展開された鋭い茨が小鳥に喰らいつく。
深く食い込んだ棘に、血が吸い上げられていく感覚が小鳥を襲う。
だが、小鳥は全く動じることがなかった。
「ずいぶんと少食ですね。私はまだ生きている」
絡みついた茨がドレスや皮膚を裂こうとも、表情ひとつ変えることなく小鳥は言った。
痛みがないわけではなく、攻防が重なれば疲労だって溜まっていく。
けれど、生きたまま地に埋められた人々の苦しみに比べれば、どうということはない。
――この程度で、倒れるわけにはいかないのだ。
「もきゅーーーっ!!」
小鳥の想いを代弁するかのように、モーラット・コミュのヨキが声を上げ、アルルーナたちの狙いを狂わせるかのように飛び回っていた。
そして、小鳥は有形無形の“畏れ”を纏い、理性を弾丸に籠めて。
残るアルルーナたち目掛け、機銃のトリガーを静かに引いた。
銃口が瞬く星のようにいくつも爆ぜて、放たれた無数の弾丸がアルルーナたちを一息に呑み込んでいく。
絶えず戦場を駆け回り、都度位置を変えながら砲撃を続けるシルは、言わば移動砲台モードだ。
「そんなものでわたしを止められるだなんて、思わないでね!」
アルルーナたちも毒の花粉で対抗しようとしてくるが、シルの猛攻を止めることは叶わず。
「あなたたちの次は、魔女さんの番だよ」
反撃の間さえ与えられぬまま次々に倒れていくアルルーナたちへ、シルは静かに告げた。
「うわ~ん、ブルームウィッチ様~!」
アルルーナたちの悲鳴に耳すら貸さず、紫の花弁から放たれた光弾ごと裂くように剣閃を踊らせ、滾る怒りのままに次々にアルルーナを斬り捨てていく波那。
――そう、今の波那は激怒していた。
それこそ、フローラリアと名がつくものたちを、千切りにしてやりたいと思うくらいには。
やがて最後の一体が崩れ落ちてもなお、波那の怒りは収まることがなく。
「大丈夫。この後はブルームウィッチも斬るし、知恵ある植物も全部斬り刻んでやるから」
波那はそう、鋭く吐き捨てた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
知恵のある植物は妖精郷で交流した事がありましたが、まさかこんな方法で生まれていたとは…
やはりどんな思考をしていようと、人に害を為す侵略者に変わりはありませんね
非道な農業は即刻廃業して頂きましょう
活性治癒を発動
仲間がトループスの対応に向かっている隙に救出します
畑周囲にフローラリアが居ない事を確認したら
持ち込んだスコップで端から掘り返していきます
もし植物の根が身体に絡んでいれば、ナイフで切って呪縛から開放します
植物が小さければ一般人と一緒に引っこ抜いておく方が良いでしょうか
私達はディアボロス
貴方達を助けに来ました
今は体力を回復する事を優先してください
水は、飲めますか?
畑の隅まで運んで、シーツをかけて座らせ
水や携帯のゼリー飲料を飲めそうであれば手を貸し、摂取させましょう
本当なら、身体の土も落として、ベッドに寝かせてあげたいのですが、そこまで手が回らないのが悔しいですね…
人数が多いので、ゆっくりとはできません
掘っては運びを繰り返し、一人でも多くの人が助かるように尽力します
四葩・ショウ
急いで駆けつけた先のひどい光景に
打ちのめされそうになるけど
ううん、そんな暇なんて、ない
すぐに救出をはじめよう
即座に【活性治癒】を灯し
仲間と手分けして動いて
たすけにきたよ、よく頑張ったね
もうだいじょうぶと
微笑みをむける演技で気丈にふるまって
もうちょっとだよ
かならず皆たすけるから
つねに激励する言葉で声をかけつつ
新宿島から持ち込んだスコップで土を掘り返していこう
畑全体と、植えられた人の配置を見て
まずは人と人の間の土を大きく掘り返してから
人に近い部分、細かい掘り起しはなるべく手で行いたい、けど
かなうなら全員を
……出来るだけ多くの命を、すくうために
もう、これ以上
ゆびさきから零れ落ちる命が、ないように
人数が多いから、場合によってはわたしが掘りおこしを優先して
仲間と分担したり、したいね
たすけたひとのケアに回れるなら
持参したスープジャーから、あたたかいスープを飲ませてあげたい
話すことがかなわないほど衰弱しているとしても
強く手を握って、声をかけ続けて
こころを尽くして回るよ
これ以上は、させない――ぜったいに
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
3勢力から攻められて、まだ生き残りが居るっていうのは大したもんだね
戦火と共に退場してくれれば少しは綺麗な終わりだったのに
なんて。こんなもの……感傷か
怒りと遣る瀬無さを携えて
残留効果を駆使して畑を探すよ
味方が敵の気を引いてくれるうちに、素早くっ
足繁く手入れに向かうだろうし、
なんなら拉致される人だって向かわされる場所なら、【過去視の道案内】
影を辿って正確に向かおう
ご無事ですかっ。助けに来ました
……ああ、ディアボロスです。クロノヴェーダじゃありません
これから埋められるわけでもないですよ
最終人類史から持ち込んだ道具で救助に尽力
ゴスロリが泥に汚れようと汗が出ようと関係ないさ
Moon-Childを腕に這わせ活性化。力作業の効率をちょっとでも上げないと
仲間と分担して出来るだけ多く助けられるよう頑張るよ
助け出したら経口栄養剤や【活性治癒】をお借りしてケアに務める
辛かったでしょう。怖かったでしょう。今はお休みくださいな
僕は。これから残業です、残業
自分の選択の、けじめを付けに行くんです
「三勢力から攻められて、まだ生き残りが居るっていうのは大したもんだね。戦火と共に退場してくれれば、少しは綺麗な終わりだったのに……」
なんて、と思考を断ち切るように誤魔化して、ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は苦く微笑う。
ロキシア自身、フローラリアと深く関わってきたからこそ理解るのだ。――理解り合えない、と。
(「こんなもの……ただの感傷かな」)
それでも、《七曜の戦》を超えて生き残ったのならばと、心のどこかで期待していた自分が居ないと言えば嘘になる。けれど、どれほど想ったところで結局フローラリアはフローラリアであり、クロノヴェーダでしかないというその事実を改めて突きつけられたロキシアの胸には、復讐者としての怒りと同時に幾許かの遣る瀬無さが滲むばかりだ。
「知恵のある植物は妖精郷で交流したことがありましたが、まさかこんな方法で生まれていたとは……」
そう呟くソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)の表情も、心なしか険しさを帯びていた。
「やはり……どんな思考をしていようと、人に害を為す侵略者に変わりはありませんね。非道な農業は即刻廃業して頂きましょう」
そう言って駆け出したソレイユの言葉にそうだねと頷きながらも、ロキシアはやり場の見つからぬ想いを携えたまま後に続く。
一日以内に攫われた人はいなかったのだろう。過去視の道案内による影こそ現れなかったものの、フローラリアの“農園”は、森の開かれた道に沿って行けばすぐに辿り着くことが出来た。
「ひどい……」
急いで駆けつけた先に広がる光景に思わず息を呑みながらも、四葩・ショウ(Rupert's Drop・g00878)はそう零さずにはいられなかった。
そこは文字通りの畑であり――生きている人々が、頭だけを出した状態で土に埋められていた。
そして、畑の隅の方には、干からびて死んでしまった人々の亡骸が、無造作に積み上げられているのが見える。
