リプレイ
神山・光
は、海戦だかなんだか知らないけど、撃ち合いがご所望だって言うならあたしの土俵だよ
その謎魚雷ごと、あんたの体を穴だらけにしてあげるよ
八連装飛翔魚雷は弾幕と制圧射撃で片っ端から銃弾を叩き込んで相殺し、早業でマガジンを替えつつ、連射、蓮撃で相手に反撃の隙を与えることなく銃弾を撃ち込み、蜂の巣にする
「あたしに出会った不幸を呪いな。さぁ、どこを撃ち抜かれたい?五秒以内に答えればリクエストに答えてあげるよ」
●開戦を告げしは銃声
艦船型クロノヴェーダ『冥海機』。復讐者が到着した時、彼女らは情報収集の為か撃破した蟲将を観察している最中だった。そんな光景を目の当たりにし、神山・光(銃神・g00638)は不敵な笑みを浮かべながら二挺拳銃へと弾倉を叩き込んでゆく。
「は、海戦だかなんだか知らないけど、撃ち合いがご所望だって言うならあたしの土俵だよ。謎魚雷ごと、あんたらの体を穴だらけにしてあげるよ」
幸いにも相手は沿岸部の制圧を優先している為か、陸に上がっている個体が多い。地上で活動可能とは言え、海中で戦うよりも有利に立ち回れるだろう。光は手近な個体へ目星を付けると、躊躇なくベレッタM92のトリガーを引いた。
「見た目通り蛸みたいに柔いのか、それとも船らしく硬いのか。ま、どっちだろうと構いやしないさ!」
立て続けに放たれた銃弾は狙い違わず冥海機へと吸い込まれてゆく。そこらの木端蟲将であれば即座に絶命せしめる威力である。だが、しかし。
――!
痛打は与えた。しかし、初撃はそこまで。攻撃を受けたトループス級はぐるりと首を巡らせるや、一瞬の躊躇もなく魚雷を応射して来る。八連式のそれはまるでミサイルの如く、復讐者を食い散らかさんと迫りゆく。
「成る程、こりゃ確かに蟲将とじゃ地力が違うみたいだ。だけど、ディアボロスも同じだと思われるのは心外だよ!」
手数重視の紅眼と威力重視の蒼眼。光は二挺拳銃の乱れ撃ちによる弾幕で魚雷の迎撃を試みる。刹那、空中で炸裂したそれらによって濛々と爆煙が立ち込めてゆく。己が戦果を確かめる様に、瞳を細める冥海機だったが……。
「悪くなかったが、まだ足りないね。さぁ、あたしに出会った不幸を呪いな。どこを撃ち抜かれたい? 五秒以内に答えればリクエストに答えてあげるよ」
――!?
次の瞬間、飛び出して来た光は一気に距離を詰めるや、ゴリと敵へ銃口を突き付けた。彼女とて無傷ではない、全身のあちこちが焼け爛れている。だが、その程度で歴戦の復讐者を止められる筈もなく。
「おや残念、時間切れだ」
無数の弾丸を浴びせられ、潜水艦は敢え無く沈められるのであった。
成功🔵🔵🔴
効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
湯上・雪華
絡み、アドリブ等完全受け入れ
大怪我描写大歓迎
水陸空とどこでも戦えるなんてロマン溢れますね……いや、面倒なだけですが
情報を持っていかれると厄介だし、数を減らさないと、ですね
渇望抱く伽藍、参ります
相手にとって水中がやりやすいでしょうし、陸にあがってほしい、かなぁ
まぁ、見つけた所で飛翔からの一撃離脱しつつ削りましょう
浮遊してきたらこっちのもんです
痛みは伽藍にくべて暴れてやりますよ!
大事な前哨戦、強気で行かないと、です
程々の所で撤退しましょう
逃げ場がなくなるほど深追いはしませんよ
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
此がエゼキエルの境界線で目撃されてる艦船型クロノヴェーダなんだね。
まぁ良いや、いずれ本格的に戦うにしても今ではないから。
其れにしても海戦は難題だね、イロハは近付いてからぶん殴るのが基本だし。あはは、魚雷が山ほど追いかけて来るから泣きたくなるよ。
しかも追い込まれちゃったみたいだよ……キミ達がね。気付かなかった?イロハを追い回してたから此の辺りはもう浅瀬なんだよ。
さて苦し紛れの砲火をバックコーラスに素早く詠唱したら敵陣に踏み込もうかな。
イロハの間合いに持ち込めたら【ロンバルディアの聖王冠】で彼等を順に浄化していこう。
親玉が顔見せしたら出来るだけ戦法を確認したくはあるけど
●天より見下ろし、海原へ誘いて
――――!
