オアシスを蹂躙する者ども(作者 baron
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#蹂躙戦記イスカンダル  #アラビア半島沿岸偵察作戦  #アラビア半島 

『へっへへ。ようやく人間どもを狩る許可が出たぜ』
『法正さまは話の判る御方』
 ゴブリンたちがオアシス付近の村に襲い掛かった。
 これまではこの周辺にはあまり侵攻せず、人間たちを襲わないでいたらしい。
 だが何者かの提言により、その方針を変えたようだ。
『味見くらいはしても良いんじゃねえか?』
『そうだなあ。一人二人やっちまおうぜ!』
『男は殺して女は……』
 今まさに、ゴブリンたちが襲いかかろうとしたその時!
 制止する声があった。もちろん倫理的に止めたわけではない。
『何をやっているお前たち。邪魔者が来ない内に次の村を襲いに行くぞ。縄に繋いで連れていけ』
『へい……。くそ、余所者のくせに頭が固いんだよな』
『仕方ねえ。行くぞ、オラ!』
 アヴァタール級が村の襲撃を優先させると、ゴブリンたちは渋々従うのであった。
 そして後でいただく予定の女たちはともかく、奴隷としてこき使う予定の男たちは今にも死に掛けであったという。


「攻略旅団の方針により、避難活動を終えたカナンの地の南方、アラビア半島の紅海周辺への探索作戦を行う事になった」
 アウグスト・エステルブリッツ(人間の思想家・g08506)が説明を始める。
 地図にはとあるオアシス周辺にある村が幾つか描かれていた。
「アラビア半島は史実の影響なのか、亜人に襲われずに平和に暮らしている集落が残されているようだ。しかし、その集落の幾つかが亜人によって蹂躙され、滅ぼされているようだ。だが今ならばまだ間に合う村もある。敵を倒して助けてやって欲しい。運が良ければ近くの村から連れられてきた村人も生きているはずだ。紅海の探索はその後になるな」
 そう言って地図に描かれた集落の中で、襲撃されたばかりの場所と、今から襲撃されるであろう村を示した。

「まずは襲撃を受けている集落を優先すべきだ。その上で余裕があれば破壊された方の村を立て直すのも良いだろう。もちろん人数次第では両方可能だろうが……そこで妥協案として避難所を作る形になるだろう」
 平和に暮らしていた彼らを、亜人に蹂躙させるわけにはいかない。
 そこで基本的には亜人の撃破が重要になるだろう。ただ人数次第では復興を助けるのは同時進行でもできるかもしれない。
 ただ、どちらつかずでは難しい。そこで避難所として破壊された村を立て直す訳だ。
「砂漠の集落では、物資に余裕が無く、被害を放置すれば、餓死者が出る惨事に発展するかもしれない。ゆえに毒度が退治だな。その後、紅海方面の偵察を行い、蹂躙戦記イスカンダルの軍勢が紅海方面に展開していないかどうかの偵察を行う形になるだろう」
 獣神王朝エジプトに隣接する紅海の沿岸は、千キロ以上の幅があるので、全てを探索することは不可能と言える。
 その地点からわかる範囲で確認を行うことになると思われた。
 複数地点からの調査を積み重ねる事で、ほぼ確実な情報を得られると思われる。

「現在の蹂躙戦記イスカンダルは、ミウ・ウルがバビロン、インド方面に向かっている。また、エルサレムでの決戦に勝利した後は、史実のセレウコス朝で首都であったアンティオキア、そして、トルコ、ギリシャ方面に進む事になりそうだ」
 ゆえにカナンの地からアラビア方面を探索するというのは、意義がありそうではある。
 襲撃用の部隊居るならば先に蹴散らせるし、敵が居ないならばある程度放置するなり、大きな避難用の都市を作って安全地帯に移動してもらう事も出来るからだ。現時点では襲撃が今までは控えめであったくらいしか判っていないが、情報は得られるだけ有益だろう。
「既に六月も終わる。《七曜の戦》までに残された時間は少ないが、それぞれの方面で成果を得られるように頑張ってほしい」
 アウグストはそう言って説明を締めくくり、皆の相談を見守るのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
7
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【口福の伝道者】
3
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【建物復元】
2
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV3 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV3 / 【リザレクション】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【グロリアス】LV4

●マスターより

baron
baronと申します、よろしくお願いしますね。
今回はアラビア半島方面の探索と人助けになります。

●流れ。
②避難所の設置。
破壊されたばかりの村を速攻で直していきます。
建物復元・修復加速、口福の伝道者もあれば良いでしょう。

現在、この選択肢に限り若干名の採用増加を行います。
ただし、イベント型ではないので大成功にはなり難いのでご注意を。
また、この選択肢に参加したからといって、後の選択肢に無理に参加する必要はありません。
あくまで残留効果教科キャンペーンの一環です。

③敵部隊の撃破。
オアシス周辺にある村々を襲う移動部隊を倒します。
攫われた住民たちも連れていますので、速やかな撃破が望まれます。

④指揮官を倒す。
次の村を下見に行っているので、やや遅れて戻って来た指揮官を倒します。

①紅海周辺を探索する。
可能な範囲で周辺を調べて終了になります。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


陳・桂菓
何はなくともまずは食事だな。
干し芋、干し肉、魚の燻製などの日持ちする食べ物、あと清潔な飲み水を持ち込み、【口福の伝道者】で量産するとしよう。
フリーズドライ食品などは長期保存が利きそうだが、排斥力を思えば持ち込めん。もどかしいが、しかたない。

野ざらしもまずいだろうから、保存用の倉庫もこしらえたいところ。他の面々が建物の修復に当たってくれているが……不足なら、新たに建て増ししなければならんかも。
保存といえば冷暗な地下室だろうか。力仕事(穴掘り)ならば、私の腕力が物を言うだろう。
これまた、冷蔵庫が持ち込めないのが辛いところだ。
……すっかり新宿島の生活に慣れきっていたが、あそこの文明って凄いのだな。


ヴィオレット・ノール
比較的平穏だったと言う地域にまで亜人が……。
これも流れ着いたジェネラル級、法正によってもたらされた変化、だろうか。
……村は酷い有様だが、破壊されたばかりならば【建物復元】が効果的に働くね。
一刻も早く亜人を殺し、連れ去られた人々を助け出さなければ。

そのためにも、まずはここを避難所として整えるのが先決か。
さて、何から手を付けたものかな。
ふむ……食料の備えはひとまず皆にお任せして、僕は建物復元で住居を直していくことにしようか。

人の手でも直せる程度の破損は避難民が入った後からでもどうにかできる、かな?
瓦礫同然となったものはさすがに僕らの出番だね。
損壊の酷い住居から、残留効果の最大限まで修復しようか。



「比較的平穏だったと言う地域にまで亜人が……」
 ヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)は同様の案件で語られた内容を思い出す。
 アラビア半島は基本的に放置され、侵攻は後回しにされていたという話だ。
 侵略しないという訳ではないので、どちらかといえば放牧に近い形だったとは思うのだが……。
「これも流れ着いたジェネラル級、法正によってもたらされた変化、だろうか。……村は酷い有様だが、破壊されたばかりならば建物だけなら何とでもなる」
 急激な変化にヴィオレットは介入者の影を見る。
 ただ対策を練るだけならば、ロマノフやブリテンなど何処でもあった。
 しかしイスカンダルの亜人らしからぬ先を見据えた動きと、地形を考えれば必然的に思い浮かぶのは亡命したジェネラル法正であろうか?
「一刻も早く亜人を殺し、連れ去られた人々を助け出さなければ。そのためにも、まずはここを避難所として整えるのが先決だが……。さて、何から手を付けたものかな」
 ヴィオレットは仲間の動きを目で追いながら、当面の対処として避難所設営に回った。
 村の復興自体は色々考えられるが、取り急ぎ整えて追撃に回りたい。
 それを考えれば時間が優先であり……。
「何はなくともまずは食事だな」
(「ふむ……食料の備えはひとまず皆にお任せして、僕は建物復元で住居を直していくことにしようか」)
 陳・桂菓(如蚩尤・g02534)らが荷解きして食事の準備をするのをヴィオレットは見た。
 仲間が食糧増産に向けて動いている事で、あえてその選択肢を排除したのである。
「干し芋、干し肉、魚の燻製などの日持ちする食べ物、あと清潔な飲み水……こんな所か」
 その時、桂菓は万全とは言えないからこそ、この時代に見合ったモノを確認していた。
 クロノヴェーダが張った排斥力のせいで、持ち込んでも廃棄される物があるのだ。
「フリーズドライ食品などは長期保存が利きそうだが、排斥力を思えば持ち込めん。もどかしいが、仕方ないと言えば仕方ないか。それと……」
 桂菓は手荷物の確認を追え、周囲を見渡すことにした。
 彼女もまた全体を見て必要な事を把握したのである。
「野晒しもマズイ。他の面々が建物の修復に当たってくれているが……不足なら、新たに建て増ししなければならんかもしれんな」
 乾燥した地方なのでそうそう腐ったりはしない。
 だがオアシスにほど近い場所であり、腐らないという訳でもあるまい。
 また過ぎた天日はそれはそれで食料によろしくない影響を与えるだろう。そしてこれが何より問題なのだが、この後で戦闘し、往復して戻って栗上……時間がないのである。
「さて、時間がないな。数をこなすのは難しいとして……人の手でも直せる程度の破損は避難民が入った後からでもどうにかできる、かな? ということは瓦礫同然となったものはさすがに僕らの出番だね」
 その時のヴィオレットは時間的余裕を考えて作業していた。
 流石に連発して建物復元をするのは難しいだろうし、クールタイムを採るのも惜しい。
 そこで負傷者のトリアージの如く、今は放置しても再利用出来る場所と、敷地の整理や荷物の片付け込みで建物復元するべき場所を選んでいたのだ。
「すまない。何処かに保存用の倉庫に仕えるところはないか? 場所さえあれば、穴はこちらで掘る」
「ちょっと待ってくれ。手早くその辺りを調べさせてもらうよ」
 桂菓はヴィオレットに確認を取ってから行動することにした。
 影が差す場所に、穴だけ掘れば何とか冷暗所が作れる。
 砂漠のあるアラビア半島であるし、寒暖の差が大きいのだ。暗所に色々と用意すれば、そのまま夜の冷え込みが翌日の朝から昼まで保つという算段であった。
「力仕事ならば私の領分だ。とはいえ冷蔵庫が持ち込めないのが辛いところだがな……」
「すっかり新宿島の生活に慣れきっていたが、あそこの文明って凄いのだとつくづく思い知らされる」
 桂菓は自身でも建物やら丘の影のような場所を探した。
 冷蔵庫は誰もが望む持ち込みたい品であり、列車にかろうじて載るサイズでもある。
「そりゃ無理だ。僕も欲しいとは思うけれどね」
「ああ。すっかり新宿島の生活に慣れきっていたが、あそこの文明って凄いのだとつくづく思い知らされる」
 だが排斥力で消え去る筆頭でもあり、ままならないものだ。まあ新宿で作られた技術の殆どが排斥力に引っかかるほど高度な技術なのだが。