「こんな、……こんな、ことが」
目を覆いたくなるような光景とは、まさにこのことを言うのだろう。
ひどく悍ましいその現実に、打ちのめされてしまいそうになるけれど。
ショウは大きく首を横に振り、震えて軋むこころを叱咤する。
立ち止まっている暇も、嘆いている暇もない。
「酷いものですね。……急ぎましょう」
トループス級たちは今頃集落に向かっていることだろう。そしてその集落には、パラドクストレインを降りてすぐ二手に分かれた仲間たちが向かっている。
更に――アヴァタール級のブルームウィッチも、すでに生まれている知恵ある植物たちの様子を見に畑を離れている。
畑の周囲にフローラリアが居ないことを確かめ、三人はすぐに行動に移った。
「ご無事ですかっ。助けに来ました。……ああ、僕たちはディアボロスです。クロノヴェーダじゃありません」
これから埋められるわけでもないですよ、と穏やかに告げて、ロキシアは早速スコップで土を掘り返す。
「ええ、私たちはディアボロスです。貴方たちを助けに来ました」
ソレイユとショウはまず活性治癒の残留効果を重ねて発動させ、癒しの力を広げていく。
後は時間との戦いだ。ブルームウィッチが戻ってくる前に、人々を助け出さなければならない。
ロキシアに続き、ソレイユとショウも持ち込んだスコップを使って端から土を掘り起こす。
フローラリアの力によるものなのか、柔らかな土を掘り返すのはそう難しいことではなく、絡みついた植物の根をナイフで切りながら、ソレイユは埋められていた人々を土から引っ張り出し――ついでに知恵ある植物の種のようなものも一緒に引き抜いていった。
一刻も早く、一人でも多く、救い出すために。
三人で分担しながらひたすら畑を掘り起こして人々を救出する――その繰り返しだ。
「たすけにきたよ、よく頑張ったね。もうだいじょうぶ」
土に塗れ、痩せ細った人々の痛ましい姿に胸が震える。
けれど、ここで自分が泣くわけにはいかないと、ショウは持ち前の演技力で微笑みながら気丈に振る舞った。
本当に泣きたいのは、苦しいのは、こんな仕打ちを受けた彼らなのだから。
「もうちょっとだよ、かならず皆をたすけるから」
ショウは人々を励ます言葉をかけ続けながら、人と人の間の土を大きく掘り返し、そして人々が傷つくことがないよう、細かな部分は手で掘り返していった。
お気に入りのゴスロリ服は土で汚れているし、身体中から汗が出てきているのもロキシアは感じていた。
普段から可愛くあることに人一倍気を遣うロキシアだけれど、今はそれも構わずに――ナノマシンのMoon-Childを活性化して腕に這わせ、少しでも力作業の効率を上げながら、一人、また一人と救い出す。
ソレイユは救出した人々を畑の隅まで運び、シーツをかけて座らせる。
「今は体力を回復することを優先してください。……水は、飲めますか?」
そうして一人ずつ声をかけながら、持参した水や携帯のゼリー飲料を取り出して摂取させていった。
「うう……た、助かった……」
「辛かったでしょう。怖かったでしょう。……今は、お休みくださいな」
ロキシアもまた経口の栄養剤などを飲ませ、人々のケアに務める。
出来るなら身体の土も落として、ベッドに寝かせてやりたいとソレイユは思う。
そして同時に、今はまだそれを叶えることが出来ない歯痒さも感じていた。
「あなた方をこのような目に合わせた元凶はすぐに排除しますので、どうかそれまで待っていてください」
「……だいじょうぶ、必ずたすかるから」
持参したスープジャーからあたたかなスープを飲ませてやりながら、ショウは心を尽くして声をかけ続ける。
強く手を握り、優しく背をさすってやれば、少し顔色が良くなってきたように見えて、小さく安堵の息をついた。
もう、これ以上――。
ゆびさきから零れ落ちるいのちが、ないように。
(「これ以上は、させない――ぜったいに」)
三人の懸命な救助活動と活性治癒の効果もあってか、畑に埋められていた人々はみな命の危機を脱することが出来そうだった。
そして、同時に――。
「……これは、どういうことなの?」
森の奥から戻ってきたフローラリア――ブルームウィッチが、目の前の光景に驚愕の声をあげる。
「……さて、残業だね」
ゆっくりと立ち上がったロキシアは、赤薔薇の双眸に揺るぎない怒りを讃えてブルームウィッチを見据えた。
「けじめを付けさせてもらうよ。――僕自身の、選択の」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV2が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
――農園は完全に破壊され、知恵ある植物の種は畑には一つも残っていない。あとはブルームウィッチを倒せば、この畑でこれ以上、新たな知恵ある植物が誕生することはないだろう。
救出した人々はみな畑の隅に運ばれており、戦いに巻き込む心配はない。
また、集落に向かったディアボロスたちも、救援機動力を用いればすぐにこの場に駆けつけることが出来る。
「ディアボロス……どうしてここに……? ――アルルーナ、アルルーナたちは!?」
無論、ブルームウィッチの声に答えられるアルルーナはこの場にはひとりもなく。
困惑した様子で呟くブルームウィッチに向けられるのは、怒りに満ちた復讐者たちの眼差しだけだった。
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
貴方がこの農園の主ですね
言いたいことは数多くありますが、おそらくどんな言葉を並べようと本当の意味では伝わらないのでしょう
ならば、迷いません
人に仇為すフローラリアは排除するまでです
宙に展開した鍵盤で「嵐」を演奏
周囲の砂礫を巻き上げ荒れ狂う幻想の嵐を喚び
ブルームウィッチの花弁も嵐で散らさんと猛り唸ります
命中アップとダメージアップの加護も纏わせ、果敢に攻めましょう
万が一にも逃さぬように、仲間とブルームウィッチを囲むように布陣
仲間の攻撃タイミングに合わせ、対角線上に位置取り挟撃
相手の注意を撹乱し、仲間の作った隙があればすかさず強烈な一撃をお見舞いして差し上げましょう
反撃の鞭には魔力障壁を展開して凌ぎ
味方へのW攻撃もディフェンスに入り、反転攻勢に出ます
負傷は必要経費
指が動く限り演奏を続け、早く戦いを終わらせる事を優先します
人をエネルギーの材料として扱うのは、フローラリアに限った話ではありませんが
やはり、やるせませんね…
貴方達が再び妖精郷を抱く日は来ません
夢は夢のままに消えてください
四葩・ショウ
……ああ、奇遇だね、レディ
わたしも今、おなじ気持ちだよ
困ったように微笑んでみせる、けど
ゆるさない、ゆるせない
こんなこと
肥料となることを強いられたかれらの
手の温もりがまだ残るから
敵の背後側に回り込むように駆けて
退路を断つ位置取りを意識する
時には、吹き飛ばされた仲間の穴を埋めるように動いて
繰り返させるわけにはいかないんだ、だから
逃がさない
仲間の動きに合わせ、連携を意識しながら動き
敵の注意をひいて仲間がつくってくれたチャンスは
かならず掴んでみせよう
胸からひき抜いた水の武器、いたみの花を投擲する
仲間をディフェンスして
すこしでも嵩む負担を減らしていきたい
吹き飛ばされたとしても
何度でも立ちはだかってみせる
だって、
かれらのくるしみに比べたら
かれらのいたみに比べたら──
こみ上げる熱にまなじりを拭って、ちからに変えて
知恵ある植物を生み出す行いを
よろこばしいことだと、彼女は言うのかな
