リプレイ
茜來・雪璃
【雪星】
わー…なんか不気味なのがいる
まあ…初っ端から虫っぽいのと当たるのよりマシかあ
さあて、と
のんびりさせてはくれなさそうだし、ガンガン行こうか
詠唱と共に狐火の華達が結晶化してゆく
刃に焔を燈したならあとは振るうのみ
あは、彗のは綺麗だねえ
彗と連携を取りながら前衛を務める
余所見厳禁!
彗には手出しさせない
いづと共に罠を用いて不意打ちを狙う
彗を狙うだなんて…頸、いらないな
攻撃を看破・戦闘知識を活かしていなし、薙ぎ払う
屍だか何だか知らないけど
その身…バラしたげる
呪のオーラには浄化で対抗
隙を見つけて敵ごと両断してしまおう
ん、だね
引き時ってやつだ
彗の声に気づいたなら
追ってくるモノを結界術で遠ざけつつ撤退を
朔・彗藍
【雪星】
……ええ、私も正直蟲の風貌が苦手ですが
心置きなくやれそうです
次へと繋げる大事な戦いですから
筆で描いてゆく薄紅の花弁で覆って
――桜華ノ穹彩
先ずは奇襲で先制攻撃を
雪璃の紫焔に染まる刃が敵へと確実に当たる様に
華で包んで身を隠し敵へは目眩ましを
追撃で刃に変化させた花弁で各個撃破を狙います
高速詠唱、放たれる光の矢よりも素早く攻撃を繰り出し
……っ、させません、
雪璃を、傷付けることは、絶対に……!
前に出る彼女といづの援護を
呪の力が及ばぬように浄化を重ねて
儀式とやらを、させるわけにはいきませんから
少しでも、邪魔なものは削ぎましょう
ある程度、数を減らしたなら
……引きましょう、深追いは禁物です
●華燈よ、無窮に舞え
往く先から感じるのは奇妙な気配。
死者の亡骸を利用して作られた兵、屍魔・陽が待ち受ける領域は妙におどろおどろしく感じた。
「わー……なんかすっごいのがいる」
「ですが、心置きなくやれそうです。次へと繋げる大事な戦いですから」
茜來・雪璃(朧夜ノ蝶華燈・g00793)と朔・彗藍(ベガ・g00192)は、敵影を確かめ、此処から始まっていく戦いへの気概を抱く。どんな相手であれど、歴史を奪還する為の戦いならば退くことはできない。
雪璃は大きく腕を伸ばし、軽い準備運動に入った。
「さあて、とのんびりさせてはくれなさそうだし、ガンガン行こうか」
そして、雪璃は先手を取っていく。
詠唱と共に生まれいづるのは狐火の華達。結晶化してゆく華を見遣った雪璃は、刃に焔を燈す。
そうしたならば、あとは振るうのみ。同時に彗藍が筆で描いてゆく薄紅の花弁で覆い、力を巡らせていった。
――桜華ノ穹彩。
奇襲として放った先制攻撃は、雪璃の紫焔に染まる刃が敵へと確実に当たるようにと放ったもの。
「あは、彗のは綺麗だねえ」
「ありがとうございます。けれど、美しいだけでは終わりません」
華で包んで身を隠し、敵へは目眩ましを掛ける勢いで。彗藍は刃に変化させた花弁で各個撃破を狙っていく。此方の攻撃に気付いた屍魔兵達も穿殺の光矢と呪いのオーラを纏って反撃してきた。
雪璃は前衛として素早く踏み込み、凛と宣言する。
「余所見厳禁! 彗には手出しはさせないよ」
クダギツネのいづと共に雪璃は果敢に戦う。罠を用いた不意打ちはクロノヴェーダ達には効かなかったようだが、藍玉ノ華燈による一閃では上手く敵を穿てている。
彗藍は雪璃の援護に入るべく、詠唱を始めた。できるならば、放たれる光の矢よりも素早く――。
「……っ、させません! 雪璃を、傷付けることは、絶対に……!」
前に出る彼女といづの力になりたいと願い、彗藍は力を振るい続けた。互いを狙う敵に反応している二人は、相手に害を及ぼす敵を強く見つめる。
「彗を狙うだなんて……頸、いらないな」
雪璃は彗藍を狙い、その個体を薙ぎ払った。隙を見つけて敵ごと呪い両断してしまおうとして、雪璃は果敢に攻め込んでいった。その際、雪璃は敵に宣言した。
「屍だか何だか知らないけどその身……バラしたげる」
彗藍も呪の力が及ばぬように浄化を重ねていき、思いを言葉にする。
「儀式とやらを、させるわけにはいきませんから」
少しでも、邪魔なものは削ぐ。
