リプレイ
青天井・イカス
アドリブ・連携OK
持ち込ミ残留効果は【水面走行】
日本国内だッテ、今分かッテるだケで天正大戦国に冥海機
今度は朝鮮半島にアルタン・ウルク
一難去るヨリ先に一難が来ヤがルねェ、全ク
ま、俺達ァ、刻遡の事態にケリ着くマでは足止メらンネぇ運命よ
精々、手前等がブッ倒れルか、敵共皆ぶっ倒スかスる迄、走リ続ける他ネェな
カカッ、鶴が舞おウにモ、アンな物騒な連中ガ占拠シてンじゃ、鶴モ大迷惑だワナ
まダ取り還すニは足リねぇガ、ソノ足掛かリ位ェは作リに行こウヤ
神奈川かラ舞鶴迄の長距離移動は慣レたモノ
油断はシないガ、緊張もなク
何時モ通りに肩慣らシシなガラ、敵地へ向かウ
さァて、見えテ来ヤがッタ
そレじャ、始メよウゼ。盛大にナ
白尾・真狐
うおーーー!!海戦だー!!
今回は舞鶴!鶴が舞うって書くとなんか素敵だよねー♪
さてさて、今日も今日とて冥海機ちゃん達には相手して貰うね!
今回は一般人もいるのねぇ
船沈んじゃうと大変だからあんまり来ないでほしいなぁーなんてぼやきつつ
おいっちにーさーんしーと慣れた様子でストレッチして柔軟してー
【水中適応】も用意したし、装備の要素も確認して準備はOK!
仲間との連携やアドリブも歓迎だよ!
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
警戒されているってのは厄介だからとっとと片付けたいところだな
まずはその準備として機械の動作を確認しておこう
【行動】
パラドクスを使用し肉体改造
自分の足を刃の形に改造
水面を刃で滑るようにして移動してみる
イメージはスケートだな
出来るかどうかはやってもないとわからないからな
出来るのなら高速移動が出来るだろし出来なければそのまま走って行動すればいい
今確かめておいて損はないはずだ
必要なら仲間の手伝いもしよう
相手は強敵だから準備はしっかりして心置きなく戦えるようにしておかないとな
弔焼月・咲菜
*アドリブ・連携歓迎
海の魔物は底より来る…か。…まあ、向こうから来ようがこっちから行こうが。いずれにせよまずは体制を整えるとしよう。
【水面適応】を発動させて潜水。妖刀を海水に浸し、周囲の海水を蒸発させて妖刀の温度を確認する。
…今日も今日とて超高温…いつも通り不機嫌か。…刀を海水に晒すなってか?なに、安心しろ。お前は妖刀だから、海水程度じゃ錆びつきもしないだろ?
まあなに、どうせ戦闘になれば嫌でも海水に当たるんだ。今のうちに慣れておけ。それに…美味いかどうかは別にして、今日の飯は新鮮な魚が食えるぞ。
天破星・巴
辻連携歓迎
わらわの居た平安の後の世とはいえ京都の安全を脅かす舞鶴鎮守府攻略の足掛かりにさせて貰うのじゃ。舞鶴がアルタンウルクの防波堤になってくれるならいいのじゃがそう上手くはいかなそうじゃ
【完全視界】で水中でも敵や機雷、魚雷等を発見しやすくする。
他の海でも試したが海は完全に透明では無いので完全視界のあると内では大違いじゃ。
隠れているもの物まで発見できるわけではないので注意は必要じゃ。
水中にある透明なガラスや極細のワイヤー等には気が付けない場合がありそうじゃ。
一般法則破壊は有っても随伴艦の援護を戦略に組み込んでいるとなると水雷の爆発で移動力が削がれたところを攻撃されるかもしれぬので気を付ければ
巴屋・萩
いやー、暑くなってくるとこう言うお仕事が嬉しいですね!
せっかくなので水中適応で泳いでしまいましょう。
私は水に濡れても平気なタイプの猫ですし、普通に泳ぐのは問題ありません。
ここは潜水の練習をしておくのであります。
海で隠れるなら、やはり水面よりも水中でしょうしね。
なによりそっちの方が涼しいですから!
深く潜っては急上昇したりを繰り返しつつ、お魚とかを追い掛け回して動きや距離感を掴んでおきますかねぇ。
あ、捕まえられてもお魚は食べません。
キャッチアンドリリースであります。
鱗とか取らないと美味しくないですからね、お仕事終わった後でお寿司でも食べに行きます!
「うお――!! 海戦だー!!」
「わー!!」
その声は神奈川県沖より北西に向かうパラドクストレインから海へと飛び込む白尾・真狐(まったり狐娘・g05562)と巴屋・萩(迷猫魔忍帳・g09008)の声だった。
彼女たちは二人してパラドクストレインの中で入念なストレッチを終えていた。
冷たい水にいきなり飛び込むのは危ないからね、というのは真狐の言葉であったことだろう。しっかりと準備をする。海中であれ海上であれ、海戦は冥海機に一日の長がある。
ならばこそ、準備を怠ることは即ち敗北に繋がるものである。
二人は残留効果を手繰り寄せ、水中適応を放たす。
ディアボロスだけが繋ぎ、重ね、強化していく力を持つ残留効果。それにより彼女たちは、水中での水温や水圧の影響を受けない。
「いやー、暑くなってくるとこういうお仕事が嬉しいですね!」
自分は水に濡れても平気なタイプの猫、と言わんばかりに萩は海中に飛び込んだ後、その勢いのまま海中を泳ぐ。
だが、これは遊びではないのだ。
敵は海中に在りて攻勢を仕掛けるに長けたクロノヴェーダ。深く潜る感触、急上昇する際の水の流れ、そうしたものを体感でもって会得しておくことは間違いではないだろう。
ときおり見える魚の群れを追いかけたりしながら萩はどうにも、それらを見るとお寿司が食べたくなるなぁと想う。
「ぷはっ! お仕事終わりにはお寿司でも食べましょうか」
「海の魔物は底より来る……か」
そんな萩とは対象的に弔焼月・咲菜(葬不送動の報復者・g01723)は落ち着いているように思えた。
水中適応によって彼女のまた潜水していた。
手にした武器……妖刀の刀身が熱を帯びていく。それは海中での戦いを想定しての実験めいた行いであった。
「……今日も今日とて超高温……いつもどおり不機嫌か」
咲菜は己の手にした大型の妖刀が炎熱するように刀身を海中にありながら赤く染める様を見やって皮肉げに笑う。
「……刀を海水に晒すなってか? 何、安心しろ。お前は妖刀だから、海水程度じゃ錆付きもしないだろ」
というより、と彼は刀身を鞘に収める。
如何に海水に気を配ったところで、此度の戦いにおいては意味がない。
「どうせ戦闘になれば嫌でも海水に当たるんだ。見るがいい。何処を見ても海原だ」
「それにこうして海にいると海鮮が恋しくなりますからね!」
萩の言葉に咲菜は然り、と頷く。
だが、彼の言葉は萩の言う額面通りではなかったかもしれない。彼の手にした妖刀が求めるは血であっただろうから。即ち、冥海機を海鮮に例えたのかもしれない。
鳴動するような刀身を抑え、咲菜は海中で視線を凝らす。やはり遠くを見通すことは難しいな、と感じる。
「やはり海中での視界は良好とは言えぬのじゃ」
彼の懸念に応えるように海中に飛び込んだ天破星・巴(反逆鬼・g01709)は残留効果を引き寄せる。
それは完全視界。
この海中にあってすべてを見通すのは難しい。敵が海中から攻勢を仕掛けてくるというのならば、この完全視界もまた有効であることを巴は理解していた。
「敵や機雷、魚雷の早期発見は敵に利するところを一つ潰すことになる。他の海でも試したが、この残留効果があるのとないのとでは大違いじゃ」
