悪の組織の改造ゾルダートによる襲撃事件

 機械化ドイツ帝国で暗躍する悪の組織が開発した、新兵装(クロノオブジェクト)を装備したクロノヴェーダが、ドイツの街を襲撃し多くの被害が発生します。
 この襲撃を行うクロノヴェーダを撃破し、街の被害を防いでください。
 クロノオブジェクトによってパワーアップされたクロノヴェーダは、強敵ですが、新兵装の設計を思いついた『博士(一般人)』の身柄を確保し、その秘密を聞き出す事で、新兵装を無効化する事が可能であるようです。
(悪の組織は、クロノヴェーダがドイツ国民を対象とした非合法な実験や作戦を行う為に組織した、機械化ドイツ帝国とは表向き無関係な、下部組織の一つです)

古城の塔に籠城中(作者 koguma
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#機械化ドイツ帝国  #悪の組織の改造ゾルダートによる襲撃事件  #悪の組織 


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●市街地は血に塗れ
 その日、街の平和は一瞬にして奪われた。
 ニュルンベルク近郊に位置するその街は、三角屋根に木組みの家々が並ぶ美しい景観を誇っていたというのに。
 敵歩兵インファント・ゾルダート達が、一斉に市中へ雪崩れこみ、銃声と住民の悲鳴が街中に響いた。
 発砲を受けた住民が倒れ、美しい石畳の円形広場に血だまりが広がっていく。
「なっさけない、少しは抵抗して見せたらどうだ? この街の者は殺り甲斐がないな。
 これでは実験にならないではないか。
 新調したドリルの威力を試したいというのに」
 上空から降下しつつ、敵将トルナード・ヘクセは、自慢の両腕ドリルを高速回転させた。
 円形広場の中心に、高々と水を吹き上げる噴水を背後に、恐れおののく住民にずいと近づいて、
「ほれほれ、その眼でよく見ておれ。超! 高速回転!!」
 ギュルルル……と不気味な音を轟かせ、熱を帯び、終いには火花を散らしながら、
 超高速回転させたドリルで周囲の住民達をなぶり殺して回った。
「キャハハハ! 見事な物だろう、改造前の10倍回転よ!
 おいゾルダート達、獲物を残しておけよ? この私が殺し尽くしてやるのだからな!」
 高笑いするトルナード・ヘクセの周囲には、血に染まった住民達が累々と倒れて居た。

●パラドクストレイン
「レジスタンス諜報員のグレーテルよ、以後お見知りおきを!」
 グレーテル・ベッカー(人間のレジスタンス諜報員・g01436)は人懐っこい笑顔を浮かべ、
 さてどこから話しましょうかと前置きすると、凛とした緊張感を纏い、事件の概要を語り始めた。
「機械化ドイツ帝国の、ニュルンベルク近郊の街に、クロノヴェーダ、ゾルダートの襲撃が確認されたわ。
 ゾルダートの襲撃で罪のない多くの市民が死傷するようね」
 グレーテルはその惨状に思わず目を伏せた。
 襲撃を率いているトルナード・ヘクセは博士の技術を悪用した『特殊装備である、凄い回転数のドリル』を手に入れた事で、通常よりも強力な戦闘力を持っているという。
 今回の襲撃は、この特別なドリルの実験・検証の為に行われるのだ。
「もし、この実験の成功で有益な結果が得られたら、
 機械化ドイツ帝国のクロノヴェーダ全てに反映されて戦闘力が上昇してしまうわ!
 市民を守る為、そして、機械化ドイツ帝国の、ゾルダートのパワーアップを阻止する為にも、どうか襲撃を阻止して欲しいの」

 一息ついて、任務の流れについての説明に移る。
「まず向かって欲しいのは、ゾルダートのドリル改造を行った博士の居場所よ。
 パラドクストレインが、ゾルダート襲撃事件の数日前の、街外れの古城前に運んでくれるわ。
 その古城に身を隠した博士に会う事に成功したら、
 次のミッションでは博士を説得して、襲撃の詳しい日時や弱点を聞き出して欲しいの」
 ちなみに博士は悪の組織に利用された一般人であり、
 クロノヴェーダは博士の発想力をエネルギーとして利用する事で、博士の考えた『特殊装備である、凄い回転数のドリル』を現実のものとしたのだという。

 そうして敵の弱点などを聞き出す事が出来たならば、
「パラドクストレインで襲撃事件当日の街に赴いて、ゾルダートの軍団と戦闘よ!」
 改造を施された強敵であるトルナード・ヘクセと、配下インファントリー・ゾルダートとの集団敵となる。
「トルナード・ヘクセを撃破すれば、インファントリー・ゾルダート達は逃走するから事件は解決よ。
 ……でもね、インファントリー・ゾルダートを放っておくと街を破壊したり、住人を殺傷する危険があるわ、
 まずはインファントリー・ゾルダートの撃破をお願いね」
 この戦闘任務では、博士の発想によって製作されたゾルダートのドリルについての情報を得ていれば、
 戦闘を有利に運ぶことが出来るかもしれない。
「つまりトルナード・ヘクセについては、博士からの情報をうまく使う事ができれば、有利に戦えるわ。
 逆に博士からの情報無しで戦う場合は、かなりの苦戦を覚悟しなければならないってワケ。
 博士からいかに情報を聞き出せるかという事に、任務全体の命運が掛かっているわ」

 神妙な顔で話し終えたグレーテルはハッとして、町娘のような人懐っこい笑みを浮かべた。
「やだ、緊張させてしまったかしら?
 ディビジョンでの戦いは初めての方が多いわよね。無理せず、確実に、自分が出来る事を行って勝利を掴み取ってちょうだいね」

