リプレイ
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
何か企んでいるのは明白なのに、踏み込めないのはもどかしいですね
焦っても仕方ありませんし、一つずつ問題を片付けていくとしますか
光学迷彩を発動
森林迷彩の外套も羽織って、静かに宮殿へ進みます
敵兵の巡回を見かけたら、隠匿してやり過ごし
順回路を思しき道は避けて進みます
道中で敵をおびき出すのに丁度いい場所の選定も行います
木に隠れながら戦えそうな、少し開けた場所が良いでしょうか
宮殿まで到着したら、隠れたまま枝葉を大きく揺らして存在をアピール
敵兵に気づかれたら、存在が発覚したので逃げたかの如く装い
先程、目星を着けていたエリアへと誘導します
リディル・ヴェント
ケンキュウとかギジュツとかさっぱりだけど、敵を倒すならアタシにまっかせなさい!
まずは宮殿の近くまでこっそり近づけばいいのね。
目立たない服を着て、緑っぽい帽子かフードも被った方がいいかしらね。
【光学迷彩】を使いながら、道中は単独で行動するわね。
小川とか花畑とか、ピウス7世はこんなキレイな場所に住んでるのねー。
良い所に住んでるわね、早く取り返さないと!
宮殿に近づいたら敵をおびき出せばいいのね。
グランダルメと言えば音楽でしょ?きっと素敵な歌声につられて出てくるわよ。
という事で、コホン。
♪ら゛ら゛ら゛ー、きれいなー森林ー。美しいー花畑ー。優雅なー宮殿ー。アタシはーリディルちゃんーホゲーー♪(超絶音痴)
御守・樹
気づかれずに宮殿まで出向いておびき出しだな。了解だ。
森林迷彩柄の服と外套、さらに光学迷彩を纏って進む。
外套には森に自生してる植物をくっつけて少しでも隠れやすくする。実際サバゲでも使うギリースーツって思った以上に見つかりにくいみたいだしな。
隠れるだけなら樹上に潜むんだが移動するなら茂みの中を進むしかないか。
当たりに人気が無いようなら速やかに、あるなら忍び足で慎重に。
少しでも警戒の気配があるなら動かず耐える。
さらに潜む時は顔や手、装備と言った迷彩柄になってない部分を隠して動かないように。
こういう時は自己暗示も大事ってあったな。あくまでも植物になりきってやり過ごす。
●震える森で、
葉擦れの音涼やかに、小鳥の囀りが頭上を過ぎる。
「気付かれずに宮殿警備のおびき出しだな。了解だ」
静かに囁いた御守・樹(諦念の珪化木・g05753)が木陰で被ったのは森林明細の外套。
既に纏っていた同柄の服と合わさればより目立たなくなる――……のは、“ただの人”に対してだけ。
樹達ディアボロスの相手は超常のバケモノとも言える自動人形共だ。
「(……もう少し、こうして……っと)」
纏っては見たものの、接近するならばギリギリまで接近しておきたい。そうして森へ紛れれば余計に自動人形達は“違和感”を気にして追ってくるだろう、と樹は短冊状の布やジュートを短冊状に裂き結んだギリースーツへ混ぜるように周囲の草や枝葉を差し込み重ねたのは光学迷彩の効果持つパラドクス―無影―。
音を殺し、息を潜め、至極“普通”すぎる森を駆けぬける。
宮殿まであとどれほどか――……それを確かめようとして、ふとした人の気配に咄嗟に樹は太めの幹を軽やかに蹴り上げ常人離れした足運びと体重移動で垂直な大木を地面と変わらず歩くように昇り、そっと息を殺した。
「……ねぇ、~~……わね」
「……ですから――です」
相手もまた息を潜め静かに移動をしてくる。
奔った緊張の間を小鳥の囀りに葉擦れの音、流れゆく風の音で満ちていた。
「(……ん?)」
よく聞けば機械的では無い男女の声。
やはり意図的に密やかにしている当たり、恐らく樹と同じ目的……つまりはディアボロスだとすぐに察しがついた。
「ケンキュウとかギジュツとかさっぱりだけど、敵を倒すならアタシにまっかせなさいってね!」
「ですが、何か企みがあるのは明白なのに踏み込めないのも、どうにももどかしいですね」
豪快な言葉と裏腹に静かに軽やかな足運びのリディル・ヴェント(ゲットレディ・g00550)が樹が登った木の下から樹へウインクの後、森に馴染む色味の外套を翻しながらフードを目深に被り直す傍ら、“思っても仕方がありませんが”――と続けたソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)がリディルと同じく樹上を見上げればしっかりと二人は樹に気が付いていて、とうとう樹が音少なく地へと降り立った。
「悪い、つい隠れてしまって」
「もうすぐ宮殿みたいだから警戒は必要じゃないかしら?」
「そうですね。やはりピウス7世の研究内容を引き摺り出すには確実にこの警備を引き剥がしてしまいましょう」
ソレイユの言葉を皮切りに、右側をリディル、左側を樹、正面はソレイユと互いに役割を分け警戒しながら森を行く。