とは言え、と隠れているものまで発見できるわけではないので注意は必要だと仲間のディアボロスと情報を共有していく。
「なるほどー! とは言え、過信のしすぎもってことですね!」
「敵も愚かではないから……ということ。望むところではあるけれど」
萩と咲菜の言葉に頼もしいな、と巴は笑む。
共に戦うディアボロスであるからこそ、そう想うのだ。
「とは言え、随伴艦もなかなかに厄介じゃ。支援砲撃はわらわたちには影響を及ばさない。一般法則破壊が出来るゆえな。ダガ、砲撃自体を戦略に組み込んでいるとなると……」
「それだけこちらが警戒されている、ということだろうな」
荒田・誠司(雑草・g00115)が残留効果によって海面を走り込み、海面に顔を出していた巴たちの言葉に頷く。
冥海機の戦力はアヴァタール級にトループス級だけではない。
一般人が操る戦闘艦艇もまた彼等の戦力だ。しかも、撃破されることもまた織り込み済みである。言うまでもなく冥海機の求めるのは『海戦』によるエネルギーである。
海戦で一般人が死ぬことで冥海機へとして覚醒し、戦力として拡充される。
エネルギーを得ることと戦力を得ることが合致している恐るべき敵であると言えるだろう。
「水雷の爆発や砲撃、そうしたものでこちらの足を止める、ということも在り得るのじゃ。気をつけなければな」
「ああ、そのためには海中からと海上からの二面攻撃に対処する必要がある。二次元の戦い、というのは中々に集中力、意識がそがれるものだ」
誠司は海面を自分の足を改造した刃で滑走するように走る訓練を続ける。
イメージするのはスケートの要領である。
とは言え、残留効果のほうが上であるように思える。戦闘で行う移動のことを考えれば、水面走行の残留効果は問題なく地面と同じ様に戦場を駆け抜けることができるだろう。
「残留効果の感触はこんなところか。海上で戦う時は凪いだ海面……となれば、地上とは違い遮蔽物がないのがネックになるか」
「そうじゃな。遮蔽物がないということは、それだけ敵にも視認されやすいということじゃ」
「飛翔なんかは特に集中攻撃を受ける要因になりそうですね」
「随伴する駆逐艦の砲撃は傷にもならぬだろうが……やはり、問題は冥海機の能力上昇」
巴たちは、敵の攻勢に対する対処に考える。
海中での戦い方。海面での戦い方。
それを両方一片に仕掛けてくるのが冥海機の恐ろしいところである。
「まア、それに、日本国内だッテ、今わかッテるだケで天翔台戦国に冥海機ヤ・ウマト。今度は朝鮮半島にアルタンウルク。一難去るヨリ先に一難が来ヤがるねェ」
「本当にねー」
真狐は青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)の言葉に頷く。
日本という立地を考えた上で隣接するディヴィジョンの情勢は目まぐるしく代わっていくように思えた。
「まあ、でも今回は今回のことに集中しようよ! 舞鶴! 鶴が舞うって書くとなんか素敵だよねー♪」
「カカッ、鶴が舞おウにモ、アンな物騒な連中ガ占拠シてンじゃ、鶴も大迷惑だワナ」
イカスは海面に降り立ち、舞鶴鎮守府の方角を見やる。
この先に征けば、自ずと出撃した冥海機の艦隊と激突することは避けられないだろう。戦いに駆り出された一般人たちを海戦で死なせるわけにはいかず、けれど、艦艇を無力化できなければ、己たちが追い込まれる。
「全ク。ま、俺達ァ、刻遡の事態にケリ着くマでは足止メらンネェ運命よ」
イカスは首を鳴らす。
これはいつも通りの行軍に過ぎない。
油断はない。慢心はない。緊張もない。あるのは意気込みだけである。肩をぐるりと回す。敵地はすぐそこに有るのだ。
「艦隊戦、というのはあまりニもアッチの戦力が上スギるが」
「でもなんとかなるってもんだよ。縛りも多いけどね!」
真狐は随伴する駆逐艦の一般人のことを思う。
船が沈めば彼等もまた船と運命を共にするだろう。そうなれば生命が数多失われることになる。それは彼女にとって、冥海機にエネルギーを得させ、戦力を拡充させる以上の意味を持っていたことだろう。
できるのならば、と彼女は言う。
「できれば来ないで欲しいなぁー」
ぼやくように言う彼女の言葉に多くのディアボロスたちは同意できることであっただろう。
随伴艦はディアボロスには足枷に、冥海機には強力な支援となり得る。
「止められないのならば、彼等を無力化するように動こう。そのために俺達は準備をしている」
「そうじゃな。この戦いは足がかりとなろう。京都の安全を脅かすのが舞鶴鎮守府であるというのならば、それ自体がアルタンウルクの防波堤になってくれるやもしれぬしな」
誠司と巴の言葉は、この戦いの後のことに及ぶ。
どうなるかは未だ判然としない。
けれど、イカスが言ったように足を止めている暇などない。
萩が海中から咲菜と共に海面に上がる。視線の先は水平線。そこにぽつり、ぽつりと豆粒のように何かが見える。
「思った以上に接近が速かったようですね」
「敵も迅速果断……というわけだ」
「おいでなすったってわけねー!」
真狐は軽く背伸びをして、掌で日差しを遮りながら水平線を見やる。
確かに見える。このまま進めば、あれと激突することになるだろう。
「準備は万端かなー、みんな♪」
「無論じゃ。全ての物事が上手くいくとは限らぬ。ならば、懸命に手を伸ばすことをやめてはならぬ」
「敵は強敵。確かめることは確かめた。後は」
「あァ、そレじャ、始メようゼ」
盛大にナ、とイカスが呟く。それと同時にディアボロスたちは海面を駆け出していく。
敵との激突は必至。
そして、すぐさま海上は砲火荒ぶ戦場へと様変わりするだろう。だが、恐れることはない。
ディアボロスたちは残留効果が残す輝きを見つめている。
その残留効果こそが、己たちが手繰る戦いの光。
無為に生命を海に呑み込ませぬために。冥海機より奪われたものを奪い返すために。
「征きましょう!」
煌めくパラドクスの砲火へと走るのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV2が発生!
【水中適応】LV3が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
一般人がいるとやりづらいからな。あんまり無茶しないでくれるとこちらとしてもありがたい
このまま戦闘が終わるまでしっかり引っかかっていてくれ
【行動】
水中適応を使い進みながら完全視界で戦艦を捜索
それから戦艦をよく観察し機械知識を応用して沈まないが運行できない状態を判断
トラップ生成で非殺傷性の罠を仕掛ける
仕掛けるのは前方への行動を不能にさせる粘着性の強い蜘蛛の巣のような物
あとは弾力もあるような素材にすれば艦体が壊れることもないだろう
必要なら臨機応変に対処する
青天井・イカス
連携・アドリブOK
艦隊の数に合ワセて適当に手分ケシて無力化
艦内にハ復讐者の身体能力活かシて入レるトコかラ侵入
はイはイ、邪魔シまスヨっと
乗組員ト遭遇シたら【罪縛りの鎖】デ船員達をフンじバる
お前サン等が「ソノ覚悟」で来テるっツーのは知ッてるガ、だカらッテ、何で俺等ガその願望ヲ叶エてヤラにゃナんネンだ?
俺達ャ敵だゼ
甘っチョろク頼っテんジゃねェ
覚悟が台無シだゼ?
