麗しく浅ましき(作者 Oh-No)
#吸血ロマノフ王朝
#【《七曜の戦》ヴォトキンスク防衛】カーミラ軍強襲
#《七曜の戦》
#人類史防衛戦『ヴォトキンスク』
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「愛しい愛しい死妖姫様は、この私を大領主にしてくれるとおっしゃいました。死妖姫様の傍を離れるのは、この身を引き裂かれる程に辛い事。けれど私が大領主となる事で死妖姫様のお役に立てるのならば、否やはありません」
かしずく配下の私兵たちの前で、血と牙の少女幻想・カーミラは滔々と語った。あらぬ方を見つめ、自らの言葉に酔い、感極まって頬を染める。
「ヴォトキンスクの大領主となれば、どんな事でも思いのままでしょう。周辺の都市から美少女を集めて、血のハーレムを作りましょう。そして選りすぐりの美少女を、死妖姫様に捧げるのです」
恋する乙女の顔で邪悪を吐露して、カーミラは配下を見やった。
「美少女以外の女や男は、どうせ廃棄するのです。お前達にも存分に使わせてあげますから、楽しみにしていなさい」
その言葉を聞いた私兵たちに、ざわめきが走る。大領地で好き勝手に振る舞えるというのだから、無理もない。
「さあ、行きなさい。早々にヴォトキンスクを制圧し、私を迎え入れるのですよ」
「はい、必ずや使命を果たしてまいりましょう」
身命を賭して主に仕えるノーブルメイドたちですら、少々色めき立って、深々と頭を下げたのだった。
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「《七曜の戦》が始まるわね」
ルフィナ・スローヴィン(暁闇・g07231)が、皆を見渡して静かに話を切り出した。
「この戦いがどのような結末を迎えるか。それはディアボロスにとって、引いては最終人類史にとって、先の流れを決定づける大きな分岐点となるでしょう。
今、《七曜の戦》をいかに戦うべきか、相談や投票が行われているわ。けれど、歴史の奪還戦だけが《七曜の戦》ではないでしょう。私たちディアボロスがすでに奪還、あるいは制圧した地域を狙い、侵攻する敵もまたいるのだから」
そう、今回の作戦は敵の侵攻に対して、先んじて行われれるものである。
「皆さんには、ディアボロスが解放した吸血ロマノフ王朝の大領地の一つ、ヴォトキンスクの防衛を担っていただきます。ヴォトキンスクは解放した大領地の中でも最も人口が多く、戦略的な価値がある。それ故に、エルミタージュ美術館を支配する『死妖姫カーミラ』が、自勢力のジェネラル級が率いる私兵集団をヴォトキンスクへと差し向けようとしているの。この軍勢を強襲し、侵攻を阻止してください」
この作戦で狙うのは、その中のノーブルメイドからなる一隊だ。開けた平原に集結しているところを攻撃、十分に打撃を与えたところで撤退することになる。
「『死妖姫カーミラ』は、大領主とも交流があった事でヴォトキンスクの解放を知ることができたようね。しかしカーミラは、吸血ロマノフ王朝全体に情報を知らしめるのではなく、恋人の一人である『血と牙の少女幻想・カーミラ』を送り込んで大領主の地位を奪おうとしている。誰が大領主になろうとも住民から見れば災厄でしかありませんが、この行動はつけ込む隙にもなり得るでしょう。そんな作戦につなげるためにも、まずは今回の作戦を成功させましょう。皆さん、よろしくお願いしますね」
リプレイ
ラプス・ルナーリア
奪還した地を狙うのを黙って見過ごすわけにはいきませんね
どうせなら、偵察部隊を狙う方の手助けに
高地にいる敵を少しでも搔き乱しておきましょうか
【使い魔使役】で偵察部隊との距離が十分あるのを確認してから
高地の本隊を全力魔法】【高速詠唱】の【ホワイトミュート】で強襲
申し訳ありませんが、しばらくの間はそこから動かないでくださいね?
