リプレイ
光道・翔一
アドリブ、連携歓迎
…まぁ、この危機的状況で傍観に徹するなんざ、する訳ないだろうよ。
……かと言って此方も無抵抗でハイお通り下さいする気はさらさら無いがな。
…諸々の理由でここは行き止まりだ。大人しく倒れてくれ。
魔法杖と魔術書を手に敵に相対
幻術兵による攻撃には、挙動を『看破』しての『ダッシュ』回避もしくは杖での受け流しで対処
敵攻撃に対処しつつパラドクスを発動
敵を騎乗する馬ごと氷雪の暴風で押し込み或いは『吹き飛ばし』、機動力を潰しつつ仕留めていく
上記が対応されそうなら、優先して馬から攻撃して機動力を削ぐのに専念
その後すかさず『連続魔法』で本体へ攻撃という方針に切り替える
「ディアボロス……! やはり我等の道を阻むか!」
トループス級『祈祷師兵』たちは馬上より前方に現れるディアボロスたちの姿を認識した。
彼女たちにとって今は時の一刻ですら猶予のないものであった。
自分たちが『曹操』の所在を知ること。
そうすれば、後詰めの陣より『曹真』が救援に向かうことができる。
「……まぁ、この危機的状況で傍観に徹するなんざ、する訳ないだろうよ」
光道・翔一(意気薄弱なりし復讐者・g01646)は覇気の薄い表情のまま、しかしその瞳に宿るパラドクスの輝きを示す。
そう、敵がこの状況で動かぬ訳がない。
そして、死にもの狂いであることもまた理解している。
「……諸々の理由でここは行き止まりだ」
「この先にいらっしゃるということか! 幻術兵!」
『祈祷師兵』たちが馬上より次々と幻術に寄って兵士を生み出し、一気に翔一との距離を詰める。
魔法杖と魔術書を手にした翔一が己たちと同じタイプの戦いをする者であると彼女たちは理解したのだろう。迫る幻術兵たちが翔一へと群がり、その手にした槍を突き出す。
魔法杖で受け止め、その強烈なる一撃に翔一が吹き飛ばされる。
けれど、彼の狙いは幻術兵ではなかった。
彼は言ったのだ。
「……ここは通行止めだと言った」
吹き荒れるパラドクスの輝きと共に放たれるのは、氷雪。
その暴風の如き力は馬上にありし『祈祷師兵』たちを打ち据え、その足を止めるのだ。騎馬の嘶きが響き渡り、その身を凍りつかせていく。
そう、此処は、氷雪暴風領域(フローズンハリケーン・エリア)。
この領域にありて氷雪の暴風は術者である翔一の思うがまま。敵の進撃を押し留めるために翔一はパラドクスの輝きを楔として打ち込む。
敵にとっての分水嶺。
それは言うまでもなく己たちの好機。
故に彼女たちの抵抗も理解できる。湧き上がった高揚。されど。
「……頭も身体も心も、纏めていっぺん冷やすんだな」
「一刻も早く突破しなければならないというのに……!」
「大人しく倒れてくれ」
翔一の手繰る吹き荒れる氷雪の暴風が『祈祷師兵』たちの足を止めるのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
無堂・理央
敵も曹操を救わんと必死の覚悟で動いてるね。
これ、一騎たりとも通せないよ。
無双馬『クロフサ』に騎乗して敵を待ち構えるよ。
パラドクスで重装騎兵隊を召喚したら、敵の進路を塞ぐ意味でも正面から突撃させる!
【防衛ライン】で後ろに通さないようにするけど、道が無ければこの残留効果に効果はない。
で、騎兵なら道なき道を駆けてでも目的地に向かうだろうし、ここは速攻の殲滅あるのみ!
幻影とは言えこういう指示を出すのは心苦しいけど、重装騎兵隊には差し違える前提で敵部隊に突っ込ませる!
差し違えでボクがダメージを受けるのも覚悟の上!
小細工無しで騎兵同士の潰し合いと洒落込もうじゃない!
騎兵の花形、重装騎兵の力を存分に味わえ!
吹き荒れる暴風が運ぶ冷気がトループス級『祈祷師兵』たちの足を止める。
しかし、如何にパラドクスの輝きが彼女たちの『曹操』救援の脚を留めるのだとしても、その暴風の最中を生命惜しまずに突撃するように突き進むのだ。
「敵も『曹操』を救わんと必死の覚悟で動いているね」
無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)は黒い毛並みの美しい無双馬『クロフサ』と共に戦場に立つ。
彼女の視線の先には暴風を突破してきた『祈祷師兵』たち。
その瞳がパラドクスに輝き、馬上にて杖を振るう。
「退いてもらおう、ディアボロス! 我等は生命惜しまぬもの! 如何に汝らのパラドクスが我等を留めるのだとしても!」
「これ、一騎たりとも通せないよ」
理央は理解する。
決死の覚悟とは文字通り己たちの生命を擲つ覚悟。
そこに駆け引きなど必要ない。
正しく屍によって血路を開かんとする魏のトループス級たちの行動に彼女は自分たちが抜かれれば、必ずや『曹操』の所在を突き止めるであろう。
「例え道なき道であろうとも!」
「そうだよね……なら! 歴史の果て、時代に埋もれた騎兵達、我が呼び声に応え、この地に影を落とさん。コール!」
彼女のパラドクスが煌めく。
重装騎兵隊召喚(コール・ヘビートルーパーズ)は、重厚なる鎧を纏った重装騎兵の幻影を呼び出す。
彼等は馬上槍を構え、迫る『祈祷師兵』たちへと突撃する。
それは共に決死の覚悟であるがゆえの苛烈なる激突。
轟音にも似た騎馬の激突が起こる。
「心苦しいけど、刺し違える前提だよね!」
「この、程度で、我等を止められると……!」
馬上槍に貫かれながらも、重装騎兵の幻影を生み出す術者とも言うべき理央へと『祈祷師兵』たちが杖を振るう。
彼女の呼吸を見極め、放たれた邪悪なエネルギーが理央の体内に流れ込む。
「ぐっ……! これ……!」
「この一撃が……! 我等の鎹……!『曹操』、様……!」
「痛みは覚悟の上だよ!」
痛みは振り払う。邪悪なエネルギーが自分の身体の中で暴れまわり、狂うように出口を求め、皮膚の下から溢れ出すように血潮を噴出させる。
けれど、それでも理央は止まらなかった。
「小細工なし! 騎兵同士の潰し合いだっていうのなら」
騎兵の花形。
それが己の手繰る重装騎兵たち。
故に理央は躊躇うこと無く『クロフサ』と共に戦場を駆け抜ける。共する幻影の重装騎兵たちの一団と共に、敵の決死の覚悟に楔を打ち込むのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
ユーフェミア・フロンティア
命を懸けて尽くすとは、凄い忠義なんですね。
だからといって、通すわけにはいきませんっ!