ソのままブリッジへ向カい、ブリッジ内の船員モ捕縛
万一動ケる奴が残っテタ場合を考エテ、つイデに操縦・攻撃用の機器ヲ物理的に破壊シておク
ヨぉシ、こンなトコか
ンじャ、仕事終わッたんデ俺等ぁコレで
モウ暫くジッとシてナ
アンタ等もお疲れさん
篠村・蓮十郎
冥海機どもの随伴とはいえ一般人だ。
元より戦わせるつもりも無ければ、死なせる訳にもいかん。
まずはトラップ生成を借り効果範囲へ煙幕を撒き乗組員の視界を塞ぐ
続けて通信障害を用い、艦船同士の連絡手段を断つ事で孤立を狙おう
仕込みが済み次第、完全視界を使用し速やかに艦内へ突入
乗組員の捕縛は味方に任せ、こちらは艦船の攻撃能力を封じに掛かる
壱號機械腕を振るい、艦上全ての砲塔や機銃を殴りつけて破壊する
万が一にも修理などされては困るからな
徹底的な破壊、その様を見せつける事で心を圧し折り再起の芽を摘む
あなた達に出張られては困るのでな。
そこで大人しくしていろ。
アドリブ連携可
海上にてまみえるはディアボロスと冥海機率いる艦隊。
この海原にあって遮るものはなく。
互いはすぐさま目視で存在を認識するだろう。故にディアボロスたちは冥海機に随伴する戦闘艦艇より放たれた砲撃が水柱を立てる海面を残留効果を手繰り寄せ走る。
「随伴艦の砲撃ハ、こっちにハ効果がナイとは言え!」
青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)は砲撃が随伴艦艇の駆逐艦から放たれる様を見やり、同時に冥海機が即座に動き出しているのを見やる。
敵の練度というのは、この展開の速さを見ても高いものであると言えるだろう。
駆逐艦の砲撃による敵対勢力の機先を削ぎ落とし。
その砲撃がディアボロスを傷つけることがないにせよ、その出足はくじかれてしまう。その一瞬の隙こそが冥海機たちに一手先を与える。
「よくやった。そのまま支援砲撃を続けよ。後は……!」
冥海機たちは己たちがディアボロスを仕留めるのだと、一気に戦場と変わる海原を疾駆し、また同時に海中からも迫りくるのだ。
「一般人がいるとやりづらい」
「ああ、冥海機の随伴とは言え、な。だが」
荒田・誠司(雑草・g00115)の言葉に篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)は頷く。
冥海機に一手を譲ってしまったが、かといって支援砲撃を行う随伴艦艇を放置しておくこともできない。
「もとより戦わせるつもりもなければ、死なせるわけにもいかん」
「ああ、俺が水中から駆逐艦の脚を止める」
「でキるか、それ!」
「駆逐艦の強みは、その航行速度。ならば、その脚を止めれば艦艇内に忍び込む隙も生まれる!」
誠司の瞳がパラドクスに輝く。
彼は海中へと飛び込み、残留効果を手繰り寄せる。完全視界によって海の中の様子は透き通って見えることだろう。海中からならば、艦隊の動きもわかる。
罠設置:蜘蛛の巣(トラップインストール・ウェブ)によって放たれた蜘蛛の巣ワイヤーが駆逐艦の艦首へとへばりつき、また他の随伴艦とをつなぐ。
互いの速度を一定にしなければ、他の艦艇の動きを阻害するだろう。
「速度が落ちている! 何事か!」
「前方に何かワイヤーのようなものが……!」
駆逐艦を操艦している一般人たちが己達の速度が落ち、また同時に進路がズレていることに気がつく。
何か異常事態が起きたのだと知れるだろう。進路がずれれば、冥海機への支援砲撃の精度にも誤差が生じる。誤差が生じれば、それだけ冥海機が支援砲撃を利用する機会を逸する。
だが、それだけでは支援を行う艦隊を無力化できたことにはならない。
「結局、無力化するニは、中身で動カシてる乗組員ヲってな!」
「ああ、もとより戦わせるつもりもなければ、死なせるわけにもいかん」
蓮十郎は残留効果を手繰り寄せ、海中から飛び出し、駆逐艦の艦橋前方へと煙幕を撒き散らす。
艦橋から戦場を視認できなければ、支援もままならず、また己たちが潜入するには十分な隙だったのだ。
「後は……!」
さらに蓮十郎は残留効果を引き寄せる。
「他の随伴艦はどうしている! 何故応答しない!」
「駄目です、通信が妨害されている模様!」
駆逐艦の中では、他の艦艇との連絡がつかぬと動揺が走っている。その最中をイカスが潜入し、乗組員を次々と手繰り寄せた残留効果である罪縛りの鎖でもって捕縛していく。
操艦している乗組員が捕縛されれば、艦隊としての行動、連携はできなくなるだろう。
「まずはこの艦一つから孤立させる。捕縛を頼めるか!」
「もウやってんゼ! 行ケよ、砲塔の破壊を頼ンだ!」
イカスは蓮十郎がすぐさま駆逐艦の甲板上へと飛び出すのを見届け、さらに艦橋へと駆け上がっていく。艦橋の乗組員たちは即座にイカスの姿に抵抗をしようとしたが、ディアボロスと相対して一般人である乗組員たちが抵抗などできようはずもない。
即座に罪縛りの鎖で彼等は捕縛されてしまう。
「殺すがいい! 我らは虜囚の辱めを受けるのではなく、海戦にて海にて生命を散らすことを覚悟している!」
彼等の言葉にイカスは眉根を寄せ、唇の端を釣り上げる。
そこに覚悟があった。
死ぬ覚悟。
そうであるべき、と彼等の瞳は言っている。知っている。わかっている。理解できる。
けれど、とイカスは釣り上げた口角のまま告げる。
「『ソノ覚悟』だってのは知っテる。ガ、だカらッテ、なんで俺等ガその望みヲ叶エてヤラにゃナんネンだ?」
「海戦に望むのならば、それが情けというものであろう!」
「俺達ャ敵だゼ? 甘っチョろク頼っテんジャねェ。情けなんてモノに頼っているようジャあ、覚悟が台無シだぜ?」
イカスはそのまま艦橋をパラドクスで撃ち抜いて飛び出す。
すでに砲撃砲塔は蓮十郎に破壊されていた。
「こっちだ。ワイヤーで繋がれた次の艦艇に移る。時間はかかるが、確実に駆逐艦を無力化するぞ」
「あァ、こンなトコか。ンじゃな。俺等ァコレで。モウしばらくジっとシてナ」
イカスはそう告げ、繋がれたワイヤーの上を誠司と共に駆け出す。
乗組員を無力化し、次々と駆逐艦の攻撃能力を奪っていく蓮十郎たち。
彼等の働きは、あくまで艦艇の乗組員である一般人を傷つけず、その艦艇の航行能力を奪わず、されど攻撃能力だけ喪失させるものであった。
だが、それは効率、という点においては時間のかかるものであった。
「冥海機たちと戦うものたちには今暫く劣勢を強いるが……だが、彼等を死なせるわけにいかない」
誠司はワイヤーで繋ぎ、同じ様に新たな駆逐艦を無力化していく。
蓮十郎が煙幕を張り、イカスが疾く乗組員を捕縛する。さらに通信障害で何が起こっているのかを知らせる連携を遮断する。そして、蓮十郎の壱號機械腕が雷撃を纏って砲塔を徹底的には開始、炎を背に乗組員へと向きなおると同時に罪縛り鎖が彼等を縛り上げるのだ。
「こ、このようなことをして、我らが戦意をくじくつもりか! だが、我らは……!」
「あなた達に出張られては困るのでな。それだけだ。だから、そこで大人しくしていろ」
蓮十郎は乗組員の心が折れぬことを知る。
彼等は海戦にて死ぬつもりなのだろう。そうであるべきと、思っているのだろう。だが、意志と体は反する。目の前のディアボロスの一般法則を超えたパラドクスのきらめきを前に体はすくんでいるのだ。
「次、行クぜ」
「ああ、仲間たちがまだ戦っている」
イカスが蓮十郎の肩を叩き、誠司は艦隊を無力化するために、海原を往くのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【グロリアス】LV1が発生!
白尾・真狐
子、子ウミガメ魚雷……!?
こんなかわいい子を魚雷にするなんて……なんてかわいそうなことを!
許されない……許されないよ!!
亀さん傷つけるのは気が引けるけど……
ねえもうちょい怖い顔できない君?そしたら戦いやすいんだけどー
え、だめ?そうだよね……
うーん仕方ない!パラドクスで召喚したドローンと連携射撃で攻撃だー!
