リプレイ
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
黒詠(g07640)と一緒に参加
【心情】
食料もだが住むところも足りてないとなると大変だよな
あとは敵が来た場合の備えをしよう
鳴子の変則バージョンとか作ってみるか
【行動】
一日で立派な家とかは無理だろうがテントに近い簡易住宅ならいけるんじゃないだろうか
せめて屋根のある場所で寝泊まりしてほしい
怪力無双で真っ直ぐな建材があればそれを中央に立ててそこから組み合わせて三角錐のようなテントを作ってみる
被せる布には持ってきた蝋を塗り防水し雨にも備える
一緒にやって作り方を覚えてもらいたい
あとは敵への備えも必要か
相手は一般人が太刀打ちできる存在じゃない
なら、いち早く襲撃に気づいて避難経路から逃げてもらおう
集落から少し離れた場所に網を敷いて鈴や木片などの当たると音が鳴るものをつける
そうしておけば敵の足に引っ掛かれば大きな音が鳴って周囲に知らせてくれるはずだ
一目で分からないように仕掛けは地面と同じ色に塗った上で砂を被せておこう
あとは避難訓練も行えるなら行いたい
雑賀・黒詠
荒田・誠司(g00115)と行動を基本とする。
他、アドリブ連携等可
終ぞ利用すらすることなく抹殺としたか
......いや、戦国の奴らは皆そうだったな。
淀殿
......近い様で中々首元に届かん。
だが先決はこの集落をどうにかすること。
守ることは幾らでもできるが繁栄については別だ。彼らには生きてもらわねば。
......奴を狩るのはその後でいい。
衣食住、これは生きていくうえで何より大事だ。
住については任せよう。彼は器用だ。問題あるまい。
ではこちらは当面の食の方をどうにかするとしようか。
可能ならば水源のある場所で畑を耕し、と言いたいところだが彼らにその余裕があるとは思えない。
何をするにも腹を満たしてからでなくてはな。
難民たちが居る周辺を探索し、食べることが出来るものが比較的ある場所を見つけることが出来るのならその辺りを【植物活性】にて力を与えよう。
今は自然の摂理がどうとかは言ってられない。生きてもらわねば。
●嵐の前に
河内国と和泉国の境――海岸から少し離れた場所に、その難民の集落はあった。
一目見ただけで、そこが貧しい村であることがわかる。木材を寄せ集めて作ったであろう家屋は数が足りず、路上で過ごす村人もちらほらと見えた。
「……予想どおり、酷い有様だね」
村の様子に、雑賀・黒詠(国境なき鍛冶師・g07640)が静かに呟く。荒田・誠司(雑草・g00115)も、村をぐるりと見渡した。
「そうだな、何もかも足りていない」
衣食住……そのどれもに欠いている。救援に来て正解だ。
天魔武者達への怒りは胸の奥にそっと仕舞い、黒詠は村人達のことを想う。
守ることは幾らでもできるが、繁栄については別だ。彼らには、生きてもらわねばならない。
「私は食の方をどうにかするよ。何をするにも、腹を満たしてからでなくては始まらないからね」
彼女へと誠司が頷き、言葉を続ける。
「住むところは俺が何とかしよう。雨風を凌げる住居が増えれば、だいぶマシになるだろう」
その言葉に、黒詠は迷いなく返した。
「ああ、そちらは任せた」
そこには確かな信頼があった。互いに視線を合わせ、すべきことを理解し合う。
「またあとで落ち合おう」
ひらりと誠司が手を振った。黒詠もそれに返し、二人は任務へと取り掛かる。
村人達へと救援に来たことを説明し、誠司はさっそく住居づくりに入った。
建材に使えそうな木材を探し出し、怪力無双を使って持ち上げる。空地の地面に埋め込むと、村人が感心したように言った。
「おおー……お兄さん、えらい力持ちだなあ」
「日頃から鍛えているからな」
それらしい理由を言いつつ、誠司は村人達へと向き直る。
「さて、今から作るのは簡易的なものだ。壊れたときに直せるよう、作り方を覚えて欲しい」
ここからが本番だ。地面に埋め込んだ建材を支柱にし、三角錐のようなテントを組み立ててゆく。
被せる布には防水用の蝋を塗り、しっかりと雨対策も欠かさない。
ひとつだけでなく、2つ、3つと同じものを形作る。その過程で、村人達にも同じものを作ってもらった。
立ち並ぶテント群に、村人達が歓声を上げる。
「できたぞ!」
喜々とする村人達を眺め、誠司は想う。
(「……なるべく、長く保って欲しいものだな」)
彼らがどうか、雨風に負けないように。そう強く願った。
誠司がテントを作る一方。黒詠も村人から畑の場所を聞き、訪れていた。
「畑はこちらに。育ちはあまり良くありませんが……」
村人の遠慮がちな言葉に、黒詠は畑を観察する。……まったく育っていないわけではない。だが、収穫の時期が来ても、成長しきらない可能性がある危うい状態だ。
自然の摂理など気にしてはいられない。黒詠は植物活性を発動し、作物を成長させる。大きくなった作物に、村人達が目を丸くした。
「あと数日待てば収穫できるだろう。村の皆で分け合って欲しい」
驚く村人達へと、黒詠が優しい声色で言葉を紡ぐ。
「ああっ……ありがとうございます……!」
「あなた達には他にも様々な困難があるのだろう。どうか強く生きて欲しい」
必死に頭を下げる村人達。罪なき彼らを、天魔武者達は亡き者にしようとしている。
終ぞ利用すらすることなく抹殺せんと、命を塵か芥のように考えているのだ。戦国の奴らは皆そうだ。淀殿も、そしてこの後に来るあの者も。
(「淀殿……近い様で中々首元に届かん」)
だが、この後に出会う『奴』の首元ならば、この刃は届く。そこまで考え、黒詠は頭を振った。
(「先ずは、この集落をどうにかしてからだ。……奴を狩るのはその後でいい」)
面の奥で細められた瞳は、研ぎ澄まされた刃のように鋭い。
着々と救援活動は進む。住居を作り終えた誠司は村の外に移動し、別の作業に取り掛かっていた。
地面と同じ色に塗った網を敷き、そこに鈴や木片などを括り付けてゆく。
「これでよし、と」
敵が触れれば音が鳴る、鳴子の完成だ。音は村まで伝わり、いち早く逃げるための手助けになるだろう。
まだ時間に余裕はあるか。避難のための指示はしておいたが、再確認した方が良さそうか。そこまで考えたところで、黒詠が歩いてくるのが見えた。
誠司は黒詠に声を掛ける。
「そっちの作業は終わったみたいだな」
「村のすべての畑に植物活性を施してきた。食事の方は当面はもつだろう」
黒詠はそう告げると、海岸側とは逆側――遠くに連なる山々を見据える。
おそらく敵が来るであろう方向だ。あとは千早城の修繕とエネルギー供給を待ちつつ、敵を待ち構えるのみ。
静かに佇む彼女を、誠司は穏やかな眼で見つめた。誠司は仕掛けの綱に砂を被せたあと、黒詠へと向き直る。
「……、黒詠」
彼の声に、黒詠が振り返った。
「何だい?」
今回の敵は、彼女の宿敵と同じ姿をしているらしい。宿敵本人ではないが、何も思わないということはないだろう。黒詠の立ち振る舞いは普段と変わらない。それでも、誠司には伝えたいことがあった。
「お節介かもしれないけど」
そう前置きしつつも、彼は力強く言葉を紡ぐ。
「黒詠は黒詠の思うようにやればいい。背中は俺に任せとけ」
必ず支えてみせる。まっすぐな誠司の瞳は、はっきりと物語っている。
彼の言葉に、黒詠は面の奥で瞳を瞬かせた。そうして、細められる瞳はどこか柔らかく。
「……最初からそのつもりさ。頼りにしてるよ」
狐の面に覆われ見えなくとも、微笑む気配は確かに伝わった。黒詠の反応に、誠司も笑みを返す。
穏やかな時間は、刹那に過ぎ去る――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
淀殿も淀殿なら配下も配下、悪辣さは相変わらずだね
難民達の方には既に仲間が向かってくれている
彼方は任せて、俺は千早城の方へと向かおう
修復作業はまだまだ道半ばだけど、稼働すれば人々の支援活動にも大きな力となる筈だ
未来を信じ、心してかかろう
修復作業に来るのもこれで3度目だ、手順は凡そ頭に入っている
事前準備として、前回持ち帰った作業動画を新宿島の専門家にも確認して貰った上で
確りと打合せをしておこう
彼らの知識と技術力は本当に凄い
頼れる仲間であると共に、学ぶべき事が沢山ある
ディアボロスの力だけでなく、皆の力を合わせて修復に臨みたい
必用な物品は、背負い袋と荷車に乗せて持ち込もう
もし仲間の【怪力無双】が使えるなら有難く借りたい
現地でも仲間と連携、分担しつつ、【修復加速】で作業効率アップ
修復個所を観察して情報収集、破損状態を確認しながら
部品を交換し、エネルギーを供給していこう
勿論、今回の作業工程も動画に撮って持ち帰り
協力してくれる新宿島の専門家達にフィードバック
今後の改善へと更に繋げたい
●再訪
千早城が漂着した浜の海風は、もはや馴染み深いもののようにすら感じる。
背負い袋と荷車に必要な物品をどっさり詰め込んで、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は千早城へと訪れていた。
「さあ、今日も城の修復作業といこうか」
怪力無双で荷車を引きながら見上げるのは、未だ動かぬ城。荷車の上に座るクダ吉も、青い瞳でジッと城を見つめていた。本日は晴天。太陽光に照らされ、城の瓦屋根が輝いている。
