リプレイ
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
アジアや西欧方面は奪還活動が進んでいるのにアメリカ大陸側はまだ全くでしたからね。
これも次につながる重要なミッションです、頑張りましょう。
ああでも…思いっきり空を飛べるのなら…それは楽しまなくっちゃ。
『アクロヴァレリア』を起動して【飛翔】を行い
まだ見知らぬ地の景色を楽しみましょう。
『Boeotia』を起動してその超視覚で周辺を【観察】、【情報収集】は怠りなく。
たまに海面ギリギリを飛翔して、海にラインを引いて見たり
バレルロールの様に一回転を行ったり。
重ねた飛翔に加えてパラドクスや『アクロヴァレリア』の推進力を最大にして
超スピードを体験したり
久々に自由な空を満喫します。
ニーニ・ニニ
お空の旅だなんて、わくわくしますね。
ぴゅーんと飛んだ先に何があるのか、とってもわくわくなのです!
寒くないように、暖かい格好をして。
【飛翔】のおまじないでお空の旅に出発なのです!
ふふー、まるで鳥さんになった気分ですね!
そう言えば絵本で『雲は綿飴で出来ている』と書いてありましたが、本当なのでしょうか?
大きな雲を見つけたら、端っこを齧ってみましょうか……?
仰向けになって空を眺めたり、うつ伏せになって海を見たり。
時々身体の向きを変えて、景色の違いを楽しみつつ。
慣れてきたら、ぐるんぐるん回ったり急降下や急上昇もしてみたいです!
……に?ペペン、大丈夫です?もしかして、酔っちゃったですか?
フルルズン・イスルーン
一ヶ月ぶり二度目の北極だ。
ま、今回は向こうの大陸だけども。
さて、ブロッケン・ゴーレムゆくぞー!
ゴーレムくん【寒冷適応】を付けるのだ。
白夜だからねぇ。ちょいと工夫がいる。
【飛翔】は借りて地図とコンパス、正確な時計と太陽高度表用意!
北極までは素直にいけるけど、今度は大陸まで行こうというなら地味に難しい。
地上の目印は少ないしコンパスはアテにならぬ。
ので、太陽を使って季節と時間帯ごとの角度と位置に気をつけながら飛ぶ。
退屈な飛行?
ずれてないか気にしながらだから気を抜けないのだ。
時間が余れば、時間の許す限り真上に飛んで能力限界の確認もしたいね。
空気も寒さも限界高度も調べたい。
宇宙なら星も見れるかな?
ルィ・アムンゼン
ん、アメリカ大陸の北限と言えばアラスカ
そして、アラスカと言えばイヌイット
私のパラドクスの一部はイヌイットの女神のセドナ様の力借りてるし私の体を乗っ取ってたクロノヴェーダが名を騙ってたアムンセンはイヌイットと交流があった
だから其処に向かうのは見逃せないもんね
後まあ、お爺ちゃんがロシアからの移民が両親のアメリカ人だったしアメリカも縁がある方だから、どんなディヴィジョンがアメリカにはあるのかとか色々と興味は尽きないし
エフェクトで〇寒冷適応を使い寒さ対策はしつつ〇飛翔して移動
後で絵を描く為に周囲の光景を観察したりして移動中も楽しむ
進んだ先に何があるかは判らないが飛ぶ事其の物をしっかり楽しんでいく
湯上・雪華
絡み、アドリブ等完全受け入れ
北極を超えてアメリカ大陸へ……
ロマン、ですね
新しいディビジョンがあるかどうかの確認も大事ですからね
飛翔と寒冷適応はお借りして、空の旅を楽しみましょうか
周囲への観察のためにも完全視界も使って、気になる物があれば観察する余裕あるかしら?
あれば近づいてみたいですね
島があるかな、ないかな、どっちでも目的地はまだ先ですもんね
時折アクロバット飛行してみますか
集中力を切らさないように宙返りしてみたり、背面飛びしてみたり
こうやって空を行くのって気持ちいいんですね
エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
合衆国は私の生きた時代でも列強の一つであり、
新宿島で学んだ『未来の』歴史では世界で最も影響力を持つ超大国になるのだと言う。
改竄世界史では一体どんなディビジョンなのかしら……。
●行動
【飛翔】し速度を取りやすい高度まで上昇。
【寒冷適応】【完全視界】等残留効果があれば随時借りる。
敵影は無いとの話だけど、念の為【偵察】技能で周辺警戒。
飛翔の残留効果レベルが累積してくれば、音速突破に挑戦したいわね。
人類が音の壁を破るのは1947年。
30年も先立って偉業を体験出来るなんて光栄の極み。
速度を上げつつ、一定距離毎にインメルマンターンで折り返して位置エネルギーと運動エネルギーを溜めて行く。
冰室・冷桜
さーて、二度目の北極飛行、と
今回も危ないことはなさげみてーですけど、どうなりますかね
お仲間の【飛翔】【寒冷適応】を借りつつ、自前で【完全視界】発動
ゴーグルに防寒具も装着してフライトと洒落込みましょう
殊更急ぐ必要もなし、道中は下の様子も見ながら進みましょう
動物たちを見かけたら写真も撮りましょうか
調査と暇つぶしで一石二鳥ね
北アメリカ大陸、霧が出てなけりゃ七曜の戦まで安心ではあるんですが
どうなりますやら
河津・或人
音速を越えて生身で飛ぶとか……浪漫以外の何物でもねぇ!
俺のWindBombをここでやらなかったらいつやる…!
(出典となるゲームでは300km/hを超えるバグ技)
敵からの攻撃を推進力に変える技、なのでアクロバット飛行に見えなくもない…かな?
