バグダッド島およびパルマ島の霧調査

 攻略旅団の提案により、《七曜の戦》で奪還した『バグダッド』及び『パルマ』で、ディヴィジョン境界の霧が発生していないかの確認を行います。
 パラドクストレインで、バグダッド島に向かった後は、バグダッド島で数日キャンプをしつつ、ディヴィジョン境界の霧が発生していないか(発生している場合は頻度など)を確認、その後、パルマ島に向かい同様の調査を行ってください。

●特殊ルール「最終人類史の『境界の霧』調査」


 10月はワイルド・カードで「境界の霧」に関する調査の提案が支持されています。
 そのため、今回の調査中に霧が発生しなかった場合も、霧の発生について何らかの閃きを得やすいでしょう。
 霧の発生について、仮説を立ててみるのも良いかもしれません。

バグダッドの夜と秋晴れのパルマの空の下で(作者 水綺蒼猫
13


#最終人類史(新宿島)  #バグダッド島およびパルマ島の霧調査  #バビロン  #パルマ公国 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#最終人類史(新宿島)
🔒
#バグダッド島およびパルマ島の霧調査
🔒
#バビロン
🔒
#パルマ公国


0



●霧を探しに
「みんな、こんにちはー」
 カラカラと下駄を鳴らし、時先案内人のリュシル・ポワリエ(人間のリアライズペインター・g03179)が駆けてくる。
 近所の秋祭りから帰ってきたところだというリュシルのいで立ちは、水浅葱地に白兎を染め抜いた浴衣姿。
 手には、真っ赤なりんご飴を握り締めて。
 長かった夏の終わりを惜しみ、実りの秋に感謝するお祭りを存分に楽しんできたようだ。
「あ、いけない。えーっと……」
 そそくさとりんご飴をしまい、襟を正す。
 手元の資料を開くと、リュシルは続けた。
「《七曜の戦》で最終人類史に奪還した、『バグダッド島』と『パルマ島』。攻略旅団の提案で、ふたつの島の周辺にディヴィジョン境界の霧が発生していないかどうかを調査することになったの」
 そこで至急パラドクストレインで現地に向かい、島内および周囲の海を調査し、霧の有無を確認して来てもらいたい。
「もし、霧の発生が確認された場合は……」
 詳細な場所や範囲、時間、回数などを記録して持ち帰って欲しいとリュシル。
 現時点で、バグダッド島やパルマ島がクロノヴェーダに侵攻される危険性は低い。
 だが、安全であることを確認する作業もまた重要な任務のひとつといえよう。
「あとね」
 どちらの島もあまり広くはないとはいえ、最高レベルの『飛翔』で巡回を行ったとしても、すべて念入りに調べるには数日の時間を要する。
 調査や確認作業の合間に、ひと休み。
 交代で異国情緒溢れる街並みを散策したり、浜辺や森でキャンプしたりしてみてはどうだろう。
「もし霧が発生してるのを見つけても、戦闘の心配はないしね。あ、でも気をつけて」
 2021年当時の状態を取り戻してはいるものの、一般人の帰還は未だ行われていない。
「滞在に必要なものや、調査用の最新機材とかはトレインで運び込むとして……」
 パラドクストレインに乗せられないものは、現地で調達するなどの必要がありそうだ。

 砂漠気候に属するバグダッドは、10月に入ってからも平均気温が30度を超えている。
「だからね、街を流れるティグリス川で泳ぐとか……あ、そうだ。思い切って、浴衣で遺跡見学ってのはどう?」
 なんかちょっとロマンティックじゃない? とリュシルはにっこり目を細める。
 異国の遺跡をバックに、浴衣姿でバーベキューやちょっとした花火大会を楽しむというのも悪くない。
「さすがにパルマだと、浴衣やキャンプは厳しいかな」
 パルマにおける10月の平均気温は、14度前後。
 夜は相当冷えそうだ。
「けど、心配ないよ。街のホテルを借りれば、『ハウスキーパー』で快適に過ごせちゃう」
 昼間は宮殿や劇場、大聖堂などの観光地や近隣の農園などを巡って。
 誰にも邪魔されずにスケッチや写真撮影に没頭することも出来る。
 美食の都として有名なこの街で、名物の生ハムやチーズを楽しめないのは少し残念だけど。
「自分で材料とか揃えて、パルマの郷土料理にチャレンジしてみるのもいいかもね」
 報告待ってるよー! と袖を振り、リュシルはディアボロスたちを送り出した。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【泥濘の地】
8
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【液体錬成】
2
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【アイテムポケット】
2
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【寒冷適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV8 / 【ガードアップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV1

●マスターより

水綺蒼猫
 こんにちは。水綺蒼猫です。

 最終人類史に奪還した、『バグダッド島』と『パルマ島』。
 ディヴィジョン境界に発生する霧の有無を確認、調査するため、それぞれの島に向かっていただきます。
 オープニング中にもある通り、調査の合間に観光やキャンプなどの娯楽を行うことも可能です。
 いろいろ工夫してお楽しみ下さい。

 今回の調査は、あくまでも霧の発生を確認するためのものです。
 他の調査や探索、住人の最終人類史への帰還に備えて準備をするなどの行動はすべて不採用となりますので、ご注意下さい。

 現地に花火を持ち込む場合、職人が打ち上げるような大がかりなものは不可とします。
 未成年の方の喫煙や飲酒も不可。
 その他についても、常識の範囲内でお願いします。

 それでは。
 みなさまのご参加をお待ちしております。
35

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


天城・美結
絡み・アドリブ大歓迎!

ホントなら人で賑わってるところに来たかったけどね。
ま、これはこれでいいとしようかな。

記録用に動画撮影用のカメラを所持。
バグダッドの地理は全くわかんないから地図を貰っておきたいかな。
現地は暑いみたいなんで恰好は水着(水着DC2022の方)の上から半袖パーカーとデニムの短パンというスタイル。
いつでも泳げるね!

バグダッドという名前は常識として知ってても詳細はあまりわからないんで、行動方針は3日間通してパンフレットに載るような有名どころを巡る観光客スタイルで!
いつどんな異変が来ても撮り逃さないように、基本は動画用カメラを常に回し続けるよ。
バッテリーは適時交換するよ。
名所では自分のスマホ+自撮り棒で撮影しとく、これくらいいいよね!
ある程度歩いた後はお勧めされたティグリス川でひと泳ぎして汗を流すよ。
宿泊はホテルを拝借し、その間カメラはホテルの高所に撮影状態で設置しておく。

合間を見て【飛翔】で大雑把にバグダッド島を大回りに一周して境界を撮影していく。
細かいところは他の人に任せる!


●バグダッドの昼と夜
「ホントなら、人で賑わってるところに来たかったけどね」
 メソポタミア平原のほぼ中央、ティグリス川中流の河畔に位置する都市、バグダッド。
 パラドクストレインから降り立った天城・美結(ワン・ガール・アーミー・g00169)は、街並みを眺めて独りごちる。
《七曜の戦》で勝利し、最終人類史に奪還した土地のひとつであるこの街に、人の姿はない。
 刻逆以前──2021年当時の状態を取り戻してはいるものの、一般人の帰還は未だ行われていないのだ。
「ま、これはこれでよしとしようかな」
 そう気を取り直して歩き出す。
 今日の美結いで立ちは、半袖のパーカーにデニムの短パンというカジュアルな装い。
 美結は美結らしく、お気に入りのファッションで。
 行動方針は、予定の3日間を通してパンフレットに載るような有名どころを巡る観光客スタイル!
 現地の地図と動画撮影用のカメラを手に、自由気ままに街を闊歩する。
「わぁ……」
 バグダッドについては、一般常識程度には知っていたけれど。
 宮殿や寺院、モスクなど。
 改めて、その異国情緒たっぷりな景観に目を奪われる。
 歴史的な建造物の向こうに、突然近代的なビルやモニュメントが現れるのも面白い。
 そんな変化や発見も楽しみながら、いつどんな異変が起こっても撮り逃さないようにカメラを回し続けた。
「あ!」
 美しい青い屋根のモスクを見つけて駆け寄る。
 繊細なアラベスク模様が描かれた壁の前で、自撮り棒にスマホを装着してレッツセルフィー。
「ふふっ、これくらいいいよね? それにしても……」
 暑いよねーと、空を見上げる。
 雲ひとつない青空。
 10月だというのに、真夏のような日差しが容赦なく照りつける。
 湿度が低く、カラッとしてはいるものの、暑いものは暑い。
 ふと道の向こうに目を移せば、そこには大きな河川が。
 あれがきっと、噂に聞いたティグリス川なのだろう。
 いそいそと河畔に向かい、パーカーと短パンを脱ぎ去る。
「こういうこともあろうかと、水着、着てきたんだよねー」
 ブルー系ストライプのビキニで水に入り、ひと泳ぎして汗を流す。
 夜になったら、今日はゆっくりホテルで休んで英気を養おう。
 そして明日は、『飛翔』を使ってバグダット島を大回りに一周し、上空から海との境界を撮影する予定だ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!

