イタリア北部救援作戦

《七曜の戦》で蹂躙戦記イスカンダルに強奪されたイタリア南部は、断頭革命グランダルメから消滅し、海となりました。
 攻略旅団の提案により、この海になった地域に近いイタリアの、救援支援に向かう事になりました。

 亜人は《七曜の戦》終戦時に蹂躙戦記イスカンダルに戻り、断頭革命グランダルメのクロノヴェーダもこの地域から撤退した為、この地域にはクロノヴェーダの姿は無いようです。
 残ったイタリアの都市を巡って、住民と交流を行いつつ、彼らの支援を行ってあげてください。
 この救援作戦が成功すれば、イタリアの一般人達は自給自足で生活していく事が可能になる筈です。

地中海が誇る万能野菜ブロッコリー(作者 質種剰
5


#断頭革命グランダルメ  #イタリア北部救援作戦  #イタリア半島 


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 断頭革命グランダルメ、イタリア北部。
 七曜の戦の折に、蹂躙戦記イスカンダルがイタリア南部を強奪したこともあって、隣接するこの北部地域は宙ぶらりんな状況に陥っていた。
 断頭革命グランダルメの支配を実質的に脱した——といえば聞こえは良いが、要はクロノヴェーダ側がこの土地を見捨てた。
 即ち、流通面で大打撃を受けたのだ。
 フランス本国との交流が途絶え、南部が海になり、ディアボロスのおかげで復興していたパルマ公国やオーストリアなどの地域までもが海になったからだ。
 イタリア北部に暮らす人々は、当然戸惑った。
 いきなり、近所が海に変わった上、商人とかも来なくなり、生活が立ち行かなくなりつつあった。
「……」
 ぼんやりと海岸に佇む婦人は嘆いた。
 何も、出兵した夫を何年も待ち続けているわけではない。
「おかしいわ……『全ての道はローマに通ず』ってのは嘘だったの? 遠くない道のはずが海になるなんて!」
 これから収穫期だというのに、ローマに出稼ぎに行っていた男衆が戻らないのを案じて、プリプリ怒っているのだった。
 イタリアは北部と南部で食生活が異なることはよく知られているが、それでも北部だけで全ての食糧を賄えるわけではない。
 肥沃な南部の土地に実る麦や野菜は、これから迎える厳しい冬を越すためには欠かせない備蓄となるはずだった。
 イタリア南部だけではない。フランスとの交易も北部の人々の生活をどれほど豊かにしてくれたことか。
 しかし、今は——人々からしてみれば——謎の海に阻まれ、必要な物資を運んでくれる商人が来てくれない。
「何なんだろうね、この海は」
「地図では正しい道だったはずだけど……」
「まるで、いきなり方向音痴になったみたい」
 人々の中には、いずれ訪れる飢餓を恐れて、他の土地へ逃げだそうとする人もいた。
 だが、己が目でイタリア南部やフランスへの道が海で阻まれていると知るや、ただ途方に暮れるしかなかった。
「お腹、空いたねぇ……」


 新宿駅。
「攻略旅団の提案により、北イタリア地域の救援活動を行うこととなり申した」
 蘆屋・道満(人間の陰陽師・g08362)が、集まったディアボロスたちへ説明を始めた。
「南イタリアが蹂躙戦記イスカンダルに強奪され、パルマ公国やオーストリアなどは最終人類史に奪還されて、断頭革命グランダルメの本国の支援も行われなくなったため、北イタリア地域が孤立してしまったからですな」
 亜人による直接的な略奪や蹂躙は行われていないので、今すぐに困窮して餓死してしまう状況というわけでもないが、物流が途絶えたことで冬を越えられない地域も出てくるかもしれない。
「また、近隣の土地が海に変わったことで、不安に駆られている住民も多いようです」
 彼らの心を落ち着かせつつ、必要な物資を融通したり、自給自足で暮らせるような農地の開拓などを手伝ってあげてほしい。

