リプレイ
鳩目・サンダー
大仕事が終わっても、個別の仕事が楽になる訳じゃない、か。
パラドクストレインの導きがあって尚失敗の可能性が示唆されてるって事は、気合入れて探さないと見つけられないって事だよな。
現着次第【光学迷彩】で身を隠しつつ、観察 偵察技能で現在地の状況を把握。
高野山に急いで向かう道となればある程度当たりは付くはずだ。
訊く限り追手を撒くような工夫が出来る余裕もなさそうだし、最短距離の道を選んでいるとみていいだろう。
高野山目掛けて移動しつつ足音や姿を探る。
アドリブ、連携歓迎します。
ディアナ・アインホルン
トレインを降りたらわざと目立つように紀伊国方面への最短ルートを飛ぶよ。
先回りが目的じゃなくって、向こうに最短距離を行くのは見つかる危険があると思わせて足を止めて方針を見直させたり迂回させたりと少しでも時間を稼ぐのが目的。
だからある程度飛んだら、地面に降り、周囲の気流を操って姿を隠しつつ偵察開始。
付近の風の流れをEarthshineで解析して集団が動いている気配を探り、相手の潜んでる場所や進行ルートを割り出すよ。
「偵察も得意な方なんだよね」
集団の位置や移動ルートを把握したら仲間に伝えて更に追い込んでいこう。
姿を隠したまま、そっちに近付いて不意打ちのチャンスを狙うよ。
●先んじる意味
――初夏の空気が満ち始めた、紀伊山地の一角で。
「大仕事が終わっても、個別の仕事が楽になる訳じゃない、か」
鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)は、パラドクストレインから降りるや否や、【光学迷彩】で周囲の木々や草花に溶け込むような迷彩模様を纏い、紛れる。
――パラドクストレインの導きがあっても、尚失敗の可能性が示唆されてるこの依頼。
もし、紀伊国からの迎えを殲滅したとしても、アヴァタール級に紀伊国に逃げ込まれてしまえば、紀伊国側に大和国の情報が渡ってしまうだろう。
(「気合入れて探さないと見つけられないって事だよな」)
ある程度居場所は絞れているとはいえ、広大な山地から集団を見つけ出すのはなかなか難しい。
サンダーは、この依頼の難しさを改めて実感しながら、高野山に向けて移動し始めた。
一方、ディアナ・アインホルン(夜空を切り裂く流星・g01791)は、パラドクストレインから降りるや否や、わざと目立つように飛翔し始めた。
先回りして足止めを狙うのではなく、向こうに最短距離を行くのは見つかる危険があると思わせて足を止め、方針を見直させたり迂回させたりと少しでも時間を稼ぐのが目的だ。
果たして、ディアナの狙い通り、飛翔するディアナを発見した北畠具教らはいったん足を止め、注目し始めた。
「き、北畠様、空に!!」
「何!? もう彼奴等が気づいたのか!?」
早々に発見され、家老衆と共に驚く北畠具教。
ここで天魔武者らが方針を見直したり迂回したりしてくれれば、少しでも国境到達までの時間を稼げることになるが……。
「どどどどどうしましょう? 迂回して隠れた方が……」
「ええい落ち着け!! 道は既にわかっておるのだから、高野山まで急ぐのみ!!」
既に士気が挫かれている家老衆に一喝しつつ、北畠具教は逃走を再開。
その足取りは明らかに最短コースを選んでおり、迂回する気配は全くなかった。
(「あら、迂回してくれなかった。偵察も得意な方なんだけど、今回は少し読み違えたかな」)
飛翔してもすぐには発見されず、発見されても即時攻撃されない程度にはディアボロスが好き勝手出来る状況だが、逃走を優先している天魔武者らの方針を変えさせるのは容易ではない。
何らかの手段で行く手を遮ったりすれば、さすがに迂回路を通らざるを得なくなったかもしれないが……。
(「無理に迂回して身を隠しながら進むより、見つかっても最短距離を強引に突き進んだ方が、結果的に早く到達できると踏んだのかしら?」)
紀伊国への逃走を図っている天魔武者たちは、とにかく高野山に到達さえすればよいと考えているらしい。
――そこまでして、なぜ一刻も早く高野山に辿り着きたいのだろう?
そんな疑問がディアナの脳裏を過るが、答えを知る天魔武者らはディアナから隠れるようにどんどん先に進んでいる。
やむなく飛翔を諦めたディアナは、地面に降りて姿を隠し、地道に風の流れを追跡し始めた。
そんな天魔武者らの動きは、サンダーも把握していた。
(「時先案内人から訊く限り、追手を撒くような工夫が出来る余裕はなさそうだし、最短距離の道を選んでいると見て良いだろう」)
高野山に急いで向かう道となれば、ある程度当たりは付くはずと考えたサンダーは、あえて足音や姿を探りながら、高野山に向けて移動する。
暫し足音を追跡していると、やがて風の流れを追跡していたディアナと合流した。
合流したサンダーとディアナは、見つからぬよう身を隠しながら情報交換し、天魔武者の現在の位置や移動ルートを改めて把握する。
わざと注目させた結果、天魔武者らはある程度国境に近づいたようだが、国境まではまだそれなりの距離はあるはずだ。
「まだ慌てなくても大丈夫そうね」
「そうだな。今は機会を待つか」
姿を隠したまま、こそりと近づき不意討ちの機会を伺いながら、サンダーとディアナは他のディアボロスが合流するのを待ち続ける。
――敵方にとって、最も嫌なタイミングで不意討ちを仕掛けるために。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
ブランク・ヴァラック
【芹香ちゃん(g07770)と行動】
二人で山デートかと思ったらこれだよ……!