七星・優希
アドリブ、連携大歓迎だよ。
よし、早速霧の発生の確認をしよう。おおよそ3日はあるから時間をかけてじっくり調査しようかな。

待機時間はまず食糧確保だね。パラドクストレインに最低限のご飯はあると思うけれど…こういう時は現地でしか楽しめないことをしてみよう。
浴衣を着てティグリス川で釣りに挑戦しようかな。
もし釣れたら【アイテムポケット】を使って持ち運べばたくさん釣れたときも安心だよね。
釣れたときに誰かいればいいけどいなかったらソロキャンプってやつになるね。

市街を散策しながらなにか食べられるものがあれば拝借させてもらおうかな。
夜は集めた食糧を使ってバーベキューをするよ。なんだか楽しくなってきた!

食糧を集め終わったら世界遺産の観光もしようかな。
ふふ、こういうのを見るとファッションデザインがいろいろと浮かんできちゃうな。忘れないうちに書き留めておかないと!


冰室・冷桜
さーて、時間はあるとはいえ、ちゃっちゃか仕事をするに越したことはなし
最初は境界をまっすぐ目指して調査に向かいましょう
ぐるっと一周じっくりするだけでも時間はかかるでしょうし、境界付近の海を調査するのをメインにするわね

必要な記録機材や食料なんかの道具は【アイテムポケット】で持ち込みつつ、長距離の移動は【飛翔】
海では念のために【イルカ変身】【水中適応】で海中の様子も見ておきましょうか

調査の合間とかはそうねー……直で感じて分かることもあるかもですし、基本は境界から離れずに過ごす方針で
自然の中でのんびりとーってーのもいいでしょ、ちょっとしたキャンプ気分でみたいな
合間に海釣りとかもしてみたりしつつー……そいや、こういう海で釣れるのって普通に海の魚なのかしら……
ま、釣れたら釣れたでご飯のおかずになってもらいつつー、釣れなかったら持ち込んだのだけでアウトドアクッキングを楽しみましょ
やっぱ折角の外ですし、鉄板で焼いたりとか串焼きとかで楽しんでいこうかしら


 各ディヴィジョンの勢力を示す地図の上では、ほんの小さな点にも等しいバグダッド島。
 取り囲む海は、果てなく広い。
 海に面した砂浜──かつては砂漠の一部であったろう場所に立ち、ジッと目を凝らす七星・優希(気怠げなファッションデザイナー・g10433)。
 隣接する地域、ディヴィジョンとの間に発生するといわれる境界の霧は、いつどこに発生するのだろうか。
 そもそも、本当にこの島の周辺に現れるのかすら分からない。
「うーん……」
 しばらく観察を続けても、特に変化らしい変化は起こらず。
 注意深く四方を見回したり、砂浜を歩いてみたりしても、結果は同じであった。
「残念だけど、このへんには何もないみたい」
 多少がっかりはしたものの、時間なら十分にある。
 今日のところは、霧の調査はもうこれくらいにして。
「待機中に、食べる物の確保でもしとこうかな。腹が減ってはいくさは出来ぬ、とも言うしね」
 パラドクストレインにも、食料品の備蓄くらいはあるかもしれない。
 だが、せっかくこうしてバグダッドまで来たのだ。
 せめて現地の雰囲気だけでも楽しみたいと、優希は準備を始めた。
 手早く浴衣に着替え、新宿島から持参した釣り竿を担いでティグリスを目指す。
「さて、と」
 何が釣れるかは不明だが、それはそれで面白い。
 意外と大物が釣れちゃうかも? と、密かに胸を躍らせた。

「まずは、境界をまっすぐ目指して調査に向かいましょう」
 時間があるとはいえ、仕事はちゃっちゃか済ませるに越したことはない。
 急ぎ空を翔け、冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)も海と島の境を目指す。
 小さな小さな島だが、単にぐるっと一周するだけでもそれなりの時間を要する。
 効率よく仲間と手分けし、自分は主に境界付近の海の調査を行おうと決める。
 浜辺に着くなり、躊躇することなく海に飛び込む。
 記録機材や食料は一旦アイテムポケットにしまい、防水対策も万全だ。
 水を掻いて器用に泳ぎ出した冷桜は、いつしか体長2メートルほどのイルカに姿を変えていた。
「んー……」
 海の水は比較的透明度が高く、広範囲に見渡すことが出来る。
 反面、生き物の気配は感じられない。
 霧やその発生源らしき場所も、まったくどこにも見当たらなかった。
「仕方ないわね」
 ここはじっくり腰を落ち着けて挑むしかないと、腹を括る。
「自然の中でのんびりとー……ってーのも、いいでしょ。ちょっとしたキャンプ気分でー、みたいな?」
 キャンプといえば、アウトドアクッキング。
 海釣りは望めそうにないとなれば、食材調達に向かうべきはティグリス川か。
 些細な変化を見逃さないためにも。
 出来れば境界の見える場所から離れたくないのだが、それもまぁ致し方なし。

「……ん?」
 川に着くなり、様子がおかしいことに優希は気づく。
 街にいる他の動物たちがそうであるように、川を泳いでいるはずの魚もみな動きを止めてその場に固まっている。
 ただ、死んでいる訳ではないらしい。
 試しに手近な小魚を両手で掬い上げてみると、新鮮な魚の持つ張りや、活きのよさのようなものが感じられた。
「ってことは……」
 このまま料理して食べても、問題はなさそう。
 ならばと浴衣の裾と袖をたくし上げて水の中に踏み入り、獲物を探して狙いをつける。
「えいっ!」
 呆気ないほどあっさり仕留めたのは、マスの一種だろうか。
 名前すらよく分からない魚だが、なかなか見事な大物だ。
「わっ、わわ……」
 魚を抱えて腰を伸ばした瞬間、バランスを崩してつんのめる。
「危ないっ……!」
 足を滑らせて転びそうになった優希を助けたのは、偶然近くを通りかかった冷桜であった。
「大丈夫ですか?」
「うん、平気。ありがとう」
 冷桜と優希、二人顔を見合わせてホッとしたように笑う。
「そうだ。ね、よかったら……」
 せめて今夜たけでも。
 一緒にバーベキューやキャンプをしませんか? と、優希は冷桜を誘った。
「あ、ええ……」
 霧の調査も気にはなるけれど。
 美味しそうなマス料理も、気にならないと言えば嘘になる。
「そうね、そうしましょうか」
 悪くないと頷く冷桜。
 ひとりより、ふたり。
 ソロよりデュオの方が、キャンプだって楽しいに決まってる。
 そうとなれば、話は早い。
 優希は冷桜と一緒にさらなる食材をゲットすべく、市の中心部へ繰り出した。
 市場を巡り、使えそうな野菜や果物を食べられる分だけ拝借して。
 捌いたマスをメインにした、バーベキューパーティーが始まる。
「なんだかすっごく楽しくなってきた!」
「ええ、本当に」
 食事の後は、夜の遺跡を散策しよう。
 異国の地で得た刺激は、優希のデザイナー魂に火を点けてくれそうだ。
「きっと、見てるうちにファッションデザインがいろいろと浮かんできちゃうな」
 そんな予感が、する。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!