ここで、止まっていただきますよ!
騎乗する相手ですから、機動力は上ですから下手に追いかけずに
相手の動くルートの進路上に私がいることができればっ!
駆け抜けてくる相手をみて、怯まずに…
神の炎をしっかりと刀状に具現化してから
すれ違いざまに、神火斬妖剣で焼き斬っていきます。
相手の攻撃や反撃は、後ろに跳ぶことによって風の勢いを少しでも軽減するように動きますね。
例え抜かれても、貴方達と同じで、私達も一人ではありませんから。
なので、ここから先に行くことは難しいと思ってくださいね?
怒号と血潮。
騎馬の嘶きとトループス級『祈祷師兵』たちの叫び。
それらが戦場に吹き荒れるようにして渦巻いていた。それが一つの塊となってディアボロスたちの戦列に飛び込んでいく。
『曹操』との決戦に横槍を入れられぬためにディアボロスたちは彼女たちを押し留める。
しかし、それ以上に『祈祷師兵』たちの士気は高かった。
「我等の生命は魏王『曹操』様のために! 我等が生命一つで『曹操』の生命が永らえるのならば!」
惜しくはないと、その瞳をパラドクスに輝かせ突風を巻き起こす。
その突風の一撃を受けながら、しかして怯むことなくユーフェミア・フロンティア(光彩聖姫・g09068)は彼女たちの迸るような戦意へと立ち向かう。
「生命を懸けて尽くすとは、凄い忠義なんですね」
踏み出す。
手にした杖より神火が迸る。
鬼気迫る表情を浮かべる敵。彼女たちにとって自らの生命は擲つもの。
惜しむことなく、ただ一つの目的のためにディアボロスたちを突破しようとしている。
敵が騎乗しているからではない。その覚悟に寄って生み出される気迫にユーフェミアは一瞬気圧されそうになる。
けれど、己の中にある炎は突風にかき消されることはない。
「だからと言って、通すわけにはいきませんっ! ここで止まっていただきますよ!」
敵は騎乗している。
機動力という点においては己が敵うべくもないだろう。故に彼女は足を止める。
「騎馬を相手に足を止めるなど、愚か!」
ユーフェミアを突風と共に討ち倒さんとした『祈祷師兵』たちを彼女は見上げる。確かにそうかもしれない。けれど、敵は己を打倒しようとした。
それが過ちなのだ。
そして、最大の過ちは。
「例え、私が抜かれても」
踏み出すユーフェミアの手にした杖より迸る神火が刀へと形を変えるように燃え盛る。
「貴女達と同じで、私達も一人ではありませんから」
そう、この場には自分以外のディアボロスたちがいる。戦場にありて共に戦う者たち。
彼等と共に戦うからこそ、力を発揮できるのだと、迸る神火を振りかぶる。
「……なっ!」
「神火斬妖剣(シンカザンヨウケン)!」
振るう一閃が横薙ぎに払われ、『祈祷師兵』たちを一気に切り裂く。
「ここから先に行くことは難しいと思ってくださいね?」
吹き荒れる神火を中心に、ユーフェミアは立ち、手にした神火の刀を振るうのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
一ノ瀬・綾音
相手の士気もかなり高そうだね。
だけどだからと言って止まるわけにはいかない。ここが綾音ちゃん達の正念場なんだから!
相手の騎馬たちの前を塞ぐように、否、騎馬諸共相手を焼き、吹き飛ばすように【Finis mundi Supernova】を配置するよ。まるで罠みたいに。魔力球だから恐らく風で吹き飛ばされる心配もないはず。
相手が機動力を生かしてラインを変える前にぶつけて騎馬ごとぶっ飛ばしていきたい!
なるべくはぐれた敵を狙うよ。今回は1人でも逃してしまうとマズいからね。
大勢に向けて放つ時はYの字に割れてみんな回避してしまうのは何とか避けたい。
ここは断じて通さない。
通してほしいなら綾音ちゃん達を倒すんだね!
伏見・萬
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ有効活用する)
命の張りどころ、って奴か
(一度くたばる前の俺にも、「命の使いどころ」みてェなのはあったんだろうか?…考えても仕方ねェが)
周囲の仲間と声を掛け合い連携して動く
敵の動きを観察し情報共有、敵の退路を塞ぐように立ち位置を調整する
攻撃時は【千の黒翼】使用、呪詛の蝙蝠で敵を喰らっていく
負傷は【ドレイン】で耐える
撃破可能な個体(より多く撃破可能な所優先)>敵が多い所(足止めと牽制)、の順に優先して狙い、手早い殲滅を目指す
幻術だろうが本体だろうが、全部喰っちまえば同じだろう
この呪詛は「一人分」じゃねェんでなァ、そう簡単に尽きたりしねェよ
御髪塚・小織
アドリブ、連携歓迎です。
追い詰められた集団というのは恐ろしいものですね。
常より高まった結束と忠誠心は、団体としての力を高めます。代わりに視野狭窄して、目の前の目的しか見えなくなってしまうのですが、それも脅威となってしまっていますね。
ここで食い止めましょう。
仲間と連携し、タイミングを合わせて攻撃を仕掛けます。
騎乗による機動力を封じませんと。【黒縄天網】を使います。
大地を割って伸びる触手で足場を崩し、乗騎ごと縛り上げ、持ち上げて大地に叩き付けます。駆け抜けようとどこまでも追跡し追い詰めます。
反撃は幻術の様ですね。物理的な回避は困難。カミサマに祈りを捧げ、心を強く持って幻覚を打ち消し耐えます。
ブロス・ブラッドハート
おっ、また会ったことない魏のやつだー!
