ゾルダート秘密工場からの脱出

 機械化ドイツ帝国の秘密工場の一つに、貧民街の人間達を捕らえてサイボーグ化している工場があるようです。
 この工場では、脳まで機械化する事で、手っ取り早くトループス級のゾルダートを量産しているようです。
 情報が得られたのは、末端の秘密工場ですが、背後にはかなり大掛かりな組織が存在しているかもしれません。
 この、秘密工場を支配するクロノヴェーダを撃破し、囚われた人々を救出してください。

温泉街の秘密工場(作者 ツヅキ
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#機械化ドイツ帝国  #ゾルダート秘密工場からの脱出 


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#ゾルダート秘密工場からの脱出


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「さーて、だ・れ・に・し・よ・う・か・な?」
 かしゃんかしゃんと背中の機械を動かして、ドクトル・マシーネは誘拐した市民を檻の外から見定める。指差された者が悲鳴と嗚咽を漏らして怯えるのを楽しんでいるかのようだった。
「よし、君にしよう!」
「あああッ」
 適当に太った男に狙いを定め、首根っこを掴んで手術室へと連れてゆく。
「やれやれ。下等な素材を基にしても、たいして強いゾルダートはつくれないんだけどねえ……まあ、いまのところは君らみたいな貧民街の人間でも我慢しなくちゃね」
「うあ、ああ……」
「目が覚めたら、生まれ変わった君になってるからね。楽しみに眠っててくだちゃいねえー」
「ああああああああああああああ!!」

「集まってくれてありがと」
 中山・ネフ(NN・g03318)はぺこりとお辞儀する。
「あのね、機械化ドイツ帝国の都市にある貧民街でさらわれた人間が下級のゾルダードに改造される事件が発生しているの。ゾルダードっていうのは、クロノヴェーダの命令に忠実な機械兵士たち。脳を改造されて、そういう風にされちゃうの」
 非合法に行われているこの改造手術の犯人は、秘密工場の主であるクロノヴェーダ。配下を使って拉致した人間を自分の工場に閉じ込めて、自ら機械化手術を行っているらしい。
「場所はハンガリーのブダペスト近郊よ。夜になると、新たな改造元になる人間を拉致するために配下のクロノヴェーダが工場から出てくるから、そこを狙って踏み込んでちょうだい」

 それまでは、ブダペストの街で東欧の状況に関する聞き込みを行ったり、名物である温泉を楽しむのもいいだろう。
「なんでも、セーチェーニ温泉というのが有名なんだとか。おおきな噴水みたいな石造りの露天風呂で、水着を着てプールみたいに楽しめるのよ」

 夜、配下のクロノヴェーダが工場から出てくるのと同じ頃合いに、工場長は地下にある牢屋へおもむいてこれから手術を行う人間を選び始める。
「この人を助けたい場合、同時に工場長にも戦いを挑むか、あるいは思いっきり騒いで陽動して手術どころじゃなくしちゃうか……なにかしらの工夫がいるかもしれない。ちょっとした騒ぎくらいだと、工場長は気にしないで手術を始めてしまうだろうから」
 ネフは考え込むように目を伏せた。
「それに、工場長が倒されるとこの秘密工場は即座に爆破するような仕組みになってるの。だからそれまでに囚われた人たちを逃がす手はずを整えておく必要がある。大変だけど、お願いできる?」

 説明を終えたネフは、「いってらっしゃい」と手を振った。
「いつも頑張ってるだけじゃ疲れちゃうし、休むことも忘れないでね。それじゃ、東欧へのよい旅を」

「ったく、マシーネの旦那は人使いが荒いぜ」
「はー。貧民街で人間漁りも飽きてきたわな。よいこらせっと」
 アイゼンヴォルフたちはぶつぶつと文句を言いながら、工場のシャッターを開けて外に出始める。施設の警護に残る仲間が出かける彼らを急かした。
「いいから早く行けよ、誰かに見られたらどうするんだ」
「心配しなくてもこの工場のことは誰も知らないさ。なにしろ、旦那の秘密工場だからな。まさか、こんなところに人間を改造してゾルダートにするための工場があるだなんて思いもよらないだろうさ」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【浮遊】
2
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【避難勧告】
2
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【トラップ生成】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV6 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV5 / 【ガードアップ】LV1 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【アクティベイト】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV2 / 【アヴォイド】LV1 / 【ロストエナジー】LV3

●マスターより

ツヅキ
 ※温泉を楽しみつつ、ゾルダートに改造するため誘拐された貧民街の人々を助けてあげてください。工場は夜にならないと入れないので、昼間はゆっくりと遊んでくださってOKです。

●セーチェーニ温泉
 バロック建築によって建造された石造りの温泉です。
 水着着用での混浴となります。チェスを楽しむ人たちも多いのだとか。

●東欧見聞録
 温泉のあるブダペストの街にて、東欧の状況に関する情報を聞きこむことができます。

●トループス級『アイゼンヴォルフ』
 秘密工場の警護や改造元になる人間の拉致を行っています。
 戦い方によっては、アヴァタール級との戦闘に影響を及ぼすことがあります。

●アヴァタール級『ドクトル・マシーネ』
 秘密工場長。
 決戦を挑むタイミングによって、戦闘場所などが変化する可能性があります。
100

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


瀧夜盛・五月姫
温泉、ひさびさ……
……? 水着? なに、それ?
服、着るの? 肌襦袢、でも、いい?

……ふう。世を渡る、前。有馬には、行ったこと、ある、けど。こんなにも、ゆっくりできる、なんて。
とても、気持ちいい、かな。

……こんなにいい、温泉、なら、クロノヴェーダやその仲間、来てたり、して?
【過去視の道案内】とか、使って、みたり?
工場への、隠し通路や見つからない裏道、見つかれば、よし、の気持ちで。

ん……。気持ち、いい……

アドリブ絡み歓迎です。


イツカ・ユメ
事件をしっかりばっちり解決するのも大事だけれど、たまにはのんびり遊びたーい♪
温泉があるって聞いたから、まずはゆったり英気を養っておくね。

可愛い水着に着替えて温泉にどぼーん!
周りの人の迷惑にならないように気をつけるけれども、プールみたいに大きなお風呂にはテンションが上がっちゃうね。
ふにゃぁ……疲れが抜けて、身も心もふにゃふにゃになっちゃう。やばい。わたし、このまま温泉から出られなくなっちゃいそう。

周囲の話し声にもちょっとだけ耳を傾けて、お風呂の後の観光にぴったりな場所の【情報収集】も忘れずに。
ご飯の美味しいお店とかないかな?

※アドリブ、他PC様との絡みOKです。


カルン・ティミド
絡みアドリブ歓迎
温泉に入れると聞いて…!娯楽は大好きです!
初めて来たドイツなのでそわそわキョロキョロ観光です。

噴水って言うならきっと広いですね。
思いっきり羽も尻尾も伸ばして寛いじゃいます!
尻尾で誰か傷つけない様には気をつけますが人目とかは気にせずに楽しんじゃいます。

色んなお風呂やサウナがあるなら全部入ってコンプリートしちゃいますよ!
現地の人に温泉の楽しみ方や周囲のおすすめスポットとかも教えてもらいたいですね。
見慣れないものばかりでどこを見ても楽しいです…!


