黒煙一つ、海原に揺らぎて(作者 月見月
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#冥海機ヤ・ウマト  #舞鶴鎮守府沖海戦  #舞鶴 

●黒煙一つ、海原に揺らぎて
「う~~ん……これはちょっとアレだね? 少しばかり面白くはないかなぁ」
 京都府近海。茫漠と広がる蒼い海原に佇みながら、一体の冥海機が悩まし気に眉根を潜めていた。史実に置いてはフランスから日本へと回航中に忽然と消息を立った防護巡洋艦『畝傍』、その名を冠するアヴァタール級である。そんな史実に影響されてか、秘匿性の高い伝達任務に駆り出される事が多いこの冥海機は、どうやら何か形容しがたい歯痒さを感じている様だ。
「ディアボロスが横須賀鎮守府方面に現れたってのは、確定情報と見て良さそう。でも、当初は台湾方面の攻略を進めていたって話よね? 実際、そっち方面でも被害が出ているって言うし……」
 彼女は飽くまで一介のアヴァタール級、持ち得る情報はそこまで多くは無い。然れどもそんな役割を任せられているからか、どうにも思考を巡らせ、裏を読もうとするのが癖になっているらしかった。
「一口にディアボロスと言っても、それぞれ別ディヴィジョンの勢力なのかしら。だけど東京近郊での交戦記録を皮切りに、翔鶴さんの報告だと中国の一件でも介入されたらしいし……関連していない、なんて無邪気に信じる方が無理じゃない?」
 ブツブツと何事かを呟きながら、畝傍は背後を振り返る。そこには機雷とクラゲに乙女を足して二で割ったようなトループス級が展開している。ある程度の機動力を犠牲とし、代わりに索敵性能と長期の作戦運用に耐え得るタイプの冥海機たちだ。彼女らはゆらゆらと揺蕩いながら、こてりと小首を傾げてゆく。
「あぁ~、分かんないか。ま、だったらすべき事は一つよね。この目で確かめる、それだけよ」
 そんな同胞らの姿に苦笑しつつ、アヴァタール級は怪しく微笑むのであった。


「GutenTag、Kamerad! みんな、集まってくれてありがとう! いよいよ『七曜の戦』までもう間近、あちこちで大一番を見据えた作戦が進められているわね。と言う訳で、今回お願いしたいのもそんな決戦を見据えた動きになるわ」
  新宿グランドターミナルへと集った仲間達に、アーデルハイト・ベールケ(サイボーグの航空突撃兵・g03315)はそう口火を切った。掲示板へと張られたのは京都府の地図。アーデルハイトはその北部に位置する舞鶴を指差しながら説明を始める。
「現在、神奈川県沖で横須賀鎮守府に対する攻略が進んでいるけれど、攻略旅団の提案で此処『舞鶴鎮守府』に対しても同様の作戦が実施されることになったの。こっちは流石に時間が時間だから鎮守府の攻略までは難しいとは思うけど、予め戦力を減らしておけば『七曜の戦』で京都・奈良方面の防衛が有利になる筈よ」
 つまり、作戦的な意義は神奈川県沖での制海戦闘と同じと言ってしまって良いだろう。新宿島を中心とする都内二十三区の方が重要さで言えば上かもしれないが、こちらも平安鬼妖地獄変の攻略によって奪還した大事な最終人類圏である。降りかかる火の粉を払っておくに越したことはない。

「作戦の流れ自体も概ね同じよ。神奈川県沖から北西に向かい、舞鶴を目指して貰う事になるわ。暫く移動することになるから、海上戦闘用の準備を整えておくべきでしょうね。で、舞鶴近海へと近づけば戦闘開始よ。相手は神奈川県沖で起こっている海戦についても既に把握しているみたいだから、それを踏まえた上で布陣しているみたい」
 敵は防護巡洋艦のアヴァタール級に率いられ、クラゲ型のトループス級と一般人が操作する支援艦隊が展開している。この布陣に関しても概ね神奈川県沖と変わりない。支援砲撃を利用した冥海機との連携戦術、艦艇を撃沈した場合の敵戦力増加など、留意すべき点も同じ為、これまでの報告書や実際に参加した経験が大いに役立つはずだ。
「ただ、変わっている点もあるみたい。どうやら神奈川県沖での情報を元に、支援艦隊には機銃類や爆雷が増設されているらしいの。対空機銃ならぬ対海機銃ね。水平方向より下に向けて撃てるように設置したり、水中を掻き乱す事でディアボロスの接近を少しでも阻害しようと言う狙いかしら?」
 無論、一般法則破壊によって復讐者にはパラドクス以外の攻撃は意味を成さない。とは言え、ディアボロスと言う存在をより念頭に置いた兵装を冥海機が活用すれば、それはそれで厄介である事に間違いは無いだろう。これまで同様に無力化し、効果が無かったと再学習させるのが手っ取り早いはずだ。

「そう言えば予知出来た限りだけれど、舞鶴の冥海機たちが朝鮮半島方面のディヴィジョンと戦闘を開始しているという事は無さそうね。恐らく、そちらを支配しているのは大戦乱群蟲三国志の奪還戦でも交戦したアルタンウルクの可能性が高いと思うのだけれど……兎も角、今は目の前の課題を片付けるのが先ね」
 そうして説明を締めくくると、アーデルハイトは仲間たちを送り出すのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【フライトドローン】
2
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【液体錬成】
3
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【水面走行】
5
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【水中適応】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV5 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV2 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV2 / 【反撃アップ】LV3 / 【先行率アップ】LV3 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

月見月
 どうも皆様、月見月でございます。
 今回は『冥海機ヤ・ウマト』、舞鶴沖での海戦となります。
 それでは以下補足です。

●シナリオ成功条件
 舞鶴近海の冥海機勢力の殲滅。

●シナリオ開始状況
 時刻は昼。まずパラドクストレインは神奈川県沖に出現します。そこから舞鶴を目指して直接海を移動する形となりますので、その間に海戦準備を整えて頂きます。以降の流れに関しては、基本的に神奈川県沖での海戦と同一となります。注意点としては冥海機に従う支援艦隊を撃沈した場合、敵勢力の増強に繋がる為、海戦による死者を出さない様に無力化しつつクロノヴェーダの殲滅を行ってください。

●採用について
 ①は成功数+海戦に必要な残留効果、②・③については必要成功数+αとなる見込みです。採用数については余り過剰にならないレベルで程々とする予定ですので、その点を御了承頂けますと幸いです。

 それではどうぞよろしくお願い致します。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


柳瀬・渚
連携とアドリブ歓迎

大きな戦いが近いしできるだけの事はやっておいたほうが良さそうだよね。
……怖いけど。

とりあえず、海戦の準備が必要だし【水面走行】を発動できるようにしておくよ……

準備が出来たら海上での動きを確かめながら支援艦隊をどう無力化するかについて考えてみようかな?

支援艦隊に爆雷が増設されてるらしいけどそこが厄介な気がするんだ。
爆雷を投下しても私達には直接の害はないんだろうけど、艦艇を無力化しようとしてこっちの攻撃が船に積んである爆雷に当たっちゃったりしたら乗ってる一般人に被害が出ちゃうよね……
パラドクスの効果とかで直接の被害を出さないで撤退させるような工夫を考えなきゃだね。


椎名・理
アドリブ連携歓迎

七曜の戦も近い。ここも落として足がかりにしたい所だな

装備確認ヨシ!
【水面走行】を借り身体を慣らしつつ前進
全気力解放でオーラ操作――気を研ぎ澄ませ
海上海中の気配を探って安全第一ヨシ! で進もう
冗談じゃないぞ? 製造の現場はこれ毎朝やってるから

既に進路上でも何がしかの罠が設置されてるかもわからん
忍耐力で集中を切らさずにしっかり探していこう
【完全視界】も借りて、特に戦闘中邪魔になりそうな爆雷とかあれば
事前に排除したいところだが……【水中適応】で作業は出来るからな
ダミーを発明して放り込むとか、目立つし止めた方がよさそうか
一応、潜水型海戦装があるからな。それっぽいのは造れると思う


●注意を以て変化を逃さず
「舞鶴周辺の制海権確保、か。大きな戦いが近いしできるだけの事はやっておいたほうが良さそうだよね……まだちょっとだけ怖いけど」
「七曜の戦まであと一か月ほどだ。時間的余裕は余り無いが、ここも落として足がかりにしたい所だな」
 パラドクストレインを降りた先はどこまで続く海原であった。神奈川県と舞鶴を隔てる大地は未だクロノヴェーダの支配下にある為、今はただ一面の蒼が続くのみ。それらを眺めつつ、柳瀬・渚(ダウナーな海戦装姫・g09826)と椎名・理(サイボーグ残党兵・g03165)は緊張をほぐす様に言葉を交わしてゆく。
 この神奈川県沖から舞鶴まではざっと直線距離で300km。一般人なら兎も角、復讐者ならば然して苦では無い距離だ。とは言え、それ相応には時間を要する。ならば道中を無為に過ごす理由はないと、二人はそれぞれ戦闘に向けて準備を始めていた。
「躯体、バイタル状態に異常なし。ラング、マスク、デバイス、ブースター、特5234号海戦装……装備確認ヨシ! 海上海中の気配も探って、安全第一ヨシッ!」
 まず理はと言うと、自らの纏う装備を一つ一つ指差しながら異常が無いかを点検している。傍から見ればどこか間の抜けた光景にも思えるが、単なる目視だけでなく声と動作を掛け合わせたチェックと言うのは存外馬鹿に出来ぬものだ。
 そして、そんな仲間の仕草を物珍しかったのだろうか。ふと彼は自らに向けられる渚の視線に気付くと、その意義について説明してゆく。
「ああ、これは場を和ませる冗談じゃないぞ? 製造の現場はこれを毎朝やってるからな。下手をしなくても命に係わる物事なんだ、分かり易過ぎるくらいが丁度良い」
「そう言うものなんだ……装備と言えばだけど、支援艦隊をどう無力化するかが今回は課題になるのかな」
 それを聞いた少女の脳裏に浮かぶのは、此度の冥海機に従う支援艦隊についてだった。可能な限り人的被害を出さずに制圧する、それはこれまで通りだ。異なるのは各艦に搭載された兵器の傾向である。
「私たちディアボロスを念頭に置いた、対海上・海中用の武装……支援艦隊に爆雷が増設されてるらしいけど、特にそこが厄介な気がするんだ」
 予知の情報によれば従来の主砲や副砲、対空機銃に加え、相手は対復讐者を念頭に置いた改装を各艦に施しているらしい。そも、軍艦の主たる交戦対象は同じ戦闘艦や航空機だ。海面の上下を問わずに動き回る人間が相手では荷が勝つと相手も気付いたのだろう。
「爆雷を投下しても私達に直接の害はないんだろうけど、艦艇を無力化しようとしてこっちの攻撃が船に積んである爆雷に当たっちゃったりしたら、乗ってる一般人に被害が出ちゃうよね……」
「ふむ、確かに爆発物の取り扱いには細心の注意を払うべきだろう。戦闘中と言うならば猶更だ。いや、冥海機からすればそれもまた良しとしている可能性も高いな」
 渚の懸念に理もまた同意を示す。そもそも、冥海機からすればどっちに転んでも損は無いのだ。支援艦隊が健在であれば援護を受けることが出来、仮に沈んでも新たな戦力の増強に繋がる。弾薬の誘爆による轟沈など、正に海戦における死因の代名詞と言えよう。
「である以上、相手としては罠を仕掛けるよりも、寧ろ船に抱え込ませようとするかもしれないな。だったら逆に、囮代わりのダミーでも放り込んで吐き出させるのも一手か。一応、潜水型海戦装があるからな。それっぽいのは造れると思う」
 どちらかと言えば道中の罠を想定していた理だったが、仲間の懸念を受けて思考を切り替えてゆく。自身を囮として弾薬を枯渇させると言うのも悪くは無いが、ダメージを受けないとはいえ鬱陶しい事に違いはない。手持ちの資材でどうにか出来ないか、考えを巡らせてゆく。そんな仲間に対し、渚もまた何か手はないかと思案していた。
「うん……パラドクスの効果とかを活用して、直接の被害を出さないで撤退させるような工夫を考えなきゃだね。戦力を削りに来たのに、増やす手伝いをしたら本末転倒だから」
 相手が此方に合わせて戦術を変えたのならば、更にその上を行くべく対応するのみ。斯くして二人は舞鶴へと向かう道すがら、互いに意見を交わし合うのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水面走行】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