曹操を守るために色んな蟲将が集まってきて…にしし、でっけー戦いの匂いの匂いがするな〜
前哨戦なんて言わねーよ、お前らの本気におれも本気で応えてーからな
まずは【泥濘の地】でちょっとでも相手の機動力を落としてくぜ
そしたら一気に『ダッシュ』で接近。とーそつを乱すために大暴れしてやる!
馬上の祈祷師兵でも馬体でも、おれと相棒(大剣)の届く範囲にいたらあぶねーぞ!
落馬したりとーそつが取れなくなって浮いた奴から狙っていくぜ
呼吸は見極めさせないように息を止めて……なーんて無理だよな〜。こっちの呼吸とか動きを見極める余裕がなくなるくらい暴れて対抗しよっかな
アドリブ・連携歓迎だ
氷雪の暴風が荒び、幻影の重装騎兵が火花を散らす。
神火の吹き荒れる様は、ディアボロスたちにとって苛烈なる戦場であることの証明のように思えたことだろう。
騎馬を駆るトループス級『祈祷師兵』たちの突進は凄まじかった。
まるで生命を捨てるかのような突撃。
例え、己が生命尽きるのだとしても、己の背より進む者が生きればいいと思っているかのような、死物狂い。
「我等の生命は魏王『曹操』様のために!」
異様なる士気の高さ。
それは魏の存亡がこの一戦にかかっていることを彼女たちが理解していることを示していた。
「相手の士気が高い……!」
一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)はディアボロスたちの防衛の隙間をこじ開けるようにして迫る『祈祷師兵』たちの姿に驚く。
けれど、と綾音は頭を振る。
敵の気迫に飲まれるわけにはいかない。彼女たちにとって分水嶺であるように綾音たちにとっても此処は正念場なのだ。
「にしし、でっけー戦いの匂いがするわけだぜ」
ブロス・ブラッドハート(いっしょのじかん・g03342)は不敵に笑う。
敵が本気であることは言わずもがな。これが大きな戦いの前哨戦であることは言うまでもないだろう。けれどブロスは前哨戦であるとは思わなかった。
多くの蟲将が集まってきている。
彼等が本気であるというのならば、己もまた本気で応えなければならない。
「お前らの本気、おれも本気で応えてやるぜ!」
残留効果を手繰る。
大地をぬかるみに変える残留効果の輝きが馬上にありし『祈祷師兵』たちの足を止める。
「……! こちらの機動力を削ぐつもりか! だが!」
ブロスへと向けられるパラドクスが彼の肉体の内側から炸裂するようにして蠢き、膨れ上がって迸る。
パラドクスの一撃がブロスの身体を内部から破壊するのだ。
けれど、それでもブロスは立ち止まらない。本気で答える、と言ったのだ。ならばこそ、彼は己の相棒たる深紅の等身を持つ長大なる大剣を握りしめる。
「追い詰められた集団というのは恐ろしいものですね」
御髪塚・小織(オングシさまの使い・g08859)は己の生命を省みずにディアボロスたちを突破しようとする『祈祷師兵」たちの姿に息を呑む。
常より魏において『曹操』への忠義は高いのだろう。
そして高まった結束は個としての力は群としての力へと昇華させる。その力強さは言うまでもないだろう。
「生命の張りどころ、って奴か」
伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)は息を吐き出す。
幽鬼じみた男は、『祈祷師兵』たちの鬼気迫る形相を見据える。
彼はリターナー。死した後に蘇ったもの。そして、復讐の炎を胸に灯すもの。
そんな彼にとって、一度目の生は如何なるものであったかは知らぬこと。『生命の使い所』というものが己にもあったのかもしれないと頭の片隅で考えてしまう。
だが、考えても仕方のないことだと息を吐き出す。
「仕方がねェのなら……やるこたぁ一つだよな」
「ええ、敵は視野狭窄。眼の前の目的しか見えなくなっています」
だが、それゆえに脅威でもあると小織は理解している。
脇目も振らず邁進する者たちの突進力は凄まじい。
「まずは」
「ええ、騎馬の機動力を封じます」
黒縄天網(コクジョウテンモウ)たるパラドクスの輝きと共に大地を砕きながら黒い触手が騎馬ごと『祈祷師兵』たちを掴み上げる。
「パラドクス……! ですが、幻術兵!」
触手に絡め取られながらも『祈祷師兵』たちは無数の幻術兵たちを召喚し、小織へと走らせる。同時に掴み上げた騎馬ごと『祈祷師兵』を大地に叩きつけ、小織は一撃を受け止める。
痛みは確かに身体を傷つけるもの。
けれど、痛みで心が折れるものではない。
己の奉じるカミサマに祈りを捧げ、心を強く持つ。そして、耐えることができたのならば、必ずや共に戦場に立つディアボロスたちが敵を討つ。
「幻術だろうが本体だろうが、全部喰っちまえば同じだろう」
萬の瞳がパラドクスに輝く。
迫る幻術兵たちの突き出す槍の穂先は鋭い。痛みが恐ろしいのではない。あらゆるものを奪われた。
記憶も生命も。
何もかも奪われたという虚の中にこそ燃える炎があるのを自覚するからこそ、千の黒翼(ヴェンジェンス)は羽撃く。
彼のパラドクスによって生み出された己が宿す呪詛と、かつて喰らったモノの怨嗟とが黒い靄より蝙蝠たちを解き放つ。吹き荒れる旋風のように幻術兵たちごと『祈祷師兵』たちを飲み込んでいく。
「……見境がないというのか!」
「この呪詛は『一人分』じゃねェんでなァ」
呪詛と怨嗟の蝙蝠たちが戦場を分断するように染め上げていく。
だが、即座に騎馬に乗る『祈祷師兵』たちは泥濘の大地を迂回してディアボロスたちを躱そうとするだろう。
「そう動くよね、やっぱり!」
そこに綾音とブロスが分かれて飛び込む。
小織が敵を引き付け、萬が敵の群にくさびを打ち込む。
そうすれば、泥濘の地とディアボロスの攻勢を避けようとして『祈祷師兵』たちは二手に分かれるだろう。そうしてディアボロスたちを挟撃するつもりだったのだ。
それをディアボロスたちは読んでいた。騎馬という機動力に優れているからこその戦法。