――――。
復讐者による奇襲攻撃に対し、冥海機たちの反応は迅速だった。彼らは素早く敵の存在を共有するや、躊躇なく海中へと後退してゆく。だが勿論、単に逃げた訳ではない。己が有利な戦場で迎え撃たんとしているのだ。
そんなトループス級の動きを目の当たりにしたイロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)は思わず眉を顰めてゆく。
「此がエゼキエルの境界線で目撃されてる艦船型クロノヴェーダなんだね。話によれば陸上でも問題なく動けるらしいけど、やはり海を選ぶと……まぁ良いや、いずれ本格的に戦うにしても今ではないから」
「水陸空とどこでも戦えるなんてロマン溢れますね……いや、やっぱり面倒なだけですが。情報を持っていかれると厄介だし、数を減らさないと、ですね。とは言え相手にとっては水中の方がやりやすいでしょうし、陸にあがってほしい、かなぁ」
仲間の言葉に相槌を打ちながら、湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)もまた苦笑しつつ嘆息する。当然だが、陸と海では大きく勝手が異なるもの。水中深く潜られてしまっては相手の動きを把握するのも一苦労だ。
「確かに海戦は難題だね、イロハは近付いてからぶん殴るのが基本だし。だけど、二人居るのなら何とかなるよ。一先ず、相手の上を抑えて貰っても良いかな?」
「ええ、お任せあれ。それでは……渇望抱く伽藍、参ります」
ともあれ、愚痴っていても敵が浮上してくれる訳でも無し。二人は手短に打ち合わせを済ませるとそれぞれ行動を開始してゆく。イロハは敵の潜む海中へと身を投じ、一方で雪華はふわりと宙へと飛び上がる。
瞬間、トループス級たちは餌の投じられた魚の如くわっと前者目掛けて殺到し始めた。自分たちの得意とする戦場にむざむざ相手から踏み込んで来てくれたのだ。早々に片づけてしまおうと言う魂胆か。シュコンという甲高い音が響くと同時に、幾条もの気泡がイロハへと殺到してゆく。
(あはは、魚雷が山ほど追いかけて来るから泣きたくなるよ。だけど、水くらいで動きが鈍る様な鍛え方をイロハもしていないからね!)
追従して来るそれらを回避することは至難の業だが、命中寸前に拳打蹴撃を叩き込む事で魚雷の迎撃を試みる。次々と至近距離で炸裂する衝撃に全身を揺さぶられるも、直撃だけは辛うじて避けながら水を掻き分け敵を惹き付けんとしていた。
「さてさて、まずは見つけた所で飛翔からの一撃離脱をしつつ削りましょう。これだけ暴れ回っているのなら居場所も見つけやすいですしね。浮遊してきたらこっちのもんです」
勿論、ただ逃げ回っている訳では無い。攻撃を誘発させる事により、浮かぶ泡の軌跡でトループス級の配置を炙り出しているのだ。潜水艦は隠密性が売りなのだ、居場所がバレたら脅威度は半減すると言って良い。上空から海原を俯瞰する雪華であれば、手に取る様に相手の動きを把握することが出来た。
「大事な前哨戦、強気で行かないと、です。痛みは伽藍にくべて暴れてやりますよ!」
敵の大まかな位置を掴むや、雪華は航空突撃兵の幻影を召喚。冥海機たちが移動する前に急降下からの対潜突撃を命じてゆく。幾つもの水飛沫が上がり手応えを感じる一方、彼は深追いせず飽くまでも牽制程度に留めていた。
(とは言え、強気と無謀はまた別物です。のめり込み過ぎて海中に引きずり込まれたら目も当てられませんからね。逃げ場がなくなるほど深追いはしませんよ。尤も……)
――それはそちらも同じですけどね?
そう胸中で独白する雪華。それを裏付けるかの様に、彼が向ける視線の先では戦況に変化が起こりつつあった。見れば、徐々にではあるがイロハの動ける範囲が狭まっているのだ。其れは即ち、敵に包囲され追い詰められつつある事を意味している。
このままでは沈められるのも時間の問題だろう。だが、彼女の表情に焦りの色は無い。寧ろ、くるりと振り返った相貌に浮かぶのは不敵な笑み。
「あーあ、すっかり追い込まれちゃったみたいだよ……キミ達がね。気付かなかった? イロハを追い回してたから、此の辺りはもう浅瀬なんだよ」
――!?
徐にざばりと立ち上がってみれば、そこはもう足の着く深さだ。これこそが復讐者の狙い。頭上を抑えて敢えて相手を海中に留まらせ、身動きの取り難い場所へと誘い込んだのである。
「聖なるかな。御慈しみが満ち足れる、神の栄光は比類なきものです。例え昏き海の底にも光は差し込むでしょう」
「追い込み漁ってきっとこんな感じなのでしょうね。文字通り、一網打尽です!」
咄嗟に放たれた魚雷を強引に突破しつつ、イロハは神言と共に祝福を纏わせた拳を打ち込む。それに合わせて上空で機を窺っていた雪華もまた、小型拳銃と妖刀を手に冥海機を仕留めに掛かってゆく。こうなればもう、相手に抵抗の余地は無い。
斯くして、釣り出されたトループス級は敢え無く撃破されてゆくのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
峰谷・恵
「インディアナポリス…原子爆弾を運んだ艦船の名前を使うか。まあ本番までは会わないほうが良いかな」
可能な限り連携を取る。アドリブOK。
陸上で作業している敵を狙う。
地形の起伏や遮蔽物で身を隠しながら敵へ接近。距離を詰めたらパラドクスで攻撃を仕掛ける。
敵の反撃は大きく跳び退いて回避、避けきれないものはLUSTオーラシールドで受け流し竜骸剣で弾く。
その後もパラドクスを連打して可能な限り陸上で敵を撃破しつつ、敵が水中に戻るルートを制限、水中で敵と戦う味方が待ち伏せしやすいようにする。
ある程度敵を倒すかHPが半分以上削られたら撤退する。
「艦船の名前まで使うとは、有名なら何でもありだね」
ラキア・ムーン
やはり後手に回るのは性に合わんな
探ろうとした相手に先に出てこられるとは…
此方も早々に相手の地元に殴り込みを掛けなければ、後れを取る…か
まずは顔合わせだ
全力で行かせて貰うぞ
《RE》Incarnation構えて戦闘態勢に
飛翔し戦場へ
【Call:Breaker_Lance】起動
穂先を拡張
一気に飛翔の最大速度まで上げる
強化された飛翔、使わせて貰う
そのまま『突撃』し『貫通撃』で敵を穿つ!