逃げる野郎のケツおっかけるなんて気が進まないどころじゃないんだけどしゃあねえ、さっさと終わらせるぜ!
追跡魔術は習得済みだけど……まさかこんなことで使うと思って覚えたわけじゃないから勘違いしないでよね!
山道から国境へ、部下を連れて逃げようってんなら普通は整備された道だと思うから複数重なった足跡を探す
もし獣道に進むんなら、それこそ真新しい侵入の痕跡はあるはず
それを追っかけていけば、辿り着くのは問題ないはずさ
芹香ちゃんの力もあてにさせてもらって、さっくりご対面と行こうか
天宮・芹香
【ブランク君と行動】
最初からデートであった時間はゼロ秒だったはずですけど
ブランク君は、追跡とか得意です?
私は誰かを追いかける事もない穏やかな生活でしたので
敵を追いかける目的で追跡魔術を覚えるのは正しいのでは?
むしろ何するつもりで覚えたんです?……いえ聞くの止めます!
人は何しても痕跡が残るものですし……
更に相手も逃走中で焦っている状態。その痕跡は消しきれない筈です
出来るかどうかは挑戦ですけど熱量操作の応用で、激しく動いている何かがいないか、なんて事も探ってみますね
何だかんだとブランク君の状況判断は的確ですし頼らせてもらいます
複数の人間の痕跡に注目して探りを入れて、なるべく早く追いつきましょう!
●山デートの前に山捜索?
季節が春から夏に移り変わり、徐々に木々や地面に緑が芽吹き始めている紀伊山地に到着したパラドクストレインから、ふたりのディアボロスが降り立つ。
そのうちのひとり、ブランク・ヴァラック(腹黒狐・g05765)は、地面に足を付けるや否や、頭を抱えて項垂れた。
「二人で山デートかと思ったらこれだよ……!」
「最初からデートであった時間はゼロ秒だったはずですけど」
そんなブランクの嘆きを、天宮・芹香(氷華蒼珠・g07770)は冷ややかな声でシャットアウトしつつ、藪から棒に問いかけて。
「ブランク君は、追跡とか得意です? 私は誰かを追いかける事もない穏やかな生活でしたので」
「追跡魔術は習得済みだけど……まさかこんなことで使うと思って覚えたわけじゃないから勘違いしないでよね!」
「敵を追いかける目的で追跡魔術を覚えるのは正しいのでは?」
「え?」
「むしろ何するつもりで覚えたんです? ……いえ聞くの止めます!」
ブランクの言葉を聞くたび、なぜか背筋がぞわっとしてきたため、芹香はそれ以上の追及をやめることにする。
……いや、本当に何をするつもりで覚えたのでしょうか?
「とにかく、今は天魔武者を探しましょう!」
「はぁ、逃げる野郎のケツおっかけるなんて気が進まないどころじゃないんだけどしゃあねえ、さっさと終わらせるぜ!」
早くデートしたいからさ、と言いかけて慌ててその言葉を呑み込みながら。
ブランクは先に進む芹香を追いかけ始めた。
ブランクと芹香がすったもんだを繰り広げている間に、他のディアボロス達は追跡を始めている。
多少遅れを取った気はするが、まだまだ追いつけるだろう。
「人は何しても痕跡が残るものですし……更に相手も逃走中で焦っている状態」
――ならば、その痕跡は消しきれない筈。
そう踏んで痕跡を探そうとする芹香に、ブランクも同意するように頷いている。
「熱量操作の応用で、激しく動いている何かがいないか、探れないかな?」
「その、芹香ちゃんの力もあてにさせてもらって、さっくりご対面と行こうか?」
ブランクの声をあえて受け流しながら、芹香はパラドクスで氷の蝶をつくり、周囲に放つ。
ふわり、と飛び立った氷の蝶は、やがて少しずつ冷気を撒き始めるが、特に反応はない。
天魔武者たちが冷気に強いため気にならないのか、あるいは既にこの周辺にいないのか。
「出来るかどうかは挑戦でしたが、探れない、というよりは、既に近くにいないような感じですね」
――周囲にいなければ、やはり地道な追跡が一番か。
「山道から国境へ、部下を連れて逃げようってんなら普通は整備された道を通るよな?」
そう考えたブランクは、ざっと周囲を見回してみるが、整備された道は全く見当たらない。
もっとも、整備された道があったとしても、その道が最短経路でないならば今回は避けるだろう。
――ならば、獣道だろうか?
「もし、仮に獣道に進むとしたら、それこそ真新しい侵入の形跡があるかもしれない」
「ええ。何だかんだとブランク君の状況判断は的確ですし、頼らせてもらいます。複数の人間の痕跡に注目して探りを入れて、なるべく早く追いつきましょう!」
「よーし、探してやるぜ!!」
芹香に頼られやる気になったブランクが痕跡がないか捜索すると、やがて半ば強引にかき分けたような茂みが見つかった。
その茂みをかき分け先へ進むと、ブランクの読み通り、その先に細い獣道が伸びている。
しかも、地面には最近ついたような複数の足跡のおまけつき。
足跡の大きさから、これらはほぼ間違いなく天魔武者たちの足跡だろう。
「これを追っかけていけば、辿り着くのは問題ないはずさ」
「じゃあ、早く追いかけましょう?」
「ああ、さっさと終わらせたいしな」
早く終わらせて芹香ちゃんと山デートをしたいから、と三度言いかけぐっと呑み込みながら。
ブランクは芹香と共に、獣道に続く足跡を追いかけ始めた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV3になった!