どちらかといえばスタントマン的なムーヴになるが
飽きが来る対策としてはこの上ないんで
ボムだけで7連続上昇とか、普通なら配信でストリーマーがやる魅せプレイを再現してみよう
霧が発生してるかしてないか、だけを実地で確認して見るのも大事だしなー
リアルオープンワールドって感じでワクワクするぜ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
防寒着に、肌を出さぬよう帽子に手袋
天候変化に備えて耐水コートを羽織る
【飛翔】を重ね、ロングフライトだ
完全視界、寒冷適応あればお借りする
今度は北極点越えか……
肌に触れる温度もすこし味わっておこう
北アメリカ大陸まで……
偵察、観察しつつ、方角を確認しておこう
太陽と時刻を確認、大まかな飛行距離と位置を把握しておこう
翼に受けて切る風
風を読んで踊り
ゴーグル越しの景色を存分に楽しむよ
空中戦の軌道で遊んでみようか
ただ一枚の羽根のごとく
加速し、音速越えに挑もう
自由な空は、なんと心地よいことか………
果てに広がる海を見霽かし
未だ見ぬ地は開拓時代だろうか
いずれ訪れる地……
思いを馳せ、帰路につこう
マティアス・シュトローマー
北極点の次の目的地はアメリカ大陸!
陸地が無い事はほぼ確定でも、万が一なんて可能性もあるかもしれない
この目で見て確かめないとね
防寒装備に【寒冷適応/完全視界】を借りて【飛翔】で目的地へ。道中では仲間の提案に乗って音速の突破を目指したり、カッコいいアクロバット飛行の練習をしたり、滅多に出来ない空の旅を楽しもう
ここで宙返り。そして急上昇、急降下
よし、調子は上々!
これなら次の実戦ではもっと良い動きが出来そう
早く試してみたいなー
目的地に着いて状況を確認したら報告用に記録もしっかり。霧や陸地の影、敵の気配の有無をチェックしておく
アメリカ大陸にはどんなディヴィジョンがあるんだろう?
いつかわかる日が来るのかな
月鏡・サヨコ
作戦行動で「海戦装姫なので空は飛びたくない」などとは言っていられない
あらゆる局面に対応するため、飛行技術にも習熟する必要がある
今回の長征は、空により慣れる好機……往こう、水平線の果てへ
仲間と共に【飛翔】を重ねて天へと飛び立つ
【寒冷適応】があれば借りるが、ない前提で防寒着を着用
これで強烈な風や高高度の低温に耐えよう
飛行時間と進んだ方位を正確に計測し、どれぐらい目的地まで近づいたかは常に分かるようにしておく
道中、敵の存在にも念のため目を光らせておく
冥海機も「海の悪魔」と仮称される存在も……流石にこの海域にはいない、かな
安心できる状況と分かったら、移動を続けながら仲間と共に空戦機動の練習に励む
イツカ・ユメ
【箱家】
もこもこ防寒装備とふわふわモーラットで寒さ対策はばっちり!
それじゃあ、皆で空の旅にレッツゴー♪
普通に移動するよりも遥かに速いとはわかっているけれども
それでも、長時間の移動はちょっと疲れてくるよね
なので!
皆の恋バナとか、楽しい夏の予定が聞きたーい!
皆の幸せトークからしか摂取できない、貴重な栄養素があるんだよぅ
わたしも水着は新調したーい!
ナイトプールも行ってみたいなぁ
ぁ、海も良いけど山も良いよね
カブトムシ、採れるかな?
浴衣で花火デートとかもしてみたいなぁ…独り身だけど!
アメリカ大陸は海、とは聞いていたけれども……本当に海しかないのかな?
もしかしたら海の底に、自由の女神像が沈んでいるかも?
ミレイ・ドリムータ
【箱家】
今度はアメリカまで飛翔で調査かぁ。長時間になるだろうけど頑張ろうね!
今回も防寒着に【寒冷適応】、デュークでしっかり防寒しなきゃ。(相棒のスフィンクスを抱えつつ)
夏の予定かぁ。(目配せに気付いて微笑み)
そうだね、アタシも海に行きたいかな。
それに今年の水着コンテストも楽しみだし、ナイトプールも一度は行ってみたい!
お出掛けの話じゃないけど、夏のフルーツも色々食べたい!桃にスイカ、メロンも良いよね。
さて、アメリカ大陸のあった場所に到着!……だけど、ホントに海になっちゃってるんだね。
自由の女神や建物が沈んでたら写真撮りたいね。記念の意味でも、資料としての意味でも。
九重・古安
【箱家】
北極圏へは先月飛んできたが今回はさらにその先か。今回も見るものが多い冒険になると良いな。
予想では目的地も海だろうということだったが、水面を見続けるのに飽きたら海を背に背面飛行など挑戦してみるか。
障害物を気にせず飛べるからこそできる芸当だが気分の切り替えには中々良さそうだ。
夏の予定は今のところは未定だな。とはいえ何もしないというのも勿体無いし、皆の話を参考にしたい。
コイバナ……恋の話か? 俺にはどうも縁遠い話なように思うが……まぁ、今こうしているように、一緒に出掛けていて楽しいということならあるな。
さて、アメリカに陸地があるならそろそろのはずだが、何か見えるだろうか?
一騎塚・喜一
【箱家】
飛翔での長距離移動はこれで2度目ですが
世界の広さ…取り戻すものの大きさを改めて感じますね
防寒具も用意していざ参りましょう
皆さんと楽しくお話ししながらだと長距離の移動も退屈しませんね
楽しい夏の予定ですか…
ゴミ拾いをして鍛錬して勉強をする……結局いつも通りに過ごしちゃいそうです
遊びに行くなら海も楽しそうですが山も捨てがたいですね
大きなカブトムシを捕まえてみたいです
九重さんの背面飛行も面白そう!空を眺めながら飛ぶのも今しか出来ませんものね
私も真似して飛んでみます
そろそろ到着でしょうか?
本来ならここに広大なアメリカ大陸が存在して
そこには沢山の人が住んでいたのですよね
いつか必ず取り戻しましょう
フウガ・ミヤビ
【箱家】
アメリカ大陸……
海の向こうに他の大陸がある事は学びましたが、地図で見てだけでも凄く大きな陸地が有ったんですね。
【飛翔】を重ね掛けをして速度を上げれば、道中は時間をかけて飛んで行けますね。
普段長距離を飛ぶことが無いので、この機会を楽しみます。
夏の予定……新しい水着を新調したいですね。
水辺へ遊びに行きたいのと、夏祭りや花火も興味が有ります。
イツカさんは夏のご予定や、恋バナ、はあるんですか?
