東京湾海戦

 ディアボロスによって横浜鎮守府を失った、ジェネラル級冥海機『信濃』率いる部隊が、ディヴィジョン境界の霧を抜けて、東京湾に攻撃を仕掛けてきます。
 東京湾に面する『大田区、品川区、港区、江東区、江戸川区』などは、既に住民が帰還しており、敵戦力を海岸に近づける事は許されません。

 東京湾で海戦を挑み、確実に撃破を行ってください。
 この防衛作戦に成功すれば、『信濃』と決戦して、冥海機達の最終人類史への侵攻作戦を挫くことが出来るでしょう。

●特殊ルール:最終人類史戦

 このシナリオでは、最終人類史での戦闘が行われます。
 最終人類史では、パラドクス効果が最大限(効果2は最大LV、LV11に至っていない効果1も全てLV10扱い)発揮される為、戦闘が有利になります。

信濃

東京湾に冥海機現る(作者 メリーさんのアモル
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#冥海機ヤ・ウマト  #東京湾海戦  #最終人類史防衛戦 


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●信濃艦隊、抜錨
「横須賀鎮守府を奪われた失態は、この侵攻作戦で雪がねばならない」
 そう声を張るのは、白い肌と髪に青い瞳が目を惹くジェネラル級冥海機『信濃』。
「ディアボロスの拠点を襲撃し、敵の心胆を寒からしめるのだ」
 その言葉を向けられるのは何隻ものアヴァタール級とそれに従うトループス級。
「帝都東京の港湾の一部なりと制圧すれば、そこを拠点に、ディアボロスを滅ぼす事も可能だろう。今こそ、命を捨てて、勝利を掴むのだ」
 侵攻先はディアボロスの拠点、東京。
 今まさに、冥海機の艦隊がディアボロス達の奪還した東京に迫ろうとしていた。

●東京湾を防衛せよ
「やぁ、みんな、《七曜の戦》お疲れ様。最終人類史に多くの大地を奪還する事に成功したね」
 それは大変に大きな勝利。だが、戦いは決してこれで終わりではない、と続けるのは時先案内人の有馬・福栄(零式英霊機のボトムマリナー・g09820)だ。
「再び、ディヴィジョンに分割された世界で、虐げられる一般人を救い、大地を強奪したクロノヴェーダに復讐を果たそう!」
 そう握り拳を見せる福栄。
「《七曜の戦》の後、各ディヴィジョンの状況は大きく変化しているみたい。これからはその状況に合わせた作戦を展開していくことになるよ。だから、決して油断せず、作戦を進めていこう! 勝って兜の緒を締めよ、ってやつだね!」
 ことわざあってる? と尋ねつつ、福栄は話を進める。
「《七曜の戦》の戦いでボクらは横須賀市を奪還したわけだけど、そこを支配していたジェネラル級冥海機『信濃』が、ボクらの領域、最終人類史の東京湾に攻め込んでくるみたいだ」
 東京湾は『大田区』、『品川区』、『港区』、『江東区』、『江戸川区』といった住民が帰還済みのエリアと隣接しており、敵戦力を海岸に近づければ、住民に被害が出る可能性もある。
「だから、攻め込んでくる冥海機に海戦を挑んで、東京湾に面する区を危険に晒すことなく撃破して欲しいんだ」
 つまりこれは、防衛戦だ。《七曜の戦》を経て、ディアボロスは脅威と認識されている。今後はこういった戦いも増えることだろう。

「作戦についてだけど、敵が現れるまでには時間があるから、まず、東京湾に面する区の住民達に、敵は攻めて来るがディアボロスが護るから大丈夫だ! といったアピールを行って欲しいんだ」
 最終人類史の住民達の信頼と応援がディアボロスの力となる。彼らに不安を与えないことは重要だ。
「元からみんなの支持は高いから、そんなに難しくはないよ。でも、どれだけ信じていても不安は生じるってことだね、だからしっかり自分たちは強いから大丈夫、ってアピールしてきて!」
 みんななら大丈夫だよね、と福栄。
「それが終わったら、ディヴィジョン境界に霧が出現するのを警戒して、出現したら迎撃に向かって!」
 海上に向かう方法は【飛翔】や【水上走行】などになるだろう。最終人類史なので、適したパラドクスを持ち込まなくてもLv10で活用出来る。
「あとは戦闘! いつも通り、トループス級をぶちのめして、で、アヴァタール級も倒す!」
 福栄によると、今回戦う相手は、トループス級は正々堂々とした性格から、アヴァタール級は痛みに興奮を感じる狂気から、それぞれの理由で真正面からの戦いを好むらしい。それをどう利用するかはディアボロス次第だろう。

「というわけで、今回は最終人類史に攻め寄せて来る冥海機を迎撃する作戦だよ」
 福栄がまとめに入る。
「残留効果をフルで使える有利な戦闘だけど、守るべきものを背負っての戦いとなるので、敗北は許されない」
 ま、みんななら大丈夫だと思うけど、と福栄は笑う。
「じゃ、それぞれ守るべきもののために、行ってらっしゃい!」
 そういって、福栄は話を締め括った。

