リプレイ
ルキア・アダマント
お祭り、楽しそう。
どうやって混ぜてもらおうかな……。
そうだ、こういう設定はどうかな。
私は旅の大道芸人で、お祭りからお祭りを渡り歩いているの。
芸はサーヴァントの『メリーゴート』にがんばってもらうね。(私はできないし)
私の歌に合わせて、メリーゴートが踊るの。
……あら、メリーゴート。ダンスは難しそう?
大丈夫。その場でくるくる回るだけでも、きっとみんな大喜びよ。
それに二本の足で立つヤギって、それだけで珍しいもの。
広場とか賑わってる場所の片隅を借りてお披露目しましょう。
「るーるーるー♪」「メリーゴート、メリーゴーラウンド♪」(※歌)
お客さんを誘って、一緒に踊るのも楽しそう。
最後はちゃんとお辞儀をするの。
無堂・理央
お祭りかぁ、うん、活気があるのは良い事だよね。
どう足掻いてもこの活気が消えるなら、せめて再び、活気を取り戻せる消え方にしないとね。
無双馬『クロフサ』に乗って旅人ですって感じで街に入るよ。
お祭りは初耳の形で入るけど、そこは楽しめるんなら楽しんじゃおう!
ボクがいけそうな出し物としては【投擲】芸かな?
手持ちのダーツを使っても良いし、町からナイフとかを借りても良いね。
それでまずは置かれてる物に当てて、盛り上がってきたら、当てる物を投げて貰ったりと難易度を上げていこう。
【復讐の刃】で投擲武器を作れるならジャグリングしながらも良いね。
いや、パラドクスをこういう風に使えるかどうかは知らないけどさ。
ストロベリー・メイプルホイップ
(連携、アドリブ歓迎)
うんいいよねー皆が騒いだり楽しんだりするの。
という訳で、私もお祭りに参加するね!
お祭りの邪魔にならない場所にある適当な支柱か、なければ電磁槍を変わりに使って【回転の吐息】!
あ、もちろん攻撃とかはしないでポールダンスを踊るだけだよ。
余りにも近づいてきたらおさわり禁止ってことで、尻尾で叩いちゃうかもだけどね。
ダンスと誘惑で【士気高揚】させていくよ!
ラズベリーちゃんは……うん、たまにはのんびり自由行動だね!
おいしい物食べたり、ゆっくりして楽しんでもらうよ!
後は、踊りながらここの人たちの様子を観察と情報収集してみるね。
何かきっかけぐらいは見つかるかも知れないし。
なだらかな起伏を繰り返す砂の景色に、ぽつんと小さな緑の一群が見えてくる。。
無双馬『クロフサ』に乗って無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)近づいてゆくと、それがオアシスの周りを囲むナツメヤシであることがわかった。
一角には泥を固めたような家が集まり、人の姿も見える。
「クロフサ、見て。あの人すごくカラフルな服着てるよ。お祭りだからかなぁ」
人々の様子は楽しそうで……だからこそ、この活気がどうあがいても消えてしまうという、すぐ先に迫っている悲劇がやるせない。せめて、ここではないどこかであっても、再び活気を取り戻せるような未来へつなげたい。
理央とクロフサが街に入っていくと、人の良さそうな男性が話しかけてきた。
「ようこそ。祭りに来たのかい?」
「お祭りをしてるの?」
初耳のように理央は驚いてみせる。
「知らずに来たのかい? それは運が良かった」
ぜひ寄っていってくれと、男性はメインとなる広場へと理央を案内してくれた。
「喉が渇いたら、そこに用意してるのを飲んでくれ。ああそれから、祭りを渡り歩いている大道芸人も来てるから、見て行くといい」
男性が指したところでは、ルキア・アダマント(金時計に刻む記憶・g04840)がしゃがみこんでいた。
ルキアは身を低くして、メーラーデーモンの『メリーゴート』と視線をあわせ、小声で話しかける。
「私は大道芸人という設定になっているから、メリーゴートも手伝ってね」
目指すは、歌って踊れる大道芸人。
歌はルキア自身で歌えばいいけれど、問題は踊りのほうだ。距離感をつかむのが苦手なルキアだから、良く知らない場所で踊ったりすれば、街の人や祭りの飾りなどに翼をぶつけてしまいかねない。
「……踊れそう? その場でくるくる回ってみて……そう、そんな感じ。だいじょうぶそうね」
言われたように体を動かすメリーゴートは可愛くて、これならきっとみんな大喜びだとルキアは頷き、そして立ち上がった。
「♪ るーるーるー♪」
ハミングして体を揺らすと、メリーゴートも一緒にゆらゆら左右にステップを踏む。
「♪ 回る、回る、メリーゴート。回る、回る、メリーゴーラウンド♪」
歌いながら手で合図すると、メリーゴートはくるくる回った。回る勢いで、肩掛けカバンが浮き跳ねる。
その様子が楽しそうに見えたのだろう。広場で立ち話をしていた人々が、ルキアの周囲に集まってきた。
「回るのって楽しいよね。私もくるくるするよ!」
ストロベリー・メイプルホイップ(デンジャラスドラゴン・g01346)は、飾りに立てられているポールに触れた。ちょっと太めではあるけれど、しっかり立てられている。これならいけそうだ。
『はーい♪ 魅惑のポールダンスショーの始まりだよ~♪』
ストロベリーは両手でポールにつかまると、逆上がりの要領で両足を高く持ち上げてポールに絡めた。そこから開脚すると、逆さづりのまま回転し、何が始まるのかと見守っている人々と目を合わせてゆく。
しなやかに、セクシーに。
足と尾を上手く使い、バタフライからスコーピオンと、技をつないでゆく。
最初は言葉を失っていた観客たちも、どう身体を支えているのだろうかと、ストロベリーを指しては不思議がった。
「外ではこういうのが流行っているのかい?」
案内の男性に聞かれ、理央はどう答えようか迷った。
「うーん。流行ってるとは言い切れないけど、やってる人も結構いるんじゃないかなぁ。見るのが好きって人もいるだろうし」
「あんたもやるのか?」
「ううん。やってないよ。ボクがいけそうな出し物だと、投擲とかかな?」
理央は物を投げる動作をして見せた。
「やってみてくれ」
「いいよ。何を狙えばいい?」
「じゃあこれを」
案内の男性は自分の首にかけていた日よけの布を丸め、さてどこに置こうかと見回した。
「私が持っててあげるよ」
ストロベリーが手を伸ばして布を受け取り、足先に乗せて高く掲げた。そのままポールでゆっくりと回り続ける。
「怪我をするぞ」
「大丈夫。いくよ!」
理央のダーツが宙を飛び、ストロベリーの足から丸めた布を弾き落とすと、拍手が沸き上がった。
盛り上がりを受けて、ストロベリーは派手な技をポールで披露する。
ポールの上から見渡せば、街の人の衣類、広場の建物などはどこか貧しげだ。けれど、祭りを楽しむ人の表情は明るく、子どもたちは元気に駆けまわっている。
豊かではないなりに、ここでの幸せを見つけている。今まさに、危機が押し寄せようとしていることも知らずに。
「みんな、踊ろ……」
ルキアは片手にメリーゴートの手、もう片手に見物人の手をつなぎ、歌いながらポールの周囲を回る。
いつしかそれはつながった大きな1つの輪になっていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
シル・ウィンディア
【銀プロ】のみんなと同行希望
・事前
えと、歌はこれで、踊りの振り付けはこれで…
こんな感じでいいのかな?
…よし、みんな、がんばろー!
・衣装
パニエを着けたミニワンピース
ふんわりした感じで、あと動きがあっても大丈夫だよね
足元はロングブーツを履いていくよ
・舞台披露
音楽に合わせて、踊って、歌って…
踊りは、ダッシュ・ジャンプにエアライドも組み合わせて
三次元な動きを取り入れていくね
歌は、自分のパートと合わせるパートをしっかりと…
間違っちゃっても、止まらないでそのまま行くよ!
踊りや歌の時は、笑顔を忘れずに
笑顔を振りまくことが大切だよねっ♪
終わったら、笑顔でお辞儀するよ
ふぅ、楽しかったー♪
ベアストリア・ヴァイゼンホルン
【銀プロ】の皆と一緒に参加します。
「今日は……アイドル……として……お祭り……盛り上げよ……」
そう言って浮遊するマイクを手に取り、グッと気合を入れたっぽい顔になる。
ぶっちゃけアイドルの経験なんて一切無いが、社交界で慣らした度胸と経験、そして、プロダクションでの練習でなんとかなるだろう。
「もし……何か…あったら……フォロー…よろしく……」
初めての光輝く舞台。衣装も演出も頑張ってくれたし……、皆と息を合わせてしっかりと決めて、人々の希望の光になれるようにならなければならない。
「頑張って……いくよ……」
歌唱には自信がある。ダンスはダメだけど、これなら誰にも負けないよ。
ソラ・フルーリア
【銀プロ】の皆と一緒に、歌と踊りを披露するわ!
お祭りで舞台が用意されてるなら、参加しないわけには行かないわね!
住民の人達と仲良くなるためにも一生懸命頑張りましょ!
住民の皆に対する挨拶はアタシから!
アタシ達はシルバースカイ・プロダクション! 略して銀プロ!
今日がお祭りって聞いて、皆に元気と笑顔を届けに来たわ!
皆も見様見真似でいいから、一緒に踊って楽しみましょ!
曲はポップスで聞き馴染みがないかもだけど、楽しさは伝わってくれるかしら?
勿論歌も【ダンス】も全力でお届けするわ!
【エアライド】でアクロバティックに動いて観客の皆を魅了してあげる!
パライバ・エルバイト
【銀プロ】のメンバーと一緒に参加。
アドリブ、連携歓迎。
盛り上げ役に徹する感じで。
≪空間演出用メガネ型空間投影PC試作機≫で【パラドックス】使用。
ダンスや歌、音楽を盛り上げよう。
そのキャラに合わせて適切に光や音の演出をつける。
「……さて、仕事だ。盛り上げてやろうじゃないか」
一ノ瀬・綾音
【銀プロ】のみんなとステージを披露するよ!
(衣装はお任せ)
せっかくお祭りというステージを用意されてるんだし、綾音ちゃんの初舞台といこっか!
銀プロのアイドル候補生、一ノ瀬綾音!気軽に綾音ちゃんって呼んで構わないよー♪
普段から頑張ってる分今日は柵なんか忘れて、綾音ちゃん達のステージ、楽しんじゃってねー!
笑顔を忘れないで、アクシデントにも臨機応変に対応しつつ、歌とダンスを披露する!
ついでにパラドクスで翼生やしたリ【飛翔】【エアライド】も使えば立体的なダンスもできるかな?
程よく場が温まったらステージからみんなの中に乱入しちゃう!
もっともっと盛り上がろー!