そのように語った彼女の声を聞き、雪璃は大きく頷いた。それから二人の攻撃は激しく繰り出され続ける。屍魔・陽も対抗しており、呪いと光の矢が容赦なく彼女達を襲った。
大軍勢との交戦中、最初に倒れたのはいづだった。常に前に出ていたいづは迫る呪いをまともに受けてしまい、その痛みは雪璃に至る。いづは後で復活することも可能だが、それには雪璃が回復する時間が必要だ。
彗藍と雪璃自身も互いを守ることで傷つき、疲弊してきている。それでも二人は出来得る限りの敵を撃破し続けていた。されど、これ以上戦っていると囲まれてしまうかもしれない。
「……引きましょう、深追いは禁物です」
「ん、だね。引き時ってやつだ」
彗藍からの声に気付いた雪璃は身を翻す。二人の判断は懸命なものであり、此度の戦いにおいて重要なことだ。
そして、雪璃は彗藍の手を引く。痛みが身体中に走り、纏わりついた呪が足を遅くする。それでも此処で倒れるわけにはいかない。視線を交わした二人は、互いへの思いを強く抱き――後ろから追ってくる屍魔から一気に離れる。
「彗、絶対に一緒に帰るよ!」
「はい、必ず……!」
強く握る手と手に宿る意志は強く、次なる戦いへの思いが込められていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
日金・陽洋
奪還戦、新宿の皆の為にも今回も負けられねえな
人々が傷つけられる前に…まずは準備体操といくか
敵を確実に減らす事を意識
【エアライド】やジャンプ、偵察などの技能・効果を活用し戦場や敵の配備を確認
囲まれたりすることのない、戦い易い場所を見つけ、配備の薄い場所や弱っている敵を狙って破軍衝
敵の炎もついでに吹き飛ばせれば御の字か
仲間とは連携
適時情報共有や追撃、防衛などの支援を行う
消耗しすぎず、囲まれたりなどの状況になる前に撤退
撤退時にはパラドクスの衝撃波で敵の吹き飛ばしを試み、退路を作る
そもそも俺達は断片の王なんざ求めてないんでな
必ず儀式は止める
そしてこの地と歴史を最終人類史に取り戻す
覚悟しとけ
アドリブ歓迎
龍音・炎華
ふ~ん、漁夫の利を狙っているなんていかにもな感じね
そんな未来なんか潰してあげるわ
その為の戦力削りね
相手となる屍魔は光だけでなく炎も使うみたいだし、
それなら尚更負けるわけにはいかないわ
少数でいる所を仕掛けて増援を呼ばれる前に撃破するわ
龍炎華による炎と体術による怒涛の攻めで
向こうの妖術ごと跳ねのけて撃退してあげるわ
仲間とも積極的に連携して、攻撃のタイミングを合わせたり
危ない時にはフォローするようにしたいわね
少数の部隊を壊滅させるか、増援が来て
手に追えそうにない状況となったら速やかに退却ね
「本物の炎の力を見せてあげるわ!」
紀・雪名
※絡み連携アドリブ歓迎
この状態での儀式は、如何なものか…いや、今だからかな
とは言え見逃しはしませんし、少しでも打撃を与えておきたいところですね。
敵も珍妙な術を扱うともなれば、気を抜けませんし
引き締めてゆきましょう
光の速さか、電撃の速さか…どちらが勝つか見ものですね。
円月輪や、オーラで”投擲武器”を作り出し的確に、または流用し
【忍び足】をして【不意打ち】で投擲、意表をつければよし
後は敵の動きに注視し【看破】1本とは限らず複数の”投擲武器”で攻撃へ対応
撤退の糸口にするも、仲間や状況次第【臨機応変】に
攻撃の深追いはせず、引き際を見定めて油断なきよう撤退しましょう
●第四候補の思惑
司馬懿は現在、媚城で何らかの儀式の準備しているという。
「この状態で行う儀式とは、如何なるものか……いや、今だからこそかな」
紀・雪名(雪鬼・g04376)は首を傾げ、狼顧軍師・司馬懿の動きに関する思いを巡らせた。とはいえ、見逃しはしない。敵の行動が先への懸念になるならば、此処で少しでも打撃を与えておきたいところだ。
「ふ~ん、漁夫の利を狙っているなんていかにもな感じね」
龍音・炎華(龍炎華・g08596)も司馬懿が行っている儀式をそのように判断し、戦場を見据える。
司馬懿は見えないが、城の護衛役として屍魔・陽が配備されている。
「そんな未来なんか潰してあげるわ」
