【大戦乱群蟲三国志奪還戦】白軍司令コルチャーク

 このシナリオは【大戦乱群蟲三国志奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 大戦乱群蟲三国志のジェネラル級及び、排斥力の低下した大戦乱群蟲三国志に攻め込んできた、吸血ロマノフ王朝、冥海機ヤ・ウマト、蛇亀宇宙リグ・ヴェーダ、アルタン・ウルクの4ディヴィジョンの軍勢に対して、戦闘を仕掛けます。
 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、吸血ロマノフ王朝のジェネラル級ヴァンパイアノーブル『白軍司令コルチャーク』の軍勢です。
 『白軍司令コルチャーク』は、怪僧ラスプーチンの密命を受けているようです。
「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑬白軍司令コルチャーク」の敵残存率を低下させます。

【大戦乱群蟲三国志奪還戦】塹壕のスナイパー(作者 刈井留羽
6


#大戦乱群蟲三国志  #【大戦乱群蟲三国志奪還戦】白軍司令コルチャーク  #大戦乱群蟲三国志奪還戦  #コルチャーク  #吸血ロマノフ王朝 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#大戦乱群蟲三国志
🔒
#【大戦乱群蟲三国志奪還戦】白軍司令コルチャーク
🔒
#大戦乱群蟲三国志奪還戦
🔒
#コルチャーク
🔒
#吸血ロマノフ王朝


0



●塹壕の中で
 大乱戦群蟲三国志の排斥力が弱まり、侵攻が可能となったことで隣接ディヴィジョンの一つ『吸血ロマノフ王朝』は白軍司令コルチャークの指揮の下で国境付近に塹壕を掘り、兵を集結させていた。
「なぁ、俺達はここに戦いに来たんだよな……」
 一人の男がポツリとつぶやく。
「ああ、そうだな。少なくともこんな窮屈な穴の中で身を潜めるためではないな……」
 近くにいた戦友の男が前方を見据えながら応じる。
「だよな……そんなら俺たちいつ戦うんだ?」
「わからん。ラスプーチン様にもお考えがあるのだろう」
「……まぁ、命令だから仕方ねぇんだけど、このままじゃ俺の腕が錆びついちまうぜ」
 男は狙撃銃のスコープを覗き込みながらボヤいた。
「気持ちはわからんでもないが、命令は厳守だぞ!」
 戦友に釘を刺され、男はこれみよがしにため息をつく。
「そんなこたァ、わかってるよ。あー、ディアボロスでも来ねぇかな。暇で暇で腐っちまうぜ!」
 トループス級『血影殲兵』の軍勢は、イマイチ士気が上がらない様子だった。
 それも当然のことだろう。彼らに下った命令は偵察と待機なのだから。

●新宿駅
「孫権、曹操の撃破により、残された三英傑の『蜀王・劉備』が断片の王『昭烈帝・劉備』に覚醒し、大戦乱を引き起こす兆しが確認された。ようやく、決着をつける時が来たのう……」
 孫・浩然(人間の破軍拳士・g01370)は感慨深げに視線を巡らせ、ディアボロス達に現状を説明する。
 大戦乱群蟲三国志は、曹操・劉備・孫権の三英傑を争わせる事で、強大な断片の王を生み出し、七曜の戦の勝利を目指していたが、ディアボロスの活躍によって計画が破綻。断片の王が生まれたことで排斥力も低下し、隣接ディヴィジョンからの侵略も不可避な状況となった。
 追い詰められた劉備は、この状況を打開するために『魏への北伐』と『呉への東征』を決断し、全軍に出動命令を下したという。
「劉備は史上最大規模の大戦乱を引き起こすつもりのようじゃ。その目的は魏と呉の人間を殺し尽くし、『大戦乱』によって生じるエネルギーを回収するとともに、遺骸に卵を産み付けてトループス級蟲将の大軍勢を築くこと……」
 それは隣接ディヴィジョンによる侵略とディアボロスの攻勢に対抗するための窮余の一手。目論見が実現すれば、劉備は強大な武力を手中に収め、攻勢に打って出るに違いない。
「そうなれば、せっかくの好機が危機に変じてしまうやもしれぬの。そこでじゃ、わしらがやるべきことは唯一つ、劉備が大戦乱を引き起こす前に奪還戦を仕掛けることじゃ!」
 既に各陣営が動き出しており、劉備の軍勢だけでなく、周辺のディヴィジョンの戦力もあなどれない。奪還戦を少しでも有利にするためにパラドクストレインでそれぞれの陣営に赴き、今のうちに少しでも多くの戦力を削っておくことが求められる。
「……というわけでの、これから皆には、ディヴィジョンの境界付近に塹壕を掘って虎視眈々と機を伺っている『白軍司令コルチャーク』の軍勢を襲撃してもらいたいのじゃ」
 白軍司令コルチャークの軍勢は進軍してくる気配はないが、戦況によっては『漁夫の利』を狙ってくる可能性もゼロではない。後顧の憂いを断つためにも、この戦争で撃破しておきたい相手である。

