偽りの救世主(作者 一二三四五六
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#TOKYOエゼキエル戦争  #品川区の大天使による港区侵攻作戦  #品川区 

●神魔激突
「ヒヒヒ、シネ、シネェ!!」
「ぎゃああああっ!?」
 西暦2013年、東京都港区。アークデーモンの圧政に苦しむこの地は、今日もまた、残虐なる悪魔の襲撃を受けていた。
「お、お願いします、この子だけは……ああっ……!」
「おかあ……さ……」
 老若男女の区別なく、悪魔はその鎌で人々の命を刈り取る。その恐怖と絶望が、人々を支配しようとしていた……その時。
「――やりなさい、お前達」
「ナッ……ギャアアアアッ!?」
 静かに、だが良く通る言葉と共に、突然、戦場に嵐が巻き起こる。その嵐に呑まれ、次々と天に舞い上げられる悪魔達。
 呆然とした様子で、悪魔を視線で追う人々。彼らが空に見たのは……翼を持つ、美しい大天使の一団だった。
「天使様だ! 天使様が助けに来てくださった!」
 神々しき姿の救世主の姿に、喝采を上げる人々。そして、その天使の中でも最も美しい姿を持つ白翼の女は、手にした槍を高々と掲げた。
「あなた達がこのワタシが救済します」
「ああ、天使様!」
 嵐で舞い上げられた悪魔達めがけ、次々と降り注ぐ光の槍。無慈悲なる審判が悪魔達を蒸発させていく姿に、人々は歓喜で涙すら流す。
 ――彼らは知らない。この東京で、天使は決して救いの主ではない事を。

●新宿駅グランドターミナル
「来てくれてありがとう、みんな。じゃあ早速だけど、事件の説明をさせてもらうね!」
 西暦2021年、新宿駅。
 ホームに集まったディアボロス達をぐるりと見回すと、時先案内人、ミア・スカーレディア(妖精達の娘・g03198)はそう切り出した。
「今回向かうディヴィジョンは『TOKYOエゼキエル戦争』。アークデーモンと大天使の内戦に介入して、港区の人達を救って欲しいんだ!」
 港区は過去の歴史の影響で、住民のクロノヴェーダに対する反抗心が強い。抵抗活動も多く、混乱状態が続いている。
 この地を統べるアークデーモンは、圧政によってその抵抗を削ごうとしているのだが……その状況に、品川区の大天使が付け入ろうとしている。
「大天使は、住民を襲うアークデーモンを撃破して、救世主を演じようとしている。これによって港区民の信仰を集め、品川区に併合してしまおう……って言うのが狙いなんだ。いくら反抗心の強い港区の人達でも、『命を助けられる』って言う強烈な体験をしたら、大天使の事を信じちゃうよね」
 港区が品川区の手に落ちれば、TOKYOエゼキエル戦争の趨勢に大きな影響を与える事になる。一時は大天使に救われる人々も、今度はもっと過酷な戦渦に呑まれる事となるだろう。
「そうならないためにも、キミ達には港区のアークデーモンと、品川区の大天使。その両方を撃破してもらうよ!」

 さて、その為の作戦だが……真っ先にアークデーモンの元に向かった場合、ディアボロスがどんなに速攻でケリを付けても、品川区の大天使の乱入を防ぐ事は出来ない。どのような形であれもし乱入を許せば、港区民の信仰を止めさせるのは難しくなるだろう。
 そこでまずは港区の大天使を、アークデーモンのいる場所から遠ざける必要がある。
「今回は攻略旅団からの要請に従って、大天使の軍勢を品川区へ押し返してもらうね」
 基本的には、港区側への移動を妨害しつつ、品川区に攻め入る素振りを見せるのが良いだろう。相手に『このまま港区に攻め入るのは難しい』『先に品川区を守らなければ』と言う思いを抱かせれば、相手は侵攻を止めてくれる筈だ。
 ただし、品川区に本格的に攻め込むには、まだ準備が足りない。あくまで今回の目的は、戦場を港区から品川区に移す事である。また、下手に乱戦になるとそのまま逆にアークデーモンの方に戦場が流れてしまう可能性が高いので、敵を倒そうとはせず、誘導に徹した方が良い。
「大天使軍の主力は、制空権を握る事に特化したトループス級『フェザートルーパー』。飛行能力の非常に高い敵だから、誘導の際はその辺りを踏まえて行動して。【飛翔】とかの残留効果を用意出来る人がいるなら、みんなのためにも、戦端を開く時に使ってあげると良いかもね」
 もちろん、必ずしも飛ぶ必要はない。地上からの射撃など、飛べなくともやりようはある事だろう。
「で、その誘導と平行して、もちろんアークデーモンの撃破も行ってもらうね。こっちの主力は、トループス級の『刈取の悪魔』だよ」
 彼らは一般人を襲っているが、ディアボロスが戦場にくればこちらを優先する。ディアボロスを無視して一般人を襲うような事はない。そのため特に守る必要はない……むしろ近づくと戦闘に巻き込む危険性すらある。
 とはいえ、避難の声かけ程度はしても良いだろう。
「アークデーモンを排除したら改めて、『フェザートルーパー』を排除してもらうね。で、その後は今回のアヴァタール級、『大天使ウリエル』との戦いになるよ」
 ウリエルはフェザートルーパーに守られているため、基本的にはこの護衛を排除してからの戦いになる。彼女も高い飛行能力を持つので、こちらも飛んで空中戦を繰り広げるか、対空攻撃の方法を用意する事になるだろう。

「大天使は、人々を助けるんじゃなくて、人々を自分の思い通りにしたいだけなんだ。そんな事、許す訳にはいかないよね!」
 ミアは同意を求めるようにディアボロスを見回す。そして深く頷き、満面の笑みを投げかけた。
「だから、キミ達の手で、人々を本当の意味で守ってあげて欲しい! みんなの勝利と帰還を待ってるからね!」

●領空侵犯
「無事、区境を越えましたね。やはり港区の統制は取れていないようです」
 港区・港南地区上空。大天使ウリエルに率いられたフェザートルーパーの軍勢が、品川区からの侵入を果たしていた。
「良いですか。あなた方の目的は、アークデーモンどもを撃破し、人々の侵攻を得る事です」
「「了解しました、ウリエル様」」
 目的の最終確認を行う大天使の軍勢。統制の取れたトルーパーの行動に、ウリエルは満足げに頷く。
「そのためならば、人間の多少の被害は許容しても構いません。アークデーモンの暴虐が人々に伝わるほど、我らへの感謝も増すでしょうから」
「「了解しました、ウリエル様」」
 彼らはやはり、救世主ではない。彼らの救済は、多くの人々を取り零す事だろう。それを許す訳にはいかない。
 まずは、彼らの港区への侵攻を妨害しつつ、別働隊でアークデーモンを撃破するとしよう。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
13
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【狐変身】
1
周囲が、ディアボロスが狐に変身できる世界に変わる。変身した狐は通常の狐の「効果LV倍」までの重量のものを運べるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【フライトドローン】
2
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【託されし願い】
2
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「効果LV×6+18」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【活性治癒】
3
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【建造物分解】
2
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV9 / 【ガードアップ】LV9 / 【反撃アップ】LV3 / 【リザレクション】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV3 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

一二三四五六
 天使は人を救わない。

 ごきげんよう。東京での(多分)空中戦をお届けします。一二三四五六です。

 今回の推奨解決順は、①&②(同時進行)→③→④となります。
 ①はオープニング最終段落の直後から、②はオープニング第一段落の襲撃前から始まる事になります。
 ①がクリアされない場合は大天使が信仰を得てしまい、②がクリアされない場合は人々が虐殺されてしまうので、どちらもしっかり解決していきましょう。
 一応、推奨選択肢順以外での解決も狙えはしますが、採用率は下がります。

 採用人数に制限はしませんので、特に気にせずプレイングをどうぞ。ただし、無条件採用と言う訳ではないです。
 『ダメージを与えられるのはパラドクスだけで、それ以外は基本的に防がれる(ただし『防がせる』事は出来るので、気を引いたりには使える)』『パラドクスは、残留効果と戦闘以外の特殊効果は持たない(リプレイでの演出は使い方次第で格好良くなる)』『アイテムも、過度の特殊な効果は持たない』あたりを踏まえておくと、採用率が上がるかもしれません。
 とは言うものの、不受理になったからと言って誰に迷惑をかける訳でも無いので、結局の所はまあ、難しい事を考えず気楽にどうぞです。

 プレイングの集まり次第ではありますが、最初のリプレイは26日朝までのプレイングを、その後の選択肢はリプレイの上がった翌日の朝までのプレイングを元にして、執筆する予定です。

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしています。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


皐月・桐仁
天使だ悪魔だと大仰に名乗っても、することはシノギの奪い合い……極道のやり方と変わらんな
ならばこちらも、やくざ者の戦い方で相手をしてやろう
俺だけでどうにかできるとは思わんが、後に続く者たちは必ず出る

空を征く大天使の軍勢の前に【飛翔】で立ちはだかって挑発
最大速度で敵の中を飛び回り、戦列を撹乱(可能であれば、技能【一撃離脱】を使用)
挑発しながら、品川区方向へ敵軍を誘導
「どうした。神の御使いを名乗る割には、随分となまくらな羽だな」
「港区どころか、品川区をくれてやるのも勿体ないわ。お前たちが求めていた品川区のシノギ、俺たちが貰い受けるとしよう。……それとも、追いついて止めてみるか?」


姫蜂・ユナ
天使だか天パだか知らねぇが、空は私のホームだ。
外面だけ厚化粧したクソ共に、目一杯上等キメてやるよ。

飛翔し仲間と港区から品川区へ。
出会い頭から【疲れ知らずの猟犬達】による闘気の誘導ミサイルを撃ち込み、躱されたミサイルもその場で発破し敵に存在を誇示。

「邪魔くせぇ、蹴散らして突破(ブッコ)むぞ!!」

以後は(空中戦の技量を活かし)ブースターのオンオフによる緩急や脚部スラスターで小回りの効いた調整・転換を交えた複雑な空中機動で、仲間と連携し敵に囲まれないよう立ち回り、敵の連携を乱す時や仲間が危険な時に適時敵を攻撃しつつ品川区へと近付いていき敵を誘引する。

「こいつは大漁だ、空で『釣り』ってのもアレだがな」


メレディフ・ロレンス
この選択がどれほどのものなのか、私には分かりません。
しかしクロノヴェーダの進行を押し戻すことは
きっとこのディビジョンを救う足がかりとなるはず。
慣れぬ身ではございますが、私にもお力添えをさせて下さいませ。

まずはあの天使を名乗る異形の者達の注意を引けばよろしいのですね。
港区から品川区に近いランドマークといえば品川駅でしょうか。
そちらから品川区方面へ向かって進行しましょう。
【飛翔】して移動すればより注意を集められましょうか。

もし近くに天使がいれば攻撃を。
わざと防がせるように放ち、敵の危機感を煽りましょう。
とはいえ戦うのは本意ではりませんから、
反撃にあってこちらが落ちぬよう、最小限に留めておきます。


露木・ささら
十分な人手はあるっぽい?
まぁ、お仕事の性質上多くて困る。
なんてことはない…ないよね?
ないと信じてお仕事するですよ。
まずは敵の誘導が必要だとか。
なので侵攻を指定した場合に邪魔になるやつを攻撃。
見せかけの侵攻でも戦闘自体はガチだから。
姿を隠しながら浸透し、敵の死角からの強襲を行うのです。
<血宿遺志>で一撃を入れたら即逃走。
態々一人で相手する必要もないのです。
移動しながら適度にかつてきとうーにノコギリ鉈を投げるのです。
ヘイトを稼ぎながら誘導して、仲間と合流。
そして囲んでボコす!
釣り野伏せみたいにできたらいいよね。
因みにこれは戦闘での後退ではなく戦術的な後退。
なのでボク的には全然問題ないっぽい!