文月・雪人
※アドリブ連携大歓迎

ここがバグダッド、見知らぬ町並みに興味津々だよ
異国情緒って言うのかな、新宿島ともまた違った雰囲気を感じるね

折角だし遺跡見学もしてみたい
『少しのことにも、先達はあらまほしきことなり』と言うし
可能なら【書物解読】でガイドブックの残留思念さんに色々解説して貰おう
しかし人類の歴史ってのは本当に奥深いね、今更ながら勉強になる
クダ吉もそう思わないかい?

勿論、お仕事も大事だね!
仲間と一緒に境界の確認をしていこう

霧の発生条件か
排斥力が弱いほど発生し易いとの事だけど
境界の双方の領域が、霧の発生を望んで拒否しない場合に
発生が促されたりはしないだろうか

例えばこのバグダッド島
海の向こうは蹂躙戦記イスカンダルだけど
この地の喪失は向こうにとって大きな痛手に違いない
もしイスカンダル王が今すぐにでも攻め込み奪還したいと願っているならば
こちら側からも霧の発生を望む事で繋がる可能性もありそうに思えて

可能なら皆でタイミングを合わせて
この地の霧の発生を『望む』『拒否する』を交互に試し
境界への影響を確認したい


「ここがバグダッド……」
 見知らぬ街並みに興味津々といった様子で、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は目を輝かせる。
「異国情緒っていうのかな。新宿島ともまた違った雰囲気を感じるね」
 通りや建物、何気ない道端の花だって。
 何もかもが新鮮で、そのどれもが興味深い。
「折角だし、遺跡の見学もしてみたいな」
 市場の近くにある、かつては現地の人々で賑わっていたであろうオープンカフェ。
 日よけ代わりの街路樹の下で、持参したガイドブックのページをめくる。
 意外にも、バグダッド市内に現存する遺跡や遺構はさほど多くない。
 外敵の侵攻や破壊によって失われたほか、風化しやすいレンガが建物に使用されていたことも、後世まで残らなかった原因のひとつだといわれている。
「いっそ、郊外まで足を延ばしてみようか」
 テーブルの上にちょこんと座った、クダギツネのクダ吉に笑いかける。
 と、その前に。
「ああ、うん。分かってるよ」
 何か言いたげなクダ吉の頭を優しく撫ぜて。
「勿論、お仕事も大事だね!」
 にっこりと頷き、雪人は席を立つ。
 そしてガイドブックの地図を頼りに、町はずれにある海岸線沿いの崖まで辿り着いた。
 穏やかに凪いだ海。
 水平線の向こうには何も見えない。
「霧の発生条件、か」
 境界の霧は、排斥力が弱いほど発生しやすいのだという。
 だとしたら──。
 境界を挟んだ双方の領域が霧の出現を求めることで、発生が促されたりはしないだろうか。
「例えばそう、このバグダッド島も」
 海のあちらは蹂躙戦記イスカンダルだが、当地の喪失は彼らにとって相当な痛手だったに違いない。
「もしイスカンダル王が今すぐにでも攻め込み、奪還したいと願っているならば……」
 こちら側からも霧の発生を望むことで、繋がる可能性もありそうだ。
 そっと目を閉じる雪人。
 可能性のひとつを探る試みとして、『霧の発生を望む』と心に念じる。
「……」
 しばらく経っても変化は見られない。
 さらに強く請い願ってみても、結果は同じであった。
 ならば逆ならどうだろうと、『霧の発生を拒否する』と念じてみる。
「……駄目か」
 やはり、いつまで経っても海の向こうに霧が現れることはなかった。
 思えば霧が現れた地域では、敵のクロノヴェーダが隣接するディヴィジョンに向かおうという意志のもとに作戦を行っていることが多かった。
 霧の発生に関しては、恐らくディアボロスの意思とは関係ないものと推測される。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

クロエ・アルニティコス
大切な友人であるエイレーネ(g08936)と

ここが、現代のバビロン……バグダッドですか。
あの塔は影も形もありませんね。

秋祭り用に仕立てた浴衣を着て、2人でバグダッドの町並みを見て回ります。
あそこがディヴィジョンだから、というのもあるでしょうが、面影は中々見つかりませんね……
アッバース朝……?なるほど、私たちの時代よりもさらに後の王朝。支配者も移り変わるものなのですね。

その後はバビロンの遺構へ移動。過去の面影を遺す遺跡を散策します。
この門は模造品とのことですが、それでも雄大な……!
ギリシアの……アテナイの町並みも、こうして共に歩きましょう。必ず。

最後に【飛翔】を使ってバグダッド島の外周部を自分の目で確認。霧が発生していないかを確かめます。
霧の発生には各ディヴィジョンに散ったエゼキエルの残党が関係しているのかもしれません。
今や最終人類史の土地となった二十三区。そこに強い繋がりを持っている復数の強力な存在……ジェネラル級が、ディヴィジョンと最終人類史を繋ぐ鍵となっている……とか。


エイレーネ・エピケフィシア
クロエ様(g08917)と共に

高い建物はあれど、現代のビルですね
こうして様変わりした景色を目にすると、奪還が成ったと実感します

秋祭りに行き損ねた分、今日は浴衣を着て観光と調査を
バグダッドの市域はアッバース朝の都に由来すると聞き及んでおります
実際、歴史を感じさせる寺院が見て取れますね

かつてこの地では、故郷の名著が盛んにアラビア語に翻訳されたようです
それらは当時西方世界で忘れ去られ、後に逆輸入されたとか
プラトン様やアリストテレス様の名が今なお通じるのは、ここに生きた人々のお陰……その歴史を取り戻せたとは、感無量ですね!

バビロンの遺跡はイシュタル門等の城門・城壁が見所ですね
おお、これがヘロドトス様も称えた見事な建築……!
未来まで残り続けるとはやはり素晴らしいことです
ええ、その時は全力でアテナイのアクロポリスを案内しますよ!

大戦の後、最終人類史を襲っているのは日本国内に領地を持つディヴィジョンだけです
しかしエゼキエル勢の暗躍次第では、他の場所も標的となりえますね
都市と人々の盾として、備えましょう


 かつて、この地はバビロンと呼ばれていた。
「あの塔は、影も形もありませんね」
 彼の地を懐かしみ、面影を求めるように。
 クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は、砂漠に囲まれたバグダッドの街並みを見渡す。
「ええ、高い建物は数あれど……」
 どれも現代風のビルばかりと、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)も頷いた。
 こうしてすっかり様変わりした景色を目にすると、奪還が成ったのだと改めて実感する。
「行きましょうか、エイレーネ」
「はい、クロエ様」
 クロエは、黒地に曼殊沙華の花と縞模様。
 かたやエイレーネは、白藍の地色に花の彩り。
 秋祭り用に仕立てた浴衣や髪飾りで華やかに装い、紅い鼻緒の下駄を鳴らして。
 行きそびれた祭りの代わりに、まずは観光を楽しもう。
「バグダッドの市域は、アッバース朝の都に由来すると聞き及んでおります」
 実際、歴史を感じさせる寺院が随所に見て取れますねと、エイレーネが通りの向こうを指し示す。
「アッバース朝……?」
 クロエが生きた時代よりも、さらに後の時代に存在した王朝。
「なるほど、時代が変われば支配者も変わるものなのですね」
 連綿と続く時の流れに、しばし思いを馳せる。
 そう考えると、街の雰囲気にあまり馴染みがないのも納得出来た。
 だが、実はまったく縁がないという訳でもないらしい。
「この地では、わたしの故郷……アテナイの名著が、盛んにアラビア語に翻訳されたそうなのです」
 当時、西方世界ではそれらの古い書物は過去の遺物となり、人々の記憶からも忘れ去られていた。
「面白いことに、翻訳されたものは、後に本国に逆輸入されたのだとか」
 偉大な著者たちの名が今なお知られ、残されているのは、ここに生きた人々のおかげだとエイレーネ。
「わたしたちがその歴史を取り戻せたとは、感無量ですね!」
 ほぉっと胸を押さえ、エイレーネは頬を紅潮させた。
 さらに歴史的建造物などを見て回り、クロエとエイレーネが最後に辿り着いたのはバビロンの遺跡。
 ここには、クロエの望む過去の面影が確かにあった。
「偉大なるイシュタル門……」
 色鮮やかな青の釉薬レンガに覆われた、エキゾチックな門の傍に立って見上げる。
 現存するこちらの門は復元された模造品とのことだが、それでも十分に威厳や懐かしい空気のようなものが感じられた。
「いつか……」
 こんな風に、アテナイの町並みもエイレーネと歩けたら。
「……いえ、こうして共に歩きましょう。必ず!」
「ええ、クロエ様。その時は、全力でアテナイのアクロポリスをご案内しますよ!」
 願いを誓いに──。
 二人なら、きっと叶う。