全員それぞれに纏った光学迷彩の力は囀る鳥や虫さえ気づくことはない中、道すがらで開けた場所にふとソレイユが瞳を細め二人へ合図する。
「……――お二人共、あの場所であれば引き込み戦闘をするにはうってつけだとは思いませんか?」
「いいんじゃない?っていうかピウス7世ってこんなキレイな場所に住んでるのねー……良いところ過ぎて勿体ないわ。早く取り戻さないと!」
「たしかに。自然を崩さずそのままでも十分綺麗だから、綺麗なまま傷つけないようにしたいぜ」
場所が決まれば早いもので、次は誘き出しをどうするべきか。
「このままもう少し接近して葉を揺らしてみたり存在をアピールして音を立てながら此処へ逃げるとかでしょうか?」
「……もう少し魅力的なアピールしてみない?」
「じゃあ俺の格好のが割と接近できそうだよな?散開するより一直線に此処へ向かって、殿が俺で――……ん?」
ソレイユのシンプルな提案に樹が応じ、簡単な作戦を立てようとした時だ。
二人の方を叩いたリディルが妙に綺麗に微笑むと、“魅力的な”と念押ししたアピールの提案。小首傾げる二人へ立てた人差し指を振ると、にっこり。
「グランダルメといえば?」
「いえば……?」
「音楽、ですか?」
どれだ?と幾つも思い浮かぶ中で悩む樹の傍ら、腕に覚えがあったからこそすぐ答えが思い当たったソレイユが言葉にすれば頷くリディルがこほんと咳払い。
「そう、音楽。きっと素敵な歌声につられて出てくるわよ。ということで……コホン」
自信たっぷりに笑むリディルに瞳瞬かせた二人の青年は、一拍“待ってしまった”。
「ら゛ら゛ら゛ー、きれいなー森林―、美しいー花畑ー、優雅なー宮殿ー……アタシはーリディルちゃんーホゲーー♪」
「っ、樹さん!」
「行くぞソレイユ!」
「ん、え?!ちょっと、そんな――……」
ちょっとどころではないし、そんなこんなもありはしない。
反射的にリディルを引っ張り駆けだしたソレイユと樹の判断は正解以外の何物でもなかった。
なにせ、楽し気に囀っていた小鳥が驚くや一斉に飛び立ったうえ、当然ながら自動人形達の聴覚機関にも届いていたのだから。
『はぁ?!なによこの音!』
『きゃっ、誰よ!耳の機関痛いんだけどー!』
『くっ……いたわ、あそこよ!!追って!』
『『『待ちなさーーーい!!!』』』
怒った声が追ってくる。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV3が発生!
効果2【アヴォイド】LV2が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
一角・實生
情報が乏しいということは重要な何かを企んでいる可能性が高い
だからといって全貌が見えるまで待っていれば手遅れになる
ほんの僅かでも状況を動かせるのなら、やらなければ
【光学迷彩】を使い、且つ樹々の陰に身を潜めながら進んで行こう
美しい景色は本来ならば心が癒されるものなのになあ
ちょっと苦笑い
こういう場所なら研究とやらも捗りそうだよ
グラナトゥムのスコープの他、足音、気配、不自然な木々の揺れ、声
偵察し情報収集を続け、宮殿に近付くまでは会敵を避ける
簡単には捕まらない位置で木陰から立ち上がり、護衛役に姿をさらそう
銃を構えて敵意を見せたら後退を開始
仲間と合流を意識しながら敵を宮殿から離していく
うまく釣れた、かな
アー・フーベート
獣神王朝の神秘か
生命の摂理を歪め、搾取の循環をつくりあげていた
あのいまわしいやり口が思い起こされる
…なんにせよ企みの芽は摘んどくべきだ
われわれの接近を予期していればこそ
拠点を構え不動を決め込むのは愚策だったな
【光学迷彩】を活用
物陰や木々に身を隠しながら、慎重に森を進むよ
足跡や罠なんかのあるルートは避け
こちらもまた痕跡を残さないよう充分注意
風景を愉しむ余裕が無ェのは残念だが
花畑のそばで戦いたくはねェなあ
宮殿に近づいたら姿を晒し殺気を解き放つ
掲げる呪剣のひかりと宣戦布告でもって(光使い/大声)
警備部隊を森へ誘おう
――さあ剣を見せろ、砦を守るものたちよ!
●光奔る
――あくまで予想の範疇ですが、
そう口にした帽子屋に送り出され森へ踏み込んでから一角・實生(深い潭・g00995)とアー・フーベート(あらぞめの剣士・g01578)は息を潜め宮殿へと迫りながら、思うのは歪なるピウス7世の“研究”。
「情報が乏しいということは、重要な何かを企んでいる可能性が高いわけだ」
「……そうだな。なんにせよ企みの芽は摘んどくべきだ」
迫る七曜の戦いを前に分かるべき事案。
「獣神王朝の神秘……生命の摂理を歪め、搾取の循環をつくりあげていたやり口か……」
「あくまで可能性。でも今なら全貌見える方へ僅かでも状況を動かせるなら、」
“やらなければ”。
前見据えた言葉と共に光学迷彩纏った實生に頷いたアーが、剣呑な瞳のまま同じく纏う光学迷彩。
籠城を決め込むというのならば、“誘き出す”まで――!