一角・實生
七曜の戦がより現実味を帯びてきた
取り戻した世界を護るちからとなるのなら、そこへ向かうだけ

敵は対海戦の備えもしているというし
【完全視界】で海中を良く見通せるようにしておくよ
海上にしろ海中にしろ視界は重要な要素となる
仲間の残留効果である【水面走行】や【水中適応】を使い、海域の状況を迅速に観察・偵察し情報を収集していこう

海上や海中で武器を構えながら移動し、先の神奈川県沖での戦いの感覚を取り戻していく
仲間とも装備を確認し合い、戦闘で連携を取りやすくしたいね

強化されているであろう敵の布陣、対海機銃
舞鶴を目指す道中も思考に留まり続けそうだ
――それでも突破するのが俺達ディアボロスなのだと、知らしめないと


天破星・巴
わらわの居た平安の後の世とはいえ京都の安全を脅かす舞鶴鎮守府攻略の足掛かりにさせて貰うのじゃ。

【完全視界】で水中でも敵や機雷、魚雷等を発見しやすくする。
他の海でも試したが海は完全に透明では無いので完全視界のあると内では大違いじゃ。

隠れているもの物まで発見できるわけではないので注意は必要じゃ。

水中にある透明なガラスや極細のワイヤー等には気が付けない場合がありそうじゃ。


一般法則破壊は有っても随伴艦の援護を戦略に組み込んでいるとなると水雷の爆発で移動力が削がれたところを攻撃されるかもしれぬので気を付ければ


●まずは眼前を見通して
「いよいよ、七曜の戦がより現実味を帯びてきた。この機に乗じて、敵もあの手この手で支配領域の拡大に腐心するだろう……取り戻した世界を護るちからとなるのなら、俺はただそこへ向かうだけだ」
 神奈川県沖から舞鶴までは片道300km。復讐者でもなければ海上を、それもほぼ徒歩で向かおうとは考えられない距離である。だがそれでも、この一歩が明日に繋がるのであれば一角・實生(深い潭・g00995)に厭う理由など有りはしなかった。
 幸い、先行した仲間のお陰で海上と水中のどちらにも対応可能だ。移動する分に支障はない。静かに決意を固める仲間の姿を横目で見つつ、天破星・巴(反逆鬼・g01709)もまたそんな想いに同意を示す。
「わらわの居た平安の後の世とはいえ、京都が生まれ育った土地である事に変わりはない。その安全を脅かす舞鶴鎮守府攻略の足掛かりにさせて貰うのじゃ」
 新宿を含む東京二十三区の直接的脅威となる横須賀鎮守府と比べれば、舞鶴鎮守府の優先順位はどうしても一段落ちる。しかし、奪還した大地で生きていた者にとって唯一無二の故郷である事に変わりは無いのだ。再び敵の手に落ちる事を防ぐ為にも、いま行動する事には確かな意味があった。
「海上にしろ海中にしろ、戦闘に置いて視界は重要な要素となる。吹き上がる水柱や砲煙で戦闘海域の見通しが悪くなると、先の神奈川県沖での戦いで学んだからね。舞鶴に到着するまでにはその感覚を取り戻しておきたい」
「うむ。他の海でも試したが、海は完全に透明では無い。故に『完全視界』のあると無いでは大違いじゃ。とは言え、隠れているもの物まで発見できるわけではないので注意は必要じゃがの」
 幸い、準備を整える時間は十分すぎる程にある。二人は残留効果によって視界を確保しつつ、海と言う環境に対して順応を試みてゆく。まずは重心を下へ落とすと、そのまま海中へと身を沈めていった。
(ふむ……見通し自体は良い。じゃが、別に視力が上がったわけでも無し。水中にある透明なガラスや極細のワイヤー等には気が付けない場合がありそうじゃ)
 やはりと言うべきか、水の中は陸上とだいぶ勝手が違うものだ。抵抗感、浮力などは元より、光の屈折率も異なる。もし仮に巴の言う様なトラップが仕掛けられていた場合、よほど注意していなければ見破る事は難しい。況や、戦闘中ならば猶更だろう。
 念には念を入れて周囲へ目を凝らしてみるが、幸いにもそれらしいモノは見つからない。既に神奈川県沖からは幾分と離れ、しかして舞鶴までは道半ば。相手からすれば警戒に値しない海域である。今のところはまだ心配する必要は無さそうだ。
(以前だと、水中からの奇襲は有効な場面が多かった。だけど、今回もそれが通じるかは未知数だ。強化されているであろう敵の布陣、対海機銃、増設された爆雷……確かに、対ディアボロスと言う点では有効に違いない)
 一方、實生は身体の感覚を慣らしながらも、思考の一角で常にある懸念が渦巻いていた。それは敵の支援艦隊に施された改装について。その内容を鑑みれば、冥海機勢力がディアボロスを警戒すべき相手だと判断しているのは明らかだ。
 無論、それらが直接的なダメージを与えて来る事は無い。とは言え、全く影響がないかと問われればそれも否。撒き散らされる衝撃が姿勢や照準をブレさせ、それに乗じた冥海機に襲撃されれば決して侮れぬ脅威となる。
「確かに一般法則破壊は有っても、随伴艦の援護を戦略に組み込んでいるとなると、水雷の爆発で移動力が削がれたところを攻撃されるかもしれぬな。ゆめゆめ気を付ければ」
「しかし、例えそうだとしても――それでも突破するのが俺達ディアボロスなのだと、奴らに知らしめないと」
 狙撃手の懸念に頷く鬼人だったが、極論を言ってしまえば敵が何を企んでいようとも関係ない。企みの尽くを打ち破り、歴史を奪った簒奪者を討つ。ただそれだけである。斯くして懸念と決意を胸に秘め、復讐者たちは先を急ぐのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】LV2が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!

麗・まほろば
舞鶴鎮守府は、日本のなかでも唯一日本海に面している鎮守府だ。
だから既に取り戻したらしい京都や奈良を守るためだけでなく、ヤ・ウマトの大陸ディヴィジョンへの様子も見たりできるかなって、少し考えていたけど……アルタン・ウルクかぁ。
噂には聞いてる。すごくもじゃもしゃーってして、だけどとっても倒しきれないくらいに強かったって。
ううん、正面から戦いたくないなぁ。まあ、今気にしても仕方ない。
まずは舞鎮をしっかり叩かないと、ね。

まほろばは【水面走行】を展開して前進するよ。
舞鎮はあきらかに冥海機にとって重要な拠点のひとつだ。
海防艦や海を護る何かがあってもおかしくはない。
見逃さないように、よく警戒しながら進むよ。


青天井・イカス
アドリブ・連携OK

細々と情報が出テ来たナ
朝鮮の方はアルタンウルクが出張っテんノカ
アレとやリ合ウなァ、まだ先カと思ッテたガ、真横まデ来ラれてルとナるとソウとモ限らネぇナ

マ、今は対岸の火事ヨか足元の火種ヨ
奈良・京都ヲ再奪還っつーノも二度手間だシ、ガッツリ戦力削っテ『七曜の戦』に備えヨウぜ

持チ込みの残留効果ハ【水面走行】
【水中適応】や他残留効果で必要ナもンは仲間カラ借用
舞鶴への長距離移動中は、適宜、動キを確カめたリ、武器の確認シたり
シっかシ、爆雷に対海機銃ネぇ
物々シクなっテ来たモンだ
ソの内、顔見たダケで魚雷撃タれソウだナ

カカ!
マ、どれダけ警戒サれヨウが関係ネェ
俺等ぁ、兎に角ブち当たッテ貫き通すダケだ


●遠くの暴威、近くの脅威
「ハァん? 本筋にャ関係ナイが、細々と情報が出テ来たナ。朝鮮の方はアルタン・ウルクが出張っテんノカ」
「……舞鶴鎮守府は、日本のなかでも唯一日本海に面している鎮守府だ。だから既に取り戻したらしい京都や奈良を守るためだけでなく、ヤ・ウマトの大陸ディヴィジョンへの様子も見たりできるかなって、少し考えていたけど……よりにもよって、アルタン・ウルクかぁ」
 舞鶴にあるディヴィジョン境界線を目指し、見渡す限りの海原を突き進んでゆく復讐者たち。そんな海上移動の時間を利用して戦闘に向けた準備を整える者が多い中、青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)は興味深げに、麗・まほろば(まほろばは超々々々弩級戦艦ですっ!・g09815)はややげんなりとした様子で、ある共通した情報に思考を巡らせていた。
 アルタン・ウルク。それは冥海機同様、大戦乱群蟲三国志の奪還戦に置いて本格的に交戦したクロノヴェーダ勢力である。彼らを形容するならば、ただただ異質と言う他ない。その戦闘力は蟲将と比べても隔絶しており、危険度で言えばこれまで出会った敵の中でも最上位と言って良かった。
「噂には聞いてる。すごくもじゃもしゃーってして、だけど、とっても倒しきれないくらいに強かったって。ううん、正面から戦いたくないなぁ。でも放っておいたら、せっかく奪還した中国にもまた攻め込んで来るんだろうな、きっと」
 まほろばが流れ着いたのは先の奪還戦後の為、アルタン・ウルクと実際に砲火を交わした事はない。だが、その恐ろしさは報告書を読んだだけでも伝わってくると言うものだ。出来れば関わり合いたくないと言うのが本音ではあるが、奪還した中国と領土を接している以上、『七曜の戦』での衝突は避けられないだろう。
「アレとやリ合ウなァ、まだ先カと思ッテたガ、真横まデ来ラれてルとナるとソウとモ限らネぇナ。冥海機ドモが手ヲ出しテねェのも納得ダワな。下手ニ突イタら、蛇が出ル所の騒ギじゃネェよ」
 一方、交戦経験のあるイカスとしては冥海機側の対応にある意味で納得していた。アレを相手取るのは些か以上に骨が折れる。海洋や島々を支配領域とする彼女らからすれば、積極的に拘わる理由が薄いのかもしれない。
「マ、飽くマデも推測だケどナ。今は対岸の火事ヨか足元の火種ヨ。奈良・京都ヲ再奪還っつーノも二度手間だシ、ガッツリ戦力削っテ『七曜の戦』に備えヨウぜ」
「ええ、同意するわ。まずは舞鎮をしっかり叩かないと、ね」
 何はともあれ、イカスの言う通りまずは喫緊の脅威について対処せねばなるまい。まほろばは思考を切り替えると、用心深く周囲へと視線を巡らせてゆく。
(報告書によれば、冥海機は前からエゼキエル戦争に侵攻を企てていた。加えて、舞鎮はあきらかに冥海機にとって重要な拠点のひとつだ。海防艦や海を護る何かがあってもおかしくはない……見逃さないように、よく警戒しながら進むよ)
 周囲一帯はどこまで平穏そのものだが、板子一枚下は地獄とはよく言ったもの。海面の下に何が潜んでいるのか、分かったものではない。何か不審なものはないか、適度に気を張りつつ英霊機は仲間を先導していった。
「シっかシ、爆雷に対海機銃ネぇ。物々シクなっテ来たモンだ。ソの内、顔見たダケで魚雷撃タれソウだナ。いやマ、今でモそう変わラネェけドヨ」
 そんな仲間の背を追いつつ、イカスは改めて事前説明の内容を自分の中で噛み砕く。戦艦が航空機に対抗して対空兵装を増やしたように、相手もディアボロスと言う明確な敵に対して対応しつつある。それらを踏まえた上で更なる策を考える復讐者も居るだろうが、彼の場合はまた別だ。
「カカ! マ、どれダけ警戒サれヨウが関係ネェ。俺等ぁ、兎に角ブち当たッテ貫き通すダケだ」
 そのまま当たって砕けるか、逆に相手の目論見を打ち砕くか。答えは直ぐに出るだろう。斯くして、復讐者たちは舞鶴へ向けて着実に距離を稼いでゆくのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水面走行】がLV3になった!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

月鏡・サヨコ
舞鶴への上陸までは作戦を進められないにしろ、住民が帰還している京都への圧力を削ぐことには意義がある
今を生きる人々のため……往こうか、桂

【水面走行】を借りて、舞鶴鎮守府沖まで海上を駆けていく
身に纏う≪機甲軍犬用簡易海戦装≫と、桂の≪機甲軍犬用簡易海戦装≫が異常なく稼働していることを、道すがら確認
海上の移動に不慣れな仲間がいれば、慣れるまで傍で見たり、模擬海戦を引き受けてもいい

敵地に近づいたら、双眼鏡による目視と≪試製型攻性電探≫のレーダー機能で索敵を開始
【水中適応】も使用して、海中に潜水艦がいないか探ったり、潜行して身を隠しての偵察を試みる
巨大な実物の艦艇の方が、冥海機より先に見つかるだろうか?