※ただし、オアシスには傷一つつけないよう注意する
月城・木綿紀
【銀プロ】
「はい、みんなの分の衣装」
師匠(中にいる天使)の指導を受けながら作ったアイドル衣装を銀プロのみんなに渡す。私はアイドルじゃなくて裁縫師だし。
それぞれのイメージを崩さないようにしつつ現地の人にも共感が持てるようなアイドル衣装を渡した後、ライブ中は何かあった時のために舞台裏で待機しながらみんなを応援したりする。
それ以外の時はお祭りを見て回るかな。
燦々と太陽が照り付けている広場の一角。
簡単に区切られているだけのそこが、祭りの舞台だった。
ライトも音響も何もない。
自然光が降り注ぎ、乾いた風が吹きすぎてゆく。
けれど、舞台にあたる場所にはきれいに砂が敷かれ、街の人にとって特別な場所なのが感じられる。舞台裏が無い代わりにと提供された、広場に隣接した家には、飲み物とちょっとつまめる食べ物が用意され、くつろげるようになっていた。
「そこに舞台があるなら参加するのが銀プロよね!」
設備はホールのようにはいかないけれど、披露する場所があって観客がいるならば、そこは『ステージ』だ。
ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)はプロダクションに所属する皆に、頑張りましょ、と声をかけた。
パライバ・エルバイト(価値を奪われし人形師・g04382)はしきりに広場を歩き回っては、舞台の見え方を確かめる。
「こちらから……は難しいか。それなら……」
右へ左へ歩いては、演出の流れを脳裏に描く。舞台には演出に使える装置がないから、どう魅せるか、はパライバの肩にかかっている。
「少し位置を変えたいところがあるんだが、今からでもいけそうか?」
「えっ、どこどこ?」
もくもくと振り付けを確認していたシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)が、慌てて飛んでくる。
「これだけ明るいと、ライトで目立たせる演出はできない。だから3曲目のときの立ち位置を前に持ってきて……」
「うーん、もう1回説明お願い!」
一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)がパライバに向けて、両手を合わせた。綾音にとってはこれが初舞台。ぜひとも成功で飾りたい。
「歌いだしの……タイミング……そのままで……?」
じっと説明に耳を傾けていたベアストリア・ヴァイゼンホルン(ジャンカー系眼鏡女子・g04239)がパライバに尋ねる。
「たぶんそのままでいけると思うが……」
「様子見て……あわせる……」
アイドルは初めての経験なのにも関わらず、ベアストリアは案外落ち着いた様子で頷いた。
「そろそろ着替えの時間。打ち合わせ終わった?」
提供された家から、月城・木綿紀(月城家三女のメイドトラッパー・g00281)が顔をのぞかせた。
「もうそんな時間か。こっちはもういいから、着替えにいってくれ」
パライバに促され、出演するメンバーは家へと駆けこんだ。
「はい、みんなの分の衣装」
木綿紀はひとりひとりに衣装を手渡していった。それぞれのイメージを崩さないようにしつつ、現地の人にも共感を持ってもらえるような衣装、となるとなかなか難しい。
「レースの……ヴェール……」
ベアストリアの衣装は黒と赤。いつもより衣装のボリュームを押さえる代わりに、繊細な黒のレースのヴェールをプラスした。
「砂漠の風に吹かれてなびけば、良い感じのニュアンスが生まれると思う。歌う時、ヴェールが風をはらむように動いてみたら、良い感じじゃないかな」
木綿紀のアドバイスに、ベアストリアは頷く。
「わかった……ありがとう……」
「アタシの衣装は、鮮やかな青ね」
ソラは渡された衣装にさっそく着替え、くるっと一回転した。回る動作をしても衣装に邪魔されることなく、動きやすい。斜めフリルになっているスカート部分は、いつもよりも少し薄手の生地で、飾り付けられた銀の円板がふれあって音を立てる。
「オアシスブルー。それに風が作るさざ波の銀をアクセントにしてみた」
現地の人の知る色彩は、受け入れられやすいだろうとの判断で、木綿紀はこの色の組み合わせを選んだ。
綾音とシルの衣装は色違いの同デザイン。こちらはあえて現地のデザインは取り入れず、正統派アイドルらしいミニドレスにした。スカートはパニエで膨らませ、靴は編み上げのロングブーツ。やはり、これぞアイドルという衣装も見せておきたい。
「私はここで待機してる。何かあったらここに来て」
自分はアイドルではなく裁縫師だからと、木綿紀は舞台の見える窓際に椅子を持って行った。
そしていよいよ出番がやってくる。
シルは頭の中で、出を何度もシミュレーションした。
「えと、わたしはベアスさんの歌が始まったら上手側から出て、まずは全力ダンス、で良かったよね?」
「そう。そこからエアライド使って、下手側にいる綾音ちゃんと入れ替わりー!」
綾音が両手を振り回して、動きを示す。それをシルは真剣なまなざして追いかけた。不安がないわけじゃないけれど、ここまできたら後はがんばるしかない。
「うん。……よし、みんな、がんばろー!」
シルは自分にも言い聞かせるように、皆に声をかけた。
「もし……何か……あったら……フォロー……よろしく……」
舞台では何があるかわからない。そのとき頼れるのは、銀プロの仲間たちだけだ。ベアストリアは浮遊するマイクを手に取ると、ぐっと握りこんだ。
「今日は……アイドル……として……お祭り……盛り上げよ……」
獣神王朝エジプトに刻むアイドル活動の第一歩を、このお祭りから始めよう。
まず最初に舞台に走り出たのはソラだった。
先端に大きなリボンのついた拡声杖『レゾネイト』を掲げ、観客へと呼びかける。
「こんにちは! アタシ達はシルバースカイ・プロダクション! 略して銀プロ! 今日がお祭りって聞いて、皆に元気と笑顔を届けに来たわ!」
元気いっぱい笑顔いっぱいで挨拶するソラに、街の人はこれから何が始まるのかと、好奇の目を向けた。
「もしかしたら馴染みがない出し物かもだけど、銀プロの全力をお届けするわ! 銀プロ、アイドルステージ開幕よ!」
ぴょんと飛び上がったソラは、エアライドを利用して空中で跳ねて宙返り。
おおっと上がるどよめきの中、ベアストリアはヴェールをなびかせながら、舞台中央へと進み出た。
それにあわせ、パライバは眼鏡に手をやり、
『空間投影PCフル起動。想像を思うがままに空間に描く。さあ、はじめようか』
舞台の空間へと想像を投影する。
タイミングをあわせ、ベアストリアは歌い始めた。ダンスはまだまだだけれど、歌には自信がある。舞台の成功のため、歌唱はしっかりと支えてみせるとの意志をこめて、声を響かせる。
舞台の両袖からは、対称の動きでシルと綾音が現れ、歌に合わせてのダンス。ここは最初のつかみだがら、激しめの振り付けでがんがん踊る。
見たこともない衣装とキュートなダンスに、観客はざわめいた。
(「ここで回って……あっ、手が逆!)」
振り付けであげる手を間違えて、シルの背を冷や汗が伝った。
けれど止まったら余計に目立ってしまう。そこだけ動きが綾音と対称ではなくなってしまったけれど、これが正しい振り付けです、という顔で何事もなかったかのようにダンスを続ける。
その間浮かべ続けたシルの笑顔の効果もあって、間違いに気づいた観客はいなさそうだ。
そしてエアライドの二段飛び。シルと綾音は宙で跳ね、舞台中央できれいに交差。ひらりと位置を入れ替わって降り立った。
舞台に目を奪われながら、シャニは隣にいるダネラの腕をゆすった。
「すごいすごい。あれ、なに?」
「外の世界の踊りかしら。面白いわね」
「あの服可愛いなー。あたしもああいうの、着てみたい」
うっとりと言うシャニに、ダネラは首をかしげる。
「ちょっと変わった服ね。でも、シャニはああいうの好きそうだよね」
「うん、大好き! 外の世界って不思議で、服も踊りも素敵だわ。ダネラももっと、新しいものを受け入れてみてもいいと思うんだけど」
「私は昔から変わらないものが良いわ。安心できるもの」
考え方は違うけれど仲の良い2人は、小声で話しながら舞台を眺めた。
歌とダンスのショーの合間には、トークをはさんで観客とのふれあいタイム。
「銀プロのアイドル候補生、一ノ瀬綾音! 気軽に綾音ちゃんって呼んで構わないよー♪」
綾音はにこにこと観客に手を振る。
「普段から頑張ってる分、今日は綾音ちゃん達のステージ、楽しんじゃってねー!」
最初は目を丸くするばかりだった観客たちも、これはこういう出し物なのだと理解してきたのだろう。驚きが薄れるにつれ、楽しんでいる様子が見られるようになってきた。
これくらい場が温まったらいけそうだ。綾音は魔力で描いた翼を実体化させると、観客のいる場所へと飛んだ。
「もっともっと盛り上がろー!」
降り立ったすぐ近くにいた少女の2人組、そのうちの1人が身を乗り出して綾音に手を振ってくれた。隣の少女が慌ててそれを止めるのを見て、どんどん振っていいよと綾音は大きく手を振り返す。
「せっかくのお祭りなんだから、皆も一緒に踊って楽しみましょ! 見様見真似でいいから、ステップを踏んでみて!」
舞台の上ではソラが、分かりやすく簡単にしたステップを踏んでみせる。
シルは、ほらこんなに楽しいよと誘いかけるように、全開の笑顔をふりまいた。つられて見ている人の間にも笑顔が波及する。
打ち合わせ時に決めていた演出とは違うが、パライバは観客席側に投影を行った。
見ている側から参加する側へ。その切り替えを見た目の変化で感じさせることにより観客が受け入れやすくなるように演出する。
戸惑っていた観客の中にステップを踏む人が出てきて、周囲から笑い声が湧く。そんな様子が、舞台で歌っているベアストリアにはよく見えた。
(「この人たちの……希望の光に……」)
なれるだろうか。いや、希望の光となるためにディアボロスはこの地にやってきているのだ。
自分は自分にできることを。
ベアストリアはひとつひとつの歌詞を丁寧に歌い上げていった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【エアライド】LV2が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV3が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
平良・明
なんでもお祭りをみると異国情緒が感じられていいものです、
ふらっとお邪魔して隅っこの方で即興のドラム演奏をします。
装備の鍋と缶コーヒーを地面に置いて簡易ドラムセットを作り、
枯れ枝や棒などを拾ってきて演奏します。
よく周囲を観察して捨てられた陶器や木材などをセットに加えても楽しそうです。
鍋でも縁を叩くか腹を叩くかなどでも音色は変わりますし、
変化を加えながら、とんとここっことんとここっこかんかんぽん
と言う風に、少しの情熱を込めて、陽気なリズムで演奏します。
時折演奏に混ぜて大声で「ヨォ!ハァ!」などと掛け声も入れましょう。
踊り出しはしない、ただ少しウキウキするような、オフビートな雰囲気を目指します。
ちょっとした催し物と、この日のために用意した晴れ着。
普段日々の生活を維持するため必死に働いてる人々が、ほっと一息入れて楽しむ。そんなささやかな祭りだからこそ、普段の暮らしが垣間見えて良いものだ。
平良・明(元用務員の巡礼・g03461)はふらっと街を巡ったあと、片隅に腰を下ろした。
荷物から鍋を出し、底を上にして地面に置く。その隣には飲み終えたコーヒーの空き缶を少しだけ埋めて立てる。捨てられて砂に半ばうずもれていた、割れた器の破片もその横に並べた。
それらを拾った枝で、確かめるように軽く叩くと、ぽん、けっ、こん、と音が鳴る。
器の角度を変えてもう一度叩いてみて、これでよしと明はその前に腰を下ろした。
と、と、と、と、と、と、と。
まずは正確にリズムを刻んでから、鍋底をどんと響かせ、側面をかかかと鳴らし、コーヒー缶の頭で枝を弾ませる。
あり合わせのものを使った、即興のドラム演奏だ。
「何してるのー?」
寄ってきた子どもに笑みを向けると、
「ヨォ!」
ぽんっ。
合いの手を入れて、陽気なリズムで演奏する。
鳴らしているのが鍋や器だから、出るのもどこか抜けたような気取らない音だ。
子どもが1人、走り去っていったかと思うと、何かを抱えて戻ってきた。明の顔を見ながら、地面に木の皿を置く。
明がそれも鳴らして音に加えると、子どもたちは面白がって、いろいろなものを持ってきては置いていった。
中には鳴らないものも混じっているが、それを叩いて音をスカさせると、子どもたちが大笑いしてくれる。
とんとここっことんとここっこかんかんぽん。
オフビートで強弱をつけた演奏は、祭りの街をもう少しだけ、わくわくするものに変えてゆくのだった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【操作会得】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