辻・彩花
つかの間の休息ってやつ?この後頑張るんだし今くらいはいいよね。

海外の温泉って初めてだけど、日本のとは全然違うんだね。なんかレジャー施設って感じだけど、でもこういうのもアリだね。
大きな噴水をバックに自撮りをパシャリ。今日の水着コーデの記録と旅の思い出って感じかな。
ちなみに水着でもキャップは外さないよ。アタシのこだわりだからね。

事件の事は気になるけど夜まで何もできないんだし、慌てず騒がずのーんびりいこうよ。休めるときに休むのがアタシ流ってね。

絡み歓迎だよ


「機械化ドイツ帝国の影響ってのはハンガリーにまで及んでるんだね。こんな噴水、他じゃ見たことないよ」
 辻・彩花(Stray Girl・g03047)は機械制御によって自動で噴出する水飛沫を背に、掲げたスマホでシャッターを切る。まずは旅の思い出を一枚。
「よし、OK」
 ちゃんとキャップの先まで綺麗に収まっている。水着とのコーディネートもバッチリだ。他の皆はどうしているかなと周囲を見渡してみる。
「わあ、本当に綺麗な場所ですね……!」
 足先からそっと温泉に入ったカルン・ティミド(略奪竜カルン・g00001)は、パシャンと軽い水音を立てて背中の羽と尾を伸ばした。舞った飛沫が陽に透けてきらきらと輝き、小さな虹ができあがる。
「さっき聞いたんですが、サウナもあるみたいですよ。あとでいってみませんか?」
「いいね」
 水辺に腰かけた彩花は、ゆったりと湯の中で足を泳がせた。
「せっかくだから、つかの間の休息ってやつを楽しもうか。頑張るのはその後でね」
「ですです!」
 よほど嬉しいのか、カルンは湯面から尻尾だけを出してすいすいと温泉を移動する。物珍しい建築様式を堪能し尽くすように、天井を見上げては嘆息を漏らし、湯に透ける美しい石材の色を眺めてはしばらくの間見惚れていた。露天風呂はアーチのような天蓋に半ば覆われ、その内側にも凝った構図の絵画があしらってあるのだった。
「わーい、温泉だー!」
 イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)は歓声と共に湯の中へ飛び込んだ。少しぬるめのお湯が気持ちいい。染み渡る、というやつだ。
「ふにゃぁ……」
 仰向けに揺蕩っていると、端っこでのんびりとお湯につかっていた瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼・g00544)の近くに流れ着いた。
「へー、肌襦袢っていうの?」
「……ん、そう」
 五月姫は小首を傾げ、ユメに頷いた。
「ひさびさの、温泉……前、有馬に行ったこと、思い、出す」
「有馬?」
 ユメが興味ありそうに瞬きを繰り返した。
「えっとね……」
「ふんふん」
 のんびりと温泉を楽しみながら、話に花が咲く。これが住民たちとの交流もできる依頼だったなら、美味しいご飯の食べられるお店とかの情報が聞けたかもしれないのになあ……なんて残念に思いつつ、尻尾の先でちゃぱちゃぱと湯面を弄ぶ。
「はー……気持ちいい……。やばい。ずっと入っていたくなっちゃうよ」
「クロノヴェーダやその仲間、とか、もし来てたりしたら……面白かったんだけど、な?」
 五月姫も過去を視るために閉じていた両目を開き、「ふぅ」と体の力を抜いてリラックスした。どうやらここはクロノヴェーダとは無関係の、とても安全な場所のようだ。少なくとも、今のところは。
「ということは、慌てず騒がずのーんびりしてていいってことだね? 夜までは時間があるから、気楽に過ごそうか」
 サウナから出てきた彩花は暑さを和らげるように手で首元をあおぎながら、ふたりの隣にしゃがみ込んだ。改めて、温泉施設全体を見渡してみる。
「やっぱり、日本の温泉とは全然違うよね。スパっていうの? レジャー施設っぽい感じ」
「……わかる」
 五月姫が全力で頷いた。
「だから、すごく……新鮮」
「だよね。こういうのもアリ、みたいな」
「なっとくー」
 他愛もないお喋りをしたり、互いの水着を褒め合ったり。疲れが抜けて、その代わりに元気が湧いてくる。たまにはこうやって休むのも、いい。
「これが、温泉の、癒し……」
 気持ちよさそうに五月姫がつぶやいた。
「皆さん、あっちに内風呂もあるみたいですよ!」
 振り返ると、カルンが両手を振っている。どうやら、サウナを思いっきり満喫できたようだ。楽しげな鼻歌まで聞こえてくる。
「どこどこ?」
 イツカがぱっと背中の翼を開いて立ち上がった。
「あとね、お腹すいちゃった」
「後でお店を探してみますか?」
「うん!」
「じゃあ、その前に温泉を回れるだけ回りましょう! 目指せコンプリ―トです……!」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

日向・銀河
【月と星】
※観光中は私服
連携、アドリブ歓迎

ほんっとうに久々だなこうやって親友で義弟の千隼と出掛けるのは…

初めての依頼に緊張するが千隼に励まされながらも
レストランでキフリとグヤーシュとドボシュ・トルタを食べた後に
セーチェーニ温泉へ。

水着を着用して洒落た石造りの温泉でのんびりゆったりするつもりが
千隼に半ば強引にサウナに連行される。

お前…どんだけサウナ好きなんだよ…。
自宅にもサウナあるのにここに来てまで態々やるんかい。

千隼と共に5分サウナ→水風呂を2回繰り返した後に外気浴して整える。

水分補給後にやっと温泉に浸かり一息つき肩や翼や尻尾の付け根をほぐす。

まだ竜派ドラゴニアンの身体は慣れないな…。


月見里・千隼
【月と星】
※連携、アドリブ歓迎


初めての依頼で緊張する銀河に対して
まぁ妙なところで器用な銀河なら大丈夫だろうと適当に宥めながらもレストランで昼食をとる。
なるべく炭水化物類を避け、
野菜や肉が使われた低カロリーな料理を食べる
(騎手と言う職業上、少食)

食事後に銀河と共に暫く観光した後にセーチェーニ温泉へ。
水着を着用し銀河をサウナに無理やり連行して
5分サウナ→水風呂を2回繰り返した後に外気浴して整える。

サウナ後に温泉に浸かって
現地の人とチェスをし世間話をしながら【情報収集】をする。
(チェスの腕は普通だが銀河のアドバイスで勝率が上がる)