宝心・ライラ
アドリブ連携歓迎

【水面走行】のウォーミングアップしつつ、仲間と歩調を合わせて進軍するわ
爆雷や対海機銃は主に水中から迫る敵を相手取るための装備
なら今回は海上を走って行動する方がよさそうね

他にも私達の迎撃のためにどんな武装が用意されているのか皆と予想し合って対策を練っておくのもいいかも!
「ブイみたいに海上に浮かべるタイプの爆雷なんかもありそうよね。水面走行する時も不審な物には注意しましょう!もしかしたら時限や遠隔で爆破されるかもしれないもの」

アルタンウルクの話題
朝鮮半島だったらワンチャン、アニメ映画のおっきい猪さんみたく集団で泳いで日本まで渡って来れちゃいそうよね
嫌な予想しちゃたわ……


●恐れる事無く、飛び込むべし
「時間的猶予を鑑みれば、舞鶴への上陸までは作戦を進められないだろう。だが、住民が帰還している京都への圧力を削ぐことには意義がある。今を生きる人々のため……往こうか、桂」
 戦場に滞留する残留効果により、復讐者にとっていまやこの大海原は渇いた大地と何ら変わらないものとなっている。そんなどこまでも広がる水平線を、月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)は友たるパンツァーハウンドと共に駆け抜けていた。
 神奈川県沖から舞鶴までは直線距離で約300km。障害物が無いとはいえ、常人であれば徒歩で踏破するのは些か以上に厳しいものだ。だが、復讐者なら話は別。その横を鼻歌交じりに並走する宝心・ライラ(ミス・ハッピースタート・g01071)を見て分かる通り、彼女らからすればちょっとした長距離走と言った所である。
「察するに、爆雷や対海機銃は主に水中から迫る敵を相手取るための装備。なら、今回は海上を走って行動する方がよさそうね。移動は徒歩でと聞いて始めはちょっと面食らったけれど、結果的には丁度良いウォーミングアップだったわ」
 ライラが海面に波紋一つ立てること無く歩を進める様は、道化師らしく流石は軽業もお手の物と言ったところか。一方の主従は身に纏う装備が長距離行軍によって何か異常を発していないか、互いに点検し合っている。
 出発してからもう短くない時間が経過しており、そろそろ境界線を示す霧が見えて来ても良い頃合いだろう。予知の内容を鑑みるに、その先では神奈川県沖と同じく冥海機たちが迎撃の為に布陣している筈だ。だからだろうか、ライラは自然と敵について思考を巡らせていた。
「ヤ・ウマトの攻略が始まってまだ一か月ほどだと言うのに、相手はもう私たちに対応しつつある。なら、さっき言った兵装以外にも何か用意していてもおかしくはないわね」
「と、言うと?」
 英霊機の問い掛けに道化はクルリと瞳を回すと、パチリと一つ指を鳴らす。
「ブイみたいに海上に浮かべるタイプの爆雷なんかありそうよね。つまりは機雷? それだったらすぐに用意出来そうだし、水面走行する時も不審な物には注意しましょう! もしかしたら時限や遠隔で爆破されるかもしれないもの」
「ふむ、確かにトループス級も似たような性質の手合いだと事前説明にあったな。既に敵の支配領域も間近であるし、よりいっそう警戒を密にしつつ進むべきだろう。或いはそうした罠よりも、巨大な実物の艦艇の方が先に見つかるだろうか?」
 仲間の口にした推測に然りと頷くと、サヨコは首に下げていた双眼鏡を手に取りつつ海戦装に搭載された電探を起動。目視と電波を併用しながら、何か不審なものが無いかを確かめつつ進んでゆく。
 そんな仲間の様子を横目で眺めながら、ふとライラはその流れで舞鶴の先にまで想像が至ったらしい。かつて中国大陸で相見えた悍ましき触手の群れを思い出し、思わずふるりと背筋を震わせる。
「幸い、まだこっちの方には来ていないらしいけれど。朝鮮半島が近いんだったらワンチャン、アニメ映画のおっきい猪さんみたく集団で泳いで日本まで渡って来れちゃいそうよね。思わず嫌な予想しちゃったわ……」
「む、あれは……見つけたぞ!」
 と、その時。不意にサヨコが何を発見し鋭い声を上げた。警告染みた声音に今しがた思い浮かべていたものも相まって、思わず道化師はさっと周囲に視線を走らせてゆく。
「え、アルタン・ウルクを!?」
「む? いや、そちらではない。あちらを見てくれ。ディヴィジョンの境界線を示す霧だ」
「ああ、そっちね……ちょっとだけ吃驚しちゃったわ」
 息を吐いて安堵する仲間を余所に、英霊機はある一点を指差す。彼女の言葉通り、その先の海上には濃密な霧が渦巻いていた。あの向こう側こそが目指すべきヤ・ウマトの舞鶴海域に違いない。
「コホン……それじゃあ、気を取り直して、と」
「ああ、このまま突入するぞ!」
 既に準備を整えるだけの猶予は十分にあったのだ、もうこれ以上の時間は必要ない。ライラとサヨコは海面を蹴って再度駆け出すや、臆することなく霧の中へと飛び込んでゆくのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】がLV2になった!
【水面走行】がLV4になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

●舞鶴近海戦、開幕
 ディヴィジョン境界線へと辿り着き、霧の中へ次々と飛び込んでゆくディアボロス達。視界が白に塗り潰されたと思ったのはほんの一瞬だけ。不意に眼前が開けたかと思うや、油と煙の匂いが鼻を突く。ヤ・ウマトへと突入した。そう悟った復讐者が次いで感じ取ったのは、夥しい数の発砲音であった。
「霧中より未確認勢力の出現を確認! 噂には聞いていたが、冥海機でもない人間が海上を走っているだと?」
「間違いない、奴らこそがディアボロスだ! 各艦は対海上機銃群、撃ちぃ方始めッ!」
 その元凶は陣形を組んで布陣する無数の軍艦である。見たところ砲火力よりも機銃や爆雷の運用を重視しているのだろう。艦種は幾隻かの軽巡洋艦を中心に駆逐艦が主戦力を務めているらしい。
 ざっと戦場を一瞥すれば、それらの間で波間に揺らめく無数の何かが見える。機雷の如き球体に砲と女が生えた姿。あれがトループス級と見て間違いないだろう。アヴァタール級の姿は見えないが、恐らくは敵の中心部で指揮を取っているのか。
 何はともあれ、ここからが本番だ。
 まずは支援艦隊を叩き連携を断つか。
 トループス級の漸減に着手するか。
 それとも、アヴァタール級を探し出して叩くか。
 斯くして今ここに、舞鶴近海を巡る戦いの火蓋が切って落とされるのであった。
一角・實生
機銃や爆雷といった対海機銃が増設されているとのことだし
そこを狙いに行こう
仲間がいれば手分けして効率的に無力化していきたいな

【水中適応】に【光学迷彩】を重ね、トループス級やアヴァタール級を避けて支援艦隊へ接近する
【完全視界】で海中から目標物の形状や位置を観察し情報収集しておくよ
充分近付いたら【水面走行】へ切り替え敵艦へ乗り込んでいく

グラナトゥムで機銃や爆雷を破壊していこう
怯まずに向かってくる一般人は加減した銃床打撃で昏倒して貰って、と
徹底的に破壊する姿を彼らに見せ抵抗する気力を削ぐ
一度目を合わせて、逸らして
何もしなければこちらも手は出さないと示すよ

俺達には効果がないのだと、沢山学習していってくれ


柳瀬・渚
アドリブと連携歓迎

早速新しい武装を使ってきてるね。ダメージはないけど、このままにも出来ないし、早く無力化をしないとだね……

【水面走行】を利用して海上から敵の艦艇に近づくね。
艦艇からの攻撃はダメージもないし無視していくね……撃たれまくるのは怖いけど。

無力化の方法だけど、艦艇を動かしているのは一般の人達だし【避難勧告】を使ってみよかな?
さっき話してた爆雷の件もあるし、撃沈しない程度の攻撃のつもりでも爆雷が誘爆して……とかになったらやだもんね。
だったらあっちが勝手に危険な戦闘地域から脱出し始めるパラドクスの効果を利用してできるだけ一般の人の被害が出ないように無力化が出来ないかを試してみるね。


●誤りは誤りのままに
「敵は巨大な艦艇ではない。海面の上下を問わず動き回る人間、つまりは歩兵と言って良い」
「ネズミを駆るのに船の砲では威力が過剰。必要なのは火力ではなく手数だ」
 戦闘海域へと突入して早々、復讐者を出迎えたのは冥海機ではなく支援艦隊による弾幕だった。対人戦を想定した機銃群に、海中からの接近を潰す爆雷の統制投下。一般法則破壊によって手傷を負わぬとは言え、裏を返せばそれ以外は常と変わらない。
「早速新しい武装を使ってきてるね。ダメージはないけど、このままにも出来ないし、早く無力化をしないとだね……冥海機と連携されても厄介だし」
「となると、先ず狙うべきは増設された兵装群だろう。扱いを誤れば乗組員に被害が出てしまうけれど、使いようによっては良い学習元になるかもしれない」
 史実でも、航空機の出現に対して軍艦は似た様な進化を遂げている。まだ黎明と言えるレベルだが、それでも下手に有効だと学習されては厄介だ。悩まし気に眉を顰める柳瀬・渚(ダウナーな海戦装姫・g09826)と共に、一角・實生(深い潭・g00995)は注意深く艦影を観察してゆく。
 確かに相手は復讐者を迎撃すべく武装の最適化を図っていた。だがそもそも、ヤ・ウマトの攻略を開始したのはまだ一か月かそこら。神奈川県沖での被害が報告されてから改装に着手するまで、どれだけの猶予があったのか。十中八九、突貫工事と見て間違いないだろう。そこに付け入る隙があると狙撃手は踏む。
「真正面から突っ込んで、纏めて砲火を浴びるのも馬鹿らしいからね。ここは二手に分かれて火力を分散しよう。俺は水中から接近するけれど、そちらは海上方面を任せても?」
「分かった、それで問題ないよ。艦艇からの攻撃はダメージもないし無視していくね……撃たれまくるのは怖いけど」
 斯くして二人は海面の上下に分かれると、冥海機の目を掻い潜って手近な駆逐艦を目指し距離を詰めてゆく。対する敵艦も警戒を厳にしていた為か、そんな復讐者たちの動きを目敏く察知した様だ。
「接近するディアボロスを確認、数は二! 右舷機銃座、撃ちぃ方始めッ!」
「爆雷も投射を開始せよ! ありったけを投げ込んでやれ!」
 たちまちの内に降り注ぐ鉄と火薬の嵐。負傷しないと分かっていても、高速で飛来する弾丸や足元から吹き上がる衝撃と言うのは決して気分の良いものではない。それらを装甲や回避機動で防ぐ傍ら、渚はどう相手を無力化すべきか思考を巡らせていた。
(艦艇を動かしているのは一般の人達だし、避難勧告を使ってみようかな? さっき話してた爆雷の件もあるし、撃沈しない程度の攻撃のつもりでも爆雷が誘爆して……とかになったらやだもんね。とは言え、相手も軍人さんだし何か切っ掛けが欲しいけれど……ん?)
 そんな中、彼女は敵艦すぐ近くの海中から何かが飛び出すのを視認する。それは一足早く取り付き、壁面を駆け上がって甲板へと踏み込む實生の姿だ。狙撃手はザっと艦上を一瞥し、艤装の配置を把握してゆく。
「たった一人乗り込んだところで……ぐッ!」
(やはり、よほど急な改装だったのだろう。兵装の配置や固定が雑だ。これなら問題なさそうだね)
 資材片手に襲い掛かって来た乗組員を銃床による殴打で制圧しつつ、彼は一瞬だけ周囲を取り囲む軍人たちへと視線を合わせた。思わず鼻白む彼らから視線を外すと、復讐者は艦尾に搭載された投射機から爆雷を引っ掴むや、徐にそれを海上目掛けて放る。
「危険を認知させた方が、彼らも自主的に避難してくれるだろう?」
「……成る程、そう言う訳ね。まぁ、分かり易いくらいが丁度良いかも」
 刹那、それらは中宙で撃ち抜かれ爆散した。それを為したのは海上で様子を窺っていた渚だ。彼女は仲間の意図を察すると、瞬時にそれへ応えて見せたのである。復讐者に艦へと乗り込まれ、応急処置的な工事によって可燃物の保管もおざなりだと目の当たりにさせられた乗組員たちから、急速に戦意が衰えてゆく様子が感じられた。
「もしこれ以上の戦闘を続ければ誘爆は必至……でも、被害が出るのはそっちだけ。出来れば、そのまま避難してくれると嬉しいんだけどね」
「くっ……総員、急ぎ退艦せよッ!」
 渚の勧告と共に、けたたましいアラートが鳴り響く。それが決め手となったのだろう、分が悪いと察した乗組員たちが一斉に海へと飛び込み始める。救助に関しては異常を察した他の艦が既に動いており、溺れ死ぬような事にはならないはずだ。
「こっちの要請に従ってくれて良かった……」
「一先ずはこれで良し、と。俺達には効果がないのだと、沢山学習していってくれ」
 これを続ければ、相手も更なる戦術の見直しを図らざるを得ないだろう。斯くして渚と實生は安堵と共に小さく息を吐くのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

