【大戦乱群蟲三国志奪還戦】麋竺

 このシナリオは【大戦乱群蟲三国志奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 大戦乱群蟲三国志のジェネラル級及び、排斥力の低下した大戦乱群蟲三国志に攻め込んできた、吸血ロマノフ王朝、冥海機ヤ・ウマト、蛇亀宇宙リグ・ヴェーダ、アルタン・ウルクの4ディヴィジョンの軍勢に対して、戦闘を仕掛けます。
 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、徐州方面で大戦乱を引き起こす為に派遣された、蜀のジェネラル級蟲将『麋竺』の軍勢です。  麋竺は、戦闘よりも内政、内政よりも宴会の準備が得意なジェネラル級で、配下も二線級ののものが集まっているようです。
「成功したシナリオ数×10%」だけ、「②麋竺」の敵残存率を低下させます。

【大戦乱群蟲三国志奪還戦】臨機の死命(作者 ねこあじ
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「この村は兵站拠点として使えるんじゃないか?」
「地面も柔らかく、塹壕も拡げられそうだな」
 徐州に向かう麋竺軍、輜重兵の軍勢がある村を前に相談を始めている。辿ってきた道のりを含め、戦場となるに適した地形を見出したのだろう。
 欲しいものがあるのなら略奪。
 村へと乗り込んだ輜重兵たちは、村人に対し高らかな宣言を行う。
「今からここは我らが地! 食料をすべて明け渡せ!!」
「反逆者は皆殺しにする!」
「いや、反抗してみせろ。この地を血で潤し、芳しき血臭にて敵を寄せる蜜の計に致す」
 明らかな皆殺し宣言に、「命だけはお助けを……」という村人の声はかき消された。
 逃げろ! という声は積み上げられた木兜流馬の壁に阻害される。ぎらついた刀が振り下ろされ、壁近くにて絶命する村人は逃げる足をもった若者が多い。
 倉庫から食糧が木兜流馬と積まれてゆく――もしも、仮に命助かっても、次に訪れるのは餓えだ。
 生きたまま、生命断たれる瞬間があるのだということを、彼らは知った。


「大戦乱群蟲三国志奪還戦の発生を告げる、断層碑文が確認されたわね」
 決戦の日は4月16日。断片の王は『昭烈帝・劉備』。
 お互い、頑張りましょうねとイリス・マーフィー(人間のリアライズペインター・g03321)はディアボロスたちに言う。
「大戦乱群蟲三国志は曹操・劉備・孫権の三英傑を争わせることで強大な断片の王を生み出そうとしていたディヴィジョンだったけど、ディアボロスが孫権、曹操の撃破に成功したこともあって消去法的に『蜀王・劉備』が断片の王に覚醒したのよね」
 本来の狙いとは違った覚醒となった。
 故に権力基盤は弱く、排斥力の低下により周辺ディヴィジョンの侵略を許す事態となった。
「劉備は魏への北伐と呉への東征を宣言し、諸葛亮に『出師表』を読み上げさせて史上最大規模の大戦乱を引き起こす出動命令を全軍に出したのね。
 そのためのエネルギーは魏や呉の領土内の全ての人間を殺し尽くすことで得ようとしているわ。――そんな暴挙、許せるわけがない」
 イリスの言葉に頷くディアボロスたちの目は、被害にあうであろう一般人たちに寄り添うものだ。
「劉備が大戦乱を引き起こす前に仕掛けなければ」
 ディアボロスの言葉に、今度はイリスが頷いた。
「ええ。大戦乱から人々を救いつつ、中国大陸の最終人類史への奪還を目指しましょう」
 大戦乱群蟲三国志奪還戦。
 そして今回は戦争直前となるディヴィジョンに攻撃を仕掛け、戦争の機先を制する作戦となる。
「今回も、注意すべきは引き際を間違えずに充分な打撃を与えたらすぐに撤退すること。これに尽きるわね」
 たぶん、皆さんも心得ているだろうけれど、と言ったイリスの目は信頼に満ちていた。

