【大戦乱群蟲三国志奪還戦】呼雷雨陣(作者 犬塚ひなこ)
#大戦乱群蟲三国志
#【大戦乱群蟲三国志奪還戦】『五将軍』張郃
#大戦乱群蟲三国志奪還戦
#張郃
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●練兵する張郃
「お前ら、たるんでいるぞ!」
集結した兵が鍛錬に励む虎牢関。その城壁の上から檄の声が響いていた。
その声の主は『張郃』。彼は史実において、魏を代表する『五将軍』に数えられていた宿将だ。
このディヴィジョンでは司馬懿の命令で曹操の救援に向かったのだが、虎牢関で足止めされたことで目的は果たせなかった。現在は虎牢関の戦力を再編して軍勢に組み込もうとしているようだ。
「お前らが休眠期間から目覚めたばかりかどうか知らんが、もっと機敏に動くのだ」
敵はディアボロスであり、一片の油断が死を招くことになる。そのように語った張郃は指導の声を強めていく。
「死にたくなければ、動け!」
張郃は壁の上から再び檄を飛ばす。その声に従う魏軍硬殻兵達は引き続き、訓練を行っていった。
この地にディアボロスが攻め込んでくるなどとは露知らず――。
●再・虎牢関の戦い
曹操に劉備、孫権。
三英傑の争いにて、消去法で断片の王となったのは蜀王・劉備だった。
「魏への北伐、呉への東征。そのふたつを宣言した劉備は諸葛亮に出師表を読み上げさせて、史上最大規模の大戦乱と虐殺を引き起こそうとしているんだ」
カペル・ファルケンベルク(戦闘工兵・g03203)は現状を語り、既に大事な前哨戦が始まっていると告げる。
敵が虐殺を引き起こす前に奪還戦を仕掛け、大戦乱から人々を救うこと。
そして、中国大陸を最終人類史への奪還するためにもディアボロスの力が必要なときだ。
「今回、みんなに行って欲しいのは虎牢関だよ」
現在の虎牢関では『五将軍』張郃がトループス級に力をつけさせるための稽古を行っている。どうやら張郃は新たな断片の王・劉備からの命令は受けとっていない状況のようだ。
何にしても、虎牢関の戦力を強めさせるわけにはいかない。
「ディアボロスの姿を確認した張郃は魏軍硬殻兵に命令して、こっちを迎え撃とうとするはず!」
先ずは硬殻兵達を倒すことが戦を有利に進められる鍵だと話してから、カペルは仲間達を見渡した。敵は突撃を得意としており、時に翅で飛び上がりながら弓矢による射撃や、雨の如き攻撃を降らせてくる。槍から強烈な放電を行うこともあり、連携させると厄介な相手だと言えるだろう。
「それからね、もしみんながたくさんの敵を倒したら張郃が戦場に出てくるかもしれないんだ」
もしそうなれば一時は応戦するしかないが、其処で倒し切ることは不可能だ。張郃が出てきた場合も、出てこなかった場合も含めて、充分に敵の数を減らした際は素早い撤退が求められる。
「本番はこの前哨戦を乗り越えてからだからね。みんななら、引き際を間違えずに戻ってきてくれるって信じてるよ!」
そして、カペルは信頼の眼差しを皆に向けた。
其処から出発していくパラドクストレインが向かう先は、これまでに幾度も戦いを経た彼の場所――虎牢関。
リプレイ
ソラス・マルファス
あれだけ倒しても、まだ戦力を残してるのか。本格的な開戦前に、少しでも減らしておかねぇとな。
錬度は低そうだが囲まれたら厄介だ。小集団を見つけ、岩か木を怪力無双で投げつけて注意を引き、呪詛を纏った大剣で確実に仕留めていくぜ。
伝令が出たり声を聴きつけて敵が来そうなら、合流される前に撤退しよう。
突撃は怪力無双を使って大剣で打ち払い、囲まれそうなら空輝石を投げて突風で動きを阻害しつつ離脱するぜ。
鳳・四葉
心情
戦争前に少しでも数を削っておきたいですね。
さて、ちょっくらちょっかいをかけに行きますか。
悪魔使いらしく、数で攻めてみますか。では行きますよ、ユーカリプタス。
戦闘
頭上注意で行きましょうか。虎牢関は巨大な要塞ですし。
お相手さんは空中戦が得意みたいですし。
不死鳥の軍団を召喚。【防空体制】を構築し、魏槍投雨陣を対策しつつ、不死鳥軍団の火炎ブレスで敵軍の数を減らしていきましょう。
後は引き際を見誤らないようにしつつ、不死鳥の軍団と一緒に魔導銃による銃撃や【召喚】したユーカリプタスの吐く火炎で敵を削っていきます。
撤退するときは不死鳥の軍団に殿軍でもさせて撤退支援でもしますかね。
ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します!