宝心・ライラ
アドリブ連携歓迎

艦隊は仲間に任せて私はトループスを相手取るわ
「あら、ほんとに機雷みたいな見た目。そんな物騒な格好してる子は大嫌ーい…………なんちゃって!!」
お近づきの印に小粋なジョークで場を和ませてみたり
受けが悪かったら口をつぐんで水面と水中を行き来しながら攻撃に専念するわ
無言のピエロの恐ろしさを刻みつけてあげる!(やつあたり)

戦闘では両手から光輪のヨーヨーを伸ばして電撃ウィップとバチバチにやり合う
私のフラワーイカロスは切断攻撃であり爆撃攻撃
初撃を回避されても、直後に光輪を起爆して不可避の一撃を叩き込む事が出来るのよ
「あら、これじゃ私の方が機雷っぽい?でも私のことは嫌いにならないでください!」


●虚実の使い分けてこそ
 神奈川県沖での海戦において、冥海機側は先に支援艦隊を無力化され、戦力増強すら出来ぬまま後手に回る事が多かった。それを教訓としたのだろうか、トループス級たちは艦隊への攻撃を座視する事無く、援護へ回らんと動き始めている。
 相手はどうやら索敵と精密性に長けたタイプらしい。艦隊の迎撃に紛れ、そちらに注意が向いている復讐者の不意を突いてやろうと言う狙いらしい、が。
「あら、ほんとに機雷みたいな見た目。罠じゃなくて、トループス級そのものだったのね。そんな物騒な格好してる子は大嫌ーい……なんちゃって!!」
「……!?」
 そうは問屋が卸さぬと、敵の眼前に立ちはだかったのは宝心・ライラ(ミス・ハッピースタート・g01071)であった。やや周囲の気温を下げつつチラリと相手の反応を窺うが、どうやらお気に召さなかったらしい。感情に起伏のある手合いではない様だが、微かな殺気が潮風と共に肌身を刺す。
「受けはいま一つだったかしら? ならば結構、無言のピエロの恐ろしさを刻みつけてあげる!」
 半ば自業自得だが、戦いに向けて気持ちが奮い立ったのであればそれで十分。ライラは掌に光の輪を生み出すや、それをヨーヨーの如く操り敵中へと投じてゆく。凄まじい熱を内包したそれは海面に触れると同時に濛々と蒸気を生み出し、視界を遮った上でトループス級を切り裂いていった。
「ッ!?」
「……!」
 対して、冥海機たちもまたクラゲを思わせる触手に電流を纏わせると、負けじとそれを繰り出してくる。個々の実力では復讐者に軍配が上がる一方、敵の数が数だ。散発的ながらも支援艦隊の弾幕に紛れ、電流鞭が着実にライラの体力を削ってゆく。
「ッ、しま……!?」
「……ッ」
 対する道化師も海面の上下を問わずに跳ね回るものの、物量差で徐々に押されつつあった。一手、流れを変える何かが欲しい。そんな祈りも虚しく、放った光輪が僅かに狙いを外してしまう。それに乗じ、トループス級が勝負を決めに掛かった、瞬間。
「……なんてね? 私のフラワーイカロスは切断攻撃であり爆撃攻撃。初撃を回避されても、直後に光輪を起爆して不可避の一撃を叩き込む事が出来るのよ」
 外した筈の光輪が不意に炸裂するや、敵群を丸ごと吹き飛ばす。道化師ならば、こうした手妻の一つや二つは隠し持っているものだ。そうして敵の包囲を脱しながら、ふとライラは小首を傾げる。
「あら、これじゃ私の方が機雷っぽい……? でも、私のことは嫌いにならないでください!」
 果たしてどこから本気で、どこまでが演技なのか。飽くまでも道化らしく振舞いながら、少女は一先ずその場を後にするのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

青天井・イカス
連携アドリブOK
必要残留効果は適宜使用

マ、セオリー通り手堅ク行こウヤ
墜とシ易クて、相手の手数減ラセるトコからナ
ッつーワケで随伴艦の無力化かラやッテ行くゼ

復讐者の身体能力デ随伴艦の艦艇に邪魔スるゼ
侵入シたら【罪縛りの鎖】を船員に対シて発動
捕縛デキる相手は一切合切捕縛シて、一定時間行動不能へと陥ラせル
基本、実力行使の暴力ハ無シだ
下手に怪我サれちャこっチも困るシな

ソの上デ、艦艇に付イてイル砲台等の攻撃装置ヲ全て物理的に破壊シて行く
ヨシ、全部潰セたみテェだナ
ソウ睨みなサンなッテ
お前サン等が思ウ程イイモンじゃァ無イぜ、死ぬノなンザ
邪魔シたな、アバヨ

去り際に船のスクリューも破壊
カカ!オマケだ、貰っテおキナ


椎名・理
無力化か……厄介だがやるだけやってみよう

一、砲撃の無力化
イマジナリキャノンで遠方から砲撃し敵艦隊の注意を引く
無論当てはしないし、艦隊移動で陣形を変えさせるだけで十分
これだけで時間稼ぎくらいは出来るだろう
砲撃されてると思い込ませるんだ

二、迎撃装置の無力化
海中から海戦装で魚雷を放ち水中戦を仕掛ける
合わせて晴嵐型飛翔攻撃端末を発艦
フロート付きだし、高度を取らなければ電探にも掛かるまいよ
海上海中の両面から攻撃を受けている様に思わせる
機銃と爆雷でしっかり迎撃して貰いたい所だ

三、敵艦艇の無力化
ここは仲間達に任せよう
俺はあくまで陽動に専念し無力化を支援する
水中適応も水上走行も完全視界も上手く使って立ち回るぜ


●変わるコトと変わらぬモノ
「駆逐艦白浜、戦闘能力喪失! また、敵勢は冥海機とも交戦を開始した模様!」
「神奈川県沖での報告から、その程度の被害は想定の範囲内だ。我らは飽くまで助攻、敵の注意を惹き付ければ後は冥海機が仕留めてくれる筈……ッ」
 ある程度の事前知識が共有されているのだろう。友軍艦が一隻制圧されたにも関わらず、相手にそこまで大きな動揺は見られなかった。依然として統制された動きを見せる支援艦隊を前にして、椎名・理(サイボーグ残党兵・g03165)はコキリと首を鳴らす。
「士気旺盛な軍艦の無力化か……厄介だがやるだけやってみよう」
 無力化すると一口に言っても、何事にも順序がある。彼は艦隊の動きを注意深く見極めると、重砲部隊の幻影を展開。手早く照準を合わせるや、一斉に砲火を解き放つ。無論、当てるつもりはない。飽くまでも交叉着弾に留めるものの、敵艦隊からすれば初手で至近弾を叩き込まれた形となった。
「ッ、各艦は回避機動を取れ! だが、隊列を崩し過ぎるなよ!」
(流石に算を乱すほど甘くはない、か。だが、艦隊移動で陣形を変えさせるだけで十分。これだけで時間稼ぎくらいは出来るだろう)
 駆逐艦は足回りが命である。故にそれを活かした戦術を取るであろう事は予想済みだ。次に理は海中へと身を沈めるや、海戦装から魚雷を発射。これみよがしに白い尾を曳かせながら、命中直前に早爆させてゆく。対海機銃を増設したと言えども、分厚い海水越しに魚雷を迎撃するなど至難の業だ。
 更には予め海上に残しておいた晴嵐型攻撃端末を起動。フロートを使って海面から飛び上がると、プロペラの音を高らかに響かせながら敵艦上方を飛び回らせる。
(海上からは砲、水中からは魚雷、そして直上には特殊攻撃機、と。三方向から同時に仕掛ければ、嫌が応にも火力は分散せざるを得ないだろう。せいぜい、機銃と爆雷でしっかり迎撃して貰いたい所だ)
 海水越しに鈍く鳴り響く銃声に加え、爆雷も投下し始めたのか轟音と共に衝撃で身体が揺さぶられてゆく。だが、飽くまでも理は陽動役に徹すると始めから決めていた。自らが敵陣を掻き乱せば、それだけ仲間が制圧に専念できると踏んでのことだ。
「と言う訳で、艦隊の無力化自体は仲間達に任せよう。水中適応も水上走行も完全視界も、取り急ぎ必要なものは揃っているからな。上手く使って立ち回るぜ」
「……オーケー、オーケー。ソンじゃマ、セオリー通り手堅ク行こウヤ。せっカク墜とシ易クしてクレたンだ、後ハ任せナ?」
 一旦海上へと浮上し、独り言ちる残党兵。誰に聞かせるでもない独白だったが、不意にそれへ応じる声がある。誰かと見上げれば、海上に仁王立つ青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)の姿があった。
 彼は仲間に軽く手を振って駆け出すと、今まさに四方八方へ火力をばら撒いている敵艦へと肉薄してゆく。見た目こそ派手だが、狙いも何もない攻撃なぞ恐れるものではない。イカスはそのまま距離を詰めるや、悠々と甲板のへりに手を掛けて身体を引き上げる。こうなってしまえば、後はもう以前の神奈川県沖とやる事は同じだ。
「早速で悪イが、素直に大人しクして貰エると助カルんだがネ?」
「それは出来ぬ相談だな。貴様らが乗り込んで来る事なぞ、始めから分かっていたわッ!」
 だが違う点を挙げるとすれば、それは相手の反応。良くも悪くも、相手は復讐者の実力を高く見積もっているらしい。故に乗組員たちとて、迎撃を突破される事も端から覚悟の上。艦内設備を傷つけない為か、軍人たちは軍刀や銃剣、資材の鉄パイプで武装しており、飛んで火に入る夏の虫とばかりに袋叩きにせんと殺気立っていた。
「オッと、何とモ物騒なモンだ。だけド基本、実力行使の暴力ハ無シだ。下手に怪我サれちャ、こっチも困るシな」
「ここまで乗り込んで来ておいて今さら何をッ!」
 下手に学習されたせいで、少しばかり手間が増えた。そう嘆息するイカスの態度から馬鹿にされたと思ったのか、血気に逸る乗組員たちがわっと襲い掛かって来る。が、彼からすればこの反応すらもまた既視感を覚えるもの。果たして、翻した指先と共に鎖が飛び出すや、瞬く間に軍人たちは簀巻きにされてゆく。
「サテ、お次ハ兵装の攻撃装置デモ壊しテおくカ。一個一個は小セェが、コリャまた数ガ多いナ。ま、コレばかりハ仕方がネェさ」
 それが終わると、続いて兵装の破壊へと移った。増設されたせいでこれまで以上に数が多いが、使用不能にするだけならば何とかなる。目の前で己が艦を打ち壊され、せめてもの抵抗として恨みがましい視線をぶつけて来る乗組員たち。それに気づいたイカスは思わず苦笑しながら肩を竦める。
「ヨシ、全部潰セたみテェだナ……ヘイ、ソウ睨みなサンなッテ。お前サン等が思ウ程イイモンじゃァ無イぜ、死ぬノなンザ。ソれジャア邪魔シたな、アバヨ!」
 彼らの為と言って理解される訳も無し。イカスはそのまま船尾方向から飛び降りると、ついでとばかりにスクリューも叩き割ってゆく。
「カカ! コイツもオマケだ、貰っテおキナ!」
「目的は達せられたようだな。それでは次に行くとするか」
 そうして待機していた理と合流しながら、二人は次の目標へ向けて移動してゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV3になった!