 皆が向かい、撃破対象となるのは徐州近くの村を襲うトループス級『輜重兵』。
「木兜流馬のバリケード、塹壕が造られ始めている。ジェネラル級蟲将の麋竺は、史実では臨機の智に長けていたと聞くわ。この村がどう扱われるかは分からないけれど、放っておけば断片の王『昭烈帝・劉備』に捧げられるであろう勝利の芽となるに違いないし。その一手、潰しておきましょう」
 そう言ってイリスは皆を送り出すのであった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【熱波の支配者】
2
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1

●マスターより

ねこあじ
 【大戦乱群蟲三国志奪還戦】麋竺軍軍勢との戦いになります。
 よろしくお願いします、ねこあじです。

 このシナリオで敵となる軍勢は働き蟻のトループス級『輜重兵』。
 木兜流馬で糧食を運ぶ兵站を担っています。また、この蟻は周囲からエネルギーを吸収する事が出来、自在に発散・放出が出来るようです。
 襲われた村がのちのちに死地となるのは確実。
 撃破していきましょう。
45

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


陳・桂菓
使用武器は双短戟『騰蛟昇竜』
敵が物陰に隠れようが、【蚩尤超限暴】の速度と【エアライド】による立体的機動を駆使して回り込み、射撃体勢を取られるより先に斬って捨てる。
仮に射撃を放たれたにしても、高速機動によって的を絞らせないようにして回避。エネルギー砲弾を見てから回避できるかはわからないが、急角度のダッシュ動作を細かく繰り返し、敵の照準合わせの速度を凌駕できれば何とかなるだろう。
敵は大群なので適度なところで撤退しなければならないのだろうが、せめて村の安全が確保できる程度には蹴散らしたい。
可及的速やかに討伐していこう。

「皆殺しはこちらの台詞だ。人の世に仇成す害虫どもめが、私の刃からは逃げられんぞ」


シエル・ヴィオレ
予想外の事が起こったみたいですが、敵勢力と常に争っているなら敵国に何かあった時の策を用意しておくのが常識でしょう。自らの失策を罪なき命で埋め合わせる滅茶苦茶な事は止めますよ。

敵は多数ですので仲間と連携して攻撃します。逃げる人達に追いつく前に【高速詠唱】で炎馬騎行で焼き払います。

元々私の家系は軍を率いていましたので隠れ潜む敵を見つけるのも慣れた物です。【観察】【看破】にて隠れ潜む敵を見つけ、【破壊】を併せた炎馬騎行で隠れるのに使った障害物ごと攻撃。

やり方は姑息なれど戦力は膨大ですからね。ある程度減らしたら撤退しましょう。戦略的撤退も重要ですので。


文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

大戦乱の名のままに行われる虐殺
襲われているのはきっとこの村だけではないのだろう
今この場で出来ることは限られている
それでも、手の届く限り人々の命を守りたい

一般人を襲う敵へと『炎馬騎行』を走らせパラドクスの炎で燃やす
逃げる人々から注意が逸れるように敢えて派手に立ち回り
限られた時間内に可能な限り多くの敵を撃破する

敵は潜むのも得意な様子だが、此方も探すのは得意な方だ
周囲への観察と、密かに戦場を駆けるクダ吉の偵察により
見つかり難い場所へと身を潜めた敵の位置を看破
一斉射撃も勿論想定の内だ
攻撃に合わせ炎馬騎行で迎え撃つ