その為の戦力削りを行うときが今だとして、炎華は屍魔の軍団を見据えた。同じく、日金・陽洋(陽光・g05072)も奪還戦への思いを馳せている。
「新宿の皆の為にも今回も負けられねえな。人々が傷つけられる前に……まずは準備体操といくか」
間もなく訪れる本番へと強い気概を抱き、陽洋は敵の群れへと狙いを定めた。
そして、此処から前哨戦が始まっていく。
「敵が珍妙な術を扱うともなれば、気を抜けませんね。引き締めてゆきましょう」
雪名は先ず舞によって気を高め、円月輪やオーラで作った投擲武器を投げ放った。変幻自在の名を持つパラドクスの力を其処に乗せれば、敵を貫く為の一手になる。
「光の速さか、電撃の速さか……どちらが勝つか見ものですね」
雪名は足音を立てずに駆け抜け、次々とオーラの得物を投擲していった。意表をつければよし、そうでなくとも敵の力を削れれば後は仲間が続いてくれる。
炎華も仲間と攻撃のタイミングを合わせ、屍魔の軍勢を見渡した。
あの屍魔達は光だけではなく、炎の力も扱うようだ。己の名も入っている龍炎華のパラドクスを用い、立ち向かっていく彼女は敵を強く見つめた。
「それなら尚更、負けるわけにはいかないわ」
炎華が狙ったのは比較的少数でいる敵の群れ部分だ。素早く仕掛けていき、増援を呼ばれる前に撃破するには仲間との協力も必要不可欠。解き放った炎と体術による怒涛の攻めを行えば、敵の隙は大きくなるだろう。
「向こうの妖術ごと跳ねのけて撃退してあげるわ。その間にお願い!」
「わかった!」
呼び掛けた炎華の声に応えたのは陽洋だ。
彼もまた、敵を確実に減らす事を意識していた。エアライドの力を巡らせ、其処からジャンプした陽洋は、目立つ代わりに敵の位置取りを把握していく。
炎の妖術による集中攻撃が陽洋を襲ったが、倒れるには至らなかった。激しい痛みが巡る反面、陽洋は囲まれたりすることのない戦い易い場所に着地している。
「――くらえ!」
そして、雪名と炎華が弱らせた敵を狙った陽洋は破軍衝を叩き込んだ。
その際に敵の炎を吹き飛ばした陽洋は、この結果も御の字だと感じていた。陽洋に続き、雪名も連携を強めることを心に決める。敵の動きに注視することでこれ以上の被害を抑え、仲間を助けられるように。
複数の投擲武器で敵の攻撃へ対応していく雪名は、撤退の糸口を探し始めていた。どんな状況が訪れても、作戦に固執することなく臨機応変に動くのが雪名の信条だ。
「そろそろかしら?」
「そうですね、気をつけておいて損はないでしょう」
「敵の数を少しでも減らせればこっちの勝ちだからな」
炎華が問いかけると、雪名と陽洋が頷きを返した。適時の情報共有をして仲間の追撃を行い、援護と支援を続けていた炎華は、間もなく撤退の時が訪れると察していた。
「そっちの怪我は大丈夫?」
「平気だが、無茶はしたくない状況だ」
炎華は手傷を負っている陽洋に問いかけ、その通りね、と返す。
倒した敵はそれなりの数になったが、此処からは援軍が来る頃合いだろう。炎華は手に追えそうにない状況が来てしまうと考え、速やかな退却を推した。しかし、その前に――。
「本物の炎の力を見せてあげるわ!」
炎華は最後に、手近な敵へと容赦ない炎の一撃を繰り出した。それによって敵が倒れたことを確かめ、雪名は身を翻す。
雪名は先陣を切り、撤退する道へと駆け出した。
「今回も深追いはせず、引き際を見定めて油断なきよう撤退しましょう」
彼に続いた陽洋は衝撃波で敵の吹き飛ばしを試み、退路を作っていく。仲間が撤退していく中、陽洋は媚城の奥に控えているであろう司馬懿への思いを言葉にした。
「そもそも俺達は新たな断片の王なんざ求めてないんでな。必ず、儀式は止める」
そして――この地と歴史を最終人類史に取り戻す。
「覚悟しとけ、司馬懿」
その言の葉は凛と響き渡り、戦場には束の間の静けさが満ちていった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【エアライド】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