でも
わたしはそうは思わない
人びとのいのちを犠牲にして
貴女達がはぐくんだ
種を芽吹かせるわけには、いかないんだ
「……ああ、奇遇だね、レディ。わたしも今、おなじ気持ちだよ」
どうしてフローラリアがこんなところにいるのか、と。
四葩・ショウ(Rupert's Drop・g00878)は困ったように微笑んでみせる、けれど。
柔らかな紅の双眸に燈るのは、揺るがぬ怒り。
手のひらにまだ残る、生きた肥料となることを強いられた彼らの手の確かなぬくもりを、握り締めて。
「――ゆるさない、ゆるせない。……こんな、こと」
ショウは真っ直ぐに緑の魔女――ブルームウィッチを見据えて紡ぐ。
「貴方がこの農園の主ですね。言いたいことは数多くありますが……」
ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)はそう言いかけて、続く言葉を呑み込んだ。
きっと、どんな言葉を並べようとも、“本当の意味”では伝わらないだろうとわかっていた。
人をエネルギーの材料として扱うのは、何もフローラリアに限った話ではないけれど。
《七曜の戦》で断片の王やジェネラル級たちを、そして妖精郷そのものを失ってもなお、同じことを繰り返そうとしている――そこに何の疑問も抱かぬフローラリアたちを見るのは、少し遣る瀬無くもあって。
だが、どこまで行っても理解り合えぬのは同じこと。
故にソレイユは迷いを捨て、夜空と黄昏の双眸に静謐な怒りを湛えながら電子の鍵盤を宙に展開させる。
「人に仇為すフローラリアは、排除するまでです」
瞬く間に始まり、巡ってゆく逆説連鎖戦。
透き通る鍵盤に指を滑らせ、ソレイユが奏でるは幻想ソナタ「嵐」(テンペスト)。
軽やかに弾んだ始まりの音はすぐに激しさを帯びて響き渡り――叩きつけるような無窮動の旋律に乗せて湧き起こる幻想の嵐が、周囲の砂礫を巻き上げながらブルームウィッチへと迫る。
重ねた残留効果の加護によりいっそう力を増して猛り唸る音の嵐は、彼女の花さえも散らすかのように荒れ狂う――けれど。
対する魔女も棘帯びた鞭を振るい、強烈な魔法の風を引き起こした。
ともすれば逆に呑み込まれてしまってもおかしくはないだろう。
けれどソレイユは動じることなく、ただ指先に力を籠めて電子の鍵盤を叩き続ける。
「力比べと行きましょうか」
二つの嵐が真正面からぶつかり合い、衝撃が双方へ襲いかかる。
手応えを感じると同時にソレイユは魔力衝撃を展開しながらも、抑えきれぬ風の勢いを受け流すように後方へ飛翔した。
入れ替わるように飛び出したショウが、ソレイユの対角線上からブルームウィッチとの距離を詰める。
生き埋めにされていた人々にとっては、ブルームウィッチの姿そのものが恐ろしいことだろう。
だから、一刻も早く戦いを終わらせたい。そう思うのは、ソレイユもショウも同じ。
今この瞬間も怯え、震えている彼らの苦しみや痛みを想えば想うほどに、胸が震えるばかりで。
そうして、眦に込み上げてくる熱を指先で拭い、ショウは秘めたるちからを解き放った。
「繰り返させるわけにはいかないんだ、だから。――逃がさない」
“いたみ”の涙を根に咲く儚くも凛々しき花の剣が、緑の魔女へ深々と突き刺さる。
「……どうして、止めようとするの?」
パラドクスが交錯する刹那。
唸る刃の風を巻き起こしながら、ブルームウィッチは、ただただ困惑していた。
「使い道も力もないただの人間を、わざわざ手間をかけて知恵ある植物にしてあげているのよ。私たちの慈悲深さが、どうしてわからないの
……!?」
魔女が放った反撃の竜巻が、ショウのからだを攫う。
吹き荒れる風の刃に吹き飛ばされ、身を斬り裂かれても、ショウはすぐに立ち上がり、真っ直ぐに魔女を見据える。
「――そう、それがあなたたちの考えかたなんだね」
フローラリアたちは本当に、心からそう思っているのだろう。
知恵ある植物を生み出す自分たちの行いは、力なき人々への慈悲である、と。
「ただ何もせず待っているだけで知恵ある植物になれるのよ。弱い人間たちにとっては幸せなことじゃない。そうでしょう?」
人々が抱く、苦しみや痛み。それは、フローラリアたちには決してわからないものなのだ。
「……わたしは、そうは思わないよ。それが人びとにとってのしあわせだとは、思えない」
刻まれた傷は痛むけれど、人々が抱く苦しみや痛みに比べればどうということはないと、こころの裡で燃え上がる怒りで押し込めて。
ショウは毅然と答えながら、魔女の逃げ道を塞ぐように、素早く背後に回り込む。
「人びとのいのちを犠牲にして、貴女たちがはぐくんだ種を芽吹かせるわけには――いかないんだ」
溢れる悲しみのしずくを、力に変えて。
再び咲いたヘンルーダの花の剣が、ブルームウィッチを貫いた直後。
「……貴方たちが再び妖精郷を抱く日は来ません」
ソレイユの怒りを乗せた旋律が嵐そのものとなり、さながら共に戦う仲間たちへの追い風のように駆け抜けていく。
「夢は夢のままに、消えてください」
演奏する指を止めぬまま、ソレイユはただ――静かに告げた。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【イルカ変身】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
風花・波那
駆けつけて到着すると同時に、ブルームウィッチに花守の氷剣を指し向け。
花焔!
いや、隙だらけだったから。
そんなに困惑すること無いよ。ほんの数分もすればまたアルルーナに会えるよ。
地獄でね!!!
ダッシュで敵に向かいながらも動きはよく観察。……ブルームウィッチの技ももう何度見たことか。
攻撃はエアライドで狙いを外しながら、斬撃で切り払うように受け弾くよ。
近づいたらもう一発。花焔!!
っと。もうちょっと冷静にならないと……。仲間と連携して戦うよ。
とはいえこのまま暴走してるように見せるのもありかな。
もう一発、花焔!……と見せかけたフェイントで剣を思い切り投擲して敵の重心を崩す。
敵を挟んで仲間の位置と対照になるように移動し常に敵を挟むよ。
こっち向いてるときは花焔を打つフリや斬撃による牽制。
こっち向いてない時には花焔で攻撃。
別に剣が手元に無くても出来るからね〜。
隙あらば剣を拾っておく。
ソロモン諸島を新たな妖精郷にしたいんだっけ。夢が大きくていいと思うよ。やってみたら?
その夢が咲く前に、何度でも斬ってやるから。
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
思い返すのは死体の山、その顔
突き付けられた現実は
呪いを掛けられたあの日に全てが終わったのだと教えてくれるようで
うん、わかりやすくて良い
赤の瞳は闘志に燃える
それで。きみはどこの所属だったのかな
ダグザか、ブイか、スクーグスローか。それとも……
装飾の赤が映える決断的な所作。穂先を敵へ突き付ける
その構えは、フローラリアなら見たことがあるかもしれないね
学べるくらいには、何度も槍を打ち合わせたから
彼らの後を追わせてあげるよ
攻撃しやすい位置へ布陣。戦況を見据え、ディフェンスの気を配りつつ
差し込む隙を見定めれば
ジェネラル級か、それ以上が居る所じゃないとあんまし使わないんだけど
今回は特別。決戦兵器Ⅰ号(ファルス・ワン)、伝承、5種開放
厳かな呟きに応じ、構えた槍頭の眼がぎらりと輝き
穂先より剣呑なオーラが漲る
土が爆ぜ飛ぶほどに踏み込む【ダッシュ】を以て
刺し貫く!禍えり裂く赤棘の槍(ゲイ・ボルグ)ッ!
必殺の槍撃を放つ!
