リプレイ
陳・桂菓
結婚か。私には縁のないものだが、いいものだな……って、まだ私もあきらめたわけではないのだが。
しかし、新たな夫婦、ひいては新たな命が生まれた後に『人類の未来が閉ざされました』では話にならんわけだ。
力を尽くさねばな。
農地の整備には【土壌改良】が役立つようだ。
元より穀類や果物の栽培が自慢の土地柄らしいが、元々の田畑の土を改良するだけでなく、新しく田畑を切り拓く必要もあるかもしれんな。
人間、何はなくとも飯がなければ生きてはいけん。どこもかしこも畑にしてしまうわけにはいかんが、後の人々の生活を思えば、食うに困らん程度に開墾しておくに越したことはあるまい。
開墾作業の中で、周囲の人々と交流もあるだろう。
今後について不安を抱いている者も多かろうから、交流の中で多少なりとそれを払拭したいところだ。
「これだけの畑が確保できたなら、当座の食べ物には困らないんじゃないか? 当然、皆で協力し合うのは必須だろうが」
「明るいニュースは活気の元だ。結婚式は、当事者の二人だけでなく周囲にも幸福感をもたらしてくれるだろう」
●
(「結婚か」)
現地に到着して、ふと。
陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は、その言葉を噛み締めた。
(「私には縁のないものだが、いいものだな……」)
しみじみ。
とは言え、桂菓自身も諦めたわけではないのだけれど。
何せ新宿島、最終人類史基準で考えれば20代前半はまだまだ妙齢。出会いもチャンスもある筈!
(「しかし、新たな夫婦、ひいては新たな命が生まれた後に『人類の未来が閉ざされました』では話にならんわけだ」)
そう。
ロモロも言っていた通り、未来のことも考えなければならないのだ。
彼らの未来を祝福し、支援するだけでなく、その先も彼らが生きて歩いていけるように。
「力を尽くさねばな」
決意の言葉は宣誓の如く、ぽつり呟かれて。
早速、農業従事者に支援を申し出て、農地に案内して貰う。桂菓は土に触れ、その質を確かめながら思案する。
土壌改良によって、より作物が育ちやすい環境を整えることは可能だろう。だが、元々の田畑の土を改良するだけでなく、新しく田畑を切り拓く必要もあるかも知れないと、桂菓は考えていた。
「ここは元より、穀類や果物の栽培が自慢の土地柄らしいが……」
「はい、米や穀物にオリーブ、それから葡萄などの果物を」
「ふむ。ならばもう少し畑を広げてみてはどうだ?」
勿論、協力は惜しまないと桂菓が続ければ。
農業従事者達は少し話し合った後、その申し出をありがたく受けることにしたようだ。
(「人間、何はなくとも飯がなければ生きてはいけん。どこもかしこも畑にしてしまうわけにはいかんが、後の人々の生活を思えば、食うに困らん程度に開墾しておくに越したことはあるまい」)
土壌改良を済ませたら、早速開梱作業へ。
出来れば、桂菓はヨランダやその家族、それに今後について不安を持つ若者達とも交流を持てれば、と考えていた。
先の不安を、交流と開墾の中で払拭させることが出来れば、このヴェローナの都市が活気を取り戻す一助になるのでは、と。
「……よし、ここまで広げれば充分か」
「ええ、本当に助かりました。ありがとうございます」
ヨランダの母親と思しき女性が、そこにいた農業従事者達を代表して桂菓に頭を下げる。
「なに、力になれることがあるなら手を貸すのは当然のことだ。それより、これだけの畑が確保できたなら、当座の食べ物には困らないんじゃないか? 当然、皆で協力し合うのは必須だろうが」
作物の生育については、これからやってくる他のディアボロス達も力を貸してくれることだろう。そうなれば、自給自足で暮らしていくことも夢ではなくなる筈だ。
それから、桂菓はヨランダの前に進み出る。開墾作業の中で感じたが、美しくも真面目で働き者の娘だ。
彼女の結婚は、きっと皆に祝福されるだろう。
「結婚を考えていると小耳に挟んだ。けれど、情勢を鑑みて諦めようとしている、とも。だが、明るいニュースは活気の元だ。結婚式は、当事者の二人だけでなく周囲にも幸福感をもたらしてくれるだろう」
だから、諦めずに前向きに考えてみてはどうかと。
真摯に伝えれば、ヨランダは戸惑いつつも、考え込む様子を見せていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
捌碁・秋果
※連携アドリブ歓迎
産業支援、結婚式のお手伝い
どちらもたくさんの人が幸せになる活動ですね
やりがいのあるお仕事、めいっぱいがんばります!