●博士の居場所
 襲撃事件の数日前の晩の事だ。
 街外れにひっそりと建つ無人の古城に、立ち入る人影があった。
 その人物は、二十代半ばとみえる金髪碧眼の美女にして、今回の兵器を発明した天才科学者。
 カロリーネ・シュミットという名の博士だ。
 夜の闇に紛れて城内に立ち入った博士は、入口傍の螺旋階段を駆け上がった。
「運動不足が祟ったわね。お腹もすいたし、寒いし、最悪だわ。……だけど此処なら安全ね」
 地上30メートルはあろうかという見張り塔内にたどり着き、ゼェゼェ息を切らせて石床にへたり込んだ。
 着の身着のままひとりで逃げて来た博士は、敵を撃退する手段を持たない。
「研究所のホープだった私の発明が悪用されるなんて最悪よ。もうやってらんない、引きこもってやるんだから……」
 自棄になっている博士から情報を聞き出すには、説得が必要になるだろう。
 ともあれ、先ずは古城前に到着するパラドクストレインから降車し、博士と会う事がミッションだ。
 古城は外周に塀がない代わりに森に囲まれて、人っ子一人寄り付く事は無く静まり返っている。
 博士の元にたどり着くには螺旋階段をひたすら登るか、或いは見張り塔の窓へと外から登るなどして侵入する事も可能かもしれない。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
2
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【フライトドローン】
3
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【熱波の支配者】
2
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV2 / 【ロストエナジー】LV3

●マスターより

koguma
 オープニングをご覧いただきありがとうございます。
 チェインパラドクスでは初依頼となります。よろしくお願いいたします!
 今回の依頼は、おおまかに以下のように進行します。

 ①博士と会う
 ②博士を説得して情報を得る
 ③集団敵インファントリー・ゾルダートとの戦闘
 ④ボス敵トルナード・ヘクセとの戦闘

 上記②以降、プレイングを頂く前に断章をいれて状況説明をします。
 ①はオープニングに状況説明文をいれていますので、
 オープニングリリースと同時にプレイング募集を開始します。

 リプレイの執筆納品は土日の夜を中心に行います。
 タイミング次第ですが、返却期限近くまで納品をお待たせする事もございます。
 何卒よろしくお願いいたします。
9

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


マティアス・シュトローマー
初めての戦い、それに加えて故郷の近くの街での事件か。こんなの気合い入れるなっていう方が無理だよな。……よし。
まずは博士に会って説得しないとな。体力は一般人よりあるし、そのまま古城の螺旋階段を使って博士の元へ。
説得は苦労しそうだから、パラドクスのメテオールで士気高揚を。
俺達ディアボロスが来たからもう大丈夫な事、博士の素晴らしい発明が悪用されてしまって悔しい事、罪のない人達を救うために力を貸してほしい事を伝える。
博士は着の身着のままだって聞いたから、俺の持ってるアイテム、レープクーヘンをあげるのも良いかもしれない。
説得できたら博士を保護し、クロノオブジェクトの弱点を聞き出す。


アミリアス・ヴェルザンディ
フフフフ、悪の組織御用達の『凄い回転数のドリル』とは実に興味深い
やはり、それを開発した人物には是非とも直接会って聞き出さなければならないね
さぞかし、趣味のイイ発明の数々を世に生み出したのだろうとも…我々で、しっかりテイム…いや、保護しなければならないね

この古城にいるようだが、ここには、食料も暖房もないように見えるが、こんなところに引き籠って、我のようなリターナーへの志願者か苦行者の類か…将又、こんな長い螺旋階段の上の頂上に居続けるのもドリル(螺旋)への愛故かい?
それとも、逃げた時の勢いだけで此処に来たり…あ(察し)

兎に角、同じ(自称)天才科学者として、色々機構の弱点とか語り明かそうじゃないか


レント・オルトマン
敵の装備を封じるためにも、情報を持つシュミット博士を保護しなければならないな
なんでもこの古城内にいるそうだが…いや高いな
しかし戦場を駆けるのに比べれば遙かにマシだろう、
幸い忍耐力には自信がある、ここは機械の脚を活かして螺旋階段を登ろう

…しかし、これは、脚にバーニア機構でも搭載するべきだろうか?

博士に接触したら敵ではないことを示すため武装解除
まずは我々の信頼を得るため、一先ず博士の身の安全を確保しよう
機械部の出力を上げ周囲の温度上昇
加えてクダキツネのタケノコを抱えてもらえば温度問題は解決するだろう
もふもふはいいぞ
ただ食事については俺も不得手でな、芋を蒸すぐらいしかできない
無いよりマシ程度だ


●静寂の森と古城の塔
 パラドクストレインが古城の前へ到着し、3人のディアボロス達が現地へ降り立った。
 見上げれば宵闇に溶け込むような黒い森に囲まれて、主の無い古城塔だけが只々高くそびえて居た。
「なんでもこの古城内にいるそうだが……いや高いな」
 しかし戦場を駆けるのに比べれば遙かにマシだろう。レント・オルトマン(エンデクーゲル・g01439)は機械の脚を活かして螺旋階段を登り始めた。
 壁面はレンガが高く積まれた塔内部に、古びた木製階段が果てしなく続き、
 忍耐力には自身のあるレントでさえ、脚にバーニア機構でも搭載するべきだろうか? という事が頭を過ぎった。
 元はギムナジウムに通っていたマティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)には、故郷の近くでの事件とあって気合が入る。
「……よし」
 初依頼、古城内へと一歩目を踏み出した。
 そしてアミリアス・ヴェルザンディ(【自称】天才科学者・g01902)は、悪の組織御用達の『凄い回転数のドリル』を開発した人物に会えるとあって、
 階段を登りながらも、思わずフフフフと笑みを零すのだった。