気持ちの良い天気だ。だが、いくら天気が良かろうと、淀殿の配下が血の雨を降らせに来ることには変わりない。
(「……淀殿も淀殿なら配下も配下、悪辣さは相変わらずだね」)
難民達の救援には他の仲間が向かっている。
(「彼らに任せておけば問題ないだろう。城の修復作業に集中しなければね」)
頭を切り替え城に入る。そうして、迷うことなく修復が必要な場所へと向かった。脚の接続部分の修復が、まだ完全には終わっていない。
――この城に来るのもこれで三度目だ。手順は頭に入っている。
今回は事前準備もバッチリだ。新宿島の専門家達に協力を仰ぎ、前回持ち帰った作業の動画を確認してもらったのである。
部品の交換が必要な個所を探し出し、スマートフォンに保存した打合せのメモを開いた。メモには専門家のアドバイスがズラリと書かれている。
それらを再確認した後、今度は録画モードを起動。作業工程が見える位置に立てかける。
ずり落ちかけたスマートフォンを、クダ吉が前足で、てしっと押さえた。
「ありがとう、そのまま押さえていてくれるかい?」
クダ吉は「仕方ないな」とでも言うように、フンと鼻を鳴らした。
雪人はさっそく修復作業に取り掛かる。
「ここは、こうして……っと」
新宿島から持ち込んだ部品と、破損した元の部品を交換した。外れないように固定すれば、新しい部品はぴたりと嵌まる。
「ふーっ、この部分はこれで大丈夫だね」
破損個所の修復を終えて一息つく。途中で詰まることなく、無事に作業を進めることができた。
修復加速で効率を上げた効果もあるが、何より事前に専門家達の意見を聞いておいたのが大きい。
(「彼らの知識と技術力は本当に凄いな……学ぶべき事が沢山ある」)
スマートフォンを手に取り、停止ボタンを押す。クダ吉の前足も借り、今回の作業工程も動画に収めることができた。
「修復作業はまだ道半ば……改善点はまだ沢山あるはずだ。この映像も、戻ってから専門家達に見せよう」
雪人の言葉に、クダ吉が同意するようにこくりと頷いた。
ディアボロス達が城に訪れることで、エネルギー供給も進みつつある。千早城が稼働すれば、大きな力となるだろう。
未来を信じ、今はひたすら修復作業に打ち込むのみだ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【修復加速】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
御田神・希理恵
【夜ふかし】
水葵と一緒に参加するよー。
まずは壊れたお城の修復からだね。
基本的な工具とかはあるみたいだけど、こういうのって何か足りないものありがちじゃない?
【金剋木】で鉄の道具を作って、足りなかったり微妙に難しい場所に対応していこう。
基本的にはみんなと一緒にとんかんとんかん修復していく感じ。あたしが参加しなくても必要部分の人が賄えるようになったらエネルギー供給の方に回ろうかな?
丹尾・水葵
【夜ふかし】
希理恵と参加だよ
わぁお…これが、多脚城塞『千早城』…
男の子だからさ、でっかいロマンを感じちゃうね!
【建物復元】を流しながら、準備してもらってる道具を使って作業開始
【怪力無双】に【修復加速】もあれば、僕でも十分戦力になれそう。
機械整備はしたことないから、とんでもでっかいプラモデルみたいな?
もっと簡単に、ぱぱーっと直せちゃったら楽だけど、そこは仕方ないかぁ。
ちょっとした不足は希理恵に手伝ってもらいながら進めていくよ。
敵のお邪魔虫が来る前には、なるべく終わらせちゃいたいね。
余裕があったらエネルギー供給の方もしてこう。
修復完了して、千早城が動き出すところを想像したらわくわくしちゃう。
※アドリブ連携歓迎
●共同作業
青空の下、波がさざめく音に包まれ、千早城は静かに佇んでいる。
沈黙する城とは打って変わり、丹尾・水葵(小悪魔ハッカー・g00080)は、キラキラと瞳を輝かせながら千早城を見上げていた。
「わぁお……これが、多脚城塞『千早城』……」
その威容と独特な機構を、水葵は食い入るように観察している。その横で、御田神・希理恵(零れし伝説の忘れ形見・g01168)も城を眺めていた。彼女も立派な城の姿に、感心したように言葉を紡ぐ。
「話に聞いてはいたけど、実際に見ると本当に大きいねー」
希理恵の言葉に、水葵がこくこくと同意するように首を縦に振った。
「男の子だからさ、でっかいロマンを感じちゃうね!」
楽しげに語る彼に、希理恵も表情をふわりと綻ばせる。
「それじゃ、このロマンの城が起動できるように、ちゃんと修復しないとね」
外の景色を軽く楽しんだ後、彼らは城塞の中へと入る。城壁もさることながら、内部の造りも素晴らしい。
様々な仕掛けに目移りしながら、水葵は興奮ぎみに城の中を歩く。
「外も凄かったけど中も凄い! とっても広いし……うわぁ、歯車がいっぱいある」
無論、本来の目的は忘れていない。はしゃいでいるように見えても、その足はしっかりと修復が必要な区画へ向かっている。
「修復とエネルギー供給が終わったら、これが動くのよね。きっと壮観でしょうね」
希理恵は、完全に停止した機構が再び動き出すところを思い浮かべた。機械の脚が蜘蛛のように動き、駆け回る様は、さぞかし愉快なことであろう。想像して、彼女はくすっと微笑を零した。
水葵も同じ気持ちで、期待に胸を膨らませる。
「そうだね、今から楽しみだよ。早く動くところが見たいな!」
二人で話していたら、あっという間に目的の場所へと到着した。希理恵はくるりと周辺を見回し、他のディアボロスがいないことを確認する。
「まだこの区画には誰も手を付けてないみたいだね。ここで作業しよう」
希理恵の言葉に水葵が頷く。彼は持ってきた工具を床に置き、破損した部品群を真剣な眼差しで見つめた。
「うん。機械整備はしたことないけど、これだけ残留効果があれば僕でも十分戦力になれそうだ」
工具と替えの部品を取り出して、水葵はさっそく作業に取り掛かった。破損した部品をそっと取り外して、新しく持ってきた部品を順番に嵌めてみる。
(「もっと簡単に、ぱぱーっと直せちゃったら楽だけど、そこは仕方ないかぁ」)
とてつもなく大きいプラモデルを組み立てているような気分だ。
「……あれっ?」
水葵は首を傾げた。壊れた部品を取り外したいが、部品を固定している部分をどう外せばよいかわからない。
「えーっと、どうやって外すんだろう……この工具じゃ合わないみたい……」
「水葵、お困りのようね?」
水葵のすぐ傍で別の部品を取り外していた希理恵が、困っている様子の彼へと助け船を出す。
なにせ相手はクロノオブジェクトである千早城。こんなこともあろうかと、彼女は事前に手を打っていた。
「じゃじゃーん! きっと足りないものが出るだろうと思って、色々と準備しておいたよ」
自前の工具箱から別の工具を取り出す。こちらへ来る前に、技術者から提供された道具にない形状を把握しておき、取り揃えておいた。
それまで困り顔だった水葵の表情が、ぱっと笑顔になる。
「さっすが希理恵! 準備がいいね」
希理恵は、ふふんと得意げな顔をしてみせた。
「備えあれば憂いなしってね。その部分を直すなら……これがいいんじゃないかな?」
外れない部品と持ってきた工具を見比べた後、希理恵はひとつの工具を手に取った。そうして、水葵へと差し出す。工具を受け取り、水葵はすぐさま作業を再開した。先程上手く取り外せなかった部品――その溝に、慎重に工具を差し込んでみる。
集中力を削ぐといけないので口には出さないが、希理恵は成功して欲しいと心から願う。
(「……いけるかな、上手くいくといいんだけど……」)
緊張に胸をドキドキとさせながら、作業に励む水葵を見守った。
水葵が、差し込んだ工具をゆっくりと回す。カチン、と金属がぶつかるような音が耳に届いた直後。
部品が外れ、床に落ちた。
「やった、取れた!」
水葵が喜々として声を上げる。湧き上がる達成感に、彼は転げ落ちた古い部品を拾い上げた。そう、この部品を外したかったのだ。ボロボロの部品が、手の内で鈍く輝いていた。これで新しい部品を取り付けることができる。
希理恵も上機嫌に尻尾を揺らしつつ、外れたそこに新しく嵌め込む部品を手に取った。
「まだまだやることがいっぱいだけど、この調子でどんどん修復してこー」
城内に、とんとんかんかんと小気味よい音が響き渡る。
敵のお邪魔虫が来る前に、天魔武者達が城に攻め入らないように。願いを込めながら、水葵と希理恵は修復作業を進めてゆく。お部屋に籠って遊んだりゆっくりするのも良いけれど、一緒に出向いて何かを直すのも楽しいな、なんてお互いに思いながら。
エネルギーの供給もしっかりと行い、彼らは千早城起動のために貢献したのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【狐変身】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
雑賀・黒詠
荒田・誠司(g00115)と行動を基本とする。
他、アドリブ連携等可
来たな。想定通り、それなりの数を引き連れてきたか。
依然の雑賀衆と違い、それなりに統率も取れているように見える。
当然か、あれが後ろに居るのなら。足並みそろえて当然。
だが、予習は既にいくつか済ませてある。天魔武者と成り果てた偽りの雑賀衆、その動きは既に見た。
そう何度も通用すると思うなよ?所詮貴様らは前座、鉄屑と成り果てよ!