光り装填したグラナトゥムも鯉口から輝き溢す呪剣も今は納め、二人は僅かな草葉踏む音を残して森を行く。
振り返った小鳥が不思議そうに小首を傾げ再び囀った。
「ピウス7世は本当に我々の接近を予期しているのか……?」
「さぁ?難しい所だけれど――……こんなに美しく癒されそうな森なら、研究も余程捗ったことだろうね。あっ、ここ戦いやすそう……待って、」
「たしかに。あちらの林道、足跡があったから巡回ルートの一つかもしれないな……しかし、風景を愉しむ余裕が無ェのは残念だが――っと」
不意に、木々へ紛れながら實生が覗いたのはグラナトゥムのスコープ。
小さく手で合図した實生の言葉に木で実を隠しながらアーが足を止め、静かに息吐く。
「……アーさんの言う通り、そこは巡回ルートのようだ。先に3人……たぶんあれはチームかな?巡回して……あぁ、あそこが宮殿みたいだね」
得られた情報は即座に共有する實生の傍ら、アーもまた現在の足場から示された宮殿までを伺い顎を撫でた。
「なるほどな。今の位置なら、おそらく茂みのお陰で即座に接近されず引き付けるのはいけそうだぜ」
「うん、いけそうだ。さてどう――……シッ!」
僅かに迫る少女染みた機械音声。
ハッと二人が息を詰めるのはこの声が過ぎゆくまでだろう。
『……――でしょ?やっぱりよ』
『あーうん分かるかも~……』
『もう少しきらきらっとしたいけど森じゃ無理じゃない?』
通り過ぎゆく少女自動人形たちの会話は大したものではなく、どうやらファッションに関わるものらしい。
他愛ない会話をする警備に今バレるには位置が悪いと息を潜めて暫し――……遠のく声が聞こえなくなったところで、二人は目配せ。
合図は實生のパラドクス―ルキス・オルトゥス―の弾丸とし、時間稼ぎ代わりに狙いは足で。
「3、2、1――!」
『きゃあ!?うっ……』
『――誰よ!』
「伏して畏れるがいい」
胸で煮え滾る憤りは、かの獣神王朝で犠牲になった数多の悲鳴嘲笑うような城主の研究へ。
「――さあ剣を見せろ、砦を守るものたちよ!」
パラドクス―いかり―。
迸った輝きが自動人形の硝子玉の目を晦ませ、響くアーの声を頼りに猛然と迫りくる足音を背に實生とアーは駆けだす。
怒りながら迫る自動人形を惹き付けながら、二人の天使は森へと誘う。憐れにも自動人形には死への旅路に過ぎないけれど。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】がLV5になった!
効果2【アヴォイド】がLV3になった!
【リザレクション】LV1が発生!
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
無事に誘き出せて何よりですね
あとは逃さないように、速やかに撃破していきましょう
宙に展開した鍵盤で「白の舞踏」を演奏
骨を鳴らして嗤う、白骨の死神を喚び
地中へと引きずり込んでやりましょう
この地に集った自動人形は、一匹たりとも逃しませんよ
反撃には魔力障壁を展開して凌ぎます
多少切り裂かれたとしても、演奏できれば問題ありません
おっと、指を狙うのはご勘弁を
シャムスの援護はありがたく
ここはしっかりと相手の気を引いて、シャムスの不意打ちが決まり易いように動きましょう
泥濘の地も利用して相手の移動力を削ぎ
体力の低い者から、仲間と連携して各個撃破できれば幸い
リディル・ヴェント
◎
歌が気に入ったのかしら!すごい勢いで追っかけてきたわ!サインいる?(←黙れ)
ソレイユさんが目星をつけてくれた場所で戦うわよー!
ここなら戦いやすそうね!
ハッ!この人形達、アタシの歌に聴き惚れるみたいね…!
アタシが歌って人形達に隙が出来ている間に皆も攻撃しやすそうかしら!?(←もう黙れ)
※パラドクス『リディルちゃんリサイタル♪』を使用。歌…もとい怪音波で自動人形の聴覚機関に不快な音を流す攻撃をします。仲間の皆に迷惑をかけない範囲で。※
♪花畑の中ー小鳥が歌う゛ーアタシも゛歌うーあな゛たも歌うー♪
きれいなー゛ハーモ゛ニーが森を駆け巡る゛゛ーホゲー♪
シャムス・ライラ
仲間と情報共有、連携
では、露払いと行こうかな
見た目が少女ではあるがあの武器を使いこなすというなら侮れない
地形の利用、情報収集で
樹木に隠れて光学迷彩、忍び足使用で潜み
仲間の攻撃(音楽)に敵が気を取られている隙に
死角に回り込んで星涙で攻撃
細い針状にして関節の隙間等にみっちり突き刺してやろう
視野を広く持ち
仲間の手が足りない部分を補うように動く
仲間と協力して狙いを合わせ一体ずつ確実に数を減らす
ソレイユの指を狙うとは捨て置けぬ
芸術を生み出す宝だからな
しっかりとフォローを
そして針の雨に紛れて再び身を隠し
敵の攻撃は可能な限り間合いを取り損害を減らす
泥濘の地があるのであれば
敵の動きも鈍るだろう
アドリブ等歓迎
一角・實生
◎
森へ駆け込み仲間と合流しよう
……あっちの方からも怒った自動人形の声が聞こえてくるなあ
合流のいい目安になりそうだよ
【エアライド】で障害物を躱しながら走る
やっぱり戦うにはもったいない場所――だけど仕方ないな
仲間と合流すると同時に反転、パラドクスを発動しよう
こういう不意打ちも有りだと思うんだ
高速で振動する鋸は【エアライド】を使って最適な方向へ回避を試みる
グラナトゥムで鋸を銃撃し、自在に振り回せないようにもしたいね
こんなところで解体されるのはごめんだし
響き渡る歌には苦笑いしそうだ
俺は酷い音痴だから……歌なんていつから歌ってないだろう
っと、仲間の援護は常に、忘れずに
仲間の隙を埋める銃撃を行っていこう
御守・樹
あれってチェーンソー、じゃないなでかい鋸だ。
大工というより林業従事者ってサイズだな。確かにこの場所は森林だし合ってるっちゃーあってるかもだけど、実際ばらしてんのは人とかなんだろうなぁ。
正面からやり合うのは確実にヤバいよなぁ。
一気に距離をつめて瞬雷による吹き飛ばし攻撃。吹き飛ばしで距離をあけられれば、少しでも鋸の攻撃を真正面から受けずに済めば。
避け切れないと判断したらMortaであえて受けて噛ませる。全体を見ればでかいが鋸自体は小さな刃の集まりだしその一つとだったらナイフでも負けないだろう。捻る様にして俺自身が直撃を受けないように受け流す。あとは最初の衝撃に耐えられれば。
アー・フーベート
誘き寄せた流れで仲間と合流
戦闘音、歌らしき声や音楽が聴こえれば
方向や場所には、大まかに見当がつくだろう
仲間と連携、協力
逆に敵には連携されないように
一気に間合いを詰めて、先に仕掛ける
捕捉されないよう足を止めず、連撃を浴びせて戦力を削ろう
【飛翔】あるいは、あれば【エアライド】を活用し
縦軸の動きも交えて縦横無尽に立ち回るよ
「おぞましき波動」さえ耐え凌げばたんなる斬撃
精神集中し勇気と忍耐力を奮い立たせ
放たれる斬撃に備え剣を構える
わが胸に怒りのある限り、心の揺らぐ余地は無く
ひかりが尽きる筈も無く――斬り合うか、人形
貴様らが牙を剥くよりも、私の剣のほうが疾い!