ミシェル・ラークリーズ
家族が忙しくしてるから僕一人で来た。家族全員が関わってる世界で皆気にしてる。少しでも役に立てればと思って。
【完全視界】で山にありがちな不意の霧とか木々で視界が不意に塞がれた時に備えて視界を確保。
【光学迷彩】も使って隠れながら踏んだ枝とか足跡から逃走経路を割り出して【パラドクス通信】で仲間と情報を共有する。
僕も少しはこの世界の地形に慣れてきた。念の為に高野山付近の地図を調べておく。急いで逃走するから早く高野山に着く為に通りやすい最短の道を通るんじゃないかな。知らないのが通るので周りの鳥や動物もびっくりする。その辺りも探そうかな。
仲間の情報を元に力を併せて不意打ちを狙うよ。
●家族の想いも背負いながら
ディアボロス達が協力して紀伊山地を捜索する中、ミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)は、あえてひとりで捜索を開始していた。
家族が忙しくしているから、今日はミシェルひとりで来たのだけれど、天正大戦国は家族全員が関わっている世界だから、動向は皆気にしている。
(「少しでも、役に立てれば」)
そんなミシェルの想いは、きっと家族にも、他のディアボロスにも届くはず。
山中の天気が気まぐれで変わりやすいのは、最終人類史も天正大戦国も変わらない。
だからミシェルは、【完全視界】で視界が不意に塞がれた時に備えて視界を確保できるようにし、さらに【光学迷彩】で木々や草花に紛れるような迷彩模様を纏い隠れながら、地面に視線を落とし追跡を試みた。
一見、何もないような地面でも、踏んだ枝や目立たぬ足跡が隠れていると考え、よく目を凝らしてみると、やはり所々に足跡が点在している。
(「僕も少しは、この世界の地形に慣れて来たかな」)
ミシェルはパラドクストレインに乗車する前に入手した最終人類史の高野山付近の地図に目を落としながら、足跡を頼りに最短の道があると思われる地点を探す。
最終人類史と天正大戦国とでは細部がかなり異なるのだが、地形の当たりがつけられるだけでも捜索の役には立つだろう。
(「急いで逃走するから、早く高野山に着く為に通りやすい最短の道を通るんじゃないかな?」)
知らないのが通るなら、周りの鳥や動物もびっくりするだろう。
そう考えて、鳥や動物の鳴き声が聞こえないか耳を傾けた、その時。
――バサバサバサッ。
少し離れた木々の合間から、一斉に鳥の群れが慌てて飛び立った。
おそらく、集団で通り抜けた何かから逃れるために、飛び立ったのだろうか。
(「あのあたりかな?」)
【パラドクス通信】で仲間と連絡を取ってみると、やはり鳥の群れが飛び立った当たりを天魔武者の集団が通り過ぎたらしい。
急ぎ仲間と合流し、併せて不意討ちを狙うために。
ミシェルは足を速め、天魔武者が鳥を散らした地点へとかけていった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
●天正大戦国・大和国――紀伊山地内
追跡を続けていたディアボロス達は、紀伊国との国境から少し離れた地点で、アヴァタール級『北畠具教』と、その配下のトループス級『家老衆』に追いついた。
「なぬっ!? もう追いつかれたのか!!」
「き、北畠様どうしましょう!?」
「ええい、こうなったらディアボロス達を刀の錆にしてくれるわ!!」
足を止めディアボロス達に向き直る北畠具教に対し、家老衆たちは「逃げましょうよ~!!」とオロオロしている。
追いついた地点はかなり国境に近いが、周辺に紀伊国からの迎えの姿は見当たらないため、ディアボロス達が意図的に国境に追い立てない限りは、北畠具教が国境を越えることはないと考えていいだろう。
――ならば、後は狼狽している家老衆と、刀を手に息巻いている北畠具教をこの場で撃破するだけだ。
鳩目・サンダー
【パラドクス通信】を使って機を見て襲撃。
状況が許すなら退路を断ち包囲して戦いたい。
難しいならば戦闘しながらの回り込みも試みる。
使用するパラドクスはエコーチェンバー。
これなら一回で複数体同時に巻き込めるので、逃亡の余地を潰しやすいと踏んだ。
……この依頼に限れば。あたしらはこいつらの悪行を咎める為に来た訳じゃない。単にクロノヴェーダだから、という理由だけで討伐する訳だ。
仕事に手抜きはしないが、「立場の違いを理由に殺し合いをしてる」って側面は胸に刻んでおこう。
今後の創作活動に使えるかもしれないしな。
アドリブ、連携歓迎です。
ブランク・ヴァラック
【芹香ちゃん(g07770)と引き続き行動】
いやあ出来れば抵抗しないでほしいな、うん
追っかけたのは悪かったと思うんだけどさ、仕方ないじゃん?
デートのためには仕事しなきゃだから!
敵は群れ、こちらは少数
なら、効率よく倒していかなきゃ
芹香ちゃんの力、あてにさせてもらおうか!