 こうして二人は取り急ぎ村の修復を急ぐのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

ハーリス・アルアビド
今回は壊滅前には間に合いませんでしたか…。こうして蹂躙された土地を見ると滅ぼされた故郷の光景を思い出します。
私達と同じような結末を迎えないよう、迅速に行動しましょう。

皆さんと協力して崩れた建物等に人が残っていないか確認しながら【建物復元】を行います。
残っていた人がいれば手持ちの物で治療を。家財も共に復元できるようなので、当て布などが必要であれば使わせて頂きます。

私がもっている手当てや気付けに使える薬は全て植物と蜂蜜、動物の脂などを混ぜた物。食べて【口福の伝道者】で増やし、治療に使えるようにします。
生前使っていた物です。最終人類史の薬とは比べ物になりませんが、排斥力は働かないでしょう。


エイレーネ・エピケフィシア
救いを待つ人々のため、今日も働きましょう
亜人どもを退けるのみならず、暮らしの憂いも除きたいところですね

干し肉やチーズやドライフルーツなど、保存のきく食品を持参
仲間を集め、食品を皿に乗せて食べて【口福の伝道者】を発動させます
……これぐらい準備すれば、料理の扱いを受けるはずです、恐らく!

【建物復元】では「元通りにする」ことしかできないので
本来の設計に不備や脆弱さが含まれている場合は、手作業で補うことに致しましょう
新宿島から工具と木材も持ち込みます
食品は元手が僅かにあれば増やせるので、量としては工事関係が優先です
専門分野ではありませんが、戦場にテントや小屋を設営するときを思い出して、建物を補強します



「おお……なんという。今回は壊滅前には間に合いませんでしたか……」
 ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)は悲しげな顔を浮かべた。
 涙も零れないほどに慣れてしまっているのが何とも悲しい。
「こうして蹂躙された土地を見ると滅ぼされた故郷の光景を思い出します。私達と同じような結末を迎えないよう、迅速に行動しましょう」
 ハーリスは駆け抜けていった日々を思い出した。
 元の歴史から放逐され新宿に流れ着いた事。
 奮起してディアボロスとなり、戦い続けた日々だ。そこには成功もあれば失敗もあるのだから。
「辛い気持ちはお察します。救いを待つ人々のため、今日も働きましょう」
 エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)はそういって建物の方に向かったハーリスへ近づいた。
 そして新宿より持ち込んだ物資を傍に置いて行くのだ。
「新宿製の工具と、この時代でも扱える資材……ですか」
「亜人どもを退けるのみならず、暮らしの憂いも除きたいところですね。建物復元では『元通りにする』ことしかできませんので、コレをお持ちしました」
 ハーリスはエイレーネが手渡す荷物を受け取った。
 それはハンマーやノコギリであり、釘やロープはこの時代の技術でも作れる物、もちろん木々や木板なども最新の加工はされていない。
「本来の設計に不備や脆弱さが含まれている可能性もありますしね。私も後で手作業で補うことに致しますね」
 エイレーネが言うように建物復元は一定時間の巻き戻しに過ぎない。
 瞬間的に復元されるのは良い事なのだが……。
 経年劣化であったり、建物自体の設計が適当だったりするとどうしようもないのである。こちらの地方では少ない地震対策はともかく、細かい部分の修理はやっておきたいところであった。
「そのお心遣いありがとうございます。建物内に誰か残っていないのを確認し次第に使わせていただきますね。それと……」
 ハーリスは建物復元に尽力するつもりであったが、その知識と心遣いに感謝した。

 そしてこれらの工具や資材と引き替えにされた物を想像したのである。
「代わりにこちらをお持ちください。手当や気付けに使用できる薬ですが、全て食事に使う事が可能です」
「っ!? それは素晴らしい物を頂戴いたしました」
 嵩張る資材を持ち込めば、必然的に食料は反比例する。
 ハーリスはその事に気付いたが、エイレーネの気遣いを知って気が付かないフリをした。
 同様にエイレーネもその流れに思い至ったが、ハーリスが黙っていてくれるならばあえて語るまいと頷いたのである。実際に口福の伝道者があれば幾らでも増やせるのだから、お互いに口にしない事にしたのだ。
「植物性由来の薬と、蜂蜜に動物の脂……。キュケイオーンに通じるものがありますね。なるほど、これは実に勉強になります」
 この時、エイレーネはギリシャ人だったので実にギリシャらしい反応をした。
 もし日本人であれば、忍者の兵糧丸や足軽の戦場飯(縄を味噌などの調味料で煮込んだやつ)を思い出していただろう。
「干し肉やチーズやドライフルーツなど、保存のきく食品…………これぐらい準備すれば、料理の扱いを受けるはずです、恐らく!」
 エイレーネは戦女神に仕えているという意識が先に立っている。
 何が言いたいかと言って、家庭に入って料理するという意識に欠けていた。
 別にソレが悪いという訳ではないのだが……。実際にハーリスがくれた薬が食事で増やせる物であり、キュケイオーンとあまり変わらないなーと気が付いてハっとしたのである。今度……魔女にでも聞きに行こうと決意する神官であった。
「家財も共に復元できるようなので、当て布などが必要であれば使わせて頂きましょうか。乾いた地方は湿気の問題がないのが良いですね」
 なおハーリスはその頃、マイペースに建物を確認し復元していった。
 そして二人は協力し合い、建物を修理し保存食や薬を増やして行ったという事である。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建物復元】がLV2になった!
【口福の伝道者】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!

モロク・アルデバラン
なんともむごいのだ。
蹂躙された村々は他のディヴィジョンでも幾度と見てきたが、慣れぬものだな。
ひとりでも多く生き延びる道を残しておきたい。

生活復旧に向け井戸を補修したり、【水源】の確保に努める。衛生を確保するにも作物を作るにも、命をつなぐために綺麗な水は最低限必要であろう。
排斥力を考えると彼らにあまり凝ったことはしてやれぬ。無力な我輩を許してほしいのだ。

イスカンダルの地でよもやとは思っていたが、この有様にアレの片鱗が関わっておろうとは。
憤る暇はないな。奴らが引き返して来ぬとも限らぬのだ。作業を急ぐとしよう。

アドリブ、共闘協力大歓迎


リオーネ・クア
破壊された集落を見て胸が痛む
けど悲しんでいても何も始まらない
避難所作り、頑張ろう

まずは保存食を充分に用意したいね
新宿島で用意されてる『排斥力に排除されない物資』のデーツや干した羊肉、ホブサを持ってきた
それらを【口福の伝道者】を発動させた状態で食べる
もし現地の食糧が残っていたらそれも戴こうかな

食糧を増やす作業も人手がいるけれど
それが終わった段階で、まだ建物や井戸の修繕が終わっていなかったら
もちろんそれを手伝うよ
力仕事にやりがいを感じるんだ、働いてるって感じがして
……暑い
そうだ、水を汲める桶のようなものはあるかな
水を地面に撒いて暑さを軽減させよう
(暑さに対処する残留効果があれば、これは行わないよ)