集団戦を得意としつつ、相手を狩る為には、味方諸共貫くのを躊躇わない。
それが雑賀衆、面々と受け継がれた傭兵の技。
それを知っているからこそ、勝機はある。そちらが多勢とくるなら、此方も数で押させてもらう。
人形「子狐」に前衛を任せ、雑賀衆達の視線を引きつけさせる。
多少ならば人形だけで倒させても問題ない。
だが本命は後ろに控えたこちらだ。纏まったところを一網打尽にさせてもらう。
無数の弾丸に私が鍛冶師として培った刃たち。それらが無限に襲い掛かる。
多少の傷などで止まるものか。叩き潰す。
得物は種子島式半自動小銃に小鴉の打刀。
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
黒詠(g07640)と一緒に参加
【心情】
いよいよ来たか!復興とか間に合ってよかったが、これ以上の蹂躙は許さない
虫が何も出来ないと思ったか?それが命取りだ
【行動】
仲間とは声を掛け合いながら積極的に連携して行動する
敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で受けて防ぐ
射撃の方向から敵がいる場所を予測
その間に蝶の形をした機械を製作し統率で遠隔操作
敵の傍まで行ければ特殊な鱗粉を撒いて電撃に打たれたようなダメージと痺れを齎す
重要施設付近だと動物もいないだろうが
ここ辺りにそういうのはないだろうし虫なんて何処にでもいる
強いと驕っている者ほど蝶のような虫が近くにいても気にしないだろう
ダメージを与えると同時に痺れさせてしまえば仲間が止めをさす手助けになるはずだ
必要なら臨機応変に対処する
●鋼の軍勢
村への救援活動を終え、太陽が僅かに西へと傾いた頃。山間を抜け、草木を掻き分けて、冷たく重い気配が近付いてくる。
鋼の兵、雑賀衆。かつて伝説と謳われた威容は見る影もなく、今はただ機械的に、命令に忠実に従うだけの殺戮兵だ。彼らは一糸乱れず、整然と隊列を成している。
「……来たな。想定通り、それなりの数を引き連れてきたか」
迫る彼らを見据え、雑賀・黒詠(国境なき鍛冶師・g07640)は静かに呟いた。
この時を待っていた。復興が間に合ったことに安堵しつつ、荒田・誠司(雑草・g00115)は気を引き締める。
「いよいよ来たか! 淀殿の命令だろうと何だろうと、これ以上の蹂躙は許さない」
二人は、村とその奥の海岸にある千早城を護るように位置取っている。敵の進路上だ。すぐに衝突することになる。
黒詠は注意深く雑賀衆を観察する。以前の雑賀衆と違い、それなりに統率も取れているように見えた。
(「当然か、あれが後ろに居るのなら。足並みそろえて当然」)
首魁の永鶴は……配下に先行させているのだろう、まだ姿が見えない。雑賀衆に村で適度に暴れさせた後、怯え切った人々をさらに虐げるつもりか。――考えるだけで吐き気がする。
「敵の指揮官が来る前に奴らを始末しよう。一歩だって、村には入らせないぜ」
雨風を凌ぐ場所を作り、植物を実らせた。生きる力を取り戻した村を、踏み躙らせるわけにはいかない。誠司は電光警棒を構え、迫る敵を睨み据える。力強い声で紡ぐ誠司へと、黒詠は静かに頷いた。
開戦を告げるように、一陣の風が吹く。先頭の雑賀衆が二人の姿に気付いた。
「! 貴様ら、何者――」
敵が言い終えるよりも速く、誠司がトラップメーカーを展開する。それは解析能力補助ゴーグルと接続され、蒼い電子の光を空間に走らせた。
「何者かって? 淀殿の配下であるあなた達なら、よくご存じではないですか?」
仲間に向けられるそれとは違う、冷たい言葉。誠司の問いは、ここより先への侵入を許さない壁のように雑賀衆へと立ち塞がる。
「ディアボロスか!」
「我らの作戦を邪魔しに来たか」
雑賀衆は即座に戦闘の構えを取った。陣形を取り、誠司へと弾丸を撃ち込む。ある者は木陰から、ある者は茂る草に紛れ、弾丸を浴びせんとする。
致命傷になり得る弾丸はフェイク・プリドゥエンを盾に防ぎきる。時折体を掠めることはあれど、戦闘に支障はない。誠司は冷静に、弾が飛んできた方向から敵がいる場所を予測した。
(「そっちから来るってことは!」)
パラドクス『火花蝶』を発動し、瞬時に機械蝶を作り上げる。
(「さあ、痺れさせてこい」)
蝶は機械仕掛けの羽を鳴らしながら、攻撃を続ける雑賀衆達へ飛んでゆく。
精巧な蝶は弾丸を潜り抜け、敵の頭上へと。だが、雑賀衆は、蝶への対処よりも誠司へ弾丸を放つことを優先した。一見小さく、軽く握れば潰せそうな蝶を甘く見たのだ。それが間違いだった。
直後、蝶の羽から鱗粉がばら撒かれる。それは敵の体へと降り注ぎ、電撃と強烈な痺れを引き起こした。
「ぐうッ! か、体が!」
鱗粉を受け銃を取り落とす雑賀衆へと、誠司は淡々と告げる。
「虫なら何も出来ないと、無害だと思っていたのでしょう。……その驕りが、破滅へと追い込むんだ」
痺れに動きを鈍らせる雑賀衆の背後で、一人の少女が舞った。
生身の人間と見紛う滑らかな動き――黒詠の人形『子狐』が、小鴉の打刀を手に彼らへと斬り掛かる。
体勢を立て直した雑賀衆が、子狐を迎え撃つ。
「よく見よ、そやつは人ではない!」
雑賀衆のひとりが叫んだ。
「動じるな、銃が持てぬなら刀を持て!」
冷静を取り戻し刀を抜く雑賀衆を、黒詠は視界にしかと捉える。
(「本命は別に居るとすぐに察したか。魔性に堕ちた身なれど、その眼は衰えてはいないようだ」)
各々の得物を手に、雑賀衆が黒詠へと迫った。
(「――傭兵式白兵術・剛の陣形」)
黒詠は瞬時に敵の陣形を把握する。雑賀衆とは何度も戦ってきた。ゆえに彼らの動き、戦闘技術――それらは頭に入っている。
黒詠の周囲に、無数の種子島が出現した。その銃口はまっすぐに雑賀衆へと向けられている。
「そう何度も通用すると思うなよ? 所詮貴様らは前座、鉄屑と成り果てよ!」
言葉と同時、撃ち放たれる弾丸は雨あられの如し。圧倒的な物量が、雑賀衆の体を撃ち抜いてゆく。
時に味方を盾にしながら、幾人かの雑賀衆が弾丸の嵐を抜けた。
(「味方の犠牲も厭わない――よく知っている動きだ」)
黒詠へと急接近し、彼らは反撃の刀を振るおうとする。
だが――パラドクスで出現させた得物は、種子島だけではない。
「その刃は私には届かない」
至近距離で放たれた抜き身の刃が、雑賀衆の赤い眼を貫いた。
「ガ……ッ」
機械が壊れる時のような音を上げながら、雑賀衆は黒詠の目前で崩れ落ちる。
二人の攻勢に、雑賀衆は次々と倒れてゆく。そうしてうず高く積まれるのは物言わぬ鉄の山。
雑賀衆の成れの果て、天魔武者達の死体が野に横たわる。
「よっし、雑賀衆は全員片付けられたな!」
荒涼とした空気を和らげるように誠司が言うが、すぐにその顔は鋭いものへと変わった。それもそのはず、鉄山の向こうから、ゆっくりと歩む純白の衣が目に映った。
「ようやくお出ましか。随分と遅いご登場じゃないか」
黒詠は落ち着き払った様子で淡々と紡ぐ。一方で、誠司は武器を強く握り締めた。
「……あとは、あのアヴァタール級だけか」
彼は低い声で呟く。
黒詠はこちらへと近付いてくる純白の衣を身に纏った鬼――永鶴を見つめる。
(「……さあ、配下の亡骸を前に、貴様はどう出る?」)
宿敵によく似た男――その影法師。白き鬼の狂気は、果たしていかほどか。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【命中アップ】LV1が発生!