使うのはWIZ
わざわざ突っ込むタイミングで叫んでくれるんだから、タイミング合わせるのは簡単だろう
巻き起こす風の渦で絡めとって、隊列も何もかもかき乱して降り落ちてもらう
天宮・芹香
【ブランク君と行動】
これが終わったらデートだ、みたいなニュアンスを感じますけど普通に帰りますからね?
出かけるんならついでじゃなくて普通に誘えば私も全く考えないなんて事は…
なんて言ってる場合でもないですね、私達以外のみなさんとも【パラドクス通信】で連携して仕掛けましょう
相手の数が多い状態です、狙いを集中して数減らしを頭に置いておきます
ブランク君が先手を打って相手の動きを鈍らせてくれるなら、
【風刃・連唱】で追撃していきます!
プラスとマイナスの力をうまく組み合わせれば、大抵の事は再現できるってものですよ!
(私は……逃げるだけの相手でもクロノヴェーダなら絶対に手を緩めたりなんてしません)
ミシェル・ラークリーズ
必死な所悪いんだけど逃す訳にはいかないんだよね。僕らに見つかったのが不幸だったと諦めなよ。うん、クロノヴェーダは基本的に討伐すべき相手だしね。
出来るだけ足を止めたいな。なら【パラドクス通信】で仲間と連絡を取り合って位置関係を確認。【光学迷彩】で姿を隠し、【高速詠唱】で江攻水虎!!奇襲気味に虎を襲いかからせるよ!!
敵は多くいるし、虎を呼び出した時点で迷彩は溶けるから、【残像】で致命傷は受けないように。
逃げのびて体勢立て直されても困る。ここまでだよ。
ディアナ・アインホルン
さて、無事に追いつけたから攻撃開始だよ!
みんなに合わせて戦闘開始!
家老衆に向けて杭を連射するよ。
攻撃は国境側に近い相手や逃げようとする相手を優先。
相手を倒すのも狙いだけど、並んで刺さった杭が国境へ逃げるのを邪魔する配置になるようにというのも狙って攻撃するね。
向こうは接近戦したいだろうけど先手を取ったこっちがわざわざ不利になろうとは思わないかな。
杭が邪魔してすぐに近づけないだろうから動きが鈍くなったところを更に狙わせて貰うね。
それにほら、私以外にも仲間はたくさんいるから、動きを止めたら誰にとっても良い的だよ?
「そっちはもう行き止まりだよ!」
「そこで止まるのは危険だよ」
●深緑の天魔武者に国境を越えさせるな
天魔武者の到着を待ち、真っ先に隠れ場所から飛び出したのは、ディアナ・アインホルン(夜空を切り裂く流星・g01791)と鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)のふたりだった。
ふたりの狙いは、アヴァタール級天魔武者『北畠具教』……ではなく、狼狽しているトループス級天魔武者『家老衆』たちだ。
「ひ、ひいいっ!?」
「さて、無事に追いつけたから攻撃開始だよ!」
突如現れたディアボロスの姿を見て狼狽する家老衆に、ディアナは意識的に国境側に近い相手を狙って金属製の杭を連射。
倒すだけでなく、並んで刺さった杭が逃走を邪魔するよう配置するのを狙いながら打ち出された杭は、一部地面に突き刺さり、一部は家老衆を直接貫いた。
「ひいいいいっ!!」
「う、うろたえる、な
……!!」
破れかぶれで二振りの魔光刀でディアナを解体しようとするが、地面に刺さった杭につまづきよろめき、あえなく攻撃中断。
その間に【パラドクス通信】で他のディアボロスが集結しつつあるのを察したサンダーが、意識的に退路を断つように回り込んでいる。
「新手か、い、行けーっ!!」
「おお、おおおお!?」
家老衆たちもヤケを起こしてサンダーに突撃するが、サンダーがパラドクスを発動するほうが僅かに早い。
「聴きたいことだけ聴いているがいいさ!」
サンダーの声が周囲に木霊すると同時に、電磁波や音波、敵自身の攻撃など様々なものを反射、増幅し、いつまでも残響させる空間が、サンダー向かって突撃した2体を閉じ込め、音のシャワーを浴びせ続ける。
ディアナの杭で既に大ダメージを受けていた1体は、反響し続ける音の波を浴び続け、やがて倒れ伏した。
家老衆のうち1体が倒れ伏したところで、【パラドクス通信】を通して接敵連絡を受けていたブランク・ヴァラック(腹黒狐・g05765)と天宮・芹香(氷華蒼珠・g07770)、そしてミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)の3人が駆けつける。
「いやあ、出来れば抵抗しないでほしいな、うん。追っかけたのは悪かったと思うんだけどさ、仕方ないじゃん? デートのためには仕事しなきゃだから!」
「これが終わったらデートだ、みたいなニュアンスを感じますけど普通に帰りますからね?」
「出かけるんならついでじゃなくて、普通に誘えば私も全く考えないなんて事は……」
走っている間にも必死に誘うブランクに、芹香が脈があるようなないような雰囲気を醸し出しつつ、逃げ惑う家老衆たちの姿をしっかり視界に捕らえて。