●そうは言っても不安は拭えず
 東京湾沿岸。ディアボロスが奪還し、住民を帰還させたその地では、多くの人々が生活していた。
「ディアボロスさん達が《七曜の戦》で完全に勝利したんだってよ」
「さすが、ディアボロスさん達だ」
 まず、彼らの話題の多くを占めるのは《七曜の戦》の勝利のこと。疑うべくもないディアボロスの大戦果は住民達の耳にも伝わっており、その話題で持ちきりだ。
 しかし、そんな喜びに影刺す話題も一つ。
「しかしね……、《七曜の戦》が終わった後も、敵が攻めてくる可能性があるらしいじゃないか……」
 それはこの東京湾に敵が、冥海機が攻めてくるかもしれないという情報。
「なんだよ、爺さん、ディアボロスさん達を信じてないのかよ」
「そりゃ、ディアボロスさんの事は信頼しているけどね、万が一って事もあるだろう? 目の前まで敵が来るというのは……、大丈夫だと信じていても怖いものなんだ」
 孫の問いかけに、老人が答える。
「心配性だなぁ、爺さんは。大丈夫だって、ディアボロスさん達が全部やっつけてくれるさ。俺達がディアボロスさん達を信じないでどうするんだ!」
 孫をはじめとした若者達がまるで自分のことのように自慢げに言うが、それでも、周りの心配性な老人達の不安は拭いきれないようだ。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
2
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【泥濘の地】
2
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV3 / 【反撃アップ】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

メリーさんのアモル
 《七曜の戦》お疲れ様でした。メリーさんのアモルです。
 東京湾に敵が攻めてくるようです。迎撃してやりましょう!

 と言うわけで、選択肢の説明です。

●①東京湾の霧への警戒
 東京湾の霧を警戒し、そして霧が出たらそこに急行する選択肢です。
 戦闘系選択肢はこの選択肢をクリアしない限り挑めません。

●②東京湾地域の住民の鼓舞
 東京湾地域の住民は、ディアボロスの皆さんを信用していますが、それでも、やはりどこか不安なようです。
 是非、皆さんの手で安心させてあげてください。

●③👾<最終人類史>護衛するトループス級『サムライロブスター』
 アヴァタール級の取り巻きのトループス級です。この選択肢をクリアせずに、アヴァタール級に攻撃する選択肢に挑むと、トループス級から妨害を受ける可能性があります。
 正々堂々とした勝負を好み、皆さんにも正々堂々とした勝負を挑んできます。
 うまく活用すれば有利に戦闘を進められるかもしれません。

●④👿<最終人類史>アヴァタール級との決戦『エルドリッジ』
 このシナリオのクリア条件となるアヴァタール級です。
 自身が傷つくことにすら喜びを覚える狂気を宿しており、真正面からの戦闘を好みます。
 うまく活用すれば有利に戦闘を進められるかもしれません。

 また、この戦いは最終人類史での戦闘になるため、効果1をLv10で、効果2をそれぞれ最大レベルで使用出来ます。
 うまく活用すれば有利に戦闘を進められるかもしれません。
15

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


クロム・エリアル
一般人の不安解消は大事
クロムはアピール等は苦手
けど、何事も挑戦
クロムの姿が人の為になるなら作戦実行
一般人への鼓舞活動開始

まずは不安がっている人々に接触
会話を行い任務開始

皆が不安がるのも肯定
敵も遂に、最終人類史への侵攻可能性が出てきたのだから当然
けど、此処は最終人類史
クロム達のホーム
此処には今まで散々敵地へ突入し、困難な任務を遂行してきた復讐者達が常駐
クロムはまだまだ未熟……けれども復讐者は一人では無い
手を取り合い、協力可能な者達が揃えば敵にこの地を踏ませる事なく迎撃する事が可能

証拠じゃ無いけど、此処でなら全開に近い残留効果でクロムも様々な事が可能
怪力無双で重い物を持ってアピール
更にエアライドで10段ジャンプ

此処はクロム達に力を与える
其れは偏に、皆の信あってこそ可能
故にこそ、信を置くことを推奨
クロム達は、力なき人たちの盾であり剣
誰だって見捨てる事はしない

だからちょっと、これから来る敵の殲滅任務を実行予定
安心して待っているのが吉


クィト・メリトモナカアイス
皆の前で演説。

んむ。汝は良いことを言った。
不安に思うのはいいこと。そして大事なこと。

我もそう。
本当に大丈夫なのか。勝てるのか。
そう思うからこそ。
勝つために今のままで十分なのか、他に打てるてはないか。
そうやって考えを巡らせることができる。

んむ、汝らの不安は我も同じ。
故に。
今回も勝てる準備はきっちり済ませてきた。
七曜の戦がそうであったように。
今回も、この戦いでも。我らは負けぬ。
汝らには指一本……魚雷一本? 触れさせぬ。

いつも通り。今日も勝って帰ってくるので。
いつも通り。汝らはここで待つとよき。
ちなみに我はモナカアイスが大好き。
帰ってきたときにモナカアイスがあるととても嬉しい。