●静かなる狂気
死体の群れを抜け、永鶴はディアボロス達の前へとやってくる。
配下がすべて倒されたというのに、その鬼の纏う空気は冷たく静かだ。
「……ほう、これは酷い有様だ。お前達がやったのか」
倒れる雑賀衆には目もくれず、ディアボロス達へと視線をやる。
「相応の鍛錬は積ませたつもりだったのだがな。まあ、逃げずに戦っただけ上等か」
はあ、と一つ溜息を付いて、やれやれと言った風に首を振った。
「実に使えぬ。勝たなければ意味などないというのに。それに折角の計画も台無しだ。力なき民草の悲鳴を聴きそびれるとは、いやはや残念」
不気味なほどに穏やかに紡ぎながら、彼は刀を抜く。狂気に満ちた紅玉の瞳に、ディアボロス達を映し出した。
「……とはいえ、主君の命を果たさずに終わるわけにはいかぬ。先ずはお前達の叫びを聴かせてもらおうか」
主君の命は絶対であり、逃げることも果たせぬことも許されない。
逃げ場のないこの状況を愉しむように、永鶴は歪んだ笑みを浮かべてみせた。
御田神・希理恵
【夜ふかし】
水葵と参加するよー。
相手は一人……じゃなさそうだね。配下は銃も持ってて手強そうだけど、水葵に策があるみたい。頼りにしてるよ!
「控えよ。我が前は神前であるぞ」
あたしも一応神様の端くれ。威厳たっぷりに振る舞いながら、パラドクス【金生水】で大量の水を噴射して激流をぶつけるよ。
永鶴も狙うけど、どちらかというと広範囲に……配下を積極的に巻き込む。神様としての振る舞いと合わせて「無視できない強敵」として印象づけていく。なおかつ、水葵の邪魔をする配下を【吹き飛ばし】たり倒して機能停止させる。
自分の周りにも常に水を展開して、銃弾はなるべく減衰させて避ける。懐に入られても、【草薙】があるから最低限の対応はできるよ。
とにかく倒れないように敵を引き付けていく!
ということで、これは陽動。……もちろん攻撃は本気だよ?美味しいところはあげるから、きっちり決めてね水葵!
丹尾・水葵
【夜ふかし】
希理恵と参加だよ
集落を襲撃しようだなんて、知った以上させる訳ないよねー?
後はもう、僕らがやりたいようにやらせてもらうから
希理恵のパラドックスに合わせて、行動開始!
ハッキングで<ステルスモード>を発動して、隠蔽効果を発揮。
「魔榴弾」の爆発等も併せて、相手の意識から姿を隠したら、
幻影の雑賀衆はスルーして、不意を突く一撃で永鶴を確実に削っていくよ。
集団でかかってきたって、僕は素直に正面から相手してはあげないから。
「悪魔の羽根」で遠距離、「爆砕槌」で近距離等レンジを変えて翻弄するよう行動。
雑賀衆?だかなんだか知らないけど、そのボスも含めてボーナスステージかなぁ?
澄ました顔が気に入らないし、仲間が動きやすくなるようにも煽っておこーっと。
発見されたり、当てずっぽうな攻撃は「魔力防壁」と「防護ジャケット」でガード。
あは、希理恵に良いところは見せたいけど、僕も決め手には欠けるというか…
嫌がらせで掻き回し削ったところで仲間を動きやすくして、イイところはあわよくば…かな?
※アドリブ連携歓迎
●阿吽の呼吸
襲撃の話を聞き付け、千早城から駆け付けた丹尾・水葵(小悪魔ハッカー・g00080)と御田神・希理恵(零れし伝説の忘れ形見・g01168)が、永鶴の前に立ち塞がる。
「集落を襲撃しようだなんて、知った以上させる訳ないよねー? 後はもう、僕らがやりたいようにやらせてもらうから」
水葵は空中に電子の光を走らせる。桃色の淡い光を発しながら展開される数々の記号と数字の羅列は、空間そのものに干渉するパラドクスだ。
これで、目の前のセカイを一時的に書き換える。ほんの一瞬に過ぎないが、その一瞬が永鶴の魂を削る一撃となり得るのだ。
ただならぬ気配を感じ取ったのだろう、永鶴が警戒するように目を細める。
「やりたいように、か。はたしてそう上手く行くだろうか?」
口元の笑みは消さずに、彼は己の背後に雑賀衆の幻影を出現させた。先程までの雑賀衆とは違う、永鶴が死なないかぎり、何度でも蘇る不死の幻。
希理恵は幻影の規模をその目に捉える。ひとり、ふたり――否、数え切れないほどの軍勢を、彼女は決して動じることなく睨み据えた。僅かに目元を緩め、チラリと水葵へと目配せする。
「相手は一人……じゃなさそうだね。配下は銃も持ってて手強そうだけど、頼りにしてるよ!」
「うん、期待してて!」
信頼に満ちた希理恵の言葉に、水葵はニコリと笑みを浮かべた。
それまで二人のやりとりを眺めていた永鶴が、動く。
「随分と仲睦まじいな。引き裂いてやろうか」
大太刀を手に、希理恵へと迫った。
希理恵は焔のように燦々と輝く瞳を、永鶴へと向ける。
「控えよ。我が前は神前であるぞ」
そこに居るのは、楽しい悪戯に心を躍らせる狐ではない。希理恵の周囲に水の輪が現れた。それは急速に膨れ上がり渦を巻き――夥しい量の水が、洪水のように永鶴へと襲い掛かった。その様相は、穢れた魂ごと流されてしまえと言わんばかり。
「刀が届かぬのなら」
激しい水流に押されながらも、永鶴は短筒から銃弾を放った。弾はまっすぐに希理恵へと飛んでゆき――だが、彼女が持つ草薙に弾かれる。弾丸ひとつとは思えない衝撃が伝わるが、体勢を崩すことなく持ち堪えた。
「鬼ごときが、我らの縁を引き裂けると思うな」
希理恵は断言する。人を斬るしか能がない鬼に、一体何ができるというのか。
(「わわっ、希理恵かっこいい! 僕も良いところ見せなくちゃね!」)
凛と戦う希理恵の美しさにときめきつつも、水葵の演算が滞ることはない。彼は狙っていた。希理恵に気を取られた永鶴が、僅かでも隙を見せる時を。
パラドクス『ステルスモード』の効果により、水葵の気配が極端に薄くなる。唯一、希理恵だけが彼の居場所をはっきりと認識していた。
(「水葵はちゃんと気付いてる。気付いてないのは永鶴だけ」)
希理恵の攻撃はあくまで陽動だ。本気の攻撃だからこそ、そうだと気づかれにくいが。
姿を隠し、水葵は永鶴へと狙いを定める。
「……そこにいるな?」
鬼としての勘か、これまでの経験か。完全に捕捉はしていないようだが、おおよその位置を予測したのだろう。永鶴が水葵のいる方向へと振り向いた。
だが、希理恵の陽動により永鶴の反応が少しばかり遅れたのは事実。水葵は冷静に魔榴弾を構えた。
(「へえ、いい眼してるね。だけど、これくらいなら想定の範囲内だよ」)
魔榴弾を周囲に撒き散らし、視界を覆うほどの煙を発生させた。長くはもたないが、少しでも認識を逸らせればそれで良い。
永鶴が幻影を煙の中へと突撃させた。槍、刀、銃……ありとあらゆる攻撃が、水葵を捕えようとする。
――だが、突撃させたそこに、水葵は既にいなかった。
永鶴のすぐ後ろで、声がする。
「その澄ました顔、気に入らないんだよね」
同時、爆砕槌が振り下ろされていた。永鶴がとっさに振り抜いた大太刀と、水葵のハンマーが交差する。
「……ふむ、そう容易くはいかぬか」
重たい衝撃が永鶴を襲う。彼は僅かに眉を寄せた。どこか不快げな永鶴とは逆に、水葵はしてやったり、といった風に笑ってみせる。
「攻略法見つけたり! ってね。僕にとってはボーナスステージだよ」
交差した武器が離れる。永鶴が飛び退いた地点へと、希理恵が再び金生水を噴射した。
「バッチリ決まったじゃない。水葵、今のカッコよかったよ!」
「あは、なんか照れちゃうな……っと、いけない。集中、集中」
水葵は爆砕槌を構え直しつつ、再びパラドクスで透明化する。
激流に呑まれながらも、永鶴は大太刀を振り上げた。
