妖精郷の無慈悲な守り手

 ディアボロスの活躍により、ドラゴンによる妖精郷の襲撃は阻止されました。
 束の間の平和に胸をなでおろす妖精郷の住民達。
 しかし、妖精郷の住人のうち、一部のエルフが妖精郷の森の奥に行ったまま、戻ってこないという事件が発生しているようです。
 この事件の裏には「妖精郷の守り手」と思われる、不気味な「植物型クロノヴェーダ」が関わっているようです。
 妖精郷の住人達から話を聞いて、行方不明者が出た妖精郷の森を探索、行方不明者を見つけ出して連れ帰りましょう。

エルフを探して(作者 大丁
8


#幻想竜域キングアーサー  #妖精郷の無慈悲な守り手  #妖精郷  #フローラリア 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#幻想竜域キングアーサー
🔒
#妖精郷の無慈悲な守り手
🔒
#妖精郷
🔒
#フローラリア


0



 植物たちが、迷わせる。
 妖精郷の森の奥では、言葉のとおりなのだ。そして、とって喰う。
 エルフたちの身体が木々に一体化され、つる草で編まれたような怪物に変化していく。
 人のカタチを失うあいだにも、彼らは抵抗しない。
 瞳は虚ろで、しかし転生を受け入れているような充足感もないのだった。
「しんぼうしてね。忠実なる兵士になるまで、ほんの少しの時間しかかからないから」
 監督をしているのは、肢体につる草や葉っぱ、花びらをまとわせた女性のヒューマノイド。
 ブルームウィッチは慰めを言いつつ、恨んでもいた。
「そう、少しの時間よ。あと数年もあれば、自ら進んで一体化してくれたのに。それというのもドラゴンが……!」
「無理強いしてでも、ドラゴンと戦わせなければならないの?」
 見守っていた植物の中から、献言する者がいるほど。
 ほかの下草や木々も同意の声をあげだす始末。
 だが、ブルームウィッチは言葉を荒げて、森の見張りを命じ、この場から遠ざけるのだった。
「邪魔になるものは迷わせろ。それがお前たちの使命だよ!」

「ごきげんよう。わたくしは、ファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)と申します。この車両の行き先を感知した、時先案内人ですわ」
 一礼し、予知内容を語る。
 彼女がそうする時は、いつもパラドクストレインの中だ。
「皆様のご活躍によって、『幻想竜域キングアーサー』の妖精郷を襲っていたドラゴンの危機は、一時的かもしれませんが、止めることが出来たようです」
 何人かのディアボロスが頷いた。
 ドラゴンがこのまま諦めるとは思えないが、すぐに再侵攻してはこないだろう。
「ですが、その平和になった筈の妖精郷の村で、住民のエルフたちが行方不明になる事件が発生しております。予知で判明したのは、森の奥に現れたクロノヴェーダによって植物と融合させられ、トループス級へと改造させられてしまうということでした」
 森の奥への到着が速ければ元に戻せるらしい。
「行方不明のエルフたちを探しだし、改造から救出してくださいますようお願い申し上げます。それが、今回の依頼内容ですわ」

 ファビエヌは、列車の到着位置を、妖精郷の村のはずれにできると言った。今回は、そこまでは危険がないからだ。
「村の人々、……人間もエルフもいらっしゃいますけれども、お話を聞き、行方不明になったエルフの足取りを追うのがよろしいかと」
 妖精郷の森を闇雲に探すだけでは、運よく発見できたとしても手遅れの状況になる可能性が高い。村人からの情報収集は重要だ。
「手掛かりがあったとしても、森の迷宮は、知恵のある植物が侵入者を迷わせてきます。それを抜けて最深部に至れば、この事件の首謀者である植物型のクロノヴェーダと、植物と融合させられてクロノヴェーダ化されたエルフたちと会えますわ」
 救出の手順を、ファビエヌはより詳しく説明した。
 覚醒直後のトループス級であるエルフたちは、クロノヴェーダ化が定着していない状態だ。そのため、ディアボロスが声をかけ意識を取り戻させられる。
 意識のある状態のトループス級を、パラドクスで撃破することで、元のエルフへと戻す事が可能なのだ。
「皆様の善良なお言葉にかかっておりますわ」
 アヴァタール級との決戦も避けられない。森の迷宮の植物たちを利用しながら挑んでくるという。
「あらゆる枝という枝が邪魔をしてきます。殺傷力はないとはいえ、対処をおこたると……」
 ここまで、重めな内容を聞いてきたディアボロスたちからは、身構えるような雰囲気もあったが。
「鬱陶しいです」
 ちょっと、気が抜けたかもしれない。
 それに、注意点の多い依頼であっても、エルフたちを助けるのに臆してなどいられない。