「……そうは言うても、敵は大軍勢。しかも塹壕まで掘って迎撃準備は万全というわけじゃ。ある程度敵戦力を削ったら頃合いを見て撤退するのが得策じゃろう。今回はあくまでも前哨戦。ゆめゆめ無理はせぬように、命あっての物種じゃからの……」
 争奪戦の前に怪我をしたら元も子もない。浩然は最後に念を押すと、列車に乗り込む復讐者達を送り出すのだった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【熱波の支配者】
2
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【命中アップ】LV2 / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ロストエナジー】LV3

●マスターより

刈井留羽
 こんにちは。オープニングをご覧くださりありがとうございます。
 本作は【大乱戦群蟲三国志奪還戦】のファーストアタック(選択肢は集団戦1つのみ)シナリオ。『⑬白軍司令コルチャーク』の戦力を削り、争奪戦を有利に進めましょう。

 ●戦場
 大乱戦群蟲三国志の北東部、吸血ロマノフ王朝との国境近くに掘られた塹壕付近。周囲には見通しの良い荒野が広がっており、遮蔽物が少ないので空を飛ぶと狙い撃ちされそうです。

 ●選択肢
 ①大群のトループス級『血影殲兵』
 塹壕に潜み、機を伺っている大群のトループス級です。
 狙撃銃を装備し、銃撃を得意としています。敵を目視できればこちらもパラドクスで攻撃が可能なので、敵をうまくおびき出して戦うのがポイントです。

 補足は以上です。それでは皆様のプレイングを心よりお待ちしております!
8

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


括毘・漸
その暇な時間も終わりですよ。

荒野に身を伏せ周辺を見渡しながら観察しますか。
塹壕に引きこもっているとはそんな受け身じゃ取れるものも取れませんぞ。
引っ張り出すとしたら………デカい音でも出せば気がひかれるか。

そんじゃ、新宿島から持ち出した爆竹に火をつけて………塹壕とは関係ない方向にぶん投げる!

これで頭を出す間抜けはいるかな?


いれば、伏せた身体を起こし、塹壕目掛けて駆けだしつつ、サーベルを引き抜きます。
引き抜く際に鞘と刀身を擦り合わせ、刀身に熱を帯びさせる。

漁夫の利狙いとか、湿気たことやってるんじゃねぇ!

熱を帯びた刃を振り下ろし、敵を灼き斬る。

刃の熱が収まれば撤収です。この続きは本番でです。


一角・實生
迎撃準備が整った戦域に攻め入るのは勇気が要るな
しかしここで数を減らせば減らした分、後に有利に事が運ぶのなら……やらない選択肢はないね

迂闊に進めば格好の的になる
奴らの思考は分かる、得物が同じだから
グラナトゥムのスコープを通し観察
得た情報と己の戦闘知識で敵が潜んでいそうな場所を割り出そう
仲間とパラドクス通信で情報を共有しながら慎重に進む

敵の潜む塹壕の直ぐそばを狙撃
見つかったと思わせ外へ誘き出したい
そこへパラドクスを発動し敵周囲諸共攻撃するよ

魔弾は致命傷となる部位をグラナトゥムで隠し受ける
手負いの相手がいれば周囲の者も浮足立つだろう
仲間が攻撃しやすくなるはず

目的は殲滅ではない
頃合いを見て撤退を促そう


レイラ・イグラーナ
……ひとまずは、まともに戦争をするつもりはあるようですね。
絵図を描いたのはあのラスプーチン。
本当に戦力の拡充や私たちの偵察が目的とだけは思いませんが……今やれることは、これだけです。