「……なんて言ってる場合でもないですね。私達以外のみなさんとも連携して仕掛けましょう」
「ああ。敵は群れ、こちらは少数。なら、効率よく倒していかなきゃ。芹香ちゃんの力、あてにさせてもらおうか!」
俄然やる気になったブランクが、呆れと期待が半々ずつ含まれた芹香の視線に気づいているか否かは、本人たちのみぞ知る。
ちなみにこの間、ミシェルはブランクと芹香を差し置いてまで家老衆に声をかける勇気が出なかったのか、ふたりから目を逸らしながら沈黙を保っていたのだが、ふたりの会話が終わった時を見計らい、やっと口を開いた。
「必死な所悪いんだけど逃す訳にはいかないんだよね。僕らに見つかったのが不幸だったと諦めなよ。うん、クロノヴェーダは基本的に討伐すべき相手だしね」
「ええい、ここでまとめて蹴散らして逃げ延びてやる!!」
そんな3人に向かって、家老衆は速攻で蹴散らしてやると言わんばかりに、わざわざ突っ込んで来る。
半ばやけっぱちにも見える行動に、やっぱりな、とブランクがニヤリと笑った。
「わざわざ突っ込むタイミングで叫んでくれるんだから、タイミング合わせるのは簡単だろ?」
家老衆のひとりを指差しながら、ブランクはパラドクスを発動。
「遊ぶ一吹き、荒ぶ二吹き、弄ぶのは凪の終吹き」
直後、指を差された家老衆を中心に上昇気流が発生し、突っ込んできた家老衆のうち3体を軽く空中に吹っ飛ばした。
「あやややや~!?」
「い、いかん、そら、そらだけは
……!!」
「ブランク君が足止めしてくれるなら――私式鎌鼬ってヤツです!」
空中から四肢をばたつかせながら自由落下してくる家老衆3体に向かい、芹香が追い打ちの鎌鼬を発動。
熱量操作の応用で発生した風は、落下する家老衆を巻き込みながら、隊列も何もかも一気にかき乱した。
「だ、誰か~!」
たまらず鬨の声を上げて突撃しようとするも、それに耐えうる気力と体力を残している家老衆はもはやいない。
逆説連鎖戦の鉄則通りなら、如何なる姿勢であろうが反撃自体は可能なのだが、士気がない所に追い打ちをかけて空に吹っ飛ばされれば、もはやそれをやろうとする気力すら残っていないらしい。
かくして、上空に吹っ飛ばされた家老衆3体は、上昇気流と鎌鼬に隊列も戦意も乱されながら、ブランクと芹香だけでなく、足を離した地面に再び触れることなく消滅した。
「プラスとマイナスの力をうまく組み合わせれば、大抵の事は再現できるってものですよ!」
ぐっと拳を握りしめながらも、芹香の胸中にはクロノヴェーダへの怒りが滾っている。
(「私は……逃げるだけの相手でもクロノヴェーダなら絶対に手を緩めたりなんてしません」)
――恵まれた環境を失ったのは、刻逆の、クロノヴェーダのせいなのだから。
そんな芹香の怒りを背中で感じ取りながら、ミシェルはそっと【光学迷彩】を纏って回り込み、水で出来た猛虎を召喚。
「逃げのびて体勢立て直されても困る。ここまでだよ」
迷彩が解けるのを覚悟で、ミシェルは猛虎に「行け」と短い命を下す。
召喚主の命を受けた猛虎は、大きな咢を開けながら急襲し、家老衆2体の腕をかみ砕いた。
「ぎゃああああああ!!」
「せ、せめて
……!!」
腕に噛みつかれるのとほぼ同時に、家老衆が意地で二振りの魔光刀を猛虎とミシェルに突き出す。
一度に突き出された四振りの刀は、水で出来た猛虎の身体を貫通しつつミシェルの腕を掠めていたが、かすり傷に留まった。
むしろ、これで家老衆の動きが止まったのは――ディアナの狙い通りと言えよう。
(「私以外にも仲間はたくさんいるから、動きを止めたら誰にとっても良い的だよ?」)
「そっちはもう行き止まりだよ!」
腕をかみ砕かれ逃げようとする家老衆の背後から、ディアナは再度杭を投げつける。
先にサンダーの残響空間内で斬られていた1体が背中を貫かれ、そのまま絶命した。
残る1体は、サンダーが再び残響空間を生成し、閉じ込める。
家老衆もまた、突撃しようとするも、その動きそのものが残響空間に全て反射されれば、むしろ己を傷つけるだけ。
(「……この依頼に限れば。あたしらはこいつらの悪行を咎める為に来た訳じゃない。単にクロノヴェーダだから、という理由だけで討伐する訳だ」)
――仕事に手抜きはしないが、「立場の違いを理由に殺し合いをしてる」って側面は胸に刻んでおきたい。
(「今後の創作活動に使えるかもしれないしな」)
アーティストらしいことを考えながら、サンダーは残響空間内で反響音に斬り刻まれる家老衆の姿をじっと見届けていた。
士気が崩壊し、逃げ惑うだけだった家老衆は、ディアボロスの奇襲により一掃された。
残りは、刀を構え息巻いている、トループス級天魔武者『北畠具教』、ただひとり――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV2が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV3になった!