●秘匿の剣戟は木々の間に隠して
「無事に誘き出せて何よりですね」
「さっき見たんだが、あいつらのあれってチェーンソー……じゃ、ないよな。たぶんでかい鋸だ。正面からやり合うのは確実にヤバいよなぁ」
後方から“待ちなさいよー!!”と怒声混じりに聞こえる音声をBGMにソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)が成果を口にすれば、苦笑い気味に御守・樹(諦念の珪化木・g05753)が話題を変えた。
「ねぇねぇ、やっぱりあの人形達アタシの歌が気に入っちゃったんじゃないかしら!」
しかしリディル・ヴェント(ゲットレディ・g00550)によって戻されてしまったけれど。
ソレイユと樹が間にいるリディルは悠長にも後方の解体少女達へ “サインいる?”とウィンクをすれば、返ってきたのは少女達の怒号。樹が“鋸”と称した処刑具の切っ先を向け怒っているではないか。
「……あれは大工っていうより林業従事者ってサイズだな」
「たしかに。見つけた場所はやはり開けたあの場所で良かったと思います。なにより見逃さず速やかに撃破も狙えそうです」
「ソレイユさんが目星を付けてくれたとこならアタシ思いっきり歌……ゲフンゴホン戦えそうだものね!」
2人とも決してリディルを無視しているわけでもなく、リディルが言いかけた“歌えそう”の言葉に2人が勢いよく視線を向ければ、リディルがわざとらしい咳払い。
言い直しながら広場目前の茂みを飛び越えれば3人同時。戦闘態勢取り振り返るタイミングさえ揃うくらいには、お互いのテンポを把握しつつあった。
しかし、次の瞬間茂みは解体少女達の処刑具によって切り払われる。
『ぶった切るわよ』
『バラしちゃいますよぉー!』
『ふふふっやっぱり分けるの一番よ』
瞳に怒りが見えるのは恐らく――軽い発声練習をするリディアの“歌”が原因だろうか?そんな思いを頭の隅に置きながら、樹は冷静に解体少女を分析しようとした時、声が一つ。
「見た目は少女ではあるが、あれを使いこなすでしょう……では、“露払い”といきましょうか」
聞いていた通りのタイミングで合流した心強き友人 シャムス・ライラ(極夜・g04075)の言葉に口角を上げたソレイユが翼の如き白の外套を翻せば、覗いたのは黒き奏者の装束。
「死を――……忘るることなかれ」
ソレイユの指先が紡ぎ出すのは水面にも似た鍵盤、麗しき指先が奏でる今日の一曲は―パラドクス―幻想独奏曲「白の舞踏」―。
『っ、なにこれよ……!』
聴き惚れるような音色が呼び起こすのは死への誘い。
“いのち”ある自動人形が恨めしい、一刻も早く“いのち”の熱の蒐集を。舞い踊る死神は滑るように解体少女の細首に刃を掛け地の底へと引き摺り込むだろう――!
『誰が踊るものですか!』
『すてき』
暴れ骸骨振り払わんと処刑具揮う解体少女の足に縋り付いた白骨が埒外の力で細い足を引く最中、片や白骨を切り飛ばす娘が一人。
「踊らずとも構いませんが、その足で我々を追えるとでも?」
『やってやろうじゃない……!』
片足を地に埋めるように引き摺り込まれた所為でバランス崩した解体少女が転び這いずろうと、他の自動人形に仲間を救うコマンドは組み込まれていない。
『すてき!!!!!!ねぇ!ねぇねぇねぇ、ねぇ!あなたお指を頂戴な!』
赤い瞳を弓形ににたりと笑み不穏な言葉発した一体が、同胞足場にソレイユ目掛けて刃を振りかぶり咆哮が如き波動投げつけ迫る!
「仲間を足場にしますか……!」
『あぁ素敵な調べ!素晴しいわ!素敵だわ!虜になってしまったわ!ねぇ!貴方のお指、切り取らせてくださいな!』
ほんの一瞬、耳劈く処刑者の剣の音にソレイユの足を取られた。
「(しまっ――!)」
「まぁ、目の付け所は悪くはないが褒められたものではないし、ソレイユの指を狙うとは捨て置けぬ」
しまったと思うには遅い瞬刻を救う“友”が、しかとこの場にはいたのだ。
全て押し退けながら間合いに踏み込もうとした解体少女の動きがピタリと止まり、常人では回らぬ真後ろへ首が向く。
『あら?』
「――降り注げ」
ギ、と軋んだ解体少女の関節に突き立っていたのはたった一筋の鋼色。
シャムスの密やかな声を合図に降る白銀こそ、パラドクス―星涙―!
