リプレイ
赤上・イズル
■アドリブ・連携歓迎
これまでも多くの作戦で大いに役に立ってくれたミル・ウル
これからも必要となる大切な船を破壊させるわけにはいきません
必ずや守り抜きましょう、マリコさん
モーラットのマリコさんに決意を表明しいざ戦いへ
二刀の刀を抜刀しつつ敵の動きを観察しつつ間合いを図る
敵が兄弟で連携してるのに気づいたらこちらも仲間との連携を心がける
互いに背を合わせ背後を守りつつ自身の前方、視覚内の敵の動きに対処
敵がエアライドで宙へジャンプするならばそことばかりに
【飛翔】で一気に急上昇し【不意打ち】による【一撃離脱】の攻撃を仕掛ける
この船を見たのなら生きて帰すわけにはいきません
ここでヤギの皆さんには朽ちて頂きましょう
鳴神・雷羅
※アドリブ、連携歓迎
己の命を顧みず死を覚悟した暗殺部隊…なんともご立派なこって
だがな、死んじまったらお終いよ
だいたいその「命」とやらだって
他の女を無理やり襲ってこさえたんだろ?
そういう欺瞞で自分達を美化する根性が気に入らねえ
死角や煙幕からの攻撃?
そんなのあたいの爆音(デスメタル)の前じゃあ関係ねえ!
魂の叫びは世の欺瞞を糾弾し、【完全視界】は隠れた敵の謀を暴く
耳をつんざく大音量で敵の精神をかき乱し
耐えきれずに姿を見せた敵から1体ずつ仕留めていく
キックやら頭突きやら、強化ギターを振り回して大暴れ
神サマとやらに全てを丸投げして考えることを放棄した奴らが
あたいらに勝てるわけがねえ
そいつを証明してやるぜ
月下部・鐶
派手な散り華を描きたい、なんて
それって自分の絵じゃなくて、えらいひとの描いた絵でしょ?
あたしたちは、ひとりひとりが自分で描くの、勝って取り返すハッピーエンドをね!
あたしの力不足は承知の上、船上に残って敵の動きを観察、偵察!
【パラドクス通信】で他の猟兵のみんなに情報共有しながら、
絵描きの基本は、観察と記憶!がっつり他の猟兵さんに情報共有して、不意打ちや奇策を封じ込めるよ!
数に物を言わせさせずに各個撃破を目指そう!
もちろん、持ち込んだタブレットにすらすらと敵の姿を描くのも忘れずに
怒りの念波をぶつけて、態勢を整えさせないように足止めして、みんなにトドメを刺してもらうよ!
アドリブ、連携、大歓迎!
●序幕
荒野の只中に鎮座するスフィンクス。
その頭頂部に、タブレットを携えたへそ出しスタイルの少女が立っていた。
月下部・鐶(さいつよのお姉ちゃん・g00960)である。
「……あ?」
鐶は声をあげた。
彼方で立ちのぼっている土煙を認めたのだ。いや、認めた時にはもう『彼方』ではなくなっていた。それは猛スピードでスフィンクスに近付いてくる。
「来たよぉーっ!」
と、鐶は大声で伝えた。パラドクス効果によって出現した通信機に向かって。
『おう』
『はい』
『もきゅー!』
通信機から三つの声が返ってくると、鐶は眼下に目をやり、スフィンクスの前にいる返事の主たちを見た。
フレイムパターンのライダースーツを着込んだ鬼人の女――鳴神・雷羅(獄道デスペラード・g02984)。
腰に二刀を帯びたデーモンの少年――赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)
そして、イズルの頭に乗っているモーラット・コミュ。
雷羅とイズルはその場で四分の一回転して、背中合わせになった。雷羅は右側面をスフィンクスに向け、イズルは左側面をスフィンクスに向けた形。
「後方のカバーをお願いできますか?」
「任せときな」
イズルに声をかけられると、雷羅はあごを突き出すようにして答えた。
「後方だけなんてケチなことは言わねえ。前後左右に加えて雲の上から地の底まで全方位の敵をブッ飛ばしてやるぜ」
「頼もしい限りです」
●月下部・鐶(さいつよのお姉ちゃん・g00960)
何列かの横隊を組んだトループス級たちがこっちに向かってくる。一糸乱れぬ整然とした足取り。まるで一体分の素材をコピー・アンド・ペーストして集団に見せかけてるかのよう。
だけど、ミウ・ウルに近付くにつれて、動きに変化が出てきた。真ん中に近いトループスたちから順に速度を落として、半円形になっていく。下にいる面々を取り囲むつもりみたいね。
その『面々』の一人であるところイズル君の声が通信機から聞こえた。
『では……行きますよ、マリコさん!』
イズル君は二本の刀を抜き、地を蹴った。
そして、トループス級たちめがけて突進!