確実に1体ずつ倒していこう
敵の捕縛行為は、鎖に狙いを絞り拡張した穂先の『斬撃』で切り払い少しでもダメージを抑えよう
ダメージはもとより覚悟のうえ!
わざわざ貴様らを追って来たんだ
そちらの手の内、見せてもらうぞ
アドリブ等歓迎
●海魔を制すは猛き熱
――ッ!
先行した復讐者によって浅瀬へと誘い込まれ、打撃を被った冥海機たち。海に近い個体は急速潜行を試み、そうでないものは地上へと逃れてゆく。言葉を発さぬゆえ気質などはいまいち分かりにくいが、己が有利な戦場に固執しないと言う点を見ても練度は低くなさそうである。
「彼らを率いているのがインディアナポリス……史実において原子爆弾を運んだ艦船の名前を使うか。まあ、本番までは会わないほうが良いかな」
かつて極東の島国を焼いた忌むべき兵器の運び手にして、潜水艦によって撃沈せしめられた重巡洋艦。それが潜水型のトループス級を従えている事に奇妙さを覚えながらも、峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)は注意深く敵の動きを観察していた。
神奈川沖で交戦したとはいえ、敵に対する情報はまだそう多くは無い。故にこそ、まずは着実に頭数を減らすことに注力すべきだろう。彼女の言葉にラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)も頷き同意を示す。
「探ろうとした相手に先に出てこられるとは。業腹だが、やはり後手に回るのは性に合わんな。此方も早々に相手の地元へ殴り込みを掛けなければ後れを取る、か。ともあれ今後の事はさておき、まずは顔合わせだ。全力で行かせて貰うぞ」
恐らくは海洋を根拠地としているのだろうが、具体的な規模までは分かっていない。神奈川沖での接触以降、受け身に回ってしまっている現状にラキアは歯噛みしながらも、彼女は眼前の敵を討つべく黒鉄の突撃槍を構えてゆく。
「せめてこの場での戦いくらいは先手を取っておかねばな! 強化された飛翔の力、使わせて貰おう!」
彼女は地を蹴って一気に飛び上がるや、敵の頭上を取った。風と炎の二重螺旋が穂先で渦巻き、巨大な衝角を形成。熱気によって吹き上がる大気の流れで加速しながら、急降下突撃を敢行する。
――!?
風の唸りにハッと頭上を見上げた所でもう遅い。高度を速度へと転換した一撃によって、不運な個体が串刺しにされてゆく。これでは俎板の鯉ならぬ陸の潜水艦。強烈な衝撃によって、トループス級は木端微塵に弾け飛ぶ。
――。
――!
初撃は上々。しかし深追いはすべきでないと、高度を上げて離脱を試みるラキア。だがそうはさせじと、復讐者の身体へ無数の蛸足と鎖が巻き付き縛り上げてしまう。一体二体ならまだしも、それ以上の数となれば単騎で拘束を脱するのは難しい。
「ッ、見た目らしい手妻だな。だが、ダメージはもとより覚悟のうえ! わざわざ貴様らを追って来たんだ。そちらの手の内、存分に見せてもらうぞ」
ジリジリと地上へ向けて引き寄せられるラキア。しかしその表情に焦りの色は無く、寧ろ相手を見極めんとする不敵さすら浮かんでいた。其れは何も裏付けのない虚勢ではない。敵の視線が上空の仲間へ引き付けられたのを見計らい……。
「蛸みたいに戦うのなら、やっぱり同じように火とかも苦手なのかな?」
密かに距離を詰めて機を窺っていた恵が奇襲を仕掛けてゆく。生み出せしは太陽を思わせる紅蓮の炎輪。至近距離で発生した大熱量によって鎖の強度は落ち、蛸足は水気を失い収縮してしまう。
その隙にラキアは縛めから逃れ、急上昇し一旦離脱。一方、冥海機の視線は代わりに恵へと一気に集中する。トループス級たちは一度手足を海水に浸して冷却と水分補給を済ますや、返礼とばかりに触手を復讐者目掛けて伸ばしてゆく。
(やっぱり、本質的には海戦に適応した性能みたいだね。となると、このまま陸地に留まらせるように立ち回るべきかな)
肌身を掠めてゆくそれらに対し、彼女は直撃弾に絞って手の甲より展開した闘気の盾で凌ぎ防ぐ。炎の輪を展開する事である程度の威力を相殺しつつ、恵はそれとなく海辺側へと回って相手の退路を断つ様に立ち回る。
背後から奇襲を受けるリスクもあるが、敵を地上と海中で分断できるのは大きい。現に吹き荒ぶ熱波によって干からび、行動不能になる個体も出て来ていた。無論、単騎で完全な寸断は難しいが、そこは空からの支援がカバーしてくれる。
「水が恋しいか? 生憎、貴様らに与えられるのは焔だけだ!」
熱気から逃れ海中に戻ろうとする個体、或いは水中から陸地の仲間を援護しようとする者。それらに対してはラキアが炎槍による刺突で的確に排除してゆく。即席にしては悪くない連携だが、しかしてやはり敵の数が数だ。いつまでもこの状況を維持するのにも限界が来る。
「敵勢の圧力が強くなってきたな。そろそろ頃合いか?」
「うん、本番はこれからだし無理は禁物かな……それにしてもインディアナポリスに翔鶴か。艦船の名前まで使うとは、有名なら何でもありだね」
斯くして復讐者たちはある程度の戦果を挙げると、機を見て後退してゆくのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
クィト・メリトモナカアイス
んーんーんー。
本格完成はまだだけれどいたしかたなし。
モナアーマー、装着!