日本よりはるかな国土の広い大陸があった場所、なんですよね。
今は海原のみですが、ここで暮らしていた方の為にも、何か手掛かりが残っていれば良いのですが……
空木・朱士
【箱家】
せっかく北極点の調査に行ったんだから、その先のアメリカ大陸も目指したいよな。
【寒冷適応】も使いつつ服装もちゃんと防寒仕様で寒さ対策。
【飛翔】を重ねて速さを追求したい気持ちもなくはないけど、皆で話しながら道程を楽しんで行くのも良いよな。
お、背面飛行。古安も喜一もやるなぁ。
んじゃ、俺は急降下からの海面すれすれから急上昇!
夏の予定かー…
水着も良いけど、俺は浴衣を新調したいかなぁ。
花火を見るのも良いし、するのも楽しそうだよな。
(皆のコイバナを聞きながら)
アオハルだねぇ~(にやにや)
北アメリカ大陸は海だって話だけど…。
分からなかった事を一つずつ確かめていくのは砂粒を拾い集めるように根気がいるな。
南雲・葵
【箱家】
空を自由に飛ぶっていうのが実際に出来る世界って凄いよなぁ
子供の頃の夢が叶っちゃうんだよ
っと、自分だけ楽しんでちゃ駄目だな
えーと、苺依夢は空飛ぶの初めて?
じゃあ空を飛ぶ先輩の姉貴と一緒に飛んでみる?
…ほら、俺が手伝うのはちょっとアレでしょ?
オラトリオの少女が手を繋ごうと手を差し出す様子を見ながら
夏の予定かー… チラっと横目に一人の少女を盗み見て
海行きたいなー、て思ってるからあとで誘ってみようかな?
後は、夏祭りや花火も良いね
ナイトプールもお洒落で面白そう!
この辺にアメリカ大陸が有ったのかな?
今は何も見えないって事は、もしかして海中や空中にディビジョンがあったりするのかな?
一・百
【箱家】
こんなに長距離飛ぶのははじめてだな
今…飛翔いくつかかってるんだろ…
寒さはコートとマフラーで防寒
疲れたらジン(九尾の銀狐姿をしてる)を耳飾りより呼び出し捕まってふよふよ漂い休憩
夏か…キャンプ行ったり、海も行くかもな…
水着は着てみたいとは思うがなかなか…
泳げないので、そこまで必要を感じたことが無いという
でも、今年は考えてるよ…
こいばな?
………告白したの夏だったかな?
後は何もないぞ
毎日、起きたら隣りにいて一緒に1日過ごして一緒に眠るのが普通だからな…
そういう話しは、近くに居るような気もするが…
ジョルジョ・ストレッポーニ
アドリブ歓迎
先日覚醒したばかりで調査どころか飛翔自体初めてだが
案内人の話によれば戦闘も難しい作戦もいらないので慣れがてら楽しんで見よう
北極点なんて刻逆前だって行く機会がなかったしね
防寒は効果に頼る他、仲間に聞いて北極点上空に相応の装備を用意
生身でこの速さを飛ぶとは…!
だが復讐者としての活動に必要なのか?
では高速飛翔しながらの歌唱に挑戦
これだけの空間なら味方の迷惑になることもあるまい
寝そべったり走り回ったり殺陣やりながら歌うのは慣れてるがこれは…
※ドラマチックな女声用のワルキューレの騎行をバリトンで歌いながら飛ぶ
慣れたら他にも色々歌う
よく公演で行ってた北米へ向かうのに、心が揺れて何とも言えない…
舟橋・苺依夢
【箱家】
わっ、私、初めて空飛ぶよー!
ちょっと怖い......かも。皆、そばに居てね...?!あっ、梓さん手を繋いでくれるの?嬉しいありがとう。ふふ、手が温かいな。
お話好きだよー恋バナ大好き♥️一緒にいるのが当たり前っていいなぁ...!
あと夏の予定って楽しいよね!フウガさんは水着の新調?わかる。かわいい水着を着て色んなとこに遊びに行きたいよね(目を輝かせて)
ウンウン、花火も見たいし夏祭りも楽しそう!涼しい山とかでのんびりもしたいね。私はナイトプールに行きたいなっ!
北アメリカ大陸に着いたらカメラで周りを撮ってみたいの。皆で来た思い出にもなるもんね!
海の底に自由の女神が沈んでたらエモいかもー!
エルマー・クライネルト
【Wertlos】
アメリカ大陸など本来の歴史の自分なら行くこともないのだろうな…正直かなり興味がある
ジョンは本来のアメリカを知っているのだろうか?
今は海しか無いのだろうが、しかし向かう価値はある
【飛翔】と【寒冷適応】を使用し皆の後に続く
飛翔中の風を避ける為に防寒装備も着込んで準備
進路や眼下を確認しながらも飽きてきたら水面に降りて暇つぶし
水面を蹴り上げジョンに水掛けしてちょっかいを出しながらしりとりに応戦
『アメリカ』だな、なら次は『カリフォルニア』だ
無駄に凝ってアメリカ関係の単語で返しているので長考がしばしば
ジョンのギターに耳を傾けつつ目的地まで向かう
…いずれ取り戻すとも。その時は私も力になろう
ジョン・エルバ
【Wertlos】
My hometown!
ついに、ついにアメリカがあるかどうかの調査まで来たな!
エルマー早く行こうぜ!この目で海か確かめるんだ!
防寒着を着込んで【飛翔】【寒冷適応】を使用し我先に飛び出す
ヒャッホー!敵を気にせず全速力で飛ぶの気持ちいいな!
ぐるぐる回り自由軌道
……なんもないとつまんねえな!ワハハ!
エルマー、しりとりしようぜ
オレからな!『アメリカ』!
…またアかよ!んー『アルコール』!
