リプレイ
皇・銀静
(トレインチケット)
●斥候
(「今回の親玉は、天正大戦国に流れ着いた妖怪だと聞いています。……まさか、お囃子を禁じられた村で自分一人は楽しんでいるなんて」)
他のディアボロスを支援しようと、皇・銀静(銀雷閃・g02337)が、先んじて村の様子を伺う。
村人達はしらけた様子で、茶碗に汲んだ僅かなもろみ酒をあおり、漬物を囓っている――“祭が開かれている”とお世辞にも言い難い光景だった。
その向こうに、監視に回っているらしき、巡回するブシドーマルの姿が。
「村人を攻撃しない、とはいえ……二次被害に巻き込むことは避けませんと」
住民を攻撃せずとも、余波で脆くなった家屋を壊すことは容易い。
銀静は迂回し、村人達から離れた場所に移動し、機を窺った。
そして、二体のブシドーマルが、互いの状況確認をしようと接触。
その瞬間、銀静が宝剣を握り締めると同時に飛びかかった。
《戦覇横掃》――迸る覇気を乗せ、不屈の宝剣が天魔武者の装甲に傷を残す。
「!? 何奴!!」
「敵襲、敵襲! 皆の者、成敗せよッ!」
グレンブレードが魔鎧ごと溶断せんと、赤熱しながら銀静に迫る。
その叫びを皮切りに、村人達も「何事か!?」と慌てふためきだした。
銀静のパラドクスの名残――【士気高揚】は必ず役立つだろう。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
田淵・あゆみ
同盟結んで即破棄してって、相手は面食らうだろうねー。その混乱を上手く使えりゃこちらの有利になるのかな
……童謡みたいだ。ほら、むすんでひらいて、ってあったじゃん(両手をにぎにぎと動かす)
音を出せない、歌い踊る事も出来ない。
でも祭やっても良いよって、そんなのは禁止してるのと同じなんだよ。ズルいやり方だよなー
んで自分は神社を占領して演奏三昧
その場所も、音楽もお前らのものじゃない、この地に生きる人達の拠り所なんだ
こいつ等を倒して祭りを取り戻す、その為にいっちょ、派手に行こうか。
さぁ、踊ろうぜ!
【狂騒ダイバー】であちこちにコネクタを設置、そこから伸びるシールドで飛び回って翻弄
地面に足を付ける事なく、空中から蹴りつける
ここかと思えばまたあちら、ってね
コイツは何処にでも付けられるんでね
コネクタを相手の背中に生やしてシールドで縛り、敵ごと振り回してぶつける。同士討ちってやつ?
体当たりは出来るだけシールドを巻き付けて減速させ、頭や体の中心部は腕か脚でカバーして受ける
アドリブ連携歓迎
●開宴
時先案内人が通達した頃、時を同じくして“停戦破棄”が決定していた。
「同盟を結んだと思ったら、即破棄して。あの天海も面食らうだろうねー」
田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)は、おかしそうに肩を竦める。
思惑通りに事が運ばず、困惑する姿が目に浮かぶようだ。
「……なんか、童謡みたいだ。ほら、むすんでひらいて、手を振って、むすんで……ってヤツ?」
両手を握ったり離したりして、失笑するあゆみが村内へ飛びこむ。
「ああ、厄日だ! 今日が大安吉日と言い出したのは誰だ!?」
「仏滅じゃ、間違いなく仏滅じゃ!」
吉凶を現す六曜に従ったはずなのに、戦火が村を襲っている!