 階段を一定のリズムで駆け上がってくる足音が聞こえて来る……。
(「う、嘘でしょう? こんな所まで追手が来たというの?」)
 博士の心臓が早鐘を打つ。ギシギシと、建付けの悪い木製扉を開けて入って来たのはしかし、敵兵ではなかった。
 あの長い階段を登って来たとは思えない、涼しい顔をしたレントを先頭に、
 少し遅れて体力に自信があったマティアスは笑顔を崩すことなく、
 そして普段から良いとは言えない顔色が一段とよろしくないアミリアス。
 マッドサイエンティスト然とした、死んだ目をした彼女が姿を現した所で。
「……ええと、どちら様?」
 後ずさる博士へ、レントは武装解除してみせた。
「すまない、驚かせるつもりはなかった。俺達は敵ではない」
「そのようね。だけど、一般人では無さそうよね。悪いけれど、野宿したいなら他の場所をあたって下さる?」
 追手ではないと確信して、緊張を緩めた博士のお腹が、ぐぅーと鳴った。
「……」
「……聞こえた? 聞こえなかったわよね! もうヤダ今朝からなんにも食べてないのよぉ」
 赤面した博士に、
「食事については不得手でな、芋を蒸すぐらいしかできないが」
「俺のレープクーヘンも良かったらどうぞ」
 各々持ち込んだ食事を振る舞った。
 博士は受け取るかどうかしばし悩んだ末に、空腹に負けたらしい。
 先ずは芋を頬張りだした。
「いただきます! もぐもぐ。空腹は最高のスパイスね。こんなに美味しい芋は初めてよ。
 もぐもぐ。デザートにまでありつけるとは思ってなかったわよ。はぁ~甘みが染み渡るわね~」
 石床に座り込んで食べている博士。
「しかし冷えるな。……よし、すぐに暖まるとは思うが、しばらくタケノコを抱いていてくれ」
 機械部の出力を上げて周囲温度を上げつつ、レントのクダギツネ『タケノコ』が、博士の膝にもふっと飛び乗った。
「ふわふわ、暖かいわ。生き返るわね」
 博士が落ち着いた様子を見計らって、
 マティアスはメテオールで士気を高めつつ話を切り出した。
「俺は博士の素晴らしい発明が悪用されてしまって悔しいと思っていて、罪のない人達を救うために力を貸して欲しくて会いに来たんだ」
「アナタ達、私の研究を知っているのね?」
「ああ。近い未来に博士の発明品で襲撃事件が起こる事も知ってる。俺達ディアボロスはそれを阻止したいと思ってる」
「そうだったのね……」
 博士はモフモフしながら考え込んでいる様子。
「しかし君、食料も暖房もないこんなところに引き籠って、我のようなリターナーへの志願者か苦行者の類か……。
 将又、こんな長い螺旋階段の上の頂上に居続けるのもドリル(螺旋)への愛故かい?
 それとも、逃げた時の勢いだけで此処に来たり……あ」
 そこまで言い掛けて、察した表情のアミリアスと博士の目が合った。
「ま、まぁここへ来たのは勢いよ。潜伏出来る場所なんて、他にアテも無かったし。
 だけど毎日毎日ドリルの研究をしていたんだもの。螺旋って最高よね~って思いながら階段上ってたわ、ウフフフ」
「フフフフ」
 似たもの同士、なんだかシンクロし始めるふたり。
「いいわ、ディアボロス達に協力するわよ! 元々ドリルを悪用したアイツらに一矢報いてやりたいと思って居た所!」
 身一つで逃げ出す事しか出来なかった博士にとって、思いがけないリベンジのチャンスだった。
 この塔の中で、彼女の知っている情報をディアボロス達に話してくれるという。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

 ディアボロス達にすっかり気を許した博士、カロリーネ・シュミット女史は、
 襲撃事件の日時や、彼女の発明品『凄い回転数のドリル』の弱点について話してくれるという。
 敵兵との戦闘当日に備え、彼女からうまく情報を聞き出してほしい。
 そして、オープニング冒頭文で敵将トルナード・ヘクセが改造ドリルを使う様子にも、弱点の糸口が隠されているかもしれない。
 この選択肢では、古城塔内部に居るシーンから始まるため、再度螺旋階段を登る必要はない。
アミリアス・ヴェルザンディ
アミリアスは、カロリーネ・シュミット女史と語らい【士気高揚】からの熱で、更にドリルの詳細な機能性を聞き出して、色々と弱点を探ってみます。

そのドリルには、元々のベースとなったドリルがあるわけだね?
本来、実用的な意味での完成系は、それなのだろう。

そして、問題の改造型の10倍回転とは、ドリルの回転数を上げて、勢いを増しているのかな?

けど、ドリルへの負荷は相当なものだろうね…。
浪漫は、追及すべきだけど、持久力に乏しい筈だし、実際使うと、コレ機能的に何度も使えるような代物じゃなさそうだし、メンテナンスも頻繁に行う必要がありそうだね。

フフフフ、、つまり、このドリルはロマン武器さ!
だがそれがイイ!


マティアス・シュトローマー
俺は博士が気持ち良く話せるよう、引き続き場の士気をメテオールの【士気高揚】で高めようと思う。

本当にありがとう。博士の協力があればゾルダート達にも絶対に勝てる。

ドリルはアミリアスの言うように、10倍回転の勢いと引き換えに耐久性を失っているんじゃないか?
ある程度の時間稼動させていれば、自然と壊れてくれたりはしないだろうか。
あとは直接ドリルを破壊しなければならない状況になった場合に備えて、ドリルの脆い箇所も知りたいな。
ゾルダートの襲撃の詳しい日時、敵の数、有効な攻撃方法なんかもあると助かる。


水鶏・きざし
まあまあ。
こんな時だけど、こんな時だからこそ、みんなが心に余裕を持って話せる場にしたいよね。
という訳で、私の家の和菓子を良かったらどうぞ。

私が聞きたいことは、カロリーネ博士の発明を利用してる敵のこと。
敵はいつ・どこに・どれくらいの数でやってくるのか。
事前にわかっていれば、一般の人たちを守れるからね。

大丈夫だよ、カロリーネ博士の努力の結晶だもん。
絶対に悪用させたりはしない。
がんばって、がんばって、新しいモノを生み出したときの達成感ーー私も大好きだから。


ラウム・マルファス
ドリル兵器、おもしろそーだネ
自前のドローンを空中換装。乗って塔の窓まで飛んでくヨ
まずはご挨拶、カナ
「ラウムだヨ。よろしくネ。あやしーけど敵じゃないヨ?」
両手を振り敵意が無いことを示すヨ
「これでも発明家なんダ。本命は研究の方だけどネ。噂のドリルのコト、ボクにも色々教えてヨ」
発明の知識を総動員して情報収集。こっちから質問はしないヨ。彼女が意識していない弱点もあるかもだしネ。とはいえ接続部の機構と素材、動力の情報くらいは欲しいカナ
「ところでカロリーネ、これからどうするノ?降りるならドローンに乗ってク?」
降りるならフライトドローンを出してあげよウ
残るなら手持ちの薬品から役立ちそうなものを置いていくヨ