んむー、それではモナカアイスのためにも勝ってくる。きっぽうを待つのだ。
それでは出撃ー。

フロートユニット「モナアーマー」を装着。
シュバーと【水面走行】で出撃する。


平良・明
攻められる側になったというのは大きな変化です
世界のバランスが大きく変わった事がわかりますね
つまり、私たちは出る杭になったみたいです

永きを見てきた人たちはバランスが覆ることの凄みをよく知っているのでしょう
ご老人がたの不安もわかります

でもまあ、さらっと言いましょう
恐れることはありません
これから攻めてくる奴らはそういう恐れとか不安をタネにメシを食っている輩です

皆が怖がっていちゃあ私も出せる力が無いってものです
私たちに必要なのは恐れを置き去りにする勇気なんです
だから、少しむずかしいかもしれませんが、お願いします
ただ信じて私たちを見送ってほしいんです

【託されし願い】で子どもたちの様子を映しだしたり
調味料程度に【勝利の凱歌】などの残留効果の力も借りて
ゆっくり力強く新宿島沿岸の人々に言葉を伝えてみます

声が背中を優しく激しく押してくれるというのは不思議な感覚です
もし熱い言葉を頂けたのなら、この戦い負けるわけはありません


「若いもん達は元気があって良いが、私達はどうしても不安は拭いきれんでなぁ」
 老人達が集まって、不安を共有しあい、慰め合う。
 彼らもまたディアボロスを信じてはいるのだが、どうしても不安は拭いきれないのだ。
 そんな不安を拭うために、3人のディアボロス達がやってくる。
「んむ。汝は良いことを言った。不安に思うのはいいこと。そして大事なこと」
 老人達のやりとりに言葉を挟むのは無表情な銀髪の少女、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)だ。
「おぉ、ディアボロスさん達、ようこそいらっしゃいました」
 その言葉に三人のディアボロスを認め、丁寧にお辞儀をする老人達。
 彼らのディアボロスへの敬意に嘘は見られない。だから彼らは決してディアボロス達を信じていないわけではない、ただ不安なだけだ、とディアボロス達は再確認する。
「不安に思うのは、我もそう。本当に大丈夫なのか。勝てるのか。そう思うからこそ。勝つために今のままで十分なのか、他に打てる手はないか。そうやって考えを巡らせることができる」
 だから、クィトはまず、彼らの不安を肯定し、不安に思って良いのだ、と伝えることにした。それは彼らの安心を勝ち取るのに必要な第一歩だった。
「えぇ。攻められる側になったというのは大きな変化です。世界のバランスが大きく変わった事がわかりますね。つまり、私たちは出る杭になったみたいです」
 クィトの言葉に切れ目に彼らと同じ現代地球出身の平良・明(嶺渡・g03461)が口を開く。
「永きを見てきた人たちはバランスが覆ることの凄みをよく知っているのでしょう。ご老人がたの不安もわかります」
 その言葉の目的もやはり、不安を肯定することだった。
(「一般人の不安解消は大事。クロムはアピール等は苦手」)
 その後ろで迷いなく語る2人を見つめているのが黒で統一したファッションが目立つ無表情の少女、クロム・エリアル(近接銃士・g10214)だ。実は住民の不安を取り除く前に、まず自分が住民達にちゃんとアピール出来るのか不安に思っていたのがクロムであった。
(「けど、何事も挑戦。クロムの姿が人の為になるなら作戦実行」)
 しかし、ここで黙って見ているだけの3人目でいるわけにはいかない。クロムは思い切って口を開く。
「皆が不安がるのも肯定。敵も遂に、最終人類史への侵攻可能性が出てきたのだから当然」
 口数が少ないなりのその言葉もはやり、住民の不安を肯定する言葉。
 老人達の緊張が少しずつ解けているのが分かる。
「んむ、汝らの不安は我も同じ。故に。今回も勝てる準備はきっちり済ませてきた。七曜の戦がそうであったように。今回も、この戦いでも。我らは負けぬ」
 その様子を見てとったクィトはさらに言葉を重ねる。
「えぇ、さらっと言いましょう。恐れることはありません」
 その言葉に明も頷く。明はそしてさらに言葉を続けた。
「これから攻めてくる奴らはそういう恐れとか不安をタネにメシを食っている輩です。皆が怖がっていちゃあ私も出せる力が無いってものです。私たちに必要なのは恐れを置き去りにする勇気なんです。だから、少しむずかしいかもしれませんが、お願いします。ただ信じて私たちを見送ってほしいんです」
 それは不安には思いつつも、信じて欲しい、と言う本題だった。
 同時に周囲に勇気を奮い起こす歌声が響き渡り始める。明が有効にした残留効果【勝利の凱歌】だ。
「此処は最終人類史。クロム達のホーム。此処には今まで散々敵地へ突入し、困難な任務を遂行してきた復讐者達が常駐。クロムはまだまだ未熟……けれども復讐者は一人では無い。手を取り合い、協力可能な者達が揃えば敵にこの地を踏ませる事なく迎撃する事が可能」
 そこにクロムも苦手なりに言葉を尽くす。
 言葉だけで足りないなら、と【怪力無双】で重いものを持ち上げて見せたり、【エアライド】で空中を10回ジャンプしたりして見せる。
 それは実際の逆説連鎖戦では必ずしも役に立つとは言えない、大道芸のようなものでしかないが、それでも、その超常的なパフォーマンスは少なからず老人達を元気付けたことだろう。
「此処はクロム達に力を与える。其れは偏に、皆の信あってこそ可能。故にこそ、信を置くことを推奨。クロム達は、力なき人たちの盾であり剣。誰だって見捨てる事はしない」
「んむ。汝らには指一本……魚雷一本? 触れさせぬ」
 クロムがさらに言葉を続け、クィトがそれに同意する。
「声が背中を優しく激しく押してくれるというのは不思議な感覚です。もし熱い言葉を頂けたのなら、この戦い負けるわけはありません」
「んむ。いつも通り。今日も勝って帰ってくるので。いつも通り。汝らはここで待つとよき。ちなみに我はモナカアイスが大好き。帰ってきたときにモナカアイスがあるととても嬉しい」
 そして、最後に明とクィトが締めくくる。
「分かりました。ディアボロスさん達。私達のためにそんなに言葉を尽くし、心を砕いてくださり、ありがとうございます。もちろん、皆さんを信じますとも。モナカアイスも用意しておきます」
 その言葉に老人達が頷く。
「これから来る敵の殲滅任務を実行予定。安心して待っているのが吉」
「んむー、それではモナカアイスのためにも勝ってくる。きっぽうを待つのだ」
 3人は【水面走行】を有効にし、東京湾に飛び込んで、進み始める。
 その背後からは、老人や若者、湾岸地帯の住民達の明るい声援が聞こえてきた。
 彼らを守るため、語った言葉を嘘にしないため、この戦い、負けるわけにはいかない。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