反撃に際しては退くでもでも躱すでもなく突っ切る
臆せばそれだけ蝕まれるから
「――魔を吸い燃え咲け! 花焔!!」
救援機動力で駆けつけると同時、風花・波那(夢詠の花果・g00593)は花守の氷剣を突きつけながらパラドクスを解き放った。
ブルームウィッチへと触れた氷の蒼花が、魔力と血を吸い上げて赤く咲き誇る。
その花は、まるで怒りを燈して咲いたようでもあった。
「くっ……!」
波那の不意打ちじみた攻撃を受けながらも、ブルームウィッチは棘付きの鞭をしなやかに振るって強烈な魔法の風を巻き起こした。
攻撃を仕掛けたのだから反撃が来るのは承知の上。
すぐさま高く跳び上がった波那は空中を強く蹴りつけて突風の直撃から逃れ、ブルームウィッチの背後へ降り立った。
「そんなに困惑することないよ。ほんの数分もすればまたアルルーナに会えるから」
剣を真っ直ぐに構えながら、燃え滾る怒りのままに波那は叫ぶ。
「――地獄でね!!!」
巡る逆説連鎖戦。
思い返すのは死体の山と、彼らの顔。
願いも想いも届かぬものと突き付けられた現実は、呪いを掛けられたあの日にすべてが終わったのだと、教えてくれるようだった。
「……うん、わかりやすくて良い」
ならば、やることはシンプルだ。
目の前にクロノヴェーダが居るのなら、ディアボロスがやるべきことはひとつしかない。
深紅の双眸に闘志を燃やしながら、ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は“魔槍”をくるりと回し、ブルームウィッチに問いかける。
「それで。きみはどこの所属だったのかな? ダグザか、ブイか、スクーグスローか……」
――それとも、と。
今は亡きものたちの名を紡ぎながら穂先を真っ直ぐに突き付けるその構えは、“魔槍”の赤がより映える決断的な所作。
何度も槍を打ち合わせ、そして学び取った――いつかの光景を、その先にいた気高くも美しき“彼女”を思い返しながらブルームウィッチを見やれば、その表情が僅か強張ったように見えた。
「元はと言えば、お前たちが
……!!」
「おっと、お気に召さなかったかな?」
元より答えは求めていなかったし、目の前のブルームウィッチがどうであれ、倒すことに変わりはない。
だから、ロキシアはただ、淡々と告げるだけ。
「すぐに彼らの後を追わせてあげるよ」
仲間たちの攻撃が繋がり、重ねられてゆく中、波那も牽制と攻撃を重ねていく。
緑色に輝く魔力の弾丸、全身に咲く花から放たれる呪毒を帯びた花粉、そして、鞭を振るうことで起こる強烈な魔法の風。
もう何度見たかわからないブルームウィッチの攻撃だが、だからと言って油断をするつもりは毛頭ない。
(「っと。もうちょっと冷静にならないと……」)
千切りにしたって足りないのは、ブルームウィッチが相手でも変わらないけれど――。
ひとつ呼吸を挟み、波那はブルームウィッチと、そして仲間たちの動きに気を配りながら更に踏み込んでいく。
「ソロモン諸島を新たな妖精郷にしたいんだっけ。夢が大きくていいと思うよ。やってみたら? その夢が咲く前に、何度でも斬ってやるから!」
そうして、波那が思いっきり投げつけた花守の氷剣が、ブルームウィッチの身体を掠めながら地面に突き刺さる。
「もう一発行くよ、花焔! 別に剣が手元になくたって使えるんだから!!」
流星のように尾を引いた煌めきにブルームウィッチが気を取られた一瞬を逃さず、波那は再び蒼い氷花を解き放った。
「ディアボロス……!! どこまでも我らの邪魔をして――!!」
怒りに満ちたブルームウィッチの声。
すぐさま放たれた反撃の強烈な竜巻が、波那を一息に呑み込んだ。
「するわよ、当たり前でしょ!!」
けれどすぐに残留効果を手繰って飛翔し風の勢いを受け流した波那は、そのまま地を滑るように転がった剣を拾い上げて再びブルームウィッチの後方に回り込む。
――刹那の攻防。交錯するパラドクス。
間を置かず放たれた呪毒の花粉の幕を臆することなく突っ切って、土が爆ぜ飛ぶほどに力強く踏み込んだロキシアが空間を超えて肉薄する。
「そりゃあ、そうだよね。だって僕らはディアボロスだもの。――今回は特別に、これで送ってあげるよ」
それは、言わばロキシアのとっておきのパラドクスだ。
目の前に居るのは、言ってしまえば単なるアヴァタール級に過ぎない。
本来であればジェネラル級やそれ以上――そういった相手を前に使う技だけれど、ロキシアは敢えてこのパラドクスを使うことを選んだ。
「決戦兵器Ⅰ号(ファルス・ワン)、伝承、五種開放――」
厳かに紡がれた音に応えるように、構えた“魔槍”の穂に刻まれた眼がぎらりと輝く。
「――刺し貫く! 禍えり裂く赤棘の槍(ゲイ・ボルグ)ッ!」
穂先より迸る剣呑なオーラ。一接ぎのち滾る怒りを乗せて咲き誇るは、紅い花。
機能を開放した“魔槍”による――必殺の一撃が、ブルームウィッチを深々と穿つ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
花喰・小鳥
「彼女たちは来ません」
名乗る必要はなく、言葉をかわす理由もない
5.56ミリオートの銃声が挨拶の代わりになる
銃撃を加えながら【ダッシュ】して敵に肉薄する
前に出て敵を惹きつける
「攻撃は任せます」
味方には私より強い、ロキシアやソレイユたちがいる
彼らに任せておけば間違いはないでしょう
味方を【ディフェンスする】
タンク役に徹して、防御は致命傷を避ければそれで問題ありません
どのみちあの弾丸を避けるのは難しい
ならば覚悟を決めて受け止めるだけ
距離を詰めた後は銃を捨て剣を抜いて戦います
フローラリアに怒りを覚える人たちもいるが、私はいつも以上に冷静だった
良くも悪くもこの世は弱肉強食
人間だって動植物を自分たちの都合で飼育している
クロノヴェーダが人間をそうするのは力があるから、それだけだと思います
そこに大きな違いは感じない
だとしても、大人しく殺される理由はありませんから
敵の意識が味方に向く瞬間、防戦に徹して生じた心理の死角を突く
【殲滅】を発動
「私には殺す力がないと思いましたか?」
言葉は滅ぼした後に
「さようなら」
シル・ウィンディア
出てきたね、魔女さん。
今日のわたしはちょっぴり過激だからね。
抑えられる自信はないから、この感情を。
…絶対に許さないよ。
静かな怒りを胸に、でも、頭は冷静に動くよ。
左手に創世の光剣をもって構えてから…。
そのまま、魔女へ向かって走っていくよ。
蔦は荊で攻撃されたら、剣で切り払いつつ、そのままスピードを緩めずに向かっていくね。
近接戦闘の間合いに入るタイミングで、急にバックステップを行って間合いをずらしていくよ。
ちょっとした動作での撹乱で敵の隙を作るよ。
みんななら、この隙を生かしてくれると思うからっ!
バックステップから着地後、そのまま敵の横に回りつつ高速詠唱を開始。
味方の攻撃で、わたしから少しでも意識を逸らしたら、大きいのを一発行くよっ!!
全力魔法の九芒星精霊収束砲で撃ち抜いていくよっ!
…わたしの怒りを込めた一撃、遠慮せずに持っていけーっ!!
