リプレイ
陳・桂菓
まずは、人々が避難しているという小学校へ向かおう。蚩尤旗矛をはためかせて、威容に見えるようにしつつ。
不安になるのも無理もない。クロノヴェーダの強さは別次元だ。
それに武装しているとはいえ、私は見目は大柄でもない人間一匹に過ぎん。
しかし。
「心配いらん。連中は確かに強いが、私たちはもっと強い」
一言一言に力を込めつつ、言い聞かせる。
「ま、言葉だけでは実感できんか。では、そうだな……」
場所は沿岸だということだから、海を見ておくように言い含めて学校の外へ出て行く。
そして海に対して【阻竜矛林獄】を行使。闘気の槍は、本数を絞って威力を高める。そうすれば、海には大袈裟な水柱が立つことだろう。
それから学校に戻り、恐らく唖然としているであろう子供たちに向かってぐんと胸を張って自慢してみせる。
「どうだ、これくらいのことは朝飯前でできるのだよ、我々ディアボロスは。敵が海から押し寄せようが天から降ってこようが、君たちには指一本たりと触らせはしないさ。だから、何も心配する必要なんぞない。ドンと任せておきなさい」
リューロボロス・リンドラゴ
安心せよ、幼子達よ。ディアボロスがおる。竜がおる。
雄々しき翼を羽撃かせ、長き尾をくねらせ、飛翔し小学校へと駆けつけようぞ。
飛べるということは幼子達にとって分かりやすい特別であり、いつでも駆けつけてくれるヒーローの証よ。
それにドラゴン、幼子達に大人気だしの!
……なぬ、クロノヴェーダの?
勘違いされたら内心しょげる。
おのれ、幼子達から夢を奪いおって!
我も幼子だが、だからこそ身近に感じてもらえよう。
少年少女が主人公の漫画とかあるあるだしの!
全員すぐにいなくなってしまったら心細かろうし、桂菓のパフォーマンス時には小学校に残留よ。
水柱に驚くであろうしの。
大丈夫だ、幼子達よ。クロノヴェーダの仕業ではない。
さっきの超強いお姉ちゃんによるものよ!
我にもできるぞ!
証拠とばかりに空に氷獄波を放とうかの?
真夏の雪、インパクトあるであろうよ!
の?
我らすごいであろ?
だがの。ぬしらもすごいのだ。
ぬしらの応援が我らの力となっておるのだ!
幼子達よ!
共に戦おうぞ!
恐れを生む無力感こそ、打破してやらねばの!
声援を背に出撃よ!
月鏡・サヨコ
子供達の鼓舞……これは私より適切な人材がいるんじゃないだろうか
しかし、今は各地で戦端が開いている状況……全ての作戦で人数を充足するには仕方ない
この任務も果たしてみせる
……私は、目的のための器だから
演説の番が来たら、子供達の前に躍り出る
《巡洋戦艦海戦装『黒姫』》と《対艦軍刀『銀鈎』》を作戦行動時と同様に身につけた、完全武装の姿で
……いわば観艦式か。それなら、子供達も盛り上がるか?
ヤ・ウマトの常識としては盛り上がるけど、最終人類史ではどうだろう
今まで私たちは、敵に奪われた土地に乗り込んで、強大なジェネラル級や断片の王すら撃滅してきた
……ん、よくわからない?
要するにだな……すごく強くて悪いやつを、たくさん倒してきた
それも明らかに不利な、向こう側の世界においてだ
一方で、今回の戦いは有利なこちら側の世界で行われる
私たちの強さは何倍にも増して、敵を押し留める力も思いのままに使えるんだ
そして何より……皆から【託されし想い】が、支えてくれる
故に私たちが敗北することはない
……枕を高くして、決着を待っていて
杏・紅花
知らないものは、不安だよね
こわくなっちゃうよね
でもダイジョーブっ!
おちびちゃんたちに、あたしたちがすごいんだ〜ってこと、知ってもらっちゃお!
【誘蛾の灯】で、ひらひら幻の蚕蛾
きらきらして、きれーでしょ
みんな、蚕蛾って知ってる?飛べない虫なの、でもね、からだから真っ白でキレーな糸を紡いで、とってもすてきな繭をつくるの!
みんなの服にも、使われてるかもね
みんな、自分にはディアボロスみたいな力はないと、思ってない?
そんなこと、ないんだよ
みんなが応援してくれると、それがあたしたちの力になるの
みんなの気持ちは、あたしたちの原動力
みんなが、あたしたちを守ってくれるんだ
ね、一緒に戦って!がんばれ、って声が、あたしたちのことを守ってくれるから
お蚕さんの糸みたいに、すてきな繭になってくれるから
ひかる蚕蛾を、ひとりひとりの肩や頭や胸に寄せる
ぱっと消えて、きらきらした鱗粉が散っても、今度はみんなの目がきらきらしてくれればいいな
びょうびょうと不穏な潮風が吹きすさぶ東京湾の沿岸エリア。
その一角、避難場所に指定された小学校の前に、4人の復讐者たちは辿り着いた。
「よし、準備は済んだ。行こうか」
関係各所への連絡を済ませ、陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は仲間たちと共に学校へと足を踏み入れる。
冥海機ヤ・ウマトの敵が侵攻して来るということで、学校には多くの児童が避難している。クロノヴェーダの襲撃に怯える彼らを鼓舞し、不安を払拭すること――それが復讐者たちの目的であった。
「しかし随分と静かだな。この空気は、何とも……」
「うむ、我も感じる。大勢の不安が混じった気配をな」
子供たちが待つ校舎へ向かいながら呟く桂菓に、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)が頷き返す。
リューロボロスの言葉通り、復讐者たちが感じるのは学校全体を覆うような重苦しい空気だ。
《七曜の戦》における勝利も束の間、冥海機が街に攻めて来る事態は、子供が不安を覚えるに十分な状況なのだろう。
「だが、我等が来たからには安心だ。早く幼子たちを安心させてやらねば」
「うんうん。知らないものは不安だよね、こわくなっちゃうよね」
でもダイジョーブっ! と、杏・紅花(金蚕蠱・g00365)は自信に満ちた笑顔を浮かべた。
そもそもの大前提として今回の戦場は最終人類史であり、復讐者側が圧倒的に有利である。
水面走行や飛翔の行使は元より、ダメージアップやガードアップといった効果の恩恵も最大のレベルで受けられる。戦場は陸地から遠い海上で、戦いの被害が陸に及ぶこともない。加えて、冥海機側にジェネラル級がいる訳でもない以上、この戦いは勝つか負けるではなく、如何に勝つかという次元に存在する作戦なのだ。
故に、復讐者を知る者ならば一切の不安なく確信するだろう。この戦いは人類側の勝利で終わる、と。
「つまり、おちびちゃんたちが不安なのは、あたしたちのことを知らないから。
だったら知ってもらっちゃお。おちびちゃんたちに、あたしたちがすごいんだ~ってこと!」
煌めく光を瞳に宿し、グッと拳を握る紅花。
その後ろを無言で歩きながら、月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)は微かな苦悩に眉を寄せていた。
(「子供たちの鼓舞……果たして私は人材として適切だろうか」)