フライトデバイス、フロートユニット「モナアーマー」を装着して戦闘。
水上、あるいは上陸しようとするオクトリアを地上から狙って攻撃する防衛戦を行う。追い返せればそれでよし。
モナカ砲撃型を呼び出し、「砲撃のアビシニアン」。「凍結弾精製装置」および「燃焼弾生成装置」から冷気のミサイルと炎のミサイルを発射する。
んむ、実は。モナアーマーの武装は完成していない。着てみただけ。
他の復讐者と連携して後退しながら戦闘して、ある程度戦ったら帰る。
今は戦力を削るのが目的。深追いは禁物。
噛みつきは黄金猫拳打棒でガード。
メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎
艦船の名を持つ新たなクロノヴェーダの尖兵って……いや、これ以上はいけないわね。
横取りはいただけないからとっとと海に叩き返しときましょう。
水中戦限定じゃなさそうだからどこにいようと対処できる様、グレイシャル・アヴァランチャーで凍らせて粉砕する戦法で行く。
戦域に吹雪の雪崩を撃ち込んで戦場を分断しながらヒット&アウェイで攻撃。
反撃による其の蛸っぽい怪物の艤装?っぽいやつはイオスラッガーを突き立てて直接凍らせて対処するわ。
ある程度の漸減が成功したら吹雪で目晦まししつつ撤退よ。
エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
『神奈川の』ディビジョンとして交戦した報告書を読んだ時から海軍ディビジョンではないかと言われていたけど、海軍軍人ではなく艦艇型か……。
私も元は海軍航空隊の出だけに気にはなっていた所だけど、詮索は後ね。
まずは敵戦力漸減が先よ。
●行動
【飛翔】し海上へ。
アイテム『対潜哨戒ポッド』を起動し早期警戒。
捕捉すれば友軍と情報共有し、敵の予想進路上を塞ぐ様に布陣したい所ね。
【戦闘知識】と【空中戦】技能を活かし、対艦攻撃のセオリー通りシースキミングで接敵。
敵眼前でのポップアップで魚雷を振り切り、半ロールから背面飛行、逆落としに急降下爆撃でダイブアンドズーム。
『敵艦』へ爆撃槌を振り下ろす。
●空に翼、陸に砲、海に氷塊
敵を分断してからの漸減は大きな戦果を上げた。相手の数が数ゆえ完全に押し留める事は厳しいが、この一時だけは海側での戦闘に注力できるだろう。波間に見え隠れする黒影に対し、エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)は鋭い視線を向けてゆく。
「『神奈川の』ディヴィジョンとして交戦した報告書を読んだ時から、正体は海軍ディヴィジョンではないかと言われていたけど、軍人ではなく艦艇型か……一先ず、日本と米国軍は確定だけれど、それ以外の国も居るのかしら?」
現在判明しているジェネラル級の艦名はどちらも二次大戦中の日米で運用された艦船だ。となれば、そこから連想されるものはそう多くない。もし他に居るとすれば、英独仏露といった所か。
「名前的にパッと思い浮かぶのは太平洋戦争辺りだけれど、はてさて。にしても艦船の名を持つ新たなクロノヴェーダの尖兵って……いや、これ以上はいけないわね。横取りはいただけないからとっとと海に叩き返しときましょう」
「ええ。私も元は海軍航空隊の出だけに気にはなっていた所だけど、詮索は後ね。まずは敵戦力漸減が先よ。」
ともあれ詮索はそこまでだと、メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)は頭を振って思考を戦闘へと切り替える。今は目の前の敵を減らすことが最優先だ。その横で同じように、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)がどう立ち回るべきかと思考を巡らせていた。
「んーんーんー……うん、本格完成はまだだけれど致しかたなし。試製フライトデバイス及びフロートユニット『モナアーマー』、装着!」
何事かを決めた彼女が声を上げると、それに従い機械群が少女の背面と脚部へ装着されてゆく。それぞれ飛翔と水上滑走の補助機能を有したユニットである。海が主戦場となるこの状況ならばまさに打ってつけの装備だ。
一方、エリザベータもまた幾つか円筒形状の装置を取り出していた。その正体は対潜用の磁気探知機とソノブイである。相手は海の暗殺者、一にも二にもまずは居所を探らねば話にならない。
「一先ず、私が先行して早期警戒を行うわ。仮に集中砲火を浴びたとしても、位置を割り出しつつ囮の役目も果たせるでしょうから」
「問題ない、支援砲撃は我に任せろ」
そうして後方援護を仲間に任せつつ、航空兵は海原目掛けて飛翔してゆく。恐らく敵から彼女の姿は丸見えだろう。そんな一方的に捕捉される状況を打破すべく、エリザベータはソノブイを投下しつつ低空飛行でMADを曳航。磁気や音の変動によって相手の配置を探ってゆく。
(技術的な年代背景を横に置いても、対潜戦闘自体は二次大戦でも大きな課題だったはず……これで少しでも行き足が鈍ってくれると良いのだけれど)
