【大戦乱群蟲三国志奪還戦】兵馬俑急襲作戦!(作者 okina)
#大戦乱群蟲三国志
#【大戦乱群蟲三国志奪還戦】慈愛の賢女『張春華』
#大戦乱群蟲三国志奪還戦
#兵馬俑坑
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●蟻穴を以て堤は潰え
「……――本当に困りましたわ」
大戦乱群蟲三国志、虎牢関西方に位置する兵馬俑の地下施設にて、慈愛の賢女『張春華』は額を抑えながら、幾度目かの溜め息を吐いた。
「まさか、曹操がディアボロス如きに敗れ、劉備が断片の王になるなんて……。しかも、予定よりも3か月以上早い決戦だなんて」
その呟きに応じる声は無く。張春華の前にずらりと並べられた蟲将の群れは、石像のごとく微動だにしないまま、ただ沈黙するのみ。
「兵馬俑の蟲将は、七曜の戦で最大の力を発揮できるように調整してきたというのに……」
逃げ回っていた劉備が倒れるならまだ分かるが、最大勢力にして本命たる曹操が外敵に討たれてしまったのは想定外が過ぎた。結果、大戦乱群蟲三国志は七曜の戦を待たずに、隣接ディヴィジョンからの侵略にさらされ、存亡の危機を迎える事となってしまった。
「しょうがありません。育成中の戦力の一部を兵馬俑の防衛に回しましょう。本当に、不甲斐ないことです」
ままならぬ現実に頭を抱えながら、急ぎ次善の策を執るべく、張春華はその場を後にした。
●兵馬俑急襲作戦!
「皆さん。本日はお集まりいただき、ありがとうございます!」
報せを聞きつけて集まったディアボロス達へ、方堂・明音(人間のワールドハッカー・g03535)はペコリとお辞儀した。
「この度、来たる七曜の戦の前に、大戦乱群蟲三国志を奪還を賭けた決戦の機会を得る事が出来ました。これも全て、皆さんのご協力と奮闘のおかげです。ありがとうございます!」
世界を歴史ごと奪われてしまった『あの日』から、未来と日常を取り戻すために戦い続けてくれている仲間達へ、明音は感謝の言葉を述べる。
「皆さんの活躍のおかげで、三英傑の内、『呉王・孫権』と『魏王・曹操』を撃破する事が叶いました。その結果、消去法的に『蜀王・劉備』が断片の王に覚醒する事になりました」
つまり、三国統一。戦乱の終結。しかし、と彼女は言葉を続ける。
「大戦乱群蟲三国志は、曹操・劉備・孫権の三英傑を争わせる事で、広大なディヴィジョンを維持できる強大な断片の王を生み出そうとしていました。だから、蜀王・劉備の権力基盤が弱いままに唯一の断片の王となってしまった事で計画が破綻し、ディヴィジョンの排斥力が大きく低下。複数の隣接ディヴィジョンからの同時侵略にさらされる結果になっています」
現在の大戦乱群蟲三国志は4勢力からの同時侵略を受けており、立て直しの真っ最中であると言う。
「この状況を打開する為、蜀王・劉備は『魏への北伐』と『呉への東征』を宣言しました。要約すると『魏や呉の領土内の全ての人間を殺し尽くして、現状に対処するためのエネルギーと兵力を確保しよう』という事になります」
蜀王・劉備のなりふり構わぬ所業に、ディアボロス達の表情が一気に険しくなる。
「当然、そんな真似を見過ごすわけにはいきません。蟲将を討ち、侵略者を退け、虐殺を防ぎ、大地と歴史を取り戻しましょう!」
拳を握りしめて訴えかける明音の言葉に、周囲から力強い応えの声が返された。
「今回、皆さんにお願いするのは、攻略旅団から提案もあった『兵馬俑への襲撃』です。これは敵兵力を削ると同時に、『兵馬俑への侵攻ルート開拓』の意味も同時に持ちます」
直前までディアボロス達が取り組んでいた、長安市街掃討作戦や許昌周辺の農地開拓の影響で、同地域にはディアボロスの影響力が半ばまで届いている、と彼女は言う。
「この兵馬俑襲撃作戦を一定数成功させることが出来れば、虎牢関を無視して兵馬俑に直接斬り込むためのルートが得られます!」
今回の敵は近隣住民を虐殺する事で、奪還戦の最中に兵力(残存率)を回復する事が出来るという。制圧や侵攻に手間取れば、ファーストアタックで与えた損害が無に帰す場合もあるだろう。そうならない為にも、敵後方への侵攻ルート確保の意義は大きい。
「兵馬俑周辺には調整中だった魏軍虎衛兵が展開しているようです。皆さんには、これを可能な限り撃破して、周辺の排斥力を低下させてください」
そう言って、明音がダブレットを操作すると、側の大型ディスプレイに赤茶色の甲殻をまとい、頭からカブトムシの様な角を生やした蟲将の姿が表示される。