「ああ、そうなりゃ、急速上昇からのぉぉ強襲だぁー!!」
ブロスが地を滑るようにして翼を広げ、『祈祷師兵』たちに飛び込んでいく。
掲げた大剣の深紅の刀身がパラドクスに煌めき、その一角竜の顎(イッカクリュウノアギト)は敵を突き上げ、さらに続く二連撃でもって『祈祷師兵』の身体を大地に叩きつける。
砕ける大地と『祈祷師兵』。
その最中、綾音のパラドクスが膨大かつ濃密なる魔力を集約させた球体を掲げる。
超新星か太陽か。
いずれかを思わせるほどに圧倒的な魔力の輝きを綾音は迫る『祈祷師兵』たちへと叩きつける。
「ここは断じて通さない。通してほしいなら綾音ちゃん達を倒すんだね!」
Finis mundi Supernova(フィーニス・ムンディ・スーパーノヴァ)。
それは凄まじい爆発の輝き。
不安定な魔力は的に触れた瞬間に炸裂するようにして迸る。その爆風が遊ぶ中、綾音は見ただろう。
敵がそれでもなお突進をやめないことを。
一つ覚え、とも言えるだろう。けれど、それはこちらの士気を削ぎ落とす気迫そのものだった。けれど、綾音は頭を振る。
此処が正念場なのだ。
「なら、綾音ちゃん達は! ここで君たちを止める!」
「そこを……退け、ディアボロス!『曹操』様の元に!!」
だが、その言葉は届かない。
振るわれる深紅の大剣が彼女たちの道行きの全てを喰らう顎のように振るわれ、吹き飛ばしていく。
「おれと相棒の届く範囲にいたらあぶねーぞ! 全部喰っちまうんだからな!」
ブロスの大剣が吹き荒れるようにして敵陣を突き崩し、さらにそれを追うようにして小織の放つパラドクスの触手が大地を割りながら『祈祷師兵』たちを捉える。
「やはり視野狭窄。邁進することの力強さはあれど、一度崩れてしまえば」
「さらに亀裂を走らせるってェのは、できねぇわけじゃあェ……そう簡単に尽きたりしねェよ」
萬の放つ蝙蝠たちがすぐさま、『祈祷師兵』たちを飲み込んでいく。
綾音は己のパラドクスの輝きを掲げ、示す。
「この一戦が『曹操』を討つ楔になるんだから!」
吹き荒れるパラドクスの輝きと爆発。
その戦いの苛烈さは、さらに加速し、蟲将とディアボロス両者の流す血潮によってどちらかが倒れ尽きるまで続くことを示すようだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【コウモリ変身】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
無堂・理央
残りは指揮官だけ!
速攻で終わらせるよ!
引き続き無双馬『クロフサ』に騎乗して戦うよ。
パラドクスで破邪の炎をランスに宿したら、ランスを構えて騎兵突撃!いっくぞー!!
敵の攻撃は鱗粉飛ばしてからの爆発?
上等!それなら目眩ましも兼ねて破邪の炎で敵が着火するよりも先に鱗粉を爆発させちゃうよ!
爆発のど真ん中を突っ切って、燃えるランスを敵の身体に叩き込む!
曹操決戦はここ一番の大勝負!支援作戦でもいや支援作戦だからこそ負傷を覚悟して突っ込んでく!
白馬からの兵は誰一人たりとも陳留へは通さない!
魏も!あんたも!ここで燃え尽きろ!
ディアボロスたちの攻勢によってトループス級は蹴散らされた。
しかし、それでもなお兵は残っている。アヴァタール級、疎まれた淡き天女『甄夫人』は己に出来ることに智慧を巡らせる。
己に王佐の才の如き知謀はない。
及ぶべくもない。
しかしながら、彼女は己の中にある智謀でもってディアボロスたちと対峙する。
「ディアボロスがここまで苛烈に攻勢に出るということは、やはり此処に『曹操』様がいらっしゃるということ! ならば、皆、奮起するのです!」
確信はない。
けれど、味方の兵の一人でも『曹操』の正確な所在を知ることができたのならば、『曹真』は必ずや救援を『曹操』の元へと走らせるだろう。
「良い指揮官……! けど速攻で終わらせるよ!」
無双馬『クロフサ』が黒い稲妻のように戦場を駆け抜ける。手にした大型突撃槍に邪を滅する炎を宿しながら一直線に『甄夫人』へと迫るのだ。
大気中に巡るエネルギーを肺に取り込み、体中に行き渡らせる。
それこそが無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)のパラドクス。
その輝きに『甄夫人』の翅が羽ばたき、綺羅びやかなる鱗粉を噴出させる。その鱗粉が空気中で摩擦を起こした瞬間、一気に爆ぜるようにしてパラドクスが理央へと迫るのだ。
「上等!」
「爆発の中を突っ切ってきますか、ディアボロス! 我が身は惜しくないと!」
構わず理央と『クロフサ』は走り抜ける。
パラドクスの爆発は確かに彼女たちの身体を打つ。
しかし、それ以上に己の中に灯る感情が爆発するのだ。取り込んだ大気のエネルギーを己の胸の内にあるであろうディアボロスとしての復讐でもって燃やす。
破邪灼滅撃(ハジャシャクメツゲキ)の一撃が『甄夫人』の身体へと叩き込まれる。
邪を滅する炎は、突撃槍の切っ先から迸り、鱗粉すらも貫いて身を守らんとした『甄夫人』の翅を貫く。
「白馬からの兵は誰一人とも陳留へは通さない! 魏も! あんたも! ここで燃えつきろ!」
理央の咆哮が迸る。
漲る炎の穂先と共に、押し込まれる一撃が『甄夫人』の身体を穿つのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【エイティーン】LV1が発生!
効果2【リザレクション】がLV2になった!
ユーフェミア・フロンティア
指揮官さんが来ましたね。
狙いは、突破でしょうからどう立ち回るかですね。
速度勝負は分が悪いですから、ここはチャンスをしっかり手にしないとですね。
聖杖を両手で持って、精神集中して動きをしっかり見ます。
相手が私の射線上に入りそうな時に、泥濘の地で敵の足元を動きにくくしましょうか。
速度自体はそこまで変わらなくても、一瞬緩まっただけで十分です。
全力魔法の神火収束砲で焼き払わせてもらいますっ!