 北イタリアは街道が整っていたおかげもあって、村によっては『商品作物』しか栽培しておらず、交易が途絶えると飢えてしまう村も少なくない。
「そうでなくとも、塩や布などの生活必需品の全てを村で賄うことは難しく、壊れた農具の修理なども、村や田舎町規模では対応できない場合もあるようですな」
 また、南イタリアに出稼ぎなどで出かけていた人たちも戻ってこないので、人手不足に陥っている村もあるらしい。そのあたりを手伝うことでも感謝されるだろう。
「幸い、北イタリア地域はクロノヴェーダによる事件も起きないので、来年の種まき頃には、周囲の村々と連携して暮らしていけるようになるでしょう」
 道満はそう請け負ったのだった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV1 / 【ガードアップ】LV2

●マスターより

質種剰
 こんにちは、剰です。

●目的
 ①物資補給と農地開拓では、主に食糧不足の解決へ向けての援助。
 ②群衆への演説では、海によって孤立して不安になっている住民への心のケアをお願いいたします。
 とはいえ、どちらの選択肢もイタリア北部の人々を安心させるのが目的なので、どちらでお料理教室しても構いません。
 タンパク質が含まれていて食べ応えのあるブロッコリーなぞ差し入れにいかがでしょうか?

 ちなみにプレイングは面白さ重視。キャパシティが少ないため全採用は難しいです。悪しからずご容赦ください。

●排斥力と所謂オーパーツについて
 グランダルメの時代に即した支援物資、食材でないと、排斥力が働いてディアボロスの帰還後には存在ごと人々の記憶から消えてしまうのでご注意ください。

 皆様からの素敵なプレイング、楽しみにお待ちしております。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


レオアリア・フォルシオン
ブロッコリーは、食感も良いし食べ応えがあるのよね
ブロッコリーと豚バラ肉をただ塩で炒めた料理に、タコとブロッコリーをビネガーであえたサラダ、後はブロッコリーを生地に練り込んだパスタなんかも面白そうね
バジルの代わりにブロッコリーを使ったジェノベーゼを作り、口福の伝道者で増やしていくわ
一皿で400人分ね
バイキング形式にすれば、食べやすいかしら?
最終人類史から持ち込んだバイキングセットで料理をセットし、人々が食べやすくするわ

後は、保存食ね
ビーフジャーキーにドライフルーツ等の乾物に、試しに瓶詰の果物……丁度1804年に考案されているのよ
兎に角、最終人類史の専門家に診断した栄養面と排斥力に問題がない面々の保存食を用意するわ