悲嘆の叫びが響き渡る中、頭を抱えて縮こまる村民など構わず、ブシドーマルは火炎放射器を仕込んだ日本刀を振り回していた。
そこへ、あゆみが《狂騒ダイバー》で藁葺き屋根にコネクタを打ちこみ、マイクシールドで横滑りするように急接近。
「音も出せない、歌い踊ることもできない――そんなのは禁止してるのと同じなんだよ!」
遠心力とパラドクスを乗せた、ワイヤーアクションから繰り出す蹴りが、暴れるブシドーマル達に襲いかかっていく。
果敢に攻めこむあゆみだが、パラドクスは継続して発動することができない。
固定化されたパラドクス――サーヴァントだけが、例外と言えよう。
一度、着地せざるをえなかったあゆみに、ブシドーマル達が背面ブースターを噴かして突撃。
攻撃した相手の数だけ反撃が飛来する。――二機の天魔武者が猛スピードで肉薄し、
「新手め! 逃しはせんぞ!!」
ぶちかまそうとするブシドーマルに、ケーブルを巻きつけて直撃を防ぎにかかったあゆみだが、強い衝撃が五臓六腑に染み渡った。
「こいつ等を倒して祭を取り戻す。いっちょ、派手に行こうか……さぁ、踊ろうぜ!!」
怯えすくむ村人達に、あゆみが堂々と宣言する。
こんなものは祭ではない。――祭の名を騙った“圧政”だ!!
(「見てろよ。花火とまではいかなくても、デカい勝ち鬨あげて、村一番の祝宴を開いてみせる」)
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
ここでも他と同じようなことをやっているのか。相変わらず懲りない連中だな。
停戦の破棄が決まった今、和泉国以外でも戦端が開かれることになるだろうが、まずはこの地からだ。
俺がやるべきことは変わらない。
逃げも隠れもせずに正面から乗り込んで天魔武者たちの前に立つ。法被姿でな。
祭りで法被を着る時代はまだ先らしいから意図は伝わらないかもしれないが、こういうのは気持ちの問題だ。
俺はこの村で祭りを執り行いに来た者だ。演奏もするし食料も持ってきたぞ。文句があるならかかってこい。
わかりやすく派手に、本物の稲妻じゃないが、そう見える技を使って大立ち回りを演じる。
体当たりを念動力を纏ったバンデージも使い、あえて体で受け止める。こいつらが絶対の支配者なんかじゃないということを皆にわかってもらわないとな。
しかしこいつら、妙にヒロイックなデザインをしているな。
お囃子を我慢する必要なんてないんだ。準備を始めていてくれ。すぐに始められるように片をつけてくる。
●喧嘩祭
(「和泉国は停戦協定の対象外だったが、停戦が破棄されようとやるべき事は変わらない。この地を、和泉国を解放するぞ」)
法被姿の獅子堂・崇(破界拳・g06749)が、握り締めた拳をじっと見つめ……住民を背に庇うようにして、戦場に割り込む。
「新手か!」
「俺はこの村で祭りを執り行いに来た者だ。祭り囃子は響かせる、たらふく飯も食わせる。――文句があるならかかってこい!」
風にたなびく法被は、陣羽織を思わせる吉祥文様で彩られていた。
法被そのものは『江戸時代初期に生まれた』とされているが……、
「吉祥、文様……? 吉兆が来たってぇのか!?」
歴史ある柄模様から“目出度い象徴”であることは、村人達にも理解できたようだ。
あゆみ達と交戦し、数機のブシドーマルは再起不能。
「花火代わりだ、派手な一発をお見舞いしてやる」
解りやすく、派手な一撃を――《我流破界拳・迅雷》による、稲妻じみた赤い閃光が戦場を突き抜けていく。
「おのれぇ……淀殿様の領地で、狼藉を働くなど!」
ブシドーマルが人間大砲よろしく、背面ブースターから炎の尾を伸ばし、崇に痛烈な一撃を浴びせる。
「ひぇっ!?」
村人は思わず両手で顔を覆ってしまうが……指の隙間から見た光景に、息を呑む。
強度の高いバンテージで固めていたとはいえ、“真っ向から”ブシドーマルの一撃を、その身一つで受け止めたのだ。
「天魔武者は、絶対的な支配者なんかじゃない……それに土地を守る神様も、奉る人々も笑顔になってこその祭りだ。多くの国、多くの友人達と出逢ってきた俺が断言する」