上巳・桃々姫
✽アドリブ、連携歓迎
戦乱の世を終わらせるため
蟲共に民草の未来を喰らわせぬため
……ひとつでも多くの戦力を削ぐが我が役目
妖術とは小賢しい
さりとて油断などしている暇などなくてよ
早業とダッシュの術を用いて疾く駆け出して
鏖殺、して差し上げますわ
狙いは仲間達と合わせて各個撃破、確実に屠ってゆきましょう
連携を繋ぎ任せられるところは任せ死角を潰すよう支援して往く
わたくし達は一人ではないのですから
神速反応にて放つ鏖殺の斬撃
怯む事無く刀振るい吸血のオーラすらも斬る心意気
貴様の糧になどなりませぬ
全て屠りたい気持ちはあれど深追いは禁物ですわ
斬撃を牽制にと放ち
撤退致します
戦場にて再び合間見えること楽しみにしておりますわ
ルウェリン・グウィンリウ
司馬懿……確か最終人類史でも、結果的に彼の息子や孫が新王朝を建てて三国時代を終焉させたんだっけ。
もっとも、その王朝もすぐに潰えたって聞くけど。
なら、その前倒しだ。
まずはここで痛い一撃を食らわせてやる。
◆
気付かれぬよう敵の布陣や様子を観察。
警戒が緩かったり薄い箇所があればそこへ一気に攻めかかろう。
仲間が近くにいれば、仕掛けるタイミングなどは合わせたり、極力連携を。
抜剣し、【ヘルファ・ウィスルト】で竜巻を呼んで屍魔を薙ぎ払う。
向こうが気付いて反撃してくれば、クロスボウによる雷撃の矢を射込んで応射。
連続で拘束されて逃げ遅れぬよう、何体かでも撃破したら即撤退。
まず挨拶代わりだ。次はこんなもんじゃない。
三苫・麻緒
備えあれば憂いなしって発想、クロノヴェーダにもあったんだね
まあ、最終的に備えごと全部ぶっ飛ばしちゃうけど、まずはその下準備!
他の人とも連携して確実に数を減らすことを重視していくよ
後方から援護射撃のような形で攻撃して、全体の消耗を抑えながら戦いたいかな
《高速詠唱》で一撃と一撃の間の時間を短縮
炸裂したときの衝撃で屍魔を派手に《吹き飛ばし》て、屍魔の意識をそちらに向けさせることで隙を生み出すのも可能ならやりたいところ
光の矢は加護の力でガードしたいね
最悪軌道を逸らしてがっつり直撃貰うことさえ避けられれば十分!
退路は常に確保しておくことを意識
撤退時は置き土産として牽制も!
バックアタックは嫌だからね!
●終結へ続く道
戦乱の世を終わらせるため。
悪逆を尽くす蟲将達に民草の未来を奪い、喰らわせぬために――。
「……ひとつでも多くの戦力を削ぐことが、我が役目」
上巳・桃々姫(ひいな・g08464)はそれまで閉じていた瞼を開き、瞳に戦場を映し込んだ。媚城で儀式を執り行っている司馬懿を守るため、数多の屍魔・陽達が群を成している。
ルウェリン・グウィンリウ(灯火のエクィテス・g02040)も媚城を見据え、史実に思いを馳せた。
「司馬懿……確か最終人類史でも、結果的に彼の息子や孫が新王朝を建てて三国時代を終焉させたんだっけ」
もっとも、その王朝もすぐに潰えたという話だ。
しかし、それならば此方には都合がいい。ルウェリンは静かに双眸を細め、打倒司馬懿を志した。
「なら、その前倒しだ。まずはここで痛い一撃を食らわせてやればいい」
「そうしよう!」
三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)は仲間の思いと言葉を受け、張り切っている。それにしても、と口にした麻緒は媚城の周囲を取り巻く兵を見渡した。
「備えあれば憂いなしって発想、クロノヴェーダにもあったんだね。まあ、最終的に備えごと全部ぶっ飛ばしちゃうから意味もなくなっちゃうけど」
まずはその下準備の時だとして、麻緒は身構えた。
桃々姫も死してなお動かされている屍魔をしかと捉え、攻勢に入る準備を整える。
ディアボロスの狙いは連携を重ね、敵軍の数を着実に減らしていくこと。全体の消耗を抑えながら戦いたいと考えた麻緒が後方から援護射撃をすると語れば、桃々姫がこくりと頷いた。
その間、ルウェリンが敵の布陣や様子を観察していく。