押さないで!全員分用意してあるから!
そう言って人々に指示を出し、保存食を行き渡らせていく

……あの日、南部に出かけた人は戻ってこない
だからこそ、残った人々は救うと決めたのよ


⚫︎安息
 断頭革命グランダルメはイタリア半島北部、拓けた土地にて。
「ブロッコリーは、食感も良いし食べ応えがあるのよね」
 レオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)は、鍋に湯を沸かしてブロッコリーを懸命に下茹でしていた。
 持参したバイキングセットも駆使して、当座の炊き出しの準備も整えつつ、どんな料理を作ろうか思い巡らせる。
「ブロッコリーと豚バラ肉をただ塩で炒めた料理に、タコとブロッコリーをビネガーで和えたサラダ」
 ブロッコリーと豚バラを塩だけで炒めるのは、何も排斥力対策だけではない。
 タンパク質豊富なブロッコリーの旨味と豚バラの脂の親和性を活かすため、敢えてシンプルに塩のみで味つけするのだ。
「後はブロッコリーを生地に練り込んだパスタなんかも面白そうね」
 バジルの代わりにブロッコリーを使ったジェノベーゼを思いつき、早速挑戦するレオアリア。
 簡単に縄を張って囲った調理場の外から、炊き出しを嗅ぎつけた一般市民たちが興味津々といった様子でこちらを観察している。
 ろくに仕事が無くて暇なのもあるだろうが、やはり飢えた目には炊き出しが魅力的に映ったものか。
「よし、パスタは一皿で400人分いけるわね。豚バラ炒めとサラダはセットで1人前にすればこっちも増えるでしょ」
 と、口福の伝道者をフル活用するために都合2人前を腹に収めなければならないレオアリアだが、料理の出来に満足したのか、終始嬉しそうに頬張っていた。
 炊き出しの準備や調理の過程で体力を使い、殊更お腹が空いたのかもしれない。
 ともあれ、人々は縄の外からレオアリアの食事を羨ましそうに見守っていたわけだが。
 すぐに、彼女が完食したブロッコリー尽くしと同じ料理が、食器もそのままに沸いて出たものだから目を丸くした。
「はいはい、順番に持っていってね。1人一皿ずつね」
 増えた料理が所狭しと並ぶバイキング形式のテーブルへ、市民が殺到するのを捌いてから、レオアリアは調理場へ戻った。
「ん、脂を吸ったブロッコリーが柔らかくて美味しい!」
「タコもブロッコリーも味が濃いな。ビネガーに全然負けてない」
「このパスタも旨い。どれも初めて食べる味だな」
 舌が肥えていそうなイタリアの市民たちだが、みんな口を揃えてレオアリアの料理を絶賛してくれた。
 それだけ、素材の味を活かしたシンプルな調理法と、最終人類史から持ち込んだ——即ち品種改良を重ねた——ブロッコリーの味や食べ応えがウケたのだろう。
「後は、保存食ね」
 他にも、レオアリアはビーフジャーキーやドライフルーツなどの乾物に加えて、瓶詰の果物も持ち込んでいた。
 最終人類史において専門家から栄養面のお墨つきをもらった逸品だとか。近世の製法に合わせた保存食の数々は、排斥力にも耐え得る。
「そのビーフジャーキー貰えるかい?」
「うちは歯の悪い婆さんが居るから、果物を」
「これ、開けなかったら何日保つの?」
「あっ、押さないで! 全員分用意してあるから!」
 どっと押し寄せる人の波を懸命に捌きながら、レオアリアは思った。
 ……あの日、南部に出かけた人は戻ってこない。
(「だからこそ、残った人々は救うと決めたのよ」)
 彼女の固い決意を知らないイタリア市民たちは、
「ありがとう、炒め物やパスタ美味しかったぜ」
「ああ。働く元気が出てきたよ」
 飢えを満たしてくれる保存食を抱えて、ホッとした笑顔を見せてくれる。
「もらった保存食で食い繋ぎながら、冬を越すための野菜を育ててみるかねぇ」
「そうだな。ブロッコリー旨かったもんな」
 到着時より活力を取り戻した人々のざわめきに、耳を傾けるレオアリアも自ずと笑顔になった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

新宿から現地に適した食糧を少しと、物資をアイテムポケットで持込み
物資には種苗や、冬に備えた毛織物、岩塩や香辛料を

早く支援に来られて良かった……
食事をふるまい、物資を公平に配布がてら話を聞こう
日々の不安や実情に、世間話も

イタリアの地は変化した。商人は当面来られないだろう
だが、ここには豊かな土地がある
冬を越せれば自給自足には十分だろう

持参の食材を調理し口福の伝道者で増やす
ワインも少しもってきた
北部では米も美味いだろう
ブロッコリーを使ったチーズリゾットに、チーズオムレツのようなブロッコリーのフリッタータ
甘味はトルタ・ディ・リーゾ、ナッツと果実のクロッカンテも
チーズやドライフルーツ、ナッツ、生ハム、魚介類の塩干物など保存食を食卓に添え、口福で増やして、備蓄用に配布