次はクロノヴェーダじゃない亀さんになってまた会おうね……!!
味方との連携やアドリブも歓迎だよ!
巴屋・萩
とと、これはまた面倒な相手ですね。
亀なんか出されたらじゃれ付きたくなってしまいますが、そこはぐっと我慢。
【水中適応】と【光学迷彩】で、水中に隠れて待機しましょう。
海の生き物とか地形とか、隠れる所も少しはあるとよいのですけど。
なるべく気付かれないように近付いて、一体ずつ確実に暗殺していくとしましょう。
水の中ですが、こちらには【完全視界】もあります。
敵の動きはよく見る事が出来るでしょう。
魚雷は痛いですが、爆発に紛れて隠れ直すとかは出来そうであります。
まぁ、やれるだけやってみましょう!
弔焼月・咲菜
よぉし、これで面倒くせぇ後方支援も打ち止めか……。なら後はやる事は1つだな。…真っ二つに叩き斬って、海底深くに沈めてやる…。
使える残留効果は全て使用。特に【水面走行】【水中適応】【完全視界】は確実に使用し、海戦に備える。
なんで踊っているのか知らねぇが…ふざけるだけの余裕があるなら、そのまま真っ二つになってもらおう。
一撃で倒せそうな敵、または単独で行動している1番近い敵から狙って一気に接近し、頭から機雷もろとも真っ二つに切断する。
敵の攻撃は最低限致命傷だけは避け、後の攻撃は基本的に無視。全ての感覚を攻撃に回す。
水死体風情が…戦場でふざけているからこうなるんだよ、ボンクラ。
冥海機の率いる駆逐艦からなる艦隊は、支援砲撃でもって敵対する勢力に相対するトループス級『ローレライサブマリナー』の戦闘能力を強化していく。
だが、先行したディアボロスたちによって駆逐艦の砲塔は無力化されている。
「支援砲撃が止まった……?」
彼女たちは訝しむ。
水中よりウミガメ型の魚雷を放ち、ディアボロスたちへと攻勢を仕掛けていたが、支援砲撃が鳴り止んだことに動揺する。
「どういうことだ。駆逐艦がディアボロスに撃沈されたのか? いや……まさか」
「砲塔だけを潰したのか! 厄介なことを。海戦で一般人が死ねば、戦力増加に繋がるというのに!」
「それだけ面倒くせぇしてくれてんだ。先に潰すのが定石ってもんだろうが……真っ二つに叩き斬って、海底深くに沈めてやる……」
海中へと飛び込み、弔焼月・咲菜(葬不送動の報復者・g01723)はパラドクス輝く瞳でもって、手繰り寄せた残留効果を得得る。
水中適応に酔って水圧を退け、完全視界は海中に在りて展開する『ローレライサブマリナー』たちを見据える。
敵を認識する。
己のパラドクスは自身を変容させる。絶対起動:祟神インストール(ゼッタイキドウ・タケガミインストール)。己の体内にある怨みを暴走させることによって自らを暴走させる。
「ディアボロス……やはり、駆逐艦を無力化したか! だが!」
『ローレライサブマリナー』はウミガメ型海戦装の上で踊る。
その様を咲菜は理解できなかった。
何をしている、とさえ思っただろう。だが、それは彼女たちのパラドクスの予備動作でもあった。舞うことによって撒き散らされるエッグボム。
それが一斉に咲菜の周囲に機雷として存在し、彼女の突進を留める……いや、止められなかった。
炸裂する爆発が水中で巻き起こる。
けれど、それでも彼女は果敢にも、いや、まるで気にも止めずに突き進み、その全身から噴出する血の如き可燃液が炎のように顎を形成し、『ローレライサブマリナー』へと食らいつく。
「急浮上を! 敵は海中に適応している!」
咲菜の言葉に『ローレライサブマリナー』たちは次々と浮上していく。
「慌てて海上に出るか。ボンクラ」
それをお見上げ、咲菜は吐き捨てる。下策だ、と。
彼女たちは見ただろう。浮上した先に待ち構えていたのは、白尾・真狐(まったり狐娘・g05562)と巴屋・萩(迷猫魔忍帳・g09008)であった。
「はーい、いらっしゃい!」
真狐は笑む。
パラドクスに煌めく瞳で急浮上した『ローレライサブマリナー』たちを見据える。
瞬時に展開したドーロンが宙を舞い、連携するようにして火器照準を合わせる。
連携射撃I(レンケイシャゲキイチ)によって放たれる弾丸が『ローレライサブマリナー』たちの体を打ち据える。だが、浅い。
「待ち伏せなど! 征け!」
『ローレライサブマリナー』たちが指差す瞬間、飛び出すのはパラドクスに寄って生み出された子ウミガメとしか思えない魚雷だった。
その光景に真狐と萩は目を見開く。
どんな生物も赤子は愛くるしいものである。
「こ、子ウミガメ魚雷
……!?」
「とと、これはまた面倒な相手ですね!? 亀なんか出されたら、じゃれつきたくなってしまいます!」
萩はしかし、我慢する。
あれはどれだけ可愛らしいのだとしても、パラドクス。
敵の攻撃なのだ。
ああ、だが、と萩も真狐も動揺してしまう。
「こんなかわいい子を魚雷にするなんて……なんてかわいそうなことを!」
だが、その魚雷は確実に爆発する。
パラドクスである以上、認識した時点で爆発することは確実。
海上に吹き荒れる爆発。
真狐は、爆発に吹き飛ばされながらドローンに掴まって飛び退く。痛みが走る。
「許されない……許されないよ!!」
傷を押さえながら、それ以上に彼女は怒りを覚えていた。
「うう、でも、亀さんを傷つけるのは気が引けるよ……ねえもうちょっと怖い顔をできない君?」
「何を軟弱なことを! ディアボロス!」
「ああ、やっぱりだめ?」
そうしてくれたのならば戦いやすんだけどなーと真狐は首を傾げる。わかっていたことだけど、と彼女は微笑む。
『ローレライサブマリナー』は訝しむ。
目の前のディアボロスの言っていることが何一つ理解できなかったからだ。何故、そんな無意味なことを言うのだと訝しんだ。何が狙いなのだと彼女たちは思っただろう。
その答えは、すぐに理解できる。
「……ッ!?」
『ローレライサブマリナー』の一体の身がこわばる。
それは己が攻撃された、と理解したからである。逆説連鎖戦において、攻撃された、と認識できた瞬間に反撃を行うことができる。
故に、『ローレライサブマリナー』は理解した。
真狐の言葉、そして己たちのはなった魚雷の爆発と同時に一人のディアボロス……萩が姿を海中に消していたことを。真狐の言葉は、己達の注意を惹きつけるための方策。
「やれるだけのことはやってみましょう! というのが、わたくしでありますからね!」
萩のはなったミラージュスラストの一撃が『ローレライサブマリナー』の一体に叩き込まれる。その傷を受けて彼女たちも反撃を行うが爆発の最中に萩は再び海中へと飛び込み、姿をくらます。
敵の攻撃に翻弄される。
その動揺はすぐさまに伝播していくだろう。一角を崩されれば、そこから亀裂が走る。それが艦隊行動というものであろう。
故に萩は海中と海上を交互に行き来するようにして、『ローレライサブマリナー』たちをかき回していく。
「上出来だ……これならば」
そこへ海中から咲菜が飛び出す。
可燃液纏い、炎の獣の顎をもたげ、萩が翻弄した『ローレライサブマリナー』を食らうようにしてかみくだく。
「あんぶっしゅ! というやつでありますなー!」
萩は爆発満ちる海上を走り抜ける。
さらにドローンが飛ぶ。真狐がパラドクスによって、萩を援護しているのだ。これによって萩の撹乱行動はさらに精度を増し、咲菜の海中からの一撃が確実に『ローレライサブマリナー』たちの数を減らしていくだろう。
「僕のドローンに支援はおまかせ! 次はクロノヴェーダじゃない亀さんになってまた会おうね
……!!」
真狐はまだ子ウミガメ魚雷やウミガメ型海装に未練があるのだろう。
なんとも云えない表情のままに『ローレライサブマリナー』たちへと攻勢を仕掛けていく。
「わたくしもわからないでもないでありますが……でも、敵の連携は乱れているであります! このまま!」
「ああ、喰らい尽くす」
苛烈を極める海上戦闘。
三人は、その戦場を制するように海中と海上の両面から敵を翻弄し続けるのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
これで一般人が被害に遭うことはないだろう。敵を叩くとしよう
悪いがここは押し通らせて貰うぞ!