物心がついた時から兵士としての教えを受けて育ち、零式英霊機となった少女。それがサヨコという復讐者である。
役割に不要な感情は抑圧し、兵器の如く生きるべし――そんな彼女であるから、不安な民間人を鼓舞する役目に不安がないと言えば嘘になる。まして相手は同年代の少年少女なのだ。
(「とはいえ、今は各地で戦端が開いている状況……全ての作戦で人数を充足するには仕方ない」)
引き受けた以上、手は抜かない。それは彼女の中で常に一貫している。
いつも通り武装の手入れは万全、演説の言葉もしっかり頭に叩き込んだ。あとは己のベストを尽くすのみだった。
――この任務、果たしてみせる。
――私は、目的のための器だから。
仲間たちが各々準備に動き始める中、サヨコは静かに決意を固めた。
戦いは既に始まっている。東京の地を守る為にも、失敗はけして許されないのだ――。
それから程なくして、復讐者たちの訪問に学校は騒然となった。
ネットやテレビでしか見たことの無い憧れの存在。そんな英雄たちが今、自分たちを守りに来てくれている――その事実は子供たちを大いに驚かせたらしい。復讐者の姿を一目見ようと、今や校舎中の窓はつめかけた子供でいっぱいだ。
「……ディアボロス? ディアボロスが来てくれたの!?」「すげえ、本物だ……!」
そんな彼らの目を最初に奪ったのは、校庭で悠然とはためく真紅の旗『蚩尤旗矛』であった。
窓から身を乗り出さないよう促して、旗を掲げた桂菓が口を開く。威厳を帯びた声で、一人一人へ語り掛けるように。
「聞け、子供たち。これから東京湾にクロノヴェーダが現れる」
シンと静まり返った中、桂菓が声を響かせた。
風にはためく真紅の旗を掲げながら語る姿は、まるで一枚の絵画に描かれた英雄のようだ。全員の視線が桂菓に集中する。大きく息を吸い込んで、桂菓は更に続けた。
「クロノヴェーダの強さは別次元。対する私は武装しているとはいえ、所詮は単なる人間に過ぎん」
言葉だけなら聞く者を悲観させる要素が、桂菓の口から次々紡がれていく。
だがこれは、あくまで溜めの台詞に過ぎない。真に伝える一言は、その次にこそ存在する。
「しかし心配するな。……連中は強いが、私たちはもっと強い!」
復讐者である桂菓の言葉は力強い響きを帯びて、聞く者の心を揺さぶった。
大きく見開かれる子供たちの眼。そこに宿る不安が揺らぎ、入れ替わるように灯った小さな希望の光を、復讐者たちは安堵と共に見守るのだった。
「安心せよ、幼子達よ。ディアボロスがおる。竜がおる!」
蚩尤旗矛のはためく青空の彼方、堂々たる声が木霊する。
一斉に空へと向いた子供たちの視線の先、そこに登場したのは飛翔の力で悠然と現れたリューロボロスだ。
雄々しき翼を羽撃かせ、長き尾をくねらせて飛ぶ姿は、まさに竜そのもの。だが何よりも子供たちの眼をひいたのは、その圧倒的な強者の佇まいだ。幼女の体にはおよそ釣り合わぬ、捕食者だけが持つ風格。それを無意識に感じ取った子供たちは、息をすることも忘れてリューロボロスの勇姿に釘付けとなった。
「すげえ……」「すごい……」
悠然と空を飛ぶ強者。其れは即ち、いつでも駆けつけるヒーローの証と同義である。
憧れと畏怖をもって見つめる子供たちの視線に、リューロボロスは確かな手応えを得ながら頷いた。
(「やはり空を飛んで大正解であった! ドラゴン、幼子達に大人気だしの!」)
「空飛んでて、めっちゃ強そう……」「デカいし、速いし……とにかく凄え!」
(「うむうむ、クロノヴェーダとの違いを見抜くとはの。幼子たちは見る目がある!」)
敵と勘違いされないだろうか――そんな懸念が杞憂に終わり、幼竜はいっそう力強い咆哮を大空へ響かせる。
だが、これはあくまで序章。復讐者たちの送る鼓舞は、ここからが本番なのだ。
序盤の演説が大成功に終われば、次に始まったのは実演であった。
復讐者たちの力の一端を見て貰うことで、子供たちを更に勇気づけようというのだ。無論、人や建物に被害を及ぼすことは一切なしに、である。
紅花は早速、校庭に降りて来た子供たちに笑顔を送りながら、彼らの視線を桂菓の方へ誘導していった。
「いまから、ディアボロスの力をみせてあげるね! まずは、あのおねーさんにちゅーもく!」
「赤い旗のお姉さん
……!」「なにが始まるのかな……」
復讐者の激励で、子供たちの不安は払拭されつつあるらしい。注がれるのは期待に満ちた視線である。
桂菓は心地よい重圧を感じつつ、深呼吸をひとつ。蚩尤旗矛を勢いよく地面へ突き刺した。
「さあ、よく見ていろ。――『食い止める』!」
同時、旗矛から生じた闘気の槍を大空へ射出。追うように飛翔した桂菓が、海の方角を指し示す。
次の瞬間、阻竜矛林獄の槍が海面へ突き刺さり――巨大な水柱となって、立ち上った。初めて目にする復讐者の力。衝撃の余波に髪を弄ばれながら、言葉も忘れて見入る子供たちへ、胸を張って桂菓が告げる。
「どうだ、これくらいのことは朝飯前でできるのだよ、我々ディアボロスは」
「その通り! 幼子たちよ、次は我に注目するが良い!」
話を振る桂菓に、得たりと頷くのはリューロボロスだ。
大空へ身を躍らせて、発動するのは吹雪の羽撃。狙う先は、青く澄んだ空の彼方であった。
「天地万有凍結せよ。吹雪を呼ぶは竜である!」
竜の咆哮が木霊し、パラドクスが大空の時空を書き換える。
白銀の孤竜氷獄波によって生じた吹雪は小さな淡雪に姿を変えて、ひらひらと校庭に舞い降りた。東京においては冬でさえ稀な降雪に、子供たちの間からわあわあと歓声が上がる。試みは大成功だ。そうしてリューロボロスは地上に降りたち、仲間と共に子供たちと交流を図ることにした。
「ここからは質問タイムだ! 幼子たちよ、何でも我等に聞くが良い!」
冥海機の出現まではまだ時間がある。不安に怯えた子供たちは今や全員が目を輝かせ、4人の元へ駆け寄ってきた。
サヨコも例に漏れず、その周りには子供の人だかりが出来ている。汚れ一つない制服に物々しい海戦装という子供離れした出で立ちは、同年代の少年少女の好奇心を大層刺激したらしい。
(「これは言わば観艦式……最終人類史の子供と聞いて正直不安もあったが、上々の反応で何よりだ」)
背筋をピンと伸ばしながら、サヨコは矢継ぎ早の問いに一つ一つ答えていく。
「その刀、何て言うんですか?」
「……これは対艦軍刀『銀鉤』。習熟すれば、軍艦の外壁も切断できる」
言い淀むことなく答えるサヨコに、少年少女から次々に吐息が漏れる。
子供たちと歳が近いという点リューロボロスも同じであったが、竜人の少女に向けられる視線が畏怖と崇敬なら、サヨコに向けられる其れは『憧れ』であった。少し年上のお姉さんに抱く、憧憬と尊敬が混じったもの――そんな感情だ。
「ねえ、そっちの大砲みたいなのが付いてるのは?」
「巡洋戦艦海戦装『黒姫』。重巡級と戦艦級の中間的性能……」
そんなサヨコの言葉に、子供たちが首を傾げた。
「ねえ、『じゅうじゅん』って何だろう……」「何だろうね。戦いの道具なのかな……」
そんな言葉を耳に挟み、サヨコは無言のうちに痛感する。