アリスティア・セラフィール
祭りを彩るため、この街をイメージした曲を作って人々に贈ります。恵みを与えるオアシスとそこで育まれた命を讃える歌、覚えやすいようにシンプルな歌詞で手拍子などでのりやすいリズムを意識した曲にしましょう。
子供たちなどと歌いながら街を回って祭りを盛り上げられたらいいですね。
街の人々にはこれから街を去ってもらわないとならないけれど、この街での思い出は旅立つ時に持って行けるものだし、この街のことを忘れる必要はないと思うから。
エアハルト・ヴィオレ
人々が心豊かに暮らしてる地を嘲るとは。一族を率いていた身として断じて許すことは出来ませんが、感じのいい催しですね。ささやかなれど、人の喜びが溢れてる。
演奏ですか。これでも音楽家ですので演奏は望むところ。ただ得意とするのがバイオリンなので、馴染みが薄い楽器での音楽は喜んでくれますかね。いささか自信が無いのですが、精一杯演奏を披露しましょう。
演奏を終えた後、住民の皆さんとお話を。このお祭りは心が癒されると素直に口にし、食事も頂きましょう。
ええ、美味しいですよ。皆さんの気持ちが籠ってる。これが真の優しさというものですね。
祭りの日の広場では、住民が思い思いに歌い、踊る。
一部、いつ歌うか決まっている人もいるが、大半はふらっと広場に来た人が歌い、気が向いた人がその周りで踊る、という気ままな雰囲気だ。
歌っているのは、昔から伝わっている曲が多い。このオアシスから離れることなく、他との交流も少ないから、そもそも新しい曲が入ってこないのだ。
アリスティア・セラフィール(シンフォニックウィザード・g02995)は街を歩いて様々なものを見、それをもとにこの街をイメージした曲を作った。
街に恵みを与え続けてきたオアシスと、そこで育まれた命を讃える歌。
誰でも簡単に覚えられるように、歌詞はぐっとシンプルに。手拍子をしながら口ずさめるようリズムも意識して作曲した。
「この歌を、アミデの街の人々に贈ります」
完成した歌を披露すると、街の長老のハリルは相好を崩して手を叩いた。
「街らしい良い歌だ。街の歌を作ってもらったと知ったら、皆もきっと喜ぶだろう」
なかなか新しい歌に触れる機会もないから、ぜひ広めてくれと言われ、アリスティアは街の子どもたちを中心に、歌を教えて回った。
『♪空の青 オアシスの青 われらを育み
空の雨 オアシスの水 われらを潤す♪』
覚えた子どもたちと一緒に、歌いながら街を回り、人々に歌を広めてゆく。
歌っているこのときは『今』を表す歌詞だけれど、もうすぐこれは『過去』となる。
どんなに大切で、街の人を守ってくれる存在でも、オアシスを持っては行けない。けれど、この街での思い出は旅立つときにどれだけでも持って行ける。
そしてその思い出は、未知の土地でも街の人々を支えてくれるはずだ。
歌い、手を打ちながら街を練り歩いて、広場に戻ってきたアリスティアの耳に、良く知った音色が聞こえてきた。
「なんの音?」
不思議そうな子どもに、
「バイオリンですよ。聴きに行きましょう」
楽器の名前を教えて、アリスティアは広場を横切った。
広場に立ちバイオリンを弾いていたのは、エアハルト・ヴィオレ(宵闇のエヴァンジル・g03594)だった。
よく手入れがされたバイオリンを左肩に乗せ、優雅な手つきで演奏している。祭りという場を意識してか、奏でているのは明るく軽やかな曲だ。
子どもたちはしばらく興味津々で演奏を聴いていたが、そのうちこそこそとアリスティアに質問し始めた。
「どうしてお顔ではさんでるの?」
「ああして固定するのが一番弾きやすいからだと思います」
「ゴシゴシするだけで、あんなに大きな音が出るの?」
「ええと……それを分かりやすく説明するのは難しいですね」
アリスティアを子どもが質問攻めにしているのが面白くて、エアハルトは演奏の手を止めて笑った。
「馴染みのない楽器だから、珍しいでしょう。これはバイオリンと言う楽器で、弦をこの弓で擦った音を、ボディに響かせてこういう音色を出しているんですよ」
「よくわかんないけど、すごい楽器なんだね」
「ええ。考案してくれた人に感謝しなければなりませんね」
エアハルトは大切そうにバイオリンを見やった。
もっと弾いてとの要望に応え、その後2曲ほど披露したあと、エアハルトは休憩を入れることにした。
「あっちに食べ物があるよ。好きに飲み食いしていいからね」
聴衆の女性が教えてくれた場所へ行くと、台の上には果汁入りの水やビール、パンやデーツが用意されていた。
「遠方からの人の口にあうかどうか……」
よそってくれた豆と麦のスープを、エアハルトは恐れげもなく口に運ぶ。少し酸味と塩味のある、食べなれない味付けだ。
「美味しいです」
エアハルトが言うと、見守っていた街の人がほっと息をついた。
「外の人はもっと美味しいもの食べてるだろうけどねぇ」
「いえいえ。皆さんの気持ちの籠ったこの料理は本当に美味しいですよ。このお祭りも、人の喜びが溢れている感じのいい催しです」
心が癒されます、と言うエアハルトに、街の人は嬉しそうに顔をほころばせた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
外からもたらされる様々なものは、街の人々の心を動かした。
来訪者に対して、街の人々が好意的になっている今が、情報を得る好機だ。
アミデの街の人々が助かるには、オアシスを捨てて移動することが必要だ。説得の糸口はどこにあるのか。
速やかにそれを探り、説得につなげなければならない。
彼らの未来を失わせないために。
アサーラ・アサーラ
とにかく情報を集めるのよ!
前情報では、長老は水を大事にしているってことくらいしか、わからないしね!
それと、わらわは女王様なのよ!
けれど、それを今回出すのはさすがに信用を失いかねないから!
あくまで隠して行動するのよ!
わらわの演技力にも注目して御覧なさい!
わらわは、何でもできるんだからね!
お祭り回のリプレイで出てきた女の子二人組、『シャニ』と『ダネラ』に接触してみましょう。
わらわはアメスクを着ているから、外の世界の服に興味を持っている『シャニ』は好意的に接触してくれそうだわ!
新宿島の話を織り交ぜながら、長老の情報を可能な限り、集めてみるのよ!
同年代の女の子同士だし、きっとうまくいくわよね♪
プターハ・カデューシアス
偽神などにアミデの民は渡さない!
決意を秘め街人には意識して友好的に接します
町の立地調査
【飛翔】し俯瞰から街の立地や敵の侵攻方向を確認
【地形利用】技能で有効な脱出経路を模索
【友達催眠】の効果で街の人達に溶け込む
噂好きな女性陣や情報通な酒場店主に当たりをつけ
力仕事や道具修理の手伝いをしながら、ハリル長老の人柄や
他に発言力のある人物がいないか聞きます
旅人から聞いたとして、他のオアシスが襲撃されたこと
ここにも敵が攻め込むかも知れない、という情報を提供し反応を伺いたいです
若者の危機意識は低そうな気がしますので
すぐ持ち出せる物資(災害用の備蓄)の有無も聞いておきたいですね
アドリブ・連携 歓迎です
平良・明
オアシスに留まって暮らしているとはいえ、
旅人や商人からの情報の流入はあるのではないでしょうか。
そういう人々の相手をする方々と言えば、まず動物を世話をする人々です
探して、何か逃げる行き先を示せる有用な情報が得られるよう話してみます
まあ、とりあえず、缶コーヒーでも如何でしょうか
遠い地で人気の飲み物です、慣れないかもしれませんが仕事中には効きますよ
私は旅人、というか巡礼なので人が住んでいる場所には行ってみたいですから
まずは西の方角、砂漠の深い奥の方から旅人や商人が来ることはあるのか
後は、ここら辺であまり知られていない大きなオアシス等の噂を聞いたことは無いかたずねてみます
日々のお仕事、お疲れ様です
ルキア・アダマント
お祭り楽しいね……ね、メリーゴート。
でもみんなには、この場所を離れてもらわなくちゃいけないの……。
悪いのはクロノヴェーダだよ。
ともかく、できることをやらなくちゃ。
長老のハリルさんを説得できるかが重要って言ってたよね。
彼について街の人に尋ねてみよう。
旅人が立ち寄った街の長老や偉い人にご挨拶するのは当然だし、事前のリサーチよ。
えーっと、人となりとか、いつからこのオアシスで暮らしているのか、とか?
ここで生まれ育った人も多いみたいだけど、長老なら別の場所からやって来た人かもしれないよね。
ここに辿り着くまでの苦労がわかれば、ここを捨てる不安の種もわかるし、説得する時の参考になるかも。
ひとしきり広場で歌とメリーゴートのダンスを披露し終えたルキア・アダマント(金時計に刻む記憶・g04840)は、お疲れ様とメリーゴートの頭を撫でた。
「お祭り楽しいね……」
周囲の人が笑っていて、一緒に何かできるのは楽しい。
けれど。街の人にはこの場所を離れてもらわなければならない。
街の人に咎があるわけではないが、そうしなければクロノヴェーダに蹂躙されてしまう。
「行こう、メリーゴート……」
知り合えた人たちには、生きのびてほしい。そのためには出来ることをやらなくてはと、ルキアは動き出した。
この街の長老、ハリルを説得するための手掛かりを探して。
砂漠の空から近づいてきた影が、アミデの上空でスピードを弱め、着地する。バランスを取っていた尾を下ろし、プターハ・カデューシアス(コワモテ紳士・g03560)は小さく息を吐いた。
「何かありそうだった?」
プターハが降りてきたのに気づいたアサーラ・アサーラ(どこかのエジプトの女王様(アメスク仕様)・g04870)が、小走りに近寄る。
「近くに別の集落がございました。が、そちらの方角からクロノヴェーダがやってきていますから、向こうには逃がせませんね」
「そう……」
「砂漠の奥へと向かう側には敵の姿はございませんが、起伏が大きい個所を通り抜けねばなりません。心を強く出立していただかねば、街に戻ってきてしまいかねないでしょう」
「そこは説得の腕次第ね」
そのためにも、とアサーラは瞳に強い光を宿してアミデの街をみやった。
「説得するための材料が必要だわ。とにかく情報を集めるのよ」
「アサーラ様のおっしゃる通りでございます。なにか有用なことを聞き出して参りましょう」
アミデの街人を求め、2人は太陽に白く照らされた路へと入って行った。
「ご精が出ますね」
祭りの日にもかかわらず、牛の世話をしている人に向け、平良・明(元用務員の巡礼・g03461)は声をかけた。
「やあ、やっぱり気になってねぇ。こいつらには祭りもなにも関係ないからさ」
皺深い目元で笑う中年の男性に、明は持参の缶コーヒーを差し出した。
「まあ、とりあえず、缶コーヒーで一息入れませんか」
「なんだそれは?」
「遠い地で人気の飲み物です」
男性は怪訝な顔で受け取り、缶を振ってみたり、ひっくり返したりした。
「どうやって飲むんだ?」
明がプルトップを開けてやると、男性はひとしきり匂いを嗅いでから、少しだけ口に含んだ。たちまち眉が下がり、顔がゆがむ。はじめて飲むコーヒーは男性の口には新しすぎる味だったらしい。
「よそではこんなもんが人気なのか? 理解できんな」
「慣れないうちはそうかもしれませんが、仕事中には効きますよ」
「悪いことは言わんから、うちの街で出してるビールを飲んでけ。これよりは美味いぞ」
「はは、そうさせてもらいます」
顔をしかめて返してきた缶を、明は笑って受け取った。
「この街にも旅人や商人はやってくるのでしょう。こういう珍しい飲み物は入ってきませんか」
この街における人や情報の流入についてを、世間話に紛らせて聞いてみたところ、細々とではあるが近隣の街との行き来はあり、旅人の訪れもあるようだ。
「砂漠の深い奥の方からくる人もいますか。私は巡礼なので人が住んでいる場所には行ってみたいのですよ」
「そっち方面に行く奴はいるが、逆は聞かねえな」
「へえ、そうなんですね」
適当に相槌を打ちながら、明は逃げる行き先を示せる何かがないかと探ってみる。だが、ここで暮らすことしか考えていない街の人々は外の情報にはうとく、得られるものは少ない。
「後は……ここら辺であまり知られていない大きなオアシスの噂とか、聞いたことはありませんか」
思いついたように尋ねてみると、
「そんな噂があったら、すぐ人が押しかけて街が出来るさ」
オアシスは生命をつなぎ、豊かさにつながる貴重な宝なのだからと、男性は声をたてて笑った。
「悪いわねぇ。うちの亭主ったら、祭りで浮かれてどこ行っちゃったもんだか」
女性の1人が肩をすくめると、周囲からも笑いと同意の声があがった。
祭りの夜に出すという料理を作っている女性たちは、手も口もよく動く。
「気にしないでください。他にもなにかあれば手伝いますよ」
壊れた調理道具を修理しながら、プターハは気さくに女性の会話に交ざりこむ。情報を収集するには、噂好きな女性陣はもってこいの相手だ。