トループス級たちもチキンレースよろしくイズルさんに突進! ……するかと思いきや、斜め上にジャンプした。見えない階段を駆け上るかのように。空中を飛んで(走って?)、相手の死角に回り込むつもりなんだろうね。
でも、イズル君は素早く対応。デーモンの翼をシュパッと展開して、敵と同じ高さまで舞い上がった。勇ましい叫びを発しながら。
『もきゅうーっ!』
もとい。叫んだのはイズル君じゃなくて、モーラット・コミュのマリコさんのほうだった。
デーモンの翼で緋色の軌跡を描いて、イズル君はジャンプ中のトループス級へと一気に迫り――
「九字切流二刀式奥義、緋天!」
――二本の刀で斬りつけた。
トループス級たちの状態はジャンプ中から落下中にチェンジ。斬られたのは一体だけなのに『たち』がつく理由は判るよね? そう、上半身と下半身がお別れして、体が二つになっちゃったの。
『やっぱ、喧嘩の一発目ってのはこれくらい派手でないとな』
と、イズル君の攻撃を評価する雷羅さん。イズル君のほうは見ていないのだけれど(前方から迫りくるトループス級たちを睨みつけてるからね)、おおよそのことは背中で感じ取っているみたい。
●鳴神・雷羅(獄道デスペラード・g02984)
「我らが王のために!」
ヤギ野郎のうちの一匹がレッパクの気合いってのを発しやがった。
正面のヤギ野郎どもを威圧しつつ、あたいはちょいと首をひねって、声が聞こえてきたほうを窺ってみた。レッパクのヤギ野郎の狙いは、ミウ・ウルの頭のてっぺんに陣取ってる鐶らしい。レッパクの手から黒い玉が飛び、地面にぶつかった。途端に煙がもくもくと立ちのぼる。
で、その煙の中から何本ものナイフが飛び出した。
『うわわぁーっ!?』
鐶は慌ててナイフを避けつつ、タブレットに筆を走らせた。お絵かきしてる場合じゃねえだろ! ……なんて怒鳴ったりはしないぜ。あたいは知ってるからな。
あいつがリアライズペインターだってことを。
「……っ!?」
煙の奥から呻き声が聞こえたかと思うと、レッパクがよろよろと姿を現し、ばたりと倒れた。
お絵かきパラドクスが効いたようだ。
イズルのほうもちらっと見てみた。空中戦を続けてる。反転からの急降下でヤギ野郎に迫り、二本のヤットウでバッサリ!
