【大戦乱群蟲三国志奪還戦】勇猛虎賁(作者 犬塚ひなこ)
#大戦乱群蟲三国志
#【大戦乱群蟲三国志奪還戦】曹真
#大戦乱群蟲三国志奪還戦
#曹真
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●曹真と虎衛兵
北からの侵略者に対して編成された軍。
この集団を率いているのは、武勇・統率・軍略に秀でた魏の重鎮――『曹真』だ。
「では、北方の敵は動く様子が無いのだな。ならば、こちらも警戒を行うだけに留めておけ」
曹真は配下からの報告を受け、静かに頷いた。この地に訪れてから、塹壕を築くだけに留まっている吸血ロマノフ王朝を妙に思ってはいるが、曹真にはそれ以上に強く思う事柄がある。
彼は現在、曹操を救援することが叶わなかった事態を深く後悔しているらしい。
「……我らが真に倒すべきは、曹操様の仇であるディアボロスだ」
北の勢力が攻めて来ないならばそのままでいい。此方側が争い、ディアボロスに漁夫の利を与える必要はないとの考えだ。
曹真自身は断片の王となった劉備に対しては不信感を持っている。されど、曹操の仇であるディアボロスとの戦闘よりも優先すべきことなどないと考え、劉備の意志に従っているようだ。
天幕の中で、曹真は部下達に指示を飛ばしていく。
「北方からの動きにも注意するのは勿論、各隊、ディアボロスの襲撃への警戒を強めるのだ」
「はっ!」
曹真に付き従うのは魏軍の残党でもある虎衛兵達。彼らもまた、曹真と同じく復讐者への思いを強めていた。
●義理と仁義は紙一重
魏の軍勢であった『曹真』の軍勢。
大戦乱を前にした現在、彼らは吸血ロマノフ王朝から訪れた白軍司令コルチャークの勢力を警戒している。
「北方の辺境に天幕を張った曹真と、コルチャークの軍は未だ戦ってはいない。あわよくば他勢力同士で削り合って欲しかったが、それぞれに思惑があるようでな。上手くはいかないものだね」
不動・氷春(修験覚者・g08455)は肩を竦め、現状について説明していく。
彼らはディアボロスの襲撃に対する警戒を優先しており、効果的な打撃を与えるのは難しい状態にある。だが、曹真の軍団は疲弊しており、兵数も他の軍勢と比べると少ないようだ。此処で攻め込まない選択肢はない。
「ディアボロスは曹操の仇、だそうだ。……魏軍の者からすれば確かにそうなるな」
それゆえに曹真をはじめ、魏軍虎衛兵はディアボロスに激しい憎悪や敵意を持っている。これから挑むのは前哨戦とはいえ、さながら本番のような激しい攻防が繰り広げられるだろう。
三国志の時代は特に勢力模様も様々であり、クロノヴェーダ達にも譲れぬ心情や思いがあるらしい。だが、ディアボロスとて本来の歴史を奪還するためにこれまでに戦ってきたのだ。
戦いには情けも容赦も要らず、寧ろ真正面から戦うことが仁義にも繋がる。
「こちらがディアボロスだと認識された瞬間、激しい戦いが始まると予想される。それに加えて皆が著しい戦果を上げた場合、曹真が自ら出てくることもあるが……無茶をしてまで戦うのは厳禁だ」
ひとつ、引き際を間違えないこと。
ふたつ、此処では決して曹真を倒せないゆえに深追いをしないこと。
無惨な死を迎えぬためにも、それだけは守って欲しいと願った氷春は、仲間達に静かな眼差しを向けた。
「さて、そろそろ時空移動列車が出発する。皆、どうか武運を」
そして、パラドクストレインは発車していく。
遥かな過去を歪めた歴史侵略者を討ち倒し、正しき歴史を取り戻すために――。
リプレイ
レイラ・イグラーナ
譲れぬ心情や思い。そうでしょう。
ですが、その思いがこの国で暮らす人民を害するものであるならば……その心情も思いも、全て撃ち砕きます。
時先案内人に不動様よりお話があったように、警戒が厳しいですね。
本番はまだ先。多くを狙い過ぎず、少数でも確実に数を減らして当日に繋げましょう。
複数の敵からの集中攻撃を受けないよう、他の復讐者と連携して行動。
【既製奉仕・炎】を使用し、燃焼の呪詛が込められた針を投擲。一体ずつ確実に仕留めます。
巨大な質量を持った拳気は無理に受け止めることはせず、距離を取って可能な限りの回避を行い、甚大な被害が出ないように。
他の復讐者や敵の様子も見つつ、窮地に陥る前に撤退します。
シル・ウィンディア
曹操は確かにすごかったね。
そして、その下に集った将だから油断はできないか…。
ディアボロスに恨みを持っているなら、敢えてこの方法を使うのもありかな?