群狼戦術による海上封鎖の例が示す通り、海洋における潜水艦の脅威は極めて大きい。だがそれと同じくらい潜水艦側も対潜兵器を警戒するものだ。果たして各種探査装置に反応があった瞬間、夥しい数のノイズが発生し始めた。それが魚雷の発射音だと気付くと同時に、それらが海面を突き破ってエリザベータへと殺到する。
「これだと魚雷と言うより寧ろVLSね……ッ!」
彼女は構えた航空機銃で直撃弾を撃ち落としつつ、爆発の衝撃や撒き散らされる灼熱を紙一重で避けて飛翔しゆく。跳ね飛んだ鉄片が肌身に食い込み鋭い痛みを齎すも、撃墜と比べれば遥かにマシだ。
「MADの係索断裂、ソノブイの撃沈を確認……でも、お陰で大まかな配置は割り出せたわ。移動される前に撃破を!」
「うむ、心得た」
「海全体を凍らすのは土台無理な話だけど、凡その位置さえ分かれば問題ないわね!」
航空兵の呼びかけに対し、待機していたクィトとメルキディアの反応は速かった。共有された情報を元に守護者は海岸線からの砲撃を狙い、閃機術士は臆することなく海原目掛けて踏み込んでゆく。
「『モナカ』砲撃型、展開。目標補足、ミサイル撃てー」
クィトの周囲に浮かぶは猫耳と尻尾の付いた黄金色の球体。それらはパカリと外装を開くや、内部より次々と誘導弾を発射し始める。それらに搭載されているのはただの火薬ではなく、浮遊ガジェットに内蔵された『凍結弾精製装置』および『燃焼弾生成装置』により冷気と灼熱が封じ込められていた。
灼熱と海水が反応して強烈な水蒸気が吹き上がり、また或いは着弾地点に氷塊が生まれ障害物と化す。一方、鳴り物入りで纏ったアーマーについては今のところ動く気配は無い。そんな疑問に答える様に、彼女は誰に聞かせるともなく独白を零す。
「……んむ、実は。モナアーマーの武装は完成していない。なにせ試製とついているのだし。だからこれは着てみただけ」
まだまだ改良の余地があるという事か。武装は無くとも防具として機能しているのならば全くの無駄という訳ではないだろう。次の瞬間、それを裏付けるような事態がクィトに発生する。砲撃の合間を縫って海岸線まで忍び寄った冥海機が一気に襲い掛かったのだ。
――!
「っと、潜水艦だけあって隠密はお得意という訳か」
相手は随伴させていた黒い球体を差し向けると、復讐者へ鋭い牙を突き立ててゆく。同じ丸いシルエットだが、クィトのそれとは美醜に天地の差がある。食らい付かれた箇所がミシリと音を立てて軋むが、幸い身に纏っていたアーマーによって致命傷だけは避けられていた。
彼女は痛みに顔を潜めながらも、内陸部方向へ向けて後退。相手を陸に引きずり上げるや、ミサイルの連打で沈黙させてゆく。
「あっちは問題なさそうね。なら、私も自分の役割を果たしましょうか!」
チラリと背後へ視線を向けて仲間の状態を確認しつつ、メルキディアは海原へと向き直る。水中適応の残留効果は未だ溜まっていない。である以上、わざわざ相手の有利な環境下で戦うのは自殺行為だ。なればと、閃機術士は一計を案じた。
「アイオンコード:サキエル、ラファエル、シャルギエル、トリプルドライブ! 春先とは言えまだまだ寒さは残っているもの。砕氷装備は持ってきているか? なければ絶氷の雪崩に飲み込まれろッ!!」
彼女は手にした光線剣に天使の名を冠した三種の術式を封入。水、風、雪の魔力を混合させ、刀身より強大な魔力の奔流を解き放つ。絶対零度の吹雪と化したそれが海水に触れた瞬間、一瞬にして凍結。射線上に居た個体ごと巨大な氷結晶を作り上げてゆく。
「これでこっちは足場が出来て、あちらは身動きが封じられる。機雷代わりという訳ではないけれど、こういうのは地味に嫌でしょう?」
敵の漸減を目的とした行動だが、それ以外にも狙いがあった。海水を凍結させる事で足場を生み出しつつ、それを海中における障害物とする事だ。攻撃すればするほどに復讐者の行動可能な範囲が広がり、逆にトループス級は身動きが阻害されるという訳である。
だが無論、敵とて指を咥えて見過ごしている訳では無い。冥海機は強靭な咬合力で氷を噛み砕くや、メルキディアに食らい付く。そのまま海中へ引きずり込もうと試みる、が。
「敵機直上、急降下……ってね?」
魚雷をポップアップで振り切り、身体を半回転。背面飛行からの急降下を敢行したエリザベータがすかさずカバーに入る。落下エネルギーを乗せた爆撃槌の一撃は敢え無く敵艦を轟沈せしめた。
「敵の後続を感知したわ。長居し過ぎると包囲されかねないわね」
「ふむ、となるとそろそろ潮時かしら?」
残った黒球に得物を突き立て凍らせながら、閃機術士は航空兵の言葉に従い踵を返して後退してゆく。相手も追撃を狙ってくるものの、そうはさせじと守護者による砲撃が放たれる。
「今は戦力を削るのが目的。深追いは禁物」
斯くして復讐者たちは目的を達すると、その場より離脱してゆくのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
一角・實生
三つ巴どころじゃなくなったね
言うなれば……いつどもえ、それとも群雄割拠?