種苗は短期で収穫できる野菜や、冬場も収穫できる根菜を多めに
皆で収穫まで育ててほしいと伝える

これから必要なのは、まずは衣食住が足りること
近隣の村とも連携して、うまく過ごしてほしい

この地の人々が、穏やかな日々を紡げますように


⚫︎団欒
 一方。
「早く支援に来られて良かった……」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、明らかに活気を失ったイタリアの街を目の当たりにして、ぽつんと呟いた。
 アイテムポケットには、冬を越すための種苗や、暖かそうな毛織物、岩塩や香辛料などが入っていた。
 その中からまずは新鮮な食材を取り出し、早速調理に取り掛かるエトヴァ。
 作るのはブロッコリーを使ったチーズリゾットだ。
「北部では米も美味いだろう」
 そんな目算あってのレシピ選定らしい。
 事実、程よく芯を残して煮た米はチーズの塩気を纏い、ブロッコリーの甘みをよく吸って、リゾートに調和と奥深さを与えている。
 続いては、チーズオムレツのような濃厚さとふわふわした食感が魅力の、ブロッコリーのフリッタータ。
 オムレツは紡錘型に焼くが、フリッタータはフライパンいっぱいの円形にしつ焼き上げる。
 また、オムレツよりも具材をたっぷり加えて、味つけも塩胡椒のみならずハーブを使うことが多い。それゆえに主菜として扱われる。
 即ち、リゾットもフリッタータも具材を選ばずに何でも入れられるから、腹塞ぎに持ってけいなのだ。
 ドルチェはトルタ・ディ・リーゾ、いわば米と卵のタルトで食の都ボローニャの伝統的なお菓子である。
 焼くまでの作り方がリゾットと似ている上に、やはり米が入っているためか腹持ちが良い。
 クロッカンテ——刻んだナッツや果実の実、あるいは皮をキャラメリゼや蜂蜜で固めたお菓子も添えて、都合4品。何とも豪勢なコース料理が完成した。
「へぇ、どれも美味そうだなぁ」
「腹も膨れそう。配給まだかねぇ」
 退屈なのかずっと調理場を覗いていた市民たちが、食卓を見て歓声をあげる。
 これをエトヴァ自身が完食して口福の伝道者で増やすわけだが、ワインと共に秋空の下でいただく昼餐は心地よく、カトラリーを動かす手が止まらない。
「イタリアの地は変化した。商人は当面来られないだろう」
「ああ……あたしが方向音痴になったんじゃなかったのね……」
 増やした料理を配る傍ら、エトヴァは市民の精神面にも寄り添うべく、彼らの話に耳を傾けた。
「だが、ここには豊かな土地がある。冬を越せれば自給自足には十分だろう」
 言いながらチーズやドライフルーツ、ナッツ、生ハム、魚介類の塩干物などの保存食も次々と平らげて増殖、それらは備蓄用と銘打って配布した。
「ああ、ありがとうありがとう。これで家族揃って冬が越せるよ」
「上の子を下働きに出そうにも、どこも雇ってくれる余裕無いし困ってたの」
 冬を越すための種苗は、短期で収穫できる野菜ルッコラ、コールラビ、レタスなど。
 さらには冬場も収穫できる根菜ヤーコン、ラディッシュ、葉ネギを多めに用意。
「さて。これから少しでも畑を増やそう。新しく拓いた農地を使って、これらの野菜を皆で収穫まで育ててほしい」
 物資を配りながら優しく言い聞かせるエトヴァの言葉に、人々の笑顔が広がっていく。
「え、畑作りも手伝ってくれるの?」
「ああ。それで冬超えの心配も減るだろう……必要なのは、まずは衣食住が足りること。近隣の村とも連携して、うまく過ごしてほしい」
「わかったよ。本当によくしてくれて、ありがとうねえ」
 まるで伏し拝む勢いで感謝を伝える人々にも驕らず、エトヴァはクールな佇まいの内側で、ただ真摯に願っていた。
(「この地の人々が、穏やかな日々を紡げますように」)
 ブロッコリーの緑とチーズや卵の黄色のコントラストも鮮やかな昼餐は大盛況だ。
「このフリッタータ美味しいね。生き返る気分だよ」
「あの……リゾットっておかわりできます?」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