他の復讐者と連携し、散開してじわじわと前進します。
接敵したらこちらも物陰に身を隠し、敵の出方を伺います。あちらは狙撃手、膠着状態になるでしょうが……こちらには【パラドクス通信】がございます。己が引き付けている敵の位置を他の復讐者に知らせることで、その方が敵に先んじて攻撃ができるように。

その方の攻撃で敵に隙ができたなら私も飛び出し【既製奉仕・雷】を。

塹壕を一層進んだら頃合い。無理をせず撤退しましょう。


「迂闊に進めば格好の的になる。皆、慎重に進もう……」
 セミオート式狙撃銃『グラナトゥム』のスコープで敵陣を観察し、塹壕の位置に目星をつけた一角・實生(深い潭・g00995)は周囲の同僚達に向け、注意を促す。
「あちらは地の利を得ているから簡単に塹壕から出てきそうにありませんね……ではこのまま散開して少しずつ前進し、敵の出方を伺いましょう」
 レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は慎重に進むことを同意する。
「いずれにせよ、あの塹壕からどうにかして引っ張り出さないと攻撃どころではないでしょうね」
 括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は問題提起し、三人は協力して塹壕の敵に揺さぶりをかけることを決める。
 そして、實生、レイラ、漸の三人は散開し、それぞれ別方向から標的に定めた塹壕へと前進していく。

「……このあたりが接近できる限界でしょうね」
 漸は立ち止まり、枯れ草が生えた地面に伏せる。幸い、塹壕にいる血影殲兵はこちらに気づいていない。だが、このまま待っていても膠着状態になるのは明らかだった。
「ここはダメ元でやってみましょうか……」
 漸はふと思いつき、懐から爆竹を取り出すと、素早く着火。塹壕とは関係のない方向へとぶん投げる。直後、あさっての方向から破裂音が鳴り響き、塹壕の中で動揺が走る。
「な、なんだ、今の音は!?」
 さらに、追い打ちをかけるように實生がグラナトゥムのトリガーを引き、銃弾がばらまかれる。
 けたたましく響き渡る銃声。銃弾は塹壕を縁取る土嚢に次々に直撃し、土埃が巻き上がる。
「おのれっ、ディアボロスめ、応戦するぞ!!」
 今までのフラストレーションを発散させるかのように血影殲兵が塹壕から次々に飛び出し、狙撃銃を構える。その刹那、機を伺っていた漸の目が見開かれる。
(「見えた!!」)
 漸は体を起こすとサーベルを抜き放ち、両脚を踏みしめる。
 グンと膝を曲げて溜めた力を一気に開放。そのまま刃を地面にこすりつけながら、地面を這うように疾駆し、摩擦熱で赤熱した刃を横薙ぎに振るい――。
「ギャッ!!」
 断末魔とともに首を灼き切られた血影殲兵の頭部が転がり落ちる。
 だが、派手な攻撃は敵に居場所を教えるようなものだ。
「撃て!!」
 指示の声とともに、一斉に血影殲兵達の照準が漸に合わせられる。
 だが、彼らが引き金を引くことはなかった。その前に一人のディアボロスが動いたからである。
「機が熟したようですね」
 漸に敵の意識が集中した瞬間を見計らい、潜伏場所から飛び出したレイラはパラドクスを発動。浮足立つ血影殲兵の群れに向けて雷の魔力を宿した針が投じられ、黄金の光を発しながら、レザービームの如く虚空を切り裂き飛んでいく。
 腕、肩、太腿。どこに命中しようとも同じことだ。針が突き刺さった瞬間、高電流が流れ込み、瞬時に全身の筋肉を痙攣させ、意識を喪失した血影殲兵がバタバタと倒れゆくも、当然、針の出処であるレイラに敵の注目が集まってしまう。
「アイツだ!!」
 即座に狙撃銃をぶっ放そうとする血影殲兵達。だが、彼らの命運は既に尽きていた。
「そうはさせない!」
 實生を包み込む紺青色の光。それは周囲に漂う残留思念や異形達から貰い受けた感情の残滓を呪詛の力で増幅し、具象化したものだ。そして、彼の視線が数体の標的を捉えた刹那、放たれたのは雷槌の如き軌跡描く光の刃。それは狙撃銃を構えた血影殲兵の体に突き刺さり、電撃の如き衝撃で気絶へと追いやった。ところが……。
「死ねぇ!」
 パラドクスを放った直後、わずかに生じた隙を突いて實生を狙う一つの銃口。
「くっ!」
 殺意を込めて放たれた魔弾に対し、實生は咄嗟にグラナトゥムを正面に掲げる。
 弾丸の軌道を逸しなんとか急所への命中を防ぐも、弾丸は脇腹を貫通。鮮血が迸る。
「当たったぞ! みんな、あの男を狙え!!」
 手負いの相手を見て塹壕の血影殲兵達はにわかに活気づき、我先にと銃口を向ける。その時。
 ――一角様の背後に狙撃手、フォローお願いします。
 【パラドクス通信】の通信機を通じてレイラの声が響き、即座に要請に応じた漸が踵を返し、赤熱の刃を振るい、前列の一体を薙ぎ払う。
 さらにレイラ自身も雷を宿した針を放って追撃を放とうとする後続の血影殲兵達を仕留める。
 通信機で意思疎通し危機を脱した三人はその後も連携して戦い、やがて周囲に敵はいなくなっていた。
 だが、騒ぎを聞きつけた他の塹壕のトループス級達がざわめいていた。救援が集まってくるのは時間の問題だろう。こちらの消耗も小さくはない。
「さて、皆、このくらいにしとこうか?」
「そうですね。無理はせずに撤退しましょう」
「まぁ、刃の熱も収まってきたことだし、続きは本番で、ということで……」
 今回の目的は殲滅ではない。争奪戦の前にこれ以上の消耗は避けたほうがいいだろう。意見が一致し、三人は撤退するのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV2が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV2が発生!