身体が痛もうと関係ない。これまでの経験、見てきた景色、そして友人達の笑顔が崇の脳裏に浮かぶ。
「――祭りってのは、歌って、踊って、楽しまないとな!!」
鋭い閃光が再び迸り、ブシドーマル達はガクガクと痙攣しながら地に伏す。
天魔武者が敗れ、呆気にとられていた村人だが……その一人がハッと正気を取り戻し、崇に駆け寄った。
「あんた、大丈夫か! 儂らのために御武家様に逆らうなんて……こんな怪我までして、なんの特にもならんやろ!?」
「心配するな、これくらい慣れている。……それより、お囃子の準備を始めてくれ。祭りには不可欠だからな」
【士気高揚】の影響もあってか、しばし躊躇った様子を見せるが、
「……ほんまに、お囃子やってもええのか?」
「すぐに始められるよう片をつける。我慢する必要なんてないんだ、祭りは呑んで騒いでこそだろ?」
崇の一言に後押しされ、村人達は仕舞っていた和太鼓や横笛、三味線を引っ張り出そうと、我が家へ飛びこんでいった。
神社は村の奥、山の麓に設けられているという。
――そして今は一人、舞を楽しむ妖怪がいるのだと。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
六條・真冬
(トレインチケット)

群・家豪
(トレインチケット)
●御神楽と里神楽
村人達が丁寧に敷いたのだろう、石段の上には立派な鳥居。
その向こうで、古琴を爪弾きながら雅やかに舞う妖怪――アメノカグユミの姿があった。
「あの妖怪がいるせいで、参拝も作物の奉納もできないらしいな」
六條・真冬(ペンギンつき時先案内人・g03491)の一言に、群・家豪(百歩蛇王の落胤・g00098)は眉根を寄せる。
「古来の神楽舞は、宮中で行われるんだったか? それも非公開で……専門家の言うことを疑う訳じゃねぇが」
愛用のキューをくるりと一回しし、家豪は鳥居越しに低く身構えた。
鳥居や社殿を巻き込まず、境内で済ませられればいいが、
「戦場を支配する戦略(タクティクス)――とくとご照覧あれ、ってな!」
《冥界遊戯》によって生じる、九つの魔力弾が「ブレイク!」と叫ぶ家豪の一打とともに、境内中にはじかれたように飛び交う。
「――っ!」
ランダムに襲いかかってくる魔力弾に、アメノカグユミも気付き、舞う手を止めて《神代御弓舞》を発動。
琴の弦を弾いて真空の刃を飛ばし、魔力弾を打ち落とそうとする。
そこへ、真冬もダンジョンペンギンのマナトを伴い参戦。
「マナト、突っ込むからな!」
「きゅぃっ」
境内のそばに転がっていた、抱えるほどの大きな石を引っこ抜き、真冬も《ストリートストライク》でアメノカグユミにぶん投げる。
「面妖な秘術……ディアボロスであるか! よもや御神楽の最中に襲いかかるとは、非礼というものを知らぬのか!?」
相手の正体に気付き、アメノカグユミは《太々神楽舞》を舞い、真雪の精神に強烈な揺さぶりをかけながら、自らを鼓舞していく。
アメノカグユミの抗議に眉をひそめる家豪は、
「非礼だぁ? 里の祭りをしらけさせる連中に、“礼儀知らず”なんて呼ばれる謂れはねぇな!」
境内を囲うように屹立する樹木を利用し、変化球を織り交ぜながら、家豪のパラドクスはアメノカグユミの全方位から叩きこまれる。
これは神前での果たし合い――ディアボロスとクロノヴェーダの戦いを、氏神も照覧されていることだろう。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
白水・蛍
アドリブその他諸々歓迎
味方はSPDでディフェンス。
祭りを、歌曲を独り占めにするなんてもったいない事をしますわねえ。
これらは皆で楽しむから楽しいんですわよ。
踊りましょう。舞いましょう。奏でましょう。共に!
【チェレキギタソー】を構えて奏でます。歌います。
己の中の歌を、思いを、猛りに変えて、その咆哮を。
我が猛りの歌を歌曲の彩りといたしましょう。
――【ルナティックファング】!月にて狂い猛る狼の咆哮の、魂の歌!