敵は水陸両用、しかも大群
無理に攻め入るより迎え撃つ方が俺の場合は確実かな
遮蔽物に身を隠しながら敵の動向、仲間との連携に意識を割くよ
グラナトゥムを構える
制圧の為敵が陸に上がった時を狙いパラドクスを発動
海中への撤退も再上陸もさせるつもりはない
魚雷はグラナトゥムで撃ち落とそう
間に合わないものだけ直前まで引きつけてエアライドで回避
航空魚雷……ではないか。敵も色々考えるものだね
っと、感心している場合じゃないな
多数の敵の標的となっている仲間に援護の射撃を行いつつ
橋頭保の一部として使用されそうな建築物等があれば爆破
撤退の合図としたい
リゲル・ゼルテウス
アドリブ&連携可
海産物然とした特徴を持ちながら、爆発物らしきものを所持したクロノヴェーダですか
……実に奇妙な組み合わせですね?
しかし、取り回しの良さを優先したのか爆発物は剥き出し、と。実に好都合
陸上の敵機……機? を補足してから行動開始
刀剣と凧盾を加圧生成
同時にパラドクスにて炎を大量に生成&刃状に加圧。周囲に展開して準備完了
視界に広がる味方以外の物皆全て。加圧生成と並行して、それらに向け火焔刃を大量射出
悉くを燃やし、爆ぜさせ、焼き焦がし。平らに均します
上手く行けば魚雷も誘爆してくれるでしょうから、より被害が広がること間違いなしですね
広域殲滅こそ当機の本懐。立ち塞がる者全て、灰燼へと帰しましょう
●一射壊乱、炎塵殲滅
――。
――――。
局所的に見れば、復讐者側の優勢は間違いない。しかし、やはり戦いとは数だ。文字通り水際での漸減を続けてはいるものの、トループス級たちは次から次へと上陸を果たしている。海原から浮かび上がる軟体生物染みた群れを前に、一角・實生(深い潭・g00995)は思わず眉を顰めてゆく。
「三つ巴どころじゃなくなったね。言うなれば……いつどもえ、それとも群雄割拠? 大戦乱と言う点では、ある意味らしいといえばらしいけれども」
蟲将と復讐者のみならず吸血鬼に仏尊、軍艦や詳細不明の怪物までもが雪崩れ込んで来ているのだ。三国志どころか春秋戦国時代も斯くやといった有り様である。尤も、敵に同情するつもりなど毛頭無い。
「敵は水陸両用、しかも大群だ。無理に攻め入るより迎え撃つ方が俺の場合は確実かな」
「ふむふむ、海産物然とした特徴を持ちながら、爆発物らしきものを所持したクロノヴェーダですか……実に奇妙な組み合わせですね? しかし、取り回しの良さを優先したのか爆発物は剥き出し、と。であれば好都合」
わざわざ陸地に上がっているのだ、このまま内陸部へと誘引しつつ数を減らすのが定石か。そう考える青年の傍らには、同じタイミングで戦場へ移動して来たリゲル・ゼルテウス(「生体炎熱兵器」検証実験用素体・第六号・g08313)の姿もあった。
彼女の視線は冥海機が蛸足で保持している魚雷に注がれている。見た限り、トループス級のサイズは人間とそう大差ない。故に弾薬類を装填するスペースが無いのだろう。だが、可燃物を剥き出しにしていると言うのは大きすぎる弱点だ。
「そうだね……俺は先制射撃で上陸した瞬間を狙い撃とう。そうすれば多少なりとも動揺を引き出せるはずだ。海中への撤退も後続の再上陸もさせるつもりはないよ」
「で、陸に上がった敵を当機が殲滅すると。分かりました、その手で行きましょう」
そうして二人はお互いの動きを擦り合わせると、まずは實生が動く。彼は愛用の大型狙撃銃を構えると、スコープ越しに狙いを定めてゆく。相手の指揮系統は判然としていないが、それでも細かな動きから大まかな傾向を見出すことが出来る。