 港区・品川駅。私鉄各線がとうに機能を停止し、人の気配のないそのランドマークで、ディアボロス達は大天使の軍勢を見上げる。
「と言うか、品川駅って港区なのよね……本当、紛らわしいわよね」
「時の歩みとその残した歴史とは、興味深いものでございます」
 戦いを前にした姫蜂・ユナ(パラシトイド・g00949)の呟きに、メレディフ・ロレンス(元修道女・g05142)が応じた。
 そう、全くもってややこしいが、ディアボロス達はこの品川『駅』から、品川『区』への牽制を開始する。
「さて……外面だけ厚化粧したクソ共に、目一杯上等キメてやるよ!」
 まず先陣を切って、姫蜂の羽根で飛び上がるのはユナ。被っていた猫を脱ぎ捨て闘志を露わにする。その闘志は小型ミサイルと言う形を取ると、挨拶代わりとばかりに敵陣へと射出された。
「む、悪魔の迎撃……いや、ディアボロスですか!」
 接近を察したウリエルが咄嗟に指示を送り、トルーパー達を散開させた。だが、元より狙いは当てる事より気を引く事、避けられたそれは港南の空で派手に爆ぜる。
「天使だ悪魔だと大仰に名乗っても、することはシノギの奪い合い……極道のやり方と変わらんな」
 それで相手の注目がこちらに集まれば、皐月・桐仁(伏龍・g02927)も彼女達の前に立ちはだかる。暴力団の元組長である彼にとっては、なるほど縄張り争いは馴染み深い。超常の存在への畏敬も……元々大してないが、完全に無くなろうと言うものだ。
「ならばこちらも、やくざ者の戦い方で相手をしてやろう!」
「おうよ。邪魔くせぇしな、蹴散らして突破(ブッコ)むぞ!!」
 桐仁が竜翼を広げて敵陣に飛び込めば、ユナもそれに追随する。種族の見た目はともかく、組長とヤンキー美女の突撃は、空中より路地裏が似合いそうな光景だ。
「迎え撃ちなさい!」
「「はい、ウリエル様!」」
 ともあれそんな彼らに対し、トルーパーは魔力の羽で迎撃を仕掛ける。空中戦特化のトループスと言うだけはあり、狙いは正確だ。
「ぬんっ!!」
 だが桐仁は竜翼をさらに強く羽撃かせ、加速してそれを引き離した。ユナもロケットブースターを噴かせ、航空突撃兵らしい巧みな空中戦を見せていく。
「どうした。神の御使いを名乗る割には、随分となまくらな羽だな。情けない事だ」
「天使だか天パだか知らねぇが、空は私のホームだ。てめぇら如きが着いて来れるかよ!」
 そうして挑発を重ねながら、羽根を回避し、相手の注意を引き付ける。トルーパーも執拗に追撃を図って来るが、容易に落とされる2人ではない。
「面倒ですね。一旦部隊を分け、一方を彼らの迎撃に――」
「きゃっ!」
 それを目障りと見たウリエルは、苛立ちに眉を寄せて、トルーパー達に新たな指示を送り……だがそれを妨害するかのように、飛来した光輪がトルーパーを狙う。
 もちろん、それを放ったのはメレディフだ。光輪はわざと防がせ、敵意を引く事に集中する。
「むっ、まだいましたか……」
「天使を名乗る異形の者達よ。あなた方の思うようにはさせません」
 神を信仰する彼女にとって、大天使の歴史は決して認められない。ましてや、その神の歴史が、彼らに奪われるなど。そんな大天使達の敵意を受けた事を確かめると、彼女は品川区方面へと飛翔する。
「慣れぬ身ではございますが、人々を守る為。さあ、参りましょう」
 追ってくるトルーパー達は風の弾丸を撒き散らして追撃してくるが、それを引き離すように、願いを篭めて加速する。そして、さらにそこへ飛来するのは、無骨なノコギリ鉈。先頭のトルーパーの羽根を裂き、そして回転しながら飛んでいく。
「さて。まずは一発、挨拶代わりですよ」
 飛んだ先はビルの影……そこに潜んでいた露木・ささら(流血の狩人・g02257)が、戻ってきた獲物をキャッチする。見せかけとはいえ相手の敵意を買うため、しっかりと隠密からの奇襲をかけて。
「十分な人手はあるっぽい? ……まぁ、お仕事の性質上、多くて困る事。なんて事はないよね」
「っ、また……次から次へと」
 すぐさま反撃の白翼が飛来するが、ビルを蹴って飛ぶ事で回避する。そのまま敵陣を大きく迂回しながら、メレディフと合流。
「……ないよね? ないと信じるですよ」
「ええ、お力添え、ありがとうございます」
 そして2人でさらに、トルーパーへ鉈や光輪を投げつける。もちろんそれはあくまで、敵意を引くための牽制……反撃が来ると、すぐに後退していく。
「まあ、態々一人や少数で相手をする必要もないのです。てきとうーに相手しながら逃げるですよ」
「ええ、今は戦うのは、本意ではありませんから」
 後退する先はもちろん、品川区側。敵地へと近づきながら、残る2人とも合流する。区境付近で集まったディアボロス達に対し、警戒を強く露わにするウリエル。
「むっ、こちらは……」
「貴様らのようななまくらには、港区どころか、品川区をくれてやるのも勿体ないわ」
 そんな彼女に対して、桐仁は見せつけるように好戦的な笑みを浮かべて挑発する。そして翼を広げると、身を翻して一気に品川区へと加速した。
「お前たちの持つ品川区のシノギ、俺たちが貰い受けるとしよう。……それとも、追いついて止めてみるか?」
「……やむを得ません。ディアボロスの排除を優先します!」
 そもそも4つの【飛翔】が重なれば、その速度も相当なもの……ウリエル達に、悩む事を許さない。大天使の全軍が、品川区へと向かうディアボロス達を追いかけて来る。
「こいつは大漁だ、空で『釣り』ってのもアレだがな」
「まあ陸でも釣り野伏せってのがあるしね。誘導して、合流して、囲んでボコす! みたいにいくですよ」
 そんな大天使達を見ながら、狙い通りの展開に笑みを浮かべるユナとささら。追撃を諦められないように速度を調整しながら、品川区上空へと侵入していく。
「因みにこれは戦闘での後退ではなく戦術的な後退。なのでボク的には全然問題ないっぽい!」
「おう、後でがっつりぶち込んでやるぜ」
 大天使達もそれを追って品川区に入り、戦場がこちら側に移行する。それを確認すると、メレディフは小声で呟いた。
「この選択がどれほどのものなのか、私には分かりませんが……きっとディヴィジョンを救う足がかりとなるはずですよね」
 戦場を品川区に移した事がどれほどの意味を持つのか。それは、彼女だけではない、まだ誰にも分からない。
 選択を未来に連鎖(チェイン)させるためにも、まずはこの戦いに勝利しなければ。

 そのためにまず、別働隊のディアボロスが、港区の人々を助けてくれている筈だが――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV4が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

ティリア・アクティック
まったく。巻き込まれる方はたまったもんじゃないわね。

よし、二面作戦ね。まずは悪魔を倒すわ。
先制して【フォトンカッター】を発動。悪魔がこっちに気づいたら一般人に逃げるよう声で促すわ。
なんかうるさいしカラスちゃんに耳抑えててもらおうかしら。……ちょっと
モフモフしないの。
多数相手だし連携や援護もしていくわよ。

大声だメンチだって粋がってんじゃないわよ。悪魔相手には舐められたら終わりなの。
その偉そうな翼と角なます切りにしてやるわ。


ベアタ・アンシュッツ
みんなのピンチに、いいディアボる天使のベアタちゃん登場☆
天使の奇跡で、悪い悪魔をぶっころ

今日はまだおやつ食べてないから……これ、あげる☆
と敵群へサプライズ☆ギフト投下

無慈悲な質量の裁きを受けるがいい

もし、敵が鎌で斬りかかってきて、一張羅が台無しになったら……逃げるふりして敵を一ヶ所にまとめる計略を使って、高速詠唱、連続魔法、幸運等を活かし、敵群へ再攻撃

さあ、思う存分、バケツプリンの雨を食らうがいい

不意討ちはバックステップ等で回避するけど、スカートを超ミニにされたりしたら、寸胴鍋フルスイングしてぶん殴ってやろうか

今度、寸胴鍋使う新技考えようかな?

いつの間にか、服が袖無し超ミニになってても泣かない


ヒュー・ハルウェル
(人々が逃げ去った後の街路を、肩にスフィンクスを乗せて歩いている。
ふと、道路の中央に女児用の靴が片足落ちていることに気づく。)

...逃げる際に落としてしまったのでしょうか。

(それとも、最早受け取り主のいない忘れ物かもしれない。
それでもヒューは、靴をチーフで包み、トランクに入れた。
未だ上空で下品な笑い声をあげる悪魔を見上げ)

『お嬢様』、いかがいたしましょう。

(行きなさい。と言うように、飛び降りたお嬢様に一礼すると、翼を広げビルを駆け上がる。)

これはこれは失礼。
お楽しみのところへ嘴を入れてしまいましたな。

(勢いに乗せた尾を使って悪魔を薙ぎ払った後、ヒューは慇懃に一礼した。)

(アレンジ、連携歓迎)


ルーク・エリオット
天を仰ぎ見れば石塔(ビル)の群れのみならず悪魔まで舞うとは、トーキョーは恐ろしい所ですね
ですがなればこそ、誉れ高きブリテンが騎士として奮う時ですね

さぁ悪しき魔よ!無辜の民を傷つける事はこの私、ルークが我が正義の槍に掛けて看過致しません!
誉れ高き騎士の名乗りと共に、民へ【避難勧告】を発しましょう
正々堂々名乗りを挙げようと応える悪魔はいないでしょう
されど悪に毅然と、正々堂々立ち向かう騎士の背は、民の希望なれば!
攻撃が返答とあれば、フェアリーシールドで防ぎます
収穫の鎌にその演舞、収穫祭の牧歌の如き斬撃ですね!(褒めてる

だが私は私の正義を貫きましょう!屠竜撃ッ!

※アドリブ&連携歓迎


セシリー・アーヴェンディル
【アドリブ/連携歓迎】
結局、悪魔も天使も人々を軽んじている。
そのような奴等に、一般人を傷付けられるわけにはいかない。
襲われている者と悪魔との間に切り込むぞ。
「私達が助けに来た! もう大丈夫だ。早く安全な場所へ!」

しかし命を助けたことで、私達が崇拝される側になるかもしれんぞ?
いや、冗談だ。崇拝される天使という柄でもない。

「貴様等。ただの宣言で何を偉ぶっている?」
言葉だけの誇示に説得力は無いな。私達はそれを行動で示しているのだ。
増長した悪魔達に光の剣滝で現実をわからせてやろう。