神の炎で悪意の浄化を…
弱点なんて、近接戦に弱いとか機動力がないとか無いものばかりですよ。
だからこそ、慎重に立ち回っているのですからっ!
近接の攻撃は、聖杖で打ち払ってダメージを抑えようと試みますね
騎乗するアヴァタール級、疎まれた淡き天女『甄夫人』は炎の切っ先を受けて、その身を穿たれた。
溢れるはずだった血潮は炎によって焼き付くようにして彼女の身体を汚す。
淡き天女の如き容姿はすでに損なわれているようだった。
しかし、才女としての彼女は未だ死なず。魏のため。『曹操』のためにこそ奔走するが己の役目と心得ている。
「ディアボロスの壁を如何にしても突破しなさい! 我等の何れかが『曹操』の元にたどり着ければ!」
それでいいのだと『甄夫人』は残った兵たちを鼓舞する。
確かに騎馬に騎乗している以上、彼等の速度は侮りがたい。
故にディアボロスたちは、ここで彼等を迎え撃っていたのだ。
「やはり狙いは一点突破……!」
ユーフェミア・フロンティア(光彩聖姫・g09068)は指揮官であるアヴァタール級を討つのならば、今を於いてほかはないと知る。
先行したディアボロスの一撃。
その一撃を受けた『甄夫人』の身体には傷跡が残っている。確かに強大なクロノヴェーダであるが、倒せないわけではない。
戦場を泥濘んだ大地へと変える残留効果を手繰り寄せ、ユーフェミアは見据える。
自身ができること。
速度で張り合うことは意味がない。敵に利するだけだ。
ならば、どうするか。
手にした聖杖を握りしめる。
一点を見据える。動き回ることができないのならば、己の射線に敵が入った瞬間に全てを懸けるのだ。
「やはりこの泥濘はディアボロスの策……こちらの動きを止めて、あくまでも『曹操』の元へと私達を向かわせないのなら」
ここでディアボロスを滅ぼす、と『甄夫人』は叫ぶ。
『曹操』の元に己が向かわずとも良い。
後に控える『曹真』がきっと為してくれる。己は鎹。ならばこそ、身を惜しむ理由などない。
ディアボロスの一人を多くでも道連れにするまででである。
「此処が生命の捨てどころというもの!」
「私を見た……! 自分の生命も大切にできないというのなら、それはきっと悪意というものです。ならばこそ神の炎で悪意の浄化を……!」
ユーフェミアの瞳がパラドクスに輝く。
身の内側に湧き上がる魔力が、平和を求める心と合わさり浄化の炎となって吹き荒れる。
それは神火収束砲(シンカシュウソクホウ)。
解き放たれたユーフェミアの一撃が『甄夫人』の身を覆う翅ごと吹き飛ばすようにして打ち据え、そのすさまじい炎の煌めきでもって戦場に此れより一歩も先に進ませないと示すように迸るのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
御髪塚・小織
アドリブ、連携歓迎です。
大半は抑えましたが、残る一人が要ですね。
指揮と鼓舞に長ける彼女を曹操が手に入れれば、軍としての強化は図りしれません。何としても食い止めませんと。
仲間と連携して突破阻止の陣形を組みます。
機動力を奪わねばなりませんね。髪の毛を伸ばし、敵を騎馬ごと包み込む様に縛り「捕縛」。馬の走りを遅らせ、仲間の攻撃に繋ぎます。
天に「祈り」を捧げ、戦乱を招く暴虐への天罰を招き、髪を通して敵へと注ぎ込みます。カミサマは御嘆きですよ。
反撃はかわすのではなく、髪を操り硬化させ【ガードアップ】させた盾で受け止め耐えます。彼女の目的が突破で私の目的が封鎖である以上、身を挺して食い止めます。
騎乗して白馬より現れた救援部隊である蟲将たち。
彼等の行く手を阻むのはディアボロスたちだった。彼等の進撃は騎馬によって裏付けられている。同時に、それは魏という蟲将の国にとっての火急の出来事であることがうかがえるだろう。
今もなお、ディアボロスたちは魏王『曹操』を打ち倒すための決戦に挑んでいるはずだ。
「横やりを入れぬためには、貴方達を此処で止めることが肝要」
大半のトループス級は抑えたが、未だ敵の救援部隊は残っている。
ディアボロスたちを抑え、『曹操』の元に彼等を向かわせてしまえば、後に詰めている『曹真』の部隊が決戦の場へと雪崩こんでしまうだろう。
そうなれば、決戦に挑むディアボロス達の戦いは無駄になってしまう。
御髪塚・小織(オングシさまの使い・g08859)はそれをさせぬためにこそ、アヴァタール級、疎まれた淡き天女『甄夫人』へと戦いを挑むのだ。
「貴女が要……指揮と鼓舞に長ける貴女を『曹操』のもとに向かわせれば、軍としての強化は計り知れません」
「私のことを買ってくださっているようですが、今の私はただの駒の一つ。『曹操』様をお助けするためには!」
小織のパラドクスが煌めき、浄戒黒髪(キヨメサトスコクハツ)が走る。
騎馬に騎乗していた彼女を、その脚ごと絡め取るつもりなのだ。だが、その黒髪の一撃を『甄夫人』は舞踏の如きステップを踏んで駆け抜け、小織の元へと走り込むのだ。
騎乗していながら舞踏を攻撃に組み込む。
小織はやはり己が買いかぶっていたわけではないことを理解する。
才女。
それが『甄夫人』の名を持つ蟲将の性質であるというのならば小織は己が此処で彼女を止めなければならないと理解する。
振り乱すようにして黒髪を振るい、その一撃を『甄夫人』へと届かせる。腕に絡みつく黒髪は、がくりと彼女の身体を騎馬の上で傾けさせる。
「カミサマは御嘆きですよ」
「何を……!」
「身を挺することは献身と捉えられましょう。その力の凄まじさは言うまでもありません。ですが」
度を越した生命を擲つような献身は、どのような生命であったとしても喜ばれるべきものではないのだと。
盲信とも言うべきものなのだ。
振り上げられる騎馬の前脚が小織へと叩きつけられる。その衝撃は大地を割るほどであったが、しかして小織は己の硬質化させた神で受け止め、耐え抜く。
「私が此処で耐えるのならば」
必ずや結実するものがあると彼女は知るのだ。
成功🔵🔵🔴
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
伏見・萬
(連携アドリブ歓迎・残留効果はできるだけ有効活用する)
さァて、てめェだけ逃げられるとは思ってねぇだろ
残さず喰ってやるよ
周囲の仲間と声を掛け合い、連携と情報共有を行う