この数の敵を相手に時間をかけるのは危険なので
ある程度混乱を起こした時点で、早々に退きましょうか
レナータ・ペトリェンコ
【寒凪】
まるで野良犬ですね
目の前に餌をぶら下げられてだらしなく開いた口に
確証も無いのに、自分だけは街に辿り着いて好き勝手できると信じている目……丸分かりですよ
とは言え、ヒトの味を覚えた獣は駆除しなければなりません
自ら来たことは褒めてあげましょう
心配せずとも、駆除した後に貴女方の主人も送って差し上げます
雪香と共にゆっくり歩き進みながら、まずは身振り手振り交えた叙情豊かな[演説]で相手を煽りこちらに注意を向けさせます
その間に雪香が敵の後列を攻撃して分断したところを、私が指揮するように手を振り上げて『鋼鉄の楽団』を発動し前列を一掃しましょう
十分に打撃を与えられたなら最後に一礼し、2人一緒に帰還します
佐伯・雪香
【寒凪】
……来たね
ヴォトキンスクはこのまま正しい歴史に返すよ
いずれはこの大地全てもね
それでも欲しいと言うのなら……
主人の下へは決して帰さない。 ボク達から奪ったその血肉も返して貰う
ナータと一緒に堂々と歩いて戦列に近づいて行こう
敵がナータの挑発に乗って突出して来たら、ボクは[ソニックブーツ]の機動力と[天魔融装]による身体能力を駆使して、本隊から間延びした後列を狩りに回る
[大いなる双鍵]から貯蔵魔力を引き出し、[天環の加護]で[氷雪使い]となり、凍結を付与した【咲き誇る蒼天】で敵後列を凍て付かせることで前列を分断
ナータが前列を刈り取ってるのを横目に[一撃離脱]
後を次に託して2人で悠々と帰還しよう
クロノヴェーダたちが陣地を構えた高地の上を、鳥がゆったりと旋回している。
ラプス・ルナーリア(月の揺り籠・g10139)は使い魔にした鳥の視界を借りて、敵陣営の様子を見下ろしていた。先ほど本隊から離れていった少人数の部隊は、本隊を中心とした孤を描いて動き、周囲の偵察をしているようだ。
あの偵察部隊の撃破を目標として動いている仲間たちもいる。
(「高地にいる敵を少しでも掻き乱しておきましょうか」)
ラプスは牽制も兼ねて、偵察部隊が十分に離れたところを狙い強襲を仕掛けることにした。
敵の拠点に身をひそめて接近し、視認できた相手を杖の先端で指し示す。
「凍てつき眠りなさい……」
詠唱に応じて生じた幾つもの氷片が敵陣の末端に降り注ぎ、次第に嵐となって高地の一角を白く染める。
「申し訳ありませんが、しばらくの間はそこから動かないでくださいね?」
そう言い放ったラプスに帰ってきたのは、複数の殺意だった。鋭い殺意に刺し貫かれ、ラプスは思わず身を固くする。
だがラプスの一撃を奇貨として、ラプスが身を潜める場所からやや離れた位置に、レナータ・ペトリェンコ(“Кпык”(クルィーク)・g01229)、佐伯・雪香(天魔の翼・g01694)の2人が堂々と戦場に身を晒した。
「まるで野良犬ですね」
レナータは雪香を連れてゆっくりと歩みを進めながら、唐突に語り始める。
「ぶら下がった餌を前にだらしなく開いた口、街で好き勝手できると信じている目……辿り着く確証もないのに」
上から見下ろしているだろう敵兵たちの視線を意識して、大きな身振りとともに相手を煽っていく。
「欲望が丸分かりですよ。そんなヒトの味を覚えた獣がどうなるかご存知でしょう? 駆除されるんです」
首を掻っ切る手振りを、嘲りの視線と共に送った。
「自ら来たことは褒めてあげましょう。心配せずとも、いずれ貴方がたの主人にも後を追わせて差し上げます」
ノーブルメイドたちからの応答は、いっそう膨れ上がった殺意に彩られた、鞭による幾重もの苛烈な打撃によってなされた。