「キキッ!? ナニモノダ!」
「天を仰ぎ見れば石塔(ビル)の群れのみならず悪魔まで舞うとは、トーキョーは恐ろしい所ですね」
 人々を襲う悪魔達の前へ、堂々と立ちふさがるルーク・エリオット(ナイトグローリー・g01843)。現代風のファッションとは裏腹にキングアーサーの騎士である彼は、悪魔達の姿に軽く驚き……だが騎士として、どのような世界でも、どのような敵でも、やるべき事は変わらない。
「さぁ悪しき魔よ! 無辜の民を傷つける事はこの私、ルークが我が正義の槍に掛けて看過致しません!」
 高らかな名乗りと共に、悪魔へと立ちはだかるルーク。同時に【避難勧告】のサイレンが鳴り響れば、人々は悪魔の接近に気づき、慌てて逃げ出していく。
「逃げるならあっちよ! わたし達が守るわ!」
「は、はい、ありがとうございます!」
 そんな人々に対し、ティリア・アクティック(ウィーバー・g04240)も大声で呼びかける。殺すべき人間の逃走に、苛立ちを露わにする悪魔達。
「ディアボロスカ! ジャマヲスルナ!」
「それはこちらの台詞です! 人々の避難の邪魔はさせませんよっ!」
 妨害するディアボロスをまずは排除しようと、彼らはその鎌を振るって襲いかかってくる。ルークはその前に立ちはだかると、盾を掲げた。
「収穫の鎌にその演舞、収穫祭の牧歌の如き斬撃ですね!」
「ギッ!?」
 その盾から発する力場が、鎌の斬撃を受け止める。そのままグッと押し返せば、相手の体勢を崩し――。
「オノレ、バカニスルナ……ガッ!?」
「おや? 褒めたのですが」
 そしてその、隙の出来た土手っ腹へと、突撃槍の一撃を叩き込む。竜をも屠る一撃が、二体の悪魔の腹を、同時に貫いた。
「……いや、褒め言葉にはならないんじゃないかしら」
「ふむ、そうでしたか。難しいものですね……」
 そんな会話に横から突っ込みを入れつつ、杖を掲げるティリア。斧のついた独特の形状のそれから、丸鋸状の光を無数に生み出して。
「まあ、別に褒めてあげる必要もないけどね!」
「ギィィィィッ!?」
 それを回転させながら放ち、悪魔達をズタズタに引き裂いていく。すでに腹を貫かれていた悪魔達はバラバラに裁断されて消滅した。
「キキィッ!! ヨクモ!! コロス! シネ!」
 一方で生き残った悪魔達は、威圧的な金切り声を迸らせる。それはただの声ではない、畏怖をもたらし、正常な判断力を奪う悪魔の宣告だ。
「……うるさいわね」
 だがティリアは、そんな宣告も意に介さない。もっとも単純に、大音量は煩いので、黒翼のオラトリオに狐耳を塞がせる。
「ありがとう、カラスちゃん。……ってちょっとモフモフしないの」
「シネ! シネ! シネェェェェ!!」
 サーヴァントとじゃれ合うその姿に、悪魔は怒り、さらに大声を響かせる。常人がぶつけられれば発狂しそうな、その叫びに対し――彼女はじろり、と悪魔を睨みつけ。
「大声だメンチだって粋がってんじゃないわよ」
「ギィィイッッ!?」
 再び放った光子の刃が、相手の翼と角をなます切りに斬り裂いた。悲鳴を上げて墜落する悪魔を――それこそ『メンチを切る』ほどに――冷たく見下ろす。
「悪魔相手には舐められたら終わりなの」
「ええ、私も悪魔に屈しはしません。私の正義を貫きましょう!」
 対照的にルークは爽やかな笑みを浮かべつつも、その槍は鋭く悪魔を貫く。そうして次々と仕留めていくが、悪魔の数は多く、流石に2人で全員を抑えきれるものではない。
 そうして抑えきれない分は、逃げる人々を追いかけてしまう……が、もちろんこの場に駆けつけたディアボロスもまた、2人だけではなく。
「私達が助けに来た! もう大丈夫だ。早く安全な場所へ!」
「は、はい!」
 悪魔の前に新たに立ちはだかるのは、セシリー・アーヴェンディル(ルクスリア・g02681)。十字の聖剣を構え、悪魔から人々を守らんとする。
 守られた人々は、彼女に頭を下げて逃げていき……それをちらりと見送って、呟きを漏らす。
「しかし命を助けたことで、私達が崇拝される側になるのか? ……いや、崇拝される天使という柄でもないな」
「キィィィ、ジャマ、ダ! ドケ!」
 自分の冗談に肩を竦めるセシリーへ、悪魔達は邪魔された苛立ちをぶつけて来る。視線をそちらに戻すと、改めてしっかりと相手を見据えて。
「ふん、退く訳がないだろう。お前達に、一般人を傷つけさせる訳にはいかない!」
「ナラバ、シネ! コロス! ヤツザキニシテヤル!」
 そんなセシリーに敵意を向ける悪魔達は、耳障りな大音量で悪魔の宣告を繰り出して来る。精神を揺さぶり、心を乱す叫びに対して、彼女は――。
「貴様等。ただの宣言で何を偉ぶっている?」
「ギィィィィィィィッッ!?」
 何ら動じる事なく、聖剣を振り下ろした。聖気の斬撃が悪魔を呑み込み、苦痛の悲鳴を上げさせる。
「オノレ、オノレェ! コロス、ゼッタイニ、コロス!」
「そうはさせないっ! みんなのピンチに、いいディアボる天使のベアタちゃん登場☆」
 ベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)も悪魔へ立ち向かいつつ、可愛くポーズを決める。にこやかな微笑みを浮かべると、手にしたのロッドを天に掲げて。
「ところで、今日はまだおやつ食べてないんだ。だから……これ、あげる☆」
「ギィッ!?」
 その指し示した先に現れるのは、まさかの巨大バケツプリン。甘くて大きな質量兵器が、グシャッと悪魔を押し潰した。
「これぞ天使の奇跡! 無慈悲な質量で悪い悪魔をぶっころ☆」
「ギィィッッ、ナメルナァ!」
 だが悪魔の方も、流石にプリンでは死ねるものかとばかり、その下からなんとか這い出して来た。何やら怒った様子で……まあ当然と言えば当然だが、大鎌で斬りかかってくる。
「コロス!! コロス!!」
「やんっ、ちょっと、一張羅が台無しなんですけどっ!?」
 なんとか飛び退くものの、避けきれなかった斬撃が青い軍師服を裂く。袖を斬り裂かれ、白い腕をむき出しにして抗議するベアタ。まあもちろん、悪魔の方は袖どころか、腕も斬らんとして来るのだが。
「お、おい、大丈夫か?」
「そんなに大丈夫じゃないかも! きゃー!?」
 ついでにスカートも超ミニにされ、顔を真っ赤に染めて悲鳴を上げるベアタ。まあ、肉体へのダメージと言う意味では、紙一重でかわしていると言えなくもないが。
 必死に寸胴鍋を振り回して悪魔を遠ざけようとするその姿は、微妙に余裕のあるように見えて、どうにも助けに入るか微妙に悩むセシリー……に、ちらりと目配せが送られる。
「む……?」
「マップタツニシテヤル!」
 そうして逃げ回るうちに、ついに追い詰められるベアタ。複数の悪魔に囲まれ、一斉に攻撃され、鎌が彼女の身体を切り裂く――。
「それ、どーんっ☆」
「はああああっ!」
 その寸前、巨大プリンと、光の奔流が、一箇所に集まった悪魔達を押し潰し、薙ぎ払い、消滅させた。
「逃げて誘き寄せるまで作戦だった、と言う訳か……だよな?」
「うん、もちろんっ!」
 先程の目配せはその合図……だった筈だが、途中でちょっと自信を無くすセシリー。
 いや、たしかに誘き寄せる所は作戦なのだが……その過程で服を斬られるのは作戦外で、ちょっぴり涙を滲ませるベアタである。

 ともあれそうしたディアボロスによる防衛の甲斐有って、ほとんどの人々は避難を完了した。その、人々が逃げ去った後の街路を、静かに歩くヒュー・ハルウェル(猫狂いの老執事・g04975)
「おや、これは」
 そんな彼が見つけたのは、女児用の小さな靴だ。片足だけのその赤い靴を、チーフで包み拾い上げる。
「……逃げる際に落としてしまったのでしょうか」
 ディアボロスの活躍によって、時先案内の予測は覆った。だから人々に、被害と犠牲はない筈だ。だが、その目で確かめた訳ではない。もしかしたら、あるいは――。
 何より、もしディアボロスがここに介入しなければ、その不安は100%の正解であった筈だ。その事を思いつつ、彼はその忘れ物を、牛革のトランクに放り込んだ。
「キキィィィッ、コロス、コロスゥッ!」
「……『お嬢様』、いかがいたしましょう」
 まだ地上に降りていない何体かの悪魔達が、空中で耳障りに叫んでいる。それを見上げながら、『お嬢様』――肩の上に乗ったスフィンクスに問いかければ、彼女はぴょん、と飛び降りた。
「かしこまりました。では」
 こちらに視線を向ける主に対し、ヒューは優雅に一礼し、翼を広げる。一気に舞い上がるなり、悪魔の肉体を尻尾でしたたかに薙ぎ払った。
「ギィィッッ!?」
「これはこれは失礼。お楽しみのところへ嘴を入れてしまいましたな」
 再び、だが今度は敬意の欠片もなく慇懃に、悪魔達に一礼する。悪魔達は苛立ち、鎌で斬りかかって来て。
「コロス、コロスゥ!」
「さて、殺される訳には参りませんな。お嬢様の命令を、果たさなければなりませんので」
 そんな悪魔に動じる事なく、モーニングコートの乱れを直すヒュー。そうして悪魔と老執事は、空中で激突を開始した。

「ギャアアアッ!!」
「ふぅ。まずは、だが、こんな所か」
 そのしばらく後。最後の一匹の悪魔を光に消し去り、一息をつくセシリー。空の方からも最後の一匹が、尻尾に叩き落されて墜落して来た。
「全く、天使と悪魔の抗争なんて、巻き込まれる方はたまったもんじゃないわね……」
 やれやれ、とため息を漏らすティリア。そう、人々を守る事はできたが、戦いはまだ終わった訳ではない。
 休む事なく、ディアボロス達は次の戦場へと向かう――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV7になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!

「む、また新手のディアボロスですか……」
 品川区上空。港区から新たにこちらに迫る人影を見て、大天使ウリエルは忌々しげに呟いた。もちろんそれは、港区で悪魔と戦っていたディアボロス達だ。
 ディアボロスの特殊能力である『救援機動力』によって駆けつけた彼らの到着は、品川区側のディアボロス達に、悪魔との戦いに勝利した事を伝える。逆に港区から来たディアボロス達も、現在の戦場の位置から、誘導作戦が成功した事を把握出来るだろう。
「全くディアボロスとは、本当に忌々しい……良いですか、必ず奴らを殲滅なさい!」
「「了解しました、ウリエル様」」
 吐き捨てるように言い放ち、配下に命令を下すウリエル。その命令を受けたフェザートルーパーは、ウリエルを守りながらディアボロス達に襲いかかってくる。
 このトルーパーを排除しなければ、ウリエルに攻撃を届かせるのは難しい。彼女達を倒し、この戦場の制空権を確保するのだ!
 
メレディフ・ロレンス
まずは第1段階達成といったところでしょうか。
残留効果のおかげでずいぶん自由に飛べますし、
これなら今の私でも多少はお力添えができるかもしれません。

今回もリングスラッシャーでの攻撃を行います。
各個撃破には向かないパラドクスですので、
後方から戦場をなるべく広く見れるように立ち回りましょう。

もし集中放火を受けているお仲間がいらっしゃれば、
その方に攻撃している敵を狙うように致します。

敵からの攻撃については、地上向けとのことですし、
基本は【飛翔】で空を飛ぶようにすれば良いでしょうか。
それでも当たると吹き飛ばされそうなものですから、
直撃する前に急停止して、その後すぐに体勢を立て直せるようにしたいですね。


セシリー・アーヴェンディル
【アドリブ/連携歓迎】
悪魔が倒された以上、天使に信仰があつまることもないだろう。
だが、今度は天使が実力行使にでるだろうな。
この世界に平和をもたらすため、確実にその暴虐を止めなくては。

パラドクスを上空に放って、敵の弾丸と相殺するぞ。
それで巻き上がった煙を目くらましにして【飛翔】で飛び上がる。
一気に敵の懐に飛び込み斬撃を食らわせてやろう。
「くっ、雑兵といえど集まれば厄介だな」
「空はお前達だけのものではない!」


メルキディア・セデクリエル
これ以上心無い天使の好きになんかさせないッ!

護衛のフェザートルーパーを蹴散らすために、【飛翔】の残留効果を活用させてもらうわ。
まずは高速で【飛翔】して敵群に突撃。
縦横無尽に飛び回りながら刀閃機イオスラッガーですれ違う様に斬りかかり、同時にイグナイト・クラッカーをビーム刀身内に展開。
当たった敵には太刀筋に合わせて起爆させ、空振りでも光の粒子を斬り飛ばして離脱後に起爆させるわ。

先陣を切って後の攻撃につなげるか、皆の攻撃に合わせて自分が繋いでいくかは状況に応じて対処するわ。
反撃のウィンドバレットは輪閃機シルトガーレを念動力制御して最低限の攻撃のみ防ぐつもりよ。

アドリブ・連携大歓迎です


皐月・桐仁
連携・アドリブ歓迎

さて、無事に戦線は動き、準備は整った
鬼ごっこには飽きたか?……安心しろ。貴様らが悪魔と奪い合っているこの東京、本来は俺たちのシマだ
……荒らした以上は、無事で帰れると思うなよ

最大速度の【飛翔】による空中戦
敵の隊列に割り込むなどして撹乱しつつ退路を絶ち、弱った敵から確実に仕留める
回避が困難な場合は【強運の加護】使用

民間人や施設に危害が及びそうな場合はディフェンス
「カタギの者を巻き込むな」先代(おやじ)殿の教えでな


ヒュー・ハルウェル
(トランクを携えたヒュー。青灰色の翼で空を打ち、天使の一団を眺めて顎に手を遣る。)

ふむ、こちらには「白黒つける」という慣用句がございますな。
悪魔が盤上から退いた今、白黒はついたと言えるでしょうが...。

(襟を正し、トランクから取り出した『忘れ物』をモーニングコートのポケットに移す。)

決着がついたなら、盤は仕舞わなければなりませぬ故。
白の皆様にも、片付いていただきましょう。

(提げていたトランクが展開し、大型の銃火器が顕になる。
天使に向けて雨のごとく銃弾が降り注ぎ、その翼を打ち据えた。)


(アドリブ、連携歓迎です。
ポケットから靴が落ちそうになったりするのも良いと思います。)


ルーク・エリオット
翼で巻き起こす嵐とはまた凄まじい!
しかし申し訳ない、私の友、妖精達は斯様な術は物ともしませんとも!
妖精剣の宝鞘より風の妖精を召喚、統制された斬撃にて、展開された術式を破壊しましょう
減じさせればそよ風とまで行かずとも、ただ強いだけの向かい風
逆風に抗うことこそ騎士の誉れなれば!