 観光の後は、霧の調査と探索を。
「霧の発生には、各ディヴィジョンに散ったエゼキエルの残党が関係しているのかもしれません」
 バグダッド島と前後して、最終人類史に奪還された東京23区。
 そこに強い繋がりを持っている複数の強力な存在が、ディヴィジョンと最終人類史を繋ぐ鍵となっているのではないかと、クロエは考える。
「あくまでもこれは私の推論、推測の域を出ないのですけどね」
 当然、まったくの見当違いということも有り得る。
 クロエとしては、パルマを含む今回の調査が、持論の裏付けとなってくれるのを期待したいところだ。
「かの大戦……《七曜の戦》の後、最終人類史を襲っているのは日本国内に領地を持つディヴィジョンだけです。しかしエゼキエル勢の暗躍次第では、他の場所も標的となりえますね」
 いつかこの地にも、彼らが襲来することがあるのだろうか。
 考えたくはないけれど。
 少しでも兆しがあれば、都市と人々の盾となって備えようと、エイレーネは心を決める。
 そうして二人は『飛翔』を使い、バグダッド島の外周部に沿って飛んだ。
 上空から眺める、見事なパノラマ。
 砂漠と海のコントラストも素晴らしい。
 本来の歴史ではあり得なかった光景が、クロエとエイレーネの足下に広がっている。
 主に海面に目を凝らし、二人は時間の許す限り丹念に海岸線を巡った。
 結果、今日のところは成果なし。
「残念ですが、明日また調査の続きをしましょう」
 一旦、街に帰ろうとエイレーネが促す。
「他のみなさんから、何か報告があるかもしれませんしね」
 クロエにも異論はない。
 今宵の宿を決め、食糧も確保して。
「そうだ、エイレーネ。時間があれば、またあの遺跡に行ってみましょうか?」
 仲間との情報交換をも兼ね、みんなで一緒にバグダッドの夜を過ごすのも悪くないだろう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【泥濘の地】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
取り戻した地へ

荷物はアイテムポケットで持込み
【飛翔】で島を巡ろう
昼に夜に、翼を広げ大空を舞おう
空から遺跡、大地の様子を俯瞰

世界にいまだ争いと問題あれど
人の営みは留まることなく、太古より流れてきた

羽休めには風景をスケッチ
夜は、都市の灯がない空へ
この地の星々が美しいのだと、誰に聞いたっけ
闇夜に絢爛と、満天降る星を眺めて、境界付近にキャンプを張ろう
無人の夜、星空へ、大地へ奏でるチェロの音色は
心からの平和の祈りをのせて

今は眠る大地に祈ろう
いずれ平和な世があらんことを

静かに思い巡らす
数えきれぬほど多くの境界を探索してきた旅人として、知識の集約を
「霧の出現には、排斥力の力学の下、複数の条件がある」のだと思う
排斥力の弱体化、あるいは隣接地との排斥力の相対的な差と
排斥力の境界を破らんとする存在の「干渉」の強さがある
それは侵攻の他、クロノ・オブジェクトによる強制開通や
断片の王による制御
それに漂着の吸血鬼や、恨みと憎しみのような、縁による綻びだ
……向こう側の影響を強く受けて同調し、強い縁があれば境界が繋がる


 翼を広げて大空を舞う。
 今、このバグダッドで、敵の目を恐れる必要はない。
 自在に空を飛び、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は偵察を続けた。
 上空から俯瞰した遺跡や街、大地の様子に異常は見られない。
 世界に未だ争いと問題はあれど。
 人の営みは留まることなく、太古より流れてきた。
 けれど、見下ろしたバグダッドの街に人の営みはなく。
 すっかり時を止めた砂漠も街も、不思議なくらい静かだ。
 偵察に疲れたら、しばし羽を休めて。
 画用紙に鉛筆を走らせ、スケッチを楽しもう。
 そして日没を待ち、今度は都市の灯がない空へ。
「この地の星は格別に美しい……そう教えてくれたのは、誰だったろう」
 そんなことを考えながら、さらに翼をはばたかせる。
 闇夜に絢爛と、満天降る星々。
 地上から見上げる夜空もまた、美しい。
 眠る間も惜しむよう、調査の後は海に近い野営地で一人過ごす。
 虫の鳴き声すら聞こえぬ、音のない夜。
 奏でるチェロの音色だけが、優しく辺りに広がった。

 空いっぱいの星たちに。
 そして、今は眠る大地に祈ろう。
 いずれ平和な世があらんことを──。

「あまりに静かすぎるせいかな」
 エトヴァの中で、とりとめのない考えがいくつも巡る。
 たとえば、例の『境界の霧』について。
「霧の出現には、排斥力の力学の下、複数の条件があるのだと思う」
 数えきれぬほど多くの境界を探索してきたエトヴァが旅人として得た、知識の集約。
「排斥力の弱体化、あるいは隣接地との排斥力の相対的な差と……」
 あとは、排斥力の境界を破らんとする存在の干渉の強さか。
 侵攻の他、クロノ・オブジェクトによる強制開通や、断片の王による制御。
「それに……」
 漂着の吸血鬼や、恨みと憎しみのような縁による綻びも。
「……向こう側の影響を強く受けて同調し、強い縁があれば境界が繋がる」
 そう考察していたものの、ともに霧の調査に参加した仲間からの報告を受け、少々考え直す必要がありそうだ。
「敵が隣接ディヴィジョンに向かおうという意志、か」
 現時点で、蹂躙戦記イスカンダル側からのバビロン湖周辺の奪還作戦などの兆候は見られない。
「もし亜人達が奪還に動けば、そこに霧が発生する可能性があるのかもしれないな」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!

テクトラム・ギベリオ
【ヒラール】
ディヴィジョン境界線の霧か。普段は気にしていなかったな。
自然の霧ならば雨の多い所や山間部、それに海や湖に近い場所…ディヴィジョン由来なら海か?
ふむ、遺跡。そうだな。せっかく来たのだし楽しみながら調査をしよう。

遠見しながら島の外側に向かって【飛翔】する。
ここも砂の地なのでエジプトに近い気がする。気候もほとんどかわらないな。
調査用に持ち込んだカメラで気になる箇所を録画と撮影だ。
お、ちょうど遺跡の方向だ。ぐるりと回ってみようか。
折角【飛翔】も使えるのだし、普段なら絶対行けないような遺跡の頂上に登って全景を見てみたい。

調査も一区切り、街には泊まれそうなホテルもあると思うが……ほう、ここがキャンプ地。
何故かナディアのまわりにドドンと筆文字が見えた気がするが気のせいだろう。
寒さ対策には寄り添って。
植物に囲まれたジャングルも楽しかったが、私たちにはここの方が馴染みがある。
会話が途切れたと思うと肩に重みが…お休みと呟いて毛布ごと抱き寄せよう。


ナディア・ベズヴィルド
【ヒラール】
霧が出ているかどうか…ということだけど気負いなく楽しんでいきましょ
境界線をずっと飛んでいるのも大変だし
【飛翔】で上空からの調査をしながら、遺跡を見て回りたい
古の時代を、手で触れて、感じたい
やっぱりテクトもそう思う?エジプトを思い出しちゃうわね
上空から見る遺跡も景観が素晴らしい

もう戻れぬ時代を思い出しながら…、今日は此処をキャンプ地とする!(ドドン)
しんみりも切替えて野営をしましょう
【アイテムポケット】で持ち込んだキャンプ用品をぽぽいっと出してテント等々設置