嵐柴・暁翔
噂話の広まる速さは歩く速度程度とはいうけど、商人でもなければ一生故郷から離れない方も多いだろうし、村々が孤立して正確な状況が伝わっていないのが問題だな

大陸軍は決戦に備えて本国へ戦力を集中させているので当分はこない
フランスや南イタリアへ向かう道は災害で通れなくなっていて復旧時期は未定
当面は北イタリアの中だけでやっていくしかない
伝えるべきはこんな所かな
不安がらせるのもなんだし、商人を称して村々を周りあまり重くならないように注意しながら現状を伝えます

まあ本当に商人の真似事もするんだけどな
【口福の伝道者】を使えば食べ物は大量に用意できるから保存食を中心に提供すれば冬を越せるだろう
【飛翔】と【アイテムポケット】を活用すれば生活必需品や修理が必要なものを纏めて迅速に運べるから、ものが買えたり修理ができる大きな町とを往復して届ければいいだけだ
まあ怪しまれたり村人に怠け癖がついたりしても問題だし、余っている商品作物でもあれば代価に貰っておいて、商人らしく他の町で売って買い付けの代金にするのもありかもな


⚫︎循環
 他方。
「噂話の広まる速さは歩く速度程度とはいうけど、商人でもなければ一生故郷から離れない方も多いだろうし……」
 嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は、イタリア北部の市民たちが抱える不安をさもありなんと頷きつつも、
「村々が孤立して正確な状況が伝わっていないのが問題だな」
 漠然とした閉塞感と共に暮らすのは辛かろうと慮っていた。
 そこで、アイテムポケットへ大量に詰めてきた保存食を売り歩き、商人として村々を回ることにした。
「大陸軍は決戦に備えて本国へ戦力を集中させているので当分はこない」
 保存食目当てで集まった村人たちへ、暁翔はなるべく簡潔に説明する。
「本当ですか?」
「やっと安心して眠れるわね」
 クロノヴェーダたちが撤退したのは事実だが、何故この地が打ち捨てられたのかにまで話が及ぶとややこしくなるからだ。
「フランスや南イタリアへ向かう道は災害で通れなくなっていて、復旧時期は未定だな」
「南イタリアが海に沈むだなんて怖いわぁ……」
 これも、なんで海になったかを正直に説明したところで人知を超えた力でしかないから、納得してもらうのは難しかったろう。
 なればこそ多少無理があっても、ディヴィジョンから切り離されて消滅したのを災害ということにしておくのが無難だと、暁翔は判断したのだ。
 もちろん、消滅といってもそれはグランダルメ内の話で、南イタリアは蹂躙戦記イスカンダルへ奪われた形である。
「当面は北イタリアの中だけでやっていくしかないな」
「そうですかあ……」
 突然自給自足を強いられる厳しい現実へ落胆する市民たちだが、不必要に不安がらせまいとする暁翔の気遣いは、功を奏したようだ。
(「伝えるべきはこんなところかな」)
 その後も、暁翔は幾つもの村々を回って、保存食を売りがてら同じ説明をした。
 ついでに、村人だけでは何日もかかるような物品の運搬をも、怪しまれない程度の賃金で請け負ったりした。
 家具や農具を修理できるような大きな町へ運ぶだけなのだが、食糧の確保に精一杯で手が回らなかった村人や、そのせいで客足が滞っていた木工職人、両方に喜んでもらえた。
 ディアボロスが空を飛べる世界法則様々である。
「もし、懐が心許なくても、何か余ってる商品作物と物々交換してくれれば良い」
(「これで何かしら集まったら、商人らしく他の町で売って、買い付けの代金にできるな」)
 暁翔がそんな目算もあって提案すると、みるみるうちにチーズや干し肉、乾燥パスタなどの保存食が、オリーブや葡萄の箱に化けた。
「ああ嬉しい。いくらオリーブの実や油が美味しくても、油を搾るのに人件費がかかるし、実のまま食べるのもオリーブだけじゃすぐ飽きが来るし」
「葡萄だって売れなきゃ持て余すだけだからおんなじよ。私らが四六時中踏んでるわけにもいかないし」
「でも食べ物が買えてほんと良かったわ。ありがとうねえ」
 そう愚痴る農家のおかみさん連中だが、ハムやベーコンの塊を抱えた顔には笑みが浮かんでいた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