伊佐沼・チカ
ほぁ……おめぇらが「ばんぱいやのうぶる」って輩、なのです?
雪国から遠路はるばる、ご苦労様なところ、悪ぃのですが
いくさで皆ぁ苦しめるんなら、ここでとっちめちまいます!

≪天魔大筒『稲妻』≫をば担いで、プラズマ弾を塹壕めがけ、ばんばん撃ちます
反撃をさせねぇため、敵には当てねぇのです
ただ、立てこもってるとこの、塁とか屋根とか、ブチ崩して……
中にいられねぇようには、してやります1

敵さん見つけたら『神憑・灼熔土海』を使うのです
足元ん土、ドロドロに煮立たせて、そのまま焼き尽してやるのです
寒ぃところの生まれじゃあ、こんな熱は知らねぇだろ!

反撃の鉄砲玉ぁ、≪天魔障壁『羽衣』≫を盾にして、急所への着弾を防ぐのです


エルマー・クライネルト
敵は随分と退屈しているようだな、ならば望み通り出向いてやる
出張費は貴様らの命で支払ってもらおう

味方と連携し戦況を確認、連携を行いながら攻めるとしよう

手近な塹壕へ操り人形を差し向けてパラドクスを発動し暗器を解放
狭い場所で逃げ場もないだろう、いい的だ
暗器が命中した敵の恐怖を引き出して敵陣の士気と連携を掻き乱す