ディフェンス可能な味方がいれば積極的に行っていくよ。
そして、反撃もしっかりと、だね
戦闘が終わったら、剣を収めるね。
…これで終わったかな。
「誰か……ッ、アルルーナ、どこにいるの!!」
血潮を迸らせながら、ブルームウィッチは叫ぶ。
「――彼女たちは来ません」
ブルームウィッチの悲痛な声に、花喰・小鳥(空虚のルサールカ・g01304)は淡々と答え――。
挨拶代わりに5.56ミリオートの銃声を響かせた。
名乗る必要も、言葉を交わす理由もない。
倒すべき敵ならば、倒すだけだ。
「攻撃は任せます」
信を置く仲間たちへそう告げるや否や、駆け出した小鳥は銃撃を加えながら一気にブルームウィッチとの距離を詰める。
そのまま銃を捨てて剣を抜き、放たれた緑の弾丸を真正面から受け止めた。
この弾丸を避けるのは難しい。そう判断したからこそ、小鳥はただ覚悟を決めて仲間たちの盾となることを選んだ。
致命傷だけを避けられれば問題ないと、多少の傷は気にすることなく理性の刃を振り翳す。
「……絶対に、許さないよ」
ブルームウィッチを見据え、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術士・g01415)はただ一言、そう告げた。
シルの胸を、静かに灼く怒り。
復讐者として怒りを抱いてパラドクストレインに乗るのはいつものことだけれど、今シルが抱いているそれは、常よりも激しさを帯びて燃え上がっていた。
フローラリアによって命を奪われた無辜の人々の、声なき嘆きがそうさせるのか。
あるいは、フローラリアたちの悪意なき残虐な行いそのものが、そうさせるのか。
――きっと、その両方だ。
怒りに滾る心のままに、けれど冷静さを欠くことはなく。
左手に構えた創世の光剣の刃を閃かせながら、シルはブルームウィッチの元へ駆ける。
パラドクスが交錯せんとする刹那。
その一瞬で肉薄すると見せかけて、シルは大きく後方へ飛び退った。
「……ッ!」
撹乱を狙った刹那の、さらに一瞬。
ブルームウィッチが目を見開いたその瞬間を逃さず、真白の肌に血を滲ませながら守りに徹していた小鳥が、不意に口を開く。
「私には、殺す力がないと思いましたか?」
静謐に澄んだ赤き双眸は、ただ静かに凪いでいた。
共に戦う仲間たちはみな、フローラリアに怒りを覚えている。
対する小鳥も、戦うための理由たるディアボロスとしての怒りを感じてはいながらも、いつも以上に冷静だという自覚を抱いていた。
――良くも悪くも、この世は弱肉強食。
人間だって動植物を自分たちの都合で飼育しているのだし、クロノヴェーダが人間をそうするのは力があるから、ただそれだけだと思うのだ。
小鳥はそこに大きな違いを感じない。
現にこの世界だって、力あるものたちによって奪われ、今もなお奪い合っているのだから。
けれど――。
「だとしても、大人しく殺される理由はありませんから」
淡々とそう告げながら、有形無形の畏れを纏い、理性を刃に乗せて。
「――さようなら」
滅びを呼ぶ言葉と共に小鳥は小夜啼鳥の名を冠する片刃の両手剣を一閃させ、無慈悲な一撃を刻む。
復讐者たちの猛攻を浴びたブルームウィッチが、その場に膝をついた。
「裏切り者のディアボロスなどに、これ以上、邪魔をされるわけには……!」
うわ言のように呟きながらなおも立ち上がろうとする魔女の横合いへ回り込み、シルは高速詠唱を開始する。
「世界を司る六界の精霊たちよ、宇宙に煌めく月星の欠片よ、過去と未来を繋ぐ時よ――」
火・水・風・土・光・闇の六属性の精霊たちの力を六芒星と成し、更に時の力を重ねて七芒星の輝きが生まれ――そして、月と星の魔力が交わることで輝き放つは九芒星。
詠唱と共にシルの背に、膨大なエネルギーの反動を抑えるための大きな一対の光の翼が広がっていく。
そうして、輝ける翼を羽ばたかせながら。
「――集いて虹の輝きとなり、すべてを撃ち抜きし光となれっ!!」
シルは、束ねた力の全てを解き放った。
虹色の光の超高出力型砲撃魔法――九芒星精霊収束砲(エニアドライブ・エレメンタル・ブラスト)の輝きが、ブルームウィッチを呑み込んでいく。
「いやあああああッ――!!」
「……これで、終わったかな」
鮮烈な輝きが爆ぜたのは、一瞬のこと。
虹色の光が尾を引いて消え去った後には何も残らず、小さく息をついたシルは――静かに剣を収めた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
かくして、フローラリアの脅威は消え去った。
救出した人々も、ディアボロスたちの懸命な看護と活性治癒の力のおかげで、ディアボロスたちがこの地を去る頃には自力で動けるようになるはずだ。
だが、この地を去る前に、ディアボロスたちがすべきことはもう少しだけ残っている。
畑の隅に無造作に積まれた、干からびた亡骸。
各々のやり方で彼らを弔い、魂の安寧を祈ってほしい。
手向けた想いは、きっと、届くはずだ。
そして、望むならばもうひとつ。
畑から先に、森の奥へと続く道が伸びている。
そこに行けば、生まれたばかりの知恵ある植物たちを見つけることが出来るだろう。
世界を知らぬ無垢な彼らは、まだ、人に害をなせるような存在ではない。
それでも、彼らがフローラリアの蕾であることに違いはない。
もしかしたら、いつか世界の脅威となりうるかもしれないその芽を今この場で摘むか摘まないかは、ディアボロスたちの手に委ねられている。
花喰・小鳥
犠牲者を埋葬する穴を掘ります
力仕事全般を黙々とこなしていきます
棺に遺体を納めると、ヨキが花を咥えてやってきました
「ありがとうございます。もっとたくさん入れましょうか。少しは寂しくなくなりそうです」
群生地はすぐ近くにあって花を摘みます
この花の名前は何というのか、花言葉もわかりませんが、手向けにはなるでしょう
「あなたにも」
ヨキに花冠を編んで頭に乗せます
ヨキはくねくねして、どうやら照れているようですが、喜んでくれたならよかった
「壊したり殺したり、それしかできなかったですね」
たとえば兄さんならどうしただろう?