敵の動きを観察、戦場を離脱しようとする動きには特に注意し
退路を塞ぐように動きと立ち位置を調整する
【黒獣の死の記憶】で攻撃
呪詛の獣を呼び出す際に、わざと少し隙を見せる
相手がそこを突きに向かってくるなら、呪詛の獣でそのまま飲み込む
負傷は気にせず攻撃を優先、なるべく手早く、確実に仕留める
てめェは、死んだ事はあるか
暗く冷たいあの場所を、知ってるか
…知らなくても構わねェ、これから嫌でも、いくらでもわかるからなァ
「こ、の……! あくまで私達の道を阻みますか!」
アヴァタール級、疎まれた淡き天女『甄夫人』はなおも己たちに縋り付くようにして道を阻むディアボロスたちの攻勢に焦りを感じていた。
騎馬を以て駆け抜ける。
それが彼女たちのアドバンテージであった。
けれど、それを潰されなおかつ『曹操』の所在を知ることさえ出来ていない。この先にこそディアボロスたちに囲われた『曹操』が存在しているはずなのだ。
「てめェだけ逃げられると思ってねェだろ」
「無論。ですが」
「ああ、そうだろうな。かと言って、てめェが此処で立ち止まるとも思ってはいねェよ」
伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)は黒髪によって阻まれた馬上にありし『甄夫人』を見上げ、相対する。
彼女を往かせてはならない。
ただ一人の蟲将たりとて『曹操』へとたどり着かせてはならない。それによって『曹真』が救援に駆けつけてしまえば、決戦に臨むディアボロスたちの戦いは結実しないからだ。
退路を断つように萬は立ち塞がる。
煌めくパラドクス。
如何に敵のパラドクスが己の弱点を見つけ出すものであったとしても、萬は一歩も退く気はなかった。
眼の前のクロノヴェーダを滅ぼす。
ただそれだけのために、彼は己の中にある黒獣の死の記憶(ブラックアウト)を呼び起こす。
それはいと黒き記憶。
呪詛にして死の感触。
湧き上がる冷たく黒い感触は、萬の心を染め上げると同時に迫る『甄夫人』へと叩き込まれる。鱗粉の爆発も、騎馬の前脚が跳ね上がり、己の頭蓋を叩き潰さんとしていたとしても。
それでも萬は躊躇うことなく前に進む。
「てめェは、死んだことはあるか」
「……何を」
「暗く冷たいあの場所を、知ってるか」
呟く言葉に意味はあっただろうか。如何にして言葉を紡ぐ必要があったのかさえわからぬ獣となり、萬は咆哮する。
知らなくても構わない。
なぜなら。
これから嫌でも、いくらでもわかるのだと迸る呪詛の獣の咆哮と共に萬の一撃が『甄夫人』へと叩き込まれる。
一度の目の死。
それでも己が此処に在る、という実感を得るためだけに萬は、戦う。
それだけがディアボロスとして己の胸に宿る復讐の炎。
故に、漲る感情と共に、その黒き呪詛を叩きつけるのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
一ノ瀬・綾音
まだまだ、こんなものじゃ終わらないよ!
指揮官の君だって逃がすわけにはいかないから!
泥濘の地で騎馬の機動力を落としつつ、仲間との陣形を意識しながらの防衛ラインで曹操に合流しようとするのを妨げる。
そのうえで先手必勝を試みる、全力魔法の『厄災の星光』だ!
相手が何かに気づこうがもう遅い、拙速は巧遅に勝る!
曹操のもとへはなんとしても行かせない、綾音ちゃんの全力の魔法、その身で喰らうといい!
もしそれでも反撃が来そうなら致命になるところだけはウィザードロッドで防御するよ。
黒き呪詛の獣の一撃を受けてアヴァタール級、疎まれた淡き天女『甄夫人』の身体が傾ぐ。
馬上にありて、それでも落馬しなかったことは褒められたことであったのかもしれない。けれど、彼女はそれを誇ることはしなかった。
己が主、魏王の元に駆けつけることのできぬ脚の何処に誇るべきところがあるのかと彼女は思っていた。
血反吐を吐き散らしながらも、それでも彼女の意識は刈り取られなかった。
「走りなさい、ただの一騎と成り果てようとも! それでもディアボロスの囲いを食い破り、『曹操』様の所在を!」
『曹真』に知らしめなければならない。
そのために生命は惜しくはない。
己の生命は魏のために。
そのためだけに擲つべきものなのだ。人は、人こそが国であるという。だが、蟲将たちにとって魏王『曹操』こそが魏という国そのもの。
趨勢が決定づけられたわけでないというのならば。
「まだまだ、こんなものじゃ終わらないよ! 指揮官の君だって、そうだろうからね!」
一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)のパラドクスが煌めく。
例え、一人のディアボロスが突破されたのだとしても、後に詰める者達が居る。綾音もその一人だった。
敵の機動力を削ぎ落としつつ、仲間との連携を、陣形を意識しながら、自分たちを突破せんとする『甄夫人』麾下の騎馬兵力を押し留め続ける。
「焦熱の炎、極寒の氷、激流の水、烈震の土、浄化の光、堕落の闇……」
迸る魔力。
彼女の掲げた掌が前に向けられた瞬間、六芒星が輝く。
その頂点の一つ一つに漲る属性の魔力が灯されていくのだ。
「……属性魔法!」
「もう遅い、拙速は巧遅に勝る!」
パラドクスが煌めく。
『甄夫人』のパラドクスは才女であるが所以。敵の動きを見据え弱点を見つけ出すもの。けれど、それは先手を譲るものであった。
故に綾音の『厄災の星光』(レディアント・アステル・ディザスター)は、その弱点すらも塗りつぶすように輝く。
「『曹操』の元へはなんとしても行かせない! 彼の者を滅する極光となれ!」
咆哮するように六芒星が輝く。
不安定な魔力が行き場をなくして戦場を埋め尽くすように光となって迸る。
その一撃を前に『甄夫人』は何を見出しただろうか。
「……躱すことが能わぬというのなら!」
「綾音ちゃんの全力の魔法、その身で喰らうといい!」
放たれた光条の一撃を真正面から翅で受け止め『甄夫人』は、己が身を焼かれながらもさらに突き進むのだった。
成功🔵🔵🔴
効果1【クリーニング】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
ブロス・ブラッドハート
夫人ってことは、誰かの奥さんだったりかーちゃんってことか?