この子供たちにとって、戦いとは日常と隣り合わせのものではないのだ。たとえ歳は近くとも、自分と彼女たちでは生きる世界があまりに違う。そこに明白な隔たりを覚えながら、サヨコは子供たちの言葉を肯定した。
「……そう、戦いの道具。ここに在る全ては、あなたたちを守る為のもの」
そう言って、静かな声で言葉を結ぶサヨコ。
と、そこへ――雪が舞う校庭の景色に、ふたたび変化が現れた。翅を持つ小さな虫たちが雪の中を舞い始めたのだ。
蝶々ではない。雪と見間違うほどの白い身体を持つそれは、紅花が生成した幻の蚕蛾たちであった。
「どう? きらきらして、きれーでしょ?」
校庭の中央、雪の降る中で紅花が悠然と舞を舞う。
両腕の袖を優雅に振るたび、蚕蛾たちがふわりと飛び出していく。
この世のものとは思えない幻想的な景色に、子供たちだけでなく教師までも感嘆の溜息を漏らすばかりだ。
「……!」「……――!」
舞と共に人々の眼を暫し楽しませ、紅花は静かに口を開いた。
「みんな、蚕蛾って知ってる?」
「うん!」「授業で習ったよ!」
学校の教材に使われる虫だったことも理由であろうか、子供たちが蚕蛾を恐れる様子は全くない。
そんな彼らの肩や手に、紅花は蚕蛾をそっと止まらせてやり、更に言葉を紡いでいく。
「蚕蛾は飛べない虫なの。でもね、からだから真っ白でキレーな糸を紡いで、とってもすてきな繭をつくるの! 皆の服にも使われてるかもね?」
着ている衣服へ一斉に見つめる子供たちの姿に、紅花は微笑みを浮かべた。
子供たちの送る眼差しに、もはや不安の光は欠片もない。だが――それだけでは足りないのだ。
彼らの心には、まだ壁が残っている。自分たちがディアボロスに守られるだけだという、諦めに似た思いが。紅花はそれに異を唱える。彼女だけではない、この場に集った全ての復讐者たちもだ。
「みんなの気持ちは、あたしたちの原動力。みんなが、あたしたちを守ってくれるんだ」
淡い光を残して蚕蛾が消え、鱗粉の輝きが子供たちを照らす。
その瞳に希望の光が宿ったのを見て、紅花は優しく微笑んだ。貴方たちもまた、一緒に戦う仲間なのだと。
「がんばれ、って声が、あたしたちのことを守ってくれるから。お蚕さんの糸みたいに、すてきな繭になってくれるから」
それがあるからこそ、復讐者たちは戦える。
勝利を願い応援する気持ちは必ず力となって、復讐者と、ひいては最終人類史を守ってくれる。
そう告げる紅花に、子供たちは頷きをもって返した。戦いが始まっても大丈夫、そう紅花が確信できる力強さで。
かくして時間は過ぎ、最後の演説を残すのみとなった。
話をする役を引き受けたサヨコは子供たちの前に進み出ると、淡々とした口調で演説を始める。
静かだが良く通る声で、子供たちにも通じる平易な単語を用いることも無論忘れない。
「今まで私たちは、すごく強くて悪いやつを、たくさん倒してきた。それも明らかに不利な、向こう側の世界においてだ」
誇張を交えることはしない。話すのは、どこまでもシンプルかつ客観的な事実のみだ。
ディヴィジョンや断片の王といった単語を避けて分かり易さを優先した説明は、子供たちの脳に確り刻まれていく。今までサヨコたちが見せた力と激励も相まって、それは強い説得力をもって子供たちの心に響いた。
「今回の戦いは有利なこちら側の世界で行われる。私たちの強さは何倍にも増す。敵を押し留める力も思いのままだ」
その一端を提示するように、サヨコは復讐者全員の周りに大きな映像を投射する。
託されし願いの力で発現した其処に映るのは、復讐者に願いを託した人々の姿。すなわち、子供たちと教師たち――学校にいる全ての人々であった。
「皆の願いが、私たちを支えてくれる。故に私たちが敗北することはない。だから……」
サヨコは話を締めくくるように、黒姫の砲門を東京湾の上空へ向ける。
発射するのは、零式弾・広域砲撃。それは自分たちに力を貸してくれた人々への、敬意を表す礼砲だ。
勇壮な轟きが大空に木霊する中、サヨコは子供たちを振り返り、まっすぐに彼らを見つめながら誓う。
「……だから。枕を高くして、決着を待っていて」
サヨコだけではない。
紅花も、桂菓も、リューロボロスもまた、子供たち一人一人の顔を見つめ、勝利を誓う。
「みんなの願い、たしかに受け取ったよ。がんばろーね!」
「約束しよう。敵が海から来ようが天から来ようが、君たちには指一本たりと触らせはしないとね」
「ぬしらの応援が我らの力となっておるのだ! 幼子たちよ! いざ共に戦おうぞ!」
校庭を、歓声と拍手が満たす。それは復讐者の想いが子供たちに、人々に伝わった瞬間でもあった。
守られるだけの者はもういない。託された想いを余さず背負い、復讐者たちは学校を後にする。
この戦いに勝利して、1日でも早く信濃の侵攻に決着をつけられるように――そう願いながら。
潮風が、戦の前兆めいてぴたりと止まる。
ディヴィジョンを繋ぐ霧は、直に東京湾に現れるだろう。
ヤ・ウマトの冥海機を迎撃するべく、復讐者たちは疾駆の速度を上げるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
天夜・理星
(トレインチケット)
無人となった東京湾の空を、ひとりの復讐者が飛翔していく。
名を天夜・理星(復讐の王・g02264)。彼女は今、冥海機出現の前兆を掴もうと、湾内の先行偵察を行っている最中だ。
「王は大空でも人知れず輝く……ってね」
空から見下ろす東京湾は静かなもので、ディヴィジョン境界の霧が現れる気配はいまだ見て取れない。
とはいえ状況が油断を許さないこともまた、理星は理解していた。警戒を見落とすエリアがないようスーパーGPSを発動し、現在位置を把握しながら索敵を行っていく。乗り込む依頼はその場のノリで決める……とは彼女の言だが、一度受ければ手は抜かないのも、また理星の流儀であった。
「さてさて、出し惜しみしてはいられない。使える力は存分に使わないと」
偵察をより効率化しようと、理星は飛翔の高度を500mまで上げていく。
最終人類史における残留効果は、いずれも最高レベルでの即使用が可能だ。敵が警戒中している場所ならば大きなリスクを孕む行動だが、今ならその心配もない。間もなく最高高度の500mに到達した理星の足下一面に広がるのは、青々とした東京湾の眺め。地上の全てを王のように睥睨しながら、理星はその視線を、ふと沿岸の小学校に目を向けた。
「待っているといい、子供たち。悪い奴らはアタシたちがやっつけるからね」
境界の霧はいまだ見えず、冥海機の現れる気配もない。
だが自分たち復讐者が居る限り、いつ来ようと結果は同じだ。陸への襲撃など絶対に許しはしない。
霧の出現に即応できる態勢を整えて、理星は東京湾の警戒を更に強めていった。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
陳・桂菓
偵察とはいえ、ほとんど虱潰しに探すことになるのか?