「なんともむごいのだ」
「破壊された集落を見て胸が痛むね」
 ディアボロスたちはその光景に悲しみを覚えた。
 訪れた者たちはそのたびにクロノヴェーダへの怒りを感じる。
「けど悲しんでいても何も始まらない。避難所作り、頑張ろう」
 リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)は悲しみを怒りに変えて立ち上がった。
 為すべき事を為し、順番に物事を解決していくしかないと知ってたからだ。
 人間、追い詰められた時ほど思考をシンプルにして動かなければなるまい。
「うむ。蹂躙された村々は他のディヴィジョンでも幾度と見てきたが、慣れぬものだな。ひとりでも多く生き延びる道を残しておかねば」
 モロク・アルデバラン(誇り高き砂暮らし・g01160)は若者特有の柔軟な思考を見た。
 確かに失ったモノを悲しむばかりではなく、これから助けられる命の為に奮起すべきだろう。
 急げば攫われた幾人もの人々を救助し、これから襲われる人々を助けられるのだから。
「まずは保存食を充分に用意したいね。用意して来た物資の中でも……うん、これこれ」
 リオーネは新宿島で用意されてる『排斥力に排除されない物資』を選んでチョイスしてきた。
 デーツや干した羊肉、ホブサ(挟んで食べるパン)……要するに、この辺りで食されている存在である。
「後は……もし現地の食糧が残っていたらそれも戴こうかな」
 そういってリオーネは仲間が復元作業している区画を見た。
 色々と中を探りながらやっているみたいだし、食べられる物があれば食事するのも良いだろう。食べる物ならば幾らでも増やせるが、食べなれた物の方良いだろうという判断である。
「衛生を確保するにも作物を作るにも、命をつなぐために綺麗な水は最低限必要であろう」
 その頃、モロクは水源を設置する場所を確認していた。
 人間は水が必要だし、畑を耕すにしても牧畜するにしても水は必要だ。
 だが場所は何処でも良いという訳ではなく、迂闊に設置すれば面倒なことに成ったり、既にある場所に二重に作ってしまったりするものだ。
「ここは井戸があるが……埋められているのか。ならば瓦礫を除けるとして……オアシスが向こう。ということはあちらだな」
 クロノヴェーダから隠れて生活したり、畑などの都合がある。
 そこでオアシスから離れた場所であり、出来れば井戸も考慮すべきであった。
 モロクは村を巡る事で、足でその情報を稼いだのである。
「まだ終わってないなら手伝うよ」
「そうか。ならば瓦礫の除去を手伝っておくれ。できれば他に色々と設置してやりたいのだがな……排斥力を考えると彼らにあまり凝ったことはしてやれぬ。無力な我輩を許して欲しいものだ」
 リオーネの申し出にモロクは感謝して井戸の復興作業を始めた。
 村の建物を砕いて井戸に放り込んだので、土や砂ではない分だけやり易い。
 だが一人では何ともならないのだ。
「もちろんそれを手伝うよ。力仕事にやりがいを感じるんだ、働いてるって感じがして。……でも暑い、な」
 リオーネは瓦礫を運びながら汗をぬぐった。
 アラビア半島は暑く、日射しがキツイのがつらい。
 日本ほど湿気がないのが幸いではあるが。
「そうだ、水を汲める桶のようなものはあるかな? 撒けば少しくらい、涼しくなるかと思って」
「ははは。ならば手伝ってもらった借りが返せそうだな。ちょっとまっておれ。直ぐに用意するのである」
 リオーネの言葉にモロクは笑って食事を始めた。
 割りと大き目な木の器に一人前のみの食事を盛り、バクバクと食べる。
 すると……木の器に居られた食事が出現したのである。
 そして大き目の器を選んだ理由は、二つの器を用意して、もう片方に食材を移す行為を行ったのだ。口福の伝道者は器事ごと出現するし、食べても器は残るのだから。
「ああ、なるほど。これを使えば良いのか。器を開けるだけなら、袋とか甕に入れれば良いしね」
 リオーネもその応用を知って、自分も別の応用を行った。
 長持ちする干肉などの保存食を甕に入れ、その器に水を入れて撒いたり取り置きしていったのである。
(「……イスカンダルの地でよもやとは思っていたが、この有様にアレの片鱗が関わっておろうとは。だが、憤る暇はないな。奴らが引き返して来ぬとも限らぬのだ。作業を急ぐとしよう」)
 その様子を見守りながらも、モロクは別の事を考えていた。
 何かの気配を……感じ取ったのかもしれない。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【水源】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV3になった!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!


 ディアボロスたちが復興を選ばず、急いで避難所造りをしたのには訳がある。
 一同が一応の処理を終えた頃、『連中』は次の動きを見せていた。
『問題なければ私が合図する。お前たちは捕まえた者共を逃げないようにしておけ。イスカンダルの財産だ、殺すなよ』
『へーい』
『ちぇ、ここからは俺らがやるか』
 アヴァタール級が空を飛んで村の様子を見に行くと……。
 ゴブリンたちは捕まえた住民たちに押させていたチャリオットを自分たちが動かすことにした。
『足でもへし折っとくか?』
『その方が楽なんだがな~。ニンゲンはひ弱だからな括っとけ』
 そして押していた人々を最初は殴りつけて動けない様にするつもりであった。
 しかしアヴァタール級が釘を刺していたことで何とか思い留まり、乱暴に縛り付けて戦闘準備を整えたのである。
『お、村の上に辿り着いたな』
『じゃあ俺らもゆっくり出かけるか。てめら、逃げるんじゃねーぞ!』
 ゴブリンたちは指揮官が偵察するというのを無視して、合図があるものだと思って出撃準備を始めるのであった。
御守・樹
これ、押すタイプの戦車なんだ。引くんじゃないんだ。
へぇ…もしかしてこういうタイプも実際あったんかな?絵とかだと馬とかに引かせるものしか見た事なかったから新鮮だ。

わらびは戦闘は始めてだから控えて貰おうかな。俺もまだ何ができるか手探り状態だしな。
ダッシュで一気に距離をつめ、パラドクス飛燕で攻撃して一撃離脱で距離を取る。
状況によっては飛翔で飛んで反撃を回避して再度攻撃のタイミングをうかがおう。
戦車の作りから急転回は難しそうではあるけど、馬が引くタイプに比べれば十分小回りは効きそう。それに長柄武器や飛び道具が無いとは限らないし、油断せず気を付けておく。
ひっかけられたり捕まったりは避けないと。


エイレーネ・エピケフィシア
亜人どもの野蛮を体現するかの如き戦車ですね
勇気ある突撃と本能に任せた突進は、全くの別物です
この身を以て示してみせましょう!

戦闘開始前に【通信障害】を発動
指揮官が狼煙や喇叭で合図しても通じない状況を作ります
その上でわたしは、仲間が救出に集中できるよう矢面に立ちましょう

≪神護の輝盾≫と≪神護の長槍≫を手に敵と対峙
『雷光旋舞斬』を発動し、戦車とすれ違ったり、横合いから飛びかかるようにして敵に槍を振るいます
直接槍で倒せなかった個体についても、飛散する稲妻に巻き込んでやりましょう!

敵兵員を出来るだけ殺すことで、手押しによる突進の威力を弱め
避けきれない分は盾で受けて、人々を助け出した仲間の到着まで耐えます



「あれ、押すタイプの戦車なんだ。引くんじゃないんだ」
 見慣れない物を見た御守・樹(諦念の珪化木・g05753)は思わず首を傾げる。
 新宿で見た資料から、アニメなどフィクションの類を思い出しても類似例が少ない。
「へぇ……もしかしてこういうタイプも実際あったんかな? 絵とかだと馬とかに引かせるものしか見た事なかったから新鮮だ」
「僭越ながら存在しませんよ。攻城槌としてならば話は別ですが」
 樹の言葉にエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)が首を横を振る。
 そこには物理的な問題があったのだ。
「あの重量を機敏に動かすのは人力では難しいでしょう。あれはあくまで亜人の体力あっての事。まさに亜人どもの野蛮を体現するかの如き戦車ですね」
 エイレーネはそう言いながら地面に絵を描いた。
 木で作った巨大な杭に傘を掛け、油で焼かれない様にして後ろから押す。
 この形式で門を破る為に使う事は出来るという。しかし、流石に常人の速度でチャリオットとして動かすのは無理だろう。ギリシャ神話にはヘリオス神にアポロン神の戦車、人界でもアキレウスが神馬に引かせた戦車を所持する事はある。しかし人が推すような戦車はなかったのだ。
「なるほどな。全ては亜人のクロノヴェーダを前提にしての事なのか。……ということは戦車の作りから急転回は難しそうではあるけど、馬が引くタイプに比べれば十分小回りは効きそうだな」
「……そうとも言いますね。逆に言えば戦いにおいては邪魔だから村人は置いて行くでしょう」
 クロノヴェーダの体力は底なしだ。
 逆転の発想で尋常でない膂力を活かしたのだろうと樹が発想の転換を行うと、エイレーネは亜人憎しの感情を抑えて頷いた。戦いの女神は知恵を使うこと自体には頑迷ではないのだ。ただ侮辱と傲慢を許さないだけである。この場は連れられている人々が放置されることを喜ぶことにした。
「ともあれ! 勇気ある突撃と本能に任せた突進は、全くの別物です。この身を以て示してみせましょう!」
 エイレーネは気を取り直すと盾を天に掲げた。
 通信障害の残留効果により、狼煙も喇叭も仲間に伝達しない領域が出来上がる。
 この残留効果は基本的に距離を隔てた合図を阻み、仮に伝わったとしても理解させない効果があるのだ。伝令を直接送らない限りは大丈夫だろう。

 そして二人は敵の前に飛び出し、目を引き付けて戦う事にしたのである。
「わらびは戦闘は始めてだから控えて貰うか。俺もまだ何ができるか手探り状態だしな。……じゃあ行くぞ!」
 樹はアクアスライムの『わらび』にはサポートをさせておいて自身が積極的に前に出た。
 急速に走り込むと一気に敵の間合いに入ったのである。
『なんだ!? こいつら!』
「さて。と遠距離の攻撃手段がないとは限らないしな。注意して行こう。……いぃぃぃやああ!」
 樹は相手の視界を掻い潜りながら立ち位置を変えて飛び蹴りを放った。
 そして着地と同時にステップを掛け、一撃離脱で抜けようとしたのである。
 飛び道具はないと聞いているが、重しとしての樽を投げないとも限らないのだから。
『逃がすな。追えー! 突撃だー!』
 これに対して敵は猛然と追い掛け始める。
 負傷した彼の代わりに前に出たのはもう一人だ。
「ディアボロスの仲間はやらせませんよ!」
 エイレーネは盾を大きく構え槍を振った。
 ただし穂先のみが攻撃手段にあらず!
「雷霆よ、人々を脅かす慮外者どもに裁きを下したまえ!」
『くそっ! ウェアキャットのくせに生意気だぞ! 推せえ!』
 ウェアキャットで悪いか!
 理不尽な言いように対する怒りと共にエイレーネは雷を落とした。
 稲妻を友として敵を切裂き、チャリオットの脇を駆け抜ける。

 そして二人は傷つきながらも、敵と渡り合い、その視線を引き付け始めたのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

モロク・アルデバラン
ええい、罪無き者達を縛り付けるとは下種め。
いざとなれば人質にでもする気か?