さて御婦人、レディに槍を向けるは本意ではありませんが、戦場に立つのであれば致し方ありません
我が騎士道にて貫きましょう!
皆々様方に頂いた【飛翔】の力、お借りします!
正々堂々正面突破の突撃にて、いざ参ります。翼のご婦人、お覚悟を!

仕留めた後は、次なる一騎打ちを!
おっと、複数相手でも問題ございませんとも
さぁ、ルークはここに!


乾・玄辰
古今東西、耳障りの良い救済を謳う輩の魂胆など知れたものさ。

新たに制作した『箒星・改』に跨がって【飛翔】
地上を嬲る技には長けているようだが、翼在る者だけが空の支配者とは思わぬ事だ。
戦場の残留効果も利用しながら一気に急上昇して、天使もどき達の頭上を抑えよう。
太陽を背にしながら箒の魔力を変換した【赫の魔弾】を連中の頭上に撃ち込んでやる。

『救世主を騙り救済を囀る偽りの御使い共、我が魔弾で地に墜ちろ』

そして己の手で敵を討つだけが武功ではない。
囮となって仲間の間合いに誘導したり魔弾で牽制して味方の技の範囲に追い込むなど
連携の好機を逃さず活かしながら制空権を維持し続けたいね。


露木・ささら
今度は【飛翔】を最大限に利用した空中戦。
なんだけど…地に足がついてないのはやり難いな。
んー飛ぶことを意識し過ぎるのが良くないのかも。
飛ぶとゆーのは戦闘における手段の一つ。
こう考えるべきなのかもね。
飛翔することで空間を立体的に使える。
重力の軛からもある程度は逃れられる。
これらを利用しない手はないよね!
ビルなんかを蹴って足場とすれば地上に近い感覚に…
やっぱ違うけどやれないことはない。
天彗脚と飛翔を組み合わせた立体機動で攻めるですよ。
敵の側面や頭上を取るように動く。
これで対地攻撃は当たり難いんじゃないかな?
後は密着して戦うとか?
つまり組み付いてでも死ぬまで攻撃する。
きっとこれでイケるイケる!


ティリア・アクティック
おー、おー…飛べる。凄いわ!飛ぶってこんな感じなのね!カラスちゃん!
……っと。楽しんでる場合じゃないわね。今度は天使退治と行きますか!

風を多く使う敵ね。こっちはまだ飛ぶのに慣れてないし不利になる部分も出てくるかもしれないわね。速攻で片付けるしかないか。
速くて風による影響の少ない魔法……雷か。
【サンダーディスチャージ】を高速詠唱で放つわ!焼き鳥にしてやる!
後は連携も密にね!カラスちゃんは飛べるかもしれないけど狐は空を飛ばないの!……あっ!カラスちゃんドヤ顔しない!

黒焦げになりたい奴から来なさい!来ないならこっちからいくわよ!?


姫蜂・ユナ
猿芝居はここまで、楽しい空戦(ケンカ)の時間だ。
火事とケンカは江戸の華、まずは派手にイこうぜ。

残留効果で飛翔し、空中戦の技量活用。
【案山子の飛行隊】で召喚したドローン達を蹴立てての変則挙動で交戦地域中心部を立体的に高速で飛び(跳び)回りつつ、大量の火器を乱射し全周制圧射撃で敵の行動範囲を狭め分断し削り撃ち落とす。

「駆け付け三杯だ、血と羽ブチまけるまで食らってけ!!」

翅と脚部スラスターで姿勢制御しつつ敵の放つ嵐も活用し、風に煽られるドローンを蹴立てて更に変則性を増す。

「いい嵐(カゼ)だ!!」

敵以外の被害が出ぬよう瞬時に判断し都度武器選択。
建物近くの敵は闘気のミサイルを手前で発破し爆風に巻き込む。


「まずは第1段階達成、といったところでしょうか」
「うむ。無事に戦線は動き、準備は整った」
 港区側のディアボロスの接近に気づき、誘導の速度を落とすメレディフ・ロレンス(元修道女・g05142)。皐月・桐仁(伏龍・g02927)も、それによって追いついてくるトルーパー達に向き直る。
「愚かなるディアボロスよ。大天使の支配を受け入れなさい」
「ふん、鬼ごっこには飽きたか? だが貴様らが悪魔と奪い合っているこの東京、本来は俺たちのシマだ」
 ギロリ、と眼光は鋭く。その視線だけで大天使達を射抜かんばかりに睨みつけると、その竜翼を羽撃かせ――。
「……荒らした以上は、無事で帰れると思うなよ」
「くっ、速いっ……!?」
 そこから一気に加速し、最大速度で突進する。限界近くまで重なった【飛翔】の速度は、まさに敵陣を切り裂くが如く。
「猿芝居はここまで、楽しい空戦(ケンカ)の時間だ」
 姫蜂・ユナ(パラシトイド・g00949)もまた笑みと共に、真っ直ぐに敵陣へ突っ込んでいく。ドローンを召喚し、それを足場にする事で、さらに複雑な立体機動を見せて。
「ちょこまかとっ……!?」
「火事とケンカは江戸の華、まずは派手にイこうぜ!」
 相手に狙いを定めさせないまま、敵陣中心へと躍り出る。片手にショットガン、片手にガトリング、ニヤリと笑みを浮かべると、同時にその引き金を引いた。
「駆け付け三杯だ、血と羽ブチまけるまで食らってけ!!」
「きゃあああっ!?」
 一瞬、ユナの身体が爆ぜたのかと思うほどに、乱射される大量の火器。発狂するかの如き弾幕が、トルーパー達に流血を強いる。撃ち続けながら飛び回り、全方位を薙ぎ払えば、それはまるで破壊の化身。
「オラオラッ、たっぷり味わいなぁっ!!」
「くぅぅ……調子に乗らないで下さい!」
 とはいえ、トルーパー達も、制空権特化型は伊達ではない。混乱状態からすぐに立ち直り、その翼を激しくはばたかせる。生じた風は、術式で増幅され嵐となり、さらに複数が組み合わされば大嵐となって。
「さあ、嵐に呑み込まれなさい!」
「うぉっ!?」
 流石にこれは避けきれない。巨大な竜巻の中に呑み込まれ、消えていくユナ。……いや、消えていく、と思いきや。
「はっ、いい嵐(カゼ)だ!!」
「なっ!?」
 脚部の小型スラスターとヒメバチの羽根が、その嵐を巧みに乗りこなす。むしろより変則性を増した飛行機動で、敵にこちらを捉えさせない。
「どうした、こんなもんかぁ!?」
「くぅ……いいえ、まだまだっ!」
 自信のある飛行技術で上を行かれる屈辱は看過出来ないと、トルーパーはその場で強く羽ばたく。羽根の雨が全方位へと撒き散らされれば、ディアボロス達だけではなく、建物にも降り注ぎ――。
「ぬ……むぅんっ!!」
 その軌道に先回りした桐仁が、身を挺してそれを受け止めた。全身を鋭い羽根が細かく裂くが、幸い急所への命中はない。
「カタギの者を巻き込むな……先代(おやじ)殿の教えでな」
「下らぬ拘りですね!」
 そんな桐仁を見れば、トルーパーは再び羽根を撒こうとする。だったら庇い続けろとばかりに、翼をはためかせ――。
「仁義も知らぬか。所詮は外道だな」
「なっ……ごふっ!?」
 再び羽根の雨が降る前に、こちらの身体に刺さった羽根を投げ返す。目を貫かれて怯んだ相手へ、一気に接近……その勢いで、土手っ腹を蹴り飛ばし。
「天までぶっ飛びやがれっ!!」
「あああああっ!?」
 その勢いで建物から離れた大天使を、ユナの闘気のミサイルが粉々に吹き飛ばした。

「逆巻け、ルクスリア!」
「ふんっ、落ちなさいっ!!」
 地上から一気に舞い上がりつつ、その聖剣を振るうセシリー・アーヴェンディル(ルクスリア・g02681)。聖気の斬撃が、トルーパーの放つ風の弾丸と相殺された。生じる爆煙に紛れて一気に接近を試みれば、相手はさらなる上空へと後退する。
「逃さんっ……むっ!?」
「近づかせませんよっ!」
 当然セシリーも追いかける……が、横から別のトルーパーが、風の弾丸で割り込んで来た。こちらも咄嗟に飛び下がって回避するが、間合いが離れてしまう。
「くっ、雑兵といえど集まれば厄介だな」
「空で我らの上を行こうと言う、その傲慢の報いを受けるのです!」
 トルーパー達はそのままこちらに風の弾丸で爆撃を仕掛けようとする。まさに雨のような無数の弾丸は、回避のしようがない、が。
「そうは、させませんっ!」
「っ、くっ!?」
 そんなトルーパーのさらに上空から、降り注ぐ無数の光の輪。メレディフの放ったそれが、トルーパーの攻撃を妨害する。
「所詮ディアボロスが……大天使を見下そうとするなどっ!」
「あなた方は、私の信じる天使ではありません!」
 すぐさま振り向き、こちらへ風の弾丸を放つトルーパー。だが、彼女達のそれはあくまで対地攻撃用の術式。自身より上にいる者への攻撃には適していない。
 無論トルーパーもそれを理解しており、こちらの上を取ろうとして来るが、限界まで積み重なった【飛翔】の速度は相手を遥かに上回る。
「戦う事は、あまり得意ではありませんが……これなら今の私でも多少はお力添えができそうですね」
 それでも慢心せず、慎重に飛び続けるメレディフ。当たればただでは済まないと、自分に言い聞かせて飛び続ける。
 戦場全体を文字通りに広く俯瞰しながら、光輪を放ち続け、風の弾丸を引き離し――。
「そこだっ!」
「っ、がっ!?」
 そうしてメレディフが意識を引いた所で、改めてセシリーが間合いを詰める。接近に慌てて振り向くトルーパーだが、その時にはすでに、セシリーの聖気の斬撃が直接相手を斬り裂いて……一刀両断、真っ二つに別れ、地に落ちていくトルーパー。
「すでに悪魔達は倒れ、お前達の企みは潰えた。大人しく引いたらどうだ!」
「ふん、そんなもの、どうにでも修正出来ます!」
 素早く次の相手に飛びながら、言葉を突きつけるセシリー。だがトルーパー達はどうあれ、退くつもりはないようだ。まあセシリーも、それが聞き届けられるとは思っていない。言葉が届かぬなら、聖剣を届かせるまでと、斬り込んでいく。
「どうかな。古今東西、耳障りの良い救済を謳う輩の魂胆など知れたものさ!」
「むっ!?」
 そしてその戦いの隙を突き、乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)が一気に上空へと駆け昇る。魔法使いの箒を模したデバイスにまたがり、最高速で急上昇し、相手の頭上を取った。
「っ、また、我らの上を……許しませんっ!」
「翼在る者だけが空の支配者とは思わぬ事だ」
 トルーパー達ももちろん、大人しくそれを見てはいない。そんな彼を追いながら、魔力の羽根を飛ばして来る。それを引き離すようにさらに加速して飛び……その箒が放出する魔力噴射は、まるで彗星の尾の如く。
「救世主を騙り救済を囀る、偽りの御使い共。我が魔弾で地に墜ちろ」
「っ!?」
 そのまま太陽を背負うと同時に、彗星は赫い光弾へと変わる。輝きに目が眩んだトルーパー達を、的確に貫く魔弾。
「天使が太陽に目を眩ませるとは。お笑い草だな」
「何をっ……偉そうにっ!」
 玄辰の嘲笑に怒りを露わにするトルーパー。そんな彼女達の上昇を、魔弾で牽制し続ける。相手を仕留める事よりも、上を取らせない事を優先した立ち回りだ。
「己の手で敵を討つだけが武功ではない……そこで俺を見上げているが良いさ」
「不遜な……!」
 それがますます、大天使のプライドを傷つける。だが、強行突破で上を取ろうにも、セシリーやメレディフの攻撃も重なれば、それも許さない。
「空はお前達だけのものではない……お前達の暴虐、ここで断つ!」
「あなた方にこれ以上、好きに飛んで頂く訳にはいきません」
 メレディフの光輪は玄辰の魔弾と合わせてトルーパー達の空に蓋をする。上を取る事も、さりとて下に逃げる事も許さず、空中で動きを止めればセシリーの聖気が敵を断ち切っていく。
「制空権を取る事に特化している……だったか? 口で言うほどには、大したこともないな」
「ディアボロスぅぅっ!」
 飄々と見下す玄辰の言葉に、怒りを露わにするトルーパー達。だがどれほど怒ろうと、彼女達を逃すつもりはない。