水をかけられればこちらも応戦、両手で勢いよくバシャバシャかける
そのまま何も思いつかないしりとりをフェードアウトさせて飛翔しながらギターを弾く
オレの故郷、今どうなってんのか分かんねえけど絶対取り戻すからな
●北極点からの出発
パラドクストレインでディアボロスたちがたどり着いたのは、極寒の地だった。
氷の海の中心は、先日は目的地だった。
「一ヶ月ぶり二度目の北極だねぇ。ま、今回の目的は向こうの大陸だけども」
フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)が言った。
「さて、ブロッケン・ゴーレムゆくぞー!」
ゴーレムクラフターを自称する彼女が、今回作り出すゴーレムは霜を媒介にしたもの。
存在が不確かなゴーレム。だが、その分巨大で、寒冷環境へ適応させてくれる、霜の帳。
他のディアボロスたちもそれぞれに自身のパラドクスを使い始める。
飛翔効果を持つパラドクスが多いが、フルルズンを始めとする何人かは寒冷地への耐性を与えるパラドクスを使用している。
月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)が使ったのは、空を飛ぶパラドクスだ。
対艦軍刀『銀鉤』を抜き放ったまま、小柄な体が宙に浮いた。
「作戦行動で『海戦装姫なので空は飛びたくない』などとは言っていられない。あらゆる局面に対応するため、飛行技術にも習熟する必要がある」
冥海機ヤ・ウマトの海戦装姫である彼女にとって、空はまだ不慣れなフィールドだ。だが、不慣れなままでいるわけにはいかない。
「今回の長征は、空により慣れる好機……往こう、水平線の果てへ」
周囲に視線を配りながら、サヨコは北極の空を飛ぶ。
念のため防寒具は着てきたが、幸いなことに仲間のパラドクスの力を借りることができるようだ。
吹き付ける強烈な風や、北極の低温を防いでくれる。
そうして、ディアボロスたちは北極点からアメリカ大陸に向けて出発した。
「北極までは素直にいけるけど、今度は大陸まで行こうというなら地味に難しいね」
なにしろコンパスは当てにならない。地上の目印もあまりない。
「飛行時間や方位を正確に計測する必要があるな」
サヨコの言葉に、フルルズンが頷く。
「うん。太陽を使って季節と時間帯ごとの角度と位置に気をつけていく必要があるねぇ」
「なるほど……そういうやり方もあるのか」
会話しながらフルルズンは考える。
退屈な飛行だと時先案内人は言っていたが――。
「ずれてないか気にしながらだから、気を抜けないよ」
時間が許せば真上に飛んで能力の限界を確かめたかったが、さすがに今回の目的と離れすぎている。そこまでの回り道は難しい。
サヨコの方は、海の中にも気を配っていた。敵はいないと聞いていたが、しばらくの間は警戒しておくべきだろう。
「冥海機も『海の悪魔』と仮称される存在も……流石にこの海域にはいない、かな」
敵が出ないことが確認できたら、仲間と共に空戦機動の練習をしたい。そう考えながら、サヨコは飛び続けた。
●トレーラーハウスから北極へ
ディアボロスたちの中には、普段からの仲間同士で連れだって北極点の探索に来た者たちもいる。
旅団『トレーラーハウス』のメンバーたちだ。
「空を自由に飛ぶっていうのが実際に出来る世界って凄いよなぁ。子供の頃の夢が叶っちゃうんだよ」
南雲・葵(バールの人・g03227)は、冷たく、しかし透き通った北極の空をながめる。
「っと、自分だけ楽しんでちゃ駄目だな」
葵は仲間の1人へと近づいていく。
「わっ、私、初めて空飛ぶよー!」
回転木馬で飛ぶ舟橋・苺依夢(sweet holicᕱ⑅ᕱ・g06048)の動きが、少し危なっかしいのを見て取って、葵は彼女に近づく。
「ちょっと怖い……かも。皆、そばに居てね……?!」
本人も少し心細い顔をで、仲間たちを見回している。
「えーと、苺依夢は空飛ぶの初めて? じゃあ空を飛ぶ先輩の姉貴と一緒に飛んでみる?」
葵のサーヴァント、オラトリオの『梓』が苺依夢に手を伸ばした。さすがに、葵自身が手伝うのははばかられる。
「あっ、梓さん手を繋いでくれるの? 嬉しいありがとう。ふふ、手が温かいな」
笑顔の少女と、オラトリオが並んで飛ぶ。
「北極圏へは先月飛んできたが今回はさらにその先か。今回も見るものが多い冒険になると良いな」
九重・古安(失くしたものと手にしたものと・g02347)の一房だけ黒い髪が、白い髪とともに北極の風に揺れる。
「ま、せっかく北極点の調査に行ったんだから、その先のアメリカ大陸も目指したいよな」
空木・朱士(Lost heart・g03720)は防寒具をしっかりと身に着け、残留効果も利用して風から身を守っている。
「アメリカ大陸……海の向こうに他の大陸がある事は学びましたが、地図で見てだけでも凄く大きな陸地が有ったんですね」
フウガ・ミヤビ(風来楽師・g06359)は、先ほど自ら生み出した竜巻で乱れた金髪の三つ編みを、邪魔にならないように整える。
「今度はアメリカまで飛翔で調査かぁ。長時間になるだろうけど頑張ろうね!」
ミレイ・ドリムータ(新宿島で暮らすもの・g01550)も防寒着にしっかり身を包んでいた。
「今回も、防寒着とパラドクスに、デュークでしっかり防寒しなきゃ」
スフィンクスの『デューク』を抱え込みながら、ミレイは空を飛ぶ。
「【飛翔】を重ね掛けをして速度を上げれば、道中は時間をかけて飛んで行けますね。普段長距離を飛ぶことが無いので、この機会を楽しみましょう」
中性的な顔を仲間たちに向けて、フウガが言った。
「こんなに長距離飛ぶのははじめてだな。今……【飛翔】いくつかかってるんだろ……」
マフラーをなびかせ、一・百(気まぐれな狐・g04201)が呟く。
彼自身も含めて、トレーラーハウスの面々だけで飛ぶ残留効果を持つパラドクスを7人が使っていた。この場にいる全員なら、いくつになるだろう。
時先案内人の説明より短く済みそうなのは間違いない。
だが、コートも着込み、パラドクスの効果と合わせて防寒は十分。
「飛翔での長距離移動はこれで2度目ですが、世界の広さ……取り戻すものの大きさを改めて感じますね」