(狙撃手と言うのはただその存在を示すだけで抑止力になるけれど、同時に最優先で警戒される対象でもある。だからこそ、最初の一発を最大限に活用しなければ)
元が軍隊だけあって、敵軍はある程度の小部隊ごとに行動しているらしい。その集団ごとの区切り、つまりは一部隊が上陸し終わり、後続が浮上しようとした瞬間を見計らい、狙撃手は最後尾目掛けて引き金を引いた。
「……ここだね」
小刻みかつ僅かに銃身をずらし、一呼吸の間に複数の目標へと弾丸を叩き込む。相手からすれば銃声一つで幾体ものトループス級が斃れた様に映っただろう。危険を察知した後続は瞬時に急速潜行を行い、既に上陸してしまった集団は咄嗟に前へと飛び退く。
しかし、相手も単なる的ではない。狙撃地点を割り出すや即座に魚雷を放って反撃を行う。その追尾性能は高く、身を隠していた實生目掛けて殺到して来た。
「航空魚雷……ではないか。敵も色々考えるものだね。っと、感心している場合じゃないな」
撃ち落とすべく応射するも数が多い。直撃は辛うじて避けたものの、炸裂した爆薬によって濛々と土煙が立ち上る。トループス級たちはその間に体勢を立て直さんとする、が。
「『プロメテウス』へ初號封印解放維持を申請……以下、緊急時の為全申請を自己承認。『無名祭器』、出力0.00006%を確認。刀剣と凧盾を加圧生成、及び炎刃の展開を完了。戦闘を開始します」
大気が渦巻き、漂う靄を吹き散らしながらリゲルが飛び出してゆく。右手に焦熱の剣、左手に轟熱の盾、そして周囲に浮かぶは夥しい数の炎刃。圧倒的な熱量を従えた『火焔魔人』は臆することなく敵前へと躍り出る。
「広域殲滅こそ当機の本懐。立ち塞がる者全て、灰燼へと帰しましょう」
彼女は再編成の余裕なぞ与えるものかとばかりに炎刃を射出。降り注ぐそれらは命中の是非を問わず、着弾と同時に炸裂していった。時折、ひと際大きな爆発が生じるのは魚雷に引火している為か。
「悉くを燃やし、爆ぜさせ、焼き焦がし。平らに均す。上手く魚雷も誘爆してくれている様ですし、より被害が広がることは間違いなしですね……ッ!?」
相性は悪くない。そう判断した矢先、不意に爆煙を突き破って魚雷が眼前に現れた。咄嗟に凧盾を構えて防ぐが、至近距離での起爆に吹き飛ばされてしまう。周囲の敵は殲滅し終えたはずだとそちらを見ると、何ともう後続が上陸を再開し始めていたのだ。
相手の主目的は沿岸地域の制圧を兼ねた威力偵察の筈だが、その総数は一個人が相手取るにはやはり多過ぎる。
「ふむ、やろうと思えばもう少し無理は出来ますが……」
「いや、深追いは厳禁だ。戦場では多少臆病なくらいが丁度良い」
迷うリゲルを援護しつつ、撤退を促す實生。斯くして本番前に無理は出来ぬと、復讐者たちは内陸方面へと退いてゆくのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
【熱波の支配者】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
西堂・千衛蔵
流石中国、でかいディヴィジョンだけに方々から狙われているようだな
どいつもこいつも熱心なことだ
勿論、こっちだって横から掠め取られるのをただ見ているつもりもない
港だろうが情報だろうが、ビタ一文渡すものかよ
「行くぞ、赤煙!」
【飛翔】で進軍と撤退の速度を上げて、一撃離脱を繰り返して敵戦力を削っていく
袋叩きにされないよう、馬に騎乗したより若干高い程度に高度を抑えるぜ
敵が力任せに挑んでくるなら受けて立つ!