相手の攻撃は【音綴る者の帯・音と陰陽術繰る者の衣装】を用いて魔力障壁を展開して致命傷を避けるようにします。また、チェレキギタソーで連撃+グラップル+粉砕+貫通撃で刃砕いて致命傷を避けます。
さあ、もっともっと楽しみましょう。共に!
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
祭りは歌って、踊って、楽しむものだとは言ったが、こうして一人で踊っているのは祭りとは呼べそうにないな。ましてや人を苦しめているような相手だ。どれだけ美しく舞おうと心には響かないな。
村は既に解放した。後はお前だけだ。ここでけりをつけさせてもらうぞ。
土地神に奉納するのなら神社も取り戻さないとな。
アメノカグユミの動きに惑わされず、逆にこっちのリズムでペースを崩す一撃を叩き込む。
さっきと違って派手さはないが、威力はお墨付きだ。
今の俺にできる最速、この技で奴の動きの間隙を狙ってペースを乱せれば隙が生まれるはず。
手傷を負うのは承知の上だ。
ちょっとやそっとで俺を止められると思うなよ。
お前がなんのために舞い、演奏していたのかは知らないが、ここからは村の皆の祭りだ。
田淵・あゆみ
祭りってのはその土地に住む人達のものなんだ。
歴史や気候、祀る存在、言葉、風習…沢山のものからなる、そこに住まう人が作り上げるもの。
そう俺は思ってる
一方的に奪い押し付けて出来上がるもんじゃない。
身体に魂に、刻まれたリズムは途切れない。音楽は止まない
これ以上邪魔はさせないよ
あちらが歌と踊りで仕掛けてくるなら、こちらも負けてらんねーな
【激情WOD】で攻撃
連続で舞う事でコンボ繋げるってんなら、泥濘の地で足元を崩させてもらうよ
多少でも揺らいでくれりゃいいさ、その隙に距離詰めて蹴りに行く
向こうの攻撃は喰らうの上等、致命傷になる所だけは腕や肩でカバーして受けるようにする
アドリブ連携歓迎
●神前仕合
「祭りを、歌曲を独り占めするなんて……もったいないことをしますねえ」
チェーンソーとエレキギターを合体させた『チェレキギター』を振り回し、白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)がアメノカグユミに肩を竦める。
「これらは皆で楽しむから、楽しいんですわよ」
「笑止。御神楽とは本来、宮中でのみ行われる神事! “どうしても祭りを”と嘆願され、淀殿は寛大にも“行ってよい”と仰せられた。その上で、この村一つの為に御神楽を行っている!」
神聖な儀礼として行われる“御神楽”に対し、民間で行う祭儀を“里神楽”という。
淀殿はそれを理解しながら、揚げ足をとる形で、民草に禁令を言いつけたのだ。
許可した意図に気付き、田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)も声を荒らげる。
「相手の揚げ足をとってマウンティングね? ずいぶんダサいことするなぁ――そういうのを“ありがた迷惑”って言うんだよ」
《激情WOD》――両手で扉をこじあける仕草が、時間と空間を切り取った狭間を一時的に生じさせ、駆け抜けたあゆみの蹴りがアメノカグユミの脇腹を捉えた。
「歴史や気候、風習、その中で祀る存在、そして言葉が生まれていく……村で作りあげてきた文化、壊させやしない!」
「く、巫女神楽を覗き見るだけでなく、妨げるなどっ!」
細目を顰めながらも、あゆみの精神を穿つ神楽舞を舞うアメノカグユミに、獅子堂・崇(破界拳・g06749)はゴキリと拳を鳴らし、
「村は既に解放した。後はお前だけだ、ここでケリをつけさせてもらうぞ」
大地を揺るがすほどの踏み込みから、《我流破界拳・風烈》による、強烈な正拳突きで胸部を打ち抜く。
爪弾く琴弦から生じる真空刃に傷つけられても、アメノカグユミのペースを乱そうと、予測しづらい挙動で崇は警戒させ続ける。
「踊りましょう。舞いましょう。奏でましょう。――社殿に御座す氏神様、そして村の皆さんへ届けてみせましょう!」
蛍の猛る想いが咆吼となり、咆吼は歌声となり発せられる。
『ええじゃないか ええじゃないか! おっかねえ御上が何為るものぞ? ええじゃないか ええじゃないか! 産土神も御笑覧 飲めや歌えや 月夜の中でどんちゃんちゃん! お山に隠れる山犬も 月に吼えよう どんちゃんちゃん!』