まずは住民の皆さんにご挨拶
はじめまして、我々はディアボロスという者です。皆さんの生活の手助けに来ました
…挨拶がさっぱりしすぎたかな、ピンとこないかも?
まあ、百聞は一見にしかずということで
リュックに入れて持ってきたパンを食べて【口福の伝道者】で増やします
我々はこういうことが簡単にできるんです
手品みたい? でもこのパンは本物です。齧って確かめてください
信用してもらえたら増やすべき食べ物を住民の方に持ってきてもらいましょう
綱月ちゃんは「一組分の結婚式くらい挙げられる程度には蓄えはある」と言っていたので元になる食料はあるでしょう
さあ、たくさん食べて食料を増やしますよ!
食料が増えたことであの二人の結婚式に対する負い目が減るといいんだけど
残留効果で結婚式で住民の皆が食べきれないほどのお料理が増やせるし、前向きに考えてくれるといいな
…ふたりが幸せな選択をできますように
●
ヴェローナより舞い込んだ、佳き知らせ。
是非とも上手く事が運べばよいと、捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)も張り切る。
(「産業支援、結婚式のお手伝い……どちらもたくさんの人が幸せになる活動ですね」)
と、なればやらない手はない。
「やりがいのあるお仕事、めいっぱいがんばります!」
意気込み十分。
まずは手始めに、ヴェローナの人々へ挨拶を。
簡単に自己紹介と、支援を申し出てみるものの。
「皆さんの生活の手助けに来ました」
「は、はあ……お気持ちは大変ありがたいのですが」
流石に少々戸惑っている様子。
(「……挨拶がさっぱりしすぎたかな、ピンとこないかも?」)
それに、言葉だけでは信じられないというのもあるかも知れない、と秋果は思った。
と言っても、人々が疑り深いというわけではなく。単に、見知らぬ人間が支援を申し出てきたものの、何をするつもりなのか図りかねている、というところだろう。
「まあ、百聞は一見にしかずということで」
口で説明するより、その目で見て貰う方が早いし、何より解りやすいだろう。
秋果はリュックからパンをひとつ取り出すと、それを食べ始めた。人々は首を傾げつつその様子を見ていたが、やがてその表情が驚愕に変わる。
「こ、これは……!?」
彼らの前に、秋果が食べたものと同じパンが食器と共に並んだのだ。
「我々はこういうことが簡単にできるんです」
「まるで魔法……いや、」
「手品みたい?」
誰かが続けようとした言葉を、秋果は理解して引き継いだ。ばつが悪そうに視線を逸したその人物に、決して気を悪くしたわけではないと秋果は柔らかく微笑み。
「このパンは本物です。齧って確かめてください」
「……いただいても、よろしいのですか」
「勿論。その為に持ってきたんですから」
その言葉にやがて一人、また一人と確かめるようにゆっくりとパンを取り、齧る。咀嚼し、飲み込めば秋果の言う通りパンに違いなく、少しずつ安堵の空気が広がっていった。
「他の食べ物も増やせますから。冬を越すのに必要そうなものがあれば、持ってきて貰えればと」
人々は顔を見合わせた。それから、思い思いに去っていく人々の姿。増やして欲しいものを取りに行くのだろう。
(「綱月ちゃんは『一組分の結婚式くらい挙げられる程度には蓄えはある』と言っていたので元になる食料はあるでしょうし……さあ、たくさん食べて食料を増やしますよ!」)
集められ、目の前に並んだ食料を前にして、秋果は気合を入れ直す。
そしていざ、実食!