「知恵のある植物たちは、皆様の邪魔をしてきますが、これもイイコトを話せるなら、力を貸してくださるかもしれませんわ。では、お気を付けて行ってらっしゃいませ」
 降車したファビエヌが、ディアボロスたちを送り出した。

 一度に数人のエルフがいなくなり、当の村では騒ぎになっていた。
「仕事の約束をしていたのに来なかったんだ」
「そういえば、果物をカゴに背負ったまま村はずれに向かってフラフラ歩いていくのをみたぞ」
「私も会ったわ」
 ある女性などは、さめざめと泣いている。
「くすん。様子がおかしいのに、私ったらどうして声を掛けなかったのかしら」
 だが、捜索を出すには、ためらわれた。
 森の奥には、知恵ある植物が、迷宮をつくっているからである。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【エアライド】
2
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【壁歩き】
1
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV3 / 【フィニッシュ】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、幻想竜域キングアーサーにて、行方不明のエルフを救出し、謎の植物型クロノヴェーダと戦うシナリオとなっております。

 舞台は、妖精郷の森の奥。
 そして、謎の植物型クロノヴェーダは、『ヴァインビースト』と『ブルームウィッチ』。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
60

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


空城・優人
アレンジ、共闘歓迎。

さて。まず取っ掛かりがねぇとな
行方不明者が不審とを覚えつつ違和感を感じねえっていうのは気になるな
洗脳だか認識阻害だか知らんが、そういう魔術があるのかね?
ともあれ、細かい事でも何かに繋がるか判らん
情報収集はなるべく多く。子供も大人も問わず聞いてこう
・見かけた行方不明者が向かった方向、彼らは何をしていたか
・不明者の人数
・名前や性別、年齢層、血筋や家系、共通項など
・不明者の行動に違和感を覚えなかった件。そういう魔術があるか。あるなら対策を取れるか

ファビエヌからも予知の細部をもっと吐かせるぜ
予知の中から特徴のある地形、木々があるのならそこから目的地のアタリがつけられるかもしれねえ


アルスーリア・ドラグウィルド
エルフと会うのは初めてですが、どんな人たちなのでしょうね。
排他的でないといいのですが……

行方不明になった人を探している事を伝え、住民の人やエルフから情報を集めましょう。
妖精郷の森について、それと居なくなったエルフについて。
知恵ある植物の迷宮になっている森に入っていくのにおかしな所などありませんでしたか?
どの辺りから森に入ったとか、どっちの方へ行ったとか……

話しにくい感じの人には現の夢を使いながら話を聞きます。
夢の中でなら胸の裡を吐露しやすいかもしれませんし。
……サキュバスの力、慣れてないから使いたくないんですけどね。
不安を煽る事は避けたいですし、なるべく穏便に済ますには仕方ないのですけれど。