綺麗で過ごしやすいホテルなどでもいいけど、自然に囲まれての一夜を過ごすのも悪くないでしょ
それに寒いならくっつけば解決だしね
前はエジプト南方のジャングルでキャンプしたけどこちらの方が気候的に慣れているから落ち着ける。
串焼とタジン鍋を使った料理を振舞いながら話に花を咲かせよう
昔の事、これからの事、いくら語っても語り切れない貴方との会話が好き
夜も更ければ眠気に負けてしまい、彼の肩に頭を預けてコクリと舟をこいでしまう


「ディヴィジョン境界線の霧か……」
 そういえばあまり気にしていなかったなと、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)。
 発生の条件やメカニズムが分かれば、さらなる発見もあるかもしれない。
 尽きぬ知識欲が刺激される。
「自然の霧ならば雨の多い所や山間部、それに海や湖に近い場所……ディヴィジョン由来なら海か?」
 生真面目な性格がそうさせるのだろう。
 真剣に考え込む姿に、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)はくすりと笑って。
「気負いなく楽しんでいきましょ、ね?」
「あ、ああ」
 優しく肩に添えられた手に、テクトラムは照れがちな笑みを返した。
「そうだな。せっかく来たのだし、楽しみながら調査をしよう」
 調査には『飛翔』を使い、基本的に上空から行うと二人で決める。
 まず選んだのは、島の外側を周回するルート。
 海岸線に沿って移動すれば、自然と海の様子も目に入る。
 途中で迷子になったり、現在地を見失ったりする心配もなさそうだ。
「ねぇ、テクト……」
 そろそろ出発しようと、身支度を調えたテクトラムを見上げる金の瞳。
「私ね、調査の合間に遺跡を見て回りたいの」
 古の時代を。
 見て、手で触れて、感じたい。
「それに……」
 絶えず気を張り詰めて飛び続けていては、いくら屈強なディアボロスだって疲れてしまう。
 戦士にも休息が必要よと、ナディアは悪戯っぽく片目を閉じた。
「ふむ、遺跡か」
 ナディアが言うことにも一理ある。
 テクトラムとて、この地の遺跡に興味がない訳ではなかった。
「構わないよ、お望みとあらば」
 ナディアの華奢な手を取って、空へ。
 バグダッドの市街地は、蛇行するティグリス川の両岸に広がっている。
 街を出れば、そこは一面の砂の海。
 遺跡や小さな町がいくつか点在する砂漠の先は唐突に途切れ、境界線の水辺へと繋がる。
「同じ砂の地なせいか、エジプトに近い気がする。気候もほとんど変わらないな」
「やっぱりテクトもそう思う? エジプトを思い出しちゃうわね」
 故郷によく似た風景が郷愁を誘う。
 もう戻れない時代、あの場所──。
 しんみりとして、どこか寂しげなナディアの横顔。
 撮影用に持ち込んだカメラのシャッターを切りながら、テクトラムはちらりとそちらを盗み見て。
「お、ちょうど遺跡の方向だ」
 眼下に近づいてきた遺跡群を指さす。
「ぐるりと回ってみようか」
「ええ」
 頷いたナディアの顔に、自然と笑みが戻る。
 過去から連綿と続く時の流れの中で、生まれては消えていった国や文明の数々。
 残された遺跡はそれらの歴史を、そこに存在した証を今も伝えてくれる。
 上空から見る遺跡も素晴らしいけれど。
「折角飛翔も使えるのだし、普段なら絶対行けないようなあの頂上に登って全景を眺めてみたい」
「遺跡の? あら、素敵」
 子供じみた望みだと自嘲するテクトラムを茶化すこともなく、少女のように目を輝かせるナディア。
 いにしえの都のシンボルであったろう螺旋の塔の天辺に立ち、四方を眺める。
 遠く海の方まで見渡せたが、境界の霧が発生しているかまでは分からない。
 だが、今日のところはこれでいい。
 もうすぐ日が暮れる。
 西の空を赤く染める夕陽を眺めながら。
 今はただ、静かに寄り添っていたかった。

 やがて夜が来て、調査もひと区切り。
「綺麗で過ごしやすいホテルもいいけど、自然に囲まれて過ごす夜も悪くないでしょ?」
 そう言ってナディアが案内したのは、街外れの空き地。
「今日はここをキャンプ地とするっ!」
 高らかに宣言したナディアの周りに、ドドンと筆文字が見えた気がするが……恐らくはまぁ、気のせいだろう。
 アイテムポケットからキャンプ用品を次々にポポイッと取り出し、テントの設置を完了させる。
 テクトラムがおこした焚き火の火でナディアは串に刺した肉を焼き、タジン鍋を使った手料理を振る舞った。
 二人きりの楽しい夕餉。
「以前行った植物に囲まれたジャングルも楽しかったが、やはり私たちにはここの方が馴染みがあるな」
「そうね。もし寒くなっても、くっつけば解決だしね」
 美味しい料理の数々に舌鼓を打ち、他愛のない話に花を咲かせる。
 昔のこと、これからのこと。
 いくら語っても語り切れない、貴方との会話が好き。
「だから……ね、もっと聞かせて」
 甘えた声でせがむナディアに、次はどんな話をしよう。
 尽きない言葉のやりとりで、夜は更けてゆく。
「……ナディア?」
 肩に重みを感じてふと見れば、コクリと舟を漕ぐ可愛い寝顔。
 明日の朝も早い。
「そろそろ私も眠るとしようか」
 テントの中へと運び込む前に、毛布ごとナディアの身体を抱き締める。

 あやすみ、最愛の君。
 おやすみ、私の大切な人──。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【泥濘の地】がLV5になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!

 バグダッド島とその周辺を対象とした、『境界の霧』の出現を確認するための調査が終了した。
 結果として、当地での霧の発生や痕跡は認められていない。
 今後も継続的な調査と監視が行われるかどうかは、攻略旅団で議論、決定されることになるだろう。

 調査を終えたディアボロスたちは、次なる調査の地パルマヘ。
 ふたたひ、境界の霧を探す任務を帯びて旅立つのだった。
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

グランダルメのパルマには馴染みがあり
最終人類史のパルマを見て回るのも楽しみです

古い町並みが保存されている地区を歩けば、何だか懐かしい気持ち
人気が無く寂しい雰囲気なのは仕方ありませんが
人混みに煩わされず観光できるのは良いですね

まずはパルマ大聖堂
私は敬虔な信徒では無いかもしれませんが
静謐で荘厳な聖堂に入ると気持ちが引き締まる思いです
この地の人々をどうか、お護り下さい

次はピロッタ宮へ
ファルネーゼ劇場や美術館、博物館を見て回ります
最終人類史でも人々から愛される劇場として存続しているのは嬉しく
帰還の際には満員の劇場で戯曲を見たいものです
美術館や博物館は規模、収蔵品共に圧巻
時間の許す限り堪能します

霧の確認も抜かり無く
境界近辺の高所に複数観測機器をセットして変化を常時記録

霧の出現は排斥力の低下と侵略者側の侵攻意思が濃厚か
そこにディアボロスが関与する余地があるとするなら
隣接ディヴィジョンに侵攻は控えようと思わせる、誤情報を流す
若しくは、侵攻を常に警戒して情報や気配を察知し易くするくらい?