降る。
降る。
針雨が降る。
虚空より降りしきる鋼色の雨は一体の解体少女をハリネズミにし、地へ標本が如く縫い留めるも尚ソレイユへ迫った解体少女を電――否、光が貫く。
『お、指を……っ!』
「――貫け!」
迸ったのは樹のパラドクス―瞬雷―!
踏みしめた足力強く、親指握り込み回転加えたバレットパンチの如き一撃は淡々としたシャムスの声が呼び起こす鋼色の雨の合間を縫い、ナイフで処刑具を弾き上げ生んだ隙ごと心臓機構を貫いた。
『ア゛ッ、カ……、う、う゛う゛う゛ぅぅうう、う……!』
「大人しく、それこそ林業にでも従事してくれれば良かったんだけどな」
こと切れた解体少女が食擦れると同時、広場へ飛び込んできたのは一角・實生(深い潭・g00995)、アー・フーベート(あらぞめの剣士・g01578)、樹達とは別の角度から宮殿へ向かっていた二人。
「二人共!」
「良かった、合流できて何よりだ――よっ!」
「なるほどここなら戦いやすそう、だっ!」
『逃がさないわ』
『殺すっ!』
『バラしちゃおーよぉ!わたしやっぱりくびがいいー!』
2人を追ってきた2体の解体少女に合わせ走り出した1体がタイミングを合わせて3人を襲う!
ギリギリで受け止めればそれぞれの得物が軋みギラつく赤いガラス玉の眼がニヤついて、戦いの均衡が崩れるかと思われた、その時――……その“舞台”へ上がったリディルがスカートを翻し微笑んだ。
「アタシ、歌うわ……!」
“だってあの時だって隙が出来たじゃない?”と笑顔は百点満点。
ちらりと樹がソレイユを見れば、首を振り、それを見た實生とアーはきょとんと、シャムスは不審そうにして。
『ちょっと!!そこの女っ、やめ――』
唯一“それ”を体験済みの解体少女が慌てようと、樹のナイフとシャムスの雨に阻まれればもう遅い。
「みんな!アタシのために集まってくれてありがと!心をこめて歌うわ!……ほげ~~♪」
パラドクス―リディルちゃんリサイタル♪―!
♪花畑の中ー小鳥が歌う゛ーアタシも゛歌うーあな゛たも歌うー♪
きれいなー゛ハーモ゛ニーが森を駆け巡る゛゛ーホゲー♪
心を籠め全力で歌い上げるリディル以外が歯を食いしばり、小鳥は逃げるように飛び立ち森は騒めいた。
『どうなってんのよ!!あの女のせいで何にも聞こえないじゃない!』
『ぐっ、ガハッ!』
『う、うぅー!』
森を歌いあげた一曲は解体少女達を薙ぎ払った隙に、樹が叫ぶ。
「今だ!」
「なるほど……ふふ、さっきの“歌”はこれだったみたいだねアーさん」
「なるほどたしかにこれは凄い歌だ……でもっ!」
苦笑浮かべながら實生が処刑具の刃受け止めていた哭戒で弾き上げ、アーも笑みをしまいこみ深呼吸で自身を整え呪剣を振り抜く。
『ちぃっ!』
『きゃっ、この……!』
それでもなお追い縋り大上 段から叩き下ろされた高速振動する一刀を、實生とアーの翼は空気を蹴り出し空泳ぐように宙返りで避け、森の木々より突出しないよう気を付けながら軽やかな身の熟しで押さえたのは真後ろ。
『逃がすか!』
『斬るんだから~!』
振り向こうと、すてにその後頭部には銃口が。
「ここだね」
グラナトゥムと實生の視線が藻掻く全てを撃ち落す パラドクス―ノクテムヴィアム―!
抜身の呪剣とアーの剣技が縦横無尽の剣は凛然と閃く パラドクス―ひかり―!
「斬り伏せる。――貴様が牙を剥くよりも、私の剣のほうが疾い!」
細い頸筋にはひたりと呪剣の刃が添えられる。
悲鳴ごと喰らった刃は滴ったオイル振り払い、アーは静かな納刀を。硝煙立ち昇る銃口は“人”捨てた機械人形を蜂の巣に変えた實生が視線向けた先。
ソレイユの成した泥濘の地に嵌った解体少女は、シャムスの降らせた鋼色の驟雨に砕かれ潰えていた。
小鳥が小さく鳴いた時、新たなる場への侵入者はわらう。
『――あら……すてき。きれいなその目、リリにくださるのね?』
在りもしない確定事項を口にして、ただうっそりと。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
すでに賽は投げられていた
このまま融和の蛇が出ると決まったならば……
使者への手打ちが嵌まるよう、間に合うよう祈るか
仲間たちが敵を誘導した場所へ
目玉好きの子だな
会うのは何度目か
偵察、観察しつつ戦況を把握
解体少女戦の様子を見つつ仕掛ける
【泥濘の地】で怯ませ、隙に弾丸で狙い打つ
……いたいけな少女をたぶらかすとは、けしからんな
相手願うよ、遊ぼうか
奇遇だな、俺も目玉はもってるけど
反撃には魔力障壁を展開しつつ
飛んできた目玉は呪液ごとNazarの大盾で受けよう
ヴィルジニー・フラムヴェールト
わたしに出来ることがあるかしら?
お手伝いするわね!
あら、ここにいるのは傲慢な教皇のようね
信仰を甘くみないでほしいわ
森で戦闘中の仲間と合流するわね
女の子のようだけれど、目玉のコレクターなのかしら?