「おお……食料が……!」
人々の感嘆の声を聞きながら、改めて思う。
(「食料が増えたことであの二人の結婚式に対する負い目が減るといいんだけど」)
ロモロとヨランダ。
結婚を考えながらも、躊躇っているふたり。やはり一番のネックは、物資不足による先の見通しも立たない現状だっただろうから。
それが解決出来た今、大きな障害は取り除けたと言っていいだろう。
(「前向きに考えてくれるといいな。……どうか、ふたりが幸せな選択をできますように」)
自分は、少しでもその後押しが出来たら。今はただ、その一心だ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
空木・朱士
アドリブ連携OK
赤い屋根が連なって綺麗なところだな。
ここがあの超有名な戯曲の舞台になった街かぁ。
だからってまるでそれに倣うように想い合ってる二人が結婚出来ないって切ないよな。
心置きなく結婚出来るように、ちょっとでも街が良くなるように微力ながら頑張るとしますか。
先ずは畑を見て回り作物の生育の遅れているところから優先的に【植物活性】を使っていく。
そのあとは街の人を手伝って作物の収穫したり、葡萄棚の修繕をしたりする。
新しく開墾するのなら、そっちも手伝うぜ。
作業の傍ら、ヨランダに話しかけてみる。
ヨランダの気持ちも分かるけど俺はさ、やっぱ好きなら結婚した方が良いと思うよ。
俺も生活するのに精一杯だったり、子供が出来て結婚式後回しにしちまったんだけどさ。今は後悔してる、しときゃよかったなって。
今日と同じ明日が必ず来るとは限らない。ある日、突然別れ別れにならなきいけなくなるかもしれない。
……貴女にはやっぱり一緒にいれば良かったって、後悔してほしくないよ。
ま、俺だってまだ諦めた訳じゃないけどな!
●
ヴェローナの旧市街は、まさに中世の街並み。
(「赤い屋根が連なって綺麗なところだな。ここがあの超有名な戯曲の舞台になった街かぁ」)
余りにも有名な戯曲だ。その内容に、空木・朱士(Lost heart・g03720)は思いを馳せる。
(「だからって、まるでそれに倣うように想い合ってる二人が結婚出来ないって切ないよな」)
悲劇は確かに人の心を打つ。しかしそれは、フィクションであるという前提あってのことだ。
現実に生きる人々が、同じように悲劇を辿る必要は、ない。
「微力ながら頑張るとしますか」
若い二人が心置きなく結婚出来るように。
ちょっとでも街が良くなるように。
「よし、そうと決まれば」
彼はまず畑に足を向け、作物の生育の様子を見て回る。植物活性の恩恵で、育ちの遅い作物を優先的にその成長を早めていく。
土壌改良は同じパラドクストレインに乗るディアボロスが行ってくれると言うので、併せて畑と作物の状態は改善されていくだろう。
それから、朱士も開墾作業や作物の収穫、葡萄棚の修繕などを農業従事者達に申し出る。
ただでさえ人手不足に陥っていたところだ。加えて力仕事も出来る男手は解りやすく有難がられた。
「少し補強もしておいたし、暫くはこれで……ん? あそこにいるのは……」
ふと、作業の合間に顔を上げれば。
周囲の人々と軽く談笑しながらも、てきぱきと手を動かす美しい女性の姿があった。間違いない、彼女の特徴は事前に聞いていたヨランダのものと合致する。
ヨランダとは、一度話しておきたいと思っていた。勿論、彼女とその愛するロモロとの未来についてだ。
「ちょっといいか?」
「ええ……何か?」
にこりと微笑むヨランダ。ロモロだけでなく、家族や友人にも愛されて生きてきた娘なのだろうと、朱士は感じ取ることが出来た。
だからこそ、後悔だけはして欲しくないと、思った。
「実は、貴女が結婚を考えてるって小耳に挟んだんだ」
「まあ……先程も言われました」
街の外まで噂になっているのでしょうか、とヨランダは頬を染めたが、朱士はそれほどまでに愛しい相手との結婚を諦めようとしていることも、知っている。