助けた人たちを励ましたり勇気づけたり、きっと私よりずっと力になったと思う
できることをやるしかないとは理解している
「空っぽのはずの私でも寂しさを感じます」
花を抱えて戻れば、無数の墓が並ぶ光景
助けられたひとはいる
けど、そうじゃなかった人たちもいて、それを思い知らされる
棺にっぷりと花を敷き詰めて蓋をして、土に埋めていく
最後に墓跡の前にヨキが花を備えると私は祈りを捧げた
せめて安らかに
花喰・小鳥(空虚のルサールカ・g01304)はただ黙々と穴を掘り、亡骸を納めていく。
戦火から逃れた難民たちが暮らすこの島に棺と呼べるものはなく、直接土に埋めなければならないのは少しもどかしくもあったけれど、仕方がない。
白く華奢な腕なれど、力はある。
それは、ディアボロスとして目覚めたことが切っ掛けで得た力だ。
世界が奪われた時に失ったものは、決して少なくはない。
だが、同時にこうして得た力を、誰かのために用いることが出来る。
きっと、それは幸運なことなのだろう――。
「きゅ……」
取り留めもない思考を泳がせていたら、モーラット・コミュのヨキが、どこかで見つけてきたらしい花を咥えてやってきた。
ヨキの表情はいつもよりもどこか悲しげに見えて、死者を悼む気持ちが伝わってくるようだった。
「ありがとうございます。もっとたくさん入れましょうか。少しは寂しくなくなりそうです」
「きゅ!」
すると、ヨキが小鳥を招くようにふわりとどこかへ飛んでいく。
導かれるままについていくと、そこには、ヨキが摘んできた花が一面に咲いていた。
群生地なのだろう。名も花言葉もわからぬ可憐な花だが、犠牲になった人々への手向けにとヨキは思ったのかもしれない。
意気揚々と花を摘み始めたヨキを見やり、小鳥もまた、そっと花々へ手を伸ばす。
けれど、ただ摘むだけではなく、小鳥は花たちを束ね花冠を編んで――。
「……あなたにも」
「きゅ?」
そうして、ヨキの頭にふわりと乗せてやった。
「お似合いですよ」
「きゅ~……」
ヨキはくねくねと動きながら、くるくるとその場で回ったりもして――。
どうやら照れているようだが、喜んでくれているらしいことは十分に伝わってくる。
「よかった」
そうして再び、小鳥は咲く花に手を伸ばした。
さわさわとそよぐ風が、頬を撫でていく。
「壊したり殺したり、それしかできなかったですね」
ふと、小鳥はぽつりと零し、瞼の裏に浮かぶ面影を結んだ。
――例えば、“兄”ならばどうしていただろうか。
きっと、人々を助けるために躊躇うことなく駆け出して、手を伸ばしていただろう。
それだけでなく、助けた彼らを励まし、あるいは勇気づけて――小鳥には出来なかったことを、当たり前のようにやっていたはずだ。
だが、兄は兄で、小鳥は小鳥だ。
出来ることをやるしかないとは理解しているし、今回の作戦だってそうすることは決して間違いではなかった。
けれど――もしも、兄のように振る舞うことが出来ていたら。
ただ敵を殺すだけではなく、人々へ手を差し伸べることが出来ていたら。
その先に残るものは、少しだけ違っていたかもしれない。
「きゅ……?」
不思議そうに見つめてくるヨキをそっと撫でながら、小鳥は小さく息をつく。
「空っぽのはずの私でも、寂しさを感じます」
花を抱えて戻れば、自分と、そして仲間たちの手によって作られたたくさんの墓が並んでいて。
自力で動けるようになった人々はみな肩を寄せ合って祈り、あるいは涙を流していた。
――助けることが出来た人々。
そして、助けることが、出来なかった人々。
時としてディアボロスにも守れないものがあるのだと、思い知らされるようだった。
亡骸の周りにたっぷりと花を敷き詰め、土で埋めて。
(「――せめて、安らかに」)
そうして、最後にヨキが花を供えるのを見届けてから、小鳥は静かに祈りを捧げた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
シル・ウィンディア
…犠牲になった人たち、このままにしておくわけにはいかないよね。
せめて、お墓だけでも作って埋葬してあげたいよね。
シャベルがあればいいんだけど…
無ければ、世界樹の翼をtype.Bにチェンジさせてから…
広い場所を探して、誘導弾を地面に向けて撃っていくよ。
ちょっと手荒いけど、これで穴を掘っていけば時間も短縮できるかな。
あとは、亡骸を丁寧に埋葬していくだけだね。
埋葬が終わったら…。
静かに、鎮魂歌のようにSylphide Blessを歌い上げるよ。
…さて、あと一つやらないといけないことがあるね。
知恵のある植物…。
生まれが人の命っていうのが少し心に刺さるけど。
でも、あなた達がこの先の脅威になるかもしれないのなら…
摘ませてもらうよ、その命。
クロノヴェーダでも無抵抗の相手にはやっぱり心にくるものがあるね。
…Sylphide Blessを歌い上げ、創世の光剣で蕾を薙いで行くね。
知恵のある植物の蕾と共に、犠牲になった人たちに向けて…
この歌が、あなた達への鎮魂歌。
せめて、安らかに眠ってね…。
フローラリアの、悪意のない残虐な行い。
それによって命を奪われた人々に、自分たちが出来ることといったら――これくらいしかなくて。
(「せめて、お墓だけでも作って……埋葬してあげたいよね」)
亡骸をそのままにしてはおけないと、思ったのは皆同じで。
シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術士・g01415)は皆と共に手分けをしながら、シャベルを使って土を掘り返していく。
すっかり乾涸びてしまった亡骸をひとりずつ運び、丁寧に埋葬して。
それから、シルは静かに、Sylphide Blessを歌い上げる。
祈りを籠めた澄んだ歌声が重なり、風に乗って響き渡っていく。
救うことは叶わなかったけれど、せめて彼らが少しでも、安らかに、穏やかに――眠れるように。
「……さて」
葬送の時間を終えたシルは、静かに視線を巡らせる。
ディアボロスとして、あとひとつ、この地を去る前にやらなければならないことがあった。
シルは神妙な面持ちで、ゆっくりと、森の奥へと続く道を辿っていく。
その、先には――。
「知恵のある、植物か……」
知恵ある植物たちは森の奥に散らばり、何かを命じられているわけでもなく、各々好きなように過ごしているのだろう。
いくつも枝分かれした道の先で見つけた彼らは、無邪気に笑いながら無垢な眼差しでシルを見つめてくる。
フローラリアではない、見知らぬ存在であるはずのシルが近づいても、まるで警戒されていないようだった。
数が増えればあとは自然に繁殖していくという彼らだけれど、この地で始まった彼らはみな、人の命を糧として生まれたものたちだ。
そう思えば少しだけ、心に刺さるものがあるけれど。
彼らが、フローラリアによって生み出されたいのちであることに、変わりはない。
だから――。
「あなたたちがこの先の脅威になるかもしれないのなら……摘ませてもらうよ、その命」
そうして、シルは大きく息を吸い込んだ。
吹き抜ける風を感じながら、シルは再びSylphide Blessを歌い上げて。
左手に持った創世の光剣で、蕾を薙いでいく。
きっと、彼らは何も知らぬまま。
でも、これでいい。
いつかの未来で世界の脅威となるよりは、ずっと――。
(「……この歌が、あなたたちへの鎮魂歌」)
シルの澄んだ歌声が、響く。
願いを、祈りを、想いを籠めて、シルは歌い続ける。
己が生まれた意味を知らぬまま消えていった知恵ある植物の蕾と、そして、フローラリアによって命を奪われた人々への鎮魂歌を。
(「どうか、安らかに眠ってね……」)
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
風花・波那
埋葬のために一心不乱に穴を掘り続ける。汗も拭わずただひたすらに。
私がもっと強ければ……。
フローラリアを全て倒していれば……。
もう少し早く来ていれば……。
自責の念が胸から離れない。
強くならなきゃ。
誓いのような清々しい気持ちではなく、無念が渦巻くような気持ち。
本当に、ごめんね……。
宗教的なことは分からないから、花を一輪添えて埋葬。
せめて親しかった人同士近くに埋めてあげたい。何でもいいから、手がかりはないかな?
お揃いの指輪とか、残ってる装飾とかないかな……。
天国があるのなら、幸せになってほしい。生まれ変わってほしい。
何もできなかった私には願う資格はないけれど……。
一通り埋葬を終えたら、やり残したことをやるよ。
知恵ある植物を全部斬る。
当たり一面を走り抜けながら剣を振り続ける。
お前たちはもう、生まれ変わるな!