ダスク・ノーライズ
(サポート)
顔が犯罪者のソレであり、耐性のない人には怖がられる事も少なくない、見た目で損するタイプ
「笑顔とは、どうやったらできるのだ?」
両手両足が機械化されたサイボーグで、基本的に零距離での肉弾戦を行うが、その根幹には周囲への被害を出さない、という意識があり、防衛戦には慣れている模様
ただし記憶がなく、『何故慣れているのか』は自分でも分からない
また、逆説連鎖戦の特性上、『敵の撃破こそが味方の護衛』だと思っており、部隊の盾になる為に最前線へ突貫しがち
味方、及び民間人を守るためなら平然と身を犠牲にする
しかし、一度戦前を離れれば、お菓子や料理を作ってみたり、地味に面倒見が良かったりと、顔にに合わぬ側面を見せる
丹後・安喜光
(サポート)
『武人であろうが妖であろうが、お相手いたす』
人間の陰陽師×妖怪博士、14歳の男です。
口調「男性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、戦闘中「多少感情的(俺、お前、か、だろ、かよ、~か?)」です。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
基本、軽口少な目、真面目に行動する性格です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ニクス・カエルレア
(サポート)
「お手伝いしますよ、できる限りやらせてください」
エルフのスノウメイジ×デーモンイーターの男です。
人当たりは柔らかで、丁寧語で話します。
氷と雪を扱うことが得意です。
戦闘では皆さんの補助に回ります。
効果的な一撃を与えられるよう、隙を作ったりアシストできるよう行動します。
情報収集や流言を流す際は、目立たないように人当たりの柔らかさを活かした振る舞いを。
復興支援は現地に心を寄せるように。
楽しいイベントははしゃぎます。小さい氷像とか作ってみたり。
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。
例え依頼の成功のためでも、理由なく公序良俗に反する行動はしません。
アレンジ連携お任せします。どうぞご随意に。
●公家の本性は容姿通りか、刀狂いか、それとも?
家老衆たちが全滅し、唯一残されたアヴァタール級天魔武者『北畠具教』は、集結しつつあるディアボロス達を前に咆えていた。
「役に立たぬ家老どもめ! かくなる上はわし自ら斬り捨ててやるわ!」
「斬り捨てさせる気はない」
真っ先に前に出たダスク・ノーライズ(サイボーグの破軍拳士・g03370)が、拳を握り込んでいるその後ろで、丹後・安喜光(人間の陰陽師・g03326)が陰陽札を手にじっと北畠具教を見据えていた。
「武人であろうが妖であろうが、お相手いたす」
「私もお手伝いしますよ、できる限りやらせてください」
ニクス・カエルレア(氷雪・g08575)もまた、魔晶剣を抜き放つ。
魔晶剣から漂う冷気が少しずつ周囲の気温を下げてゆくが、北畠具教は刀を正眼に構えたまま、微動だにしない。
天魔武者は武者風の姿を持つ者が多いが、北畠具教はの容姿は公家そのもの。
立居振る舞いも武士を見下すその姿勢も、公家そのものではあるが、一方でその構えからは全く隙が伺えない。
――果たして、目の前の天魔武者は、公家なのか、それとも剣士なのか。
それを見極め後へ繋げるために、ダスクと安喜光、そしてニクスは公家風の天魔武者と相対した。
「消し飛べ」
ダッシュしながら脚部装甲から砲撃し、ぐん、と急加速しながら、ダスクは一足と見間違いそうな勢いで北畠具教の懐に飛び込む。
周囲への……特に味方への被害を出さぬよう、あえて零距離の肉弾戦を仕掛けるその動きには、一切迷いがない。
――敵の撃破こそが、味方の護衛に、防衛につながる。
そう信じているダスクは、北畠具教の懐に飛び込むや否や、拳に捻りを加えながら腹に叩き込んだ。
さながら縮地のように突然目の前に現れたダスクに、北畠具教も咄嗟に対応できず、腹に拳をねじ込まれた。
「ぐおっ……」
体をくの字に折り悶絶する北畠具教の前に、笹竜胆の家紋が描かれた旗を背負った武者の集団が現れる。
「殿を守れー!!」
「狼藉者よ、覚悟!!」
北畠具教の胸に描かれている紋と同じ柄の紋が染め抜かれた旗を掲げた武者たちは、槍や弓でダスクに攻撃し、後退させようとするが、ダスクは全身でそれを受け切り、食い止めた。
その隙に、北畠具教はダスクを避けながら安喜光の前に移動し、刀を上段から振り下ろした。
「奥義、一ノ太刀!」
目にも留まらぬ一閃が、虚空に真っ直ぐ銀光を引きながら安喜光に迫る。
確実に真正面から安喜光を捉えたその一撃は、手にした陰陽札ごと安喜光の腕を深々と斬り裂いていた。
斬られた衝撃で咄嗟に一歩後退しながらも、安喜光は陰陽札を翳し、目の前の天魔武者に投げつける。
目の前の公家風の天魔武者の本性を暴かんとする陰陽札が数枚、虚空を舞い、北畠具教の胴に貼りついた。
「っぐぅ……っ!!」
「Glacies gladio chorus. 氷刃よ、舞い踊れ」
安喜光の隙を少しでも埋めるべく、ニクスも異次元から無数の氷刃を召喚し、北畠具教に殺到させる。
「何と面妖な
……!!」
無数の氷刃から放たれる衝撃波は、北畠具教をほんの一瞬足止めしながら、その全身を細かく切り刻んだ。
その隙に安喜光は急ぎ後退するが、刀使いの公家の興味は、既にニクスに移っていた。
「逃がさぬ!」
二の太刀ながらも一ノ太刀に匹敵する速度で振り上げられた刀が、真正面から氷刃を破壊しつつ、ニクスの胴を逆袈裟に斬る。
目にも留まらぬ一閃は、ニクスや安喜光、そしてダスクに、目の前の天魔武者が間違いなく剣の腕に長けていると確信させる程の一撃だった。
「剣の腕は確かですが、皆で攻撃を重ねれば討ち取れるはずです」
「そうだな。後は任せよう」
追跡行と家老衆との戦で多少疲労したディアボロス達が回復した頃合いを見て、安喜光とダスク、そしてニクスは後退しながら撤退する。
――紀伊国への逃走阻止を、必死で天魔武者らに追いすがった者達の手に委ねて。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV4になった!