味方ディアボロスの住民救出を支援しつつ戦闘しよう。
鍵杖『タルタロスの道標』の魔力を急速開放し、パラドクスを使う。

救助に向かう味方の隠蔽率を向上させるため、秘術『ハイジシェンロウ』の【光学迷彩】を周囲に張り巡らす。脱出にあたって彼らが一番狙われかねん。
戦闘では【光学迷彩】と土煙を目隠しに、アレらの視界を奪いながら秘術の鱗粉で反撃。特に目を狙って突撃の精度を下げたい。
できる限りヘイトを集め、脱出の時間を稼ぐことができれば御の字である。

どうした、まるで牛ではないか。
吾輩はここだぞ。


ニーニ・ニニ
のんびりしていたら、どんどん被害が増えてしまいそうですね
指揮官がいないうちに急いで皆をお助けして、懲らしめちゃいましょう!

亜人は警戒されるかもしれないので、念の為猫耳と猫尻尾はマントやフードで隠しておいて
避難所で用意されていた薬も持って行きましょう

物陰に隠れながら【神速反応】も活用して、見つからないように素早く近付き
縛り付けられている人達の縄を解いて救助しますね
ぼく達が敵では無いことや避難所の件を伝えながら、
必要であれば薬で手当てを行います

可能ならば安全圏まで付き添い、皆を避難させますね
ゴブリン達と遭遇したら、全力猫パンチで戦車の車輪を壊して足止めを試みます
ぼくだって、やればできるのです!


陳・桂菓
弱肉強食は野生の理などとはいうが、人間の側に立つ者としては不愉快極まる光景だな。
まずは戦車に縛られた人々を解放するところからやらねばならん。

使用武器は劈刀『棕熊』
【トラップ生成】にて、周囲に煙幕を発生させる。殺傷能力はなくとも、視界を邪魔できればいい。同様に救出に向かう復讐者たちの助けにもなるはず。
煙に紛れて戦車に取り付き、得物で人々を拘束する縄やら何やらを両断。

戦闘の手が足りているようなら、私は動けない人々を抱えて安全圏まで離脱する方に注力すべきかもしれんな。
敵は「財産」を奪い返しに追撃してくることもあろうが、だったら突っ込んでくる戦車ごと【爆噴追逼撃】の爆風で吹っ飛ばしてくれる。



 これは戦いが始まる少し前のことである。
「弱肉強食は野生の理などとはいうが、人間の側に立つ者としては不愉快極まる光景だな」
「のんびりしていたら、どんどん被害が増えてしまいそうですね」
 陳・桂菓(如蚩尤・g02534)の言葉にニーニ・ニニ(雪陽の子猫・g08923)が頷いた。
 奴隷が重い荷物を運ぶように、ゴブリンの戦車を人々に運ばせていた。
 そして次の村に辿り着くや邪魔だからと、一まとめにして括りつけて行ったのだ。
「ええい、罪無き者達を縛り付けるとは下種め。いざとなれば人質にでもする気か?」
 吐き気がするような邪悪とはこのような相手だろうか?
 モロク・アルデバラン(誇り高き砂暮らし・g01160)はそんな感想を抱きつつ、早く何とかせねばとも思う。
「だが……紐で引き吊りそのまま村に突入せぬだけマシと思うべきか」
「そうですね。お馬さんで引っ張る戦車じゃないからこその欠点でしょうか?」
 ただモロクが気が付いた範囲で敵は縛った村人を連れてはいない。
 ニーニが言うように馬で戦車を引っ張ってないので、さらに何かを引くようにはできていないのだろう。というか逆連鎖戦には邪魔そうだ。
「指揮官がいないうちに急いで皆をお助けして、懲らしめちゃいましょう!」
「そうだな。まずは戦車に縛られた人々を解放するところからやらねばならん。最低限、その打ち合わせはすべきだ。例えば私は煙幕を晴る」
 ニーニが拳を握って勢い込むと、桂菓は少しだけ制した。
 時間は確かに惜しいのだが、勢いのまま走り出すよりも作戦が重要な事もあるだろう。
「ぼ、ぼくは物陰に隠れて近寄って助けちゃうつもりです。亜人は警戒されるかもしれないので、念の為猫耳と猫尻尾はマントやフードで隠しておくつもりですが……」
「ふむ。ならば吾輩は光を曲げることにしよう。アレは目の前の物は隠せぬが、組み合わせば有効だからな」
 ニーニがフードを被るとモロクは思案して光学迷彩を提案した。
 この残留効果は目の前で隠れても誰かが気が付くので殆ど意味はないが、姿を隠して痕跡を消すために使うと劇的に効果を発揮するのだ。
「では、ぼくが先行しますね。増やしてもらった薬も持って行きます!」
 そしてニーニは素早く移動を始めた。
 物陰から物陰へは神速反応を利用して素早く的確に行動する。
 先頭に使えそうで殆ど使えないこの残留効果であるが、こういう使い道を使うととても有用なのである。

 見つかる可能性を大幅に下げる光学迷彩に、神速反応を使って素早く的確に動けばまず見つからない。
 準備が整ったところでトラップ生成を使い、風上から一気に煙幕を焚いてディアボロスたちは攻撃を始めたのである。
「戦車には繋いでない様に見えるが……奴らを信用する気はまるでない。ここは守る意味でも割って張らせてもらう!」
 桂菓はトラップでの煙幕に紛れつつ飛び込んでいった。
 隠れるというよりは、自らトラップを仕掛けつつ、同時に戦車の後部を抑えるつもりだからだ。人々を守るための壁となる事、それこそが武人の役目と定めたのである。
『てっ敵か!?』
「おおおお! 撃ち落とす!」
 桂菓は蟲の甲殻を重ねて作った劈刀を振るって現れた。
 ド派手に闘気を込めた足で地面を踏み鳴らし、振動させながらジャンプして追撃したのである。
『おせー推せー!』
(「協力できなくてごめんね。後でかならず援護するから!」)
 ニーニからは敵は戦車を押しながら仲間の方へ突撃していったように見える。
 実際には桂菓の方から飛びつき切り裂いたのだが、逆連鎖戦の全てを見れなかったのだろう。
「吾輩の役目はここだな。虚栄たる虹彩の雨。燦然と煌めく胡蝶の夢―!」
 モロクは既に設置している光学迷彩だけではなく、光り輝く魔力の鱗粉を解放し始めた。
 魔力を貯蔵した杖を大地に突き立て、通常では考えられぬ規模で引き起こす!
 その鱗粉は周囲の光を曲げ、視界を著しく落とす効果があった。そして刃と化して敵を切裂く力も有しているのだ。
『突撃! 突撃しろー!』
「どうした、まるで牛ではないか。吾輩はここだぞ」
 モロクは相手が突進してくるのを優雅に待ち構えた。
 そして歪んだ視界の先で、自分はここだ一足お先とばかりに挑発する。
 もちろんそれでダメージを下げられる訳はなく……ヘイトを稼いで囮になる為である。
「無事か!? もう少し時間を稼いでおきたい!」
「無論だとも。幾らでも時を刻んで見せようとも!」
 桂菓とモロクは時に肩を並べ、時に別の場所で戦い続けた。
 それは何よりも貴重な時間と視線を釘付けにする為である。
「ぼくらは敵ではありません! 早く逃げてくださいねっ!」
「き、君は?」
 その頃、ニーニは繋がれた人々のロープを切っていた。
 そして避難所がある方向を指さして避難を呼びかけつつ。素早く見渡して治療するつもりであったのだ。
「怪我が治っていく……そうか、到着したんですね! ぼくだって……ぼくだって、やればできるのです!」
 そしてニーニは不思議なモノを見た。
 治療が必要かな? と思った村人の傷が徐々に治っていくのだ。
 それは仲間たちが設置した活性治療の影響であろう。

 つまり援軍が到着して介入を開始したということだ。
 ニーニは勇気を奮って両手の指先に氷の鉤爪を作り出し尻尾を立てた。
 ぼく達の戦いはこれからだと、人々を守るために殿に立ったのである!
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV2になった!

ヴィオレット・ノール
さて、亜人が次の村を襲う前には間に合ったね。
すぐにでも仕掛けたいけれど……まずは連れ去られた住民達の安全確保を優先したいかな。
亜人共が彼らを人質に使う可能性は低いかも知れないが、ああも縛られていては自力で逃げ出すことは困難だろう。
戦場となる範囲に彼らが含まれているのなら、縄を解き【活性治癒】で怪我の治療を行うよ。
亜人と戦う旨、危険だから離れていて欲しい旨等を伝えて、彼らを庇いながら応戦しよう。

呼び出すのは『吶喊する火種』。戦車の足回りを優先して攻撃してみようか。
戦車そのものを壊せなかったとしても、それを支える足場を崩すことくらいは造作もない。
足場の悪化で攻勢を削ぐことが出来れば良いけれど。


ハーリス・アルアビド
囚われた人々の状態は良くありません。時間をかけて指揮官と合流されても厄介です。素早く確実に敵を屠り救出しましょう。

天空の神ホルスよ、お力添えを。異郷にあれど同じ天空の下で生きる民を救うため、大いなる翼をお授け下さい。
囚われた人々の救助に向かわれる方々からこちらに注意を引き付けるため【飛翔】します。
【残像】を生み出す速度で飛びながら急襲と【一撃離脱】を繰り返し敵を引き離します。どうかその間に救出を。

ある程度距離を離した所で味方と連携して一気に片付けましょう。
戦車は強力ですが【残像】と味方との連携で【撹乱】し、致命的な攻撃を狙えないようにします。
攻撃を焦った隙を狙い【不意打ち】で仕留めます。