 現地入りしたディアボロスたちは、すぐに人家をみつけた。
 アルスーリア・ドラグウィルド(龍纏いの深淵歩き・g01887)が、少し臆した感じで、森の中の集落を眺める。
「エルフと会うのは初めてですが、どんな人たちなのでしょうね。排他的でないといいのですが……」
 頭のサキュバス角を、長身から見下ろして、空城・優人(迅雷・g04393)はぶっきらぼうに言った。
「まず、取っ掛かりがねぇとな。子供も大人も問わず、情報を吐かせるぜ」
 とたんに、12歳が身体をビクつかせた。
「む、村の人たちの不安を煽ることは避けたいですし、なるべく穏便に済ませたほうが……」
 魂願する声に、優人は視線を遠方にそらし、表情を読まれまいとする。
 今の態度は、やさしくなさすぎた。
 片目でちらと、アルスーリアの様子を伺うと、また角が目に入る。
「なあ、あんた。穏便な手段とやらを持ってんじゃねぇのか?」
「え? ええ。……サキュバスの力、慣れてないから使いたくないんですけどね」
 夢見心地にさせてくれる音楽が、村に流れた。
 現実かどうか判らないなかで、行方不明になった人を探していると伝えれば、怪しまれもせず話してくれる。
「人数と性別、年齢とかさ」
「8人で男女は半々、大人ばかりじゃが、みんなエルフじゃ」
「どの辺りから森に入ったとか、どっちの方へ行ったとか……」
「私が見たときは、村から東に向かってたわ」
 一部の人間は、行方不明者のエルフたちとは、集まって作業する約束をしていたらしい。
 果実を保存用に加工するつもりだったそうだが、何人かは果実をいれた背負い籠すがたのまま歩いているのを目撃されている。
 まるで、途中で席を立ったかのように、蓋も半開きで。
 リンゴに似たそれの実物も見せてもらった。
 ディアボロスたちは情報を整理すると、村の東へと向かう。
 森は極端に、枝の交差が増してきた。どうやら、ここからが迷いの森。植物のダンジョンらしい。
 アルスーリアは、下生えの中から加工しかけの果実を拾う。
 差し出された優人は、その半端なカタチに、目撃者のほうでも不審と覚えつつ、引き止めなかった理由を気にする。
「洗脳だか認識阻害だか知らんが、そういう魔術があるのかね?」
 聞き込みでは、村人に心当りはなく、むろん対策なども伝わっていない。
「魔術……。そう、魔術のようなものかもしれません」
 ふたりのレジェンドウィザードが、今度は眼をみて頷き合う。
 探索の方角に、間違いはない。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

九十九・静梨
エルフの方々を助ける前にこの森を越えなければなりませんのね
とはいえ枝を筋肉や刃物で壊していくのも騙されているだけなだけに心苦しいですわね
ここはなんとか説得しましょう

パラドクス発動
動物の友の対象の動物を探し
先の方々が得たエルフの人らの様子がおかしかった情報やこのままではエルフの人たちが利用され怪物になってしまう事を伝え
植物の方々との間を取り持っていただけるようにお願いします
森に住まうなら
植物と動物の友好はある筈ですわね

説得の場に行けたら
同じ情報を伝えて◆忍耐力で粘り強く説得を続けますわ
エルフの方々を助けたいという偽りなき◆情熱も伝えましょう

説得できて方向を教えてもらったら
強化しきた嗅覚で追います


 枝の重なりは、通せんぼしているように険しい。
 ディアボロスたちは、手分けして先に進む方法を試す。
 九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)は、悪魔からもらった腕力で枝を揺さぶってみる。
 たが、折らずに分け入るのは難しそうだった。
「エルフの方々を助けるためには、この森を越えなければなりませんのにね」
 木々たちには知性があり、クロノヴェーダに騙されているだけかもしれない以上、やはり力ずくで壊すのは心苦しい。
 辺りを探すと、行方不明者が持って行った果物が、またひとつ落ちている。
 今度のものは割れていたが、なにか小さな影が、欠片を掴んで枝を登りだした。
「リ、リスですわ。……お待ちになって!」
 咄嗟に、動物の友を発動して呼び止める。
「村のエルフが、操られるように森の奥に入ってしまったの。このままでは、怪物に変えられてしまうかも。わたくしたちが森を通れるように、植物の方々との間を取り持っていただけませんこと?」
 小動物は、頭を下にして静梨の元まで降りてきた。
「キュキュキュッ」
「そう……。わたくしとお話ができても、あなたが木々と会話できるわけじゃないですわね」
 けれども、森に住まう者どうしの絆はある。
 黙して行く手を阻んでいた枝が、語り掛けてきた。
「リスの言葉がわかるの? それに、エルフともお友達?」
 静梨は、説得の糸口を逃すまいと気持ちを熱心に伝える。
「エルフの方々を助けたいのです」
 枝は、言った。
「怪物にするわけじゃないわ。そうやって終わっていくのがエルフの一生なの。でも、若いうちだったり、無理に操られたりしてなるものじゃないわ。ブルームウィッチにも判っているはずなのに、聞き入れてくれない」
 そうして、枝はまた閉じかけた。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【動物の友】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

レオネオレ・カルメラルメルカ
『イヒヒヒ。あっしはしがないウィザードでさぁ…。』
 
一人称は「あっし」
二人称は年上・同年代「(名前)のダンナ(姐サン)」
年下「(名前)の坊っちゃん(お嬢ちゃん)」

 他者との連携やアドリブOKです。
言動は三下ですが、実は演技で相手を油断させてからの攻撃が好きです。
演技が通じないとなると粗暴になり、一人称も「オレ」になります。

パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


時惣・継
植物が意思を持って迷わせるかあ…。
話には聞いていたけれどファンタジーな世界だね、本当に。
よし、頭を切り替えて頑張ろう。

エルフが8人も通ったのなら、何かしら形跡はあるはず。
情報収集・観察・偵察・追跡を念入りに行うよ。
【エアライド】を使って移動経路は常に最適化。

植物との対話が出来る機会があれば、そこは臨機応変に会話を続ける努力をする。
エルフの一生がどういうものなのか聞いたり、現状でブルームウィッチが行っていることは自然の流れに反することではないのか、など。
無理やり怪しげな方法で連れ出されたエルフを帰してあげたいだけ。
俺たちがブルームウィッチを止めて見せる、ということを約束することで説得したい。


悠々・優
「この森を進むのは大変そうですねぇ~。私は少しズルしちゃいましょうかぁ~。」

パラドクスの【飛翔】を用いて、森の上空から奥を目指そうと思います。
同行者がいる場合は、その方々と離れすぎないように、位置を確認しながら飛行したいです。上と下、それぞれの視点から新しい発見があるかもしれませんから。

何か森に変化があれば、逐一降りて確認したいです。特に何かを隠そうとする動きは見逃せません。

エルフ。妖精郷の住人たち。
話を聞く限り、植物になること自体は自然のあり方らしい。
それだけならば、不思議な種族だなってだけで終わるけれども。
けれど、それが今である必要が無いと言うのなら、
「お節介とぉ、いきましょうかぁ~」


 このままでは植物の説得も、枝の迷宮も、道が断たれる。
 焦って語気を強めようとした静梨を、レオネオレ・カルメラルメルカ(陰竜・g03846)が、そっと制した。
 重なっていく枝にも声をかける。
「待ってくだせぇ。植物のダンナに姉サンたち」
 男と女のどっちかしかいない、ってことはあるまい。奇妙な言い回しに、知恵ある植物たちの動きが止まった。
「あっしにはよう分かりやす。下のモンはとかく軽んじられ、せっかく御注進に及んでも、なかなか通りやせん」
「何者なの?」
 レオネオレの十八番が出た。
「イヒヒヒ。あっしはしがないウィザードでさぁ……」
「ブルームウィッチには逆らえないって、分かってるのよね?」
 念押しをする枝の声に、どこか頼るような雰囲気が混じっている。
「もちろん。けど、あっしらがエルフの助けになるってのも、ご理解いただいてんでしょ?」
「……」
 この沈黙は、さっきまでの拒絶ではない。
 後ろでやりとりを観察していた時惣・継(半影蝕・g04161)は、ようやく場に慣れてきた。
(「植物が意思を持って迷わせるかあ……。話には聞いていたけれどファンタジーな世界だね、本当に」)
 ましてや、対話が出来るのである。
「よし、頭を切り替えて頑張ろう。……さっき、言いかけていましたけど、それならエルフの一生ってどういうものなのですか?」
 木々から聞こえてくる声音が変わった。『別の人』が答えたのだろう。
「集落の中でのことはよく知らん。だが、人間のほうと違い、エルフには死期を悟ることができて、自分から森の奥へとやって来よる」
 ディアボロス側からも、悠々・優(紺碧の大翼・g05177)が話に加わった。
「植物になること自体ぃ、自然のあり方なんでしょお?」
「さよう。その証に、エルフたちが植物と一体化するときは、幸せそうで安らかなのだ。木のワシから見てもな」
 しなる枝に、うんうんと頷いているのだと感じられる。
 優もレオネオレも、同意を表して首を縦に振った。
 継は、訴えかける。
「なら、現状でブルームウィッチが行っていることは自然の流れに反することではありませんか。無理やり怪しげな方法で連れ出されたエルフは、幸せで安らかそうなのですか?」
「いや、それが、見るにたえなくてのう……」
「やっぱりぃ、植物化が今である必要が無いならぁ、私たちがお節介しましょお~」
 天使は、体の倍はあるかという、大翼を広げてみせる。
 とはいえ、森の上空から奥を目指すのは、さっき試して上手くいかなかった。やはり、知恵ある植物たちの了承が必要なのだ。
 すると、最初にしゃべった枝が応えてくれる。
「……決めた。このウィザードたちに、エルフたちを連れ出してもらおうよ」
「信じてくださいましたのね」
 静梨は、リスに果実の残りを与えると、集落寄りの樹に返してやる。
 ディアボロスたちの前で、枝の重なりが緩まっていく。
「いきましょうかぁ~」
「ああ、行こう」
「急ぎやしょう」
 走りの速さだけでなく、ジャンプを使っても移動できると知ると、植物たちはトンネル状に枝を組み合わせる。おそらく、最短ルートに向かって。
 それを潜り抜けた先では、8体のヴァインビーストが咆哮をあげていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【壁歩き】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!