ミシェル・ラークリーズ
どうして僕らディアボロスがここにいるか、どうして追ってきたか。理由は教える気はないよ。必死な所悪いけど、このまま逃げ延びさせる訳には行かない。覚悟、北畠具教。元になった武将は剣豪らしい。油断しないで行くよ。
敵の攻撃はとても早いのでこちらが攻撃する前に斬られそうだからまず【残像】で致命傷を避けて倒される事を防ぐ。
僕は手数で勝負だ。七影斬で残像と共に包囲攻撃するよ。敵は強いけど単独だから手数を増やせば何とか対抗できる。
生き延びたい気持ちは分かる。でもこの国の平和の為なら脅威の芽は少しでも摘んでおきたい。ここは僕らの意地を通させて貰うよ。
野本・裕樹
残るはアヴァタール級のみのようですね、あと少しですが私もお力添えを。
紀伊国へと脱出させる訳にはいきません、ここで必ず討ち取ります。
『北畠具教』ですか、本来の歴史では織田信雄も名乗った伊勢国司でもありますね。
本来の歴史を参考にするならば『北畠具教』は新当流の使い手の筈、剣術の腕前は油断できないものかもしれません。
警戒すべきなのでしょうが私も剣術を嗜む者の端くれ、敢えて同じ土俵で勝負させてもらいます。
相手も剣術に自信があるなら勝負に乗ってきて逃げの選択肢を潰せるかもしれませんしね。
例え奥義が相手だろうと恐れずに前へと踏み込み集中して太刀筋を見切りましょう。
そして負けじと一太刀、《紅楓閃》です。
ディアナ・アインホルン
逃がさないようにここで倒させてもらうね。
相手の間合いに入らないように刀で切り捨てたり防御できるよう実体弾やミサイルで攻撃や味方の援護を仕掛けるよ。
そして相手が防御する時に刀の長さを見て覚えておくね。
いくら目にも止まらぬ速さでも、刀の間合いがわかれば危険な地帯はわかるよ。
そして攻撃が来るタイミングも。
相手が自分の技に自信を持ってるなら私が間合いに入った瞬間に切り伏せてくるはず。
だから狙うのはその瞬間だよ。
隙を見て突撃するよ、そして相手の間合いの直前で更に急加速して進む方向を変えて刀を躱しつつカウンター気味にR-Themisの一撃を叩き込むよ。
「私も速さには自信があるからね……負けないよ」
●公家の正体は、国司か、剣豪か
アヴァタール級天魔武者『北畠具教』は、隙あらば紀伊国との国境まで落ち延びようと機会を伺っている。
己が剣技でディアボロス達を一時撤退させ、今度こそ国境まで逃れられる……と思った、その時。
「逃がさないようにここで倒させてもらうね」
背後から響いたディアナ・アインホルン(夜空を切り裂く流星・g01791)の声に、思わず足を止めていた。
「どうしてもお前達は、こうも都合よく都合よく……!」
「どうして僕らディアボロスがここにいるか、どうして追ってきたか。理由は教える気はないよ」
喚き散らす北畠具教にかける、ミシェル・ラークリーズ(彩光のグレイス・g03431)の声も冷たい。
そして、救援機動力で駆けつけたディアボロスが、もうひとり。
「残るはアヴァタール級のみのようですね、あと少しですが私もお力添えを」
国境方面から姿を見せた野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)の手には、既に妖刀『鐵喰』が握られている。
「紀伊国へと脱出させる訳にはいきません、ここで必ず討ち取ります」
「必死な所悪いけど、このまま逃げ延びさせる訳には行かない――覚悟、北畠具教」
そのミシェルの冷たい声は、北畠具教の怒りをかき立てるに十分だった。
公家風の天魔武者の姿を目にした裕樹の脳裏に、最終人類史の知識が過る。
(「『北畠具教』ですか、本来の歴史では織田信雄も名乗った伊勢国司でもありますね」)
室町期の伊勢国司、北畠家の最盛期の当主……それが最終人類史の『北畠具教』。
おそらく、目の前の天魔武者はその名を奪った者だろう。
「本来の歴史を参考にするならば、『北畠具教』は新当流の使い手の筈、剣術の腕前は油断できないものかもしれません」
目の前の天魔武者が新当流の使い手か否かは不明だが、剣の腕が確かなのは、救援にかけつけた他のディアボロスが確認している。
「うん。元になった武将は剣豪らしい。油断しないで行くよ」
ミシェルも裕樹の指摘に同意するように頷きながら、明星の剣をぐ、と握り締めた。
その話を聞いたディアナは、相手の間合いに入らないように立ち回れないか、模索する。
(「いくら目にも留まらぬ速さでも、刀の間合いがわかれば危険な地帯はわかるし、攻撃が来るタイミングもわかるけど」)
――味方に間合いを見極めるために突っ込んでほしいとお願いすべきか?