ええじゃないか――幕末後期、倒幕運動が盛んな時期と重なり“世直し”の号令ともなった囃子の句。
淀殿、そして天魔武者の圧政に苦しむ者達のため、奪還する熱意を込めた歌とともに、《ルナティックファング》を発動し、チェレキギタソーでアメノカグユミを乱れ打つ。
「なんと即物的な! 神聖なる儀礼にて、そのような歌舞を奉納しようというのか!?」
「そうです。村人は賑やかしい祭りを望んでいます、土地神様もきっと同じでしょう!」
ギザ歯の回転鋸と真空の刃がぶつかりあい、火花が飛び散る。
花火というには荒っぽいが、“神前仕合”と思えば華やかなくらいだろう。
ぶつかり合う両者の均衡は、少しずつ傾き始める。
【能力アップ】、【ダメージアップ】による戦術エフェクトでパラドクスの威力は増し、アメノカグユミを抑えこみつつあった。
「どれだけ美しく舞おうと、俺の心には響かないぞ――ましてや人々を苦しめている要因ではな!」
斬り結ぶ蛍とアメノカグユミが間合いをとるや、崇が追い打ちのごとく拳を叩きこみ、
「身体に、魂に刻まれたリズムは途切れない。音楽は止まない――音楽には俺も一家言あるんで、ねっ!」
たたらを踏む相手にあゆみが勢いよく飛び膝蹴りで額に一撃。
数多の打撃と裂傷の数々によって、菊花が咲き誇る巫女装束は、赤黒いシミで色取られていた。
「血湧き肉躍る歌舞も、中々に痛快でしょう? さあ、もっともっと楽しみましょう!」
チェレキギタソーを弾く手を止めず、蛍はクスリと妖艶な微笑みを見せ、
「ふ、ふふ……言うてくれる……だがっ」
アメノカグユミも唇に弧を描いた。
感情の昂ぶりを抑えきれない様子で、琴の弦に指を滑らせ、雅やかな音色を発する。
「月にて狂い猛る狼の咆吼、その魂の歌で――黄泉路に送ってあげます!」
蛍が満月の如き輝きを纏っていく――《ルナティックファング》で内に眠る獣性を呼び起こし、蛍が躍り出ると、チェレキギタソーを振り上げた。
魔力障壁で真空刃の衝撃を抑え、傷つきながらも回転鋸はアメノカグユミに影を落とす。
けたたましい騒音をあげる刃が獲物を捉え、古琴ごと巫女を深々と斬り裂いていく。
咲き乱れるは血の花。境内を赤く染める花が繋がり、そこにアメノカグユミが倒れ伏す。
「ああ……我が御霊も、あの方の……もと、へ……――」
力尽きた巫女は血の海で脱力し、もう起き上がることはない。
「淀殿も無粋なことをするね。TPOを弁えないとさ?」
ファミレスで、ドレスコードを要求されることはない。
“常識の範囲内”であれば、どの店も歓迎してくれるだろう。
かぶりを振るあゆみと一緒に、崇も一息ついた。
「だが、ここからは村の皆の祭りだ。盛大に祝ってもらわないとな」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【狼変身】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
●驚天動地
「ほ、ほんまに神社を解放しちまったんか?」
「じゃあ、お囃子もできるな!」
“神社を占拠する妖怪を懲らしめた”――その一報に、村人達は驚きと喜びの声を上げる。
「太鼓も準備できたで! 折角や、あんたらも楽しんでいってくれんか?」
和太鼓、と一口に言っても、意外と種類が豊富。
一般的な和太鼓のイメージは『長胴太鼓』という、台座に乗せる大型のモノ。
しかし、高音の出る『締太鼓』や、肩から提げる『桶太鼓』もお囃子で使われる。
力強い太鼓の音に、横笛や鈸の音が加われば、いっそう華やぐことだろう。
だが、少ない食料で糊口を凌いできた人々には、緊張が和らいだことで空腹感も蘇ってきたようだ。
「……あー、なんや。ホッとしたら急に腹が空いてきたわぁ」
「祝いの席にと、もろみ酒を作るのに白米をたっぷり使うたからなぁ……ま、この際、ええじゃないか! 祭りにお囃子、これで土地神さんも大喜びや!」
賑やかしい光景だが、食料不足は死活問題。
新宿島から持ち込んだ食料も“その場で食べてしまえば”、排斥力の影響を受けず、腹を満たすことができるだろう。
――さあさ、皆さん御立ち合い。
これより和泉国の里神楽、幕開きと相成ります!