空城・優人
アレンジ、共闘可

植物化エルフの所は探索方向へ直進、
道々の植物の妨害は他の仲間が話をつけてくれてるだろうが【エアライド】で最短経路で急いで向かう

植物化したエルフたちは防戦しつつぶん殴る前に対話を試みる
「おい!お前、村ンとこのエルフだろ!?起きろ!」
とにかくしつこくしつこく大声で呼びかける
村で得た攫われたエルフの名前、
村に居た攫われたエルフを心配していたエルフの名前、
みんな泣いて心配していることなど、
相手の琴線に触れそうな言葉を投げつける
再三呼びかけて話が通じないなら気付けでビンタ
目が覚めた奴は電磁発勁で戻す

…粘っても手を尽くしても戻らねえ手遅れの奴は仕方ねえ
村人にも見せられねえし俺が始末をつける


時惣・継
見た目が人とかけ離れているけれど、元はエルフだったんだよね。
村に戻って笑顔で報告するためにも、正気を取り戻して貰わないと。

クロノヴェーダ化が定着しないように声をかけ続けて、意識が戻るまでは可能な限り直接的な攻撃は控える。
木の陰とかに隠れつつ閃光手榴弾や煙幕手榴弾を放って、言葉をかけるための時間稼ぎをする。
俺みたいな子供のボキャブラリーじゃそんな気の利いた台詞は思いつかないけれど。
村の人達は心から心配している、様子がおかしく見えたあなた達を引き止めなかったことを悔やんでいる、あなた達の日常を取り戻すためにどうか心を強く持って欲しいと伝える。
時間と仲間の負傷が許す限り、彼らへの説得は止めないよ。


 エアライドのジャンプから下草へと着地した 空城・優人(迅雷・g04393)は、自分たちが円形の檻のような地形にいると気付いた。
 鉄格子の代わりに、おそらくは知恵ある植物であろう、枝が取り巻いている。
「猛獣を捕まえとくとこってワケか?」
 8体が、ディアボロスたちに気付いた。
 時惣・継(半影蝕・g04161)は、息をのむ。
「見た目が人とかけ離れているけれど、元はエルフだったんだよね……」
 四つ足の身体の大半は、ツタで構成されていた。口腔と思われる部位の中に、雑に削って尖らせたような木の枝が生えている。
 それは、ヴァインビーストの牙だ。
 慎重な足運びから一転、飛び掛かってきた。動物的で、知性は感じられない。
「正気を取り戻して貰わないと」
 継が、仲間に目配せすると、それぞれが対話を始める。
 迷宮のような森の深部にエルフを探してやってきた。ギリギリのところまで、攻撃を控えて、声を掛けなければ。
 優人は、なかば怒鳴っている。
「おい! お前、村ンとこのエルフだろ!? 起きろ! おい!」
 集落で聞いた8人の名を順番にあげていった。男女が半々のはずだが、もはやその区別も、どれが誰なのかも分からない。
 相手の牙が、かすめようとも続ける。
 中学生のボキャブラリーに、継は自分でも辟易しながら、思いつくかぎりの話をした。
「村の人たちは心から心配していました。様子がおかしく見えたあなたたちを引き止めなかったことを悔やんでもいましたよ!」
 危うく、噛み付かれるところだ。
「……くっ! あなたたちの、日常を取り戻すために、どうか心を強く持ってください」
「日常? ……まてよ」
 優人は牙から逃れながら、自分のジャケットを探る。
 ポケットに、果実が入っていた。
 それを掴み出し、咆哮する獣の鼻先に突きつけて。
「ほら、約束してたんだろ。保存の作業を、みんなでするはずだったじゃないか!」
「ウガァァァッ! ……ガ、ガ」
 1体の動きが止まった。
 それに合わせて、残りのヴァインビーストも、果実ののった手に寄ってくる。
「や、やくそく」
「わ、わたし、カゴを、どうしたかしら……」
「あれ、僕はどうしてもう、植物になってんだ?」
 エルフたちの意識が戻ってくる。
「すぐに元の身体にします、じっとしてて!」
 しかし、継が銃を構えると、敵意を感じて獣の部分が、また暴れ出す。
「継っ! みんなっ、エルフの意識は戻ってンだ。構わずに倒せ! インパクト……! ヴォルトッ!!」
「魔弾の射手・四手(ディア・フライシュッツ・フィーア)……!」
 掌打寸勁にグレネード、各種のパラドクスが飛び交い、トループスとしての獣は、次々と森の檻に伏した。
 ツタがほどけていき、人型の身体が見えてくる。
「ふう……。村に戻って笑顔で報告できそうです」
 継は、そう言いつつ、檻にもう1体の植物クロノヴェーダが入って来たことを察していた。
 つる草や花びらに覆われていても、ブルームウィッチの怒りの形相もわかった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】がLV2になった!
【完全視界】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