「アミデの人は、ずっとこのオアシスで暮らしているの……?」
豆の莢剥きを手伝いながら、タイミングをみてルキアは聞いてみた。
「外からきて居付いちゃった人とかもいるけど、ほとんどがここだけしか知らないわね」
「うんと年配の人……長老でも?」
「そうよ。でもこのオアシスに来たのは、長老のおじいさんの代からだって聞いたわ」
「それでねぇ、おじいさんがこのオアシスを見つけるまでの苦しい旅を、寝物語に聞かされて、小さかったころの長老はよく泣いてたらしいの」
「怖い昔話、って感じ? 長老にもそんな頃があったのね」
「っていうか、そんな話、子どもにする? おじいさんにとっての武勇伝だったのかしらねぇ」
「迷惑な話」
口々に話して、女性たちは笑い崩れた。
「今はそんな面影はありませんか?」
プターハが水を向けると、笑い声は一層大きくなった。
「今はしかつめらしい顔ばかり」
「孫のことでもない限り、もう泣いたりしないんじゃないかしら」
「納得すれば動いてくれるけど、頑固なのよね」
「でもいい人よ。この間なんてね……」
質問するたび皆がしゃべるので、なかなか話題は先に進まない。その中で気になることを拾って、話が脱線していかないようにルキアは質問を投げる。
「お孫さん……?」
「そう。あなたと同じくらいの年ごろかしらね」
「もうほんとに猫可愛がりで」
「孫に頼まれたら、なんでも言うこときいちゃいそう」
「ほんと、孫には甘いから。うちのおじいさんもね……」
尽きせぬおしゃべりと共に、料理の準備は着々と進んでいた。
お祭りに参加したディアボロスが、街の人の印象を良くしておいてくれたおかげと、パラドクスの効果もあり、住民たちはおおよそ友好的だ。
だがそれだけでは、住み慣れたオアシスを捨てさせるのは無理がある。
「女王様の命令よ! ……と言えたら早いのに」
ここでそう言ったら逆に信用を失いそうだから、アサーラは地道に情報を求めて街を歩き回った。
さあ誰と話をしよう、と見回して、アサーラはデーツを食べている2人の少女に目をつけた。同じぐらいの年代だから、話も合いそうだ。
さりげなく近づいて行って、アサーラもデーツを1つつまむ。
「このデーツ、美味しいわ!」
小柄なほうの少女は驚いたように身を引いたが、背の高いほうの少女は屈託なく、ありがとうと笑顔をみせた。
「ここのオアシスでは、いいナツメヤシが育つの。外の人にほめてもらえるのは嬉しいわ」
自分でももう1つデーツに手を伸ばすと、少女は興味の目をアサーラに向けてきた。
「外では、そういう服が流行っているの?」
「ちょっと、シャニ。いきなりそんな話……」
小柄な少女がとがめるような視線を送る。
「別に構わないわ。こういう服に興味があるの?」
アサーラはよく見えるように、一回りしてみせた。彼女が身に着けているのは、いわゆる『アメスク』。アメリカンスクールをイメージしてデザインされた、露出度の高い制服だ。
「ええ。踊り子の衣装ともまた違って、新鮮だわ」
「わらわも偶然着たのだけれど、これ、案外悪くないわよ」
「ちょっと着てみたいかも」
乗り気のシャニの腕を、もう片方の少女が押さえる。
「そんなことしたら、長老が目を回すわ」
「ダネラもおじいちゃんも頭が古すぎるの」
シャニはぷんとむくれた。
「あなたのおじいさんは、ここの長老なのかしら?」
「そうよ。でも頭が固くって困るの。この街とオアシスが一番だ、って思いこんでるけど、あたしは違うと思うのよね。外にだって、良いものはいっぱいあるはずよ」
外の世界に憧れるシャニの目は、空を映して輝いていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
街にクロノヴェーダの足音が迫る。
敵が街を踏みにじる前に、街の人を逃がさねばならない。可能ならば、一時的にではなく、このオアシスを捨てて別天地へと。
説得するうちにも、クロノヴェーダの姿が見えるようになるだろう。
アミデの人々の今後は、ディアボロスたちにかかっている。
一ノ瀬・綾音
【銀プロ】のみんなと。
シャニを説得する!
【過去視の道案内】でシャニのもとに行けないかな?
うまく会えたら【友達催眠】から【友達話術】。
ダネラに怪しまれそうなら【プラチナチケット】でごまかす。
ねぇ、君さっきステージ見てた子だよね!
実は綾音ちゃん頼みたいことがあって……
みんなに聞かれないようにシャニを人ごみから放して説得開始。
もうすぐクロノヴェーダっていう綾音ちゃん達の敵がここを襲ってくる。
とても強いからみんなこの村を捨てないといけないと思う。
でもこれはチャンスじゃない?君、聞いたところだと他の集落とかに興味あるみたいじゃん?他集落行けるかもよ?
だからお願い、長老さんにおねだりできないかな……頼む!
広場で歌われている曲にあわせ、シャニが腰をふりふり、いい加減なダンスを踊る。
「ダネラも踊ったら?」
「シャニのそれが踊りといえるのかどうかを論じるのが先ね」
ダネラの返しに街の人が笑い、シャニのダンスの真似をする。
この街を捨てさせるための説得にシャニも巻き込みたいところだが、この状態で話しかけたら街の人に筒抜けだ。
「まずはシャニを人混みから離さないと、説得もできないよね」
一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)はソラと連れ立って、シャニに近づいた。
「ねぇ、君さっきステージ見てた子だよね!」
綾音に呼びかけられたシャニは振り返り、あっと両手で口元をおおった。
「さっきの……!」
「覚えててくれたのね。光栄だわ」
ソラに言われ、シャニはこくこくと頷いた。
「実は綾音ちゃん、頼みたいことがあって……ちょっと来てくれないかな」
「は、はい!」
妙にシャニがうわずった様子なのは気になるが、連れ出すのは簡単そうだ。
ダネラは困ったように眉を寄せ、絶対に自分は離れないとの意志を見せて、シャニの腕を掴んだ。
路地に入ったシャニは、周囲に誰もいないのを確かめ、胸の前で手を組み合わせた。
「あの……私、実は……踊りとか、上手じゃなくて」
「え?」
急にシャニが何を言い出したのか分からず、綾音は戸惑う。
「でも頑張ればきっと。あ、歌もすごい音痴なんだけど、それでもよければ!」
「あ……」
「よろしくお願いします!」
綾音が横に流した視線と、ソラの視線が交わった。静まり返った場の中で、ダネラがばんばんとシャニの背中を叩く。
「シャニったら! スカウトじゃないわよ。もう、私のほうが恥ずかしいわ」
どうしようもなく緩んだ場で、話を切り出したのはルキアだった。
「シャニちゃんをここに呼んだのは、ハリルさんの説得を手伝ってもらいたいからなの……」
「おじいちゃんの?」
シャニは顔を引き締めた。長老の孫としての警戒がみえる。
「あのね、もうすぐクロノヴェーダっていう綾音ちゃん達の敵がここを襲ってくる。とても強いから、逃げないといけない。それだけじゃなくて、この街を捨てないといけないと思う」
思い切って打ち明けた綾音に、シャニはぽかんとした。シャニばかりでなくダネラも同じ反応だ。
「なに言ってるのかわかんないんだけど」
「それなら、来て」
綾音はシャニを街外れに……クロノヴェーダがやってきている側へと連れて行った。
大成功🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】がLV2になった!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
無堂・理央
街の人達を説得して、避難させるのは他の人にお任せ。
その時間を稼ぐ為にも、先行して敵を叩いて足止めしちゃおう。
無双馬『クロフサ』に跨って敵集団に突撃ー!
敵陣のど真ん中を駆け抜けて、クロフサが撒き散らす衝撃波で敵の陣形を崩しちゃうよ。
敵陣を突っ切ったら、突入方向を変えて何度でも駆け抜けて、衝撃波を撒き散らしてあげる。
更に【泥濘の地】を展開して、敵の足を鈍らせるよ。
敵は倒せれば倒すけど、それ以上に街に向かう数を減らして、移動時間を増やしてと街の人が脱出する時間を稼ぐよ。
敵の反撃は武器で受け止めや受け流しが出来るならそれで対応だね。
そもそも、駆けてるボク達に武器を当てに来れるならだけど。
灰色のシミがじわじわと近づいてくる。
薄汚れた包帯の上に布をまとったマミーの群れが、アミデの街目指してやってきているのだ。
「街には行かせない。ね、クロフサ」
無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)はそう言って、無双馬『クロフサ』のたてがみに触れた。
街では他のディアボロスたちが、避難のための説得に動いているだろう。説得は難しいけれど、きっと成し遂げてくれる。
だから理央はその時間を稼いでみせる。マミーの手が住民に到達することのないように。
「突撃ー!」
砂を蹴立て、かろやかにクロフサが疾駆する。
クロフサに跨った理央が目指すのは、マミーの集団のど真ん中。砂漠をまっすぐに駆けてゆく軍馬の姿は、雄々しくも美しい。
『これでっ、どうっ?!』
強き馬の脚が地面を踏む。その衝撃は波となり、周囲のマミーを揺るがした。
裂けた包帯の切れ端が風に舞う。
マミーが振り上げたシックルソードを搔い潜り、理央は群れの反対側に抜けた。躱しきれなかった剣に負わされたのはかすり傷。理央はすぐに馬首を返し、再びマミーの中へと飛び込んでいった。
駆け抜けることによって生み出された衝撃波が、マミーを倒せているのかどうかに気を払うことはしない。
群れをかき回し、混乱を招くことにより、進軍が遅くなれば良い。
地を踏みしめ駆けたあとの砂は泥濘と化し、一層マミーの動きを妨げる。
「ほらほら、どこ狙ってるのかな?」
疲れを見せず、理央は砂漠を駆け続けた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
ラズロル・ロンド
(サポート)
妖狐の風塵魔術師×レジスタンス諜報員、21歳の男
口調はざっくばらん(僕、~君、だね、だよ、だよね、なのかな?)
性格は人懐っこく敵も味方も話しかける人誑し
情報収集好きで、共感、同調して近づき
必要ならこちらの都合が良くなるよう話の方向性を操作
敵にバラして良い状況なら「悪いね、実は僕コッチ側なんだ」と開き直る
機密は話をすり替えて逸らすよ
話の空気に敏感で、流れが悪くなるといつの間にか姿を眩ます
パラドクスはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動
無かった事になんてさせないっ
失ったモノ…友を取り戻す為全力で戦う
他の仲間に迷惑はかけないようにする。公序良俗に反する行動はしないよ
後はお任せ。よろしくね
「元気だねぇ」
ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は派手な理央の戦いぶりを見やって、目を細めた。
潔いともいえる戦法は、自分が取るのとは違うけれど、その鮮やかさは感嘆に値するというものだ。
「さてと、こちらもひと働きしようか」
さらさらとした砂を踏み、ラズロルは理央に翻弄されているマミーに近寄っていった。ふらりと散歩でもするような力みのない動作は、マミーの目をひかない。
「こんにちは。街まで買い物にでも行くのかい?」
話しかけられたマミーが身構えたときには、すでにラズロルは至近距離から小型拳銃を撃ちこんでいた。
「砂漠でこういう武器って新鮮だと思わない? おっと……」
撃たれたマミーは飛び離れると、シックルソードを前にして、ラズロルめがけて突進してきた。毒の色に染まる剣が、ラズロルをかすめる。
「おお、はりきってるなぁ。だけど僕も、退いてはあげられないんだよね。団員たちががんばってるんだから、足止めくらいはしないとね」
マミー到着までの時間を遅らせること、マミーを減らすこと。そのどちらも、街で動いている仲間の助けとなってくれるはずだ。
良き結果をもたらすための時間を稼ぐため、ラズロルはまた引き金を引くのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
エアハルト・ヴィオレ
長老の方へ説得に。
【プラチナチケット】使用。
ハリル様ですね。実はこの街は悪しき神の軍勢に狙われています。悲しむべき事ですが、一度街の位置を特定されてしまえば、この街は滅ぶまで狙われ続けるでしょう。そうなれば、街の方々の命が失われてしまう。
この街は素晴らしい場所です。しかしこの街の営みは街の人が居てこそ。街だけでなく、人が失われてしまったら、この街並みの営みの事も、知る人がいなくなってしまう。・・・生活は人がいてこそです。
たとえ住む場所を離れても、共に歩む人々がいれば何度でもやり直せます。お孫さんは外の世界に目を向けてますよ。大切な家族と街の人々と共に、生きて、また新しい生活をしてみませんか?
ソラ・フルーリア
【銀プロ】の皆と参加!