 村を囲うように、そして櫓のように積まれていく木材と木兜流馬。同時に掘り進められていく塹壕。
 村内からの悲鳴が聞こえ、事態は刻一刻を争うことをディアボロスたちは悟った。
「先に行く!」
 自身の内で眠る戦神の力を呼び覚まし、紫の目を刹那に爛とさせた陳・桂菓(如蚩尤・g02534)の駆けが飛ぶように加速した。
 目指すは村内。築かれるバリケードを足場に跳躍し、視認した敵へと一気に彼我の距離を詰める桂菓は虚空で双短戟『騰蛟昇竜』を構えた。
 直線を描いた跳躍から着地と同時に大地を軸足が叩く。
 桂菓の身はまるで返し刃だ。
 飛び込む輜重兵の胴を青龍戟で穿ち、そのまま暴風が如き蚩尤超限暴に乗る舞戟。
「皆殺しはこちらの台詞だ。人の世に仇成す害虫どもめが、私の刃からは逃げられんぞ」
 月牙が一体を引っかけ、穂先がよろけた敵の鎧を砕く。双短戟が叩くように裂き、穿ち倒す苛烈な連撃。桂菓の戟届く間合いの輜重兵が一掃されていった。
「敵襲!」
「敵襲!!!」
 一体の輜重兵の声に続く鯨波。
 敵の注意は大音声に怯え逃げ惑う村人から襲撃者であるディアボロスたちへと向けられていく。
「撃てぇっ!」
 輜重兵が得意とする遠距離攻撃が次々と放たれる。
 桂菓を狙うエネルギー砲、または飛翔する矢が空を裂くように。その射出地は定かではなかった――だがその時、バリケードを飛び越える炎の渦。空から降る矢を払い左右へと放たれる炎弾は駿馬の形となり、村人に近い敵陣の元へ着地した。
 大地に蹄を打ちつけて炎の巡りを活性化させる炎馬たち。駆ければ駆けるほどに力を増す炎馬の騎行は輜重兵を踏み潰す。
 戦場において軍馬を倒すのは至難である。持つ弱点は本来ならば乗り手であるが炎馬たちにそれはなく。
 駆けまわる炎馬の怒涛の流れが左右に分かたれる。
 厚き炎潮は二者の力によるものであった。
 シエル・ヴィオレ(神籟のプリエール・g09156)と文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)の炎馬群は、村人と輜重兵の間に渡れぬ炎河を置いたようなものだ。彼らを引き離し、絶対的に侵せぬ彼我の距離を造りあげる。
(「大戦乱の名のままに行われる虐殺。襲われているのはきっとこの村だけではないのだろう」)
 凄惨な地が生まれつつあるディヴィジョン・大戦乱群蟲三国志。
 今この場で出来ることは限られている――雪人はそれを知っている。
 だが、それでもと願うのだ。
(「手の届く限り人々の命を守りたい」)
 と。

 炎馬を遮蔽に敵エネルギー砲の狙いを逸らしながら、炎に押され寄せてくる輜重兵を撃破していく桂菓。
 変わらず矢の射出地は不明。空のある層に輜重兵の静寂陣が敷かれているのだろう。
 一斉射撃を炎馬で払うシエルと雪人。駆けまわる炎馬は厚き盾だ。
 戦場を俯瞰するように、バリケードの位置、途中まで掘り進められた塹壕とを見ていくシエル。
「私たちの進撃路から三時方向の塹壕が怪しいですね」
 シエルが雪人へと声を掛ける。彼女の見識は軍学に基づいているのだろう――目を向けたのは連絡が容易そうな櫓だ。
「まずは観測班を潰しましょう」
 数体の炎馬を向かわせて櫓を崩し、シエルは敵の観測方を潰した。
 その間にクダギツネのクダ吉を向かわせ索敵するのは雪人である。
「輜重兵は潜むのも得意な様子だが、此方も探すのは得意な方だからね」
 追いまわしていた村人の敵群よりも後方、築かれていないバリケード付近を走っていたクダ吉はその成果を雪人へと報せた。
「見つけた」
 二人が炎馬騎行の指揮を回す。
 仲間のディアボロス――ガーデニア・ラディーチェが障害物となるバリケードを破壊していくのを手伝うように剛脚で叩く炎馬たちはそのまま駆けていく。
 塹壕へと飛び込んでいく炎馬が加重をも利用し、輜重兵を倒していった。
 焔と敵が払われ、見通しが良くなった戦場……村内に点在する輜重兵に向かって翔けた桂菓は二双の戟で屠っていく。
「しばらくは激戦となる地になる。お前たちは安全な場所へと逃げろ」
 向かうならば隣地となる陳留、魏の諸都市だ。桂菓は村人たちへと告げて。
 彼らの逃走のため。なるべくの安全を確保できたところで、ディアボロスたちは撤退を決めた。

「……予想外の事が起こったみたいですが、敵勢力と常に争っているなら敵国に何かあった時の策を用意しておくのが常識でしょう」
 シエルが呟く。
「自らの失策を、罪なき命で埋め合わせる滅茶苦茶な事は止めましょう」
 決戦の日は間近。
 彼女の言葉に頷くディアボロスたちだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV2が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!