「しかし、あのキフリとグヤーシュはうまかったな」
 日向・銀河(景星鳳凰・g04685)は満足そうに隣を歩く月見里・千隼(清風明月・g03438)に話しかけた。
「ああ。あれだけ食えれば大丈夫だ」
 千隼はくすりと思い出し笑う。初依頼に臨む銀河の緊張を解いてやろうと――まぁ妙なところで器用なところのある彼だからきっと大丈夫だろうとは思ったが――飯を食いながら宥めてやった甲斐があったというものである。
「ドボシュ・トルタはどうだった?」
 自身は職業上、炭水化物や高カロリーの食品を避けている千隼の問いかけに、銀河は両目を閉じて噛み締めるように空を仰いだ。
「……そんなにうまかったのか」
「絶品だった」
「それはそれは」
 千隼は帽子を被り直し、「では」と温泉施設を親指で指した。
「ここからは俺に付き合ってもらおうか?」
「千隼、お前まさか」
「ああ。――サウナへ直行だ」
「お前……どんだけサウナ好きなんだよ……」
 呆れた様子の銀河を引き連れ、いざサウナへ。
 水着姿で並んで座り、5分が経過。
「よし、水風呂だ」
 すっくと立ちあがり、水風呂で体を冷やしてから再びサウナで5分。これを繰り返した後で、外気浴。
「ふぅ……」
 ととのう。
 水をもらって喉を潤しつつ過ごす、格別の時間。
「自宅にサウナあるのに態々ここに来てまでやるんかい、と思わんでもないのだが」
「当然だ」
 親友兼義弟のこだわりにやれやれと肩を竦ませる。銀河はようやく温泉に浸かると、一息をついてから関節を解すように軽く動かしていった。
 肩、翼や尻尾の付け根まで。じんわりと湯に温められてゆくうちに心地よさが染み渡る。まだ慣れない身体が少しは馴染んでくれるように、ゆっくりと目を閉じた。
「ふむ……」
「どうした?」
「いや、現地の人とチェスでもしながら情報収集をと思ったんだが。果たして彼らが今回の事件を知っているだろうかとな」
「そりゃ、『秘密』工場っつうくらいだからな……」
「わざわざ不安にさせるようなことを聞くまでもないか」
「ああ。誰だってここじゃのんびり過ごしたいに決まってるわな」
「違いない」
 銀河は気持ちよさそうに目を細め、首まで湯に浸かる。千隼も彼につられたようにゆったりと寄りかかり、しばらくの間、静かな時を過ごしたのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!

八栄・玄才
ハンガリー、大戦中はドイツ帝国の同盟国だったらしいけど、今はもう完全に帝国の支配下なのかな?
闘いの前の腹ごしらえも兼ねて、街に出てこの国の情勢について訊いてみるか

炭水化物とタンパク質の取れる食事処へ
豪快な食べっぷりを見せて、店員さんの心を開き、会話を試みる

オレぁドイツの方から来たんだけど、こっちの方はドイツ程メカメカしくはないんだね
オレはこっちの方が落ち着くや
でも、やっぱり帝国はここらも技術開発したいのかねぇ?
どこも同じようになっちゃったらつまらないように思うけど、ここらの住民的にはどうなんだろう?
ドイツって良くも悪くも強権的に技術化を進めてるように思うけど、地元の声とか届いてるのかな?


 両手をポケットに突っ込み、八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)はぶらぶらと街を歩いた。
(「ハンガリー……大戦中はドイツ帝国の同盟国だった東欧の国、か」)
 ざっと見たところ、ドイツ帝国の影響は受けているようだが――本国に比べれば随分と牧歌的な雰囲気が残る街並みをしている。
 玄才は食事処の看板を見つけて中に入った。
「いらっしゃい」
「おススメを教えてくれる? 炭水化物とタンパク質がたっぷり補給できそうなやつ」
 にっ、と笑って注文する。
「お客さん、食いきれるかい?」
「まーかして」
 宣言通り、玄才はぺろりと大盛りの肉定食を平らげてしまった。
「へえ、すごいじゃないか」
「料理がうまかったからだよ。オレぁドイツの方から来たんだけど、結構雰囲気が違うもんだね? こっちの方が落ち着くや」
「あっちはすごいって噂だからねえ」
「帝国としてはどうなんだろ、ここらも技術開発したいのかねぇ?」
「どうだろうなあ。隣国の、それもお上の人が考えることなんて俺ら平民にゃわからんよ」
 コックはやれやれと肩を竦めてみせる。
 玄才はもらった水に口をつけ、「じゃあ」と聞いた。
「ここらの住民的にはどうなんだろう? 歓迎なのか、はたまた反対なのか。どこも同じようになっちゃったらつまらないような気がするんだがね」
 テーブルの上にサービスのデザートが出てくる。チョコレートクリームをスポンジケーキで何層にも挟んだハンガリー風のトルテだ。
「それがな、意外と若い者の間じゃ人気みたいなんだよ。この街からもドイツ軍に志願する若者が大勢いるんだ」
「マジで?」
 玄才は驚いて聞き返し、それから密やかに呟いた。
「なるほどねぇ……あいつらの支配力はこんなところまで浸透してるってわけか」
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!

エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
ブダペスト……私の、生まれた街。
こうして帰って来れるなんて……。

……泣いてる場合じゃないわ。ちゃんとこの機会を活かさなければ。

●行動
ブダ地区の旧市街地に向かう。
出来るだけ昔の事を知っていそうな年配者を探して話してみるわ。

歴史改竄の影響で戦中、戦後の歴史は改変されているのかも知れないし、
郷里の歴史を聴かせて貰いながら、所々で『二重帝国』『ハプスブルク家』『皇帝フランツ一世』『ミクローシュ・ホルティ』というワードを投げ掛けてみて反応を見る。

私の祖国は戦勝国になれたのか。今の国体は?
聖イシュトヴァンの王冠の地は健在なのか。

市場で売られている物なんかも見ながら、その辺りの裏も取っておきたい所ね。


 ブダペストの街に足を踏み入れたエリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)はこみ上げる強烈な郷愁に言葉を失った。機械化ドイツ帝国によって支配されながらも、懐かしい町並みは確かにその面影を残している……。
「……行くわよ。この機会を活かして、少しでも情報を集めなければ」
 涙を拭き、エリザベーダが向かったのはブダ地区の旧市街地。
「二重帝国? ああ、そんな風な時代もあったねえ」
 懐かしそうに語る市民の話にエリザベータは聞き入った。市場で果物を売っていた小柄で白髪の老婆であった。
「戦に勝ったのも、皇帝様がいらっしゃったのも昔の話だよ。ハプスブルク家ははて、どうなったやら……もう私らは機械化ドイツ帝国の一員だからねえ。ほら、あれを見なさい」
 老婆が指差す先には、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の肖像画が飾ってある。本来ならば、皇帝フランツ一世のそれを掲げるべき場所に。
「そんな……」
 エリザベータは息を呑み、ふらりと立ち上がった。
「私の、祖国が……聖イシュトヴァンの王冠の地がいまや、その機能を失わされているだなんて……っ」
 しばしの間、立ちくらみのような衝撃に耐える。
「大丈夫? 少し休んでいったほうがいいわよ」
「……いえ、そうもいかないわ。話を聞かせてくれてありがとう。これ、おいくらかしら」
 礼の代わりに果物を買い、老婆と別れた。彼ら市民はドイツ化機械帝国に従っていることを当たり前だと認識しているのだ。
 怒りを封じ込めるように、エリザベータはきつく唇を噛み締めた。ここはブダペスト、私の生まれた街……そして、私の知らない街……。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【完全視界】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!