事件解決を目指すわね
マルメゾンローズで薔薇の花々を出現させ、香りで動きを妨げるわ
他のディアボロスと連携して戦えるなら、援護するわね
おとなしくしていてちょうだい
いったい幾つの目玉を奪ってきたのかしら?
自動人形はひどいことをするのね……
コートで目玉の呪液を被らないようにするわね
弾丸のように飛んできた目玉には、後で祈りを捧げるわ
だけど、今はアイ・リリ・ィを止めるわ
※アドリブ、連携歓迎
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
指を欲しがる人形の次は目を欲しがる指揮官ですか…
この部隊は妙な好事家が揃っているようですね
シャムスの目は、そうですよね…
先程は指を護って頂きましたし、シャムスの目はやらせません
この左目に未練はありませんが、視界が欠けては演奏に支障が出ます
お互いに気をつけるとしましょう
宙に展開した鍵盤で「福音」を演奏
邪悪なる者には聖なる光を剣と変えて貫きます
仲間の攻撃に合わせ、出来るだけ後隙をカバーするように連続して攻撃を繋げていきたい所
反撃には魔力障壁を展開て凌ぐ
目を欲しがったと思ったら、投げ捨てて粉砕するなど
一体何がしたいのですか
他人の物を際限なく欲しがるのではなく、足るを知るのも大事ですよ
シャムス・ライラ
仲間と情報共有、連携
次は…目を狙ってくるのか
この目は
今は亡き家族達との繋がり
(青い目の祖母と妹を思い出し)
ソレイユも、指も目も欠けては演奏できないだろう?
お互い、やるわけにはいかないな
仲間の攻撃タイミングに合わせ
虚誕金剛で強靭な蔦植物を出現させ
蔦を組み上げるようにして隙間を埋め
鱗粉を防ぎながらも覆いかぶさるように敵を攻撃
包み込んで金剛の棘でダメージを
上手く捕縛して、仲間の攻撃に繋げられれば幸い
反撃にはエアライド、飛翔等も駆使し
間合いを取って目を守りつつ可能な限り損害を減らす
衝動に駆られようともえぐりだすわけにはいかぬ
気を強く持ち耐える
ほしいと言われてもやれぬものはやれぬ
アドリブ等歓迎
アー・フーベート
関係性のある熟練者の参加が多いってのもあるんで
決め手になる連携技は任せよう
心強いね
もちろん、だからって任せてサボろうってんじゃない
この左目でアイ・リリ・ィを確と見据え
決して逸らさない
奪う者への尽きせぬ憤怒に任せ
呪詛込めた剣の輝きと殺気を放ち、一時的にその場に釘付ける
私の目が好みか、それ以外か
そんなものはどちらでも構わない
興味も無い
反撃には身を低くして剣を斬り上げ
巨大リッパーの尖端を薙ぎ払い逸らす
そのまま踏み込んで私の間合いまで肉薄
渾身の剣撃(両断)と、なお止まぬ殺気を浴びせてくれる
貴様の両目が爛れるが先か
わが左目の閉じるが先か――まさに目を奪う輝きを視るがいい!
リディル・ヴェント
◎
あら、残念だわ!
今日のリサイタルは終わっちゃったのよ。また次回の公演をお楽しみに!まぁ、アナタじゃなくてアナタの他の個体が聴く事になると思うけど。
でも、サインなら喜んでするわよ!
仲間の皆と連携しながら戦うわよ。
そりゃあアタシの緑の瞳は可愛らしいけど流石にあげられないわね、代わりにサインするわよ!
せっかくだから身体にサインなんてどう?
ペンは桜花絢爛(刺突剣)!
サインしやすい用に泥濘の地で敵の動きを鈍らせられたらラッキー。
カブキ必勝撃で…はい、サラサラサラ~!アナタ超ラッキーね、先にアッチに逝っちゃったさっきの人形達に自慢していいわよ!ら゛ら゛ら゛♪
御守・樹
アドリブ連携歓迎
眼ってサイコパスか。いや割とここの人形ってそういうの多かった気がする。
人形なんだから理想の形なんていくらでも作れそうなのにな。人のを欲しがる必要なんてなさそうなのにさ。
一旦身を隠し念のために光学迷彩を纏って気配を断つ様にする。
さらに泥濘の地で動きを制限したとこで、隙をついてAtroposを複数投げ、合わせてわらびのウォーターブレスで攻撃だ。気配を断てなくても連携の中で隙を付ければいいな。
攻撃ついでにナイフで蝶をうち落とし、ブレスで鱗粉も流れ落とすのが狙い。
俺の目なんて大したもんじゃないけどさ、ただでさえ初めから持つものが少なかったんだ。これ以上奪われんのは勘弁して貰いたい。
一角・實生
◎
悪いけど目は渡せないし潰させない
俺の得物は見て狙うことが欠かせないものでね
――それに、写真でしか知らない両親から受け継いだ大事なものだから
グラナトゥムを構え戦闘へ
目玉に異常な執着を持っているのなら、あちらから間合いに飛び込んできそうだな
狙われた仲間を援護するよう牽制の銃撃を行いながら、目標が俺に移る時機を看破しよう
さっきも言ったけれど、この目は渡せないんだよ
パラドクスを発動して呪詛を込めた銃床打撃を叩き込む
【エアライド】で改めて距離を取ろう
ほら、目玉にばかり執着するから
お前が本来しなければならないことがおざなりになっているだろ
目を合わせ挑発してみるよ
仲間が攻撃する隙を作り出したい
『――あら……すてき。きれいなその目、リリにくださるのね?』
●冀求の囀りに
声を聞いた瞬間、もう目の前に“それ”はいた。
「っ残念だわ!アタナにもアタシの歌を聞かせてあげたかったのだけれど!」
『すてき!すてきね、ふふっ……あなたは森のようなお色なのね!リリ、すきよ?』
噛み合わない会話に怖気が走る。
けれどこんなところで立ち止まってなるものか、と自身を奮い立たせてリディアは叫ぶ。
「そりゃあアタシの緑の瞳は可愛らしいけど流石にあげられないわね!代わりにサインするわよ!」
小柄な体からは想像もつかぬ剛腕でリディル・ヴェント(ゲットレディ・g00550)へ飛び掛かったアイ・リリ・ィが襟首握ってリディルを引き寄せ、リッパーを振り上げる!