説得は難しそうだけど……此処でやらなきゃ皆クロノヴェーダに襲われちゃうのよね。
誰も犠牲にはさせないわ!
長老の説得は、孫のシャニに声をかけて説得を手伝って貰いたいわ!
「さっきステージを見てた子よね!
実はアナタのお祖父さん……長老と少し話があるの。付いてきてくれないかしら?」
長老に会ったら、この街のお祭りがとても楽しかったことと参加させてもらったことに感謝しつつ、
・この街がじきにクロノヴェーダに襲われる事
・そのためにこの街を捨てなければいけない事
・外の世界にも素晴らしいものは沢山ある事
特に最後はシャニにも手伝ってもらいつつ、なんとか逃げる判断をしてもらいたいわね!
シャニと並行して、長老のハリルのもとへもディアボロスが訪れていた。
「ハリル様ですね。私はエアハルトと申します」
エアハルト・ヴィオレ(宵闇のエヴァンジル・g03594)が名乗ると、
「ああ、あの何とかという異国の楽器を弾いていた……」
ハリルはバイオリンを弾く手つきをして見せた。
「この辺りでは聞かない音だから、皆珍しがっていた。聞かせてくれてありがとう」
礼を言うハリルの頭の多くは、今日の祭りで占められている。迫る危機を知らぬが故に、ハリルの表情はほがらかだ。
「ねぇ、長老さん」
祭りの喜びを壊してしまうのは哀しいけれど、告げなくてはならないことをシルは口にした。
「ここに危機が、厄災が迫ってきているよ。ここにいたら、みんなもシャニさんも死んじゃうかもしれない……」
「こらこら。めでたい日には、良くない言葉は使わないものだ。悪しきものを呼び寄せないためにな」
ハリルは孫に言い聞かせるような口調で、シルに注意する。真実が戯言とされてしまわぬよう、エアハルトは言葉を重ねた。
「いいえ、ハリル様。すでにこの街は悪しき神の軍勢に狙われているのです」
「何を莫迦な」
鼻で笑うハリルに、シャニのところからこちらにやってきたソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)が首を振った。
「この街のお祭りに参加できてとても楽しかったから、こんなことを言わなくてはならないのが残念だけど、本当のことなの」
何を言い出すのかと呆れながらも、あり得ないと切り捨てることができないのは、ディアボロスたちが皆、真剣だから。もしかしたらと否定できない危惧を覚え、ハリルの目が落ち着きなく動く。
「もうじき、この街をマミーの群れが襲うわ。もうすぐそこまでやってきてるの。今、シャニに街の外を見てもらってるから、本当だってことはすぐにわかると思うわ」
孫が関わっていると知り、ハリルの眉がぴくりと震えた。
「本当にそうなのだとしたら、どうやり過ごせと?」
「やり過ごせないわ。だからこの街を出る必要があるの」
「一時的にどこかに隠れねばならないということか……」
ハリルは顎に手を当てた。街の人をどこに隠せば安全だろうか。街は無理だろうからひとまず外に出なければならないだろう。だが、その間に街が破壊され、オアシスが損なわれることがないといいが……など、考えをまとめるためか口の中で呟いている。
「いいえ。一時的にではなくて、このオアシスを捨てていかなくてはならないわ」
ソラの返事に、ハリルは考えから引き戻されて目をむいた。
「オアシスを捨てろと?」
まさかとの問いにエアハルトは、はいと答えた。
「悲しむべき事ですが、この街のことはすでにクロノヴェーダに知られています。一度街の位置を特定されてしまえば、この街は滅ぶまで狙われ続けるでしょう。そうなれば、街の方々の命が失われてしまいます」
「それでも無理だ。外は生きて行くにはあまりにも過酷だ」
照り付ける太陽から守ってくれる家もなく、渇きをうるおしてくれるオアシスもなく、寒暖差にさらされ、減ってゆく食料におびえる。
その苦労を聞かされてきたハリルにとっては、砂漠は実際以上に恐れの対象だろうと、プターハは苦悩する長老を見やる。
「確かに過酷です。けれど、それ以上の悪夢が今まさにやってくるのです」
自然相手ならば戦うすべもあるだろうが、クロノヴェーダを前にすれば、一般人はなすすべもなく踏みにじられるだけだ。
「わたしたちはあなたたちを守るために、ここに来たの。でもいま、ここで守れたとしても、その先は? クロノヴェーダが来たらまた近くに隠れて、戻って、そのたびに街の人が減っていって。ずっと死の恐怖に怯えながら過ごすの?」
シルの瞳が、ハリルの瞳にまっすぐ問いかける。
もしかしたら生き残れるかもしれない。けれど、クロノヴェーダの足音に怯え続ける毎日は、楽しいものとはならない。
「そうならないように、ここから逃げてほしいの」
「むぅ……」
ハリルは唸った。ディアボロスたちの話は、ハリルが最もしたくない選択を突き付ける。そしておそらくそれが最善の道だということを、いやが上にもハリルに分からせてしまう。
「この街は素晴らしい場所です。けれど素晴らしいのは、恵み深きオアシスでもなく、街の佇まいでもありません。この街の人が居てこそ、です」
エアハルトのバイオリンを聴いて喜んでくれた。あの人々が失われると思うだけで、耐えがたく辛い。
「たとえ住む場所を離れても、共に歩む人々がいれば何度でもやり直せます。お孫さんは外の世界に目を向けてますよ」
「シャニ……」
ハリルの顔がいっとき、長老ではなく祖父の顔になる。
「大切な家族と街の人々と共に、生きて、また新しい生活をしてみませんか?」
「生きて新しい生活を……か」
ハリルは腕を組んで目を閉じた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】がLV2になった!
【友達催眠】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
ストロベリー・メイプルホイップ
(連携、アドリブ歓迎!)
ふぅ、少し踊り疲れちゃったけど、これからが本番。
お祭りを楽しんだし、説得する時間を稼ぐためにもマミーを足止めしないとね!
残留効果1の【飛翔】で敵の頭上から、残留効果2を全部適用して【破壊の吐息】!
纏まってる場所にパラドクスを撃ち込んで、広範囲のマミーを蹴散らしていくよ!
上を高速かつ高高度で取れてるからだいぶ有利だと思うけど、撃ちもらしはラズベリーちゃんに急行してもらって時間稼ぎをお願いするね!
その間に私も向かってブレスをお見舞いするよ!
他の人が苦戦なり囲まれそうな時は、上空からパラドクスで援護するね!
ともかく時間を稼ぐか、マミーを殲滅するかしないと!
「ふぅ、少し踊り疲れちゃったかな」
祭りの余韻を引きつつ街の外に出ると、ストロベリー・メイプルホイップ(デンジャラスドラゴン・g01346)は上空へとはばたいた。
広場でのポールダンスは楽しかった。ポールの周りを楽しそうに回っていた人々を、マミーが蹂躙するなんて許せない。
ここでできるだけ時間を稼ぎ、説得と避難を成功させなくては。
空から見下ろす群れは中央部がへこみ、左右がだらりと伸びて進むいびつな形となって、アミデの街へ向かっている。ディアボロスたちが戦う周囲のマミーの進みが遅くなり、それ以外のマミーは淡々と進み続けているためだ。
「さあ、ここからが本番よ。ラズベリーちゃんもよろしくね」
メーラーデーモンのラズベリーに声をかけると、ストロベリーは敵が集まっている箇所に目標を定め。
『えっとっと、こう言う事が出来るのは本能的に解るけど、手加減は出来ないからね!』
胸いっぱいに吸い込んだ息を、ストロベリーはマミーめがけて吐き出した。
息は拡散する破壊光線となってマミーを襲う。その衝撃で、損傷したマミーの体の一部が砂上に弾き飛ばされた。
マミーはシックルソードを掲げ、砂を蹴った。ストロベリーの四方から鋭くマミーの剣が振るわれる。
「ほんと、手荒なんだから」
ぼやきながら地上に目をやれば、下ではラズベリーがいい感じの枝を振り回して、マミーと応戦している。
「ラズベリーちゃんに負けないくらい、がんばらないとね」
ストロベリーはさきほど傷を負わせたマミーのいる辺りめがけて、再び破壊の吐息をふきかけた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!
アサーラ・アサーラ
長老は孫に甘いので、孫のシャニの説得に向かう。
わらわも故郷を無くしているけれど、それは何故かっていうとね。
命があるから、夢だって追えるのよ!
死んでしまったら全てが終わり!
だから、故郷は無くなってしまったけれど、わらわは生きているから、夢だって希望だって、新しい場所で見つけて、こういう服にも出会えて、今を生きれているのよ!
今、この街には危機が迫っていて、このままじゃ大勢の人が命を落とす。
シャニだって、おじいちゃんだって、ね。
だから、今こそ動くときなのよ!
ここを追われたって、命ある限り、夢は、追える!
新天地だって、必ずある!
だから、みんなに生きて欲しいの!
お願い、シャニ!
長老を、説得するのよ!
ルキア・アダマント
えーっと、長老のハリルさんはお孫さんに弱くて、そのお孫さんがシャニちゃんなのね。
私と同じ年頃なら仲良くなれるかな……。
ともかく、説得にはシャニちゃんの協力が不可欠かも。
まずは彼女に相談して、ハリルさんを一緒に説得してもらえないかな。
彼が納得してくれたら、他の人たちを率いてここを離れる決心をしてくれるはず。
このオアシスを捨てる不安はもっともよ。
外で生きていけるかは分からない。
でも、ここに留まっても未来はない。
それなら外の世界に賭けた方が可能性があるんじゃないかな。
私はきっと新しい場所へ辿り着けると思うわ。
このオアシスに辿り着いたおじいさまの血が、ハリルさんにもシャニちゃんにも流れているんだから。
目にした光景の衝撃にふらついたダネラを、シャニが支えた。
「ダネラ、しっかりして。おじいちゃんに知らせなきゃ」
顔色は青いが、シャニは気丈にダネラを励ます。
長老のもとへと向かうシャニに同行しながら、ルキア・アダマント(金時計に刻む記憶・g04840)は説得を続けた。
「今だけではなくて、これからもずっとああいう敵がこの街にやってくる。もうこの街は安全な場所ではなくなってしまったの。次の敵が来る前に、オアシスを捨てて、見つからない遠くまで逃げないといけないわ」
「でも、オアシスを離れたら生きていけないって、おじいちゃんが言ってた……」
物心ついてから言い聞かされ続けてきた教えは、シャニにも根付いている。
「不安なのはもっともよ。外で生きていけるかは分からない」
砂漠という自然は、人が楽観的に考えることを許さない。でも、とルキアは続ける。
「ここに留まっても未来はない。それなら外の世界に賭けた方が可能性があるんじゃないかな」
「可能性……?」
必死に考えているのだろう。シャニの目が忙しくまばたく。
「ねえ、シャニ」
アサーラ・アサーラ(どこかのエジプトの女王様(アメスク仕様)・g04870)は両手でぎゅっとシャニの手を握った。
「わらわも故郷をなくしている。けれど、わらわは生きているから、夢だって希望だって、新しい場所で見つけられた。こういう服にも出合えて、今を生きれているのよ!」
シャニが興味をもってくれた服。それはアサーラの故郷の服ではなく、別の世界で生きて行くことを受け入れたアサーラが、つかみ取った服だ。
「街の外を見て、分かったわよね。今、この街には危機が迫っていて、このままじゃ大勢の人が命を落とす。シャニだって、ダネラだって、おじいちゃんだって、ね」
「やだ」
シャニは力なく首を横に振った。
「そんなの絶対にやだよ」
「だったら、今こそ動くときなのよ! ここを追われたって、命ある限り夢は追える! 新天地だって必ずある!」
アサーラは力強くシャニと繋いだ手を振った。
「死んでしまったら全てが終わり! 命があるから、夢だって追えるのよ! わらわはみんなに生きて欲しいの!」
「あたしだって死にたくないよ。ここを出て生きられるなら、そっちがいいけど……」
「ここを出た先の未来は誰にもわからない。でも私はきっと新しい場所へ辿り着けると思うわ」
きっぱりと言うルキアに、シャニはどうしてと尋ねた。
「どうしてそう思うの? あたしにはさっぱりわかんないのに」
「このオアシスに辿り着いたおじいさまの血が、ハリルさんにもシャニちゃんにも流れているから」
かつて、はるか遠くから、生きる地を探してやってきた者たちがいて、遂にこのオアシスを見つけた。
シャニの存在が、街の存在が、砂漠をさすらう果てに未来があることを示している。
「それにこれは、チャンスじゃない? 君、聞いたところだと他の集落とかに興味あるみたいじゃん?」
他の集落にも行けるかもよ、と綾音に言われ、シャニはようやく小さく笑った。
「そう、あたし、外に行きたかったんだ、ずっと」
なのに、なにを怖気づいているのだろうと。
「シャニちゃん、オアシスを出ようって、ハリルさんを一緒に説得してもらえないかな」
「お願い、シャニ! みんなが死ななくていいように、長老を、説得するのよ!」
ルキアとアサーラに請われ、シャニは頷いた。
「うん、わかった」
心を決めたシャニが角を曲がると、そこにハリル長老とディアボロスたちの姿があった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【過去視の道案内】がLV2になった!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!