八栄・玄才
《過去視の道案内》を使い牢まで道を調べ、選択肢①を行う復讐者と共に施設内へ
仲間が脱出を促している間、オレは工場長の足止めを行うぜ

よーうインテリ
ちょっと殴り合おうか

刃には刃だ
ヤルダバオートの譴雷からワードブレイカーを生成し、そこから魔骸連刃を形成して、手術用アームと打ち合う

敵の体を斬りつけるよりも、アームをさばくことに集中
囚われてた人達が逃げるまでは時間稼ぎで我慢しねぇとな

何度も叩いてダメージが蓄積したアームがあったらそこを【強打】
一本くらい【粉砕】してやりてぇな

多椀がなんだよ、こっちは人生、この二本の腕で人ブン殴る特訓ばかりしてきたんだぜ
そんな取って付けたようなマシンアームに負けっかよ!


 秘密工場の夜は早い――日没と同時にドクトル・マシーネは鼻歌を歌いながら地下の牢屋へと向かうのだった。
「よーうインテリ。お手合わせ願おうか」
「むむっ?」
 腕を組み、壁に寄り掛かった八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)の足元で過去視の影が揺らめく。
「いったい何度、人間を誘拐するためにここと外を配下に行き来させたんだ? きっちりと道筋が残ってたよ」
「貴様、ディアボロスか!?」
「ご名答」
 玄才の身体から迸る電流が籠手となって彼の両手を覆うと同時に、稲妻を爆ぜながら出現した刃で先手を取った。
「なんの!!」
「おっと、流石にやるねぇ」
 甲高い戦闘音が地下室に響き渡る。ドクトル・マシーネの背負った手術道具と玄才の連刃が撃ち合い、互いを弾き飛ばし、再び激しく噛み合った。
「ったく、何本も背負いやがって。問題は数じゃねぇ、人生そのものだってことを教えてやるよ!」
「ぬッ……!?」
 身体を低めて懐に飛び込んだ玄才は下から上に殴りつけるような格好でメスを持った腕の根元へと刃を振るった。所詮は取ってつけただけのマシンアームに過ぎないそんなもの、この両腕で乗り越えた特訓の前にはなんと軽薄に映ることか――!
「わ、私の機械腕が……ッ」
 ドクトル・マシーネが嘆いた時、頭上から激しい銃声が鳴り響いた。
「なんだ、アイゼンヴォルフは何をやっている!?」
「始まったみたいだな」
 砕いた腕の破片を蹴り飛ばした玄才は、不敵に笑って敵の注意を引くように手招いてみせる。
「さあ、秘密工場最後の日の始まりだ。自分の工場と心中する覚悟はできてるかい?」
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

日向・銀河
【月と星】
※連携、アドリブ歓迎だぜ!


他の復讐者が囚われた人々を救助しやすくする為に
そして敵の戦力を削ぎ落とす為に、
千隼と共にアイゼンヴォルフどもに襲撃しひと騒ぎ起こして陽動するぜ!
初戦闘だが…復讐者になったせいか何か妙に落ち着いてるし
頭の中も妙に冴えてるような…?と思いながら武者震いをする。

同行してる味方と連携をしながらも
後援を千隼に任せて先陣を切ってパラドクス『破軍星』で七剣星に猛禽類のような姿のジンを憑依させて敵どもを一気に薙ぎ払う!!
尻尾の先端の刀のような部位も活かして攻撃をいなす。

うわ…スッゲェ…これがドラゴニアンの…復讐者の力かよ!

まだ慣れぬドラゴニアンの身体だが高揚感は沸々と。


月見里・千隼
【月と星】
※連携、アドリブ歓迎


サウナでととのえて
ひと風呂浴びて休息はした…
復讐者としてひと仕事するぞ。

ここが例の秘密工場だな。
悪趣味な上にかなり血生臭い…。

銀河と共に行動して他の復讐者が囚われた人々を救助しやすくし
更に敵の警備を薄くして戦力を削ぎ落とす為に、
アイゼンヴォルフらを襲撃し派手にひと騒ぎ起こして陽動をする。

大丈夫だ、俺の親友で義兄のお前なら何とかなる。
ただし無理や無茶するな。
さてと…機械の狼狩りを始めるぞ!

他の復讐者と連携をして後援に立ち回り【完全視界】【神速反応】【早業】【連射】【制圧射撃】と
パラドクスの『朔宵』の早撃ちで武装を破壊したりと援護射撃しながらも確実に敵を仕留めてく。


 地上では無数の弾丸が乱れ迸る、激しい銃撃戦が繰り広げられていた。月見里・千隼(清風明月・g03438)は外へ出かけようとしていたアイゼンヴォルフを建物内へと押し返し、先に突入した銀河の後を追ってシャッター内部に飛び込んだ。
「一に悪趣味、二に血生臭い……」
 完全視界によって透かされた闇の向こう側へ、素早く弾丸を撃ち込む。穿たれた機械体がショートして倒れる音。
「三に大迷惑、と。こいつらも元は改造された人間たちだとしたら、寝覚めの悪い話だな……銀河、そっちは問題ないか?」
「ああ、順調だぜ!」
 先陣を切って暴れる日向・銀河(景星鳳凰・g04685)の周囲には、刀傷と鋭い嘴や爪によって抉られた敵の残骸が飛び散っていた。
「こなくそッ!」
「――フン!!」
 背後から銃弾をばらまくアイゼンヴォルフの銃身を鋭い尾の先端で弾き、強引に向きを変えてしまう。あらぬ場所を撃ち抜きながらバランスを崩した敵の身体を、七剣星の発する膨大な魔力が横薙ぎにしていった。
「もらった!」
 まとめて壁際に叩きつけられた敵群が立ち直るより早く、千隼の速射が砲塔を射抜いた。暴発し、仲間ごと巻き込んで燃え尽きる。
「いい調子じゃないか。お前なら何とかなると思ってたぞ」
「千隼の援護が的確だったからな」
「これだけ派手に騒げば、工場長とやらにも伝わっただろうな」
 その証拠に、倒しても奥からわらわらと新手が現れた。おそらくは工場長に外敵の迎撃を指示されたのだろうと思われる。
「いくらでもかかってこいよ、まとめて薙ぎ払ってやるぜ!」
 これが初陣だというのに、不思議と銀河の心は落ち着いていた。感じるのは武者震いのように力強く沸き立つ高揚感――冴えた頭で、敵の数を一瞬のうちに把握する。
「10、15……どんどん増えるな。だが!」
 巨大な剣を振り抜けば、猛禽類の姿をとったジンが一斉に襲いかかって敵をなぎ倒す。凄かった。思っていた以上の力だった。ドラゴニアン、復讐者としての力を銀河は今こそ発揮しているのである。
「いまのうちだ、いけ!」
 千隼は帽子を片手で抑え、囚われた人々の救出に向かう仲間たちが突入するための道を拓いた。
「警備してたトループス級のほとんどはこっち側に来てる。いまなら牢屋は手薄なはずだ。ここは俺たちが抑える!」
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【浮遊】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【命中アップ】LV1が発生!

エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
祖国の地を踏み躙ったばかりか、同胞達を実験動物みたいに切り刻んで……
……これ以上の狼藉は、絶対に赦さない

●行動
牢で騒ぎを起こして、手術どころじゃ無くしてやる

工場へは【過去視の道案内】で敵兵の姿を探す
潜入時【光学迷彩】と【忍び足】で隠密行動
見張りの敵兵は【偵察】【観察】でやり過ごして、無力化の必要があれば【不意打ち】

牢まで辿り着いたら【建造物分解】で檻を解体
【士気高揚】しつつ囚われていた人々を焚き付けて暴動を煽るわ

『これがドイツ野郎の本性よ。支配されたままで良いの!?』
『立ち上がれ!武器を取れ!マジャール人の誇りを持つ者は私について来なさい!』

一般人が戦闘の犠牲にならない様、守りながら戦う


石心・リーリャ
仲間との協力・連携、アドリブ大歓迎!