【行動】
水中適応を使い行動
敵からの攻撃は盾:フェイク・プリドゥエンを使い防ぎ
受けてしまったら忍耐力で耐える
パラドクスを使用し広範囲を凍らせる水を撒く爆弾を製作
敵に向かって投擲して攻撃
ただ敵本体を直接狙うのではなく周囲を狙う
ある程度の範囲があるからこれでも効果は問題ない
海水ごと子亀魚雷を凍らせればある程度のダメージは受けにくくなるはずだ
凍らせて動きを鈍らせれば仲間も動きやすくなる
必要ならば臨機応変に対処し
仲間とも声を掛け合って積極的に連携していく
青天井・イカス
さテ、と…
コレで手前等へノ支援砲火は無クなッた訳だ
アッちは航行不能デ済まセたガ、手前等はソウは行カねェ
沈ム準備は出来たカイ?
お前サン、踊りが得手ミてェだが…ソレじゃ一丁、ダンス対決と行こウじゃネェか
踊ルのは俺ジゃネェけどナ
敵の機雷原に“ワザと”踏ミ込む
被弾はアる…ガ、爆発にヨり生じタ煙で【Vespa】を発動
踊るヨウに暴レ狂ウ火の蜂デ反撃を見舞ウぜ
蜂の反撃デ、更に多クの機雷を誘爆
ソの煙で余計に蜂ノ数が増エると…倍々ゲームだナ、こリゃ
言葉通リ、蜂の巣突イたよウな騒ギに肩竦め
俺ァ大シた事ァシてネェぜ
最初の蜂、呼ンだダケ
景気良ク蜂の数増やシてッタなァお前サンだ
虻蜂取ラず鷹の餌食、ッテな
ご愁傷サマ
篠村・蓮十郎
さて……横槍を入れられる事は無くなったな。
ここからは心置き無く剣を振るうとしよう。
水中適応を用いて臨む
腕部内蔵型軽機関銃を斉射し
移動方向を制限する形で制圧射撃を行い牽制する
あれは……ウミガメの子供か?
何のつもりかは知らんが、ただ遊んでいる訳でもあるまい
こちらへ来る前に、纏めて叩き落とす!
試製鉄刀を抜き放ち、片手平突きの構えを取る
手首を返し捻りを加えながら鉄刀を突き込む剣技[岩破]を放ち
広範に渡る衝撃波で敵群を吹き飛ばす
恐らくは討ち漏らしもある筈だ
攻撃の後、即座に皮鉄を眼前に構え被害を抑えよう
トループス級『ローレライサブマリナー』とディアボロスたちの戦いは、未だ続いている。
戦場となった海は爆発の立てる水柱が次々と立ち上がり、その苛烈さを示していることだろう。だが、彼女たち冥海機にとって誤算だったのは、一般人が操艦する駆逐艦からの支援砲撃がないことであった。
いや、先程までは確かにあったのだ。
ディアボロスと接敵し、攻勢を仕掛ける時までは。
この短時間に何があったのかなど言うまでもない。
「ディアボロス……よくも! 沈めるのではなく無力化とは……!」
彼女たちの言葉に荒田・誠司(雑草・g00115)と青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)、篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)は無力化した駆逐艦から海面に躍り出るようにして飛び込み、疾駆する。
「これで一般人が戦いに巻き込まれることはないだろう。敵を叩く」
「ああ、横槍を入れられるのは御免だ。ここからは、心置きなく剣を振るうとしよう」
誠司の視線の先にあるのは『ローレサブマリナー』の一群と戦うディアボロス達の姿だった。彼女たちが敵を押し留めてくれていたおかげで、自分たちも駆逐艦を疾く無力化することができたのだ。
「俺は海中から行く。敵の誘引、頼めるか」
「あァ、連中の支援砲火は無ェ、なら任せテおきナ!」
海中へと飛び込んだ誠司の言葉にイカスは笑って応える。敵を引き付ける。その役割は己がする、と蓮十郎より早く海面を駆け出す。
その姿を認めた『ローレサブマリナー』たちは、その瞳をパラドクスに輝かせる。
「敵の援軍! 奴等か、駆逐艦を無力化したのは!」
「あァ、そう云ウこっタ、アッちは航行不能デ済まセたガ、手前ラはソウは行カねェ」
「ほざけ!」
『ローレサブマリナー』たちがウミガメ型海戦装の上で踊る。瞬間、彼女たちから放たれるはエッグボム。踊ることによって視線を引き付け、機雷となったエッグボムの渦中へと敵を引きつけようというのだ。
だが、イカスはためらうことなく踏み込む。
身を討つ爆発。
吹き荒れる熱波がイカスの肌を焼くだろう。
「ハッ! Vespa(キグルイヤロウ)、行ケよ!」
爆風の最中に煌めくパラドクス。その光は明滅するように数を増やし、瞬時に『ローレサブマリナー』たちへと迫る。それこそがイカスのパラドクス。
火の蜂。
狂うように、怒るように、そのパラドクスによって生み出された蜂は『ローレサブマリナー』たちへと針を叩き込み、盛大な爆発をまた機雷であるエッグボムを巻き込んで炸裂させていく。
「ハハッ、こリャァ、良イ。蜂の巣突イた騒ギだぜ」
肩をすくめる彼の真横を蓮十郎が疾駆し、飛び込む。
「やりすぎだ、とは言わない。むしろ、助かった」
爆炎の最中を彼は踏み込む。
手にしたのは試作鉄刀。鞘から抜き払われる瞬間に火花が散る。けれど、その光景を『ローレサブマリナー』が見ることはなかった。
彼女たちはイカスの放ったパラドクスによって混乱している。
「鬱陶しい真似をしてくれる! だが!」
『ローレサブマリナー』たちから放たれる子ウミガメ型魚雷。
それは海上であっても問題なく蓮十郎へと放たれる。しかし、蓮十郎のパラドクス煌めく瞳は敵を見据えていた。
迫る魚雷が如何に己の体を打ち据えるのだとしても、己が振るパラドクスの輝きが失せることはない。
腕部内蔵型の軽機関銃の斉射と共に爆風が吹き荒れる。
その最中を突っ切るようにして蓮十郎の剣技・岩破(イワヤブリ)たる一撃が鋭い鏃のように戦場を切り裂くようにして衝撃波を生み出す。
それは正しく鏃。
否、岩を穿ち、砕く楔にして、この戦いの趨勢をディアボロスに傾ける一撃であった。
「っ、このっ……! 圧倒的な火力で!」
だが、それでも生き残る『ローレサブマリナー』たちが放つ魚雷が飛ぶ。