んんーー…んぁー…。いや!誰かを守りたくて戦場に立つなら男も女も子供だって関係ねーよな
おれもお前も自分の目的のために戦ってんだ。手はぬかねーし、誰かを守りたいって気持ちバカにもしねーよ
馬がいくら速くたって風ほどじゃねーだろ!
【泥濘の地】が広がる地面をよく見て、暴風を巻き起こすぜっ
まずはその馬から降りてもらおーじゃんか!
爆発する鱗粉は風で吹き散らせるかためす
あとは【完全視界】で鱗粉に目を眩まされないようにして、その量が薄い方に飛び込んでくぜ
アドリブ・連携歓迎だー
藺草・風水
即興連携、アドリブ歓迎
「残念だけど、キミのご主人の下にはいかせないの!」
ジェネラル級を倒すべく、その妨害をせんとする目の前の敵を倒す為に全力を尽くす
「まず足を潰させてもらうの」
【泥濘の地】と【防衛ライン】でこの戦闘での騎乗生物の足と曹操への合流、両方の意味での足止めを行う
「容赦なくその体、バラさせてもらうの!」
古式万能鍵につけた天晶付剣を主軸にした【天骸銃刃】による突撃斬撃で可能な範囲で背中の羽を切り飛ばすように解体する
敵の反撃には切り飛ばした羽の破壊とダッシュ回避で対応
光道・翔一
連携、アドリブ歓迎
…残りは指揮官一体。当然てめーもここで行き止まりだ。
戦闘中は【泥濘の地】で敵の機動力を落としつつ、万一の逃走やその際の目くらましには【完全視界】を活用し絶対に逃がさないよう備える
パラドクスを発動し大量の水分を生成
見るからにこれを使い質量攻撃を仕掛けんとする様子を装い、実際最初はこれを使って敵を押し潰すように操る
これに対し敵が有効手段を見出し反撃に転じようとしたその時を狙い、『不意打ち』でそれまで流水だったものを圧縮した水弾や高圧水流に転じさせ攻撃
水分を丸ごと消し飛ばす対策を取られたら即座に『連続魔法』で水分を補充し同様に攻撃
討ち取る際は必ず此方の目の届く範囲での撃破を心掛ける
十野・樞
アドリブ連携歓迎
曹操は嫌いじゃねえさ
「短歌行」を肴にしつつ呑む酒はなかなかのもんだ
だからこそ、その名を奪ったやつを野放しには出来ねえ
曹操を巡る逸話は本当の曹操に還すべきだろうよ
【泥濘の地】で騎馬の機動力を削ぎ
【完全視界】で己の視界は確保しつつ【風使い】【砂使い】で砂塵を巻き上げ敵視界を妨害し命中精度低下を試みる
【高速詠唱】で叶う限り先手を取り敵が反応できぬ間に畳み掛ける
才女との手の内の読み合いか
そちらは天才の閃きだが
此方は天才には満たずだが夢を諦め切れなかったものたちの積み重ね
血脈伝承した知識とそれが無数のエラーを排除して算出する最適解だ
自分への反動は度外視し【捨て身の一撃】【全力魔法】で攻撃
戦場を埋め尽くすかのような魔力の光が迸り、アヴァタール級、疎まれた淡き天女『甄夫人』の翅を灼く。
馬上にてのけぞるようにしながら、己の身を焼く魔力の光に耐えきった彼女は血反吐を撒き散らしながらも身を起こす。がくりと騎馬が膝を折り、彼女の身体が馬の背にて倒れ込む。
震える手がそれでもなお身を起こそうとしているのは、この戦いに魏の趨勢がかかっているからであろう。
魏王である『曹操』を失えば、彼女たちは敗残となる。
敗残者が如何なる運命を辿るかなど有史以来、言明するまでもない凄惨。
故に彼女は、己の身を賭してでも『曹操』を救援するためにディアボロスを蹴散らさなければならないのだ。
「ガハッ……ディアボロス……確かに手強いと言えるでしょう。ですが、その数は私達に劣る、ならば!」
騎馬の速度を活かして翻弄するしかない。
彼女が今ディアボロスに勝る点は、その一点だけなのだ。
そして、己たちの一騎でも多くディアボロスたちの囲いを突破させなければならない。ならば、自身が囮と成り果ててても構わない。
すでに己の身は捨てたようなものなのだから。
「残念だけど、キミのご主人の下にはいかせないの!」
藺草・風水(天使喰らいの重ガンナー・g00346)が飛び込む。
どこまでも湧き出すようにして現れるディアボロスたちに『甄夫人』は歯噛みする。敵の数は確かに己たちよりも少ない。けれど、彼等は個で群れるようにして数珠つなぎで自分たちの前に現れては打撃を打ち込んでいくのだ。
軍としてではない。
なのに、ここまで自分たちが追い込まれているという状況をこそ『甄夫人』は顧みる。
「まずは脚を潰させてもらうの」
泥濘の地は残留効果を手繰り寄せる事によって発生し、風水は『甄夫人』の騎馬の脚を泥濘へと叩き落とすのだ。
「てめーもここで行き止まりだ」
大気中に存在する水分をかき集めるパラドクス、集水魔法(ウォーター・キャプチャー)の輝きと共に光道・翔一(意気薄弱なりし復讐者・g01646)が『甄夫人』の眼前に飛び込む。
集められた大量の水分は、『甄夫人』にとって己に叩きつけるための砲弾のように思えたことだろう。
事実、翔一のパラドクスは彼女をそのようにして襲う。
叩き込まれる水の塊に彼女は歯を食いしばって耐える。
「……誰が! 私は、必ずや『曹操』様の元に……!」
痛みが走る身体に鞭打ちながら、しかして彼女は騎馬と共に泥濘を抜ける。確かにディアボロスの攻勢は数珠つなぎであり、一つ突破しても、すぐにまた別のディアボロスが遅いくる。
ならばこそ、この状況を利用しない手はない。
あくまで彼等は連携をしていているのではない。自らの好きを見定め、そこに付け込んできているのだ。
「ならば!」
翅が羽ばたき、鱗粉が戦場に満ちる。
摩擦に寄って引き起こされた大爆発が翔一のパラドクスの水すら吹き飛ばし、更に迫るディアボロスさえも牽制するように満ちていく。