「囚われた人々の状態は良くありません。助かりました」
「僕も同じことを考えていたから構わないさ。……さて、亜人が次の村を襲う前には間に合ったね」
 ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)が礼を言う中、ヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)は村の近隣に活性治癒を設置していた。
 この残留効果は僅かな傷ならたちどころに治し、かなりの傷でも半分の時間で治癒させる効果があるのだ。
「仲間たちのお陰で、亜人共が彼らを人質に使う可能性が無くなったみたいだね。ああも縛られていては自力で逃げ出すことは困難だろうと思ってたんだ」
 ヴィオレットとしては直ぐにでも仕掛けたかった。
 だが、まずは連れ去られた住民たちの安全確保を優先したのである。
 そして仲間たちが通信妨害や光学迷彩を行い、救援を行っていたので任せたのである。
「信じて待ったかいがありましたね。時間をかけて指揮官と合流されても厄介です。素早く確実に敵を屠り救出しましょう」
「ああ。大丈夫だとは思うが……彼らを庇いながら応戦しよう」
 ハーリスの言葉にヴィオレットは力強く答えた。
 信頼し協力し合える仲間達との連携。それこそがディアボロスをなのよりも強くすると知っていたのだ。ともすれば過去の記憶も取りこぼしてしまったヴィオレットとって、『今』こそが大切な日々なのであろう。
「さぁ……もし聞こえていたら、亜人と戦う旨、危険だから離れていて欲しいな。もっともこの炎を見たら……近寄りたくないと思ってしまうかもしれないけれど」
 ヴィオレットは杖を右手で回し、コンと大地を打った。
 すると左手から火種が零れて落ち、途中で炎となって溶岩の様に流れて落ちる。
「戦車そのものを壊せなかったとしても……。それを支える足場を崩すことくらいは造作もない!」
 掠れた声はどうしてか?
 それは爆炎で書き消えてしまったからかもしれない。
 あるいは魔術ではなく呪詛か何かで体力でも犠牲にしたのかもしれない。ハッキリしているのは激烈な炎が敵へと向かい、大爆発を起こしたことだ。
『あ、あちぃ!? クソが! あいつらをころせえええ!』
「え? 僕に言っているのかい? そんなの従う訳がないじゃないか」
 押し出されてくる戦車にヴィオレットは蹴りを入れて飛びのいた。
 それでダメージを防げるわけではないが軽減くらいはできるだろう。
 そして彼と入れ替わる様に、ナニカが降り注いだのである。
「天空の神ホルスよ、お力添えに感謝をいたします。異郷にあれど同じ天空の下で生きる民を救うため、大いなる翼をお授け下さったことに最大級の感謝を!」
 ハーリスは逃げ出した人々から視線を自分に向ける為、高空へと飛翔し注意を引き付けていた。
 そして仲間と入れ替わる様に攻撃を掛け、残像を残しながらも矢面に立ったのである。
『推せ! 推せ! ブチコロセ!』
「戦車は強力ですが……。我らの連携を崩すほどでは無かったようですね」
 突進を繰り返すチャリオット。
 その攻撃を受けながらもハーリスは天空を舞い踊った。
 決して人々に手は掛けさせぬぞと、傷を受けつつも命を賭けて戦い続けたのである。
「終わったかな? 色々と面倒な奴らだったね」
「ええ。ですが今は人々を救えたことを喜びましょう」
 こうして二人は敵の残存部隊を殲滅したのである。

 残るは敵アヴァタール級を倒す事、そして紅海周辺の情報を集める事であった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!


『なんということだ……これは失態だな。だが……』
 男は嵐と雷と共にあった。
 天空にて黒雲を従者に言葉を投げる。
『どのような部下であろうとも、部下には違いない』
 命令を良く聞かぬ部下であった。
 乱暴者であまり殺すなと言っても殴りつけるような連中であった。
 だが彼にはそういう区別はない。事実として認識するだけだ。怒りも悲しみも、愚かだとかこうすればと言う思いも無い。
『部下たちの仇……取らせてもらうとしよう』
 ただ事実として、目の前の敵を消し去るつもりであった。
 その上で余力があれば、人々を回収していくつもりなのだろう。
リュウ・ターレン
アドリブ・連携歓迎
POWで周囲ディフェンス

さーて、いきますか。
雷だろうがなんだろうが全部ぶった切ってしまえば問題ないわなあ。
飛翔で接近しつつすれ違いざまにパラドクス。
その身に天・斬の二文字を押し付ける。
その翼ごと全部ぶった切ってやりますわあ。

竜巻は飛翔で致命傷避けつつ、雷は……シュー君よろしゅう(モーラットのシュウェジンに衝撃波とか念動力、オーラ操作等でこっちも致命傷を避ける形で動く。)


ヴィオレット・ノール
味方としての情のひとつもないだろうに、仇討ちなど笑わせる。
まあ、僕等が健在な間は住民への手出しも行わないようだし、そこは素直に有難いね。
確実に屠り、皆を避難所まで送り届けるとしよう。

トループス級が倒れた今、集中攻撃の心配はない。
【飛翔】して敵の注意を惹き、パラドクスの影響が地上の一般人に及ばないよう位置取りたいね。
巨大な竜巻に大量の雷……広範囲を破壊する技のようだし、警戒しておくに越したことはないだろう。

こちらは『サンシャインブレイク』で攻撃するよ。
太陽光を杖に集わせて、光の刃として振るおう。
敵も同種の技を使うようだけれど、今の僕の方が技で優っている。
簡単に避けられるものと思わないことだね。


エイレーネ・エピケフィシア
亜人にしては冷静な振る舞いですね
人間とほぼ変わらない部分も多いですし、もしや変異の激しいマミーでしょうか?
……いずれにせよ、人々の営みを脅かすならば容赦はしません
鱗纏いし襲撃者よ──覚悟なさい!

≪神護の長槍≫を槍投げの姿勢で構え、上空の敵に狙いを定めます
仲間との攻撃の応酬から敵の動きを予想し、偏差射撃の要領で『天火纏いて燃え立つ投槍』を当てましょう
狙いは鱗で覆われていない胴体から顔にかけての範囲に定めます
この地に生きる人々の命、誰にも脅かさせはしません!

反撃の竜巻と雷は、槍を地面に突き立てて支えとすることで風圧に対抗し
≪神護の輝盾≫で雷を受け止めることにより耐えます


御守・樹
ナザル…?雷…?
ナザルってトルコの青いあの御守り、邪視のことだよな?雷となんか関係あったっけ?
思わずまじまじと見つめてしまう。
わらびには引き続き離れていて貰って。動きの基本はさっきので分かったと思うから俺が気が付かない敵の動きに気がついたら知らせてくれたら。でも何より身の安全優先な。雷とスライム…と言うか水ってゲームだと相性悪い事多いし。

向こうから跳び出される前にこちらからダッシュで飛び込み飛燕で攻撃。
攻撃後は一撃離脱で距離を取り向こうの攻撃に備えて。
雷は俺もそこそこ使うし特性もその伝播性も知ってるつもり。光速であっても距離があれば、直撃を避けられればたいしたものではない。



 黒雲を従者にアヴァタール級がやって来る。
 稲光が周囲に舞い踊り、風が砂塵を噴き上げて行く。
「ナザル……? 雷……?」
 御守・樹(諦念の珪化木・g05753)はその様子に首を傾げた。
 予見されている敵の名前を合わせて想像が働いたのである。
「ナザルってトルコの青いあの御守り、邪視のことだよな?雷となんか関係あったっけ?」
「はてさて? 風雷を操り邪視を持つこの辺りの存在ゆうたら、あんま数思いつかんわあ」
 樹の言葉にリュウ・ターレン(奪われた者。奪い返す者。・g07612)は少しおどけた態度で笑って見せた。
 共に怯えているわけではなく、思い当る存在というかモデルになった存在は何かなーと考えている程度だ。
「そういう存在の側面を持ってるんか、核として扱われとる犠牲者の得意分野だったんか判らんね。コワーイ存在だったら、フルフルしときますわ」
 リュウは真面目なのか笑っているのか分からないような笑顔を浮かべている。
 そして焼きガラスの眼鏡を押し上げて戦闘態勢を取ったのだ。
 魔物の様な表情で、フルフルするなどおどけてみせる。
「味方としての情のひとつもないだろうに、仇討ちなど笑わせる」
「ですが亜人にしては冷静な振る舞いですね……」
 そしてヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)は皮肉げに呟きエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は超然と語る。
 敵は蹂躙戦記イスカンダルのアヴァタール級にしては理知的で、いっそ酷薄な面があるほど冷静であった。
「人間とほぼ変わらない部分も多いですし、もしや変異の激しいマミーでしょうか? ……いずれにせよ、人々の営みを脅かすならば容赦はしませんが」
 エイレーネは軽く目を閉じて思案する。
 イスカンダルは広いのでエジプトや中国からクロノヴェーダが亡命して来ることもあった。
 亜人らしからぬ性質は、獣神王朝由来の存在がこちらに来て歪んだ物だと思えば判らなくもない。ともあれ敵は敵、何者であっても倒す以外の道はないのだ。
「なるほど、言われてみればそうだな」
「まあ、僕等が健在な間は住民への手出しも行わないようだし、そこは素直に有難いね。確実に屠り、皆を避難所まで送り届けるとしよう」
 リュウがなんとなく頷くとヴィオレットは肩をすくめた。
 相手が冷静に戦力を勘案し、こちらを倒してから本来の任務に戻るならば邪魔しないで良い分だけ楽なのだ。仮に逃走して追撃に必要があったとしても、初動の段階から引っ張りまわされるよりははるかにマシであっただろう。
「さーて、いきますか」
「そう致しましょう……鱗纏いし襲撃者よ──覚悟なさい!」
 リュウが黒焼き眼鏡の裏でひどく笑った時、エイレーネはカっと目を見開いて走り始めた。
 体が傾斜しての前傾姿勢、盾に身を隠すというよりは槍を突き刺す為の態勢だ。