三間・勲
連携アドリブ歓迎です。
(基本的に会話では敬語ですが、独り言は普通の口調です。)

勝って兜の…とは言うけれど、≪七曜の戦≫が終わってからまたすぐ侵攻に来るなんて…。それだけディアボロスが脅威と思われてるって事なのかな。
住民の皆さんを早く安心させなきゃ。

共に任務に入る味方が居れば、担当する範囲を手分けして効率的に警戒にあたりましょう。
僕は岸の見晴らしの良い位置から、なるべく境界の広範囲を観測します。〈海洋知識〉で敵が狙うのに適した位置にある程度の目星をつけられるようであれば試します。
所持品の望遠鏡を使って〈天候予測〉し、僅かな変化も見逃さないように注意を払います。

霧の出現を確認したら、使用できれば【パラドクス通信】等で味方に知らせ援護を要請します。
味方と連携を取りながら、ただちに【水面走行】を用いて敵のもとへ迎撃に向かいましょう。

冥海機によってヤ・ウマトの住民が犠牲になっているのも許せないのに…こちらの一般人にまで手出しはさせません。


月鏡・サヨコ
信濃め……七曜の戦の間に、最終人類史への攻撃準備を整えたか
すでに帰還した民間人への犠牲は許容できない
敵を出現と同時に叩ける体制を整えなければ
……往こう、桂

会敵するまでは残留効果にリスクはない
【飛翔】で境界の霧が現れる可能性がある地点に急行して、空を飛びながら偵察
ただし戦闘開始時につるべ撃ちに遭うのを防ぐため、高度は低めに保ち、異変があればすぐ海上まで降りられるように
同時に桂にも【飛翔】もしくは【水面走行】を発動させ、二手に分かれて敵を探す

さらに【使い魔使役】で鳥や魚を偵察のために動員
自分一人では探索しきれないほどの広範囲を動物の視点で哨戒する
直接霧や敵の姿を視認できれば最良
或いは、もし使い魔との交信が通常の動物による捕食以外で途絶するなら、そこに敵がいるはずだ
生き残った使い魔は戦闘開始前に退避

敵を発見したなら【パラドクス通信】で仲間に連絡
それぞれが発見した敵の位置を鑑みて、いずれも上陸させぬように戦闘配置につく

この国は侵略を放棄し、平和へと舵を切った
……戦争の亡霊には、指一本触れさせない


 3人のディアボロスが住民の不安を取り除くため心を砕き、言葉を尽くしている間も、ディアボロス達は東京湾の警戒を怠らない。
 不安をなくすのは大事だが、それに気を取られて防衛体制も何もない状態で襲撃を受ければ意味がないからだ。
「勝って兜の……とは言うけれど、《七曜の戦》が終わってからまたすぐ侵攻に来るなんて…。それだけディアボロスが脅威と思われてるって事なのかな。住民の皆さんを早く安心させなきゃ」
 そんな独り言を呟きながら警戒しているのは少し大人びた少年、三間・勲(船無し提督・g10186)だ。
「信濃め……七曜の戦の間に、最終人類史への攻撃準備を整えたか。すでに帰還した民間人への犠牲は許容できない。敵を出現と同時に叩ける体制を整えなければ」
 一方、そんなことを呟きながら、低めの高度を【飛翔】するのは灰色の髪に色白な肌が目を惹く無表情な少女、月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)だ。
 敵と接触するまでは【飛翔】にはデメリットはない。逆説連鎖戦では速度に意味は薄いとはいえ、その最大時速は900km/hにも及ぶ。霧が現れた場所にすぐに急行するためにもサヨコは【飛翔】することを選んだ。
 低空を飛んでいるのは、万一予期せぬ方向から敵が現れた時に集中砲火を浴びる前に高度を下げるためだ。