飛び出してきたノーブルメイドたちが打ち放つ鞭の先端が渦を巻き、たちどころに起こった焔がディアボロスたちの身を灼かんと迫る。
(「……来たね」)
纏わりつく炎に耐えながら、雪香は大地を蹴ってレナータの横を飛び出した。正面から攻め寄せるノーブルメイドたちの側面を迂回して回り込まんと、足元のソニックブーツから大気を噴出して加速する。
端にいるメイドが、雪香の姿を追って振り向きかけていた。
(「ヴォトキンスクは、このまま正しい歴史に返すよ。いずれはこの凍りついた大地の全てをもね」)
彼女たちこそが、主の命令に忠実な侵略者。ここから追い出す敵にほかならない。
(「それでも大領地が欲しいと言うのなら……、主人の元へは決して返さない。ボク達から奪ったその血肉も返して貰う」)
雪香は手にした魔導書から魔力を引き出し、オラトリオのシエルを召喚する。
「行くよ、シエル」
束の間に己とシエルとの間で循環させた魔力を空いた手のひらに集め、ノーブルメイドたちに向けて放った。
迸った魔力は、攻撃を仕掛けてきたノーブルメイドたちを斜め後方から薙いで、無数の蒼い花弁となって散っていく。
そのときレナータは、すっと伸ばした指先を指揮を執るように振り上げたところだった。
レナータの左右には、虚空より現れ出た数多の銃火器がずらっと整列し、宙に浮かんでいる。それらの銃火器が、指揮者から下された合図によって一斉に火を吹き、けたたましい楽曲を奏ではじめたのだ。
「さあ、眠りなさい」
何の情緒もなく浴びせられる弾丸の嵐と、散りゆく蒼い花弁とに挟まれたノーブルメイドたちは倒れ伏していった。
だが、敵の後続はすぐに来るだろう。このままでは物量に押し流される未来が明確に見えている。
レナータは高地に構えている敵に向けて優雅に一礼し、傍まで戻ってきた雪香とともに戦場を後にする。
ラプスも再度、幾つもの氷片を敵陣に向けて放ち牽制として、即座の撤退を決断、草木に紛れて敵影から急ぎ離れるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
奪還した地を護り切る、非常に重要な任務です。
しかし、無茶をしてこちらの戦力を減らすわけにも行きませんからね。
今の自分に出来る事をやりましょうか…。
地面カラーを模したギリーマントを装着して隠密し
『Boeotia』を起動して、その超視界により【観察】を行い【情報収集】
敵の偵察部隊を待ちます。
敵の一団を確認したら機械魔導弓『ACRO』にフォトンエネルギーの灯火を番えて引き絞り
敵の急所を貫く電撃戦の一矢を放ちます。
敵が倒れたら引き続き攻撃を行い次々と敵を倒していきましょう。
反撃には魔術の矢での相殺を狙いつつ
『アクロヴァレリア』の推進力による【一撃離脱】で回避
機を見て撤退します。
レイラ・イグラーナ
この地を大領主「チャイコフスキー」より解放したのももう1年近く前のこと。
人民の皆様へ齎された平穏を、また失わせるわけには参りません……カーミラの嗜好や性質を思えばなおのことです。
【光学迷彩】を使用。雪色のコートの雪中迷彩でロマノフの景色に隠れ、他の方と共に本隊より偵察部隊が分かれるのを待ちます。
偵察部隊が出てきたら本隊よりある程度離れるまでは手を出さずにおき、ある程度離れたところで仕掛けます。
他の方の強襲に合わせて静かに死角より近づき【手製奉仕・匿】。急所を狙い、無駄なく確実に、一人ずつ仕留めましょう。
偵察部隊を仕留めたなら今はこれまでです。
大部隊が出てくる前に一旦退きましょう。
カルメン・リコリスラディアタ
アドリブOK
男女問わず呼称:(名前)ちゃん
平穏を取り戻した街をまた制圧なんてさせねぇぜ。
信仰なんてさせねーしてめーらの企てなんてぶっ潰してやるからな!