「邪魔な小娘だ。先に殺してやろう」
金生水から抜け出し、希理恵へと斬り掛かる。希理恵は草薙を前に翳し、斬撃を受け止めた。
「そうそう、あたしのこともちゃんと見ていてくれないと……」
重い一太刀を受けながらも、彼女は永鶴を強く見つめ返す。絶対に無視なんてさせない。
(「あたしのことを見れば見るほど……水葵のコトが見えなくなるでしょう?」)
こちらに向かせることで、水葵がより動きやすくなるのだから。
永鶴の背後で、鮮やかな色の線が幾重にも走った。直後、永鶴の体が横へと吹き飛ばされる。姿を現した水葵の、爆砕槌による横殴りが強い衝撃を与えたのだ。
既に死した雑賀衆の残骸へと永鶴は突っ込む。だが、彼はすぐに起き上がり、体勢を整えた。
――削れはするが、決め手に欠ける。
(「ひたすら掻き回して、仲間が動きやすいように立ち回ろう」)
水葵は、未だなお悠然と佇む永鶴を見据え、きゅっと唇を引き結んだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
奴崎・娑婆蔵
【奴崎組】
ははぁ、あれがここで幅ァ利かせていやがる『雑賀』のカシラか
手勢の屍を山と築かれた所で微塵もたじろぐでなし――なかなか斬りでのありそうな前線指揮官じゃァありやせんか
そら、道はどうとでも拓いてみせやすぜ雑賀の
いやさ、黒詠の(名字呼びだと敵と同じで紛らわしいので)
自慢の作の刀でも銃の弾道でも、思うように通して来なせえよ
・主に幻影雑賀衆を相手取る
・槍と刀の突撃は「撤退を視野に入れていない捨て身」であるものと踏まえ対応
・突っ込んで来る手合いの身をその勢いをも利して【両断】するよう『鋼糸』を宙に張り、首や脚、一発で継戦能力を潰せる箇所を狙う
・銃を使う戦列には飛び道具で対応
・『ガトリングガン』の掃射でまず【薙ぎ払い】、追って『ガンナイフ』を【連射】、2000年代の銃の力を見せ付ける
・『トンカラ刀』を宙に振り、その影を実体化させることで、敵陣の間隙を突いて地より出し抜けに伸びる【斬影刃】で永鶴を狙う
手前、姓は奴崎名は娑婆蔵
人呼んで『八ツ裂き娑婆蔵』
人類史上、いっとう白着流しのハマる刀使いでさァ
ルィツァーリ・ペルーンスィン
【奴崎組】
アレンジ連携歓迎
……本当に聞いてた以上に禄でもない奴の様だな
まあ、そういう奴の方が遠慮なく打ち倒せるから構いはしないが、な
音に聞く雑賀衆の銃撃とは思えぬ精度だが……まあ、其れを指揮する者がああでは仕方ないか
我が矢を以って外道を討ち取る一助となろう!!
貴様を討つのは俺じゃなくて黒詠さん達の役目だからな
だから、二人の道を切り開くのに専念させて貰うさ
さあ、トドメは任せたぜ!
◯高速詠唱の◯連続魔法で◯焔矢発動
連携重視
味方の攻撃とタイミングに合わせ味方とは別方向から攻撃し味方の攻撃が当り易くなる様な援護や味方が敵に肉薄出来る様に道を切り開く等の援護
味方に敵が攻撃しようとしてくるタイミングで攻撃を仕掛け攻撃を邪魔する妨害等、何方かというと味方の支援を重視した戦いを行う
又、敵の攻撃対策として可能な限り幻影も巻き込むように攻撃
他、女子供は削るに留めるならば其れも存分に活用
方針転換した際に回避等が出来る様に致命的な負傷だけは避けながら自身の痛みは無視し◯捨て身の一撃で焔矢を撃って撃って撃ちまくる
雑賀・黒詠
【奴崎組】
荒田・誠司(g00115)と行動を基本とする。
他、アドリブ連携等可
影法師だということは分かっている。けれど、あの歪んだかんばせは変わらない。
もしも一人ならば足が竦み、心臓を鷲掴みされたように動けなかっただろう。だけど、今はそうではない。
私怨はある。だが只人の命を蝕むというのなら、それは関係ない。
お前の望み未来はこの私が阻む。そして
......お前の元へ、必ず辿り着いて見せる。
永鶴よ。待っていろ。
すぐさま首元へ刃を突き立てたいところだが、そう易い相手ではない。
あの面に騙されてはいけない。仮にも雑賀を名乗る男、弱い訳は無い。
幻影を用い行く手を阻んでくるだろう。だが所詮影。如何様にも出来る。掠めるものは無視し、直撃の物を弾く程度に納める。
私と人形「子狐」は乱戦を掻い潜りながら、奴の元へ。
貴様の白兵術は基礎だ。こちらの物と張り合えるか?
私と、この子との連携から逃れることは叶わない。
種子島、小鴉の打刀、白鞘の太刀を人形とそれぞれ使い分けながら、時に攪乱し、時に騙し討ちを。最後には首を。
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【奴崎組】
黒詠(g07640)との行動を基本にする
【心情】
影法師とはいえ、ようやく会えたな
しっかり援護するから!やってやれ!黒詠!
突撃ばかりが戦いじゃない。真っ向勝負だけで何とかなると思うなよ
今後もあいつが出たら援護する。決着はしっかりつけなきゃな
【行動】
仲間とはパラドクス通信をしたり声を掛け合って積極的に連携していく
特に黒詠の宿敵の影法師だ
彼女の援護を主に行う
敵の攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で防ぐ
盾は大きいから仲間を守るのにも使える
パラドクスを使用して広範囲に触れると凍る水を広範囲に撒く爆弾を製作
号令がかかっていても問題ない
突撃してくるってんなら好都合だ
前方にいる敵を狙い投擲
突撃している最中に動きを止めれば
凍っている敵と後続がぶつかって隙が出来るはず
その間にアヴァタール級へ爆弾を投擲し凍らせよう
必要なら臨機応変に対処する
水上・鏡夜
【奴崎組】
アドリブ、絡み等歓迎
へぇ……話には聞いていたが、なるほど。歪んでるねぇ
可愛い義妹の為にも援護させてもらおうか。
進む道を照らす役割がいるのなら、障害を排除する役割も大事だろう?
何処にでも影はある、干渉さえできればそれは力だ。
連携を重視しつつ、相手の足回りを絡め取るように動こうか。
動けぬように妨害するのも役割さ。
幻に遅れを取るわけにもいかんからね、回避に専念しつつ致命傷は煙管や鉄扇で受け流そう。
意識一つでどうにでもなるわけではないようだからね。
たとえ影法師といえど、大きな一歩だよ。
もう進めてるようだが、それでも、整理をつけるためにも、ね。
パルサティラ・ブルガリス
レベル23
アドリブ歓迎
【奴崎組】の皆様と参加
なるほど、この方は生かしてはおけないことを把握いたしました。世界の掃除もまたメイドの仕事です。業務開始といきましょう。
「空中戦」及び「制圧射撃」を使用し、幻影の雑賀衆を蹴散らし他の方への攻撃を妨害する形で援護を行います。また、チャンスがあれば「砲撃」で幻影ごとアヴァタール級に攻撃し、アヴァタール級本人に隙を作ることを目指します。
相手の攻撃に対しては「空中戦」によるアウトレンジ戦法によって相手の射程外から攻撃することを基本にし、近づいてきた相手の攻撃からは「ダッシュ」によって回避することを心がけます。
相手の攻撃をしのぎ切り、攻撃を叩き込める隙が出来たらPDを使用し【完全視界】及び「貫通撃」によって幻影の影越しにアヴァタール級への攻撃を狙います。
武器は幻影相手には『SAKURA CAR-L』、アヴァタール級には『LRSW SAKURA-15』を使用します。
「さて、世界の敵をお掃除させていただきましょうか」
リューロボロス・リンドラゴ
【奴崎組】
ふん、黒詠から話には聞いておったがな。
ルィツァーリに同意よ。
聞いていたどころではなかったわ!