一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)は眼鏡の奥から、まだ見えぬ――いや、あるかどうかもわからない彼方の地を見据える。
「寒くなりそうだけど、防寒装備とふわふわモーラットで寒さ対策はばっちり!」
イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)が、いつも通り元気な声で、歌うように言った。
「それじゃあ、皆で空の旅にレッツゴー♪」
いつかどこかで聴いた歌を、再び口ずさみながらイツカは飛ぶ。
「それでは、いざ参りましょう」
喜一が言った。
ディアボロスたちは、北極の空を思い思いの動きで進んでいった。
●楽しい空の旅
ディアボロスたちの空の旅は、順調だった。
「お空の旅だなんて、わくわくしますね。ぴゅーんと飛んだ先に何があるのか、とってもわくわくなのです!」
ニーニ・ニニ(雪陽の子猫・g08923)が、楽し気に語る。
暖かそうな格好をした少女は、心を浮き立たせているようだった。
「北極を超えてアメリカ大陸へ……」
湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)は前方へ視線を向けている。
顔は青いが、それは雪華の普段からの顔色だ。寒さのせいではない。
「ロマン、ですね。新しいディビジョンがあるかどうかの確認も大事ですからね」
「アジアや西欧方面は奪還活動が進んでいるのにアメリカ大陸側はまだ全くでしたからね。これも次につながる重要なミッションです、頑張りましょう」
レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は銀の髪をなびかせて空を飛ぶ。
「陸地が無い事はほぼ確定でも、万が一なんて可能性もあるかもしれない。この目で見て確かめないとね」
マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)が言う。
灰色の瞳が見つめるその先に――少なくとも、今は霧は見えなかった。
「さあ、北極点の次の目的地はアメリカ大陸だよ!」
極地の風は冷たい。けれど、ディアボロスたちがひるむことはない。
「なにかあったら近づいてみようと思っていましたけれど、今のところ何もないようですね」
雪華が言った。視界を強化するパラドクスを使って周囲を観察しているが、危険そうなものはやはり見当たらない。
見渡す限り、北極海に浮かぶ厚い氷だけだ。
近くを飛んでいたニーニが、仰向けの姿勢になっていた。
「ふふー、まるで鳥さんになった気分ですね!」
楽しげに空を眺める少女。
雪華も集中力を切らせないように、宙返りをしてみる。
「そうですね。こうやって空を行くのって気持ちいいんですね」
背面飛びで雪華はニーニの横に並ぶ。
風を切る音が耳に届く。
多くのディアボロスが飛翔効果を持つパラドクスを使ったため、かなりの速度が出ているのだ。
「せっかくだし、まだ見知らぬ地の景色を楽しみましょう。思いっきり空を飛べるのなら……それは楽しまなくっちゃ」
翼のようなデバイス『アクロヴァレリア』を使って、レイは自在に飛び回る。
「そうだね、カッコいいアクロバット飛行の練習をしたり、滅多に出来ない空の旅を楽しもう」
マティアスはパラドクスで具現化した鴉の上を駆け抜けて、勢いをつけて空へ飛び出した。
その横でレイのアクロヴァリアが回転――いや、螺旋のような軌道を描き始める。バレルロールと呼ばれる戦闘機の機動だ。
「おー、すごいすごい。俺も負けてられないな」
悪戯っぽい視線をレイに向けて、マティアスも様々な空中機動を試し始める。
宙返りから、急上昇……そして急降下。縦横無尽に空中を駆け抜ける。
「よし、調子は上々! これなら次の実戦ではもっと良い動きが出来そう。早く試してみたいなー」
自らの動きを確かめているマティアスの横を、アクロヴァレリアが加速して駆け抜けていった。
ゴーグル型デバイスの『Boeotia』で情報収集しながら、海氷の割れ目を見つけて飛び込み、海の上に白い軌跡を描く。
再び急上昇すると同時に白線がわずかに宙に浮いて途切れ、白いデバイスがディアボロスたちの間を駆け抜ける。
レイは、そして他のディアボロスたちも、めったに飛べない自由な空を満喫していた。
ニーニの小柄な体や、雪華の青い体も、急上昇や急降下、アクロバティックな機動をしはじめる。
「……に? ペペン、大丈夫です? もしかして、酔っちゃったですか?」
サーヴァントに気遣う声をかけて、ニーニが動きを緩めた。
再び仰向けになって、少女はダンジョンペンギンと共に空をながめる。
「そう言えば絵本で『雲は綿飴で出来ている』と書いてありましたが、本当なのでしょうか? 大きな雲を見つけたら、端っこを齧ってみましょうか……?」
きっと、今なら雲までだって飛べるはずだ。
もっとも飛ぶとしたらペペンをしばらく休ませてからになるだろうが……。
雪華もやがて起動をゆるめて、再び眼下を見下ろした。
今のところ、やはり不自然なものはない。ただ、氷に覆われた北極の海が見えるだけだ。
「島があるかな、ないかな、どっちでも目的地はまだ先ですもんね」
もしも島があるとすれば北極気を抜けた先のはずだ。
そこにあるのが海だけで、陸地も島もないかの性の方が高いのはわかっている。けれど、それだって確かめてみないとわからない。
期待を胸に抱いて、ディアボロスたちは冷たい空を飛んで行った。
●ようやく来た故郷への道
旅団『Wertlos』は、新宿島のとある雑居ビルの一室にある店だ。
連れ立って飛ぶ2人の青年は、そのメンバーだった。
「My hometown!」
ジョン・エルバ(ロックスター・g03373)が叫ぶ。
北極点から離れるごとに、徐々に氷の密度が薄くなっていく。それは、彼の故郷が近づいてきているということを意味していた。
「ついに、ついにアメリカがあるかどうかの調査まで来たな! エルマー早く行こうぜ! この目で海か確かめるんだ!」
ロックミュージシャンを自称する青年は、いつも以上に頭のネジが飛んでいる様子だった。