音無・サカハ
(トレインチケット)
●煮炊き
ジークリット・ノイバウテン(人間の殲滅機兵・g03261)、音無・サカハ(過去を探す旅人・g10149)は【アイテムポケット】に詰めこんできた、野菜や牡丹/イノシシ肉、川魚や米袋などの食糧、調理器具、調味料を次々ととりだす。
2人×2個分で4箱分の持ち込みが出来たと考えると、けっこうな量を用意できただろう。
「料理かぁ……普段からやってるけど、戦国時代の飯なんて作ったことないな」
「わ、私も機械なき文明の食文化となると……未知の世界ですわね。サカハさん、お料理の心得があるのでしたら、主導して頂けませんこと?」
見るからに高貴な身分と解るジークリットの立ち振る舞いに、サカハも色々と察した様子で、村人達に“食べたいモノを尋ねる”というテイで食文化を調査する。
お祭り気分の村人達は、嬉々としてジークリッド達に答えてくれた。
「俺はふろふき大根が食いたいな。出汁で柔らかく煮込んだ大根と、柚子味噌がこれまたよく合うんだわ!」
「あ~、今年は白みそ雑煮が食えんかったな。季節外れだけど、目出度い日や! 餅を食ってもええやろ?」
集めた情報を元に、専門家からもらった資料と、丁寧に照らし合わせる。
「ふろふき大根ならいけるな。雑煮は里芋や大根の皮むきが必要だけど……ジークリット、できそう?」
サカハの問いに、ジークリッドは自慢の縦ロールをファサリと払い上げ、
「私に不可能はございませんわ! 食事の支度は使用人に任せておりましたが……お芋でもお餅でも煮込みきってみせますわっ」
「あはは……じゃあ、柚子味噌を作ってくれるか? ふろふき大根の出来を左右しそうだからな」
レシピを手にし、ジークリットはカセットコンロに鍋をセット。
白みそと砂糖、本みりん、調味酒を軽く混ぜ合わせ、軽く煮込んでから、すり下ろした柚子の皮と果汁を搾り入れていく。
「柑橘類の爽やかな香りと、お味噌の甘い香り……なんとなく落ち着きますわね」
その間にも、サカハは慣れた手つきで野菜の皮むきをしつつ、昆布だしをとっておく。
根菜を一口サイズに刻んでから、ふろふき大根、白みそ雑煮の鍋に材料を投入する。
丸餅は熱が通りやすく、白みそも風味が飛ばないよう、仕上げの際に加えておこう。
「魚もあるよな、串に刺して網焼きするのもアリだな?」
「でしたら、そちらも私がこなしてみせますわ! 柚子味噌の粗熱をとっておりますので、コンロが空いておりましてよ?」
渾身の出来栄えだったようで、自信のついたジークリットが自ら申し出ると、おっかなびっくり生魚に串を刺していく。
網焼きしていると、魚から芳ばしい匂いが漂い始めた。なんとも食欲を誘う、魅力的な香りだ。
「お塩はいつ、かけまして?」
「焼けて脂が滲んだ頃がいいな、塩っ気は瓶を二振りすれば十分だぜ」
サカハ達が作った料理を食べてもらっている間に、【活性治癒】で体力回復を後押しする。
腹が満たされた上に、明日まで疲れを引きずることもない。
――これで祭りを思う存分、楽しむことができそうだ。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
村も神社も解放出来て、ようやく祭りが執り行えるな。食べて元気が出たならなによりだ。収穫を祝う祭り、やっぱり皆が楽しめなくちゃな。
せっかくの祭りだから酒も持って来ているぞ。
【アイテムポケット】から樽酒を取り出す。祝い事ならこれくらい持ち込んでもバチは当たらないだろう。
飲み過ぎないように気を付けてくれよ。まだまだ歌って踊って演奏して楽しまなきゃいけないからな。
太鼓を借りれるなら俺は『長胴太鼓』を使わせてもらおうか。ちょっと練習したことのある素人みたいなもんだが、村の皆と一緒に楽しませてもらおう。
お囃子を聞いているとなんというか、テンションが上がるな。
太鼓の演奏が終わったら俺も一緒に踊ろうか。
これだけ盛大にやれば土地神も楽しんでくれただろう。
この村はとりあえず安全になるだろうが、ここだけじゃなく、もうすぐ和泉国そのものが圧政から解放される。もう少しだけ待っていてくれ。
田淵・あゆみ
さぁこの夜にもう邪魔者は居ない、楽しもう!