【飛翔】を使って近海を蛇行しつつ飛んで広い範囲を視界に収めるようにしつつ、ディヴィジョン境界の霧とやらを見つけ出そう。
普通の霧と問題の霧との区別は付かないだろうし、見つけたら取り敢えず突っ込んでみるとするか。砲撃がブチ飛んでくるようなら、回れ右して全速力で離脱。
【完全視界】もあることだし、霧で回避や何かが不利になることもあるまい。
いわゆる威力偵察というやつ。
発見すれば【パラドクス通信】を用いれば他の仲間との連絡し、呼び寄せる。他の誰かが発見したとして、【スーパーGSP】を利用できるなら駆けつけるのも容易なはずだ。
あらゆる残留効果が最大レベルで使い放題なのだから、利用しない手はないな。
即座に見つけ、即座に叩き、即座に殲滅。敵発見はそのための一手だ。
「指一本触れさせぬと約束したのでな。その約束、守らせてもらうぞ、歴史の簒奪者どもよ」
「さて。偵察とはいえ、これは中々に骨が折れそうだ」
足下に広がる海を見下ろして、まるで虱潰しだなと陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は唇を噛んだ。
桂菓がいるのは静寂に満ちた東京湾の海上である。子供たちの歓声を背に小学校を発った後、彼女は冥海機の侵攻を察知すべく飛翔による偵察を行っているのだ。
「ディヴィジョン接続によって発生する境界の霧か。これだけ広い海に現れれば、さぞ目立ちそうだが……」
偵察を続行しつつ、桂菓はそう独り言ちた。
凪いだ海はどこまでも静かで、未だ異変は見て取れない。襲来する敵を1秒でも早く発見できるよう、桂菓は最高レベルの残留効果を惜しみなく駆使していく。完全視界で視界を確保し、連絡用にパラドクス通信機を生成。救援機動力の助けになればと、スーパーGPSも発動する。
(「さて。後は此方の発見が早いか、敵の襲撃が早いかだ」)
無論、敵に襲撃を許す気など毛頭ない。
海上を蛇行するように飛行しながら、己が牙を静かに研いで、桂菓は尚も偵察を続けるのだった。
状況は、復讐者にとって理想的な状況だったと言えるだろう。
広い海の上空で、現在位置を把握しつつ警戒に専念すれば、多少の時間差はあれど異変自体を見落とすことはない。
果たして偵察開始から数分と経たぬうち、桂菓の眼には、海上に濛々と生じていく濃霧が映っていた。
「現れたな。果たしてあの霧が、『当たり』か否か……」
時速900kmという速度で霧へと接近すると、桂菓は高度を下げて突撃準備を完了。霧の向こう側を見遣った。
本来なら完全視界で見渡せる筈の景色は、しかし所々が途切れたように視認が出来なくなっている。まるで、接続された先に広がる、最終人類史とは異なる景色を見せまいとするように。
それは同時に、眼前の霧が単なる自然現象などではないことを桂菓に告げるものだった。
「ビンゴだ。来たようだな……!」
桂菓はパラドクス通信機を手に取ると、敵発見の報告を仲間たちへ送る。
ここから先は時間との勝負だ。敵側に発見される前に急襲すれば甚大な被害を与えられるだろう。幸いにして濃霧の中も、戦闘に不利が生じない程度には視界が確保されているようだ。
即座に見つけ、即座に叩き、即座に殲滅。全ての神経をそのことに集中させ、桂菓は自らを一本の矛と為した。
「覚悟しろ冥海機ども。残らず突き破ってやる」
霧の向こうから、朧な影が一つ、二つと現れる。
果たしてそれは、冥海機『スラッグ級戦艦』を先頭に進むヤ・ウマトの部隊であった。その群れを、研ぎ澄ました牙を以て食い破らんと、桂菓は突撃を開始する。不安はない。迷いもない。彼女の周りには、託されし願いで一緒に戦う子供たちが、今も信頼の眼差しを向けてくれているのだから。
「指一本触れさせぬと約束したのでな。その約束、守らせてもらうぞ、歴史の簒奪者どもよ!」
かくして。東京湾を舞台とする冥海機との戦いは、復讐者の急襲によって幕を開けることとなる――!