文字通り、根こそぎ斬る。
土をえぐって剣や腕に負担があろうが痛もうが、徹底的に。
二度と花を咲かせないように。
涙がずっと止まらない。
……まあ、いいか。
この涙も植物を枯らしてくれるかもしれないから。
――ざくり、と。
スコップが地面に突き刺さる音に、心までも抉られたような気がした。
風花・波那(夢詠の花果・g00593)は脇目も振らずただ一心不乱に、流れる汗を拭うこともなく、身体が土で汚れるのも構わず、ひたすらに穴を掘り続けていた。
胸の裡には、自責の念が渦巻くばかりで。
(「……私が、もっと強ければ」)
あの時、フローラリアをすべて倒していれば。
――もう少し早く、来ていれば。
この結末を変えることが、出来ていたかもしれない。
仕方がなかったのだと割り切ることなど、出来るはずもない。
そもそもフローラリアさえいなければ、このようなことにはならなかったはずなのだから。
(「強く、ならなきゃ――」)
唇を強く噛み締めながらる自分自身に言い聞かせたそれは、誓いのような清々しいものではなく。
胸の奥から今この瞬間も溢れてやまぬ無念と後悔が、そうさせたものだった。
せめて親しかった人同士は近くに埋めてあげたいと思いながら、波那は手掛かりを探す。
すると、お揃いの指輪を着けている男女の亡骸を見つけることが出来た。
恋人同士だろうか、それとも夫婦だろうか。だとしたら――子どもがいるかもしれない。
考えれば考えるほどに込み上げてくる想いを今は呑み込んで、波那は二人の亡骸をそっと並べて横たえる。
顔も名前もわからない、乾涸びた亡骸。その姿を、目に焼き付けるように見つめて。
「本当に、ごめんね……」
波那は震える声で謝罪を紡ぎ、花を一輪添えて埋葬した。
もしも、この奪われた歴史の世界にも天国があるのなら、どうか二人で幸せになってほしい。
もしも来世があるのなら、二人一緒に生まれ変わってほしい。
(「何も出来なかった私には、願う資格なんてないけれど……」)
それでも、願わずにはいられなかった。
埋葬と、そして祈りの時間を終えて立ち上がった波那は、剣を手に駆け出した。
やり残したことを、――やらなければならないことを、やるために。
森の奥へと繋がる小路を駆けていけば、すぐに、知恵ある植物たちの群れが見つかった。
どれくらいいるのかわからないけれど、やることに変わりはなかった。
――すべてを、斬る。
波那は迷わず剣を振るい、彼らを斬り捨てる。
生まれたばかりの彼らは何も知らぬまま――きっと、自分に何が起きたかさえわからぬままに、散っていく。
「お前たちはもう、生まれ変わるな!」
彼らがもう二度と、芽吹くことがないように。
二度と、悪意なき邪悪なる花となって咲くことがないように。
渾身の力を籠めて、土を抉るように。
剣が傷み、腕が痛んでも構わず、徹底的に。
波那は森を駆け抜けながら、目についた彼らを文字通り、根こそぎ斬っていった。
いつしか、頬を伝うものが汗ではなく涙だと気づいたけれど、波那は拭うことなく剣を振るい続ける。
もしかしたら、この涙も。
彼らを枯らす力になるかもしれないから――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
助けるために掘り出して、今度は弔うために埋める
無力感を紛らわすには、力仕事はちょうどいい
再びMoon-Childでの両腕活性化を用い作業を進めて
……えっと、何か……
彼らに手向けるものを用意するなら【アイテムポケット】が役立つかな
新宿島から持ってこよう
僕からは竹筒や革製品。自然に還る水筒に、水を詰めて
お待たせしました、と誰に言うでもなく
自己満足かもしれないね
でも。感傷こそが人を人たらしめる。新宿島に来てから学んだ言葉
それで悩むこと、苦しむこともあるけれど
敵と同じにならないためにも大事だと思ってるから、さ
両の手を組み、静かに冥福を祈る
あとは。もうひとつ
知恵ある植物。世界樹でたくさん見て来た彼らの、
蕾か。赤子か。定義は大したことじゃあない
大事なのは、僕より幼いものを殺すということ
できる?
――たぶん。できるよ
静かに右手を挙げる
ナノマシン流体を骨肉として動く黒いテディベアたちが、
一斉に拳銃を構えて
きっと、今の僕は。皆には見せられない顔をしてる
振り下ろせば
弔銃代わりの発砲音が響く
――助けるために掘り出した穴を、今度は、弔うために埋める。
すべてを救うことは叶わないとわかっていたとは言え、手を伸ばすことさえ出来なかった無力感を紛らわすのに、力仕事はちょうどよかった。
活性化させたナノマシン流動体のMoon-Childで再び両腕の力を強化し、ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は黙々と作業を進めていく。
静かに過ぎていく、それぞれの祈りの時間。
この地で自分たちに出来ることはもう多くはないけれど、だからこそ、出来る限りのことをしたかった。
ロキシアが新宿島からアイテムポケットに詰めて持ってきたのは、竹筒や革製品。
いつか自然に還る水筒に水を詰めて、墓へと手向ける。
「……お待たせしました」
誰に言うでもなくぽつりと零した音を、頬を撫でるように通り過ぎた風が拾っていってくれたような気がした。
それからロキシアは両の手を組み、静かに、亡くなった人々の冥福を祈る。
浮かぶ想いはひとつではなく、そのどれもが静かに――漣のように、ロキシアの心を揺らしていく。
喪われた命を悼むというこの行為だって、もしかしたら、自己満足に過ぎないのかもしれない。
でも、こういった感傷こそが人を人たらしめるのだと、ロキシアは新宿島に来てから学んだのだ。
それで悩むことも、苦しむことも、時にはある。
ただ戦うだけならば、やはりこういったものは必要がないのではないかと、迷うことだってある。
怒りさえあれば復讐者は戦えるのだから、それ以外の一切を見て見ぬふりをして、ただ与えられた力を振るい、敵を屠れればそれで良いのかもしれない、とも。
けれど、――“人”で、あるために。
敵と、歴史を奪ったものたちと同じにならないためにも、大事だとも思うのだ。
(「あとは。もうひとつ」)
葬送を終えたロキシアは、誰にも気取られぬように、静かに森の奥へと向かう。
足音さえも忍ばせて進んでいけば――すぐに、“それ”は見つかった。
――知恵ある植物。
世界樹でたくさん見てきた“彼ら”の蕾、あるいは赤子と呼ぶべきものだろうか。
(「……いいや、定義は大したことじゃあない」)
生まれたばかりの彼らはロキシアを警戒する様子もなく、ただ無邪気に笑っている。それどころか、遊んでほしいとばかりにこちらへ近づいてくるものさえいた。
(「……できる?」)
世界を、己の定めすら知らぬ無垢な眼差しを見つめ、ロキシアは己に問いかける。
答えは、決まっていた。
「――たぶん。できるよ」
ロキシアは静かに右手を挙げる。
その合図に、知恵ある植物たちを包囲するように現れたナノマシン流体を骨肉として動く黒いテディベアたちが、一斉に拳銃を構える。
(「きっと、今の僕は……」)
皆には見せられない顔を、していることだろう。
そうして、ロキシアは手を振り下ろす。
一斉に響き渡った弔銃代わりの発砲音は、いつにも増して重く感じられるけれど。
それが見せる光景から目を逸らすことなく、ロキシアは、最期の瞬間まで見届けた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
ソレイユ・クラーヴィア
迎えに来るのが遅くなって、すいません
と、亡骸に声をかけ
彼らが安らかに眠れるように、墓を掘りましょう
持ち込んだスコップで、可能なら一人分ずつ墓穴を掘ります
アイテムポケットに新宿島の美しい花を詰め込めるだけ持ち込んで
亡骸の周囲と、墓標代わりに手向けます
救出した人々にも、故人とも別れを惜しみたい人もいるかもしれません
彼らに話を聞き、まだ動けない人には肩を貸して
祈りの手助けをしましょう
私も共に祈ります
彼らの魂の安寧と、幸福を
妖精郷で出会った知恵ある植物は
優しく賢く、エルフを守っていたけれど