「担当する範囲を手分けして効率的に警戒にあたりましょう」
 二人は勲の提案もあり、分担して【パラドクス通信】で連絡を取り合いながら海上を警戒している。
 勲は海上ではなく陸上から、高台を利用して、持ち込んだ望遠鏡でディヴィジョン境界を警戒する。
 一方のサヨコは空中を飛び回り広範囲をカバーしつつ、さらに【使い魔使役】で10匹の鳥や魚を使役し、警戒に当たらせた。
 これは、最悪霧の出現を見逃しても、使い魔がやられればそれが冥海機が現れた合図にもなるということを期待して、より高域に展開させているが、今のところ幸いにして彼らが無慈悲に何者かに倒されたと言う情報はない。
 やがて、それを2人が発見したのは同時だった。
 不自然に東京湾に出現する霧。
 見間違えるはずもない、ディヴィジョン境界が綻んだことを示す霧だ。
 距離の都合でサヨコの方が僅かに早かったかもしれないが、2人はほぼ同時に通信機に連絡を入れ、出現したディヴィジョン境界の霧に急行した。
「冥海機によってヤ・ウマトの住民が犠牲になっているのも許せないのに……こちらの一般人にまで手出しはさせません」
「この国は侵略を放棄し、平和へと舵を切った。……戦争の亡霊には、指一本触れさせない」
 住民の鼓舞には加わっていなくても、2人の思いもまた、先のディアボロス達と同じ。
 東京に住む人々には指も砲撃も魚雷も触れさせない。
 負けられない戦いが始まる。

 2人の警戒はなんの瑕疵もなく、また素早く急行する方法論も確立していた。
 敵はまだ霧から出てきていない。敵が出てきたところをこちらが先手を取って攻撃することが可能だろう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!

 ディヴィジョン境界の霧がゆらめく。
 やがて、まずは前衛を務めるトループス級『サムライロブスター』達が飛び出してきて、アヴァタール級『エルドリッジ』が続く。
 本来ならここで彼らはディヴィジョン境界を抜けたことについて、そしてこのディヴィジョンについて言葉を交わすのだろう。
 だが、それは許されない。
 なぜなら、彼らよりも早くこの霧の周辺にはディアボロスが到達しており、ディアボロス達は彼らが口を開くより早く攻撃するチャンスを有しているからだ。
三間・勲
連携アドリブ歓迎です。

無事に霧を見つけられて良かった…でも敵を排除し切るまでは安心できません。
着実に集団敵を削り、"歓迎"してやりましょう。

【水面走行】で発生した霧の付近に速やかに接近しながら、小型駆逐艦群を〈召喚〉します。
駆逐艦を中央、右翼、左翼の三部隊に分け、出現予測地点を中心に半円形を描くように〈陣形〉を取ります。
両翼に戦力の大部分を割り振り、僕は少ない小型戦艦を伴って中央部隊で所持品「トビウオの紋章旗」を掲げます。
相手は正々堂々とした勝負を好むらしいので、なるべく自分が居る真正面の部隊に意識を向けるのが狙いです。

敵が姿を現したら「打ち方始め」の号令で一斉砲撃。主に両翼からの攻撃でダメージを与えます。
卑怯と言われるかもしれませんが、敵の矜持にわざわざ乗る義理もありません。
その後は両翼を中央部隊へと集合させ戦闘を継続。
砲撃で海面を打ち、水飛沫を立て、狙いを狂わせる事で敵の攻撃からの回避を試みます。


月鏡・サヨコ
来たか、予想通りだ
上陸を許さずの迎撃は十分に可能と予測
……一網打尽にしてやろう

【水中適応】で海中に身を隠して待ち伏せし、【光学迷彩】により発見の確率を低下させる
【強運の加護】も、こちらの迎撃体制を知らない敵が「偶然」すぐ近くに出現することを防ぐためには役立つだろうか

冥海機が姿を見せたなら、突然海中から姿を現し、敵部隊の側面からの攻撃を開始
――『零式弾・広域砲撃』発令
爆片と衝撃波を広範囲に拡散させる榴弾を炸裂させ、なるべく多くの標的を破壊に巻き込み、隊列を崩壊させていく
戦闘中は民間人より【託されし願い】を身に受け、その力で戦局を有利に進めていく
……成果に対する犠牲を最小限に留めることは、兵士としての責務
そして今日、最小限とは零だ

反撃の砲弾は《海戦装用増設防盾》で防ぎ、致命傷とならないようダメージコントロール
斬撃は《対艦軍刀『銀鉤』》を素早く抜き放って切り結び、刃を弾くことで防御しておこう