「ヨランダの気持ちも分かるけど俺はさ、やっぱ好きなら結婚した方が良いと思うよ」
「え……」
丸く大きな瞳が瞬いた。
「俺も生活するのに精一杯だったり、子供が出来て結婚式後回しにしちまったんだけどさ」
想起する。
あの日、埋葬した筈の心を掘り起こすようにして。
「今は後悔してる、しときゃよかったなって」
喪われた日々、大切なもの。
この手から、零れ落ちると知っていれば。もっと、報いようとしただろうか。
胸に遺る痛み――いや、この空虚は、そこに澱む昏い思いは、どうしたって切り離すことが出来なくて。
「今日と同じ明日が必ず来るとは限らない。ある日、突然別れ別れにならなきいけなくなるかもしれない」
それはヨランダにも、ロモロにも、この街の人々にとっても、決して他人事ではない筈だ。
将来への不安はあるだろう。何せこんな状況だ。それでも、ディアボロスで助けになれることがあれば、惜しみなくその手を差し伸べよう。だから。
「……貴女にはやっぱり一緒にいれば良かったって、後悔してほしくないよ」
「………………」
ヨランダは、やはり思い悩んでいる。
けれど悩むということは、思いが届いている証。今は、それで充分だ。
「ま、俺だってまだ諦めた訳じゃないけどな!」
だから朱士はそう言って、いつものように笑うのだ。
諦めない、絶対に。彼らの未来も、取り戻すべきものも。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【植物活性】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
この地は随分とクロノヴェーダに振り回された……
恋人たち、そしてヴェローナの為に
二人を喜劇の主役にしてやれるよう、まずは都の産業支援を
可能なら有力者に会い説明を
地形の変動が起き、流通が変化した
これから、この近辺の地域では自給自足に向けて助け合うことになる
必要なのはまずは衣食住だな
それが多くあれば、安心と共に近隣地域への相互融通も叶うのではないか
ロモロの家を訪ねる
大理石は建材や修復や細工に必要
婿殿の家にも支援すれば、自信をもって結婚に踏み切れるのではないかな
本当はヨランダさんと結婚したいのだろう?
仕事を手伝うのでと、採掘業の仲間に連絡をつけてもらい
採掘場へ向かい
岩盤の切りだしと運搬を効率よく担おう
装備の高周波ブレードX-Machinaで両断しつつ、運搬には怪力無双を使う
多くの業者の共同作業となるように計らい
ロモロにはどんなサイズでどれだけ必要か等指示をもらい、彼自身の働きを見てもらう
その実績は、排斥力にも負けず残るといい
彼が建材や稼ぎを元手に、家族の住まいと蓄えを持てるといい
●
(「この地は随分とクロノヴェーダに振り回された……」)
イタリアで起きる事件や、求められる支援に関わり続けてきたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)だからこそ、困りごととあれば手を差し伸べずにはいられない。
このヴェローナもまた、例外ではなく。
(「恋人たち、そしてヴェローナの為に。二人を喜劇の主役にしてやれるよう、まずは都の産業支援を」)
早速、エトヴァは動く。
道行く人々に、街の有力者はどんな人物か、会うことは出来ないか、聴き込むこと暫し。
漸く面会叶い、まずはこの北イタリアを取り巻く情勢から説明を。
「実は……地形の変動が起き、流通が変化した」
「なんと……では、帰らぬ者は……」
それについては変動した先で取り残されている、と軽く触れる程度に伝えつつも。
「これから、この近辺の地域では自給自足に向けて助け合うことになる。既に幾つかの周辺地域でも、我々は支援を行ってきた」
実績があればより信用を得やすいだろうと、各地で食料支援や医療支援など行ってきたことも語り。
「必要なのはまずは衣食住だな。それが多くあれば、安心と共に近隣地域への相互融通も叶うのではないか」