それに見た目も嗜好も違えどもあのカーミラはかつての大嫌いな主みたいで余計にムカつくぜ。
残留効果は使えるものは使う。
もし可能なら【光学迷彩】を借りて物陰や雪に隠れて
偵察部隊が来るのを待ちある程度本隊から離れたら襲撃するぜ。
反撃を氷襲花の護りの魔力の盾で防御しながらも
『冥土ノ料理宴術』で鞭を血の魔力の包丁で切ってから敵のメイド共をフランベみたいに焼き尽くしてやんよ。
偵察部隊を倒せたらキリがいいからさっさと撤退するぞ。
後背に広がるヴォトキンスクの市街地を後にして、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)たちはクロノヴェーダたちの偵察部隊を待ち受けるべく、自然の中に潜んでいた。
大領地ヴォトキンスクが、ジェネラル級ヴァンパイアノーブル『ピョートル・チャイコフスキー』から解放されて、かれこれ1年が経つ。
(「人民の皆様にもたらされた平穏を、再び失わせるわけには参りません。……カーミラの嗜好や性質を思えば、なおのことです」)
レイラは雪中迷彩に向いたコートと【光学迷彩】とで雪に閉ざされたロマノフの景色に紛れながら、道中で見かけた人々の平和な暮らしを思い返した。『人民のための革命』を標榜するレイラとしては、解放された人々が戦いの過程で再び苦しむことになるなど許容できることではない。
レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)も同様に、人々を守ることに強い信念を抱いている。
(「これは奪還した地を護り切る、非常に重要な任務です」)
だが、《七曜の戦》を間近に控えている以上、無理は避けたいのも実情だった。
(「こちらの戦力を不用意に減らすわけには行きませんからね。今の自分に出来ることをやりましょうか……」)
レイはゴーグル型デバイスに映し出された景色から片時も目を離さずに、ギリーマントに身を包んで敵を待つ。
しばらく身を潜めているうちに、近づいてくる偵察部隊を発見した。
確実に仕留めるために、さらに近づいてくるまで息を潜めて待っていると――、ちょうどいい距離まで後少しというところで、偵察部隊の本隊が居を構えている高地で動きがあった。
本隊を気にして、偵察部隊の足も止まったようだ。
(「ちっと距離はあるが、好機だよな?」)
地面に伏せて雪にまみれていたカルメン・リコリスラディアタ(彼岸花の女・g08648)は、とっさに身を起こした。
すぐ近くに潜んでいる仲間たちに目を向けると、レイは機械魔導弓に矢を番えているところだったし、レイラも雪中迷彩を解いて動く準備が出来ている。
3人は目配せをし、一斉に動き出した。カルメンとレイラが静かに距離を詰めたところへ、レイが狙い放った一矢が開戦を告げる嚆矢となった。
対応を協議しているのか、何事か言葉を交わしていたノーブルメイドの背に魔術の矢が突き刺さり、一撃で命を穿つ。
とっさに振り返ったノーブルメイドたちが目にしたのは、血の魔力で編まれた包丁を振り翳したカルメンの姿だ。
「せっかく平穏を取り戻した街なんだ。また制圧なんてさせねぇぜ。侵攻なんてさせねーし、テメーらの企てなんてぶっ潰してやるからな!」
吠え立てながら血の包丁を振り回し、メイドたちを斬り裂いた。
(「それに……見た目も嗜好も違うにしろ、あのカーミラって奴はアイツみたいで余計にムカつくぜ」)
ノーブルメイドを束ねるカーミラに、自らがかつて仕えていた大嫌いな主の姿を重ね、その鬱憤を晴らすかのように派手に暴れまわる。
一方、接近戦を挑んだうちのもう一人であるレイラは、派手な立ち居振る舞いのカルメンの影に隠れて、静かに死角からノーブルメイドの急所を狙う。狙いは偵察部隊を全滅させることなのだから、無駄なく確実に、一人づつ仕留めていけばいいのだ。
今また一人の首筋に長い針を突き立てて、静かに暗がりへと姿を消した。
先制の一撃を放ったあと、レイは身を潜めていた場所を抜け出して、動き回りながら攻撃を重ねていた。
ノーブルメイドたちは赤い鞭を振るい、レイの身体を捕らえようとするが、レイはフライトデバイスの大推力で加速して、メイドの鞭を振り払う。そして身を捻って自然にはありえない軌道を描く矢を放ち、避けようと試みる敵影をひとり、またひとりと打ち倒していった。
カルメンは展開した魔力の盾で敵の反撃を凌ぎながら、敵中で大立ち回りを演じ続けている。数を減らしたノーブルメイドは、カルメンに鞭を絡みつかせ締め上げようとするが。
「てめーらの邪気をフランベみたいに飛ばしてやるよ!」
カルメンは鞭を血の包丁で切り払い、敵が態勢を崩したところに、フランベというよりも焼き尽くす勢いの火勢を浴びせた。
それでも倒れなかったノーブルメイドだが、気配を殺して背後に現れたレイラにそっと針を突き立てられて、雪の上に崩れ落ちる。
周囲を見れば、それが最後のノーブルメイドだった。
「――今はこれまでですね」
得物を収めながら、彼方の高地に目を向けてレイラが小さくつぶやく。向こうの騒ぎはしばらく前に落ち着いていたようだ。
「そうだな、キリがいいな」
「ええ、撤退しましょう」
カルメンとレイが同意し、3人は追撃を受ける前にと撤退する。
今できることは、十分に果たした。気を緩めるには早くとも、防衛に繋がる確実な成果を得ることは出来たのだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!