反撃の魔弾には遮蔽物や敵が放棄した塹壕へ隠れるなど地形の利用を行い回避と防御を行う

数を減らすことに専念し、ある程度の戦力を削げたことと此方の継戦限界を見極めて撤退を行う

貴様等の飯事に付き合うのは慣れている
ラスプーチンが何を考えているのかなど知らんが、その策略ごと何度でも打ちのめしてくれる


「ほぁ……おめぇらが『ばんぱいやのうぶる』って輩、なのです? いくさで皆ぁ苦しめるんなら、ここでとっちめちまいます!」
 戦場に立つ伊佐沼・チカ(土興しの鎚・g08514)が肩に担いているのは天魔大筒『稲妻』。視線の先には、彼女が目星をつけた塹壕の手前の地面があった。標的を定めたチカは両脚で地面を踏みしめると、大筒のトリガーを引く。直後、射出されたプラズマ砲弾が地を穿ち、塹壕の縁に積まれた土嚢を吹き飛ばし、飛び散った土壌が周囲に飛散。土煙がモウモウと舞い上がり、塹壕内の血影殲兵の危機意識を煽る。
「迎え撃つぞ!!」
 一人がそう叫び、それを合図に血影殲兵達は塹壕から一斉に顔を出した、その刹那。
「うぉっ!!」
 背後からの殺意に気づいて声をあげた血影殲兵の視線の先には、派手な砲撃で敵勢の注意が逸れた一瞬の隙を突いてエルマー・クライネルト(価値の残滓・g00074)が放った操り人形があった。
 それはパラドクスの力を宿した物言わぬ傀儡。その視線は殺意を宿し、エルマーの長い指が旋律を奏で、十指に接続された不可視の糸が舞い踊り、その直後、傀儡に内蔵された無数の針が発射される。
 虚を突かれた血影殲兵達は防御する余裕もなく、無防備な状態で針に直撃。体に深々と突き刺さった。だが、針は尽く急所を外れていた。
「そんな玩具など効かん!!」
 ダメージは軽微だと嘲笑を浮かべ、狙撃銃を構える血影殲兵達。だが、次の瞬間、彼らの体に刺さった『呪いの針』から呪詛がドバッと噴き出す。
「「「ぐぁあああああ!!」」」
「貴様らを安安と楽にしてやるつもりはない……」
 呪詛に呑み込まれた血影殲兵の苦悶の声が響く中、エルマーは冷ややかに言い放つ。
 そう、針は恐怖心を呪詛に変換する術式を発動させるための楔。呪詛によって急激に生命力を奪われた血影殲兵達は脱力し、崩れ落ちる。
 とはいえ、塹壕内にはまだ多くの敵が残っていた。それでも、あっけなく倒された仲間を見た彼らの一部は態勢を立て直そうと塹壕の外へと慌てて飛び出すと、操り人形の術士に狙いを定め……。
「いない!?」
 既にエルマーは身を伏せ、敵の死角に隠れていた。そのことに動揺し、動きが止まる血影殲兵達。その瞬間を待ち構えていたチカは『野の神』に念じ……。
「これでぜんぶ焼き尽くしてやるのです!!」
 快活な声とともに発動させた『神懸・灼熔土海』を外に血影殲兵の群れの中央に向かって放った。
 大地を焦がす野の神の怒り。標的の足元が灼熱の大地と化し、マグマの如く融解した地面が二体の血影殲兵を呑み込んでいく。中央に大穴が空き、巻き添えを避けようと散開する血影殲兵の一団。そこに襲いかかるのは、エルマーの操り人形。
「背後がガラ空きだ……」
 静かな殺意を宿した傀儡は暗器の刃を放ち、呪詛の力で生命力を強奪する。
 仲間が作った隙を上手く利用した即興の連携が見事に決まるも、やはり多勢に無勢の状況を覆すことはできなかった。 
 直後に態勢を立て直した血影殲兵が魔弾を発射。チカは咄嗟に天魔障壁『羽衣』を展開して防御、エルマーは近くに積まれた土嚢の陰に飛び込むも、急所を外すのがやっとだった。
「そろそろ、継戦限界のようだな……ここで撤退することにしよう」
「ちぃと名残り惜しいけんど、仕方ねぇのです……」
 冷静に引き際を見極めて撤退を促すエルマー。チカは少し悔しげに了承し、二人は一定の戦果を上げ、撤退するのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【熱波の支配者】がLV2になった!
【温熱適応】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV2が発生!

毒島・仁郎
成程、塹壕に潜って戦闘準備は万端、というわけですか。
そして、我々はそこでのんびりしてる所をドカンとやる、と。
さて、始めましょうか、アヤコさん。

塹壕の位置のアテはついているとはいえ、できる限り正確に把握しておきたい。少し着弾位置がズレたら砲撃の効果も半減ですからね。
……となれば、一度撃たせるのがよいでしょうか。
さすがに数を撃たせると厄介ですから、最初の一発から「戦闘知識」でアタリをつけて……後は【ハイパーカノン】をドカンドカンとやって塹壕ごと崩してしまいましょう。

10発くらいドカンとやれば十分でしょうか。
頃合いを見てスタコラサッサと撤退しましょう。


ヴァイス・ヴィンターフェイ
連携・アドリブ歓迎

どうやら吸血ロマノフ王朝の皆さまは穴の中で暇を持て余されているご様子。
ふふふ、それではほんの束の間ではありますが、皆さまのご期待にお応えさせて頂きますね?