 そして彼女よりも先に飛び出している二人。
「わらびはさっきと同じく俺の後ろを頼む。雷とスライム…と言うか水ってゲームだと相性悪い事多いしな」
 樹はアクアスライムの『わらび』に様子見の指示を出しながら疾走する。
 パラドクスであれば空中の敵に格闘戦を挑むことができるので、隙を見て敵を叩く予定だ。
「トループス級が倒れた今、集中攻撃の心配はない、か。空中戦がお望みならば派手に行こうか。ただし……地上の人たちに影響のない範囲でね」
 これに対してヴィオレットは飛翔した。
 敵が即座に発見されたように、空を飛ぶと発見され易い。
 だが敵が既に飛んでおり、そして部下も居ないならば滅多打ちにされるようなことも無いのだ。
「日輪の力を借りるとしようか。それは必殺に非ず、常に地に満ちる慈悲と、無慈悲の双子だよ」
 ヴィオレットは魔術に付き物の杖を掲げた。
 言霊に応じて力があふれ始める。
 見よ。アラビアの地は、太陽の理を知っている。ただ集めるだけで人を灼く。
『風よ、逆巻け。星を覆い隠せ。稲妻の剣を降らせよ』
 パン! と風で巻き上げられた砂が明滅する。
 攪拌されたソレは、砂同士が摩擦する事でスパークと成った。
 敵が従者である黒雲に命じたわけではなく、風を呼び起こしただけでこうなったのである。
「同種の技を使うようだけれど、今の僕の方が技で優っている。簡単に避けられるものと思わないことだね」
 技と技のぶつかり合いは自分が有利だが、体力的に自分が撃ち負ける。
 だがヴィオレットは平然と言い切った。脳筋的な判断? それで結構魔術師が脳筋で悪いと誰が言ったのか!? 何故ならば、此処には信頼できる仲間たちが居るからだ。灼熱の剣は嵐の渦を切裂き、雷鳴をただの音に変えて打ち据える。火傷如きは舐めておけばいいさ。
「まっ。雷だろうがなんだろうが全部ぶった切ってしまえば問題ないわなあ。撃ち続けて得意な能力で分担すればよろし。ここで決着をつける必要はないか」
 その様子を見ながらリュウは素早く計算する。
 ディアボロスは連携してナンボ、得意分野で押しまくり、相手の攻撃は得意な者が受ければ良いのだ。強大なアヴァタ-ル級とダメージレースで単独の勝負など意味がない計算である。要するに……最後まで立っている方が偉いのである。
「そういうことだ」
 樹は飛び込みながら回し蹴りを放っていた。
 その動きはまるで飛竜の……いや、拘束で飛ぶ燕の如し!
『雷霆よ、雷霆よ、雷霆よ。我、ナザルは雷に命じる。落ちよ怒槌』
「そう来るだろうさ……やっ!」
 敵は杖の先に雷光を灯して反撃に出る。
 いや、思った時にはすでに放たれていた。
 だが樹はその杖持つ腕を蹴る反動で別方向に離れていたのだ。
「雷は俺もそこそこ使うし特性もその伝播性も知ってるつもりだ。光速であっても距離があれば、直撃を避けられれば大したものではない」
 樹は回避しようと思ったのではない。
 向けた杖の先には決して立たず、そして少しでも離れることで直撃を避けたのである。
 逆連鎖戦で無傷で済ませることなど不可能。そうと知ってダメージの軽減を狙ったのであった。
「この好機、突かせていただきます! 輝ける槍よ、悪しき者を焼き尽くし、葬り去りたまえ! 天火纏いて……」
 ここでエイレーネは槍を担いだ!
 ギリシャ人とケルト人が槍を担いだら注意しなければならない。
 何故ならば槍を投げ放ち仕留め、それでも倒せなければ剣でトドメを刺すのがセオリーだからだ。
『遅い。雷霆は……既に堕ちている』
「燃え立つ投槍!!」
 エイレーネは敵の移動地点の前に槍を投げていた。
 だが、それは同時に敵が杖を向ける時間でもある。
 ブウウン……と空気が爆裂しそうなほどの大音声の後、槍の形をしたエネルギーと雷が交錯する。
「まだまだケラウノスには及びませんよ! この地に生きる人々の命、誰にも脅かさせはしません!」
 吹っ飛ぶ華奢な体をエイレーネは槍を地面に突き立てることで耐え忍んだ。
 風で吹き荒れるスカートと尻尾が棚引き、敵は天衝く炎柱の中から姿を現す。盾を翳して雷の追撃を防いだ彼女はその様子を観察していた。
「あれはもしや……」
「せや。無傷でもやせ我慢でもあらへん。あれはそう言う機能がないんや、ただ自分をリアルタイムで再現しとる。総量はちゃんと目減りしとるで」
 エイレーネの言葉にリュウは頷いた。
 敵はまるで光と雷の塊であるかのように己を律していたのだ。
 ならば攻撃が通じていないのではなく、単に痛いとか言う機能がないだけのこと。殴り続ければいつか倒せる相手でしかない。
「天網恢恢疎にして漏らさず。他ならぬ天の網そのものが本体ならば……その翼ごと全部ぶった切ってやりますわあ」
 リュウはガラスのペンで『天』『斬』の二文字を描いた。
 天をも貫く強大なエネルギーを生じさせることで、天自体とも言える敵を切裂き穿ったのである。
『天よ鳴け、雷も吠えよ』
「雷は……シュー君よろしゅう」
 敵が巻き起こした稲妻と風をリュウはモーラットのシュウェジンに任せた。
 ひとまず直撃でなければ良い。
 多少喰らうとも、闘気やら衝撃波やら念動力やらで、自分の体を移動させてくれれば良いと割り切ったのである。

 こうして雷霆そのものであるナザルとの戦いが始まった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV4になった!
【温熱適応】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV2になった!

ハーリス・アルアビド
【砂】
道を違えたとは言え、共に過ごした方を手に掛けることは心苦しいものでしょう。それが欠片であっても。せめてモロクさんが存分に戦えるよう力を尽くします。

天空の神ホルスよ、お力添えを。我が同朋であり友たる方の一助となるため大いなる翼をお授け下さい。
ネメシス形態で【飛翔】し、ニーニさんとモロクさんから注意を逸らすよう【残像】を交えた急襲と【一撃離脱】を繰り返して【撹乱】します。

強烈な雷と竜巻もお二人と共に戦えるなら恐れるものではありません。全速力の飛翔で突破し、その勢いのまま攻め入ります。
攻撃を受けたとしても怯まず【捨て身の一撃】でお返ししましょう。


ニーニ・ニニ
【砂】
…ママ、ママ
ぼくに力を
皆と一緒に戦う、勇気を下さい

ネメシス形態を解放し、黒猫の魔女姿に
ママと同じ氷と雪の魔法で皆を援護します!
…ぼくは、きみと違って
ひとりぼっちで戦っているのではありませんから
皆を助けて、皆と一緒に、勝って帰ります!

ママから教わったおまじないで【飛翔】と【グロリアス】を重ね
皆の機動力と回復力を少しでも高め、
【トラップ生成】でとりもちをこっそり仕掛けておきますね
一瞬でも隙が作れれば、きっとモロクとハーリスがなんとかしてくれると信じてます!

相手の攻撃は【氷雪使い】の【魔力付与】をした【結界術】で防ぎます
太陽光とは相性が悪いかもしれませんが…少しでも威力を殺せたら御の字です


モロク・アルデバラン
【砂】
愚か者め。
欠片とはいえ純粋に魔力を探求した求道者が、暴君の真似事になり果てるとはこの上なく残念である。

あの雷と体術は並ではないが、【グロリアス】で有利に戦えそうである。
さらに短刀『ステューパ』の〈結界術〉をニーニの結界に重ね味方の盾に。
パラドクスではないゆえ、もたぬかもしれぬがやれることはしておきたい。

ハーリスの前進と同時にネメシス化。
結界で光の刃の致命傷を防ぎ【飛翔】によりジグザグに高速接近。
仲間とタイミングを合わせ、爪や尾で連続攻撃し【ザ・キス・オブ・デス】を撃ち込む。