黒詠の敵よ。貴様が影法師であろうと関係ないわ!
幼子の敵でもあるのだ。
我が粉砕してくれようぞ!
幻影何するものぞ!
女子どもは削るに留めよだと?
そうやって貴様はどれだけの幼子を撃ってきた!
許せぬ、許せぬよ!
我は龍、我こそはドラゴン、牙無き子達の復讐者也!
文字通り殴り込みよ!
真っ直ぐに飛び込んでくる脅威というのは狙いやすくもあり、真っ先に排除せねばならぬものでもあるよなあ!
小細工を弄せぬからこその速さでもあり、勢い!
意識を向けさせるにも、攻撃を引き受けるにも、道を切り開くにも十分であろう!
さあ、削れるというのなら削ってみせるが良い!
力無き者へと向けていた銃が、竜を貫けると思うのならなああ!
我が鱗がどれだけ削られようとも、我が拳で打ち抜いてみせようぞ!
……もっともこやつの首を刈るのは我ではなかろうがの。
黒詠よ、我が加護(命中率アップ)もくれてやる。
ぬしと子狐の刃、届けてみせよ!
モリオン・スモーキー
【奴崎組】
アドリブ歓迎
連携積極的に
SPDで周囲をディフェンス
……さて、雑賀。ですか。かつての傭兵団。その英知と実力が広く知られていた者達。
……鎬を削り、その身を喰らいつくしましょう。
多数の幻影がいようとも。関係ありません。
その護衛、全て剥がして差し上げましょう。
パラドクス発動。
――ケアン。お願い。全てを喰らいつくして。塗りつぶして。お願い。全部。――自分さえも塗りつぶして。
クダギツネのケアンに力と器を差し出して獣になります。
そして幻影に対して暴れまわりましょう。
他の味方に攻撃はしないでしょう。その身を割り込んでディフェンスすることもあるでしょう。
……とどめはお任せしますよ。よろしくお願いいたします。
●鶴は落つ
山側から吹き下ろす風が、硝煙の香りを運んでくる。
水色の絵具で満たした空と輝く太陽に見守られ、白き鬼と相対するは、彼を打ち倒さんと集ったディアボロス。
「さて、あれが雑賀永鶴ですか。かつての傭兵団、その英知と実力が広く知られていた者達を束ねた将……」
雑賀衆の死体を足場に立つ永鶴をまっすぐに見据え、モリオン・スモーキー(存在奪われし魔術発明家・g05961)が言葉を紡いだ。足元で動揺に永鶴を見るケアンが、ぐるると唸り声を上げる。
永鶴から滲み出る狂気を感じ取っているのだろう。それは他の面々も同じく。
「そう、そしてあれが私の宿敵だ。……影法師とはいえ、本物とよく似ている」
雑賀・黒詠(国境なき鍛冶師・g07640)は過去を想う。遠いようで近い過去。影法師である彼の歪んだかんばせが、宿敵本人のそれと重なった。
そんな彼女を、回想の海から引き上げるように、水上・鏡夜(共在者・g09629)が口を開く。
「へぇ……話には聞いていたが、なるほど。歪んでるねぇ」
陽気な声色で紡ぐ鏡夜の言葉に、黒詠は過去ではなく今へと目を向けた。目の前の、歪みきった鬼へと。
荒田・誠司(雑草・g00115)は黒詠の様子を気に掛けていたが、彼女の横顔を見て安心する。
――大丈夫だ。俺だけじゃない、みんなが付いてる。それに彼女は、黒詠は強い人だから。
「纏う空気からしてマトモじゃない。しかもあんな風に、部下を扱うなんてな」
張り詰めた緊張の中、誠司はそれを感じさせない台詞を吐く。
一方で、まるで品定めでもするように、奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は永鶴を眺めている。
「ははぁ、あれがここで幅ァ利かせていやがる『雑賀』のカシラか。手勢の屍を山と築かれた所で微塵もたじろぐでなし――なかなか斬りでのありそうな前線指揮官じゃァありやせんか」
どこまでも冷たく残忍な鬼だからこそ、斬り甲斐があるというものだ。
これまでどれだけの民草が、彼の凶刃に掛かったのだろうか。
薄ら笑いを浮かべる永鶴を、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は鋭く睨み据える。
「……本当に聞いてた以上に禄でもない奴の様だな。まあ、そういう奴の方が遠慮なく打ち倒せるから構いはしないが、な」
そう、遠慮はいらない。敵がひたすらに弱者を虐げるだけの罪の塊ならば、騎士の剣で誅するのみだ。
彼の言葉に、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)も力強く返す。
「ふん、黒詠から話には聞いておったがな。ルィツァーリに同意よ。聞いていたどころではなかったわ!」
彼女は憤っていた。永鶴の行いに、幼子をもその手に掛ける悪辣さに。
「なるほど、この方は生かしてはおけないことを把握いたしました。汚れは可及的速やかに綺麗にいたしましょう」
パルサティラ・ブルガリス(感情豊か系無表情メイド・g08376)は、意気込みたっぷりに宣言する。
このまま生かしておけば、犠牲になる人々は数知れず。ならば、メイドとしてやるべきことは決まっている。
「……黙って聞いていれば、好き勝手言ってくれる」
そう言いながらも、永鶴はどこか愉しげだ。無論、ただ黙って聞いていただけではない。彼は常に攻撃の機会を窺っている。
だが、ディアボロス達に隙は無い。隙が出来るとすれば、やはり動くタイミング――それすなわち、彼らが攻勢に出る時だ。
「黒詠の敵よ。貴様が影法師であろうと関係ないわ! 幼子の敵でもあるのだ。我が粉砕してくれようぞ!」
リューロボロスは拳をグッと握り締め、怒りに燃えるエメラルドの瞳に永鶴の姿を映し出す。
パルサティラも清掃用の武器を構え、鮮やかな金の瞳に永鶴の姿を捉えた。
「世界の掃除もまたメイドの仕事です。業務開始といきましょう」
今こそ、斬り合いの時である。
「騎士の名に懸けて、貴様を討つための道を切り開く! 我が矢を以って外道を討ち取る一助となろう!!」
ルィツァーリは高らかに言い放ち、長剣を永鶴へと差し向けた。鏡夜も己の影を揺らめかせ、臨戦態勢に入る。
「同感だ。進む道を照らす役割がいるのなら、障害を排除する役割も大事だろうからね」
可愛い義妹の為にも、この技を振るおうじゃないか。鏡夜は想い、強気に笑う。
「そら、道はどうとでも拓いてみせやすぜ雑賀の……いやさ、黒詠の。自慢の作の刀でも銃の弾道でも、思うように通して来なせえよ」
娑婆蔵は下の名前で言い直し、柔らかに瞳を細めてみせる。好きにやれと、仲間達が黒詠へと伝えてゆく。
「幻影達は自分が相手取ります。ですから、心置きなく首魁と戦ってきてください」
穏やかに話すモリオンの隣で、任せておけと言うようにケアンが勇ましく鳴いた。
「影法師とはいえ、ようやく会えたんだ。しっかり援護するから! やってやれ! 黒詠!」
誠司は信じている。皆の強さを、黒詠の強さを。そして、必ず支え続けるという己の心を。
皆の言葉に励まされ、黒詠はふっと笑みを零した。
「こんなに背中を押されちゃ、立ち止まってるわけにはいかないね。今なら何だってできる気がするよ」
一人ならば足が竦み、心臓を鷲掴みされたように動けなかっただろう。だが、今は違う。
体が動く、走り出せる。そして、必ずや永鶴の首へと届く――そんな確信すら芽生えてくる。
かくして、白き影法師を狩る戦いが、再び始まりを告げる。
先に動いたのは果たしてどちらだったか。ほぼ同時に、己の能力を展開した。
雑賀衆の幻影が黒詠へと攻め込んでくる。迫り来る弾丸を弾きながら、黒詠は永鶴へと距離を詰めた。
小鴉の打刀と大太刀が交差する。永鶴が穏やかな声色で言った。
「心地の良い殺気だ。撫でる風のように気持ちが良い」
「……そうかい。そう言ってられるのも、いつまでだろうね?」
やはり、そう易く首元へ刃は突き立てられまい。あの面に騙されてはいけない。仮にも雑賀を名乗る男、弱い訳が無いのだ。
黒詠と鍔迫り合う永鶴の後方へと、誠司が回り込んだ。小型の爆弾をバラリと取り出して、永鶴へと狙いを定める。
直後、無数の爆弾を投擲。
「――!」
永鶴が黒詠から離れる。鍔迫り合いを続ければ、爆弾が永鶴の背に降り注いでいたことだろう。
避けられてもなお誠司は焦ることなく、新たな爆弾を手元に出現させる。
「まだ終わってないぜ」
一度避けられるくらいどうってことはない。それなら、何度だって立ち向かってみせるまでだ。
「近寄らせはせぬ」
永鶴が雑賀衆へと号令をかける。様々な武器を手に、幻影の兵士達が誠司へと迫った。