「おー、おー…飛べる。凄いわ! 飛ぶってこんな感じなのね! カラスちゃん!」
 【飛翔】の残留効果を存分に堪能し、びゅんびゅんと空を飛び回るティリア・アクティック(ウィーバー・g04240)。追随してくる黒翼のオラトリオへ、キラキラと瞳を輝かせて呼びかける。
「……っと。楽しんでる場合じゃないわね。今度は天使退治と行きますか!」
「倒されるのはそちらの方です、ディアボロス!」
 そんな彼女を見下ろすトルーパー達は、一斉に翼をはためかせ、激しい嵐を発生させてくる。慌てて直撃を避けるが、余波だけでも体勢が崩れ……なんとかバランスを取って、立て直した。
「こっちはまだ飛ぶのに慣れてないのよね……狐は空を飛ばないもの。……あっ、カラスちゃん、ドヤ顔しない!」
 サーヴァントに突っ込みを入れつつも、表情を引き締めるティリア。今のは避けられたが、二度目、三度目はどうか。長期戦は、不利になるばかりだ。
「風による影響の少ない魔法で、速攻で片付けるしかないか。……ならこれねっ!」
「っ……ああああっ!?」
 そんな劣勢を覆すべく、選んだ呪文は雷。杖に蓄えた魔力を放ち、トルーパーへと放出する。直撃を受けた一体から両脇の二体へと、連鎖する放電。
「焼き鳥にしてやる!」
「ふんっ……ならばあなたの方こそ、狐のハンバーグにしてやりましょう!」
 身体を焦がしながらも、怒りに燃えるトルーパー。再びの嵐を起こそうと、翼を左右に大きく広げる。その動きにティリアは身構えて――そして相手の背後に目をやって。
「あら?」
「ふん、何を、そんな手に……んぐっ!?」
 その、背後に音もなく忍び寄っていたのは、露木・ささら(流血の狩人・g02257)だ。気配を消して高速で近づき、背中を鉈で斬りつける。斬られた相手は風の弾丸での反撃を図るが、雷の痺れがまだ残っているせいで反応が鈍く……そんな隙を逃すささらではない。
「取ったっ!」
「ぎっ!?」
 斬りつけた場所に貫手を突き立て、心臓を深々と貫き通す。例え大天使と言えど、身体構造も、急所の位置もそう変わらない……地に落ちていく相手の身体を蹴り、巻き込まれないように離脱する。
「まず一匹……なんだけど、やっぱり地に足についてないのはやり難いなー」
 ささらもまた、飛ぶのには慣れていない方だ。と言うより、どうにも足元が落ち着かない。ビルの屋上に着地し、上空を見上げる。
「んー、飛ぶ事を意識しすぎるのが良くないのかも。戦闘における手段の一つ……こう考えるべきかも!」
 飛翔すると言うより、跳躍するような意識で。屋上を蹴ると、隣のビルへと跳んでみる。かなりの距離だが、当然落ちる事はない。
「うん。これなら地上に近い感覚で……んー、やっぱ違うけど、やれない事はない!」
 と言う事で高い『跳躍』で、相手に飛び掛かっていくささら。そしてそんな空中での戦闘を、顎に手をやりながら見上げるヒュー・ハルウェル(猫狂いの老執事・g04975)。青灰色の翼で空を打ち、屋上付近に滞空する。
「こちらには『白黒つける』という慣用句がございますな。悪魔が盤上から退いた今、白黒はついたと言えるでしょうが」
 そっと襟を正すと、先程拾った『忘れ物』を、トランクからモーニングのポケットへ移す。そしてトランクの方は、無造作に前に突き出して。
「決着がついたなら、盤は仕舞わなければなりませぬ故――」
 それをおもむろに展開すれば、中に仕込まれていたのは大型の銃火器。発射された砲弾は、弧を描いて大天使の方へと飛んでいく。
「――白の皆様にも、片付いていただきましょう」
「っ!? きゃあっ!?」
 そしてそれは、違わず相手の翼に直撃する。衝撃に大きく体勢を崩すトルーパー。なんとか体勢を立て直すが、そこにささらが飛びつき、組み付いて。
「っ、くっ、離しなさいっ!」
「こうして密着すれば、飛ぶのが苦手でも関係ないのです!」
 相手は激しく暴れ、風の弾丸を放って振り払おうとする。だが、この距離では、威力は十全ではない。衝撃に耐えた幼き狩人はしっかりと相手に張り付いて離れず。
「あとは死ぬまで攻撃する。これでイケるイケる!」
「っ、ぐぅぅっっ!?」
 先程砲弾を撃ち込まれた翼の根本に、貫手を突き刺し、深々と身体を抉った。最後はその身体を蹴落としながら、再び跳躍して離脱していく。
「っ、くっ……よくもっ!」
 残りの天使達は、苛立ちを露わにしながらディアボロス達を睨みつける。もちろんその敵意は、少し離れた位置のヒューにも向けられた。急降下と共に、羽根の雨を降らせて来る。
「むっ……!?」
 咄嗟に竜翼を羽撃かせ、それを回避していくヒュー。だが、わずかに避け切れず、モーニングコートの一部が裂ける。ポケットも破けてしまうと、先程中に入れた小さな靴がぽろりと零れ落ちた。慌てて手をのばすが、そこに追撃の羽根が――。
「ぎゃっ!?」
 放たれるより早く、ティリアの放つ雷が降り注いだ。先程の砲弾で傷ついていた事もあり、そのまま墜落するトルーパー。
「ふぅ。お手を取らせましたな。感謝致します」
「気にしない気にしない。ほら、黒焦げになりたい奴から来なさい!」
 靴を改めてその手に収め、ほっと胸を撫で下ろすと、優雅に一礼するヒュー。ティリアはその謝礼を軽く受け流し、トルーパー達を威嚇……と言うよりは、かかって来ずとも雷を放っていき。
「ふむ、では私も、お礼はあちらに致しましょうか」
 それを見て頷いたヒューも、返礼の砲弾をトランクから撃ち出していく。

「これ以上、心無い天使の好きになんかさせないッ!」
 その身に大天使の力を宿しながら、正しき心を胸に敵陣へと飛翔するメルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)。
「心などと……下らぬ戯言を!」
「それを戯言と言うあなた達に、負けはしないわっ!!」
 トルーパーは風の弾丸でそれを迎え撃ってくるが、縦横無尽の飛翔でそれを回避する。避けきれぬ最小限は円形の閃機で弾きながら一気に相手へと肉薄し、すれ違い様の光線剣が相手の身体を打ち据えて。
「ぐっ……そのような玩具など!」
「それはどうかしら……っ!?」
 もちろんただそれだけでは、大天使相手には不足。だがその刀身の内部で、光の粒子が荒れ狂い――。
「これなら、どうっ!」
「っ、あああっ!?」
 起爆すれば強い衝撃と共に、爆発がトルーパーを吹き飛ばす。さらにその速度を逃さず、後ろにいる大天使も一緒に斬り抜いた。
「玩具も、悪くないでしょう?」
「くっ、よくもっ……!?」
 吹き飛ばされた者を庇うように、また別のトルーパーが前に出る。その翼をはためかせ、激しい嵐を巻き起こした。それによってディアボロスを遠ざけようとして来るが……その嵐へと、ルーク・エリオット(ナイトグローリー・g01843)が飛び込んでいく。
「翼で巻き起こす嵐とはまた凄まじい! しかし申し訳ない、私の友、妖精達は斯様な術は物ともしませんとも!」
 妖精の力を借り、真っ向からの突破を図るルーク。激しい嵐にその身を晒されながら、構う事なく前へと突き進む。荒れ狂う風も物ともしない……訳では、もちろんないが。
「くっ、何故止まらない……!」
「逆風に抗うことこそ騎士の誉れなれば!」
 それでも不屈の誇りと勇気が決して退く事はない。限界まで重なった【飛翔】の速度にも背を押され、強行突破で、ついには嵐を突破する。
「さて、レディに槍を向けるは本意ではありませんが……戦場に立つのであれば、我が騎士道にて貫きましょう!」
「騎士道など、戯言を……!」
 高らかな宣言を切って捨てると、トルーパーは再度、翼をはためかせる。二度目の嵐で、ルークを呑み込もうと言うのだ。だが当然、それを待つつもりなどなく。
「では、翼のご婦人。お覚悟を!」
「……がっ!」
 宣言の通りにその槍が、大天使の肉体を深く貫いた。呻きと共にずるりと崩れ落ち、墜落していくトルーパー。
「さあ、次なる一騎打ちを!」
「何、をっ、どこまでもふざけたっ!」
 もちろん相手は、一騎打ちなどしてくれる筈もない。複数の相手が迫って来る。だがルークは動じる事なく、槍を構え。
「おっと、複数相手でも問題ございませんとも。さぁ、ルークはここに!」
「いやいや、あんまり無理しない方が良いわよ!」
 そんな彼のフォローに回るように、メルキディアが翼をはためかせる。光の粒子を刀身内に再び溜め込みながら、迫り来るトルーパーの一人に斬りかかった。
「ふむ、ご婦人の手を煩わせるのは申し訳ないですが……ご助力を断るのも失礼ですね!」
「ええ、じゃあ、一気に片付けるわよっ!」
 ルークは真っ向から槍を手に突撃すれば、その隙を埋めるように閃機を振るうメルキディア。振るわれた刃から光の粒子を飛ばすと、大天使を爆撃によって撃ち落としていく。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV10になった!
【フライトドローン】LV2が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV6になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV7になった!
【ダブル】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

「なんと言う事でしょう……」
 そうして全てのトルーパーが、ディアボロス達の手によって殲滅された。その光景を、鋭くも苛立たしげな視線で見下ろして来る大天使サリエル。
「ディアボロス……忌々しい反逆者ども。本当に、許し難い存在です。最初から、ワタシが手ずから葬るべきでした」
 残す敵は彼女1人……だがこの大天使はおそらく、今日戦った全ての悪魔とトルーパーを束ねたよりも強い。
 背丈ほどもある槍を、まるでその手の延長線のように自在に扱い、こちらに殺気を向けてくる。
「さあ……罪人よ。我が裁きをその身に受けなさい!」
 だが、この傲慢なる審判者を討ち果たさぬ限り、この戦いに勝利はない。偽りの救世主に、この手で引導を渡すのだ――!
ベアタ・アンシュッツ
これがアニメなら、次のお話に入ると服も元通りに……なってないですしお寿司
これもエセ天使、お前らのせいだ

【飛翔】で敵の攻撃を回避しつつ、隙をみてアイスハープーンを敵に叩き込む
攻撃の際は、高速詠唱、連続魔法で攻撃機会を増やすように

敵の槍がしつこく追ってくるなら、焦って逃げ回るように見せつつ(計略)、槍を引き連れて敵に急降下
敵にぶつかる直前に、急旋回して槍を持ち主にお返ししますね☆

敵が焦って隙ができたら、再攻撃して【水源】でできた水場に敵を叩き落としてみる
うまく落っこちたら、プライド傷つけて激おこプンプンなところを、仲間にフルボッコして貰おう

天使モドキが、マジ天使なベアタちゃんに勝てる訳無いんですよ


アリテラエル・ナツキ
人の子を害する「偽天」は排除する、それが人の子を守護する騎士天使である私の役目だ覚悟するんだな!

【ガードアップ】【反撃アップ】があるため狙うは反撃といくとするか。
相手の●裁きの槍は防御を貫いてくるそうだな。あえてそれを盾で受けて槍と相手の動きを制限した状態から反撃の●エンジェリックナックルでカウンターだ!汝ごとき我が聖槍を用いることもない、この拳を喰らえ!