緋室・エマ
人間の破軍拳士×バウンサー、24歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)」、敵には「攻撃的(私、お前、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

元ボディーガードのため、自由に得物を選べない環境下でも人を護れるよう、自身の体力・体術と周囲の環境を活かして事態を打開する術に長けています。
また、クロノヴェーダから人々を護るためなら、どんな労力も惜しみません。

パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
もっとも、他のディアボロスに迷惑をかける行為、公序良俗に反する行動は行いません。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


レオネオレ・カルメラルメルカ
『イヒヒヒ。あっしはしがないウィザードでさぁ…。』
 
一人称は「あっし」
二人称は年上・同年代「(名前)のダンナ(姐サン)」
年下「(名前)の坊っちゃん(お嬢ちゃん)」

 他者との連携やアドリブOKです。
言動は三下ですが演技であり、相手を油断させてからの攻撃が好きです。
演技が通じないとなると粗暴になり、一人称も「オレ」になります。

パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


九十九・静梨
先では少し逸ってしまいましたわね…首魁との戦いにて少しでも挽回しましょう!

肉体変異で筋肉隆起姿に変身(◆肉体改造)

遠距離戦では不利
ならば筋肉での接近戦にて押し通りますわ
とはいえ敵の弓捌きも見事なモノ
簡単には近づけませんわね

ならば◆呼吸法で空気を吸い
獣神魔衣で強化した咆哮の◆大声を◆衝撃波として発射
敵の弾幕を一時的にでも◆粉砕し
その隙に【飛翔】で一気に◆突撃接近

パラドクス発動
例え蔦や植物で硬く防御をしても無意味ですわ
我が筋肉から闘気を放つ発勁の◆強打は如何なる防御も貫通し内部を◆破壊しますわ

エルフの方々を利用しようとした貴方を赦しはしませんことよ


 謎の植物クロノヴェーダは命令した。ディアボロスとエルフたちを取り囲む、枝の檻に向かって。
「お前たち! そのエルフはもう用済みだ。邪魔ものたちと一緒に捕らえてしまえ」
 枝は、ガサガサと動きだし、内側の虜をさらに拘束しようとする。
 緋室・エマ(人間の破軍拳士・g03191)は、エルフらを背に庇った。
「私は、元ボディーガードなの。どんなことからも、あなたたちを護るわよ」
 仲間たちも倣った。九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)は、肉体変異のための呼吸法を行いながら。ブルームウィッチはさらに苛立たし気に。
「早くしろ! 私の毒花粉さえ嗅がせれば、死ぬまでに少しの時間しかかからぬ!」
 アヴァタール級の身体につぼみが増え、開花しようとしている。
「イヒヒヒ。人使い、いえ枝使いの荒い姐サンさねぇ」
 レオネオレ・カルメラルメルカ(陰竜・g03846)は、笑ってみせた。そして、自分を縛めようとする枝にも語りかける。
「あっしも三下っすから、ダンナがたの苦労は判るってもんでさぁ。けど、いいんですかい? エルフを一体化させるどころか、殺しちまっても」
 巻きつきかけた1本が止まる。
 女主人は、レオネオレにも怒鳴った。