「仰る通りです。厚かましいとは承知しておりますが、どうかよろしくお願いいたします」
「勿論、出来る限りの手を尽くそう。……それと、採掘業に携わっているというロモロという青年に会えるだろうか」
「ロモロですか? 彼でしたら……」
そのまま、案内された家に向かう。
産業支援が有効なのは、何も農業に限った話ではない。そう、ロモロの家が生業としている採掘業だって、立派な産業だ。
(「大理石は建材や修復や細工に必要。婿殿の家にも支援すれば、自信をもって結婚に踏み切れるのではないかな」)
目的の家を訪ねれば、丁度ロモロが応対に出てきた。
エトヴァは彼にもまた、簡単に事情を説明し、支援と手伝いを申し出つつ、こそりと。
「それにここだけの話、個人的に応援したいとも思っている。本当はヨランダさんと結婚したいのだろう?」
「え、ど、どうしてそれを」
何故知られているのか、という疑問は勿論あるようだが、それ以上に照れが勝ったのか、見る見る内にロモロは赤面した。エトヴァはふふと微笑みつつ、疑問については道すがら小耳に挟んだと説明しておいた。
さて、善は急げということで、早速ロモロに採掘業の仲間に連絡をつけて貰い、採掘場へ。
「さて、まずは切り出し作業だが……どのくらいのサイズで、どれだけ必要になるだろうか。都市の取り決めは把握していないから、指示を貰えると有難い。後は各業者への作業の分担も」
「でしたら、まずは……」
ロモロの働きぶりを周囲に示すと同時、多くの業者の共同作業とすることで採掘業全体の活性化を図る。
エトヴァ自身も効率よく切り出し、及び運搬が出来るよう手筈は整えており、高周波ブレードX-Machinaでの両断から、怪力無双による運搬まで。
産業支援と、ロモロ個人へのフォローがこれで出来ればと。
(「その実績は、排斥力にも負けず残るといい」)
エトヴァの言葉を、協力を受け入れて、動いたのはロモロ自身だ。その事実が実を結べば、きっと。
「この建材や稼ぎを元手にすれば、家族の住まいと蓄えを持てるだろう。どうか、諦めないで欲しい」
「エトヴァさん……」
穏やかで控えめながら、真面目な好青年だ。
幸せになって欲しいと、心から願って。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
冰室・冷桜
私らの目的を考えればどの面でてーところはあるんだが
目の前のことだけ考えちまうのも人の性ってーことで
やらぬ善よりやる偽善なんて月並みな言葉もあることですしね
都市部から支援活動としてやってきましたーってー感じで住民の人らには話を通していくわね
まずはここの復興が最優先ってーことで多少不審がられても物資の実物を見せて、ゴリ押しで話を進めていきますか
私はまず即物的な支援から行っていく方向でいきましょうか
【アイテムポケット】に詰め込めるだけ物資を入れて持ち込んでいくわね
年代に合わせて、まずは日持ちしそうな食料や飲料水、布
あとは産業の支援ってーことで、採掘道具や栽培用の種なんかも合わせて用意していきましょう
とりあえず話がついて物資を配れたら一安心
ま、当面をやり過ごせる目途が立てばもうちょい前向きな考えもできるようになるんじゃないですかね
●
「………………」
冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)はヴェローナの街並みを見渡す。
だが、その表情に笑みはなく、寧ろ少しの苦味を感じ取れるくらいである。
(「正直、私らの目的を考えればどの面でてーところはあるんだが」)
ディアボロスはいつかこの地の奪還を諦めたわけではない。突き詰めてしまえばこういった活動も、来たるべき日にそれを有利にする為。そしていざそれが成った後は――その未来を思えばのこと。
(「……ま、とは言え目の前のことだけ考えちまうのも人の性ってーことで」)
今、手の届く場所に困っている人々がいる。動く理由はそれだけでいいのだ、きっと。