貴様達を東京に通すわけにはいかない
それでも、魂だけは最終人類史で安らぐといい
――波に抱かれて、静かに眠れ


「無事に霧を見つけられて良かった…でも敵を排除し切るまでは安心できません。着実に集団敵を削り、"歓迎"してやりましょう」
 揺れるディヴィジョン境界の霧を前に、そう呟くのは霧を発見して即応した片割れ、大人びた少年、三間・勲(船無し提督・g10186)だ。
「来たか、予想通りだ。上陸を許さずの迎撃は十分に可能と予測。……一網打尽にしてやろう」
 その言葉に頷くのは、霧を発見して即応したもう一人、灰色の髪に色白な肌が目を惹く無表情な少女、月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)だ。
 二人は簡単に迎撃の手法を相談し、そして、配置につく。
 やがて、前衛を務めるトループス級『サムライロブスター』達が霧を抜けて飛び出してくる。
 アヴァタール級を護衛するため前衛を務め突入した彼ら、その彼らが目にしたのは、三艦隊に分かれ、半円状に自分達を取り囲む1/350スケールの駆逐艦群だった。
(「侵入を気取られて、迎撃体制を取られていた!? まずい——」)
 『サムライロブスター』達は即座に自分達の状況の悪さを悟るが、時すでに遅し。
「打ち方始め」
 勲の号令の元、一斉に駆逐艦群が砲撃を開始する。パラドクス『スピリットフリート』だ。
 完全なる不意打ちで明白に勲に有利な局面だが、ここは最終人類史。残留効果により勲にだけ見える光が攻撃を導き、さらにその攻撃を有利に変え、『サムライロブスター』達は反撃さえ許されない。
「て、敵は一人だ! よく狙う必要すらない、連装砲で面制圧してやれ!」
 攻撃の対象にならなかった『サムライロブスター』が伊勢海老型海戦装の連装砲を勲に向ける。
「……纏めて、焼き払う」
 だが、勲の注目を集めるようなその激しい一斉砲撃そのものが囮。
 『サムライロブスター』の側面を突くように、隠れていたサヨコがその身を晒す。
 『巡洋戦艦海戦装『黒姫』』の砲門が『サムライロブスター』に向けられる。
 伏兵の存在に気付き、慌てて対応しようとする『サムライロブスター』だが、あまりに遅きに徹していると言う他ない。
 砲門から砲弾が飛び出し、時限信管によって炸裂したそれは破片を全方位に撒き散らし、『サムライロブスター』達を巻き込んでいく。
 周囲には他のディアボロス達が不安を和らげた湾岸沿いの住民からの周囲に、温かい声援が映像として映し出され、2人のディアボロスを応援している。
「……成果に対する犠牲を最小限に留めることは、兵士としての責務。そして今日、最小限とは零だ」
 つまり、誰もここを通さない。
 不意打ちにより圧倒的に有利に始まった敵前衛との戦いは、戦う者を世界が祝福し、怒りが増幅され、時の流れが急加速する空間となり、多くの残留効果のサポートを受けて、圧倒的有利な状況を保ったまま、勝利を迎えたのだった。
「貴様達を東京に通すわけにはいかない。それでも、魂だけは最終人類史で安らぐといい。――波に抱かれて、静かに眠れ」
 アヴァタール級を残し沈んでいく『サムライロブスター』にサヨコは無表情にそう告げた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】がLV2になった!
【泥濘の地】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!

三間・勲
取り巻きは落としました、この勢いで決着を付けましょう。

痛みに喜びを感じるなんて…僕には理解できない。
僕は、痛いのは嫌です。皆にはそんな思いをさせたくありません。

僕の言葉が相手に響く事は期待していませんが、少しでも意識をこちらに向けられたら十分です。
軍刀の柄に手をかけて正面から斬り込むと見せかけ、パラドクス「マドロスの弔歌」を発動します。
巨大な怪物と見紛うような魚群の幻影を〈召喚〉し、敵に向けて魚影を一斉に突撃させます。相手に与えるのは肉体的な痛みではなく、パラドクスの力による精神への衝撃です。
砲撃や刃による痛みではなく、道半ばで沈んでいった人々や、クロノヴェーダによって犠牲になった人たちの『無念』を身に受けてもらいます。

敵の反撃には【水面走行】や【水中適応】の力を借りて臨機応変に立ち位置を変え、受ける爆発の衝撃を極力和らげるよう動きます。
【グロリアス】の効果も借りて辛抱強く戦いを続けます。ここは一歩も引けません。


月鏡・サヨコ
トループス級の殲滅を確認
あとは敵戦隊旗艦を残すのみ
……迅速に仕留め、民間人の安全を確保する

【水面走行】で敵と砲撃戦の間合いを取りながら戦っていく
急速に距離を離したり、接近する敵の頭上を超えて背後に回りたい時は低空・高速度の【飛翔】も使う

【通信障害】を展開し、戦訓は持ち帰らせない
尤も、ディヴィジョンと最終人類史の境界を超えて通信が可能なのかは定かでないが……
通信を阻まれた敵の反応から把握できるだろうか?

攻撃時は【未来予測】で敵の移動ルートを確認しながら、陸への突破口や仲間の攻撃からの退路を潰すように手を打つ
――『全砲門解放・火弾驟雨』発令
《巡洋戦艦海戦装『黒姫』》から放つ機銃弾と砲弾の嵐で、敵の粉砕を試みる
適宜、互いの行動によって生じる【未来予】の変化に対して弾道を補正し、致命的な命中弾を出す
……逃がしはしない!