そいつの死体が地面に叩きつけられると同時に、少し離れた場所で別のヤギ野郎も倒れた。鐶がまたもや死を描き出したらしい。
『雷羅さーん! 前から敵が来てるぅーっ!』
絵を描く手を休めることなく、鐶が通信機越しに警告してきた。
「判ってるよ」
あたいは前に向き直った。
そして、ヤギ野郎にパラドクスをぶつけてやった。
歌のパラドクスをな。
●赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)
雷羅さんが歌ってる。
「※※※き黒薔薇※※※る血と死※※※しきクソ※※※裂く※※され蛆わ※※※かばねのう※※※!」
いえ、これはもう『歌』なんて生易しいものじゃありませんね。咆哮の暴風です。物凄いダミ声を出している上に(マイク等を介しているわけでもないのに)音が割れているので、一部の歌詞しか聞き取れません。
そのパワフルというかマッドフルな大音声によって、トループス級がまた一人倒れました。
しかし、こうして次々と仲間が屠られているというのに、他のトループス級たちは怒りも嘆きも恐れも示しません。それどころか――
「好きなだけ斬るがいい。描くがいい。歌うがいい」
「貴様らが激しく抵抗すればするほど、我らも派手に死に花を咲かせられるというものだ」
「だが、死ぬのは我らだけではない。戦いが終わる頃には貴様らも死骸と化し、この奇っ怪な船も残骸と化していることだろう」
「そして、残骸と死骸が散らばった荒野を我らの死に花が美しく飾るのだ」
――色々とほざいています。無表情ではありますが、狂信者特有の自己陶酔に浸っているのは誰の目にも明らかですね。
『ふーん。派手な死に花を描きたいんだー』
と、通信機の向こうで鐶さんが言いました。
『だけど、それって自分たちの絵じゃなくて、『我らが王』とかいう偉い人の描いた絵だよね? そういうのはちょっと理解できないわー。だって、あたしたちディアボロスは一人一人が自分で描くから。クロノヴェーダに勝って取り返すハッピーエンドの絵をね!』
「てめえら、命を張ってる自分に酔っているようだが――」
雷羅さんも(暴力的なダミ声を地声に戻して)トループス級たちに言葉をぶつけました。
「――そもそも、その『命』ってのは人間の女を無理やり襲ってこさえたもんだろうが? そういう欺瞞で自分らを美化する根性が気にいらねえぜ!」
「はあ? 女を襲って、なにが悪いのだ?」
トループス級が問いかけました。無表情だった顔に少しだけ当惑の色が浮かんでいます。雷羅さんの言っていることが本気で理解できていないようですね。
「むしろ、襲われたすべての女たちは感謝すべきだろう。無意味な貞操および無価値な命と引き替えに亜人の兵士を増やし、我らが王に貢献できたのだからな」
「……」
雷羅さんは反論しませんでした。なにを言っても無駄だと悟ったのでしょう。
そして、言葉の代わりに――
「※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※!!」
――咆哮の暴風を再び巻き起こしました。今度のそれは一部どころか全部の歌詞が聞き取れません。
でも、怒りは十二分に伝わってきます。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
クロエ・アルニティコス
ご苦労なことですよね。
どちらかといえば生き汚い方が殺し甲斐はありますが、構いませんよ。
死を覚悟していようと、いるまいと。
どうせ亜人どもは全員殺すんですから。
【テュポーン・アネモネ】を使用。テュポーンを象った怪物を作り出します。
テュポーンの巻き起こす竜巻で、姿を隠す暗殺教団員たちを発煙弾で起こした煙幕や投擲した投げナイフごと巻き上げます。
さて、【エアライド】で空を跳べるのは何度でしたか。避けきれるといいですね。
姿が顕になった敵を、テュポーンの拳で叩き潰します。
死を覚悟している、なんて言えないほどに痛めつけてもよかったのですが。
今はそんなことをしている場合ではありませんからね。
次へ向かいましょう。
タタミ・ヤスマ
此処は、私達の大事な船。壊させは、させないわ。
【オーラ操作】霞光気を広げ、周囲の暗殺教団員の位置【看破】
幻竜気を使って、幻影『戦列歩兵』達を【召喚統率】
自身のライフルと、幻影達のマスケットの【弾幕】で自身や、必要なら仲間のディアボロスを襲う暗殺教団員の動きも抑制するよ。