その爆発が巻き起こる最中、海中より誠司は飛び出す。それは『ローレサブマリナー』たちの背後を完璧に突くものであった。
イカスのパラドクスによって周囲は騒然としている。
そして、蓮十郎の一撃によって敵陣は混乱に満たされている。となれば、後はどうするかなど知れていよう。
背後を突き、敵陣を瓦解させる。
放たれる特殊爆:氷結嵐(ユニークボム・フリーズストーム)。放り投げられた爆弾が炸裂し、さらに内部からばらまかれる小型爆弾。
その爆弾が爆発すれば、周囲を襲うのは凍結の一撃。
「凍る
……!?」
「ああ、そうだとも。このパラドクスによってお前たちの脚は止まる。そうすれば、俺の仲間がさらに畳み掛けてくれる」
その言葉と共に蓮十郎が切り込む。
爆煙の中を突っ切るようにして放たれる鉄刀の一撃が衝撃波を放ちながら『ローレサブマリナー』たちを叩き伏せる。背に迫る魚雷の爆発があれど、しかし、さらなる混乱が戦場を満たしていく。
それはイカスのはなった火の蜂。
「この、邪魔を……! なんということを……!」
明滅するパラドクスのきらめき。
混乱が満ちるのと同時に増えていくのだ。それによって『ローレサブマリナー』たちは混乱しきっている。混乱しきった敵陣の背を突くことなど誠司にとっては容易そのものだったことだろう。
「敵の引きつけ、助かった」
「いンや、俺ァ大シタ事ァシテねェぜ。呼んだダケ、だ」
イカスは笑って、誠司の言葉に肩をすくめる。
ま、と彼は混乱とともに蓮十郎に討たれていく『ローレサブマリナー』を見やり、呟く。
「虻蜂取ラず鷹の餌食、ッテな。ご愁傷サマ」
その言葉と共に最後の『ローレサブマリナー』が海中に没する。
「これで、最後……残るは」
蓮十郎の言葉に誠司は叫ぶ。
「来るぞ!」
その言葉と共に海上に立ち上がる水柱。
それはこれまでの戦いによって生み出された水柱のどれをも凌駕する圧倒的な水量であったことだろう。
言うなれば、巨鯨が海中より姿を現したかのような迫力。
いや、言葉通りそうであったことだろう。
「まったくもってしてやられた、と言えばいいか。だがまあ、悪くはない。こういう状況こそ、私にとっては好ましい。ディアボロス。諸君らはわざわざ、この海原、我らの領域まで私に食らわれに来てくれたのだよな。そういう意味では感謝してもいい」
不敵な笑みを浮かべ、その巨大な海戦装を咆哮させるはアヴァタール級『キラーズホエール』。
その海戦装に似合う凄まじい重圧と殺気。
並ではないと伺い知れる力。
それを前にしてディアボロスは知るだろう。このアヴァタール級を打倒できないことには、この海戦の勝利は得られない。
ならば、これまで積み上げてきた残留効果を手繰り寄せ、この巨鯨を今、打ち倒す時である。
それを示すようにディアボロスたちは、この戦いの最終局面へと立ち向かうのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【アクティベイト】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
ようやく最後だな
鯨の死骸って爆発するっていうが、それを利用するとは驚きだ
【行動】
仲間と声を掛け合いながら積極的に連携していく
水中適応や水上走行を使って移動し完全視界で敵を捉え続ける
パラドクスを使用して自分の存在をしばらくの間隠蔽するバッチを製作して装備する
仲間に攻撃が集中している隙に発動して近づき
死角から電光警棒を使用しつつ一撃をくわえる
攻撃を喰らったら敵は流石に気がつくと思うが
離れている相手よりも近くにいる奴へと対処しようとするだろう
神速反応を使い盾で攻撃を防ぎながら
味方が攻撃する隙を作る
必要なら臨機応変に対処する
青天井・イカス
カカっ!俺等を喰ウっテ?
お前サン、身体を真ッ白に染メる気かイ?
ま、クジラだロウがシャチだロウがサメだロウが、何デも良イサ
手前等の時代ジゃクジラは貴重ナ食料よ
食わレンなァ何方か試シテみよウや
突進に、油利用シた誘爆
範囲も広ェシ、凄まジク厄介
元よリ容易イ仕事たァ思っテねェガ、こリャ楽に討伐ッテぇ訳にハ行カねェな
【スコルピオンスティング】使用
コッちも命張っテやンぜ
【完全視界】デ視界確保
他への反撃デ生じタ煙に紛れテ肉薄、拳銃【雨天】デ攻撃
『此方のタイミング』での誘爆ヲ図る
上手クいっタなラ【水中適応】デ誘爆と同時に水中へ退避
規模もデケぇシ、被弾ハ承知の上ヨ
ハイリスク・ハイリターン
そッチの方ガ面白ェ…だロ?
弔焼月・咲菜
*アドリブ・連携歓迎
鯨の餌は基本的にオキアミとかそっち系じゃなかったか…?…まあなんでもいいさ。絡んでくるなら殺すまでだ。…肉を掻っ捌いて、鯨油を一滴残らず搾り取ってやる…。
味方とは基本的に取れる場合は連携を取る。
引き続き【水面走行】【水中適応】【完全視界】などの使える残留効果を全て使用し、回線を行う。
鯨のブリーチングに巻き込まれるのはごめんだ。
反撃及び攻撃は致命傷以外全て無視。一気に接近して妖刀を納刀し、なるべく攻撃が通りそうな人間体の部分を狙って居合抜刀を叩き込む。
巨体で押し潰そうとして来ても攻撃を続行。むしろその巨体ごと真っ二つにする勢いで首を狙う。
水死体風情が…海底深くにでも沈んでろ。
巴屋・萩
おや、これはまた派手に爆発させてくれる方ですねぇ。
もちろんこんなのまともに喰らってはひとたまりもありません……が、これだけ派手なら逆に隠れやすいと言うものです。
今回も【光学迷彩】で隠れて隙を伺いましょう。
【水中適応】で水中に潜っていればより見つかり辛い気がします。
なんせ水面は油で燃え盛っていますからね。
【完全視界】で敵の位置も把握できますし。
またこれかと言われようと私の戦い方は隠れて後ろから突き刺す、これが一番得意であります。
隠れているのが分かっていても、見つけられなければ食らうしかない。
中々理論的な戦い方かと思っていますし、猫的に性に合いますので!