いよいよ中国大陸を取り戻す時が来たのね!
蟲達の三国志を終わらせて、本来の歴史を奪い返すわ!
虎牢関、あの大きな要塞は最初ビックリしたのを思い出すわね!
先手必勝! 素早く(早業)敵の足元に魔法陣を展開させて、
【白熱と灼熱の気焔万丈!】を叩き込むわ!
相手は連携させると厄介だから、火柱で敵を分断しつつ戦うわね!
相手の反撃も火柱をブラインドにしながら回避、
出来なきゃ魔力障壁で防御するわ!
張郃が出て来たら、軽く【気焔万丈!】で攻撃してみるけど無理はしないわ!
再度火柱を壁にしつつ、退却するわね!
今回はリハーサル!
ライブ本番を楽しみにしてることね!
ヴィヴィアン・エッジ
虫が飛ぶのも群れるのも間々あることだ
今更どうと言うこともないさ
とは言え、連携を取られるのは厄介だね
こちらも協力しようか、スモーカー
『Shaken, not stirred.』
禁煙を辞めたくなるくらいの煙幕を頼むよ
俺の視界はクリアだ、動く的でも問題ない
害虫を撃ち落とすだけの仕事にしては、随分と骨が折れるけれど
敵の数や立ち回り、戦況の把握は常に
部下が虐められているのに、上司は出て来て庇ってやらないのかな
張郃とやらは怠惰な薄情者だと触れて回った方が良いかい
敵愾心は煽りつつ引き際を過たないように
人外・狐
アドリブ共闘歓迎っす。
さてさて、前哨戦は順調っすかね。
敵の戦力を削ぐ任務、了解っす。
人外狐、出撃するっすよ。
ここが虎牢関っすか。自分は初めて来たっすけど、皆さんにはなじみ深い場所なんすかね。
何はともあれ……今は敵兵を減らすことが優先っすね。
先程の海戦で着想を得た新技を試させてもらうっすよ。
忍法忍術、虹蝙蝠。
残像分身によるかく乱と、空に浮かんだ硬殻兵の撃墜を目論むっす。
空中で忍者手裏剣を叩きつけて攻撃を行い、敵の攻撃は残像を盾にして回避するっす。
ある程度敵を削ったら、無茶せず離脱するっす。
深入りして、本番前に負傷を残す訳にはいかないっすからね。
●完全なる終結に向けて
――虎牢関。
この場所はこれまで幾度も、ディアボロスと蟲将の戦いが繰り広げられてきた場所だ。
「あれだけ倒しても、まだ戦力を残してるのか。本格的な開戦前に、少しでも減らしておかねぇとな」
ソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)はこれまでの激闘を思い返していた。相当な数を倒してきたはずだが、まだ虎牢関内には休眠していた兵が潜んでいたらしい。
「虎牢関、あの大きな要塞は最初ビックリしたのを思い出すわね!」
或る意味で見慣れている光景を瞳に映し、ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)は強く意気込んでいた。その理由は大戦乱の時が迫ってきているからだ。
「いよいよ中国大陸を取り戻す時が来たのね! 蟲達の三国志を終わらせて、本来の歴史を奪い返すわ!」
ソラは戦いへの決意を固めた。
人外・狐(ハグレモノの気まぐれ忍者・g08526)はこれまでに渡ってきた戦場を思い、更に気を引き締める。
「さてさて、前哨戦は順調っすかね。敵の戦力を削ぐ任務、了解っす」
人外狐、出撃。
狐は片目を眇め、目の前に広がる景色を眺めた。
「それにしてもここが虎牢関っすか。自分は初めて来たっすけど、皆さんにはなじみ深い場所なんすかね」
ソラ達の様子を見遣った狐は納得する。
皆が築き上げてきた戦いを結末に導いていくときが今だ。何はともあれ、今は敵兵を減らすための闘争が待っている。
「先程の海戦で着想を得た新技を試させてもらうっすよ」