(アドリブ・絡み大歓迎です)


藤宮・瑠璃
アークデーモンの虐殺から東京の人々を守ってくれるのは嬉しいですが…力の誇示による信仰の獲得…。
それは本当の信仰ですかね?
ただ単に力を恐れて逆らえなくしてるだけじゃねえですかね。
残念ですが過ぎたる力は恐怖しか産まねえですよ。
槍による攻撃は防御をも貫通しますし距離をとっても投擲攻撃で逃げ場はねえですか…なら、小細工は不要ですね。
接近してゼロ距離で砲を打ち込むだけです。
皆さんの残してくれた残響効果…飛翔を利用して相手の槍の間合いの内に接近してデストロイスマッシュをぶち込みます。
デストロイスマッシュは格闘術により牽制を行なった後砲によるゼロ距離射撃に破壊の念動力を乗せて行います。


皐月・桐仁
連携・アドリブ歓迎
残留効果2は全て使用

これで、残すはあの大天使ひとりか
このシマも人の命も、貴様らには何一つ渡さん
カタギの皆は無論だが、俺たちも必ずや無事で帰ろう

それにしても、あの投げ槍は忌々しいな
だが、直に一発入れてやりたそうな仲間も多い
ここはやくざ者らしく、汚れ仕事に回るとするか

人間大の物体(瓦礫・トルーパーの遺骸など)を乗せた【フライトドローン】を、敵の視界や槍の軌道に割り込ませて妨害
攻撃直後など、敵が隙を見せたら【パラドクス通信】で仲間に合図
同時に【トラップ生成】による罠で、敵をその場に拘束

自分の攻撃は、仲間の攻撃に繋げる陽動に
【強運の加護】【託されし願い】は仲間へのディフェンスに使用


メルキディア・セデクリエル
ならばこちらは正義の天使の名を継いだ者として貴女を討つわ。神の炎の名を騙る天使!

投げつけてきた【輝きの槍】に追われながらフリューゲルソーサーを翼から展開して断続的に槍に当てる。
多少動きが鈍ったらソーサーを同時に動かしてピンポイントで槍を切り裂いてあげるわ。

出来ればナツキさんのカウンターに合わせるように追撃したいわね。
フリューゲルソーサーを重ねて輪の中心にイオスラッガーの刀身を通して制御をリンク。パラドクス効果を持った即席のビーム丸鋸にしてウリエルに叩き込む。
翼の戦輪を纏った光の刃で斬り散らしてあげるわ!

連携・アドリブ大歓迎です


白石・明日香
・・・・お前ホント誰?
残留効果【飛翔】と【強運の加護】及び効果2すべて使用。
加護に身を任せながら全力で飛んで敵に接近、槍は直撃するわけにはいかないので周辺の建物を盾にしたり軌道を見切って回避。
間合いに入ったら早業、呪詛、捨て身の一撃で叩き切る!

・・・お前オレの事知っているのか?


乾・玄辰
己が罪に無自覚な者ほど他者の罪を責めるのは、人も天使もどきも同じか。
実に滑稽だな。

とは言え容易ならざる相手なのは承知。
全ての【残留効果】と多数の強みを活かし翻弄したい。
牽制と口上で心を攻め立て、それに相手が苛立ち無闇に技を放てばしめたもの。
俺のみならず誰か攻撃の好機を見出だせるかもしれない。

貴様にとって魔法使いなど異端の極みだろう?
裁けるものなら裁いてみろよ、死を司る御使いの僭称者。

ウリエルの槍が放たれるならば全身全霊の【試製・蒼の魔弾】で迎撃。
胸元に忍ばせた【壊れた起動札】を握り締め【情熱】を秘めた誓約の言葉を紡ぐ。
起動『イグニッション』

俺が目指す最強の魔法を以て、貴様の舞う偽りの天を穿つ。


姫蜂・ユナ
クソ天使共の親玉らしく、こんな状況でもお高くとまってやがるぜ。
ならその厚化粧ベッタベタの外面、「ゼロ距離射撃」でカチ割ってやる。

最高速で飛翔し【ダイブアンドズーム】。
脚部スラスターと翅で位置調整し、急降下突撃で打突時に徹甲杭を撃ち込む爆撃槌の「ゼロ距離射撃」を叩き込み一撃離脱。
徹甲杭は都度再装填。
攻撃時は仲間の作ってくれた隙を突き死角から仕掛ける。

「地獄(ブタバコ)に、堕天(オ)ちやがれ!!」

反撃時は(空中戦の技量を活かし)降り注ぐ光の間を縫うように回避機動しつつ急上昇後、宙返りで反転し降り注ぐ光に紛れつつ敵の真上から急降下突撃。

「空戦(ケンカ)の勝機ってのは、死地(ピンチ)の先にあるんだぜ」


メレディフ・ロレンス
あるいは降伏してくれたならとも思いましたが、あの様子では……。
戦う以外に道が無いのならば……せめて祈りましょう。
この選択が、本当に正しいかったのだと言える日が来ることを。

引き続き【飛翔】した上で戦闘を。
1人相手では私の攻撃では分が悪いので、せめて敵の撹乱を狙いましょう。
さしものクロノヴェーダと言えど、
背中に目が有るわけではないでしょうから、
最大速度で敵の背後に回るようにして、死角から攻撃を加えます。

敵の攻撃はどうあってもかわせそうにありませんので、
【ガードアップ】を発揮して手足で体を守りつつ、あえて受けてみます。
少しなら痛いのも大丈夫ですから、その間に皆様に攻撃を仕掛けて頂ければと。


ヒュー・ハルウェル
なんと素晴らしい飛行速度、さすがはクイーンといったところですな。

(激しい攻防戦を見上げて、妙なところで感心している。)

あれほどの鍔迫り合いの中、私の武器を用いるのは些か博打が過ぎましょう。
お嬢様、申し訳ございません。

(ヒューの肩から飛び立つお嬢様。目が妖しく輝き、大天使を睨めつける。ほんの一瞬だが、隙は作ることができるだろう。)

忝のうございます。

(お嬢様に一礼する。
ポケットの赤い靴に触れ、戦いの行方をじっと見守る。
仲間と、『忘れ物』の主の無事を祈って。)

(アドリブ、連携歓迎です。)


セシリー・アーヴェンディル
【アドリブ/連携歓迎】
人々の命を軽んじるその姿、私には先ほどの悪魔達と同じにしか見えんな。
「罪人? それは貴様の事だろう。私の浄光をもって貴様を断罪してやろう!」

【飛翔】によって三次元的な戦闘を仕掛ける。高速で飛行し敵をかく乱しながら戦うのだ。
だが敵は手練れだ。高速で飛行したとして槍の一撃をかわすのは紙一重だろう。
纏が破れる程度、気にしてはいられないな。

空中戦の要はいかに相手よりも上をとれるかだ。
敵を武器を交えつつ、さらに上へと飛翔する。
太陽を背にすれば、その光の眩みで隙を作れるはずだ。
そのまま渾身の一撃を振り下ろすぞ。
「断て! ルクスリア!」


ティリア・アクティック
ちゃんと天使っぽい見た目の奴が出てきたわ。一石二鳥を狙う欲張りな所は悪魔と大して変わらないみたいだけれど。

変わらず【飛翔】で飛び回って戦うわ。
追尾系の攻撃ね。こういうのは上手く惹き付けて避けるか追ってくる挙動を利用して相手にぶつけるとかだけど……
うん。相手にぶつけてみましょうか。攻撃を誘導しながら相手に突撃、いいタイミングで【サンドブラスト】を発動。目つぶしを試みるわ。
後はすり抜けて相手を巻き込む。他の人が追われてたら援護もするわよ。

天使の思惑に塗れ人間を顧みない悪魔との戦いは第3勢力によって鎮圧された……ってとこかしら。スケールが小さい気もするけど。
これも歴史の一つよね。


ルーク・エリオット
大天使殿、人の和にて挑むご無礼をお許しを
なれど束ねた力こそが我ら人間の、ディアボロスの力なれば!

【託されし願い】の前に、折れる訳には参りません
私の血と大天使殿の尊き血は等価に非ず
故に傷などいくら負おうとも厭いませんとも
掠り傷与えて一滴流すだけでも、人の身には余る行為
されど騎士の誇りに懸けて!
天使殺しの不敬を行いましょうとも!
※騎士として神や天使への信仰は持つも、好敵手として立ち向かう

神の使いに矛を向けようとも、我が貫く正義に曇りなし!
罪あらばこの身潰えましょうが、罪なくば我が槍が大天使殿へ一矢報いましょう
さぁ大天使殿、どうぞご裁断を!(正々堂々という不遜で挑発
※騎士の誇りを貶める事には怒り


露木・ささら
んーまだ飛ぶことに慣れないよね。
アヴァタール級が相手だとちょっとマズいかも?
やっぱり蹴って跳ぶことをつかっていかないとね。
幸いなことにドローンがある。
これを足場にすればより複雑な立体機動を行える。
まぁ、地上とは違う武器の振い方が必要になるけど。
武器を振るうというよりは速度を活かして削ぐのがいいかな?
ノコギリ形態で削いでいくですよ。
防御できない攻撃です?
元々回避主体の立ち回りなので関係ないっぽい!
それにくらっても<流血死闘>で生きる力を取り戻せばいい。
狩りは流血と共にあるのだから。
恐れることなく進み、踏み込んで戦う。
活路は死中に、そして前にしかないもの。
ささらの狩りを知るがいい、なんてね。