●古城塔の夜は更けて
 空中換装したドローンで飛翔したラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が目指すは、
 頭上に聳え立つ見張り塔だ。
 その塔内ではトルナード・ヘクセが使う『凄い回転数のドリル』を発明した張本人、
 カロリーネ・シュミット女史を囲んでの話し合いが始まろうとしていた。
「アナタ達に協力するわ。なんでも聞いて頂戴」
「本当にありがとう。博士の協力があればゾルダート達にも絶対に勝てる」
 マティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)が再びメテオールを掛けて、話合いの場の士気が高まってゆく中、
 人ひとりが丁度通れる程の、細長い石積みの窓開口部から、ラウムが軽やかに踏み込んで来て姿を現した。
「ラウムだヨ。よろしくネ。あやしーけど敵じゃないヨ?」
 両手を振り敵意が無いことを示してみせると、博士は安堵して、
「……今度こそ追手が来たのかと思ったわよ」
「これでも発明家なんダ。本命は研究の方だけどネ。噂のドリルのコト、ボクにも色々教えてヨ」
「もちろんよ、アナタもどうぞ入ってちょうだい」
 なんだか場の空気が和んだ所で、水鶏・きざし(春花秋月・g01677)からは嬉しい差し入れも。
「私の家の和菓子を良かったらどうぞ」
 博士は口をもぐもぐさせつつ、
「初めて食べる味たけれども、美味しいわねコレ。ブレイクタイム食べたら研究が捗りそうだわ~。
 ……失礼、私の発明したドリルの事聞きたいんだったわね?」
「そうだとも、そのドリルには、元々のベースとなったドリルがあるわけだね?
 本来、実用的な意味での完成系は、それなのだろう」
 ドリルの話となると、アミリアス・ヴェルザンディ(【自称】天才科学者・g01902)の灰色の瞳は渇望の色を灯した。
「そして、問題の改造型の10倍回転とは、ドリルの回転数を上げて、勢いを増しているのかな?」
「その通りよ」
 と、誇らしげな博士。
「けど、ドリルへの負荷は相当なものだろうね……。
 浪漫は、追及すべきだけど、持久力に乏しい筈だし、
 実際使うと、コレ機能的に何度も使えるような代物じゃなさそうだし、メンテナンスも頻繁に行う必要がありそうだね」
「その通りよ……」
 と、一転して頭を抱える博士。
「フフフフ、つまり、このドリルはロマン武器さ!」
「そうね、ウフフ、理想のパワー! そして圧倒的な回転数! 遂に実現させたのよ、正にロマン武器っ!
 だけど白状するわ。アナタの言う通り持久力に乏しい代物よ」
 頷きつつ、マティアスが問う。
「ある程度の時間稼動させていれば、自然と壊れてくれたりはしないだろうか」
「そうね、ドリルが壊れるまで待つというのは、一番シンプルな対処法ね。
 けれど、もっと手っ取り早い方法があるわよ」
 博士は一呼吸置いて、
「凄い回転数を伴うドリル攻撃は、一度使っただけでかなり高温になるのよ。火花を散らすほどにね。
 もう一度使用する前に冷却が必要よ。どうやって冷却するかというと……」
 博士は簡易地図を広げ、街の中心の円形広場を指さした。
「円形広場の中心にある噴水を冷却水として利用しているの。
 結果的にトルナード・ヘクセは噴水の傍を離れようとしない筈よ。
 離れたら自慢の『凄い回転数のドリル』攻撃を繰り出す事が出来ないもの。
 仕方なく通常攻撃だけでやりくりする事になるのでしょうね」
 噴水を使えなくする事が有効であるという事だ。
「手荒だけど、噴水に入ってバルブを閉めてしまえば水が止まるわ。
 トルナード・ヘクセは両手がドリルだもの、自力でまた噴水を出す事は出来ないわ」
 円形の噴水に膝下程度の水位の水が溜まっており、中心に高く吹き上がる噴水の辺りに、大きめのバルブがある。
「先に来るインファントリー・ゾルダート達を全滅させて、
後から来るトルナード・ヘクセ一騎になってからが、噴水停止の仕掛け時ね」
「ところでカロリーネ博士、敵は敵はいつ、どこに、どれくらいの数でやってくるのか、聞いてもいいかい?」
 きざしは藤色の瞳を、真剣な眼差しで博士に向けた。
「そうね、襲撃の日時は3日後の正午。
 正午を知らせる教会の鐘が鳴ったタイミングで、インファントリー・ゾルダート達円形広場に雪崩れこむわ。
 人数までは分からないの、私は開発専門で。ごめんなさいね。
 けれど、奴らは市民を見つけたら執拗に追い掛けて躊躇なく殺す残忍な奴らよ。
 貴方達には難なく倒せる兵力だけれど、無抵抗の市民にとっては恐ろしい相手。
 インファントリー・ゾルダート達をひとり残らず蹴散らす事が急務ね」
 そして、その後に遅れて現れるというトルナード・ヘクセについてもマティアスが質問を投げかける。
「博士、トルナード・ヘクセの特殊改造についての対処法は分かったけれど、
 直接ドリルを破壊しなければならない状況になった場合に備えて、ドリルの脆い箇所も知りたいな」
「そうね~、それは知りたい所よね。
 ごめんなさいね、あいにく、改造に関する事以外は専門外なのよ。
 ベースになっているドリルの基本構造は、軍内で作られた物だもの。
 けれど『凄い回転数のドリル』攻撃が使えない彼女なら、貴方達が攻撃を重ねたら倒せる相手よ。
 それに、自慢の高速ドリルを封じられたら、興が削がれて戦意も下がると思うわよ」
(「ドリルに関してはこれ以上聞き出せそうにないネ」)
「へェ、随分と気分ムラがありそうな敵将だネ?」
 ラウムはメガネの奥で目を細め、ニタリと笑って。
「そうなのよ~ドリル自慢をしている時は、攻撃もキレキレで絶好調なんだけれど、
 そのドリルが思うように使えないと露骨にやる気がなくなるのよねぇ。
 ドリルの事をおだてたり貶めたりすれば露骨に喜怒哀楽が変わるから、ある意味扱いやすい人だわ~」
 こうして、博士から聞き出す事の出来る情報は出揃った頃。
「ところでカロリーネ、これからどうするノ? 降りるならドローンに乗ってク?」
「ありがとう、でも気持ちだけ頂くわ。
 私はここで籠城を続けるつもり。街に戻るよりも安全だもの」
 襲撃事件当日のゾルダート達を見事撃破出来たならば、追われる心配がなくなった博士は堂々と街に帰る事が出来るだろう。
「わかったヨ。これ置いてくかラ、何かに役立ててネ」
 餞別に手持ちの薬品から役立ちそうな物を選んで手渡し、ここを離れる時間が来たようだ。
「……行くのね。私に色々と世話を焼いてくれてありがとう。
 私の発明が悪用されたっていうのに、自分で壊しに行く事が歯がゆいわね」
 神妙な顔の博士に、きざしは微笑んでみせて、
「大丈夫だよ、カロリーネ博士の努力の結晶だもん。
 絶対に悪用させたりはしない。
 がんばって、がんばって、新しいモノを生み出したときの達成感ーー私も大好きだから」
 博士は熱くこみ上げる涙を白衣の袖で拭った。
「ありがとう。私の発明が一般人を殺してしまう事を想像して、大変な物を作ってしまったと落ち込んでいたのよ。
 でも、そうね。理想の回転数のドリルを完成させた時の嬉しかった気持ちは、大切にするわね。
 襲撃事件当日の事は貴方達に託すわ。どうか気をつけて、行って来て頂戴ね」
 迎えに来たパラドクストレインへ戻ってゆくディアボロス達を、信頼の眼差しで送り出すカロリーネ・シュミット女史であった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【士気高揚】がLV2になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!