貴方達には、何も、成させはしない。
【光使い】灼光壁を空に展開、壁を作り、パラドクス「砲兵隊召喚」
灼光壁へ向けて【砲撃】灼光壁を避け、空を駆け、強襲を掛けてくる暗殺教団員を弾道変化で【不意打ち】焼き滅ぼす。
ただ、無為に、死んでいって……。
近付いてきた敵、撃破できそうな敵を優先して攻撃、数を減らす。
ジズ・ユルドゥルム
信仰を拠り所に命を捨てる者、か。
亜人達は、幸いにも信仰心とは縁遠い存在だと思っていたが…
どこにでもいるんだな、そういう連中は。
奴らがどれだけの覚悟をしていようと
ミウ・ウルには…我々の大切な戦友には、指一本触れさせない。
「迅禽脚」を起動、アカシアの槍を構える。
敵に連携の猶予を与えたくない。
強化した機動力で敵の集団に率先して斬り込もう。
敵を一人でも多く殺す覚悟はこちらも同じ。
刺突攻撃で敵を穿ち、穿った死骸を敵へ蹴り飛ばして撹乱。
宙へ跳躍し、空中から光の刃を放って敵を斬り裂く。
敵の反撃は、こちらも【エアライド】で空中を駆けて迎え撃つ。
死角からの強襲は、振り向きざまに蹴撃を喰らわせて対処しよう。
●幕間
鐶の筆が走り、雷羅の歌声が響き、イズルの刀が閃く。
望み通りに死に花を咲かせることなく、無惨に散っていくトループス級たち。
しかし、彼らは退かなかった。そもそも退くことなど許されていないのだが、理由はそれだけではない。
信じているからだ。
たとえ最後の一人になっても、使命を果たすことができる、と。
自分だけは死に花を咲かせられる、と。
そんな虚しき自信(妄信?)を打ち崩すべく、新たなディアボロスたちが戦場に加わった。
「亜人というのは、幸いにも信仰心とは縁遠い存在だと思っていたが……」
累々たる屍を見やり、これから屍となるであろう者たちも見やって、木製の槍を携えた女が呟いた。
リターナーのジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)である。
「どこにでもいるんだな、こういう連中は……」
「本当にご苦労なことですよね」
花の意匠のドレスを纏った妖狐の少女――クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)もまた敵を見回した。穏やかな物言いではあるものの、亜人たちへと向けられた青い瞳には憎悪と侮蔑の念が込められている。
「どちらかというと、生き汚い相手のほうが殺し甲斐があるのですけれど……」
「甲斐のあるなしに、関わらず、このクロノヴェーダたちには、死んでもらうよ」
途切れ途切れに語ったのは、竜の角と翼と尻尾を有したドラゴニアンの少女――タタミ・ヤスマ(幼幻弱視竜・g01941)。少女(まだ十二歳である)と言っても、外見は成人女性のそれだが。
「私たちの、大事な船を、守るために」
翼を大きく広げて、タタミは身構えた。
●クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)
「新手が来たか。しかし、無駄なことよ」
「うむ。どれだけ頭数を増やそうと、劣勢を覆すことはできん」
「我らは誰にも止められぬ」
亜人どもが地を走り、あるいは空を跳ね、こちらに迫ってきますが……笑わせてくれますね。自分たちのほうが圧されているくせに『劣勢を覆すことはできん』とはよく言えたものです。
「どれだけ、頭数を、増やそう、と?」
タタミが敵の言葉を復唱しました。彼女の双眸は長い前髪に隠されていますが、亜人たちに向けられているであろう眼差しに憐憫の情など微塵も込められていないことは察しがつきます。
「じゃあ、試しに、頭数をもっと、増やしてみようかな」
「私は逆に減らしてみよう」
そう言いながら、ジズもまた双眸を隠しました。鳥の頭蓋骨を模した仮面を装着したのです。
「ケレイ、頼む」
彼女が声をかけた相手は、鳥のシルエットをしたエネルギー生命体――ジンです。そのシルエットがぐにゃりと崩れて大きく広がったかと思うと、ジズの両脚を包み込んで収斂しました。なるほど。確かに頭数が減りましたね。一人と一体が合わさることによって。
「いくぞ」
ジズは走り出しました。ジンが宿った脚は、まるで光の脛当てを着けたかのよう。
「おまえたちの覚悟がどれほどのものであろうと、我々の大切な戦友たるミウ・ウルには――」
脛当てから光の粒子を撒き散らして跳躍。