「相手は七曜の戦で曹操の親衛隊になる予定だった、魏軍の精鋭トループス級蟲将です。特に力と耐久力に優れていて、施設防衛や要人警護を得意とするようです。皆さんなら、十分に渡り合えると思いますけど……くれぐれも、引き際には注意して下さい」
立ち回り次第では包囲される恐れもあるから、と明音は敵地へ向かう仲間達へ、警戒を促す言葉を添える。
「新ルート開拓は大きな戦果になると思います。兵馬俑を制圧できれば、勝敗のカギを握る司馬懿に手が届くようになりますから。今回の決戦でこの大地を取り戻す為に……どうか、皆さんの力を貸して下さい!」
そう言って、明音は一同に向かって、深く頭を下げた。
リプレイ
峰谷・恵
「七曜の戦になったらここの蟲将が全部ベストコンディションで稼働してた…何ヶ月か前倒しで攻め込めて助かったよ」
可能な限り連携を取る。アドリブOK。
パラドクス通信を発動し、離れた味方とも連絡を取り合い敵に包囲されそうか情報交換しあう。
地形に隠れながら敵を探し、敵を発見次第パラドクスで攻撃、削れた敵を優先して狙い敵の数を減らす。
敵の反撃は横跳びに回避。避けきれないものはLUSTオーラシールドで防御。
敵に包囲されそうになるかHPが半分未満になったら撤退する。
「仮に北西に出現したやつらがここに雪崩込んだらどうなっていたか…あまり考えたくもないかな」
杏・紅花
アドリブ、連携歓迎っ
やったあ、兵馬俑の襲撃ができるうっ!前に調査した時、中が気になってたんだよねえ〜
まだまだたっくさん虫がいそうだし。
大掃除の虫退治だあっ!
かったい敵が集団で襲ってきたら【デストラクションノヴァ】発動
まとったオーラを一気に開放、爆風を起こすような回し蹴りだあっ
気と気のぶつかり合い、こういうとき、いろんな差が如実に現れる
あたしには信念がある
故郷を取り戻すって気持ち、あたしはあの時より強くなったって気持ち、なにより、たいせつなひとたちができたから
あたしは自分を大事にできる
あたしがあたしを信じる気持ち、虫人間の気よりも、何倍も力をくれるぞおっ!
瀬鍔・頼門
奪還戦の勝利を開くための要所の一戦だ。あの蟲将の風体…文字通りの兜首、できるだけ数を討ち取りたいが、逸り過ぎて敵隊列に呑まれてはならんな。
連携を意識して行動する
無双馬を駆り、【春日ノ御太刀】で敵の隊列を荒らすように攻撃していく
仲間の攻撃に合わせるように離脱もして、敵の隊列に呑まれないように意識しよう
逆に呑まれそうな仲間がいないかも意識し、その際は包囲を崩すように攻撃を敵隊列に仕掛けて合流を助けるつもりだ
敵の攻撃に対しては無双馬と共に体を翻す・敵の上体を駆け跳ぶなどの人馬一体の動きで回避を努めたい
「さすがの精兵だ、だが今日ここで討たれるわけにはいかぬ!」
刻乃・亜里夜
合流されたら厄介だし、
早めに排除しておかないとだね
仲間との連携しての奇襲が基本で
十分に撃破出来る少数の部隊を狙うよ
分析する天使で相手の弱点や隙を見つけて
実力を発揮される前に小型拳銃等の
武器で急所を撃ち抜きたいかな
判明した弱点も皆に伝えて援護もするね
急所とか死角とかが狙いやすくなればだね
大地を引っくり返してくるみたいだし
それに巻き込まれないようには注意かな
周囲の状況にも配慮して、
包囲されそうならすぐに撤退かな
「流石に屈強そうな軍勢だね。でも付け入る隙はあるよ」
●風の如く、火の如く
決戦を目前に控え、慌ただしく防衛体制の強化を急ぐ兵馬俑から、新たに臨戦態勢を整えた魏軍虎衛兵の1隊が現れ、配置につく。
その様子を離れた岩陰からうかがっていた、小柄なサキュバスの少女 ―― 峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)は素早くその場を離れると、パラドクス通信を起動した。
「やっぱり、北東と北西が警戒対象みたいだね。後は中央に予備、って感じかな」
麗しい顔立ち、愛らしい黒瞳。長い黒髪をなびかせ、木々の間を駆け抜けながら、恵は自分が見たものを仲間達へと共有する。
「ならば、手薄な南側が狙い目か。それでも、逸って突っ込んでは敵勢に呑み込まれかねないが……」
通信越しにそう答えるのは、無双馬を駆る鬼狩人の男 ―― 瀬鍔・頼門(あかときの影ぼうし・g07120)だ。奪還戦を勝利へと導くため、この機会に1体でも多く打ち取りたいと、彼が思案を巡らせていると。