月鏡・サヨコ
……戦訓を踏まえて、すぐに武装を更新したか
近現代の技術による迅速な情報伝達と高い生産力は、他のディヴィジョンと比べても大きな脅威だ
有効に活用される前に対処しよう

【水面走行】を利用して敵艦の周囲を回りながら、各武装を破壊していこう
≪試製型攻性電探≫の出力を上げ『高出力殺傷電波砲「Z」』を標的に照射
砲身を高熱で融かしたり、機雷内部の火薬に点火して遠距離から爆破する
最低限の破壊箇所で攻撃力を奪い、また機雷の爆発に仲間や敵船を巻き込まぬように注意
進捗は適宜【パラドクス通信】で共有し、手分けして効率的に全艦艇を無力化したい

……死ぬためだけに生きる命は、あまりに虚しい
彼らも、早く気づいてくれればいいのに


●板子一枚、下は地獄
「……支援艦隊の制圧は順調に推移中。トループス級の介入も友軍が防いでくれている。なら、今の内に詰めまでもっていきたいところだ」
 通信機を介して齎される仲間の戦果に耳を傾けながら、月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)は改めて気を引き締め直していた。冥海機との連携が寸断されている現状、体勢を立て直される前に押し切るべきだと彼女は判断を下してゆく。
「それにしても、戦訓を踏まえてすぐに武装を更新したか。近現代の技術による迅速な情報伝達と高い生産力は、他のディヴィジョンと比べても大きな脅威だ。有効に活用される前に対処しよう。行こうか、桂」
 均一な質を大量に生み出し、改良も容易。近現代的な軍事技術と言う点こそが、ヤ・ウマトの強みと言って過言ではない。現に似た様な立ち位置だった機械化ドイツ帝国のゾルダートがあちこちに流れ着いて影響を及ぼしている点からも、その潜在的脅威は計り知れよう。
 彼女は行き足を戦闘速度まで引き上げると、友と共に残存する敵艦の周囲を駆け抜けてゆく。途端に浴びせられる機銃の嵐、爆雷によって吹き上がる水柱。その様は洋上に浮かぶ要塞と言っても差し支えなかった。
「他の艦は? まだ戦闘力を有している艦は無いのか!?」
「綾雲は白浜の乗組員を乗せて既に海域を離脱。残るは当艦、細雪だけです……ッ」
 とは言え、相手も後はこの駆逐艦一隻を残すのみ。攻撃の苛烈さも後が無い事の裏返しだ。サヨコはそんな敵の動きを見て取るや、電探の出力を一気に上昇させ始める。通常時はレーダーとしての役割を担っているが、ここまで電波が強まれば凶悪な兵器と化す。
「乗組員に被害が出たら元も子もない。狙うべきは機銃座や爆雷の投射機か。誘爆は無論、茹で上がった人間なぞ見ていて気持ちの良いものではないからな」
 果たして、指向性を与えられた高出力の電磁波は艦上の兵装に触れるや否や、高熱を以てそれらを歪ませ使用不能にしてゆく。原理としては電子レンジの様なものだ。金属を破壊する程のエネルギーを人間が浴びれば、瞬く間に爆ぜ飛ぶだろう。
 故にサヨコは余計な被害を出さぬよう細心の注意を払いつつ、敵艦の戦闘能力を削ぎ落す。果たして、このままでは航行能力すらも失われると危惧したのか。駆逐艦は急速に回頭するや、戦闘海域の外へ向けて針路を取る。
「……死ぬためだけに生きる命は、あまりに虚しい。彼らも、早く気づいてくれればいいのに」
 ぽつり、と。その後ろ姿を眺める少女の口から、そんな独白が零れゆく。今はただ、眼前の脅威を打ち払う他ない。サヨコは頭を振って思考を切り替えると、次の行動へと移ってゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!

月鏡・サヨコ
戦闘艦艇は全て乗員の安全を確保の上で無力化した
これより、敵冥海機戦隊の撃滅に加勢する

【パラドクス通信】で仲間と状況確認・連携しながら戦おう
【水面走行】で海上を駆けながら戦場に合流
『水偵連携砲撃』を発令し、敵群に攻撃を仕掛けていく
≪巡洋戦艦海戦装『黒姫』≫から射出された子機による爆撃と、機銃の弾幕で敵をけん制
動きを制限した上で砲撃を放ち、致命的な命中弾を出してやる

敵の反撃に対しては、【水中適応】による潜水と低空に配置した【フライトドローン】を足場とした空中移動を組み合わせ、弾幕が薄い領域に入り込む
避けきれない分は≪海戦装用増設防盾≫で受け止め、負傷を最小限に抑える


一角・實生
敵艦艇の無力化、うまくいったね
冥海機たちが有利に戦える状況ではなくなった訳だ
視界も開けたし――行こう

【パラドクス通信】で仲間、敵の位置情報や状況を逐一交換・共有
敵もこちらの情報を収集しているようだし、【水面走行】で海上を駆け、会敵と同時にパラドクスを発動して先制攻撃を叩き込むよ
隊列も乱していきたいな

戦闘において情報は命そのもの
俺の情報も仲間の情報も渡さない
お前達に渡せるのはディアボロスには勝てない事実のみ

精密な砲撃には精密な狙撃を
【命中アップ】と【反撃アップ】のちからを借り、砲塔や砲弾を狙い砲撃に抵抗
仲間が敵の死角や意識外から攻撃できるよう【エアライド】を織り交ぜた立ち回りをしてみよう


●反撃の時、来たれり
「戦闘艦艇は全て乗員の安全を確保の上で無力化した。これより、敵冥海機戦隊の撃滅に加勢する。協同可能な友軍戦力はあるか?」
 支援艦隊を無力化した月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)は、そのままの足でトループス級を殲滅すべく針路を取っていた。先行した仲間が足止めをしてくれたとは言え、相手もそろそろ本腰を入れて動き始めている筈だ。
「……敵艦艇の無力化、うまくいった様で何よりだね。これで冥海機たちが有利に戦える状況ではなくなった訳だ。視界も開けたし――行こうか」
 彼女が移動しながら通信機越しに呼びかけていると、それに応ずる声がある。ちらと反応があった方角を見やれば、合流して来る一角・實生(深い潭・g00995)の姿が見えた。二人居れば、取れる手段も増えると言うもの。
「さて、先ずは敵の布陣を知らねば始まるまい。敵を知り、己を知れば百戦危うからずとはよく言ったものだ。水偵隊、順次発艦用意!」
 ならば次に必要なのは情報だった。サヨコは射出機を展開すると、そこから模型サイズの水上偵察機を発進させてゆく。トループス級も索敵に優れる種類である為か、すぐに頭上を飛び回る偵察機の存在に気付く。だが、この時点で半ば目的は達せられた様なものだ。送られてきた敵の位置情報を元に、復讐者たちはすかさず先制攻撃を叩き込む。
「気付いた所でもう遅い! 諸元入力完了、撃てーっ!」
「各個体の配置は割り出せた。優先的に狙うべきは……うん、あそこかな」
 サヨコの小柄な体に若干不釣り合いな大口径砲が仰角を調整しながら艦砲射撃を叩き込み、他方ではやや重心を落とした實生が敵陣の脆弱部を文字通り狙い撃つ。同時に放たれた攻撃によって次々と海上に赤黒い輝きが生まれゆく。
「……!?」
「……! ……ッ」
 しかし、数の上ではまだまだ相手の方が上である。電探からの情報と攻撃が飛んできた方向、相手はそれらを統合するや、すぐさま反撃の応砲が降り注ぐ。一発一発の威力はそれなり程度だが数が多く、またそれらの精度も決して侮れない。復讐者の位置を正確に把握した砲撃を前に、二人は咄嗟に散開してゆく。
(水中に逃れるか、それとも空に上がるか……いや、ここは下だな。下手に飛び上がって対空砲火を浴びては、それこそ目も当てられん)
 サヨコは一瞬だけ逡巡した後、海中へ潜行する事を選ぶ。相手も軍艦をベースとするクロノヴェーダだ、無防備に空を飛ぶ復讐者など格好の標的以外の何者でもないだろう。それと比べ水の中であれば海水が壁となって威力を減じさせてくれると期待しての選択だったが、伊達に相手も海の名を冠する存在ではない。白い泡の跡を残しつつ、砲弾が次々と落下して来た。
(っ、やっている事は支援艦隊と同じだが、当然ながら威力は比にならんな……!)
 空気に比べ抵抗が強いとはいえ、至近距離で炸裂する徹甲榴弾は侮れぬ脅威である。サヨコは防盾を片手に衝撃と撒き散らされる鉄片を防ぎつつ、弾幕密度の薄い範囲を目指して移動してゆく。
「……精密な砲撃には精密な狙撃を。全弾と嘯くつもりはないけれど、直撃弾だけでも撃ち落したいところだね」
 一方、海上に残った實生は仲間とは対照的に迎撃を試みていた。彼からすれば当たるかどうかも分からぬ盲撃ちよりも、正確無比な射撃の方がまだ軌道を読みやすい。狙撃手は愛銃を構えると、小刻みに狙いを変えながらトリガーを押し込む。
 結果、言葉通り全てを相殺する事は出来なかったが、何とか至近弾までで被害を抑え込むと、返す刀とばかりに今度は冥海機本体へと照準を合わせる。カウンタースナイプは狙撃手の腕の見せ所だ。
「戦闘において情報は命そのもの。俺の情報も仲間の情報も、何一つとして渡さない……お前達に渡せるのはディアボロスには勝てない事実のみ」
 果たして、海面スレスレを飛翔する銃弾が狙撃眼鏡に捉えた敵を穿ち貫く。更にはトループス級の上空からか細いレシプロ機のエンジン音が鳴り響いた。ハッと相手が頭上を見やれば、降下体勢を取った偵察機が機銃弾をばら撒きながら爆弾を投下せんとしている。
「……敵機直上、急降下と。いま、上を見たな? さぁ、今度はこちらの番だ!」
「……!?」
 しかし、それは飽くまでも陽動に過ぎない。敵の注意が空へと向けられたのを見計らい、待ってましたとばかりにサヨコか海中より呼び出す。一瞬対応が遅れた上、元よりそこまで機動力のある手合いではない。故にこそ、続けて放たれた砲撃を防ぐ術はなく。
 斯くして、その付近に展開するトループス級はあえなく掃討されてゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【フライトドローン】がLV2になった!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!

篠村・蓮十郎
通常艦艇の無力化は済んだ様だな。
これより加勢する。

パラドクス通信での連携を密に、状況を共有しながら戦闘に臨む
水上走行を用いて海上から攻め込んでいこう
壱號機械腕と皮鉄を盾として構え被弾に備えておき敵陣へ突撃する

海戦装での砲撃と腕部内蔵型軽機関銃で制圧射撃を行い牽制
砲撃の間隔と弾道を観察し、回避行動を行う
致命的な被弾が避けられない場合は水中適応を用い、海中で砲撃を凌いでおく

砲撃を凌ぎ敵陣中央へ突入後、機械腕を振り拳圧と突風を巻き起こす[旋風]で纏めて吹き飛ばす


●風と共に挑みて
「ふむ、通常艦艇の無力化は済んだ様だな。トループス級についても順次掃討が進んでいる様だ。ならば俺も、これより加勢する」
 洋上に漂う制圧済みの無人艦、あちこちで上がる砲声と水柱。今まさに戦闘が継続されている海域を一瞥しながら、篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)もまた戦線に加わるべく義手の調子を確かめてゆく。
 蓮十郎は通信機からの情報を元に未だ敵が残存している方向を割り出すと、そちらへ向けて海面を蹴って走り出す。そんな高速移動する復讐者の姿を相手も電探で感知したのだろう。立て続けに鳴り響く砲声と共に、甲高い風切り音が耳朶を打つ。さっと進行方向を見やれば、空に点々と砲弾の黒い点が見えた。
「無傷を凌ぎ切るのは厳しい、か。ならばこのまま距離を詰め、手傷を最小限に抑えるのみ。先行した仲間の立ち回りを参考にさせて貰おう」
 男は機械化された右腕義手と浮遊しながら追従する増加装甲を展開しつつ、そのまま海中へと潜行する。膨大な海水そのものを分厚い壁代わりとするも、落下の勢いを貫徹力へと変じさせた砲弾の群れが次々と水面を突き破って降り注ぐ。
 直撃は勿論、砲弾の炸裂に巻き込まれればそのまま海の藻屑と化す。蓮十郎は衝撃に全身を揺さぶられながらも、四方八方に撒き散らされる鉄片を辛うじて防ぎ、何とか致命打だけは避ける事に成功する。
(多少の手傷は負ったが……代わりに、大まかな砲撃間隔は把握できた。装填の合間を縫って、一気に肉薄する)
 傷口から滲む鮮血が海水を朱に染めるも、この程度は許容の範囲内だ。彼は幾度目かの砲撃を凌いだ後、そのまま海上へと飛び出すや次弾を籠めている最中の冥海機へと襲い掛かった。
「七曜の戦までもう余り時間が無い。奪還した最終人類史の安全を確保する為、お前たちには疾くこの場から引いて貰おうッ」
「……!?」
 砲撃戦ならば兎も角、こうして面と面を向かい合う白兵戦であれば蓮十郎に一日の長がある。彼は右拳を握り込むや、海面を割らんばかりに踏み締めながら全身を使って義手を振るう。果たして、それだけの動作で直撃を受けたトループス級は吹き飛び、あまつえさえ余波が旋風を生み出し大波を作り出してゆく。
 こうなってしまえば、冥海機とて有効な手を打つ事など出来ず。果たして暫しの後、海原には破壊された海戦装の残骸のみが漂うのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