狐は静かな思いを抱き、鋭く身構えた。
鳳・四葉(アンラッキー・クローバー・g02129)も虎牢関の様子を確かめ、敵の数の多さを改めて知る。
「戦争前に少しでも数を削っておきたいですね。しかし、あの数は……」
「虫が飛ぶのも群れるのも間々あることだ。今更どうと言うこともないさ」
四葉が敵の群れを見遣る中、ヴィヴィアン・エッジ(viperine・g06508)も魏軍硬殻兵を視界に捉えた。鍛錬に励む蟲兵達は未だ此方に気が付いていない。
「その通りですね。さて、ちょっくらちょっかいをかけに行きますか。では行きますよ、ユーカリプタス」
悪魔使いらしく数で攻めてみるのもよし。
頷いた四葉は大悪魔の名を呼び、硬殻兵の群れへと狙いを定めた。
同じくソラも身構え、先制攻撃を見舞いに駆ける。一瞬後には敵もディアボロスの出現に気が付くだろうが、この僅かな時間が勝敗を分け得るものになる。
「先手必勝!」
早業の力で以て素早く敵の足元に魔法陣を展開させたソラは、ステージ演出の如き火柱を立ち昇らせた。
それはまさに白熱と灼熱と呼ぶに相応しい。気焔万丈の力をソラが叩き込めば、鍛錬中だった兵達が動き出す。驚愕する者、勇んで向かって来る者、張郃に指示を仰ぎに行く者など様々。
ソラスも敵の様子をしかと確かめ、少数で固まっている敵の方へ向かっていく。
「錬度は低そうだが、囲まれたら厄介だ」
近くにあった岩へと手を伸ばしたソラスは、そこにあった大きな石を持ち上げた。怪力無双の力を発揮し、それらを敵へと投げつけたソラス。その狙いは硬殻兵の注意を引くこと。
「何だ!?」
「かかったな!」
声を上げた硬殻兵の注意は、先に岩の方に向いた。時間にすればたった一瞬だが、ソラスにはそれで充分。
呪詛を纏った大剣を振り上げたソラスは一気に刃を薙ぐ。其処から巻き起こる旋風は硬殻兵を貫いていった。
「もう一丁! 風纏い、旋風!」
敵を確実に仕留めるべく、ソラスは全力を巡らせてゆく。
そして、其処へ狐の援護が入る。
――忍法忍術、虹蝙蝠。
これは多数の残像を伴う術だ。分身による撹乱に加え、飛行することで立体的な多重攻撃を叩き込むのが狐の狙い。通常ならば集団戦で飛べば集中攻撃を受けるが、此度の敵も飛行を得意としているので多くが空を飛ぶ。
それならば不利もなく互角。否、仲間と力を合わせれば、それ以上の成果が出せるはずだ。
そのように判断していた狐は臆することなく進む。
「空に浮かぶのはそちらだけの利点じゃないっす」
狐は空中で忍者手裏剣を叩きつけていき、敵からの投雨陣を食らうまいとする。狐が上手く攻撃を凌げるよう、ソラスも手を貸していた。同様にソラも敵の側面に回り込む。
「いい調子! けれどどうあっても群れているから厄介なのは変わらないわね。それなら!」
向かってくる敵と、後方の敵群の間に火柱を放ったソラは敵の分断を狙った。その間にヴィヴィアンが攻撃を放ちやすい場所へと移動していき、双眸を鋭く細める。
「群れるの蟲とは言え、連携を取られるのは厄介だね」
「頭上注意で行きましょうか」
虎牢関は巨大な要塞であり、翅を持つ敵軍は空中戦も得意としているようだ。四葉はユーカリプタスの配下である魔鳥軍団を召喚していき、防空体制を構築していった。
雨のように降り注ぐ槍投を見据えた四葉は不死鳥達に火炎のブレスを放つよう願う。
着実に敵の数を減らしていくことが先決。対する兵達は弓矢による射撃を行ってきたが、ソラも四葉も決して怯むことなく対抗した。悪魔と四葉が連携していく様を見て、ヴィヴィアンもミニドラゴンに声を掛ける。
「こちらも協力しようか、スモーカー」
――Shaken, not stirred.