一騎塚・喜一
我々がこの時、この地へ赴くのは来るべき戦いを有利に進めるためでもありますが
それ以上にこの地に生きる人々を守りたいからでもあります
苦労して収穫した食料だけでなく命まで奪う蛮行
当然見過ごせるはずもありません

周囲からエネルギーを吸収することで村に悪影響が出る可能性もありそうかな?
ならば敵が隠れていそうな場所を探し【看破】でき次第【黄泉逆矛】を仕掛けていきます
ちらりとも敵の姿を目視できましたら足元からドーン!です
一斉射撃は痛いですが撤退までは我慢しましょう

撤退の時機は自身の負傷具合・余力と周囲の状況を見ながら判断します
相変わらずその木兜流馬は可愛いですね
名残惜しいですが後日再戦と致しましょう


ルキウス・ドゥラメンテ
戦時であろうと民間人の虐殺などは言語道断
卑しくも武人であるならその程度のことーーいや、蟻の頭に期待するだけ無理な相談か?

数の多さは流石は蟻だな
必要に応じて他の復讐者と適宜連携
行動特性や布陣を眺めた上で愛馬で戦地を駆けてパラドクス発動
出来るだけ手薄なところを強襲したいものだが
身を顰めた敵は愛馬と共に索敵しながら、気づかぬフリで近づいて騙し討ちでも試みよう
一斉射撃に対する護りはパラドクスにて

戦争の序の口で無理をする気など更々ない
あまり深追いはせずに旗色を見ながら退くときは潔く退こう
撤収しながら邪魔くさいバリケードなんかを出来るだけ壊してやれると良いのだが
ちなみにただの嫌がらせだ


ガーデニア・ラディーチェ
・アドリブ、連携◎

蟻じゃない
……蟻じゃない!
わたし、蟻は嫌いなの
折角育てた植物の鉢植えや蕾に群がるんだもの
日頃の怨みも込めて、蟻退治頑張るわよ!

障害物を並べて巣作りしている頭上から薔薇の雨を降らせて、障害物ごと蟻を攻撃するわ
できる限り障害物も壊せたら
こんなところに巣を作らなくて良いのよ!
ここ、元々人間が住んでいた所なのでしょう?

巣が壊されたら、自然と隠れてる蟻も出てくるでしょうし
隠れ場が無くなって出てくる瞬間を狙って、再度パラドクスで攻撃よ
害虫駆除の基本は漏れなく徹底的に!だもの
取り零すとそこから増えるのよ!

ある程度の損害を与えたら、包囲される前に撤退よ
蟻ばかりに構ってるほど暇じゃ無いの


 築かれゆくバリケード、櫓、塹壕と、刻一刻と変わりゆく村の様子と同時に行われている村人への襲撃。
 遠方から目にすればその地に集ろうとする輜重兵の姿は一目瞭然であった。つまりは、
「蟻じゃない……蟻じゃない!」
 非難めいた声をあげるのはガーデニア・ラディーチェ(クチナシの花護り・g03839)。
 春爛漫の時期を迎えた新宿島では、美しく可愛らしい花の盛り。芳香に誘われるように蝶や羽虫の訪れもあり――しかし、そのなかでの蟻という来客をガーデニアは嫌っていた。
(「だってせっかく育てた植物の鉢植えや蕾に群がるんだもの」)
 そんなガーデニアの言葉に頷くのはルキウス・ドゥラメンテ(荊棘卿・g07728)。
「数の多さは流石は蟻だな」
 襲撃現場へと向かいながら行われるディアボロスたちの会話。
「日頃の怨みも込めて、蟻退治頑張るわよ!」
 ガーデニアはぐっと拳を握りしめてそう宣言する。
 この時、村内へと真っ先に飛び込んだディアボロスがいる。
 村人と輜重兵に彼我の距離を与えようと前線に駆けるチームと別に動くのは、ガーデニア、ルキウス、一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)たちだ。
 少女の言葉に、喜一も「ええ」と頷いた。
「それに……我々がこの時、この地へ赴くのは来るべき戦いを有利に進めるためでもありますが、それ以上にこの地に生きる人々を守りたいからでもあります」
 苦労して収穫した食料だけでなく命まで奪う蛮行、と、喜一が敵の情勢を説く。
 すべてがクロノヴェーダの糧となる。
 敵が行う略奪・徹底的な死への攻めを当然見過ごせるはずがないのだった。