……――リディル自身、歌声が少しばかり大きなってしまった自覚はある。それを拾われたのだろうか?だから、狙われて――……なんて過る思いは走馬灯か。
「本日の講演もうお終いなの!でもっ、サインなら喜んでするわよ!」
『まぁ!微笑んでも素敵な眼!あぁでもだめよ、ウィンクはだめ!ねぇ――ちょうだい!!』
リディルは咄嗟に呼吸整える。
畏れてはだめだ。驚いては駄目だ。
「(こんな危機、冒険中だっていーっぱいあったんだから……!)」
そのたびに仲間と乗り越えた。ディアボロスになったって、それは変わらない!パラドクス―カブキ必勝撃―!
「はい、サラサラサラ~……、ってね!」
『きゃあ!』
ギリギリでアイ・リリ・ィが揮うリッパーの軌道を桜花絢爛で逸らし、ただ頬裂いた程度に留まったのは奇跡だろう。
幾ら強気な言葉を放とうと、相手は自動人形。意味など皆無とは承知の上だけれど。
あえてウィンクをすれば、ほんの一瞬アイ・リリ・ィが昏く“目がみえなくなっちゃうわ”と幼声で紡いだ粘つくような言葉が、何の力も持ち合わせないはずなのに執拗にリディルの耳に絡みつく。
「(ほんの一瞬目が合っただけだっていうのに……!)」
「悪いけど目は渡せないし潰させない。何せ、俺の得物は“見て狙う”ことが欠かせないものでね」
「わたしに出来ることはあるかしら?……ふふ、お手伝いするわね!」
あえてアイ・リリ・ィの頭上飛び越え、エアライドと飛翔の応用で小さな背を取った一角・實生(深い潭・g00995)に勢いよく首巡らせたアイ・リリ・ィのチェリーピンクの瞳が見たのはグラナトゥムの銃口。共に擦れ違い様パラドクスを織り上げ援護するヴィルジニー・フラムヴェールト(緑焔の奇蹟・g09648)にも目線向けたアイ・リリ・ィが毒々しい花のように微笑んだ。
『あなたはお空かしら?海かしら?あなたは――……こっちといっしょ。いらない!』
「あら、ここにいるのは傲慢な教皇の部下のようね……信仰を甘く見ないでほしいわ」
「これ、そこそこ痛いよ」
パラドクス―マルメゾンローズ―!
パラドクス―アルケドアティス―!
リディルを投げ捨て自身へ飛び掛からせられるかどうかは一つ賭けであったものの、實生の目から見て勝算のない思考ではなかった。
タイミングよくヴィルジニーの狐耳が敏感に捉えた風向きの役立て幻惑の薔薇の香りをひろげたお陰でより精度の増した惹き付けがアイ・リリ・ィを襲う!
『っ、っ?あ、ら?どれ……?どれが、あれ……?――ギャッ!』
概ね狙い通りにゆき、リッパーを持つ腕を貫通させる一撃を与えただけで今この瞬間における十分な戦果といえるだろう。
ヴィルジニーが咲かせた薔薇が次々に咲き綻び、甘やかな香りでアイ・リリ・ィの意識を更に惑わせてゆく。
必要なのは“ほんの1秒ずつ”を稼ぐこと。
投げ捨てられたリディアを反射的に受け止めたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が気遣うのを横目に、アイ・リリ・ィは實生とヴィルジニーへ訳も分からず穴開きの腕で振り上げたリッパーを振り回し、ポケットから取り出した紫色の瞳を握り潰すと弾丸のように擲って。
「おいおい、今度は眼ってサイコパスか」
「私が貴様を殺す者。何者の目もくれてはやれない……それだけだ」
『っ、ちょうだい!もう、どうしてなの?!今まで皆くれたのに!』
幼い子供のように泣きじゃくりかけたアイ・リリ・ィの感情に従ってなのか、瑠璃色の蝶が爆ぜ舞い鱗粉を散らしてゆく。
アー・フーベート(あらぞめの剣士・g01578)と同時に踏み出した御守・樹(諦念の珪化木・g05753)が吸引は勿論特に目が触れれば劇薬である鱗粉に、自身に寄り添うように潜伏させていた相棒へ指示を出す。
「っ、わらび!」
光学迷彩纏って気配断っていた樹は即座に解き冷静な判断で相棒のアクアスライム わらびへ下した指示はパラドクス―ウォーターブレス―!
狙いは蝶放つアイ・リリ・ィ!