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
陳・桂菓
戦艦らしい見た目に相応の、重い砲撃が来るようだ。しかも結構な密度の弾幕を張ってくるか。
【飛翔】や【水面走行】の効果ゆえ、海上という戦場ではあれ、機動力の面で相手よりこちらが劣るということはあるまい。しかし、それでも全弾を完璧に回避するのは流石に不可能だろう。
こちらも密度のある攻撃でもって反攻を仕掛け、押し返さねば。
使用武器は双短戟『騰蛟昇竜』
完全な隙間はなかろうとも、なるべく弾幕の薄いところを目指して高速移動。
さらに、両手の戟に目一杯の闘気の渦を纏わせて全力で振り回し、その渦に巻き込む形で砲弾を叩き落としにかかる。【ガードアップ】等の効果を利用できるなら、十二分に対抗できるはず。
平行して斬撃波を大量に撃ち、敵艦の群れを纏めて叩く。これは【反撃アップ】等が物を言うだろうか。
両腕をフルで振り回して手数を稼げば、頭数の不利も多少は盛り返すことができよう。また数で劣ろうとも、【ダメージアップ】等で盛られたからには攻撃力ではこちらが上回るはず。
「時機を誤ったな。今の我らは何者にも負けんぞ!」
最終人類史の帝都東京を占領すべく、ヤ・ウマトより現れた冥海機の群れ。
そんな彼らと復讐者との戦闘は、陳・桂菓(如蚩尤・g02534)の奇襲をもって幕を開けた。
『敵襲だと……? 馬鹿な、襲撃が察知されていたのか?』
『応戦しろ! 帝都占領の為にもディアボロスを落とせ!』
立ち込める霧の中、重々しい砲撃が断続的に木霊する。
それはアヴァタール級冥海機の護衛を務める『スラッグ級戦艦』たちが発射する、二連装副砲の砲撃音だ。
完全視界を用いて戦場を見れば、それらの砲撃がただ一人の復讐者――すなわち桂菓が繰り出すパラドクスへの反撃として行われていることに気づくだろう。
「遅い!」
『ぐわっ!!』
双短戟『騰蛟昇竜』を振るうたび、地鳴りのような衝撃が東京湾を覆う。
叩きつけられる衝撃に耐え切れず、次々に轟沈していくスラッグ級戦艦たち。次の瞬間には殺到する砲撃のダメージを桂菓は物ともせずに戦い続けていた。
(「戦艦らしい見た目に相応の、重い砲撃だな。しかも結構な密度の弾幕を張ってくるか……だが!」)
自分たち復讐者が負けることは決してない。驕りではなく単純な事実として、桂菓はそのことを認識していた。
極限強化されたガードアップは痛打といえる傷を桂菓へ与えるには及ばず、代わって彼女が振るう攻撃はダメージアップの力を帯びて、命中させたスラッグ級戦艦を確実に撃破していく。少なくとも戦闘力と言う点において、復讐者のそれは敵側のトループス級を完全に圧倒していたのである。
とはいえ、敵も黙って全滅を待つほど愚かではない。
被害を免れ生存した戦艦をかき集めると、決死の覚悟で反撃の砲撃を浴びせて来た。
残った敵は僅か数体。これらを一網打尽にすべく、桂菓は騰蛟昇竜を手に精神を研ぎ澄ます。
(「全弾を完璧に回避するのは流石に苦しいか……ならば、受けた上で叩き潰すまで!」)
弾幕の濃密な相手に対し、取り得る戦法はいくつかある。
距離を開けながら撃ち合い、手数と火力で圧倒するもの。敵の視界が届かない海中に身を隠し、奇襲をかけるもの。
だが、そうした戦法を桂菓は選ばなかった。無双武人たる彼女が代わりに選んだ答えはあまりにシンプルであり、同時に、敵にとってはあまりに無慈悲なものであった。
「態勢を立て直す猶予など与えん。このまま沈める!」
敵の弾幕めがけ突っ込み、真正面から叩き潰す。それが桂菓の選択だった。
無論、並の腕で出来ることではない。だが最終人類史の効果で上昇させた諸々の力と、そして桂菓自身の卓抜した技術と、更には子供たちから託されし願い。
それらの全てが揃った今、スラッグ級戦艦がいくら徒党を組んだところで、彼女を止められる訳がないのだ。
弾幕の間隙を縫って、桂菓が加速する。
パラドクスの応酬で飛来する砲弾をガードアップで受け止め、弾き、なおも勢いは止まらない。
両手の戟に、目一杯の闘気の渦を纏わせて。そしていま、彼女はパラドクスの斬撃波を全力で叩きつける。
弾幕を突破され、攻撃の術を喪失したスラッグ級戦艦の群れめがけて――!
「斬り刻む――砕空狼牙!」
『ぐ、ぐわあぁっ!』『そんな……馬鹿な!』
巨躯を撫で斬りにされたトループス級戦艦の群れが轟沈していく。
それを桂菓は一瞥もせず、生き残った只一体に切先を突きつけた。
今や全ての護衛を失った指揮官、アヴァタール級冥海機『駆逐級融式』へと。
「時機を誤ったな。今の我らは何者にも負けんぞ!」
『くっ……護衛を落とした程度で調子に乗らないことね。死になさいディアボロス、ヤ・ウマトの為に!』
桂菓の啖呵を前に、いまだ敵は戦意を失うこと無く。
東京湾を舞台とする戦いの一つ、その決戦の火蓋がいま切られようとしていた。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
石動・凛火
(トレインチケット)
『死になさいディアボロス、ヤ・ウマトの為に!』
最終人類史への侵攻から間を置かず護衛を失った冥海機『駆逐級融式』は、決死の思いで戦闘を開始した。
ヤ・ウマトの冥海機にとって、東京湾は完全な敵地である。いかに戦意を維持していようと精神力ひとつで圧倒的な不利は覆るものでは無い。
故に、復讐者の応援が駆け付ける前に勝負をつけるべき――それが融式の判断であった。
だが、それを許すほど、復讐者は甘い相手ではない。
戦いの火蓋が切られるや、石動・凛火(消えぬ火種・g02309)は冥海機を超える猛烈な勢いで攻撃を開始した。
「俺の火が消えない限り戦おう。――さあ、戦闘開始だ」
『任務を果たすまでは死ねない。私の砲撃で砕け散りなさい!』
自分の役目、それは続く仲間を導くための言わば露払いだ。
凛火は水上を疾駆しながら融式を射程に収める。同時、彼の周囲に生成されるのは狐を模した赤黒い炎だ。
みるみる距離を詰める凛火。対する融式もまた融合海戦装の砲門を向けて反撃態勢を取る。
「敵を喰らえ、炎狐」
凛火の発射した炎がパラドクスを帯びて放たれた。
炎の狐に齧られ、全身を炎上させる融式。間を置かず発射された砲弾が凛火の懐で次々と炸裂し、その身体を吹き飛ばす。通常の戦闘なら相応の負傷は免れない直撃は、しかし最高レベルのガードアップに阻まれ、痛打にはなり得ない。
(「ダメージは軽微か。さすが最終人類史の残留効果、といったところかな」)
どうやら、決着は思ったよりも早いかもしれない。
水上で受け身を取った凛火は、そんな確信に近い思いを胸に、戦場の仲間たちへ攻撃続行の合図を送った。
もはや勝利は目の前だ。
最終人類史を守る為、子供たちの想いに応える為、ここで負けることは許されない。
東京湾を舞台とする冥海機との戦いは、かくして佳境を迎えようとしていた――。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
天夜・理星
じゃあまたお手伝いと行こうか。
この海も人々も護る為の。
下に挙げる残留効果は基本最大レベルで効かせる。
開幕先行率アップと能力値アップを効かせ飛翔、囮を受け持つ。高度や速度は臨機応変に上げ下げすることで、相手のペースからずらす。敵からパラドクスだけが飛んでくるのであれば反撃アップで被弾率を下げ、回避機動をとって交わしていこう。当たるようならアヴォイド&アクティベイトで常に動けるように。被弾が酷過ぎて海に墜落するようなら落下耐性とガードアップを敷いて墜落対策の上、もう一度飛翔で復帰。
囮の間は敵の動きをよく見て、パラドクス通信で隙を随時報告。
最も確実に反撃可能な距離まで来たら飛翔を切って集中、隙を晒しパラドクスを誘う。当たる直前に心を決めて、神速反応とダメージアップ、勝利の凱歌と託されし願い、そしてありったけのアタシの想いを乗せて反撃。時空の歪みの修正に思いっきり巻き込もうか…!