反撃で呼び出される取り巻きは、海戦装からの榴弾の射撃や、桂が放つ《怪力光線砲『狗號』》によって迎撃
爆発やビームの熱でゲル状の身体を破壊し、頭数を減らすことで反撃による負傷を抑制する


「トループス級の殲滅を確認。あとは敵戦隊旗艦を残すのみ。……迅速に仕留め、民間人の安全を確保する」
「はい。取り巻きは落としました、この勢いで決着を付けましょう」
 敵アヴァタール級冥海機『エルドリッジ』を前に、そう言葉を交わすのはトループス級との戦闘に引き続き月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)と三間・勲(船無し提督・g10186)だ。
「あぁ! まさか突入した前衛艦隊をあんなのあっという間に沈めてしまうなんて。噂通り、いえ、噂以上に素晴らしい方々ですね、ディアボロスの皆さん」
 随伴する冥海機を殲滅させられたと言うのに表情ひとつ緩めず、それどころか両手を頬に当てて笑う『エルドリッジ』。
「では、今度はこの『エルドリッジ』がお相手致しましょう! お互い傷つけ、傷つけ合い、その痛みを楽しみましょう!」「痛みに喜びを感じるなんて…僕には理解できない。僕は、痛いのは嫌です。皆にはそんな思いをさせたくありません」
 興奮したように一人話し続ける『エルドリッジ』に、首を振るのは勲だ。
 その言葉に、『エルドリッジ』は勲の方を向く。
「あらあら、では教えてさしあげましょうか? 痛みの喜びを。いらっしゃい、武器を抜きなさい。私を倒したいのでしょう?」
 両手を広げて攻撃を誘う『エルドリッジ』。対する勲も腰に下げた『軍刀』の柄に手をかける。
 近接攻撃が来る。
 『エルドリッジ』は両手を広げつつも、攻撃に備える。
「僕には皆がついています」
 囁くように呟いたその言葉と共に発動するパラドクスは『マドロスの弔歌』。
 恐ろしく巨大な怪物と見紛うほどの魚群の幻影が召喚され、『エルドリッジ』を圧倒する。
「なっ、これは……」
 想定と違う攻撃に、思わず『エルドリッジ』は対応が遅れるが、そこは流石にトループス級とは違う。素早く反撃のパラドクスを発動し、生体ウミウシ機雷を散布。その連鎖爆発で勲を攻撃する。
「砲撃や刃による痛みではなく、道半ばで沈んでいった人々や、クロノヴェーダによって犠牲になった人たちの『無念』を身に受けてもらいます」
 片や魚群、片やウミウシ爆雷。二つの海棲生物が両者の間を行き交い、お互いにダメージを与える。
 相手の虚をついた攻撃であったことと、【グロリアス】が最大レベルで発動し、与えたダメージ分傷を癒したことや、【ガードアップ】の効果などの残留効果の差で、そのぶつかり合いは勲に優位に進んだ。
「やってくれましたわね。まさか痛みを伴わず私を攻撃するとは……」
 自身の望まぬ攻撃を与えられた事で僅かに怒りを覚えた『エルドリッジ』は今度は能動的にそのパラドクスを勲に向けて発動しようとする。
 だがそれより早く、両者の間にサヨコが割り込んだことで、『エルドリッジ』は僅かに冷静さを取り戻した。
「いけません。感情に囚われ戦況を見失うところでした。まだ、私に痛みを与えてくれる方は残っているのですものね」
 楽しそうに、『エルドリッジ』が笑う。
 サヨコが地面を蹴って、急速に後方へ退避、砲撃に適した距離へと移動すると、『エルドリッジ』も自身に有利な位置を保つため、それに追従する。
 お互いがお互い、有利な位置を取ろうと、海の上を走り回る。
 だが、どこまで『エルドリッジ』がサヨコの死角に回り込もうとしても、あるいは、ふいをついて住民の方を狙ってみようとしても、まるでサヨコにはその未来が見えているかのように、サヨコがそれに先手を取って回り込む。
 『エルドリッジ』は知らない。ディアボロスだけが使えるパラドクスの効果、【未来予測】がサヨコに10秒先の未来を見せていることに。
 【未来予測】はパラドクスの撃ち合いにおいては、あまり意味がない。時間・空間・世界法則を書き換えながら行う逆説連鎖戦において、未来というものに意味がないからだ。
 だが、パラドクスの撃ち合いの前であれば、有用に使える時もある。
 ちなみにサヨコは戦訓は持ち帰らせないため、【通信障害】も併用している。これが効果を発しているのかは、位置の取り合いを痛みを受け取る前段階として興奮した様子を見せる『エルドリッジ』からは全く伺えないが。
 そして、ついに攻撃の好機が訪れる。『エルドリッジ』がサヨコの側面を強引に突くために、一瞬転進し側面を晒したその隙を見逃さず、サヨコのパラドクスが発動する。
「死して罪禍の汚名を残すこと勿れ──全ての罪を、この砲火で焼き払おう」
 『《巡洋戦艦海戦装『黒姫』》』の全ての砲門から機銃や砲撃が一斉に放たれる。ただ一人のディアボロスから放たれているとは思えないその無数の砲弾と弾丸が、一瞬の隙を晒した『エルドリッジ』に向けて突き進んでいく。
「あぁ、この痛み! 私からもお礼を差し上げます!」
 『エルドリッジ』も強引に自身の姿勢を修正しつつ、発狂しながら毒をまき散らすゲル状の模造英霊機を放って、サヨコを攻撃する。
 ややサヨコ優位のぶつかり合い。とはいえ、こちらも残留効果の後押しを得て、『エルドリッジ』は無視できないダメージを負った。
「あぁ、この痛み。素晴らしいですわ」
 しかし、2人のディアボロスからそれだけのダメージを受けてなお、『エルドリッジ』が恍惚とした表情を崩さない。
 あともう一押しあれば戦いに決着がつきそうではあるが、最後まで油断出来ない相手になりそうだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!