やらぬ善よりやる偽善なんて月並みな言葉もあることですしね――なんて。
さて、まずは人々に話を通して行かねば。
(「都市部から支援活動としてやってきましたーってー感じで住民の人らに話を通していくのがいいかしらね」)
多少不審がられても復興が最優先と、物資の実物を見せて、ゴリ押しで話を進めていこうかとも考えたが。
先行した味方がその働きで信を得ていたらしいこともあり、事情を話せば割とすんなり受け入れられた。勿論、実物を見せれば更に効果は上がったようだったが。
(「藁にも縋りたいってー感じか」)
こちらとしては説得の手間が省けて助かるけれども。
ともあれ、冷桜は即物的な支援から行っていく方向でいこうと、年代に合わせた物資をアイテムポケットに詰め込んできた。
「まずは日持ちしそうな食料や飲料水……っと」
確か味方の一人が口福の伝道者で食料を増やしていた筈だから、そちらと合わせて何とかならないかと思いつつ。
街の人々は沢山のものが出てくるアイテムポケットに、目を丸くしていたり、更には目を輝かせる者までいたりして。
「あとは産業の支援ってーことで、採掘道具や栽培用の種なんかも用意してきたけど」
「何から何まで……感謝の言葉もございません」
無事に受け入れられたこと、物資も配れたことで一安心。
「ま、当面をやり過ごせる目途が立てばもうちょい前向きな考えもできるようになるんじゃないですかね」
「……あ……」
冷桜の視線がロモロを、次いでヨランダを見る。
ここまでの支援で、この街も持ち直すことが出来る筈だ。
後は、二人の気持ち次第だけれど。それでも、伝え聞いた話ほど、迷っているようには冷桜には見えなかった。きっと、ディアボロスに色々と言葉と後押しを貰ったのだろうと思う。
(「この街の人らにも、こっちの身内にも、相当望まれてんのね」)
今でも思うところがないわけではないけれど、多くの人に望まれて幸せになるのならきっと悪くはない。
そんなことを考える冷桜の前、二人は決意を固めたような表情を見せていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
●
ロメロとヨランダは、結婚の意志を固めたようだった。
二人の家族も、友人達も、ばかりか二人をよく知る人物は、皆が揃ってその決断を祝福しているようだった。
ならば準備を手伝うので、式も挙げてしまいましょうと。
ディアボロス達が提案すれば、二人は急なことに戸惑いつつも嬉しそう。周囲の人々も、善は急げとばかりに賛同してくれる。
さあ、二人の気が変わらない内に式の準備をしてしまおう!
会場は事前の説明にあった通り、戯曲に登場する女性のものとされる家を抑えた。
設営に衣装、料理にその他諸々……ディアボロスの協力次第で色々なことが出来るだろう。
さあ、この佳き日に若い二人の為に――最高の式を用意しよう!
空木・朱士
最終人類史では有名な観光名所だけど…案外そんなに広くないんだな。
その方が寧ろアットホームな結婚になりそうで良いかも。
俺は衣装とか料理では力になれそうもないんで設営で頑張ろう。
フラワーアーチってやつを作ろうと思う。
先ずは木で自立するアーチを作って、新宿島からも【アイテムポケット】で色々と持ち込んだ材料からリースで使う葡萄の蔓を取り出して巻き付けて更に白い布でドレープをつける。
最後に花で飾り付けたら出来上がりだ。
料理はビュッフェ形式が良いのかな。
街の人にも協力してもらって飲食店でお願いしてテーブルや食器類を借りて運び込もう。
長テーブルは壁際、丸テーブルを幾つか置いて。
テーブルクロスは白色で端がレースになってるやつを。
花瓶にあらかじめ差すだけの束にしてもらった切り花を飾ってテーブルの真ん中に置いてっと。
白とピンクの薔薇でブーケも作ってもらったから後でヨランダに渡そう。
色々教えてくれた新宿の花屋さん、ありがとう。
結婚式が始まったら隅っこででも良いんで参加したいなぁ。
やっぱお祝いしたいじゃん。
捌碁・秋果
※連携アドリブ歓迎!