●街は秋色
 美食と芸術の街、パルマ。
 中世の趣が色濃く残る旧市街地へ。
 ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は、古い家並みの通りを歩く。
「何だか懐かしい気がしますね」
 ソレイユにとって、断頭革命グランダルメのパルマ公国は馴染み深い思い出の地。
 あのときとは時代や状況の異なる、最終人類史のこの街で。
「ひと気が無く、寂しい雰囲気なのは仕方ありませんが」
 人込みに煩わされる心配がないのは、却って好都合。
 時間の許す限り、存分に観光を楽しもうと決める。
「ああ、これが……」
 路地を抜け、ドゥオモ広場の入り口まで来たところで立ち止まる。
 広場の東側に建つイタリアロマネスク様式の教会、サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂。
 一般的にはパルマ大聖堂とも呼ばれる、パルマの代表的な観光スポットのひとつだ。
「ほぅ……」
 聖堂内に踏み入った瞬間、思わず息を呑む。
 ルネサンス様式の豪華な装飾に、壁から天井まで埋め尽くされたフラスコ画。
 静謐で荘厳な光景に圧倒される。
 中でもひと際強くソレイユの目と心を惹きつけたもの──それは、中央祭壇上の円蓋に描かれた『聖母被昇天』であった。
 自分は、敬虔な信徒ではないかもしれないけれど。
「どうかこの地の人々をお護り下さい」
 そして、一日も早く皆が帰還を果たせますように……。
 聖母を天にいざなおうとする神の姿に向け、そう祈らずにはいられなかった。

 次にソレイユが訪れたのは、ピロッタ宮。
 宮殿内にあるファルネーゼ劇場や美術館、考古学博物館などを見て回る。
 駆け足気味とはいえ、ファルネーゼが最終人類史に於いてもなお人々から愛される劇場として存続しているのを知れたのは、何とも嬉しい収穫であった。
「いつか……」
 無事に人々の帰還が叶った際には、満員の劇場で戯曲を見たい。
 そのためにも、霧の発生確認に抜かりはなかった。
 境界近辺の高所に複数の観測機器をセットし、常時変化を記録する。
 霧の出現には、排斥力の低下と侵略者側の攻め入ろうとする意志が関係するものと思われる。
 そこに、ディアボロスが関与する余地があるとするならば──。
「隣接ディヴィジョンへの侵攻を控えようと思わせるような、誤情報を流す……とか?」
 もしくは、侵攻を常に警戒して情報や気配を察知しやすくするくらいだろうか。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【泥濘の地】がLV6になった!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!

文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

バグダッドの境界に霧がないのは一安心
次はパルマだね

大聖堂に劇場に、これまた歴史的建造物が沢山だ
再びガイドブックを案内役に色々と見て回りたい
本音を言えばチーズや生ハムも気になるけど
帰還が進んだら改めて市場にも行きたいね

勿論、霧の調査も

ナポレオンのエジプト遠征や、島津の沖縄支配では
史実の縁も関係していた様に思われる
俺達もまた、島津豊久を倒した事がチェインして薩摩国へと向かっているけれど
縁による繋がりもまた要素の一つであるのだろうか

排斥力に関しては
現地の人々を助ける事でクロノヴェーダの感情搾取を妨害して、排斥力低下に繋げているけれど
最終人類史でも、人々の不安が境界の揺らぎに繋がっている可能性はありそうに思う
もしそうなら、その不安を取り除く事もまた重要なのかもしれないね

奪還戦や防衛戦の勝利は勿論だけど
例えばハロウィンを一緒に楽しんで気分を軽くするとかも

元より復讐者は復讐者だけで戦っている訳じゃない
人々の応援があってこそ今も戦えている訳で
共に歩む仲間として支え合って行けたらと思う


野本・裕樹
パルマ、と言うとチーズが有名なのでしたね。
折角なら空いた時間にチーズを使った料理をしてみたいです。
【アイテムポケット】で食材と調理器具を持ち込みます。

チーズを使いリゾットやサラダ等。
色々食べるのも楽しいですが和食が恋しくなりますね。
お味噌汁にチーズを入れるのも良いとか、試してみましょう。
出汁とチーズの旨みが合わさって……これが本場のパルマのチーズであればもっと美味しいのでしょうね。

霧の発生……最終人類史の住民が本来の歴史と大きく異なる生活を送り続けると、最終人類史はディヴィジョンの一つに転落してしまうとの事。
霧の発生とはその前兆なのだとしたら。
本来の歴史と大きく異なる生活……住民が大幅に違う行動を取る原因となるのはやはり不安、でしょうか?
最終人類史での霧の発生は《七曜の戦》前には見られなかった筈、《七曜の戦》で戦いを目の当たりにした住民が不安に駆られ境界が揺らいでいる可能性もあるのかも。
東京の霧は徳川家康と江戸の繋がりの他、近畿と違い最終人類史で戦闘が発生し不安な住民が居るからなのでは?


「大聖堂に劇場……これまた、歴史的建造物が沢山だ」
 先に訪れたバグダッドも、異国情緒溢れる素敵な街ではあったけど。
 ルネサンスの時代から続くパルマの街並みも優雅で美しいと、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)。
 ここでもガイドブックを案内役にして、名所や旧跡を見て回るつもりだ。
「本音を言えば、チーズや生ハムも気になるところなんだけどね」
「パルマというと、確かチーズが有名なのでしたね」
 ガイドブックを覗き込んだ野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)が、わくわくと声を弾ませる。
 それぞれ信頼と感謝の気持ちを抱き合う、雪人と裕樹。
 何度か一緒に出掛けたこともあるふたりが、パルマ行きの同じパラドクストレインに乗り合わせたのは、ある意味幸運な偶然だったのかもしれない。
「うん。帰還が進んだら、改めて市場にも行きたいな」
「でしたら、その前に。折角なら、空いた時間にチーズを使った料理をしてみたいです」
「え……料理?」
 意外そうに睫毛を瞬かせた雪人の前で、トマトやチーズを取り出してみせる。
 裕樹が所持するアイテムポケットの中には、他にも調理に必要な食材や器具などがひと通り納められているのだという。
「このチーズを使って、リゾットやサラダなんてどうでしょう?」
「へぇ、それは楽しみだな」
 美味しい食事が待っていると思えば、俄然やる気が出てくる。
 裕樹と連れ立ち、雪人は霧の調査へと向かった。
 小さなバグダッド島とは違い、県全域が島となったパルマは結構な広さがある。
 すべての海岸線を見て回るには、恐らく数日を要することになるだろう。
「ま、新宿島から運んだ様々な観測機器があれば、霧の発生を見逃す心配はないんだけどね」
 とはいえ、自分たちの目でも確認はしておきたい。
 海までの道すがら、雪人と裕樹はそれぞれ霧について思うところを語り合った。
「最終人類史の住民が本来の歴史と大きく異なる生活を送り続けると、最終人類史はディヴィジョンの一つに転落してしまうとの事」
 もし──。
 霧の発生が、その前兆でもあるとしたら。
「本来の歴史とは大きく異なる生活、住民が大幅に違う行動を取る原因となるのは……」
 やはり不安でしょうか? と、裕樹。
「最終人類史での霧の発生は、《七曜の戦》より前には見られなかった筈。《七曜の戦》で戦いを目の当たりにした住民が不安に駆られ、境界が揺らいでいる可能性もありそうです」
 東京の霧は徳川家康と江戸の繋がりの他、最終人類史で戦闘が発生したのを憂慮する住民たちがいるからなのでは?
 裕樹は、さらにそう続けた。
「確かにね」
 自分も似たようなことを考えていたと、雪人が頷く。
「ナポレオンのエジプト遠征や島津の沖縄支配では、少なからず史実の縁も関係していた様に思われるんだよね。俺達だって、島津豊久を倒した事がチェインして薩摩国に向かっているし」
 縁による繋がりも、要素のひとつだったりするのだろうか。
「排斥力に関しては……」
 ディアボロスが現地の人々を助けることで、クロノヴェーダの感情搾取を妨害し、排斥力低下に繋げている。
 裕樹が言うように、最終人類史でも人々の不安が境界の揺らぎを招いていても不思議ではない。
 当然、どれもが推測に推測を重ねた可能性のひとつに過ぎず、同等に説得力がある別の可能性だってあるだろう。
「けどもしそうなら、その不安を取り除く事も重要なのかもしれないな」
「……たとえば?」
「奪還戦や防衛戦での勝利は勿論、ハロウィンを一緒に楽しんで気分を軽くするとかね」
 元より、復讐者は復讐者だけの力で戦っている訳ではない。
 一般の人々の応援があってこそ。
 共に歩む仲間として支え合っていけたらと、雪人は思う。
「ハロウィン、ですか」
 ふたり誘い合って過ごした、京都での一日が思い出される。 
 あれから一年。
「今年もまた……」
「雪人さん、そろそろお腹空きませんか?」
「え……あ、うん」
 そういえばそうだった。
 考えてみれば、パルマに着いてから何も食べていない。
 急に空腹を覚えて、雪人は少し照れた風に笑った。
「ちょっと早いですが、そろそろ夕飯にしましょう」
 てきぱきと、慣れた手つきで裕樹が調理を始める。
 新宿島から持ち込んだ材料で工夫しつつ、チーズをたっぷり入れたリゾット。
 生ハムを使ったサラダには、薄く削ったセミハードチーズを散らして。
「んー……」
 これだけでも十分悪くはないけれど。
 何かあとひとつ、出来れば和の要素も欲しいところ。
「……そうだ! ね、知ってます? お味噌汁にチーズを入れると美味しいんですって」
「えっ、そうなの?」
 さすがの雪人も驚きを隠せない。
 若干引き気味の雪人を横目に裕樹が仕上げた味噌汁は、ほんわかいい匂い。
 とろけたチーズのコクと、味噌の旨味のマリアージュ。
 ひと口食べれば、ふたりの心まで温かくしてくれることだろう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【泥濘の地】がLV8になった!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