浴衣に着替えよう、今年のくすみグリーンのを着る
太鼓のリズムに合わせてうきうきした気分で音の鳴る方へ
途中に田畑が見える所があれば、稲穂の海を思い浮かべる
次に来るときは、稲刈りの手伝いにでも来られると良いな
ずらり並んだ太鼓に目を見張る、ここまで揃ってんの凄いな
心弾むリズムとメロディにわくわく
祭りの歌を教えて、一緒に歌いたいんだ
先の歌声に付いて歌い出す、一度聴けば大丈夫
地の人が歌うメロディに合わせてハーモニーで歌おう
お囃子に合わせて合いの手入れたり手拍子したり、
笛や三味線が入ってきたならさぁ本番、下駄鳴らしてステップ踏もう
思うがままに踊ろう、今夜は祭り
ハメ外すのもたまにゃ良いよね
歌い楽しもう、空まで舞い上がり月を撃ち抜けるほどに
盛り上がりに合わせて太鼓に目配せして、少しテンポ上げてもらえるように手で煽ってみる
応えてくれたなら最高、声と踊りで合わせるよ
ただこうして笑えるだけで良い、
楽しい気持ちが明日へ踏み出して行く礎になるならそれが良い
●踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々!
神社での戦いを果たしてから、田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)と、獅子堂・崇(破界拳・g06749)は、新宿島で“用意”を済ませて舞い戻った。
「どこ行ってたんや? あんたらの酒がなくなっちまうところだったぞ」
「ちょうど良かった。俺も酒が必要だろうと思ってな、少しばかり持ってきた」
崇が【アイテムポケット】から、藁紐で締めた、祝い用の樽酒をいくつか取りだしていく。
奪還した京都内の酒蔵で醸造された、一級品の清酒が詰まっている。
「こいつぁ清酒やないか!? こんな上等な酒、よく用意できたなぁ。土地神さんにも奉納せんと……祝い酒やからな!」
「飲み過ぎるなよ? 祭りはまだまだこれからだ。歌って踊って、盛り上げていかないとな」
升(ます)もない村落では、茶碗が盃の代わり。
もろみ酒が底をつくと、意気揚々と清酒を堪能し始める。
あゆみは今年、仕立てた浴衣に着替えてきた。
くすんだ緑に光沢のある布地が上品で、植物の文様がなんとも“粋”な一着となっている。
その姿は村の女子衆の目にすぐ留まった。
「こんな辺鄙な村に色男が来とる! ……眼福やんなぁ」
「ほんまやわ……ちょっとあんた、声かけてきたらどうなん?」
祭りに浴衣を着る文化の興りも、実は江戸時代に入ってから。
あゆみの装いが目を惹いたこともあるが、容姿端麗な美青年に、色めき立つ声がこっそり聞こえてくる。
(「ああいう持て囃され方は慣れないから、なんだか恥ずかしいね……」)
居心地悪そうに頬を掻きつつ、あゆみは田園地帯のある方に目を向けた。
きっと昼間は稲穂が風にそよぎ、黄金色の草原が広がっていることだろう。
(「次に来るときは稲刈りの手伝いにも来られないかな。稲刈り機もない時代じゃ、重労働だしね」)
そんなことを考えていると、あゆみの耳に太鼓や横笛の織りなす、賑やかしい音が聞こえてきた。
腹を満たした者達が、ついに祭り囃子を奏で始めたのだ。
――ドンドン、ドドン! カンッ! カカン、ドン!