「アメリカ大陸など本来の歴史の自分なら行くこともないのだろうな……正直かなり興味がある。ジョンは本来のアメリカを知っているのだろうか?」
エルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)はジョンとは対照的に落ち着いた様子で言った。
高揚するジョンの耳に、彼の疑問は届いていないようだった。
「今は海しか無いのだろうが、しかし向かう価値はある」
視線を向けると、ジョンがどんどん先に行っていたので、エルマーは遅れぬように彼を追いかける。
「ヒャッホー! 敵を気にせず全速力で飛ぶの気持ちいいな!」
ぐるぐると回転しながら飛び回るジョン。
「飛翔中の風はずいぶん冷たいが、平気なのか?」
ジョンが先ほど使った『凍てつく闇』の力や、他のディアボロスのパラドクスのおかげで、寒冷地に適応しているはずではあるが……。
氷の起伏にぶつからない程度の高さで、進路を確認しながらエルマーは進む。眼下に見える北極の氷にも不審な点はない。
不意に、金髪の青年がエルマーの横に並んできた。
「……なんもないとつまんねえな! ワハハ! エルマー、しりとりしようぜ」
答えを待たずにジョンはしりとりを始める。
「オレからな! 『アメリカ』!」
暇つぶしにはなるだろう。少し考えてから、エルマーはそれに応じる。
「『アメリカ』だな、なら次は『カリフォルニア』だ」
「……またアかよ! んー『アルコール』!」
再び、しばし考える。
「『ルイジアナ』でどうだ?」
せっかくだからとアメリカ関係の単語を考えるエルマーに、ジョンは思い付きで適当な単語を投げかけてくる。
長考しながら、エルマーは冷たい水面を軽く蹴り上げた。
「うわっ! やったな!」
ジョンは水面近くまで降下して、勢いよく両手で水を飛ばしてきた。
しりとりはいつの間にか忘れられ、大きな海氷に邪魔されるまで2人は北極の冷たい水を互いにかけあう。
(「パラドクスがなければ風邪をひくどころじゃすまないんだろうな」)
考えるエルマーの頭上で、ジョンがギターを弾き始めた。服にかかった水を絞りながら、エルマーはロックミュージックに耳を傾けた。
●アメリカ大陸に思いを馳せて
氷の塊は果て無く続く。いや、当然果てはあるはずだ。皆が使ったパラドクスの数を考えれば、やがて見えてくるはずだろう。
「さーて、二度目の北極飛行、と。今回も危ないことはなさげみてーですけど、どうなりますかね」
冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)が氷を見下ろしながら言う。
彼女は眼鏡の上からゴーグルをつけて、防寒具もしっかり着込んでいた。
「私としては、なにもないことを期待したいところだね」
耳に入った言葉に、ジョルジョ・ストレッポーニ(Il Voce Grande・g10013)が応じた。
「先日覚醒したばかりで調査どころか飛翔自体初めてなのでね。案内人の話によれば戦闘も難しい作戦もいらないので慣れがてら楽しんでみるつもりなんだ」
長身の男は、オペラ歌手らしいよく響く声で告げる。
冷桜を含めて、仲間たちの中には、前回北極点を目指す冒険に参加していた者も多いようだが、ジョルジョはもちろん北極点に来るのは初めてだった。
防寒用装備も出発前に仲間に聞いてそろえたつもりだが……。
「しかも、生身でこの速さを飛ぶとは……! だが、これも復讐者としての活動に必要なのか?」
「殊更急ぐ必要もないんですけどね」
「ん、アメリカへの期待もあるんじゃないかな」
ルィ・アムンゼン(天使のリアライズペインター・g07641)が、首をかしげるジョルジョへ言った。
「アメリカ大陸の北限と言えばアラスカ。そして、アラスカと言えばイヌイット」
だから、今回目指しているのも、そのあたりということになるのだろう。方角に気を配ってくれる仲間がいるから、間違うことはないはずだ。
ルィにとって、アラスカ、そしてイヌイットというのは思い入れがある言葉だった。
「私のパラドクスの一部はイヌイットの女神のセドナ様の力借りてるし……私の体を乗っ取ってたクロノヴェーダが名を騙ってたアムンセンは、イヌイットと交流があった」
だから、アラスカの地に向かうのは、見逃せない機会だったのだ。
「なるほどな。アメリカへの思い入れか……」
ジョルジュが言った。遠い目をしている。
「後まあ、お爺ちゃんがロシアからの移民が両親のアメリカ人だったし」
祖父のことを思い出しながら少女は言った。
「アメリカも縁がある方だから、どんなディヴィジョンがアメリカにはあるのかとか色々と興味は尽きないし」
「私も……時逆が起きる前は、アメリカに何度も公演で呼ばれたよ」
ジョルジュがなにか言葉を続けるのかと、ルィは彼の顔を静かに見上げた。
けれど、彼はそれ以上なにも言わなかった。いや、たぶん、なにも言えなかった。
「せっかくの機会だ。高速飛行しながら歌ってみるとしよう」
北極の空に、美しいバリトンが響く。
ワルキューレの騎行……本来は女声曲だが、違和感を感じさせることなくジョルジョは歌う。
「寝そべったり走り回ったり殺陣やりながら歌うのは慣れてるがこれは……」
慣れない環境でも、その歌声は揺らがなかった。
「北アメリカ大陸、霧が出てなけりゃ七曜の戦まで安心ではあるんですが、どうなりますやら」
冷桜が言った。
「動物が、前に来た時より少ない気がしますね。気のせいかもしれないけど」
彼女は調査も兼ねて周囲を観察していた。
アザラシなど海の生き物は見かけるが、クマやキツネといった陸の生き物をあまり見ないのは、この先に陸地がないことの証拠のようにも思える。
メーラーデーモンの『だいふく』の力も借りて得た視界で、北極の様子を確かめながら彼女は飛んでいた。
「アザラシの群れがいますね。ちょっと調査のために写真撮ってくる」
調査も本当だが、暇つぶしにもなるだろう。
降下していく冷桜に、ルィが並んだ。
「私も行く。後で絵を描きたいから、この風景を覚えておかないと」
一見変化が少ないように思える北極の風景にも、変化があることをルィは知っている。
上空ではジョルジョが別の曲を歌い始めた。
ディアボロスたちは、それぞれに、めったにできないこの経験を楽しんでいた。