加奈氏・コウキ
スピードで撹乱し、防御の固い敵の一瞬の隙を見つけて、投擲ナイフに具現化させた復讐の刃にて攻撃。
なるべく急所を狙い、どんな状況でも冷静に、氷の心を持つかのように行動していきます。

刻逆に繋がるクロノヴェーダを憎み、復讐の心を胸の内に秘めて。
クロノヴェーダは絶対に殺す、殲滅させる。
強い意思を持って戦いに望みます。
勿論容赦無し。

戦場にはどこからか現れ、無言、無表情で敵を倒していきます。

クロノヴェーダ、貴様らは、皆殺しだ。
覚悟はいいか。


マティアス・シュトローマー
まずはトループス級との戦いか。
トルナード・ヘクセ戦の良いウォーミングアップになるといいな。

【忍び足】で敵に悟られないよう、広場の死角に潜む。【観察】で敵の位置と数を把握し、【地形の利用】で障害物を足場に高くジャンプ。
隙あり、だな!
隙を見て一気にバレットレインで攻撃。

生憎今の俺は普段以上に身軽なんだ。
反撃の徹甲弾発射は【フライトドローン】を使って空中でかわすか、【地形の利用】で広場の障害物を盾にして避ける。
へえ、このドローン便利だな。助かったよ。

可能であれば味方との連携も。


ラウム・マルファス
トルナード・ヘクセは噴水付近から動かナイのカ。じゃあインファントリー・ゾルダートと戦いながら、今のうちに、噴水付近から一般人を逃しておきたいナ
手持ちのドローンを爆撃型に換装して、派手に爆発させよウ
「逃げろー、他にも爆弾がしかけられてるぞー」
大根芝居だけど、まァご勘弁だネ。インファントリー・ゾルダートの姿も見えればみんな逃げてくれるデショ
流れ弾をフライトドローンで防ぎつつ、一般人を狙う敵を優先してデモニックボムで攻撃しよウ
ボク自身に飛んでくる弾は、ナノマシンで金属壁を作って防ぐヨ
余裕があれば、噴水付近の構造を観察して情報収集しておこウ。なるべく手早くバルブを閉められるように、準備しておかないとネ


パラディース・フェアブレッヒェン
博士の確保は無事に済んだようだし、ひとまずは敵兵をくしゃぽいする場面かな?

今回は……うん、あれがいい。
三角屋根の素敵な家に手足をつけて、私のかわいーぃ戦闘機械(マシーネ)を組み上げよう。
博士のドリルには敵わないかもしれないが、私の即席びっくり新兵器、名付けて「ハオス君」の完成だ♪
時間が過ぎたり壊れたりしたら元の家に戻るから、安心したまえ住民諸君。
かっこいい自撮りを一枚撮りつつ。

さあ行こうハオス君! 私とともに、ゾルダート諸君をひたすらひっかきまわしちゃうよぉーん♪

主に隔壁置いたり資材置いたり、妨害メイン、いや殴り合いもできるけど、やっぱり即席だとどうしても、雑なところ、出てきちゃうからねぇ……


●襲撃事件当日
 人々の往来で賑わう街。
 今日も今日とて、円形広場の中心で噴水が水音を響かせていた。
 そんな日常風景は、正午の鐘の音と共に様変わりしてしまう事を、ディアボロス達は知っていた。
 敵襲の時が刻々と迫る中、
 眼鏡の奥で青い瞳を細めて、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は企み顔で笑うと、
 爆弾を装填したドローン達を広場に放った。
 それらは次々に派手に爆発して、噴水広場で憩う人々の目を奪い、とたんに街中大騒ぎだ。
「キャー!」
「何が爆発したんだ!?」
 ラウムが声を張って、
「逃げろー、他にも爆弾がしかけられてるぞー」
 突然の非常事態とあって、ラウムの大根芝居に首をかしげる者はなく、
 市民達は慌てて広場から逃げ出した。

 リーンゴーン……リーンゴーン……。
 教会が正午の鐘を鳴り響かせたその時、
 石畳の街路を踏み鳴らしながら、インファントリー・ゾルダート達が市中に押し寄せた。
 さらに増幅する市民の悲鳴、街中がかつてない騒ぎに包まれている事態とは対照的に、
 忍び足で広場の死角に身を潜めたマティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)は、息を殺して敵の動向を探るのだった。
(「あれがインファントリー・ゾルダート。トルナード・ヘクセ戦の良いウォーミングアップになるといいな)」
 ゾルダート達は足早に駆けながら銃口を市民に向け、
 次々と放たれた連続砲撃は皮肉にも、音楽を奏でるかのようにリズミカルに市民達の足元を掠めた。
 銃口はラウムにも向けられ、銃弾の雨が降り注ぐかのよう。
 だが、ナノマシン達が統率のとれた動きで素早く壁をつくり、しばしの銃撃を凌ぐのだった。
 その攻防の中、フライトドローンに護られながら、市民達はケガ人を出すことなく逃げおおせた。