ディアボロスがやってきたよっ!
首を取りたいなら、かかってきなさいっ!
といいつつ、高速詠唱からの時空精霊収束砲!
撃った後は多分押し寄せるから、ダッシュで撤退するそぶりを見せるよ。
撤退しつつ、敵を発見したらパラドクスで撃ち抜いていくからね。
一気に来られないのなら、まだなんとかできるしね。
頃合いを見て、本格的に撤退を。
殿をもって、撤退支援しつつ後退だね。
曹真が出てきたら無理せずに退くけど、相手が攻撃して来た場合は反撃
黙ってやられるほどいい子じゃないからっ!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
白馬に縫い留めた軍勢が、北からの抑止力になったか
このまま睨み合っていてもらっても構わないが、北に逃げ果せられても面倒だ
ここで削り、奪還戦で殲滅させるための一手とさせてもらうぞ
偃月刀の刃を朱殷の闘気で覆い、龍頭を模した形に<武器改造>
仲間と連動して敵陣に<ダッシュ>で切り込み咆哮を叩きこむ
反撃の瞬間に【泥濘の地】を虎衛兵の足元に敷き、動きを妨害し、場を<撹乱>する立ち回りを
これまで対峙してきた<戦闘知識>から、甲殻のつなぎ目を狙って<薙ぎ払い>確実に討ち取っていく
退却時には味方が孤立していないか確認しつつ
お互いに庇いながら後退しよう
●勇猛果敢
「白馬に縫い留めた軍勢が、北からの抑止力になったか」
前哨戦が幕開けた最中、夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は嘗ての出来事や経緯を思う。
ロマノフの勢力と曹真の軍、両者にはこのまま睨み合っていてもらっても構わないが、万が一のこともあるだろう。北に逃げ果せられても面倒だと考えた錬晏は前を見据える。
「ここで削り、奪還戦で殲滅させるための一手とさせてもらうぞ」
「ええ、必ず。誰しも譲れぬ心情や思いがあるのは当然です。ですが……」
レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は仲間の意見に頷き、ディアボロスを仇としている曹真達へと思いを馳せていった。されど、その心情を慮ることは出来ても容赦はできない。
「その思いがこの国で暮らす人民を害するものであるならば……その心情も思いも、全て撃ち砕きます」
確かな決意を言葉にしたレイラは考えを巡らせる。
あの軍勢の中に無策で飛び込めば、ディアボロスとてひとたまりもない。それゆえに複数の敵からの集中攻撃を受けないよう、前に出過ぎない戦い方が必須。
仲間にもそう呼び掛けたレイラに続き、シル・ウィンディア(虹霓の砂時計を携えし精霊術師・g01415)もディアボロスが倒した英傑のことを思う。
「曹操は確かにすごかったね。その下に集った将だから油断はできないか……」
恨み、憎悪といったものは戦いにおいて強い力となる。
復讐者という名を持つ自分達とて、怒りや決意の思いから力を揮っているとも言えるからだ。シルは少し考え込み、ふと思い立つ。相手がディアボロスに強い恨みを持っているならば、敢えてこの方法を使うのも得策だ、と。
そして、その作戦とは――。
「ディアボロスがやってきたよっ! 首を取りたいなら、かかってきなさいっ!」
「!?」
「何だと?」