●友と行く楽しい旅路
旅団『トレーラーハウス』の面々は、北極の空を旅していた。
北極点からの距離はだいぶ離れたけれど、寒さはさほど変わらない。とはいえ、パラドクスの力による寒冷環境への耐性もあり、余裕はある。
「それでも、普通に移動するよりも遥かに速いとはわかっているけれども、長時間の移動はちょっと疲れてくるよね」
最初に言い出したのはイツカだ。
「皆さんと楽しくお話ししながらだと長距離の移動も退屈しなそうですね」
喜一が頷く。
「なので! 皆の恋バナとか、楽しい夏の予定が聞きたーい! 皆の幸せトークからしか摂取できない、貴重な栄養素があるんだよぅ」
「私もお話好きだよー恋バナ大好き♪」
同意した苺依夢が、心当たりがありそうな仲間たちに視線を向ける。
「こいばな? ……告白したの夏だったかな?」
百がなにげなく呟く。いつの間にか、彼は呼び出した九尾の銀狐につかまって、仲間から遅れない程度に浮かんでいた。
イツカと苺依夢が同時に百へ視線を向けた。
「後は何もないぞ。毎日、起きたら隣りにいて一緒に1日過ごして一緒に眠るのが普通だからな……」
期待する視線から逃れるように、百が言った。
「一緒にいるのが当たり前っていいなぁ……!」
苺依夢が空を見上げる。イツカもだ。
「そういう話しは、近くに居るような気もするが……」
「えー、誰のこと?」
近くにいると言われ、少女はキョロキョロと周りを見回した。
「コイバナ……恋の話か? 俺にはどうも縁遠い話なように思うが……まぁ、今こうしているように、一緒に出掛けていて楽しいということならあるな」
古安が言った。もっとも『誰と』かまでは語らなかったけれど。
「夏の予定は今のところは未定だな。とはいえ何もしないというのも勿体無いし、皆の話を参考にしたい」
「夏か……キャンプ行ったり、海も行くかもな……」
百が考える。
「予定ですか……。ゴミ拾いをして鍛錬して勉強をする……結局いつも通りに過ごしちゃいそうです」
喜一が肩をすくめる。
「……新しい水着を新調したいですね。水辺へ遊びに行きたいのと、夏祭りや花火も興味が有ります」
「水着の新調? わかる! かわいい水着を着て色んなとこに遊びに行きたいよね」
思案顔をしたフウガに、顔を輝かせた苺依夢が同意する。
「夏の予定かー……」
考える葵の視線が、一瞬だけ仲間の1人に向いた。
「海行きたいなー、て思ってるからあとで誘ってみようかな?」
その視線は一瞬だけだったけれど、彼女はすぐに気づいてくれた。
「そうだね、アタシも海に行きたいかな」
ミレイの青い瞳が、笑みの形に変わっている。青空みたいに綺麗な瞳に見えた。
2人のやり取りに気づいた朱士がニヤリと笑う。
「アオハルだねぇ~」
とっさにそれぞれ逆の方向へと2人は視線を向けた。葵が皆に聞こえる声で言う。
「後は、夏祭りや花火も良いね」
「ウンウン、花火も見たいし夏祭りも楽しそう! 私はナイトプールに行きたいなっ! 夏の予定って楽しいよね!」
弾んだ声で、苺依夢が同意する。
「ナイトプールもお洒落で面白そう!」
「私も、ナイトプールに一度は行ってみたいな! それに今年の水着コンテストも楽しみだし」
葵とミレイが言葉をかわした。
「イツカさんは夏のご予定や、恋バナ、はあるんですか?」
フウガがイツカに話を振った。
「わたしも水着は新調したーい! ナイトプールも行ってみたいなぁ」
新調した水着で、ナイトプールを歩く場面を、イツカは夢想しているようだった。
「水着は着てみたいとは思うがなかなか……泳げないので、そこまで必要を感じたことが無いという。でも、今年は考えてるよ……」
銀狐にもたれかかったまま百が言う。
「予定かー……水着も良いけど、俺は浴衣を新調したいかなぁ。花火を見るのも良いし、するのも楽しそうだよな」
朱士が笑みを浮かべる。
「遊びに行くなら海も楽しそうですが山も捨てがたいですね。大きなカブトムシを捕まえてみたいです」
「ぁ、海も良いけど山も良いよね。カブトムシ、採れるかな? 浴衣で花火デートとかもしてみたいなぁ……独り身だけど!」
喜一の言葉に同意しながら、イツカは最後の言葉を寒空へ放り出す。
「涼しい山とかでのんびりもしたいね」
苺依夢が言った。
古安は仲間たちと話しながら、海と氷に背を向けて飛び始めた。一面氷の風景はずっと見続けているとさすがに飽きる。
(「歳を取ると飽きっぽく……いや、違ったな」)
空には白夜の沈まない太陽が見えた。もっとも、沈まないことを確かめるほどの時間はかからなそうだ。
その横に、喜一が並んできた。
「背面飛行も面白そう! 空を眺めながら飛ぶのも今しか出来ませんものね」
「ああ、そうだな。障害物を気にせず飛べるからこそできる芸当だが、気分の切り替えには中々良さそうだ」
北極に山はないし、その先にあるものだって海だけだ。
「お、背面飛行。古安も喜一もやるなぁ」
朱士が2人を見下ろして言う。
「んじゃ、俺は急降下からの海面すれすれから急上昇!」
間をすり抜けて、朱士の機械の体が一気に降下していく。
氷の割れ目に向かって降下した彼は、直後に一気に急上昇する。
加速の衝撃で起きた波が、周囲の氷にぶつかって、砕けた。
「お出掛けの話じゃないけど、夏のフルーツも色々食べたい! 桃にスイカ、メロンも良いよね」
ミレイが言う。
仲間たちの話題は、夏の食べ物に移っていった。
●音の壁を超えて
北極海の氷は密度を減らす形で徐々に様相を変えていき、大陸があるはずの場所が近づいてきた。
「気温も北極点よりは上がってきましたね。夏らしい暖かさとは言えませんが」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、北極点で肌に触れた温度を思い出す。
耐水性のコートの中に吹き込む風の冷たさはまだはっきり記憶に残っている。
太陽の高さと現在時刻から、飛行距離や位置に問題はなし。
今もなお冷たい風を受けながら、天使の両翼で風を切り、エトヴァは飛ぶ。
ゴーグル越しに見える景色がどんどん後方へと飛んで行く。風に舞う1枚の羽根の如く、空中戦の機動で、変幻自在に飛ぶ。
「この調子なら、最後まで敵影はなさそうね」
エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)は残留効果も活用して周囲を観察していたが、事前に聞いていた通り特に敵の姿はないようだった。
「合衆国は、新宿島で学んだ『未来の』歴史では世界で最も影響力を持つ超大国になるのだと言う」
新宿島で伝え聞いたアメリカのことをエリザベータは思い出す。
「改竄世界史では一体どんなディビジョンなのかしら……」
視界にディヴィジョンの霧が見えない以上、おそらくそれはこの探索行でもわからないのだろう。
航空突撃兵である彼女は、三面翼構成のフライトユニットで急降下による加速を繰り返す。
エトヴァや、エリザベータの速度が、どんどん加速していく――。
最終的に空を飛ぶパラドクスを用意してきたディアボロスは17人いた。残留効果による速度は実に時速1530kmに達する。
加速を試してみたいと考えていた者は、ディアボロスたちの中に複数鳴いた。
「音速を越えて生身で飛ぶとか……浪漫以外の何物でもねぇ! 俺のWindBombをここでやらなかったらいつやる……!」
河津・或人(エンジェルナンバー・g00444)はゲームのチート技を試す勢いで、爆弾を爆発させて加速を繰り返している。
「敵からの攻撃を推進力に変える技、なのでアクロバット飛行に見えなくもない…かな? どちらかといえばスタントマン的なムーヴになるが」
飽きが来るのを防ぐ意味でも、挑戦するのは意味がある。
配信でストリーマーがやる魅せプレイのような動きを、現実に再現するのだ。北極圏の空に、或人は幾重にも爆発音を響かせ始める。
「人類が音の壁を破るのは1847年。30年も先立って偉業を体験出来るなんて光栄の極み」
エリザベータは人類の歴史を思い出していた。
あるべき歴史よりも早く、体験できること。それは、記録には残らないのかもしれないが、興味深いことだ。
フライトユニットを操って、縦方向にUターンするインメルマンターンを彼女は繰り返して、位置エネルギーと運動エネルギーを蓄積する。
ディアボロスたちは音の壁を破り、音速でアメリカ大陸へと向かっていく――。
「自由な空は、なんと心地よいことか……」
エトヴァが音速を超える速度の中で呟いた。
レイやマティアスをはじめ、他のディアボロスたちの中にも、音の壁を超えるほどの加速を試している者がいる。
けれど、音の壁を超えて突き進んでも、その先に見えるものは海だけ。
事前の予測通り、まだディアボロスたちはそこにたどり着くことができないようだった。
●いまだ見えぬアメリカ
距離を考えれば、アラスカの一番北にある岬に、もうたどり着いたはずだった。
飛行距離を測っていた者たちの意見も一致している。
そこは、すでに氷に覆われた北極の領域ではない。
「さて、アメリカに陸地があるならそろそろのはずだが、何か見えんか?」
古安が言った。
「海上、海中とも敵影はないわ」
「そうですね。島もないみたい」
「霧も出てないですね」
エリザベートや雪華、冷桜らが周囲を観察して言う。
「この辺にアメリカ大陸が有ったのかな?」
葵がなにもない海の上を見回す。
「ボクの計測に間違いはないよ」
「同意する。ここは確かにアメリカ大陸の北限、アラスカ州だ」
フルルズンとサヨコが言った。
「ここがアラスカ……」
ルィが周囲を見回すが、いくら見てもそこにあるのは海だけだった。
「本来ならここに広大なアメリカ大陸が存在して、そこには沢山の人が住んでいたのですよね」
喜一がもはや氷に覆われていない海を眺める。
「……本当に海しかないのかな? もしかしたら海の底に、自由の女神像が沈んでいるかも?」
イツカが言った。
「海の底に自由の女神が沈んでたらエモいかもー!」
「自由の女神や建物が沈んでたら写真撮りたいね。記念の意味でも、資料としての意味でも」
苺依夢やミレイが口々に言う……とはいえ、なんの目印もない状態で自由の女神がある場所まで行くのは容易ではない。
「今は海原のみですが、ここで暮らしていた方の為にも、何か手掛かりが残っていれば良いのですが……」
フウガは念のため海の中を覗いてみたが、なにも沈んではいない。
だがこれで、アメリカ大陸のディヴィジョンがあったとしても、まだたどり着けないことは確認できた。
「アメリカ大陸にはどんなディヴィジョンがあるんだろう? いつかわかる日が来るのかな」
周囲を記録しながらマティアスが言う。
「未だ見ぬ地は開拓時代だろうか。いずれ訪れる地……」
エトヴァがまだ見ぬ土地に思いを馳せる。
「結論としては、予定通りというところか」
百が言った。
「分からなかった事を一つずつ確かめていくのは砂粒を拾い集めるように根気がいるな」
「霧が発生してるかしてないか、だけを実地で確認して見るのも大事だしなー。リアルオープンワールドって感じでワクワクするぜ」
朱士の言葉に、或人が頷く。
「に。お空の旅は、楽しかったのです」
「そうですね。久しぶりに思いっきり飛べました」
ニーニとレイが言う。
ジョルジョは彼方を見つめていた。小さく、なにか歌を口ずさみながら。
ジョンがギターをかき鳴らす。
「オレの故郷、今どうなってんのか分かんねえけど絶対取り戻すからな」
「……いずれ取り戻すとも。その時は私も力になろう」
マブダチの言葉に、エルマーも同意する。
吸血ロマノフ王朝から北極の先に行っても、そこにアメリカ大陸のディヴィジョンはない。ディアボロスたちは事実を確かめ、帰還していった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV17が発生!
【寒冷適応】LV4が発生!
【完全視界】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】LV4が発生!
【グロリアス】LV5(最大)が発生!
【ロストエナジー】LV4が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV2が発生!
【反撃アップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV4が発生!