「わらび、アイ・リリ・ィごと蝶を撃て!」
勢いよく放たれたウォーターブレスは舞い踊る蝶ごと、アイ・リリ・ィを先の戦いでソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)が成した泥濘の地へ突き落とすと同時、柔らかに純粋な飛沫は蝶達が舞い散らす鱗粉を僅かばかりでも流してゆく。
『っ、――あぁ、燃えるような瞳のあなた!』
「悪ぃ。俺の目なんて大したもんじゃないけどさ、」
“もうこれ以上、奪われんのは勘弁してくれ”
困ったように笑んだ樹の姿に、はくりとアイ・リリ・ィが声を詰めた隙に刃が閃く。
「爛れた両目で視るがいい。ひかりの許に――処刑台に登れ!」
樹へ縋ろうとした小さな手ごと、吹き上がる“憤怒”に見任せたアーが抜き打った刃で大上段から叩き斬る。
パラドクス―はかり―が泥に足取られたせいでまともに回避も出来ぬアイ・リリ・ィの抵抗を薙ぎ払い袈裟に断った。
『あ゛っ……!ぐ、う、うぅぅぅううう!!!そんな、ぁあそんな素敵な眼を隠しておられたの……!!』
「奪う者たる貴様に関係はない」
常は前髪で隠す左眼を今一時髪掻き上げ、両眼でアイ・リリ・ィ見据えたアーの瞳で猛る憤怒の感情アイ・リリ・ィが瞠目したのも一瞬。
『ふふ、うふふふふ!あなたすてき!すてきだわ!そんなすてきなお色を隠しているだなんて!』
「まったく。指を欲しがる人形の次は眼を欲しがる指揮官ですか……けれど驚いたな、存外好みが激しいけど、この部隊は妙な好事家が揃っているからでしょうか。ね、シャムス」
「……次は目を狙ってくるのか」
ふ、と優雅に瞳細めたソレイユの言葉に、青湛えた瞳で忌々し気にアイ・リリ・ィ見つめたシャムス・ライラ(極夜・g04075)が深いため息を一つ。
「この目は、今は亡き家族達との繋がり……それにソレイユ、あなただって指も目も欠けては演奏ができないだろう?」
「そうですね。先程は指を護っていただきましたし、シャムスの目はやらせませんよ」
『――だめ。だめだめだめっ!!!あなたのお色は持っているもの!だめよ!ピウス7世様がお喜びにならないもの!!』
ソレイユの瞳を指差しけたたましく声上げるアイ・リリ・ィの傷は深く、だくだくと流れるオイルは血のよう。
“ピウス7世”、という言葉に僅かばかりソレイユが反応する傍ら、軋み始めたアイ・リリ・ィの機体へヴィルジニーが翡翠色の瞳を細め囁いた。
「……いったい幾つの目玉を奪ってきたのかしら?」
数にすればアイ・リリ・ィの足元には堆く眼球無き骸が重なることだろう。罪無き数多の骸が。
だが、全ては後のこと。
「おとなしくしてちょうだい」
「捕らえよ」
手中で回したシャムシールを逆手に、一足飛びに駆けたシャムスがパラドクスで地へ合図しながらの目配せにソレイユがエトヴァへ“タップダンスの心得は?”と一見場違いな問いかけを。
「――目玉の好きな子と会うのは何度目かだが、躍らせたことはあまり。でも、」
エトヴァの黒光りする銃口はアイ・リリ・ィの足元に。
「ソレイユさんの曲に合わせようかな」
『あぁっ、あぁたいへん!あなたたちの目を並べて……えぇ、えぇ!!くらべましょう!だれがいちばんうつくしいのかしら!ふふ、うふふふ!ピウス7世様だって、きっとご覧になりたいはずだもの!』
執拗に“目”を求める眼前の魔女を憐れと言えば憐れだろう。
内容は猟奇的だが、ただ“喜ばせたい人がいるの”と嬉々と語る姿は一見幼気なほど健気な思考ともいえる――ただ、“他者から奪うこと”が当たり前でなければ。
泥濘の地から這いあがったアイ・リリ・ィが地を蹴ろうとも――……。
「……もう遅い」
シャムスの言葉通り、全ては“手遅れ”。
『――え?』
パラドクス―虚誕金剛―!
どうと伸びた蔦に金剛石が如く壊れぬ矛の棘を。
絡み縛って引き摺って、いくらアイ・リリ・ィが悲鳴を上げようと、泣き喚こうとも全てはなるべき方へ。
ソレイユが薄氷の如き鍵盤を紡げば森はうたう。
「光あれ、恵あれ、幸いあれ――……そして、」
『っ、もういらないもの!!』
「っ!」
アイ・リリ・ィが癇癪起こし投げつけた目玉が爆ぜ、怨嗟煮詰めた呪液の弾丸は――エトヴァの魔力障壁が防いでいた。
『あ』
「……いたいけな少女をたぶらかすとは、けしからんな。」
幾度もアイ・リリ・ィが口にする“ピウス7世”の名に籠められた感情は恐らく崇拝。
見目に相応しく幼いであろう判断力をどこか利用しているようなそのやり口に、誰もが良い顔をしないのは当然のこと。
「(すでに賽は投げられている。だからこそ、俺は……)」
パラドクス―混沌の黒―!
パラドクス―幻想ロンド「福音」―!
重なる銃声と繊細な指先の織り上げる雷雨の如き荒々しさ抱いた“ひかり”がアイ・リリ・ィを貫き壊す。
『……、ぁ、う゛』
カシャンと落ちた歯車が泥濘へと沈み、音もなく“底”へ消えてゆく。
「……他人の物を際限なく欲しがるのではなく、足るを知るのも大事ですよ」
大空映したエトヴァの翼の羽搏き。遠く響き渡る鐘の音。甘やかな花の香。清廉な水の匂い。
囀った名も分からぬ小鳥の声。
『――きれいな、め』
寂しげな音立て壊れた自動人形の声は静謐取り戻した森へ沈む。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】がLV2になった!
【浮遊】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!