ソラス・マルファス
兄貴(g00862)と
これから冬を越すとなると、暖を取るものも必要だろう。アイテムポケットに時代に合わせた毛皮や防寒具を入れて持っていくぜ。

「ソラスだ。このあたりは人手不足だって聞いてね。道具修理なら多少覚えがあるんで、仕事がないかとこの辺の村を訪ねてるんだ」
信用して貰えるよう、なるべく真摯に対応しよう。

修理は必要なら資材確保からだな。木を切り出して怪力無双で運ぼう。今足りてても修復で使う分は補充が必要だろうからな。

村に道具があれば極力修復してそれを使う。ないなら手持ちの工具箱から、問題無さそうなものを使うぜ。
道具の柄が木材なら付け替えて刃研ぎは兄貴に任せよう。……手、切らねぇと良いんだが。

希望者がいるなら修理や手入れの方法を教えつつ、道具を直したら次は建物だな。穴を板で塞いだり、戸の建付けを直しておこう。

毛皮や防寒具も補充しておくぜ。逆に余ってる村からは対価として譲り受けて、他の村へ運んでおこう。


ラウム・マルファス
ソラ(g00968)と
みんなの支援で当面は凌げそうカナ。じゃあボクは荷車とかの修理と建物の修復を手伝おウ。村同士の連携で生きてくなら、倉庫とか運搬道具は大切サ。

「ラウムだヨ。ちょっぴり薬とかも売ってるヨ。よろしくネ」
手持ちの薬品から時代に合わせた接着剤とか塗料を出すヨ。修復の道具が壊れてるならまずそこからだネ。修復加速を使って直すヨ。村の人たちが直してるとこに混ぜて貰えば一緒に加速できるから効率イイカナ。

ボク不器用だから、木材系の修復はソラに任せて、石とか金属系の修復を担当するヨ。刃を研いだり、メッキ処理したりネ。ウッカリ手くらいは切るかもだけど平気ヘーキ……我慢ガマン。

あとは手持ちの薬品から時代に合ったものを売りながら、愚痴とか周りの村の場所を聞こウ。気づかず孤立してる場所があったら大変だからネ。支援済みの情報と照らし合わせて、漏れがないか確認するヨ。