ありったけ暴れるってこういうこと。
あなたも私たち最終人類史の為に死んだ方が得だぜ?
今死んだらアタシと友達になれるよ。
「じゃあまたお手伝いと行こうか。この海も人々も護る為の、ね」
アヴァタール級冥海機『駆逐級融式』への更なる追撃は、天夜・理星(復讐の王・g02264)の急襲と共に幕を開けた。
警戒から駆けつけた理星は飛翔を発動したまま、融式めがけ急降下していく。
もはや敵は戦場で完全に孤立した。護衛役のトループス級たちは残らず沈み、増援が現れることも無い。
「つまり、そろそろ年貢の納め時ってことさ。最終人類史の人たちを脅かした代償、高くつくぜ?」
『くっ……!』
理星は最高速度をもって加速しながら、挑発するように融式の周囲を飛び回り始めた。
緩急をつけた速度、そして盛んに上下する高度は、融式にとってまさに煩い蠅そのものに映ったことだろう。
すかさずトビウオ型魚雷を展開してくる融式。それを見て、理星は敵が罠に嵌まった手応えを得た。
(「そうそう。分かっていても無視は出来ないよね」)
冥海機の領土であるヤ・ウマトとは違い、ここは最終人類史。
当然ながらクロノヴェーダの応援は望めず、戦況は時間が経つほどに敵の不利へと傾いていく。
理星の挑発を受け流して対応出来るだけの余裕を、もはや融式は残していない。
そして、そんな弱った心を突くように。
理星はわざと速度を落とし、攻撃の隙を融式に与えてやる。
追い詰められた相手に偽りの希望を示し、完全な破滅へ導く一手であった。
『何度も失態を冒すとは思わない事ね。沈みなさい!』
そうして融式が発射したトビウオ魚雷は、しかし先手を打った攻撃では無かった。
世界の理を捻じ曲げて行われる逆説連鎖戦においては、通常の時間の流れでは起きない現象がしばしば発生する。
今、融式と理星の間で起こった現象も、その一つだ。すなわち、先手を打ったかに見えたトビウオ魚雷は、その実、理星への反撃として発射されていたのである。
『……っ!?』
絶句する融式。理星がガードアップでトビウオ魚雷のダメージを殺した次の瞬間、周囲の時間が沼のように鈍化した。
それは時の流れを操作するパラドクス『時間流』だ。
周囲の風景がモノクロに転じ、時の流れが停滞する。その中で理星はただ一人颯爽と動き、時空の歪みで融式を捉えた。
「刻は刹那、改め瞬け!」
その一言を合図に、時が再び動き出す。
不自然な高所に堰き止められた大量の水が、本来の水位を取り戻そうとして洪水を生むように、時空の歪みを修正する力がパラドクスの波濤となって融式へと襲い掛かった。
『アァ……っ!』
猛烈な衝撃に耐えかねたように、全身から派手な火花を散らしてのたうち回る融式。
それを理星は当然と見下ろして告げる。ありったけ暴れるとは、こういうことだと。
「あなたも最終人類史の為に死んだ方が得だぜ? 今死んだらアタシと友達になれるよ」
理星は慈悲も容赦もない言葉を投げ、戦場の仲間たちへパラドクス通信で連絡を入れる。
多少のダメージは気にしない。敵の隙を作って浅からぬ傷を刻んだ、その時点で役割は十分に果たせたのだから。
「さあ幕引きだ。皆、後は任せたよ」
今こそ敵を撃破して、この戦いに終止符を打つ時。
そんな理星の声に応えるように、新たな復讐者が次々と戦場へ駆けつける――!
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
陳・桂菓
戦艦の群れを率いていたのが駆逐艦とは、妙な話にも聞こえるが……しかし、単艦とて侮れん力量は持っていると見える。
残留効果使い放題の利があるうちに、確実に撃破しよう。
使用武器は双短戟『騰蛟昇竜』
敵の砲撃は苛烈。かいくぐってこちら得意の近接武器の間合いに持ち込むのは、一苦労だろう。
が、そこで【娥影幻攻刃】の幻惑効果を利用する。照準が狂った状態に陥らせることができれば、どれほど強力な砲撃といえど本来の効果は発揮できまい。
そうなれば、こちらが砲撃の隙間を縫って駆け寄るか、あるいは融式自身が零距離砲撃で確実に当てるべく近寄ってくれるか。いずれにせよ接近戦に持ち込めると見た。
まあ爪やら金属触腕やらの武装を見るに、接近戦の心得がないわけでもなさそうだが、その段になれば私自身の技量と残留効果によって履かされた下駄の高さを信頼するしかない。
照準が荒れているうちに、渾身の斬撃を叩き込む。
「ヤ・ウマトへの忠義凄まじきは、サムライの魂というやつか? だが、こちらも人類史を奪還するまで負けるわけにいかんのだ!」
月鏡・サヨコ
帝都東京……貴様たちはそんな名前でこの地を呼ぶ
だけど、日本には既に帝國の国号はなく、侵略のための兵力も存在しない
……ここは戦争の亡霊がいるべき場所ではないんだ
【水面走行】を発動して海戦に臨む
互いの砲撃によって生じる水柱と爆炎の中でも、【完全視界】で視野を確保
民間人から【託されし願い】は、10回効果を発揮する以上出し惜しみは不要
更に【通信障害】で敵の連絡も封じ、戦訓すら持ち帰らせない
【先行率アップ】で機先を制し、≪巡洋戦艦海戦装『黒姫』≫からの一斉射撃を仕掛けていこう
――『全砲門解放・火弾驟雨』
無数の砲弾と機銃弾を矢継ぎ早に放ち、逃げ場を狭めていった上で、致命的な命中弾を出して粉砕する
【未来予測】を用いた敵の動きの先読みも織り交ぜて、最適な弾道を計算しながら攻め立てていく
……波に抱かれて、静かに眠れ
反撃は≪海戦装用増設防盾≫で防御
傾斜した部分で受け止めて受け流したり、急所に当たりそうな弾を優先的に対処する
こうして被害を軽減・分散することで、戦線離脱しなくて済むように心掛ける
東京湾に轟く砲撃音。一発、二発と響き渡るたび、衝撃が飛沫を散らす。
海上と空中、ふたつのフィールドを利用しながら、復讐者たちは冥海機へ攻撃を仕掛けていく。
対する融式は背部の海戦装を一斉展開し、迎撃を行う構えだ。恐らくは、この東京湾を死に場所と定めたのだろう。
「戦艦の群れを率いていたのが駆逐艦とは妙な話にも聞こえるが……しかし、単艦とて侮れん力量は持っていると見える」
陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は飛翔の高度を整えて加速。双短戟『騰蛟昇竜』を構えて突撃を開始した。