憎むべき敵であるが手合わせすると不思議と懐かしい気分である。しかし、かつての弟弟子とて道を違えた者を許す道理はない。



『我が……名は、ナザル。雷……霆のナザル』
「愚か者め」
 まるで出来の悪いディスプレイの様に敵の姿が揺らめく。
 幻燈が白いカーテンか何かに幻影を映し出しているかのように。
「欠片とはいえ純粋に魔力を探求した求道者が、暴君の真似事になり果てるとはこの上なく残念である」
 モロク・アルデバラン(誇り高き砂暮らし・g01160)は弟弟子が力に取り込まれているのを悲しく思った。
 もちろん本人ではない。だが、術者ともあろうものが、力の本質に呑まれて、暴力装置そのものになるなど、術師として何と言ったらよいのか分からない。
「道を違えたとは言え、共に過ごした方を手に掛けることは心苦しいものでしょう。……それが欠片であっても」
 ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)は天空を見上げながら嘆きの表情を浮かべた。
 我が身を思い出し、その延長で仲間を思いやればどれほどの衝撃か判ろうものだ。
 暴虐に身をやつし、亜人たちの道具として扱われ、そして暴力そのものとして降り注いでいる。
「天空の神ホルスよ、お力添えを。我が同朋であり友たる方の一助となるため大いなる翼をお授け下さい」
 ハーリスは三つの祈りを捧げた。
 一つは戦いの為に翼を求める為。
 一つは友の為に行動するために。
「せめてモロクさんが存分に戦えるよう力を尽くします……」
 最後の一つは……。
 友の心が安んじられんことを。
 ただそれだけを祈り、翼を生やして全力を振う覚悟を決める。自らも暴力を奮う覚悟を決める。敵と彼が違うのは、ただ『誰かの為に』戦う覚悟だけであろう。
「……ママ、ママ」
 聞こえていますか?
 などとは子猫は言わない。
「ぼくに力を。皆と一緒に戦う、勇気を下さい」
 届いていますか?
 とも子猫は言わない。
「……ぼくは、きみと違って、ひとりぼっちじゃない」
 だからニーニ・ニニ(雪陽の子猫・g08923)は姿を変える。
 歩いて、走って、そして戦うために。
 言葉だけの願いは要らない、祈りだけの願いも要らない。
 一緒に歩いて行くために、ニーニはネメシス形態と呼ばれる全力モードに成った。小さくとも、そこに黒猫の魔女が居たのだ。空を飛ぼう、置いて行かれないためにね。
「共に行くか? ……いや、行ってくれるか?」
「はい!」
「ええ」
 モロクはその言葉に目を細くした。
 自分は弟弟子に及ばぬかもしれぬ。
 だが、この絆は何より暖かい気がする。ならばどうして劣って居ようと思えるだろうか?
「あの雷と体術は並ではないが、グロリアスで有利に戦えそうである。これを持って行きなさい」
「っ。はい!」
 モロクは花も実もある嘘を言った。
 グロリアス一つで戦局は変わるまい。
 だが、それを信じて戦い抜くことで自分が雄姿を振えると信じてくれる仲間の為に立ち上がろうと思うのだ。死の運命すら凌駕する覚悟を決めて、モロクはニーニへ結界術を掛けた短刀を持たせる。
「さて、参るとするか」
「ええ!」
 モロクが空を飛びネメシス化していく。
 その視線の先ではハーリスが力強く羽ばたいていた。
 アヴァタール級が強い? それがどうした! ディアボロスはこれに在り、何するものぞと精一杯に声を上げる。
「強烈な雷と竜巻もお二人と共に戦えるなら恐れるものではありません。我に百勝の勲しはなく、ただ百敗にま見えても戦う友の為にこそ!」
 ハーリスはただ全速力で飛び抜けた。
 超高速で機動を掛け、囮として敵の目と攻撃を引きつける。
『雷霆は、爆裂せよ』
「この敗北を! 天空の神ホルスに奉る!」
 ハーリスは敵の放つ稲妻と嵐を抱きしめながら敵に迫った。
 残像を交えて高速で突っ込み、体当たりで敵の態勢を崩して一撃離脱を掛けたのである。
「いたいのいたいの、とんでけー! です!」
 その言葉には百国で差があるとしても、その意味は百国で共通していた。
 あびらうんけん、そわか!
 アブラカタブラ!
 痛みをなかった事にし、傷をなかったことにもしたい。そんな祈り、でも祈りでは追われない。では何をもって何とかしよう?
「ぼくは……ひとりぼっちで戦っているのではありませんからっ! 皆を助けて、皆と一緒に、勝って帰ります!」
 ソレは誰かを迎え入れるおまじない。
 お母さんが子供を迎え入れ、此処にいても良いのだと告げるおまじない。
 痛い所を優しくなでて、きらきら光る氷の花弁と一緒に空へと飛ばす。知っているだろうか? 手当とか、それを何処かに贈る言葉も行為もまた魔術であるのだ。黒猫の魔法使いはお母さんに教わった魔法で敵に仲間が受けた痛みを返した。
『太陽が大地に現われた時。世界は既に切り裂かれている。それが昼と夜の始まりである』
 言葉と共に閃光が大地を分断していく。
 ただそこにあった砂漠の陽が、光の剣として周辺を切り刻んだのだ。
 いや、太陽こそが砂漠で最も無慈悲な存在だと人々が思い出したのかもしれない。
「っ! 一瞬でも隙が作れれば、きっとなんとかしてくれると信じてます!」
 痛い、とても痛い。
 だけれど、仲間がやってくれる、勝てると信じているからこそ戦い抜ける。
 ニーニは氷と結界を組み合わせ、身を焼く光の剣を防ぐことにした。相性とかそういうのはあるかもしれないけれど、少しでも防げたらよいよねと……短刀を握り締めるのだ。
「よくぞ耐えた! 既に我らが勝利!」
 モロクは光の刃をジグザグに飛び抜けることで致命傷だけは耐えた。
 仲間が戦う姿を放っては置けまい。勝てるか? ではなく、仲間のために命を賭ける。
「憎むべき敵であるが手合わせすると不思議と懐かしい気分である。しかし、かつての弟弟子とて道を違えた者を許す道理はない。天雷の霊獣の名のもとに、蜃気楼に消えよ―」
『わ、わ、わ……我が名は、我が名はナザル。らいてい……太陽の光を……』
 タイミングを合わせて爪と尾で相手を打ち据えながら、生じた隙に圧縮した魔力光を放った。
 赤紫色の光がドラゴンから放たれ、ナザルを焼いたのである。

「わわっ……終わりました? まだ……でしたっけ?」
「もう少し寝て居るが良い。後少しだ」
「帰ったら美味しい物でも作りましょうか。もう少しで終わりますからね」
 少女が目を開けようとした時、誰かに背負われていた。
 それはゴツクて硬くて、どこか頼りになる背中であった。
 そして帰ったら太陽の色をしたフルーツをたっぷり乗せたカキ氷を食べるそうだ。太陽の色をしたジュースをシロップにして。

 でも、もう一仕事あるのですけれどね?
 でも、それは遠い事ではないだろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV7になった!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【グロリアス】がLV3になった!

ヴィオレット・ノール
さて、どうにか集落への被害を出さずに討伐できたね。
捕われていた人々は無事に避難所まで辿り着けるだろうか。
帰りに様子を見て行くのも良いかも知れないね。

まあ、その前に為すべきを成さねば、なのだけれど。
調査、調査か……ひとまず直近の沿岸部まで移動しようか。
これまでの報告によると、紅海周辺には何もない、とのことだったかな。
亜人を始めとしたクロノヴェーダも、それらが他所への侵攻を企てているような痕跡も。
正史だと大王がアラビア遠征を計画するも、王の病死で実現されなかった、のだっけ。
この辺りも同じであれば良いのだけれどね。
まずは周辺を目視で確認して、安全そうなら……【水中適応】で潜ってみようか。



「さて、どうにか集落への被害を出さずに討伐できたね」
 ヴィオレット・ノール(北の菫・g09347)は紅海に向かっていた。
 見つからない様に低空飛行で速度もそこそこ、この方法が一番早くて安全だと判明している。
「捕われていた人々は無事に避難所まで辿り着けるだろうか。帰りに様子を見て行くのも良いかも知れないね」
 そういって人々が避難した方向を眺めた。
 時間の問題もあり寄って来れなかったのが残念ではある。
「まあ、その前に為すべきを成さねば、なのだけれど。調査、調査か……ひとまず直近の沿岸部まで移動しようか」
 注意しながら見つからないように飛んでいく。
 相手が隠れたり、あるいは移動中の部隊に見つかるのも問題だろう。
「これまでの報告によると、紅海周辺には何もない……。と言う事には成ってるんだけどなあ……」
 問題なのは、これまでと方針が変わっているという事だ。
 それこそ村々を回っている部隊の命令は、これまでは放置であったはずなのだ。
 見つかった瞬間に追いかけられるかもしれない。何処かに研究所か何かがあって隠されたら残念だ。
「見えて来たな。亜人を始めとしたクロノヴェーダも、それらが他所への侵攻を企てているような痕跡も特になし?」
 彼方に海が見えたことでヴィオレットはより注意することにした。
 それとは別に、狙撃隊が沿岸防御してエジプト側からの渡航を防いでいる可能性もある。注意はしておくにこしたことはないだろう。
「正史だと大王がアラビア遠征を計画するも、王の病死で実現されなかった……のだっけ。この辺りも同じであれば良いのだけれどね」
 暫く周辺を観察したが、何も無い。
 もしこれが本当ならば、エジプトを守る必要がなくなるので助かりはするのだ。
 現時点での有効な策は前身防御で先に攻撃部隊を叩く以外に方法がないので、そうならありがたいと言えた。
「本気で何もない? ……水中適応で潜ってみようか。ガラスの潜水艦だとか、それでなくとも洞穴に砦があったら困るからね」
 ヴィオレットはあえて水中適応を選んだ。
 移動距離を増やすならばイルカ変身の方が最適であるが、物を持ち上げたり隠れ潜んで動くならばこちらの方が良いと判断したのである。

 しかし成果は特になく、あえて言うならば……何も無い事が判ったというのが最大の成果であったという。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!

ハーリス・アルアビド
【砂】
無事に終わったようですね。捕らわれた方々は避難所で休んで頂き調査に向かいましょう。モロクさんやニーニさんにも早く体を休めて頂きたいのですが、手は抜けません。

私は沿岸部へ。皆さんと【パラドクス通信】で常に連絡を取り合いながら調査します。【飛翔】は目立ちますので空の色に似た布を巻いてなるべく高空を飛びよく【観察】し隠蔽された物や人の痕跡が残っていないか注意しましょう。

大灯台があるのですから海上戦力や物資の輸送に船が存在しているかもしれません。港などの設備がないか、海に繋がる河川がないかを重点的に調べます。亜人の痕跡がなくとも私達が拠点として使える場所があるかもしれません。


モロク・アルデバラン
【砂】
勝利の喜びもひとしおであるが、調査も超重要任務である。皆、もう一仕事の踏ん張りどころなのだ。
紅海沿岸部と言えばすぐ内陸は山岳地帯であったと記憶しておる。
何かを隠すにも隠れるにも好都合であろう。もっとも、何もないことが一番なのであるが。

【飛翔】と【光学迷彩】を使い山間の谷を偵察しておこう。
今の疲労状態で交戦は不都合。
【パラドクス通信】で皆と連携が取れる距離を保ち、可能な限り低空飛行。会敵は避けたい。

内陸から海側へ物や人の動きがあるならば山岳地に関所や路網があるかもしれぬ。轍や足跡、火の痕跡や瓦礫、その他があれば追ってみよう。
2人とも、何か見えたか?
終わったら冷たいもので一息つきたいものだ。


ニーニ・ニニ
【砂】

かき氷の前にもう一仕事ですね
ぼくもお手伝いします!

先程お助けした人達は、もう大丈夫でしょうか?
可能なら、ナザルやゴブリン達が移動中にどんな会話をしていたかお聞きしたいですよ
生かしたまま人々を回収しようとしていたのは、
拠点や兵器や船を造るですとか、
何か人手が必要な大掛かりな計画があるのかもしれませんから
気付いたことがあったら、教えて下さい

沿岸部の方は、異常は無いのでしょうか?
上空のハーリスと【パラドクス通信】で連絡を取ってみて、安全そうでしたら、
泳ぎが得意なペペンに掴まって水中を調べてみます
海底に秘密基地や謎のダンジョンがあったら素敵でわくわくなのです!
モロクは何か発見はありましたか?