・心情
名物温泉のすぐ近くで、こんな工場を稼働させるなんて良い趣味してるじゃん…
捕まってる人達を助け出して、早いとこ爆破しとこ?

・行動
残存効果【完全視界】を用いて、夜に敵配下が出てくるエリアから工場の位置を見つけ出したら、仲間が工場に潜入した後、正面から突入するよ。
敵の配下ってさ、アレ明らかに人外系オーラ放ってんじゃん。これまで工場隠蔽できてたのって奇跡じゃん…?

敵を引き付けるために、出来るだけ目立つように暴れてこ。チェーンソーや手榴弾で派手目に爆砕してく。
後は、囚人の脱出経路を見立てて、パラドクス効果【トラップ生成】でトラバサミを撒き散らして敵を妨害しよっと


辻・彩花
さてっと……しっかり休んだんだし、今度は務めを果たさないとね。

状況は適宜【パラドクス通信】を使って仲間と共有するよ。同時に仕掛けるなら情報共有は必須だよね。

内部への潜入は味方に付いていく形で。こういうのは慣れてる人に任せるよ。
牢は【建造物分解】でいけるかもだけど、手錠とか枷とかされてたら【念動力】で【破壊】するよ。自力で動ける状態にしてあげないとね。

アタシは暴動に参加しない(できない)人の護衛に回るよ。牢から出してハイ終わりって訳にもいかないからね。
来た道を戻るかそれとも【過去視の道案内】で新たな道を探るか。どっちにしても絶対安全とは言い切れないね。もし敵が現れたらアタシが【時間稼ぎ】するよ。


「了解だよ。こっちも潜入を開始するね」
 辻・彩花(Stray Girl・g03047)はパラドクス通信で得た情報を同行する仲間に伝えた。
「シャッター口に近い工場内部に警備のトループス級たちが集まってきてる。アタシたちはどこから入ろうか?」
「やはり、見張りをやる過ごせるような見つかりにくい経路がよいでしょうね」
 過去の往来を辿る影がエリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)の足元からすうっと工場内へと伸びていった。
「道を見つけたようです。いきましょう」
「うん」
 エリザベータは周囲の景色に迷彩を纏って溶け込み、足音を殺して工場に忍び込む。彩花はその背を軽やかに追った。
「陽動のおかげで、敵の数が少ない……」
 それでもまだ数体が残る地下階段前でエリザベータが様子をうかがっていると、別の方向から派手な爆発音が轟く。はっとして耳を澄ませると、明るく挨拶する声が聞こえた。
「こんばんはー! 誰もいないん?」
 ――正面から飛び込んだ石心・リーリャ(アンチェインド・サイレンス・g04371)である。
「出てこないなら、思いっきり暴れてやるじゃん!」
 リーリャは「せーの」で、思いっきりチェーンソーを振り回した。切断された柱が倒れ、がくんと建物が大きく傾く。驚いたアイゼンヴォルフたちは急いで様子を見に行った。それを待ち受けていたリーリャの手榴弾が爆ぜる。再び、大きな爆発音が響き渡った。
「陽動、感謝するわ」
 エリザベータはついに地下牢まで到達する。そこには生気を失った貧民街の人々が身を寄せ合うようにして震えていた。
「檻を分解するのは……それを望まない者がいる限り、無理そうね。辻さん、お願いできる?」
「おっけー」
 彩花は囚人たちが嵌められている枷と牢屋をまとめて念動力で破壊する。
「さあ、これで自由だよ」
「……あ、ありがとう」
「弱ってたり、早く脱出したい人はアタシについてきて。力と意思のある人は――」
 入れ違いで前に進み出たエリザベータが、仲間の残してくれた効果を生かしつつ、高らかに告げた。
「私と共に立ち上がれ!」
 凛と張り上げた声が地下室にこだまする。痺れるほどの勇敢さでエリザベータは彼らの勇気を奮い立たせた。誇りを取り戻すべき時が訪れたのだ。
「もうわかったでしょう? これがドイツ野郎の本性よ。支配されたままで良いの!?」
「よ……よくない!」
「ならば武器を取れ! マジャール人の誇りを持つ者は私について来なさい!」
「おおっ!!」
 彼らは鉄の棒や石を手に取り、自ら脱出するための血路を開かんと立ち上がる。エリザベータは先頭に立ち、その身を盾にして地下階段を駆け上った。
「アタシたちも行くよ。ただし、別ルートでね」
 彩花の服の裾を掴んだ子供が不安そうな顔でこちらを見ている。他には老人など、数人。幸い、工場という出入口の多い造りのおかげで過去視の影はすぐに他の経路を見つけてくれた。
「うまくいったみたいじゃん?」
 途中で合流したリーリャが大きく手を振る。
「追手は任せていい?」
「りょ!」
 リーリャのばら撒いたトラバサミに引っかかった敵が悲鳴を上げた。周囲の壁や床に偽装されたマット状の罠を見抜くのは難しかろう。
「にしても、名物温泉のすぐ近くにあってもバレてないのって奇跡だよねー。ほんと、クロノヴェーダってのはいい趣味してるわ」
 異形の機械狼たちをしみじみと眺め、リーリャは呆れたように言った。
「! こっちにもまだいた! ここはアタシが引き受けるから、先に逃げて」
 帽子を深くかぶり直し、駆け付けたアイゼンヴォルフ2体と対峙する彩花の服の裾を子供が引っ張る。
「だめ、一緒に逃げよ?」
「……大丈夫。アタシたちの仲間がすぐに駆け付けてくれるからさ」
 優しく指をほどき、力強く背を押した。
「だから行きな! 走って!」 
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!

ココ・ジスカールアンベル
■見た目
笑顔(糸目)のシスターっぽいインセクティア。
自分と同格の敵を殺す時は目が開きます。

■性質
肉食昆虫の本質に、人間の血肉でかろうじて蓋がされた性質のインセクティア。
敵と敵以外、肉と肉以外というような識別しかできません。
戦闘しか考えない上に、言動は幻覚が見えてる系の純戦狂信者。
「わが主の敵は……何処でしょうか?」
「貴方は肉ですか?わが主の敵ですか?」

■行動
脱出する住民の末尾に、予期せず、幽鬼のように、突然現れます。
硬質化された腕そのものと、刀による、二重の居合を繰り出します。射程距離内の生き物を蟷螂が捕食しようとするような動きで、敵を寄せ付けず、結果的に殿を果します

■その他
アドリブや連携歓迎


 はぁ、はぁ、はぁ……。
 逃げる。もう少しで地上に出られる――子どもは恐る恐る肩越しに後ろを振り返ろうとして、ココ・ジスカールアンベル(甜血の蟲籠・g04970)の囁きに咎められた。
「わが主の敵は……何処でしょうか?」
「誰?」
 うっすらと透ける羽が、逃げる一般人と匂いを嗅ぎつけたアイゼンヴォルフとの間に割り込んだ。なんの前触れなく、突然に。
「貴方は肉ですか? わが主の敵ですか?」
 急停止し、巨大な砲塔を差し向ける敵にココは尋ねるが、返答はない。
「グルルゥ――」
「……なるほど、肉ではない敵ですか。切れ味はいかほどでしょうね」
 直後、アイゼンヴォルフの背中から放たれた誘導弾が真っ二つに割れて爆ぜる。ココが捕食する蟷螂のような動きで居合斬りを繰り出し、ひとつめの鎌鼬で敵弾を、ふたつめの鎌鼬で本体を切り裂いたのだった。その間に一般人たちは工場の外へたどり着いたようだ。
「……あれは、敵ではない」
 ココは遠ざかる彼らの背中を見つめ、ぽつりと呟いた。
「わが主……私は任務を果たします。あなたさまの忠実なる信徒として。これまでも、そして……これからも」
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!