プターハ・カデューシアス
さて、頑固な長老様にどう納得していただきましょうか
【トラップ生成】で敵の侵入予想箇所に鳴り子の罠を
侵入を確認したら【避難勧告】で避難を促します
エアハルト様に同行
ハリル様は御爺様の話でアミデから出ること自体
トラウマになっている様子。しかし…
「それ以上の悪夢が今まさにやってくるのです」
御爺様の体験談は今後の旅で必ず役に立つはずです
辛いでしょうが、思い出して
周囲の土地情報も提供
少しでも心が動いたら願いを込めて【勝利の凱歌】を
どうか無事に貴方がたの「新天地」が見つかりますように
敵は仲間に任せ
今はアミデの人々を逃すことに尽力
長老を説得出来たなら素早く事態を伝達せねば
街人が混乱します
連携・アレンジ歓迎
シル・ウィンディア
【銀プロ】のみんなと同行希望
お孫さんに行ってくれているなら
わたしは長老の方に行こうかな
ねぇ、長老さん
ここに危機が、厄災が迫ってきているよ
ここにいたら、みんなもシャニさんも死んじゃうかもしれない…
いま、ここでわたし達があなた達を守れたとする
でも、その先は?
ずっと死の恐怖に怯えながら過ごすの?
そうならないよう、ここから逃げてほしいの
長老のおじいさんは長い旅に先にここを見つけたんでしょ?
外の世界に賭けてもいいんじゃない?
それに…
シャニさんは外の世界に興味を持ってるし
その夢をかなえてあげてもいいんじゃない?
どちらにしても
わたし達はあなた達を守る為に動くよ
でも、その先はあなた達の生きるための戦いだっ!
ベアストリア・ヴァイゼンホルン
【銀プロ】で参加。
街の危機が迫っているが、説得するのは難しいだろう……。
しかし、人々の未来がある。頑張って説得してみようかな。
ここにクロノヴェーダ達が迫っている、この町に入れば皆大変なことになる。
故郷を捨てると全てを失う。僕には分かる。でも、生き残れば新たな世界を手に入れ、未来を見ることができる。
貴方達の先祖には申し訳ないけれど、この地を捨てることを子々孫々の未来の為に決断して欲しい。
効果は薄いかもしれないけど、【勝利の凱歌】を使って出来る限り多くの人に勇気を与えられればいいけど……。
避難時、脚の遅い人、貨物の輸送には【フライトドローン】を使うね。
死んでしまったら、何も残らないんだよ……
「おじいちゃん!」
シャニの声が響いた。
「良かった。連れてこられたのね」
ソラはほっと息を吐いた。外の世界にこがれているシャニならば、きっとハリルを動かす助けになってくれるだろう。
走ってきた勢いのまま、シャニはハリルの胸に飛び込んだ。
「この街めがけて、マミーがいっぱい来てるよ。この人たちの仲間が戦ってくれてるけど、もうほんとに近くまで来てるの」
「やはりそうなのか……」
ディアボロスからの話が本当であることは、ハリルも分かっていたのだろう。シャニからの報告に、ハリルは深く頷いた。
「マミーが来る側の入り口に、鳴子を仕掛けてあります。まだ街には侵入されていないようですが、時間の猶予はありません」
侵入されれば街の人々の間に混乱が起きる。そうなる前にと、プターハ・カデューシアス(コワモテ紳士・g03560)はハリルに決断を促した。
街の未来に関わることだ。ゆっくり考えたいところだろうが、今来ている敵、そして今後も送られてくるだろう敵から逃れるためには、早い決断が必要だ。
「おじいちゃん、あたし、オアシスは大好きだけど、ここで死にたくないよ。もっといろんなもの、見たいし、知りたいの」
胸の中のシャニに見上げられ、ハリルは呻吟する。
「だが、この街の者は外での暮らしを知らぬ。オアシスを離れ、生きていけるとは思えんのだ」
外の世界が非情であることはよく聞かされた。ハリルはそう呟く。
「でも、その昔語りをしてくれた長老のおじいさんは、長い旅の先にここを見つけたんでしょ? だったらこの街の人たちだって、外の世界に賭けてもいいんじゃない?」
シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)から指摘され、ハリルははっと顔を上げた。
「御爺様の体験談は、子どもの頃のハリル様にとってはさぞや恐ろしかったことでしょう。ですが、それは今後の旅で必ず役に立つはずです」
プターハの言葉に、ハリルはもしかして、と幼き日のことを思い起こす。
「じい様はもしや、いつかこの地を離れることがあるかも知れないと……外の話をしてくれたのか」
砂に飲み込まれていった人々の話、砂嵐に追われたときの話。それは、恐怖を与えようとして語られたのでも、武勇伝でもなかったのかも知れない。
「辛いでしょうが、御爺様から聞かされた話を思い出してください。きっとこれからの助けになることでしょう」
プターハが話す間に、長老は何度も何度も頷いた。
――むかしむかし。
新天地を求めて旅立った民がいた。
彼らは艱難辛苦の上、オアシスを見出した。
そこは素晴らしい地だったが、それに安堵しきっていない者は砂漠の出来事を子孫に昔語りとして言い聞かせた。
万が一の事態がこのオアシスに起きたとき、生き抜くために――。
「どちらにしても、わたしたちはあなたたちを守る為に動くよ。でもその先は」
シルはいったん言葉を切り、ハリルとシャニに視線を当てる。
「あなたたちの、生きるための戦いだっ!」
それはアミデの民にしかできない戦い。
ハリルはシャニと目を合わせて頷き合うと、声を挙げた。
「我らアミデの民は、本日この時、オアシスを後に旅立つ!」
そこからは、手分けして街の人々への伝達が行われた。
「危険が迫っている。ありったけの水と食料を持って、すぐに街を出るのだ!」
当然、住民は驚愕した。だが、街を治めてきたハリルの長老としての人望は厚い。長老がそう言うなら、ここにいては大変なのだろうと、事情は分からぬままに避難の用意を開始した。
どうか勇気をもってここを発ってほしいとの願いをこめて、ベアストリア・ヴァイゼンホルン(ジャンカー系眼鏡女子・g04239)とプターハは勝利の凱歌を街に響かせる。
「この先、起伏が激しい場所がございます。ですが、それさえ越えればなだらかな地が続きます。どうか、気を強くもって難所を乗り越えて、貴方がたの『新天地』を見つけてください」
プターハは上空から調べておいた地形を人々に伝えた。
険しい道が辛いのは、それがどこまで続くのか分からないから。先に楽があることを知っていれば、きっと進んで行ける。
避難はおおむね順調に進んだが、それでもやはり、強硬に抵抗する人はいた。
「出て行きたきゃ勝手に行け。俺はここに残る」
男性が地面にどかりと座り込むと、周囲の人にも動揺が広がる。もしかして残ったほうが良いのではないかと、顔を見合わせだす。
無理もない。そう思いはしたが放置はしておけず、ベアストリアは男性に話しかけた。
「クロノヴェーダが迫っている……この街にいれば……大変なことになるんだよ」
「俺は生まれたときからずっとここで暮らしてきた。今更外でなんか暮らしていけるかよ」
「そうだね……故郷を捨てると全てを失う。僕には分かる……」
ベアストリアの声にこめられた実感に、男性が怪訝な表情になった。それに構わず、ベアストリアは話しかけ続ける。
「でも……それでも、生き残れば新たな世界を手に入れ、未来を見ることができる……。失うことは避けられないけれど、別の世界にも確かに未来はあるんだよ……」
失ったものの代わりなんて、どこにもない。
でも、ここで死んでしまえばすべて失うだけだ。
「俺のおやじもそのまたおやじも、この街に墓がある。おふくろは足弱で逃げられやしない。捨ててなんか行けっかよ」
ごしごしと男性は袖で顔をぬぐう。
「貴方たちの先祖には申し訳ないけれど……この地を捨てることを子々孫々の未来の為に決断して欲しい……。僕も手伝うよ……」
ずっとは無理だけれど、今の混乱の間だけは。
「これにお母さんを乗せて……少し先までだけしかついて行けないけど……できるところまで送っていくよ」
ベアストリアはフライトドローンを呼び寄せると、逃げよう、と男性を促した。
男性は半分泣きべそをかいたような情けない表情のままで頷くと、家の中にいる母親に出てくるように呼ばわった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【エアライド】がLV3になった!
【フライトドローン】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
ラズロル・ロンド
目的はアミデ住民の避難脱出
それが完遂するまではアルナヴェトも足止めだね
【パラドクス通信】で脱出具合を聞き
足止めが必要ならちょっかいを仕掛ける
【モブオーラ】[忍び足]で街の反対側から回り込むように近づき
「これはこれはアルナヴェト様ではありませんか。こんな所でお合い出来るなんて。僕はなんて幸運なのでしょう。是非、この金銀宝石の供物をお収め頂きたく…」と出す素振りをしては
「そうそう、ご存知ですか?太陽神ラー様を」など神々の情報収集もしたいけど…収穫は期待薄?
でもでっち上げ話は続ける
宝石を出す素振りを交えて
身バレしていたら応戦を
熱狂的信者はいなし
地形利用は【飛翔】で対策
脱出完了まで一撃離脱で逃げ回ろう
ディアボロスたちによって乱され崩されてゆくマミーの行進に、アルナヴェトは苛立っていた。
「もー、なんで言う通りにできないかなぁ。ボクが殺してあげたくなっちゃうよ」
アルナヴェトは腹立ちまぎれに前にいたマミーを蹴飛ばす。
「のろまは後からおいで。街へはボクが一番乗りー!」
マミーを追い抜いてアミデへと駆けだそうとしたアルナヴェトに、不意に背後から声がかけられた。
「これはこれはアルナヴェト様ではありませんか。こんな所でお会い出来るなんて。僕はなんて幸運なのでしょう」
ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)が進み出て、うやうやしく頭を下げた。
「あんた誰?」
まさかこんなところで声をかけてくる者がいるとは思いもしなかったのだろう。アルナヴェトは踏み出しかけた足を浮かせたまま、目も口も大きく開けてラズロルを見た。
「アルナヴェト様を敬い奉る者ですよ。是非、この金銀宝石の供物をお収め頂きたく……」
ラズロルはごそごそと懐を探るが、アルナヴェトは油断なく目を細め、さきほどの問いを繰り返す。
「あんた誰? 一般人じゃないよね」
「あらら~。ばれました?」
ラズロルは悪びれずに、空っぽの手を広げて見せた。
注意して確認すれば、クロノヴェーダはディアボロスが一般人でないことに気付くことができる。警戒させてしまうような場面では、一般人を装うのは難しい。
「もう、ただでさえイライラしてるのに! 殺す!」
アルナヴェトは薄青の宝石のはまった杖を振りかざした。
怒って地面を踏み鳴らすアルナヴェトの姿が、ラズロルが巻き起こした砂嵐で見えなくなる。その隙にラズロルは空へと逃れたが、砂嵐が晴れると同時にアルナヴェトの杖から放たれた光線が命中する。
「異端者め、神罰を食らえ!」
わめくアルナヴェトを見下ろしながら、ラズロルは手の中に握りこんだ通信機を口元に持っていった。
「アルナヴェトと交戦中。足止めしとくから、そっちはよろしくね」
大成功🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
平良・明
さて、私も仕事です、行きますよ
オアシスにたどり着く間もなく、砂漠に消えて頂きます
何回も顔を合わせていますが、このマミーさん達はどこの誰が産み出しているのでしょう
あのシックルソード、気になっていたんですよ
黒い刀身を見るに、冥界と豊穣を司るオシリスの手勢のようですが
マミーを作り出す儀式を鑑みると、砂漠を司るセトの関係のようにも見えます
何か剣に神の象徴等描かれていませんかね、いい加減手掛かりが欲しいものです
少し遅れをとってもいいので、ギリギリまでひきつけてよく観察しましょう
それにここは爆破の炉心ですよ、大勢を巻き込むにはひきつけるのがよく効くと聞きました
さあ、この捨て身の一撃に燃え尽きてもらいます!