禁煙を辞めたくなるくらいの煙幕を頼むよ、と少し冗談めかした言葉を紡ぎ、ヴィヴィアンは拳銃の銃爪を引いた。周囲には小竜が噴き上げ、吐き散らす紫煙が漂っているが問題はない。
彼の視界はクリアであり、相手が動く的であっても撃ち落とせる自信もある。
「害虫を撃ち落とすだけの仕事にしては、随分と骨が折れるけれど」
翅を震わせた硬殻兵に向け、ヴィヴィアンは容赦なく弾丸を放っていった。四葉も引き際を見誤らないように留意しつつ、不死鳥の軍団と一緒に魔導銃による銃撃を撃ち放つ。
ユーカリプタスの力で巡らせた火炎は敵の体力を削り、次々と地に伏せさせていった。
ソラも反撃に注意しながら、火柱をブラインド代わりにしていく。可能な限り回避を行い、敵を打ち倒すソラの眼差しは真剣そのものだ。
ヴィヴィアンは周囲から襲い来る敵の数を把握しており、その立ち回りや全体的な戦況に気を配っていた。
「部下が虐められているのに、上司は出て来て庇ってやらないのかな」
「貴様……!」
「張郃とやらは怠惰な薄情者だと触れて回った方が良いかい」
その際、ヴィヴィアンは硬殻兵に挑発の言葉を向けた。敵愾心を煽ることで相手は激昂する。もしその声が張郃に届いていたならば、彼自身が出向いてきたかもしれない。だが、硬殻兵が犇めく中で首魁にまで伝わることはなかった。その代わりに硬殻兵が憤り、ヴィヴィアンを始末しようと狙う。
「我らを侮辱するのも大概に――……う、ぐ
……!?」
しかし、相手が動くよりもヴィヴィアンが拳銃を連射する方が疾かった。たとえ敵の方が先に動いたとしても、スモーカーが主に累が及ぶことを許さなかっただろう。
ソラスも敵の突撃を大剣で打ち払い、空輝石を投げて突風を起こすことで対応していた。そして、ソラスは敵の首魁が控えているであろう方向に目を向ける。
「張郃の様子は?」
「向こうは……ううん、出てくる気配はないみたい!」
ソラも張郃が打って出てきた時の備えをしていたが、僅かな視線を城壁の上辺りから感じたのみ。
此方も警戒しているが、向こうもディアボロスとの間合いをはかっていたのだろう。奇襲戦線を崩される前に退却するのもまた、立派な策であり戦略だ。
辺りの敵が随分と倒れていることを確認したヴィヴィアンも仲間に視線を巡らせる。
「退こうか」
引き際を過たず、次の戦いまで生き延びることが此度の重要事項。張郃と対面してみたい気持ちがないと言えば嘘になるが、ヴィヴィアンは状況を聡く判断している。
四葉も撤退の機会は今しかないと察し、素早く身を引いた。
「立つ鳥跡を濁さず、というには戦線を乱しすぎた気もしますが――まぁいいでしょう」
四葉は仲間が皆、しっかりと撤退できるように不死鳥の軍団に殿を任せる。四葉の撤退支援が行き届いていたことによって、敵に囲まれて退けなくなる者が出ることはなかった。
「一気に退却だ!」
「本番前に負傷を残す訳にはいかないっすからね」
仲間に呼び掛けたソラスも戦場を離脱していき、狐も素早く身を翻す。
ソラは仲間の手際に頼もしさを抱きながら、自らも火柱を壁にして撤退した。そして、ソラは最後に大きく振り返る。
「今回はリハーサル! ライブ本番を楽しみにしてることね!」
戦いという舞台で勝利を得るのは此方。
この地も、紡がれてきた歴史も、決して蟲将達のものではない。
まるで、強く宣言していくかの如く――ディアボロス達は華麗に戦場を去っていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【防空体制】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!