こっちは自分の力と赤煙の力、二人分だ
グラップル技能でタコ足を掴んで、逆に引き千切ってやろう
「情報収集が足りなかったようだな」
ザイン・ズワールド
いつの世も、美味しいところだけをつまみ食いしようとする野蛮者は居るものだが……そうか、海か。
『大地が切り取られている』と俺は勝手に思い込んでいたけれど、実際は違うのかもしれない。
いや、どこかでかつて繋がっていた陸地は海の底ごとなかったなんて聞いたかもしれない。
すなわち海だけが切り離されているやもしれないということか。
どこかで調査が必要かもしれないな。
さて、まずは眼前のお前たちだ。
要は魚なのだろう。
丁度いい。魚の捌き方について教えてもらったところでね、きっとうまく捌いてみせるよ。
あとはかつて、今までの戦いでは乱入者もあったことがあるらしい。
一撃くらいくれてやりたいが、無理せず撤退をするよ。
●波濤に挑む者よ
「……もう随分な数を蹴散らしている筈なんだが、衰えるどころか更に数が増えていないか? 流石中国、でかいディヴィジョンだけに方々から狙われているようだな。全く、どいつもこいつも熱心なことだ」
復讐者が交戦を開始してから、既に短くない時間が経過している。荒れ果てた砂浜に散らばる残骸を見れば戦いの激しさが分かると言うものだが、肝心のトループス級は未だ次から次へと上陸し続けていた。
じきに対処し切れる限界数を超えるだろう。漸減に割ける時間がそう多くないと悟り、西堂・千衛蔵(竜燈鬼・g01901)は気合を入れ直してゆく。
「勿論、こっちだって横から掠め取られるのをただ見ているつもりもない。港だろうが情報だろうが、ビタ一文渡すものかよ。本番前に出来る限り数を減らしてやるぞ」
「ああ、そうとも。いつの世も、美味しいところだけをつまみ食いしようとする野蛮者は居るものだが……そうか、海か」
その横では仲間の言葉に頷きながら、ザイン・ズワールド(剣・g09272)は黒い影に埋め尽くされた海を見つめていた。其れの見ている物は眼前の敵ではない。背後に広がる海と言う領域そのもの。
(『大地が切り取られている』と俺は勝手に思い込んでいたけれど、実際は違うのかもしれない。いや、どこかでかつて繋がっていた陸地は海の底ごとなかったなんて聞いたかもしれない……すなわち、海だけが切り離されているやもしれないということか。どこかで調査が必要かもしれないな)
これまで邂逅した改竄世界史はどれも陸地の存在が前提だった。だが、冥海機たちの在り様は海に根差したものであり、どこか異質だ。相手は威力偵察のつもりなのだろうが、ある意味でそれは復讐者たちも同じであると言えるだろう。
「……さて。ともあれ、まずは眼前のお前たちだ。要は魚なのだろう? 丁度いい。魚の捌き方について教えてもらったところでね、きっとうまく捌いてみせるよ」
「偵察と言うなら、お望み通り教えてやろう。復讐者の恐ろしさと言うものをな! 行くぞ、赤煙!」
時間は有限、故にここからは剣矛を以て確かめる時間である。刃を抜き盾を構える剣の傍らでは、鬼人が鍛え上げた四肢へ力を籠めてゆく。そうして、まず先に動いたのは千衛蔵だった。
首元に巻き付いていた小竜は呼び掛けに応えて一声鳴くや、するりと宙へ身を躍らせる。瞬間、その体躯は丸太ほどの大きさにまで巨大化。背に友を乗せて敵陣目掛けて臆することなく挑み掛かってゆく。
「滾れ、滾れ、強壮なる竜の血よ! 今一度その背に空を斬る力を! さぁ、こっちは自分の力と赤煙の力、二人分だ!」
牙を突き立て、剛拳を叩き込み、尾で打ちのめす。一見すると勢いに任せて敵陣を蹂躙している様にも見えるが、決して考えなしの行動ではない。集中砲火を浴びぬように高度を抑えつつ、機動力を活かした一撃離脱に徹していた。とは言え、敵の数が数である。幾ら気を付けていても無傷という訳にはいかないもの。
「ッ、まぁ動き回る相手には当然そう来るか……!」
ガクンという急制動を感じ、しまったと思った時にはもう無数の鎖と蛸足が鬼人と竜の身体を雁字搦めに拘束してしまう。一、二本ならば腕力に任せて引き千切れるだろうが、十重二十重と重ねられればどうにもならなかった。
そのまま四方八方から引っ張られたら、五体は瞬く間に千切れ飛ぶだろう。実際、トループス級たちもそれを狙って力を籠めるが、しかし。
「……ふむ。見た目こそ悪いが、やはり蛸のそれと同じようだ。ならば、先ずは血抜きがてらにぶつ切りにでもしてみよう」
両者の間に金の旋風が吹き荒ぶ。瞬間、ばらりと拘束具が断ち切られ、どす黒い液体を傷口から噴出させてゆく。それを為したザインは飛び散ったそれらを一嗅ぎし、思わず顔を顰めた。
「これはまた、なんとも油臭いな。血ではなく重油でも流れているのか? 火を通しても良いかとも思ったが、止めておいた方が良さそうだ」
海産物じみた見た目とあって摘まんでみるのも一興だと考えていたようだが、どうやら食欲をそそるものでは無かったらしい。そんな目論見こそ外れてしまったが、仲間の解放自体には成功する。
――!
しかし手足がもがれたならばと、トループス級たちは代わりに魚雷を発射。離脱される前に仕留めんと狙ってきた。剣で斬ろうと拳で叩き落そうと、至近距離で誘爆は免れないだろう。
「無手なら手も足も出せないとでも? 情報収集が足りなかったようだな!」
だが、咄嗟の機転ならば復讐者の側の方が一枚上手である。千衛蔵は手近な個体を引っ掴むや、ハンマー投げの要領で力任せに振り回す。迫り来る可燃物を叩き落して誘爆させると、そのまま包囲される前に離脱してゆく。
(かつて、今までの戦いでは乱入者もあったらしいが……今回は縁が無かったか。一撃くらいくれてやりたいが、無理せず撤退するとしよう)
チラと背後を見ても、視界に映るのは全て同じ姿のみ。ザインは少しばかり後ろ髪を引かれつつも、本番はこの後に待っているのだと思い直しながら仲間と共に戦場を後にするのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】がLV5になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV2になった!