アリスティア・セラフィール
他のディアボロスが人々を説得して逃がしてくれることを信じて、私たちは人々を守りきりましょう。
魔楽器『Crystal Symphony』の力で出現させた魔法の鍵盤で雄々しい曲を奏で勝利の凱歌の力で逃げる人々を勇気づけながらパラドクスを発動、創造した英雄たちを逃げる人々を背後を守るように展開、私は飛翔の力で空から観察して戦況を適切に把握して逃げる人々に敵の手が届かないようにパラドクスの英雄たちを戦わせます。
「気高き英霊たちよ、人々を守りたまえ」
把握した戦況はパラドクス通信で他のディアボロスに共有して効率よく敵を撃退できるようにして人々を守りましょう。
ラズロルから受けたパラドクス通信に、アリスティア・セラフィール(シンフォニックウィザード・g02995)は了承を返した。
マミーの群れはディアボロスに乱されながらも、アミデの街に押し寄せつつある。アルナヴェトが足止めされているうちに、対処が必要だ。
「さて、今度の仕事は掃除ですか。ボスが来る前に、きれいにしておきたいですね」
作業服を身に着けた平良・明(巡礼・g03461)は、慣らすように肩を回した。敵をすっきり片付けて、勝利の一服といきたいところだ。
少々見慣れてきている感のあるマミーを明は眺め渡す。
「いったい、どこの誰がマミーさんたちを生み出しているのでしょうね」
明の脳裏にかつて見た、砂に埋められたリターナーたちの姿が浮かんだ。
試練として生き埋めにされ、這い上がれるのはほんのわずか、マミーとなった者だけ。今もどこかで、試練にさらされているリターナーがいるのだろうか。
「ふむ……」
明はマミーの群れに飛び込んでいくと、その手元にあるシックルソードに目をやった。前から気になっていたのでよく見たいのだが、相手は見せる気などさらさらない。思いっきり剣をふるって明を切り刻もうとしてくる。こちらを倒そうとふるわれる剣を観察するのは困難だ。
『たーまやー』
一時観察を諦めると、明はどかんと音を立てて周囲に爆発を起こした。
「粉塵爆発@用務員さん解釈、ですよ」
傷を受けながらも、明は微細な粒子を散布しては着火して、敵を爆破に巻き込む。
そして倒れたマミーの手から落ちたシックルソードを拾い上げ、目に近づけた。
なにか描かれていないかとひっくり返して両面を見たが、特に印などは見当たらない。
「では遠慮なく。この捨て身の一撃に燃え尽きてもらいます!」
もう観察無用とばかりに、明は派手にマミーを噴き上げた。
オアシスに感謝し、ささやかな祭りを楽しみ、日常を送る。そんな場所が、クロノヴェーダを信仰しないという理由だけで襲われる。そんな理不尽を許すことはできない。
アリスティアは白き翼を広げ、空に舞い上がった。
他のディアボロスが街の人を説得してくれたのだろう。逃げようとしている人々の姿が確認できる。
それなら今アリスティアがすべきことは、人々をクロノヴェーダの手から守り切ることだ。
「この先はあなたがたが踏み荒らすべき場所ではありません」
アリスティアの指輪から溢れる光が、空中に魔法の鍵盤を作り出した。蜃気楼のごとき光景だが、水晶で作られたような鍵盤にアリスティアが指を乗せれば、それは幻ではないことを証して、雄々しい曲を生み出す。
『気高き英霊たちよ、人々を守りたまえ』
生み出された英雄たちはアリスティアが命ずるままに、街を守るべく立ち塞がり、マミーと戦った。
マミーは声にならない唸り声をあげると、凝り固めた呪詛をアリスティアへと撃ち出す。だがそれは、アリスティアにわずかな傷を負わせたにとどまった。
次の攻撃に移る前のわずかな時間に、アリスティアはパラドクス通信で周囲のディアボロスに空から見た状況を伝える。
「街からみて左側にマミーが迫っています」
「了解。私がそっちに回るよ」
ストロベリーからの返事に、お願いしますと答えながらアリスティアは再び鍵盤に指を走らせた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【プラチナチケット】がLV3になった!
効果2【アクティベイト】がLV2になった!
マミーが蹴散らされた砂漠を、アルナヴェトが怒りをまき散らしながら駆けてくる。
その反対側には、街から脱出しようとする人の列。
追いつかれれば、街の人の生命など簡単に吹き散らされる。
シャニもまた、逃れかけている運命……アルナヴェトに傷口をねじりこまれる未来にとらえられることになるだろう。
そうしようとするアルナヴェトと、そうさせないためのディアボロスの戦いが、始まる――。
アサーラ・アサーラ
いよいよお出ましね!
コイツがすべての元凶!
長老さん達も、シャニ達も、コイツのせいで、ここを追われた!
わらわは許さない!
わらわの故郷も奪った、こいつらだけはー!
ウインドオーブを空高く掲げて、サンドストームで攻撃なのよ!
敵の攻撃は、信仰と輝きを集める隙があるから、その隙を見て、光線を放つ前に、回避とか、カウンターとか、臨機応変に行動!
味方との連携重視!
これが終われば、シャニ達とお別れなのね!
でも、きっと彼女たちは、これから強く生きていける!
それだけの絆、わらわ、感じたから!
きっとまた、会えるから!
元気でね、シャニ!
行きついた先に。
わらわはきっと。
また、会いに行くのよ!
それまで、またね!
バイバイ!
プターハ・カデューシアス
通信から、ラズロル様の声が?
いらしていたのですね、心強いです
…が!
お一人で斥候とは。どうか、ご無事で!
一人足止めをしている親友を想い
避難の進捗を確認後、飛翔で戦場へ駆けつけます
正直、ウサギは嫌いです
偽神は皆許せませんが、とりわけ
信者を盾にするなど反吐がでる
その信者も、どこで手に入れたのですか?
心や体を弄んで…安らかなる眠りを妨げて?
狂信者を仕向けてきた際には
飛行で躱し信者足下へ【泥濘の地】展開
怒りを力に変え
力の限り戦い
必要であれば、アサーラ様をディフェンス
自身は多少の傷など気にしません
アミデの民が決意してくれたのです
彼らの門出に、手出しなどさせない!
復讐者の矜持にかけて
アドリブ、連携 歓迎です
平良・明
砂に潜る水の流れのように、オアシスの皆さんの希望を繋ぎましょう
無視して通り過ぎられる訳にはいきませんからね、まずはよくこちらに気が付いてもらわなければ
よく見えますよ、その怒りも速さも、血の匂いがしそうな金と宝石の輝きも
この香炉の灰のひとふりひとふりが値千金、脚を止めてしっかり拾って頂きます
爆薬を送り込んだらすぐざま種火をふるって着火です
可能な限り味方と連携して仕留めにかかりましょう
流れを変え、今に無理やりねじ込むこの力、ふるわせていただきます
細い川のように、アミデの街から住民が流出している。
広い砂漠の中で、いまにも途絶えてしまいそうなささやかな流れ。けれどその流れはきっと、砂漠の砂深くに潜って続く地下水脈のように、人々の希望をつないでくれる。
そのためにも、と平良・明(巡礼・g03461)は目につきやすいよう、アルナヴェトと街を結ぶ進路に立ちふさがった。
こちらに気付かず通り過ぎられては、街の人に害が及びかねない。必ず己の身で、アルナヴェトを止めてみせる。
砂煙をあげて、アルナヴェトはすっ跳んで来つつある。
わぁわぁとあげている喚き声に耳をすませば、聞くに堪えない罵詈雑言だったから、明はその内容から意識を逸らした。
「よく見えますよ、その怒りも速さも、血の匂いがしそうな金と宝石の輝きも」
跳ねるたび、身に着けた宝飾品が陽を受けて光る。アルナヴェトにとって高価な飾り物は誇示したいものなのだろうが、明の目には醜悪にしか映らなかった。
「ラズロル様はいらっしゃらないようですね……」
飛翔してアルナヴェトの周辺を見渡し、プターハ・カデューシアス(コワモテ紳士・g03560)は気がかりそうに呟いた。アルナヴェトの足止めをしていると聞いたが、姿は見えない。すでに離脱しているのだろうか。
「ラズロルならきっと大丈夫。何事もなかったかのように旅団で待ってるわよ」
アサーラ・アサーラ(どこかのエジプトの女王様(アメスク仕様)・g04870)は確信をもってそう言うと、間近に迫ったアルナヴェトに鋭い視線を送った。
「いよいよお出ましね!」
アルナヴェトのせいで、長老もシャニもここから離れなければならなくなった。先の見えない砂漠の奥へ逃れなければならなくなった。
アサーラの故郷もクロノヴェーダによって奪われた。
「わらわは赦さない!」
その怒りが今燃え上がる。
「あー、どいてどいてー。邪魔するとついでに殺しちゃうよ」
アルナヴェトはしっしっと蝿でも払うような手つきをした。街の人をなぶってイライラを解消しないとやってられないとばかりに、ディアボロスの脇を通り過ぎようとする。
アサーラは口唇を引き結ぶと、砂漠の風の力を封じた宝珠を空高くかかげた。
宝珠から放たれた風は渦を巻き、アルナヴェトを包み込む。風に巻き込まれた砂は、アルナヴェトの身をざりざりと削った。
「邪魔するなって、言ってんだよ!」
アルナヴェトの杖の宝石が輝き、反撃の光線がアサーラを貫く。
「アサーラ様!」
プターハが挙げた声に、アサーラは平気と答えた。
「こんなの。故郷を失う人の痛みに比べれば、なんでもないわ」
無理やり押し通ろうとするアルナヴェトの前に、明が割り込む。
「この灰のひとふりひとふりが値千金、脚を止めてしっかり拾って頂きます」
明が左手の指に挟んでいるのは、護符で巻いた薬草のたばこ。
『想い流れ、願いは祈り』
すうとその手をアルナヴェトに差し出す仕草でたばこの灰がほろりと崩れる。と同時に、気体爆弾が破裂した。
「流れを変え、今に無理やりねじ込むこの力、ふるわせていただきます」
パラドクス『己が駆流のうしろ火』。明が空間を歪めて出現させていた無色透明な気体に、たばこの火が引火したのだ。
アルナヴェトは激怒した。
「おい、ボクのきれいな毛並みが乱れたらどうしてくれるんだよ! 親衛隊のみんな、己の神を守りな!」
アルナヴェトが命じると、どこからか現れた7人の熱狂的信者が、明へと捨て身で躍りかかった。
自らの手を使わず信者を利用する様子に、プターハの胸に嫌悪が湧き上がった。
「神を名乗りながら、信者を危険にさらすのですか。そもそも、その信者はどうやって手に入れたのですか?」
「んー、それはもちろんボクの人望で?」
アルナヴェトは、ぱちんとウインクしてみせるが、プターハの心はそんなものでは動かない。
「心や体を弄んで。安らかなる眠りを妨げて?」
「ふふ。ボクの信者になれるなんて、すごく光栄なことだよ」
「……偽神は皆許せませんが、とりわけウサギは嫌いです」
反吐が出る、とプターハは吐き捨てるとアルナヴェト周辺の砂を泥濘へと変え、自身は龍の姿となって上空へ舞い上がった。
『我龍となりて敵を滅ぼす』
落下のエネルギーをも威力にかえて、アルナヴェトの脳天へ一撃。再び上空へと舞い戻る。プターハから受けた衝撃で頭をがくんと揺らしたアルナヴェトは、憎々しげに空を睨み上げた。
「神を畏れぬ不敬の輩に天誅を!」
芝居がかった手つきでアルナヴェトがプターハを指さした。偽神であっても捧げられる信仰はある。それを輝く力にかえて、アルナヴェトはプターハめがけて撃ち出した。
光に撃たれたダメージよりも、信仰を利用したアルナヴェトの攻撃への腹立ちが勝る。受けた傷をものともせずに、プターハはアルナヴェトに挑む。
ディアボロスからの要請に、オアシスを捨てるという辛い決断をしてくれたアミデの民。彼らの門出に、手出しなどさせない。
復讐者の矜持にかけて。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【土壌改良】がLV2になった!