冰室・冷桜
さて、人気のない観光地と考えると寂しいとこはありますが
それはそれ、楽しめるものは楽しみましょ
自分でコースを考えるのもいいけど、今日はパンフレットとかに任せましょうかね
大聖堂とか劇場とか、本来は人がもっとたくさん居るんでしょうけど、こう人が居ない姿もなんか神聖さ?みたいなのを感じれていいわよね

さーて、のんびりしつつ、少し霧について考えてみますか
考えも冴えるかもですし

今んとこはディビジョン同士の霧は排斥力の低下、あるいは何かしらの縁があるってのが原因よね
んで、七曜の戦まではクロノヴェーダは新宿島を認識していなかった、だから隣接してても縁なんてなかった
それが認識されたことで最低限の縁ができた
そして、最終人類史には排斥力が存在しない
排斥力はディビジョンを支配するクロノヴェーダにとって邪魔なものを排除する力だから……謂わば最終人類史は排斥力のないディビジョン?
その代わりに残留効果の超強化があるわけだけど……そこら中のディビジョンから技術やら道具を取り込んでる状況を私は正常な人類史とは思えないけども


 誰もいない街。
 けれど、そこには確かに人々が暮らしていた痕跡があって。
 ゴーストタウンとも違う不思議な感じ。
 冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)がバグダッドで抱いた寂しさや違和感のようなものは、ここパルマにも存在した。
「ま、そこはそれ。楽しめるものは楽しみましょ」
 せっかくの観光地で、何も見ないなんてつまらない。
 案内のパンフレットを手に、冷桜は市の中心部へ繰り出した。
「当然といえば当然だけど……」
 どこに目を向けても、人影ひとつない。
 バグダッドでも経験済みとはいえ、やっぱり慣れないこの感じ。
 だが、いいことだってある。
 通常であれば大勢の観光客で賑わう大聖堂や劇場も、今なら全部ひとり占め。
 誰にも邪魔されずに心ゆくまで堪能出来るのだ。
「あれは……?」
 大聖堂の南西に建つ、六層八角形の建物。
 外壁に薄紅色の大理石を用い、アーチ状の正面入り口が印象的なそれは、12世紀末から13世紀にかけて建造された洗礼堂なのだという。
 大聖堂と同じく、内部は繊細なつくりの彫刻やレリーフ、フレスコ画などで埋め尽くされている。
 音ひとつない、冷桜だけの神聖な世界。
 堂内のベンチに腰掛け、ひと息ついて天井を見上げてみる。
 清冽な空気がそうさせるのだろうか。
 16本の肋材が緩やかなカーブを描いて中央に収束したクーポラを眺めていると、自然と頭が冴えてくる気がした。
「……さて。ここらでちょっと、霧についてでも考えてみますか」
 まず大前提として、境界の霧には排斥力の低下が影響している。
「あるいは……」
 今はまだ憶測の域は出ないけれど。
 境界を挟んだ双方に何かしらの縁があるというのも、発生原因のひとつと考えていいのかもしれない。
「んで《七曜の戦》までは、クロノヴェーダは新宿島を認識していなかった……だから、隣接してても縁なんてなかった」
 それが認識されたことで、最低限の縁が出来たのでは?
 そして、最終人類史には排斥力が存在しない。
「排斥力はディヴィジョンを支配するクロノヴェーダにとって、邪魔なものを排除する力だから」
 いわば、最終人類史は排斥力のないディヴィジョンだということか。
「その代わりに、残留効果の超強化があるわけだけど」
 そこら中のディヴィジョンから技術やら道具を取り込んでる状況を、私は正常な人類史だとは思わない。
「うーむ……」
 霧から遠ざかりそうな思考を一旦停止し、冷桜はそっと目を閉じた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【FK】
パルマへ――
一年近く、共に支援を続けた仲間たちと、現代のパルマを廻ろう

ああ……おかえりなさい。ただいま

昼は観光地図をもって街歩き
大聖堂やファルネーゼ歌劇場等を見て回ろう
……ああ、変わってないんだな……
目を細めては、輝かしい公演、懐かしい人たち、出会った笑顔を思う
懐かしい、美しい街だ

霧の確認は飛翔で空の旅だな

夜は星空を眺めて郊外の草原でキャンプ
アイテムポケットで食材と荷物を持込
ちゃんと防寒装備でいくよ

おお、豪華だ
焚火を熾して、料理の下拵えや、焼くのを手伝おう
カレーは、俺は辛口? 甘口もいいな
ビステッカはどんな味だろ?
美味を沢山味わって
いくらでも食べられそうだよ

ホットココアに、マシュマロはいかが?
食後には星空を仰いで
いつかと同じ歌を、口ずさむ
きらきら輝く、星のうた

パルマにも季節は廻り……いずれ人々も戻ってくる
歌声が、パルマの街に再び響きますように……
チェロの演奏を交えて、皆で演奏を楽しもう

こうして歩んできた、親しい人たち
共に刻んできた旅路は、俺達の歴史となる
星空の下で歌い、笑いあおう


レイ・シャルダン
【FK】
最終人類史へ帰属したパルマに来れるだなんて…。
あの時過ごしたグランダルメのパルマでの日々を忘れない。
おかえりなさい。

グランダルメで歩いたパルマの街並みと今現在の街並みを重ねて見て、
違う景色の中にある同じ景色を見つけてはキャッキャはしゃいでいます。
あの時の歌劇場…現代でもここに変わらずあったのですね…。
本当、ボクは今不思議な、特別な体験をしています…。

霧の調査は【飛翔】を利用して、パルマ上空の旅を楽しみましょう。

ご飯は何処か景色の良い場所で。
【アイテムポケット】から食材とキッチン用具をとりだし。
今日のごはんは………。
カレーとバーベキューです!(ぱちぱちぱち!)
バーベキューはイタリアン
豚のスペアリブ、サルシッチャ、牛のビステッカなどなど。
こんなに作って3人で食べきれるかしら?
ちょっとスパイスの効いたカレーも美味しい♪
お口がぴりぴりして来たらホットココアを頂きましょう。

ん……?
うふふ。
すぐ近くから聞こえてくる歌声に合わせて
空色のギターの音色を響かせ
一緒に歌いましょう、星のうたを


ラズロル・ロンド
【FK】
エトヴァとレイ君と現代パルマー
何度か訪れたディヴィジョンパルマ
現代はどうなってるのかな〜
流石は石造り文化
一部そのまんまな雰囲気もあるね
境界間際では霧調査もしつつ観光を楽しもう
ガイドブック片手に地図を開いて
洗礼堂にこっちは歌劇場だって
人影が無いのはちょっと淋しいけど…
早く帰還が出来るように環境を整えたいねぇ

夜はキャンプの準備
パルマで星空見ながらキャンプしたのも懐かしい
僕はキャンプ道具をアイテムポケットに詰めたり背負って持参
【寒冷適応】で寒さ対策もバッチリ
イスにテントもセットして焚き火台に薪に炭っと
温かい料理作ろう〜
イェーイ、カレーにBBQにパチパチパチ~
野菜は切ってきたのを
炒めて煮込んで〜
カレーは辛口と甘口どっちがお好み?
両方混ぜて辛さ調整
美味しいカレーにしちゃおう
隠し味にチョコも入れて気持ち甘めカレーに
バーベキューも美味しい〜