「無事に終わったようですね。捕らわれた方々は避難所で休んで頂き調査に向かいましょう」
「勝利の喜びもひとしおであるが、調査も超重要任務である。皆、もう一仕事の踏ん張りどころなのだ」
 ハーリス・アルアビド(褪せる事を知らない愛・g04026)はモロク・アルデバラン(誇り高き砂暮らし・g01160)たちを眺めた。
 避難所設営に戦闘にと疲れているだろう、この辺りで休ませてあげたい所であはある。
「かき氷の前にもう一仕事ですね。ぼくもお手伝いします!」
「それでは離れながら見ていただけますか? 隠蔽手段が妥当か確認していただきたいと思いまして」
 ニーニ・ニニ(雪陽の子猫・g08923)は目を覚ますとピョンピョン。
 まだまだやれますと目をキラキラさせる。ハーリスはその様子に微笑みながら持って来た布をまとったのである。
「お空の色ですね! でも、まだまだ見える気がします!」
「ふむ。では光学迷彩を使ってみると良い」
 ニーニが布の色を見て判断すると、モロクは光学迷彩との併用を提案した。
 今は目の前なので丸判りだが、アイデアそのものは悪くないように思えたのだ。
「……我々は目の前で見ておるから印象が強いのかもしれぬ。少し前っておれ。このターバンをニーニへ被せてグルグルと回してみよう」
「いえ。流石にここまで目で追われると止めておこうと思います。高く飛ぶ必要が出ればまとうつもりですが……」
 残念ながら高くなればなるほどに目立ってしまう。
 ほどほどの所でモロクが追加案を出すと、ハ-リスは中断して降りて来た。
 元より『なるべく』高空を目指す気であったが、空中を飛ぶのは危険であることは知っていたので、それほど固執して居なかったのである。

 参考までにここで発見率の問題を説明しておこう。
 発見率は最大100%ではなく、人が増えると100%以上になると考えれば良い。
 集団の前で隠れたら1000%見つかり、例え光学迷彩を使っても500%。
 そして布をまとえば初動が800%に落とせるとしても、光学迷彩で400%残っているのである。
 高空へ飛ぶと遠くを見れるので、こっちも有利だが、見つける方は人数が加速度的に増えて行くのだ。
「アイデア自体は悪くないと思いますよ!」
「それは次があればその時の課題ですね。もう幾つかアイデアを重ねれば良いかと思います。モロクさんの様子が見えないので、その辺りは確信が出来ました」
 ニーニが励ますとハーリスは頷いた。
 今回は調査と隠蔽と連携しての調査を天秤に掛けていた。
 隠密を最優先にしていたら、別のアイデアを組み合わせただろう。先ほどの例で言えば100%を越えないような工夫をして、その上で布を被って光学迷彩をしたら確実に行けるだろう。……例えば、モロクの様に。
「……こちらは見えておらんか? ならば良し、ではまた後でな」
 モロクは山岳地帯の方へ向かっていた。
 低空飛行で歩く体力を抑えつつ、速度は増やさず、地形に隠れながら移動している。
 そもそも見え難い場所で光学迷彩を使っているので、まず判らない。やはり高空へ行けば行く程、見つかり易いのだろう。そして隠れて使う光学迷彩は、非常に強力であった。
「先程お助けした人達は、もう大丈夫でしょうか? ぼくhあちらで道案内しながら、お話を聞いてみますね」
 一方でニーニの方は避難所へと飛んでいた。
 助けた人々が心配だったのと、聞きたいことがあったからだ。

 そこで聞けたのは……。
「良く判らないけど……。放っておく余裕がなくなったとか言ってたわ」
「少しでもかき集めるとか。おれらはついでだとよ」
 話を総合すると、これまでは進めるだけ進んで領地化はした。
 しかし全部収穫するまでもないので放牧していた……のだろう。
 だがその方針が急に変わって、少しでも戦力を増やすために連れて行くという指針になったらしい。
「生かしたまま人々を回収しようとしていたのは、拠点や兵器や船を造るですとか、何か人手が必要な大掛かりな計画ではないのでしょうか?」
「……おそらくはナザルの指示だろうな。あれは酷く無駄を嫌う性格だった」
 ニーニが仲間たちとパラドクス通信で連絡を取るとモロクから返事が返って来た。
 奴隷として使う事情が出来た時に備え、また亜人が女もついでに殺すかもしれない事に備えたのだろうと告げた。何しろ反抗したのでちょっと殴ったら人は死んでしまうのだ。ならばまとめて『人には手を出すな』という方が楽なのかもしれない。
「モロクは何か発見はありましたか?」
「紅海沿岸部と言えばすぐ内陸は山岳地帯であったと記憶しておる。何かを隠すにも隠れるにも好都合であろう。そう思ったのであるがな……」
 ニーニの質問にモロクは通信の向こう側で首を振った。
 山の中を隠れ、尾根を越える時は注意し谷を潜って捜査もした。
 だが特に何も無いのだ。道なりに進み、色々と調べても見たのだが……。
「山岳地に関所や路網があるかもしれぬ。轍や足跡、火の痕跡や瓦礫、その他があればと探してみたが特にはない。少なくとも移動して何カ月も経過した、あるいは最初からなかったようであるな」
 人間の生活には痕跡が残る。
 例えば山道だの獣道だのを繰り返し、そこに道が残る様に。
 獣と違い人間は体重が二点に絞られるし、高さもあるので不自然な痕ができるはずなのだ。
「と言う事はアフリカ大陸側に戦力を移動させる気がないのかもしれませんね。捨拾選択とも言えますが……後は海……」
「2人とも、何か見えたか?」
 ハーリスの反応にモロクは確認をした。
 これまでの情報からも特に海では何も無かったそうだ。
 今回は他の仲間込みで詳しく突っ込んでみたのだが……。
「沿岸部の方は、異常は無いのでしょうか?泳ぎが得意なペペンに捕まって水中を調べてみましたが、特には何もありませんでした」
 海底に秘密基地や謎のダンジョンがあったら素敵でわくわくなのでした……。
 しかし何も見つからなかったのですとニーニは尻尾をゲンニョリさせる。
「大灯台があるのですから海上戦力や物資の輸送に船が存在しているかもしれないと思ったのですがね。特に何もありませんでしたよ。やはり戦力を絞ってこちらは切り捨てたのか……あるいは大拠点にのみ残しているのかでしょう」
 ハーリスはそう言って報告を締めくくった。
 色々と確認してみたが特になく、亜人が使ったような痕跡はなかったし、ディアボロスが使えるような物もなかったのである。
「何も無さそうだと判ったのがせめてもの発見かな? くたびれもうけとは言わんが、終わったら冷たいもので一息つきたいものだ」
「ではお日様のようなカキ氷でも用意しましょう。マンゴーとパイナップル、どちらがよろしいですか?」
 モロクの言葉にハーリスは素直に頷いた。
 最初はせいぜい、半分こにして分けようとか提案されると思ったのだが……。
「たくさん載せてみんなでいただきましょう!」
「ははは。それは良い!」
「そうですね。みんなでいただきましょうか」
 こうして三人は帰還するとフワフワのカキ氷を食べる約束をした。
 氷には練乳を混ぜて甘くして、ダイスカットしたフルーツをたっぷり。
 その上からフルーツを絞ってシロップにした物をやはりたっぷりとかけるのである。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV2が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ダブル】LV1が発生!
【グロリアス】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2023年07月06日

アラビア半島沿岸偵察作戦

 攻略旅団の提案に従い、アラビア半島の紅海方面の探索に向かいます。
 制圧したカナンの地から南方に向けて、探索の手を伸ばしていきましょう。

 アラビア半島は、アレキサンダー大王の統治が始まってから間もないようで、一般人が平和に暮らす砂漠のオアシスなども存在しているようです。
 しかし、この住民達を狙い、亜人達が砂漠を徘徊しています。
 彼らは集落を見つけ出しては、男を皆殺しにして、女を蹂躙するような悪行を繰り返して、亜人戦力の強化を目論んでいます。

 アラビア半島沿岸地域の偵察と合わせ、亜人の暴虐から、蹂躙される住民を助け出してあげてください。


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#蹂躙戦記イスカンダル
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#アラビア半島沿岸偵察作戦
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#アラビア半島


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選択肢『アラビア半島で情報収集』のルール

 攻略旅団の方針に従って、紅海方面の情報収集を行います。
 救出した集落から近い、海岸を偵察して情報を確認しましょう。

 紅海の情報以外にも、望むのならば、アラビア方面の情報収集を行なう事も出来ます。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『避難所の準備』のルール

 ディアボロスがクロノヴェーダを撃破する事で、命を助けられたが、そのままでは生活が立ち行かなくなる一般人に対して、当座の生活を維持できる避難所を用意します。
 彼らが自立して生き延びる事が可能な最低限の施設や、生活が軌道になるまでに必要な食料や物資などを準備してあげましょう。
 ディアボロスが、生活の全ての面倒を見る事はできませんが、彼らが、生き延びる可能性が高くなるように支援しえあげてください。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾作戦行動中のトループス『ゴブリン戦車』のルール

 なんらかの作戦を行っているトループス級に戦闘を仕掛け、その作戦行動を阻害し、敵を撃破します。
 どのような作戦を行っているかや、作戦を阻害する為に必要な手順などについては、オープニングやリプレイで確認してください。
 なお、作戦行動中の敵を奇襲した場合も、逆説連鎖戦により反撃が発生するので注意が必要です。
(奇襲行動が成功すれば、戦闘時の判定が有利になります)

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との戦闘『「雷霆」ナザル』のルール

 事件解決の為に、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破するだけでは事件を解決できないので、戦闘終了後、必要な行動を行ってください。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※このボスの宿敵主は「モロク・アルデバラン」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。