(「突撃してくるってんなら好都合だ……真っ向勝負だけで何とかなると思うなよ」)
誠司は迫る敵目がけ、再び爆弾を投げ放つ。突撃してくる兵士へと投げ込まれた爆弾は、水をばら撒きながら炸裂する。
その爆弾は、ただ水を撒き散らすだけの物ではない。それはパラドクスによって生み出されたもの。水に触れた兵士の体が凍り付く。
盾と電光警棒を手に、誠司は濡れた地面を駆ける。
残る幻影からの攻撃をフェイク・プリドゥエンで弾き、邪魔な兵士の氷塊は電光警棒で砕きながら、永鶴の目前へ。
「余裕ぶってるそのツラごと、凍ってしまえ!」
『特殊爆:氷結嵐』が永鶴を覆うように水を弾けさせ、同時に凍結させる。
体に張り付いた氷を払いながら、永鶴はうんざりしたように眉を寄せた。
「まったく……着物が傷んでしまうだろう」
「へぇ、死合いのさなかに着物の心配なんざ、呑気なモンだ」
己の影からあらゆる形の武具を展開しつつ、娑婆蔵が言葉を紡ぐ。
「この着物はとくに気に入っている。血がよく映えるゆえな」
淡々と返す永鶴に、娑婆蔵はふむ、と相槌を打った。会話を交えつつも、鋼糸を宙へと張り巡らせてゆく。
影から生み出した刃が、鋼糸へと力を与えるように纏わり付いた。
「実に勿体無ェ。せっかくの白を無辜の民草の血で赤染するなんざ、粋じゃァありやせん」
トンカラ刀にも『斬影刃』により生み出した影の刃を纏わせ、娑婆蔵は走る。
永鶴は再び雑賀衆を出現させ、娑婆蔵へと差し向けた。娑婆蔵は銃弾の嵐を切り抜けて、襲い来る槍や刀は鋼糸やトンカラ刀で受け流す。
そうして、永鶴のすぐ目の前へと踏み込んだ刹那――娑婆蔵は己の得物を宙に振った。
永鶴の目線が宙を舞うトンカラ刀に向けられる。狙うはその一瞬の隙。トンカラ刀の影から斬影刃が伸びる。影の刃が、永鶴の体を斬り裂いた。
「冥土の土産に覚えていきなせえ。人呼んで『八ツ裂き娑婆蔵』。人類史上、いっとう白着流しのハマる刀使いでさァ」
「空に刀を投げたのは、このためだったか」
衣を己の血で濡らしつつ、永鶴は大太刀を構え直した。動こうとするその足元へと、鏡夜が意識を向ける。
緋星が彼女の横に立ち、己の存在を示すように一声鳴いた。緋星の声に、鏡夜はこくりと頷いてみせる。
「ああ、共に行こう。義妹の晴れ舞台だ、花道の作り手は多い方がいいからね」
彼女の視線に気付いたのだろう。永鶴が刀を手に距離を詰めてくる。
「次は何をするつもりだ?」
振り下ろされた斬撃を、鏡夜は鉄扇を前に翳すことで受け止めた。相手は強敵だが、遅れを取るわけにはいかない。
黒詠のためにも、ここで倒れるようなことがあってはならないのだ。
強い意志のもと、鏡夜は己の影を確認する。――彼女の影と永鶴の影が、重なっている。扇の奥で、にやりと口元を吊り上げた。
(「何処にでも影はある、何処にでも付いて回る。己の影に囚われるといい」)
干渉さえできれば、それは力だ。鏡夜はパラドクスを展開する。『陰歌・茨』――自らの影を茨に変え、相手を絡め取る技だ。
両者の影から急速に茨が伸びる。咲き誇る茨は永鶴の体へと巻き付き、容赦なく締め上げた。
鋭い茨が、永鶴の動きを封じる。僅かに顔を顰める永鶴へと、鏡夜は満足げに微笑んでみせた。
「冥き陰より咲くは漆黒の茨なり。……ふふっ、なかなか綺麗に咲いたんじゃないか?」
漆黒が永鶴を白い衣ごと蝕んでゆく。棘が深く突き刺さり、じんわりと血が滲んだ。
永鶴は再び鏡夜へと攻撃の手を向けようとする。同時、ルィツァーリが永鶴の背後から長剣を手に飛び込んだ。
「そう容易く我らを斬り伏せられると思うな!」
ルィツァーリの長剣と、永鶴の刀が交わった。『雷で打つ者』が、悪逆に穢れた鬼をその輝く刀身に映し出す。
永鶴は舌打ちし、長剣を弾いた。ルィツァーリから飛び退きつつ、幻影の軍勢に命令を下す。
「討ち滅ぼせ」
ルィツァーリへと一斉に弾丸が放たれた。ルィツァーリは飛来する弾丸の嵐をまっすぐに捉える。
致命傷に至る危険のあるもの、それ以外の取るに足らないもの。瞬時に判断し、受け流しながら永鶴へと再接近する。
(「音に聞く雑賀衆の銃撃とは思えぬ精度だが……まあ、其れを指揮する者がああでは仕方ないか」)
ルィツァーリはわかっていた。続く戦いの中、永鶴は確かに消耗しているのだと。
先に戦っていた仲間たちの攻撃、そして奴崎組の皆の攻撃が、確実に永鶴を追い詰めているのだと。
弾丸が体を掠めるが、この程度の痛みなど、大したことではない。
――きっと、黒詠さんが抱える痛みの方が、この痛みなんかよりずっと重い。
ルィツァーリは想う。永鶴を討つのは自分ではない。だからこそ、果たすべき役目を果たすのだと。
「空駆けし天空の神よ、偉大なる雷神よ! 御身の焔矢にて、道を阻む者どもを灼き祓いたまえ!」
高らかな声と同時、顕現した巨大な大砲から誘導弾が撃ち放たれた。それは炎の矢のように駆け、幻影の軍勢を焼きながら永鶴へと直撃する。
そこへ追い打ちを掛けるように、パルサティラが『LRSW SAKURA-15』を構えた。
「世界の敵は無様に死に晒すと相場が決まっているのです。もはやお約束でございます」
ライフルの照準を永鶴へと定める。
「次から次へと……」
永鶴が幻影に号令をかけた。様々な武器を持った雑賀衆が、パルサティラへと向かってくる。パルサティラは表情ひとつ変えぬまま、驚きにも似た声を上げる。
「わお、塵や埃がこんなにたくさん。これはお掃除のしがいがあるというものですね」
その声に焦りはなく、むしろ気持ちよく大掃除ができるという期待が混じっていた。鮮やかな手つきで銃を持ち替える。
『LRSW SAKURA-15』から『SAKURA CAR-L』へ――アサルトライフルの銃口を、迫る塵埃……雑賀衆へと向けた。
「世界の敵を、お掃除させていただきましょうか」
パラドクスを発動し精神を集中させる。視界が冴え渡るような感覚と共に、パルサティラは銃弾を撃ち込んだ。
射程などお構いなしに幻影は攻めてくる。パルサティラは間近の敵から銃撃で撃ち倒した。飛んでくる銃弾や繰り出される槍刀は、致命傷にならないよう受け流す。
撃ち倒すことで生まれた空間へと飛び込み、再び永鶴へと銃口を向けた。パルサティラの銃弾に体を撃ち抜かれ、永鶴の衣に血が飛び散る。
民草の血ではなく永鶴自身の血で、彼の衣は赤く染まってゆく。苦痛に顔を顰めるも、口元から笑みは消えていない。その不気味さに、モリオンは僅かに瞳を細めた。
歪んでしまった存在に思うことがないわけではない。けれど、今はただ仲間のために、その歪みを排除する。
(「……この力は大切な仲間のために使うのです。決して、自分を見失うことなどありません」)
ケアンがジッとモリオンを見上げていた。モリオンはケアンを見つめ返し、静かに頷く。
鎬を削り、その身を喰らい尽くす。モリオンはパラドクスを発動する。
「――ケアン。お願い。全てを喰らいつくして。塗りつぶして。お願い。全部。――自分さえも塗りつぶして」
全ての魔力をケアンに委ねた。膨れ上がった魔力は獣のように口を開き、モリオンを飲み込んでゆく。
モリオンの姿が闇に溶ける。彼の姿は消え、代わりに現れたのは一匹の獣だった。
夜闇を閉じ込めたブラックオニキスの毛並みを持つ獣は、その獰猛な瞳を幻影の雑賀衆へと向ける。
永鶴が差し向けた幻影達が、獣へと迫り来る。
(「……ああ、獲物が自ら飛び込んでくる」)
獣のようにそう考えた。だがそれも一瞬。いくら力と器を差し出して獣になろうと、自我を失うことはない。幻影に喰らい付き、喰いちぎる。多数の幻影がいようと関係ない。すべて剥がし、喰らい、蹂躙するのみ。幻影を突破した闇の獣が、永鶴へと突進した。
吹き飛ばされる永鶴へと、リューロボロスが一直線に駆ける。流星のように飛び込む彼女は、まさに脅威そのものだ。
永鶴が受け身を取りながらも叫ぶ。
「征け!」
彼の声と共に、雑賀衆の幻影がリューロボロスへと突撃する。年寄りや男は必ず潰せ、女子供は削るに留めよ。その主命はまるで呪いのよう。
リューロボロスは瞳を大きく見開き、一喝する。
「幻影何するものぞ! 女子どもは削るに留めよだと? そうやって貴様はどれだけの幼子を撃ってきた!」
幼子達には多くの夢が在ったであろう! 未来への期待も、希望も、憧れも――すべてを踏み躙り、この鬼はどれだけ嗤ってきたのだろう!