そう、ディアナが逡巡していると、裕樹が妖刀『鐵喰』を正眼に構えながら1歩前に進み出た。
「私も剣術を嗜む者の端くれ、敢えて同じ土俵で勝負させてもらいます」
相手も剣術に自信があるなら、勝負に乗ってきて逃げの選択肢を潰せるかもしれない。
そう考えた裕樹の提案に対する、北畠具教の反応は――即決。
「ほう! 乗ってやろうじゃないか!!」
(「逃げの一手は潰せましたけど、決断が早すぎませんか!?」)
あまりの速さに、裕樹も一瞬呆気にとられるけど、直ぐに気合を入れ直し。
「わしの行く手を遮るなら、即座に全力で叩き斬ってやるわ! 奥義、一ノ太刀!!」
一刻も早く高野山に向かうとの意を露わに、北畠具教は、手にした刀を構え、裕樹を両断せんと目にも止まらぬ一閃を放つ。
その一太刀を、裕樹は集中しながら見切り、僅かに身体を傾けながら前へと踏み込んだ。
左耳のすぐ横を、北畠具教の刀が通り過ぎる。
「ぬ――?」
「一閃、紅――!」
刹那、退かぬ心と極限の集中状態から、裕樹は妖刀を一気に、真っ直ぐ振り抜いた。
――斬!!
妖刀使いでも妖狐でもない、純粋な刀士としての技術にて放った一撃は、確実に北畠具教の胴を捉え、脇腹を深々と斬り裂く。
「ぐ、ぐぐぅ
……!!」
(「今のでおおよその間合いは把握できたけど、もう一撃見られれば」)
呻く北畠具教をよそに、ディアナの意を汲んでミシェルが前に出た。
「生き延びたい気持ちは分かる。でもこの国の平和の為なら脅威の芽は少しでも摘んでおきたい」
「ぬかせ! お前達如き、直ぐ排除してやるわ!!」
ここは僕らの意地を通させて貰うよ、と前に出たミシェルに対しても、北畠具教は再度奥義の構えを取り、ミシェルに斬りつける。
しかし、ミシェルも敵の攻撃がとても早いこと、そしてこちらが攻撃する前に斬られそうなことは覚悟の上。
(「手数で勝負だ!」)
ミシェルはパラドクスで七つの残像を生み出しながら、奥義の構えを見せる北畠具教に、あえて接近。
刀の間合いに入った直後、残像のうちのひとつがあっという間に一ノ太刀で斬り伏せられ、消滅した。
だが、ミシェル本体は無事な上、残像はまだ六つ残っている。
(「敵は強いけど単独だから、手数を増やせばなんとか」)
ぐ、と明星の剣を握り締めながら、ミシェルは残る六体の残像と共に包囲し、波状攻撃を仕掛ける。
それに合わせるように、ディアナもまたSolar windの多弾頭ミサイルで援護し、回避の道筋を断った。
「ぐぬぬぬぬ!!」
包囲されての七連撃にディアナからの支援が加われば、さすがに全てを刀では受けきれないか、瞬く間に全身を穿たれてゆく。
だが、ディアナが牽制とはいえ、北畠具教に手を出したため、相手に攻撃の機会を与えてしまった。
「そこなおなご……邪魔するでない!!」
一瞬で時空を歪め、ディアナとの間を詰める北畠具教。
だが、ディアナは二度も間合いを観察できたからか、既に相手の攻撃の特徴を見極めている。
刀の間合いも、危険な地帯も。
そして……攻撃が来るタイミングも。
(「自分の技に自信を持ってるなら、私が間合いに入った瞬間に切り伏せてくるとは思ったけど、向こうからきてくれるなら!」)
ディアナが近づくか、北畠具教から近づいてくるかの差はあるが、何方にせよ間合いが詰まったということは、ディアナにとっては千載一遇のチャンス。
北畠具教が己が刀の間合いにディアナを捕らえ、即座に一ノ太刀の構えを取る。
「最大加速でいくよ!」
奥義を放つほんの一瞬の隙を見て、ディアナはあえて真正面から突撃を敢行。
「愚かな!」
構わず奥義を放とうとする相手の間合いの直前で、ディアナは更に急加速し、真横に方向転換。
「ぬ!?」
ディアナの急加速に目がついていけなかったか、奥義を放たんと振り下ろした刀は、ディアナではなく空を切った。
「私も速さには自信があるからね……負けないよ」
刀を躱したディアナは、そのままカウンター気味にR-Themisの名を持つ爆撃槌を突き出した。
――ドスッ!!
鈍い音と共に、断罪の女神の名を冠した爆撃槌が、天魔武者の胸に刻まれた笹竜胆の紋に叩き込まれる。
「む、無念……! あと少しで、高野山に
……!!」
胸に致命傷を受けた北畠具教は、勢いのあまり仰向けに倒れつつ、ゆっくりと消滅した。
かくして、高野山に落ち延びようとしたアヴァタール級天魔武者『北畠具教』は、紀伊国境を越えることなく、紀伊山地の露と消えた。
(「いつのまにか、国境付近から気配が消えていますね」)
国境の向こう側からクロノヴェーダの気配が消えていることに気づき、内心安堵する裕樹。
おそらく、紀伊国側からの迎えは、松永久秀が来ないと確信し、高野山まで撤退したのだろう。
いつか高野山を、そして紀伊国を天魔武者の手から取り戻す、と誓いながら、ミシェルたちディアボロスはパラドクストレインで帰還した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【一刀両断】がLV3になった!
効果2【ダブル】がLV4になった!
【命中アップ】がLV3になった!