「どうやらあの辺りの警戒が緩いみたいだ。突くならあの薄い箇所がいいな」
「では、参りますわ」
一気に攻めかかろう、とルウェリンが告げたことで桃々姫がひといきに地を蹴った。対する屍魔は呪いのオーラを巡らせ、防衛に入ろうとしていた。
「妖術とは小賢しい。さりとて――」
油断も容赦もせず、相手に先手を取られる前に動くのみ。疾く駆けてゆく桃々姫は鬼斬丸を振り上げた。
鏖殺して差し上げますわ、と告げた宣言と共に風を斬るような轟音が響く。ふわりふわりと蠱惑する甘やかな桃の聲とは裏腹に、振り翳し、叩き潰し、粉微塵にする斬撃が振るわれた。
それによって屍魔が押され、体勢が大きく揺らぐ。
反撃する動作すら取らせず、桃々姫が敵を圧倒したことで、抜剣したルウェリンが止めを刺しに掛かった。
「ヘルファ・ウィスルト、開幕だ」
荒々しき狩りを宣言したルウェリンが嵐の力を解放する。このために仕掛けるタイミングを合わせたのだと示さんばかりに、見事な連携攻撃が決まった。
其処からも激しい竜巻が廻り、屍魔を薙ぎ払わんとして迫る。
吸精呪牙で以て敵も反撃を繰り出そうとしているが、ルウェリンは素早く身を逸らすことで噛みつきを防いだ。この場面で大事なのは連続で拘束されてしまわないこと。
逃げ遅れでもすれば死を与えられ、倒れた状態で新宿島に漂着することになる。其れは即ち、敗北だ。
ルウェリンは自らの足で帰り着くことこそが勝利だとして、仲間と攻撃の機を合わせていく。其処へ動いた麻緒が、魔力の膜による球を戦場に展開した。
高速で詠唱を紡ぐことによって一撃を素早く繰り出した麻緒は、果敢に敵を穿っていく。
「これは壊れて消える儚い泡。だけど、無視したら大変なことになるよ?」
麻緒は炸裂したときの衝撃を用い、屍魔を派手に吹き飛ばそうと狙った。また、屍魔の意識を音の方に向けさせることで隙を生み出せるかも試している。
そのとき、麻緒に向けて光の矢が放たれた。頬を掠めていった矢によって薄く血が流れたが、麻緒は怯まない。
「よくもやったね! 次は絶対に躱すから!」
上手く敵の矢の軌道を逸らしていけば、直撃をくらうことはないはず。そのように判断した麻緒は気合いを入れた。それと同時に桃々姫が攻撃を続ける。
「確実に屠ってゆきましょう。わたくし達は一人ではないのですから」
「うん!」
「そうだな、頼りにさせてもらおう」
桃々姫の言葉に麻緒とルウェリンが応えた。皆で連携を繋ぎ、互いに死角を埋めるように動けば怖いものなどない。
鏖殺の斬撃を放ってゆく桃々姫もまた、怯むことなく刀を振るい続けていた。敵が纏っているオーラすらも斬る心意気を持ち、桃々姫は屍魔を斬り伏せる。
「貴様の糧になどなりませぬ」
そして、攻防が幾度も重ねられていった。
退路を常に確保しておくために後方に陣取っていた麻緒は、仲間達に呼びかける。
「そろそろ退却の時間だよ! すごくたくさん倒したから、帰ったら皆でお菓子パーティーしよう!」
前祝い代わりだと言って麻緒は皆に手を振った。
それから麻緒は此方に近付いてくる屍魔へ目掛けて爆ぜる泡沫を解き放つ。それは追いかけてくる敵の牽制となり、置き土産にもなっていった。
其処に続いたルウェリンも撤退路へと素早く駆けてゆく。
「まず挨拶代わりだ。次はこんなもんじゃない」
強く言い放ったルウェリンは、最後まで戦場に残っていた桃々姫を呼ぶ。振り向いた桃々姫は頷きを返した。全て屠ってしまいたい気持ちはあれど、深追いは禁物であることを桃々姫も理解している。
斬撃を追い縋ってくる敵への牽制として放ち、桃々姫は身を翻した。撤退することは逃げではなく、次へと続く道を繋げていくための策略だ。桃々姫は薄く片目を閉じ、来たる大戦への思いを高めた。
「戦場にて、再び相見えることを楽しみにしておりますわ」
そして、復讐者は戦場から退く。
ディアボロスが去った後、媚城に蠢く死者達は嘆きの声をあげていた。
司馬懿の儀式の成否は、果たして――。その結末は、いずれ訪れる奪還戦で見届けられるだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!