シルが思いっきり叫んだ言葉によって、魏軍虎衛兵が反応する。その声が聞こえた範囲にいた敵は当然、シル達の元に向かってくる。レイラの方針通りに前には出ていないが、このままでは取り囲まれてしまう。
だが、それを見越した錬晏が的確な行動を取った。
「その義勇に濡れて沈むといい」
偃月刀の刃を朱殷の闘気で覆い、龍頭を模した形へと変化させた錬晏は泥濘の地を発動させていく。それによって虎衛兵の足元がぬかるんだ地へと変貌した。
次の瞬間、シルが時空精霊収束砲を発動する。
「世界を司る四界の精霊達よ、時を刻みし精霊の力よ、混じりて力となり、全てを撃ち抜きし光となれ!」
「ぐああ
……!!」
先頭にいた虎衛兵は足を取られており、砲撃精霊魔術をまともに受けてしまった。これを幸いとしたレイラは弱った方の個体に狙いを定めた。
発動、既製奉仕・炎。
パラドクスの力を巡らせたレイラは燃焼の呪詛が込められた針を投擲していく。この一手によって一体ずつ、確実に仕留めるのがレイラの今の役目だ。更に其処へ錬晏が斬り込んでいった。
敵陣へと駆けた彼は鋭い咆哮を叩き込む。
更なる泥濘を虎衛兵の足元に敷けば、新手の動きを妨害することが叶うだろう。場を撹乱する立ち回りを心掛けていく錬晏が複数の敵を巻き込めば、後はシルとレイラの番。
「まだまだいくよっ!」
シルは青白い魔力翼を展開することで反動を抑え、敵に近付かれ過ぎないよう後退する。撤退する素振りをみせることで相手を油断させるのも作戦のうちのひとつだ。
「泥濘に足を取られて一気に来られないのなら、まだなんとかできるしね」
「はい、気を緩めず参りましょう」
――魔道の罪、外道の罰。慄く狂乱が十字を焙る。
レイラは呪詛を再び解き放ち、敵に対抗していった。巨大な質量を持った拳気は無理に受け止めることはせず、距離を取って可能な限りの回避を行う。狙いは味方に甚大な被害が出ないようにすること。
錬晏もこれまで対峙してきた戦闘知識を用い、甲殻のつなぎ目を狙っていった。
「く、強い……!」
「おのれ、ディアボロスめ!」
敵の呻き声は、そのまま断末魔に変わっている。
鋭く刃を薙ぎ払った錬晏が多くの敵を泥濘と咆哮に巻き込んでいけば、止めを担ったレイラ達が確実に相手を討ち取っていく。連携が上手く巡っていく中、レイラは引き際を見極めていた。
「やはり警戒が厳しいですね」
此処で多くを倒したが、本番はまだ先。これ以上は狙い過ぎず、当日へと繋げることが真の勝利への鍵だ。レイラは他の復讐者達に呼び掛け、窮地に陥る前に撤退することを告げていった。
錬晏も味方が孤立していないかを確認しつつ、静かに頷く。
「次の一撃を入れた後が頃合いだな」
自分が殿を努めると語った錬晏はシルにも視線を向けた。わかったよ、と応えたシルは高速詠唱を始め、レイラも燃焼の針を投げていく。そして、時空精霊収束砲が一気に撃ち放たれた。
「今は退くことになるけれど……黙ってやられるほどいい子じゃないからっ!」
シルの叫びが戦場に響き渡り、激しい魔力の奔流が迸った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
ユーフェミア・フロンティア
こちらも士気が高いですね。しかも、指揮官は冷静ですか。
本当に優秀な将が多かったんですね、曹操の下に集った者は。
でも、こちらも躓いてはいられませんから、乗り越えさせていただきますよっ!