そして、空中にいる亜人たちめがけて、槍を繰り出しました。一突き、二突き、三突き、四突き。
「――指一本触れさせない」
鋭い刺突を受けた亜人たちは次々とのけぞり、血の糸を引いて落ちていきました。
●ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)
着地と同時に私は飛び退った。
槍を受けて地面に落ちたトループス級たち(負傷はしたものの、死んではいない)が素早く体勢を立て直し、反撃を仕掛けてきたからだ。
「船が戦友だと? お笑いぐさだな」
トループス級のうちの一体が、両腕に装着したジャマダハルの刃を突き出してきた。醜悪な俗物(面識はないが、そう断言させてもらおう)たるイスカンダルを『我らが王』などと信奉するほうがお笑いぐさだと思うが……いや、なにも言うまい。
私は敵の刃をなんとか躱した。間髪容れずに他のトループス級たちが繰り出してきた刃も。
そして、反々撃に移ろうとしたが――
「言ったとおり、頭数を、増やしてみたよ」
――タタミのほうが先に動いた。いつの間にやら、彼女の周囲には断頭革命グランダルメでお目にかかりそうな砲兵部隊が展開している。召喚系のパラドクスを使ったのだろう。
「はい、撃って」
部隊に指示を送るタタミの声に何発分かの砲声が重なった。爆音、爆音、爆音。それに続くは、砲弾が風を切る音。しかし、照準が甘かったらしく、どの砲弾も明後日の方向に飛んでいく。
「ふん! どこを狙ってるのだ?」
トループス級が嘲った。無表情のままで。
しかし、半秒後には無表情ではなくなった。驚愕に目を見開いている。
空中のそこかしこに光の障壁が出現し、砲弾を跳ね返して『明後日』の方向を強引に『今日』に変えたからだ。
軌道修正された砲弾群はトループス級たちの傍に着弾し、彼らを爆風で吹き飛ばした。対複数用のパラドクスである故に見た目の派手さに反してダメージはさほど大きくないようだが、息絶えた者が二体ほどいる。そいつらは私の槍を受け、既に傷を負っていたからな。
「これは確かにお笑いぐさですね」
トループス級の死体を一瞥して、クロエが呟いた。
にこりともせずに。
●タタミ・ヤスマ(幼幻弱視竜・g01941)
「先程も言いましたが、生き汚い相手のほうが殺し甲斐があるのですよね」
クロエちゃんが、ゆっくりと、右手を、伸ばした。
「でも、構いません。どのような相手であろうが、それが亜人であれば、皆殺し以外に選択肢はないのですから」
白魚のような、指が蠢き、その先端から、小さななにかが落ちる。
その『なにか』の正体が、植物の種だってことは、すぐに判った。
普通の植物じゃない、ってことも、すぐに判った。
地面に落ちたと思ったら、いきなり芽吹き、ほんの一瞬で急成長し、半人半蛇の怪物を思わせる、形になったから。
死にたがりの、トループス級たちも、さすがに驚いてる、みたい。
一方、クロエちゃんは、落ち着き払って――
「というわけで、たった一つの選択肢を行動に移させてもらいます」
――淡々と、宣言した。
それに応じて、怪植物が、動き出した。猛烈な風を巻き起こして、近くにいた亜人たちをよろけさせ、蔓を素早く伸ばし、拳のような先端部で叩きのめしていく。
「ま、負けてなるものか……」
「ただで死ぬわけにはいかん」
「そう、我らの選択肢もまた一つよ」
攻撃を受けた亜人たちが、発煙弾を投げて、煙で身を隠そうとした。
でも、隠せなかった。
怪植物が、風で煙を、吹き飛ばしたから。
すかさず、ジズちゃんがジャンプ。ジンのケレイくんが宿った脚で、回し蹴りのモーションを披露して、刃のような光を放った。
煙の目くらましを失った、亜人たちに、次々と光が突き刺さっていく。
更に私の砲兵たちが追撃。
「あなたたちには、なにも、成させはしない」
いくつもの砲弾が撃ち出され、光の障壁に跳ね返され、亜人たちめがけて飛んだ。
そして、爆発。
「ただ、無為に、死んでいって……」
●終幕
それから数分後に戦闘は集結した。
ディアボロスの犠牲はなく、ミウ・ウルは健在。『残骸と死骸が散らばった荒野を我らの死に花が美しく飾る』というトループス級たちの予言は当たらなかった。
『死骸が散らばった』の部分だけを除いて。
ただし、彼ら自身の死骸だが。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!