道具はアイテムポケットに詰めてきました
お料理は増やした食材でたくさん準備できそう
私は…花嫁さんの様子を見に行きます!
ヨランダさん、ご結婚おめでとうございます
私からもささやかなお祝いをさせてもらえませんか?
挨拶をしたら、まずはクリームで手のケアをしつつ【活性治癒】を使用
働き者のヨランダさんは毎日の畑仕事で手指が荒れているはず。決して恥ずかしいことじゃないけど、でも今日くらいはお姫様みたいな手をしててもいいんじゃないかなって
(化粧水と乳液とパックを取りだし)
お化粧もするのかな?
この時代の化粧は分からないけど、肌は超絶大事!
お肌を整えて、化粧ノリ最高にしましょ
これでどんな化粧もどんとこい、です!
それから香水も使ってみませんか?
フローラル系、柑橘系、寺系、変わり種の葡萄の香水。お好きなものをどうぞ
…香りは記憶に残りやすいそうです。この香水と似た香りをかいだ時に、おふたりが今日のことを思い出せたらいいなって思うんです
式は私も参加できるかな?
難しいならどこかでこっそり見守りたいな
●
「最終人類史では有名な観光名所だけど……案外そんなに広くないんだな」
「例のバルコニーも、今はまだないみたいですしね」
戯曲の舞台となった建物の中庭に、空木・朱士(Lost heart・g03720)と捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)はいる。
「けど、その方が寧ろアットホームな結婚になりそうで良いかも」
「そうですね。さて、皆さん準備してますし、私達もお手伝いに行きましょうか。とは言え、お料理は増やした食材でたくさん準備できそう……」
うーん、と少し考えて。
「私は……花嫁さんの様子を見に行きます!」
そう告げた秋果へと、朱士は頷いて。
「なら、俺は衣装とか料理では力になれそうもないんで設営で頑張ろうかな」
こうして。
それぞれ、準備の為に動き出すのだった。
●
「ヨランダさん、ご結婚おめでとうございます」
「まあ、ありがとうございます」
秋果の祝辞に微笑むヨランダ。
その表情は幸せそうで、心からの喜びが伝わってくる。諦めないで、諦めさせないでよかったなと、思わせてくれる笑顔だった。
「私からもささやかなお祝いをさせてもらえませんか?」
手をとってもよいか尋ねれば、小首を傾げつつもヨランダは頷いてくれる。失礼しますね、とその手を取って、ハンドクリームを塗り込む。
(「働き者のヨランダさんは毎日の畑仕事で手指が荒れているはずだと思ったら、やっぱり。決して恥ずかしいことじゃないけど、でも今日くらいはお姫様みたいな手をしててもいいんじゃないかな」)
働き者の手は、誇るべきもの。
それでも、今日は働き者のヨランダはお休み。
この佳き日に、花嫁のヨランダは主役となるのだから。
活性治癒も用いてひび割れなどもしっかりとケア。滑らかになった手に秋果はひとつ頷くと、今度は化粧水と乳液とパックも取り出して。
「この時代の化粧は分からないけど、肌は超絶大事!」
お肌を整えて、化粧ノリ最高にしましょ、と。
綺麗になった自分の手に、既に輝かせていた目をぱちくり瞬かせるヨランダを促し、まずは洗顔をして貰って。
そこに化粧水、フェイスパック、乳液の順で用いて、瑞々しく潤った肌に!