敵陣をざっと見て、こちらに気づいた敵がいたら、神火破魔陣で攻撃を仕掛けます。
出会い頭で失礼しますっ!!
その後は、敵から距離を取りつつパラドクスで攻撃を仕掛けますね。
いいんですか?そんなに深追いしても?
私だけを見ていたら、横から突かれても知りませんよ?
いいながら、意味ありげに視線を逸らして誘導を行ってもいますか。
敵の勢いが増して来たりして、頃合いになったら撤退を行います。
しかし、すごい士気ですね、相手も…
奏月・雪那
【他者との連携やアドリブは大歓迎】
主君の仇と叫ぶのは勝手ですが、それはお互い様だと思うんですけどねぇ
敵軍を見つけ次第に、全力の【殺気】を込めて二刀で斬り込みます~!
得意の【早業】による【斬撃】でパラドクスによる一撃を叩き込んだら、後はひたすらに斬って斬って斬りまくりますよぉ
敵を斬っては【一撃離脱】を繰り返すことで攻撃しつつの【撹乱】を行いますねぇ
敵の動きをよく見て【看破】し、不測の事態にも【臨機応変】に対応をしましょうかぁ
ある程度、数を削ったら退却しますねぇ
これはあくまでも前哨戦、無理はしないのですよぉ
もし、曹真が出てきたら一撃を撃ち込んだ後に即座に離脱しますねぇ
スタコラサッサなのですよぉ
●曹の名のもとに集う軍
「こちらも士気が高いですね」
ユーフェミア・フロンティア(光彩聖姫・g09068)は戦場を見渡し、魏軍虎衛兵の様子をうかがう。
しかも、指揮官である曹真は敵勢力に対して冷静な対応を行っているようだ。尤も、ディアボロスに対しては復讐心を抱いているようだが――。
「本当に優秀な将が多かったんですね、曹操の下に集った者は」
ユーフェミアが曹真の軍勢について考える中、奏月・雪那(剣嵐華麗の禍津巫女・g08557)も思いを言葉にした。
「主君の仇と叫ぶのは勝手ですが、それはお互い様だと思うんですけどねぇ」
ディアボロスとて、クロノヴェーダに大切な者や過去を奪われている。言わば歴史侵略者は復讐者にとっての仇であり、戦いや怨恨は避けて通れぬもの。
頷きを返したユーフェミアも思いを強め、今から始まる戦いへの決意を抱く。
「でも、こちらも躓いてはいられませんから、乗り越えさせていただきますよっ!」
そして、ユーフェミアと雪那は戦場へと駆けていった。
既に攻め込んでいる仲間もおり、敵陣からも鋭い戦意が向けられているようだ。雪那はその敵意を受け止めながら、全力の殺気を向け返した。そして、駆けた勢いを利用した雪那が二刀で斬り込む。
ユーフェミアも敵陣をざっと見ていき、自分達の存在に気付いた敵に狙いを定めた。
発動、神火破魔陣。
先制攻撃を仕掛けたユーフェミアが巡らせていくの浄化の火。それは敵陣を囲い、悪しき者を滅するための力だ。
「出会い頭で失礼しますっ!!」
「森羅万象、我が太刀が司るは風」
神羅絶刀流、攻式・壱之型崩。哭風珀雨・嵐。
更に雪那が得意の早業による斬撃を斬り放ち、鋭い一撃を叩き込んだ。それによって敵の身が大きく揺らぐ。こうなれば後はひたすらに斬って斬って――。
「斬りまくりますよぉ」
そうして可能な限り一撃離脱を繰り返すことで、雪那は撹乱を狙っていった。
その際も雪那は敵の動きをよく見ていき、動きを看破したいと願っている。もし不測の事態が訪れたとしても、臨機応変に対応するためだ。
ユーフェミアは敵から距離を取りつつ、更にパラドクスを巡らせていく。
「く……ディアボロスめ!」
「いいんですか? そんなに深追いしても? 私だけを見ていたら、横から突かれても知りませんよ?」