青天井・イカス
水上・水中戦闘、及び連携に必要な残留効果は適宜使用

よシ、気ィ遣う一般人ハ対応が済ンだシ、後は暴レられルだケ暴れテやロウぜ
【万雷】使用
バール・拳銃…ソの他、武器ヲ手にシて遠慮モ躊躇も無ク、敵陣へト突っ込ンで行クゼ
俺ぁ痛覚は刻遡デ失くシてルからナ
何モ気にセず暴れラれルって寸法ヨ

敵の弾幕に、当テる気あンのか?と笑イ
【完全視界】デ視界が確保デキりゃ、なァんモ問題はネェなァ?
弾幕なンて温イ事シてンなヨ
防御に徹セば踏み込マレた時に弱ェぞ、ホレ、こンナ具合に
言イなガら、武器を使イ分けテ白兵戦
退こウとスる敵にゃ、拳銃で中距離攻撃

どウシた? 手前等こンなモンかヨ
お前サンは護衛の此奴等とハ違ウのかネ? 旗艦さんヨ


●立ち止まることなく、ただ先へ
「よシ、気ィ遣う一般人ハ対応が済ンだシ、後は暴レられルだケ暴れテやロウぜ。ま、と言ッテも、モウ残りモあンマいネェみたイだがナ」
 愛用している赤錆びたバールに加え、小さな拳銃の弾倉へと銃弾を籠めつつ、青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)はチラと周囲を一瞥する。先んじて交戦した仲間の活躍により、トループス級の数は当初よりも大きく減っていた。支援艦隊と協同すればまた話は違ったのだろうが、そうさせなかった以上はこのまま押し切るだけだ。
「コウなリャ、後ハ小細工ナシだ。遠慮モ躊躇も無ク、敵陣へ突っ込ムとシヨウかネ。俺ぁ痛覚は刻遡デ失くシてルからナ、何モ気にセず暴れラれルって寸法ヨ」
 幸い、彼我の戦力差はだいぶ縮まっていた。これならば多少の無茶をしても問題は無いだろう。イカスは両手に得物を握りしめながら、獰猛な笑みと共に敵陣目掛けて吶喊してゆく。他方、後が無いトループス級はこれ以上の被害を許すまいと、予測される進路上を砲弾で蹂躙せんとする。
「……ッ!」
「オイオイ、当テる気あンのか? ソレトモ、近づケさせナキャ、そレで良いッテ訳かネ? 弾幕なンて温イ事シてンなヨ」
 無論、弾幕と言っても電探に裏打ちされた精度を誇っていた。故に、異常なのは復讐者の方である。多少の被弾もお構いなしに距離を詰めると、勢いよく鈍器を振り被り叩きつけてゆく。
「防御に徹セば踏み込マレた時に弱ェぞ? ホレ、こンナ具合にナ!」
 尖った先端が咄嗟に翳された海戦装の装甲に罅を入れ、間髪入れずに撃ち込まれた拳銃弾が脆くなった装備を破壊し、核である本体を蹂躙する。既にこの向こう見ずを包囲殲滅するだけの戦力も残っていない以上、残り僅かなトループス級たちは後退しアヴァタール級との合流を目指すが、そうはいかぬとイカスはその背に鉛玉をお見舞いした。
「どウシた? 手前等こンなモンかヨ。ま、待チの姿勢ナラこノ程度か……お前サンは護衛の此奴等とハ違ウのかネ? 旗艦さんヨ」
 そうして暫しの後、海上に立っているのは復讐者のみ。これで旗艦を守る戦力は全て失われた。残るアヴァタール級と相対すべく、イカスはその場を後にするのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【水面走行】がLV5になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!

椎名・理
ロートルにゃ連戦はきついのよ。分かる?
嬢ちゃんは若そうだもんな、分からんか

黒煙の密度を増加し奇襲して来ようが完全視界で見える筈だ
だが奇襲そのものは出た所勝負
忍耐力とオーラ操作で如何に機先を制するか……

水中戦で牽制の魚雷をばら撒きつつ水面走行で距離を詰める
ある程度の所で複数のフライトドローンを足場に相手の上を取るぜ
電探に掛かる恐れがあるから高度には気を付け階段の様に跳んでな
そうすりゃ着地の瞬間を狙われるだろう――それを誘発させる

海戦装をパージしてドローンごと撃墜された振りをして
エアライドで一回跳んで衝撃波で突入角度を調整し猛蹴撃
強打を叩き込んで水中適応で安全確保だ
次、どこから跳ぶか分からん様にな


●旧式にも意地は在り
「あっはっはっはっ! いやぁ、百聞は一見に如かずとは正にこの事かしら。手持ちの情報で何とか対策を立ててみたけれど、付け焼刃程度じゃ歯が立たないわね。こりゃインディアナポリスが沈む訳だ!」
 支援艦隊は継戦能力を失い、トループス級も既に全滅。友軍の消えた海原に佇みながら、防護巡洋艦『畝傍』は独り呵々大笑していた。打てる手を全て打った上での劣勢なのだ、もはや笑うしかないと言った心境か。
「……全く、何がそんなに愉快なんだかね。そっちと違って、ロートルにゃ連戦はきついのよ。分かる? まぁ嬢ちゃんは若そうだもんな、まだ分からんか」
 そんなアヴァタール級とは対照的に、やや気怠げな言葉を返しながら椎名・理(サイボーグ残党兵・g03165)は敵の前へと歩み出てゆく。海戦も可能とは言え、潮風は金属の天敵だ。駆動部が軋むのか、男は大きく身体を伸ばしている。
「あら、女を見た目で判断するなんて本当にオジサンっぽいのね。こう見えてもけっこう古い艦なのよ。史実では、らしいけど」
「へいへい、そうかよ。なら、若作りとは言わんでおこうか」
「あら酷い。そんな輩には……こう攻めましょうか!」
 挑発交じりの舌戦もそこそこに、まず動いたのは敵艦側であった。相手は俄かに吐き出す黒煙の濃度を引き上げるや、それに紛れて姿を消す。だが、理に取り乱す様子はない。
(完全視界で見通しは確保できる。が、だが奇襲そのものは出た所勝負だ。後手に回れば流れを取られる。上手いこと凌ぎたいが……ぐっ!?)
 後ろか、下か、はたまた上か。敵影を求めて周囲を一瞥した瞬間、ヒュンという風切り音と共に背中へ激痛が走る。死角から鞭で打ち据えられたのだと悟った瞬間、理は牽制の魚雷を放ちつつ捉えた敵の姿目掛けて踏み込んでゆく。
「動きが遅いわよ、オジサン!」
「はっ、だったらこいつはどうだい?」
 復讐者はドローンを展開するや、それらを足場に跳躍。一瞬にして敵の頭上を取った。そのまま上方からの奇襲を狙うが、如何せん攻撃の瞬間はどうしても無防備となってしまう。相手もそれを承知しているのだろう、再び鞭が閃いて復讐者へと襲い掛かる。果たして、直撃を受けた躯体から海戦装がバラけ落ち、そして――。
「……悪いな、伊達に歳を食っちゃいないのさ。当たると痛えじゃ済まねえぞッ」
「なっ……!?」
 ダンッ、と。虚空を蹴って、理は弾丸の如くアヴァタール級へと襲い掛かった。跳躍したのは敵の油断を誘う為、本命はこの蹴撃ただ一発のみ。然しもの防護巡洋艦もこれには対応できず、腹部へ直撃を受けてしまう。
「さぁて、お嬢ちゃん。次はどこから跳ぶか分かるかな?」
 斯くしてそんな軽口を残しながら、攻撃の勢いを利用した復讐者は海中へと身を紛れ込ませてゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!

青天井・イカス
ヨぉ、チと見学シに来たゼ
案内シてクれネェかイ? 旗艦殿

互イに興味津々っテぇワケだ
ダが、悪ィな
手前にクれテヤる情報はネぇンダわ
情報持ち帰リたキャ手段は一ツ、だロ?
奪っテみロよ
奪エるモンならナ

【ストリートストライク】使用
荒レる波モ残留効果のオ陰デ足元に支障はネェが攻撃事態は確カに厄介ダナ
攻撃に耐エなガら、機が訪レるのヲじッと待つ
アるタイミングで【水中適応】デ水中へ
一瞬ノ目晦まシ後、敵の起こシた嵐デ生ジた高波に乗ジテ強襲
足元掬ワれるッテなァこの事だナ
さッキまデのツケは返スゼ
釣リは要ラねェ、三途の川の渡シ賃に取ッとキな

好奇心は猫ヲ殺ス
知リたがリも程々にシとカねェと痛イ目見るゼ
マ、もウ聞こエちゃイねぇカ


●荒れるは海か戦いか
「コホッ、ゲホッ! 全く、何をどうしたらあんな動きが出来るのかしら。戦う身としては堪ったもんじゃないけれど、実に面白いわね」
「……成ル程な。つマリ、俺たチは互イに興味津々っテぇワケだ」
 直に相見えた復讐者の戦闘力によほど知的好奇心を惹かれるのだろうか。直撃を受けた腹を擦りながらも、畝傍の相貌から笑みが消える様子はない。そんな敵の雰囲気に誘われるが如く姿を見せたのは、青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)であった。彼もまた飄々と口元を弧に歪めつつ、お戯けた様にアヴァタール級へと声を掛けてゆく。
「ヨぉ、チと見学シに来たゼ。チッとバカし案内シてクれネェかイ? 例えバ、舞鶴鎮守府まデノ航路トかナ。なァ、旗艦殿」
「へぇ、素敵なお誘いね。代わりに私は何を教えて貰えるのかしら?」
「おット、悪ィな。残念なガラ、手前にクれテヤる情報はネぇンダわ。情報持ち帰リたキャ手段は一ツ、だロ?」
 ――奪っテみロよ、奪エるモンならナ。
 それはこれ以上ないほど明確な宣戦布告だった。そして、それに対する相手の反応もまた如実。ぞわりと女の全身から殺気が迸ると、それまで晴れ渡っていた海原が俄かに荒れ狂い始める。
「ええ、それじゃあ……お言葉に甘えましょうか!」
 果たして、瞬く間に嵐と化した戦闘海域に防護巡洋艦が躍り出た。こんな天気にも関わらず腰に巻き付けた鞭を巧みに操り、一息の内に二桁近い痛打を叩き込んでゆく。鞭は単純なダメージのみならず、その与える苦痛こそが特筆すべき武器である。だが、ことイカスに限って言えばその心配は無用だ。
(さテはテ、荒レる波モ残留効果のオ陰デ足元に支障はネェが、攻撃事態は確カに厄介ダナ。だガこんナ荒れ模様モ、見方にヨッちャ悪かナイ)
 不安定な天気、間断の無い攻撃。その異なる二つのリズムを見極める復讐者。そしてひと際大きなうねりが生まれた瞬間、機を窺っていた男が動く。彼は波間に紛れて一息に潜行するや、逆に悪天候を利用して奇襲を仕掛けたのである。
「ッ、冥海機でも無いのになんて無茶を……!?」
「一回死ンでんダ、コノくらイ何デもネェよ。足元掬ワれるッテなァこの事だナ。さッキまデのツケは返スゼ。釣リは要ラねェ、三途の川の渡シ賃に取ッとキな!」
 そうして相手の背面から勢いよく飛び出すや、これまでのお返しとばかりに鈍器で散々に叩きのめす。反撃によってパラドクスの維持が切れたのだろうか。風の勢いが急速に弱まりつつあるのを見るや、復讐者は深追いする事無く攻撃の手を止め身を翻してゆく。
「好奇心は猫ヲ殺ス。知リたがリも程々にシとカねェと痛イ目見るゼ……マ、もウ聞こエちゃイねぇカ」
 ぐらりと身体を傾がせる畝傍を尻目に、イカスは悠々と相手の間合いから離脱してゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!