その背後には亡骸の山が積み上げられていたなんて、悪い冗談のようで
弔い祈ることしかできない自分に悔しさが募る
こんな事を、繰り返させないように
前に進まなくては
埋葬が終われば、森の奥へ
宙に展開した鍵盤で「福音」を演奏
光の刃で知恵ある植物の雛を残らず刈り取ってしまいましょう
無垢な彼らに原罪を問うのは酷かもしれません
しかし成長を許せば、同じ事が繰り返される
許して欲しいとは望みません
罪も記憶も、全て背負いますから
「……迎えに来るのが遅くなって、すいません」
ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は静かに亡骸へ声をかけてから、スコップを手に立ち上がった。
フローラリアたちの犠牲となった彼らが安らかに眠れるように、この地で自分たちに出来る最後のことをするために。皆で手分けをし、一人分ずつ穴を掘っていく。
そうして、ひとりずつ亡骸を横たえながら、ソレイユは周囲に、アイテムポケットいっぱいに詰め込んできた新宿島の美しい花々を敷き詰めていった。
花は、墓標代わりにも手向けて。
それから、ソレイユは一度救出した人々のほうへと向かう。
「もし宜しければ、皆さんも一緒に見送りませんか?」
故人と縁の深い者や、別れを惜しみたい人もいるかもしれない。
そう考えたソレイユは彼らの話に耳を傾け、まだ動けない人には肩を貸しながら、祈りの手助けをした。
肩を寄せ合い、共に涙して。
犠牲者たちの冥福を祈る人々と共に、ソレイユもまた、静かに祈りを捧げる。
――彼らの魂の安寧と、そして、幸福を。
妖精郷で出逢った知恵ある植物は、みな優しく賢く、エルフたちを守り、共に生きていた。
けれど、その背後には誰かの亡骸の山が積み上げられていたなど――何という、悪い冗談であろうか。
どれほど悔いたとて、失われたいのちを取り戻すことは叶わない。
こうして弔い、祈ることしか出来ない己に、ソレイユは悔しさが募っていくのを感じていた。
「……ありがとうね、ディアボロスさん。こんなに良くしてくれて」
その時、不意に傍らの女性から声をかけられて、ソレイユは瞬いた。
「あたしらは大丈夫だよ。……生きてさえいればきっと、何とかなる」
お墓に備えられた花を優しく撫でながら、僅かに声を震わせて続ける女性に、ソレイユは唇を噛み締めてから、静かに答えを紡ぐ。
「……お礼を言うのは、こちらのほうです」
――このようなことを、繰り返させないためにも。
前に進まなければ、ならない。
埋葬を終えて、ソレイユもまた森の奥へと分け入っていく。
知恵ある植物たちは森のあちらこちらに散らばっているらしく、一つのところにすべてが居るわけではないようだった。
がさりと茂みが揺れる気配にそちらへ向かうと、そこには思っていた通り――知恵ある植物たちの姿があった。
ひとの命を糧に生まれた彼らは、みなあどけなく笑っていて。
元来人懐っこい性質なのだろう、警戒することなくソレイユの元に近づいてくる。
――無垢な彼らに、原罪を問うのは酷かもしれない。
だが、フローラリアの種とも言うべき彼らの成長を許せば、いずれまた同じことが繰り返されるだろう。
「許して欲しいとは望みません。罪も記憶も、全て背負いますから」
ソレイユは宙に電子の鍵盤を展開し、そっと指を置いた。
そうして奏でるは幻想ロンド「福音」――鐘が鳴るように弾む軽やかな音が忽ちの内に光の刃へと姿を変えて、知恵ある植物の雛たちを根こそぎ刈り取っていく。
それは、一瞬のこと。
彼らが何も苦しむことなく尽きたのが、はたして幸いなことだったかはわからない。
けれど、彼らのようないのちがまた生まれることのないように、ソレイユは祈りを籠めて福音の旋律を響かせた。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
四葩・ショウ
さかしまに時計の針を戻したって
過去には帰ることが出来ないように
掌からこぼれ落ちた命は
二度と戻ってこない
まだ動けないだろう人びとの分も
ひとりひとり、出来得る限り、手厚く葬りたい
教えて貰えそうなら、弔うひとの名前をきいて
やわらかく土を被せたなら
跪いて十字の祈りを
静かに過ごしたい仲間の
邪魔にならないよう気をつけながら
歌唱するのは聖歌
願うのは安寧
どうか、どうか──
やがて大地へと還る肉体が
解き放たれた魂が
思うままに、自由に
愛するもとの元へ帰れるように
かけがえのない場所へ還れるように
……ああ、それでも
どうしても過るのは
過って、しまうのは
間に合わなくて、
──……ごめんなさい
やるせなさは募るけれど
立ち上がって、歩きだす
やることはまだ、残っているんだ
知恵ある植物達の元へ向かう
いのちと引換えに生まれたとしても
やがて、クロノヴェーダへ至るのなら
……その前に、終わらせる
触媒の果実に口付けたなら
魔力のひかりで包みこむのは蕾を手折るため
無垢なるいのちを、すべて、奪うため
この罪さえ、背負ってみせるから
さぁ、おやすみ
――さかしまに時計の針を戻しても、過去に帰ることが出来ないように。
掌からこぼれ落ちたいのちは、二度と――戻っては来ない。
まだ動けない人びとの分も、出来得る限り手厚く葬りたい。そう思いながら、四葩・ショウ(Rupert's Drop・g00878)もまた仲間たちと共に穴を掘る。
復讐者たちが弔いのための穴を掘る姿を見守っていた人びとは、やがてひとり、またひとりと、動けるようになった者から立ち上がって――誰に言われるでもなく、同じように穴を掘り始めていた。
仲間と、助かった人びとと共に、埋葬も進めていく。
聴いた名前は、馴染み深い和風の響きを伴っていた。
ショウはまだ年端もゆかぬ少女の亡骸をそっと撫でてから、柔らかく土を被せる。
それから跪いて十字の祈りを捧げ、すっと息を吸い込んだ。
そうして、人びとの心に寄り添うように、ショウはいつだって傍にある聖歌を響かせる。
(「どうか、どうか――」)
いつか、流れ行く時の果てに大地へと還る肉体が、解き放たれた魂が。
思うままに、自由に――愛する人びとの元へ、帰れるように。
かけがえのない場所へ、還れるように。
そして、これからを生きる人びとが、これ以上――何も奪われることがないように。
安寧を願い、祈りを乗せて、ショウはただ歌う。
人びとは肩を寄せ合い、静かに涙を流しながら、ショウの澄んだ歌声に耳を傾けていた。
(「……ああ、」)
それでも、どうしても過る――過ぎってしまう想いに、ショウは、こころが軋むのを感じずにはいられなかった。
(「間に合わなくて、――……ごめんなさい」)
救えるいのちはみな救うことが出来たけれど、救えなかったいのちには、手を伸ばすことさえ出来なかった。
もしかしたら、もっと出来ることがあったのではないか。
助けてくれただけでなく、犠牲となった者たちの埋葬までしてくれたと、人びとはみなディアボロスたちに感謝こそすれども、責める者がいようはずもない。
――それでも。
悔やんでも悔やみきれぬ想いと募るばかりのやるせなさを抱いて、歌い終えたショウは静かに立ち上がった。
(「……やることはまだ、残っているんだ」)
それは、ディアボロスである自分たちにしか出来ないことだ。
――知恵ある植物たち。
森の奥の、少し開けた場所。ひだまりの中で心地良さそうに微睡んでいた彼らが、ショウの気配に起き上がる。
世界も、己の存在意義も未だ知らぬ、否、知る由もない、無垢なる存在。
たとえ、彼らが人びとのいのちと引き換えに生まれたのだとしても、やがてクロノヴェーダへと至るのならば――その前に、終わらせる。
花々が揺れる触媒の果実にくちづけて、ショウは白くやわらかな魔力のひかりを綻ばせる。
「……さぁ、おやすみ」
そうして、両手で掬い上げるように蕾を包み込んで、ひとつずつ、手折っていく。
二度と悪意なき悪しき花となって芽吹くことがないように、無垢なるいのちを奪い、枯らして――。
――この罪さえも、背負ってみせるから。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!