迫ってくる敵に向けてそう言いながら、ユーフェミアは意味ありげに視線を逸らした。それから攻防が繰り返されていき、数体の敵が打ち倒された。
これである程度の数は削れたと察し、雪那はそっと頷いてみせる。
「今はあくまでも前哨戦、無理はしないのですよぉ」
「そうですね、退きましょう」
雪那は仲間を呼び、この辺りが良い退き時だと告げた。ユーフェミアも同意を示しながら駆け出す。
その際にユーフェミアは一度だけ戦場を振り返ってみた。
「しかし、すごい士気ですね、相手も……」
敵の勢いは増してきており、このまま戦えば大怪我を負う可能性もある。此処が撤退の頃合いだ。
もしも曹真が出てきたならば一撃でも打ち込んでみたかったが、未だその姿は戦場に見えない。徐々に集まってきている敵に囲まれてしまう前に即座に離脱するのが得策だと判断して、雪那も踵を返した。
「スタコラサッサなのですよぉ」
そうして、雪那達は同じく退却を決めていた仲間達と合流する。
皆で切り拓き、進んでいく道。
このみちゆきこそが、間もなく来たる大戦乱を終結に導くものだと信じて――。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
リオーネ・クア
ルキウスさん(g07728)と
曹操は部下を信じ戦った王だと聞いている
その王を慕う気持ちに応えるため正面からぶつかるよ
彼らとは戦ったことがあるから
陣を組んで強力な反撃を仕掛けてくるのも知ってる
だけど俺はあえて攻める
行こう、ロッソ
サーヴァントのロッソを召喚して二人で「赤の双翼魔弾」を放つ
反撃は肉体を悪魔のものに変質させ
全身の力を振り絞り踏ん張って耐える
仲間に消耗していないか適宜声をかけつつ
全員が自力で動けるうちに撤退したい
動けない人が出てしまったらすぐその人を連れて撤退する人と
追撃してくる敵を食い止める役に分かれて撤退
曹真が現れた場合は即仲間に撤退するよう声掛け
一応俺が殿を務めるけど俺も急いで退却
ルキウス・ドゥラメンテ
リオーネ(g01176)と
成る程、俺たち復讐者が仇になることもあるのか
逆恨みも甚だしいが、主君への忠誠には些か共感できる部分がないでもない
せめてもの敬意として全力で挑ませてもらう
敵は随分と連携が取れている様だ
単騎で挑むのは無謀だな
リオーネ達の攻撃に攻め手を重ねて一点突破を狙おうか
敵を吹き飛ばして陣を崩したい
前に出過ぎないように注意しないとな
反撃対策はパラドクスにて
リオーネや他の復讐者の動向にも注意を払い、ある程度足並みを揃えつつ戦う
不利を感じるか、曹真とやらが現れた場合には即座に退く
敵前逃亡の無様を晒そうが、俺の主君を心配させる訳には行かないので
●逃げるに如かず
復讐心と共に仇討ちを語る曹真。
彼が忠義を誓い、信奉していたのはディアボロスに倒された英傑、曹操だった。
「曹操は部下を信じ戦った王だったらしいね」
「成る程、曹操を討ち取った俺たち復讐者が仇になることもあるのか」
リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)とルキウス・ドゥラメンテ(荊棘卿・g07728)は攻撃の機をうかがいながら、敵陣の様子を見つめている。
クロノヴェーダは相容れぬ敵とはいえ、その心の在り方まで否定することはない。
「王を慕う気持ちに応えるため正面からぶつかるのがいいね」
「ああ、こうして武で歴史を奪いあっている現状、逆恨みも甚だしいが……」