「罪人? それは貴様の事だろう」
 サリエルの言葉に対し、毅然とした態度で言い返すセシリー・アーヴェンディル(ルクスリア・g02681)。全速の飛翔で、一気に接近を仕掛ける。
「私の浄光をもって貴様を断罪してやろう!」
「ワタシを断罪すると言いましたか、ディアボロスッ!」
 対するサリエルはその槍を振るい、セシリーを迎え撃つ。その突きは神速の一言、容易には間合いに踏み込めず……ならばと素早く方向転換し、相手の上を取ろうとする。
「ああ、人々の命を軽んじるその姿、私には先ほどの悪魔達と同じにしか見えんっ!」
「それの何が問題なのですかっ!」
 クロノヴェーダにとって、人を虐げる事は罪でもなんでもない。そんな言葉と共に、相手はその上昇を追って来た。繰り出される槍を聖剣で受け止め、そのまま連続で切り結ぶ。
「人の子は所詮、我らに導かれるだけの存在です!」
「その傲慢こそ、貴様の大罪だっ!」
 三次元を活かした戦闘で相手の撹乱を図るセシリー。だがサリエルはその機敏さにも、巧みに追随してくる。加えて、その槍の鋭さと苛烈さ……聖剣で防げばそれごと持っていかれそうな威力に、仕掛ける好機をなかなか掴めない。
「さあ、このまま貫いて……むっ!」
「だったらボクの方からも、いくですよ!」
 そんな状態の2人を、下から追いかける露木・ささら(流血の狩人・g02257)。相変わらず飛ぶことには慣れないが、飛び回る【フライトドローン】を足場に、立体機動を仕掛けていく。先程同様に、それで速くなる訳ではないが、『飛ぶ』感覚を『跳ぶ』に切り替えるだけでも、彼にとっては戦いやすい。
「アヴァタール級相手でも、これなら多分なんとかなるっぽいっ!」
「むぅっ、ちょこまかと……!」
 さしものサリエルも2人がかりで撹乱すれば、苛立ちを露わにし始める。間合いを取ろうとしてくるが、それを逃さず追いかけるささら。逆にセシリーは敢えて追わず、一気に急上昇。
「貴様の傲慢、これで断ち切るッ!」
「っ、ちっ、小賢しいっ!?」
 そしてすぐさま、太陽を背にしての急降下。光で相手の目を晦ませ、一気に斬りかかろうとする。サリエルは眩さに目を細めつつ、影を頼りに迎え撃とうとして来て。
「やらせないですよっ!」
「っ、ふんっ、ならばっ!」
 だが、太陽光の対処に気を取られたサリエルの隙を逃さず、ささらも同時に踏み込んでいく。ドローンを蹴っての急接近。
 それに対してサリエルは、咄嗟の反撃を仕掛けて来た。『跳ぶ』意識では、そのカウンターは避けられない。
「活路は……ぐっ、死中にっ!!」
「っ、ぐぅぅっ!?」
 けれども、それに怯む事はない。身体を捻って急所への直撃を回避する。肩口を裂かれ血を流しながらも、構わずノコギリ鉈を振るう……いや、速度を活かし、相手の肉を削ぎ取る。
 さしもの大天使も、血を流して怯み、そこへ、セシリーの降下。
「断て! ルクスリア!」
「があああっ!? くっ、よくも、ワタシに傷を……!」
 聖気を纏った斬撃を、直接サリエルに振り下ろす。速度を乗せた渾身の斬撃が、サリエルに深い傷を刻みつけた。
「まず、一撃だ。……大丈夫か?」
「狩りは、流血と共にあるものですよ」
 そのまま反撃に備えて下がりながら、先程槍を受けたささらを気遣うセシリー。それにささらは笑みを浮かべ、その身に浴びた返り血を右手でなぞる。
「ささらの狩りを知るがいい、なんてね」
「調子に、乗らない事ですっ!」
 サリエルは怒りの表情を浮かべると、手にした槍を投擲してくる。防御を許さないその槍は、もはや武器と言うより兵器に近い。投げてもすぐに手元に戻り、投擲後の隙も見当たらない。
「残すはあの大天使……だがあの投げ槍、忌々しいな」
 そんな姿を見せられ、皐月・桐仁(伏龍・g02927)は唸り声を漏らす。この状況で大天使に近づいて攻撃を通すのは、容易ではなさそうだ。
「ここはやくざ者らしく、汚れ仕事に回るとするか」
 それを踏まえた上でなお、竜翼をはためかせて接近する。一定の距離まで接近すると、サリエルはこちらに視線と、投擲の狙いを向けて来た。
「おや、あなたも貫かれたいのですか!」
「ふん、馬鹿な事を言う。このシマも人の命も、貴様らには何一つ渡さん」
 後退して逃れようとする桐仁、だが投げられた槍は彼の飛行速度よりも速い。彼我の距離がぐんぐんと縮まり、そのまま貫かれそうに――。
「無論、カタギの命だけではない。俺たちも必ずや無事で帰ってみせようっ!」
「むっ……!?」
 その寸前、ドローンに引っかかったトルーパーの死体を、槍と自身との間に割り込ませる。もちろんその程度の遮蔽は貫通されてしまうが、速度は僅かに落ちて。
「そこだっ!」
「っ、ぐっ!?」
 その隙を逃さず、ドローンの影から飛び出し、太刀を真っ直ぐに構えてサリエルへと飛びかかった。攻撃すると言うよりは身体を密着させ、相手の動きを妨害するように。
「っ、この、離れなさいっ!」
「そうはいかん。直に一発入れてやりたそうな仲間も多いのでな……!」
 そんな彼の言葉通りに、藤宮・瑠璃(デーモンのデストロイヤー・g05126)がサリエルへと突き進む。特殊金属製の篭手を両手に嵌め、真っ向からの突撃。
「その槍に逃げ場はねえようですね……だったら小細工は不要っ!」
「ふん、分かっているではないですか、ワタシの槍に逃げ場などないとっ!」
 対するサリエルは手元に槍を引き戻し、それを瑠璃に投擲し直そうとする。桐仁に密着されながらも、強引に振りかぶり。
「ならば、作れば良いだけだ!」
「なっ!?」
 投げ放たれるその軌道に、桐仁は自身の手を割り込ませた。貫かれ、血が噴き出すが、これで瑠璃に槍は届かない。
「感謝するですよ、借りた分はその大天使に返しときますねっ!」
「くぅ、このっ!?」
 そして、離れた桐仁に代わり、一気に懐に潜り込んだ瑠璃が、拳を放っていく。サリエルは両腕でそれを防いでくるが、構わず連撃――小柄な身体に似合わぬ怪力と、強靱な篭手の破壊力は、ガードの上からでも相手を揺さぶり。
「そんでもってこいつを……ぶち込んでやるですよっ!」
「が、はぁっ!?」
 そこにトドメのパラドクス。短砲身の榴弾砲で、サリエルの肉体に零距離射撃を叩き付けた。デストロイヤーの衝動を篭めた破壊の念動力が、大天使の肉体を揺らがせる。
「ぐっ……よくもっ……どこまでも我らの邪魔をしますね、ディアボロスッ!」
「ま、確かにアークデーモンの虐殺から東京の人々を守ってくれるのは嬉しいですが……それは本当の信仰ですかね?」
 血を流し、傷口を抑えながら、こちらを憎々しげに睨みつけるサリエル。そんな相手を瑠璃は、じっと真っ直ぐに見つめて問いかける。
「ただ単に力を恐れて逆らえなくしてるだけじゃねえですかね? 残念ですが過ぎたる力は恐怖しか産まねえですよ」
「どうでしょう、人の子など所詮、強き者に靡き、従うだけでしょう?」
 そんな言葉に対し、サリエルは冷たく応える。どれほど神々しい姿の大天使であろうとも、その本質はどこまでも歴史侵略者(クロノヴェーダ)でしかなく。
「それに、恐怖……何が悪いのですか。あなた方ディアボロスにも、我が力で恐怖を刻んであげましょう!」
 槍を手元に引き戻し、健在を示すように白翼を広げるサリエル。堂々と言い放つその大天使に対し……怪訝な表情を浮かべて問いかけるのは、白石・明日香(体亡き者・g02194)。
「……お前、ホント誰?」
「は? 何を言っているのです?」
 その質問の意図が分からないのか、サリエルもまた怪訝そうに眉を寄せる。互いに疑問を投げ合う形となるが……実の所問いかけた明日香自身も、自分の問いの意味を理解している訳ではない。
 それもその筈、彼女はかつての戦いで、過去の記憶を失っている。この問いかけも、サリエルの姿に頭の奥が刺激されて、思わず口をついたものだ。
「……お前、オレの事知っているのか?」
「知る筈もないでしょう、ディアボロス」
 もっともサリエルの方は、全く心当たりがないようだが。結局の所、目の前の相手は所詮、アヴァタール(ぶんしん)に過ぎない……明日香とサリエルに因縁があったとしても、それを知る事はない。
「下らぬ問いはここまでですか。ならばあなたにも裁きを与えましょう!」
「ちっ……!!」
 これ以上を問うなら、クロノス(ほんたい)を探さねば意味はあるまい。舌打ちと共に、繰り出された槍から間合いを取る明日香。
「ええい、エセ天使、お前らのせいだ!」
 それに代わって間合いを詰めるのは、ベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)だ。サリエルにロッドを突き付けて、少し涙目で睨みつける。
「もちろん私の服が元通りになってない事ですしお寿司! これがアニメなら次のお話に入ると、戻ってる筈なのに!」
「何を……意味の分からない事をっ!」
 サリエルはそんな彼女の言葉に困惑の表情を浮かべ、こちらを黙らせようとばかりに槍を投げつけて来る。慌てて白翼をはためかせ、それを回避するベアタ……だが、槍は方向転換し、そんな彼女を追いかけて来た。
「はわわっ!? ちょっと!?」
「大天使の裁きから、逃れられるとでも思いましたかっ!」
 どれほど逃げても逃げられず、こちらを追尾してくる槍。しかもその速さは、こちらが飛ぶよりも速い。どんどん背中に迫るその槍の切っ先に、表情を引き攣らせて。
「……と、思わせといて。お返ししますねっ☆」
「むっ!?」
 だが、そんな彼女が選んだ逃走経路は、相手への肉薄。こちらを追わせながら一気に迫ると、直前で急旋回する。追って来た槍はサリエルの目の前を通過して……反射的に、それを掴んでしまうサリエル。
「でもって、こうですっ!!」
「っ……ぐぅぅっ!!?」
 それによってこちらを追う攻撃がなくなったベアタは、巨大な氷塊を生み出し、振り下ろした。大質量を叩き込めば、大天使はその衝撃に呻きを漏らす。
「これでぺっちゃんこにして叩き落としてやりますよっ!」
「っ、ふざけた、真似をっ! ……っ!?」
 骨を軋ませながら、力でその氷塊を横へと逸らすサリエル。だが、氷塊が退いたそこに迫るのは、先程退いた明日香。
「このまま、叩き切るっ!」
「ぐぅっっ!?」
 氷塊の陰から接近していた彼女は、一気に双剣を振り下ろす。質問に答えられないならもはや用済みだとばかり、呪詛を篭めた一撃が、大天使を斬り裂いた。
「ふふん、天使モドキが、マジ天使なベアタちゃんに勝てる訳無いんですよ!」
「何を、大天使のもどきは貴女でしょう、なり損ないがっ!」
 挑発的なベアタの言葉に、サリエルは苛立ちを露わにする。それをメルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)は、鋭い視線で見下ろした。
「いいえ、やはり偽物はあなたよ、神の炎の名を騙る天使!」
「騙っているのはあなたでしょうっ! 正義は我ら、品川の大天使にあり!」
 その挑発を睨みつけ、槍を投じてくるサリエル。後退するメルキディアを、どこまでも追尾してくる。全速力で逃げるメルキディアの翼から、白い羽根が舞い落ちて。
「正義を騙ると言うのなら……正義の天使の名を継いだ者として、貴女を討つわ!」
 その羽根は4つの光輪へと変化し、迫り来る槍へとぶつかっていく。弾かれても次々とぶつけ、槍の速度を鈍らせて。
「切り裂いてあげるっ!」
「むぅっ!?」
 ダメ押しに4つ同時にぶつければ、壊す事こそ出来ないものの、大きく弾き飛ばす。慌ててその槍を引き戻そうとするサリエル……そこにアリテラエル・ナツキ(騎士天使・g04112)が突撃を仕掛ける。
「人の子を害する『偽天』は、排除する!」
「くっ、誰も、彼も、なり損ないが好き勝手に……!」
 その偽天呼ばわりに苛立ちを隠さぬまま、サリエルは槍を引き戻しその手に握り直す。と同時に、目前に迫るこちらへ、咄嗟に槍を突き出してきた。
 それに対して大盾を突き出すが、裁きの槍はいかなる防御も許さない……容易く貫通されてしまって。
「ふんっ、所詮偽天使はそちら……っ!?」
「なるほど。確かに防御を貫くほどの、鋭い槍だな!」
 だが貫通したその先に、アリテラエルの身体はない。彼女の狙いは敢えて盾を貫かせ、相手の槍の動きを制限すること。サリエルも咄嗟の反撃ゆえに、それに気づくのが遅れたようだ。
「これが人の子を守護する騎士天使である私の役目だ……覚悟するんだな!」
「ぐばっ……!? こ、このっ!」
 そうして隙だらけのサリエルの顔面に、渾身の拳を叩き付けた。鍛え抜かれた怪力の一撃が、大天使の頬にめり込み、殴り抜く。
「よ、くもっ、ワタシの顔を殴るなど!」
「汝ごとき、我が聖槍を用いることもないという事だ!」
 睨みつけて来るサリエルに、堂々と胸を張って言い返すアリテラエル。サリエルはなおも言い返そうと口を開くが……ハッと表情を変える。
「もう遅いよっ!」
「くっ!?」
 その時にはすでに、拳に合わせて動いていたメルキディアが肉薄していた。サリエルは慌てて盾から槍を抜くが、迎撃は間に合わせない。手にした刀閃機と光輪の制御をリンクすると、中心に通し、振り上げて。
「斬り散らしてあげるわ!」
「か、はっ!?」
 パラドクスの力を持った即席のビーム丸鋸が、サリエルの肉体をズタズタに切り裂いた。血を噴き出し、錐揉みしながら落ちていく。
「っ、ぐぅぅっ……よくも、よくもっ! 誰も彼も皆、本当に鬱陶しい!」
「ふむ……今度はちゃんと天使っぽい見た目の奴ね」
 途中で体勢を立て直したが、苛立ちと怒りを露わにするサリエル。そんな大天使の姿を、ティリア・アクティック(ウィーバー・g04240)はジロジロと無遠慮に観察する。
「まあ、一石二鳥を狙う欲張りな所は悪魔と大して変わらないみたいだけれど」
「ワタシを! 穢らわしい悪魔と一緒にしないでくださいっ!」
 そんな彼女の言葉を聞き咎めたサリエルは、苛立ちと共に槍を投じて来た。咄嗟に回避するが、しつこく追いかけて来る。
「むぅ、面倒ね。こういうのは、上手く引き付けてから避ける……とかだけど」
 生憎と槍の追尾性能は相当に高く、引き付けた所で避けられそうにない。急旋回や急上昇、急降下を繰り返しながらこちらを執拗に追ってくる。
「これは、なかなか厄介ね……」
 ならば本体のサリエルを、と思うものの、速度・飛行技術ともに、飛び回るその姿に隙はない。受けたダメージは大きい筈だが、むしろそれが大天使から慢心を奪う。
 攻めあぐねつつも、反撃の隙を伺うティリア……そしてそんな光景を、ヒュー・ハルウェル(猫狂いの老執事・g04975)も見上げており。
「なんと素晴らしい飛行速度、さすがはクイーンといったところですな」
 彼は顎に手を当て、何やら感心した表情で大天使の怒りを見上げる。それから自身の大型トランクに目をやり、すぐに首を横に振った。
「あれほどの戦場に私の武器を持ち込むのは、些か博打が過ぎましょうな……さて」
 そして、今度は視線を、自らの右肩に移す。そこに乗っているのは可愛らしい、スフィンクスのお嬢様。
「お嬢様、申し訳ありません」
 執事の願いに応じ、お嬢様は軽やかに肩を蹴って飛び立った。その目が妖しく輝き、翼が大きく広げられる。放たれた光を受けたサリエルは、くらりとその身体を傾けた。
「――っ!?」
「忝のうございます」
 その成果を見届けたヒューが一礼すれば、くるしゅうないとばかりに澄ました顔で応えるお嬢様。そしてそのよろめきを、隙を伺っていたティリアが逃す筈もない。
「よし、今よっ!」
「くっ!?」
 一気に接近すれば、サリエルはすぐさま槍を追尾させて来る。ちょうど、サリエルと槍に挟まれる形となるティリア。その殺気を背後に感じ取れば、狙い通りとサリエルを見据えて。
「これも、追尾攻撃対策への定番よねっ!」
「っ!?」
 こちらを睨みつける相手の顔めがけ、思い切り砂を叩き付けた。目潰し……と言うには少々凶悪な、超高圧の風と共に叩きつける砂粒と言う名の刃。
「さあ、どうかしらっ!」
 顔面を斬り裂かれて顔を抑えるサリエルの、その横をすり抜ける事で、自爆を誘おうとするティリア。残念ながらその槍が持ち主に刺さる事はないが、それでも、目を閉じたまま槍を受け止めたサリエルの体勢は、大きく崩れる。
「地獄(ブタバコ)に、堕天(オ)ちやがれ!!」
「っ!? くっ!?」
 そしてその隙を逃さず、今度は姫蜂・ユナ(パラシトイド・g00949)が急降下で迫った。気づいたサリエルは慌てて振り向いて来る……が、いかに大天使と言えど、この状態では咄嗟に防御するのが精一杯。
「オラアッ!!」
「がはっ!!」
 その防御した腕に、爆撃槌を叩きつけるユナ。落下の衝撃によって起爆し、相手に撃ち込まれる徹甲杭……サリエルの腕を串刺しにし、血を噴き出させた。
「ぐ、ぅぅぅ……必ずや、罪の報いを与えましょう……っ!」
「はっ、クソ天使共の親玉らしいな。こんだけ喰らってもまだ、お高くとまってやがるぜ!」
 苦痛と怒りに塗れながら、サリエルはなお傲慢さを失わない。手元に戻した槍を掲げ、光槍の雨を降り注がせる。ユナは、その降り注ぐ審判の光を見上げて。
「ならもう一発喰らわせて、その厚化粧ベッタベタの外面、カチ割ってやるよ!」
 脚部のスラスターと翅を操り、光の合間を巧みに縫って上昇する。それはまさに熟練の飛行の技……こちらを見上げているヒューも、感嘆の声を漏らす。
「ふむ。見事なものですな。あちらのクイーンにも引けを取りませんぞ」
 ポケットにそっと手を挿し込めば、そこには、先程拾った赤い靴。それの靴に、仲間と『忘れ物』の主の無事を願いつつ、彼は戦いの行方を見守る。
 そしてその視線の先、光の合間を抜けきったユナは、ぐるりと宙返り。
「空戦(ケンカ)の勝機ってのは、死地(ピンチ)の先にあるんだぜ!」
「くっ!?」
 そうして、再びの急降下、今度は光の雨に紛れて迫る。自らの光に視界を遮られたサリエルは、それを迎撃出来ず。
「オラァッ!!」
「が、はっ!!」
 今度の爆撃槌は、防がれる事なく胴体へ。徹甲杭はヒメバチの産卵の如く、相手の体内に撃ち込まれた。
「どうだ? 見下してた相手にブチ込まれた気分はよ!」
「……どうしてもっ! 裁かれたいようですねっ!」
 恍惚と吐息を漏らしながら、ニヤリと笑みを浮かべるユナ。言われたサリエルは、さらなる怒りに満ちた表情で、殺気をぶちまけた。
 近づく者全てを貫くとばかりにこちらを威嚇するサリエルの姿に、メレディフ・ロレンス(元修道女・g05142)は、表情を曇らせる。
「あるいは降伏してくれたならとも思いましたが、あの様子では……」
 クロノヴェーダとは、やはり相容れない……戦う以外に道が無い。その事実を改めて突き付けられ、悲しげに首を振る。
 彼女にとってクロノヴェーダの襲来は神の与えたもうた試練、それを拒む事には迷いがある。
「……せめて祈りましょう。この選択が、本当に正しかったのだと、言える日が来ることを」
 だが、どれほど迷おうとも、ここで殺されるつもりはない。覚悟を決めると、その白翼を広げ……正面から近づくのは危険と判断すると、大きく迂回しながら接近していく。
「誰も! 彼も! 皆! ワタシを苛立たせますっ!」
「人の和にて挑むご無礼をお許しを、大天使殿。なれど束ねた力こそが我ら人間の、ディアボロスの力なれば!」
 その一方でルーク・エリオット(ナイトグローリー・g01843)は、敢えて正面から近づいていく。堂々とした態度と微笑みで、真っ直ぐに相手を見据え槍を突きつけた。
「さあ、騎士の誇りに懸けて! 天使殺しの不敬を行いましょうとも!」
「っ、ふざけた事をっ!」
 否、ルークはふざけてなどいない、どころか、むしろ大天使に対しても最大限の誠意を見せる。だが今のサリエルにとっては、その騎士の誠意は煽りにしか感じられないようだ。
「神の使いに矛を向けようとも、我が貫く正義に曇りなし!」
 ルークもまた、自らの言動に言い訳などしない。どう思われようと、己の正義を貫くのみだ。それがまた、サリエルを苛立たせるのだが。
「ならばその不敬と正義とやらの罪を! 甘んじて受け取りなさい!」
 その苛立ちと共に槍が天に掲げられれば、空から落ちるは数多の光。無慈悲なる審判が、雨の如く降り注ぐ。ひとつひとつが光槍となって、ルークへと迫り。
「私の血と大天使殿の尊き血は等価に非ず……故に傷などいくら負おうとも厭いませんとも!」
 それを、彼は恐れない。自らその光雨に飛び込むが如く、真っ直ぐに前進する。鎧に次々と突き刺さる槍、されど前進は止まらない。
「罪あらばこの身潰えましょうが、罪なくば我が槍が大天使殿へ一矢報いましょう!」
「っ、ぐぅっ!!」
 そしてその言葉通り、彼の槍はサリエルを貫いた。ルークに致命傷はなく、槍を引き抜けば迸る血。
「さて、大天使殿。ご裁断の結果やいかに?」 
「っ、本当にっ! どこまでもっ、どこまでも罪深い物ですね、ディアボロスッ!」
 苦悶の呻きと、それ以上の憎しみをもってサリエルはルークを、いや、全てのディアボロスを憎しみと共に睨みつける。そんな姿を見て、肩を竦めるのは乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)。
「己が罪に無自覚な者ほど他者の罪を責めるのは、人も天使もどきも同じか。実に滑稽だな」
「ワタシに罪などありませんっ!」
 嘲笑うようなその言葉に、ギロリと視線を向けて来るサリエル。もはや彼女に、挑発を看過する精神的余裕はない。それを見て取った玄辰は、殊更嘲るように、笑みを浮かべて見せた。
「貴様にとって魔法使いなど異端の極みだろう? 裁けるものなら裁いてみろよ、死を司る御使いの僭称者」
「ふんっ、何か勘違いしているようですねっ!」
 その言葉に対し、サリエルは強く槍を握り締める。生意気なディアボロスを貫くべく、渾身の力を篭めて。
「あなたがなんであろうと関係ありません。ディアボロスであると言う事、それが最大の罪なのですっ!」
「だとしても……それをあなたに裁かれるつもりはありません」
 その言葉はサリエルの後ろから……先程迂回して飛んだメレディフが大天使の背後を取ると、玄辰に大きく意識を取られているその隙を突き、無数の光輪を放つ。
 白翼のはばたきと共に放たれたそれは、防御も許さずその全身を斬り裂いた。
「さしものクロノヴェーダと言えど、背中に目が有るわけではないですからね」
「くぅぅぅぅっ……よくもっ!!」
 傷だらけになりながら、怒りと共に振り向くサリエル。反撃とばかり、その槍をメレディフに投じて来る。こちらを無限に追尾するその槍を、彼女は真っ向から見据えて。
「か、はっ……!」
「……なっ!?」
 敢えて避けずに、その身で受け止めた。当然その身体を貫かれ、致命傷は裂けるも、血を溢れさせて。
「少しなら、痛いのも大丈夫ですから……」
「くっ、何を考えて……っ!?」
 苦しげなメレディフに視線を奪われていたサリエルは、ハッとして背後を振り向く。そう、この流れは先程と真逆。
 玄辰が気を引いてメレディフが攻撃したなら、メレディフが気を引いたなら――。
「その覚悟には、応えなければなっ……俺が目指す最強の魔法を以て、貴様の舞う偽りの天を穿つ!」
「っ、させるものですかっ!」
 右手を大天使に向け、そこに全身全霊の魔力を集中させる玄辰。それは、彼が父から――歴史の彼方に消え去った父から受け継いだ、大魔法。
 サリエルは慌ててメレディフの身体から槍を引き抜き、投じてくるが、動揺と焦り、そしてこれまでに受けたダメージが、彼女の投擲から必殺の力を奪う。そして玄辰は迫る切っ先を見つめ、左手で胸元の、形見を握り締め――。
「……イグニッションッ!」
「ッ……あああああああっ……!!」
 その力ある言葉と共に放たれる、蒼き雷弾。空間を歪めるほどの魔力で迸ったそれは、相手の槍を貫き、遡り、大天使の肉体を貫いて。
 そうして大天使は、断末魔の悲鳴を上げ……品川の空から、地に墜ちていった。