 インファントリー・ゾルダート達は標的を失い、ディアボロス達に襲い掛かろうとした、その時。
「それじゃ行ってみようか♪ 今日も今日とて脅威のメカニズム!」
 パラディース・フェアブレッヒェン(其れを背負い其れを求める・g01012)の喜々とした声。
 背後には三角屋根の家に手足がついて、立ち上がっていた。
 博士のドリルには敵わないかもしれないが、
「即席びっくり新兵器、名付けて『ハオス君』の完成だ♪
 うんうん上出来、私のかわいーぃ戦闘機械」
 柔和に笑んで、記念に自撮り写真を一枚。
 なかなかかっこよく決まったな。という所で、
「さあ行こうハオス君! 私とともに、ゾルダート諸君をひたすらひっかきまわしちゃうよぉーん♪」
 ずしん……ずしん……と歩く度に建材がパラパラ落ちる。
 困惑し逃げ惑うゾルダート兵、中には家に踏みつぶされた者もあった。
 統率を失った敵兵達を襲うは、漆黒の瞳に復讐の色を灯した加奈氏・コウキ(妖一刀流皆伝・g04391)。
 ゾルダート兵は装甲版を盾に己を守ろうと構えるが、コウキには手に取るように『隙』が見えていた。
 氷のような心で、ただ急所を狙うだけ。
 投擲されたナイフは寸分の狂いなく、ソルダート兵の急所に突き刺さった。
 敵将、トルナード・ヘクセ不在の今、インファントリー・ゾルダート達の脳内に浮かぶ文言は一斉攻撃、のみ。
 残兵が並び、右腕の砲から一斉に徹甲弾を放てば、石畳を抉り取り、家々の窓を割り、ハオス君は体を張って、
 居合わせたディアボロス達は、銃声が止むまで耐え忍んだ。
(「……今、かな」)
 観察の結果、市中に攻め入ったゾルダート兵の残兵は、広場に残る数名のみ。
「隙あり、だな!」
 マティアスは広場の死角から、障害物を足場に高くジャンプして敵前に躍り出し、
 同時にハンドガン『P08』のトリガーを引いた。
 不意打ち。無抵抗でバレットレインを受けた兵達が倒れていく。
 それでも存命のゾルダート兵は残る一体。捨て身の心境で徹甲弾を放った。
 何か盾になる物はーーと周囲を探せば、パラディースとハオス君がせっせと置いた資材がすぐそばに有った。
「丁度いい所に、使わせてもらうよ」
 何発か徹甲弾を凌いだが、盾としての限界に近付いていた頃合いに。
「クロノヴェーダ、貴様らは、皆殺しだ。
 覚悟はいいか」
 冷たく言い放つ声の主、ゾルダート兵の首元に突き刺さった投擲ナイフはコウキの所持品だった。
 電気回路が破壊され、崩れ落ちて只の金属の塊に成り果ててゆくのを、
 表情一つ変えずに見つめたコウキは、無言でその場を立ち去ったのだった。

 こうしてインファントリー・ゾルダートを全て倒し尽くした訳だが、
 ラウムには気になる事があった。
「これが博士の言っていたバルブだネ」
 噴水の吹き出し口の真横に、赤く塗られたハンドル状の大き目のバルブがついていた。
 これを閉めてしまえば、特殊改造したドリルの冷却手段を奪ってしまえるのだ。
 それを確認し終えたその時ーー。
 円形広場の噴水上空に、トルナードヘクセが姿を現した。
 部下のインファントリー・ゾルダート兵を全て失った事など露知らず、
 自慢のドリルを装着して上機嫌なのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV3になった!
【迷宮化】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

クラウス・ロイスナー
飛行可能なくせにドリル装備だと?
鈍器や刀剣ならまだ分かる、速度が破壊力に直結するからな…だが飛行型なら射撃兵装が基本だろう、折角の高度や速度を捨ててどうする気やら

大体だ、ドリルとは強大な障害物を穿ち、砕き、貫き壊す為の物であり、人体如き軟目標に使うべき物ではない
この道理を知らん奴には厳しい教育的指導というものが必要だろう

とはいえ上を取られたままじゃやりにくい
浮遊装備で高度を確保し、MGの制圧とミサイルを併用して高度を落とさせて味方が攻撃しやすくしたら、接近して対戦車砲と怪力を活かしたクローの一撃をかましてやろう

まぁ…ドリルで反撃が来るだろうが、貴様の軟弱なドリルでは俺の腕は砕けんよ


マティアス・シュトローマー
噴水はラウムが止めてくれた。後はトルナード・ヘクセに勝つだけ!

一回目のドリル攻撃さえかわせば、後はこちらのもの。【フライトドローン】に乗って攻撃を回避。
さらに、敵の士気を削ぐために事実を突き付けようと思う。
ゾルダート兵はもう倒したし、ご自慢のドリルの冷却水も空っぽ。……さあ、どう出る?

トルナード・ヘクセの動きが悪くなったら、隙をついて【エアライド】で高くジャンプ。勢いそのままアイゼンハントで攻撃。ドリルが壊れていれば足元、ドリルがまだ動いていればドリルを狙う。
反撃のヘクセンドリルもギリギリまで引き付けてからエアライドでかわし、仲間が攻撃しやすいよう隙を作る。
さあ、俺ともう少し遊ぼうよ。


ラウム・マルファス
早業でドローンを換装し、バルブを閉める機能を追加。気づかれないようバルブに被せておくヨ。ドリルでパイプに穴を開けられると面倒だから、閉めるのはドリル2回を使い切った後が理想だネ。
早めにドリルを使い切らせたいネ。嗜虐的な人のようだし、戦いが苦手なボクはいい囮になるカナ?
「うわーなんてすっごいドリルなんだーもうダメだーおしまいだー」
棒読みで叫びつつ、フライトドローンに乗って逃げ回ろウ……いや待ってホント怖い超高速回転するドリルに狙われるとか怖すぎル
「ちょ、待っテ。待ってホント」
情けない声上げつつナノマシンで束縛し、燃焼性の薬品を投げておこウ。あのドリルの温度なら発火するヨ。
……あー、怖かっタ。