クィト・メリトモナカアイス
おぉう。我が出遅れるとは。
皆早い。我も負けてられぬ。

んーむ、なんというか。
前線攻略の指揮官には向いてなさそうな性格とみた。汝の名は鉄砲玉。

【水面走行】しつつ、「喧騒へ捧ぐ宵の峰」。すーっと気配を消し、機雷の爆発に紛れて姿を隠し歩く。
正面からの攻撃を好み、己の身を厭わぬその性質。防御用として背面や側面に透明機雷を忍ばせたがらぬと見た。

エルドリッジが他の復讐者と戦い、正面からやりあっているところに忍び寄り、「喧騒へ捧ぐ宵の峰」の黄金猫拳打棒による一撃。
最終人類史の力で溜まった残留効果乃ぱわーを上乗せし、一撃で粉砕を狙う。

汝が何が楽しいのかは知らぬけれども。
我は楽しくない。というか汝が嫌い。
汝死者の安寧の眠りを妨げ強いる者。
汝の名は語られず、刻まれず。ただこの海にて沈むべし。

んむー、さっきのあれの安寧は知ったことではないけれども。
冥海機は海戦で生まれる。
あれを産むために民が犠牲になっていると思うと。
民を想い、悼む時間はあってよいと思う。


「おぉう。我が出遅れるとは。皆早い。我も負けてられぬ」
 そんな言葉と共に先のディアボロス2人と『エルドリッジ』が交戦している戦場に【水面走行】で駆けつけるのは市民を鼓舞するのに率先して演説を行ったクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)だ。
 とはいえ、遅れてきたことも悪い事ではない。
「んーむ、なんというか。前線攻略の指揮官には向いてなさそうな性格とみた。汝の名は鉄砲玉」
 おかげで、クィトは『エルドリッジ』の攻撃の対象にならないまま、『エルドリッジ』の動きを観察する事が出来た。
 その動きは極めてシンプルで、ひたすら目の前の敵を追いかけているようにすら見える。
 あくまで攻撃してくる敵の攻撃を正面から受け、正面から反撃したいらしい。
(「正面からの攻撃を好み、己の身を厭わぬその性質。防御用として背面や側面に透明機雷を忍ばせたがらぬと見た」)
 ならば、とクィトはパラドクス『喧騒へ捧ぐ宵の峰』を発動。そっと水面を走り、先のディアボロス達が交戦している『エルドリッジ』の後背を突こうと移動する。
 先のディアボロスと『エルドリッジ』のパラドクスがぶつかり合う。
 完全に『エルドリッジ』の注意が先のディアボロスに向いている。その瞬間。
「汝に我を見ること聞くこと能わず」
 クィトの武器が、『エルドリッジ』に振り下ろされる。
 ここは最終人類史、クィトは世界に祝福され、クィトにだけ見える光に導かれ、そして何より、ディアボロスの原動力たる怒りが増幅され、その強烈な一撃は、まさに必殺。
「あぁ……この痛み、あぁぁぁぁぁぁぁ!」
 『エルドリッジ』はその強烈な痛みに恍惚とした表情を浮かべ、沈み始める。
「汝が何が楽しいのかは知らぬけれども。我は楽しくない。というか汝が嫌い。汝死者の安寧の眠りを妨げ強いる者。汝の名は語られず、刻まれず。ただこの海にて沈むべし」
「私は楽しいですよ。えぇ、この痛みの喜びを抱きながら、沈んでいきましょう。ふふふふふふふふふ」
 最後まで、恍惚とした表情は崩さず、『エルドリッジ』は沈んでいった。3人のディアボロスによる完全な勝利であった。
「んむー、さっきのあれの安寧は知ったことではないけれども。冥海機は海戦で生まれる」
 冥海機は全滅し、凪いだ東京湾で、一人クィトは呟く。
「あれを産むために民が犠牲になっていると思うと。民を想い、悼む時間はあってよいと思う」
 冥海機とは海戦で沈んだ一般人の艦艇から生まれるもの。冥海機がいると言うことはそれだけ一般人が死んだと言うこと。
 クィトは静かに、冥海機の元になった人々を悼んだ。
 それが終われば後は帰るだけ。
 湾岸部に戻れば、きっと最初に言葉を交わした彼らの用意したモナカアイスが待っていることだろう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2023年08月25日