「これでどんな化粧もどんとこい、です!」
当のヨランダは感嘆の溜息を漏らしながら、自らの頬をぺたぺたと触り、目を丸くしている。ロモロもきっと驚くことだろう。
だが、これで終わりではない。
「それから……香水も使ってみませんか?」
ヨランダが更に驚いたのも無理はなかった。
少なくとも史実において、フランスの香水が飛躍的な発展を見せるのは、もう数十年は先のことだ。そうでなくとも最終人類史、いわば未来の香水。ヨランダにとっては夢のような代物だっただろう。
「フローラル系、柑橘系、寺系、変わり種の葡萄の香水。お好きなものをどうぞ」
「葡萄、ですか?」
「ここでは葡萄も採れると聞きましたから」
香りを試して貰いつつ、秋果はふと。
「……香りは記憶に残りやすいそうです」
「?」
香りを嗅げば記憶は蘇る。
記憶は日々薄れていくけれど、香りだけは最後まで覚えていると言う……。
「この香水と似た香りをかいだ時に、おふたりが今日のことを思い出せたらいいなって思うんです」
確かな幸せの記憶が、ひとつでもあれば。
きっと、病める時も健やかなる時も、満たされていられるから。
そうであればいいと、秋果は願って。
●
「……さて!」
まず朱士が作り始めたのは、木で出来た自立するアーチだ。
そこに新宿島からアイテムポケットに詰めて持ち込んだ材料を飾りつけていく。リースで使う葡萄の蔓を巻き付けて、更に白い布でドレープをつけて。
最後に花で飾りつけたら、フラワーアーチの出来上がりだ!
「よし、こっちはこんなもんか。後は……」
料理は出来ない。
だが、設営なら手伝えるだろう。
(「料理はビュッフェ形式が良いのかな」)
そうなると、街の人々の協力も必要だ。
彼らに呼びかけて、飲食店からテーブルや食器類を借りて運び込む。
「長テーブルは壁際、丸テーブルを幾つか置いて。テーブルクロスは……っと」
理想は白く、端にレースがあしらわれているものだ。これも飲食店を始め方々に呼びかけて、手配した。
その間、朱士自身は花の準備を。あらかじめ差すだけの束にしてもらった切り花を花瓶に飾り、クロスが掛けられたところでテーブルの中央に配置。
「ん、その花は……」
クロス掛けを手伝ってくれた街の青年が、まだ残っている花があることに気づく。
だが、明らかに花瓶に飾るものではないことは、青年にも理解出来たらしい。リボンで束ねられ、美しく整えられたそれは、紛うことなく花束――ブーケである。
「これは特別なんだ」
それだけ告げれば、青年は納得したようだった。頷いて、作業に戻る背を見送る。
白とピンクの薔薇で作られたそれは、花嫁であるヨランダに渡されるもの。新宿島の花屋で作って貰ったものだった。
(「色々教えてくれた店員さん、ありがとう」)
思えば。
人々を支援するにしても、ディアボロスは新宿島の色んな人の力を借りているのだな、と。
食料支援に、その他様々な物資。ちゃんと時代に即したものかどうかも、専門家に尋ねてみたりして。
フラワーアーチの飾りも、花嫁のブーケも、調達の為に色々と助けられた。
(「俺達も、感謝しないといけないな」)
ディアボロスは、最終人類史の希望として人々を守り助ける。
けれどその人々も、ディアボロスを支え助けてくれている。
その事実を、朱士は改めて噛み締めた。
●
式は朱士の言う通りで規模こそ大きくなかったものの、祝福と完成の中で執り行われた。
朱士と秋果も出来れば参加したいと申し出れば、寧ろ是非、と歓迎されて迎え入れられた。
清らかな花嫁衣裳と優しい葡萄の香りを纏い、花嫁のブーケを抱えて笑顔を浮かべるヨランダは間違いなく美しかった。
ロモロもはにかみながらも誇らしげで、そんな二人に街の人々もまた歓声を上げる。二人の家族を始めとして涙ぐむ者までいた。
――ふと。
花嫁と花婿が、ディアボロス達へと満面の笑顔を向けて見せて。
それを受けた朱士と秋果も、それぞれに笑顔を返した。
悲劇の舞台で挙げられた結婚式は、幸せな喜劇に。
見届けた結末に、その胸中にて喝采を。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!