一方の水上では月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)が≪巡洋戦艦海戦装『黒姫』≫を展開、その砲口で融式を射程に収める。
発動した完全視界は、砲撃戦で生じるであろう水柱と爆炎の中でも、視野を確保する為のもの。クリアな視界の先に映った冥海機の歪な姿に、サヨコは思わず眉を寄せた。
「帝都東京……貴様たちはそんな名前でこの地を呼ぶ」
そこに滲むのは、迸るような怒りではない。
淡々と、それでいて刃のように鋭い声で融式を睨みながら、サヨコは続けて口を開く。
「日本には既に帝國の国号はなく、侵略のための兵力も存在しない……ここは戦争の亡霊がいるべき場所ではないんだ」
『私たちの同胞を大勢殺しておいて、何を言う! この帝都は、私たちヤ・ウマトにこそ相応しい!』
傷だらけの身体を震わせ、呪詛にも似た絶叫を融式が放つ。その言葉に現れるのは、復讐者の有する自動翻訳能力を介してなお明白な、価値観の深い断絶だ。
そうする間にも融式との距離を詰めながら、桂菓は呟く。
「ふむ……ヤ・ウマトへの忠義凄まじきは、サムライの魂というやつか?」
あの冥海機は、最後の最後まで復讐者への屈服を拒むだろう。おそらくは、自らが絶命するその瞬間まで。
そんな相手に対し、自分たち復讐者が為すべきことは一つしかない。
桂菓は全身から生じるオーラで騰蛟昇竜を包み、更に加速。併せるように、サヨコの海戦装も全砲門を解放する。
「死して罪禍の汚名を残すこと勿れ──全ての罪を、この砲火で焼き払おう」
雷鳴の如く轟く砲撃が、攻撃の嚆矢となった。
立ち上る水柱。飛び散る飛沫。砲弾と機銃弾が絶え間なく放たれ、戦場の空間を埋め尽くすかの如き弾幕となって、融式の体を吹き飛ばす。
反撃で飛来して来る砲撃は、最終人類史の援護を受けた復讐者にとって脅威とは程遠い。アヴォイドのもたらす幸運で砲弾を容易く弾いて無傷を保ちながら、サヨコは死刑執行人めいた冷たい声で告げる。
「……波に抱かれて、静かに眠れ」
圧倒的な猛攻と並行し、彼女は先程から通信障害の効果で戦場を覆っていた。
万が一にも、あの敵に戦訓を持ち帰らせる訳にはいかない。砲撃戦でも情報戦でもサヨコは逃げ道を一切与えることなく、じりじりと融式を追い込んでいく。
サヨコの砲撃を浴びて、融式の体はもはや傷のない場所の方が少ない有様だ。
いまだ沈まずに砲撃の応酬を続けているのは、ひとえにヤ・ウマトへの忠誠ゆえか。
だが、彼女が一介のアヴァタール級に過ぎない以上、永遠に戦い続けることなど元より不可能だ。
「惑え……娥影幻攻刃!」
次の刹那、騰蛟昇竜を構えた桂菓が、融式の頭上より強襲をかける。
オーラの輝きを帯びて放つ斬撃はまさに変幻自在。予想のつかない軌道は一閃するたび融式の体を切り裂いて、血の代わりに流す黒い液体で海を染めさせた。
「さて。このまま距離を保てれば上々だが……」
至近の距離を保ったまま刃を振るい、呟く桂菓。
と、次の刹那、海戦装の砲門を解放した融式が瞬間移動したように距離を隔て、反撃の砲撃を発射する。相手の得意な間合で戦う義理はないということだろう。その気になれば、地上からの近距離攻撃で空飛ぶ相手を切り伏せることすら可能なのが逆説連鎖戦なのだから。
とはいえ――そんな融式の決死の努力が実を結んだか否かは、また別の話だった。
「ふんっ!」
『……!?』
飛来する砲弾が直撃したと思った刹那、それらは騰蛟昇竜の斬撃で悉く切り払われ、消える。
最終人類史の祝福を受けた桂菓は、能力値アップの効果によって今やその力を大幅に増幅させているのだ。
「中々やる。だが、こちらも人類史を奪還するまで負けるわけにいかんのだ!」
火薬と返り血で汚れた刃を振り払い、輝きを取り戻した切先を突きつけて。桂菓は救援機動力で駆けつけた仲間たちを振り返り、最後の攻撃へと誘うのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【温熱適応】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
リューロボロス・リンドラゴ
さあ、幕引きよ!
幼子達には飛んでみせたがな……。
ドラゴン、空も海も征するのだ!
【水中適応】+【水面走行】で“水中戦”よ!
貴様らの土俵で上回ってくれるわ!
はっ、トビウオ型魚雷だと?
ドラゴンがトビウオに負けるものか!
竜の鱗は常からして硬いものだが……。
今の我は【ガードアップ】で超硬いのでな!
正面からぶち破ろうぞ!
硬くて速くて強い!
それこそがドラゴンよ!
貴様如きにはもったいないが……幼子達に応援されたのでな。
我が神剣を見せてやる。
冥土の土産にするが良いわ!
【託されし願い】をのせて、我が尾より神剣、抜刀!
我は龍、我こそはドラゴン。
牙無き幼子達の復讐者にして守護竜、リューロボロス・リンドラゴ也!
この一太刀は幼子達の祈りと知れ!
奴重垣剣、凶祓いの太刀!
これにて、一件落着!
……と言いたいとこだがの。
ぬしらよ、我らにはもう一仕事残っておる。
急ぎ凱旋して幼子達に我らの無事と勝利を伝えようぞ!
くははははははは!
正真正銘、勝利の凱歌よ!
安心させてやられねばの!
我らの、勝ちだああああああ! とな!
杏・紅花
子どもたちに宣言したとおり、必ず勝って帰らなきゃねえ!
小さな子たちの、不安がきれいさっぱり消えて、きらきら輝いていったとき
あたしたちに、力が漲っていくのがわかる
ぜーったい、負けないんだからあっ!!
【水面走行】で敵機へ猛然とダッシュして接近、魚雷は【飛翔】と【エアライド】で空中へ逃げる「ふり」して、あえていい的になったげる
糸で紡いだダミーに魚雷が当たったように見せかけて、その間に敵機へ近接攻撃
敵が水中の中にいるなら【水中適応】も活用しなきゃね
ワイヤーソーをばらりと絡めて、うねうね動きそうな脚から捕縛
ざんねん、さっきのはあ、ニセモノでしたあ〜っ
あたしたちはね、いま、とっても強いの
たくさんの気持ちが背中を押してくれてるんだもん
ワイヤーソーに力を入れてばらばらに砕くのもわけないくらいに
無事に帰ってあの子たちに元気な姿を見せるまでが、あたしたちのオシゴトだからねっ!