――ピピ~ヒョロロ、ピ~ヒョロッ♪ ヒュロロッ♪
――ベベン♪ ベン、ベベン♪ ベン、ベン、ベベッ♪
和泉国、また名を泉州……泉州音頭は三大音頭のひとつと呼ばれ、現代にも引き継がれている伝統芸能でもある。
“音頭取り”と呼ばれる歌い手の生歌、お囃子の演奏に合わせ、人々は手拍子を打ちながら、円を描くように踊っていく――まさに村一丸となって宴を盛り上げるのだ。
全体的にゆったりペースなところも特色だろう。
ズラリと並ぶ太鼓と、不揃いでも楽しげに踊る村人達に、あゆみも思わず笑顔になる。
「お祭りっていっても、落ち着いてて……うん、いい雰囲気だ。ねぇ、俺も音頭取りやらせてもらえない?」
「兄ちゃん達には世話ンなったからな、ええで! でも歌詞は知らんやろ」
「大丈夫、歌ってる内容は覚えたから」
あゆみは本来、櫓が立つはずだっただろう輪の中心に目を向ける。
『そりゃ~よっこいさァ~♪ 祭りの櫓をとりま~く 踊り子さんも よいしょ~♪ どっこいさ~のせェ~♪』
『あーよいさ、よいさ! はーどっこいしょ!』
合いの手を挟みつつ、音頭取りはスローテンポな唄を吟じる。
いつもとちょっと違うテイストだが、住民達の楽しげな雰囲気に熱を感じ、あゆみはすっかり惹きつけられていた。
下駄を鳴らして、輪の中に入ったあゆみが音頭を取り始めると、若い娘っ子達からは黄色い悲鳴が上がる。
「はァ~♪ 皆ァで~楽しくゥ~草鞋を履いて~♪ ちょいとォ~繰り出すゥ~祭りの日ィ~♪」
『そりゃ~よいやっさーの♪ どっこいさーのせ~♪』
身体を揺らしてリズムをとると、カラン、カランと下駄が鳴る。
それを見ていた崇も、
「面白そうだ、俺にも太鼓を叩かせてもらえるか? ちょっと囓った素人みたいなもんだが、一緒に祭り囃子を楽しみたい」
「そない気張らんでもええ。気合入れて太鼓を打ってくれりゃあ、踊り子さんも盛り上がるってなモンよ!」
長胴太鼓のバチを譲ってもらい、崇は長胴太鼓にバチを振るっていく。
――ドンドン、カンッ! ドンドン、ドドン! カッカッ!
美味いメシ、美味い酒、そして年に一度の目出度い日。
久しく満喫できなかった自由を謳歌し、会場はすっかり村人達の笑顔で溢れかえっていた。
「なっはっは! やっぱ祭りはこうでねぇとなぁ~!」
「よォ~いせェ~♪ こりゃ~のせェ~♪ よォ~いやァ~らァ~♪」
酒で顔を赤くする好々爺も、艶のない髪を束ねるご婦人も。
皆が憂さを晴らさんばかりに盛り上がる光景に、一息ついていた二人は満足そうに眺めていた。
「これだけ盛大にやったんだ、土地神も楽しんでくれただろう。……もうすぐ和泉国そのものが圧政から解放される。あと一息だ」
「そうだね、根本的な解決に乗りだす日は近い……次の祭りは、何の気兼ねなく楽しんでもらいたいね」
天から見守るお月さん。村を見守る氏神さん。
さあさ皆様、ご照覧あれ。
和泉国の城取合戦がいよいよ始まる。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
【泥濘の地】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!