その最中を、十野・樞(division by zero・g03155)とブロス・ブラッドハート(竜孺子・g03342)が駆け抜ける。
「『曹操』は嫌いじゃねえさ。『短歌行』を肴にしつつ呑む酒はなかなかのもんだ」
しかし、それは史実の『曹操』の為したことである。
名を奪ったクロノヴェーダ、蟲将たる『曹操』ではない。
故に野放しは出来ないのだと、彼のパラドクスが煌めく。高速詠唱によって紡がれる言葉は、歌声のようにさえ戦場に響き渡る。
「Veritas liberabit vos.(ウェーリタース・リーベラービト・ウォース)」
真理を開放するかの如く煌めくパラオドクスは、才女たる『甄夫人』の閃きを否定する。
確かに此方が先手を取ることが出来るメリットは大きい。あくまで彼女のパラドクスは後出し。ディアボロスの行動やパラドクスから弱点を読み取る力。
それは手の内の読み合いのようでもあったし、同時に彼女の強さの根源でもあったのだろう。
「天才の閃きか」
「智慧あるものならば、遅れを取り戻すことなど容易。故に!」
「ああ、確かにそうだろうな。此方は天才に満たず。だが夢を諦めきれなかった者達の積み重ね」
樞はひとの歴史の中で、そうして生まれてきたものを知っている。
世界の真理を詳らかにしてきたからこそ、得てきたものが在るとしるからこそ、彼のパラドクスは知識と無数の失敗を糧にし、あらゆる不確定要素を排除して得た最適解。
故に炸裂する鱗粉の爆発を反射し、その爆発でこそ『甄夫人』を包み込むのだ。
「私の、鱗粉を跳ね返す
……!?」
爆発に巻き込まれながら『甄夫人』は呻く。
穿たれた身体が悲鳴を上げる。打ち据えられた肉体が軋む。
騎馬は疲弊し、脚を潰される。
痛みに喘ぐ『甄夫人』を見やり、ブロスは呻く。
どうしたって、これは、と思うのだ。『甄夫人』の誇り高さを彼は知る。己の生命をなげうち、己以外の誰かを守らんとする女性の強さをブロスは見せつけられたのだ。
だが、と思う。
「誰かを守りたくて、戦場に立つなら男も女も子供だって関係ねーよな」
「そのとおりです、童よ。しかして戦場にたつ兵よ。手心など不要。それとも私を愚かと嘲りますか」
「おれもお前も自分の目的のために戦ってんだ。そうだよな、誰かを守りたいって気持ち、バカにできねーよ」
故に飛び込む。
風水の瞳がパラドクスに煌めき、爆発が撒き起こる戦場にあって突き進む標となる。
「容赦なくその体、バラさせてもらうの!」
手にしたショットガンに取り付けられた大天使の亡骸を用いて作られた剣が迸る。
天骸銃刃(テンガイジュウジン)たる斬撃が『甄夫人』の翅を切り裂き、その爆発引き起こす鱗粉の下を断ち切る。しかし、最後の足掻きか、再び鱗粉が戦場に満ちていく。
「させは、しません!」
「爆発……! でも、もう一撃! ぶった斬るの!」
水晶の刃が煌めき、鱗粉舞う最中に風水の一撃が『甄夫人』の身を切り裂く。血潮が爆発の最中に荒び、風水の身体を吹き飛ばす。
その身体を受け止めるのは、翔一が生み出した水の魔法。
「水分の補充に手間取った……だが!」
時間は十分にあったのだと翔一のパラドクスが煌めく。
爆発は周囲を巻き込む凄まじいものだった。けれど、翔一には見えている。
ディアボロスたちが紡いできた戦いの軌跡を。
その戦場に残された輝きを。
手繰り寄せる残留効果は楔。故に、見ただろう。天に集まった水球より走る弾丸の如きパラドクスの一撃が『甄夫人』の身体を貫いたのを。
そして。
「まだ……!『曹操』、様!」
「俺達にとって、あれは『曹操』じゃあない。『曹操』を巡る逸話は、本当の『曹操』に還すべきだろう」
樞の静かなる呟きが鱗粉舞う戦場を切り裂くようにしてパラドクスの輝きを解き放つ。
樞が放つ鱗粉切り裂く輝きを道にしてブロスが駆け抜ける。
風水によって騎馬は足を止め、潰れた。
翔一の水が爆風荒ぶ中、『甄夫人』を留めた。
「……鱗粉よ!」
吹き荒れるパラドクス。
だが、それは目くらましにもならない。
爆発が如何にブロスの身を撃ち、視界を塞ぐのだとしても。
それでも彼には見えていいる。
「お前が守ろうとしたものが間違いだとはいわねーよ! だけど!」
竜風砲(カザホエ)が迸る。
鱗粉も爆発も、戦場に満ちる血潮の匂いも。
何もかもが羽撃く竜翼は、耳をつんざく風となり、嵐へと変貌して『甄夫人』へと迫る。
「私は……私は、今度こそ……、全てを懸けて!」
守ろうとしたのだ。だが、戦場にあって、変わらぬものがある。
生命の生き死に、想いは関与しない。
ただ、結末が在るのみ。
誰だって己ではない誰かを守ろうとしたであろう。それは国であったかもしれないし、信念であったかもしれない。我が親であったかもしれないし、我が子であったかもしれない。
けれど、ディアボロスたちは知っているだろう。
奪われたのは己達だ。
故に、戦場にありて思うことは唯一つ。
「轟け、風の声! お前が誰かを守りたいと思ったことは忘れねーよ!」
互いに相容れずとも、抱く思いは同じであったと。
そして、その風は『甄夫人』の身体を打ちのめし、水仙の花弁を思わせる翅を散らすのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【動物の友】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【ドレイン】がLV4になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!