「やめろ、余計なことを喋るんじゃない!」
「あっしは……いや、オレは」
 口調が変わった。
「怒ってるんだ。てめえを枯れさせなきゃ静まらないくらいにな!」
 掌からのライトニングビームが、ブルームウィッチを撃ち抜いた。
「ああッ!」
 標的は花びらを散らせて仰け反る。
 それを、どう見たのか。檻の枝たちから、囁きが広がりだした。
「そうだ。我々も怒っている」
「殺すなんてひどい」
 さらに、聞き覚えのある声が。
「エルフを助けるの。この人間たちに味方して!」
 迷宮の森の入り口で、最初に話かけてきた知恵ある植物だ。
「遅くなっちゃった。みんなを説得するの大変で……」
 静梨の耳にも囁きが届く。
「わたくしも、先ほどは逸ってしまいましたわね……」
 檻の枝たちは戒めを解いている。
「首魁との戦いにて少しでも挽回しましょう!」
 『闘筋技・静謐なりし発勁(スピリットアーツ・サイレントハッケイ)』で、筋肉隆起姿に変身した。
 咆哮をあげて突撃する。ブルームウィッチは、深緑の魔弓から魔力弾をバラ撒いてくる。
 エマが咄嗟に、檻の枝たちと気持ちを合わせた。
「格子をエルフたちの前につくれないかしら。鬱陶しいくらいに重なって!」
「よしきた」
「こんぐらいかなあ」
 元よりエマは、周囲にある物を活かして事態を打開する経験を積んできている。それが環境のほうから協力してくれるのだ。
 防げぬ攻撃はない。
 緑の光弾のうち、静梨に放たれたぶんは、咆哮ではじく。
「はああああっ! ……我が筋肉から放つ発勁の強打は、如何なる防御も貫通し内部を破壊しますわ!」
 宣言どおり、ブルームウィッチが纏うツタを抜け、本体らしきものを打った感触が、掌にある。
「エルフの方々を利用しようとした貴方を赦しはしませんことよ」
 静梨が、さらに拳を突きつけると、クロノヴェーダの身体はざわめきだした。
 森の暗部を体現するがごとく、禍々しく。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

空城・優人
アレンジ、共闘歓迎。

エルフたちは隅へ
壁がまだ敵の意のままに動くだろうから壁に近寄りすぎないよう指示

…うし、来たな。元凶が
逃がさねえぞ。此処できっちり仕留めてやる
(ばしっと手を打ち鳴らして気合入れつつ敵を睨みつける)

コイツは此処でしとめる。共闘できる人間がいるのなら共闘を選択
共闘者と連携し、近接戦闘で戦う
基本は雷撃の籠った拳で、肘で、蹴打で敵を削っていく
毒はやせ我慢とメンツと意地と言う名の無視で
こっちは頭に来てンだ。そんな小細工で止まってたまるか!

こっちの限界が近い、または相手が弱って隙を見せたら
パラドクスの使用。【フォールライトニング】で上空から雷を纏って蹴りつける。
「ブッ潰れろぉぉぉぁッ!」


時惣・継
何だかすごい華やか…?な、見た目の相手だね…。
人間型の敵は戦うの余計に怖いけれど、精神集中して頑張ろう。

ここは危ないしエルフには声をかけて、森の動物たちには【動物の友】を使って避難してもらうよ。

基本的には仲間の援護を行い、致命傷になりそうな仲間のディフェンス。
戦闘知識を総動員して戦場の情報収集を具に行い、敵の行動や戦場の状況を観察して仲間のフォローと援護を確実にこなす。
ブルームカースは【飛翔】や【エアライド】で強引に回避する。
放出である以上、完全に避けるのは無理かもしれないけれど、被害は最小限に抑えたいからね。
機会があれば木の陰や【飛翔】【エアライド】からの不意打ちで、接近し、急所を射ち抜く。