「見つけたよ、敵の少数部隊。警戒線を構築中みたいね。今、座標を送るわ」
周辺の索敵をしていた天使の少女 ―― 刻乃・亜里夜(天使のワールドハッカー・g04427)から、手頃な標的の情報がもたらされる。
「いいねいいね、そこに行こう! 大掃除の虫退治だあっ!」
明るい声で、インセクティアの少女 ―― 杏・紅花(金蚕蠱・g00365)が元気よく応じると、ディアボロス達は互いに応えを返して、亜里夜が示す場所へと移動を開始した。
「やったあ、一番槍ぃ!」
その声に振り向いた虎衛兵が目にしたのは、爆発的なエネルギーの奔流を纏い、加速しながら突入してくる、紅花の姿だった。
「何ィッ!?」
狙われた2体の虎衛兵が咄嗟に抜き放った拳から、巨大な質量を持った拳気が放たれる。双方の力が激突し、炸裂した衝撃波が地面を削り飛ばした。
「前に調査した時、中が気になってたんだよねえ~。まだまだたっくさん虫がいそうだし」
青い瞳に戦意と好奇心を輝かせ。艶やかな黒髪の合間に煌めくのは、ガラスピアスと金の鈴。攻撃の余波に乗って距離を取り、構え直した白金色の甲殻には、紅九嬪の爪と金蹄が鋭い光を宿している。
「それで倒れぬとは、さすがは精兵。なれど、その“兜首”……貰い受ける!」
そこへ追撃とばかりに、人馬一体で斬り込むのは頼門だ。両肩に紺端濃の大袖を備え、現代風に仕立て直された片袖の狩衣をひるがえし、駆る無双馬の名は『綾目草』。呪いを宿した太刀に雷電を纏わせ、跳ね回るは神鹿の如く。角を向け、守りを固めた敵陣を切り崩し、後続をはね飛ばして駆け抜ける。
「七曜の戦になったら、ここの蟲将が全部ベストコンディションで稼働してた……何ヶ月か前倒しで攻め込めて助かったよ」
襲撃に気づいて集まって来る虎衛兵達を見据えて、恵は会心の笑みを浮かべた。他のディヴィジョンの侵入地点から、いくらか距離がある点も更に良い。
「仮に北西に出現したやつらがここに雪崩込んだらどうなっていたか……あまり考えたくもないかな」
アメスク風の衣装に包まれた、極めて発育の良い身体に満ちるのは、武装と化した鮮烈なオーラ。利き手にはドラゴン素材で造られた魔剣を構え、逆手に備えたピンク色の闘気盾で撃ち込まれる拳気の軌道を逸らし。渾身の雷撃を立て続けに解き放てば、3体の内、手負いだった2体が力尽きて崩れ落ちる。
「よし、回復! まだまだ行けるよ!」
それは頼門が展開した残留効果【グロリアス】の力。敵を打ち倒す力が、自身の癒しへと繋がり、より長く戦場に立ち続けるための支えとなる。
「流石に屈強そうな軍勢だね」
奇襲の混乱から立ち直り、戦列を整えつつある敵群を見渡し、亜里夜が呟く。
「――でも付け入る隙はある」
天使の少女の意を受け、傍らのモーラットが小さく鳴いた。柔らかな体毛に電子の力を巡らせて、周囲の情報を己の主が持つハッキングツールへと集めてゆく。
「うん、何となくだけど理解できるよ……」
敵の動き、味方の動き。次の行動、その意図。未来予測の如き演算を以て、要となる一手を見つけ出す。
「―― そこっ!」
手にした小型拳銃の銃口から放たれた衝撃波が、4人を包囲せんと迫る1隊の先頭を打ち据え、敵勢の足並みを乱して押し留める。
「よーし、あたし達もっ! あたしがあたしを信じる気持ち、虫人間の気よりも、何倍も力をくれるぞおっ!」
故郷を取り戻す誓いと、成長した己への自信。そして、大切な人たちへの想いを力に変えて。揺るがぬ信念を胸に抱き、紅花はクダキツネの『天』と共に、追いすがる敵集団を回し蹴りで迎え撃つ。
「このまま後退しながら迎撃を! 施設防衛が主任務なら、動ける範囲は広くない!」
亜里夜が相手の動きから、その進出限界を看破する。パラドクスの射程ギリギリで撃ち合うなら、先頭集団以外はお互いに射程外だ。
「おっけー! 撃ち合いなら、ボクに任せて」
恵が放った雷撃が紅花と格闘中だった虎衛兵にトドメを刺し、その隙に紅花が後方へと離脱する。
「では、殿は引き受けた」
雷を宿す太刀を手に、頼門が愛馬と共に進み出た。
「今日ここで討たれるわけにはいかぬ故に……いざ、駆け参る!」
頼門が敵陣の前を駆け抜け、敵群が成す戦列から突出してきた追っ手を切り払うと、4人は素早く山林の奥へと撤退する。
―― 来たる決戦の日に、この地を必ず取り戻すと、心に誓って。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【グロリアス】LV1が発生!