巨鯨の海戦装の砲門が無数に展開される。
その砲口の大口径は今更確認するまでもない。アヴァタール級『キラーズホエール』の火力は、その海戦装の巨大さと比例することをディアボロスたちは知ることになるだろう。
「サクっと終わってもらっちゃあ、食いでがないってもんでな! これで終わってくれるなよ、ディアボロス!」
海戦装たる巨鯨の体内より生み出される油。
それによって得られる爆発的はパラドクスの輝きを得て、海面を吹き飛ばすように掃射される。
凄まじい火力がディアボロスたちを襲う。
「これまた派手に爆発させてくれる方ですねぇ。こんなのまともに喰らってはひとたまりもありません……が!」
立ち上がる水柱の如き水しぶきは、その海水の粒子を熱でもって細かく気化させ、戦場を包み込む。
逆説連鎖。
己に攻撃した瞬間、その反撃は既に始まっている。
巴屋・萩(迷猫魔忍帳・g09008)は水蒸気満ちる海面から一気に海中へと飛び込む。
すでに海面は燃え盛るように次々と『キラーズホエール』の砲撃が叩き込まれ続けている。凄まじい火力。視界は悪く、そして敵の掃射は止まらない。
まるで砲弾が尽きぬと言わんばかりの盛大なる砲撃だった。
「けれど、悪手でしたね! その火力は恐ろしいですが!」
萩の瞳は完全視界を得ている。
これまでディアボロスたちの戦いによって、戦場に残された光。
残留効果。
それを手繰り寄せる。敵の砲撃は苛烈そのもの。ならば、己がすべきことがなんでるのかを彼女は理解していた。
「隠れていてもなぁ! 全部ぶっ飛ばしちまえば、それで終いだろうが!」
「ええ、そうでしょうとも。隠れているのがわかっているから、そうやって砲撃を敢行する。埋め尽くそうとする。けれど、私の得意技は!」
萩の瞳がパラドクスに輝く。
ミラージュスラスト。『キラーズホエール』が萩に砲口を向けた瞬間に、すでにそこにあるのは萩の幻影であった。
爆発に背を押されるようにして萩の掌に隠されていた猫の爪のような小さなナイフの一撃が『キラーズホエール』の胸を突き刺さる。
「……ッ!?」
「私が言うのもなんですが、なかなか猫的って感じがしませんか!」
萩の一撃に『キラーズホエール』はよろめく。
「みなさん!」
萩の言葉にディアボロスたちが一斉に動く。
彼女の一撃は反撃の狼煙。
「くじらの死骸ってのは爆発すると聞くが……まさにそれのようなパラドクスだ」
荒田・誠司(雑草・g00115)の声が響く。
「どこだ
……!?」
砲撃が放たれる。だが、それは意味をなさない。どれだけ水蒸気が戦場を満たすのだとしても。
「お前は仲間の一撃を受けた。それが標だ」
姿無き攻撃(ステルス・ストライク)が放たれる。
萩の一撃もそうであったが、誠司の一撃も同様であった。彼のパラドクスは己の存在を隠蔽し、その後に痛烈な一撃を叩き込むもの。
それは先行した萩の一撃を受けた『キラーズホエール』にとっては痛打なる一撃。
完全なる死角より放たれた電光警棒の一撃を辛うじて彼女は腕部の海戦装でもって受け止めるが、走る電流が彼女の体内を焼く。
「っ、ちっ、やってくれる!」
さらに熱波で吹き飛ばされるほどの砲撃が迸り、誠司と萩を吹き飛ばす。凄まじい火力。
それに翻弄れるようにしながらディアボロス達は海中へと飛び込んでいく。
「どうなっている。ディアボロスは海戦に慣れているのか? 私達以上に海戦に向いた者がいるとでも……!」
「理屈はどうだっていいさ」
「カカッ! 俺等を喰ウっテ! 威勢がヨカったわりにはなァ!」
白煙の最中から二つの影が飛び出す。
弔焼月・咲菜(葬不送動の報復者・g01723)と青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)の二人が水面を駆け抜ける。
それまで水中にありて萩と誠司が『キラーズホエール』に打撃を与えたのを見ていた。
そして、パラドクスの一撃を受けてよろめく瞬間を決定的な隙と捉えて飛び出してきていたのだ。
残留効果があればこそであった。
故に『キラーズホエール』は、ディアボロスがあまりにも海原での戦いに慣れている、ということに驚愕するのだ。
「ああ、それは申し訳ないな。見くびっていた、とでも言うべきか。いや、はずべきことだとはわかっているが!」
振るわれる巨鯨の海戦装。
その砲口寄り放たれる圧倒的な砲撃が咲菜の体を撃つ。
だが、彼は構わなかった。
致命傷でなければ気にかける必要などない、と言うかのように砲火の最中を突っ切る。
血潮が噴出する。
皮膚を焼き、流れる血すら蒸発させるかのような圧倒的な熱量の中を咲菜は踏み込む。煌めくはパラドクス。海面を蹴って飛ぶ彼が睥睨するは、巨鯨。
「こちらを見くびろうがなんだろうが、構うものか。なんだっていいさ。そっちが絡んできた。だから殺す。それまでだ。てめえが巨鯨だっていうのなら、その肉を掻っ捌いて、鯨油を一滴残らず搾り取ってやる」
怨みが頂点に達する。
納めた刀に膨れ上がるような念。
葬不送動:不倶虚喰戴獄天(ソウフソウドウ・ドラギラッツォ・ライジング)。
パラドクスによって集約された怨念の刃は抜刀と共に瞬時に『キラーズホエール』の躯体へと叩き込まれる。萩が打ち込んだナイフの一撃。誠司の電光警棒がこじ開けた防御。
それらを縫うようにして袈裟懸けの一閃が彼女の体に刻まれるのだ。
「ぐっ……! だが!」
咆哮するように巨鯨の海戦装が砲撃を放つ。
その最中を飛ぶようにしてイカスが舞う水蒸気の最中を突っ切って進む。まるで、視界の悪さなど感じていないかのような踏み込み。
「もとヨリ容易イなんテ思っテやしねェ!」
拳銃を構える。
その銃身はよく手に馴染む。だからこそ、引き金を引くのも自然なものだった。グリップの感触。引き金の冷たさ。撃鉄が落ちる音。
全てが彼のパラドクスに集約されていく。
「コッちも生命張っテやンぜ!」
放つはスコルピオンスティング。弾丸に込められたのは毒。
冥海機を討ち滅ぼす弾丸。
「だが! 戦いに生命を賭けるのはもとよりこちらも変わらぬよ、ディアボロス!」
迫る巨鯨。
そうイカスは感じたことだろう。
この重圧。己のパラドクスが輝くと同時に彼女のまた己を押しつぶさんと砲撃と共に迫っている。だが、それを誠司の電光警棒が打ち据え、萩の一撃が押し止める。
「そうはさせないさ」
「ええ、戦場を引っ掻き回すのが猫にしてシノビの役割でありますから!」
さらに咲菜の剣閃が迸り、『キラーズホエール』の体を傾がせる。
「ハッ! だよなァ! ハイリスク・ハイリターン! そッチのほうガ面白ェ……だロ?」
放たれた弾丸が『キラーズホエール』の体を穿つ。
海原に散るは血潮。
ディアボロスの放ったパラドクスは四重に合わさるようにして、『キラーズホエール』の巨体を今まさに打倒さんとするのだった――。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】がLV2になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【フィニッシュ】がLV3(最大)になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
【アクティベイト】がLV3(最大)になった!
自凝・淡姫
連携アドリブ歓迎であります!
新宿から電車にのって舞鶴まで移動とは、なんとも不思議な感覚でありますね。
残る敵は部隊の長、一般人は既に無力化…状況把握はオッケーです。
それでは、淡姫出陣であります!
【水面走行】を活用し、水面を思いっきり踏み込んで全力スプリント
ナミクダキを両手で握りしめて、敵に向かって全力フルスイング!!
おぉぉお!!!
トリャーーーーーーーーーー
!!!!!!
っと、流石に鯨、一筋縄ではいきませんか。
出番ですよ!ナギちゃん、息の合ったコンビネーションで
やっつけちゃいましょう!
おかわりーーー!!!
っせーーーーーい
!!!!!
敵の攻撃はナミクダキを盾代わりに
後は気合と根性で耐える!!ふぬぬぬ!!
白尾・真狐
うおー!亀さんの仇!!じゃない!
《七曜の戦》に備えて、君にはここで倒されてもらっちゃうよ!
いざしょーぶ!!
見るからに相手はパワータイプ(偏見)
であればこの僕の溢れる妖狐の魔力……妖力……?
まあなんかそんな感じのエネルギーで攻めてみようか!
相手の攻撃の爆煙の中でも周りが見えるように【完全視界】を利用しつつ
逆に自分は【光学迷彩】で煙の中に紛れるよ!
そして相手がこちらを見つけられてない所から、
必殺の真狐ちゃんビームを放つのだ……!
油レーザーも引火する前にビームで消し飛ばしてあげる!
喰らえ必殺真狐ちゃんビ――――――――ム!!
味方との連携やアドリブも歓迎!
篠村・蓮十郎
何も貴様だけが喰らう側という訳でもあるまい。
せいぜい喉笛を噛み千切られぬ様、用心しておけ。
皮鉄を構え守備の要とし海戦装での砲撃を行う
直撃は避け周囲へ撃ち込み、巻き上がる爆炎と衝撃で牽制とする
ただし自身と奴の直線上へは着弾を避け敢えて突進を誘う
相討ちとなるつもりは更々無いが、相応の覚悟で臨まなければ致命打は与えられん
奴がこちらへ突進を敢行した時を見計らい
全ての行動を止め試製鉄刀を抜刀
鉄刀を大上段、[七胴]の構えを取り精神集中の後
衝突の直前に神速反応の理を以て機先を制す
望み通り喰らわせてやろう
この一太刀を凌げるものならな!