篠村・蓮十郎
元は大層古い艦のようだが……嵐を操る様な手合いだ。
そう侮れる相手でも無いな。

完全視界を使用し黒煙と嵐の中での視認性を確保、敵の動きに備える
海戦装を周囲に撃ち込み回避運動の挙動や攻撃に移る時期を観察し、行動の癖や偏りを読む

牽制を続けこちらに矛先が向いた時点で反撃の態勢に移る
黒煙に囲まれた状態での回避は無意味
皮鉄を背後に浮かべ可能な限り死角への防御体勢を取り
試製鉄刀を構え動きを止め、機先を取るために精神集中を行う

狙うは攻撃を仕掛けてくるその瞬間
予測では無く気勢を察し現れるであろう位置へ
[水鏡]の一振りを放つ


天破星・巴
史実では古い艦らしいがわらわよりは若いじゃろう、お嬢ちゃん。

インディアナポリス撃沈の情報を詳細に共有していないとは近代ディビジョンの割には情報伝達が今一つじゃのう。鎮守府が点在しているのにお粗末な感じじゃのう。

敵の引き起こした嵐に対しては水中適応と水使いの力で水に潜り水流に乗りやりすごす。

先端が刃物状の鎖の付いた錨を魔方陣から33本召喚
斬撃の連撃を射出して攻撃
念動力で敵を追跡する誘導弾のように敵を逃がさない

沈んだ船は再度浮上しないようこの錨で深海に帰すのじゃ

(複数本を同時に操る為口答の指示以外に両手の指でも指示しているので全体の攻撃が分かりにくい)

幾つか当て動きを鈍らせたら束ね一気に叩き込む


●偽りに惑う心は無く
「う~ん、これはちょっと不味い感じかしらね。手を抜いた訳ではないけれど、観に回るのもそろそろ程々にしておきましょうか」
 防護巡洋艦『畝傍』は肌に滲む鮮血を指先で拭い去りながら、ジッと警戒する様に瞳を細めゆく。これまでは初めて直に相対する復讐者を観察していたつもりだったのだろうが、看過できぬ手傷を負うに至って徐々に認識を改め始めた様だ。
「元を辿れば彼の大戦よりも更に前と、大層古い艦のようだが……天候を変え、嵐を操る様な手合いだ。旧式であろうとも、そう侮れる相手では無いな」
「なに、史実では古い艦らしいがわらわよりは若いじゃろう、このお嬢ちゃんは。にしても、インディアナポリス撃沈の詳細を共有していないとは、近代ディビジョンの割には情報伝達が今一つじゃな。せっかく鎮守府が点在しているのに、何ともお粗末な感じじゃのう」
 一方、そんなアヴァタール級とは対照的に篠村・蓮十郎(鋼剣・g09914)と天破星・巴(反逆鬼・g01709)は端から相手を侮ってなどいなかった。来たるべき『七曜の戦』に向けて京都奈良近郊の安全を確保する為にも、決して避けては通れぬ相手である。
「そりゃ、実際に見た訳じゃないもの。何事も百聞は一見に如かずよ。と言う訳で身に染みてディアボロスの実力を味わった所で……こっちも本気で行かせて貰おうかしら」
 そんな復讐者の戦意を敏感に感じ取ったのだろう。畝傍は海戦装から濛々と黒煙を噴き上がらせるや、戦場全体を濃密な墨色で覆い尽くしてゆく。単なる煙は潮風を孕み、黒雲と化して天へと昇り、あれよあれよという間に嵐となって海原を荒れ狂わせてしまう。
(視界自体は完全視界の残留効果で確保は出来る……が、何も千里眼が得られる訳じゃない。この荒れる波ばかりは如何ともしがたいな)
 黒煙による目晦ましはある程度無視できる一方、どの様な手管を使ったのか敵は忽然と姿を晦ませていた。右に左に揺れ動く海面に眉根を潜めつつも、蓮十郎は一先ず敵の反応を窺う為に周囲へ向けて砲撃や魚雷による牽制を放ち様子を窺う。だが、特に目ぼしい反応が見受けられない。
「これは……幾ら何でも手応えが無さすぎる。どうやら、少しばかり覚悟を決めた方が良さそうだ」
 訝しむ蓮十郎だったが、何か嫌な気配を直感的に感じ取ったのだろう。背面を浮遊防盾でカバーしつつ、すらりと鉄刀を鞘走らせて構えを取った。一方、巴は風雨の影響を避ける為に海中へと身を沈めてゆく。海流の流れは決して穏やかでは無いが、激しくうねる海上と比べればまだ幾分はマシだ。
(はてもさても、この荒れ模様に戦場を渦巻く黒き煙。正に姿を消すには打ってつけじゃのう。だからこそ、必然的に敵がその中にいると思い込みがちじゃが……ッ!)
 そうして態勢を整えながら周囲を一瞥した瞬間、巴は視界の端に黒い影を捉えた。左右に甲板状の海戦装を備えたシルエット。それはアヴァタール級の姿に他ならない。そう、相手はこれ見よがしに視界を悪化させてそちらに注意を惹き付けるもその実、海中へと潜行しての奇襲を狙っていたのである。彼女はこの可能性を危惧していたのだ。
 刹那、両者の瞳が合う。策がばれたにも関わらず冥海機の相貌には不敵な笑みが浮かび、対する巴もそれに応ずるが如くしてやったりと口を開く。
「これは手間が省けたのう。沈んだ船は再度浮上しないようこの錨で深海に帰すのじゃ。わらわの命に従い舞えよ刃、森羅万象を切り刻め!」
「お生憎様、海と言う場で冥海機が遅れを取ってちゃ名前倒れよ!」
 果たして、都合三十三本もの鎖付き錨を手繰る巴に対し、畝傍は水の抵抗を感じさせぬ素早さで鞭を振るう。手数の差では復讐者が圧倒しているが、敵の技量もまた見事。無数の鉄鎖を掻い潜って鞭の先端を届かせるも、復讐者もまた口頭と指先で異なる指示を出して相手を撹乱。互いに必殺の一撃を同時に繰り出した。
「むぅ……!?」
「っと、とと。深追いは禁物ってね!」
 結果、双方痛み分け。痛みに顔を顰める巴を尻目に、アヴァタール級は身を翻すと今度は海上の蓮十郎を目標に定めてゆく。そうして相手は音もなく飛び出すや、鞭を振り被りながら青年へと襲い掛かった。
 狙いは斜め後方、背に配置された防盾の隙間。周囲の悪天候も相まって、音らしい音もさせない死角からの強襲となる、が。
「視えているぞ……!」
「ッ!?」
 蓮十郎は既にその一手を読んでいた。それは音でなく、姿でなく、気配を感じ取る事に全神経を集中させていたからこそ。振り返りざまに抜き放たれる一閃。翻る鞭の痛打と交差するその一撃は、凄まじい激痛と引き換えに確かな斬傷を冥海機へと刻み込んでゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

宝心・ライラ
アドリブ連携歓迎

「最初の楽しそうな笑顔はどうしたの?ほら、笑顔を思い出して?スマーイル♪」
余裕がなくなってきた畝傍にもう一度笑顔をプレゼント
桃色のリフレインを爪弾いて、ハッピーで脳を揺さぶってあげるわ

煙の目くらましは相手の【完全視界】でカバーしつつ反撃に備える
私が狙うのは防御を捨てたカウンター
不意打ちには【不意打ち】で。同じ土俵で戦って競り勝ってこそエンターテイメント!
攻撃を仕掛けてきたらハイファイブによる刺突を繰り出し、直接リフレインを流し込む
刹那の攻防を制し、海上という舞台の大一番を盛り上げるのは私よ!

「素敵なショーだったけど、アンコールはないわ。ほら笑って。幸せな余韻を噛みしめて」


●舞台に笑みを
「……そもそもの話として、なぁんで私個人の趣味嗜好が筒抜けなのかって話よね。支援艦隊の無力化も妙に手慣れてたし。もしかしてコレ、思った以上に厄い?」
 数度の戦闘を経て、冥海機は着実にダメージを蓄積させつつあった。表情こそ未だ笑みを保っているものの、焦燥の色は隠し切れていない。だが、追い詰められる程に思考が巡るのだろうか。状況の不自然さに対する疑念が我知らず口をついてゆく。
「あらあら、最初の楽しそうな笑顔はどうしたの? これからがショーのメインでしょう? ほら、笑顔を思い出して? スマーイル♪」
 そんなシリアスな空気を掻き乱すかの如く、バンジョーの軽快な音色が戦場に響き渡る。弦を爪弾きながら宝心・ライラ(ミス・ハッピースタート・g01071)は、ゆっくりとただ一人の観客の前へ歩み出た。それはどんな推察をしたところで無駄だと言う、言外の拒絶だ。そう、芸人が己の手妻を明かす事などあり得ないのだから。
「生憎と慰安なら間に合っているわ。だけどそうね、代わりにスモークの一つでもプレゼントしてあげようかしら!」
「あら、それは素敵ね。お礼に桃色のリフレインを爪弾いて、ハッピーで脳を揺さぶってあげるわ!」
 これ以上の問答は無用であると相手も悟ったのだろう。動力機関の出力を引き上げ、周囲一帯を黒煙で覆い尽くしてゆく。残留効果によって目晦ましとしての効果は半減しているものの、それでもなお刹那の隙を活かして姿を消して見せるのは敵ながら流石と言うべきか。
(消失マジックはショーの花形だけれど、裏に回れば案外単純だったりするのよね。尤も、それを悟らせないからこそ演目として設立するのだけれど)
 海面下に潜行したか、死角に回り込んだか。見破ろうとしても手品の種が分からぬのと同様、容易く見つけられるものではないだろう。なればと、ライラは静かに神経を集中させてゆく。戦場はいつだって一世一代のトップステージ。である以上、失敗は許されない。
 果たしてそう意気込んだ直後、ふわりと黒煙が揺らめいた。攻撃が来ると直感した瞬間、ヒュンと大気を引き裂いて鞭が襲い掛かってくる。肌を強かに打ち据えるその一撃は筆舌に尽くしがたい激痛を齎すものの、演目の途中で笑みを崩すなど道化の名折れ。
「……刹那の攻防を制し、海上という舞台の大一番を盛り上げるのは私よ!」
 ライラは奥歯を喰いしばって耐えるや、攻撃の来た方向へと踏み込みながらバンジョーの切っ先を繰り出す。得物越しに伝わる確かな手応えを感じ取ると、彼女は賑やかに弦を掻き鳴らした。
「これなるは桃色の演目! さぁ、笑顔あふれる世界へいってらっしゃいませ!」
「今のでも悲鳴一つ上げないなんて、大した根性ね……ッ!」
 相手の忍耐力に目を剥く畝傍だったが、その相貌が不自然なほどの笑顔へと変わりゆく。肉体のみならず精神までをも侵食する喜色の音色。これには流石のアヴァタール級も堪らず、復讐者を強引に鞭で引き剥がしながら飛び退くので精一杯だ。
「素敵なショーだったけど、アンコールはないわ。ほら笑って。幸せな余韻を噛みしめて?」
 そんな敵の姿へ、ライラもまた不敵な笑みを向けてゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【液体錬成】がLV2になった!
効果2【フィニッシュ】がLV2になった!

麗・まほろば
残るはアヴァタール級だけ、だね!
舞鶴の海から速やかなお帰りをお願いするよ。鎮守府にじゃない、この暗い海の底に、ね!(サムズダウン)

みんなの動きと連動しながら、まほろばは大きく旗を振るう。来て! 八尋白智鳥!
白鳥たちにはクロノヴェーダを機銃で牽制してもらう。
まほろば自身は【51センチまほろば砲】を盾にしながら自分や仲間の身を守りつつ、【15.5センチまほろば砲】で【砲撃】することで黒煙を払うようにサポートするよ!

視認しやすく、隙ができたところで白鳥たちに再度襲撃をお願いする。
機銃を斉射してクロノヴェーダに確実なダメージを与えるよ!
沈、ん、じゃ、えー!