飛翔で移動しつつ複数箇所回れると良いネ。どの村で何が作れて何が足りないか、村の人たちに情報共有しておこウ。これで村同士助け合えるとイイナ


⚫︎分担
「みんなの支援で当面は凌げそうカナ」
 ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)とソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)の兄弟も、イタリア北部の村々の冬越えを助けるべく、知恵を出しあっていた。
「これから冬を越すとなると、暖を取るものも必要だろう。これらが役に立てば良いんだがな」
 そう言ってソラスが取り出すのは、アイテムポケットへ満杯に詰め込んできた毛皮や防寒具だ。近世らしい本物の毛皮や毛糸で編んだセーターだから重量感が半端ない。
「じゃあボクは荷車とかの修理と建物の修復を手伝おウ」
「それは資材が要りそうだな。生木を切り倒して調達してこようか?」
「ああ、頼むヨ。村同士の連携で生きてくなら、倉庫とか運搬道具は大切サ」
 そんな軽い打ち合わせを終える頃には、小さな村が見えてきた。
「ラウムだヨ。ちょっぴり薬とかも売ってるヨ。よろしくネ」
「ソラスだ。このあたりは人手不足だって聞いてね。道具修理なら多少覚えがあるんで、仕事がないかとこの辺の村を訪ねてるんだ」
 人懐こいラウムの愛嬌とソラスの真摯な態度が人々の警戒心を弛ませ、まずは気前良く広げた毛皮やセーターの数々が、商人としての信用をも勝ちとった。
「それも売り物なのかい?」
「うん、できるだけ勉強するつもりだヨ」
 ラウムは防寒具を売り捌く傍ら、薬入れから近代には既に存在した接着剤や塗料を出して、大工道具の修理を募ってみせた。
 修復が加速する世界法則の恩恵を広げる意味もあって、懸命に修繕へ励んでいる人々の中へ混ざって作業する。
「ボク不器用だから、木材系の修復はソラに任せるネ」
「ああ、すぐに木材を増やしてくるぜ」
 そう自己分析するラウムの担当は、石や金属でできた工具らしい。
 ノコギリの刃を研ぐ手つきは澱みないが、顔つきはやはり真剣そのもの。
(「ウッカリ手くらいは切るかもだけど平気ヘーキ……我慢ガマン」)
 怪我をしないために神経を研ぎ澄ませているのかと思いきや、実はもう切っていたりするのかもしれない。
(「……手、切らねぇと良いんだが」)
 兄想いなソラスは、ラウムが真剣なればこそ額に汗しているのか、はたまた手を切った痛さで脂汗をかいているのか、判断に迷って。
「まぁ、ここは兄貴を信じて、俺は資材確保だな……」
 後ろ髪を引かれる思いで近くの雑木林へ向かったのだった。
 それでも、切り倒した生木を丸太や柴に整える手際の良さは流石である。
(「今足りてても修復で使う分は補充が必要だろうからな」)
 木材をせっせと運ぶ間にも、ラウムは毛皮や膏薬なんかを売り売り、世間話にも花を咲かせていた。
「刃物は切れ味が良くないと却って危ないから、手入れを忘れずにネ」
「ああ、ありがとうね薬屋さん。やっぱり使い慣れたナイフが一番だねぇ」
「喜んでもらえて良かったヨ。他にも薬やセーターを売ったり工具の修理に行きたいんだけど、ここから一番近い村はどっちへ行けば良いカナ?」
「それならそこの角を曲がって道なりに……」
 村人たちは、すっかりラウムとソラスに気を許して、楽しそうに色々と喋ってくれる。
 困窮した暮らしで萎えていた心に、村の外から来た商人が希望を与えたのだろう。
(「もし、気づかず孤立してる場所があったら大変だからネ」)
 仲間が支援済みの情報とも照らし合わせて、漏れがないか確認しよう——そうラウムが意気込む一方で。
(「薬の売り上げに比べて、膏薬が妙に減ってるような……」)
 ソラスは毛皮や薬の代金の計算を請け負うや、薬品の減りの早さに首を傾げる。
「木でできた柄を長く使うにはよく乾燥させてから、腐食防止の塗料や防カビ剤なんかを塗る必要がある。雨風に晒される木造小屋も同じだな」
 また、体力はあっても仕事が無い、あるいはやり方がわからないという村の男衆へ、工具の修理や手入れの方法を教えたりしている。
「道具を直したら次は建物だな」
 と、壁の穴を切り分けたばかりの板で塞いだり、戸の建て付けを直したり、ソラス自身も目の回る忙しさであった。
「飛翔なら速く移動できるし、複数箇所回れると良いネ」
 次に訪れる村には、この村の産業や何が余っていて何が足りないかなど、この時代の人々からすれば段違いに生きた情報を届けられるだろう。
(「その頃には兄貴の手指全部に包帯が巻かれたりしないだろうな……」)
「これで村同士助け合えるとイイナ」
 ラウムは、ソラスの心配をよそに、やり甲斐のある修理行脚へ思いを馳せるのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!

最終結果:成功

完成日2023年09月24日