穿たれた体をもたげ、巨鯨たる海戦装を持つアヴァタール級『キラーズホエール』は咆哮する。
痛みにあえぐのではなく。
ただ只管に強敵たるディアボロスの存在に歓喜の声を上げる。
「喜ばしいことだ! ここまで強いとは!」
彼女の咆哮はまるでディアボロスのパラドクスが効いていないように思えたかもしれない。
けれど、確実に消耗させられている。
傷口から溢れる血潮が海面に流れ出している。
「さあ、来いよ! 楽しませてくれ! この戦いを!!」
海面を蹴って飛び込む姿は正しく巨鯨だった。
巨大な海戦装を受け止め、篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)はきしむ体のままに真っ向から『キラーズホエール』を睨めつける。
「いい面構えをしているじゃあないか、ディアボロス!」
「貴様は喰らうと言ったな。だが、貴様だけが喰らう側というわけではあるまい」
己の装甲を頼りに巨鯨のごとき突進を受け止めた蓮十郎は『キラーズホエール』の巨体を押し返す。砲撃の一撃を叩き込んでなお、己を押しつぶさんとする勢いを殺せなかった。
「せいぜい喉笛を噛みちぎられぬ様、用心しておけ!」
「いいねぇ! そういうの! 待っていたぜ、食いでのある敵ってのをさ!」
振るう海戦装の一撃が海面に叩きつけられ、水飛沫が舞う。
細かい粒子が舞う最中を切り裂くようにして、自凝・淡姫(人間の提督・g09904)が飛び込む。
「なんとも不思議な感覚でありますね! 何度経験してもこれは! ですが、淡姫出陣であります!」
彼女は新宿島からパラドクストレインによって舞鶴に移動したことを驚いていた。
けれど、その驚きも戦場に満ちる砲火と気配に吹き飛ばされる。
今己は戦場に立っている。
戦場に残された残留効果を手繰り寄せる。海面に降り立ち、まるで陸地のように彼女は駆け抜ける。
矢のように、一直線に彼女は『キラーズホエール』へと迫る。
「バカ正直に来やがるか!」
「バカは余計であります!」
交錯する視線と視線。
彼女の瞳にはパラドクスの輝き。同時に『キラーズホエール』の瞳にもパラドクスが輝く。
逆説連鎖戦において、攻撃する、ということは反撃を受ける、ということである。瞬時に淡姫は理解しただろう。己の振るった棍棒『なみくだき』の一閃が『キラーズホエール』の巨大な海戦装と激突し、火花を散らす。
押し負ける。
けれど、淡姫は歯を食いしばる。
負けるわけにはいかない。一筋縄でいくとも思ってない。だからこそ、棍棒を振り抜き、押し負けることをこそ否定するように渾身の一撃を叩き込む。
「おぉぉお!!?」
「この私と打ち合えるだと!?」
二人は激突し、互いに吹き飛び、海面を水飛沫を上げながら態勢を整える。だが、淡姫は知るだろう。
己はディアボロス。
残留効果を手繰ったときに理解した。
この力は、己だけのものではない。多くのディアボロスが戦い、残してきたものだ。故に、ここまで紡がれている。引き寄せた力は鎖のように強固だった。
故に。
「うおー! 亀さんの仇!! じゃない! けど、君には此処で倒されてもらっちゃうよ! いざしょーぶ!!」
「はっ、威勢のいいことだが!」
白尾・真狐(まったり狐娘・g05562)の言葉に崩した体勢を整えながら『キラーズホエール』は、己の海戦装より生み出された砲塔を展開し、砲弾とレーザーによる砲撃を解き放つ。
それは弾幕、または雨のような圧倒的な物量だったことだろう。
その最中を真狐は海面を走り抜ける。
打ち据える砲撃の痛みは、真狐の意識を飛ばしそうになる。だが、彼女は頭を振る。
『キラーズホエール』は、その外見から見てもパワータイプであると彼女は思っていた。事実、『キラーズホエール』の海戦装の一撃は重たく、多くのディアボロスが苦しめられた。
砲撃も、接近戦の一撃も、どれもが一級品であると言わざるを得ない。
「であれば、この僕の溢れる妖狐の魔力……えっと妖力かな? まあなんかそんな感じのエネルギーで!」
「しまらねぇな! ディアボロス! そんなんで! ……ッ!」
「敵を前にして注意をそらすとはな、冥海機」
蓮十郎の静かな声が響く。
抜刀した鉄刀の刀身がパラドクスに煌めく。
構えは大上段。
あまりにも隙だらけであった。『キラーズホエール』は少なくともそう思ったことだろう。容易い、と。
あの大上段の構えは、胴がガラ空きだ。己の海戦装の一撃を叩き込めば、それだけであのディアボロスを滅ぼすことができる。
「叩き斬る!」
「しゃらくせぇ!」
振るわれる巨鯨の一撃。
その一撃を前にして蓮十郎は瞳を見開く。刀身に煌めくパラドクスの輝きを受けて、彼の瞳が輝いていた。
振り下ろされた斬撃。
剣法・七胴(ナナツドウ)は、縦一直線に閃光を迸らせるように『キラーズホエール』のはなった巨鯨の如き海戦装へと叩きつけられる。
「なっ……! 私の海戦装が……」
「斬ると言った……これが貴様の望んだ一太刀。どうやら凌げなかったようだな!」
両断された海戦装が海面へと落ちる。
「だが、もう片腕あらぁな! これで!」
振るい挙げられる巨腕。その海戦装が蓮十郎へと振り下ろされんとした瞬間、淡姫が飛び込む。
「トリャ――!!」
裂帛の気合いと共に淡姫の手にした『なみくだき』たる棍棒の、棍神の一撃(ナゾコンボウゼンリョクナグリ)が叩き込まれ、『キラーズホエール』の巨腕を弾き飛ばす。
「今でありますよ!」
「うん! 今こそ放つよ! 必殺の! 真狐ちゃんビーム!(マコチャンビーム)」
真狐の瞳がパラドクスに輝く。
これまで紡いできたものがある。
ディアボロスたちが戦い、戦場に遺した残留効果。鎖のようなそれを手繰り寄せ、彼女の力が漲る。
「こんなのテンション上がらないわけがないよね! だから! この一撃はきっと!」
パラドクスが光条となって『キラーズホエール』の体を撃ち抜く。
真狐は魔力、妖力のことを上手く理解できていない。言葉にするのが難しいとも言える。けれど、構わなかった。己には力があって、それはきっと誰かのためにあるのだとすれば、今こそこの一撃がそれを成すのだと知る。
迸る光が『キラーズホエール』の体を焼き尽くすように凄まじい熱量を生み出していく。
「こ、の……! 私が!」
「用心しろと言ったはずだ。その喉笛を!」
蓮十郎が光条を突き進み、斬撃の一撃で持って『キラーズホエール』の喉を切り裂く。だが、浅い。血潮が噴出しながらも『キラーズホエール』の鋭い眼光が飛ぶ。
そこへ、淡姫が己のサーヴァント、アクアスライムの『ナギちゃん』と共に飛び込む。
手にした棍棒よりも早く、『ナギちゃん』の体当たりが『キラーズホエール』の足元を掬う。
「スライム、風情が……!」
「いいえ、『ナギちゃんと私のコンビネーションは、生きぴったりなのです! このままおかわり――!!! っせ――い!!!」
振るう一撃が『キラーズホエール』の脳天を打ち据え、ぐらりと巨体が傾ぐ。
だが、それでもなお砲撃が雨のように降り注ぐ。
「離れて! これで、おわりにするよ!!」
真狐の叫びと共に光条が再び叩き込まれる。切り裂かれた海戦装。穿たれた傷跡。
そのどれもがディアボロスによって『キラーズホエール』という巨鯨を追い詰めたがゆえであった。
天に手を伸ばす『キラーズホエール』。
そこに言葉はなく、溢れる血潮と共に光条が消えゆくと共に、ついに巨鯨は海に没するのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【防空体制】LV1が発生!
【神速反応】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!