●黒雲に白き翼は舞いて
「……戦場の噂や伝説然り、入って来る情報には大なり小なり誇張や願望が混じっていると理解はしていたつもりだけれど。まっさか、ここまでとは凄まじいとはね」
 ヒクつく表情筋を強引に元へ戻しながら、畝傍は腹に穿たれた刺傷を手で押さえてゆく。血とも重油とも分からぬ液体を流しつつ、冥海機は復讐者の脅威を大幅に見誤っていた事を認めていた。
「よし、残るはアヴァタール級だけ、だね! 舞鶴の海から速やかなお帰りをお願いするよ。鎮守府にじゃない、この暗い海の底に、ね!」
 故にこそ見慣れた海戦装と幼い子供の組み合わせであろうと、もう油断する事は無いだろう。突き立てた親指を勢いよく下に向ける麗・まほろば(まほろばは超々々々弩級戦艦ですっ!・g09815)に対し、女は油断なく鞭を手にジリと距離を測りゆく。
「年齢や性別、能力すらもバラバラ。だと言うのに、誰も彼もまるで煙幕なんて存在しない様にこっちの動きを把握して来る……ホント、何なのかしらねぇッ!」
 この戦闘で何度目になるかも分からぬ、黒煙に紛れての奇襲攻撃。目晦ましの効果が薄いと半ば理解してもなお同じ手を使うのは、その原理を見極めたいと言う好奇心故か。対するまほろばは濛々と立ち込める漆黒に小さく咳払いをしつつ、何やら白い布切れを取り出した。
 それは白地に赤い鳥が染め抜かれた旗だ。身の丈ほどのそれを担ぐ様に掲揚すると、復讐者は周囲に渦巻く煙を払うが如く全身を使って振り始める。
「倭建命は天に翔りて、濱に向きて飛び行でましき……さぁ、来て! 八尋白智鳥!」
 古の英雄に奉る祝詞と共に発せられる呼び掛け。それに応えて旗より飛び出したのは、立派な体躯の白鳥たちだ。身体には機銃が吊り下げられており、その姿はさながら軍用機と言って良い。
 彼らは戦闘海域を大きく旋回しながら敵の姿を探し求めてゆく。一方、黒煙に身を紛れ込ませた畝傍も頭上の機影に気付いたのだろう。待ちの姿勢では早晩見つかるだけだと、先手を取られる前に仕掛けてきた。
「元の時代が時代だから、航空機との相性はあんまり良くないのよね……!」
「ここは主砲、じゃなくて副砲でも大丈夫かな!」
 打ち込まれる鞭を巨大な主砲を盾代わりにして防ぎつつ、返す刀で副砲を撃ち返す。しかし咄嗟の一撃は目測が甘く、虚しく空を切るのみ。だが、それでも問題は無い。まほろばの真の狙いは周囲に漂う黒煙を払う事であった。
 果たして煙幕が薄まった結果、目標を視認した白鳥たちが猛然と上空から機銃弾を浴びせかけてゆく。一発一発の威力はそれなりだが、動きを鈍らせさえすれば十二分。
「沈、ん、じゃ、えー!」
 そうして、今度こそ放たれる五十糎超えの主砲。その一撃の威力は凄まじく、衝撃で敵艦を吹き飛ばすどころか、舞い上がった水柱の中へとアヴァタール級を呑み込んでゆくのであった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!

月鏡・サヨコ
畝傍……太平洋戦争の時には既に失われて久しい艦の名とは、珍しい
原型が旧型とはいえ、アヴァタール級としての戦闘能力に遜色はないはず
……特にあの煙と嵐には、気を付けた方がよさそうだ

まず【水中適応】を発動した桂を海中に潜ませておく
それから私は【水面走行】で海上を走り回りながら、≪巡洋戦艦海戦装『黒姫』≫から牽制の砲撃を放つ
敵に命中はしないけど、立ち上る水柱が視界を塞ぐと共に、敵の注目を私に向けさせてくれればいい
その間に、水中から砲塔だけを出した桂が『人狗一心・怪力光線砲』を放つ
【完全視界】で悪天候にも噴煙にも左右されず射線を通し、敵を粉砕しよう
その目で見た復讐者の情報……持ち帰らせはしない


柳瀬・渚
アドリブと連携歓迎

艦艇は無力化出来たし、随伴してたトループス級は他の人が倒してくれたからいなくなったみたい。
後は指揮官を倒さなきゃだね。倒せば後々の戦いで有利になるって言うし、怖いけど頑張るよ…

引き続き【水面走行】を使用して海戦を挑むことにするね。

今回はアクアスライムに攻撃してもらおうかな?
重巡級海戦装のスライム入れからアクアスライムを出して【ウォーターブレス】で敵を攻撃させるね。
敵の海戦装?には盾っぽいの付いてるし貫通力のある攻撃が良さそうだよね。

敵の攻撃は【ガードアップ】を利用しつつ対艦装甲で防御するね。
変幻自在の鞭を避けるのは難しそうだし、しっかりと構えていたほうが被害は少なそうだもんね


●戦場に立つは独りではなく
「……あーあ。情報に対策、それに事前想定。ちょっとばかし、イロイロ足りなかったみたいね。もう少し時間があれば大一番を見れたでしょうに、なんて勿体ないのかしら」
 度重なる復讐者との戦闘により、畝傍は沈没寸前の状態にまで追い詰められていた。海戦装は大破し、全身のあちこちから血とも油ともつかぬ紅を滲ませている。それでもなお戦意が衰えぬのは、最後まで復讐者の実力を紐解かんという執念故か。
「艦艇は無力化出来たし、随伴してたトループス級も既に他の人が倒してくれた。後は指揮官を残すだけだね……倒せば後々の戦いで有利になるって言うし、怖いけど頑張るよ」
「ああ。いよいよ七曜の戦も目前に迫っている。ここで弾みつけておきたいところだ。にしても、畝傍か……太平洋戦争の時には既に失われて久しい艦の名とは、珍しい」
 相手は大破した旧式艦。だが相戦う意志を見せている以上、ディアボロスたちも手負いと侮るつもりは毛頭ない。柳瀬・渚(ダウナーな海戦装姫・g09826)と月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)、二人の海戦装姫はそれぞれのサーヴァントを従えながら、アヴァタール級と相対してゆく。
(原型が旧型とはいえ、アヴァタール級としての戦闘能力に遜色はないはず……特にあの煙と嵐には、気を付けた方がよさそうだ。視界は効くだろうが、桂の鼻は使い物にならんだろう)
 嗅覚の鋭敏な犬にとって、濃密な磯臭さや燃焼した油の匂いはそれ自体が苦痛を感じさせるものだ。そっと敵の視線を切る様に軍用犬の前へ進み出るサヨコだったが、どうやらその行動は逆に相手へ情報を与えてしまったらしい。ニヤリと、女の顔に悪辣な笑みが浮かぶ。
「どのみち此処が私にとっての最終航路。なら、平々凡々な天気じゃつまらない。海は荒れてこそでしょう?」
 果たして、畝傍は煙突から濛々と黒煙を吐き出すや、それを触媒として嵐を招き寄せてゆく。たちまちの内に海原は荒れ狂い、立っている事さえも困難な白波がうねり蠕動する。だが、こんな悪天候こそ軍艦の独壇場だ。冥海機は鞭を手にすると、軽やかな行き足を以て復讐者たちへと攻め掛かった。
「海がこんな調子では、狙えるものも狙えんな……!」
 歯噛みしながらサヨコが牽制の砲撃を放つが、それらは虚しく水柱を上げるのみ。女は髪の端から水滴を滴らせながら、水飛沫と共に鞭を振るう。すれ違いざまの一閃、肌身を強かに打ち据えられた少女は歯を喰いしばって痛みに耐えてゆく。
「精神注入棒じゃなくて鞭、か。変幻自在の軌道を避けるのは難しそうだし、しっかりと構えていたほうが被害は少なそうかな……っと!」
 咄嗟に渚が対艦戦闘用の装甲板を手に両者の間へと割って入るが、畝傍は寧ろこれ幸いとばかりに新たな獲物へと攻撃を集中させ始めた。棒と違って元々が柔軟性の高い得物である。翳された盾を起点として、変幻自在の動きを以て側面や背面から乙女を責め苛む。
「っぅ……!?」
「あらあら、気合を入れて貰うのを嫌がるだなんて、海軍の風上にも置けないわね?」
 鞭は実際のダメージよりも痛みを与える武器だとよく言うが、此度に限れば話は別。鞭の先端が叩き込まれる度に海戦装の砲塔は折れ、船体は歪み、収納スペースすらも砕けて中身を撒き散らす。
 蝋燭は最後の瞬間が最も明るく輝くと言うが、今の冥海機は正にそれだ。これまで以上の勢いで以て復讐者たちを圧倒している。しかし、だからこそ女はすっかり失念していたのだ。相対する者らが決して、二人だけではない事を。
「……灯台下暗しとはよく言ったものだな。桂、仲間に当てない様に気を付けるんだぞ? 今だ、撃ぇっ!」
「ッ!?」
 果たして、サヨコの号令が響き渡った瞬間、アヴァタール級の足元から砲塔がせり上がる。ハッと相手が視線を落とせば、軍用犬の背負った砲口がぴったりと畝傍へ照準を合わせていた。彼女は最初、ただ友輩を庇ったのではない。悟られぬ様に自らを遮蔽物としながら、密かに軍用犬を海中へ潜ませていたのだ。
「まだ、まだ全てを見きれては……!?」
「否。その目で見たディアボロスの情報……持ち帰らせはしない」
 超至近距離からの痛烈な砲撃。これには堪らず冥海機も派手に吹き飛ばされてしまう。だがそれでも戦闘を続けようとするアヴァタール級の視界に移ったものは、不自然に丸く盛り上がる海原だった。
「どれだけ荒れていても、戦場に水があるならこの子には関係ないよ。盾っぽい海戦装もあるみたいだし、貫通力のある攻撃が良さそうだよね?」
 否、それは波などではない。いつの間にか攻撃態勢を整えていたアクアスライムである。元は渚のバックパックに収められていたのだが、先の戦闘中に破損。その機に乗じて、彼女もまたサーヴァントに別行動を命じていたのだ。
「舞鶴の海は返してもらうよ……っ」
 水で出来た球体は周囲の海水を吸収すると、一瞬にして一回り大きく膨らむ。刹那、凄まじい勢いで高圧水流がアヴァタール級へと放たれた。時に水は金属すらも断つと言うが、その水勢は強固な軍用艦の装甲を穿ち貫いて余りあるものであり――。
「……嗚呼、こりゃ駄目だねぇ」
 果たして、直撃を受けた防護巡洋艦『畝傍』は木端微塵に吹き飛んで行くのであった。

 斯くして、舞鶴近海での戦いはこれにて一旦の決着を見た。
 これで来たる『七曜の戦』においても、京都奈良の安全が確保できるだろう。
 歴史を取り戻す大舞台まで、残された時間もあと僅かだ。
 そうして復讐者たちは近々訪れるであろう戦いに想いを馳せながら、帰還の途に就くのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【動物の友】LV1が発生!
【液体錬成】がLV3になった!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年07月22日

舞鶴鎮守府沖海戦

 攻略旅団の提案により、奪還した京都に隣接する、冥海機ヤ・ウマトの拠点『舞鶴』に攻撃を仕掛けます。
 舞鶴からは迎撃の艦隊が出撃するので、舞鶴近海での海戦に発展するでしょう。
 《七曜の戦》までに、海戦に勝利した上で舞鶴を攻略するのは時間的に困難ですが、舞鶴の戦力を低下させれば《七曜の戦》における、京都・奈良方面の危険を減らすことが出来る筈です。


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#冥海機ヤ・ウマト
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#舞鶴鎮守府沖海戦
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#舞鶴


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選択肢『ヤ・ウマト海戦準備』のルール

 冥海機ヤ・ウマトで行われる海戦に備えた準備を行います。
【水中適応】や【水面走行】といったパラドクス効果を準備しつつ、海上戦闘の為のウォーミングアップを行いましょう。
 冥海機は、海上での戦いのプロフェッショナルなので、事前の準備は重要かもしれません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『戦闘艦艇の無力化』のルール

 クロノヴェーダである冥海機に随伴する、主に零式英霊機達が操艦する戦闘艦艇の無力化を行います。
 戦闘艦艇は、第二次世界大戦時の、駆逐艦や巡洋艦、潜水艦などで構成されており、一部、戦艦や空母も見られますが、空母にも戦闘機が搭載されていない為、航空戦力は存在しません。
 戦闘が開始されると、冥海機を砲撃などで援護してきます。
 勿論、戦闘艦艇の砲撃は、パラドクスによる攻撃ではありませんので、一般法則破壊によって、ディアボロスにダメージを与えることは出来ませんし、反撃で即破壊できます。
 が、冥海機は、この援護砲撃を利用した戦闘戦術に長けている為、援護攻撃がある間は、冥海機たちが有利に戦闘を行う事が出来るようです(種族的にそういう特殊能力を持つようです)。

 砲撃に対する反撃を行えば、戦闘艦艇を撃沈できますが、そうした場合、零式英霊機や人間の乗員達から死者が発生します。可能ならば、撃沈せずに無力化させてください。

※撃沈しない理由
 海戦で死亡した人間の一部は、英霊機の素体に宿り、新たな英霊機として生まれ変わります。
 更に、撃沈された艦艇と海戦で戦死した英霊機から、新たな冥海機が生まれる可能性もある為、敵の戦力増強につながってしまいます。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達しない限り、👿のリプレイでは大成功🔵🔵🔵🔵以上が発生しない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『サーベイランスデストロイヤー』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『改装特務式『畝傍』』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「薄雪・灯子」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。