テスラ・クルイーロ
「お腹空いた・・・ごはんがどこにも落ちてないんだよ・・・」
お腹を空かせて夜中に街を徘徊してたら、工場を警備する「アイゼンヴォルフ」との戦いに乱入する羽目になったよ。
お腹が空くと力が出ないから、ここに来るまでに持ってきたお昼ご飯を全部食べた挙句、おやつを持ってき忘れて焦っているよ。
「お腹空いた・・・はやく倒さないと」
急に温泉卵の香りが風に乗ってやってきたから、目の色を変えながら果敢に戦うよ。
敵を倒した後に食べる夜食のレシピを頭に思い浮かべながら戦うよ。

味方に迷惑かけないように連携するよ。アレンジも大歓迎だよ。

きゃんでぃ・・・!天使様かな・・・?いただきます・・・ぱく(手首ごといく勢い)>彩花様様


辻・彩花
敵は二体?いや、追手も迫ってきてるしもっと増えるかも。
アンタたちを先へは行かせないよ。あの人たちはアタシが守る!

【念動力】で敵を地形や別の敵に叩きつけて攻撃するよ。必要なら仲間の為の【捕縛】にも使う。
敵が射撃してくるようなら物陰に隠れたり適当な物を念動力で引っ張ってきて盾に使ったり【臨機応変】に。

アタシを取り囲もうとして何か企んでるみたいだけど、させないよ。
敵の作戦を【看破】したら【スナップショット】で目潰し(カメラ潰し?)して妨害。隙が生まれたらアタシの渾身の蹴りをお見舞いするよ。
念動力ナシでもアンタをぶっ壊すくらいラクショーだから。

なんか辛そうだね?キャンディならあるけど……いる?>テスラ


「うう……ごはん、ごはんはどこ……?」
 テスラ・クルイーロ(ブラックホール少女・g04486)は空腹だった。聞けばこの街は有名な温泉地だというではないか。
「ハンガリーにも温泉卵ってあるのかな……あー……もう、だめ。温泉卵たべたいよ……。こいつらはやく倒して、わたしは、温泉卵を食べるの……! でも、力が出ない……」
「なら、いる?」
 すっ、と辻・彩花(Stray Girl・g03047)が差し出したのはキャンディだった。
「きゃんでぃ……!?」
「なんか辛そうだったから。あげるよ」
「うん、うん……いただきます。彩花様様……!」
 テスラは手首ごといくほどの勢いでキャンディをもらうと、途端に生き返って敵と向かい合う。手持ちのご飯がなくなってしまった時はどうなることかと思ったが、天使様と出会えたこの幸運に心からありがとうございます。
「空腹を……あなたたちも味わいなさい……」
 いまにも飛び掛かって機械の牙を突き立てようと試みていたアイゼンヴォルフの動きが途端におかしくなった。せわしなく周囲の匂いを嗅ぎまわり、ふらふらと足元がもつれる。
 彩花はすかさず、念動力で体ごとすくい上げて別の敵へとぶつけてやった。
「キャイン!」
 叩きつけた新手の個体ごと、上からぐっと押さえつける。念動力の捕縛から抜け出せずに足掻くアイゼンヴォルフはテスラのもたらす空腹の幻想にやられるまま、仲間同士で噛み付きはじめた。その隙を逃さず、彩花は柱の陰に飛び込んで流れ弾を回避する。
(「爆発に紛れて一斉攻撃を仕掛けようっての? 甘いよ」)
 間近で弾けた爆音をやり過ごすと同時に、ポケットから取り出したスマートフォンのカメラを敵の群れに差し向けた。
「先へは行かせないよ。アタシにだって、守りたいものくらいあるんだ!」
「――キュイン!?」
 まばゆい閃光に視界を潰されたアイゼンヴォルフの腹を、彩花は軽く跳躍してから思いっきり蹴り飛ばす。吹き飛び、壁に叩きつけられた敵が動かなくなった。
 乱れた髪を手で払い、「一丁あがり」と着地して膝をついた格好から立ち上がる。
「今日の夜食は……温泉卵と……なににしよ……? あったかいおうどんもいいな……あれ、もう動かない……」
 テスラはつんつんと飢餓感に苛まれながら活動を停止した敵の身体をつつき、もう動かないのを確かめる。
「はあ……お腹空いた……どこかにごはん落ちてないかな……」
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

日向・銀河
【月と星】
連携、アドリブ歓迎だぜ!

【パラドクス通信】で囚われた人の脱出完了の知らせを受けて千隼と共に敵の元へ。

こいつが秘密工事の工場長か…
うわこいつ見た目何かグロくないか?
しかも手術室内はスプラッタホラーみてぇだな…復讐者じゃなきゃぜってー吐いてた。

こんな血生臭いところ綺麗さっぱり洗い流すぜ!
【完全視界】とパラドクス『天の安の河原』を発動!
他の復讐者と連携しながらも
腕に乗せた猛禽類の形にした魔力を本職の鷹匠らしく飛ばして
敵近くに着地したところから天の川のような激しい流水を発生させる。
工事内の血を洗い流すかのようについでに工場内の機械や敵の武器を駄目にするかのように水流を発生させて敵を押し流す。


月見里・千隼
【月と星】
※連携、アドリブ歓迎

【パラドクス通信】で囚われた人の脱出完了の知らせを受けて銀河と共に敵の元へ。

まるでこの世のあらゆる悪趣味を塊にしたものが歩いてるようなクロノヴェーダだな。

【完全視界】【神速反応】を使って他の復讐者と連携しながらも後援に立ち回り援護射撃しながらも、
パラドクス『花鳥風月』を発動させる。
パラドクスによる刃のように鋭利な風魔法でまずは攻撃やアームを切り落とし戦力を大きくダウンさせる。

まだ竜派ドラゴニアンの身体が慣れないとあれこれ言いながらも、
千隼から見ると適応してて順調にパラドクスを使って戦ってるのを見てホッと安心しながらも
『花鳥風月』で敵を削ぎ落とすように切り刻む。


エリザベータ・シゲトヴァール
※アドリブ、絡み歓迎

●心情
地下牢の人々は脱出に際して、戦う意思を見せてくれた。
今はドイツ帝国の支配下にあるけれど、誇り高きマジャールの血は決して死んでなんかいない。
……なら、私は戦える!