主君への忠誠には些か共感できる部分がないでもない。リオーネに頷きを返したルキウスは戦いに向けて身構えた。リオーネは虎衛兵の姿を捉え、彼らとは戦ったことがあるから、と語った。
虎衛の蟲兵が陣を組んで強力な反撃を仕掛けてくることも知っている。されど、敢えて攻めると決めたリオーネは真っ直ぐな意志を戦場に向けていた。
「行こう、ロッソ」
メーラーデーモンに呼び掛けたリオーネに続き、ルキウスも虎衛兵の様子を瞳に映した。
「せめてもの敬意として全力で挑ませてもらおうか」
二人と一匹は同時に攻撃を巡らせる。
リオーネはロッソと共に悪魔の翼を広げて飛翔していく。羽ばたく勢いに乗せ、一人と一匹で敵を追尾する赤い魔力の弾丸を放つ。双翼から繰り出される魔弾は戦場に舞い、虎衛兵を貫いた。
「ディアボロスか!?」
「やれ! 曹真様にあの首を献上するのだ!」
敵は声を荒らげ、リオーネとロッソへの反撃に入った。全員で守りを固めつつ強烈なカウンターを放つ力をまともに受けてしまうと、その場に拘束されてしまうだろう。
肉体を悪魔のものに変質させたリオーネは動きを封じられまいとして、全身の力を振り絞る。
彼とロッソが耐えるために力を尽くす中、ルキウスも虎衛兵に黒剣を振るっていた。敵同士の連携はかなりのものらしく、もしも単騎で挑んだ場合は返り討ちに遭うだろう。
されど、それを理解していながら突撃するほどルキウスは無謀ではなかった。
「リオーネ、ロッソ。そのまま頼む」
彼らの攻撃と反撃に耐える動作に合わせ、ルキウスは攻め手を重ねていく。狙うは一点突破。守りを固める虎衛兵が横並びならば、一体でも吹き飛ばせば陣の一端を崩したことになる。そうなれば其処から全体の崩壊が始まるはずだ。
されど前に出過ぎぬように注意を払い、ルキウスは死舞踏で以て戦場に躍り出す。
「任せて、誰の首も取らせないよ」
リオーネからの返答を聞き、ルキウスは周囲の様子を探った。彼は勿論、他の復讐者の動向にも気を配っていけば攻撃や撤退の足並みは揃えられる。
其処からも激しい攻防と応戦が続いた。
黒荊の一閃が蟲兵を斬り伏せ、赤の魔弾が次々と敵を討ち倒す。
此度の大切な約束は攻め込み過ぎないこと。ディアボロスを倒そうと意気込む兵達に囲まれた場合、死も覚悟しなければならない。ルキウスとリオーネは互いに位置取りを確かめあい、消耗していないか適宜声をかけた。
「全員が自力で動けるうちに撤退したいね」
もしも負傷して動けない者が出てしまったら、其処から総崩れになる可能性もある。だが、確認した時点で大きな負傷をした仲間はいないようだ。
そして、どうやら他の仲間達は撤退を選んでいるようだ。
「頃合いだね、ルキウスさん」
「今が退き時か」
意思を確かめあった二人は、追撃してくる敵を食い止める役として最後に撤退することを決めた。これ以上の時間を掛けて戦えば曹真本人が戦場に出てきたかもしれないが、蟲兵にも囲まれてしまう可能性の方が高い。
「敵前逃亡の無様を晒そうが、俺の主君を心配させる訳には行かない」
「ううん、逃亡なんかじゃないよ。これは戦略的撤退だからね」
ルキウスの言葉を聞き、リオーネは首を振った。ロッソもふるふると頭を振っており、ルキウスは双眸を緩めた。そうして殿を務めたリオーネは皆が戦場から離脱したことを確認し、一気に駆け出す。
こうして、前哨戦は一旦の終わりを迎えた。
正しき歴史を取り戻すために戦うディアボロス。曹操の仇を討つために立ち上がった曹真。
この決着は間もなく――奪還戦にて、紡がれる。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!