●ドリルのお披露目
「……いったいどういう事だ?」
 トルナード・ヘクセが上空から街の様子を見る限り市民の姿は無く、ゾルダート達が皆累々と倒れていた。
「これではせっかく新調したドリルの威力を試す事が出来ないではないか!」
 上機嫌だったはずの彼女は語気を荒げ、両腕のドリルを超高速回転!
 滑空しながらギュルルルと不気味な駆動音を響かせ、
 周囲の壁やら石畳やらを派手に抉りとりながら円形広場中央に降り立った。
 たっぷりと水を湛えた噴水に両手を突っ込むと、一瞬にして噴水の水は熱湯に変わったが、
 水栓を閉めてしまわない限り、滾々と湧く噴水はすぐに冷水に戻るのだ。
「10倍回転ドリルはやはり良いものだな。
 しかし対人に用いなければ、真価を発揮する事は出来ない。
 貴様らで実験させて貰おうか」
 と言って、自身のドリルをうっとりと眺めたのち再び飛翔した。
「飛行可能なくせにドリル装備だと?」
 クラウス・ロイスナー(機械化装甲兵・g04077)は、上空飛翔中のトルナードに照準を合わせながら説く。
「鈍器や刀剣ならまだ分かる、速度が破壊力に直結するからな……だが飛行型なら射撃兵装が基本だろう、折角の高度や速度を捨ててどうする気やら。
 大体だ、ドリルとは強大な障害物を穿ち、砕き、貫き壊す為の物であり、人体如き軟目標に使うべき物ではない。
 この道理を知らん奴には厳しい教育的指導というものが必要だろう」
「キャハハハ! 私のドリルに道理など説くな。ここにドリルロマンの全てがあるというのに」
 改造ドリルに陶酔したトルナードは生憎聞く耳を持たず。
 ならばとクラウスも『試作型浮遊機構:シュメッターリング』を用いて浮遊し、上空のトルナードに肉薄。
 眩い『MG131/BG』のビーム、続いてミサイルの連撃を撃ち込んだ。
 その渦中、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は噴水傍で作業を始めていた。
 早業でドローンにバルブを閉める機能を追加し、バルブに被せ終えた所で、
 同刻、トルナードがドリルの超高速回転で弾幕攻撃を散らし、方向転換して噴水に向かってきた。
 そこでフライトドローンに乗ったラウムに鉢合わせ、
「うわーなんてすっごいドリルなんだーもうダメだーおしまいだー」
 棒読みで叫び、逃げ出すラウムの背中を夢中で追い掛けるトルナードだった。
「ちょろまかと小賢しい、私の! ドリルの! 餌食になれ!」
 ブンッブンッとドリルを振るい追い掛けて来るのだ、トルナードの声色は楽しげで一層恐ろしく、
 囮役のつもりだったが、
(「……いや待ってホント怖い超高速回転するドリルに狙われるとか怖すぎル」)
 マティアス・シュトローマー(ザ・フール・g00097)もフライトドローンに乗って加勢し、二兎追うトルナードのドリルは、
 何度も火花を散らし超高温になっていた。
 必死に逃げながら情けない声を上げつつ、
「ちょ、待っテ。待ってホント」
 大量のナノマシンが生き物の様に群れを成してトルナードを拘束した。
 そこへ手早く可燃性の薬品を投げつけると、
超高温になっていたドリルは発火して、トルナードの両腕は燃え上がった。
「……あー、怖かっタ」
 その間にドローンが水栓を閉めていた結果、噴水は止まり、溜まっていた水も排水溝へ流れて枯れていた。
「な、な、なんて事を!!」
「ゾルダート兵はもう倒したし、ご自慢のドリルの冷却水も空っぽ。……さあ、どう出る?」
 枯れた噴水を目にして唖然とするトルナードへ、マティアスは冷静に言い捨てた。
「特殊改造した高速回転ドリルの実験は終了だ。
 ……だが負けを認めた訳ではない! 改造ドリルが無いからといって私を侮るなよ!」
 ナノマシンの拘束を振り切りトルナードは再び飛翔するが、両腕のドリルは煤けて飛ぶ姿は頼りない。
 虚勢を張っていても、明らかに精彩を欠いた動き、
 クラウスが再び放った絶え間ない弾幕攻撃に押されて堪らず高度を下げた所へ。
「さあ、俺ともう少し遊ぼうよ」
 エアライドで高くジャンプし、マティアスは悪戯っぽく笑んで拳を握った。
「Leck mich am Arsch!  ……なんてね」
 拳に鋼鉄の籠手を纏い、勢いそのまま、煤けたドリルを殴りつければ、
 トルナードは短い悲鳴を上げてドリル諸共建物の壁に叩きつけられた。
 反撃に回転を始めるドリルだが、動きは鈍くぎこちないものだった。
「おのれ……!」
 喉元を狙って突き出されたドリルを臆せず引き付け、しかしギリギリエアライドでかわしてみせると、
 入れ替わりに至近距離に詰めるクラウス。
「大人しく喰らっとけっ!」
 左腕のクローがトルナードを掴み火薬の爆圧で爆風が起きる中、
 怪力で掴まれて逃げ出す事が出来ないトルナードに隙も与えず、
 『内蔵型25mm対戦車砲』から繰り出した徹甲榴弾でハチの巣だ。
 爆煙が収まると、トルナードは怒りと憎しみを滲ませた赤いレーザーをクラウスに見舞ったが、
 重装甲化された左腕の義手で受け止める。
 トルナードの想像では一瞬で分断される筈だったクラウスの腕は、実際はレーザーの焦げ跡を残す程度に収まったのだった。
「許さぬぞ、貴様らぁ!」
 怒りの咆哮を上げるトルナード・ヘクセ。
 実験を邪魔された怒りで冷静さを欠き、この場のディアボロス達を倒し尽くすまで、攻撃を止める気は無いようだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!

エル・プリメロ
ふんっ!きったないロボ!
おまけに性格まできったないとか!
最低最悪、あんたのドリル、ワーストワンね!!
ドリルっていうのはねえ、もっと誇らしくて男らしい浪漫を詰め込むべきなのよ!!!

行くわよ!!バヨネットパレードで一気に突撃ー!!
あいつの自慢のドリルをぶった斬ってやるわよ!!
もしぶった切れたら!!ドリルをあいつのどてっ腹にねじこんでやるわ!!
あたしがナンバーワン!!ドリルの扱いだってナンバーワンなのよーー!!
ご自慢のドリル、あんたの身体でしっかり味わいなさいな!!サー!!


パラディース・フェアブレッヒェン
ハオスくんにはちょっと待っててもらってと
何なら足場やっててくれると助かるよ

正直、配下が居ない時点であの子、崖っぷちだよねぇ……
ドリルは浪漫と威力に満ち溢れているかもしれないが
一点突破の破壊力が活きるのは、周囲の援護あってこそだよ

ということで、皆が空中戦やっててくれるなら、私は援護に回ろうか
四肢の部品組み換え、動力炉を接続して熱線砲よぉーい!