【飛翔】がLV5になった!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
シル・ウィンディア
さて、うさぎ神様?狩りの時間はおしまいだよ。
ここからはね…
あなたが、狩られる方だからっ!!
飛翔で空に舞い上がって、空中戦を仕掛けるよ
遠距離攻撃で、邪魔をしていこうか
世界樹の翼type.Cで誘導弾を連射して、敵の進行方向や仲間への追撃阻止のために撃ちまくるよ
ダメージが入らなくても、鬱陶しいでしょ?
それでも、こっちを無視するなら、連射を続けて嫌がらせだね
こっちを狙って来たら、残像を生みつつ、エアライドで急速転換して、敵の懐に入るね。
精霊剣を左手に持って、斬撃を繰り出しつつ
高速詠唱で隙を減らした、全力魔法での精霊収束砲っ!
これが、オアシスを奪われた人の怒りだ…
全部受け取れーっ!!
ソラ・フルーリア
引き続き【銀プロ】の皆と参加!
折角長老が逃げる判断をしてくれたんだもの、その気持ち無駄にはしないわ!
【飛翔】で素早く移動してアルナヴェトの前に立ち塞がるわ!
そこまでよウサギさん! ここから先へは行かせないんだから!
(ネメシス化の赤い呪紋が四肢に浮き出てくる!)
アタシも【飛翔】して【空中戦】と行こうかしら!
『レゾネイト』から【誘導弾】を放ってアルナヴェトを攻撃していくわね。
地面には【トラップ生成】で落とし穴やワイヤーを仕掛けて、行く手を阻むわ!
先には行かせないって言ったでしょ!
隙が出来たら、【熱狂と湧然の四元光芒!】を叩き込む!
アナタのラストステージに【全力魔法】で花を添えてあげるわ!
ベアストリア・ヴァイゼンホルン
【銀プロ】で参加
「さて……あの不快なウサギを……狩る番……ね。」
パラドクスの【Mjölnir】を使って、相手にダメージを与えることに主眼を置く。
掠めるだけでも効果はありそうだから、仲間の攻撃に合わせてぶっ放していくよ。
相手が接近してきた場合、接近戦が苦手だから【飛翔】の効果を使ってなるべく距離を取るよ。
マイナスドライバーで反撃してもいいけど、リーチも短いし……どうせなら、レーザーで焼いてあげる方がいいでしょう?
「焼けたウサギって……美味しそうな……匂いなのよ……」
皆、戦い慣れているだろうから、危険は無いと思うけど……。
本当に危ない時は仲間を庇うよ。
一ノ瀬・綾音
引き続き【銀プロ】で参加。
決断してくれてよかった。
きっと苦痛だったと思う。
だから、その分、綾音ちゃん達が今度は報いる番だ。
アイドルとして、復讐者として。希望を齎すために。
――さあ、アンコールの時間だよっ!
みんなが誘導弾とかで相手を嫌がらせしてくれてるから綾音ちゃんもそれに便乗して【飛翔】【エアライド】で空を飛びつつ『砂使い』『風使い』でアルナヴェトの近くに砂嵐を起こして相手の目つぶしをするよ!勿論仲間に影響が出ないように注意。
隙ができたら『高速詠唱』からみんなと合わせるように【星光】を放つ!
これがフィナーレ、みんなの旅路を見送る最後の曲だ!
君の光すら飲みこむ綾音ちゃん達の輝きを全身で味わえー!
月城・木綿紀
「やれることだけやっておこう」
みんなのサポートに回る。師匠(身体の中の天使)の教えのもとパラドクスを使ってサハラ砂漠に主成分である石英(二酸化ケイ素)を材料にプリズムを使った即席で石英ガラスの糸と集熱用のプリズムを作る。精巧には作れないけど多分大丈夫。
透明な石英ガラスの糸と金属糸で敵を拘束しようと試みる。
金属糸の先にプリズムを置いといて触れたらやけどするくらいだけど、これはあくまで囮。本命はガラスの糸。透明で見えにくいこの糸で少し動きを鈍らせるだけで後は味方がやってくれる
アミデの街の人々は、何度も何度も街を振り返りながら砂漠の奥へと去ってゆく。
「長老が逃げる判断をしてくれた気持ち、無駄にはしないわ。【銀プロ】の名に懸けて、あのウサギを止めるわよ!」
街の人の背中を見送り、ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)は力強くプロダクションの仲間を振り返った。
「うん!」
一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)がすぐさま応える。
街の人がオアシスを捨てることを決断してくれて良かった。けれど、決断には苦痛が伴ったに違いない。だから。
「今度は綾音ちゃんたちがアミデの人に報いる番だよ!」
アイドルとして、復讐者として。
自分たちの話を信じ、大切なオアシスを後にしてくれた人々の未来を守るのだ。
「あの不快なウサギを……狩る番……ね。」
ベアストリア・ヴァイゼンホルン(ジャンカー系眼鏡女子・g04239)はマイナスドライバーのグリップを、右手のひらの中で馴染ませるようにゆっくりと回した。
「そうだね……放置しておいたら、いろいろ面倒なことになりそう。私もサポートするよ」
なにをするのが、皆の役に立つだろうかと、月城・木綿紀(月城家三女のメイドトラッパー・g00281)は考えを巡らせる。
「なら急ぎましょ。銀プロ、出動よ!」
ソラは先に立って、空へと舞い上がった。
街を縦断して飛べば、アルナヴェトと仲間のディアボロスが戦っているのが見えてくる。
速度をゆるめず戦場へと飛んで、ソラはアルナヴェトの前に立ちふさがった。
「そこまでよウサギさん! ここから先へは行かせないんだから!」
必ずクロノヴェーダへの復讐を遂げる。その想いがソラを突き動かした。
広げたソラの両腕に、そして脚にも、赤い呪紋が浮かびあがり、全身に力が満ち溢れる。
「さて、うさぎ神様? 狩りの時間はおしまいだよ。だってここからはね……」
ソラの隣で、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)が不敵に笑う。
「あなたが、狩られる方だからっ!」
その2人の間に、綾音がひらりと現れる。
「――さあ、アンコールの時間だよっ!」
祭りのステージは終わったけれど、ここからは見てくれた街の人に捧げるアンコール。アルナヴェトの視界をかき乱すように、3人は別々の方向へと飛翔した。
地上では、明の粉塵が爆発し、アサーラの起こす砂嵐が荒れ狂う。
「もっと派手にいっちゃおう!」
アルナヴェトの視界をもっと邪魔しようと、綾音が砂と風をいっそう巻き上げた。その砂に煙る上空から、プターハが急降下の一撃を叩き込む。
「みんな、邪魔!」
反撃するアルナヴェトの目がぎらぎらと、怒りに燃える。
「神のお通りなんだ。ひれ伏して道を開けなよ!」
「神というより……迷惑なウサギ……?」
別に自分はアルナヴェトの信者でもないし、とベアストリアはマイナスドライバーを振りかざし……思い直してドライバーを上着に収納すると、背後に飛んで距離を取った。
『すべてを……粉砕する……雷神の鎚……受けてみなさい……Dämonenkern【Mjölnir】!!』
ベアストリアはDämonenkern内で臨界まで高められた危険なエネルギーを、超高出力荷電粒子砲としてぶっ放す。
不吉な青白い光はアルナヴェトを真正面から貫いた。
「やっぱりレーザーが正解……」
ベアストリアは小さく頷くと、すいとアルナヴェトに近寄った。
「焼けたウサギって……美味しそうな……匂いなのよ……」
「なにこいつ、怖っ」
この手の輩は即刻倒しておかなければと、アルナヴェトは焦りを見せながら杖をベアストリアに向けた。
「し、神罰を食らえっ」
多方面から受けたダメージのためか、その反撃はわずかにベアストリアを傷つけたにとどまった。
なおも攻撃を、と杖を構える視界を、シルが撃ち出した魔力弾が遮る。誰が手出しをしてきたのかと、魔力弾が発せられた方向を振り仰いだアルナヴェトを、今度はソラが拡声杖『レゾネイト』で邪魔をした。
「ふん、こんなもの……」
なんともない、と言いかけたアルナヴェトに、シルが言葉をかぶせる。
「ダメージが入らなくても、鬱陶しいでしょ?」
仲間のパラドクス攻撃の合間に嫌がらせ。アルナヴェトを翻弄する。
「さて、私もやれることだけはやっておこう。師匠、どんな罠がいいと思う?」
自分がやれることは仲間のサポートだ。木綿紀は戦場を見極める。
シルバースカイ・プロダクションの皆は空中戦を繰り広げながら、アルナヴェトの邪魔をし、行動を妨げるように動いている。ならば木綿紀もその流れを強化するようなサポートをすべきだろう。
『世界は布、私は糸、その形を解き織り直す』
パラドクス【織物錬成】で砂漠から石英ガラスの糸とプリズムを作り出すと、手元のボビンに巻かれた金属糸もあわせ、木綿紀はアルナヴェトに絡めた。
「もー、何だよ、うざい!」
糸を引きちぎりながら、アルナヴェトは木綿紀に向けて、神を信ずる民から捧げられた信仰の輝きを撃ち出した。
ディアボロスに囲まれても、アルナヴェトは反撃し、攻撃し、抵抗し続ける。だがそうするうちに、アルナヴェトの白い手足も白い衣装も爆風に煤け、傷つき、汚れてゆく。
これまで、なんでも簡単に蹴散らしてきたアルナヴェトだから、思い通りにならないこの状況は、信じられないほどに不愉快だ。
「こんなに可愛いボクを信仰しないなんて、見る目のない奴ばっか! ――だから異教徒は滅ぼさなくちゃいけないんだよ」
だだだだだ、とアルナヴェトは連続で地面を蹴りつけた。その足でアミデの人々を踏みつぶしたいとでも言いたげに。
「先には行かせない! アタシたちのステージを観てくれた、アミデの人たちを、アンタなんかに滅ぼさせない!」
衣装を風に翻し、ソラはレゾネイトを掲げた。その動きに応えて、頭上に魔法陣が描かれた。
「これがアナタのラストステージ。せめて全力魔法で花を添えてあげるわ」
火・水・風・地。
ネメシス形態と化したソラの描いた魔法陣は、渦を巻くように四大元素のエネルギーを集束させてゆく。
「これがフィナーレ、みんなの旅路を見送る最後の曲だ!」
綾音は火・水・風・土・雷・氷・光・闇、8つの属性それぞれに魔法陣を生み出すと、それを1つに統合させた。そこになおも魔力を注ぎこむ。
シルは左手で精霊剣『エレメンティア』の斬撃を繰り出す、と見せて、全力魔法での精霊収束砲。
「これが、オアシスを奪われた人の怒りだ……全部受け取れーっ!!」
火・水・風・土の属性エネルギーを収束させ、高出力で精霊魔術を撃ち放つ。
シルとタイミングを合わせて、ソラと綾音の魔法陣からも、凝縮させたエネルギーが撃ち出された。
「君の光すら飲みこむ綾音ちゃんたちの輝きを、全身で味わえー!」
属性が入り乱れての攻撃に、アルナヴェトはのけぞった。その体勢からもなお戦意は衰えず、神罰を輝きにかえて反撃する。
三方へと飛んだ攻撃は、ソラをかすめ、シルと綾音に振り払われた。
その結果をアルナヴェト自身は認識できたのかどうか。仰向けに倒れて動かなくなったアルナヴェトの顔には、憤怒の表情がへばりついたままだった。
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住民は去り、襲撃者は倒れ。
静まりかえったアミデの街に、ただオアシスだけが変わらず空の色を映して輝く。
旅立った彼らから、ディアボロスの記憶は失われてゆく。だが、ディアボロスが繋いだ彼らの未来への道は、これからも続いてゆくだろう。
迎えのパラドクストレインに乗り込む前に、アサーラは砂漠を振り返る。
「きっとまた、会えるから! 元気でね、シャニ!」
アミデの民が新たな住処にたどり着けるようにと願いながら、ディアボロスたちは新宿駅へと帰還するのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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