許せぬ、許せぬよ! 彼女は咆哮する。激しい怒りを渦巻かせるその声は、天高くまで轟いた。
「我は龍、我こそはドラゴン、牙無き子達の復讐者也! 文字通り殴り込みよ!」
銃口が一斉に向けられるが、彼女は動じない。小細工を弄せず、ひたすらに速く、疾く、勢いのままに己を害そうとする幻影達へと衝突した。
「さあ、削れるというのなら削ってみせるが良い! 力無き者へと向けていた銃が、竜を貫けると思うのならなああ!」
銃弾の雨を抜ける。体を銃弾が掠めるも、所詮は幻。リューロボロスの勢いを削ぐことすら叶わない。
繰り出される拳と共に、幻影の軍勢を貫いた。そして、その先にいる永鶴へと突撃する。
意識を向けさせるにも、攻撃を引き受けるにも、道を切り開くにも十分な一撃だ。彼女の拳は、永鶴へと重い衝撃を以て打ち込まれた。
容赦なく殴り飛ばされ、永鶴は地面へと叩き付けられる。
苛烈な攻撃を浴び続けながらも、永鶴はゆらりと立ち上がった。
「……ああ、わかっていた。わかっていたとも。貴様らが、私の首をとりに来た時点で……だが」
もはや立っていられる事がおかしい。それほどに傷だらけの状態で、彼は大太刀をディアボロス達へと構える。
「この雑賀永鶴、最期まで悪鬼と在らん! 貴様らの血を啜るまで……止まるものか!」
血に塗れたその顔に浮かぶのは狂鬼の笑み。彼を取り巻く雑賀衆の幻影達が雄叫びを上げた。
満身創痍であるはずなのに、その勢いは衰えるどころか増している気さえする。
勝利への執着、その為になりふり構わぬ姿勢――それらを直視し、黒詠は表情を硬くする。
「この局面に来てもなお笑い続けるか。……本当に、どこまでも歪んでいる」
「手負いの獣は手強い、というやつでございやすかねえ」
黒詠の様子とは逆に、娑婆蔵は軽い調子で紡いだ。張り詰めた空気を解すようなそれに、パルサティラも同意するように頷く。
「油汚れも顔負けの頑固さですね。ですが、もうすぐ綺麗さっぱり洗い流されることでしょう」
アサルトライフルを構え直し、彼女は断言した。
永鶴が目をギョロリと剥き、叫ぶ。
「行け、征け! 死んでも勝て!!」
狂気の軍勢がディアボロス達へと押し寄せんと一斉に駆ける。黒詠はその光景をしっかりと瞳に焼き付けた。
あの勇ましさは虚飾だ。鬼へと堕ちた永鶴が見せる愚かな幻に過ぎない。心の内でそう断じながら、人形の糸を引く。子狐が白鞘の太刀を凛と構え、黒詠の隣へと並び立った。
「まったく、往生際が悪いこって……まァ、それもじきに終いでございやしょう」
娑婆蔵が呆れたように言いつつも、敵の刃をひらりと躱す。躱しざまに敵陣へと飛び込めば、黒詠へ向かおうとしていた幻影の兵士を斬り捨てる。
パルサティラも幻影の集団に向けて弾丸の嵐を降らせながら、黒詠へと声を掛けた。
「こちらはお任せください、塵ひとつ見逃しません」
黒詠は力強く頷き、幻影達の前衛を抜ける。
幻影達の壁は未だ厚く。黒詠の前には、多くの敵が立ち塞がっていた。
しかし――。
「道を切り開くと、言ったはずだ!」
ルィツァーリの『ペルーン神の焔矢』が、中衛に陣取る敵を焼いてゆく。彼の砲撃は、幻影の兵士達の厚い壁に穴を開けた。
陣形を整えようとする兵士達へと、獣と化したモリオンが攻撃を仕掛ける。
「させません」
焼かれながらも武器を構えようとする兵士を、モリオンはその大きな体躯で踏み潰し、叩き伏せる。
彼は黒詠へと振り返り、強い眼差しを向けた。
「とどめはお任せしますよ。よろしくお願いいたします」
「ここは俺達に任せてくれ。さあ、黒詠さんは先へ!」
巨大な大砲で幻影達の行く手を塞ぎながら、ルィツァーリが力強く告げる。
言葉を交わすよりも、今は行動で示す。黒詠は中衛を潜り抜けた。永鶴まで、あと僅か。幻影の後衛が、永鶴を守ろうと黒詠へ銃を構える。そんな彼らへと爆弾の雨が降った。
「お前らの相手は俺だ!」
誠司の氷結嵐が炸裂する。反撃の銃弾をその身に受けるが、誠司は決して怯まず、幻影を鋭く睨み据えた。
「大事な戦いなんだ。絶対に邪魔なんてさせない」
大切なひとが前に進むための第一歩なのだ。行く手を阻ませてなるものか。
凍り付き動きが鈍った幻影へと、リューロボロスの拳が振り下ろされる。
「その刃、黒詠には届かせぬ! 偽りの兵どもよ、真なる龍の拳を受けるがよい!」
幻影と名は付いているが、結局はクロノヴェーダが生み出すものだ。パラドクスを撃ち込めば、届く。
鏡夜も影の茨を伸ばし、幻影の動きを封じた。反撃を煙管で弾きつつ、彼女は想う。
(「たとえ影法師といえど、大きな一歩だよ。もう進めてるようだが、それでも、整理をつけるためにも、ね」)
義妹への想いを胸に、鏡夜は朗らかに言い放った。
「さあ、行っておいで! 奴の首はすぐそこだ」
彼女は晴れやかに黒詠を送り出す。力強い言葉が、黒詠の心を後押しする。
迷い人を導く道標のように、リューロボロスが大きな翼を広げた。
「黒詠よ、我が加護もくれてやる。ぬしと子狐の刃、届けてみせよ!」
その言葉と共に、視界に映るは一条の光。黒詠はその光を掴みたいと思った。彼女がそう思ったからこそ、視えたのだ。
「――ああ、必ず、討つ」
幻影の軍勢を越えた。目前には、黒詠を迎え撃つ永鶴の姿。黒詠が持つ小鴉の打刀と、永鶴の大太刀が再び交わった。
間近に在る血のような瞳から、黒詠は目を逸らさない。
「只人の命を蝕み、弄ぶ悪鬼よ。お前の望み、未来はこの私が阻む」
私怨がないわけではない。しかし、それとは関係なく、この鬼を止めねばならぬと心が告げている。
永鶴がほんの僅か、その笑みのうちに苦悶をちらつかせた。
「――貴様のような女人に、そのようなことが……」
出来てたまるか、とでも言いたげな顔だ。今度は黒詠が口元に笑みを浮かべてみせた。
「いいや、できるさ。今の私ならね」
永鶴と鍔迫り合う直前、黒詠は糸を繰っていた。子狐が白鞘の太刀を手に、永鶴の後方へと回り込む。
「っ……!」
永鶴が息を詰めた。前方、後方からの連携。逃げ場なしの同時斬り。彼は何とか避けようと身を捩る。
その足掻きが、大きな隙を生んだ。刀を握る彼の力が一瞬緩む。黒詠は見逃さず、一歩前へと踏み込んだ。
――永鶴の刀が、空へと弾き飛ばされる。
(「……お前の元へ、必ず辿り着いて見せる。永鶴よ。待っていろ」)
子狐の斬撃が永鶴の胴を裂き、黒詠の小鴉の打刀が首を断つ。魔を斬り裂く一閃が、永鶴を荒野へと討ち落とした。
落とされた鬼の首は何も語らず。諦観の笑みを浮かべたまま沈黙し、その命を終わらせたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
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