対空砲台よろしく撃ちホーダイ! ヨロレイヒ~♪ なんてね!

皆戦いやすいように追い込めれば儲けもの、
当たって熱でオーバーヒート誘発・加速できたらもーっと儲けものだ

あまり火遊びが過ぎると火傷するよフロイライン?
ま、火遊びしてるの私だがね! ハッハッハーッ!


加奈氏・コウキ
「もはや、語るまい。貴様を滅すのみ。」
ヘクセンドリルの急降下攻撃を、上空をよく見て動き、見極め、回避行動をとり、その隙に一撃を加える。
その繰り返しで動きます。
攻撃は、妖一刀流皆伝乃刀を用いた神蝕呪刃を放ちます。

故郷と家族を刻逆によって存在ごと消された彼の恨みは、今回の敵、クロノヴェーダへの強い憎しみとなって表れています。
また、同時にこれ以上被害に遭う人を出したくないという強い想いもあり、それらが合わさって、彼の心からの原動力となっています。


●敵将に集中砲火!
「もはや、語るまい。貴様を滅すのみ」
 加奈氏・コウキ(妖一刀流皆伝・g04391)は内なる復讐心を胸に刀を構えた。
 トルナード・ヘクセは自慢の高速回転ドリル攻撃を封じられた怒りで、ディアボロス達を睨み付けながら広場上空を飛んでいたのだが、
 所々欠けたドリルを通常回転させながら高度を下げたその時を見計らって。
 コウキは刀を振るい、呪詛を刻み付けた。
 トルナードの装甲は切り裂かれた部分から腐食してゆく。
「……っ、まだまだ!」
 石畳に体を打ち付けそうになりながらも体勢を立て直し、
 ドリルを回転させてコウキへ直滑降。
 しかし、狙ったはずの心臓を貫く事は叶わず、それと交差するようにコウキが抜き放った『妖一刀流皆伝乃刀』の一閃。
 刀に纏わりつく悍ましい呪いは、コウキの恨み憎しみそのものだ。
「そのドリルで二度と人を殺めるな」
 躊躇なく斬り抜いた刃先が、胸の装甲に深く切疵を刻み付けたのだった。
 今度は直ぐに立ち上がる事が出来ず、膝をつくトルナード。
 ただの疵ではない、そこから侵食してくる呪詛に体中蝕まれてゆくのだ。
 苦悶しながらも再び高度を上げたトルナードとコウキの交戦を仰ぎ見つつ、
 パラディース・フェアブレッヒェン(其れを背負い其れを求める・g01012)は、呟きを漏らした。
「正直、配下が居ない時点であの子、崖っぷちだよねぇ……」
 ドリルは浪漫と威力に満ち溢れているかもしれないが、一点突破の破壊力が活きるのは、周囲の援護あってこそ。
 こちらディアボロスは協力し合う事で勝機が見えて来た所だ。
 手際よくハオス君の四肢の部品を組み換え、動力炉を接続して熱線砲よぉーい!
「対空砲台よろしく撃ちホーダイ! ヨロレイヒ~♪ なんてね!」
 景気よく撃ち放たれた高熱の火炎が、上空飛翔中のトルナードへ飛んでゆく。
「アチチ! 大事なドリルが壊れたらどうしてくれる!」
 機械の体が、酷使されたドリルが、火炎の熱にやられて悲鳴を上げているかのようだ。
「あまり火遊びが過ぎると火傷するよフロイライン?
 ま、火遊びしてるの私だがね! ハッハッハーッ!」
 陽気に呼びかけるパラディースと、泣き言を漏らしながら滑空するトルナード・ヘクセの、
 メタリックプロミネンスとヘクセンリヒトの応戦が暫し続いた。
 逃げ惑う内に広場の隅に追いやられ、背後には壁。
 逃げ場は無く、それでも目から赤いビーム光線を放って、ディアボロス達に応戦するのだった。
 「私はまだ負けていない! 断じて負けていないのだ!」
 やけくそに放ったビームが、石畳に直線の疵をつけた辺り、驚異の攻撃力を持っては居るのだが。
 エル・プリメロ(極点のゼニス・g04692)は臆せず、反撃に出た。
「ふんっ!きったないロボ!
 おまけに性格まできったないとか!
 最低最悪、あんたのドリル、ワーストワンね!!」
 聞き捨てならぬと、トルナード・ヘクセ。
「貴様のような小娘にドリルのロマンが分かるものかぁ!」
 しかしエルは怯まず言い返す、
「ドリルっていうのはねえ、もっと誇らしくて男らしい浪漫を詰め込むべきなのよ!!!」
 堂々と言い切って武器を構え、
「行くわよ!! バヨネットパレードで一気に突撃ー!!
 あいつの自慢のドリルをぶった斬ってやるわよ!!」
 威勢よく号令を掛けて、弾幕を張りながらトルナードへ堂々進軍!
 ドリルに狙いを定めて、何度も何度もサーベルを穿ったが。
「私の……大切なドリルに……何をする!」
 弱々しく悲鳴をあげて飛び退いたトルナード。
 エルの白兵戦に体力を削られ虫の息だというのに、
 最後の気力を振り絞ったのだろうか。
「そのきったないご自慢のドリルを、あんたのどてっ腹にねじ込んでやるのよ!
 ドリルの扱いだって、あたしがナンバーワンなのよ! サー!」
 さらにバヨネットパレードを畳みかけると、
 弱り果て自重すら支えられなくなったトルナード・ヘクセは倒れ、ついに事切れた。
「ふんっ、根性が足りないんじゃないの?
 とにかくあたしがナンバーワンね!」
 こうしてトルナード・ヘクセもゾルダート兵同様に、
 ディアボロス達の連携攻撃によって討ち果たされたのだった。

 こうして街に平和が訪れた。
 3日前にドリルの特殊改造について教えてくれた博士、カロリーネ・シュミット女史も、
 古城の塔から降りて来て、安心して街を歩く事が出来るだろう。
 そして多くの者にとって初依頼であった今回の任務の戦果を、
 新宿島で帰りを待つグレーテル・ベッカーが、労ってくれる事だろう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水面歩行】LV1が発生!
【熱波の支配者】がLV2になった!
【腐食】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2021年09月12日