 まずは戦場、敵の布陣の把握から。
 輜重兵はその地のエネルギーを奪いそれを兵站の一手とするクロノヴェーダだ。運用によっては兵站の確保が必須である遠征の理を覆す存在。言うなれば蟻の巣地獄を真逆にしたような湧き出す資源でもある。
 敵の遠距離攻撃に適した静寂陣は仲間に任せ、こちらは索敵だ。
 天幕代わりのやや大きな木兜流馬。その周囲の地面は柔らかく、乱雑に木材が積まれている。それは村を囲うように展開されていた――塹壕は無い。
「ここが巣作りの拠点であるようですね」
 喜一の声にぴくりと反応するガーデニア。
「早速ですが仕掛けていきましょう」
 言葉を続けた喜一がパラドクス『黄泉逆矛』を発動すれば、柔らかな地面から撃ちだされる矛。
「うわっ!」
「なんだ!?」
「敵襲か!?」
 輜重兵の声に攻撃を受けた悲鳴が混ざるなか、砂塵が舞い上がり一気に戦場の視界が潰される。
 同時に無双馬『エスカミーリョ』に騎乗し強襲を仕掛けるのはルキウスだ。
 矛に貫かれ、または移動を余儀なくされた輜重兵の群れへと叩き込まれるエスカミーリョの剛脚。纏う闇の魔力は、闇によってその帳を裂き、苛烈な砕きを輜重兵へと与えた。
 エスカミーリョの暴れっぷりと共に剣を振るうルキウス。その斬線は遠心、降下による加重と愛馬の軌道を限りなく活かしたもの。
 あっという間に敵が形成した陣を踏み荒らしていく人馬。
 そのなかで敵の一斉射撃が行われる――射出地は辿れないものであったが、空間法則に則られながらも水平射撃であることが分かった。
 暗夜騎行で狙いを逸らすようにエスカミーリョアが駆ける。
「こんなところに巣を作らなくて良いのよ! ここ、元々人間が住んでいた所なのでしょう?」
 蟻退治。敵は、日常における敵であることと同等としたガーデニアは紅白の薔薇の花弁を、一帯へ雨の様に降らせた。
 ひらひら、はらりと舞い落ちていく花弁が築かれたバリケードに触れれば、その隙間を埋めていた砂がほどけてバリケードが解体されていく。そこには銃眼である狭間があったのだろう。木兜流馬が並列しており、突如として瓦解した防壁に輜重兵の慌てる様子。
 ガーデニアがRose Petalを展開し続ければ継ぎ目が脆くなっていく木兜流馬。
「害虫駆除の基本は漏れなく徹底的に! なのよ」
 植物の敵に容赦なし。ガーデニアの声はけんもほろろで喜一は苦笑する。
「取り零すとそこから増えるのよ」
「では、徹底的に潰すことと致しましょう」
 エネルギーの矛で敵を下方から貫き、敵視界を砂塵に満たせば高らかに訪れるルキウスの剣戟とエスカミーリョが叩く敵と大地の轟き。
 その時、尋常ならぬ速さで陳・桂菓が駆けてきた。
「村人の安全も一時確保できた。撤退だ!」
 彼女の言葉を受けて軽やかに身を翻す二人と人馬。
「見事……再建不能なほどに壊滅したな」
 エスカミーリョの上から戦場を見渡したルキウスが呟く。
 遠くの櫓は倒れ、塹壕は焼けきっている。
 自身たちが暴れまわった敵拠点は一目に潰したことのが分かるほど。
「相変わらず木兜流馬は可愛かったですね」
 その木兜流馬は元の形が分からないぐらいに無残にも壊されたわけだが…………喜一の言葉にルキウスはそう思ったが何も言わなかった。
「名残惜しいですが後日再戦と致しましょう」
「そうね。蟻ばかりに構ってるほど暇じゃ無いの」
 続けられた言葉に、幾ばくかの溜飲を下げたガーデニアは言った。

 大戦乱群蟲三国志奪還戦はもうすぐ。
 残された時間に細やかな立案と準備、そして英気を養うために。
 ディアボロスたちは新宿島へと帰還する。 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2023年04月14日