「人間を顧みない天使による悪魔との戦いは、第3勢力によって鎮圧された……ってとこかしら」
 大天使の消えた空で、ティリアは戦いを総括し、肩を竦める。天使の思惑も悪魔の暴虐も潰え、ひとまず事件は解決した。
「スケールが小さい気もするけど、これも歴史の一つよね」
 そう、確かにこれは小さな、だが確かな一歩。この一歩を繰り返していけば、いずれ、東京の空を最終人類史に取り戻す事が出来る筈だ。
 そう信じて、ディアボロス達は新宿島へと帰還する。一時の休息と、次の戦いのために。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水源】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【建造物分解】がLV2になった!
【トラップ生成】LV1が発生!
【飛翔】がLV13になった!
【活性治癒】LV3が発生!
【照明】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【託されし願い】がLV2になった!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV9になった!
【ガードアップ】がLV9になった!
【ドレイン】LV3が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
【リザレクション】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2021年09月30日

品川区の大天使による港区侵攻作戦

 アークデーモンによる残虐な作戦が行われている港区に対して、隣接する品川区の大天使が、侵略を開始しています。
 品川区の大天使は、アークデーモンの残虐行為を阻止し、港区の人々を自らの信者とし、ゆくゆくは港区を併合して、TOKYOエゼキエル戦争の覇者となろうとしているのです。

 品川区の天使よりも先に、残虐行為をするアークデーモンを撃破し、侵攻してきた港区の大天使の撃破し、その野望を食い止めてください。

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#TOKYOエゼキエル戦争
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#品川区の大天使による港区侵攻作戦
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#品川区


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選択肢『【攻略旅団】大天使の軍勢を押し返す』のルール

 この選択肢は、ディヴィジョン攻略旅団からの依頼によって発生した、【調査・探索】選択肢です。
 品川区の更に奥側にある大田区の動向を探る為、品川区への逆侵攻を企図します。
 品川区から港区に攻め入る大天使の部隊との戦闘中、敵の軍勢を品川区側に押し込み、品川区で撃破します。
 この選択肢を多く成功させると TOKYOエゼキエル戦争の事件が進展した時に、品川区方面の事件に関わることが出来るので、その向こうにある大田区への足掛かりとなるでしょう。
 誘導するべき敵、誘導する場所、誘導する目的などは、オープニングやリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾一般人を襲うトループス級『刈取の悪魔』のルール

 周囲の一般人を襲撃するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 放置すると村や町を破壊したり一般人を虐殺してしまうので、被害が拡大する恐れがあるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『フェザートルーパー』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『大天使ウリエル』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「白石・明日香」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。