『何故なの……いったい何故……!』
最終人類史への突入と、そこから始まった戦闘を経て、冥海機『駆逐級融式』は完全な窮地に追い込まれた。
境界接続と同時に受けた奇襲。戦闘開始から数分で全滅した護衛。極めつけは最終人類史の力で強化された復讐者たち。
その結果として訪れた敗北の二文字が、あまりに無慈悲な現実として彼女に突きつけられていた。
「さーてえ、子どもたちに宣言したとおり、必ず勝って帰らなきゃねえ!」
そして、そんな戦いを今まさに締めくくるように。杏・紅花(金蚕蠱・g00365)は東京湾の大空をピシリと指差し、高らかに勝利を宣言する。
今、彼女の周りには、復讐者の勝利の願う子供たちが託されし願いによって映し出されていた。
残留効果の有利は無論大きい。だが何にも増して大きいのは、子供たちが彼女に注ぐ希望の視線だ。紅花は知っている――それこそが正に、復讐者へ最も力をもたらしてくれるものであると。
「ぜったいぜーったい、負けないんだからあっ!!」
「うむ、今こそ幕引きよ! 冥海機よ、貴様らの土俵で上回ってくれるわ!」
子供たちから力を受け取るのは紅花だけではない。同じく戦場に駆けつけたリューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)も同じであった。
水面走行で海面に颯爽と立ち、竜人の少女は遠く離れた子供たちにも届くような、勇壮な雄叫びを上げる。
あえて敵の得意な戦場で、力をもってねじ伏せる――そんな傲慢な振舞いも強大な竜であれば許されよう。
「幼子たちには飛んでみせたがな……。ドラゴン、空も海も征するのだ!」
リューロボロスの全身から溢れ出る、圧倒的強者のオーラ。
幼女の体には余りに不釣り合いな威圧感は、子供たちの願いと相まって融式に恐怖をもたらした。
『人間たちの応援がどうした……っ! ならば私は、それを上回る攻撃で勝利する!!』
なおも勝利への執念を捨てぬ融式の周囲に、小さな魚たちが展開する。
生きた魚ではない、トビウオを模した魚雷の群れだ。
恐るべき破壊力を秘めた魚雷を発射せんとする融式。そこへリューロボロスと紅花は、一秒の躊躇もなく向かって行く。
「はっ、トビウオ型魚雷だと? ドラゴンがトビウオに負けるものか!」
復讐者と冥海機、互いのパラドクスが東京湾を舞台に激突する。
最終人類史の外なら数分は続いたであろうそれは、残留効果の支援を得た復讐者の圧倒的な力をもって、負傷を重ねた融式をじわじわと押し込んでいった。開始から数分と経たぬうち、仕掛けたのは紅花だ。水面を疾駆しながら融式へと接近して、迫りくる魚雷を避けるように空中へと身を躍らせる。
『今よ、トビウオたち!』
それを待っていたとばかり、一斉に上昇する魚雷。次々に着弾した魚雷が吹き飛ばしたのは――しかし、紅花ではない。
パラドクス『綾の綻』の絹糸で紡いだ、紅花そっくりのダミーであった。
ぷしゅう、と含み笑いにも似た音を立ててダミーが萎む。当てたと思った標的は囮、ならば『本物』は何処に行った?
「ざんねん、さっきのはあ、ニセモノでしたあ〜っ」
『――っ!?』
背後から聞こえる紅花の声に振り返ろうとした矢先、融式は己の身体を襲った違和感に言葉を失った。
膝から下の脚が、動かない。違和感の下へ視線を向ければ、全ての脚が紅花のワイヤーソーによって絡め取られている。
それは反撃では無く、魚雷より先に来る筈の一撃。逆説連鎖戦で稀に起こる、攻撃と反撃の順序が入れ替わる現象だ。
「あたしたちはね、いま、とっても強いの。たくさんの気持ちが背中を押してくれてるんだもん。この程度はわけないくらいに、ね!」
紅花の力を込めたワイヤーソーが鋭い金属音を立てながら、融式の多脚を切り裂いた。
衝撃とともに脚部の破片を撒き散らし、海面で悶絶する融式。そうして必死に身を起こした彼女の前方、そこから真っ直ぐに迫って来るのは、水上を疾走するリューロボロスの姿である。
「貴様如きにはもったいないが……幼子たちに応援されたのでな。我が神剣を見せてやる、冥土の土産にするが良いわ!」
尾より抜刀した巨大な神剣を大上段に構えるリューロボロス。
使い手の背丈をはるかに上回る神剣が、融式を両断せんと唸りを上げて迫る。
「硬くて速くて強い! それこそがドラゴンよ!」
『一体……一体何だというの、お前は!!』
もはや逃げることも攻めることもままならず、融式はただ狂ったように、リューロボロスへ魚雷を発射するのみ。
だが、所詮は悪足掻きだ。ガードアップで硬化した肉体の前に、今さら魚雷など無力に等しい。
「我は龍、我こそはドラゴン。牙無き幼子達の復讐者にして守護竜、リューロボロス・リンドラゴ也!」
悲鳴めいた融式の問いにリューロボロスは傲然と答えた。
着弾の衝撃で生じる爆炎を突き抜ける。身体に刻まれたのは、ほんの僅かなかすり傷のみ。自らの肉体には託されし願いを込めて、神剣の形代には融式の恐怖と呪詛を宿して。今、とどめの一撃を振り下ろす。
「この一太刀は幼子達の祈りと知れ! 奴重垣剣、凶祓いの太刀!」
一刀のもとに全身を唐竹割りにされ、爆散する融式。
藻屑と化した冥海機の残骸を残らず飲み込んで、東京湾はふたたび静寂を取り戻すのだった。
そうして戦いが終わり、残ったのは東京の平和な景色だ。
いずれヤ・ウマトの新たな刺客が現れるまで、東京湾と沿岸の街はしばしの平穏を得ることだろう。リューロボロスは共に戦った仲間たちを振り返ると、瞳をキラリと輝かせながら、颯爽と告げた。
「これにて、一件落着! ……と言いたいとこだがの。ぬしらよ、我らにはもう一仕事残っておる」
「うんうん。無事に帰ってあの子たちに元気な姿を見せるまでが、あたしたちのオシゴトだからねっ!」
沿岸の方を見遣り、紅花が頷きを返す。
視線の先に映るのは、復讐者が守ると誓った場所。そこでは今も、子供たちが帰りを待っていることだろう。
人類の勝利を報せるように、美しい歌声が響き始める。それは正に、英雄の帰還を祝う勝利の凱歌であった。
「くははははははは! 急ぎ凱旋して幼子たちに我らの無事と勝利を伝えようぞ!」
東京湾の海戦を制した復讐者たち。世界が、人々が、その勝利を祝福するように、歌声はますます大きく響き渡る。
託されし願いに映された子供たちの顔を一人一人見つめれば、彼らもまた歌っていた。
リューロボロスはそれに応えるように竜の翼で空へと羽ばたいて、歓喜の咆哮を轟かせる。
「安心させてやられねばの! 我らの、勝ちだああああああ! とな!」
夏も終わりを迎える九月の最終人類史。
東京湾を舞台に行われた冥海機との海戦は、かくして幕を下ろすのであった。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【アヴォイド】LV1が発生!