ふと聞こえてくる歌声に夜空を見上げて
僕も一緒に口ずさみフィンガーシンバルを装備
チャッチャと楽し気なリズムを加えて一緒に歌おう
次は勝利の凱歌うたいに来るぞ~


「最終人類史へ帰属したパルマに来られるだなんて……」
 感無量といった様子で、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は声を詰まらせる。
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)もそうであるように、復興を願い、仲間たちと支援を続けてきた。
 あのとき過ごした、グランダルメのパルマでの日々を忘れない。
「おかえりなさい」
 還るべき場所へ──。
 ねぎらいと歓迎を、そのひと言に込める。
 抱く気持ちは、エトヴァも同じ。
「ああ……おかえりなさい」
 そして、ただいまの挨拶を。
 ……そう、俺達も帰って来たのだ。
「エトヴァ、それにレイ君も」
 早く行こうと、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は両腕を絡ませて。
「現代パルマはどうなってるのかな~」
 わくわくと浮き立つ心そのままに踵を弾ませ、元気よく駆け出した。
「わわっ!」
「あ、おい、ラズ……」
 つられて一緒に走りながら、レイとエトヴァもくすくす笑い出す。
 仲良くじゃれ合うようにしてジュゼッペ・ヴェルディ橋を通り、パルマ川を渡ると、ファルネーゼ劇場のあるピロッタ宮が見えてきた。
 16世紀後半に建造された、ルネサンス様式の優美な宮殿。
 改築に改築を重ね、今なお未完成だというのだから驚かされる。
 城の三階部分に設えられた木造のテアトルファルネーゼは、欧州最古にして、世界初の額縁型劇場としても有名だ。
「わ……」
 初めて目にしたはずなのに、妙に懐かしい。
 違う景色の中にある、同じ景色。
 胸を熱くしたレイの中で、グランダルメで歩いたパルマの街並みと、現在の街並みとが重なる。
「あっちの道をさらに行けば大聖堂や洗礼堂があって、お城の中には博物館に美術館……えーっと、あ、歌劇場はこっちだって」
 ガイドブック片手に地図を開いたラズロルが、レイとエトヴァを手招く。
「あの時の歌劇場、現代でもここに変わらずあるのですね」
「……ああ、変わってないんだな……」
 輝かしい舞台公演、懐かしい人たち。
 ここであって、ここではない場所で。
 人々の笑顔や賞賛の声、鳴りやまぬ拍手喝采をエトヴァは順に思い浮かべた。
「実に懐かしい……美しい街、思い出だ」
「エトヴァさん」
 そう名を呼んだ、レイの声が少し震えている。
「本当、ボクは今不思議な、特別な体験をしています……」
 震えているのは、声だけではない。
 手も脚も。
 感動で身体が震えることがあるなんて、今まで知らなかった。
 あの時代、あの場所で出会った人にはもう会えないけれど。
 彼らの血を受け継いだ、現代の人たちのためにも。
「早くみんなが帰還が出来るように、環境を整えたいねぇ」
 それも自分たちの役目だと、ラズロルがレイに笑いかける。

 市内観光の後は、『飛翔』を利用しての空の旅。
 上空から街や海を見下ろし、霧の調査を行う。
 しばらく監視を続けてみたものの、どこにも霧らしきものが見当たらないのは、ここが大陸軍に放棄された地であるからなのか。
「パルマとバグダッド……置かれた状況に、共通点が見えてきたね」
「ああ」
 ラズロルの言葉に、エトヴァが頷く。
 ひとまず今日の調査はここまで。
「予定通り、夜は郊外の草原でキャンプといこう」
 そのための用意は出来ている。
 アイテムポケットで食材や荷物を持ち込み、防寒対策も万全だ。
「キャンプといえば……」
 グランダルメのパルマで、星空を眺めて過ごした夏の夜が思い起こされる。
 場所も、ちょうどこの辺りだったはず。
 時代や季節は違えど、またみんなと一緒で嬉しいとラズロル。
「イスにテントもセットして、焚き火台に薪に炭っと」
 やることはいっぱい。
 でも、こんなのちっとも苦になんない。
 楽しげな鼻歌交じりに作業をこなし、エトヴァやレイと分担してあっという間に準備を整えた。
 火がおこれば、お次は夕飯の支度に取りかかろう。
「イェーイ! 今日のメニューは~……」
「はい、はーいっ!」
 ぴしっと挙手の姿勢のレイ。
「カレーとバーベキューです!」
 ぱちぱちぱち──っ!!
 男性陣からも一斉に拍手が起こる。
 バーベキューは、イタリアン。
 豚のスペアリブにサルシッチャ、牛のビステッカなどなど。
「おお、豪華だ」
 料理の下拵えや、焼くのを手伝おうとエトヴァ。
 その間にもラズロルは、あらかじめ切ってきたじゃがいもやにんじん、玉ねぎなどの野菜を炒めて煮込む。
「カレーは、辛口と甘口どっちがお好み?」
「俺は辛口……あ、いや、甘口もいいな」
 エトヴァの意見に、ふむふむ。
「ボクも甘口に見せかけて、辛いのも多分……大丈夫?」
「あ、結構イケる口なんだね」
 レイの意見にも、ふむふむ。
 ならばみんなが美味しいカレーにしちゃおうと、甘口と辛口のルーを混ぜて調整する。
「隠し味にチョコをちょこっと入れて、っと」
 スパイシーな香辛料に、甘さと苦みのアクセント。
 こうして、ラズロル特製の気持ち甘めなカレーが完成した。
 肉の焼ける香ばしい匂い。
 そろそろ、バーベキューの方も食べごろか。
「こんなに作って、三人だけで食べきれるかしら?」
 大量のカレーと肉マシマシなバーベキューにレイは目を丸くするが、そこは心配無用。
 ビステッカはどんな味だろ? と、サーロインとヒレ、ふたつの部位が隣り合った骨付き肉をエトヴァが頬張る。
「うん……あ、なるほど」
 塩と胡椒だけのシンプルな味つけが、肉の旨味を引き立てる。
「これなら、いくらでも食べられそうだよ」
 生肉が不足気味な新宿島でなんとか確保してきた牛肉を、こんなにも美味しく食べられることに喜びを感じずにはいられない。
 次にまた来ることがあれば、ぜひパルマ産の肉も試してみたいところだ。
 場合によっては新宿島に持ち込んで、逆輸入というのもいいだろう。
「カレーも美味しいです。ちょっとだけ、お口がぴりぴりですけど」
「ああ、だったら……」
 ホットココアに、マシュマロはいかが?
 食後の口直しにどうぞと、エトヴァはレイに勧めた。
「わ、ありがとうございます♪」
 受け取ったあつあつのマグカップを、そっと大事そうに両手で抱える。
 ココアに浮かんだ真っ白なマシュマロ。
 カップの海で、甘くとろりと溶けてゆく。

 食事が済んだら、みんなで火を囲んで。
 ふと空を仰いだエトヴァが、いつかと同じ歌を口ずさむ。
「ん? あら……」
 レイにも馴染みある歌。
 きらきら輝く、星のうた。
 指先にフィンガーシンバルを装着したラズロルがリズムを刻み、レイも空色のギターで弦の音色を響かせる。
 そこへ、エトヴァの奏でるチェロも加わって。
 一緒に歌いましょう、星のうたを。
 声を合わせ、音を合わせて。
 秋の夜長のスペシャルセッション。
 パルマにも季節は巡り、いずれ人々も戻ってくる。
 この歌声が、街にふたたび響きますように──。
 エトヴァはそう願わずにはいられない。
「次は、勝利の凱歌うたいに来るぞ~」
 そう意気込むラズロル、優しく目を和ませたレイも。
 こうしてともに歩んできた、親しい仲間たち。
 刻んだ足跡──遥かな旅路は、エトヴァや彼らとの歴史になる。
「だから、これからもずっと……」
 星空の下で歌い、笑いあおう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【液体錬成】がLV2になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年11月01日