塹壕を<偵察>するように小鳥型ロボットを飛ばします。
勿論狙いは偵察などではありませんのであくまでも「偵察するように」・・・
敵の偵察機を、そして斥候(僕)を狙撃するため塹壕の外へと顔を覗かせたくなるように、です。

上手くおびき出されて下さいましたら最後の仕上げ。
装甲ガトリングガン「Schneeball」で液体窒素弾の<弾幕>をお見舞いして差し上げましょう。
ああ、≪フリージングミサイル≫も織り交ぜておきますのでどうぞご堪能下さい。


「成程、塹壕に潜って戦闘準備は万端、というわけですか……」
 毒島・仁郎(ドクター・ボックスヘッド・g07347)は傍らに立つ半自律型AI搭載のメイド人形『アヤコさん』とともに戦場を観察し、荒野に点在する塹壕の位置の目星をつけていた。
 確実にかつ出来るだけ多く敵を倒す。そのためには塹壕の位置はもちろんのこと、塹壕内部の敵の位置や数を可能な限り把握しておくことが望ましいだろう。
「……ですが、ここからでは中にどの程度の兵がいるかは把握できませんね」
 こちらから動かなければ埒が明かない。とはいえ、不用意に飛び出せばアヤコさんともども、集中砲火を浴びてしまうに違いない。仁郎がしばし思案していると……。
「ではそのお役目、僕がお引き受けしましょう」
 ヴァイス・ヴィンターフェイ(サイボーグのガジェッティア・g04068)は前方の塹壕を見据えながら申し出る。
 しばしの相談。そして話がまとまると、ヴァイスは小鳥型ロボット『Vögelchen der Freiheit』を空へと放つ。これはあくまでも『偵察』。そう見えるようにふよふよと塹壕の上を目立つように飛び回らせる。すると、血影殲兵の視線が小鳥型ロボットを捉える。
「偵察してるのか……撃ち落とすぞ!」
 姿を隠して標的を狙うスナイパーにとって偵察機は自らの優位性を脅かす存在である。当然、放っておくという選択肢はなかった。
 血影殲兵達は即座に顔を出して小鳥型ロボットに照準を合わせ、発砲。魔弾の直撃を受けてあっさりと撃墜されるも、ヴァイスは即座に左腕に装着した装甲ガトリングガン『Schneeball』に液体窒素弾を装填。トリガーを引くとともにシリンダーが高速回転し、塹壕に向けてばらまかれた弾丸が炸裂。液体窒素による猛烈な冷気が吹き荒れる。
「こんなもの、俺らには効かねぇぞ!!」
 通常攻撃ではクロノヴェーダにダメージは与えられない。だが、これは敵の注意を引き、次の攻撃を放つための『布石』だった。
 ヴァイスは即座にパラドクスを発動すると、ガトリングガンに装着した『凍結弾精製装置』が起動。冷気を封じたミサイルが発射され、躱しそこねた3体の血影殲兵に直撃。猛烈な冷気がその体を凍結させるも、威力は十分とはいえなかった。
「クソッ、アイツか!!」
 ミサイルの軌道から位置を割り出した血影殲兵達はヴァイスに狙撃銃の銃口を向ける。
 だが、トリガーが引かれる前に、仁郎が動いた。
「お待たせしました!!」
 そう、仁郎はヴァイスが敵の注意を引いている間に塹壕内の敵の位置を把握し、『アヤコさん専用お掃除フォート』を携えたアヤコさんとともに移動していたのである。
「アヤコさん、ドカンとやっちゃいましょう!」
 仁郎の要請に応じ、アヤコはコクリとうなずくと、お掃除フォートのリミッターを解除。直後、巨大なカノン砲の砲口から強力無比な光弾が発射され、急所を穿たれた者たちは一発で絶命し、倒れ伏した。
「ぐぁっ!! 今度は何だ!?」
 突然倒れた仲間を見て、血影殲兵が声を上げる。
 冷気の砲弾によって塹壕内の陣を崩されたタイミングで放たれたハイパーカノン。完全に虚を突かれた血影殲兵達は反撃の余裕もなく、ヴァイスがフリージングミサイルを続けざまに放ち、敵陣を乱す。さらにその隙を見逃さず、アヤコは再びハイパーカノンを放った。
 挟撃の如く放たれるフリージングミサイルとハイパーカノン。二人の連携が上手く決まり、塹壕の中の兵を着実に減らしていく。
 だが、派手な砲撃は敵を引き寄せるものだ。数で勝る血影殲兵の軍勢が二人を排除すべく、大波の如く押し寄せてくる。
「このくらいやれば十分でしょうか。私達もスタコラサッサと撤退しましょう」
 そろそろ頃合い。仁郎の提案にヴァイスも了承し、二人は撤退するのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2023年04月14日