●行動
【戦闘知識】をフル活用。
【完全視界】で視覚を確保して地下室を飛び回る。天井が低くたって【空中戦】のやり様はあるわ。
逆に【地形の利用】で設備や天井のパイプ類に手術糸を引っ掛けさせたり遮蔽物に活用。

マシンピストルの掃射で牽制しながら接近して、擦れ違い様に爆撃槌を叩き込む【一撃離脱】で飛び抜ける。

今まで何人の同胞達を弄んだ?切り刻まれた無念と悲しみと怒り……その報いを受けて貰う!
覚悟は良いでしょうね、この外道!


瀧夜盛・五月姫
すごい、ゴテゴテ。聞きしに勝る、独逸感。
ねえ、ドクトル。とってもかっこいい、ね?
でも残念。姫の間合い、八尺五寸。
その刃、きっと届かない、よ?

【完全視界】で、ドクトルとの距離、把握。
近付いて、きた、ところで【怪怨召喚『古内裏妖』】。
相馬さんの、右腕、召喚。
おもいっきり、平手で、押し出して、壁に、貼り付けて!

さて、独逸の装備、とても浪漫ある、よね。
姫、とってもとっても好きで、集めるの、趣味なんだ。
ねえ、ドクトル。とってもかっこいい、ね?
……それ、もらっても、いい、かな?


カルン・ティミド
ギラギラ光ってるけど全然綺麗じゃないですね…。
グロいし痛そうだし…欲しい物は無さそうです。ぶっ壊しちゃいます!

【飛翔】【浮遊】でアームから距離をとってジンの魔力を尻尾の刃に込めます。
良さげな財宝もなさそうですし…もう脱出も終わってるから被害は気にしなくていいはずです。
尻尾を思い切り敵に振って、ロプト様のフルパワー魔力で伸びてくる糸もアームも本体も【薙ぎ払い】ます!
吹き飛ばしたりして大きな隙ができたらもう1発くらい追撃したいですね。
至近距離で尻尾を叩きつけてやります!

汚れちゃったらまた温泉に入ってから帰りたいですね…。


八栄・玄才
おっし、救出は終わったみたいだ
さあて、じゃあ闘ろうかッ!

どれだけ鍛えても武は光の速度を超えられない
ならばレーザーメスを放つ瞬間を【看破】して先に拳を打つ
ヤルダバオートの譴雷で電磁波を放って、『我流・後の先の先』の構え
電磁波の感知に加えて、一秒の≪未来予測≫と、敵の攻撃の"起こり"の察知に集中することで生み出す≪神速反応≫
積み重ねた武と復讐者の力を組み合わせることで、"先"を獲得して【貫通撃】で体を貫いてやる

へっ、サイボーグの体ってーのも大したモノじゃないな
同門の奴らの筋肉なら、これくらいじゃ穴は開かなかったぜ

……いやでも、あの頃はオレの拳も普通の人間のだったからなぁ
ちょ~~と言い過ぎたかな?


石心・リーリャ
仲間との協力・連携、アドリブ大歓迎!

・心情
捕まってる住民もみんな逃げ切れたし、やっと気兼ねなくやれるってワケ。
温泉街の平穏のために、ここで息の根止めちゃおう。
……それに、ここで頑張っておけば気持ちよく朝風呂楽しめるし。

・行動
パラドクス「ボイリングダスク」で肉薄してボコ散らかしてやんよ!
後はボスキャラだけだし、無心に突っ込んでいって、ノーガードで殴りに行くよ。
あと、周りの住人に被害が無いように、パラドクス効果【避難勧告】で近づいていけない感を出しとこ


辻・彩花
その返り血は……いい、何も言わないで。赦すなんて選択肢端からない。アンタは必ず倒す。

この手で一撃与えないと気が済まない。だから積極的に前に出るよ。
アームの攻撃を避けて、手術糸はナイフの【斬撃】で切断して、アタシの攻撃が届く距離まで接近するよ。

接近できたらアイツの心臓にナイフを突き立てる。
振り払おうとしても無駄。【クワイタス】でロボットアームも指一本ですら、動きを封じてるからね。

自分の状況をよく理解してもらったところで、ナイフを更に深く刺すよ。アンタなんか、自分の血で溺れればいいんだよ。


「千隼、通信ではなんと?」
「守備は上々。無事に囚われていた人々は脱出できたそうだ」
 日向・銀河(景星鳳凰・g04685)と月見里・千隼(清風明月・g03438)は頷き合い、倒したばかりの屍を乗り越えて秘密工場の地下へと急いだ。