悠々・優
「エルフさん達もぉ、開放できた事ですしぃ。それでははりきってぇ~」
「戦闘ヲ開始シマス」

戦闘は【飛翔】を用いて空中から接近。
爆撃槌を手にパラドクスを発動させながら、強襲からの一撃離脱を主に戦います。

緑の弾丸は翼を羽ばたき、『爆弾』の性質を持った羽根を撒いて炸裂させることで防御とします。それでも抜けてくるものは気合で避けたり耐えたりしましょう。

どんな理由があろうとも、私達の知ったことではない。
私はただ、膨れ上がり続ける魂の衝動をぶつけるだけ。
人を食い物にするクロノヴェーダ。こんな危険な方法しか出来ない私。その全てを含めた衝動。
お前相手になら遠慮はない。

「…戦闘終了。お疲れさまでしたぁ~。」


「ググゥ、ズゥオオゥ……!」
 ブルームウィッチは奇妙な唸りをあげ、身体各部に花をつけていく。そんな状態でも人間型を保っているクロノヴェーダに、時惣・継(半影蝕・g04161)は、委縮した声をもらす。
「何だかすごい華やか? ……な、見た目の相手だね」
 いまいちど、精神集中を取り戻し、周囲の森にむかって願い事を言った。
「ここは危ないし、エルフたちを避難させて欲しいんだ!」
 木々の間にこだまする。
 ややあって、返事がきた。葉の陰や、樹木の洞から、小さきものの集団の。
「キュキュキュッ♪」
 リスがつたう枝も、味方となった知恵ある植物だ。
 小動物には人を運べる大きさがないし、枝ではリスのような器用さはない。両者を、継が協力させて、トループスから分離したばかりのエルフを連れ出してもらう。
 動く枝が行ってしまうと、森の茂みは薄くなってきた。
 空城・優人(迅雷・g04393)は、眩しさを感じて顔を上げる。
「うまいぞ。壁も天井も抜けて青空が見えるぜ。牢屋みてぇで息苦しかったンだ!」
 風通しが良くなり、禍々しき花粉もあらぬ方向に流れて行った。
 なおも唸るブルームウィッチを、優人はばしっと手を打ち鳴らして睨みつける。
「……うし、てめえは逃がさねえぞ。此処できっちり仕留めてやる」
 手のひらから拳をはなすと、電気がバリバリに帯びている。
 近接攻撃で殴りかかるあいだ、空には悠々・優(紺碧の大翼・g05177)が飛び上がっていた。
「エルフさん達もぉ、開放できた事ですしぃ。それでははりきってぇ~……戦闘ヲ続行シマス」
 無慈悲な狂戦士と化すことで、内で膨れる衝動を破壊力に変える。
 人を食い物にするクロノヴェーダ。こんな危険な方法しか出来ない自分。その全てを含めた衝動だ。
 急降下からのデストロイスマッシュで、爆撃槌を叩きつける。
「グゥゴワァ!」
 ブルームウィッチこそ、獣のような声で苦しむ。
 槌に仕掛けた爆薬は、アヴァタール級を覆うつる草を焼き、葉を焦がす。
 優には、やっと広いお空、飛べる機会が巡ってきたのだ。遠慮する理由はない。
 いつの間にか継と優人も、爆撃と入れ替わりに敵の頭上に飛んでいる。
 先に継が、落下しながら拳銃の引き金をひいた。アサシネイトキリングは、どんな時にも気配を察知させず、正確に撃ち抜く。
 咲いた毒花が、弾丸に散る。
 花弁にまた、影がさした。
 晴天のはずが黒雲に覆われていく。
 『術式:降雷疾駆(フォールライトニング)』で、優人が呼び寄せたのだ。その蹴りに、雷を纏うために。
「ブッ潰れろぉぉぉぁッ!」
 蹴るというより、落雷そのものだ。
 植物クロノヴェーダ、ブルームウィッチは打たれ、焦げ臭い匂いをさせながら、最期はものも言わずに倒れた。
 同じく煙をあげながら、優人も倒れ伏す。
 自明である。毒花粉のダメージを、やせ我慢とメンツと意地と言う名の無視で凌ぎ、敵めがけて落っこちたのだから。
 仲間が駆け寄った。とりあえず命に別状はない。
「戦闘ヲ終了シマス……」
 着陸した優は、辺りを見回す。
「お疲れさまでしたぁ~って、なんで優人くん寝てるのぉ~?」
 おっとりとした調子で伸びをし、下草に並んで寝っ転がってしまいそうだ。
 アルスーリアたちディアボロスは、優人を担ぎあげ、エルフたちの無事も確認するべく、集落に戻ることにした。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【落下耐性】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2021年10月04日