「その返り血は……」
 ようやく工場長と対峙した辻・彩花(Stray Girl・g03047)は無意識のうちに拳を握りしめていた。白衣を染める血液はどこまでも赤く、人の命が奪われた過去を如実に示している……。
(「こいつは絶対に、許しちゃいけない」)
 ふわりと、ドクトル・マシーネの手が動いて細い手術糸が空中を舞った。エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)が同時に壁を蹴って天井付近まで跳躍。無数に走るパイプに手をかけ、逆上がりの要領で物陰に飛び込んだ。
「ちいっ」
 エリザベータを狙った糸がパイプに引っかかって動かせない。ドクトル・マシーネはすかさず反対側の手を伸ばした。
「まだ、こっちの腕がまだありまちゅよおー」
 だが、彩花のナイフがはらりと新手の糸を断ち切る。
「あれ?」
「くらいなさい!」
 上空から降り注ぐエリザベータの弾幕が敵をその場へ足止めた。こみ上げる情熱がエリザベータを駆り立てる。囚われていた人々が見せてくれた戦う意思こそ、誇り高きマジャールの血が生きていることの証明なのだと今なら信じられる――!
 カルン・ティミド(略奪竜カルン・g00001)は工場の天井に近い窓際に浮遊し、戦場を見下ろした。その鋭く尖った尾の先に大量の魔力が集まってゆく。
 ジン――魔霊を宿したそれを、カルンは思うがままに薙ぎ払った。
「な――」
 不意の襲撃にドクトル・マシーネは驚愕の声をあげる。
「な、なんだこの……膨大な魔力は――!?」
「ロプト様の魔力はさすがでしょ? それとあなた、全然綺麗じゃないです……あと、この場所も。だから、ぶっ壊しちゃいます!」
 ひねりを加え、カルンは敵をその背負った武装ごと跳ね飛ばした。ぶちぶちと糸が千切れ、ドクトル・マシーネの身体が向こうの壁まで転がり続ける。
「あうち!」
 しまいには、自分の手術台にぶつかって頭を打つ羽目になる。派手な音がして壊れた手術台の残骸に塗れ、うめき声をあげた。
「わ、私の手術台が……!?」
 嘆く相手にカルンはあきれ顔で、
「ほんと、理解できません……」
「この世のあらゆる悪趣味を塊にしたようなやつだよな」
 駆け付けた千隼が頷き、銀河は口元に手を寄せて顔をしかめる。
「見た目もグロいし、ここ……まさか手術室内ってやつかよ? マジでスプラッタホラーの世界じゃねぇか……」
 薄暗い室内には薬品や器具を並べた棚が並び、不気味なホルマリン漬けの機械がいくつも見つかった。まさしくここはドクトル・マシーネが凶行するために用意した場所。人の命を奪い、下級のクロノヴェーダへと改造してきた。
「おのれ、ディアボロス風情が私の邪魔をしてくれちゃっ……」
 皆まで言い終えることなく、ドクトル・マシーネの身体は突如として召喚された瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼・g00544)の“相馬さん”に張り倒されてしまった。五月姫まで届かず、眼前で空を切った機械用具が壁にぶつかってひび割れる。
「ほら、ね? 姫の間合い、届かない、ね」
「ぐ……」
 ひゅんっと五月姫は八尺五寸もある大薙刀をバトンのように振り回した。もがくドクトル・マシーネを相馬さんの平手が壁に押し付け、逃がさない。
「ええい、離せ!!」
 無茶苦茶に背中のアームを振り回す。その動きを、八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)はタイミングを測るようにじっと見つめた。まるで、皆で跳ぶ長縄に入る機会をうかがうように。全身でリズムを取り――その視線で看破する。
(「いまだッ!」)
 たった一秒の未来予測も神速反応と組み合わせれば、千載一遇のタイミングをこの拳に掴むことも可能。戦場に滞留する残留効果、その恩恵を纏って繰り出される玄才の拳はレーザーメスの発射に先んじて放たれた、まさしく“パラドクス”なる一撃であった。
「ぬあッ……!?」
 迸る雷電を帯びた拳がドクトル・マシーネの身体を貫いている。
「へっ、サイボーグの体ってーのも大したモノじゃないな。同門の奴らの筋肉なら、これくらいじゃ穴は開かなかったぜ」
 とはいえ、あの頃はまだ普通の人間だったことを考えれば少しばかり言い過ぎだったかもしれない。玄才は指先で軽く頬をかき、「まあいいか」と呟いた。
「つまり、アンタの攻撃は見切ったってことさ」
 片目を閉じてにこっと笑う。それから、玄才はすっと半身を引いて場所を空けた。
「そんじゃ、お後がよろしいようで」
 背後から飛び出した石心・リーリャ(アンチェインド・サイレンス・g04371)の打撃が五月雨の如くドクトル・マシーネに襲いかかる。
「ごふっ……」
「まだまだ!」
 間近で敵を睨みつけ、リーリャはほとんど零距離に近い間合いからぼっこぼっこに殴り続けた。手加減も容赦もない文字通りの乱舞であった。
「ちょ、待っ、たんまっ」
「きこえないー!」
 追撃、また追撃。
「ここであんた逃したら、温泉街に平和が戻んないじゃん? ここできっちり倒してやんよ! 瀧夜盛さん、カルンさん、やっちゃお!」
「はい、やっちゃいましょう!」
「……おー。覚悟して、ね?」
 ドクトル・マシーネを取り囲む3人の攻撃が一斉に彼を襲った。殴られ、壁に貼り付けられ、尾で薙ぎ払われる。
「ロプト様のフルパワー魔力……とくと味わってください!」
 至近距離から叩き付けるようにくらったドクトル・マシーネは白目を剥き、ぴくぴくと痙攣しながら泡を吹いた。
「こ、この……私が……私を……まさか……」
 五月姫はとととっ、とドクトル・マシーネの前に駆け寄る。じっと彼の『独逸感』あふれる装備をのぞき込み、「ほぅ」と微かに頬を紅潮した。
「やっぱり、それ……とってもかっこいい、ね、ドクトル。姫、そういうの、とっても好きで、集めるの、趣味なんだ」
「あぎっ!?」
 突然、ドクトル・マシーネが叫ぶ。右腕だけの妖が彼の機械腕ごとむしるように掴んだのだ。五月姫はとても無垢に微笑み、ねだった。
「だから、……それ、ちょうだい?」
「ばばばばば、やめて、らめぇっ!」
 ぶちっ、という嫌な音がして背中が少し軽くなる。悲鳴をかき消すほどの轟音を上ながら、まるで津波のような水流がドクトル・マシーネに向かって押し寄せた。
「もういっちょ、追加だ」
 銀河の腕にとまっていた猛禽がふわりと飛び立ち、ドクトル・マシーネの眼前で水の奔流へと変化する。
「ぶはっ、こ、こんなところで死んでたまるか……っ」
 その動きを読んでいた千隼はすかさず銃を構え、ドクトル・マシーネの腕から生成されたレーザーメスを撃ち落とした。頼もしい義兄を振り返り、にっと笑う。
「ちゃんと戦えてるじゃないか、銀河。これなら俺も安心だ」
「ん? まぁな……確かに、この体は――強ぇ!」
 銀河の及ぼした流水は工場内部を洗い流すように隅から隅までを満たしていった。ところどころで断線した電流が爆ぜ、機械の電源が次々と落ちる。
「あ、あ、あ……私の研究室がああッ……!!」
「諦めな。もう手遅れだ」
 闇を透かす千隼の視線が標的を見据え、弾丸を乱れ撃つ。それは中空で嵐のように敵を切り裂く魔弾と化してありとあらゆるものを切り裂いた。
「うぐっ――」
「覚悟は良いでしょうね、この外道!」
 目にも止まらぬ急降下で接近したエリザベータの爆撃槌が敵の頭部を激しく打ち据える。くるりと空中で姿勢を変え、再び滑空。
「もう一度!」
「がっ……」
 いままで弄ばれた同胞の無念を、怒りを、悲しみをエリザベータは一撃ごとに叩き付ける。やつが受けるべき報いの全てを与えるかの如く――何度も。

 その時、秘密工場の周囲でリーリャの手配した赤色灯とサイレンが近隣住民に避難を呼びかけた。近くにたむろっていた人々は互いに手を貸し合いながら少しずつ遠ざかる。小さな爆発が繰り返し発生し、施設の最後が近いことを物語る。
 
「私が、ま、負けるのか……そんな馬鹿な……!?」
 いまや、秘密工場は崩壊までのカウントダウンが始まっていた。ドクトル・マシーネは不思議に思う。どうして私の身体は全然動いてくれないのだ、と。
「ようやく、自分の状況が理解できたみたいね」
 数多の弾丸に穿たれ、機械腕の半数以上を失い、ぼろ雑巾のようになったそれを念動力によって縫い留めるのにさしたる労力はいらなかった。彩花は素早くバタフライナイフを開き、その心臓へと突き立てる。
「がふっ」
 傷ついた内臓からこみ上げる大量の血液がドクトル・マシーネの喉から噴水のように吹いた。さらに深く、抉るようにナイフを差し込んで囁く。
「さよなら。……返事はいらないよ」
 自らの血に溺れ、窒息するように動かなくなった体が濡れた床の上に倒れていった。

「終わったな」
 千隼は銃を指先で回してからホルダーに戻した。ぶるっと体を振るって水滴を弾いたカルンは、よかったらと前置いてから提案する。
「帰る前にもう一回、温泉に入っていきません?」
「さんせー! 朝風呂っていいよねー」
 リーリャはカルンと両手を打ち合わせた。
「はい!」
 やがて夜は明け、新しい朝がやってくる。かつて秘密工場と呼ばれた場所にはただ瓦礫ばかりが残され、主を失ったまま鮮やかな朝日に照らされてゆくばかりであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水源】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【浮遊】がLV2になった!
【修復加速】LV1が発生!
【避難勧告】がLV2になった!
【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV6になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2021年09月27日